JP2008085029A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換素子の形成領域の縮小や画素の拡張を行わなくても、保持容量の容量を増大することのできる光電変換装置を提供すること。
【解決手段】光電変換素子31、保持容量32、およびトランジスタ33を素子基板10上に備えた光電変換装置において、光電変換素子31の下電極層8、誘電体層43、および保持容量電極層7aによって、光電変換素子31と平面的に重なる領域に容量素子32bを構成する。容量素子32は、半導体層1fを下電極とする容量素子32aと並列に電気的接続されて保持容量32を構成する。
【選択図】図2
【解決手段】光電変換素子31、保持容量32、およびトランジスタ33を素子基板10上に備えた光電変換装置において、光電変換素子31の下電極層8、誘電体層43、および保持容量電極層7aによって、光電変換素子31と平面的に重なる領域に容量素子32bを構成する。容量素子32は、半導体層1fを下電極とする容量素子32aと並列に電気的接続されて保持容量32を構成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、光電変換素子の受光量に対応して保持容量の蓄積電荷量を変化させて受光量や受光位置などを検出する光電変換装置に関するものである。
2次元センサ、イメージセンサ、光学式タッチセンサ、フィードバック制御方式のエレクトロルミネッセンス装置などに用いられる光電変換装置は、光電変換素子、この光電変換素子の受光量に対応して蓄積電荷量が変化する保持容量、およびトランジスタとを備えており、トランジスタのオンオフ動作により、保持容量での電荷蓄積量を読み出すようになっている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
ここで、光電変換装置の回路構成は、受光量が増大するに伴って保持容量の蓄積電荷量が減少していく構成、および受光量が増大するに伴って保持容量の蓄積電荷量が増大するような構成のいずれをも採用することができる。なお、後者の場合には、例えば図6(a)、(b)に示す画素回路を採用することができる。ここで、図6(a)、(b)に示す構造は、本願発明者が案出した参考例であって、従来例ではない。
図6(a)、(b)において、素子基板10では、走査線3aとデータ線6aとの交差に対応する位置に画素100aが構成されている。画素100aでは、3層の層間絶縁膜41、42、5のうち、層間絶縁膜41と絶縁基板10bとの層間に形成された半導体層1a、1fを利用して、トランジスタ33(薄膜トランジスタ)および保持容量32が構成され、層間絶縁膜42と層間絶縁膜5との層間を利用して、P型半導体層、真性半導体層およびN型半導体層が積層されたP−I−N構造の光電変換素子31(フォトダイオード)が構成されている。光電変換素子31の下電極層8aは、トランジスタ33のドレイン電極6bと電気的に接続し、ドレイン電極6bの延設部分6cは保持容量32の下電極を構成する半導体層1fに電気的に接続している。このため、光電変換素子31および保持容量32は、定電位線3b、9aの間で直列に電気的接続され、かつ、光電変換素子31には逆バイアスが印加されている。このため、光電変換素子31が受光して光電流が流れると、それに応じた電荷が保持容量32に蓄積される。また、走査線3aを介してトランジスタ33をオンさせれば、データ線6aには、保持容量32に蓄積された電荷に対応する信号が出力されることになる。
特開平04−212458号公報
特開2005−300897号公報
特開2001−250932号公報
しかしながら、図6(a)、(b)に示すように、半導体層1fを利用して保持容量32を構成し、かつ、有機平坦化膜が無い場合、光電変換素子31と保持容量32とをずらして形成する必要があるため、保持容量32の容量を増大させようとすると、画素100aで保持容量32が占める面積が増大する分、光電変換素子31の形成領域を縮小せざるを得ず、感度が低下するという問題点がある。また、光電変換素子31の形成領域を同一の面積にしたまま、保持容量32の形成領域を広げると、画素100aが大きくなって画素数が低下するという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、光電変換素子の形成領域の縮小や画素の拡張を行わなくても、保持容量の容量を増大することのできる光電変換装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、光電変換素子、該光電変換素子の受光量に対応して蓄積電荷量が変化する保持容量、および該保持容量での電荷蓄積量を読み出すタイミングを制御するトランジスタを基板上に備えた光電変換装置において、前記光電変換素子の第1の電極層および第2の電極層のうち、第1の電極層は、該第1の電極層の上層または下層に積層された誘電体層を介して保持容量電極層に対向して前記保持容量あるいは当該保持容量の一部を構成する容量素子を形成していることを特徴とする。なお、本発明において、光電変換素子は、光の他、X線なども電気信号へ変換する対象と定義する。
