JP2008093587A - 船舶バラスト水の処理装置の制御システム - Google Patents

船舶バラスト水の処理装置の制御システム Download PDF

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Ryoichi Miyanabe
僚一 宮鍋
Izumi Onishi
泉 大西
Shuji Ueki
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Kenichi Honda
健一 本田
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Abstract

【課題】オゾン分解塔を2重に保護した船舶バラスト水の処理装置の制御システムを提供する。
【解決手段】船舶内に設置されたバラスト水処理装置の制御システムにおいて、バラストポンプ4により移送されるバラスト水中にオゾン発生装置5によって生成されたオゾンを混入させるオゾン混合装置7と、前記オゾン混合装置で混入されたオゾンのうちの余剰のオゾンを分離するためのオゾン分離タンク9と、分離されたオゾンを分解するオゾン分解塔10を有し、且つ前記オゾン分離タンクにハイレベル液面計91と該オゾン分離タンクからオゾン分解塔に至る配管に開閉弁93を有し、該ハイレベル液面計が液面を検知したら該開閉弁を閉じる制御を行う制御部を有しており、更に前記オゾン分離タンクにハイ−ハイレベル液面計94と該オゾン分解塔に至る配管に開閉弁95を有し、前記制御部は該ハイ−ハイレベル液面計が液面を検知したら該開閉弁を閉じる制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、船舶バラスト水の処理装置の制御システムに関し、詳しくは、オゾン分解塔を二重に保護して船舶の航行上支障を生じさせない船舶バラスト水の処理装置の制御システムに関する。
原油やコンテナ等を輸送する貨物用船舶には、航行時の船体の安定性を保つためにバラストタンクが設けられている。通常、原油等が積載されていないときには、バラストタンク内をバラスト水で満たし、原油やコンテナ等を積み込む際にバラスト水を排出することにより、船体の浮力を調整し、船体を安定化させている。
このようにバラスト水は、船舶の安全な航行のために必要な水であり、通常、荷役を行う港湾の海水が利用される。その量は、世界的にみると年間30〜40億トンと推計されている。
ところで、バラスト水中には、それを取水した港湾に生息する水生生物が混入しており、船舶の移動に伴い、これら水生生物が同時に異国に運ばれることになる。
従って、もともとその海域には生息していなかった生物種が、既存生物種に取って代わるといった生態系の破壊が深刻化している。
このような背景の中、国際海事機関(IMO)の外交会議において、船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための条約(以下、条約という)が採択され、バラスト水処理装置を用いたバラスト水管理の実施義務が2009年以降の建造船から適用される予定となっている。
また、条約によりバラスト水の排出基準は、以下の表1に示すように定められている。
以上のような背景から、上記のような問題を解決できるバラスト水の処理技術の開発が急務となっている。
従来、プランクトン等の微生物を含む水を物理的に処理する手法としては、バラスト水に対してオゾンガスを注入することにより、バラスト水中の微生物を殺菌あるいは除菌する技術が特許文献1に開示されている。
また、水生生物が含まれた水を高圧のポンプによりスリット板に通過させ、水生生物を機械的に破壊して殺滅する技術が特許文献2に開示されている。
しかし、いずれにも実際の船舶に如何に搭載してバラスト水を処理するかについての具体的な開示はない。
特開2004−160437号公報 特開2003−200156号公報 特開2003−305348号公報
本発明者は、既設の船舶バラスト水処理装置を設置する際に、船舶特有の課題があることがわかった。バラスト水処理装置として、バラストポンプにより移送されるバラスト水中にオゾン発生装置によって生成されたオゾンを混入させるオゾン混合装置と、前記オゾン混合装置で混入されたオゾンのうちの余剰のオゾンを分離するためのオゾン分離タンクと、分離されたオゾンを分解するオゾン分解塔を有する装置を考案し、船舶に設置することを検討した。
