JP2008086658A - 画像表示装置および画像表示プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】観察対象の同時観察が容易な2次元透視画像を表示する。
【解決手段】被写体を構成する複数種類の構成部位を含む3次元モデルを入手するモデル入手部210と、3次元モデルにおける各構成部位それぞれに対応するボクセルを認識する認識部230と、構成部位の種類に応じた変換規則に従って、3次元モデルにおけるその構成部位に対応するボクセルが有する濃度値を変換する階調変換部240と、濃度値が階調変換部240によって変換されてなる変換済3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を、複数種類の構成部位に対して互いに共通の所定の透視規則を用いて作成する変換済VR画像作成部250と、変換済VR画像作成部250によって作成された2次元透視画像を表示する表示部260とを備えた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、被写体の3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を表示する画像表示装置と、コンピュータをそのような画像表示装置として動作させる画像表示プログラムに関する。
医療の分野においては、放射線等を使って被検者の体内を撮影した医用画像を、被検者の病状の診断等に利用することが広く行われている。医用画像を診断に利用することにより、被検者に外的なダメージを与えることなく、被検者の病状の進行状況などを把握することができ、治療方針の決定などに必要な情報を手軽に得ることができる。
また、近年では、放射線を使ってデジタルの医用画像を得るCR(Computed Radiography)装置や、放射線を使って被検者の断層画像を得るCT装置(Computerized Tomography)、および強磁場を使って被検者の断層画像を得るMRI装置(Magnetic Resonance Imaging)等が広く用いられてきており、従来のX線フィルム等を使った医用画像に替えて、デジタルの医用画像が一般的に利用されてきている。
医用画像がデジタル化されたことにより、例えば、CT装置等で、被検者の複数箇所の断層画像を得て、それらの断層画像を組み合わせることで被検者の体内を立体的に表現した3次元モデルを得ること等が行われてきている。このような3次元モデルは、各々が濃度値を有する微小な立方体領域であるボクセルで構成されている。例えばCT装置で得られた断層画像は、CT装置による計測値(CT値)を有する複数の画素からなるが、そのような断層画像に基づく3次元モデルでは、各ボクセルが濃度値としてCT値を有することとなる。
このような3次元モデルをモニター等に2次元的に表示するに当たっては、一般的に、この3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像が作成され、モニター等にはこの2次元透視画像が表示される。従来、この2次元透視画像の作成方法として、例えば、上記の視点からの複数の視線それぞれの上でCT値が最大となるボクセルのそのCT値を有する画素からなる2次元透視画像を作成するMIP(Maximum Intensity Projection)と呼ばれる方法や、MIPとは逆に、各視線上での最小のCT値を有する画素からなる2次元透視画像を作成するMinIP(Minimum Intensity Projection)と呼ばれる方法がある。さらに、近年では、これらMIPやMinIPよりも実体感を持たせた2次元透視画像を作成する方法として、各視線上の複数のボクセルそれぞれのCT値を、所定の重み付けを施して加算して得られた加算結果を有する画素からなる2次元透視画像を作成するボリュームレンダリング法と呼ばれる方法もある(例えば、非特許文献1参照。)。
テレビジョン学会編,「3次元CG」,オーム社,1994年2月
3次元モデルに基づいて作成される2次元透視画像を、例えば手術前における被検者の病状の進行状況の把握や手術計画の立案および確認等に利用するに当たっては、その2次元透視画像が、病変部がはっきりと観察できると共に、その病変部周辺の血管構造、および病変が生じている臓器等といった複数の観察対象についても病変部の観察を妨げない程度に観察可能であることが望ましい。ところが、上記に挙げた作成方法で得られる2次元透視画像では、例えば、病変部等といった観察対象が骨の像に隠れて見えなくなっていたり、病変部の像がその病変部の像におけるCT値と似たCT値を有する臓器の像に紛れて見づらくなっていたりする等というように、病変部とその周辺部分という複数の観察対象の同時観察が困難になっている場合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、観察対象の同時観察が容易な2次元透視画像を表示することができる画像表示装置や、コンピュータをそのような画像表示装置として動作させる画像表示プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の画像表示装置は、被写体を構成する複数種類の構成部位を含む、各々が濃度値を有する複数のボクセルからなる3次元モデルを入手するモデル入手部と、
上記3次元モデルにおける上記複数種類の構成部位それぞれに対応するボクセルを認識する認識部と、
上記構成部位の種類に応じた変換規則に従って、上記3次元モデルにおけるその構成部位に対応するボクセルが有する濃度値を変換する変換部と、
上記3次元モデルのボクセルが有する濃度値が上記変換部によって変換されてなる変換済3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を、上記複数種類の構成部位に対して互いに共通の所定の透視規則を用いて作成する画像作成部と、
上記画像作成部によって作成された2次元透視画像を表示する表示部とを備えたことを特徴とする。
ここで、本発明の画像表示装置は、「上記認識部が、上記複数種類の構成部位それぞれに対応するボクセルの位置を表わす位置情報を入手することによりそのボクセルを認識するものである」という形態であっても良く、
「上記認識部が、上記複数種類の構成部位それぞれに対応するボクセルの位置を解析することによりそのボクセルを認識するものである」という形態であっても良い。
この本発明の画像表示装置によれば、上記変換部に、例えば所望の種類の構成部位を他の構成部位よりも目立たせるような濃度値の変換を行なわせて、その構成部位を目立たせつつも、他の構成部位についてもその所望の種類の構成部位の観察を妨げない程度に観察可能な濃度値に変換すること等によって、複数の観察対象の同時観察が容易な2次元透視画像を表示することができる。
