JP3562493B2 - ソーナー探知範囲予察システム、方法及びプログラム - Google Patents

ソーナー探知範囲予察システム、方法及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中における潜水艦等の対象物を探知するソーナーの探知性能を予測するためのソーナー探知範囲予察システム、方法及びこのシステムにおけるコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水中を伝搬する音波によりその水中に存在する潜水艦等の対象物を探知するソーナー(SONAR:音響探知機)の探知可能な範囲(以下、探知範囲と言う)を予測(以下、予察という)する方法として、例えば、ソーナーが使用される海中の音速分布を用いて予察する方法があり、その場合、音速分布は水温、塩分濃度、深度等の影響因子により変動するものとしていた。
【0003】
図5は従来のソーナーの探知範囲を予察する手順を示す。
まず、艦艇や航空機等からBT(水温鉛直分布測定器)やX−BT等を海面に投入し、BTが自沈しながら水温を測定して図5(a)のような深度−水温分布を得る。次に、(b)によりこの深度−水温分布データとその海域における塩分濃度データから音速分布を求め、この音速分布から所定の計算式やパラメータにより探知予察計算を行う。これにより、(c)のような音響減衰特性におけるソーナーの最小検知レベルが得られる距離Rを求める。
【0004】
そして、(d)に示すように観測地点Oを中心とする半径Rの円内は水温が略一定であると見做し、これをその深度におけるソーナーの探知範囲Aとして決定する。従って、この探知範囲A内に敵潜水艦等の対象物があれば、ソーナーにより探知可能であるとしていた。
【0005】
また、図5(e)に示すように、一定範囲の海域を複数の観測点で観測して、それぞれ半径Rの複数の探知範囲Aで埋まるようにすることにより、その海域の探知範囲としていた。
以上のように、従来はソーナーの探知予察計算に関する音響因子として音速分布のみを用いていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ソーナーの探知範囲は、音速分布の他にも、例えば、水深分布、吸収損失、海面反射損失、海底反射損失、彼我深度・位置等々の様々な要因(以下、音響因子と言う)により変化するものである。さらに、これらの音響因子は、時間・場所等の海洋の4次元空間で変化する水温分布、塩分分布、海流分布、海底地形、海底地質、海上の気象、生物、ソーナーの音響特性、雑音等の時間的に定常的及び非定常的な様々な影響因子により決定されるものであり、これらの影響因子により図5(c)の減衰特性曲線の傾きが変化する。このため、実際の探知範囲は図5(e)のような単純な円形パターンではなく、図6(a)のように複雑なパターンを有し、かつそのパターンが非定常的な様々な影響因子により刻々と変化するものとなっている。また、一定の海域についても、図6(b)のようにそれぞれ形状の異なる複数の探知範囲Aが存在することになる。
【0007】
このため、図6(a)(b)においては、例えばB、Cで示す位置が探知範囲における死角になり、この位置に敵の潜水艦がいた場合は探知不能になり、失探の原因になるという問題があった。従来は、このような死角に入った敵潜水艦からの攻撃に対して常に不安があったが、単純なパターンとして決定した探知範囲には不確実性がつきものであるというあきらめがあった。
【0008】
また、従来では、図6(a)(b)に示すような複雑なパターンを有する探知範囲を求めようとすると、非常に多くの観測点を必要とする等の理由により、実現は非常に困難であり、ソーナーの探知範囲を単純な円形パターンで近似するしか方法がなかった。
【0009】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、ソーナーの探知範囲を高精度に予察することにより、ソーナーの信頼性の向上を図ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によるソナーの探知範囲予察システムは、上記目的を達成するために、海洋・気象及び音響に関する定常的な統計値を取得すると共に、海洋・気象及び音響に関する非定常的な影響因子の予測モデルから予測情報を取得する情報取得手段と、現場海域における実際の海洋・気象・音響環境情報と、ソーナー及びソーナーを搭載するプラットホームに関する実測情報とを収集する計測値収集手段と、前記収集された実際の海洋・気象・音響情報を用いて前記取得した統計値及び予測情報に対して同化処理を施す同化処理手段と、前記同化処理された環境情報と前記実測情報に基づいて所定の音響因子を算出する音響因子計算手段と、想定される目標の位置・深度を入力し、ソーナーの音響的な特徴をモデルを用いて算出する目標音源モデル手段と、前記算出された所定の音響因子と前記ソーナーの音響的な特徴と前記実測情報からソーナー探知範囲を3次元的に予察計算する探知予察計算手段とを備えたものである。
