JP2008056265A - 熱転写機 - Google Patents

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Abstract


【課題】1台の熱転写機で、回転体上部腕部周りに複数の作業空間を設けることができ、該複数の作業空間で作業可能で、回転上部腕部の回転機構を太くするなどの機械加工をほとんどすることなく、500g/cm以上の高圧力で加熱加圧板を駆動でき、その結果熱転写機を軽量化でき、かつ、コストパフォーマンスに優れ、また、回転体上部腕部の回転量が少なくても受け台上から加熱加圧板を退避させることができ、熱転写機の製造が短時間作業で済む高生産性、及び製品の高品質を確保することができる熱転写機を提供すること。
【解決手段】基部1に上下方向に立設した上下支軸2を中心軸として回転する回転体と、駆動機構とを設けた。回転体は、回転体上下方向骨組10と、回転体上部腕部20と、回転体下部腕部30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、裏面に合成樹脂などの接着剤を塗布した布地を被接着物に加熱して接着し、あるいは、被転写物に染料や顔料による文字、模様若しくは色彩又はこれらの結合を含む転写図柄等を昇華転写する熱転写機に関する。
従来、熱転写機は、500g/cm以上の高圧力をかけるものがある。これは、例えば、基部に設けた受け台と、該受け台の上方に対向し上下動する加熱加圧板とを備えている。しかし、これは加熱加圧板が受け台の上方にあるので、受け台に被転写物を載置するとき、あるいは受け台から被転写物を取出すときに、加熱加圧板が邪魔になる。そこで、加熱加圧板を受け台上の位置から退避させるようにした熱転写機が開示されている。
この従来の熱転写機の概念図を図14に示す。この熱転写機90は、基部と、基部に固定された受け台と、枢支により基部に回動可能に取付けられた回転体上部腕部91と、回転体上部腕部91に設けられ受け台に接近する加熱加圧板92とを備え、回転体上部腕部91の回動により加熱加圧板92を受け台上から退避するようにされている(特許文献1参照)。
特開平11−20815号公報(図4)
しかしながら、特許文献1記載の熱転写機は、その構成上耐久性がなく低圧力用に限られ高圧力用には使用できない。このため、500g/cm程度の高圧力を要する熱圧着は行うことができない。高圧力に対する耐久性をもたせるためには、回転体上部腕部91の回転機構の強度を上げる必要がある。しかし、そのための機械加工が必要となり、コストアップとなるという問題がある。
また、特許文献1の熱転写機においては、図14に示すように、回転体上部腕部91の回転角度は非常に大きく、約120度程度回動させないと加熱加圧板の隅が載置作業の邪魔になる。このように特許文献1記載の熱転写機においては、転写前に大きく回動させる工程を経なければならず作業が煩雑であり、作業性が悪い。また、作業者は、その回動距離を往復移動しなければ作業できず、作業性が悪い。
さらに、従来の熱転写機においては、回動量が大きいことによる電源コード等の断線が生じ得、信頼性の点で問題があった。また、断線に至るのは、機構上、基部から回転体上部腕部までの装置内に電気配線をする空間的余裕がないことも要因となっている。
今日、特にスポーツ関係においては、シルク印刷に比して転写後の発色が良く非常に綺麗に仕上がることから、ポリエステル生地の被転写物に昇華転写することが行われている。これは好評であり次第に昇華転写に切り替わる傾向にある。
しかし、熱転写又は昇華転写は、シルク印刷に比べると転写図柄等が高価で、かつ、転写時間が長い。例えば、昇華転写の場合の転写時間等の条件は、加熱温度180℃〜200℃、加圧50〜200g/cmで、約1分程である。通常の接着剤の場合は圧力400〜500g/cmで、10〜15秒で接着する。
接着剤の場合の転写時間は比較的短いので問題は生じなかったが、昇華転写の場合その時間は比較的長いので、作業者の手待ち作業となり、作業性が悪いという問題が出てきた。転写図柄等が高価な点は徐々に改善されつつあるが、転写時間の問題は改善されていない。
例えば、転写工程においては、一の被転写物の熱転写時間中に他の熱転写機の受け台上でマーキング等の作業を行えるように、作業者一人当たり例えば2台〜4台の熱転写機を操作する工程となっている。もっとも、4台操作しても、マーキングにかかる時間は約15秒程度であるので、手待ちの問題を解消することはできない。依然として作業性が良くないという問題点が残っていた。
また、熱転写機の受け台に被転写物を載置し、該被転写物に転写図柄等を載置する熱転写の作業は、位置決め(「マーキング」という。)等の作業を行った後、加熱加圧板を垂直に下降させて受け台の被転写物に熱転写を行い、その後に加熱加圧板を上昇させて受け台から被転写物を取出すという一連の工程を経る。このような煩雑な作業に加えて、作業者の目と受け台との間に加熱加圧板が存在すると、さらにマーキングがしづらく、作業性が非常に悪い。
さらに、初期投資コストは1台購入の場合と比して台数分だけ余分にかかる。しかも、熱転写機1台につき加熱加圧板が1つあるので、2〜4つの加熱加圧板を常に所定温度に加熱した状態にしておく必要がある。このため電気代がかかり、ランニングコストも非常に高価なものとなるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記問題を解決しようとするもので、1台の熱転写機で、回転体上部腕部周りに複数の作業空間を設けることができ、該複数の作業空間で作業可能な熱転写機であって、回転上部腕部の回転機構を太くするなどの機械加工をほとんどすることなく、500g/cm以上の高圧力で加熱加圧板を駆動でき、その結果熱転写機を軽量化でき、かつ、コストパフォーマンスに優れ、また、回転体上部腕部の回転量が少なくても受け台上から加熱加圧板を退避させることができ、熱転写機の製造が短時間作業で済む高生産性、及び製品の高品質を確保することができる熱転写機を提供することを目的としている。
