JP2008070339A - 音源定位方法及び音源定位装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏微分方程式に基づく新たな理論的定式化を導入し、その時間空間重積分から導かれる代数方程式によって、厳密且つ高速な音源定位をより広い周波数帯域にわたって可能とする。
【解決手段】音源から発せられた音波の音圧を測定する。音源拘束式を時間及び空間で積分して得られた時空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する。次に、前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める。これによって、従来より精度が向上した音源の定位を行うことが可能である。
【選択図】図49

Description

本発明は、音響センシング、音響信号処理分野に関し、特に音源の定位を行う方法・装置に関する。
現在、自動車の車内灯の騒音や妨害波のある環境では、携帯電話による会話が阻害されたり、ドライバの音声認識が困難な場合がしばしば生じる。このような問題に対して、従来から、音源定位、音源分離等の技術が広く研究されている。
従来の音源分離システムは、一般に、多数のマイクロフォンと多大な計算量とを要する一方、用途によっては十分な性能を達成しているとは言い難い場合があった。その最大の理由は、このようなシステムが動作する環境における音源の空間配置把握の精度が不十分であること、及び時間的な分解能が不十分であること、等によって、音源位置の変化に対
応できないことであると本願発明者らは考えている。
先行技術文献
音源定位に関する先行技術のうち代表的と思われるものを説明する。
下記特許文献1には、時空間微分法を用いて音源定位を行い、移動体の速度分布を精度良く抽出する技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、音源定位を行い、定位した音源の音声認識を行うシステムについて開示されている。
また、下記特許文献3には、ホログラムを用いて音源の定位と音源の分離抽出を行う技術が開示されている。
また、下記特許文献4には、マイクロフォンアレイに基づく音源定位と指向性アンテナアレイとを組み合わせて定位の精度を向上する技術が開示されている。
また、本件発明の先行技術文献(論文)を種々示す。これらに関しては、後述する実施の最良の形態等において言及する。
特開平09−026473号公報(特許登録第2641417号) 特開2006−058395号公報 特開平09−044067号公報 特開2005−056137号公報 井ノ上, 安藤, ``微分両耳時間差検出の理論と実験,'' 第25回SICE学術講演会予稿集, JS41-5, 1986. 安藤 繁, ``微分両耳時間差検出法の複数音源定位能力について,'' 25回SICE学術講演会予稿集, JS41-6, 1986. 井ノ上, 安藤, ``微分両耳時間差検出法による多重音源の定位とその実験,'' 第29回自動制御連合講演会予稿集, 4025, 1986. 安藤, 井ノ上, ``聴覚の定位機能を模擬するセンサ,'' 第4回センシングフォーラム予稿集, pp.25-29, 1987. 安藤 繁, ``微分差分算法による両耳時間差と両耳強度差の実時間検出,'' 第26回SICE学術講演会予稿集, JS68-1, 1987. S. Ando, ``An Analog Electronic Binaural Localization Sensor,'' Technical Digest of 8th Sensor Symposium, Tokyo, pp.131-134, 1989. 小川, 光山, 篠田, 安藤, ``場の時空間勾配に基づく3次元音源定位システムの研究,'' 第30回SICE学術講演会予稿集, pp.887-888, 1991. (SICE創立30周年記念学生発表賞受賞) P. Chen and S. Ando, ``Sound Localization Using a Single Sensor,'' Proc. 2nd Int. Symp. Measurement and Control in Robotics, pp.695-700, Tsukuba, 1992. 安藤, 篠田, 小川, 光山, ``時空間勾配法に基づく3次元音源定位システム,'' 計測自動制御学会論文集, vol.29, no.5, pp.520-528, 1993. (計測自動制御学会論文賞友田賞受賞) 加瀬, 安藤, ``時空間勾配法による全方位3次元音源定位システム,'' 第32回SICE学術講演会予稿集, pp.663-664, 1993. 布施, 篠田, 安藤, ``統一的な特徴抽出算法を用いた人工頭部センサの開発(第2報)--- 聴覚と視覚による自律的な3次元知覚システム ---,'' 第32回SICE学術講演会予稿集, pp.893-894, 1993. H. Kase and S. Ando, ``Realtime Omni-Directional Sound-Localization Sensor Using 3-D Differential Pressure Microphone,'' Proc. 12th Sensor Symposium, pp.83-86, Osaka, 1994. 成瀬, 玉山, 篠田, 安藤, ``超音波検出型3次元構造触覚センサ,'' 第33回SICE学術講演会予稿集, pp.123-124, 1994. S. Ando, ``An Autonomous Three-Dimensional Vision Sensor with Ears,'' Proc. Int. Workshop Machine Vision Applications, Kawasaki, Japan, pp.417-422, 1994. S. Ando, ``An Intelligent Three-Dimensional Vision Sensor with Ears,'' Sensors and Materials, vol.7, no.3, pp.213-231, 1995. S. Ando, ``An Autonomous Three-Dimensional Vision Sensor with Ears,'' Trans. IEICE on Information and Systems, vol.E78-D, no.12, pp.1621-1629, 1995. S. Ando and H. Shinoda, ``Ultrasonic Emission Tactile Sensing,'' IEEE Control Systems, vol.15, no.1, pp.61-69, 1995. S. Ando, ``Intelligent Sensor Systems: Integrating Advanced Automatism and Optimality into Sensors,'' Proc. Transducers'97, Chicago, pp.??-??, 1997. 小野, 平田, 安藤, ``ヤドリバエを模倣した超小型音源定位センサの理論と実験,'' 第18回センシングフォーラム, pp.175-179, 札幌, Oct. 2001. 小野, 財津, 野見山, 安藤, ``聴覚系を模倣した単耳音源定位センサ,'' 日本音響学会2001年春季研究発表会, vol.I, pp.435-436, 筑波, Mar. 2001. 小野, 安藤, ``メンフクロウをモデルとした2次元音源定位センサ,'' 日本音響学会2001年春季研究発表会, vol.I, pp.433-434, 筑波, Mar. 2001. 小野, 安藤, ``メンフクロウをモデルとした音源定位システム,'' 電気学会マイクロマシン・センサシステム研究会, vol.MSS-00-10, pp.19-24, 東京, Sep. 2000. 小野, 財津, 野見山, 安藤, ``聴覚系を模倣した単耳音源定位システム,'' 信学技報, vol.EA2000-42, pp.25-32, 仙台, Aug. 2000. N. Ono and S. Ando, ``Sound Source Localization Sensor with Mimicking Barn Owls,'' Proc. Transducers'01, vol.2, pp.1654-1657, Munich, Jun. 2001. N. Ono, T. Hirata, and S. Ando, ``A Study on Sound Source Localization Sensor with Mimicking Ormia Ochracea's Ears,'' Tech. Digest 18th Sensor Symp., pp.351-354, Kawasaki, May 2001. N. Ono, Y. Zaitsu, T. Nomiyama, A. Kimachi and S. Ando, ``Biomimicry Sound Source Localization with Fishbone,'' Trans. IEEJ(E), vol.121-E, no.6, pp.313-319, Jun. 2001. M. Kurihara, N. Ono, and S. Ando, ``Theory and experiment of dual sound source localization with five proximate microphones,'' Proc, SICE Annual Conference, pp.353-354, Osaka, 2002. N. Ono, A. Saito, and S. Ando, ``Bio-mimicry sound source localization with gimbal diaphragm,'' Proc. 19th Sensor Symp., pp.441-446, Kyoto, May 2002. 