JP2008086599A - 空気殺菌装置 - Google Patents

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Osamu Tawara
修 田原
Koji Omatsu
宏治 尾松
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H & C Gijutsu Kenkyusho Kk
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Abstract

【課題】本発明は、集塵や脱臭効果はもとより、特に高い殺菌効果を効率よく示す空気殺菌装置を提供することを課題とする
【解決手段】本発明は、中空筺体内2に、ハニカム孔(15、18)を有する殺菌用のフィルタープレート(11、12)と、送風手段と、光源14とを備えた空気殺菌装置1において、フィルタープレート(11、12)を、取り入れた空気の主たる流れの方向(F、F)に対して傾斜させて配置するとともに、フィルタープレート(11、12)が、細菌・微生物を吸着・保持可能な空隙を表面および内部に有するが、前記ハニカム孔を除く部分において、前記細菌・微生物がすり抜け得る孔を実質的に有しない形態を有し、かつ、ハニカム孔を有する板状の担持体の表面に光触媒をコーティングして成ることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハウスダストや花粉等の集塵、脱臭や有害物質の除去のみならず、空気中の細菌や微生物を確実に殺滅して、空気をほぼ完全に清浄化する、環境や人体に対して安全な空気殺菌装置に関する。
室内等の空気の清浄化のために、従来、種々の空気清浄化装置が開発され、実用化されている。特に、近年では、光触媒の優れた消臭・殺菌効果に注目して、光触媒を用いた空気清浄化装置が開発され、注目を浴びている。
即ち、現在、光触媒は、光が照射されると活性化して消臭・殺菌効果を示すことが知られており、従来の光触媒を用いた空気清浄化装置では、担持体に光触媒を担持させて成る消臭等用のフィルターにおいて、高い消臭・殺菌効果を得るために、当該担持体内部の空隙率を高めて、光触媒に届く光の量を増して、光触媒の活性化効率を高める構成が用いられている。
特開2005−169298号公報 特開2004−181301号公報
例えば、特許文献1に記載の浄化装置では、80%以上の空隙率の骨格から構成し、その表面に光触媒作用物質を結合させた触媒体を、消臭・殺菌のためのフィルターとして用いており、かかる触媒体の臭気物質等吸着能力を高めるために、当該骨格に吸着剤を結合することが可能である(図2等)。また、特許文献2に記載の触媒ハニカムは、空隙率が高いことが認められる紙材(難燃紙)から成るハニカムの表面に光触媒をコーティングして成る。
しかし、かかる従来の構成によれば、光触媒を担持させる担持体の空隙率が高いことから、触媒体を細菌や微生物等の多くがすり抜けてしまい、フィルターにおける十分な細菌・微生物等の吸着効果が得られず、ましてや高い殺菌・殺微生物等の効果は得られない。
また、従来の空気清浄化装置では、送風手段の下流に、フィルターの面に直交する空気流路を有する消臭等用のフィルターが、送風手段からの空気の流れに対して当該フィルターの面が直交するように設置される態様が殆どであり、かかる態様では、フィルターの空気流路を空気が素通りしてしまい、当該フィルターにおける高い細菌・微生物等吸着効果は確保できない。
そこで、本発明は、集塵や脱臭効果はもとより、特に高い殺菌・殺微生物効果を効率よく示す空気殺菌装置を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、空気取入部と空気放出部を備えた中空筺体内に、ハニカム孔を有する殺菌・殺微生物用のフィルタープレートと、取り入れた空気を前記フィルタープレートを通して前記空気放出部へ強制的に誘導する送風手段と、前記フィルタープレートに光を照射する光源とを備えた空気殺菌装置において、
前記フィルタープレートを、前記取り入れた空気の主たる流れの方向に対して傾斜させて配置するとともに、
前記フィルタープレートが、細菌・微生物を吸着・保持可能な空隙を、当該フィルタープレートの表面、即ち、フィルタープレートの外部に露出する部分と、フィルタープレートのハニカム孔の内部に露出する部分、および当該フィルタープレートの内部に有するが、前記ハニカム孔を除く部分において、前記細菌・微生物がすり抜け得る孔を実質的に有しない形態を有し、かつ、前記フィルタープレートが、ハニカム孔を有する板状の担持体の表面、即ち、この担持体の外側を構成する部分と、この担持体のハニカム孔の内壁を構成する部分とに光触媒をコーティングして成ることを特徴とする。
ここで、本明細書中、「空気の主たる流れの方向」とは、実質的に見て、中空筺体内において、空気の流れが認められる場合の、当該空気の流れの進行方向を意味する。また、「前記フィルタープレート等が細菌・微生物がすり抜け得る孔を実質的に有しない」および「前記フィルタープレート等に細菌・微生物がすり抜け得る孔が実質的に存在しない」とは、当該フィルタープレート等に細菌や微生物を衝突させた場合に、殺滅されることが所望される細菌・微生物が全く通過できないか、衝突させた当該細菌・微生物中の5%以下、好ましくは1%以下、いっそう好ましくは0.1%以下といった非常にわずかな数の当該細菌・微生物しか通過できないことを意味し、例えば、当該フィルタープレート等の内部中央部に存在する孔や隙間が非常に小さくて、かかる細菌や微生物が通過できない場合や、当該フィルタープレート等の内部に存在する孔や隙間が複雑に曲折しており、かかる細菌や微生物が通過できない場合等が含まれる。
