JP2008084189A - オントロジー生成装置、プログラムおよびオントロジー生成方法 - Google Patents

オントロジー生成装置、プログラムおよびオントロジー生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各クラスがどのようなプロパティを持ち、どのような定義であるべきかを容易に把握することができ、かつ、クラス分類に関して一定の基準を提示することができるオントロジー生成装置を提供する。
【解決手段】1体系のオントロジーの全てのクラスの最下位に位置するクラスとして仮想的なクラスを設け、仮想的なクラスに1体系のオントロジーの全てのクラスの持つプロパティを継承させる。これにより、オントロジーを記録するデータベース中の全プロパティを表せることができるので、各クラスがどのようなプロパティを持ち、どのような定義であるべきかを容易に把握することができ、かつ、クラス分類に関して一定の基準を提示することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、オントロジー生成装置、プログラムおよびオントロジー生成方法に関し、XML-Schema,RDF,OWL,もしくはISO13584-IEC61360データモデルを用いて記述されるデータベースの構造を体系的に纏めたオントロジーを生成するオントロジー生成装置、プログラムおよびオントロジー生成方法に関する。
オブジェクト指向データベース(OODB)やオブジェクト・リレーショナル型データベース(ORDB)を代表とする階層型データベースでは、下位が上位分類のプロパティを継承する階層構造を持つ。この階層型データベースにおいては、継承に従って下位の分類ではプロパティが累増する。
また、オブジェクト指向データベースにおいては、階層中の分類は「クラス」と呼ばれることが多い。一方、オブジェクト・リレーショナル型データベース(ORDB)においては、継承を許したテーブルがこれに相当し、上下関係を持つテーブル間において、上位のテーブルから下位のテーブルへ属性(プロパティ)、すなわち上位テーブルを構成するコラムのヘッダ情報が下位テーブルへ継承される。各階層の分類に属する同じ属性種を持つデータを「インスタンス」と呼び、その集合をデータの「ポピュレーション」と呼ぶ。データのポピュレーションは、関係データベース(RDB)あるいはORDBにおいては、テーブルと呼ばれる構造に格納されるのが普通である。テーブルにおいてそれを構成する属性の並びをテーブルのヘッダと呼ぶ。
階層型データベースの1つとしては、製品情報を電子的に提供する電子カタログシステムを実装するための国際規格であるISO13584 Parts Library規格(以下、PLIB規格という)がある。このPLIB規格は、複数の“Part"(通常、「分冊」と訳される)からなる製品あるいは部品ライブラリデータに関するオブジェクト指向的な記述の方法とその交換ファイル形式のセマンティックス、すなわち、どのような用語や記述方式およびデータ型を用いるかを定める国際規格である。PLIB規格のPart42(分冊第42)はIEC61360-2(分冊第2)と内容が共通している。この規格は、オブジェクト指向的に製品を分類し、個々の分類を特徴付ける属性群を明らかにし、分類に対するコンテンツをファイル交換する仕組みであるので、勿論、属性の継承の概念はこの中に含まれている。また、この規格はISO6523"Structure for Identification of organizations and organization parts"を引用して作られており、特に、ISO6523の定めるICD(International Code Designator)を活用して属性に対して世界的に一意な識別子を割り振ることが可能である。
近年においては、PLIB規格に準拠したシステムがいくつか提案されている(特許文献1,2)。
このように、上位から下位へプロパティの継承を行うクラス階層を持つドキュメントやデータベースに関しその構造や仕様を記述もしくは保存する仕組みについて、個々のクラスとそれを特徴付けるプロパティの仕様と関係に関する情報は、オントロジー(Ontology)と呼ばれている。すなわち、オントロジーは、ある分野における分類(クラス)と分類の持つプロパティ(特性)を体系的に纏めたもので、上位分類のプロパティは下位分類へ継承されることを特徴としている。
したがって、一部に多重継承を持つことはあっても、ツリー状のオントロジーにより製品体系等、実世界の事物がモデリングされたオントロジーを生成するためには、実世界の事物を抽象化した上位概念を表すクラスからなるクラスツリーを生成することが、オントロジーの開発と等価とされ、実用上も例えば製品分類等を作る際には上位の抽象クラス階層が必要とされている。