また、本発明の画像表示装置において、「上記画像作成部が、
上記ボクセルの不透明度をそのボクセルが有する濃度値の関数として表わす不透明度関数を、上記変換済3次元モデルにおける所定種類の構成部位のボクセルが有する濃度値の範囲における不透明度が、その範囲外における不透明度よりも高くなるように作成する関数作成部と、
上記2次元透視画像を構成する複数の画素それぞれの画素値を、上記視点から上記画素に向かう視線上に存在するボクセルの濃度値に、その濃度値に基づいて上記不透明度関数を使って算出される不透明度を乗じた乗算結果をその視線上のボクセルの数だけ足し合わせることで算出するボリュームレンダリング法によりその2次元透視画像を作成するレンダリング部とを有するものである」という形態は好ましい形態である。
この好ましい形態の画像表示装置によれば、上記2次元透視画像作成部において上記ボリュームレンダリング法により上記2次元透視画像を作成することにより、実体感の高い2次元透視画像を得ることができる。
また、本発明の画像表示装置において、「上記変換部が、上記複数種類の構成部位のうち、所定種類の構成部位のボクセルの濃度値を、その所定種類以外の構成部位のボクセルの濃度値よりも濃い濃度値に変換するものである」という形態も好ましい。
この好ましい形態の画像表示装置によれば、注目したい構成部位が他の構成部位よりも目立った、その注目したい構成部位を観察しやすい2次元透視画像を容易に得ることができる。
また、本発明の画像表示装置において、「上記変換部が、上記複数種類の構成部位のうち、所定種類の構成部位のボクセルの濃度値については、そのボクセルが不可視となる濃度値に変換するものである」という形態も好ましい形態である。
この好ましい形態の画像表示装置によれば、例えば、注目したい構成部位の周辺に、その構成部位を覆い隠してしまうような他の構成部位が存在しているとき等に、その他の構成部位を不可視とすることで、注目したい構成部位に対する観察の便を図ることができる。
また、本発明の画像表示装置において、「上記変換部が、上記複数種類の構成部位のうち、所定種類の構成部位に属する各ボクセルの濃度値を均一な濃度値に変換するものである」という形態も好ましい形態である。
この好ましい形態の画像表示装置によれば、例えば、上記3次元モデル中で画質に斑がある構成部位が存在していて、その斑が対象の観察を妨げるような場合に、その斑を有する構成部位の明るさを均一にする階調変換を行なうことで斑を取り除き、対象の観察が一層容易な2次元透視画像を得ることができる。
また、上記目的を達成する本発明の画像表示プログラムは、コンピュータに組み込まれ、そのコンピュータ上で、
被写体を構成する複数種類の構成部位を含む、各々が濃度値を有する複数のボクセルからなる3次元モデルを入手するモデル入手部と、
上記3次元モデルにおける上記複数種類の構成部位それぞれに対応するボクセルを認識する認識部と、
上記構成部位の種類に応じた変換規則に従って、上記3次元モデルにおけるその構成部位に対応するボクセルが有する濃度値を変換する変換部と、
上記3次元モデルのボクセルが有する濃度値が上記変換部によって変換されてなる変換済3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を、上記複数種類の構成部位に対して互いに共通の所定の透視規則を用いて作成する画像作成部と、
上記画像作成部によって作成された2次元透視画像を表示する表示部とを構築することを特徴とする。
本発明の画像表示プログラムによれば、上述した本発明の画像表示装置の構成要素がコンピュータによって容易に構築される。
尚、本発明の画像表示プログラムについては、ここではその基本形態のみを示すに止めるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明の画像表示プログラムには、上記の基本形態のみではなく、前述した画像表示装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
また、本発明の画像表示プログラムがコンピュータ上に構築する画像モデル入手部などといった要素は、1つの要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであっても良く、1つの要素が複数のプログラム部品によって構築されるものであっても良く、複数の要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであっても良い。また、これらの要素は、そのような作用を自分自身で実行するものとして構築されても良く、あるいは、コンピュータに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行するものとして構築されても良い。
以上、説明したように、本発明によれば、観察対象の同時観察が容易な2次元透視画像を表示することができる画像表示装置や、コンピュータをそのような画像表示装置として動作させる画像表示プログラムを得ることができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用された医療診断システムの概略構成図である。
この図1に示す医療診断システムは、放射線を使った医療計測に基づいて被検者の断層画像を生成するCT装置10と、その生成された断層画像等を保管する管理サーバ20と、上記の断層画像に基づいて被検者の体内を立体的に表現した3次元モデルを作成すると共に、その3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を診断のために表示する診断装置30とで構成されている。この医療診断システムでは、これらCT装置10、管理サーバ20、及び診断装置30はネットワーク回線を介して互いに接続されている。
CT装置10では、上述したように被検者の断層画像が生成されるが、その際には、被検者の氏名等の被検者情報の入力が行われると共に、その被検者を識別するための識別番号が割り当てられ、生成された断層画像は被検者情報や識別番号と共に管理サーバ20に送られる。
管理サーバ20は、CT装置10から断層画像、被検者情報、および識別番号が送られてくると、それらを互いに対応付けて保管する。また、この管理サーバ20には、診断装置30において作成される3次元モデルも保管されるが、管理サーバ20は、3次元モデルを、その3次元モデルの作成の元となった断層画像と共に、その断層画像に対応する被検者情報および識別番号に対応付けて保管する。