【0011】
また、本発明によるソーナー探知範囲予察方法は、海洋・気象及び音響に関する定常的な統計値を取得すると共に、海洋・気象及び音響に関する非定常的な影響因子の予測モデルから予測情報を取得し、現場海域における実際の海洋・気象・音響環境情報と、ソーナー及びソーナーを搭載するプラットホームに関する実測情報とを収集し、収集した実際の海洋・音響情報を用いて前記取得した統計値及び予測情報に対して同化処理を施し、同化処理された環境情報と前記実測情報に基づいて所定の音響因子を算出し、想定される目標の位置・深度を入力してソーナーの音響的な特徴をモデルを用いて算出し、前記算出された所定の音響因子と前記ソーナーの音響的な特徴と前記実測情報からソーナー探知範囲を3次元的に予察計算するようにしたものである。
【0012】
また、本発明によるプログラムは、海洋・気象及び音響に関する定常的な統計値を取得すると共に、海洋・気象及び音響に関する非定常的な影響因子の予測モデルから予測情報を取得する情報取得処理と、現場海域における実際の海洋・気象・音響環境情報と、ソーナー及びソーナーを搭載するプラットホームに関する実測情報とを収集する計測値収集処理と、前記収集された実際の海洋・気象・音響情報を用いて前記取得した統計値及び予測情報に対して行う同化処理と、前記同化処理された環境情報と前記実測情報に基づいて所定の音響因子を算出する音響因子計算処理と、想定される目標の位置・深度を入力し、ソーナーの音響的な特徴をモデルを用いて算出する目標音源モデル処理と、前記算出された所定の音響因子と前記ソーナーの音響的な特徴と前記実測情報からソーナー探知範囲を3次元的に予察計算する探知予察計算処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0013】
【作用】
従って、本発明によれば、海洋・気象及び音響に関する定常的な統計値と、海洋・気象及び音響に関する非定常的な影響因子のモデル情報に対して、現場海域における実際の海洋・気象・気象・音響環境情報を用いて同化処理を施すことにより、現場海域の実際の状況を反映した精度の高い情報を得ることができる。また、ソーナー及びソーナーを搭載するプラットホームに関する実測情報と同化処理された環境情報に基づいて伝搬損失、残響、雑音等の所定の音響因子を算出すると共に、想定される目標の位置・深度を入力してソーナーの音響的な特徴をモデルを用いて算出し、前記算出された所定の音響因子と前記ソーナーの音響的な特徴と前記実測情報からソーナー探知範囲を3次元的に予察計算することにより、様々の影響因子を考慮に入れた探知予察計算を行うので、精度の高い探知範囲を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図4は本実施の形態によるソーナー探知範囲予察システムで用いられる音響因子及び音響因子に係わる影響因子を示す。
図4において、主な音響因子は、伝搬損失、残響、雑音と、後述する目標音源モデルとなる放射雑音、我と目標のソーナーの機械的性能(環境には左右されないシステム固有のもの、但し、ソーナーの運転方法においては、いくつかの固定的な値を選択する)、送波レベル、指向性利得、信号処理利得、認識デファレンシャル、ターゲットストレングスを含む。各音響因子はさらにツリー状に複数の音響因子からなる。さらに、これらの音響因子はそれぞれ影響因子の影響を受ける。
【0015】
例えば、伝搬損失における音響因子の1つである音速分布は、水温分布と塩分濃度分布という影響因子により変動し、他の音響因子である水深分布は彼我位置という影響因子により変動する。また、残響における音響因子の1つである海面散乱は、風速・風向/波高・波向/周波数という影響因子により変動する。以下、同様にして各音響因子はそれぞれの影響因子により変動する。これらの影響因子には、時間的に定常的なものと非定常的なものとがある。定常的な影響因子としては、例えば海底地形、海底地質等の場所が異なれば変化するが時間的には変化しないもの等がある。非定常的な影響因子としては、例えば水温分布、生物分布等の場所は同じでも時間的に変化するもの等がある。