特開2004−177996号公報 特開2004−178015号公報
例えば、「3相かご型誘導電動機」という製品クラスは、実際に製造される製品概念とほぼ同一であるため、当該分野のドメイン・エンジニアが製品の分類、即ち製品モデルに即応するクラスを作成し、個々のクラスを記述するプロパティを列挙することはたやすい。一方、「製品」や「電気製品」という抽象概念に相当する実際の製品は存在しない(「電気製品」という名称やモデル名を持つ電気製品は存在しない)。従って、「製品」や「電気製品」というクラスがどのようなプロパティを持ち、どのような定義であるべきかを分野のエンジニアが定めることは困難になっている。
また、このような抽象クラス分類に関しては、製品ライフサイクルや市場に応じて様々な観点・視点があり、モデル化するエンジニアやサプライヤの観点により異なる体系が出来上っている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、各クラスがどのようなプロパティを持ち、どのような定義であるべきかを容易に把握することができ、かつ、クラス分類に関して一定の基準を提示することができるオントロジー生成装置、プログラムおよびオントロジー生成方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、上位から下位へプロパティの継承を行うクラス階層を持つデータベースの構造を体系的に纏めたオントロジーを生成するオントロジー生成装置において、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの持つ前記プロパティを継承させて前記プロパティの和を持つようにした仮想的なクラスを、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの最下位に位置させたクラスツリーを生成するクラスツリー生成手段と、前記クラスツリー生成手段で生成された前記クラスツリーを表示装置に表示するクラスツリー表示手段と、このクラスツリー表示手段により前記表示装置に表示された前記クラスツリーにおける前記仮想的なクラスが指定された場合、前記仮想的なクラスが持つ1体系の前記オントロジーにおける全ての前記プロパティに関する情報を前記表示装置に表示するプロパティ表示手段と、を備える。
また、本発明は、上位から下位へプロパティの継承を行うクラス階層を持つデータベースの構造を体系的に纏めたオントロジーを生成する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの持つ前記プロパティを継承させて前記プロパティの和を持つようにした仮想的なクラスを、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの最下位に位置させたクラスツリーを生成するクラスツリー生成機能と、前記クラスツリー生成機能で生成された前記クラスツリーを表示装置に表示するクラスツリー表示機能と、このクラスツリー表示機能により表示された前記クラスツリーにおける前記仮想的なクラスが指定された場合、前記仮想的なクラスが持つ1体系の前記オントロジーにおける全ての前記プロパティに関する情報を前記表示装置に表示するプロパティ表示機能と、を前記コンピュータに実行させる。
また、本発明は、上位から下位へプロパティの継承を行うクラス階層を持つデータベースの構造を体系的に纏めたオントロジーを生成するオントロジー生成方法であって、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの持つ前記プロパティを継承させて前記プロパティの和を持つようにした仮想的なクラスである仮想的なクラスを、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの最下位に位置させたクラスツリーを生成するクラスツリー生成工程と、前記クラスツリー生成工程で生成された前記クラスツリーを表示装置に表示するクラスツリー表示工程と、このクラスツリー表示工程により表示された前記クラスツリーにおける前記仮想的なクラスが指定された場合、前記仮想的なクラスが持つ1体系の前記オントロジーにおける全ての前記プロパティに関する情報を前記表示装置に表示するプロパティ表示工程と、を含む。
