JP2008064720A - 海洋状態量測定装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記憶されている最新の水温の観測値をそのまま海洋状態量の測定に適用しても良いか否かを利用者が知得できる海洋状態量測定装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、各深度の水温を、間欠的なタイミングで測定する水温測定手段と、最新に測定された各深度の水温を利用して所定の海洋状態量を得る海洋状態量測定手段とを有する海洋状態量測定装置に関する。そして、水温以外の複数種類の気象量の観測値に基づいて、水温測定手段が得た最新の水温が、現在の水温として利用できるか否かを判定する水温再測定判定装置部を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は海洋状態量測定装置及び方法に関し、例えば、探知距離推定に用いる伝搬計算に必要な海中での音速プロファイルの測定(再測定の有無判定を含む)に適用し得るものである。
海中音波の伝搬速度(音速)は、その地点の水温、深度(水圧)、塩分濃度などによって変化する(特許文献1参照)。そのため、ある音源からある受波器までの音波の伝搬を解析する際には、伝搬経路上に係る音速プロファイルを特定しておく必要がある。
図2は、従来の海中音波の伝搬計算を行う装置の構成例を示すものである(非特許文献1参照)。
図2において、CTD(Conductivity Temperature Depth Profiler)(又はXCTD(Expendable Conductivity Temperature Depth Profiler))1−1は、各深度に対する水温と塩分濃度とを測定するものである。なお、CTD1−1は一般に高価なため、CTD1−1に代え、XBT(Expendable Bathy Thermographs)1−2及び塩分濃度データベース1−3が適用されることがある。XBT1−2は、深度に対する水温を計るものであり、XBT1−2だけでは、塩分濃度の情報は得られないので、塩分濃度データベース1−3の格納値を利用する。音速変換部1−4は、水温及び塩分濃度から、音速を計算する。この音速の計算には、マッケンジーやデルグロッソの経験式を用いることができる。
海底物理定数データベース1−5は、対象とする海底での、海底面に照射された音波の反射率、散乱強度などの値を格納しているものである。海況データ部1−6は、波浪の状況をSea Stateと呼ばれる海況指数で表したデータを記憶しているものである。海底地形データ部1−7は、地点毎の水深データを記憶しているものである。
伝搬計算部1−8は、音速変換部1−4〜海底地形データ部1−7のデータを用いて、音波の伝搬状況を計算するものである。このような計算手法として、音線計算法、変形音線計算法、波動計算法などがあり、目的に応じて使い分けを実施する。伝搬計算を実施することにより得られた伝搬損失や伝搬時間が出力される。
特開2001−330668号公報 Finn Jensen. William Kuperman, Michael Porter, and Hernik Schmidt, Computational Ocean Acoustics, Springer−Verlag(2000)
ところで、音波伝搬に影響を及ぼす海表面付近は、大気や日照との強い相互作用があり、非常に変化し易い。
しかし、伝搬計算に重要なパラメータである水温の測定機器であるCTD、XCTD、XBT等は高価であり、また、作業が増えることなどから、特別な理由がない限り、朝晩の2回など頻度の低い回数でしか水温を観測していない。そのため、時間帯によっては、不正確な水温プロファイルを利用して音速プロファイルを得て伝搬計算を行うことも生じ、実際と異なる不正確な伝搬損失、伝搬時間を計算によって得ていることもしばしばあった。しかし、得ている伝搬損失、伝搬時間が正確であるか不正確であるかを従来装置では、利用者が認識することができない。
そのため、適用しようとしている記憶されている最新の水温の観測値をそのまま適用しても良いか否かを利用者が知得することができる、又は、水温の再測定を自動的に起動し得る海洋状態量測定装置及び方法が望まれている。
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、各深度の水温を、間欠的なタイミングで測定する水温測定手段と、最新に測定された各深度の水温を利用して所定の海洋状態量を得る海洋状態量測定手段とを有する海洋状態量測定装置において、水温以外の複数種類の気象量の観測値に基づいて、上記水温測定手段が得た最新の水温が、現在の水温として利用できるかを判定する水温再測定判定装置部を有することを特徴とする。
