本発明に係る経路情報表示装置は、出発地点の入力を受け付ける出発地入力手段と、複数の異なる地点の移動先の入力を受け付ける複数移動先入力手段と、前記出発地から前記各移動先までの経路を地点系列として探索する経路探索手段と、前記各経路に共通する地点のうちの最終地点を分岐点として算出する分岐点算出手段と、前記分岐点を用いて経路に関する情報を表示する経路情報表示手段とを備え、前記表示手段は、前記移動先の分類が異なる場合には、前記出発地から前記分岐点算出手段で算出された分岐点までの経路に関する情報を表示することを特徴とする。
また、本発明に係る経路情報表示装置は、出発地点の入力を受け付ける出発地入力手段と、複数の異なる地点の移動先の入力を受け付ける複数移動先入力手段と、前記出発地から前記各移動先までの経路を地点系列として探索する経路探索手段と、前記各経路に共通する地点のうちの最終地点を分岐点として算出する分岐点算出手段と、前記分岐点を用いて経路に関する情報を表示する経路情報表示手段とを備え、前記表示手段は、前記移動先の分類が同一の場合には、前記分岐点算出手段で算出された分岐点から前記移動先までの経路に関する情報を表示することを特徴とする。
さらに、本発明は、このような経路情報表示装置として実現できるだけでなく、経路情報表示方法や、コンピュータプログラムとして実現することもできる。
以下、本発明に係る経路情報表示装置について図面を参照しながら説明を行う。
なお、特許請求の範囲に記載の経路情報表示装置は、主として実施の形態1、および実施の形態1における表示の態様に関する変形例において説明される。実施の形態2、実施の形態3、および実施の形態4は、他の好適な変形例を説明するために記載されている。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態の経路情報表示装置の一例を示すシステム構成図である。この経路情報表示装置は、例えばカーナビとして実現され、カーナビ本体、車載ディスプレイ、GPS(Global Positioning System)受信機を用いて構成されるとしてもよい。
カテゴリ入力部1001は移動先を検索するためのキーワードとなる、例えばカテゴリ等を入力する手段である。このカテゴリは、移動先の分類の一例である。地図情報蓄積部1003は施設の情報や地図情報を蓄積する手段であり、この地図情報蓄積部1003に蓄積された地図情報をもとに複数移動先検索部1002で上記カテゴリに該当する移動先を複数検索し、複数移動先入力部1004の入力とする。
一般的にカーナビにおいて移動先を検索する場合、移動先の名称等を直接入力する場合や、あるいは例えばカテゴリを入力して移動先を検索し、目的地として設定することが多い。本実施の形態においても複数の移動先は、複数移動先入力部1004で直接複数の移動先を入力することとしてもよいし、あるいはカテゴリ入力部1001でカテゴリを入力し、カテゴリに該当する移動先を複数移動先検索部1002で検索し、複数移動先入力部1004の入力値とすることとしてもよい。
出発地入力部1012は出発地を入力する手段である。ユーザは自ら所定の出発地を入力する。なお、本実施の形態においてこの出発地入力部1012はGPS等で構成され、ユーザの現在位置を検出する手段とし、検索を行った現在地点を出発地とすることとしてもよい。本実施の形態では、出発地入力部1012は例えばGPSで構成されたユーザの現在位置を所定の間隔で検出する手段とし、検索を行う現在地を出発地として入力するものとする。
図2は、カーナビの画面である経路情報表示部1011の表示例を示した図である。図2に示す画面には、出発地入力部1012で検出されたユーザの現在位置と、地図情報蓄積部1003に蓄積された地図情報をもとに現在位置に関する地図情報等が表示されている。さらに図2に示す画面は、カテゴリの入力の一例を示している。例えば画面右上「カテゴリ入力」のウィンドウにカテゴリ「ゴルフ場」が入力されたことを示しており、このカテゴリ「ゴルフ場」に該当する複数移動先を複数移動先検索部1002で検索することとなる。
複数移動先検索部1002は、入力されたカテゴリに該当する複数の移動先を地図情報蓄積部1003に蓄積された地図情報をもとに検索する手段である。なお、出発地入力部1012で検出されるユーザの現在位置をもとに検索範囲を絞ることとしてもよい。
図3は、検索された移動先の位置関係を地図で示したものである。入力されたカテゴリ「ゴルフ場」に該当する移動先として「さくらゴルフ場」と、「宮里ゴルフ場」が検索されたことを示している。次に検索された複数の移動先を複数移動先入力部1004の入力とし、これら移動先までの経路を第1経路探索部1005および第2経路探索部1006で探索し、探索された経路より分岐する地点を分岐点算出部1007で算出する。
従来、検索された複数の移動先を表示する場合、例えば移動先毎に画面を切り替えて地図などの情報を表示するのが一般的であった。あるいは、地図を表示するのではなく検索された複数の移動先の名称等をリスト表示するのみであった。
しかしユーザが移動先を検索する場合、各移動先においてそれぞれの独立した地図情報ではなく、これら複数移動先の経路等を対比しながら把握したいと欲する場合も多い。例えばこれら複数の移動先までの経路で共通する地点、つまり分岐点までは、必ずユーザが向かう地点であり、その地点までの到着時間や経路情報はユーザにとって関心事項の一つである。また一方で分岐点以降の各移動先までの経路の状況や、渋滞状況等もユーザによっては事前に必要な情報の一つであり、これらを対比し、状況の変化を考慮しながら最終的に移動先を決定する場合も多い。
そこで、本発明では、入力された複数の移動先までの経路の分岐点を算出し、分岐点をもとに情報の様態を変更する手法について説明する。
経路探索部1013に含まれる第1経路探索部1005は、複数移動先入力部1004で入力された複数の移動先のうちの一つの移動先までの経路を算出する手段である。また、経路探索部1013に含まれる第2経路探索部1006は、入力された複数の移動先のうちの他方の移動先までの経路を算出する手段である。そして算出された経路をもとに分岐点算出部1007で経路の分岐点を算出する。
図4は、探索された複数の移動先までの経路を示している。なお、経路探索は一般的に地図情報に蓄積された道路ネットワークの経路コスト(経路長、経路時間等)をもとにダイクストラ法等を用いて算出されるのが一般的である。本実施の形態では、例えば交差点等をノードとし、ノードとノードのリンクの経路コストを用いて経路探索を行うこととする。図4において探索経路ID「01」は第1経路探索部1005で探索された経路であり、目的地「宮里ゴルフ場」までの経路としてノード「華1町(交差点)」、「華2町(交差点)」、「111号(交差点)」、「華東IC(インターチェンジ)」、「大東IC(インターチェンジ)」を通過する経路が探索されたことを示している。
同様に探索経路ID「02」は第2経路探索部1006で探索された経路であり、目的地「さくらゴルフ場」までの経路としてノード「華1町(交差点)」、「華2町(交差点)」、「111号(交差点)」、「華東IC(インターチェンジ)」、「川道IC(インターチェンジ)」を通過する経路が探索されたことを示している。
分岐点算出部1007は、探索された経路をもとに分岐点を算出する手段である。例えば探索されたノードの系列より、ノードが一致するか否かの判定を随時行い、最後に一致するノードを分岐点として算出することができる。すなわち、出発地(本例では検索を開始した現在地点が出発地となっている)から前記各移動先までの経路を地点系列として探索し、前記各経路に共通する地点のうちの最終地点を分岐点として算出することとなる。
具体的には例えば図4に示す経路の場合、ノード「華1町」、「華2町」、「111号」、「華東IC」までが一致し、「大東IC」と「川道IC」で異なっていることより、最終的に一致する「華東IC」が分岐点となる。
図5は、上記探索された経路および、算出された分岐点を地図で表したものである。まずユーザの現在位置と現在位置近辺を表示した表示画面が示されている。また、現在位置から移動先のひとつである「さくらゴルフ場」までの経路として「華1町」、「華2町」、「111号」、「華東IC」、「川道IC」を通過する経路が探索されており、ここでは黒い太線で示している。同様に、「宮里ゴルフ場」までの経路として「華1町」、「華2町」、「111号」、「華東IC」、「大東IC」を通過する経路が探索されている。また、分岐点は「華東IC」と算出されており、「華東IC」以降「宮里ゴルフ場」まではおおよそ東方向(右方向)に、一方「さくらゴルフ場」まではおおよそ北方向(上方向)へと分岐していることが分かる。
表示様態決定部1009は、これら複数の移動先までの経路等、移動先に関する情報の表示に当たってその様態を決定する手段である。例えば様態情報蓄積部1008に蓄積された様態の情報(以下、様態情報)を参照して決定することとする。そして表示制御部1010の制御のもと、カーナビ等のディスプレイである経路情報表示部1011に表示する。
従来、これら検索された移動先に関する情報を表示する場合、例えば移動先ごとに経路等を表示するものが一般的であった。しかしユーザが移動先を検索する場合、各移動先においてそれぞれの独立した情報ではなく、これら複数移動先の経路等の差がより分かるように対比しながらの把握を欲する場合も多い。
例えば上記例の場合、分岐点「華東IC」まではいずれのゴルフ場へ向かうにしても必ずユーザが通過する地点であり、「華東IC」までの到着時間や経路情報はユーザにとって関心事項の一つである。また、分岐点以降の到着時間の差や、経路情報の差は別々に表示するのではなく、両者の差が一目で分かるように対比して表示するのが好ましい場合がある。
例えば「華東IC」までに渋滞が発生し、到着が遅れるようならその後、短時間で到着することができる「宮里ゴルフ場」へ行く等、煩雑な操作なくこれらの情報を対比して把握されることでユーザの行動を促すことができる。あるいは、いずれのゴルフ場へ向かうにしても必ず通過する分岐点「華東IC」に短時間で到着することができるならば、今日は少し遠出をして「さくらゴルフ場」へ行く等ユーザが必要とする情報を提供することが可能となる。
また分岐点までは必ず通過するが、その後はいずれか一方を選択することとなるため、例えば運転が苦手なユーザは、より容易な道を望む場合もある。つまり分岐点以降の経路の状況等もユーザにとっては必要な情報であり、これらを対比して表示することで、より安全な運転を促すことも可能となる。そこで本発明では、分岐点をもとに表示の様態を制御する。
図6は様態情報蓄積部1008に蓄積された様態情報の一例を示したものである。本実施の形態において様態情報は、例えば「カテゴリ」と「様態形式」そして施設等の移動先に関する情報として「表示項目」等の情報が蓄積されているものとし、この様態情報を参照して複数の移動先に関する情報を表示する。以下、図を用いて具体例を説明する。
図7は、経路情報表示部1011に表示された「さくらゴルフ場」と「宮里ゴルフ場」に関する情報である。従来、これら複数の移動先に関する情報を表示する場合、例えば移動先ごとに経路等の地図を表示するものが一般的であった。したがって両者の経路の差等を比較することができず、画面をそのつど切り替える必要があった。
そこで本実施の形態では、様態情報の「様態形式」として「対比地図形式」とし、両者の経路の地図を対比しながら表示している。さらに、本実施の形態では、分岐点算出部1007において分岐点「華東IC」が算出されており、分岐点までの到着予測時刻「9時15分」が示されている。分岐点「華東IC」まではいずれのゴルフ場へ向かうにしても必ずユーザが通過する地点であり、「華東IC」までの到着時間や渋滞情報等はユーザにとって関心事項の一つであるからである。
また「さくらゴルフ場」までの到着予測時刻「10時20分」に対して「宮里ゴルフ場」までの到着予測時刻「10時10分」、さらに分岐点以降に必要な所要時間「1時間5分」に対し「55分」と両者の到着予測時刻および分岐点以降に必要な所要時間が、両者の差を一目で把握できるように表示されている。
これにより、例えば「華東IC」までに渋滞が発生し、到着が遅れるようならその後、短時間で到着することができる「宮里ゴルフ場」へ行く等、煩雑な操作なくこれらの情報を対比して把握させることが可能となる。
