JP2008078484A - 電子機器の放熱方法及び放熱構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子部品に放熱フィンを取り付けたり、換気用の孔やスリットを筐体に設けたりしなくても、電子部品からの発熱を筐体の外部に放熱させることができる電子機器の放熱方法を提供する。
【解決手段】 電子機器の内部に搭載された電子部品8からの発熱を、当該電子機器に電源供給する電源コードの芯線に熱伝導部材9を介して放熱する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子機器の放熱方法及び放熱構造に関するものである。
通信用モデム(PLCモデムを含む)やパソコン等の電子機器は、機器内部の電子部品の温度上昇により、熱による損傷を受けて動作しなくなったり、或いは、暴走したりすると言った状況が発生することがあり、また、その発熱が機器の表面に伝わって、使用者に火傷等の傷害を与える場合があるため、所定の温度以下に温度上昇を抑える必要がある。
特に、電子機器が動作しなくなったり暴走したりするような事態の場合は、機器本来の機能が果たせなくなることから、そうならないように、一般に、技術者はチップの表面温度が105℃以下になるように設計している。
その時、高温となる電子部品の放熱用の部品として、通常、金属製のフィンや放熱シート等が用いられる。しかし、電子部品自体の温度が機能上問題ない場合でも、放熱させた結果として、機器の表面の一部でも人に火傷を与える、或いは、熱いと感じさせる温度になる場合には、安全上の問題が発生することになり、これに対する対策が必要となる。この温度は、一般的には60℃程度とされており、電子部品の許容温度よりもかなり低い値である。
電子部品の温度上昇は、小さな部品が大量に発熱するから温度が上昇するのであって、この熱を周囲に輻射、伝熱又は放散することで発熱とバランスさせ、動作時に所定の温度上昇に抑えるという設計がなされる。
このときに最もよく利用されるのが、例えばCPUクーラのような、電子部品から金属製の放熱フィンに伝熱させた後、対流を利用して熱放散を行う冷却機構である(特許文献1参照)。
この場合、空気の対流により熱を逃がし、温度上昇を一定の値以下に保つ為には、それなりの空気量が必要とされ、さらにこの空気量はその周囲に拡散させるために大量に必要となる。通常、電子機器の筐体という限られた特定の容積内のみでは、そのような大量の空気量が確保できない。そこで、通常は、筐体に換気孔を設け、この換気孔から外気を取り入れて熱放出する放熱機構を採用するのが一般的である(特許文献2参照)。
特開2005−228809号公報 特開2000−31675号公報
上述の通り、電子部品の温度上昇に対しては、通常、電子部品の表面に金属製の放熱フィンを取り付け、放熱部の放熱面積を大きくして空気との接触部を増やすことで、熱を早く空気に与えて電子部品の温度を下げる冷却機構が採用されている。このため、筐体内部の空間の大きさをある程度確保しておく必要があり、筐体自体が大きくなるという欠点がある。
また、その機器内部の空気を外部の空気と対流させて、熱が機器の内部にこもらないようにするために、換気のためのスリットや孔を筐体に設ける必要がある。
しかしながら、安全上の制約から、規格上、使用する材料によっては筐体にスリットや孔を設けてはならない場所がある。例えば、樹脂ケースの場合、機器を設置するときの底面にスリット或いは孔を設けてはならないと規定している規格もある(EU向け規格:CEマーク)。このため、筐体に換気用のスリットや孔を設けることにより、筐体の置き方に制約を受ける場合もある。
そこで、本発明は、電子部品に放熱フィンを取り付けたり、換気用の孔やスリットを筐体に設けたりしなくても、電子部品からの発熱を筐体の外部に放熱させることができる電子機器の放熱方法及び放熱構造を提供することを目的とする。