以上のような課題を解決するために請求項1に係る発明が採った手段は、基部に上下方向に立設した上下支軸を中心軸として回転可能に設けた回転体上下方向骨組と、前記回転体上下方向骨組の上端部から横方向に延設した回転体上部腕部と、前記回転体上部腕部の前記回転体上下方向骨組の上端部から離間した部分に保持された加熱加圧板と、前記基部に前記加熱加圧板に対して対向する位置に設けられ被転写物及び転写図柄が載置される複数の受け台をそれぞれ支持する複数の受け台支持部と、前記受け台上の被転写物に転写図柄を熱転写するように前記加熱加圧板を前記受け台支持部に対して上下方向に移動させる駆動機構と、前記回転体上下方向骨組の下端部から横方向に延設した回転体下部腕部であって、前記上下支軸を中心軸とした回転に伴い前記受け台支持部に連結して前記駆動機構により発生した駆動力を前記受け台支持部へ伝達するようにした回転体下部腕部と、を備えていることを特徴とする熱転写機、とするものである。
また、請求項2に係る発明が採った手段は、回転体下部腕部が、駆動機構の駆動力によって上方へ移動することを防止する上方移動防止手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の熱転写機、とするものである。
さらに、請求項3に係る発明が採った手段は、基部上にて回転体上部腕部の回転基点側に設けた元リンクと、該元リンクと同一長さで加熱加圧板側に設けた先リンクと、該元リンクと該先リンクとを連結する一対の連結リンクとからなる四辺リンクを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写機、とするものである。
元リンクを設ける「回転基点側」は、回転体上部腕部とは異なり回転しない箇所をいい、回転体上部腕部の回転基点との関係において、回転基点より先リンク側、回転基点と同一、その回転基点を挟んで先リンクと反対側のいずれであっても良い。回転基点と同一の位置に設けると、加熱加圧板の回転が滑らかになり信頼性の点で、好ましい。
先リンクを設ける「加熱加圧板側」は、より具体的には、駆動機構の上下方向支軸(例えばシリンダのピストンロッド)との関係において、これより元リンク側、同一、それを挟んで元リンクと反対側のいずれであっても良い。熱転写機を小型化することができる点で、元リンク側又は同一が好ましい。
元リンクから先リンクまでの長さと、回転体上部腕部の長さとの関係においては、前者を後者より短くする場合、同一の場合、長くする場合が挙げられる。熱転写機を小型化できる点、及び加熱加圧板の回転が滑らかな動きになる点で同一の場合が好ましい。
請求項4に係る発明が採った手段は、連結リンクは、両端部にそれぞれ球面継手を設けて元リンクと先リンクとに連結すると共に、加熱加圧板の上下動に伴って伸長する状態となるように付勢する伸縮部を備えていることを特徴とする請求項3記載の熱転写機、とするものである。
請求項5に係る発明が採った手段は、基部に上下方向に立設した一対の上下元リンク支軸と、該上下元リンク支軸を連結中継点とする横方向に設けた連結部であって、一方端が球面継手を介して先リンクに連結されると共に他方端が上下支軸に連結される連結部とを備えることにより、加熱加圧板の上下動に伴って先リンクが上下動することにより該上下元リンク支軸の連結中継点部が先リンク側へ移動可能となるようにしたことを特徴とする請求項3記載の熱転写機、とするものである。
請求項6に係る発明が採った手段は、受け台支持部は、受け台の水平度を調整する水平度調整機構を備えていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の熱転写機、とするものである。
請求項7に係る発明が採った手段は、回転体上部腕部の回転範囲を所定範囲に制限する回転範囲制限手段を備えていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の熱転写機、とするものである。
請求項8に係る発明が採った手段は、駆動機構は、エア供給源近傍で任意の圧力に設定する第1のエアレギュレータと、該第1のエアレギュレータの下流に配置されエアの経路を2方向に分ける電磁弁と、2方向に分けられた経路の一方に配置され前記第1のエアレギュレータよりも低い圧力に設定する第2のエアレギュレータと、該第2のエアレギュレータからの経路と前記2方向に分けられた経路の他方とにそれぞれ供給されるエアにより作動するエアシリンダとを備えたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の熱転写機、とするものである。
請求項9に係る発明が採った手段は、2方向に分けられた経路の他方に配置された絞り弁と、電磁弁の切換によってエア供給側になったときに順方向になるように該絞り弁に対して並列に接続したチェック弁とからなる制御弁を更に備えていることを特徴とする請求項8記載の熱転写機、とするものである。
本発明の熱転写機は、前記回転体上下方向骨組と、前記回転体上部腕部と、前記回転体下部腕部と、前記駆動機構とを備え、熱転写の際の駆動機構の駆動力を直近直下の回転体下部腕部に伝達して駆動力による熱転写機の上下支軸への影響を最小限に抑えようとするものである。上方移動防止手段をさらに備える場合には、前記回転体下部腕部の浮き上がりを防止できる点で好ましい。
また、これに前記四辺リンクを設けた場合には、該四辺リンクにより加熱加圧板の回動と向きを規制することができる。加熱加圧板の回動量を少なくすることで加熱加圧板の回動によって受け台上の被転写物に対してその上に載置された転写図柄等の位置「ズレ」、「ボケ」、「二重転写」などが生じることを防止することができる。
さらに、これは四辺リンクの先リンクと元リンクとが平行状態を維持することを利用することで、複数の作業空間の隣接する二つの作業空間の加熱加圧板の向きを、その隅部が作業の邪魔にならない所定角度となるように規制でき、受け台上からの退避移動力を減少化できて前記作業空間で作業可能とすることができる。