即ち、本発明の前記空気殺菌装置は、前記フィルタープレートを、前記空気の主たる流れの方向に対して傾斜させたことにより、前記フィルタープレート全体に、前記空気中の細菌・微生物等を吸着し易くなっていることに加えて、当該フィルタープレートにおける空気流路、即ちハニカム孔が、空気の流れに対して対向するために、空気が当該ハニカム孔の内壁に衝突しつつ下流側へと通過して、当該ハニカム孔の内壁部分においても、当該空気中の細菌・微生物等を吸着し易くなっている。加えて、前記フィルタープレートを、細菌や微生物を吸着・保持可能な空隙を表面および内部に有するが、前記ハニカム孔を除く部分において、細菌や微生物がすり抜け得る孔を実質的に有しない形態としたことにより、フィルタープレートに衝突した空気中の当該殺菌・微生物を当該フィルタープレートに確実に捕捉し、保持できるようになっている。即ち、かかる構成の効果として、本発明の前記空気殺菌装置は、少なくとも、当該空気中の、殺滅が所望される細菌・微生物を殆ど全て、即ち、当該空気中のかかる細菌・微生物の95〜99.99%を、非常に効率的にフィルタープレートに吸着できる。
そして、さらに、本発明の前記空気殺菌装置においては、前記フィルタープレートを、担持体の表面に光触媒をコーティングして成る構成としたことにより、フィルタープレートの表面および内部に吸着・保持された前記細菌・微生物が、当該活性化された光触媒の作用により殺滅されるようになっている。また、ここで、特に、前記担持体として、多孔性物質から成るものを用いた場合には、当該担持体の表面に担持された光触媒の活性が長時間持続する効果が得られる。即ち、特に、かかる場合には、光触媒の活性が好ましい状態で持続するので、フィルタープレートの表面および内部に吸着・保持された細菌・微生物の殆どが、やや時間をかけて、しかし、装置の作動を開始してから3〜7時間後には確実に、殺滅される(殺菌率は99.9%以上である)。つまり、本発明の空気殺菌装置は、人体に悪影響を及ぼす強力な殺菌灯等を用いずとも、3〜7時間程度で、安全かつ確実に空気中のかかる細菌・微生物を殺滅できる。
即ち、かかる本発明の構成の効果として、本発明の空気殺菌装置内に流入した殆ど全ての細菌・微生物が確実に殺滅される。なお、多孔性物質から成る担持体を用いた場合の光触媒の活性の持続効果は、フィルタープレートの表面で活性化した光触媒が発生したO2 -やOH-等のラジカルが、多孔性物質の細孔やフィルタープレートおよび担持体の表面・内部の空隙に浸透および蓄積することによるものである。
前記フィルタープレートにおける優れた細菌・微生物等吸着効果を得るためには、前記フィルタープレートのハニカム孔が、空気の主たる流れの方向に対して、90°より大きく180°より小さい角度、例えば95°〜160°の角度を下流側になして傾斜するように、前記フィルタープレートを設置することが重要であり、特に、100〜155°の角度を下流側になして傾斜するように設置した場合に、高い菌等吸着効果が確認されている。
また、前記フィルタープレートは、その優れた殺菌・微生物等吸着・保持効果を得るためには、0.2μm〜10μmの範囲の種々のサイズおよび種々の形状の空隙が、当該フィルタープレートの表面、およびフィルタープレートの表面からその裏側の表面までの厚みの好ましくは40%までの内部に混在した形態を有することが好ましく、特に、当該フィルタープレートの表面、およびフィルタープレートの表面からその裏側の表面までの厚みの20%までの内部にかかる空隙を混在状態で有するフィルタープレートにおいて、高い菌等吸着効果が確認されている。
フィルタープレート
前記フィルタープレートは、光源からの光が、フィルタープレートのハニカム孔の内壁部を含めてフィルタープレート全体に、出来るだけ広範囲に照射されることが好ましいことから、1〜5cmの厚さを有するプレートに、その厚さ方向に直線状に貫通するハニカム孔を有する形状であること好ましく、特に、前記ハニカム孔が、プレートの面に対して直交する形状のフィルタープレートを使用した本発明の空気殺菌装置において、菌吸着・殺菌等に関して優れた効果が得られている。なお、本明細書中、「ハニカム孔を有する板」とは、円柱形状、および三角柱、四角柱、六角柱等の多角柱形状等の柱形の孔を蜂の巣のように敷き詰めた形状の板を意味する。
本発明におけるフィルタープレートは、例えば、前記担持体を、その表面および内部に、細菌や微生物を吸着・保持可能なサイズおよび形状の空隙を有するが、当該ハニカム孔以外に、細菌・微生物がすり抜け得る孔を、内部において実質的に有しない形態とし、かかる担持体の表面に光触媒を、フィルタープレート完成時に当該フィルタープレートの表面に、細菌や微生物を吸着・保持可能なサイズおよび形状の空隙が確保されるように、コーティングすることにより作製される。
かかる担持体は、好ましくは、0.2μm〜10μmの範囲の種々のサイズおよび形状の空隙が、当該担持体の表面およびその下層部分に混在しており、かつ、担持体内部において、細菌・微生物がすり抜けることができるような隙間が、実質的に存在しない形態を有する。