また、第2の本発明は、水温測定手段が、各深度の水温を、間欠的なタイミングで測定し、海洋状態量測定手段が最新に測定された各深度の水温を利用して所定の海洋状態量を得る海洋状態量測定方法において、水温再測定判定装置部を設け、この水温再測定判定装置部が、水温以外の複数種類の気象量の観測値に基づいて、上記水温測定手段が得た最新の水温が、現在の水温として利用できるかを判定することを特徴とする。
本発明によれば、水温以外の複数種類の気象量の観測値に基づいて、水温測定手段が得た最新の水温が、現在の水温として利用できるかを判定するようにしたので、記憶されている最新の水温の観測値をそのまま適用しても良いか否かを利用者が知得でき、又は、水温の再測定を自動的に起動することができる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による海洋状態量測定装置及び方法を、海中音波の伝搬計算装置及び方法に適用した第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第1の実施形態は、例えば、水上船舶に海中音波の伝搬計算装置が設けられていることを想定した実施形態である。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る海中音波の伝搬計算装置の全体構成を示すブロック図であり、従来装置に係る図2との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
図1において、第1の実施形態に係る海中音波の伝搬計算装置100は、伝搬計算装置本体1と水温再測定判定装置2とを有する。
伝搬計算装置本体1は、従来の構成そのものである。すなわち、伝搬計算装置本体1は、CTD(又はXCTD)1−1(若しくは、XBT1−2及び塩分濃度データベース1−3)と、音速変換部1−4と、海底物理定数データベース1−5と、海況データ部1−6と、海底地形データ部1−7と、伝搬計算部1−8とを有し、海中音波の伝搬損失や伝搬時間等を演算するものである。伝搬計算装置本体1における演算を実行する構成として、コンピュータを利用したものであっても良く、専用装置になっていても良い。
水温再測定判定装置2は、風向・風速計2−1、風速収録部2−2、短波放射計2−3、短波放射収録部2−4、長波放射計2−5、長波放射収録部2−6、気温計2−7、気温データ収録部2−8、水温データ収録部2−9、海面境界層変化判定部2−10及び水温再測定推奨情報提供部2−11を有する。
風向・風速計2−1は、各時刻の風向・風速を計測するものであり、風速収録部2−2は、計測した風速のデータ(風向のデータを含んでいても良い)を時系列として保存するものである。
短波放射計2−3は短波放射を計測するものであり、短波放射収録部2−4は短波放射のデータを時系列として保存するものである。ここで、短波とは、日照による波長をいい、短波放射計2−3は、日照のエネルギーを計測している。
長波放射計2−5は、長波放射を計測するものであり、長波放射収録部2−6は、長波放射のデータを時系列として保存するものである。ここで、長波とは、雲や海面などが温度を持つことから放射される輻射の波長をさしている。
気温計2−7は、気温を計測するものであり、気温データ収録部2−8は、気温データを時系列として保存するものである。
風向・風速計2−1、短波放射計2−3、長波放射計2−5及び気温計2−7は、同一の水上船舶に設けられており、当該水上船舶に係る周囲の各種の値が計測される。
水温データ収録部2−9は、CTD(又はXCTD)1−1(若しくは、XBT1−2)が得た水温データを時系列として保存するものである。ここで、水温データ収録部2−9が収録する水温データは、主として、海面付近の水温データである。
海面境界層変化判定部2−10は、大きくは、2つの機能を有している。第1の機能は、過去のデータから判定のための基準を生成する機能であり、第2の機能がその基準を適用して判定する機能である。
図3は、海面境界層変化判定部2−10の詳細構成を示すブロック図である。図3において、海面境界層変化判定部2−10は、上述した第1の機能を担当する海面境界層水温重回帰分析部3−1と、上述した第2の機能を担当する海面境界層水温変化判定部3−2とを有する。