かかる考案装置において、オゾン分解塔の保護のために、オゾン分離タンクにハイレベル液面計(HL)と該オゾン分離タンクからオゾン分解塔に至る配管に開閉弁(I)を設けることを検討した。すなわち、オゾン分離タンク内の液面がHLになったら、開閉弁(I)を閉じて、オゾン分離タンク内の液体がオゾン分解塔に送られないようにするためである。
しかし、ハイレベル液面計(HL)の検出不良になったり、開閉弁(I)に故障が生じた場合には、オゾン分離タンク内の液体がオゾン分解塔に送られてしまい、オゾン分解塔に損傷を与えるおそれがある。
またオゾン分離タンク内の圧力は、タンク内のバラスト水の送り先であるバラストタンク側の水位の変動に応じて変動するので、圧力が高い状態でオゾン分離タンクがガスを放出した際には、オゾン分解塔の処理能力を超える大量のガスがオゾン分解塔に送り込まれることになり、この場合にもやはりオゾン分解塔の損傷を招くおそれがある。
上記のような原因でオゾン分解塔が損傷すれば、オゾンを大気中に放出することになり、船舶の運行上好ましいことではない。
そこで、本発明は、オゾン分解塔を2重に保護して船舶の航行上支障を生じさせない船舶バラスト水の処理装置の制御システムを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
船舶内に設置されたバラスト水処理装置の制御システムにおいて、該バラスト水処理装置は、バラストポンプにより移送されるバラスト水中にオゾン発生装置によって生成されたオゾンを混入させるオゾン混合装置と、前記オゾン混合装置で混入されたオゾンのうちの余剰のオゾンを分離するためのオゾン分離タンクと、分離されたオゾンを分解するオゾン分解塔を有し、且つ前記オゾン分離タンクにハイレベル液面計(HL)と該オゾン分離タンクからオゾン分解塔に至る配管に開閉弁(I)を有し、該ハイレベル液面計(HL)が液面を検知したら該開閉弁(I)を閉じる制御を行う制御部を有しており、更に前記オゾン分離タンクにハイ−ハイレベル液面計(HHL)と該オゾン分解塔に至る配管に開閉弁(II)を有し、前記制御部は該ハイ−ハイレベル液面計(HHL)が液面を検知したら該開閉弁(II)を閉じる制御を行うことを特徴とするバラスト水処理装置の制御システム。
(請求項2)
前記オゾン混合装置の後方に、バラスト水中の水生生物や細菌類を剪断力によって破壊するための複数のスリット状の開口を有するスリット板を有することを特徴とする請求項1記載のバラスト水処理装置の制御システム。
(請求項3)
前記オゾン分離タンクからオゾン分解塔に至る配管に、減圧弁を有することを特徴とする請求項1又は2記載のバラスト水処理装置の制御システム。
(請求項4)
前記オゾン分離タンクからオゾン分解塔に至る配管に、定流量弁を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のバラスト水処理装置の制御システム。
本発明によれば、オゾン分解塔を2重に保護して船舶の航行上支障を生じさせない船舶バラスト水の処理装置の制御システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、バラスト水処理装置の一例を示す概略構成図であり、図2は本発明の要部を示す説明図である。
図中、1はコンテナ船などの船体、2は該船体1内に設けられたバラストタンクであり、図1では、バラストタンク2は1つだけ示されているが、通常、バラストタンク2は船体1内に複数設けられている。3はバラストタンク2にバラスト水を移送する主配管、4はバラスト水を取水するバラストポンプである。
本発明においてバラスト水には、例えば海水等が用いられ、かかるバラスト水には、動物プランクトン、植物プランクトン、微生物等の水生生物や細菌類を含む。
5はオゾンを生成するオゾン発生装置で、例えばコンテナ船の船尾甲板付近に設置される。6はオゾン発生装置5で生成されたオゾンを供給するオゾン供給ラインである。7はバラスト水中にオゾン発生装置5で生成されたオゾンを混入させるオゾン混合装置である。
オゾン混合装置7は、バラストポンプ4によって取水されたバラスト水に、オゾン発生装置5によって生成されたオゾンを混入させる。