かかる担持体は、例えば、多孔性物質を押出成形することにより好適に作製できる。また、このように多孔性物質を用いた場合には、本発明の空気殺菌装置において、活性化した光触媒の効果が持続する効果の他、カビ臭等の脱臭効果や、ホルムアルデヒド等の有害物質を除去する効果も得られる。前記多孔性物質としては、例えば、活性炭、ゼオライト、アルミナ等の無機多孔性物質を使用することができ、活性炭を好適に使用できる。即ち、好ましくは80〜97重量%のかかる多孔性物質をバインダーおよび所望によりその他の添加物と混合し、好ましくは分散媒質で湿らせて、混合物を得、これを100〜700kg/cm2の圧力下に押出成形することにより、好ましい形態の担持体を作製でき、特に、93〜97重量%のかかる多孔性物質を含む前記混合物を300〜400kg/cm2の圧力下に押出成形することにより構成した、7〜15Nの硬度を有する担持体を用いたフィルタープレートにおいて、菌吸着・殺菌等に関して優れた効果が確認されている。前記押出成形処理後、焼成処理をなしてもよいが、単に乾燥するだけでも十分好適な担持体が得られる。乾燥の際の温度条件は、好ましくは20〜100℃であり、特に50〜60℃で乾燥させた担持体を用いたフィルタープレートにおいて、優れた効果が確認されている。前記バインダーとしては、例えば、セルロース系ポリマー、ビニル系ポリマー等が挙げられ、特に、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の親水性バインダーを好適に使用できる。かかるバインダーは、前記混合物中、好ましくは1〜20重量%使用され、特に、1〜5重量%の親水性バインダーを用いて、発明者等により、好適な担持体が作製されている。分散媒質としては、例えば、水を好適に使用できる。
前記光触媒は、光源により照射される光により活性化され、当該活性化により、直接的ないし間接的に、細菌、微生物およびウイルス等を死滅させ得る物質を意味し、かかる光触媒としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等が挙げられる。かかる光触媒の前記担持体表面へのコーティングは、フィルタープレートの表面に前記空隙を作成可能なあらゆる方法を用いてなすことができるが、例えば、かかる光触媒を、水やアルコール等の分散媒質に分散させて、アルミナ系や珪酸系のアルコキシド等の無機系粘結剤を含んだ光触媒分散液を得、これに前記担持体を浸漬する、ないしこれを前記担持体に塗布、スプレーする等によりなすことができ、かかる浸漬等の処理の後、単に乾燥するだけでも、後に焼成処理をなしてもよい。ここで、光触媒は、担持体の外部に露出する表面部分のみならず、ハニカム孔の内部に露出する、ハニカム孔の内壁を構成する部分にも、コーティングされる必要があり、浸漬法が、ハニカム孔の内壁部分を含め、担持体の表面に、簡便かつ確実に光触媒をコーティングできる点で適している。フィルタープレートの表面における空隙の作成に関しては、担持体の表面において、部分的に光触媒コーティングの厚さを変化させる等により、空隙を作出することもできるが、前記担持体を光触媒分散液に浸漬し、その後、乾燥することにより、好適な表面形状のフィルタープレートを簡便に作製できる。なお、光触媒は、担持体の内部にまで浸透させる必要はない。
例えば、0.5〜5m3/分で流れる空気中の細菌・微生物の吸着および殺菌等のために適したフィルタープレートは、例えば、1〜3mmの幅を有するハニカム孔が、0.3〜1mmの間隔で蜂の巣状に並んだ形状の前記担持体を、0.5〜10重量%の光触媒を含む光触媒分散液に、1〜20秒間浸漬し、その後、15〜80℃で乾燥することにより作製でき、特に、1〜3mmの幅を有するハニカム孔が、0.3mm〜0.8mmの間隔で並んだ形状の前記担持体を、3〜7重量%の光触媒を含む光触媒分散液に1〜10秒間浸漬し、その後25〜50℃で乾燥することにより作製したフィルタープレートを用いた本発明の空気殺菌装置において、0.5〜5m3/分の送風条件下に、優れた殺菌・殺微生物効果が確認されている。
空気殺菌装置
本発明の空気殺菌装置は、概して、筒状の筺体の一端側に送風手段を設置して、前記筺体の前記一端側から他端側へと空気を吹き出させるようにし、この筺体内に前記フィルタープレートを、筺体の軸方向に対して傾斜するように、筺体の内部を斜めに仕切るように配置することで、作製できる。即ち、かかる構成においては、概して、筺体内に、筺体の軸方向に進行する空気の流れが形成され、前記フィルタープレートが、筺体内の空気の流れに対して傾斜する態様を確保できる。
例えば、本発明の空気殺菌装置の好ましい一態様は、前記フィルタープレートを用いて、以下のようにして作製できる。
即ち、空気取入部と空気放出部を備えた中空筺体の内部に、柱形の空洞から成るフィルタープレート収容部を設け、当該フィルタープレート収容部の一端側に送風手段の送風口を設け、前記送風口の下流に、フィルタープレートを、フィルタープレート収容部の軸方向に対して傾斜するように、前記フィルタープレート収容部の内部を斜めに仕切るように、設置する。ここで、第一のフィルタープレートは、前記フィルタープレート収容部内部の、前記フィルタープレートにより仕切られた上流側の空間部分の、最も下流側の箇所において、前記フィルタープレート収容部の内壁に対して、10°〜85°の角度をなして傾斜するように配置されることが好ましく、特に、当該角度が40°〜80°の場合に、当該空気殺菌装置において、優れた効果が確認されている。フィルタープレートと前記フィルタープレート収容部の内壁との間には、隙間が空かないようにすることが好ましい。