そして四辺リンクを、先リンクが元リンクより高い位置となるように設けることで、転写前の状態において前者と後者とが同一の高さ状態に比して一対の連結リンクのそれぞれが伸長した状態となる。これにより、転写の際に連結リンクの長さが短くなり、加熱加圧板の下降動作に対応できる。あるいは、連結リンクの連結点部が先リンク側へ移動し、その後元リンク側へ移動するようにして加熱加圧板の下降動作に対応できる。
このとき、昇華転写の場合には、第1レギュレータによる高圧力の所定圧力で加圧すると、加圧力が強いため、例えば、ポリエステル製の被転写物の場合には、加圧による素材の非可逆性により被転写物に「アタリ」、「テカリ」が生じてしまい、ポリエステルが溶けてしまっているため蒸気をかけても復帰しない。
このため、加圧力はほとんどゼロに近い方がよい。しかし、加圧力がゼロ程度では、加熱加圧板を上方へ持ち上げることができない。そこで、本発明の熱転写機は、エアシリンダを用い、高圧力の第1のエアレギュレータよりも低い圧力に設定する第2のエアレギュレータを備えていると、加熱加圧板を下降する際の加圧力をゼロに近くすることができるので、上記「アタリ」、「テカリ」等の問題を解決できる。
即ち、駆動機構は、エア供給源近傍で任意の圧力に設定する第1のエアレギュレータと、該第1のエアレギュレータの下流に配置されエアの経路を2方向に分ける電磁弁と、2方向に分けられた経路の一方に配置され前記第1のエアレギュレータよりも低い圧力に設定する第2のエアレギュレータと、該第2のエアレギュレータからの経路と前記2方向に分けられた経路の他方とにそれぞれ供給されるエアにより作動するエアシリンダとを備えている場合には、加熱加圧板が下降するときに第2のエアレギュレータで設定された比較的低い圧力で受け台の被転写物に対して加圧するように設定することができる。
また、熱転写等の所定時間が経過した後、エアシリンダのピストンロッドが上昇することで、連結リンクが、それに伴って下降と逆の動作をして先リンク側が上昇して、加熱加圧板が水平状態で受け台から離間される。
このとき、2方向に分けられた経路の他方に配置され電磁弁の切換によってエア供給側になったときに順方向になるように逆止弁を絞り弁に対して並列に接続した制御弁を更に備えている場合には、制御弁の絞り弁を調整することにより、加熱加圧板の飛び上がりと不快な音を防止できる。
請求項1記載の熱転写機によれば、回転体上下方向骨組と、回転体上部腕部と、回転体下部腕部と、駆動機構とを備えているので、熱転写の際の駆動機構の駆動力を直近直下の回転体下部腕部に伝達することができ、駆動力による上下支軸への影響を最小限に抑えることができ、よって加熱加圧板をその作業空間間で移動させる回転上部腕部の回転機構を太くするなどの機械加工をほとんどすることなく高圧力で加熱加圧板を駆動することができ、その結果コストパフォーマンスに優れるという効果を奏する。
請求項2記載の熱転写機によれば、請求項1記載の熱転写機の奏する効果に加えて、上方移動防止手段を備えているので、駆動機構による回転体下部腕部の浮き上がりを防止でき、被転写物の転写中の転写図柄等に「ズレ」、「にじみ」が生じたり、転写図柄等が「ぼける」という不具合の発生を防止できるという効果を奏する。
請求項3記載の熱転写機によれば、請求項1又は2に記載の熱転写機の奏する効果に加えて、四辺リンクを備えているので、加熱加圧板が元リンクと略平行に移動するように回転体上部腕部周りに複数の作業空間を設けることができ、該作業空間で作業することができるという効果を奏する。
請求項4記載の熱転写機によれば、請求項3記載の熱転写機の奏する効果に加えて、四辺リンクは、連結リンクが伸長する状態となるように付勢する伸縮部を備えているので、加熱加圧板の下降中の加熱加圧板の回動を防止でき、被転写物への転写図柄等の二重転写を防止することができるという効果を奏する。
請求項5記載の熱転写機によれば、請求項3記載の熱転写機の奏する効果に加えて、前記一対の上下元リンク支軸と、前記連結部とを備えることにより、加熱加圧板の上下動に伴って先リンクが上下動することにより該上下元リンク支軸の連結中継点部が先リンク側または元リンク側へ移動可能となり、加熱加圧板の下降中の加熱加圧板の回動を防止でき、被転写物への転写図柄等の二重転写を防止することができるという効果を奏する。
請求項6記載の熱転写機によれば、請求項3から5の何れかに記載の熱転写機の奏する効果に加えて、受け台の水平度を調整する水平度調整機構を備えているので、受け台上の被転写物に圧力及び熱を均一に加えることができ、熱転写シート上の転写図柄等を被転写物に品質良く昇華転写することができるという効果を奏する。
請求項7記載の熱転写機によれば、請求項1から6の何れかに記載の熱転写機の奏する効果に加えて、回転体上部腕部の回転範囲を所定範囲に制限する回転範囲制限手段を備えているので、熱転写機が機械的に壊れることを防止することができるという効果を奏する。
請求項8記載の熱転写機によれば、請求項1から7の何れかに記載の熱転写機の奏する効果に加えて、加熱加圧板が下降するときに第2のエアレギュレータで設定する比較的低い圧力で被転写物へ加圧するように設定することができるので、被転写物に緩く均一に圧力を加えることができ、熱も伝えて綺麗に熱転写させることができるという効果を奏する。
請求項9記載の熱転写機によれば、請求項8記載の熱転写機の奏する効果に加えて、制御弁を更に備えているので、エアシリンダにより加熱加圧板の飛び上がりと不快な音を防止でき、これによる被転写物の転写後の転写図柄等に「ズレ」、「にじみ」が生じたり、転写後の転写図柄等が「ぼける」という不具合の発生を防止できるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。図1〜図4に、エアシリンダを用いた熱転写機を例に、実施例を示す。
(実施例1)
図1は本発明の熱転写機の一実施例を示す斜視図である。図2は、回転体上部腕部の回転状態を上方からみた様子を示す平面図である。図3は、図2のA−A断面図である。これは、熱転写、昇華転写に用いられる。特に、スポーツ関係の生地、鉄板ないしはアルミニウム製の塗装面等の被転写物に転写図柄等を昇華転写する方法に用いるのに好適なものである。