本発明では、光電変換素子の第1の電極層、および第1の電極層の上層あるいは下層に形成された誘電体層を用いて容量素子を形成したので、光電変換素子と平面的に重なる領域を利用して容量素子を形成することができる。従って、容量の大きな保持容量を構成した場合でも、光電変換素子の形成領域を狭める必要がない。また、容量の大きな保持容量を構成した場合でも、画素の形成領域を広げる必要がないので、画素数が低下することがない。
本発明において、前記光電変換素子は、前記第1の電極層の上層に半導体層および前記第2の電極層が積層されており、前記第1の電極層は、該第1の電極層の下層に積層された前記誘電体層を介して前記保持容量電極層に対向している構成を採用することができる。このように構成すると、光電変換素子と完全に平面的に重なる領域を利用して容量素子を形成することができる。従って、容量の大きな保持容量を構成した場合でも、光電変換素子の形成領域を狭める必要がない。また、容量の大きな保持容量を構成した場合でも、画素の形成領域を広げる必要がないので、画素数が低下することがない。
本発明において、前記保持容量は、前記第1の電極層、前記誘電体層および前記保持容量電極層によって構成された第1の容量素子と、前記トランジスタの能動層と同一の層間に形成された半導体層、ゲート絶縁層、および前記保持容量電極層により形成された第2の容量素子とが並列に電気的接続されてなることが好ましい。
本発明において、前記保持容量は、前記第1の電極層、前記誘電体層および前記保持容量電極層によって構成された容量素子のみにより構成されている構成を採用してもよい。
本発明において、前記光電変換素および前記保持容量のうちの少なくとも一方は、有機平坦化膜上に形成されていることが好ましい。このように構成すると、容量素子または光電変換素子の下層側の平坦性が向上するので、歩留まりが向上する。
本発明を適用した光電変換装置は、2次元センサ、イメージセンサ、光学式タッチセンサ、フィードバック制御方式のエレクトロルミネッセンス装置などに用いられ、これらの装置は、各種電子機器に搭載される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、本発明と、図6を参照して説明した共通点および相違点が分かりやすいように、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1(a)、(b)は各々、本発明を適用した光電変換装置の電気的な構成を示すブロック図、および画素1つ分の等価回路図である。
(全体構成)
図1(a)、(b)は各々、本発明を適用した光電変換装置の電気的な構成を示すブロック図、および画素1つ分の等価回路図である。
図1(a)、(b)に示すように、本形態の光電変換装置100において、画素領域10aには、互いに交差する方向に延びた光検出用の走査線3aとデータ線6aとの交点に対応して複数の画素100aがマトリクス状に形成されている。走査線3aは、走査線駆動回路102に接続され、データ線6aは、データ線駆動回路101に接続されている。また、本形態では、各画素100aに向けて、走査線3aと並列に定電位線3bが延び、データ線6aと並列に定電位線9aが延びている。走査線3aおよび定電位線3bは、走査線駆動回路102に接続され、データ線6aおよび定電位線9aは、データ線駆動回路101に接続されている。
複数の画素100aの各々において、定電位線9a、3bの間には、P−I−N型のフォトダイオードからなる光電変換素子31と、保持容量32とが直列に電気的に接続されている。また、複数の画素100aの各々には、走査線3aにゲートが接続されたトランジスタ33(薄膜トランジスタ)が形成されており、このトランジスタ33のソースは、データ線6aに接続し、ドレインは、光電変換素子31と保持容量32との接続点に電気的に接続されている。
(画素の詳細な構成)
図2(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る光電変換装置の1画素分の具体的な構成例を示す平面図、および画素1つ分の断面図であり、図2(b)には、図2(a)のA1−B1−C1−D1−E1−F1に沿って切断した様子を示してある。なお、図2(a)において、走査線およびそれと同時形成された薄膜については実線で示し、データ線駆動回路から延びた定電位線およびそれと同時形成された薄膜については二点鎖線で示し、半導体層については点線で示してある。また、光電変換素子については太くて長い破線で示し、光電変換素子の下電極およびそれと同時形成された薄膜については細くて長い破線で示してある。
図2(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る光電変換装置の1画素分の具体的な構成例を示す平面図、および画素1つ分の断面図であり、図2(b)には、図2(a)のA1−B1−C1−D1−E1−F1に沿って切断した様子を示してある。なお、図2(a)において、走査線およびそれと同時形成された薄膜については実線で示し、データ線駆動回路から延びた定電位線およびそれと同時形成された薄膜については二点鎖線で示し、半導体層については点線で示してある。また、光電変換素子については太くて長い破線で示し、光電変換素子の下電極およびそれと同時形成された薄膜については細くて長い破線で示してある。