本発明の空気殺菌装置は、少なくとも二段の前記フィルタープレートを備えることが、好ましく、本発明の空気殺菌装置が、複数段の前記フィルタープレートを備える場合は、隣り合う前記フィルタープレートがV字形を形成するように、互いに対向配置することが好ましい。
ところで、さらに、前記好ましい一態様において、送風手段の位置、送風手段の送風口を出た直後の空気の流れの向き、フィルタープレートの、送風口に対する配置関係、および中空筺体の内部形態等の中空筐体内部の諸態様や、送風手段の送風能力、即ち、生じる空気流の速度、量、拡散態様等を適宜調節することで、より好ましい本発明の空気殺菌装置を作製できる。
即ち、本発明の空気殺菌装置の前記一態様において、前記送風手段の送風口を、当該フィルタープレート収容部の内壁の一方側の面(以下、一方側壁面と呼ぶ)の下方に設け、当該フィルタープレート収容部の内壁における、前記一方側壁面に対向する面(以下、対向壁面と呼ぶ)に対して、前記送風口から斜めに、この対向壁面に到達する強さおよび量で吹き出す空気の流れを、当該送風手段により確保する。そして、前記送風口の下流に、まず、第一のフィルタープレートを、前記対向壁面に対して、上流側において、好ましくは10°〜85°の角度(α)をなして傾斜するように配置する。ここで、特に、当該角度(α)が40°〜80°の場合に、本発明の空気殺菌装置において優れた効果が確認されている。また、前記第一のフィルタープレートは、前記送風口との間に、前記一方側壁面と前記対向壁面の間の間隔(以下、対向壁面間距離と呼ぶ)の3倍以上の間隔が空かないことが好ましく、前記第一のフィルタープレートは、好ましくは、当該第一のフィルタープレートの最も上流側の箇所において、前記送風口と、前記対向壁面間距離の好ましくは0〜2倍の間隔を空けて設置する。
かかる態様において、より確実に所望の空気の流れを形成するために、前記第一のフィルタープレートと前記送風口との間に、前記送風口からの空気の流れを前記第一のフィルタープレートへと案内するためのガイド手段を設置できる。かかるガイド手段は、例えば、前記第一のフィルタープレートに対して、略平行に、ないし当該第一のフィルタープレートとの間隔が前記送風口の方向へと開くように傾斜をなして対向配置された面部分を有する、前記送風口からの空気流に対する障壁である。
この態様において、本発明の空気殺菌装置が複数段のフィルタープレートを備える場合は、前記フィルタープレート収容部において、前記第一のフィルタープレートの下流に第二のフィルタープレートを、前記対向側壁に対して、下流側において、好ましくは10°〜85°の角度(β)をなして傾斜するように配置する。ここで、特に、当該角度(β)が40°〜80°の場合に、当該空気殺菌装置において優れた効果が確認されている。また、当該第二のフィルタープレートと前記第一のフィルタープレートの間に、前記対向壁面間距離の3倍以上の間隔が空かないことが好ましく、好ましくは、前記第二のフィルタープレートは、当該第二のフィルタープレートの最も上流側の箇所において、前記第一のフィルタープレートの最も下流側の箇所と、前記対向壁面間距離の好ましくは0〜2倍の間隔を空けて設置する。
本発明の空気殺菌装置において、中空筺体内部に設置される前記光源は、フィルタープレートにコーティングされた前記光触媒を活性化し得る光、例えば、185〜360nmの紫外線を照射可能なものであり、光源から10cmの距離において1〜20mW/cm2程度の照射強度を有するものを使用できる。かかる光源は、前記中空筺体内部において、前記フィルタープレートの近傍に、設置されたフィルタープレートの出来る限り広範囲に光を照射できるように設置する。複数段のフィルタープレートを備える場合は、隣り合うフィルタープレートに挟まれる空間部分に前記光源を取り付けることが好ましく、より好ましくは、少なくとも、送風口の下流に最初に配置されるフィルタープレートとその次に配置されるフィルタープレートの間の空間部分に設置する。
本発明の空気殺菌装置により、空気中に含まれる主な有害細菌・微生物等、例えば黄色ぶどう球菌、グラム陰性菌、グラム陽性菌、カビ、ダニ等の95〜99.99%を死滅させ、空気を清浄化することができる。本発明の空気殺菌装置は、使用される場・状況に応じて、適宜の送風能力を有する送風手段を用いて作製できる。本発明の空気殺菌装置は、院内感染、食中毒、インフルエンザ等のウイルスの感染等の防止のために、ハウスダスト、花粉、排ガス等の集塵のために、ホルムアルデヒド等の有害物質の除去のために、病院、食品工場、家庭、公共施設等の種々の場で有効かつ安全に使用できる。
[実施例1]