本発明によれば、1体系のオントロジーの全てのクラスの最下位に位置するクラスとして仮想的なクラスを設け、仮想的なクラスに1体系のオントロジーの全てのクラスの持つプロパティを継承させることにより、オントロジーを記録するデータベース中の全プロパティを表せることができるので、この仮想的なクラスより各クラスに必要なプロパティを抜き出して(繰り出して)設定することにより、各クラスがどのようなプロパティを持ち、どのような定義であるべきかを容易に把握することができ、かつ、クラス分類に関して一定の基準を提示することができる、という効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるオントロジー生成装置、プログラムおよびオントロジー生成方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
本発明の実施の一形態を図1ないし図11に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の一形態にかかるオントロジー生成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施の形態のオントロジー生成装置1は、概略的には、オントロジーを読込んで表示、記録、あるいは編集するものである。
図1に示すように、オントロジー生成装置1は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションであり、コンピュータの主要部であって各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)2を備えている。このCPU2には、BIOSなどを記憶した読出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)3と、各種データを書換え可能に記憶するRAM(Random Access Memory)4とがバス5で接続されている。
さらにバス5には、各種のプログラム等を格納するHDD(Hard Disk Drive)6と、配布されたプログラムであるコンピュータソフトウェアを読み取るための機構としてCD(Compact Disc)−ROM7を読み取るCD−ROMドライブ8と、オントロジー生成装置1とネットワーク9との通信を司る通信制御装置10と、各種操作指示を行うキーボードやマウスなどの入力装置11と、各種情報を表示するCRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置12とが、図示しないI/Oを介して接続されている。
RAM4は、各種データを書換え可能に記憶する性質を有していることから、CPU2の作業エリアとして機能してバッファ等の役割を果たす。
図1に示すCD−ROM7は、この発明の記憶媒体を実施するものであり、OS(Operating System)や各種のプログラムが記憶されている。CPU2は、CD−ROM7に記憶されているプログラムをCD−ROMドライブ8で読み取り、HDD6にインストールする。
なお、記憶媒体としては、CD−ROM7のみならず、DVDなどの各種の光ディスク、各種光磁気ディスク、フレキシブルディスクなどの各種磁気ディスク等、半導体メモリ等の各種方式のメディアを用いることができる。また、通信制御装置10を介してインターネットなどのネットワーク9からプログラムをダウンロードし、HDD6にインストールするようにしてもよい。この場合に、送信側のサーバでプログラムを記憶している記憶装置も、この発明の記憶媒体である。なお、プログラムは、所定のOS(Operating System)上で動作するものであってもよいし、その場合に後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
このシステム全体の動作を制御するCPU2は、このシステムの主記憶として使用されるHDD6上にロードされたプログラムに基づいて各種処理を実行する。
次に、オントロジー生成装置1のHDD6にインストールされている各種のプログラムがCPU2に実行させる機能のうち、本実施の形態のオントロジー生成装置1が備える特長的な機能について説明する。
図2は、オントロジー生成装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、オントロジー生成装置1は、オントロジーデータ生成プログラムに従うことにより、オントロジーデータI/O部21と、クラスツリー生成手段として機能する表示データ生成部22と、オントロジーデータ編集部23と、クラスツリー表示手段およびプロパティ表示手段として機能するGUI(Graphical User Interface)コントロール部24とを備える。なお、図2に示す内部記憶装置はRAM4であり、図2に示す外部記憶装置はHDD6である。