熱転写機100は、回転体上下方向骨組10と、回転体上部腕部20と、回転体下部腕部30と、駆動機構40と、加熱加圧板50と、受け台支持部60と、回転範囲制限手段70とを備えている。
これは、回転体上部腕部20が回転することで加熱加圧板50が受け台支持部60上を水平移動するようにして、回転体上部腕部20周りに二つの作業空間を設けた構成としたものである。回転体上部腕部20の正面には、加熱加圧板50の下降用の一対のスイッチ(図示せず)を取付けてある。
そして、これは、回転体上部腕部20が所定位置にあるときに、このスイッチが押されることで加熱加圧板50がエア駆動により垂直に下降して熱転写等するようにされている。下降後、タイマー設定の所定時間が経過すると加熱加圧板50が上昇して熱転写が終了する。その後作業者が回転体上部腕部20を他の作業空間へ回転させて他の作業空間で熱転写等可能である。
図2に示す90°の角度をなす二股状に分かれる略V字形の基部1の二股基点に、上下方向に立設した上下支軸2が設けてある(図3参照)。そして、上下支軸2に軸受11を介して回転体上下方向骨組10を設けて、回転体上下方向骨組10が上下支軸2を回転軸として回転可能にしてある。
回転体上下方向骨組10は、回転体上部腕部20と回転体下部腕部30とともに回転体を構成する。かかる回転体の回転に伴って、回転体上部腕部20が上下支軸2を中心軸として回転可能となる(図2参照)。図2に示す直線矢印の向きは、二つの作業空間を示すと共に作業者の向きを示す。
回転体上部腕部20は、回転体上下方向骨組10の上端部から横方向に延設されている。回転体上部腕部20内には、駆動機構40の一部、電気配線等が収納されている。
回転体下部腕部30は、回転体上下方向骨組10の下端部から横方向に延設されている。そして、回転体下部腕部30は、回転体上部腕部20が回転されて受け台支持部60に連結される。このとき、駆動機構40の駆動力が加わるとこれを回転体下部腕部30でも受けるように駆動力が伝達される。また、回転体下部腕部30には回転範囲制限手段70が設けてある。この回転範囲制限手段70により、回転体上部腕部20の回転範囲が二つの作業空間間に規制される。
さらに、上方移動防止手段31、32を備えており、回転体下部腕部30は、かかる上方移動防止手段31、32を介して浮き上がりが防止される。上方移動防止手段31,32は、回転体下部腕部30の先端に設けた下方凸部31と、下方凸部31と連結する受け台支持部60に設けた上方凸部32とからなる。
駆動機構40は、後述するエアシリンダ41と電磁弁142とレギュレータ141,144と、制御弁145とを含む制御回路を備える。これは、受け台支持部60で支持された受け台61に載置される被転写物に転写図柄を熱転写するように加熱加圧板50を受け台支持部60に対して上下方向に移動させるように制御するものである。
加熱加圧板50は、回転体上部腕部20の回転体上下方向骨組10の上端部から離間した部分に保持されている。そして、加熱加圧板50は、回転体上部腕部20の先端に設けた駆動機構40により、受け台支持部60に設けた受け台61に対して垂直に離接される。
受け台支持部60は、基部1の二股基点からそれぞれ離間した二つの先端部分に、基部1に作業空間上の加熱加圧板50に対して対向する位置となるように設けてある。受け台支持部60の上方には、複数の受け台61が設けてある。受け台61は、被転写物及び転写図柄が載置されるものであり、二つの作業空間のそれぞれで作業及び熱転写等を可能とするために設けたものである。
回転範囲制限手段70は、回転体上部腕部20の回転範囲を制限するものである。より具体的には、二つの作業空間に加熱加圧板50が位置した状態において回転体下部腕部30がさらに回転することを規制することで、回転体上部腕部20の回転範囲を制限する。
図4は、熱転写機100の駆動機構40の機械的構造を示す要部断面図である。エアシリンダ41のピストン42に設けたピストンロッドは垂下し、ピストンロッドの下端には、水平板45を設けてある。水平板45の下面には、加圧力の強弱を調整するバネ48を介して加熱加圧板50が取着してある。このようにして、加熱加圧板50が駆動機構40のピストンロッドに固定されている。また、回転体上部腕部20の両側と水平板45とには、ガイド49を設けてある。
図5は、受け台61の水平度を調整する水平度調整機構を示す分解斜視図である。受け台61の略中央下端には、受け台支柱62が固着してある。この受け台支柱62の下面には、4本の高さ調整棒63が設けてある。一方、受け台支持部60の上面の4本の高さ調整棒63に対応する位置には、高さ調整棒63を収納する貫通孔64を有している。貫通孔64に高さ調整棒63が収納されることで、受け台支持部60上に受け台61が載置されて支持される。
また、高さ調整棒63には、ネジ切りがなされており、複数のナット65が設けてある。受け台支持部60に受け台61を連結する際には、複数のナット65を高さ調整棒63上で上下移動させることで、受け台61の高さ調整が可能である。さらに、各ナット65をそれぞれ調整することで、受け台61の水平度の調整が可能である。
図6は、回転範囲制限手段70を示す斜視図であり、図6(a)は回転体上部腕部20の回転範囲を所定範囲に制限する前の状態を示す図であり、図6(b)は回転範囲制限手段70により回転体上部腕部20の回転範囲を所定範囲に制限した状態を示す図である。
回転範囲制限手段70は、図6に示すように、回転体下部腕部30の両側面であって回転基点から離れた部分に設けてある係合突起71と、これに係合する一対の係合フック72とから構成してある。図6(a)に示すように、係合フック72は図示しない弾性手段により上方へ付勢されている。
作業者が回転体上部腕部20を回転させて回転体下部腕部30が作業空間へ移動されると、図6(b)に示すように、係合突起71が係合フック72に係合して回転体下部腕部30の回転が規制される。この結果、回転体上部腕部20の回転も規制される。また、作業者が回転体上部腕部20を他の作業空間の方へ移動させると、係合突起71が付勢力に逆らって係合フック72を押し下げその係合が解除される。