また、分岐点「華東IC」までの経路とその後各移動先までの経路の差がより容易に把握できるように、例えば色を変更して表示している(例えば分岐点「華東IC」までの黒い太線を赤色等、分岐点以降の点線を橙色等とする)。分岐点まではいずれの移動先へ向かうにしても必ず通過する必要がある経路であり、一方分岐点以降はいずれかの経路を選択することとなる。そこで、分岐点前と分岐点以降を例えば色を変更して表示することで、より情報の把握を容易にすることが可能となる。
カーナビ等の場合、画面のサイズも限られ、また運転タスクを考慮すると短時間で画面から多くの情報を正確に把握する必要がある。例えば両者の経路の色を変更することで、容易に経路の情報やその差を対比して把握することが可能となり、より正確な情報把握や安全な運転の支援にも繋がる。
ところで複数の異なる移動先の経路は、単に一つの移動先に対して探索された複数の経路とは異なり、分岐点以降大きくその方向が分かれる場合がある。例えば、図5の場合、「宮里ゴルフ場」へは東方向、「さくらゴルフ場」へは北方向と方向が大きく異なっていることが分かる。これら方向が大きく異なる移動先を一画面に表示しようとする場合、画面の縮尺が小さくなりすぎ、一画面に入りきらない不都合を生じることもある。
そこで本発明では分岐点を利用し、その様態を制御することとする。例えば、いずれの移動先へ向かう場合も分岐点までは必ず通過する経路であるため、現在位置と分岐点を考慮して地図情報等を一画面で表示し、分岐点以降の情報を対比して表示することとしてもよい。以下、図を用いて具体例を説明する。
図5に示すように「さくらゴルフ場」は現在位置に対して北の方角(上の方角)、「宮里ゴルフ場」は現在位置に対して東の方角(右の方角)と、両者の移動先が大きく異なり、また現在位置に対して比較的遠い場合、これら両移動先が入るように画面を縮小したのでは、地図が広域表示となりすぎて画面の把握が困難となる恐れがある。そこで現在位置および、いずれの移動先へ向かうとしても必ず通過することとなる分岐点「華東IC」の位置を考慮し、表示する地図の領域を決定する。
図8は分岐点を考慮した表示領域の決定を説明するための図である。図8に示す表示画面1は、例えばデフォルトの表示画面であり、現在位置を中心とした領域を表示している。表示画面1では現在位置を中心として表示しているため、分岐点「華東IC」までの経路等を把握することができない。
そこで現在位置と分岐点「華東IC」が表示されるように表示領域を決定し表示画面2を生成する。例えばこの場合、表示画面2の画面左下に現在位置、画面右上に分岐点が入るように領域が決定されている。そしてカーナビ等の表示画面である経路情報表示部1011のサイズに応じて表示画面2の縮尺を制御し、表示画面3を生成する。そして表示画面3をディスプレイに表示することで、現在位置を把握しつつ、分岐点までの経路を把握することが可能となる。
図9は、算出された分岐点「華東IC」までの経路を表示した一例を示す図である。分岐点は入力された複数の移動先のいずれに向かうこととしても必ず通過する地点であり、分岐点までの経路情報や、到着予測時刻はユーザの関心事項である。そこで分岐点までの情報を表示し、一方分岐点以降の情報を対比できるように表示することでより容易に必要な情報を把握させることが可能となる。また、図9において分岐点以降の情報を対比して把握できるよう、画面右側に表示されている。例えば「さくらゴルフ場」までの到着予測時間「10時20分」に対して「宮里ゴルフ場」までの到着予測時間「10時10分」等、両者の差が対比して表示されている。また、分岐点後の縮小地図として「華東IC」から「さくらゴルフ場」までの経路や「華東IC」から「宮里ゴルフ場」まで経路の縮小地図が対比して表示されている。分岐点を含めたすべての経路を表示したのでは、地図の縮尺が小さくなりすぎて画面の把握が困難となる可能性があるが、分岐点以降の経路を縮小地図等で対比させることで、必要な情報のみ把握させることも可能である。
あるいはユーザが設定している地図の縮尺等を考慮することも可能である。ユーザは一般的に、現在位置付近をより詳細に把握しておきたい場合は縮尺を詳細に、より先の経路情報や経路全体を把握しておきたい場合は縮尺を広域に設定している。例えばより現在位置を把握しようと縮尺を詳細に設定している場合は、図9で示す表示例のように、分岐点までの情報を全体画面に表示し、分岐点以降を画面横に対比させて表示させることとしてもよい。
一方、普段利用しており現在近辺の情報は既におおよそ把握しており、むしろ先の経路情報を把握しようと縮尺が広域表示の場合、図7で示すように分岐点以降をより詳細に把握すべく、画面全体に分岐点以降の情報を対比表示させることとしてもよい。同じ経路情報であってもユーザによって把握したい情報は異なり、本発明を用いることでよりユーザのニーズに応じた情報提供が可能となる。
以下、本実施の形態のフローチャートを、図11、図12、図13を用いて説明する。まず、カテゴリ入力部1001でカテゴリを入力する(S3601)。次に入力されたカテゴリに該当する移動先を地図情報蓄積部1003に蓄積された地図情報より検索する(S3602)。
該当する移動先が地図情報の中にあるか否かの判定を行い(S3603)、ある場合はステップS3604へ進み、ない場合は終了する。ある場合は(S3603のYes)、該当する移動先までの経路を第1経路探索部1005、第2経路探索部1006で探索する(S3604)。そして分岐点算出部1007において分岐点を算出する(S3605)。
分岐点の算出はまず、現在地点に最も近いノードにフラグをセットし(S3701)、フラグを一つ先にセットする(S3702)。図5に示す探索経路の場合、「華1町」交差点へとセットされる。次にセットされたフラグ共通か否かの判定を行う(S3703)。共通の場合は(S3703のYes)、ステップS3702へ進み、異なる場合は(S3703のNo)、ステップS3704へ進む。本実施の形態では共に「華1町」と共通であるため、フラグを一つ先へセットする(S3702)。このループを繰り返すことで、「華東IC」までフラグが移動する。つまりここまでは経路が共通していることを示す。
次にフラグを一つ先にセットすると(S3702)、「大東IC」と「川道IC」と、フラグがセットされたノードが異なることとなる(S3703のNo)。そこで、フラグを一つ前に戻し(S3704)、セットされたフラグのノードを分岐点として算出する(S3705)。つまり、「華東IC」が分岐点となる。
次に様態情報蓄積部1008に蓄積された様態の情報を参照し(S3606)、算出された分岐点を用いて情報の表示様態を表示様態決定部1009で決定する(S3607)。例えば表示の様態は図9の表示例とし、図8を用いて説明する。まず、分岐点が現在画面内に存在するか否かを判定する(S3801)。現在画面内に存在する場合は(S3801のYes)、ステップS3805へ、存在しない場合は(S3801のNo)、現在位置を参照し(S3802)、分岐点の位置を参照する(S3803)。そしてこれら現在位置と分岐点の位置とが現在画面に入るよう画面を生成し、ディスプレイのサイズに合わせて画面の縮尺を縮小する(S3804)。
図8の場合、表示画面1において分岐点が現在画面内に存在しないため(S3801のNo)、現在位置と分岐点「華東IC」の位置を参照し(S3802、S3803)、これらが画面に入るよう表示領域を決定して表示画面2を生成する。そして画面を縮小して表示画面3を生成する(S3804)。複数の移動先が比較的遠く、あるいは離れているため、両者を現在画面に入れようとすると画面の縮尺が大きすぎて経路の情報を把握しづらくなることもある。一方、少なくとも分岐点までの経路は共通であり、少なくとも分岐点までが入るように縮小することで、これら弊害を回避することができる。次に分岐点までの経路を表示する。そして分岐点までの経路を表示し(S3805)、さらに分岐点以降の情報を例えば対比して把握できるよう表示する(S3806)。そしてこれらフローで決定された様態で経路情報表示部1011に表示する(S3608)。
図9は経路情報表示部1011に表示された画面を示した図である。図9において、現在画面には現在位置と分岐点「華東IC」までが画面に入るような縮尺と位置で表示されている。また、分岐点「華東IC」までの経路が太線で示されている。さらに分岐点「華東IC」までの到着予測時刻「9時15分」と、各々の移動先「宮里ゴルフ場」、「さくらゴルフ場」の「到着予測時刻」等が表示されている。このように、分岐点を算出し、分岐点までの情報と、分岐点以降の情報を対比できるように表示することで、移動に必要な情報をより容易に把握することが可能となる。
(実施の形態1における最小構成要素の説明)
なお、本実施の形態において複数移動先入力部1004への入力は、例えばカテゴリ入力部1001等の構成要素を設け、カテゴリに該当する地点を地図情報蓄積部1003から複数移動先検索部1002において検索することとしたが、これに限ったものではない。複数移動先入力部1004へ移動先を直接入力して経路探索を行い、分岐点を算出することとしてもよい。
さらに経路探索については、第1経路探索部1005および第2経路探索部1006と、各々の経路探索部を構成要素として設けて説明を行ってきたが、例えばひとつの経路探索部(例えば第1経路探索部1005を経路探索部1005とする)で各経路の探索を逐次行うこととしてもよい。
さらに分岐点を基に様態を変更するために、様態情報蓄積部1008に蓄積された様態を参照したが、必ずしもこれら様態情報は必要な構成要素ではなく、分岐点に関する情報を直接、経路情報表示部1011に表示することとしてもよい。
つまり本発明を実施するために必要な最小構成要素は、図1に限ったものではなく、例えば図14に示す構成要素で行うことが可能である。図14は本発明のシステム構成要素であり、複数移動先入力部1004、出発地入力部1012、経路探索部1005、分岐点算出部1007、経路情報表示部1011から構成される。なお、各構成要素の詳細な説明は前述の通りであり、出発地入力部1012で入力された出発地から、複数移動先入力部1004において入力された各移動先でまでの経路を経路探索部1005で探索し、分岐点算出部1007で分岐点を算出する。そして算出された分岐点の情報を経路情報表示部1011に表示することとなる。
(実施の形態1における表示の態様に関する変形例)
なお、移動先に関する情報の表示様態については、例えば「宮里ゴルフ場」と「さくらゴルフ場」を例に、分岐点をもとに地図情報を対比させる表示例について説明を行ったがこれに限ったものではない。例えば、移動先のカテゴリに応じて様態を制御することとしてもよい。図6に示す様態情報においてカテゴリ「ゴルフ場」は「対比地図形式」で表示する旨が記されていた。また図7はこの様態情報に基づき、移動先「宮里ゴルフ場」と「さくらゴルフ場」までの経路地図を対比して把握できるように表示した一例であることを示した。例えば「ゴルフ場」等、一般的に遠出となる移動先の場合、分岐点以降の移動方向や移動距離が大きく異なるため、分岐点以降の情報の差がユーザにとってより知りたい情報であることが多い。そこで例えば「ゴルフ場」等の場合、分岐点以降の情報の差がより容易に把握できるよう、地図を対比させて表示を行った。
一方、図6に示す様態情報には、カテゴリ「レストラン」の表示様態として「対比メニュー形式」となっている。これは、カテゴリ「レストラン」等、比較的身近な移動先を複数検索して移動先までの情報を表示する場合は、比較的遠出となる「ゴルフ場」と比べて分岐点以降の移動距離も短く、あるいは容易に変更可能であることも多いため、分岐点以降の情報の差を詳細に表示するのではなく、分岐点までの情報をより詳細に表示することとしてもよい。
例えば図15は、本実施の形態で示すように現在位置と分岐点の位置を考慮して表示領域を決定し、分岐点までの経路を画面に表示したものである。図15に示す画面には例えば分岐点として算出された「楽1町交差点」までの経路が示されている。
なお、例えば上記に示すように「ゴルフ場」等カテゴリが同一の場合、これら移動先の両方へ向かうのではなく、最終的にはいずれか一方を選択して向かう場合が多い。したがって分岐点以降の差を把握しやすくするために分岐点以降を対比して表示を行った。
一方、カテゴリが異なる場合は、いずれか一方を選択するのではなく、最終的には両方へ向かうつもりであるが、まずはいずれか一方を、あるいは分岐点までの情報を把握しておきたいという場合もある。そこで例えばカテゴリが異なる場合、分岐点までの情報を詳細に表示することとしてもよい。