【0016】
図1は図4の音響因子及び影響因子を用いる本実施の形態によるソーナー探知範囲予察システムを示すブロック図である。
本システムは、図1の表示装置120で表示されるように、ソーナーの探知範囲Aを3次元情報として予察し、これを表示して可視化するようにしたものである。図1に示される探知範囲Aは、従来のような円形の単純な予察パターンではなく、定常的、非定常的な影響因子に応じて刻々と変化する複雑精細な立体的形状を有する予察パターンとなっている。これによって高精度に潜水艦等の対象物(目標)を探知することができる。
【0017】
さらに、上記予察パターンを表示して可視化する際に、この予察パターンで探知した潜水艦等の目標の位置やソーナー自身の位置をシンボルマーク150、160で表示するようにしてもよい。
【0018】
尚、本実施の形態は、ソーナー自身が音波を発射して対象物からの反射波を捉えるアクティブ・ソーナーと、対象物が発生する音波を検知するパッシブ・ソーナーに適用することができる。
【0019】
次に、図1の各部について説明する。
データベース部10は、海洋DB11、音響DB12で構成されている。海洋DB11には、海洋に関する定常的な情報、例えば、海底地形、底質等の統計値が格納されている。音響DB12には、音響に関する定常的な情報、例えば、吸収損失、体積散乱及びソーナー自己雑音等の統計値が格納されている。
【0020】
予測モデル部20は、ソーナーを搭載した艦艇、ブイ等のプラットホームの運動や、海洋環境及び音響環境等の空間的にも時間的にも変動する影響因子を予測する各種モデル21〜24で構成されている。
海洋循環モデル21は、海洋空間の流れ、水温・塩分等を予測する。波浪モデル22は、海面の波高・波の向き・周期を予測する。風モデル23は、海上の風向・風速・周期等を予測する。プラットホーム運動モデル24は、上記各モデル21〜23で予測された海洋環境に応じたプラットホーム運動を予測する。尚、これらのモデル21〜24の他にも必要に応じて他の予測モデルを設けることにより、さらに精度を向上させることができる。
【0021】
影響因子計測部30は、非定常的な影響因子を計測するもので、実際にソーナーを運用する海域において、ソーナー運用前及び運用中に環境計測センサ、プラットホーム運動センサ、人工衛星等により計測した実際の海洋・気象及び音響環境情報を収集すると共に、プラットホーム上の雑音を発生する種々の機器(艦艇等におけるエンジン等の主機、その他の機械音を発生する補機等)の運転状況や、機器の運転モニタ情報、ソーナーの運転情報等を収集し、さらに、GPS等からプラットホームの位置情報や彼我位置等を収集する。尚、彼我位置の彼の位置は、例えば適当な初期値を与えておき、ソーナーが探知する毎にフィードバックされて更新される。
【0022】
ここでは、この影響因子計算部30からは、プラットホーム運動、風、海流、気温等に関する計測情報を含む実際の海洋・気象・音響環境情報31と、上記機器の運転状況情報、運転モニタ情報、ソーナー運転情報、位置情報、彼我位置情報等のソーナー及び機器に関する実測情報32が出力されるものとする。
【0023】
現場同化処理部40は、データベース部10及び予測モデル部20からソーナーを運用する海域における、海洋や音響環境及びプラットホーム運動に関する統計情報や予測情報を取得すると共に、影響因子計測部30から実際の海洋・気象・音響環境情報31を取得する。そして、この情報31を用いて、上記取得した統計情報や予測情報に対してナッジング処理、カルマンフィルタ処理を用いた同化処理を施すことにより、統計情報や予測情報を現場海域の状況に応じて修正し、精度の向上を図る。
【0024】
音響因子変換部50は、影響因子計測部30から実測情報32を取得し、これに基づいて音響DB12を検索し、検索結果を各機器に対応する雑音情報(周波数、レベル等)に変換すると共に、ソーナーの運転情報から、ソーナーの周波数、信号処理利得、送波レベル、指向性利得等のソーナー性能に関するソーナーパラメータを抽出する。また、入力された目標の位置・深度と計測されたプラットホーム位置情報から、彼我の相対位置(方位、距離)等を算出する。
【0025】