図7は、駆動機構40の制御回路図を示すブロック図である。駆動機構40は、エア供給源P近傍で任意の圧力P1に設定するエアレギュレータ141と、この下流に配置されエアの経路を2方向に分ける電磁弁142と、2方向に分けられた第1給排経路143a,第2給排経路143bの一方の第1給排経路143aに配置されエアレギュレータ141よりも低い圧力P2に設定するエアレギュレータ144と、エアレギュレータ144からの第1給排経路143aと第2給排経路143bとにそれぞれ供給されるエアにより作動するエアシリンダ41とを備えている。
エアシリンダ41の内部には、ピストン42がエアシリンダ41の内周壁に密接しながらその長手方向にスライド移動可能に収容されている。ピストン42はピストンロッドが図7の下側に突設している。エアシリンダ41は、ピストン42によってヘッド側シリンダ室41aとロッド側シリンダ室41bが区画形成されている。
ヘッド側シリンダ室41aには第1給排経路143aが接続されており、ロッド側シリンダ室42bには第2給排経路143bが接続されている。そして、第1給排経路143aにはスピードコントローラ146が設けてあり、第2給排経路143bにはスピードコントローラ147が設けてある。
2つのスピードコントローラ146,147は、チェック弁146a,147aと絞り弁146b,147bとによってそれぞれ構成されている。そして、前述のように、前記両給排経路143a,143bは電磁弁(方向切換弁)142に接続され、電磁弁142の他端は、エアレギュレータ141に接続されてエア供給源Pに接続されている。
レギュレータ144は、減圧弁144aと逆止弁144bとが並列に接続されることにより構成されている。この逆止弁144bは、電磁弁142によって第1給排経路143aがエア供給側になったときに順方向となるように接続されている。
一方、第2給排経路143bには、制御弁145が設けられている。制御弁145は、絞り弁145bが設けられるとともに、その絞り弁145bに対してチェック弁145aが並列に接続されることにより構成されている。このチェック弁145aは、電磁弁142によって第2給排経路143bがエア供給側になったときに順方向となるように接続されている。
次に、熱転写機100を用いて、基部1周りに設けた二つの作業空間で昇華転写を行う場合の動作を説明する。図7に示す状態において、この制御回路により任意の圧力P1で第1給排経路143aにエアを吸入させる。そうすると、エアは逆止弁144bを通過して、スピードコントローラ146のチェック弁146aを通過し、エアシリンダ41のヘッド側シリンダ室41a内に侵入する。
その結果、エアシリンダ41内の圧力が高まり、ピストン42が下方向に移動する。ピストン42の動きにより、加熱加圧板50も下方向に移動する。この場合、減圧弁144aを調整することにより、ピストン42を作動させる速度が調整され、加熱加圧板50への加圧力も任意の圧力P1より低い圧力P2程度へ調整される。
加熱加圧板50が下方に移動した後タイマーの設定時間経過後において、電磁弁142により第2給排経路143bにエアを吸入させる。そうすると、エアは制御弁145のチェック弁145aを通過して、スピードコントローラ147のチェック弁147aを経過し、エアシリンダ41のロッド側シリンダ室41b内に侵入する。
その結果、エアシリンダ41内の圧力が高まり、ピストン42が上方向に移動する。ピストン42の動きにより、加熱加圧板50も上方向に移動する。この場合、絞り弁145bを調整することにより、ピストン42を作動させる速度が調整され、加熱加圧板50及び回転体10,20,30の飛び上がりと不快な音が防止される。
以上説明した熱転写機100によれば、1台の熱転写機で、回転体上部腕部周りに複数の作業空間を設けることができ、該複数の作業空間で作業可能である。また、加熱加圧板50が駆動機構40のピストンロッドに固定され、ガイド49を設けてあるので、熱転写の際においても加熱加圧板50の回動が規制され、その結果電気コード等の断線を防止することができる。
そして、加熱加圧板50をその作業空間間で移動させる回転上部腕部20の回転機構2を太くするなどの機械加工をほとんどすることなく、500g/cm以上の高圧力で加熱加圧板を駆動できる。その結果、図3に示すように、上下支軸2を小径で略円柱状に形成することができ、安価なものを使用することができると共に機械加工もほとんどないので、熱転写機100を軽量にでき、かつ、コストパフォーマンスに優れる。また、上下支軸2を細く形成することができるので、回転体上下方向骨組み10の内部に空間的な余裕ができ、この空間に電気配線などを余裕を持って収納することができる。
また、熱転写機100によれば、上方移動防止手段31,32を備えているので、駆動機構40によって駆動力が加えられた際に、回転体下部腕部30が上方に浮き上がるのを防止できる。したがって、上下支軸2と回転体上下方向骨組10の連結部への影響をさらに最小限に抑えることができる。
熱転写機100によれば、複数の受け台61の水平度をそれぞれ調整する水平度調整機構を備えているので、各受け台61を水平線と平行となるように調整でき、受け台上の被転写物に所定の圧力及び熱を均一に加えることができ、熱転写シート上の転写図柄等を被転写物に品質良く昇華転写することができる。
熱転写機100によれば、回転範囲制限手段70を備えているので、回転体上部腕部20及び回転体下部腕部30が所定回転範囲を超えて回転することを制限することができ、熱転写機100が機械的に壊れることを防止することができる。
熱転写機100によれば、加熱加圧板50が下降するときの加圧力を低く設定することができるので、受け台上の被転写物に緩く均一に最小限の圧力を加えることができ、熱も伝えて綺麗に熱転写させることができる。
熱転写機100によれば、制御弁145を更に備えているので、エアシリンダ41により加熱加圧板50などの飛び上がりと不快な音を防止できる。したがって、加熱加圧板50が瞬時に上下振動することを防止できるので、被転写物の転写後の転写図柄等に「ズレ」、「にじみ」が生じたり、転写後の転写図柄等が「ぼける」という不具合の発生を防止できる。