オントロジーデータI/O部21は、オントロジーファイル20を読み込むと、表示データ生成部22およびオントロジーデータ編集部23に渡す。
オントロジーファイル20を渡された表示データ生成部22は、オントロジーファイル20のオントロジーデータに基づいて、表示装置12に表示するクラスツリー(分類体系)やプロパティデータを生成する。表示データ生成部22で生成されたクラスツリーやプロパティデータは、内部記憶装置であるRAM4や外部記憶装置であるHDD6に保存されるか、あるいはGUIコントロール部24に送られ、実際の画像として表示装置12に表示される。
一方、オントロジーファイル20を渡されたオントロジーデータ編集部23は、入力装置11によるオントロジーデータに対する編集・変更をGUIコントロール部24を介して受け付けて、オントロジーデータI/O部21を介して新たなオントロジーファイル20として書き出す。編集の際、どのクラスやどのプロパティを編集するかの指示は、GUIコントロール部24において表示されたクラスやプロパティの標識を、ポインティングデバイスなどの入力装置11により指し示すことにより行なわれる。
ここで、図3は一般的なクラスツリーの概要を示す模式図である。図3に示すように、一般的なクラスツリーでは、全てのクラスの上位クラスにRootクラスが位置する。情報分野におけるクラスツリーにおいては、ルート(根)という言葉の語義と異なり、ルート(Root)は最上部に表示される。ルート(Root)には殆どプロパティは存在しないか、例えば「(製品)名称」などのように全てのクラスで使う可能性のある極少数のプロパティが設けられる。このように個々のクラスとそれを特徴付けるプロパティの仕様と関係に関する情報は、オントロジー(Ontology)と呼ばれている。オントロジーは、別に「(データ)辞書」と呼ばれることもある。また、図3中に示すように複数の辞書が同じシステム内に存在する場合には、ルートクラスの上位に全体クラス(ユニバーサルクラス/全体集合)を設けることがある。さらに、ツリーの末端は、子クラスを持たずリーフクラス(leaf class)と呼ばれる。リーフクラスは、通常のツリー型もしくはアサイクリックグラフ型の分類体系では末端に位置するクラス分類で、個々の製品データ(インスタンス)が登録される。
また、複数のリーフクラス間で共有されているプロパティを持ちリーフクラスの親クラスとなるクラスは、共通プロパティクラス(common property class)と呼ばれる。直下の共通プロパティクラス間で共有されているプロパティを持つクラスも同様に共通プロパティクラスと呼ばれる。このような共通プロパティクラスは、ルートとリーフクラスの間に存在し、通常概念のみを示すものであってインスタンスを持たないため、「抽象クラス」と呼ばれている。ただし、分類によっては、例外的に中間クラスである共通プロパティクラスにも個々の製品データが登録される場合がある。実際、ISO13584規格では中間クラスにもインスタンスが登録される。中間のクラスがインスタンスを持つ場合はインスタンス化可能な中間クラスと呼び、リーフクラスとは呼ばない。このようにインスタンス化が可能なクラス、即ち、実際に製品データが登録されるクラスは、実体クラス(instantiable class)と呼ばれる。
上述したように、ツリー状のオントロジーにより製品体系等、実世界の事物がモデリングされたオントロジーを生成するためには、実世界の事物を抽象化した上位概念を表すクラスからなるクラスツリーを生成することが、オントロジーの開発と等価とされ、実用上も例えば製品分類等を作る際には上位の抽象クラス階層が必要とされている。
図3に示す例においては、自動車クラスに定義されたプロパティ「P1:エンジン排気量」は、自動車の下位クラスである乗用車、トラックを示すクラスに継承される。一方、乗用車クラスは、「P2:定員数」という人が乗せることに関する特有なプロパティを持ち、一方、トラッククラスには、「P3:積載重量」という荷物を積載することに特有なプロパティを持っている。これらの2つのクラス(乗用車クラスおよびトラッククラス)の上位クラスである自動車クラスには、2つのクラスに共通するプロパティ、即ち、両クラスのプロパティの共通集合である「P1:エンジン排気量」のみが存在する。
ところが、上述したような抽象クラス分類に関しては、製品ライフサイクルや市場に応じて様々な観点・視点があり、モデル化するエンジニアやサプライヤの観点により異なる体系が出来上っている。
また、抽象概念に相当する実際の製品は存在しないクラスがどのようなプロパティを持ち、どのような定義であるべきかを分野のエンジニアが定めることは困難になっている。