栗原, 小野,安藤, ``近接5点マイクロフォンを用いた2音源同時定位センサの理論と検証,'' 電気学会全国大会講演論文集, vol.3, pp.217-218, 2002. N. Ono, A. Saito, and S. Ando, ``Bio-mimicry Sound Source Localization with Gimbal Diaphragm,'' Trans. IEEJ, vol.123-E, no.3, pp.92-97, 2003. N. Ono, A. Saito, and S. Ando, ``Design and Experiments of Bio-mimicry Sound Source Localization Sensor with Gimbal-Supported Circular Diaphragm,'' Proc. 12th Int. Conf. Solid State Sensors and Actuators (Transducers'03), pp.939-942, Boston, 2003. 小野 順貴, 牧野 泰才, 安藤 繁, 佐野 文彦, 鳥羽 茂, ``骨伝導を模倣した食感評価のための音響センサシステム(第一報),'' 日本食品科学工学会第49回大会講演集, pp.179, 2002. 佐野 文彦, 鳥羽 茂, 小野 順貴, 牧野 泰才, 安藤 繁, ``骨伝導を模倣した食感評価のための音響センサシステム(第二報),'' 日本食品科学工学会第49回大会講演集, pp.179, 2002. 小野 順貴, 斎藤 章人, 安藤 繁, ``ヤドリバエを模倣した微分検出型音源定位センサの理論と実験,'' 聴覚研究会資料, pp.187-192, 2002. 齋藤, 小野, 安藤, ``音源位置情報を利用した音源分離の理論と実験,'' 電気学会全国大会講演論文集, pp.196-197, 2004. 小野, 藤田, 千條, 安藤, ``時空間勾配法に基づく実時間3次元音源定位センサ,'' 日本音響学会秋季研究発表会, vol.I,pp.607-608, 2004. 千條, 藤田, 小野, 安藤, ``音源位置情報に基づく最適音源分離システム,'' 日本音響学会秋季研究発表会, vol.I,pp.627-628, 2004. 菊間信良, "アレーアンテナによる適応信号処理", 科学技術出版, 1999. A. Hyv¨arinen, J. Karhunen, and E. Oja, Independent Component Analysis, John Wiley & Sons, Inc., 2001. S. Ando, IEEE Trans. Pattern Anal. Machine Intell.,vol.22, no.3, pp.252-265, 2000.
本願発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本願発明で解決しようとする課題は、
(1)音源定位の高精度化
(2)高時間分解能化
(3)広帯域化
(4)演算の高速化
等である。
すなわち、本願発明は、偏微分方程式に基づく新たな理論的定式化を導入し、その時間空間重積分から導かれる代数方程式によって、厳密且つ高速な音源定位をより広い周波数帯域にわたって可能としている。
これによって、近接マイクロフォンアレイによる音源定位の計算量を大幅に減少させ、且つ定位精度を大幅に向上させることができる。また、後述するヤドリバエ模倣型マイクロフォンに関しより高精度で広帯域な設計と、高い音源定位能力と計算量の少ないアルゴリズムを開発した。
このような課題を解決するために、本願発明者は、以下のような種類の技術を開発した。
(a)音源拘束偏微分方程式の時間荷重積分による単一並びに複数の音源定位方法。
(b)音源拘束偏微分方程式の空間荷重積分による単一並びに複数の音源定位方法。
(c)音源拘束偏微分方程式の時間空間積分による単一並びに複数の音源定位方法。
(d)上記(a)を近接マイクロフォンアレイへの適用方法及びその計算アルゴリズム。
(e)上記(b)・(c)のジンバル支持構造のヤドリバエ模倣型MEMS音源定位マイクロフォンへの適用方法・設計方法・計算アルゴリズム。
具体的には、本件発明の内容は、以下の通りである。
(1)本発明は、上記課題を解決するために、音源から発せられた音波の音圧を測定するステップと、音源拘束式を時間積分して得られた時間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築ステップと、前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法ステップと、を含むことを特徴とする音源定位方法である。
(2)本発明は、上記課題を解決するために、音源から発せられた音波の音圧を測定する手段と、音源拘束式を時間積分して得られた時間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築手段と、前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法手段と、を含むことを特徴とする音源定位装置である。
(3)本発明は、上記課題を解決するために、音源から発せられた音波の音圧を測定するステップと、音源拘束式を空間積分して得られた空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築ステップと、前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法ステップと、を含むことを特徴とする音源定位方法である。
(4)本発明は、上記課題を解決するために、音源から発せられた音波の音圧を測定する手段と、音源拘束式を空間積分して得られた空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築手段と、前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法手段と、を含むことを特徴とする音源定位装置である。
(5)本発明は、上記課題を解決するために、音源から発せられた音波の音圧を測定するステップと、音源拘束式を時間及び空間で積分して得られた時空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築ステップと、前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法ステップと、
を含むことを特徴とする音源定位方法である。
(6)本発明は、上記課題を解決するために、音源から発せられた音波の音圧を測定する手段と、音源拘束式を時間及び空間で積分して得られた時空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築手段と、前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法手段と、を含むことを特徴とする音源定位装置である。
(7)本発明は、上記課題を解決するために、中央支持ダイアフラムと、前記中央支持ダイアフラムの上部に位置する上部電極と、前記中央支持ダイアフラムの下部に位置する下部電極と、を備えたマイクロフォンにおいて、前記上部電極は、音波の音圧を調整するための開口が複数個設けられており、前記上部電極の中央部から外周へ向かうにつれて、前記開口の密度あるいは大きさあるいは面積比が縮小していることを特徴とするマイクロフォンである。
(8)本発明は、上記課題を解決するために、中央支持ダイアフラムと、前記中央支持ダイアフラムの上部に位置する上部電極と、前記中央支持ダイアフラムの下部に位置する下部電極と、を備えたマイクロフォンにおいて、前記上部電極は、音波の音圧を調整するための開口が複数個設けられており、前記上部電極の周囲の縁の近傍において前記開口の密度が減少していることを特徴とするマイクロフォンである。
(9)本発明は、上記課題を解決するために、中央支持ダイアフラムと、前記中央支持ダイアフラムの上部に位置する上部電極と、前記中央支持ダイアフラムの下部に位置する下部電極と、を備えたマイクロフォンにおいて、前記上部電極は、音波の音圧を調整するための開口が複数個設けられており、前記上部電極の周囲の縁の近傍において前記開口の大きさが減少していること特徴とするマイクロフォンである。
以上述べたように、本発明によれば、自動車の車内等の騒音と妨害音が避けられず、又妨害音が時々刻々変化する環境で音源定位を行うことができる。その結果、自動車内でのドライバの音声を有効に分離し、車両からの通信において通信の明瞭度を向上させることができる。また、車両内におけるドライバの高い音声認識を実現することができる。
また、工場やオフィスや家庭の室内などの複雑に変化する環境で動作するシステムに自律的な音源定位を行わせ、周囲の雑音と話しかける人とを区別し、音源と雑音の効率的な分離に音源配置情報を適用することによって、的確なコミュニケーションを可能にする。
第1 音源定位の概要
まず、音源拘束偏微分方程式に基づく音源定位の概要を述べる。
1.0 時空間勾配解析の目的
本願発明者らは、音源定位の有効な方法の一つとして、音圧の時空間勾配の解析に関し研究を進めている。その研究の主たる目的は、以下の通りである。
(1)局所的な観測から音源の空間配置に関してどのような情報が得られるかを探求し、音源定位に寄与させる。
(2)小さなセンサで音源の空間配置に関する情報を効率よく取得するための手法を開発する。
1.1音源拘束式
まず音源拘束式の説明を行う。観測点の位置ベクトルを

