JP2008045655A - Drum brake device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ブレーキシューの位置を摩耗に応じて調整する自動隙間調整装置を有したドラムブレーキ装置に関するもので、特に、車両への組付け作業を容易にできると同時に、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にできるための改良に関する。 The present invention relates to a drum brake device having an automatic gap adjustment device that adjusts the position of a brake shoe according to wear. In particular, the present invention can facilitate the assembly work to the vehicle and at the same time after the assembly to the vehicle. The present invention relates to an improvement for easily adjusting a gap between a drum and a brake shoe.
従来、車両の走行を制動するために種々の形式のドラムブレーキ装置が用いられているが、これらのドラムブレーキ装置は、略円筒状のドラムの内周面に押圧されるブレーキシューの配置によって、リーディングトレーリング式やツーリーディング式、若しくはデュオサーボ式等に分類される。 Conventionally, various types of drum brake devices have been used to brake the running of the vehicle, but these drum brake devices are arranged according to the arrangement of brake shoes pressed against the inner peripheral surface of a substantially cylindrical drum. It is classified as a reading trailing type, a two reading type, or a duo servo type.
自動車に搭載されるドラムブレーキ装置の場合は、上記のいずれの形式にせよ、通常、ドラム内空間に対向配置された一対のブレーキシューの非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシューの摩耗によって増大しないように、各ブレーキシューの位置を各ブレーキシューの摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置が組み込まれる。 In the case of a drum brake device mounted on an automobile, the gap between the pair of brake shoes arranged opposite to the drum inner space when the brakes are not braked is usually in each brake shoe, regardless of which type is used. In order not to increase due to wear, an automatic gap adjusting device for automatically adjusting the position of each brake shoe according to the wear of each brake shoe is incorporated.
従来の自動隙間調整装置は、一度の制動動作時に調整できるブレーキシューの送り量を微量に制限したマイクロアジャスタ方式のもの(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)と、一度の制動動作でブレーキシューとドラムの間の隙間を基準値に一気に調整するワンショットアジャスタ方式のもの(例えば、特許文献3、又は特許文献4、又は特許文献5参照)とに、大別することができる。
Conventional automatic gap adjustment devices include a micro-adjuster system that limits the amount of brake shoe feed that can be adjusted during a single braking operation (see, for example,
ところが、従来のマイクロアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置は、車両への組み付け作業を容易にするために、車両組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していると、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、多数回のブレーキペダル操作を繰り返す必要が生じ、車両組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整に手間がかかるという問題があった。
また、この問題を解消するため、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を小さくすると、車両への組付け作業が困難になるという問題が生じた。
However, a drum brake device equipped with a conventional micro-adjuster type automatic clearance adjustment device sets a large initial clearance between the drum and the brake shoe when the vehicle is assembled in order to facilitate the assembly work to the vehicle. After installation, it is necessary to repeat the brake pedal operation many times to adjust the gap between the drum and the brake shoe to an appropriate gap, and the gap between the drum and the brake shoe after the vehicle is assembled. There is a problem that adjustment takes time.
Further, in order to solve this problem, if the initial gap between the drum and the brake shoe during assembly to the vehicle is made small, the assembly operation to the vehicle becomes difficult.
一方、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合は、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回または少数回のブレーキペダル操作を繰り返すだけで良い。従って、車両への組付け性を向上させると同時に、組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
ところが、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置の場合は、例えば、過大なブレーキ力によってドラムが変形し、そのドラムの変形によってブレーキシューの可動域が一時的に増大したような場合でも、その可動域を含めて一気にブレーキシューの位置調整が実施されてしまうため、非制動時に確保すべきドラムとブレーキシューとの間の隙間が適正隙間以下となるオーバーアジャストが発生し、ブレーキシューの引き摺りを招く虞があった。
On the other hand, in the case of a drum brake device equipped with a conventional one-shot adjuster type automatic gap adjustment device, even if the initial clearance between the drum and the brake shoe is set large when assembled to the vehicle, In order to adjust the gap between the drum and the brake shoe to an appropriate gap, only one or a few brake pedal operations are repeated. Therefore, the assembly to the vehicle can be improved, and at the same time, the adjustment of the gap between the assembled drum and the brake shoe can be simplified.
However, in the case of the conventional one-shot adjuster type automatic gap adjusting device, for example, when the drum is deformed by an excessive braking force and the range of motion of the brake shoe temporarily increases due to the deformation of the drum, Since the position of the brake shoe is adjusted all at once, including the range of motion, over-adjustment occurs where the gap between the drum and the brake shoe to be secured during non-braking is less than or equal to the appropriate gap, and the brake shoe is dragged. There was a risk of inviting.
そこで、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置における問題点を解消するドラムブレーキ装置として、図15乃至図18に示すドラムブレーキ装置100が提案されている。 Accordingly, a drum brake device 100 shown in FIGS. 15 to 18 has been proposed as a drum brake device that solves the problems in the conventional one-shot adjuster type automatic gap adjusting device.