さらに、オブジェクト指向においては、新たに発生したプロパティを既存の上位クラスに繰り出す、あるいは上位クラスで新たに定義すると、そのクラスの全ての下位クラスにプロパティの継承が波及するため、実世界の事物の持つプロパティや実体クラスの概念と合致しなくなるなどの理由により、実世界の分類とは関係なく人工的に中間抽象クラスを挿入するなど、都度、上位クラス体系の組直し等が必要となっている。
そこで、本実施の形態のオントロジー生成装置1においては、下記に示す手法により、上述した問題を回避するようにしている。
まず、オントロジー生成装置1の表示データ生成部22が生成するクラスツリーについて説明する。図4は、表示データ生成部22が生成するクラスツリーの概要を示す模式図である。オントロジー生成装置1の表示データ生成部22が生成するクラスツリーでは、図4に示すように、1分野のオントロジーについて、全てのクラスの最下部に仮想的なクラスであるトップクラス(TOP class)が設けられる。最下部が“Top”名づけられるのは、最上位部をツリーの“Root”と呼ぶ慣わしがあるからである。すなわち、上下天地が入れ替わっている。このトップクラスは、1分野における空集合、即ち、この分野内の如何なるインスタンスも属さない概念のクラスを表している。そして、このトップクラスには、その上位の全てのクラスの持つプロパティが継承される。本実施の形態においては、複数のリーフクラスの持つプロパティの和集合を持ち、リーフクラスの子クラスとなるクラスとして共用プロパティクラス(union property class)が設けられている。すなわち、図4に示すトップクラスには、上位の全ての共用プロパティクラスの持つプロパティが継承されている。
そして、利用者は、表示装置12上に表示された図4に示すようなクラスツリーにおけるトップクラスをポインティングデバイスなどの入力装置11により指し示すことにより、クラスの持つ情報やクラスに属するプロパティに関する情報を表示装置12に表示させることができる。
ここで、図5はオントロジー生成装置1のGUIコントロール部24が表示装置12上に表示するGUIの一例を示すものである。GUIコントロール部24が表示する図5に示すGUIは、生成、編集あるいは表示されるオントロジーを表示するためのGUIの一実施例を示すものである。図5では、下位クラスは、上位クラスの右側に表示される。図5に示すように、トップクラスを全てのクラスを示すボックスの右辺に接して描画することにより、トップクラスが全てのクラスの下位クラスであることが表現されている。
また、図6はオントロジー生成装置1のGUIコントロール部24が表示装置12上に表示するGUIの他の一例を示すものである。GUIコントロール部24が表示する図6に示すGUIは、生成、編集あるいは表示されるオントロジーを表示するためのGUIの一実施例を示すものである。図6では、クラス421〜425の下位にそれらのクラスのプロパティの和を持つクラス42Xが定義されている。すなわち、クラス421〜425の右辺に接するようにクラス42Xが表示データ生成部22により生成され、GUIコントロール部24を介して表示される。
図5または図6に示すように、インスタンスが登録されるリーフクラスより下のクラスとリーフクラスおよびその上位のクラスとの表示上の仕様(色、パターン、形状など)を常時もしくは随時変更することにより、リーフクラスより下のクラスとリーフクラスおよびその上位のクラスと識別可能にしてクラスツリーを表示装置12に表示することができる。
加えて、オントロジー生成装置1の表示データ生成部22が生成するクラスツリー(分類体系)では、図4に示すように複数のオントロジーを扱う場合においては、トップクラスの更に下位にエンプティクラス(Empty class:空集合)が存在する。空集合は、数学的定義により全てのクラスの部分集合である。つまり、全てのクラスの最下位に位置するクラスであるから、その上位にある全てのクラスのプロパティを継承することになる。すなわち、エンプティクラスからトップクラスを介して更に上位に個々の分野の記述に必要なプロパティを繰り出すことにより、既存プロパティを再利用することにより新しい分類を作れるようにしている。
このようにしたのは、以下の理由による。オブジェクト指向においては、プロパティは上位クラスから下位クラスへ継承され、異なる末端クラス間で共通に存在するプロパティは上位クラスで定義されていると考えるため、対象分野を広げるに従って、新たに複数の末端クラスに共通なプロパティが発生することがある。この場合、新たに発生したプロパティを既存の上位クラスに繰り出す、あるいは上位クラスで新たに定義すると、そのクラスの全ての下位クラスにプロパティの継承が波及するため、実世界の事物の持つプロパティや実体クラスの概念と合致しなくなるなどの理由により、実世界の分類とは関係なく人工的に中間抽象クラスを挿入するなど、都度、上位クラス体系の組直し等が必要となっているためである。