図1および図2に示す本発明の空気殺菌装置1は、高さ70cm(H)の高さの中空筺体2の上半部の内部を四角柱形状の空洞〔縦11cm(l)×横22.5cm(w)×高さ35cm(h)〕として、この空洞をフィルタープレート収容部3とし、フィルタープレート収容部3の下方に、ファン収容部4を形成して成り、フィルタープレート収容部3とファン収容部4の連結箇所において、フィルタープレート収容部3の横(w)方向に対向する内部壁面の一方(以下、第一の壁面5と呼ぶ)およびこれに連続するファン収容部の壁面6を、中空筺体2の内部に陥入するように曲折させてガイド部7を形成して成る。ガイド部7の先端は、その対向する中空筺体内壁と12.5cmの間隔を空けて送風口8を形成し、ガイド部7の下流側の面は、第一の壁面5に対してその下流側において110°(δ)の角度をなす傾斜面を形成している。ファン収容部4の壁面には空気取入部9が設けられており、中空筺体2の天井部には空気放出部としての直線形状のスリット孔10が複数並設されている。フィルタープレート収容部3には、送風口8のすぐ下流に配置される第一のフィルタープレート11と、第一のフィルタープレート11の下流に配置される第二のフィルタープレート12(各々縦11cm×横24cm×厚さ2cm)がV字形をなすように、かつ各々がフィルタープレート収容部3の軸(x)方向に対して傾斜するように、配置されている。この2枚のフィルタープレートは、当該フィルタープレートの面に対して直交する複数の四角柱形状のハニカム孔(15、18)から成る同じハニカム構造を有する。
第一のフィルタープレート11は、送風口8に対向するように、送風口8と5cmの間隔(I)を空けて、第一の壁面5に対して、上流側において70°の角度(α)をなして傾斜するように設置されている。第二のフィルタープレート12は、第一のフィルタープレート11の下流に、第一のフィルタープレート11と10cmの間隔(I)を空けて、第一の壁面5に対して、その下流側において70°の角度(β)をなして傾斜するように設置されている。ここで、第二のフィルタープレート12は、第一のフィルタープレート11に対して40°の傾斜をなすように対向配置した状態〔図2に点線で示す状態(12)〕から、さらに、この状態〔(12)〕に対して10°の傾斜(γ)をなして、フィルタープレート収容部3の縦(l)方向に対向する壁面の一方側の壁面(以下、第二の壁面13と呼ぶ)の側に高くなるように、傾けて配置されている。いずれのフィルタープレートも、フィルタープレート収容部3の内壁との間の隙間をウレタンフォームuで詰めて、かかる隙間からの空気流の漏れを防止してある。第一のフィルタープレート11と第二のフィルタープレート12の間には、紫外線(254nm)を照射可能な殺菌灯14(U字形および棒状の3本構造のもの、11W/1本)が、第一の壁面5に対して直角に取り付けられている。この図1に示す空気殺菌装置1においては、送風口8から第一の壁面5の方向へと斜めに空気を吹き出し得るシロッコファン(図示せず)を使用する。なお、第二のフィルタープレート12を、第二の壁面13の側に高くなるように傾斜させたのは、空気放出部のスリット孔10の形状と併せて、スリット孔10の外側から内部の殺菌灯14を遮蔽するための構成であり、かかる傾斜は、装置が奏する殺菌効果にさほど影響しない。
即ち、スリット孔10は各々、前記第二の壁面13に対して平行に設けられており、各スリット孔10の長手方向の両側は、前記第二の壁面13の側に高く、第二の壁面13に対して80°の角度(σ)をなして傾斜する傾斜面を形成しており、中空筺体2の上方から見た時に、各スリット孔間の部分17により中空筺体2の内部が遮蔽されるようになっている。また、スリット孔10を視線が通過するように、中空筺体2の斜め上方の、前記第二の壁面13の側から中空筺体内部を見た時には、第二のフィルタープレート12が前記第二の壁面13の側に高くなるように傾斜していることから、第二のフィルタープレート12により、殺菌灯14の光が遮蔽される。
第一のフィルタープレート11および第二のフィルタープレート12の作製方法は、次の通りである。
水蒸気賦活化した石炭由来の活性炭粉末とメチルセルロースを97:3の重量比で混合し、水で湿らせて混練し、粘土状の混合物を得た。この混合物を押し出し成形機(自製のもの)に充填して、350kg/cm2の圧力を加えて押し出し、複数の正四角柱形状のハニカム孔(一辺2.5mm)が0.8mmの間隔を開けて内部を貫通している四角柱形状の成形体を得、この成形体を2cmの厚みを有するプレートへと切断した。こうして得られたプレートを乾燥機にて50℃で乾燥し、硬いプレート状の成形体(硬度9N)を得た。別途、500gのTiO2粉末、8LのIPA、2Lの水、75mLのHCLおよび300mLのオルト珪酸テトラエチルから成るTiO2分散液を作製し、これに、前記プレート状の成形体、即ち担持体を、5秒間浸漬し、引き上げて50℃で乾燥し、プレートの面に対して直角方向に貫通する複数のハニカム孔 (縦2.5mm×横2.5mm×厚さ2cm)の有する第一および第二のフィルタープレートを得た。
図1に示す装置1において、シロッコファンを作動させると、送風口8と第一のフィルタープレート11の間の空間部分において、第一のフィルタープレート11の面の約70%に相当する中央部において、ハニカム孔15に対して、下流側に約135°の角度(ε)をなして流入する空気の流れ(F)を確認でき、さらに、第一のフィルタープレート11と第二のフィルタープレート12の間の空間部分において、第二のフィルタープレート12の面の約70%に相当する中央部において、ハニカム孔18に対して、下流側に約150°の角度(ε)をなして流入する空気の流れ(F)を確認できる。
[実施例2]