と置く。また、唯一の音源の位置ベクトルを

と置く。また、音源の音圧(正確には点音源から単位半径の表面上における音圧)を、

と置く。また、音速をcで表すと、波動方程式の球対称一般解により、観測点における音圧は、

と表される(式(1))。ただし、

である(式(2))。観測点から音源に向かう単位ベクトルを

とすると、

が成立する(式(3)、式(4))ことに注意すれば、観測点における音圧の空間勾配は、

と表される(式(5))。また、時間勾配は、

と表される(式(6))。したがって、上記式(1)(6)を上記式(5)に代入することにより、音源波形

が消去され、観測点の音圧とその勾配のみを含む方程式

が得られる(式(7))。ただし、ここで

は観測点から音源までの距離を表す。また、

は音源の方位ベクトルである。上記(7)式を、音源位置を含む波動場の方程式という意味で音源拘束式(Sound Source Constraint)と呼ぶことにする。この音源拘束式は、

と置けば、

のように成分ごとの連立方程式として表すこともできる(式(9)、式(10)、式(11))。
1.1.1 音源拘束式の一般解
この節では、上記音源拘束式を満たす解は

で決まる唯一の音源から放出された球面波以外にはあり得ないことを証明する。一般性を失わずに音源拘束式の仮定する音源を原点に選ぶ。このとき音源拘束式は

であり、

の関係を有する。この式中において、第1式の左辺の空間微分は極座標で表現すると、

であり、第2式の空間微分は、

の二つの基底ベクトルに関して、まずθ→θ+dθの変化方向を

にとって、

である。次にφ→φ+dφの際の変化方向を残りの

にとった空間微分は、

と書かれる。このことから、

が音源に向かう向きに取られていることに注意すると、音源拘束式は

と書かれる。よって

は空間方向には動径のみの関数であり、

すなわち

を満たす。ここで、

の関係を用いると、上式(数29)は

と書き直され、さらに、変数変換ξ=r−ct、η=r+ct、及び

を導入すると、

であり、上式(数31)に代入すると

となる。よって、

である。よって

を任意の微分可能関数として

となる。よって

を得る。この式(数38)は音源拘束式の一般解が原点を波源とする任意時間波形の球面波となることを示している。
1.2音源恒等式
これまで述べた音源拘束式(Sound Source Constraint, SSC)は、位置

、時刻tにおける音圧

に関して、それが

から方位

で距離Rの音源に起因する場合に

と表される(式(12))。これは単一音源から発せられた瞬時波形が満たす関係で、音圧とその時間空間勾配から音源位置を決定するための3次元の拘束条件を与える。しかし、現実の



の観測には有限な観測区間幅が必要であり、同時に微分の差分近似による誤差が理論には見えない形で発生することになる。
そこで、本実施の形態では、本来、観測に有限な区間幅を用いるのは必然との立場に立ち、有限区間に適した観測手段に対して厳密に(近似誤差を含まずに)成立する関係式を構築することにした。以下、そのような関係式について詳細に説明する。
1.2.1 時間積分型音源恒等式
まず、最初に、音源拘束式が、ある有限時間区間で成り立っている状況を仮定する。すなわち、音源の空間位置のこの時間内での変化は無視できる。位置が固定した音源のON/OFFは音源波形の変化に含まれるため許容されるものとする。
このような仮定のもとでは、音源拘束式の時間微分