ここで、本実施形態では、管理サーバ20は、図1の医療診断システムにおけるCT装置10や診断装置30からネットワーク回線を介して送られてくる断層画像や3次元モデルだけでなく、例えばシステム外で生成された断層画像や3次元モデルであって所定の記憶媒体等を介して渡されるものも保管する。このとき、これらシステム外からもたらされた断層画像や3次元モデルが管理サーバ20に保管される際には、それらの断層画像や3次元モデルについての被検者情報や識別番号が、この管理サーバ20に対するキーボード操作等によって入力される。
診断装置30は、外観構成上、本体装置31、その本体装置31からの指示に応じてモニタ32a上に画像を表示する画像表示装置32、本体装置31に、キー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード33、および、モニタ32a上の任意の位置を指定することにより、その位置に表示された、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス34を備えている。
ユーザが診断装置30のマウス34等を使って被検者の氏名や識別番号等を入力すると共に、断層画像あるいは3次元モデルの取り寄せを指示すると、それらの内容が管理サーバ20に伝えられる。管理サーバ20は、診断装置30から伝えられた被検者の氏名を含む被検者情報と、その被検者情報や識別番号と対応付けられた断層画像や3次元モデルのうち指示されたものを診断装置30に向けて送る。診断装置30では、管理サーバ20から断層画像が送られてきたときには、モニタ32a上にその断層画像が表示されると共に、ユーザからの指示があった場合には、その断層画像に基づいて3次元モデルが作成される。ここで、この3次元モデルは、被検者の複数箇所の断層画像を組み合わせることで作成される。このような3次元モデルは、微小な立方体領域であるボクセルで構成されており、各ボクセルは、3次元モデルの元となった断層画像を構成する各画素が有する、CT装置による計測値(CT値)を有していると共に、立体的な形状の質感や陰影等を表現するためのテクスチャ情報を有している。このような断層画像に基づく3次元モデルの作成は公知の技術であるので、詳細な説明については省略する。
また、診断装置30は、その診断装置30で作成された3次元モデルや、あるいは管理サーバ20から送られてきた3次元モデルについて、その3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を作成してモニタ32a上に表示する。
ここで、この診断装置30では、モニタ32a上に断層画像や2次元透視画像を表示することで、被検者に外的なダメージを与えることなくその被検者の体内についての診断等が行われるが、本実施形態では、この診断装置30には、特に、がんの摘出手術前における被検者の病状の進行状況の把握や手術計画の立案および確認等の便を図るための工夫がなされている。即ち、この診断装置30は、3次元モデルに基づく単純な2次元透視画像を表示するだけでなく、がん部分、がん部分周辺の血管構造、およびがんが生じている臓器等といった、がんに関する複数の観察対象を同時かつ容易に観察できるように目立たせた2次元透視画像を表示するという機能を有している。
医師等のユーザは、がんの摘出手術前に、診断装置30のモニタ32a上に表示されたこのような2次元透視画像を観察すること等により、その被検者のがんの進行状況の把握や、摘出手術計画の立案および確認等を容易に行うことができる。
ここで、この医療診断システムにおける本発明の一実施形態としての特徴は、診断装置30で実行される、上記のようながんに関する複数の観察対象を同時かつ容易に観察できる2次元透視画像の作成についての処理内容にある。以下、この処理内容に注目して診断装置30について詳しく説明する。
図2は、診断装置30のハードウェア構成図である。
診断装置30の本体装置31の内部には、図2に示すように、各種プログラムを実行するCPU301、ハードディスク装置303に格納されたプログラムが読み出されCPU301での実行のために展開される主メモリ302、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置303、FD41が装填され、そのFD41をアクセスするFDドライブ304、CD−ROM42をアクセスするCD−ROMドライブ305、管理サーバ20から断層画像や3次元モデルを受け取り、管理サーバ20に各種指示を送るI/Oインタフェース306が内蔵されており、これらの各種要素と、さらに図1にも示す画像表示装置32、キーボード33、マウス34は、バス307を介して相互に接続されている。
ここで、CD−ROM42には、診断装置30内に本発明の画像表示装置の一実施形態を構築するための、本発明の画像表示プログラムの一実施形態である画像表示プログラム100(図3参照)が記憶されている。
尚、この画像表示プログラム100(図3参照)は、診断装置30においてユーザが3次元モデルの取り寄せを指示したときに、その取り寄せた3次元モデルに基づく2次元透視画像を表示させる役割を担っている。そこで、以下では、管理サーバ20から3次元モデルが送られてくることを前提として説明を続ける。
図3は、本発明の画像表示プログラムの一実施形態である画像表示プログラム100が記憶されたCD−ROM42を示す概念図である。
図3に示すように、CD−ROM42に記憶された、本発明の画像表示プログラムの一実施形態である画像表示プログラム100は、モデル入手部110、原VR画像作成部120、認識部130、階調変換部140、変換済VR画像作成部150、および表示部160で構成されている。
CD−ROM42は、診断装置30のCD−ROMドライブ305に装填され、CD−ROM42に記憶された画像表示プログラム100が診断装置30にアップロードされてハードディスク装置303に記憶される。そして、この画像表示プログラム100が起動されて実行されることにより、診断装置30内に本発明の画像表示装置の一実施形態である画像表示装置200(図4参照)が構築される。
尚、上記では、画像表示プログラム100を記憶する記憶媒体としてCD−ROM42が例示されているが、この画像表示プログラム100を記憶する記憶媒体はCD−ROMに限られるものではなく、それ以外の光ディスク、MO、FD、磁気テープなどの記憶媒体であってもよい。また、画像表示プログラム100は、記憶媒体を介さずに、I/Oインタフェース306を介して直接に診断装置30に供給されるものであってもよい。