本形態の光電変換装置100を構成するにあたって、図2(a)、(b)に示すように、素子基板10上には、複数の画素100aの縦横の境界領域に沿って走査線3aとデータ線6aとが形成されている。また、走査線3aと並列に定電位線3bが形成され、データ線6aと並列に定電位線9aが形成されている。
素子基板10の基体は、石英基板や耐熱性ガラス板などの絶縁基板10bからなり、絶縁基板10b上には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる層間絶縁膜41、層間絶縁膜42、シリコン窒化膜などからなる誘電体層43、および層間絶縁膜5が積層されている。また、絶縁基板10bと層間絶縁膜41との層間には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなるゲート絶縁層2が形成されている。ここで、層間絶縁膜42、5は、感光性樹脂からなる有機平坦化膜として形成されている。
本形態では、絶縁基板10bとゲート絶縁層2との層間には、島状の半導体層1a、1fが形成されており、半導体層1aには、ゲート絶縁層2を介して走査線3aの一部がゲート電極として対向している。半導体層1aにおいて、ゲート電極と対向する領域にはチャネル領域が形成され、その両側にソース領域およびドレイン領域が形成されている。層間絶縁膜41の上層にはデータ線6aが形成され、データ線6aは、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2に形成されたコンタクトホール41aを介してトランジスタ33のソース領域に電気的に接続している。また、層間絶縁膜41の上層にはドレイン電極6bが形成され、ドレイン電極6bは、層間絶縁膜4およびゲート絶縁層2に形成されたコンタクトホール41bを介してトランジスタ33のドレイン領域に電気的に接続している。このようにして、トランジスタ33が形成されている。本形態において、半導体層1a、1fは、同時形成された半導体層であり、素子基板10に対してアモルファスシリコン膜を形成した後、レーザアニールやランプアニールなどにより多結晶化されたポリシリコン膜である。
半導体層1fの上層には、ゲート絶縁層2と同時形成された絶縁膜を介して定電位線3bの一部が対向しており、半導体層1fを下電極とし、定電位線3bの一部を上電極とする容量素子32a(第2の容量素子)が形成されている。ドレイン電極6bの延設部分6cは、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2に形成されたコンタクトホール41cを介して半導体層1fに電気的接続している。
また、層間絶縁膜42と層間絶縁膜5との間のうち、誘電体層43と層間絶縁膜5との間には、下電極層8a(第1の電極層)、N型半導体層、真性半導体層およびP型半導体層がこの順に積層されたP−I−N構造のフォトダイオードからなる光電変換素子31が構成されており、下電極層8aは、誘電体層43および層間絶縁膜42に形成されたコンタクトホール42aを介してドレイン電極6bに電気的接続されている。層間絶縁膜5の上層には、定電位線9aが形成され、この定電位線9aの一部は、第2の電極層として、層間絶縁膜5に形成されたコンタクトホール5aを介して光電変換素子31のP型半導体層に電気的接続されている。
さらに本形態では、層間絶縁膜42と誘電体層43との層間には、光電変換素子31の下電極層8aと平面的に重なる領域に保持容量電極層7a(第1の保持容量電極層)が形成されており、光電変換素子31の下電極層8a、誘電体層43、および保持容量電極層7aによって、容量素子32b(第1の容量素子)が形成されている。ここで、保持容量電極層7aは、層間絶縁膜42および層間絶縁膜41に形成されたコンタクトホール42bを介して定電位線3bに電気的接続している。このため、容量素子32aと容量素子32bは、ドレイン電極6bと定電位線3bとの間に並列に電気的接続されて保持容量32を構成している。
なお、走査線3aおよび定電位線3bは同時形成された金属膜などの導電膜からなり、データ線6aおよびドレイン電極6bは同時形成された金属膜などの導電膜からなる。また、保持容量電極層7a,下電極8a、および定電位線9aも各々、金属膜などの導電膜からなる。
(動作)
このように構成した光電変換装置100では、複数の画素100aの各々において、定電位線9a、3bによって光電変換素子31に逆バイアスを印加した状態で、光電変換素子31に光が照射されると、光電変換素子31に光電流が流れ、それに応じた電荷が保持容量32に蓄積される。また、複数の走査線3aの各々によって、複数の画素100aの各々に形成されているトランジスタ33を順次、オンさせれば、データ線6aには、保持容量32に蓄積された電荷に対応する信号が順次、出力されることになる。従って、複数の画素100aのうち、いずれの画素100aにおいて、光電変換素子31がどのレベルの光を受光したかを検出できる。