も成り立つことに注意する(式13)。
a)時間積分型音源恒等式の導出
今、音源拘束式が区間

で一様に成り立っている(この時間内での音源の空間配置の変化が無視できる)と仮定し、

近傍でのこの区間の時間tに関する積分と複素正弦波荷重積分

を観測値にとる。音源拘束式をこの区間で積分すると、

が得られる。同じく複素正弦波

を乗じて積分すると

を得る。

ここで、

と選ぶことにより

のように、両式(数50、数52)の積分境界値項は符号を除いて同一となる。よって、これら2式を連立してこれ(積分境界値項)を消去すると

が得られる。よって、

を得る(式14)。これを積分形式音源拘束式(integral sound source constraint, iSSC),あるいは音源恒等式(sound source identity, SSI)と称する。SSIはSSC同様に、仮定された条件のもとで近似なしに成立する関係式である。
この式の特徴は、以下の2点である。
・複素の関係式である点と、
・フーリエ変換の体裁を持ちながら、その場合に有限幅解析に起因する誤差を低減するために必須の窓関数が不要である点、言い換えるとそのような窓関数機能が厳密な形で包含されている点。
b)時間積分型音源恒等式の荷重分布
図1には、音源恒等式における積分区間時間波形に対する荷重分布のグラフが示されている。この図において、Aは

への実部のグラフであり、Bは、

への虚部のグラフであり、Cは、

への実部のグラフである。
まず、図1(a)に示すように、n=1では、方程式実部の左辺の荷重はHanning型の平滑化、右辺と虚部の左辺はsin関数による微分、虚部の右辺はcos関数による2階微分のように見られる。
すなわち、音源恒等式の実部は区間幅相当の低周波フィルタを受けた信号の音源拘束式を、虚部はその微分信号に関する音源拘束式を表していると解釈でき、それらの組み合わせが厳密な音源恒等式を与えると考えられる。
図1(b)に示すように、この関係は微分の解釈を離れて一般のnに対して成立する。
高い周波数での荷重分布は、n=1の荷重分布が1/nに縮小されて繰り返しているように見える。繰り返される各区間ごとに音源定位を行った場合と全体を用いた場合との関係を含めて以下説明する。
c)短時間最小二乗法との対応
時間積分型音源恒等式を

を満たす全ての周波数で連立した解は、

の解に等価である。Parsevalの定理を適用すると、

であるから、よって、上述した時間積分型音源恒等式を連立させた方程式の解は、結局、

の解に等価である。すなわち時間積分型音源恒等式を

の全ての離散周波数で成立させることは、観測区間で音源拘束式を一様に成立させる短時間最小二乗法と等価である。
d)多音源の場合
音源恒等式の未知数は1音源あたり

の3個である。これに対して、方程式は複素の3次元の実部と虚部で合わせて6個である。よって、1音源は直流と1周波数のみの観測で定位できる。区間

でFFTを行えば、未知数の個数はそのままで、方程式の数は得られる周波数成分の個数倍される。したがって、これを利用すれば同時に定位できる音源数は増大可能である。しかし、2音源では和の音のみが観測されるために、和の観測音を二つの音源に按分する際の比(時間の関数)が新たな未知数となる。この結果、新たに加わった音源の

が未知数に加わる。一般に、音源ごとに生じる未知数は

の3+9個である。しかし、上式(数68)の前者は周波数によらず、一方、上式(数68)の後者は周波数ごとに変化する。したがって、音源数をN、周波数の個数をMとすると、全体の未知数は3N+9NM個と表される。これに対して方程式は、観測量に関する

の9個と、各音源ごとの音源恒等式

の6N個が各周波数ごとに得られるため、解を求めるための条件は、

と表される。すなわち

でN→3となり、同時定位可能な音源数は3を超えないことが分かる。Nが2を超える条件はM>=2である。

さて、2次元観測の場合に同様な考察を行うと、

という条件が得られる。すなわち

でN→7/3となり、定位可能な最大の音源数はやはり2個に留まることが分かる。Nが2を超える条件はM>=6である。なお、M=1でN<7/6であるので、周波数1個で定位可能である。
積分境界値の項を生じないように窓関数を用いる場合は、未知数と方程式が1個づつ減って、3次元観測の場合

となり、最大の音源数はM>=2で2個、M>=5で3個となる。2次元観測の場合は、

であり、最大の音源数はM>=3の場合に2個となる。
図2には、これまで述べた結果がグラフに示されている。すなわち、周波数の連立数と同時定位可能な音源数との関係を表すグラフが示されている。
音源のスペクトルが周波数領域で互いに重ならない場合には、重なりがない周波数の組で別個の推定を行うことにより、定位可能な音源数はそのような周波数の組の個数倍だけ増加する。
以上述べたように、本実施の形態の時間積分型音源恒等式は、フーリエ変換の体裁を持ちながら、その場合に有限幅解析に起因する誤差を低減するために必須の窓関数が不要である。換言すれば、窓関数が厳密な形で包含されていると言えよう。その結果、誤差を含まずにFFTを実行することができ、より正確に音源定位を行うことが可能である。
1.2.2 空間積分型音源恒等式
次に、空間積分を用いた例を示す。また、以下では、観測する空間領域で音源からの距離の変化が無視できると仮定する。
音源拘束式は下記式(15)