その他、熱転写機100によれば、受け台上から加熱加圧板50を退避させるための回転体上部腕部20の回転量が少なくて済み信頼性が高く、作業性が良い。
さらに、一の受け台61で熱転写等をしている際に、他の受け台61で被転写物のマーキング等をすることができる。その際、受け台61,61が平行に配設されており同一の向きに統一されているので、作業者は座ったまま作業を行うことができる。大きく回転させる工程を経なくて良く、また作業の移動量を少なくできるので、作業性が良い。
(実施例2)
他の実施例について、図8〜10を参照して説明する。図8は、加熱加圧板50を回動可能にする回動機構を備え、かつ、四辺リンクを用いた熱転写機の例である。図9は、回動機構を備えた駆動機構の機械的構造を示す要部断面図である。図10は、回転体上部腕部の回転と加熱加圧板の向きの規制状態を上方からみた様子を示す平面図である。尚、実施例1の熱転写機100と同一部分については同様の符号を付して説明する。
実施例1との相違点は、加熱加圧板50が回動可能であり、加熱加圧板の回動と向きを規制する四辺リンクを備えている点である。すなわち、熱転写機200は、回転体上下方向骨組10と、回転体上部腕部20と、回転体下部腕部30と、駆動機構140と、加熱加圧板50と、受け台支持部60と、回転範囲制限手段70と、四辺リンク80とを備えている。
図9は、熱転写機200の駆動機構140の機械的構造を示す要部断面図である。エアシリンダ41のピストン42に設けたピストンロッドは垂下し、ピストンロッドの下端には、回動軸143が固着してある。この回動軸143の下面には、ケーシング144と水平板145を設けてある。ケーシング144には軸受146が収納してあり、この軸受146は、回動軸143の軸端に設けた軸受蓋147で止めてある。
また、水平板145は、回動軸143とケーシング144との間に配設してあり、軸受146により回動軸143を中心軸として回動可能とされている。そして、水平板145の下面には、加圧力の強弱を調整するバネ48を介して加熱加圧板50が取着してある。さらに、ピストン42を挟んで水平板145の両側には、四辺リンク80の球面継手84,84が設けてあり、先リンク82が元リンク81(図8参照)より高い位置となるようにしてある。
四辺リンク80は、基部1上にて回転体上部腕部20の回転基点側に設けた元リンク81と、元リンク81と同一長さで加熱加圧板50側に設けた先リンク82と、元リンク81と先リンク82とを連結する一対の連結リンク85,86とからなる。元リンク81と二つの受け台61,61とは相互に平行な位置関係である。
より具体的には、四辺リンク80は、基部1に上下方向に立設した一対の上下元リンク支軸87と、上下元リンク支軸87を連結中継点とする横方向に設けた連結部であって、一方端が球面継手84を介して先リンク82に連結されると共に他方端が上下支軸2に連結される連結部85,86,88とを備える。
連結リンク85,86と連結部88との連結は、球面継手83を介して連結される。また、上下元リンク支軸87と基部1との連結についても、球面継手を介して連結される。これにより、加熱加圧板50の上下動に伴って先リンク82が上下動することに伴って、上下元リンク支軸87の連結中継点部が、先リンク82側または元リンク81側へ移動可能となるようになる。
加熱加圧板50は、回転体上部腕部20の回転体上下方向骨組10の上端部から離間した部分に回動可能に保持されている。そして、加熱加圧板50は、回転体上部腕部20の先端に設けた駆動機構140により、受け台支持部60に設けた受け台61に対して垂直に離接される。
元リンク81は、回転体上部腕部20の回転基点側に設けた一の球面継手83と他の球面継手83とを結ぶ直線で表される。球面継手83、83はリンクボールである。球面継手83は、回転体上部腕部20の回転基点を挟む両側の位置となるようにしてある。これは二つの作業空間と平行である。
一方、先リンク82は、加熱加圧板50側の一の球面継手84と他の球面継手84とを結ぶ直線で表される。これは元リンク81と平行である。球面継手84は、ピストン42を挟んで両側となるように、加熱加圧板50側の水平板145に設けてある。連結リンク85,86は、これらの元リンク81と先リンク82とを球面継手83,84を介して連結する一対のリンク棒である。
以上説明した熱転写機200によれば、被転写物が立体である場合、又は加熱加圧板50が正方形ではなく例えば長方形などの場合に、特に有効である。即ち、熱転写機200は四辺リンク80を備えているので、回転体10,20,30の回転に伴い加熱加圧板50が元リンク81と略平行に移動するように回転体上部腕部20周りに複数の作業空間を設けることができ、該作業空間で作業することができる。
つまり、加熱加圧板50は、図10に示すように、四辺リンク80により一定の方向を向くように規制されるので、回転体上部腕部20の回転周りに複数の作業空間を設けることができる。そして、これによれば、二つの作業空間において加熱加圧板50の隅が相互の作業の邪魔になることを防止できる。回転体上部腕部20の回転量は従来の熱転写機90より小さくて済む。さらに、一の加熱加圧板50で二つの受け台上での作業空間で熱転写等を行うことができ、電気代の上昇を防止できる。
また、回転体上部腕部20の回転量が少なくても受け台上から加熱加圧板50を退避させることができる。さらに、複雑な機械作業をする部材及び作業が必要ないので熱転写機200の製造が短時間作業で済む。したがって、これによれば、高生産性、及び製品の高品質を確保することができる。
より具体的には、四辺リンク80は、一対の上下元リンク支軸87,87と、上下元リンク支軸87を連結中継点とする横方向に設けた連結部85,86,88とを備えるので、加熱加圧板50の上下動に伴って先リンク82が上下動することにより上下元リンク支軸87の連結中継点部が先リンク側及び元リンク側へ移動可能となる。したがって、被転写物への加熱の際の加熱加圧板50の回動を防止でき、被転写物への転写図柄等が二重に転写されるということを防止することができる。