図7は、オントロジー生成装置1のGUIコントロール部24が表示装置12上に表示するGUIの一例を示すものである。図7に示すGUIは、テキストと線図を用いることにより、生成、編集あるいは表示されるオントロジーを表示する。
図7に示すGUIにおいては、それぞれのクラスの下位に共用プロパティクラスが存在する場合には、共用プロパティクラスを示す文字列を線で結ぶことにより、その関係が示される。なお、フォルダのアイコンと前出のクラスを示す文字列、もしくはフォルダのアイコンを線で結ぶことにより、その関係を示すようにしても良い。この際、共通プロパティクラスやリーフクラスを結ぶ線、あるいはそれらのフォルダやアイコン等のグラフィックシンボルと、共用プロパティクラスやリーフクラスを結ぶ線、あるいはそれらのフォルダやアイコン等のグラフィックシンボルを区別することにより、ディスプレイ上で両者を簡単に識別することができる。勿論、表示上、共用プロパティクラスやリーフクラスを結ぶ線、あるいはそれらのフォルダやアイコン等のグラフィックシンボルを消去することも可能である。このためには、共用プロパティクラスには、それを示すフラグも設けておけばよい。
図8は、オントロジー生成装置1のGUIコントロール部24が表示装置12上に表示するGUIの一例を示すものである。図8に示すGUIは、生成、編集あるいは表示されるオントロジーを表示する。図8において、親クラスは“→”をもって示され、兄弟クラス(同じ親を持つ同レベルのクラス)は点線をもって相互に接続されている。
また、図8中において、オントロジー生成装置1内には、全体クラス31の下に、33と47に称される2つのオントロジー体系が格納されている。この内、33は直下のクラスが展開されており、47は閉じられている。この状態を、33と47中のクラス名称“−"と“+”のシンボルにより表している。即ち、“−"は、選択操作後に閉じる状態にあることを示し、“+”は選択すると開くことを示している。勿論、マークは現在の状態を示すために逆にしてもよい。
また、37に示すClass11は開かれていて、39に示すClass111と40に示すClass112がリーフクラスとして体系中に存在する。38は、39に示すClass111と40に示すClass112の共用プロパティクラスであり、この2つのクラスのプロパティを全て保有する。図中にClass111とClass112が表示された状態にあるため、38のクラス名称の前にはシンボル“−"が付けられ、既に親クラスが開かれていることを示している。
図9は、図8に示すオントロジーを表示するためのGUIにおいて37のClass11を閉じる操作を行った後の状態を示している。即ち、Class11が閉じられたため、51にはClass11の後に“+”シンボルが加えられ、39に示すClass11、40に示すClass12は図中から除去されている。親クラスが表示より除去されたため、52に示す共用プロパティクラスであるClass11Xの前にも、“+”シンボルが加えられ、選択操作を行うと親クラスが展開されることを示している。一方、53に示すClass2、54に示すRoot Class2は直下のクラスを操作して展開したわけではないので、シンボルは現在、以下のクラスが閉ざされた状態で、選択操作後に展開されることを示す“+”のままの状態に維持されている。
次に、表示装置12上に表示されたGUI上のクラスツリーのいずれかのクラスが指定された場合について説明する。
図10は、オントロジー生成装置1のGUIコントロール部24が表示装置12上に表示するGUIの一例を示すものである。図10に示すGUIは、オントロジーの表示上で共用プロパティクラスのクラス情報およびプロパティ情報を表示する。図10においては、共用プロパティクラスClass11Xが選択されており、Class11Xが69に示すClass11に随伴する共用プロパティクラスであることが、70のボックス内の情報に示されている。
69のClass11は67と68に示されるClass 111,Class112の2つのサブクラスを保有している。従って、Class11Xにはこの2つのクラスの持つプロパティが全て継承されている。このため、62に示すClass11Xのプロパティ情報欄にはClass 111,Class112の両者のプロパティが表示されている。この内64に示すものが、Class111から継承したものであり、65に示すものがClass112から継承したものである。勿論、GUIにおいては、この内のいずれかを表示あるいは消去するような表示スイッチを設けることができる。