海面境界層水温重回帰分析部3−1は、風向・風速、短波放射、長波放射、気温、海面付近の水温の同一時刻(又は同一時間帯)のデータを1組とした複数組の過去データを用いて水温に対する重回帰式を生成するものである。海面境界層水温変化判定部3−2は、生成した重回帰式を利用し、現在の水温が、前回に水温を計測したときと差異が出ているか否かを判定するものである。海面境界層水温変化判定部3−2は、現在の水温(予測水温)が、前回に水温を計測したときと差異が出ているという判定結果を水温再測定推奨情報提供部2−11に与えるものである。
なお、海面境界層変化判定部2−10は、コンピュータ上のソフトウェアとして実現されていても良く、専用の演算装置などとして実現されていても良い。
水温再測定推奨情報提供部2−11は、上述した判定結果が与えられたときに、当該伝搬計算装置100の利用者に、水温の再測定を促す情報を提供するものである。水温再測定推奨情報提供部2−11は、LEDなどの発光、点滅などによって情報を提供するものであっても良く、ディスプレイに対する画像又は文章の表示によって情報を提供するものであっても良。また、視覚的な情報提供に加え、又は、視覚的な情報提供に代え、聴覚その他の感覚に訴える情報提供を行うものであっても良い。さらに、情報提供は、他の装置への通信を伴うものであっても良い。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る海中音波の伝搬計算装置の動作(海中音波の伝搬計算方法)を説明する。
この第1の実施形態においても、従来と同様にして、海中音波の伝搬損失や伝搬時間などを計算する。
このような海中音波の伝搬損失や伝搬時間などの計算時に利用される水温のデータは、例えば、一日の数回測定された中での最新のものである。
しかしながら、最新に測定された海面付近の水温も、現在の海面付近の水温とかなり差がある可能性があり、海面境界層変化判定部2−10が、最新に測定された水温と現在の水温とに、有意な差があるか否かを判定する。
この第1の実施形態の場合、現在の海面付近の水温を計測するのではなく、他のパラメータの値から予測するようになされている。以下では、この予測に適用する予測式(重回帰式)の生成方法を説明する。
第1の実施形態の場合、現在の海面付近の水温を予測するパラメータとして、風速(風向・風速)、短波放射、長波放射及び気温を用いることとした。これらパラメータを適用するのは、以下の理由による。水温の変動は、海面付近が大きく、深い深度ほど変化が小さい。音波伝搬の変化は、海面付近の状況に大きく依存するため、この変化を捉えることができることか必要である。海面付近の水温の変化は、大気側との熱の授受により、大きな影響を受ける。例えば、日照か強く海面付近が温められると軽いものが上、重いものが下になるので安定した状況になる。一方、海面付近の風速が大きくなると、海面の下が混合される。そのため、上述のようなパラメータを適用することとした。
風向・風速計2−1が計測した風速(風向・風速)のデータは、風速収録部2−2に与えられ、時系列に記録される。短波放射計2−3が計測した短波放射のデータは、短波放射収録部2−4に与えられ、時系列に記録される。長波放射計2−5が計測した長波放射のデータは、長波放射収録部2−6に与えられ、時系列に記録される。気温計2−7が計測した気温のデータは、気温データ収録部2−8に与えられ、時系列に記録される。また、CTD(又はXCTD)1−1(若しくは、XBT1−2)が計測した水温のデータは、水温データ収録部2−9に与えられ、時系列に記録される。
海面境界層変化判定部2−10における海面境界層水温重回帰分析部3−1は、例えば、利用者の操作に応じ、又は、自動的に、重回帰式を生成し直す。例えば、風速、短波放射、長波放射、気温、海面付近の水温の同一時刻(又は同一時間帯)に係る1組のデータが増えたときに、海面境界層水温重回帰分析部3−1は、自動的に重回帰式を生成し直す。
ここで、求めたい重回帰式を、(1)式のような一次線形式とする。(1)式において、yは海面付近の水温、xは風速、xは短波放射、xは長波放射、xは気温である。また、a〜aは重回帰係数である。
y=a+a+a+a+a …(1)
過去の観測データy、x〜xの組を複数利用して、重回帰係数a〜aを定めておけば、水温以外の現在の観測データx〜xから、現在の水温の予測値yを得ることができる。
重回帰係数a〜aは以下のように求めることができる。まず、全I組の観測値のうちのi回目の観測データをy,x (nは1〜4)で表す。重回帰係数a〜aは、最小2乗誤差に関する(2)式の期待値Eを最小にする係数を求めることで得ることができる。なお、〈p〉は変数pの期待値を表している。