通常、電子機器の筐体内部の容積を大きくする理由は、機器内部の温度上昇を抑えるためであり、空気の容量を大きくしないで温度上昇を抑える方法があれば、電子機器の小型化が達成できる。そのためには、熱を逃がす場所を他に求める必要があり、電子機器が電源線を筐体内に引き込んでいる場合には、電子機器からの発熱をその電源線に逃がすことで、この問題が解決できるものと本出願の発明者は考えた。
ただし、このときの発熱量が、電源線の許容温度上昇を脅かすようなものであれば問題となるが、最近の電子機器はその機器の中の一部部品に発熱が集中するため問題となるものの、そのエネルギー自体が高々10W未満で大したものでない場合には、機器自体の消費電流が10Aを越えるような場合と比べて問題となることはない。
本発明の放熱方法は、上記した知見から成されたものであり、電子機器の内部に搭載された電子部品からの発熱を、当該電子機器に電源供給する電源コードの芯線に熱伝導部材を介して放熱することを特徴とする。
かかる放熱方法は、例えば、電子機器の内部に搭載された電子部品と、電源コードの芯線が着脱自在に接続される電源接続部と、一端部が前記電子部品に伝熱可能に接続されかつ他端部が前記電源接続部に伝熱可能に接続された熱伝導部材とを備えた放熱構造によって実現することができる。
従来の放熱フィンによる放熱方法の場合は放熱対象は空気であり、その空気の熱伝導率は、常温で0.0241(W/m/K)である。これに対して、本発明の放熱方法の場合は放熱対象が電源コードの芯線であり、この電源コードに一般的に使用されている銅の熱伝導率は401(W/m/K)である。このように電源コードの熱伝導率は、空気のそれと比較して概ね16600倍であり高い非常に大きい。従って、電子機器の回路上で高温となる電子部品の熱を、屋内配線として使用される電源コードの芯線に逃がすことで、電子機器の筐体内の温度上昇を低減することができる。
このように、本発明によれば、電子機器の内部に搭載された電子部品からの発熱が、当該電子機器に電源供給する電源コードの芯線に熱伝導部材を介して放熱されるので、従来の放熱フィンを電子機器に取り付けなくても、電子部品からの発熱を筐体の外部に放熱させることができる。このため、筐体内部の空間をそれほど大きく確保する必要がなく、筐体をコンパクト化することができる。
また、電子機器に電源供給する電源コードの芯線に放熱されるので、従来のように換気用のスリットや孔を筐体に設ける必要がない。このため、電子機器の筐体を設計する際にスリットや孔の位置を考慮する必要がなくなり、筐体の設計の自由度が向上する。
ところで、本発明において、電子機器からの発熱を直接電源コードの芯線に逃がせられれば良いが、この場合、電子部品に直接電源電圧が加わることになる。このため、高電圧側と低電圧側が接近して絶縁破壊等が発生する可能性があり、場合によっては安全上の問題になる可能性もある。
そこで、熱伝導率はある程度悪くなるが、電子部品と電源コードの芯線を熱的に接続する熱伝導部材として、電子機器と電源コードの間を導電させない絶縁部品を含んでいるものを採用することが好ましい。
また、電子機器の電源接続部が、電源コードの芯線だけでなくアースコードの芯線の接続部分をも含んでいる場合には、電源コードの芯線のみならずアースコードの芯線に対しても熱伝導部材を介して放熱するようにすることが好ましい。
アースコードの芯線は、通常、電源コードの芯線と同じく電気の良導体である銅が使用されている。また、このアースコードの芯線は、地中に電極棒を打ち込んで電気を逃がす構造であるため、伝わった熱は地面に流れ込むことになり、ここに放熱することも効果的である。
以上の通り、本発明によれば、電子部品に放熱フィンを取り付けたり、換気用の孔やスリットを筐体に設けたりしなくても、電子部品からの発熱を筐体の外部に放熱させることができるので、筐体をコンパクト化できるとともに、筐体の設計の自由度を向上することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
〔インレット部の構造〕