オゾン発生装置5は、コンプレッサー51、酸素発生器52及びオゾン発生器53を有しており、酸素発生器52及びオゾン発生器53を経て生成されたオゾンが、コンプレッサー51によってオゾン供給ライン6を介してオゾン混合装置7に供給される。
このオゾン混合装置7は、主配管3を移送されるバラスト水とオゾンもしくはオゾンと酸素の混合気体とを気液混合する気液混合装置(オゾンインジェクター)を用いた例を示しているが、バラスト水中に所定濃度のオゾンを混入させることができるものであれば特に問わない。例えば、スタティックミキサー、ラインミキサーなどの静的混合機を使用することもできる。
8はバラスト水中の水生生物や細菌類を剪断力によって破壊するためのスリット板である。
9は前記オゾン混合装置7で混入されたオゾンのうちの余剰のオゾンを分離するためのオゾン分離タンクであり、10は分離されたオゾンを導入して分解するオゾン分解塔であり、11は制御部である。
オゾン分離タンク9は上部にオゾン分離部90が形成されており、該分離部90にはハイレベル液面計(HL)91が設けられ、オゾン分離タンク9からオゾン分解塔10に至る配管92には開閉弁(I)93が設けられている。
制御部11は、ハイレベル液面計(HL)91が液面を検知したら、開閉弁(I)93を閉じる制御を行う。
本発明では、更にオゾン分離タンクの分離部90に、ハイ−ハイレベル液面計(HHL)94が設けられ、且つ配管92に開閉弁(II)95が設けられている。
本発明では、ハイレベル液面計(HL)91が検出不良になったり、開閉弁(I)93に故障が生じた場合には、オゾン分離タンク9内の液体がオゾン分解塔10に送られてしまい、オゾン分解塔10に損傷を与えるおそれがあるため、かかる問題を生じさせないために、制御部11は、液面上昇に応じて開閉弁(I)93が閉じなかった場合にも、ハイ−ハイレベル液面計(HHL)94が液面を検知したら、開閉弁(II)95を閉じる制御を行うものであり、2重の保護機能を果たす。
なお、図示しないが、オゾン分離タンク9内の液体が所定液面まで低くなったら、開閉弁(I)93又は開閉弁(II)95を開く制御を行う。
バラストポンプ4によって取水されたバラスト水は、主配管3を通ってバラストタンク2に移送される。この主配管3途中に、バラスト水処理装置によってオゾンが注入され、バラスト水の処理が行われる。
スリット板8は、オゾン混合装置7によってオゾンが混入されたバラスト水を高圧で通過させることにより、バラスト水中の水生生物や細菌類を剪断力によって破壊する。
このスリット板8の詳細を図3、図4に示す。
図3は、主配管3内のスリット板8を示す断面図、図4は、図3のIV−IV線断面図であり、これらに示すように、スリット板8は主配管3の内部に、該主配管3の流路全体を塞ぐようにして配設されている。
スリット板8には複数のスリット状の開口81が形成されている。開口81の開口幅は、バラスト水中の水生生物や細菌類を剪断力によって破壊する効果が充分に発揮され得る幅に設定されるが、好ましくは200μm〜500μmとすることである。
主配管3内を移送されるバラスト水は、バラストポンプ4によってこのスリット板8に向かって高圧で圧送される。圧送されたバラスト水は乱流状態のままスリット板8のスリット状の開口81を通過しようとし、この開口81を通過する際に剪断現象が生じることで、バラスト水中の水生生物や細菌類を破壊して殺滅する。
かかる剪断力による破壊、殺滅効果をより発揮させるために、スリット板8は、バラスト水の流れ方向に対して直交する方向に取り付けることが好ましい。
また、スリット板8は、主配管3内に密接して取り付けられるが、図示しないが、容易に取り外し可能として洗浄することができるように、フランジ等によって主配管3に介設することが好ましい。
スリット板8に形成される複数のスリット状の開口81の形状は、図4に例示するように、細長い長方形状からなるものが好ましい態様として挙げられる。開口81の本数は特に限定されず、バラスト水の圧力損失、剪断現象の発生状況に応じて適宜設定される。
なお、各開口81は、図4に示すように全て同じ長さに形成してもよいが、主配管3の断面形状に合わせて、中央部の開口81を長く、端部に行くほど短く形成してもよい。
また、各開口81の形状は直線状に限らず、円弧状等の曲線状に形成してもよい。