(実施例3)
他の実施例について、図11〜13を参照して説明する。図11は、他の四辺リンクを用いた熱転写機の例である。実施例2との相違点は、基部1と上下支軸2に固定された上下元リンク支軸187を有する元リンク181を備えており、四辺リンクの連結リンクが所定範囲で伸縮可能である点である。尚、上記実施例の熱転写機と同一部分については同様の符号を付して説明する。
熱転写機300は、四辺リンク180を備えている。四辺リンク180は、図11に示すように、元リンク181と、先リンク82と、所定範囲で伸縮可能な一対の連結リンク185,186とからなる。その所定範囲は、転写前のように加熱加圧板50が下降していない状態で最長となり、駆動機構140の駆動力により加熱加圧板50が下降する途中の状態で最短となる長さの範囲である。
図12は、加熱加圧板50の下降途中の四辺リンク180を側面からみた要部断面図である。なお、図12には、連結リンク185が表れ、他の連結リンク186は表れないが、同様の構成である。
連結リンク185,186は、伸縮する凸杆282と、凸杆282の先端部分を収納する凹杆281とから構成してある。凸杆282の所定位置にはストッパー(止当)部282aが設けてある。ストッパー部282aは、凹杆281から凸杆282の抜脱を防止するとともに最大伸長以上に伸長することを規制するものである。
また、凹杆281の内部には、バネ188を設けてある。これにより、連結リンク185,186が伸長する方向に付勢され、その弾発力に逆らう場合には連結リンク185,186が縮むようにしてある。さらに、凹杆281の所定位置には、軸受187,187を設けてある。
次に、熱転写機300を用いて、基部1周りに設けた二つの作業空間で昇華転写を行う場合の動作を図12及び13を参照して説明する。図13は、図12とは反対側からみた四辺リンク180の動作を示す側面図である。なお、図13には、連結リンク186が表れ、他の連結リンク185は表れないが、同様の構成である。
加熱加圧板50が下降する前の状態では、連結リンク185,186は、図13の実線で示すように、先リンク82が元リンク181より高くなった傾斜配置の状態である。また、加熱加圧板50が下降すると、鎖線で示すように、連結リンク185,186は、その位置から先リンク82が下がった状態となる。
これによれば、連結リンク185,186の両端に設けた球面継手83,84により、加熱加圧板50の上下左右の動作を阻害せず、滑らかな動きが実現される。以下、熱転写等を行うときの動作を説明する。
まず、実線で示す先リンク82が元リンク181より高い位置Aから、エアシリンダ41が駆動されピストン42のピストンロッドが垂直に下降する。そうすると、連結リンク185,186にバネ188の弾発力に逆らって縮小する方向に力が加わって連結リンク185,186が縮む。このとき、加熱加圧板50は垂直に下降している。
加熱加圧板50の下降が進むと、先リンク82と元リンク181とが同じ高さになる位置Bに移行する。この位置Bにおいては、連結リンク185,186は、両端が同一高さとなり、その結果全体長が最短長となる。
エアシリンダ41の駆動により下降がさらに進むと、加熱加圧板50がさらに垂直に下降する。その結果、連結リンク185,186が伸長する。このとき、加熱加圧板50が受け台61に当接し、受け台61上の被転写物に加熱をすることとなる。
例えば、加熱加圧板50は、180〜200℃に加熱されており、50〜200g/cmの範囲内、特に加熱加圧板50の自重相当程度あるいは100g/cmの圧力で、約1分間のタイマー経過後まで下降状態が維持される。これにより、実施例1、2と同様、加熱加圧板50で被転写物を受け台61へ緩く押圧し、昇華転写を行うことができる。
また、昇華転写の所定時間が経過した後、エアシリンダ41の駆動によりピストン42が速度調整された速度で上昇する。これにより、連結リンク185,186は下降と逆の動作をして先リンク側が上昇するようにされ、加熱加圧板50は水平状態で受け台61から瞬間的に上下動することなく滑らかに離間される。
熱転写機300によれば、四辺リンク180は、連結リンク185又は186が伸長する状態となるように付勢する弾性体188を備えているので、被転写物への加熱の際の加熱加圧板50の回動を防止でき、被転写物への転写図柄等が二重に転写されるということを防止することができる。
また、一対の連結リンク185,186に弾性体188を備えているので、それら連結リンク185,186が同じように付勢され最大伸長した状態で均衡が保たれ、被転写物への転写図柄等が二重に転写されるということをさらに防止することができる。
以上、本発明の熱転写機についての最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
例えば、上記実施例においては、回転体上部腕部の正面に加熱加圧板の下降用の一対のスイッチを取付けてあり、これが押されることで加熱加圧板が下降して熱転写等するようにしてあるが、何らこれに限定されるものではなく、例えば、タイマーを設けて回転体上部腕部が所定位置に移動した後所定時間後に加熱加圧板が下降するようにしても良い。
また、上記実施例においては、元リンクは、回転体上部腕部の回転基点と同一の位置関係となるよう回転基点を挟んで左右両側に設けてあるが、これに何ら限定されるものではなく、例えば、前記回転基点より先リンク側へ所定間隔離れた位置に設けてあっても良いし、前記回転基点を挟んで先リンクと反対側の位置に設けてあっても良い。
また、加熱加圧板を下降する手段としてエアシリンダを用いているが、この他に500g/cm以上の高圧力で加熱加圧板を駆動できるものであってもよい。また、加熱加圧板は、上記実施例の平板正方形、平板菱形に何ら限定されるものではなく、例えば、平板丸形、若しくは被転写物に合わせて立方体、直方体、ないしは円錐形などであっても良い。