このように構成した光電変換装置100では、複数の画素100aの各々において、定電位線9a、3bによって光電変換素子31に逆バイアスを印加した状態で、光電変換素子31に光が照射されると、光電変換素子31に光電流が流れ、それに応じた電荷が保持容量32に蓄積される。また、複数の走査線3aの各々によって、複数の画素100aの各々に形成されているトランジスタ33を順次、オンさせれば、データ線6aには、保持容量32に蓄積された電荷に対応する信号が順次、出力されることになる。従って、複数の画素100aのうち、いずれの画素100aにおいて、光電変換素子31がどのレベルの光を受光したかを検出できる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、光電変換素子31の下電極層8a、誘電体層43および保持容量電極層7a(第1の保持容量電極層)によって形成された容量素子32b(第1の容量素子)と、半導体層1f、ゲート絶縁層2および定電位線3bによって形成された容量素子32a(第2の容量素子)とによって保持容量32が構成されており、容量の大きな保持容量32を構成することができる。
以上説明したように、本形態では、光電変換素子31の下電極層8a、誘電体層43および保持容量電極層7a(第1の保持容量電極層)によって形成された容量素子32b(第1の容量素子)と、半導体層1f、ゲート絶縁層2および定電位線3bによって形成された容量素子32a(第2の容量素子)とによって保持容量32が構成されており、容量の大きな保持容量32を構成することができる。
また、容量素子32bは、光電変換素子31と平面的に重なる領域に形成されているので、容量の大きな保持容量32を構成した場合でも、光電変換素子31の形成領域を狭める必要がない。また、容量の大きな保持容量32を構成した場合でも、画素100aの形成領域を広げる必要がないので、画素100a数が低下することがない。
さらに、本形態では、光電変換素子31の下層側に有機平坦化膜としての層間絶縁膜42を形成したので、容量精度の高い容量素子32bを形成できる。また、光電変換素子31を平坦化膜上に形成できるので、歩留まりが向上する。
[実施の形態2]
図3(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る光電変換装置の1画素分の具体的な構成例を示す平面図、および画素1つ分の断面図であり、図3(b)には、図3(a)のA2−B2−C2−D2−E2に沿って切断した様子を示してある。なお、本形態の光電変換装置の全体構成は、実施の形態1と同様、図1(a)、(b)に示すように表わされるなど、基本的な構成が実施の形態と同様である。従って、本形態と実施の形態1で共通する部分には、同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図3(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る光電変換装置の1画素分の具体的な構成例を示す平面図、および画素1つ分の断面図であり、図3(b)には、図3(a)のA2−B2−C2−D2−E2に沿って切断した様子を示してある。なお、本形態の光電変換装置の全体構成は、実施の形態1と同様、図1(a)、(b)に示すように表わされるなど、基本的な構成が実施の形態と同様である。従って、本形態と実施の形態1で共通する部分には、同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図3(a)、(b)に示すように、本形態の光電変換装置100でも、実施の形態1と同様、素子基板10上には、複数の画素100aの縦横の境界領域に沿って走査線3aとデータ線6aとが形成され、データ線6aと並列に定電位線9aが形成されている。また、走査線3aと並列に定電位線6dが形成されているが、本形態において、定電位線6dは、以下に説明するように、データ線6aと同時形成された金属層からなる。
本形態でも、実施の形態1と同様、素子基板10の基体は、石英基板や耐熱性ガラス板などの絶縁基板10bからなり、絶縁基板10b上には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる層間絶縁膜41、層間絶縁膜42、シリコン窒化膜などからなる誘電体層43、および層間絶縁膜5が積層されている。また、絶縁基板10bと層間絶縁膜41との層間には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなるゲート絶縁層2が形成されている。ここで、層間絶縁膜42、5は、感光性樹脂からなる有機平坦化膜として形成されている。
本形態では、絶縁基板10bとゲート絶縁層2との層間には、島状の半導体層1aが形成されており、半導体層1aを利用してトランジスタ33が形成されている。本形態において、半導体層1aは、素子基板10に対してアモルファスシリコン膜を形成した後、レーザアニールやランプアニールなどにより多結晶化されたポリシリコン膜である。また、層間絶縁膜42と層間絶縁膜5との間のうち、誘電体層43と層間絶縁膜5との間には、下電極層8a(第1の電極層)、N型半導体層、真性半導体層およびP型半導体層がこの順に積層されたP−I−N構造の光電変換素子31が構成されており、下電極層8aは、誘電体層43および層間絶縁膜42に形成されたコンタクトホール42aを介してドレイン電極6bに電気的接続されている。さらに、層間絶縁膜5の上層には、定電位線9aが形成され、この定電位線9aの一部は、第2の電極層として、層間絶縁膜5に形成されたコンタクトホール5aを介して光電変換素子31のP型半導体層に電気的接続されている。