画像表示プログラム100の各部の詳細については、画像表示装置200の各部の作用と一緒に説明する。
図4は、画像表示装置200の機能ブロック図である。
この図4に示す、本発明の画像表示装置の一実施形態である画像表示装置200は、3次元モデルに基づく2次元透視画像を表示するものであり、モデル入手部210、原VR画像作成部220、認識部230、階調変換部240、変換済VR画像作成部250、および表示部260を有する。
図3の画像表示プログラム100が、図1の診断装置30において起動されると、その画像表示プログラム100のモデル入手部110、原VR画像作成部120、認識部130、階調変換部140、変換済VR画像作成部150、および表示部160は、それぞれ図4に示すモデル入手部210、原VR画像作成部220、認識部230、階調変換部240、変換済VR画像作成部250、および表示部260を構築する。ここで、これら画像表示装置200の各要素は、コンピュータのハードウェアとそのコンピュータで実行されるOSやアプリケーションプログラムとの組合せで構成されているのに対し、図3の画像表示プログラム100の各要素は、アプリケーションプログラムのみによって構成されている。
また、この画像表示装置200におけるモデル入手部210、認識部230、階調変換部240、および表示部260は、それぞれ本発明の画像表示装置におけるモデル入手部、認識部、階調変換部、および表示部の各一例に相当する。また、原VR画像作成部220と変換済VR画像作成部250とを合わせたものが、本発明にいう画像作成部の一例に相当する。また、変換済VR画像作成部250は、本発明にいう関数作成部とレンダリング部とを兼ねた一例にも相当する。
以下、この図4に示す画像表示装置200の各要素を説明することによって、図3に示す画像表示プログラム100の各要素も併せて説明する。
尚、以下の説明では、この図4に示す画像表示装置200の各要素について、図1の診断装置30において3次元モデルが作成された後、あるいは、この診断装置30に管理サーバ20から3次元モデルが送られてきた後に、この診断装置30が図4の画像表示装置200として動作するときに実行される処理の流れを参照しながら説明する。
また、この画像表示装置200は、図1の診断装置30において、がんに関する複数の観察対象を同時かつ容易に観察できるように目立たせた2次元透視画像を作成して表示する機能を担っているが、以下では、説明を簡単なものとするため、がんを肝臓がんに限定して説明を行う。
図5は、図4に示す画像表示装置200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
管理サーバ20から3次元モデルが送られてくると、その3次元モデルが、診断装置30内に構築された図4の画像表示装置200が備えるモデル入手部210で受け取られる(ステップS101)。受け取られた3次元モデルは、原VR画像作成部220と認識部230に渡される。
次に、原VR画像作成部220において、モデル入手部210から渡された3次元モデルに基づく2次元透視画像が、以下に説明するボリュームレンダリング法により作成される(ステップS102)。
ボリュームレンダリング法は、3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を作成するに当たり、その2次元透視画像を構成する各画素の画素値を次のように求める方法である。
まず、その任意の視点から、3次元モデルを通して各画素の方向を見たときに各視線上に存在するボクセルを求め、各視線上の複数のボクセルそれぞれのCT値を、所定の重み付けを施して加算する。ここで、各CT値に付される重みは、そのCT値を有するボクセルについての不透明度を示す係数であり、「0」から「1」までの間の値となる。「0」の不透明度は、対応するボクセルが全く透明であり不可視となっていることを示し、「1」の不透明度は、対応するボクセルの向こう側を透視できないことを示す。ここでは、この不透明度は、CT値の関数(不透明度関数)として定義され、重み付け対象のボクセルが有するCT値をその不透明度関数に代入することで不透明度が計算される。各視線上の複数のボクセルそれぞれについて不透明度が計算されると、各ボクセルのCT値と不透明度との積が、視点側から視線に沿って加算される。同時に、各ボクセルの不透明度のみが、視点側から視線に沿って加算され、CT値と不透明度との積の加算は、不透明度のみの加算結果が「1」を超えるか視線上のボクセルが無くなるまで続けられる。
ボリュームレンダリング法では、このような一連の処理によって、各視線について得られたCT値と不透明度との積の加算結果が、その視線の先の画素が有する画素値として採用されることで、2次元透視画像が求められる。
上記のステップS102の処理では、原VR画像作成部220において、モデル入手部210から渡された3次元モデルに基づく2次元透視画像が、このようなボリュームレンダリング法によって作成される。ここで、この原VR画像作成部220で作成される2次元透視画像を、後述の階調変換処理を施す前の3次元モデルに基づく2次元透視画像との意味で、原VR(ボリュームレンダリング)画像と呼ぶ。
原VR画像作成部220で作成された原VR画像は、表示部260に渡される。表示部260は、モニタ32a(図1参照)上に、以下に示すように、原VR画像が貼り付けられた操作画面261(図6参照)を表示する(ステップS103)。
図6は、原VR画像の一例が貼り付けられた操作画面261を示す図であり、図7は、原VR画像の作成に用いられた不透明度関数と、その原VR画像の元となった3次元モデル中の各臓器等について得られているCT値との関係を模式的に示す図である。
図6に示す操作画面261には、上記の原VR画像作成部220で作成された原VR画像VR1が貼り付けられる。ここで、原VR画像作成部220におけるこの原VR画像VR1の作成には、図7に台形状のラインで示されている不透明度関数f1が用いられる。この図7の不透明度関数f1は、予め不図示のメモリに記憶されていたデフォルトの不透明度関数である。
ここでは、肝臓がんに関する複数の観察対象を同時かつ容易に観察できるように目立たせた2次元透視画像の作成を目的としており、図6における原VR画像VR1は、被検者の腹部における複数の断層画像を組み合わせて作成された3次元モデルについての2次元透視画像である。本実施形態では、肝臓がんについての進行状況の把握や、摘出手術計画の立案および確認等に必要な観察対象として、病変部である肝臓がん、病変部の主たる周辺臓器である肝臓、および肝臓内の血管が想定されている。図7には、これらの観察対象と、観察の障害となることが予想される骨および他の臓器とについて、3次元モデル中でのCT値の範囲が示されている。