ここに示したドラムブレーキ装置100は、下記特許文献6に開示されたもので、図示せぬ略円筒形のドラム内の空間に対向配備される一対のブレーキシュー3,4と、一対のブレーキシュー3,4の一方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4をドラムに押圧するシュー操作力を発生するホイールシリンダ6と、一対のブレーキシュー3,4の他方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4のブレーキ力を受けるアンカー部材7と、これらの構成部材を支持するバッキングプレート9と、一対のブレーキシュー3,4の非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシュー3,4の摩耗によって増大しないように、各ブレーキシュー3,4の位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置10と、ブレーキシュー3にピン11aを介して回動自在に結合されて駐車時に回動操作により一対のブレーキシュー3,4を拡開して制動力を発生させるパーキングレバー11とを備えている。
なお、図示せぬドラムは、バッキングプレート9と同心で、車両の前進時には図15の矢印R方向に回転する。
The drum brake device 100 shown here is disclosed in
The drum (not shown) is concentric with the
以上のブレーキシュー3,4は、ドラムの内周に向かって移動可能に、シュー支持機構14によりバッキングプレート9に取り付けられている。
各ブレーキシュー3,4のホイールシリンダ6側の端部は、シュートゥシュースプリング15によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がホイールシリンダ6のピストンに当接した状態に維持されている。
また、各ブレーキシュー3,4のアンカー部材7側の端部は、アンカースプリング16によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がアンカー部材7に当接した状態に維持されている。
The
The ends of the
The ends of the
自動隙間調整装置10は、図16にも示すように、パーキングレバー11を介して一方のブレーキシュー3を位置決めする当接部21aが一端に設けられると共に他端に第1の歯部21bが設けられたストラット21と、当接部21aがパーキングレバー11に当接した状態を維持するようにストラット21の一端を一方のブレーキシュー3側に付勢する第1の引張りばね23と、ストラット21の他端に回転自在かつ当該ストラット21の長手方向に移動可能に支持されると共に、第1の歯部21bに噛合する第2の歯部25aと他方のブレーキシュー4のウェブ4aに形成された係合孔26内に遊嵌する係合腕部25bとを備えたアジャスタギヤ25と、第2の歯部25aが第1の歯部21bに噛合する方向にアジャスタギヤ25とストラット21との間に第1の引張りばね23よりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばね27と、制動時にホイールシリンダ6からの操作力が所定以上となるときに、アジャスタギヤ25の回動を規制することで過調整を防止するオーバーアジャスト防止手段29と、を備えている。
As shown in FIG. 16, the automatic
アジャスタギヤ25は、ストラット21の他端側を挿通する支持ピン31により、ストラット21に回転自在に支持されている。また、支持ピン31が挿通するストラット21上の取付穴は、ストラット21の長手方向に長い長穴に形成されており、これにより、アジャスタギヤ25がストラット21の長手方向に移動可能になっている。
アジャスタギヤ25がストラット21の長手方向に沿って移動可能に取り付けられていることで、アジャスタギヤ25は、図16に示すように第2の歯部25aが第1の歯部21bに噛合した噛合状態から、第2の引張りばね27の引張力に抗してドラム内周面33側に移動して、噛合が解除された状態に移行できる。
The
Since the
以上のドラムブレーキ装置100では、制動時には、ホイールシリンダ6のピストンが各ブレーキシュー3,4の端部を押すことで、各ブレーキシュー3,4が拡開し、各ブレーキシュー3,4の外周面に装備されたライニング3b,4bがドラム内周面33(図16参照)に押圧されて制動力を発生する。
In the drum brake device 100 described above, at the time of braking, the piston of the
図16に示すように、非制動時におけるドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間s1が所定以下で、係合孔26に遊嵌している係合腕部25bと係合孔26の内端縁との間の隙間s2よりも小さい場合には、ブレーキシュー4がドラム内周面33に押圧される拡開動作時に、係合孔26の内端縁が係合腕部25bに接触することはなく、アジャスタギヤ25は第2の引張りばね27の付勢力により第2の歯部25aが第1の歯部21bに係合した状態を維持している。従って、ドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間s1の調整はなされない。
As shown in FIG. 16, the gap s1 between the drum inner
一方、各ライニング3b,4bの摩耗によって、ドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間s1が係合腕部25bと係合孔26の内端縁との間の隙間s2よりも大きくなると、ブレーキシュー4がドラム内周面33に押圧される拡開動作時に、係合孔26の内端縁が係合腕部25をドラム内周面33側に押す。これにより、アジャスタギヤ25はストラット21上をドラム内周面33側に移動して、第2の歯部25aと第1の歯部21bとの噛合が外れた状態になる。また、係合孔26の内端縁から係合腕部25に作用する押圧力で、アジャスタギヤ25は支持ピン31を中心に、ストラット21上を図16の矢印B方向に回動する。このアジャスタギヤ25の回動により、第1の歯部21bに噛合する第2の歯部25aの位置が変わり、第1の歯部21bから係合腕部25bの先端までの距離L1が増大するため、ストラット21及びアジャスタギヤ25により位置規制する一対のブレーキシュー3,4の離間距離が拡大され、ドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間s1が係合腕部25bと係合孔26の内端縁との間の隙間s2よりも小さい値に自動調整される。