例えば図16は、検索のキーワードとして「娯楽」と入力し、カテゴリ「カラオケ」である「カラオケNo1」とカテゴリ「ボーリング」である「スターボーリング」が検索され表示されている。さらに分岐点として算出された「楽1交差点」までの情報をより詳細に示すべく、画面全体に地図情報とともに表示されている。このようにカテゴリが異なる場合は、分岐点までの情報を詳細に表示することとしてもよい。
なお、カテゴリではなく、分岐点以降の移動先の距離や方角に応じて表示様態を変更することとしてもよい。複数の異なる移動先までの経路を算出する場合、分岐点以降、各移動先までの経路が大きく異なることが多い。これら方向等が大きく異なる移動先を一画面に表示しようとする場合、画面の縮尺が小さくなりすぎ、一画面に入りきらない不都合を生じることもある。そこで例えば分岐点以降の方向さらには距離に閾値を設けて、閾値以上の場合は分岐点までの情報を詳細に表示する形式(例えば図9や図15)等の様態で表示することとしてもよい。
さらに、現在地点から分岐点までの距離や、現在地点から移動先までの距離に対する分岐点までの距離の割合等によって様態を変更することとしてもよい。あるいは、距離のみならず到達時間の割合に応じて変更することとしてもよい。例えば分岐点までの到達時間が2時間、分岐点以降の各移動先までの到達時間がおよそ1時間の場合、全走行3時間に対する分岐点までの割合と分岐点以降の割合は2対1となる。
つまり全体の走行時間のうち分岐点までの走行の占める割合が大きく、伴ってユーザが把握したいと欲する情報も分岐点までの情報が主であると考えることができ、この場合は分岐点までの情報を詳細に表示する表示様態(例えば図9等)で表示する等の制御を行ってもよい。
そのために、表示制御部1010は、具体的に、前記出発地から前記分岐点までの距離をしきい値比較し、その距離がしきい値よりも長いときに、出発地から分岐点までの情報を詳細に表示する表示様態を採ればよい。表示制御部1010は、前記出発地から前記分岐点までの距離と、前記分岐点から移動先までの距離の割合に応じて、このような表示様態を採ってもよいことは言うまでもない。
逆に、全体の走行時間のうち分岐点までの走行の占める割合が小さい場合には、分岐点から移動先までの経路を詳細に表示する表示様態(例えば図10等)を採ってもよい。
そのために、表示制御部1010は、具体的に、前記出発地から前記分岐点までの距離をしきい値比較し、その距離がしきい値よりも短いときに、分岐点から移動先までの情報を詳細に表示する表示様態を採ればよい。表示制御部1010は、前記出発地から前記分岐点までの距離と、前記分岐点から移動先までの距離の割合に応じて、このような表示様態を採ってもよいことは言うまでもない。
このようにして表示様態を切り替えることにより、煩雑な操作なく、ユーザが必要とする情報を自動的に適した様態で表示することが可能となる。
(実施の形態2)
前記実施の形態では、入力された複数の移動先までの経路上の分岐点を算出し、分岐点を用いて移動先に関する情報の様態を制御する手法について説明を行った。例えば複数の移動先を検索していずれの移動先へ向かうかを判断する場合、分岐点までの情報はユーザの関心事項であり、その渋滞状況や到達予測時間によってその後の移動先を決定する場合も多い。また分岐点以降の情報を対比させて表示することで最終的に向かう移動先を決定する場合もあり、分岐点を用いてこれら提供する情報の様態を制御することで、煩雑な操作なく容易に情報を把握させることが可能となる。
一方、前記実施の形態において分岐点の算出は、例えば入力された複数の移動先の経路を各々探索し、その一致点と相違点を参照して分岐点の算出を行っていた。その探索経路は地図情報に蓄積された道路ネットワークの経路コスト(所要時間や距離等)を基に探索されるため、必ずしもユーザによって適切な分岐点とは限らない。例えば、ユーザによっては入力されたいずれの移動先に向かう場合でも、ある経路を通過し、そのため分岐点が異なる場合もある。
そこで本実施の形態では、例えばユーザの普段の移動履歴を蓄積しておき、移動履歴を考慮して分岐点を算出する手法について説明を行う。
図17は、本実施の形態のシステム構成図である。前記実施の形態で示す構成要素には同じ符号を付与し、説明を省略する。
移動履歴蓄積部1101は、ユーザの過去の移動を履歴として蓄積する手段である。本実施の形態において移動履歴はGPS等で構成された出発地入力部1012で検出された緯度経度情報と地図情報蓄積部1003に蓄積された地図情報を基に、例えば通過交差点の系列等で蓄積することとする。
なお本実施の形態では、出発地入力部1012はユーザの現在位置を検出する手段としているが、別途ユーザの現在位置を検出する手段と設け、これより取得される位置情報を移動履歴として蓄積してもよい。一般的にカーナビ等に備えられたGPSはおよそ1秒間隔で緯度経度を検出しており、ユーザの移動に伴って検出される緯度経度情報の系列は膨大なものとなる。また検出される緯度経度には多少の誤差を含むのが一般的であり、その後のマッチングや検索の容易さを考慮し、緯度経路情報の系列ではなく、地図情報を用いて通過交差点等のノードの系列で蓄積することとする。
また、本発明において、経路探索および分岐点の算出はこれらノードの系列を基に算出しており、これらとの整合性との関係からも、移動履歴はノード系列で蓄積するのが好ましい。なお、本実施の形態では、緯度経度情報からノード系列の変換は移動履歴蓄積部1101で行うこととするが、別途変換する手段を設けて行うこととしてもよい。
図18は移動履歴蓄積部1101に蓄積されている移動先の履歴である。例えば出発地、通過交差点および通過時間、目的地到着の系列をひとつの移動履歴として蓄積している。例えば移動履歴ID「01」は、「自宅」を出発し「華1町(交差点)」、「華2町」、「111号」、「山野2町」、「山野3町」を通過し、「宮里ゴルフ場」へ過去到達したことを示している。本実施の形態では、これら移動履歴を用いて検索された複数の移動先までの経路における分岐点を算出する。以下、具体例を用いて説明する。
前記実施の形態と同様、例えば移動先のカテゴリとして「ゴルフ場」が入力され、「宮里ゴルフ場」と「さくらゴルフ場」が検索されたとする。そして第1経路探索部1005および第2経路探索部1006でこれら複数の移動先までの経路を探索する。
図19は探索された経路を示したものである。図19において探索経路ID「01」は第1経路探索部1005で探索された経路であり、目的地「宮里ゴルフ場」までの経路としてノード「華1町」、「華町IC(インターチェンジ)」、「華東IC」、「大東IC」を通過する経路が探索されたことを示している。同様に探索経路ID「02」は第2経路探索部1006で探索された経路であり、目的地「さくらゴルフ場」までの経路としてノード「華1町」、「華町IC」、「華東IC」、「川道IC」を通過する経路が探索されたことを示している。
また前記実施の形態と同様、分岐点算出部1007で分岐点を算出すると、ノード「華1町」、「華町IC」、「華東IC」までが一致し、「大東IC」と「川道IC」で異なっていることより、最終的に一致する「華東IC」が分岐点となる。
図20は、探索された上記探索された経路の関係を地図で表したものである。図20にはユーザの現在位置と、移動先である「宮里ゴルフ場」、「さくらゴルフ場」、および各ゴルフ場までの探索された経路を示している。図20に示すように両ゴルフ場への経路は現在位置から「華1町」交差点を直進し、「華町IC」で高速道路に乗り、「華東IC」で分岐することとなる。分岐点である「華東IC」を通過後、「大東IC」を経て「宮里ゴルフ場」へ、一方、「華東IC」を通過後、「川道IC」を経て「さくらゴルフ場」への経路が黒い太線で示されている。
しかし、ここで単に各移動先を目的地として各々移動先までの経路を探索して分岐点を算出した場合、必ずしもユーザに適した分岐点が算出されるとは限らない。例えば図20に示す経路および分岐点は、「さくらゴルフ場」と「宮里ゴルフ場」の各移動先を目的地として各々の経路を探索した結果である。一般的にカーナビ等に備えられた経路探索部は、前記実施の形態でも示すように地図情報に蓄積された道路ネットワークの経路コストを用いて最短コストの経路を算出するものである。したがって図20においても移動先である「さくらゴルフ場」と「宮里ゴルフ場」まで高速道路を利用する最短経路が探索され、それに伴って分岐点も「華東IC」と算出されている。
一方、黒い点線で示す経路は、図18に示す移動履歴蓄積部1101に蓄積されたユーザの過去の移動履歴である。例えば本例の場合、ユーザは「宮里ゴルフ場」へ行く場合に高速料金を節約するため、高速道路を利用せず、一般道路を利用していたとする。具体的には「華1町」を右折した後、「華2町」、「111号」、「山野2町」、「山野3町」を経て「宮里ゴルフ場」へ到達した履歴が蓄積されている(図18)。
この場合、最終的に「宮里ゴルフ場」へ向かうと決めた場合、ユーザにとっての分岐点は「華東IC」ではなく「華1町」ということになる。つまり「宮里ゴルフ場」へ向かうと決めた場合は「華1町」を右折する必要があり、一方「さくらゴルフ場」へ向かうと決めた場合は「華1町」を直進する必要があり、したがって分岐点は「華1町」ということになる(図21)。そして分岐点「華1町」を通過する前に分岐点までの交通情報や、あるいは分岐点以降の情報を対比して表示し、最終的にいずれへ向かうかの決定を促す必要がある。
このように単に各移動先までの経路を探索して算出した分岐点は必ずしもユーザにとって適した分岐点とは限らず、ユーザの移動履歴を蓄積しておき、移動履歴を反映させて分岐点を算出することとしてもよい。移動履歴はユーザが普段お金を節約するために高速道路を利用しない等の傾向や、普段抜け道を利用する、あるいは逆に初心者等であるために広い道路を利用する等、ユーザの普段の行動傾向を反映しており、移動履歴を用いてより適切な分岐点の算出を行うことができる。
そこで本実施の形態では、ユーザの移動履歴に示される経路をできるだけ長く辿る(言い換えれば、重複する)ように各移動先までの経路を探索し、探索された経路から分岐点の候補となる点を算出し、その中から分岐点を選択し、選択された分岐点に基づいた経路情報を表示することとする。本実施の形態において分岐点算出部1007は、さらに分岐点候補算出部1021と分岐点選択部1022とから構成される(図17)。
まず経路探索部1013は、出発地入力部1012で入力された出発地(本実施の形態では検索を行った現在地とする)から複数移動先入力部1004で入力された移動先までの経路を、移動履歴蓄積部1101に蓄積されているユーザの移動履歴に示される経路をできるだけ長く辿るように複数探索し、次に分岐点候補算出部1021は、探索された異なる経路から、複数の分岐点候補をそれぞれの探索経路を用いて算出する。以下、具体例を用いて説明する。
上記に示すように、入力された複数の移動先「さくらゴルフ場」と「宮里ゴルフ場」までの経路は各々いくつか存在する。例えば一方の移動先である「宮里ゴルフ場」への経路はノード「華1町」、「華町IC」、「華東IC」等を通過する経路(図21)と、履歴に存在しておりユーザもよく利用する経路と重複する、「華1町」、「華町2町」、「111号」を通過する経路(図22)がある。この場合、他方の移動先である「さくらゴルフ場」までの探索経路「華1町」、「華町IC」、「華東IC」を通過する経路との分岐点は、前者の経路の場合「華東IC」、後者の経路の場合「華1町」ということになり、これらを分岐点候補として算出することができる。
分岐点選択部1022は、分岐点候補算出部1021で算出された分岐点の候補から分岐点を選択する手段である。例えば、いずれを分岐点として情報を表示するのが好ましいかユーザに分岐点を選択させたり、あるいは現在位置からの距離に応じて自動的に選択することとしてもよい。
また、ユーザの移動履歴に示される経路をできるだけ長く辿る移動先までの経路からの分岐点を自動的に選択してもよい。具体的には、本実施の形態においてそのような経路である「華1町」、「華町2町」、「111号」を通過する経路は移動履歴に存在し、ユーザが利用する頻度が高いとしてこちらを優先し、つまり分岐点は「華1町」として自動的に選択することとしてもよい。
さらに「さくらゴルフ場」への経路にもこの移動履歴を反映させ、より適切な分岐点を算出することとしてもよい。例えば「宮里ゴルフ場」へ移動する際、本例のユーザは「華1町」を右折して「華2町」、「111号」等の一般道路を利用し、高速料金を節約している。一方「さくらゴルフ場」へは行った事がないため移動履歴は存在せず、一般的な経路探索が行われ、「華1町」を直進して「華町IC」へ乗った後、「華東IC」、「川道IC」と通過し「さくらゴルフ場」へ至る経路が探索されている。そしてこれら経路より分岐点「華1町」が算出されている。