音響因子計算部60では、現場同化処理部40で同化処理された海洋・気象・音響環境情報、及び音響因子変換部50からの雑音情報、ソーナーパラメータに基づいて予察計算に必要な図4の伝搬損失、残響、雑音等の音響因子を算出する。
【0026】
このために音響因子計算部60には、図2に示すように、音速分布算出部61、吸収損失算出部62、海面反射損失算出部62、海底反射損失算出部64が設けられ、これらの算出結果により伝搬損失を求める伝搬損失算出部65が設けられている。また、海面散乱算出部66、海底散乱算出部67、体積散乱算出部68が設けられ、これらの算出結果と上記伝搬損失により残響を求める残響算出部69が設けられている。
【0027】
また、流体雑音算出部70、砕波雑音算出部71、外板振動雑音算出部72、主機雑音算出部73、補機雑音算出部74、吐出音算出部75が設けられ、これらの算出結果によりソーナー自己雑音を求めるソーナー自己雑音算出部76が設けられている。また、船舶雑音算出部77、沿岸雑音算出部78、海面雑音算出部79、生物雑音算出部80が設けられ、これらの算出結果により周囲雑音を求める周囲雑音算出部81が設けられている。さらに、上記ソーナー自己雑音と周囲雑音とにより雑音を求める雑音算出部82が設けられている。
【0028】
この音響因子計算部60の動作は、図4の音響因子及び影響因子のツリーに基づいて行われる。例えば、音速分布算出部61では、同化処理された情報と図4の伝搬損失における音速分布の影響因子である水温分布と塩分濃度分布から3次元の音速を算出する。また、海面散乱算出部63では、同化処理された情報と図4の残響における海面散乱の影響因子である風速・風向/波高・波向/周波数から海面散乱を算出する。
【0029】
また、伝搬損失算出部65、残響算出部69、雑音算出部82は、それらの前段の各算出部の算出結果が入力されると共に、音響因子変換部50から図4のツリーに従った所定の情報が入力される。例えば、伝搬損失算出部65には、算出部61〜64から音速分布、水深分布、海面反射損失、海底反射損失が入力されると共に、音響因子計算部50から吸収損失/周波数、彼我深度が入力される。同様に残響算出部69には、算出部65〜68から伝搬損失、海面散乱、体積散乱が入力されると共に、音響処理計算部50からソーナー音のパルス長、送波レベル、指向性利得/相対方位/周波数が入力される。
【0030】
次に、目標音源モデル部90は、想定される目標の位置・深度が入力されると共に、音響因子変換部50からソーナーパラメータ等が入力され、これらに基づいて目標の音響的な特徴をモデルにより算出する。目標の音響的な特徴とは、パッシブ・ソーナーでは、目標の出す図4の放射雑音であり、アクティブ・ソーナーでは、反射強度(ターゲットストレングス)である。
【0031】
3次元探知予察計算部100は、音響因子計算部60、音響因子変換部50及び目標音源モデル部90から入力された情報に基づいて予察計算を実施し、3次元での探知範囲距離を予測する。即ち、まず、上記入力情報に基づいて図3に示すような3次元の格子点を作成し、この格子点の1つに音源を置いて、この音源に隣接する格子点で音がどのようになるかを順次計算することにより、ソーナーの探知範囲を3次元で示す探知範囲情報を作成することができる。
【0032】
次に、表示処理部110により上記3次元探知範囲情報を所定形式の表示信号に変換することにより、表示装置120において予察パターンとしての探知範囲Aが3次元座標に表示され、可視化することができる。
【0033】
本実施の形態によれば、ソーナー探知範囲に影響を与える図4に示す時間的に定常的、非定常的な様々な音響因子及び影響因子を全て考慮に入れた探知予察計算を行っているので、図1及び図6(a)に示すような精細なパターンを有するソーナー探知範囲Aを高精度に予察することができる。また、この探知範囲Aを複数求めることにより、図6(b)のように一定海域における探知範囲を高精度に予察することができる。
【0034】
また、探知予察計算を行う場合、例え同化データ(実際に観測したデータ)がなくても、モデルや高精度なデータベースを用いることにより、予察精度を向上させることができる。また、環境モデルの予測値を使用することにより、事前に高精度なソーナーの探知性能の予測が可能となる。
【0035】
また、探知予察計算で得られる上記3次元探知範囲情報を表示装置120により表示することにより、図示のように探知範囲Aが海洋空間において精細な立体パターンとして可視化できるので、使用者が直観的に非常に認識し易くなり、ソーナーの探知範囲を定性的に把握することができる。