図3に示す本発明の空気殺菌装置1'は、円筒形状のフィルタープレート収容部3'の下方に、ファン収容部4'を形成して成り、フィルタープレート収容部3'の内部空間とファン収容部4'の内部空間は、送風口8'を介して連通している。ファン収容部4'の側壁には空気取入部9'が設けられており、フィルタープレート収容部3'の天井部を中央で二分した一方側には、空気放出部としての直線形状のスリット孔10'が複数並設されている。フィルタープレート収容部3'には、送風口8'の下流に、長円形状のフィルタープレート11'が、フィルタープレート収容部3の軸(x')方向に対して傾斜するように、フィルタープレート収容部3'の内部空間を遮るように、斜めに設置されている。このフィルタープレート11'は、当該フィルタープレート11'の面に対して実質的に直交する複数の円柱形状の孔15'から成るハニカム構造を有する。詳しくは、フィルタープレート11'は、活性炭から成る、円柱形状の孔を有する板状の担持体の表面に、TiO2がコーティングされて成る。
詳しくは、フィルタープレート11'は、フィルタープレート収容部3'の内部の、フィルタープレート11'により仕切られる上流側の空間部分の最も下流側の箇所において、フィルタープレート収容部3'の内壁5'に対して、65°の角度(α')をなして傾斜するように設置されている。フィルタープレート11'の上方には、フィルタープレート収容部3'の天井部の、スリット孔10'を避けた箇所に、紫外線を照射可能な棒状殺菌灯14'が取り付けられている。この図に示す空気殺菌装置1'においては、送風口8'から上方に空気を吹き出し得るファン(図示せず)を使用する。
なお、フィルタープレート11'は、実施例1の装置で使用した第一および第二のフィルタープレートと同様の組成および方法で作製した。
図3に示す装置1'において、ファンを作動させると、送風口8'とフィルタープレート11'の間の空間部分において、フィルタープレート11' の面の約80%に相当する中央部において、ハニカム孔15'に対して、下流側に約155°の角度(ε')をなして流入する空気の流れ(F')を確認できる。
[実施例3]
図4に示す本発明の空気殺菌装置1"は、略水平に設置される、円筒形状の中空筺体2"の一方側端部にファン収容部4"を設け、その中空筺体他端側にフィルタープレート収容部3"を設けて成る。フィルタープレート収容部3"とファン収容部4"の連結箇所には、フィルタープレート収容部3"の内部空間の上半分を斜めに仕切る半円板状形のガイド片7"が設けられており、ガイド片7"の下端と中空筺体2"の内壁との間で送風口8"を形成する。ガイド片7"は、フィルタープレート収容部3"の内壁に対して、下流側に、140°の角度(δ")をなして傾斜している。ファン収容部4"の壁面には空気取入部9"が設けられており、フィルタープレート収容部3"の下流側の端部は、中空筺体2"の外部へ通じる排気管Eと連結している。送風口8"の下流には、フィルタープレート収容部3"の内部空間の径の約35%に相当する間隔(I")を開けて、長円形状の第一のフィルタープレート11"が、フィルタープレート収容部3"の軸(x")方向に対して傾斜するように、当該フィルタープレート収容部3"の内部空間を斜めに仕切るように設置されている。即ち、第一のフィルタープレート11"は、フィルタープレート収容部3"の内部の、第一のフィルタープレート11"により仕切られる上流側の空間部分の最も下流側の箇所において、フィルタープレート収容部3"の内壁に対して、45°の角度(α")をなして傾斜している。第一のフィルタープレート11"の下流には、第二のフィルタープレート12"が、第一のフィルタープレート11"との間に、フィルタープレート収容部3"の内部空間の径の約40%に相当する間隔(I")を空けて、フィルタープレート収容部3"の軸(x")方向に対して傾斜するように、当該フィルタープレート収容部3"の内部空間を斜めに仕切るように設置されている。即ち、第二のフィルタープレート12"は、前記フィルタープレート収容部3"の内部の、第二のフィルタープレート12"により仕切られる下流側の空間部分の最も上流側の箇所において、フィルタープレート収容部3"の内壁に対して、45°の角度(β")をなして傾斜している。空気殺菌装置1"においては、第二のフィルタープレート12"の下流に、フィルタープレート収容部3"の内部空間の径の約20%に相当する間隔(I")を空けて、長円形状の第三のフィルタープレート16"が、フィルタープレート収容部3"の軸(x")方向に対して傾斜するように、フィルタープレート収容部3"の内部空間を斜めに仕切るように設置されている。即ち、第三のフィルタープレート16"は、前記フィルタープレート収容部3"の内部の、第三のフィルタープレート16"により仕切られる上流側の空間部分の最も下流側の箇所において、フィルタープレート収容部3"の内壁に対して、その上流側に50°の角度(θ")の傾斜をなしている。これら3枚のフィルタープレートは、当該フィルタープレートの面に対して直交する複数の六角柱形状の孔(15"、18"、19")から成る同じハニカム構造を有する。第一のフィルタープレート11"と第二のフィルタープレート12"の間の空間部分、および第二のフィルタープレート12"と第三のフィルタープレート16"の間の空間部分には、各々、紫外線を照射可能な球形殺菌灯14"が取り付けられている。この図に示す空気殺菌装置1"においては、送風口8"から、フィルタープレート収容部3"の内部壁面における、送風口8"に対向する壁面部分へと斜めに空気を吹き出し得るシロッコファン(図示せず)を使用する。また、いずれのフィルタープレートも、実施例1の装置において使用した第一および第二のフィルタープレートと同様の成分組成・方法を用いて作製した。
[実施例4]
実施例1に記載の本発明の空気殺菌装置1を用いて、本発明の空気殺菌装置の空気殺菌性能および菌吸着能力を評価した。