しかし、このような単に最短コストである経路から算出された分岐点が必ずしもユーザにとって適する分岐点とは限らない。例えば本例の場合、「さくらゴルフ場」へ向かうことにした場合も「華2町」、「111号」等の一般道路を利用することも考えられる。そこで履歴に蓄積された一方の移動先への経路である「宮里ゴルフ場」への経路をできるだけ長く辿るように「さくらゴルフ場」へ至る経路を再度探索し、適切な分岐点を算出することとしてもよい。
図22は、履歴に存在する「宮里ゴルフ場」への経路を利用し、他方の「さくらゴルフ場」への経路を再度探索して分岐点を算出したものである。例えば履歴に存在する「宮里ゴルフ場」への経路上の所定の交差点から「さくらゴルフ場」へ向かう経路を探索した結果、本例の場合、「華1町」を右折し、「華2町」、「111号」まで共通の経路であり、その後「111号」を北方向(上方向)へ向かい「華東IC」で高速道路へ乗り「さくらゴルフ場」へ向かう経路が探索されている。また、分岐点は「111号」となっている。
このように、単に現在位置からの各々の移動先までの経路を探索して分岐点を算出するのではなく、移動履歴を考慮して経路を探索し、分岐点を算出することとしてもよい。特に一方が移動履歴に存在し、他方が移動履歴に存在しない場合、他方の移動先への経路は単に最短経路を探索するのではなく、一方の移動履歴に存在する経路を基に算出することで、普段利用して慣れている経路から向かうことにもなり、運転に不慣れなドライバーや、その地域をあまり知らない場合でも容易に目的地へ向かうことが可能となる。
また分岐点は、いずれかの移動先へ向かう場合、あるいはいずれの移動先へ向かう場合においても一般的に右左折する可能性が高いため、移動履歴を考慮し、ユーザが普段熟知している地点を基準に右左折させることで、注意の負担を増加させることなく、より安全に運転させることも可能となり、経路情報を提供する上で非常に有効な手法となる。
図23は、上述する算出された分岐点「111号」を基にして経路情報を表示した一例を示したものである。例えば画面右側には図9と同様に分岐点「111号」以降の経路情報を対比して表示している。分岐点以降の所要時間の差等がより把握しやすくなっている。
また画面左側は、分岐点「111号」地点を詳細表示した一例である。例えば分岐点「111号」は交差点であり、さらに交差点近辺には「トヨ産自動車」、「新人銀行」、「Kマート」等の店舗があることが示されている。また、「111号」を普段のように右折すると「宮里ゴルフ場」へ到達することが矢印(点線)で示されている。一方、「111号」を直進すると「さくらゴルフ場」へ到達することが矢印(黒い太線)で示されている。
この「111号」交差点は、移動履歴に蓄積された地点、つまりユーザもよく知っている地点であり、「111号」近辺を詳細に表示することで、普段馴染みある交差点からどのように他方の移動先へ分岐することができるか、より詳細に把握することが可能となる。
なお、移動履歴を移動先の推定に用いる変形例も考えられる。この変形例では、例えば、複数移動先入力部1004が、車両が現在向かっている方向から所定の範囲に含まれる地点を移動履歴蓄積部1101から検索し、検索された地点を推定された移動先として入力してもよい。この場合、複数移動先入力部1004が、請求項に言う移動先予測手段と移動先入力手段とを兼ねた一例である。
以下、本実施の形態の動作フローを、図24、図25のフローチャートを用いて説明する。
まず前記実施の形態1と同様、カテゴリ入力部1001でカテゴリを入力する(S3601)。次に入力されたカテゴリに該当する移動先を移動履歴蓄積部1101に蓄積された移動履歴より検索する(S3902)。該当する移動先が移動履歴の中にあるか否かの判定を行い(S3903)、ある場合はステップS3904へ、ない場合は前記実施の形態1と同様分岐点を算出する(S3605へ)。ある場合は(S3903のYes)、さらに移動履歴蓄積部に蓄積された経路を参照する(S3904)。そして分岐点算出部1007において移動履歴を用いて分岐点を算出する(S3605)。
分岐点の算出は前記実施の形態1と同様である。ただし本実施の形態では、経路探索部によって探索された経路ではなく移動履歴に蓄積された経路を用いて分岐点を算出することとなる。分岐点の算出はまず、現在地点に最も近いノードにフラグをセットし(S3701)、フラグを一つ先にセットする(S3702)。図21に示す探索経路の場合、「華1町」交差点へとセットされる。次にセットされたフラグが共通か否かの判定を行う(S3703)。共通の場合は(S3703のYes)、ステップS3702へ、異なる場合は(S3703のNo)、ステップS3704へ進む。共に「華1町」と共通であるため、フラグを一つ先へセットする(S3702)。このループを繰り返すことで、「華東IC」までフラグが移動する。つまりここまでは経路が共通していることを示す。次にフラグを一つ先にセットすると(S3702)、「大東IC」と「川道IC」と、フラグがセットされたノードが異なることとなる(S3703のNo)。そこで、フラグを一つ前に戻し(S3704)、セットされたフラグのノードを分岐点として算出する(S3705)。つまり、「華東IC」が分岐点となる。図21の場合「華1町」が分岐点となる。
次に前記実施の形態1と同様、様態情報を参照し(S3606)、様態情報を決定し(S3607)、算出された分岐点を用いて情報の表示を行う(S3608)。
(実施の形態2における最小構成要素の説明)
なお、本実施の形態において複数移動先入力部1004への入力は、例えばカテゴリ入力部1001等の構成要素を設け、カテゴリに該当する地点を地図情報蓄積部1003から複数移動先検索部1002において検索することとしたが、これに限ったものではない。複数移動先入力部1004へ移動先を直接入力して経路探索を行い、分岐点を算出することとしてもよい。
さらに経路探索については、第1経路探索部1005および第2経路探索部1006と、各々の経路探索部を構成要素として設けて説明を行ってきたが、例えばひとつの経路探索部(例えば第1経路探索部1005を経路探索部1005とする)で各経路の探索を行うこととしてもよい。
さらに分岐点を基に様態を変更するために、様態情報蓄積部1008に蓄積された様態を参照したが、必ずしもこれら様態情報は必要な構成要素ではなく、分岐点に関する情報を直接、経路情報表示部1011に表示することとしてもよい。
つまり本発明を実施するために必要な構成要素は、図1に限ったものではなく、例えば図26に示す構成要素で行うことが可能である。図26は本発明のシステム構成要素であり、複数移動先入力部1004、出発地入力部1012、経路探索部1005、分岐点算出部1007、分岐点候補算出部1021、分岐点選択部1022、経路情報表示部1011、移動履歴蓄積部1101から構成される。
なお、各構成要素の詳細な説明は前述の通りであり、出発地入力部1012で入力された出発地から、複数移動先入力部1004において入力された各移動先までのいくつかの異なる経路を経路探索部1005で探索し、分岐点算出部1007の分岐点候補算出部1021で分岐点候補を算出する。そして算出された分岐点候補の中から移動履歴蓄積部1101に蓄積された移動履歴を基に分岐点選択部1022において、分岐点を選択する。そして経路情報表示部1011に表示することとなる。
なお、移動履歴蓄積部1101は必ずしも必要とは限らない。出発地入力部1012で入力された出発地(本実施の形態ではユーザの現在地としている)からの距離を基に分岐点を選択することとしてもよい。したがって、例えば図27に示す構成要素で行うことが可能である。図27は本発明のシステム構成要素であり、複数移動先入力部1004、出発地入力部1012、経路探索部1005、分岐点算出部1007、分岐点候補算出部1021、分岐点選択部1022、経路情報表示部1011から構成される。
なお、各構成要素の詳細な説明は前述の通りであり、出発地入力部1012で入力された出発地から、複数移動先入力部1004において入力された各移動先までのいくつかの異なる経路を経路探索部1005で探索し、分岐点算出部1007の分岐点候補算出部1021で分岐点候補を算出する。そして算出された分岐点候補の中から出発地入力部1012で入力された出発地を基に分岐点選択部1022において分岐点を選択する。そして経路情報表示部1011に表示することとなる。以下、具体例を用いて説明する。
例えば、ユーザによってカテゴリ「アミューズメント」等の入力がされ、移動先として「カラオケドム」と「スターボーリング」が検索されたとする。つまり、複数移動先入力部1004への入力はこれら「カラオケドム」と「スターボーリング」となる。図28は、ユーザの現在位置と「カラオケドム」、「スターボーリング」の位置を地図で示したものである。
分岐点算出部1007において分岐点を算出するため、まずこれら移動先までの経路を算出する。出発地入力部1012で入力された現在地から各移動先までの経路を経路探索部1005で検索する。
移動先までの経路は、経路の通過時間や距離に応じたコストを用いて最短経路を探索するのが一般的である。図28の黒い太線はこれら移動先までの探索経路を示したものであり、例えば一般的な経路探索部で検索された結果とする。図28において「カラオケドム」までの経路は交差点「楽1町」、「楽2町」、「楽通1」を通過する経路である。一方、「スターボーリング」までの経路は、交差点「楽1町」、「楽3町」、「楽4町」、「京4町」、「京3町」を通過する経路である。
さらにここでは、経路のコストはこれら交差点(ノード)間の通過時刻とし、このコストを図28に示す。例えば現在位置から「楽1町」までは5分、「楽1町」から「楽2町」は5分、「楽2町」から「楽通1」は10分、「楽通1」から「カラオケドム」までは5分となる。したがって、現在位置から「カラオケドム」までの到着時刻は合計25分となる。同様に「スターボーリング」までは、楽1町まで5分、楽3町まで2分、楽4町まで3分、京4町まで10分、京3町まで5分、スターボーリングまで2分、合計27分となっている。
図29はこれら探索経路の結果を表で示したものである。各目的地までの経路と、それまでの通過時間が表で示されている。探索経路ID「01」は「カラオケドム」までの経路であり、楽1町まで5分、楽2町までは楽1町までの5分と楽1町からの5分を加算して合計10分と、ここでは累積した時間を示している。また、探索経路ID「02」は「スターボーリング」までの経路である。このように、一般的に経路探索では、各ノード間のコストを演算し、最短のルートを算出するのが一般的である。
ここで分岐点の算出について着目すると、この場合、「楽1町」までが共通しており、分岐点は「楽1町」となる。しかし、このように分岐点が現在位置から比較的近い場合、あるいは現在位置からすでに分岐してしまうような場合等、ユーザはすぐにいずれかの移動先に決定する必要が生じてしまう。例えば、もう少し走行して経路の状況や、最終的な到着時刻に応じて臨機応変に移動先を変更しようとした場合、ユーザに考える猶予を与えることができない。
そこで本発明では、複数経路を算出し、分岐点候補算出部1021において分岐点候補を算出し、分岐点選択部1022において分岐点候補の中から、分岐点をより移動先に近い位置や、現在位置から遠い位置に算出する手法について説明する。
例えば、複数入力された移動先のうち、これらを対比して現在位置から遠い方の移動先の経路を再度複数検索する。なお、遠い方の移動先の経路を複数検索するのは、遠い移動先までの経路の方が複数の経路が算出されやすく、また時間の差が少ないためである。一方、近い方の移動先までの経路を複数探索すると、それら複数の経路は結果時間が多くかかり、遠回りとなってしまうためである。図28に示す本例の場合、「カラオケドム」までの到着予測時間25分に対し、「スターボーリング」までの到着予測時刻27分と遠いため、「スターボーリング」までの経路を算出する。
図30は、スターボーリングまでの経路を複数算出したものである。現在位置から「楽1町」を右折する最短の経路に対し、「楽1町」を直進して「楽2町」で右折する経路と、「楽1町」、「楽2町」を直進して「楽通1」で右折する経路の2つの経路があらたに算出されている。図31は図30に示す通過時間コストを用いてこれら複数の経路の通過時間を示したものである。あらたに「楽2町」を右折する経路が探索経路ID「03」として、また「楽1町」、「楽2町」を直進する経路が探索経路ID「04」として示されている。