さらに、可視化された予察パターンにおいてソーナーが探知した潜水艦等の目標の位置をシンボルマーク150として表示することにより、使用者は目標を直観的に認識して迅速に対応することができる。さらに、ソーナー自身の位置をシンボルマーク160として表示してもよい。
【0036】
以上説明した実施の形態においては、ソーナーの探知対象物(目標)として、潜水艦を例として説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば魚群探知、漂流物探知等様々な対象物に対して適用することができる。
【0037】
次に、本発明の実施の形態によるコンピュータが実行するためのプログラムについて説明する。
図1におけるソーナー探知範囲予察システムにおけるコンピュータシステムのCPUが実行するためのプログラムは、本発明によるプログラムを構成する。
【0038】
このプログラムを格納するための記録媒体としては、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ、磁気記録媒体等を用いることができ、これらをROM、RAM、CD−ROM、フレキシブルディスク、メモリカード等に構成して用いてよい。
【0039】
また上記記録媒体は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部のRAM等の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものも含まれる。
【0040】
また上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから伝送媒体を介して、あるいは伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されるものであってもよい。上記伝送媒体とは、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体をいうものとする。
【0041】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0042】
従って、このプログラムを図1のシステム又は装置とは異なるシステム又は装置において用い、そのシステム又は装置のコンピュータがこのプログラムを実行することによっても、上記実施の形態で説明した機能及び効果と同等の機能及び効果を得ることができ、本発明の目的を達成することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ソーナーの探知範囲を高精度に3次元で予察することができるので、失探の可能性を低減しソーナーの信頼性を高めることができる。また、探知範囲を立体的な形状として可視化できるので、見やすく、分かりやすいものとなる。さらに、可視化された予察パターン内でソーナーが探知した目標位置をシンボルマークで表示することにより、目標が認識し易くなり、迅速に対応することができる。また、ソーナー自身の位置をシンボルマークで表示することにより、探知現場におけるソーナーの位置を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるソーナー探知範囲予察システムを示すブロック図である。
【図2】図1の音響因子計算部の構成を示すブロック図である。
【図3】3次元探知予察計算により距離データを得る様子を示す構成図である。
【図4】本発明で用いられるソーナー探知予察に関する音響因子及び音響因子に係わる外乱因子をツリー状に示す構成図である。
【図5】従来のソーナー探知範囲を予察する手順を示す構成図である。
【図6】実際のソーナー探知範囲を示す構成図である。
【符号の説明】
10 データベース部
11 海洋DB
12 音響DB
20 予測モデル部
21 プラットホーム運動モデル
22 海洋循環モデル
23 波浪モデル
24 風モデル
30 外乱因子計算部
31 実際の海洋・音響環境情報
32 実測情報
40 現場同化処理部
50 音響因子変換部
60 音響因子計算部
65 伝搬損失算出部
69 残響算出部
82 雑音算出部
90 目標音源モデル部
100 3次元探知予察計算部
110 表示処理部
120 表示装置
150、160 シンボルマーク
A ソーナーの探知範囲
R 距離データ

Claims (9)