Figure 2008064720
(2)式に示す期待値Eを最小にするには、期待値Eを係数a(kは0〜4)で微分して極小値を求めれば良い。ここで、観測データy、x〜xについての期待値〈y〉や〈x〉に関して成立する(3)式を(2)式に適用した後、(2)式の期待値Eを係数aで微分すると(4)式が成立する。(4)式の極小値を求める式は、分散、共分散の表記を利用した(5)式の線形方程式で表すことができ、この(5)式を解くことにより、重回帰係数a〜aを求めることができる。なお、(5)式における分散、共分散は、(6)式又は(7)式で表されるものである。
Figure 2008064720
以上のようにして、重回帰係数a〜aを求めることにより(1)式に示す重回帰式が定まる。
重回帰係数a〜aを求めた場合には、その重回帰係数a〜aを適用した重回帰式を評価する。重回帰係数a〜aを求めるために使用した各組(i組)の観測データy、x 〜x のうち、水温以外の観測データx 〜x を得られた重回帰式に適用してそれらの観測データから予測される水温y を得、予測水温y と観測水温yとの差異(例えば、差分の2乗)が、所定範囲(例えば、水温の観測データから得られた分散値)内にあるか否かを判別する。予測水温y と観測水温yとの差異の全てが所定範囲内である場合には、得られた重回帰式が妥当であると評価する。得られた重回帰式が妥当でない場合には、例えば、予測水温y と観測水温yとの差異が所定範囲を越えた観測データy、x 〜x の組を用いずに、重回帰係数a〜aの算出処理をやり直す。
なお、重回帰係数a〜aの算出に用いられる過去の観測データの組は、例えば、現在時刻と同様な時間帯における過去の観測データの組に限定するようにしても良く、また例えば、現在の水上船舶の位置を中心とした所定半径の円内で過去に観測された観測データの組に限定するようにしても良い。
上述のようにして求められた重回帰式を適用することにより、水温以外の現在の観測データx〜xから、現在の水温の予測値yを得ることができる。
海面境界層変化判定部2−10の海面境界層水温変化判定部3−2は、例えば、利用者によって、伝搬計算部1−8に対する計算処理が起動された際に、その伝搬計算の処理に先立って判定を行い、判定結果が変化なしの場合に、伝搬計算に移行させる。また例えば、海面境界層水温変化判定部3−2は、所定周期で、又は、複数の定時処理として判定を行う。
このような判定時には、水温以外の現在の観測データx〜x、すなわち、現在の風速(風向・風速)、短波放射、長波放射、気温が、風速収録部2−2、短波放射収録部2−4、長波放射収録部2−6、気温データ収録部2−8から海面境界層水温変化判定部3−2に取り込まれ、また、水温データ収録部2−9から、記録されている中で最新(現在ではない)の水温yが海面境界層水温変化判定部3−2に取り込まれる。
海面境界層水温変化判定部3−2においては、(1)式に示す重回帰式を適用して、水温以外の現在の観測データx〜xから、現在の水温の予測値yを得、さらに、この予測値yと最新の水温yとの差異(例えば、差分の2乗)を求め、差異が有意な差異になっているか否かを判定する。例えば、重回帰係数a〜aを求める際に、水温の観測データの時系列から水温についての分散を併せて求めておき、この分散の所定倍(例えば1倍)と、上記差異とを比較し、現在の水温の予測値yと最新の水温yとの差異が、違うと言える程度の差異になっているか否かを判定する。
現在の水温の予測値yと最新の水温yとの間に、違うと言える程度の差異があると、水温再測定推奨情報提供部2−11によって、当該伝搬計算装置100の利用者に、水温の再測定を促す情報が提供される。
このような情報の提供により、利用者は、収録されている最新の水温は現在の水温と有意な差があり、それを適用した場合には、海中音波についての伝搬損失や伝搬時間の計算値が不正確になることを認識し、適宜、水温の測定をやり直すことになる。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、重回帰分析を用いた海面境界層の水温変化を判断する水温再測定判定装置を追加したので、水温観測を適切なときに実施することが可能となり、正しい音速を用いた伝搬計算を行うことができ、正しい伝搬損失や伝搬時間を得ることができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による海洋状態量測定装置及び方法を、海中音波の伝搬計算装置及び方法に適用した第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第2の実施形態は、例えば、海中音波の伝搬計算を、潜航船が行うことを想定した実施形態である。