のように、観測領域の中心と音源との距離を表す定数

を含んで表現される。一般性を失わずに観測領域の中心を原点に取ると、

であるので、近似誤差を右辺に移した音源拘束式は

のように表される。すなわち、観測位置

が音源方位

と直交する場合は誤差は非常に小さく、平行に近いほど大きくなるが、その大きさは

に比例して減少する。
a)音源恒等式の空間荷重積分
さて、まず、観測領域はx,y平面上にあるものとする。また、

上の音圧分布に乗じられる荷重関数を、*を荷重関数系列の順番を区別する記号として用いて

と表す。その空間微分を

とする。音源拘束式を観測領域Γで上で述べた荷重(数85)を乗じて積分すると

を得る(式(16)。ただし、

である。さて、

は積分境界値の荷重積分(以下、積分境界値項と呼ぶ)であり、通常の観測では得られない量である。従って、
1) この項が零となるような荷重関数を選ぶ
2) 異なる荷重関数の組み合わせで消去する
などの方法によってこの項を除去する必要がある。この項が除去されると、z微分を含む第3行の方程式を用いない場合、実数の荷重関数に対して得られる方程式は2本、複素数の荷重関数に対して得られる方程式は4本であり、後者では1個の荷重関数のみで3個の未知数を決定することができる。
なお、複素数の荷重関数を実現する方法には、
1) 十分に密なマイクロフォンアレイの出力に数値的に実部と虚部の荷重を乗じて積分する
2) 面的に広がった受圧領域から位相遅れや遅延を含む音響経路あるいは振動経路を経由して音圧を合計する
などの方法がある。
後者では、荷重分布は一般には周波数に依存する形となる。実数の荷重関数を物理的に実現する方法の一つには、後述するヤドリバエの合計圧・モーメント検出型センサがある。
b)円形観測領域における空間積分型音源拘束式
観測領域内での距離の変化が無視できる場合、音源拘束式をx,y平面上の円形領域Cで積分すると

荷重xを乗じて積分すると

同じく荷重yを乗じて積分すると

を得る。ただし、

である。ここで、円の半径をρ、円上の点の座標を(x,y)=ρ(cosθ,sinθ)とすると、dx=−ρsinθdθ,dy=cosθdθゆえ、上記の円周上の積分は

であり、積分境界値に関する項は0階,1階,2階の固視微動微分のみから構成されることが分かる。具体的に、これらの方程式をまとめると、

となる。
b−2) Gauss(ガウス)窓付きモーメント型荷重関数を用いる場合
円形振動板の周辺で音圧の寄与が減衰して積分境界値項を無視できるように、適切な窓関数を乗じて観測する例について以下説明する。
このような窓関数w(x,y)として、aを定数として

を満たすなめらかな円対称関数を考える。すなわち、0次モーメントを求める際の窓関数と1次モーメントを求める際の窓関数が同一となるように荷重関数を選ぶ。これは物理的手段で両荷重積分を実現するヤドリバエ型のセンサを利用する場合に必要となる条件である。
この条件を近似的に満たすものとして、円周上で

のGauss関数

がある(a=2λ,λ<0)。このとき音源拘束式の積分は

となる。また、荷重xを乗じた積分は

となる。また、荷重yを乗じた積分は

となる。ここで、近似は、円周上での積分境界値項が無視されていることにある。この方程式の個数は、合計圧に関する2個と、各モーメントに関する2+2=4個と、の合計6個である。これに対して、未知数は

の3個に、2次モーメント

を加えた合計6個であるので、原理的には解くことが可能である。具体的に、これらの方程式をまとめて記述すると、

となる。

を変数に加えると、

と記述することができる。これを簡単に解くために、第1、2行と第4、5行の差を連立し、2次モーメントを含まない方程式

を得る。これを

の拘束条件の下で解けばよい。これは、音源の方位と距離が瞬時的な観測で求められることを意味する。
図3には、λ=−2の場合の無限遠音源に対するGauss(ガウス)型荷重分布の明暗表示の概念図が示されている。
この図3において、左上から、中上、右上へ

の順で明暗表示が示されている。また、左中段から、中の中段、右中段へ

の順で明暗表示が示されている。また、左下から中下、右下へ、

の順番で明暗表示がなされている。実際は左辺の時間微分が乗じられて右辺と等置される。また、図3の表示は積分境界値無視の近似を含むものである。
1.2.3 時空間積分型音源恒等式
次に、時間及び空間についての積分を利用して音源恒等式を構成する例を示す。
なお、以下の説明では、空間積分型の場合と同様に、観測する空間領域で音源からの距離の変化が無視できると仮定する。また、時間積分型の場合と同様に、観測時間内で音源の空間配置には変化がないものとする。
音源拘束式は、

であり(式(17))、仮定によって

は観測領域内で定数としてよい。
a)音源恒等式の時空間荷重積分
まず、観測領域はx,y平面上にあるものとし、

上の音圧分布に乗じられる荷重関数を、*を荷重関数系列の順番を区別する記号として用いて、

空間荷重項

の空間微分を

とする。音源拘束式を時空間観測領域

でこの荷重を乗じて積分すると、


を得る(数119、数120)。

及び

は積分境界値の荷重積分であり、観測では得られない。従って、
1) この項が零となるような荷重関数を選ぶ。
2) 異なる荷重関数の組み合わせで消去する。
などの方法によってこの項を除去する必要がある。
具体的には、