さらに本形態では、層間絶縁膜42と誘電体層43との層間には、光電変換素子31の下電極層8aと平面的に重なる領域に保持容量電極層7a(第1の保持容量電極層)が形成されており、容量素子32b(第1の容量素子)が形成されている。ここで、保持容量電極層7aは、層間絶縁膜42コンタクトホール42cを介して定電位線6dに電気的接続しており、本形態では、容量素子32bによって保持容量32が構成されている。
このように構成した光電変換装置100でも、実施の形態1と同様、複数の画素100aの各々において、定電位線9a、6dによって光電変換素子31に逆バイアスを印加した状態で、光電変換素子31に光が照射されると、光電変換素子31に光電流が流れ、それに応じた電荷が保持容量32に蓄積される。また、複数の走査線3aの各々によって、複数の画素100aの各々に形成されているトランジスタ33を順次、オンさせれば、データ線6aには、保持容量32に蓄積された電荷に対応する信号が順次、出力されることになる。従って、複数の画素100aのうち、いずれの画素100aにおいて、光電変換素子31がどのレベルの光を受光したかを検出できる。
以上説明したように、本形態では、光電変換素子31の下電極層8a、誘電体層43および保持容量電極層7a(第1の保持容量電極層)を備えた容量素子32b(第1の容量素子)によって保持容量32が構成されている。ここで、容量素子32bは、光電変換素子31と平面的に重なる広い領域に形成されているので、容量の大きな保持容量32を構成した場合でも、光電変換素子31の形成領域を狭める必要がない。また、容量の大きな保持容量32を構成した場合でも、画素100aの形成領域を広げる必要がないので、画素100a数が低下することがない。また、本形態では、光電変換素子31の下層側に有機平坦化膜としての層間絶縁膜42を形成したので、容量精度の高い容量素子32bを形成できる。また、光電変換素子31を平坦化膜上に形成できるので、歩留まりが向上する。
[その他の実施の形態]
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した形態であれば、本発明の権利範囲に属する。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した形態であれば、本発明の権利範囲に属する。
例えば、上記実施の形態では、光電変換素子31での受光量が増大するに伴って保持容量32の蓄積電荷量が増大するような構成を例示したが、光電変換素子31での受光量が増大するに伴って保持容量からの放電が増大し、蓄積電荷量が減少していく構成の光電変換装置に本発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、トランジスタ33などを構成するにあたって、ポリシリコン膜を用いたが、半導体層としてはアモルファスシリコン膜を用いてもよい。
また、上記形態では、下電極層8a(第1の電極層)、N型半導体層、真性半導体層およびP型半導体層がこの順に積層されたP−I−N構造の光電変換素子31を用いた例を説明したが、P型半導体層、真性半導体層およびN型半導体層がこの順に横方向に配置されたP−I−N構造の光電変換素子を用いた場合に本発明を適用してもよい。この場合、光電変換素子の第1の電極層および第2の電極層のうち、第1の電極層と、第1の電極層の上層または下層に積層された誘電体層と、この誘電体層を介して第1の電極層に対向する保持容量電極層によって容量素子を構成し、この容量素子によって、保持容量32あるいは保持容量32の一部を構成することになる。このように構成した場合、第1の電極層および保持容量電極層は、光透過性を有する電極が最良の構造となるが、光電変換素子と平面的に部分的に重なるように容量素子を形成することができるので、光電変換素子の形成領域の縮小や画素の拡張を行わなくても、保持容量の容量を増大することができる。
[電子機器への搭載例]
本発明を適用した光電変換装置100は、2次元センサ、イメージセンサ、光学式タッチセンサなどに用いることができる。また、本発明において、光電変換素子は、光の他、X線なども電気信号へ変換する対象と定義しており、本発明を適用した光電変換装置100は、レントゲン写真の撮影に用いてもよい。さらに、本発明に係る光電変換装置100については、図5を参照して説明するように、表示機能を付加して、図4(a)〜(c)に電子機器に搭載してもよい。図4は、本発明に係る光電変換装置を用いた電子機器の説明図である。図5は、本発明に係る光電変換装置に表示機能を付加して表示装置として構成した場合のブロック図である。