図4は、第2の実施形態に係る海中音波の伝搬計算装置の全体構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
第2の実施形態に係る海中音波の伝搬計算装置100Aにおいては、潜航船に設けられている構成要素と、潜航船の外部に設けられている構成要素とがある。
伝搬計算装置本体1と、水温再測定判定装置2における水温データ収録部2−9、海面境界層変化判定部2−10及び水温再測定推奨情報提供部2−11が潜航船に設けられている。一方、風向・風速計2−1、風速収録部2−2、短波放射計2−3、短波放射収録部2−4、長波放射計2−5、長波放射収録部2−6、気温計2−7及び気温データ収録部2−8は、水上船若しくは陸上に設けられている。
図4において、第1の伝送装置4−1は、水上船若しくは陸上に設けられている風速収録部2−2、短波放射収録部2−4、長波放射収録部2−6、気温データ収録部2−8における記録データを、潜航船側に適宜送信するものであり、第2の伝送装置4−2は、第1の伝送装置4−1が送信した各種データを受信して海面境界層変化判定部2−10に与えるものである。
以上の点を除けば、第2の実施形態の各構成要素の作用や機能などは、第1の実施形態と同様である。
上述した第1の実施形態における各種気象観測機器を潜航船に装備することは困難と考えられる。このため、近隣の水上船若しくは陸上で観測を行い、各所でデータの蓄積を行う。蓄積したデータを無線・水中音響通信などの第1及び第2の伝送装置4−1、4−2により伝送を行い、判断は潜航船内で実施する。
なお、第2の実施形態の場合、潜航船において判断を行うものであり、潜航船が海中を進行するものであるので、水温の測定に、CTD(又はXCTD)1−1やXBT1−2ではなく、潜航船に装備された水温計1−9を適用することも可能である。このような水温計1−9は、水温、深度、観測時刻の情報を得るものである。
第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。また、第2の実施形態によれば、潜航船に対しても、海面近傍の現在の水温に基づいた、伝搬計算の正確性の判定を行うことができる。
(C)他の実施形態
上記各実施形態においては、海中音波の伝搬計算装置に本発明を適用するものを示したが、他の海洋状態量を得る装置に対しても、本発明を適用することができる。例えば、音速プロファイルを得るまでの装置として独立した装置があれば、そのような装置に本発明を適用することができる。すなわち、水温の観測値を利用して海洋状態量を算出する装置であれば、本発明を適用することができる。また、水温の観測値を利用して水温そのものを海洋状態量として算出する装置に対しても本発明を適用することができる。
また、上記各実施形態においては、海面境界層変化判定部2−10が得た水温の再測定という結果を利用者に提供するものを示したが、自動的に水温の再測定を起動するようにしても良い。
さらに、上記各実施形態においては、現在の海面近傍の水温の予測に利用する気温などの状態量を観測機器によって得るものを示したが、他の方法によって得るようにしても良い。例えば、気象庁や民間の気象データの提供会社などから、そのような気象データを得るようにしても良い。また例えば、時刻や気圧配置などを入力することでそのような状態量を取り出すことができる気象モデルを用意しておき、その気象モデルの出力を利用するようにしても良い。気象モデルの数値データの中で、風向・風速計、短波放射計、長波放射計、気温計のデータを装備していれば良い。
上記各実施形態においては、重回帰式の算出機能を備えたものを示したが、既に算出された重回帰式を内部記憶し、重回帰式の算出機能を備えないように装置を構成しても良い。
また、上記各実施形態においては、現在の水温の予測に用いるパラメータの1組が、風速(風向・風速)、短波放射、長波放射、気温であるものを示したが、他のパラメータの組であっても良い。例えば、波高をパラメータに導入するようにしても良い。