図1は、本発明が適用可能な電子機器に使用されるAC電源コネクタのインレット部を示している。
このインレット部1は、回路基板2上に固定された中空かつ樹脂製の雌型コネクタ3と、このコネクタ3の内部に挿通された一対の接続ピン4,4とを備えている。雌型コネクタ3は、外形がほぼ直方体で、かつ、断面がほぼめがね孔形状に形成された左右一対の接続孔5,5を内部に有している。
上記各接続ピン4,4の基端部は雌型コネクタ3の底壁3Aを貫通して固定されており、これにより、各接続ピン4,4が左右の接続孔5,5の内部に同軸心状に収納された状態で、底壁3Aに片持ち状に取り付けられている。各接続ピン4,4の突出端には、ほぼ短冊状を呈する電源供給ステー6が直交状に取り付けられており、このステー6は、回路基板2の表面にプリントされた回路配線(図示せず)に接続されている。
〔第一実施形態〕
図2は、本発明に係る電子機器の放熱構造の第一実施形態を示している。
この第一実施形態の放熱構造では、回路基板2に取り付けられた発熱が大きい電子部品(例えば、CPU等の回路チップ)8に対して、熱伝導率の良い材料を密着させて配置し、その材料とコンセント等のAC電源に接続される図示しない電源コードの芯線(通常は銅線)にコネクタ接続用のインラインアダプタ(図1に示すインレット部1)を経由して接続する例を示している。
図2に示す放熱構造では、電子機器の内部に搭載された上記電子部品8と、電源コードの芯線が着脱自在に接続される金属製の電源接続部である前記インレット部1の接続ピン4,4と、一端側が電子部品8に伝熱可能に接続されかつ他端側が接続ピン4,4に伝熱可能に接続された熱伝導部材9とを備えている。
本実施形態では、上記熱伝導部材9は、電子部品8を電源コードの芯線に導電させないための絶縁部品を含む複数の部材に分割構成されており、その絶縁部品は、回路基板2に取り付けられた電子部品8の上面全面に貼り付けられた絶縁シート10よりなる。
上記絶縁シート10の上には、熱吸い上げ用の伝熱プレート11が各接続ピン4,4に対応して一対載置されている。この伝熱プレート11は、その縁部から下方に突出して取り付けられた固定ピン12によって回路基板2に固定されている。
なお、上記伝熱プレート11としては、熱伝導性の観点からは、現時点では金属製のものが好ましいが、最近開発途上にある熱伝導率の高い樹脂を使用してもよい。この伝熱プレート11として樹脂を使用するときのメリットは、後述する熱伝導線13をモールドしたプレートが製作できれば、熱の効率的な伝達が可能になることと、量産時に安価にすることが可能となることである。
他方、伝熱プレート11として金属板を使用する場合には、例えば入手しやすい銅板等を使用することで、半田で熱伝導線13と密に結合させることが可能となる。
図2に示す例では、伝熱プレート11に、半田又は接着剤よりなる接着部14によって熱伝導線13の一端が接続されている。既存部品である前記AC電源用のインレット部1の電源供給ステー6には、長方形板状の接続アダプタ15が固定されており、この接続アダプタ15に、上記熱伝導線13の他端部が接続されている。
このため、本実施形態の放熱構造では、前記熱伝導部材9が絶縁シート10、伝熱プレート11、熱伝導線13及び接続アダプタ15からなり、電子機器の内部に搭載された電子部品8からの発熱は、かかる熱伝導部材9を介してインレット部1の接続ピン4に伝熱され、この接続ピン4に接続される電源コードの芯線に放熱される。
このように、本実施形態の放熱構造によれば、電子機器の内部に搭載された電子部品8からの発熱が、当該電子機器に電源供給する電源コードの芯線に熱伝導部材9を介して放熱されるので、従来の放熱フィンを電子機器に取り付けなくても、電子部品8からの発熱を筐体の外部に放熱させることができる。このため、筐体内部の空間をそれほど大きく確保する必要がなく、筐体をコンパクト化することができる。