に関してはω=2nπと選ぶことにより変調周波数ωへの依存性が除かれ

と書くことができる。積分境界における荷重が零となる荷重系列

を選び、

と置くと、上記の方程式は

となる。z微分を含む方程式を用いない場合、空間荷重関数

を実数に選んでもω≠0に対して得られる方程式は4本あり、未知数

を決定するのに十分である(ここで、

は実数)。すなわち、空間荷重関数としては1個のみ(観測の際はその微分を含む3種類を要する)で周波数ごとに独立な距離と方位の音源定位が可能である。
第2 実施例
この実施例1では、上で述べた時間積分による音源恒等式を用いて音源定位を行った実際の例を説明する。
1 はじめに
計算機とマイクロフォンを用いて音源の空間的な定位や分離を行うには、必ず有限時間の観測データを利用しなければならない。これまで提案されている音源定位・分離手法の多くは、この有限時間観測を理論的に仮定しておらず、定位精度の低下を招く一因となっている。例えば、MUSIC法(非特許文献38)の様なセンサアレイから得られる観測信号の相関行列を固有値分解する方法や、独立成分分析(非特許文献41)といった信号の統計的な性質を利用する手法では、観測時間幅そのものが性能に大きな影響を及ぼす。
ところで、本願発明者らはこれまで時空間勾配法(非特許文献9、非特許文献36)は、偏微分方程式に基づく代数的な音源位置と観測信号の関係から高速且つ高時間分解能を実現可能であるが、有限な時間窓を用いて有限時間観測に起因する誤差を低減する必要が生じる。
以上の状況に鑑み、本願発明者らは、上述した時空間勾配法を基本とした、有限時間の観測を理論的に包含する定位手法の理論を上で述べた。
この定位手法は、厳密な形で高速フーリエ変換(FFT)が利用可能であり、有限時間観測に由来する誤差の影響を受けず、高い周波数分解能が実現可能となる。以下、上記理論のポイントを振り返ると共に実験の結果を紹介する。
2 理論
2.1 音源拘束式
本願発明者がこれまで提案してきた時空間勾配法(非特許文献9、非特許文献36)は、既に述べた音源拘束式と呼ばれる偏微分方程式に基礎を置くものである。これは、点音源からの球面波伝播を仮定することにより、ある観測点

における音圧

の空間微分、時間微分と、音源位置

(それぞれ音源と観測点の間の距離、観測点から音源に向かう単位ベクトル)の間に成立する以下のような拘束関係である。下記式(21)は、上記式(7)と同様の式である。

本願発明者らは、これまで、この音源拘束式に基づくいくつかの音源定位アルゴリズムを提案しており(非特許文献9)、空間微分、時間微分を差分で近似することで、6個のマイクロフォンからなるアレイにより等距離の2音源までの同時定位が可能であることを示した(非特許文献36)。
2.2 有限時間観測の導入
はじめに述べた問題を解決するため、上記式(21)(音源拘束式)をある時間区間

で積分する。上で述べたようにこの時間区間内では音源位置は変化しないと仮定し、観測値として

の様な時間積分(式(22))と複素正弦波荷重

をかけた積分(式(23))をとる。さて、音源拘束式(上記式(21)、式(7))の積分はそれぞれ部分積分を用いることで時間微分項が消え、

と書ける。ここで、ωT=2nπと選ぶと、部分積分により生じた積分境界値項は

となることから、式(24)、式(25)を連立してこれを消去し、

を得る。これを音源恒等式と呼ぶ。この音源恒等式の特徴は、有限時間の観測の際に必須な窓関数が厳密な形で内包されていることである。さらに、ωT=2nπの条件から、元信号のFFT(直流成分を含む)そのものにより全ての観測値が得られ、高い周波数分解能が実現できる。
2.3 定位アルゴリズム
本実施例では、従来手法との差異を明確にするために、最小自乗法による単一音源定位を行う。最小化するべき評価関数は

ただし、

とおいた。式(28)(数141)を最小にする

は、

で与えられる。これを解くには、初期値として音源距離が無限遠1/R=0とおいて式(29)(数144)より単位ベクトル

を推定し、その

を用いて式(30)(数144)から距離を推定するという反復が必要となるが、実験的には数回の反復で収束することが確認できた。
3 実験
FFTにより得られる各離散周波数ごとに、提案手法による単一音源定位を行った。実環境においては、空間微分は図4に示すように6点マイクロフォンアレイを用いた差分で近似しているので、同様な条件でシミュレーションをい、従来の手法との比較を行った。
なお、図4には、シミュレーションにおける音源・マイクロフォンの配置と座標系の説明図が示されている。この図に示すように、本実施例では、正八面体の各頂点にマイクロフォンを配置したアレイを用いると仮定し、対向するマイクロフォンで観測された信号間の差分近似によってx、y、z方向の空間微分を推定し、音源方向の単位ベクトル