探索経路ID「03」は、「楽2町」を右折して「スターボーリング」へ向かう経路である。現在位置から「楽1町」を直進し(通過時間コストは5分)、「楽2町」、「楽4町」、「京4町」、「京3町」と通過し「スターボーリング」へ到達する。この間、通過時間コストは合計29分となる。探索経路ID「02」に示す「スターボーリング」まで27分の最短経路に対して2分遅くなるが、一方、探索経路ID「01」に示す「カラオケドム」までの経路と「楽2町」までが共通し、分岐点は「楽2町」となり、「楽1町」と比較して現在位置から遠い位置に分岐点が算出されることとなる。
さらに探索経路ID「04」の場合は、「楽2町」を直進して「スターボーリング」へ向かう経路である。現在位置から「楽1町」、「楽2町」を直進し(通過時間コストは10分)、「楽通1」、「京3町」と通過し「スターボーリング」へ到達する。この間、通過時間コストは合計37分となる。探索経路ID「01」に示す「カラオケドム」までの経路と「楽通1」までが共通となり、したがって分岐点は「楽通1」となり、「楽2町」や「楽1町」と比較してさらに現在位置から遠い位置に分岐点が算出されることとなる。
ユーザは複数の移動先を検索して最終的にいずれの移動先へ向かうかを検討する状況がある。しかし、分岐点が比較的現在位置に近い場合、ユーザはすぐにいずれかの移動先に向かうかを決定する必要が生じてしまう。例えば、もう少し走行して経路の状況や、最終的な到着時刻に応じて臨機応変に移動先を変更しようとした場合、ユーザに考える猶予を与えることができない。
そこで、本手法を用い、複数経路を算出し、より移動先に近い位置にある分岐点や、現在位置(出発地を意味する)からより遠い位置にある分岐点を選択することで、ユーザは複数の移動先の情報を把握するためのより多くの余裕を得て、最終的に移動先を決定することが可能となる。
一方、探索経路ID「02」に示す「スターボーリング」まで27分の最短経路に対して、探索経路ID「04」は10分遅くなる。つまり、分岐点は現在位置に対して3つのうち最も遠い位置に算出されているが、最短経路に対して比較的大きく遠回りをして分岐点を算出していることにもなる。この場合、たとえ分岐点現在位置から遠い位置に算出し、ユーザに複数の移動先のうち最終的に判断を下す時間の猶予を与えても、最終的に「スターボーリング」へ移動することにした場合、最短の27分で行けたのに37分と10分余分にかかることは、好ましいものではない。
そこで、分岐点の位置のみならず、経路時間のコストを考慮して分岐点を算出するものとしてもよい。例えば最短27分に対し、プラス20%(約6分)の猶予等、最短経路に対する所要時間を基準として閾値(例えばプラス20%以内等)を設けて分岐点を算出することとしてもよい。この場合、到着時間が37分である探索経路ID「04」は閾値を超えているため、経路探索ID「03」が利用され、分岐点は「楽2町」ということになる。
なお、複数の移動先までの各々の経路を算出するのではなく、一方を経由地とすることとしてもよい。図32、図33を用いて説明する。
図32は、図28等と同様、ユーザの現在位置と、検索された移動先「カラオケドム」と「スターボーリング」の位置を地図で示したものである。この場合、各移動先を目的地として経路検索を行った場合、図28と同様の経路が算出される。一方、ユーザは、複数の移動先を検索しどちらに向かうかを検討する場合、移動先の状況や、時事刻々と変化する交通渋滞の状況等を考慮して最終的に決定を行う。また、一方の移動先にまずは向かい、その移動先の混雑具合等を見て、後に他方の移動先へ向かうという場合もある。そこで、ここでは一方の移動先を経由して、他方の移動先までの経路を算出する手法について説明する。
図33は、図29等と同様、各移動先までの経路および経路の通過コストを用いて通過時間を算出したものである。探索経路ID「01」は「カラオケドム」までの経路であり、「楽1町」、「楽2町」、「楽通1」を通過して「カラオケドム」に到達している。また、到達時刻は合計「25分」となっている。一方、探索経路ID「02」は「スターボーリング」までの経路であり、「楽1町」、「楽3町」、「楽4町」等を通過して「スターボーリング」に到達している。また、到達時刻は合計「27分」となっている。ここで、到達時刻が短い方を通過地点(つまり一方の移動先が分岐点となる)とし、他方の移動先までの経路を探索する。探索経路ID「05」は、「カラオケドム」を通過地点(分岐点)として経路を探索した場合の結果である。「楽1町」、「楽2町」、「楽通1」、「カラオケドム」、「裏楽1」、「京2町」、「京3町」と「カラオケドム」を経由して「スターボーリング」へ到達している。また、最終到着時刻は32分と、最短の27分に対し閾値以内であり、比較的大回りにもならないため、これら経路を複数移動先の経路として算出することも可能である。
(実施の形態3)
前記実施の形態2では、移動履歴を用いて分岐点を算出し、分岐点を用いて情報の表示様態を制御する手法について説明を行った。複数移動先が検索された場合、複数移動先の分岐点を算出し、分岐点をもとに情報を表示することで、情報をより効果的にユーザに把握させることが可能となる。さらに移動履歴を考慮し、例えば移動履歴に蓄積された経路を基準に他方の移動先までの経路を再度探索して分岐点を算出することで、ユーザが普段利用している経路の分岐点から移動先へ向かうことが可能ともなる。また、分岐点の算出法については、例えば移動先までの経路を複数算出し、各経路における分岐点を分岐点候補とし、分岐点候補の中から現在位置あるいは移動履歴を基に分岐点を選択した。一方、分岐点の算出法は上記に示すものに限らない。そこで、本変形例では、分岐点の算出法について説明を行う。
図34は、本実施の形態におけるシステム構成図である。前記実施の形態で示す構成要素には同様の符号を付与する。
複数移動先入力部1004は、複数の移動先を入力する手段である。また、出発地入力部1012は、出発地を入力する手段であり、例えば本実施の形態の場合、検索を行う現在位置を検出し、現在位置を出発地とする。経路探索部1005は、入力された現在地から、各移動先までの経路を探索する手段である。
例えば、前記実施の形態と同様、ユーザによってカテゴリ「アミューズメント」等の入力がされ、移動先として「カラオケドム」と「スターボーリング」が検索されたとする。つまり、複数移動先入力部1004への入力はこれら「カラオケドム」と「スターボーリング」となる。図35は、ユーザの現在位置と「カラオケドム」、「スターボーリング」の位置を地図で示したものである。
移動先までの経路は、経路の通過時間や距離に応じたコストを用いて最短経路を探索するのが一般的である。図35の黒い太線はこれら移動先までの探索経路を示したものであり、例えば一般的な経路探索部で検索された結果とする。
図35において「カラオケドム」までの経路は交差点「楽1町」、「楽2町」、「楽通1」を通過する経路である。一方、「スターボーリング」までの経路は、交差点「楽1町」、「楽3町」、「楽4町」、「京4町」、「京3町」を通過する経路である。さらにここでは、経路のコストはこれら交差点(ノード)間の通過時刻とし、このコストを図35に示す。例えば現在位置から「楽1町」までは5分、「楽1町」から「楽2町」は5分、「楽2町」から「楽通1」は10分、「楽通1」から「カラオケドム」までは5分となる。したがって、現在位置から「カラオケドム」までの到着時刻は合計25分となる。同様に「スターボーリング」までは、楽1町まで5分、楽3町まで2分、楽4町まで3分、京4町まで10分、京3町まで5分、スターボーリングまで2分、合計27分となっている。
図36はこれら探索経路の結果を表で示したものである。各目的地までの経路と、それまでの通過時間が表で示されている。探索経路ID「01」は「カラオケドム」までの経路であり、楽1町まで5分、楽2町までは楽1町までの5分と楽1町からの5分を加算して合計10分と、ここでは累積した時間を示している。また、探索経路ID「02」は「スターボーリング」までの経路である。このように、一般的に経路探索では、各ノード間のコストを演算し、最短のルートを算出するのが一般的である。
ここで分岐点の算出について着目すると、この場合、「楽1町」までが共通しており、分岐点は「楽1町」となる。しかし、このように分岐点が現在位置から比較的近い場合、あるいは現在位置からすでに分岐してしまうような場合等、ユーザはすぐにいずれかの移動先に決定する必要が生じてしまう。例えば、もう少し走行して経路の状況や、最終的な到着時刻に応じて臨機応変に移動先を変更しようとした場合、ユーザに考える猶予を与えることができない。
そこで本実施の形態では、入力された複数の移動先のうち一方を選択し、選択された移動先までの経路上のノード系列を分岐点候補とし、この分岐点候補から再度、他方の移動先までの経路を探索することで分岐点を算出することとする。
移動先選択部1024は、複数移動先入力部1004で入力された移動先のうち、いずれか一方を選択する手段である。また分岐点候補選択部1023は、分岐点候補算出部1021で算出された分岐点候補のうち、選択された移動先までの経路上のノードを分岐点候補として選択する手段である。移動先の選択は、例えば探索された経路を対比して、現在位置から近い方の移動先とし、この近い方の経路上のノードを分岐点候補とする。
現在位置から近い方の移動先を選択し、この移動先までの経路上のノードを分岐点候補とするのは、他方の遠い移動先までの経路の方が複数の経路が算出されやすく、また時間の差が少ないためである。一方、遠い方の経路を基準として、近い方の移動先までの経路を再度探索すると、それら複数の経路は結果時間が多くかかり、遠回りとなってしまうためである。以下、具体例を用いて説明する。
図35に示す本例の場合、「カラオケドム」までの到着予測時間25分に対し、「スターボーリング」までの到着予測時刻27分と遠いため、移動先選択部1024において「カラオケドム」を選択する。そして選択された「カラオケドム」までの経路上のノードである「楽1町」、「楽通1」、「カラオケドム」が分岐点候補として選択される。そしてこの、各分岐点候補から「スターボーリング」までの経路を分岐点経路探索部1025で再度探索する。
図37は、各分岐点候補からスターボーリングまでの経路を複数算出したものを地図で示したものである。現在位置から選択された「カラオケドム」までの経路上のノードである「楽1町」、「楽2町」、「楽通1」、「カラオケドム」の各分岐点候補から他方の「スターボーリング」までの経路が探索されている。例えば、「楽1町」から「スターボーリング」までの経路は「楽1町」、「楽3町」、「楽4町」「京4町」、「京3町」を通過して「スターボーリング」へ到達する経路が探索されている。また次の分岐点候補である「楽2町」から「スターボーリング」までの経路は「楽2町」、「楽4町」「京4町」、「京3町」を通過して「スターボーリング」へ到達する経路が探索されている。図38は図37に示す通過時間コストを用いてこれら複数の経路の通過時間を示したものである。各分岐点候補から移動先「スターボーリング」までの探索経路および経路コストが示されている。
例えば探索経路ID「02」は分岐点候補である「楽1町」を出発地として探索された経路であり、この場合の通過ノードとそのコストが示されている。なお、本例の場合、現在位置から「スターボーリング」までの探索経路と、分岐点候補「楽1町」からの経路は等しくなるため、ともに探索経路ID「02」として示している。
一方、探索経路ID「03」は分岐点候補「楽2町」を出発地とする経路を示したものである。「楽2町」までの経路のコストは、「カラオケドム」までの経路である探索経路IDより10分と算出されているため、それ以降のコストを加算したものを示している。例えば「楽4町」までは12分、「京4町」まで22分、「京3町」まで27分、そして「スターボーリング」まで29分と、分岐点候補「楽2町」を出発地として「スターボーリング」へ至るまでの経路と、そのコストが算出されている。
同様に分岐点候補「楽通1」から分岐した場合の経路とコストが探索経路ID「04」として示されている。「楽通1」までは20分、「京3町」まで35分、そして「スターボーリング」まで37分となっている。
また、探索経路ID「05」は、「カラオケドム」を分岐点候補として「スターボーリング」までの経路とコストを示したものである。例えば複数の移動先を入力する場合、必ずしもいずれか一方へ移動するとは限らず、一方の移動先へ向かった後、他方の移動先へ移動する場合もあり、したがってこのように一方の移動先を分岐点候補として経路を算出することとしてもよい。「カラオケドム」までは25分と探索経路ID「01」より算出されており、その後の通過ノード「裏楽1」まで26分、「京2町」まで28分、「京3町」まで30分、そして「スターボーリング」まで32分となっている。