また、電子機器に電源供給する電源コードの芯線に放熱されるので、従来のように換気用のスリットや孔を筐体に設ける必要がない。このため、電子機器の筐体を設計する際にスリットや孔の位置を考慮する必要がなくなり、筐体の設計の自由度が向上する。
なお、図2の例では、熱吸い上げ用の伝熱プレート11が金属製であることから、当該伝熱プレート11を二分割し、これらの各伝熱プレート11,11をそれぞれ二本の芯線に放熱させる場合を示しているが、電子部品8としてのチップの発熱量が小さければ、片側の電源線のみへ放熱させることにしてもよく、この場合には伝熱プレート11は一枚でよい。また、図2の例では、熱伝導線13と電源供給ステー6の間に接続アダプタ15を挿入しているが、このアダプタ15を省略して、熱伝導線13を直接電源供給ステー6に接続する構造にしてもよい。
〔第二実施形態〕
図3は、本発明に係る電子機器の放熱構造の第二実施形態を示している。
この第二実施形態の放熱構造では、電子部品8側の絶縁シート10を省略して電子部品8の表面に熱吸い上げ用の伝熱プレート11を直接接触させ、熱伝導線13と電源供給ステー6とを絶縁ブロック16を介して接続する構造としている。
この絶縁ブロック16は、樹脂等の非導電性材料よりなる直方体状のブロックよりなり、一対の電源供給ステー6,6同士を互いに連結した状態で各ステー6,6に取り付けられている。なお、図3の例では、図2の場合と同様に、二つの電極(接続ピン4)に対応して一対の熱伝導線13,13を使用する場合を例示しているが、一本の熱伝導線13のみを使用する構成としてもよい。
〔第三実施形態〕
図4は、本発明に係る電子機器の放熱構造の第三実施形態を示している。
この第三実施形態の放熱構造では、伝熱プレート11と絶縁ブロック16とを電源線(接続ピン4)の本数以上の熱伝導線13で接続するようにしており、図例では、三本の熱伝導線13,13,13を使用している。
かかる熱伝導線13の本数の増大は、熱伝導線13の断面積を大きくすることと基本的には等価である。しかし、熱伝導線13が比較的短い場合に断面積を大きくすると、熱伝導線13が硬くなって、接続作業の場合の取り扱い性が悪くなる。
この点、図4に示す第三実施形態のように、適切な可撓性を有する太さの熱伝導線13を複数本使用するようにすれば、熱伝導の効率を向上するために熱伝導線13を必要以上に太くする必要がなく、作業性を改善することができる。
〔第四実施形態〕
図5は、本発明に係る電子機器の放熱構造の第四実施形態を示している。
この第四実施形態の放熱構造では、前記絶縁ブロック16の内部に熱伝導率の高い金属性の伝熱ステー17が埋設されており、この伝熱ステー17に、複数の熱伝導線13,13,13(図例では三本)の端部を接続するようにしている。
このため、各熱伝導線13,13,13は、絶縁ブロック16の内部で熱的に結合され、熱を絶縁ブロック16側に供給する面積が増大する。従って、この実施形態では、絶縁ブロック16の熱伝導率が比較的悪い場合であっても、電源側の接続ピン4にスムースに熱を伝えることができる。
本発明の各実施形態において、絶縁部品(絶縁シート10や絶縁ブロック16)を使用する理由は、電源コードの芯線からの高電圧が電子部品8に印加されて当該部品8を損傷させないようにするためである。
すなわち、本発明の各実施形態において、絶縁シート10や絶縁ブロック16を使用しないと、AC電源からの高電圧(100〜200数十ボルトの電圧)が電子部品8の表面に加わり、数ボルトの低電圧で動作する電子部品8が絶縁破壊を起こしたり、場合によっては安全上の問題を引き起こす可能性がある。
この絶縁部品としては、なるべく熱伝導性の良い絶縁材料を使用した方が好ましいのは言うまでもないが、余り熱伝導率が高くなくても、熱を伝達する面積が大きく伝熱距離が短い場合には、余り障害にはならない場合もある。これは、図4に示す放熱構造の場合も同様である。
〔第五実施形態〕
図6及び図7は、本発明に係る電子機器の放熱構造の第五実施形態を示し、図6は、この実施形態に使用される接地極を有する電源側インレット部の例を示す。