、及び距離Rを推定する。対向マイクロフォン間隔は50mmとした。
さて、適当な音源位置に存在する点音源により生ずる、各マイクロフォン位置における音圧を計算機内で擬似的に生成し、ある適当な時間幅の信号を切り出してFFTの処理を実行することで観測値とした。この観測値から、時間積分によって得られた音源恒等式(式(27))を用いて、音源の位置を特定する。
一方、従来法との比較をするために、従来法の結果として、音源拘束式(式(21))をフーリエ変換した式に同じく観測値をフィッティングさせた場合の結果を用い、上記音源恒等式(式(27))を用いた場合と比較した。
まず、図5〜図25には、従来手法による定位結果が示されている。そして、図26〜図46には本実施例に係る手法による定位結果が示されている。
図5〜図25は、従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果であり、サンプリング周波数44.1kHz で、1秒間のホワイトノイズ信号を生成した。観測時間幅は10.7msec、観測開始時間は11.6msecである。
各図の左側に、観測点から音源方向に向かう単位ベクトルnx、nyが示されている。
単位ベクトルの「×」印が真の音源方向を、「+」印が推定結果を示している。
また、各図の右側に音源と観測点の距離[m]を描画している。横棒「−」が音源との距離の推定結果を表し、「×」印が真の音源距離を表す。
図5〜図25は、それぞれ離散周波数が異なるが、上記凡例は全て同様の意味である。
図5は258Hzである。以下、同様に、図6は344Hzであり、 図7は430Hzであり、図8は516Hzであり、図9は602Hzであり、図10は689Hzであり、図11は775Hzであり、図12は861Hzであり、図13は947Hzであり、図14は1033Hzであり、図15は1119Hzであり、図16は1205Hzであり、図17は1291Hzであり、図18は1378Hzであり、図19は1464Hzであり、図20は1550Hzであり、図21は1636Hzであり、図22は1722Hzであり、図23は1808Hzであり、図24は1894Hzであり、図25は1981Hzである。
図26〜46は、本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果であり、その表記は、上記図5〜図25と同様である。また、同様に図26〜図46も、それぞれ離散周波数が異なる。
まず、図26は258Hzである。以下同様に、図27は344Hzであり、図28は430Hzであり、図29は516Hzであり、図30は602Hzであり、図31は689Hzであり、図32は775Hzであり、図33は861Hzであり、図34は947Hzであり、図35は1033Hzであり、図36は1119Hzであり、図37は1205Hzであり、図38は1291Hzであり、図39は1378Hzであり、図40は1464Hzであり、図41は1550Hzであり、図42は1636Hzであり、図43は1722Hzであり、図44は1808Hzであり、図45は1894Hzであり、図46は1981Hzである。
これらの図から、本実施例の手法は従来手法に比べてより真の音源位置に定位結果が集中していることが理解できよう。特に距離の推定結果の改善が著しいことから真の音源との距離と推定された距離の間の自乗誤差をプロットしたものを図47、図48に示す。
図47、図48は、距離の推定値の自乗誤差の比較である。本実施例による推定結果の距離Rの自乗誤差が図47に、同じく従来手法による誤差をプロットしたものが図48に示されている。本実施例の距離の推定値が改善されていることがわかる。
このように、従来手法に比較して、定位結果がより真の音源位置に集中していることが確認できる。しかし、差分による空間微分の近似と、FFTによる積分の近似の誤差が存在するため、若干のずれが生じている。前者は無矛盾微分演算子(非特許文献40)により低減が可能と考えられる。また、後者はサンプリング周波数をあげることで低減可能である。
音源定位装置のハードウェア構成の一例を説明する。
本発明の手法を用いた音源定位装置100の構成ブロック図が図49に示されている。この図に示すように、マイクロフォン102で測定した音源104の音圧が方程式構築手段106に供給される。方程式構築手段106は、上述した積分によって得られた音源恒等式を用いて連立方程式を構築する。構築した連立方程式は、FFTを正確に用いて方程式解法手段108が解き、音源104の方位、距離を求める。
方程式構築手段104は、これまで述べたように、音源恒等式に測定した音圧を適用し、方程式群を構築する。この方程式構築手段106はコンピュータとそのコンピュータが実行するプログラムとから構成することが一般的には好ましい。方程式解法手段108もコンピュータとそのコンピュータが実行するプログラムとから構成することが一般的には好ましい。
マイクロフォン
空間積分による音源恒等式を利用する場合は、ガウス分布型の荷重分布を有するマイクロフォン102を用いることが好ましい。
このマイクロフォン102は、上述した「ヤドリバエの合計圧・モーメント検出型センサ」の好適な一例に相当する。
このようなマイクロフォン102の上面に位置する上部電極層302及び上部電極支持構造体402の平面図が図50に示されている。このマイクロフォン102はコンデンサ型のマイクロフォンであり、中央支持型のダイアフラム300と、その上部電極層302と、下部電極層304とを備えている。
この図に示すように、まず、上部電極層302及び上部電極支持構造体402には複数の音響開口が設けられており、この音響開口によってガウス荷重分布を実現している。
図50におけるA−B線に沿った断面図が図51に示されている。この図に示すように、ダイアフラム300を挟むように、上部電極層302と、下部電極層304とが設けられている。ダイアフラム300は中央部分がジンバルサポートされているが、図では省略され描かれていない。上部電極層302は、上部電極支持構造体402によって支持されている。下部電極層304も、所定の支持体によって支持されている。
このマイクロフォン102の特徴は、以下の通りである。
まず、上部電極層302とその上部電極支持構造体402とが、ダイヤフラム200の中心付近まで覆っていることである。この上部電極層302はダイヤフラム300の周辺部分を覆う場合が多いが、本実施例2においては、比較的中心部分までダイヤフラム300を覆っている。
また、上部電極層302は上部電極支持構造体402の下部に層状に設けられている。この上部電極層302は複数の(例えば4個)の電極に分割されている場合もあるが、これらは互いに電気的に分離されている。また、上部電極支持構造体402とも電気的に分離されている。
上部電極層302及び上部電極支持構造体402とを貫通して、音響開口を十分に密な配列で設置している。この音響開口の形状は円形あるいは正方形等の製造プロセスで作成しやすい形状が好ましい。なお、本願発明者らはこのマイクロフォン102をMEMSの製造プロセスの手法で作成した。
上部電極支持構造体402は、絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜)で構成することが好ましい。また、上部電極層302は、シリコン(不純物拡散させた導電性シリコン)で攻勢することが好ましい。これらの2層構造が製造プロセス上好ましい構成である。これらの2層構造を作成した後、音響開口の穴をメッシュ状に設ける。
なお、上部電極層302は金属膜でも好ましい。金属膜を用いる場合は、金属膜をパターニングした後に穴加工して音響開口を設けることも好ましい。
さらに、本実施例2においては、音響開口の開口率(開口部の面積の開口部と非開口部の和の面積に対する比)を、中心部から周辺部にわたって動径のガウス関数状に変化させている。これによって、ガウス関数的に変化する荷重分布を実現している。
具体的に言えば、非開口部における入射音波の反射と、開口率に比例した透過音圧の減少ならびに開口部における音響抵抗により、ダイヤフラム300に与える音圧の分布をダイヤフラム300の周辺でガウス関数状に減少させることができる。
この結果、ダイヤフラム300に加わる合計音圧は到来する音圧にガウス荷重を乗じた合計となり、ダイヤフラム300に加わる2方向のモーメントは音圧にガウス荷重を乗したモーメントとなり、それらの組はこれまで述べた理論式に対応する観測量を与える。
なお、下部電極層304、およびそれを支持する支持構造体にも、下部音響開口が設けられている(図51参照)。
変形例1
上では、ガウス型荷重分布を実現可能なマイクロフォン102を説明したが、積分境界値を無視できるように、マイクロフォン102のダイアフラム300の外周の縁の近傍部分で、単純に開口の密度を減少させる構成、も好ましい。縁(の近傍)部分で滑らかに音圧が減少するように、開口の大きさを小さくしていけば、実際上は、上述したガウス分布の荷重分布を厳密に利用した場合と「音源定位」能力の点でそれほど劣化しなかった。これはいわばガウス分布に近似した荷重分布を採用したと考えることができよう。やや性能は劣化するが、用途によっては、このように縁の近傍部分で単純に滑らかに開口の密度が減少するように構成しても性能的に十分な場合があろう。
また、ダイヤフラム300外周の縁の近傍部分で開口の大きさが小さくなるのではなく、ダイヤフラム外周の縁の近傍部分で開口の密度あるいは面積比が減少するように構成することも好ましい。すなわち、開口の密度あるいは大きさあるいは面積比が徐々に減少していくように構成することが好ましい。
なお、上述した例では、音響開口を上部電極層302に設けたが、音響開口を設けたカバーを、上部電極層302とは別体に取り付けることも好ましい。
変形例2
これまで述べた例では、空間積分型の音源恒等式を用いる場合、中央を支持したダイアフラムを用いたいわゆる「ヤドリバエ型」のマイクロフォンを用いたが、一般的な音圧を検出するマイクロフォンをアレイ状に配置したいわゆるマイクロフォンアレイを用いることも好ましい。
このようなマイクロフォンアレイを用いる場合の説明図が図52に示されている。
この図に示すように、まず、各マイクロフォンの出力電圧をアレイ状に取り出す。次に、荷重付き加算減算回路によってそれらの電圧の合成電圧を形成する。この際、荷重を各マイクロフォンの位置に相当する荷重関数値に(例えばガウス関数やその微分)に選ぶ。
このような構成によって、それぞれの荷重に関する合成電圧は到来する音圧に荷重関数を乗じた空間積分値の近似となり、それらの組はこれまで述べた数式(理論式)に対応する観測量を与える。
ここで、荷重付き加算減算回路は、アナログ回路で実現しても良いが、マイクロフォン出力電圧をA/D変換によってデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号を計算機への取り込み、計算機上のソフトウエアによって荷重付きの加算減算を行うことも好適である。
終言
本発明は、自動車におけるユーザーインターフェースの向上に寄与する。本発明の音源定位を利用した技術が実現されれば、多大な需要が見込まれる。音源定位マイクロフォンは、自動車の車内用の用途ばかりでなく、音声インターフェースを必要とするあらゆる場面、ロボットの環境認識手段やロボットとユーザーのインターフェースのために多くの需要が期待できる。
音源恒等式における積分区間時間波形に対する荷重分布のグラフである。 周波数の連立数と同時定位可能な音源数との関係を表すグラフである。 λ=−2の場合の無限遠音源に対するGauss型荷重分布の明暗表示の概念図である。 シミュレーションにおける音源・マイクロフォンの配置と座標系の説明図である。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示すグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 従来手法を用いたホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示すグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例に係るホワイトノイズ信号の定位結果を示す他のグラフである。 本実施例による推定結果の距離Rの自乗誤差をプロットしたグラフである。 従来手法による推定結果の距離Rの自乗誤差をプロットしたグラフである。 本実施の形態に係る音源定位装置の構成ブロック図である。 ガウス分布の荷重分布を有するマイクロフォンの上部電極支持構造体の平面図である。 図50のA−B線に沿った断面図である。 マイクロフォンアレイを用いた場合の説明図である。
符号の説明
100 音源定位装置
102 マイクロフォン
104 音源
106 方程式構築手段
108 方程式解法手段
200 音源定位装置
202 方程式構築手段
204 音源
206 方程式解法手段
300 ダイヤフラム
302 上部電極層
304 下部電極層
402 上部電極支持構造体