比較例として、実施例1の空気殺菌装置1における第一および第二のフィルタープレートを各々、第一の壁面5に対して直角に配置したことを除き、空気殺菌装置1と同じ構成の装置を作製した。即ち、比較例では、各フィルタープレートの、第一の壁面5の側の端部の中空筺体内部における高さは実質的に変えずに、反対側の端部の当該高さを変えることにより、前記両フィルタープレートの第一の壁面5に対する直角配置を確保した。
ワンパス殺菌試験法において、実施例1の空気殺菌装置1と比較例の装置を、殺菌灯の紫外線照射強度を段階的に変化させて作動させ、殺菌性能を比較した。即ち、装置前方に吸気ダクトを設け、この中に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus sureus NBRC12732)を連続注入し、装置の空気取入部側と放出部側の空気約20Lをインピンジャーでサンプリングして、その中の黄色ブドウ球菌を培養して生菌数をコロニー計測した。結果を図5に示す。
図5中、UV強度0μW/cm2における「入口細菌」の表示は、殺菌灯を点灯しないで装置を作動させた状態で、空気取入部側で採取した空気中の生菌数を示す。同じ0μW/cm2におけるもう一つの表示は、装置の空気放出部側の生菌数を示し、この数値の入口細菌数との差は、フィルタープレートに吸着された細菌数を示す。
図5の結果から、本発明の空気殺菌装置は、非常に優れた殺菌能力を示すことが分かる。また、フィルタープレートを空気の流れに対して傾斜させることにより、フィルタープレートにおける細菌吸着能力が格段に向上し、空気殺菌装置1では、空気取入部から取り込まれた細菌の99%がフィルタープレートに吸着されることが分かる。
[実施例5〜7]
以下の実施例5〜7により、発明の空気殺菌装置を構成するフィルタープレートの形態および殺菌効果を評価した。
[実施例5] 形態評価
実施例1で使用した第一および第二のフィルタープレートと同じフィルタープレートを作製し、当該作製過程において作製された担持体の、隣り合うハニカム孔の間を仕切ってハニカム孔の壁面を構成する部分を切り出して、切片(以下、担持体切片と呼ぶ)を得るとともに、完成したフィルタープレートの、隣り合うハニカム孔の間を仕切ってハニカム孔の壁面を構成する部分を切り出して、切片(以下、フィルタープレート切片と呼ぶ)を得た。両切片の表面の顕微鏡画像を得(図6)、画像解析を行った。結果、フィルタープレート切片の表面には、0.2〜10μmの範囲の種々のサイズの、洞状、割れ目状等の種々の形状の空隙が混在しており、0.1〜数μmの細菌や微生物が吸着しやすい構造になっていることが分かる(図6A)。なお、当該フィルタープレート切片の表層部分の空隙率は、場所により変化するが、ほぼ単位体積当たり40〜60%であった。また、担持体切片の表面には、0.2〜10μmの範囲の種々のサイズの種々の形状の空隙が混在しており(図6B)、フィルタープレート切片の光触媒層の下層部において、菌の吸着・保持に適した構造が確保されていることが分かる。なお、担持体切片の表層部分の空隙率は、場所により変化するが、ほぼ単位体積当たり45〜65%であった。
また、別途、前記フィルタープレート切片の断面を顕微鏡で観察したところ、フィルタープレートを構成する担持体の表面に、光触媒が、部分により0.025〜0.075mmの厚さでコーティングされていたが、担持体の内部にはTiO2は認められなかった。
[実施例6] 形態評価
実施例5で作製した担持体切片を、ハニカム孔の壁面を構成する面に対して略平行にスライスし、厚さ0.5mmおよび0.1mmの2つの薄片を得、各々、紫外線分光光度計(島津製作所製UV-1200)により254nmの光透過率を測定した。結果を表1に示す。

結果から、実施例1に記載の方法により作製したフィルタープレートが、0.1mmという厚さでも、紫外線すらも透過させない程、内部が緻密に詰まった形態を有することがわかる。
[実施例7] 殺菌効果の評価
実施例1で作製した本発明のフィルタープレートの一部を切り出して得た切片aと、実施例1で光触媒をコーティングする前の担持体の一部を切り出して得た切片bを用意した(各々縦25mm×横25mm×厚さ約0.8mm)。次いで、ガラス板の上に黄色ブドウ球菌を塗布したサンプル(対照サンプル)、ガラス板の上に切片bを載せ、この切片bの表面に黄色ブドウ球菌を塗布したサンプル(担持体サンプル)および、ガラス板の上に切片aを載せ、この切片aの表面に黄色ブドウ球菌を塗布したサンプル(本発明のサンプル)の3つの試験サンプルを作製し、菌を塗布した側から紫外線(254nm)を照射し、10分後、20分後、1時間後、3時間後および6時間後に、各サンプルの表面における生菌数を評価した。なお、各サンプルに塗布した黄色ブドウ球菌は、Staphylococcus sureus NBRC12732であり、その数は、約1.2×105CFUである。結果を図7に示す。
図7より、対照サンプルでは、塗布された菌が全て紫外線に露出しているために、非常に短時間で(30分以内に)殆どの菌が殺滅される。一方、担持体サンプルでは、菌が担持体の表面および内部の隙間に入り込み、当該隙間に保持された菌は紫外線から遮蔽されるので、時間が経っても殺菌率は上がらない。これに対して、本発明のサンプルでは、6時間後には、殆どの菌が殺滅された。