図6に示すように、この場合のインレット部1は、左右一対の電源供給用の接続ピン4,4の他に、アースコード(図示せず)の芯線が接続されるアース極18を備えている。
そして、図7に示すように、上記左右一対の接続ピン4,4とアース極18の突出端部がそれぞれ前記絶縁ブロック16に連結されており、このブロック16に埋設された伝熱ステー17に一対の熱伝導線13,13が接続されている。
このように、本実施形態では、熱伝導部材9を構成する絶縁ブロック16がアース極18も伝熱可能に接続されているので、電子部品8からの発熱はアース極18を介してアースコードの芯線にも放熱され、かかる芯線についてもチップ部品の温度低下に寄与するようになっている。
もっとも、アースコードは途中で切れた形で使用されることも多いので、これだけに放熱させる方法では、万が一アースコードが途中で切れている構成とされた場合に、所定の発熱を吸収できなくなり、電子機器の機能上の問題が発生する可能性が残る。
次に、本発明の有効性を実証するために、電源コードの芯線に放熱する場合の温度低下の度合いを試算する。
〔温度低下の試算〕
まず、電源コードの芯線として、1.25のIVペア線が使用されている場合を前提とすると、この線の諸元は以下の通りである。
電線断面積 :1.25
単位長質量 :11.1625 g/m
導体抵抗(最大):16.5/1000 Ω
許容電流 :19 A
許容導体温度:60 °C
銅の比熱 :0.092 cal/(gdeg)
この場合、最大電流通電時における導体抵抗による消費電力は、19×19×16.5/1000=5.95Wとなる。ただし、通常、許容電流を目一杯流すことはしないため、80%の電流が流れているとすると、消費電流は、3.71W(毎秒)となる。つまり、電線単位長に3.71W流しても、常温下で使用している場合には、60℃を越えることはない。
もっとも、5.95Wのときはぎりぎり60℃となる可能性はあるが、この場合は、全長に渉って一様に発熱する場合を想定しており、電線の片端から熱が流入する場合よりも、かなり厳しいものとなっている。
逆に言えば、電線(芯線)の片端から熱を与える場合、熱はどんどん遠方に伝達され、かつ、電線の被覆を通して空間に放熱されるため、同じワット数を与えても温度上昇はかなり低くなる。
〔電線の熱伝導試算〕
次に、電線(芯線)の片端に熱が与えられたとき、熱をどれほど吸収(伝達)するかについて試算する。ここで、銅の熱伝導率は401(W/(m・k))であり、この単位の意味するところは、次の通りである。
(1)単位長さ(厚み)当たり1度の温度差がある場合に、単位時間に単位面積当たり移動する熱量
(2)1立方メートルの立方体を考えたとき、両側の面の間に温度差1度ある時に、1秒間に1m移動する熱量
従って、導体の断面積が1.25である導線では、1.25/1000000×401=0.0005(W/sec)の熱量と言うことになる。
今、熱源であるチップ(電子部品8)の温度が最大120℃で、周囲温度が20℃の時を考える。このときの温度差は100℃であり、例えば電線長が10mのペア線を考えたときには、この熱量は、
1.25/1000000×401×100×10×2=1.0(W/sec)となり、1Wの熱量が毎秒吸収される計算になる。
そこで、逆にこの電線が、先ほどの電線の、発熱量相当の熱量を吸収するための電線長、温度差を試算してみる。
すなわち、温度差100℃の場合で3.7Wの熱量を吸収するためには、電線長が3.7倍の37mあれば良い。一方、チップの発熱量が5Wであるとしたとき、3.7Wは電線で吸収されると考えると、残りの1.3Wとなる。 このときには、5Wで100℃の温度上昇であった訳であるから、1.3Wではその26%の温度上昇、すなわち26℃と言うことになる。
このときには、温度差が少なくなるため、電線が吸収できる熱量が減ることになる。その結果、チップの温度が上昇すると言う過程を繰り返して、ある温度で収束する事になると考える。