71は、共用プロパティクラスについて、その親クラス情報を表示するか、その子クラス情報を表示するかの選択を示すスイッチである。図10中では、子クラスを示すような選択がなされている(Subclassの下に下線が入ることにより選択状況を示している)。勿論、この欄は共通クラスを示す場合には、親クラスを示すことがデフォールトとされていて良い。
また、図11は、Empty class Classφが選択されている状態を示したものである。このようにEmpty class Classφが選択されている場合には、図11に示すように、全オントロジー体系中のプロパティが91のボックス内に示されている。
このように本実施の形態によれば、ある分野における分類体系において、全てのクラスの最下位に位置するクラスとしてトップクラスと呼ばれる仮想的なクラスを設け、トップクラスに1体系のオントロジーの全てのクラスの持つプロパティを継承させることにより、オントロジーを記録するファイルやデータ中の全プロパティを表せることができるので、各クラスがどのようなプロパティを持ち、どのような定義であるべきかを容易に把握することができ、かつ、クラス分類に関して一定の基準を提示することができる。
また、本実施の形態によれば、複数の分野のオントロジーにおけるトップクラスの下位に、共用プロパティクラスと呼ばれる2つもしくは複数の実体クラスの持つプロパティの和集合を持つエンプティクラスを定義することを可能にし、このエンプティクラスからトップクラスを介して更に上位に個々の分野の記述に必要なプロパティを繰り出すことにより、既存プロパティを再利用することにより新しい分類を作れるようにしている。
なお、GUIコントロール部24は、表示データ生成部22で生成されたクラスツリーの天地を反転させて表示装置12に表示するようにしても良い。
本発明の実施の一形態にかかるオントロジー生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 オントロジー生成装置の機能構成を示すブロック図である。 一般的なクラスツリーの概要を示す模式図である。 表示データ生成部が生成するクラスツリーの概要を示す模式図である。 GUIコントロール部が表示装置上に表示するGUIの一例を示す正面図である。 GUIコントロール部が表示装置上に表示するGUIの一例を示す正面図である。 GUIコントロール部が表示装置上に表示するGUIの一例を示す正面図である。 GUIコントロール部が表示装置上に表示するGUIの一例を示す正面図である。 図8に示すオントロジーを表示するためのGUIにおいてClass11を閉じる操作を行った後の状態を示す正面図である。 GUIコントロール部が表示装置上に表示するGUIの一例を示す正面図である。 GUIコントロール部が表示装置上に表示するGUIの一例を示す正面図である。
符号の説明
1 オントロジー生成装置
12 表示装置
22 クラスツリー生成手段
24 クラスツリー表示手段、プロパティ表示手段

Claims (9)

  1. 上位から下位へプロパティの継承を行うクラス階層を持つデータベースの構造を体系的に纏めたオントロジーを生成するオントロジー生成装置において、
    1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの持つ前記プロパティを継承させて前記プロパティの和を持つようにした仮想的なクラスを、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの最下位に位置させたクラスツリーを生成するクラスツリー生成手段と、
    前記クラスツリー生成手段で生成された前記クラスツリーを表示装置に表示するクラスツリー表示手段と、
    このクラスツリー表示手段により前記表示装置に表示された前記クラスツリーにおける前記仮想的なクラスが指定された場合、前記仮想的なクラスが持つ1体系の前記オントロジーにおける全ての前記プロパティに関する情報を前記表示装置に表示するプロパティ表示手段と、
    を備えることを特徴とするオントロジー生成装置。
  2. 前記仮想的なクラスは、1分野における空集合であり、分野内の如何なるインスタンスも属さない概念のクラスを表している、
    ことを特徴とする請求項1記載のオントロジー生成装置。
  3. 前記クラスツリー生成手段は、前記クラスツリーの末端に位置する複数のリーフクラスの持つプロパティの和集合を持ち前記リーフクラスの子クラスとなる共用プロパティクラスを、前記クラスツリーにおける前記リーフクラスの下位に位置させ、