図7の対照サンプルのデータ曲線との比較から、本発明のサンプルのデータ曲線が示す効果の内、生菌数約5.0×104CFUまでの殺菌効果は、紫外線による直接的な効果であると考えられる。また、担持体サンプルのデータ曲線との比較から、約1.1×105CFU程度の菌が、フィルタープレートの表層部分で、紫外線の照射により死滅されたと考えられる。ここで、担持体サンプルでは、約1.1×105CFU程度の菌が死滅するのに約6時間もかかっているのに対して、本発明のサンプルでは、同程度の数の菌が10分程度で死滅しているのは、担持体の表面の活性化された光触媒の効果によると考えられる。そして、本発明のサンプルにおけるそれ以上の効果は、本発明のサンプルにおける、フィルタープレートの表面・内部に吸着・保持された菌が、活性化した光触媒の効果を持続的に被ったことによると考えられる。
図1は、本発明の空気殺菌装置の一態様を示す図である。Aは、断面図であり、Bは、第二のフィルタープレートへの空気の流入態様を示す、第二のフィルタープレートの一部の拡大断面図であり、Cは、第一のフィルタープレートへの空気の流入態様を示す、第一のフィルタープレートの一部の拡大断面図である。 図2は、図1に示す本発明の空気殺菌装置の詳細を示す図である。Aは、図1に示す本発明の空気殺菌装置の斜視図であり、Bは、フィルタープレートの斜視図であり、Cは、空気放出部周辺の断面図であり、Dは、フィルタープレートの一部の拡大図である。 図3は、本発明の空気殺菌装置の別の態様を示す図である。Aは斜視図であり、BはII-II間の断面の一部を示す図である。 図4は、本発明の空気殺菌装置のさらに別の態様の断面図である。 図5は、本発明の空気殺菌装置の殺菌性能および菌吸着能力を示す図である。 図6は、フィルタープレートの表面および担持体の表面を顕微鏡を用いて撮影した画像である。Aは、フィルタープレートの表面の撮影画像であり、Bは、担持体の表面の撮影画像である。 フィルタープレートの殺菌効果を示す図である。
符号の説明
1、1'、1" 本発明の空気殺菌装置
2、2" 中空筺体
3、3'、3" フィルタープレート収容部
4、4'、4" ファン収容部
5 第一の壁面
5' フィルタープレート収容部の内壁
6 ファン収容部の壁面
7、7" ガイド手段
8、8'、8" 送風口
9、9'、9" 空気取入部
10、10' スリット孔
11、11" 第一のフィルタープレート
12、12" 第二のフィルタープレート
13 第二の壁面
14、14'、14" 殺菌灯
15、15'、15"、18、18"、19" ハニカム孔
16" 第三のフィルタープレート
17 スリット孔間部分
α、α" 第一のフィルタープレートの、フィルタープレート収容部内壁との角度
β、β" 第二のフィルタープレートの、フィルタープレート収容部内壁との角度
α' フィルタープレートの、フィルタープレート収容部内壁との角度
θ 第三のフィルタープレートの、フィルタープレート収容部内壁との角度
ε 第一のフィルタープレートのハニカム孔の、空気の流れに対する傾斜角度
ε 第二のフィルタープレートのハニカム孔の、空気の流れに対する傾斜角度
ε' フィルタープレートのハニカム孔の、空気の流れに対する傾斜角度
E 排気管
、F'、F 空気の流れ
、I" 送風口と第一のフィルタープレートの間隔
、I" 第一のフィルタープレートと第二のフィルタープレートの間隔
" 第二のフィルタープレートと第三のフィルタープレートの間隔
u ウレタンフォーム
x、x'、x" フィルタープレート収容部の軸

Claims (5)

  1. 空気取入部と空気放出部を備えた中空筺体内に、ハニカム孔を有する殺菌・殺微生物用のフィルタープレートと、取り入れた空気を前記フィルタープレートを通して前記空気放出部へ強制的に誘導する送風手段と、前記フィルタープレートに光を照射する光源とを備えた空気殺菌装置において、
    前記フィルタープレートを、前記取り入れた空気の主たる流れの方向に対して傾斜させて配置するとともに、
    このフィルタープレートが、細菌・微生物を吸着・保持可能な空隙を表面および内部に有するが、前記ハニカム孔を除く部分において、前記細菌・微生物がすり抜け得る孔を実質的に有しない形態を有し、かつ、ハニカム孔を有する板状の担持体の表面に光触媒をコーティングして成ることを特徴とする空気殺菌装置。
  2. V字形に対向配置した2枚の前記フィルタープレートを、それぞれのフィルタープレートが空気の主たる流れの方向に対して傾斜するように配置し、両フィルタープレート間のV字形の広がり部に前記光源を配置したことを特徴とする請求項1に記載の空気殺菌装置。
  3. 前記フィルタープレートが、多孔性物質を押出成形して構成した前記担持体から成り、このフィルタープレートを、空気の主たる流れの方向に対する前記ハニカム孔の傾きが95°〜160°の範囲となるように、傾斜させて設置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気殺菌装置。
  4. 前記担持体が、活性炭と親水性バインダーから成る混合物を湿条件下に押出成形して構成した成形体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気殺菌装置。
  5. 活性炭と親水性バインダーから成る混合物を、100〜700kg/cm2の圧力の下で押出成形して構成した、ハニカム孔を有する担持体を、光触媒を分散させた光触媒分散液に浸漬後、乾燥させて構成した空気殺菌用フィルター。
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