経路比較部1026は、分岐点経路探索部1025で探索された分岐点候補からの経路のコストを比較する手段である。比較結果に基づき、分岐点選択部1022において分岐点を選択する。具体例を用いて説明する。
上記探索経路ID「03」は、「楽2町」を右折して「スターボーリング」へ向かう経路である。現在位置から「楽1町」を直進し(通過時間コストは5分)、「楽2町」、「楽4町」、「京4町」、「京3町」と通過し「スターボーリング」へ到達する。この間、通過時間コストは合計29分となる。探索経路ID「02」に示す「スターボーリング」まで27分の最短経路に対して2分遅くなるが、一方、探索経路ID「01」に示す「カラオケドム」までの経路と「楽2町」までが共通し、分岐点は「楽2町」となり、「楽1町」と比較して現在位置から遠い位置に分岐点が算出されることとなる。
さらに探索経路ID「04」の場合は、「楽2町」を直進して「スターボーリング」へ向かう経路である。現在位置から「楽1町」、「楽2町」を直進し(通過時間コストは10分)、「楽通1」、「京3町」と通過し「スターボーリング」へ到達する。この間、通過時間コストは合計37分となる。探索経路ID「01」に示す「カラオケドム」までの経路と「楽通1」までが共通となり、したがって分岐点は「楽通1」となり、「楽2町」や「楽1町」と比較してさらに現在位置から遠い位置に分岐点が算出されることとなる。
ユーザは複数の移動先を検索して最終的にいずれの移動先へ向かうかを検討する状況がある。しかし、分岐点が比較的現在位置に近い場合、ユーザはすぐにいずれかの移動先に向かうかを決定する必要が生じてしまう。例えば、もう少し走行して経路の状況や、最終的な到着時刻に応じて臨機応変に移動先を変更しようとした場合、ユーザに考える猶予を与えることができない。そこで、本手法を用い、分岐点候補からの経路を算出し、経路コストを参照し、分岐点をより移動先に近い位置や、現在位置から遠い位置に算出することで、複数の移動先の情報を把握しつつ、最終的に移動先を決定することが可能となる。
一方、探索経路ID「02」に示す「スターボーリング」まで27分の最短経路に対して、探索経路ID「04」は10分遅くなる。つまり、分岐点は現在位置に対して3つのうち最も遠い位置に算出されているが、最短経路に対して比較的大きく遠回りをして分岐点を算出していることにもなる。この場合、たとえ分岐点現在位置から遠い位置に算出し、ユーザに複数の移動先のうち最終的に判断を下す時間の猶予を与えても、最終的に「スターボーリング」へ移動することにした場合、最短の27分で行けたのに37分と10分余分にかかることは、好ましいものではない。そこで分岐点の位置のみならず、経路時間のコストを考慮して分岐点を算出するものとしてもよい。例えば最短27分に対し、プラス20%(約6分)の猶予等、閾値を設けて分岐点を算出することとしてもよい。この場合、到着時間が37分である探索経路ID「04」は閾値を超えているため、経路探索ID「03」が利用され、分岐点は「楽2町」ということになる。
経路情報表示部1011は、分岐点選択部1022で選択された分岐点を用いて経路に関する情報等を表示する手段である。分岐点を用いた経路情報の表示については、前記実施の形態1等で示したように、分岐点までの経路情報と分岐点以降の情報を対比させる等、ユーザが必要とする情報を、分岐点をもとにより把握しやすく表示することが可能となる。
なお、前記実施の形態で示すように単に移動先までの経路を複数探索して分岐点を算出する手法とは異なり、一方の移動先経路上のノードを基準として経路を探索することで、検索範囲を絞れ、経路探索コストを抑えることができる。また、一方の移動先経路は例えばユーザが選択することとしてもよい。分岐点はこの選択した経路上に算出されることとなるため、よりユーザに適する分岐点となることが多い。あるいは前記実施の形態で示すように、移動履歴を蓄積する手段を別途設けて、この移動履歴に存在する経路を一方の移動先と選択することとしてもよい。履歴に存在するユーザがよく把握する地点が分岐点として算出されるため、例えば他方の移動先へ向かったことがなくても、ユーザがよく把握する経路から分岐して向かうことができるため、より容易に経路を把握することが可能となる。さらにこの分岐点までの到着予測時刻や分岐点以降の到着時刻の差を対比させて把握させることで、より快適なドライブを促すことが可能となる。
以下、本実施の形態の動作フローを、図39のフローチャートを用いて説明する。
まず複数移動先入力部1004において複数の移動先を入力する(S4001)。また出発地入力部1012において出発地を入力する(S4002)。そして入力された出発地から各移動先までの経路を経路探索部1005で探索する(S4003)。本実施の形態では、経路は交差点等のノードの系列で探索されており、このノードを分岐点の候補として算出する(S4004)。例えば図35に示すように入力された移動先「カラオケドム」および「スターボーリング」までの経路が探索され、探索されたノードが分岐点候補として算出されている。
次に移動先選択部1024において基準となる移動先を選択するために、各移動先までの経路コストを算出し(S4005)、例えば経路コストの少ない方の移動先を基準の移動先として選択する(S4006)。そして、選択された移動先までの経路上の分岐点候補を選択し(S4007)、この選択された分岐点候補から再び他方の移動先までの経路を分岐点経路探索部1025で探索する。
例えば図35の場合、「スターボーリング」までかかる経路コスト27分に対し、「カラオケドム」までの経路コストは25分と少ないため、「カラオケドム」を選択し、「カラオケドム」までの経路上の分岐点候補である「楽1町」、「楽1町」、「楽2町」、「楽通1」、「カラオケドム」が分岐点候補として選択され、この分岐点候補から再び「スターボーリング」までの経路が探索されることとなる。
例えば現在地に最も近い分岐点候補にフラグをセットし(S4008)、セットされた分岐点候補から経路を探索する(S4009)。そして探索された経路のコストと現在地点から探索された経路コストを経路比較部1026で比較し(S4010)、閾値以内(例えばプラス20%等)か否かを判定する(S4011)。閾値以内の場合は次の分岐点候補にフラグをセットし(S4012)、ステップS4009へ進む。一方、経路コストが閾値を超えていた場合は(S4011のNo)、フラグを一つ戻し(S4013)、フラグがセットされた分岐点候補を分岐点選択部1022で分岐点として選択する(S4014)。そして例えば前記実施の形態1と同様、様態情報を参照し(S4015)、情報を表示する(S4016)。
(実施の形態3における変形例)
前記実施の形態では、分岐点候補の中から最終的に分岐点を決定するにあたり、閾値(例えば比較経路のコストを基準として20%未満等)を用いて分岐点を選択していたがこれに限ったものではない。例えばユーザが他方の移動先への到着希望時間等を入力し、その到着時間に間に合うか否かを基準に分岐点を算出し、表示することとしてもよい。以下、具体例を用いて説明する。
図40は、本実施の形態におけるシステム構成図であり、図34の構成要素に加え、移動先到着予定時間取得部1027が加わる。なお、前記実施の形態で示す構成要素には同じ符号を付与し、説明を省略する。
移動先到着予定時間取得部1027は、入力された移動先へ到着すべき予定時刻を取得する手段である。本実施の形態ではこの移動先到着予定時間取得部1027で取得された予定時刻によって分岐点を決定する手法について、以下具体例を用いて説明する。
例えばユーザによって複数の移動先「映画館A」と「映画館B」が入力されたとする。図41はユーザの現在位置と「映画館A」、「映画館B」の位置関係等を地図で示したものである。図41において黒い太線は、経路探索部1005で探索された各移動先「映画館A」、「映画館B」までの探索された各経路を示している。「映画館A」への経路は「楽1町」、「楽2町」、「裏楽2」、「裏楽3」を通過し「映画館A」へ到達する経路が探索されている。
また、図41にはノード間の経路コスト(通過に要する時間とする)が示されており、一般的に経路探索はこれら経路コストを用いて行われる。例えば現在位置から「楽1町」までは5分、「楽1町」から「楽2町」までは10分等が示されている。この経路コストより「映画館A」までは合計50分(5分+10分+10分+10分+15分)要することが分かる。
一方、「映画館B」への経路は「楽1町」、「楽3町」、「楽4町」、「京4町」を通過し「映画館B」へ到達する経路が探索されている。経路コストは合計40分(5分+5分+10分+15分+5分)要することが分かる。
ここで実施の形態1で示すような共通するノードのうち、最終的に一致する地点を分岐点とした場合「楽1町」が分岐点ということになる。しかし必ずしもこの分岐点がユーザに適するとは限らない。例えば「楽1町」のように分岐点が現在地点から比較的近い場合、ユーザは「映画館A」または「映画館B」のいずれの移動先へ向かうかをすぐに決定しなければならない。しかしユーザによってはその移動先への到着時間等に応じて、適する分岐点が異なる場合もある。以下、具体例を用いて説明する。
図42は、本実施の形態における経路情報表示部1011の表示例である。例えば本例のユーザは映画「宇宙ウォーズ3」を見たいと欲しているとする。そしてこの「宇宙ウォーズ3」が上映されている「映画館A」と「映画館B」を複数の移動先として入力したとする。なお、現在時間は11時00分とし、「宇宙ウォーズ3」の「映画館A」での上映時間は13時00分、「映画館B」での上映時間は13時30分とする。そして今、経路探索の結果、上記に示すように「映画館A」までの所要時間は50分であり、到着予測時刻「12時50分」となっている。同様に「映画館B」までの所要時間は40分であり、到着予測時刻「12時40分」となっている。
ここで、それぞれの映画館における上映時間が、移動先へ到着すべき予定時刻の一例である。移動先到着予定時間取得部1027は、このような移動先へ到着する予定時刻を、例えば、映画館やプレイガイド業者等が行う情報提供サービスから、ネットワークを介して取得してもよい。
ここで分岐点を「楽1町」とした場合、あと5分で「映画館A」か「映画館B」のいずれの移動先へ向かうかを決定しなければならない。しかしユーザによっては交通状況等によって変わる到着予測時間を考慮して最終的に移動先を決定する場合もある。
例えば今、「映画館A」への到着予測時間は12時50分であり、映画「宇宙ウォーズ3」は13時00分からの上映であるため、ユーザとしては映画館Aへ移動したいと希望しているとする。しかし現段階での到着予測時刻であり、その後交通状況等によっては到達時間が変わり、上映時刻である13時00分には間に合わないかもしれない。
一方「映画館B」は到着予測時間が12時40分となっており、「映画館B」での上映時刻の13時30分には十分間に合う時間である。しかし、上映時刻が13時30分と「映画館A」に比べて遅く、できれば「映画館A」での鑑賞を望んでいるとする。
そこでまずは「映画館A」へ向かい、途中状況が変わったら「映画館A」での映画鑑賞はあきらめ、「映画館B」へ向かう行動をとるとする。するとあと5分で通過してしまう「楽1町」は本ユーザにとっては好ましくなく、まだ先にいずれの移動先へも向かうことができる分岐点があるならば、そちらを分岐点とするのが好ましいこととなる。
例えば図44は、しばらく「映画館A」へ向かい、所定の時間経過後(15分経過とする)のユーザの現在位置や、経路コストを示したものである。その間、例えば「裏楽3」交差点から「映画館A」の間で渋滞が発生し、経路コスト増加したとする。すると「映画館A」への到着時間も増加し、結果、到着予測時刻は13時05分と13時00分には間に合わなくなったとする。ここでユーザは「映画館B」へ最終的に向かうことに決定したとする。
現在地点から「映画館B」への経路を探索したところ、図44の黒い太線で示すように「裏楽2」を右折し、「裏楽4」、「京2町」、「京3町」、「京4町」を通過する経路が探索される。また、この経路コストは「裏楽2」から「裏楽4」までが5分等、合計30分となっており、「映画館B」への到着予測時刻は12時55分となっており、今から「映画館B」へ向かっても13時30分の上映時刻には間に合う地点である。