この場合、電線長を限りなく長くすると、チップでの発熱が全て吸い取られるような計算結果となり、チップの温度は上昇しないという結果が得られる。従って、電線(電源コードの芯線)に放熱させる本発明によれば、チップの温度をかなり低い温度に抑えることが可能と考えられる。
また、5W程度の発熱量であれば、使用している電線の許容温度を超えることもまず無いと言える。このことは、1000W程度のニクロム線を使用したホットプレート等を考えると理解しやすい。1000Wのホットプレートのニクロム線は800℃程度に温度上昇しているとのことであり、それに直接ACのコードが接続されているが、これをさわっても熱くなって火傷をすることが無いことが分かる。
このときの温度から見ると、チップの温度は高々120℃程度であり、1/6.5程度の温度上昇にしかならないと言える。
具体的には20℃の常温であれば、最大使用温度が60℃とすると、温度上昇は40℃で、また、耐熱性の高いコードの場合でも最大使用温度は75℃であり、温度上昇分は55℃であるから、温度上昇は10℃未満となる。因みに、熱供給量を見ると、片や5W、もう一方は1000Wと供給する能力の差は200倍も違うため、実際には殆ど温度上昇することはないとも言える。
本発明が適用可能なAC電源コネクタのインレット部を示し、(a)は同インレット部の正面図、(b)は同インレット部の側面断面図、(c)は同インレット部の背面図、(d)は同インレット部の平面断面図である。 本発明に係る電子機器の放熱構造の第一実施形態を示し、(a)は同放熱構造の側面図、(b)は同放熱構造の平面図である。 本発明に係る電子機器の放熱構造の第二実施形態を示し、(a)は同放熱構造の側面図、(b)は同放熱構造の平面図である。 本発明に係る電子機器の放熱構造の第三実施形態を示す平面図である。 本発明に係る電子機器の放熱構造の第四実施形態を示し、(a)は同放熱構造の平面図、(b)は同放熱構造の側面図である。 本発明が適用可能なAC電源コネクタのインレット部の他の形態を示し、(a)は同インレット部の正面図、(b)は同インレット部の側面図、(c)は同インレット部の平面図である。 本発明に係る電子機器の放熱構造の第五実施形態を示し、(a)は同放熱構造の平面図、(b)は同放熱構造の側面図である。
符号の説明
1 インレット部
2 回路基板
3 雌型コネクタ
4 接続ピン(電源接続部)
5 接続孔
6 電源供給ステー
8 電子部品
9 熱伝導部材
10 絶縁シート(絶縁部品)
11 伝熱プレート
12 固定ピン
13 熱伝導線
14 接着部
15 接続アダプタ
16 絶縁ブロック
17 伝熱ステー
18 アース極

Claims (6)

  1. 電子機器の内部に搭載された電子部品からの発熱を、当該電子機器に電源供給する電源コードの芯線に熱伝導部材を介して放熱することを特徴とする電子機器の放熱方法。
  2. 前記熱伝導部材は、前記電子部品を前記電源コードの芯線に導電させない絶縁部品を含んでいる請求項1に記載の電子機器の放熱方法。
  3. 前記電源コードの芯線だけでなく、アースコードの芯線に対しても前記熱伝導部材を介して放熱する請求項1又は2に記載の電子機器の放熱方法。
  4. 電子機器の内部に搭載された電子部品と、
    電源コードの芯線が着脱自在に接続される金属製の電源接続部と、
    一端部が前記電子部品に伝熱可能に接続されかつ他端部が前記電源接続部に伝熱可能に接続された熱伝導部材と、
    を備えていることを特徴とする電子機器の放熱構造。
  5. 前記熱伝導部材は、前記電子部品を前記電源コードの芯線に導電させない絶縁部品を含んでいる請求項4に記載の電子機器の放熱構造。
  6. 前記電源接続部はアースコードの芯線の接続部分を備えており、前記熱伝導部材がその接続部分に対しても伝熱可能に接続されている請求項4又は5に記載の電子機器の放熱構造。
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