肝臓がんのCT値の範囲A1と、不透明度関数f1とを見比べると、肝臓がんのCT値の範囲A1のほとんどが「0」の不透明度に対応しているため、図6の原VR画像VR1中の肝臓がんの領域のほぼ全てが透明となっていることが分かる。また、肝臓のCT値の範囲A2は、その範囲A2の一部が「0」付近の低い不透明度に対応しており、その結果、原VR画像VR1中の肝臓領域の一部が透明となっている。また、肝臓についてはCT装置で得られるCT値がばらつくことが多く、その結果、肝臓領域に斑が生じて非常に見難くなっている。さらに、血管のCT値の範囲A3は、その範囲A3のかなりの部分が低い不透明度に対応しており、原VR画像VR1中では背景に紛れて観察し難くなっている。一方、骨のCT値の範囲A4や、他の臓器のCT値の範囲A5は上記の各観察対象のCT値の範囲を含んで広範囲に亘っており、このことによっても各観察対象を見難くしている。さらに、骨のCT値の範囲A4や、他の臓器のCT値の範囲A5は、「1」の不透明度に対応するCT値の範囲を全て含んでいるため、背後に存在する観察対象を完全に隠してしまっている。
本実施形態では、観察対象の観察に適した2次元透視画像の作成に当たって、まず、がんや肝臓や血管等の外側に存在し、その観察を妨げている骨を、原VR画像VR1中から消去する処理が行われる。この骨の消去処理は、図6の操作画面261に備えられている、骨消去指示ボタン261aに対するクリック操作によって指示される。
図5のフローチャートでは、ステップS103の処理による原VR画像VR1の表示後は、上記の操作画面261において骨の消去処理が指示されるまで待機状態となる(ステップS104)。そして、骨の消去処理が指示されると(ステップS104におけるYes判定)、まず、図4の認識部230において、3次元モデル中の骨の領域が次のように抽出される(ステップS105)。
この骨領域抽出処理では、3次元モデルを構成する各ボクセルが有するCT値についての分布を表わすヒストグラムが作成される。上記の図7に示すように骨のCT値の範囲A4は広範囲に亘るが、その分布は主にCT値の高い範囲に集中することが経験的に知られている。そこで、ヒストグラムにおいて、高CT値側からピークを探索したときに最初に現れるピークに基づいて、骨領域のコアとなる領域を抽出するための第1の閾値が求められ、その第1の閾値以上のCT値を有するボクセルからなる領域が骨のコア領域として抽出される。続いて、上記の第1の閾値よりも若干低い第2の閾値が算出され、この第2の閾値以上のCT値を有するボクセルからなる領域が抽出される。そして、この第2の閾値に基づいて得られた領域のうち、上記のコア領域と所定程度以上に隣接している領域が、骨の領域であると認められコア領域に追加される。次に、この第2の閾値よりもさらに低い第3の閾値が算出され、第2の閾値について実行された処理と同様の処理が行われて骨の領域の拡張が行われる。このような処理が所定回数繰り返されることで、3次元モデルからの骨領域の抽出が行われる。
このように認識部203において骨領域の抽出処理が行われると、認識部203は、3次元モデル中の骨領域の位置を示す情報を生成して階調変換部240に渡す。そして、この階調変換部240において、その情報が示す位置に存在する骨領域に属する全てのボクセルのCT値を、空気についてのCT値として知られている「−1000」という値に変換するという処理が行われる(ステップS106)。3次元モデルをなす各ボクセルのCT値は、3次元画像における階調(具体的にはCT値が高い程明るい階調を表わす)を表わしており、ステップS106の処理は骨領域の階調を変換する処理であるといえる。
ここで、本実施形態における各ボクセルのCT値の変換は、変換前のCT値をC、変換後のCT値をC’、変換に用いる2つのパラメータをそれぞれaおよびbとしたときの以下の基本式を使って行われる。
C’=a×C+b…(1)
上記の骨領域をなすボクセルのCT値の変換は、この(1)の基本式における2つのパラメータa,bそれぞれに、「0」および「−1000」を代入した次の変換式によって行われる。
C’=−1000…(2)
図4の階調変換部240において骨領域についての階調変換処理が終了すると、その階調変換処理が施された3次元モデルは認識部230に返されると共に、変換済VR画像作成部250に渡される。変換済VR画像作成部250では、この渡された階調変換処理後の3次元モデルに基づいてボリュームレンダリング法による2次元透視画像(骨領域変換後のVR画像)の作成が実行されて表示部260に渡される。
表示部260は、上記の原VR画像に替えてこの骨領域変換後のVR画像が貼り付けられた操作画面262を表示する(ステップS107)。
図8は、骨領域変換後のVR画像の一例が貼り付けられた操作画面262を示す図であり、図9は、VR画像の作成に用いられた不透明度関数と、骨領域変換後の3次元モデル中の各臓器等について得られているCT値との関係を模式的に示す図である。
図9から分かるように、上記の階調変換処理によって骨領域に属するボクセルに割り当てられる「−1000」という値は、不透明度関数f1では、完全に透明な「0」の不透明度に対応している。その結果、変換後の骨領域のCT値の範囲A4’が「0」の不透明度に対応することとなり、図8に示すように、操作画面262中のVR画像VR2は、図6に示す原VR画像VR1から骨の画像が消去された画像となる。
しかし、この図9に示す骨領域変換後のVR画像VR2では、依然として、肝臓がんの領域のほとんどは透明であり、肝臓や血管も見難い。
そこで、図5のフローチャートでは、ここまでに説明した処理に続いて、肝臓がんや肝臓や血管を見やすくする処理が行われる。
まず、図8の操作画面262において、この操作画面262のメッセージ部分262aに記載されているメッセージに従って、ユーザが、カーソル262bを、被検者に対する過去の診断から既に把握している肝臓がんの領域中の一点にあわせてクリック操作を行う。
ここで、図5のフローチャートでは、ステップS107の処理によるVR画像VR2の表示後は、肝臓がんの領域中の一点が指示されるまで待機状態となる(ステップS108)。そして、その指示が上記のクリック操作によってなされると(ステップS108におけるYes判定)、図4の認識部230にその指定された1点の位置を示す情報が伝えられると共に、操作画面262のメッセージ部分262aのメッセージが次のように変更されて再度待機状態となる(ステップS109)。