本発明を適用した光電変換装置100は、2次元センサ、イメージセンサ、光学式タッチセンサなどに用いることができる。また、本発明において、光電変換素子は、光の他、X線なども電気信号へ変換する対象と定義しており、本発明を適用した光電変換装置100は、レントゲン写真の撮影に用いてもよい。さらに、本発明に係る光電変換装置100については、図5を参照して説明するように、表示機能を付加して、図4(a)〜(c)に電子機器に搭載してもよい。図4は、本発明に係る光電変換装置を用いた電子機器の説明図である。図5は、本発明に係る光電変換装置に表示機能を付加して表示装置として構成した場合のブロック図である。
図4(a)には、光電変換装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての光電変換装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図4(b)に、光電変換装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての光電変換装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、光電変換装置100に表示される画面がスクロールされる。図4(c)に、光電変換装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての光電変換装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が光電変換装置100に表示される。なお、光電変換装置100が適用される電子機器としては、図4に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した光電変換装置100が適用可能である。
本発明に係る光電変換装置に表示機能を付加して表示装置として構成するには、図5に示すように、画素領域10aには、光検出用の画素100aと表示用の画素100bとによって画素100cを構成する。また、光検出用のデータ線6aに並列して、表示用の画素100bを駆動するための表示用のデータ線6eを形成するとともに、光検出用の走査線3aに並列して、表示用の画素100bを駆動するための表示用の走査線3eを形成する。表示用のデータ線6eは表示用のデータ線駆動回路103に接続され、表示用の走査線3eは表示用の走査線駆動回路104に接続されている。
ここで、表示を液晶により行うには、表示用の画素100bには液晶を駆動するための画素電極や画素トランジスタを形成する。また、表示をエレクトロルミネッセンスにより行うには、表示用の画素100bには、画素電極、有機エレクトロルミネッセンス素子や画素トランジスタを形成する。
1a,1f・・半導体層、2・・ゲート絶縁層、3a・・走査線、3b・・定電位線(第1の保持容量電極層)、6a・・データ線、7a・・保持容量電極層(第1の保持容量電極層)、8a・・下電極層(第1の電極層)、9a・・定電位線(第2の電極層)、10a・・画素領域、31・・光電変換素子、32・・保持容量、32a・・容量素子(第1の容量素子)、32b・・容量素子(第2の容量素子)、33・・トランジスタ、43・・誘電体層、100・・光電変換装置、100a・・画素
Claims (5)
- 光電変換素子、該光電変換素子の受光量に対応して蓄積電荷量が変化する保持容量、および該保持容量での電荷蓄積量を読み出すタイミングを制御するトランジスタを基板上に備えた光電変換装置において、
前記光電変換素子の第1の電極層および第2の電極層のうち、第1の電極層は、該第1の電極層の上層または下層に積層された誘電体層を介して第1の保持容量電極層に対向して前記保持容量あるいは当該保持容量の一部を構成する容量素子を形成していることを特徴とする光電変換装置。 - 前記光電変換素子は、前記第1の電極層の上層に半導体層および前記第2の電極層が積層されており、
前記第1の電極層は、該第1の電極層の下層に積層された前記誘電体層を介して前記保持容量電極層に対向していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。 - 前記保持容量は、前記第1の電極層、前記誘電体層および前記第1の保持容量電極層によって構成された第1の容量素子と、前記トランジスタの能動層と同一の層間に形成された半導体層、ゲート絶縁層、および第2の保持容量電極層により形成された第2の容量素子とが並列に電気的接続されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 前記保持容量は、前記第1の電極層、前記誘電体層および前記第1の保持容量電極層によって構成された容量素子のみにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 前記光電変換素子および前記保持容量のうちの少なくとも一方は、有機平坦化膜上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光電変換装置。
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-
2006
- 2006-09-27 JP JP2006262315A patent/JP2008085029A/ja not_active Withdrawn
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