Claims (9)

  1. 音源から発せられた音波の音圧を測定するステップと、
    音源拘束式を時間積分して得られた時間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築ステップと、
    前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法ステップと、
    を含むことを特徴とする音源定位方法。
  2. 音源から発せられた音波の音圧を測定する手段と、
    音源拘束式を時間積分して得られた時間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築手段と、
    前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法手段と、
    を含むことを特徴とする音源定位装置。
  3. 音源から発せられた音波の音圧を測定するステップと、
    音源拘束式を空間積分して得られた空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築ステップと、
    前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法ステップと、
    を含むことを特徴とする音源定位方法。
  4. 音源から発せられた音波の音圧を測定する手段と、
    音源拘束式を空間積分して得られた空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築手段と、
    前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法手段と、
    を含むことを特徴とする音源定位装置。
  5. 音源から発せられた音波の音圧を測定するステップと、
    音源拘束式を時間及び空間で積分して得られた時空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築ステップと、
    前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法ステップと、
    を含むことを特徴とする音源定位方法。
  6. 音源から発せられた音波の音圧を測定する手段と、
    音源拘束式を時間及び空間で積分して得られた時空間積分型音源恒等式に、前記測定ステップで得られた測定値を適用し、方程式群を構築する方程式構築手段と、
    前記方程式群を解き、前記音源の方位と距離とを求める方程式解法手段と、
    を含むことを特徴とする音源定位装置。
  7. 中央支持ダイアフラムと、
    前記中央支持ダイアフラムの上部に位置する上部電極と、
    前記中央支持ダイアフラムの下部に位置する下部電極と、
    を備えたマイクロフォンにおいて、
    前記上部電極は、音波の音圧を調整するための開口が複数個設けられており、前記上部電極の中央部から外周へ向かうにつれて、前記開口の密度あるいは大きさあるいは面積比が縮小していることを特徴とするマイクロフォン。
  8. 中央支持ダイアフラムと、
    前記中央支持ダイアフラムの上部に位置する上部電極と、
    前記中央支持ダイアフラムの下部に位置する下部電極と、
    を備えたマイクロフォンにおいて、
    前記上部電極は、音波の音圧を調整するための開口が複数個設けられており、前記上部電極の周囲の縁の近傍において前記開口の密度が減少していることを特徴とするマイクロフォン。
  9. 中央支持ダイアフラムと、
    前記中央支持ダイアフラムの上部に位置する上部電極と、
    前記中央支持ダイアフラムの下部に位置する下部電極と、
    を備えたマイクロフォンにおいて、
    前記上部電極は、音波の音圧を調整するための開口が複数個設けられており、前記上部電極の周囲の縁の近傍において前記開口の大きさが減少していること特徴とするマイクロフォン。
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