図10は、図5のステップS108の処理後の操作画面262を示す図である。
この図10に示すように、操作画面262のメッセージ部分262aのメッセージは、上記のクリック操作後に、肝臓内の血管領域中の1点を指定するようにというメッセージに変更される。ユーザは、今度は、その変更されたメッセージに従って、血管領域中の1点にカーソル262bを合わせてクリック操作を行う。
図5のフローチャートでは、このクリック操作がなされると(ステップS109におけるYes判定)、図4の認識部230にその指定された1点の位置を示す情報が伝えられ、その認識部230において、上記の骨領域についての階調変換処理後の3次元モデル中の肝臓領域、肝臓がんの領域、および血管領域の抽出が実行される(ステップS110)。
肝臓領域の抽出では、まず、上記の階調変換処理後の3次元モデルについて、CT値のヒストグラムが作成される。ここで、この3次元モデルは、肝臓を中心とした腹部の断層画像を元に構成されたものであるので、ヒストグラム中で最も高いピークに対応したCT値が、肝臓について得られたCT値である可能性が高い。そこで、そのピークに基づくCT値の範囲内のCT値を有するボクセルからなる領域を大まかな肝臓領域として抽出する。この段階での抽出には、この大まかな肝臓領域に他の臓器の一部が含まれていたり、あるいは肝臓領域の一部が欠けていたりといった抽出の過不足が存在する。ここで、本実施形態では、3次元モデルの各ボクセルが肝臓領域に属する可能性を表わす空間確率分布が、被験者に対する過去の診断記録や人体の一般的構造等に基づいて予め用意されている。そこで、まず、この空間確率分布に基づいて、上記の大まかな肝臓領域に修正が施される。また、3次元モデルの各ボクセルには、上述したように立体的な形状の質感や陰影等を表現するためのテクスチャ情報が付されている。本実施形態では、上記の大まかな肝臓領域の各ボクセルのテクスチャ情報に基づいて各ボクセルが、肝臓という、この大まかな肝臓領域中の主要な1つのかたまりに属するものであるか、そのかたまりから独立した他のかたまりに属するものであるかが判定される。そして、他のかたまりに属すると判定されたボクセルが大まかな肝臓領域から除かれることで修正が施される。図4の認識部230では、以上に説明した抽出と修正とを経ることで、上記の骨領域についての階調変換処理後の3次元モデル中の肝臓領域が精密に抽出される。
肝臓がんの領域の抽出では、図8の操作画面262を介して指定された1点が使われる。図4の認識部230では、まず、この1点に対応するボクセルに接するボクセルのうち、その1点に対応するボクセルのCT値と所定以上に似たCT値を有するボクセルが選ばれ、それら選ばれたボクセルと、上記の1点に対応するボクセルとからなるコア領域が抽出される。続いて、そのコア領域に接するボクセルについて同様の処理が行われて領域が拡張される。認識部230では、このような拡張処理を所定回数行う周知の領域成長法によって、3次元モデル中の肝臓がんの領域が抽出される。
血管領域の抽出では、図10の操作画面262を介して指定された1点が使われる。図4の認識部230では、この1点に対応するボクセルを出発点とする上記のような領域成長法による拡張処理が行われて3次元モデル中の血管領域が抽出される。
図5のフローチャートのステップS110で、このように認識部203において肝臓領域、肝臓がんの領域、および血管領域それぞれの抽出処理が行われると、認識部203は、3次元モデル中のこれらの領域それぞれの位置を示す情報を生成して階調変換部240に渡す。
続いて、まず、上記のように抽出された血管領域におけるCT値の範囲が求められる(ステップS111)。
図11は、抽出された血管領域のCT値の範囲を示す図である。
ステップS111では、この図11に示す抽出された血管領域のCT値の範囲A3を定義する値として、この範囲における最小値T1と最大値T2が取得される。
ここで、最も重要な観察対象である肝臓がんの領域のCT値の範囲A1は、上記の図7等やこの図11に示すように低CT値側に偏っている。本実施形態では、この肝臓がんの領域のCT値を高CT値側の値に変換することで、VR画像中の肝臓がんを目立たせるという手法が使われる。
図5のフローチャートでは、ステップS111に続いて、肝臓がんの領域のCT値の、変換後における範囲の中心値として、血管領域のCT値の範囲A3における最大値T2に所定値を加えた値T3が求められる(ステップS112)。
次に、肝臓領域のCT値、肝臓がんの領域のCT値、および血管領域のCT値それぞれが以下のように変換される(ステップS113)。
図12は、肝臓領域のCT値、肝臓がんの領域のCT値、および血管領域のCT値それぞれの変換後の範囲を示す図である。
肝臓領域については、その肝臓領域に属する全てのボクセルが有するCT値が、ステップS111において取得された血管領域のCT値の範囲A3における最小値T1に変換される。この結果、変換後の肝臓領域のCT値の範囲A2’は、この最小値T1のみとなる。
また、肝臓がんの領域については、その領域内の各ボクセルが有するCT値が、各CT値に、肝臓がんの領域のCT値の元の範囲A1(図11参照)の中心値とステップS112において求められた値T3との差分を加えた値に変換される。
この肝臓がんの領域のCT値の変換は、上記の基本式(1)における2つのパラメータa,bそれぞれに、「1」および上記の差分「D1」とを代入した次の変換式によって行われる。
C’=C+D1…(3)
この結果、変換後の肝臓がんの領域のCT値の範囲A1’は、ステップS112において求められた値T3を中心値とする、幅が肝臓がんの領域のCT値の元の範囲A1と等しい範囲となる。
さらに、血管領域については、その領域内の各ボクセルが有するCT値が、各CT値に、血管領域のCT値の元の範囲A3(図11参照)における中心値と最大値T2との差分を加えた値に変換される。
この血管領域のCT値の変換は、上記の基本式(1)における2つのパラメータa,bそれぞれに、「1」および上記の差分「D2」とを代入した次の変換式によって行われる。
C’=C+D2…(4)
この結果、変換後の血管領域のCT値の範囲A3’は、中心が元の範囲A3における最大値T2であり、幅がその元の範囲A3と等しい範囲となる。
このように肝臓領域についてはCT値が一定値に変換され、肝臓がんの領域や血管領域についてはCT値が高CT値側の値に変換される。
以上のように、3次元モデルにおける骨領域、肝臓がんの領域、肝臓領域、および血管領域それぞれのCT値とが変換されると、変換処理が施された3次元モデルが変換済VR画像作成部250に渡される。また、この変換済VR画像作成部250には、この3次元モデルとともに、変換後の血管領域のCT値の範囲A3’を示す範囲情報も渡される。