したがって「裏楽2」まで来て「映画館B」へ向かうことと決めても間に合うため、ユーザにとってこの「裏楽2」は適する分岐点とも考えられる。
一方、図45はさらに走行したある時点でのユーザの現在位置を示している。また走行により、現在時間は12時25分となっている。例えば図45に示す地点で最終的に「映画館B」へ向かうことにしたとする。経路探索を行った結果、「裏楽3」を右折し、「京1町」、「京2町」、「京2町」、「京3町」、「京4町」を通過して「映画館B」へ到達する経路が探索されたとする。しかし図45に示す時点で「映画館B」へ向かうとした場合の経路コストは「裏楽3」まで10分、「京1町」まで25分、「京2町」まで20分、「京3町」まで5分、「京4町」まで5分、「映画館B」まで5分と合計70分を要し、結果「映画館B」の到着予測時刻は13時35分となってしまい、13時30分の上映時刻にも間に合わなくなってしまう。
つまり、本例の場合、「裏楽2」を通過して「裏楽3」まできてしまうと「映画館B」への希望する到着である13時30分には間に合わず、したがって「裏楽3」はユーザにとって適する分岐点ではない。最終的に「映画館B」へ向かうことが可能な地点は図44に示す「裏楽2」ということになる。つまり、「映画館A」と「映画館B」のいずれへ最終的に向かうか、その状況を考慮しつつ走行する場合、最終的に適切な分岐点は「裏楽2」ということになる。
そこで本実施の形態では、ユーザの希望する最終的な到着予測時刻を考慮して分岐点を算出する手法について説明する。
例えば本実施の形態では、移動先到着予定時間取得部1027で到着を希望する時間を取得する。本例の場合、図42に示すように「映画館B」での「宇宙ウォーズ3」の上映時間は13時30分であるため、最終的にはこれに間に合えばよいので「13時30分」と入力し、一方、間に合う可能性がまだある「映画館A」へまずは向かうこととする。図43は、移動先到着予定時間取得部1027で各移動先への到着予定時刻を入力する一例を示したものである。画面中央に「映画館A」への到着予定時刻「13時00分」、「映画館B」への到着予定時刻「13時30分」と、各移動先とその到着予定時刻が表示されており、ユーザが「YES」を選択することで取得されることとなる。なお、ユーザがこの到着予定時刻を設定することも可能であり、また映画館の上映時刻等をもとに自動的に設定されることとしてもよい。
一方、入力された移動先のうち、ユーザが希望する「映画館A」を移動先選択部1024で選択する。そして分岐点候補選択部1023で選択された「映画館A」までの経路上のノードを分岐点候補として選択する。
図46は、分岐点の算出を説明する図である。選択された移動先「映画館A」までの経路が探索されており、探索された経路上のノード「楽1町」、「楽2町」、「裏楽2」、「裏楽3」が分岐点候補として選択されている。そして分岐点経路探索部1025はこの選択された分岐点候補から「映画館B」への経路を再度探索する。例えば「楽2町」から「映画館B」へ向かう経路として「楽2町」、「楽通1」、「京3町」、「京4町」を通過し「映画館B」へ向かう経路が探索されている。また、分岐点候補である「裏楽2」から「映画館B」へ向かう経路として「裏楽2」、「裏楽4」、「京2町」、「京3町」、「京4町」を通過し「映画館B」へ向かう経路が探索されている。また、分岐点候補である「裏楽3」から「映画館B」へ向かう経路として「裏楽3」、「京1町」、「京2町」、「京3町」、「京4町」を通過し「映画館B」へ向かう経路が探索されている。また図46には各ノード間の経路コストが示されている。
図47は、図38等と同様、上記の探索された各経路を探索経路IDで示し、さらにノード間の経路コストとその総和を示している。例えば探索経路ID「01」は、現在地点から「映画館A」へ向かう経路とその経路コストであり、計50分かかることが示されている。また探索経路ID「02」は「楽1町」を左折する経路であり、合計40分かかることが示されている。探索経路ID「03」は分岐点候補「楽2町」から「映画館B」へ向かう経路であり計45分かかることが示されている。また探索経路ID「04」は分岐点候補「裏楽2」から「映画館B」へ向かう経路であり計55分かかることが示されている。探索経路ID「05」は分岐点候補「裏楽3」から「映画館B」へ向かう経路であり計95分かかることが示されている。ここで探索経路ID「05」は到着予測時刻が現在の時刻13時35分(12時00分+95分)で入力された到達時間の13時30分を超過しているので分岐点としてはふさわしくなく、現在地から最も遠く、かつ入力された到達時間を越えない探索経路ID[04]が選択され、結果分岐点としては「裏楽2」が選択されることとなる。
図48は、算出された分岐点「裏楽2」を基に各移動先までの経路情報を表示した一例である。画面左側は「映画館A」までの経路情報を示したものである。分岐点「裏楽2」まで25分かかるため、分岐点到達予測時刻は「12時25分」となっている。また分岐点「裏楽2」から「映画館A」までの所要時間は「25分」であり「映画館A」への到着予測時刻は「12時50分」となっている。一方、分岐点「裏楽2」を通過後、「映画館B」への移動経路が画面右側に記されている。分岐点を通過後、「映画館B」へ向かった場合の所要時間は「30分」となっている。そして分岐点「裏楽2」を経由して「映画館B」へ移動する場合の到着予測時刻は「12時55分」となっている。
図41に示すように現在地点から直接「映画館B」へ向かう経路を利用した場合到着時間は「12時40分」であり、分岐点「裏楽2」を通過する経路と比較すると、15分遅くなってしまうが、分岐点「裏楽2」を経由しても上映時刻の13時30分には間に合う経路となっている。また、「楽1町」を通過する以前の現在の地点において渋滞は発生しておらず、分岐点以降の所要時間も「25分」となっており、今の段階では「映画館A」における上映時刻13時00分にも間に合う可能性があるため、まずは映画館Aへ向かう等、ユーザが希望する行動を反映させた情報提供が可能となっている。
なお、図48に示す表示例において各地点の到着予測時刻は各画面にリスト形式で表示されている。具体的には画面両側に「分岐点到着予測時刻12時55分」、画面左側に「映画館A」への「到着予測時刻12時50分」、画面右側に「映画館B」への「到着予測時刻12時55分」と表示されている。しかし画面の表示様態はこれに限ったものではなく、例えば現在位置を表示した画面(例えば図9等の表示例)上であって各地点付近に当該時刻を表示することとしてもよい。カーナビにおいてユーザは一般的に自分の現在位置とその周辺を所定の縮尺で表示する現在位置表示を行いながら走行していることが多い。
この際、例えば図48のように画面を切り替えて表示するのではなく、現在表示しているその画面上に所定の地点の通過時間、つまり本例の場合「映画館A」「映画館B」および分岐点である「裏楽2」交差点近辺に、各到着予測時刻を表示することとしてもよい。運転中のドライバーにとって現在表示している画面上にユーザが必要とする到着予測時刻を表示するだけでも、情報把握に負担をかけることなく、容易に必要な情報のみを提供することが可能となる。
リアルタイムで情報が取得され、さらに渋滞情報が詳細になる昨今、なるべく最新の状況になるまで両方へ向かう経路を選択し、最終的に移動先を決定する場合もある。この場合、単に経路を探索し、探索された経路から分岐点を求めるのではなく、ユーザが必要とする、両移動先へ到達できる最適な分岐点を算出する必要がある。本発明を用いることで、より適切な分岐点を求めることが可能となる。
(実施の形態4)
前記実施の形態では複数の移動先が入力された場合、一方を経由地として探索する手法について説明を行った。具体的には図32において、カラオケドムとスターボールが入力され、カラオケドムを分岐点、つまりこの場合経由地としてスターボールへ至る経路が探索されている。
一般的にユーザは、複数の移動先を探索してどちらに向かうかを検討する場合、時々刻々と変化する交通状況等を考慮して最終的に決定する場合があり、さらに一方の目的地の駐車場の空き具合や、店の混雑度合等を見て他方へ向かう場合もある。このように他方を経由地とした経路を探索することで、煩雑な操作なく自動的に必要な情報を提供することができ、安全に快適な走行をすることが可能となる。
さらに目的地のカテゴリ種類や、カテゴリの同異や類似性によってこれらを制御することとしてもよい。以下、具体例を用いて説明する。
図49はシステム構成図である。図34に示す構成要素に加え、移動先カテゴリ判定部1028が加わる。移動先カテゴリ判定部1028は、複数移動先入力部1004で入力された移動先のカテゴリの、例えば同異を判定する手段である。そしてカテゴリの同異によって一方の移動先を経由地とするか否かを判定し、分岐点選択部1022において分岐点を選択する。例えば、カテゴリが同一の場合は一方の移動先を分岐点としては選択せず、つまり経由地としては選択せず、他方、異なる場合は一方の移動先を分岐点として選択する、つまり経由地として選択することとする。ここで、移動先カテゴリ判定部1028が、請求の範囲に記載の移動先分類判定手段の一例である。
入力された移動先のカテゴリが同一の場合、一般的にユーザはこれら複数の移動先のいずれか一方へ向かうことを希望し、状況に応じて最終的にいずれの移動先へ向かうかの選択を行おうとする場合が多い。他方、入力された移動先のカテゴリが異なる場合、ユーザは最終的にはこれら複数の移動先のいずれへも向かうことを希望しており、状況に応じてまずどちらかの移動先へ向かうかの順序を決めているにすぎない場合もある。
そこでカテゴリの同異によって移動先を分岐点として選択するか否かの制御を行う。
なお、本システムにおいて入力された複数の移動先から経路探索を行い、分岐点候補を算出するまでの工程は上記実施の形態と同様である。
図50は探索された経路と分岐点候補を示す図である。複数移動先入力部1004においてカラオケドムとスターボーリングが入力され、経路探索部1005においてカラオケドムまでの経路が探索されている。
さらに分岐点候補算出部1021において分岐点候補が算出され、分岐点経路探索部1025において各分岐点候補からスターボーリングまでの経路が探索されている。例えば楽2町交差点で右折して直接スターボーリングへ向かう経路と、カラオケドムを経由してスターボーリングへ向かう経路の2つが探索されているとする。ここで経路比較部1026において経路を比較し、分岐点選択部1022において最適な分岐点を選択することとなるのだが、さらに本例では移動先のカテゴリによって制御を行う。
本例においてカラオケドムのカテゴリはカラオケと、スターボーリングのカテゴリはボーリングとする。この場合、カテゴリが異なるためカラオケドムを分岐点として選択し、つまり経由地として選択し、経路表示を行う。このようにカテゴリが異なる場合、ユーザはカラオケドムとスターボーリングの両方へ行くことを希望しており、まずどちらへ向かうかを選択している場合もある。移動先の一方を分岐点、つまり経由地として選択して経路情報を提供することで、煩雑な操作なく、交通渋滞等の状況を考慮しながら安全に走行することが可能となる。
図51はカテゴリが異なる移動先が入力された場合を示す図である。複数移動先入力部1004においてカラオケドムとカラオケうた丸が入力され、経路探索部1005においてカラオケドムまでの経路が探索されている。さらに分岐点候補算出部1021において分岐点候補が算出され、分岐点経路探索部1025において各分岐点候補からカラオケうた丸までの経路が探索されている。例えば楽2町交差点で右折して直接カラオケうた丸へ向かう経路と、カラオケドムを経由してカラオケうた丸へ向かう経路の2つが探索されているとする。
これら移動先はともにカテゴリがカラオケであるため、カラオケドムを分岐点とする経路、つまりカラオケドムを経由する経路は選択されず、したがって楽2町交差点を分岐点とし、直進してカラオケドムへ向かう経路と、右折してカラオケうた丸へ向かう経路が示されることとなる。
このようにカテゴリが同一の場合、ユーザが最終的に両方のカラオケへ向かうことを希望している場合は少なく、例えば渋滞を避けて、いずれか一方のカラオケのみを選択して向かっていると考えられる。そこでカテゴリが同一の場合は一方の移動先を分岐点とする経路は選択せず、前記実施の形態で示すように時間等を考慮して最適な分岐点を選択することとしてもよい。
さらにカテゴリの種類によって移動先の一方を他方への経由地とするか否かの制御することも可能である。以下、図52、図53、図54を用いて説明する。