更に、主配管3内に配設されるスリット板8の枚数は1枚に限らず、複数枚を間隔をおいて配設してもよい。複数枚のスリット板8を配設する場合は、各スリット板8のそれぞれの開口81の幅、大きさ、本数、形状を異ならせることが好ましい。これにより、剪断現象をより一層効果的に発揮させることができ、バラスト水中の水生生物や細菌類の破壊、殺滅効果をより向上させることができる。
このようにして、主配管3内を移送されるバラスト水中の水生生物や細菌類は、バラスト水処理装置によるバラスト水中へのオゾン混入とスリット板8による剪断力とによって除去あるいは殺滅される。
本発明では、上記の2重の保護機能に加えて更なる安全策を講じている。例えばオゾン分離タンク9内の圧力は、タンク内のバラスト水の送り先であるバラストタンク2側の水位の変動に応じて変動するので、圧力が高い状態でオゾン分離タンク9がガスを放出した際には、オゾン分解塔10の処理能力を超える大量のガスがオゾン分解塔10に送り込まれることになり、オゾン分解塔10の損傷を招くおそれがある。このような問題の発生を水に防止するために、オゾン分離タンク9からオゾン分解塔10に至る配管92に、減圧弁12を設けている。この減圧弁12の存在によってオゾン分解塔10の損傷を防止できる。また本発明では、オゾン分離タンク9からオゾン分解塔10に至る配管92に、定流量弁13を設けることも好ましい。オゾン分解塔10の損傷を防止できるからである。本発明では減圧弁12と定流量弁13の何れか一方を設けるだけでもよいが、両方設けることがより好ましい。
バラスト水処理装置の一例を示す概略構成図 本発明の要部を示す説明図 主配管内のスリット板を示す断面図 図3のIV−IV線断面図
符号の説明
1:船体
2:バラストタンク
3:主配管
4:バラストポンプ
5:オゾン発生装置
51:コンプレッサー
52:酸素発生器
53:オゾン発生器
6:オゾン供給ライン
7:オゾン混合装置
8:スリット板
81:開口
9:オゾン分離タンク
90:オゾン分離部
91:ハイレベル液面計(HL)
92:配管
93:開閉弁(I)
94:ハイ−ハイレベル液面計(HHL)
95:開閉弁(II)
10:オゾン分解塔
11:制御部
12:減圧弁
13:定流量弁

Claims (4)

  1. 船舶内に設置されたバラスト水処理装置の制御システムにおいて、
    該バラスト水処理装置は、バラストポンプにより移送されるバラスト水中にオゾン発生装置によって生成されたオゾンを混入させるオゾン混合装置と、前記オゾン混合装置で混入されたオゾンのうちの余剰のオゾンを分離するためのオゾン分離タンクと、分離されたオゾンを分解するオゾン分解塔を有し、且つ前記オゾン分離タンクにハイレベル液面計(HL)と該オゾン分離タンクからオゾン分解塔に至る配管に開閉弁(I)を有し、該ハイレベル液面計(HL)が液面を検知したら該開閉弁(I)を閉じる制御を行う制御部を有しており、
    更に前記オゾン分離タンクにハイ−ハイレベル液面計(HHL)と該オゾン分解塔に至る配管に開閉弁(II)を有し、前記制御部は該ハイ−ハイレベル液面計(HHL)が液面を検知したら該開閉弁(II)を閉じる制御を行うことを特徴とするバラスト水処理装置の制御システム。
  2. 前記オゾン混合装置の後方に、バラスト水中の水生生物や細菌類を剪断力によって破壊するための複数のスリット状の開口を有するスリット板を有することを特徴とする請求項1記載のバラスト水処理装置の制御システム。
  3. 前記オゾン分離タンクからオゾン分解塔に至る配管に、減圧弁を有することを特徴とする請求項1又は2記載のバラスト水処理装置の制御システム。
  4. 前記オゾン分離タンクからオゾン分解塔に至る配管に、定流量弁を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のバラスト水処理装置の制御システム。
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JP2010042331A (ja) * 2008-08-11 2010-02-25 Kyuchaku Gijutsu Kogyo Kk 圧力スイング吸着法によるオゾン製造装置を搭載したバラスト水処理装置

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