  1. 海洋・気象及び音響に関する定常的な統計値を取得すると共に、海洋・気象及び音響に関する非定常的な影響因子の予測モデルから予測情報を取得する情報取得処理と、
    現場海域における実際の海洋・気象・音響環境情報と、ソーナー及びソーナーを搭載するプラットホームに関する実測情報とを収集する計測値収集手段と、
    前記収集された実際の海洋・気象・音響情報を用いて前記取得した統計値及び予測情報に対して同化処理を施す同化処理手段と、
    前記同化処理された環境情報と前記実測情報に基づいて所定の音響因子を算出する音響因子計算手段と、
    想定される目標の位置・深度を入力し、ソーナーの音響的な特徴をモデルを用いて算出する目標音源モデル手段と、
    前記算出された所定の音響因子と前記ソーナーの音響的な特徴と前記実測情報からソーナー探知範囲を3次元的に予察計算する探知予察計算手段とを備えたことを特徴とするソーナー探知範囲予察システム。
  2. 前記所定の音響因子は、伝搬損失、残響、雑音の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のソーナー探知範囲予察システム。
  3. 前記実際の海洋・気象・音響環境情報は、ソーナーが搭載されたプラットホームの運動情報を含むことを特徴とする請求項1記載のソーナー探知範囲予察システム。
  4. 前記実測情報は、プラットホームが有する機器の運転状況情報、機器の運転モニタ情報、ソーナー運転情報、ソーナーの位置情報の何れかであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のソーナー探知範囲予察システム。
  5. 前記音響因子計算手段は、前記運転モニタ情報と音響に関する定常的な統計値に基づいて前記機器から発生する雑音情報を算出すると共に、前記運転状況情報からソーナーパラメータを抽出する音響因子変換手段と、前記雑音情報とソーナーパラメータに基づいて前記所定の音響因子を算出する算出手段とを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のソーナー探知範囲予察システム。
  6. 前記ソーナーパラメータは、ソーナーの周波数、送波レベル、信号処理利得、指向性利得の何れかであることを特徴とする請求項5記載のソーナー探知範囲予察システム。
  7. 前記探知予察計算手段により算出された3次元情報としてのソーナー探知範囲を予察パターンとして3次元表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のソーナー探知範囲予察システム。
  8. 海洋・気象及び音響に関する定常的な統計値を取得すると共に、海洋・気象及び音響に関する非定常的な影響因子の予測モデルから予測情報を取得し、現場海域における実際の海洋・気象・音響環境情報とソーナー及びソーナーを搭載するプラットホームに関する実測情報とを収集し、収集した実際の海洋・気象・音響情報を用いて前記取得した統計値及び予測情報に対して同化処理を施し、同化処理された環境情報と前記実測情報に基づいて所定の音響因子を算出し、想定される目標の位置・深度を入力してソーナーの音響的な特徴をモデルを用いて算出し、前記算出された所定の音響因子と前記ソーナーの音響的な特徴と前記実測情報からソーナー探知範囲を3次元的に予察計算することを特徴とするソーナー探知範囲予察方法。
  9. 海洋・気象及び音響に関する定常的な統計値を取得すると共に、海洋・気象及び音響に関する非定常的な影響因子の予測モデルから予測情報を取得する情報取得処理と、
    現場海域における実際の海洋・気象・音響環境情報とソーナー及びソーナーを搭載するプラットホームに関する実測情報とを収集する計測値収集処理と、
    前記収集された実際の海洋・気象・音響情報を用いて前記取得した統計値及び予測情報に対して行う同化処理と、
    前記同化処理された環境情報と前記実測情報に基づいて所定の音響因子を算出する音響因子計算処理と、
    想定される目標の位置・深度を入力し、ソーナーの音響的な特徴をモデルを用いて算出する目標音源モデル処理と、
    前記算出された所定の音響因子と前記ソーナーの音響的な特徴と前記実測情報からソーナー探知範囲を3次元的に予察計算する探知予察計算処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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