次に、変換済VR画像作成部250が、上記の範囲情報が示すCT値の範囲に基づいて、図9から図11までに示したデフォルトの不透明度関数f1を、次のような関数に変換する(ステップS114)。
図13は、変換後の不透明度関数を示す図である。
この図13には、デフォルトの不透明度関数f1も点線で示されているが、このデフォルトの不透明度関数f1との関係では、変換後の肝臓領域のCT値の範囲A2’は、「1」の不透明度に対応しており、このままでは、VR画像において肝臓内が全く観察できなくなってしまう。さらに、変換後の肝臓がんの領域のCT値の範囲A1’のほとんどは、「0」の不透明度に対応しており、変換後の血管領域のCT値の範囲A3’は、「0」付近の低い不透明度に対応している。
本実施形態では、これらの観察対象の各領域がVR画像において確実に観察できるように、変換後の血管領域のCT値の範囲A3’に基づいた次のような過程を経て、デフォルトの不透明度関数f1が変換後の不透明度関数f1’に変換される。まず、デフォルトの不透明度関数f1において「1」の不透明度に対応している範囲の中心が、変換後の血管領域のCT値の範囲A3’の中心(変換前の血管領域のCT値の範囲A3における最大値T2)に一致するように、デフォルトの不透明度関数f1が平行移動される。さらに、「1」の不透明度に対応している範囲が、変換後の血管領域のCT値の範囲A3’を所定の余裕を持って包含するするように、この「1」の不透明度に対応している範囲が拡縮されて、変換後の不透明度関数f1’が完成する。
このような過程を経て得られた変換後の不透明度関数f1’は、この図13に示すように、変換後の肝臓領域のCT値の範囲A2’がほぼ半透明の不透明度に対応し、変換後の肝臓がんの領域のCT値の範囲A1’のほとんどと変換後の血管領域のCT値の範囲A3’が「1」の不透明度に対応する関数となっている。このような不透明度関数の変換により、VR画像において肝臓内の観察が可能となると共に、肝臓がんの領域や血管領域が明確に観察できるようになる。
不透明度関数が変換されると、変換済VR画像作成部250では、変換処理後の3次元モデルと、変換後の不透明度関数とに基づいてボリュームレンダリング法による2次元透視画像(変換後のVR画像)の作成が実行されて表示部260に渡される。そして、表示部260が、この変換後のVR画像が貼り付けられた操作画面を表示し(ステップS115)、図5のフローチャートが示す処理が終了する。
図14は、変換後のVR画像の一例が貼り付けられた操作画面を示す図である。
この図14には、上記のステップS115で表示部260によって表示された操作画面263が示されている。この操作画面263中の変換後のVR画像VR3から分かるように、CT値が一定値に変換された肝臓領域VR3_2は、斑のない一定濃度の画像として表示されると共に、上記の変換後の不透明度関数に従って半透明で表示される。また、高CT値に変換された肝臓がんの領域VR3_1および血管領域VR3_3は、肝臓領域VR3_2やその他の臓器等よりも目だった状態で表示されると共に、変換後の不透明度関数に従って完全に不透明で表示される。また、肝臓がんの領域VR3_1のCT値は、血管領域VR3_3のCT値よりも高CT値側の値に変換されているので、肝臓がんの領域VR3_1は、血管領域VR3_3よりもさらに目だった状態で表示される。また、CT値については無変換であったその他臓器の領域VR3_4については、変換後の不透明度関数に従って大部分が透明か半透明で表示される。
このようにVR画像VR3では、最重要の観察対象である肝臓がんの領域VR3_1が最も目だって表示され、肝臓がんの摘出手術の立案に重要な血管領域VR3_3がその次に目だって表示される。また、肝臓領域VR3_2は、肝臓の形状が認識できる程度に表示され、これらの領域の観察の妨げとなる骨領域やその他臓器の領域VR3_4の大部分が透明に表示される。
つまり、以上に説明した本実施形態の画像表示装置200によれば、肝臓がん、肝臓、血管等といった複数の観察対象の同時観察が容易なVR画像を表示することができる。
尚、上記では、本発明の画像表示装置の一実施形態として、肝臓がんに関する観察対象を観察できるVR画像を作成して表示する画像表示装置200を例示したが、本発明はこれに限るものではない。本発明の画像表示装置は、例えば肺がん等といった他の臓器に生じるがんや、あるいはがん以外の病変や、病変とは係わりない特定の臓器等についての観察対象を観察できる画像を表示するものであっても良い。
また、上記では、本発明にいう認識部の一例として、3次元モデル中における観察対象の部位を、CT値の分布や所定の操作等に基づいて自動的に検出する認識部230を例示したが、本発明はこれに限るものではない。本発明の認識部は、例えば、3次元モデル中における観察対象の部位を、その3次元モデルの元となった断層画像や、その3次元モデルを透視した2次元透視画像等に対する、ユーザによるモニタ上での指定操作を介して認識するものであっても良く、あるいは、外部で生成された、各観察対象の部位の3次元モデル中における位置情報を入手するもの等であっても良い。
また、上記では、本発明にいう画像作成部の一例として、ボリュームレンダリング法によって2次元透視画像を作成する、原VR画像作成部220と変換済VR画像作成部250と合わせたものを例示したが、本発明はこれに限るものではなく、本発明の画像作成部は、例えばMIP(Maximum Intensity Projection)と呼ばれる方法や、MinIP(Minimum Intensity Projection)と呼ばれる方法等によって2次元透視画像を作成するものであっても良い。
また、上記では、本発明にいう変換部の一例として、上記の基本式(1)に基づいて作成された変換式を使って変換する階調変換部240を例示したが、本発明はこれに限るものではない。本発明の階調変換部は、上記の基本式(1)とは異なる例えば次のような式に基づいて変換式を作成するもの等であっても良い。
C’=a×(C−Av(C))+b=a×C+(b−Av(C))…(5)
ここで、この(5)式におけるAv(C)は、3次元モデルの各ボクセルが有するCT値の平均値である。
また、上記では、本発明にいう変換部の一例として、骨領域を除く観察対象の領域については、CT値の変換に用いる変換式を、変換前の血管領域のCT値の範囲に基づいて求められたパラメータを上記の基本式(1)に代入することで求める階調変換部240を例示したが、本発明はこれに限るものではない。本発明の階調変換部は、例えば、血管以外の他の臓器等のCT値の範囲に基づいて求められたパラメータを上記の基本式(1)に代入することで変換式を求めるものであっても良く、あるいは、各観察対象ごとに予め用意された変換式を用いるもの等であっても良い。