図52は分岐点候補の選択を説明する図である。図52において、複数移動先としてスターボーリングとマクドネスバーガーとが入力されている。そしてマクドネスバーガーまでの経路と、各分岐点候補からスターボーリングまでの経路が探索されている。例えば楽2町交差点で右折して直接スターボーリングへ向かう経路と、マクドネスバーガーを経由してスターボーリングへ向かう経路の2つが探索されているとする。ここでマクドネスバーガーのカテゴリはファーストフードとなっている。
マクドネスバーガーなどファーストフード店は一般的に、軽食をとる場所であり、長時間滞在することは一般的に少なく、またドライブスルーなどもあり比較的短時間で用を済ませて移動することも可能な地点である。例えば本例のユーザはスターボーリングへ最終的には向かうが、マクドネスバーガーに時間的に寄れるならば寄るつもりでおり、交通状況に応じて判断を行おうとしているものとする。そしてこれら複数移動先を入力しているものとする。
このように滞在時間が比較的短い移動先は、訪問した後に再び新たな場所へ移動することも多く、時間を考慮しながら一方の移動先を分岐点、つまり経由地として経路探索することが望ましい。そこで例えば入力された移動先のカテゴリに応じて、その移動先を他の移動先への経由地とするか否かの判定を行うこととしてもよい。例えば滞在時間が比較的短い移動先は経由地として経路探索し、滞在時間が比較的長い移動先は経由地として選択しないこととしてもよい。
例えば、移動先カテゴリ判定部1028は、カテゴリとそのカテゴリに属する移動先での一般的な滞在時間を表す情報を蓄積し、この情報を参照して移動先のカテゴリごとの滞在時間を求めてもよい。ここで、移動先カテゴリ判定部1028が、請求の範囲に記載の移動先滞在時間判定手段の一例である。そして、求めた滞在時間に応じて一方の移動先を他方への経由地とするか否かを判定し、分岐点選択部1022において分岐点を選択する。
図53は、カテゴリと滞在時間との関係を表す情報を示した図である。それぞれのカテゴリに属する移動先での滞在時間が、ファーストフードでは15分、レストランでは1時間、映画館では2時間、ボーリングでは1時間と示されている。例えばこの移動先のカテゴリをもとに滞在時間を判定し、当該滞在時間を加味して経路コストを算出することで分岐点候補から正確に分岐点を算出することが可能となる。
例えば図53においてスターボーリングまでの所要時間は20分(=5分+15分)となっている。一方、マクドネスバーガーを経由する場合22分(=5分+5分+12分)であり、さらにマクドネスバーガーの滞在時間15分を加味して37分(=22分+15分)となり、経由しても比較的短い時間でスターボーリングへ向かうことができることとなる。ここで前記実施の形態で示すように所定の範囲内、例えば1時間以上超過するか否かを判定して経由地点として選択するか否かを判定することとしてもよい。
図54は、図53と同様にカテゴリによって経由地選択の制御を説明する図である。図54において、複数移動先としてスターボーリングとマイケル映画館とが入力されている。そしてマイケル映画館までの経路と、楽2町交差点を右折して直接スターボーリングまで向かう経路、及びマイケル映画館を経由して向かう経路が探索されている。ここでマイケル映画館のカテゴリは映画館となっており、図53より滞在時間は2時間となっている。
ここで各経路に対する所要時間を算出すると、スターボーリングまでの所要時間は20分(=5分+15分)となっている。一方、マイケル映画館を経由する場合25分(=5分+10分+10分)であり、さらにマイケル映画館の滞在時間1時間を加味すると1時間25分(=1時間+25分)となる。つまり、マイケル映画館を経由したとすると、スターボーリングに直接向かう所要時間と比較して、大幅に遅れることとなる。
このように一方の滞在時間が比較的長時間と考えられるような目的地が入力された場合、当該目的地に寄ってから後に他方の目的地に向かうために同時に複数入力したとは考えられず、いずれか一方を選択するために入力したと判断するのが望ましい場合も多い。そこで本例で示すように移動先のカテゴリを参照して経由地選択の判断を行うこととしてもよい。
また、2つの移動先の一方が他方への経由地となるか、その2つの何れかが移動先となるか、ユーザの過去の行動から判定できる場合もある。そこで例えば前記実施の形態に示すようにユーザの移動履歴を蓄積しておき、移動履歴を用いて制御することとしてもよい。ユーザの移動履歴は、例えば図17に示される移動履歴蓄積部1101を、図49に示される構成に追加することによって、蓄積することができる。
図55は蓄積された移動履歴を示す図である。図18に示される移動履歴と同様、ユーザの走行に伴って蓄積された移動履歴が示されている。例えば移動履歴ID01として、06年9月10日9時40分に自宅を出発し、目的地であるマクドネスバーガーへ同日10時00分到着した履歴が蓄積されている。また、移動履歴ID02として、同日10時18分にマクドネスバーガーを出発し、同日10時41分に目的地であるスターボーリングへ到着した履歴が蓄積されている。
これら移動履歴より、過去に自宅からまずマクドネスバーガーへ行き、その後にスターボーリングへ向かったことがあることが分かる。このように過去、まず経由地としてある目的地へ向かい、その後他の移動先へ向かったことがあるような場合、今回もまた同じような移動を行うと考えることができる。そこで移動履歴より移動の連続性を考慮し、経由地とするか否かの制御を行うこととしてもよい。
なお、分岐点を通過後、他方の移動先までの経路の再探索を行うか否かの制御をカテゴリに応じて制御することとしてもよい。選択された分岐点を通過するということは、一方の移動先を選択し、他方を選択しなかったことを意味する。そこで選択されなかった他方の移動先までの経路の再探索は行わず、自動的に削除することとしてもよい。以下、図を用いて説明を行う。
図56は、分岐点通過後の経路探索を説明する図である。図56は、図41や図45等と同様、映画館Aと映画館Bの複数の移動先が入力され、分岐点候補の中から裏楽2交差点が分岐点として選択され、映画館Aまでの経路と裏楽2交差点を分岐した映画館Bまでの経路が示されている。これにより煩雑な操作なく、映画館Aまでの到着時刻と映画館Bまでの到着時刻を対比しながら走行することが可能となることを上記に示した。
一方、図57はユーザが分岐点である裏楽2交差点を通過した状況を示した図である。ここで裏楽2交差点を通過し直進したということは、つまりユーザは最終的に映画館Aを選択したことを意味している。その後も、一般的に入力された移動先までの経路を常に探索し続ける従来のカーナビなどでは、映画館Bまでの経路が再探索されてしまう。つまり本例の場合、裏楽2交差点を通過後も、裏楽3交差点を右折して映画館Bへ向かう点線で示される経路をたどることも可能である故に、従来のカーナビではその点線の経路が再探索され、表示されてしまう。
しかしながら、本発明で示す算出された分岐点を通過して一方の経路を選択したということは、つまり他方の移動先を選択しなかったことを意味しており、その場合にまでこのように他方の移動先への経路が再探索されてしまったのでは、不要な情報を提供することにもなり、運転上好ましいものではない。
そこで分岐点を通過後は、他方の移動先までの経路の再探索は行わず、経路を自動的に削除することが好ましい。例えば本例の場合、分岐点である裏楽2交差点を直進して通過した後は、映画館Bまでの経路を探索しないこととする。
また、このような経路の削除に、上記に示す移動先のカテゴリの同異を利用することも可能である。例えば映画館などカテゴリが同一の移動先を入力した場合、ユーザは最終的には一方の移動先のみへ向かうことを目的としており、したがってカテゴリが同一の場合に上記に示す分岐点通過後の経路削除を行うこととしてもよい。
さらには、このような経路の削除に、移動先のカテゴリに関する滞在時間を利用することとしてもよい。例えば図58は映画館Aへ向かった後、ユーザが再度移動する場合を示す図である。図57において裏楽2交差点を直進して映画館Aを選択したユーザはその後、映画館Aへ到着し、再びすぐに移動を行ったとする。
ここで図53に示す移動先のカテゴリに関する滞在時間を参照すると、映画館の滞在時間は2時間となっている。それにも係わらず、移動先におけるユーザの実際の滞在時間が、その移動先のカテゴリに関する滞在時間より短い、例えば10分といった時間であった場合、映画が満席であった等、本来の目的を果たせないためにあらためて移動を行っていると考えることもできる。そこで平均滞在時間である2時間より短い場合、複数移動先として入力された他方、つまり映画館Bまでの経路を改めて探索して表示することとしてもよい。図58において映画館Aを出発して映画館Bまでの経路が探索されている。
他方、2時間以上滞在した場合、目的は果たされたとして映画館Bまでの経路は探索しないこととする。このように移動先のカテゴリに関する滞在時間を考慮して複数移動先の経路情報を制御することで、煩雑な操作を行わなくても、よりユーザの行動目的を反映した情報提供が可能となり、快適で安全な走行を支援することが可能となる。
なお、ここまでに、分岐点は、地図情報蓄積部1003に蓄積された地図情報から交差点やランドマーク等の地点(ノード)をその候補として算出されることを説明した。地図情報には一般的に交差点やランドマークを単位としたノードの情報が蓄積されており、このノードとノードの間にかかる時間的コストをもとに経路探索が行われるのが一般的である。またカーナビにおいて経路が分岐する地点は交差点であることが一般的であるため、この交差点等のノードの系列を経路として探索して分岐点を算出することで分岐点が得られることを示した。
しかしながら、移動中のユーザに分岐点に関する情報を提示する場合、その分岐点で提示したのでは必ずしも間に合わない場合がある。例えば右折レーンと直線レーンが設けられた交差点が分岐点として算出された場合、実際に分岐行動をとることができる地点は交差点ではなく、その右折レーンと直線レーンとが始まる位置となる。
この場合、ユーザに分岐点に関する情報を提供すべき地点は、算出された交差点ではなく、その交差点に設けられた右折レーンと直線レーンとが始まる地点である。そこで例えば単に交差点等のノードのみを用いるのではなく、例えば右左折レーンなど、経路の交通規則に関する情報を用いて、分岐点の位置を補正することとしてもよい。以下、図を用いて説明を行う。
図59は交通規則を用いた分岐点の算出を説明する図である。図59は、図23と同様、移動先としてさくらゴルフ場と宮里ゴルフ場が入力されている。また交差点等をノードとした経路探索より、111号交差点が分岐点として算出されている。さくらゴルフ場へ向かう場合は111号交差点を直進し、宮里ゴルフ場へ向かう場合は111号交差点を右折することとなる。
ここで経路上の分岐点は111号交差点ではあるが、111号交差点において、さくらゴルフ場へ向かう場合は画面左側の直進レーンへ、宮里ゴルフ場へ向かう場合は中央側の右折レーンに入らなければならないとする。このような場合、単に経路上の分岐点である111号交差点において情報を提供したのでは、進路変更をするのに間に合わないため、適切ではないこととなる。
例えば現在、右折レーンを走行してきたとする。そして料金や到着時間の情報から最終的にさくらゴルフ場へ向かうとした場合、左側の直進レーンへ進路変更する必要があるが、111号交差点でそのような情報を通知することは無理な進路変更を誘発する恐れがあり、危険である。
そこで、例えば前述した地図情報と共に、交差点に右左折レーンが設定されているといった、経路の交通規則に関する情報を地図情報蓄積部1003に蓄積しておき、その情報を参照して、ユーザが実際に分岐行動をとる地点へ分岐点を補正することが望ましい。ここで、地図情報蓄積部1003が、請求の範囲に記載の交通規則蓄積手段の一例である。
本例のように、右折レーンと直進レーンとが設けられ、移動先に応じて進入すべきレーンが異なる場合、それらのレーンが始まる地点へ分岐点を補正し、補正後の分岐点をもとに情報を提供することでより安全に情報提供することが可能となる。
また、ここでは右左折レーンを例に説明を行ってきたが、例えば高速道路と一般道が分岐点となる場合、その高速道路に入るレーンの手前が行動の分岐点ということになる。さらに前記実施の形態に示すように、普段の移動履歴を蓄積しておき、例えばユーザが狭い道路等を苦手とするような場合や、初心者等の場合、さらに手前や、算出された分岐点の一つ前の交差点等を分岐点として算出することとしてもよい。ドライバーの運転特性を考慮した分岐点を算出することが可能となる。