    前記プロパティ表示手段は、前記クラスツリー表示手段により表示された前記クラスツリーにおける前記共用プロパティクラスが指定された場合、前記共用プロパティクラスが持つ前記複数のリーフクラスの持つプロパティの和集合に関する情報を前記表示装置に表示する、
    ことを特徴とする請求項1記載のオントロジー生成装置。
  4. 前記クラスツリー生成手段は、複数の上位の前記共用プロパティクラスのプロパティの和集合を持つ共用プロパティクラスを、前記クラスツリーにおける上位の前記共用プロパティクラスの下位に位置させ、
    前記プロパティ表示手段は、前記クラスツリー表示手段により表示された前記クラスツリーにおける下位の前記共用プロパティクラスが指定された場合、下位の前記共用プロパティクラスが持つ複数の上位の前記共用プロパティクラスの持つプロパティの和集合に関する情報を前記表示装置に表示する、
    ことを特徴とする請求項3記載のオントロジー生成装置。
  5. 前記クラスツリー生成手段は、複数体系の前記オントロジーを扱う場合に、前記各オントロジーの前記仮想的なクラスの持つ前記プロパティを継承させて前記プロパティの和を持つようにした仮想的なクラスであるエンプティクラスを、前記各オントロジーの前記仮想的なクラスの更に下位に位置させ、
    前記プロパティ表示手段は、前記クラスツリー表示手段により表示された前記クラスツリーにおける前記エンプティクラスが指定された場合、前記エンプティクラスが持つ複数体系の前記オントロジーにおける全ての前記プロパティに関する情報を前記表示装置に表示する、
    ことを特徴とする請求項1記載のオントロジー生成装置。
  6. 前記クラスツリー表示手段は、インスタンスが登録されるリーフクラスより下のクラスと前記リーフクラスおよびその上位のクラスとの表示上の仕様を変更する、
    ことを特徴とする請求項1記載のオントロジー生成装置。
  7. 前記クラスツリー表示手段は、前記クラスツリー生成手段で生成された前記クラスツリーの天地を反転させて前記表示装置に表示する、
    ことを特徴とする請求項1記載のオントロジー生成装置。
  8. 上位から下位へプロパティの継承を行うクラス階層を持つデータベースの構造を体系的に纏めたオントロジーを生成する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの持つ前記プロパティを継承させて前記プロパティの和を持つようにした仮想的なクラスを、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの最下位に位置させたクラスツリーを生成するクラスツリー生成機能と、
    前記クラスツリー生成機能で生成された前記クラスツリーを表示装置に表示するクラスツリー表示機能と、
    このクラスツリー表示機能により表示された前記クラスツリーにおける前記仮想的なクラスが指定された場合、前記仮想的なクラスが持つ1体系の前記オントロジーにおける全ての前記プロパティに関する情報を前記表示装置に表示するプロパティ表示機能と、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  9. 上位から下位へプロパティの継承を行うクラス階層を持つデータベースの構造を体系的に纏めたオントロジーを生成するオントロジー生成方法であって、
    1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの持つ前記プロパティを継承させて前記プロパティの和を持つようにした仮想的なクラスを、1体系の前記オントロジーの全ての前記クラスの最下位に位置させたクラスツリーを生成するクラスツリー生成工程と、
    前記クラスツリー生成工程で生成された前記クラスツリーを表示装置に表示するクラスツリー表示工程と、
    このクラスツリー表示工程により表示された前記クラスツリーにおける前記仮想的なクラスが指定された場合、前記仮想的なクラスが持つ1体系の前記オントロジーにおける全ての前記プロパティに関する情報を前記表示装置に表示するプロパティ表示工程と、
    を含むことを特徴とするオントロジー生成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011136425A1 (ko) * 2010-04-28 2011-11-03 한국과학기술정보연구원 개체명 사전 및 마이닝 규칙이 결합된 온톨로지 스키마를 이용한 리소스 기술 프레임워크 네트워크 구축 장치 및 방법

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