本発明の一実施形態が適用された医療診断システムの概略構成図である。 診断装置30のハードウェア構成図である。 本発明の画像表示プログラムの一実施形態である画像表示プログラム100が記憶されたCD−ROM42を示す概念図である。 画像表示装置200の機能ブロック図である。 図4に示す画像表示装置200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。 原VR画像の一例が貼り付けられた操作画面261を示す図である。 原VR画像の作成に用いられた不透明度関数と、その原VR画像の元となった3次元モデル中の各臓器等について得られているCT値との関係を模式的に示す図である。 骨領域変換後のVR画像の一例が貼り付けられた操作画面262を示す図である。 VR画像の作成に用いられた不透明度関数と、骨領域変換後の3次元モデル中の各臓器等について得られているCT値との関係を模式的に示す図である。 図5のステップS108の処理後の操作画面262を示す図である。 抽出された血管領域のCT値の範囲を示す図である。 肝臓領域のCT値、肝臓がんの領域のCT値、および血管領域のCT値それぞれの変換後の範囲を示す図である。 変換後の不透明度関数を示す図である。 変換後のVR画像の一例が貼り付けられた操作画面を示す図である。
符号の説明
10 CT装置
20 管理サーバ
30 診断装置
31 本体装置
32 画像表示装置
32a モニタ
33 キーボード
34 マウス
41 FD
42 CD−ROM
100 画像表示プログラム
110 モデル入手部
120 原VR画像作成部
130 認識部
140 階調変換部
150 変換済VR画像作成部
160 表示部
200 画像表示装置
210 モデル入手部
220 原VR画像作成部
230 認識部
240 階調変換部
250 変換済VR画像作成部
260 表示部
261,262,263 操作画面
261a 骨消去指示ボタン
262a メッセージ部分
262b カーソル
301 CPU
302 主メモリ
303 ハードディスク装置
304 FDドライブ
305 CD−ROMドライブ
306 I/Oインタフェース
307 バス

Claims (8)

  1. 被写体を構成する複数種類の構成部位を含む、各々が濃度値を有する複数のボクセルからなる3次元モデルを入手するモデル入手部と、
    前記3次元モデルにおける前記複数種類の構成部位それぞれに対応するボクセルを認識する認識部と、
    前記構成部位の種類に応じた変換規則に従って、前記3次元モデルにおける該構成部位に対応するボクセルが有する濃度値を変換する変換部と、
    前記3次元モデルのボクセルが有する濃度値が前記変換部によって変換されてなる変換済3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を、前記複数種類の構成部位に対して互いに共通の所定の透視規則を用いて作成する画像作成部と、
    前記画像作成部によって作成された2次元透視画像を表示する表示部とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記認識部が、前記複数種類の構成部位それぞれに対応するボクセルの位置を表わす位置情報を入手することにより該ボクセルを認識するものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記認識部が、前記複数種類の構成部位それぞれに対応するボクセルの位置を解析することにより該ボクセルを認識するものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  4. 前記画像作成部が、
    前記ボクセルの不透明度を該ボクセルが有する濃度値の関数として表わす不透明度関数を、前記変換済3次元モデルにおける所定種類の構成部位のボクセルが有する濃度値の範囲における不透明度が、該範囲外における不透明度よりも高くなるように作成する関数作成部と、
    前記2次元透視画像を構成する複数の画素それぞれの画素値を、前記視点から前記画素に向かう視線上に存在するボクセルの濃度値に、その濃度値に基づいて前記不透明度関数を使って算出される不透明度を乗じた乗算結果を該視線上のボクセルの数だけ足し合わせることで算出するボリュームレンダリング法により該2次元透視画像を作成するレンダリング部とを有するものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  5. 前記変換部が、前記複数種類の構成部位のうち、所定種類の構成部位のボクセルの濃度値を、該所定種類以外の構成部位のボクセルの濃度値よりも濃い濃度値に変換するものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  6. 前記変換部が、前記複数種類の構成部位のうち、所定種類の構成部位のボクセルの濃度値については、該ボクセルが不可視となる濃度値に変換するものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  7. 前記変換部が、前記複数種類の構成部位のうち、所定種類の構成部位に属する各ボクセルの濃度値を均一な濃度値に変換するものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  8. コンピュータに組み込まれ、該コンピュータ上で、
    被写体を構成する複数種類の構成部位を含む、各々が濃度値を有する複数のボクセルからなる3次元モデルを入手するモデル入手部と、
    前記3次元モデルにおける前記複数種類の構成部位それぞれに対応するボクセルを認識する認識部と、
    前記構成部位の種類に応じた変換規則に従って、前記3次元モデルにおける該構成部位に対応するボクセルが有する濃度値を変換する変換部と、
    前記3次元モデルのボクセルが有する濃度値が前記変換部によって変換されてなる変換済3次元モデルを任意の視点から透視したときの2次元透視画像を、前記複数種類の構成部位に対して互いに共通の所定の透視規則を用いて作成する画像作成部と、
    前記画像作成部によって作成された2次元透視画像を表示する表示部とを構築することを特徴とする画像表示プログラム。
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