第1の実施形態に係る海中音波の伝搬計算装置の構成を示すブロック図である。 従来の海中音波の伝搬計算を行う装置の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態の海面境界層変化判定部の詳細構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る海中音波の伝搬計算装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…伝搬計算装置本体、1−1…CTD(又はXCTD)、1−2…XBT、2…水温再測定判定装置、2−1…風向・風速計、2−2…風速収録部、2−3…短波放射計、2−4…短波放射収録部、2−5…長波放射計、2−6…長波放射収録部、2−7…気温計、2−8…気温データ収録部、2−9…水温データ収録部、2−10…海面境界層変化判定部、2−11…水温再測定推奨情報提供部、3−1…海面境界層水温重回帰分析部、3−2…海面境界層水温変化判定部、4−1、4−2…伝送装置、100、100A…海中音波の伝搬計算装置。

Claims (7)

  1. 各深度の水温を、間欠的なタイミングで測定する水温測定手段と、最新に測定された各深度の水温を利用して所定の海洋状態量を得る海洋状態量測定手段とを有する海洋状態量測定装置において、
    水温以外の複数種類の気象量の観測値に基づいて、上記水温測定手段が得た最新の水温が、現在の水温として利用できるかを判定する水温再測定判定装置部を有することを特徴とする海洋状態量測定装置。
  2. 上記水温再測定判定装置部は、
    水温以外の複数種類の気象量についての観測値を得る気象量観測値取得手段と、
    複数種類の気象量の観測値から水温を予測する予測式を保持している予測式保持手段と、
    上記気象量観測手段が得た現在の気象量の観測値を、上記予測式保持手段が保持している予測式に適用して、現在の水温を予測する現在水温予測手段と、
    上記水温測定手段が得た最新の水温と予測された現在水温との差異が有意か否かを判定する差異有意性判定手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の海洋状態量測定装置。
  3. 上記水温再測定判定装置部は、上記水温測定手段が測定した過去の水温の観測値と、上記気象量観測手段が得た過去の気象量の観測値とでなる組データを、複数組適用して重回帰分析を行い、重回帰式でなる上記予測式を生成する予測式生成手段を有することを特徴とする請求項2に記載の海洋状態量測定装置。
  4. 上記予測式生成手段は、生成に用いた過去の気象量の観測値を生成された予測式に適用して得た水温の予測値と、生成に用いた過去の水温の観測値との差異が所定範囲内であることを確認して、生成された予測式を適用可能なものと判断することを特徴とする請求項3に記載の海洋状態量測定装置。
  5. 上記気象量観測値取得手段は、気象量の観測により気象量観測値を得るものであって、上記水温測定手段及び上記海洋状態量測定手段が設けられている船舶の外部に設けられ、通信によって、気象量観測値を他の手段に提供することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の海洋状態量測定装置。
  6. 上記気象量観測値取得手段が取得する気象量観測値が、風速、短波放射、長波放射及び気温の観測値であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の海洋状態量測定装置。
  7. 水温測定手段が、各深度の水温を、間欠的なタイミングで測定し、海洋状態量測定手段が最新に測定された各深度の水温を利用して所定の海洋状態量を得る海洋状態量測定方法において、
    水温再測定判定装置部を設け、この水温再測定判定装置部が、水温以外の複数種類の気象量の観測値に基づいて、上記水温測定手段が得た最新の水温が、現在の水温として利用できるかを判定することを特徴とする海洋状態量測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101167066B1 (ko) 2011-03-22 2012-07-27 이화여자대학교 산학협력단 해수면 온도 극값을 이용한 기후 민감도 추정 방법
CN102681033A (zh) * 2012-04-27 2012-09-19 哈尔滨工程大学 一种基于x波段航海雷达的海面风场测量方法
EP4223627A1 (en) 2022-02-02 2023-08-09 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha System for and method of controlling watercraft

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