さらに、上記実施例においては、基部周りに二つの作業空間を設けてあるが、何らこれに限定されるものではなく、例えば、受け台を1箇所に設けた一つの作業空間を設けたものであっても良いし、受け台を3箇所に設けた三つの作業空間を設けたものであっても良い。また、加熱加圧板の大きさによっては、4つ以上の複数箇所に作業空間を設けることも可能である。
本発明の熱転写機は、裏面に合成樹脂などの接着剤を塗布した布地を被接着物に加熱して接着したり、あるいは、染料や顔料により転写図柄等を熱転写することができ、特にアルミニウム、鉄、ポリエステル製の被転写物であれば、平面物立体物を問わず昇華転写をすることができ、作業効率が要請される熱転写の産業分野に用いることができる。
本発明の熱転写機の一実施例を示す斜視図である。 回転体上部腕部の回転状態を上方からみた様子を示す平面図である。 図2のA−A断面図である。 上記実施例の熱転写機の駆動機構機の機械的構造を示す要部断面図である。 上記実施例の受け台の水平度を調整する水平度調整機構を示す分解斜視図である。 上記実施例の回転範囲制限手段を示す斜視図であり、図6(a)は回転体上部腕部の回転範囲を所定範囲に制限する前の状態を示す図であり、図6(b)は回転範囲制限手段により回転体上部腕部の回転範囲を所定範囲に制限した状態を示す図である。 駆動機構の制御回路図を示すブロック図である。 実施例2の熱転写機を示す斜視図である。 実施例2の熱転写機の駆動機構の機械的構造を示す要部断面図である。 回転体上部腕部の回転及び加熱加圧板の向きの規制状態を上方からみた様子を示す平面図である。 実施例3の熱転写機を示す斜視図である。 実施例3の水平状態の四辺リンクを側面からみた要部断面図である。 実施例3の連結リンクの動作を示す側面図である。 従来の熱転写機を示す平面図である。
符号の説明
1 基部
2 上下支軸
10 回転体上下方向骨組
20 回転体上部腕部
30 回転体下部腕部
31,32 上方移動防止手段
40,140 駆動機構
41 エアシリンダ
42 ピストン
141 第1のエアレギュレータ
142 電磁弁
144 第2のエアレギュレータ
145 制御弁
145a チェック弁
145b 絞り弁
50 加熱加圧板
60 受け台支持部
61 受け台
62,63,64,65 水平度調整機構
70 回転範囲制限手段
80,180 四辺リンク
81 元リンク
82 先リンク
83,84 球面継手
85,86,185,186 一対の連結リンク
87 上下元リンク支軸
88 連結部
188,281,282 伸縮部
100,200,300 熱転写機

Claims (9)

  1. 基部に上下方向に立設した上下支軸を中心軸として回転可能に設けた回転体上下方向骨組と、
    前記回転体上下方向骨組の上端部から横方向に延設した回転体上部腕部と、
    前記回転体上部腕部の前記回転体上下方向骨組の上端部から離間した部分に保持された加熱加圧板と、
    前記基部に前記加熱加圧板に対して対向する位置に設けられ被転写物及び転写図柄が載置される複数の受け台をそれぞれ支持する複数の受け台支持部と、
    前記受け台上の被転写物に転写図柄を熱転写するように前記加熱加圧板を前記受け台支持部に対して上下方向に移動させる駆動機構と、
    前記回転体上下方向骨組の下端部から横方向に延設した回転体下部腕部であって、前記上下支軸を中心軸とした回転に伴い前記受け台支持部に連結して前記駆動機構により発生した駆動力を前記受け台支持部へ伝達するようにした回転体下部腕部と、
    を備えていることを特徴とする熱転写機。
  2. 回転体下部腕部が、駆動機構の駆動力によって上方へ移動することを防止する上方移動防止手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の熱転写機。
  3. 基部上にて回転体上部腕部の回転基点側に設けた元リンクと、該元リンクと同一長さで加熱加圧板側に設けた先リンクと、該元リンクと該先リンクとを連結する一対の連結リンクとからなる四辺リンクを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写機。
  4. 連結リンクは、両端部にそれぞれ球面継手を設けて元リンクと先リンクとに連結すると共に、加熱加圧板の上下動に伴って伸長する状態となるように付勢する伸縮部を備えていることを特徴とする請求項3記載の熱転写機。
  5. 基部に上下方向に立設した一対の上下元リンク支軸と、該上下元リンク支軸を連結中継点とする横方向に設けた連結部であって、一方端が球面継手を介して先リンクに連結されると共に他方端が上下支軸に連結される連結部とを備えることにより、加熱加圧板の上下動に伴って該上下元リンク支軸の連結中継点部が先リンク側へ移動可能となるようにしたことを特徴とする請求項3記載の熱転写機。
  6. 受け台支持部は、受け台の水平度を調整する水平度調整機構を備えていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の熱転写機。
  7. 回転体上部腕部の回転範囲を所定範囲に制限する回転範囲制限手段を備えていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の熱転写機。
  8. 駆動機構は、エア供給源近傍で任意の圧力に設定する第1のエアレギュレータと、該第1のエアレギュレータの下流に配置されエアの経路を2方向に分ける電磁弁と、2方向に分けられた経路の一方に配置され前記第1のエアレギュレータよりも低い圧力に設定する第2のエアレギュレータと、該第2のエアレギュレータからの経路と前記2方向に分けられた経路の他方とにそれぞれ供給されるエアにより作動するエアシリンダとを備えたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の熱転写機。
  9. 2方向に分けられた経路の他方に配置された絞り弁と、電磁弁の切換によってエア供給側になったときに順方向になるように該絞り弁に対して並列に接続したチェック弁とからなる制御弁を更に備えていることを特徴とする請求項8記載の熱転写機。
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