On the other hand, due to wear of the
以上の自動隙間調整装置10では、ストラット21及びアジャスタギヤ25を介したブレーキシュー3,4間の離間距離の調整は、各ブレーキシュー3,4がドラムの内周面に接触するまでの移動動作に連動して一気に行われるため、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合と同様に、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシュー3,4との間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシュー3,4との間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回のブレーキペダル操作を実行するだけで良い。従って、車両への組み付け時の初期隙間を大きく設定しておいて、車両への組付け性を向上させることができ、且つ、車両への組み付け後のドラムとブレーキシュー3,4との間の隙間調整を簡単にすることができる。
In the automatic
自動隙間調整装置10に装備したオーバーアジャスト防止手段29は、係合孔26に連通しかつドラム内周面33から遠ざかるようにストラット21の長手方向に沿って延出する逃げ孔35と、ホイールシリンダ6の中間部に追加装備された側部ピストン6aとから構成されている。
The over-adjustment preventing
側部ピストン6aは、図17に示すように、制動時にホイールシリンダ6から各ブレーキシュー3,4への操作力が所定以上になるとき(即ち、ホイールシリンダ6内の液圧が所定以上になるとき)、内部に装備された引張りばね6bに抗して進出するピストンである。
As shown in FIG. 17, the
この側部ピストン6aは、ホイールシリンダ6内の液圧が所定以上になって進出すると、図18に示すように、ストラット21を押圧して、係合孔26に嵌合している係合腕部25bを逃げ孔35に移動させる。逃げ孔35は、係合孔26と比較して、内端縁がドラム内周面33から遠ざかる方向に延長されているため、ブレーキシュー4の移動量が大きくても、逃げ孔35の内端縁が係合腕部25bを押すことがなく、アジャスタギヤ25の回動による隙間調整動作は生じない。
When the hydraulic pressure in the
即ち、上記自動隙間調整装置10では、例えば、高速走行中に急ブレーキを掛けた時のように過大なブレーキ力によってドラムが変形するような事態が生じても、その時には、オーバーアジャスト防止手段29が作動するため、ドラムの変形にブレーキシューが追従するようなアジャスト動作は生じない。従って、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することができる。
That is, in the automatic
ところが、特許文献6に開示されたオーバーアジャスト防止手段29では、側部ピストン6aの装備のために、ホイールシリンダ6の構造が複雑化して大型化したり、あるいは、側部ピストン6aの作動によってホイールシリンダ6内の容積が変化し、その側部ピストン6aの作動に伴うホイールシリンダ6内の液量の変化のために、制動途中で制動力が変動する虞があった。
また、図18に示すように、制動解除時には、側部ピストン6aによって変位したストラット21を元の位置に戻すリターンスプリング37が必要になり、部品点数の増加が、コストアップを招くという問題もあった。
However, in the over-adjustment prevention means 29 disclosed in
Further, as shown in FIG. 18, when releasing the brake, a return spring 37 is required to return the
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、車両への組付け作業を容易にできると同時に、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にでき、且つ、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもでき、更に、ホイールシリンダの構造の単純化による小型化を実現すると同時に、制動時のホイールシリンダ内における液量の変化を抑止するドラムブレーキ装置を提供することにある。 Therefore, the object of the present invention is to solve the above-mentioned problems, and it is possible to facilitate the assembly work to the vehicle, and at the same time, to easily adjust the gap between the drum and the brake shoe after the assembly to the vehicle, In addition, it is possible to prevent the occurrence of over-adjustment that causes dragging of the brake shoes, and further, downsizing by simplifying the structure of the wheel cylinder and at the same time suppressing changes in the fluid amount in the wheel cylinder during braking. It is to provide a drum brake device.
上記目的は下記構成により達成される。
(1) ドラム内空間に配置された一対のブレーキシューの位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置を備えるドラムブレーキ装置であって、
前記自動隙間調整装置が、一端に一方のブレーキシューに当接するシュー当接部が設けられると共に他端に第1の歯部が設けられたストラットと、
前記シュー当接部が前記ブレーキシューに当接した状態を維持するように前記ストラットを付勢する第1の引張りばねと、
前記ストラットの他端に回転自在かつストラットの長手方向に移動可能に支持されると共に、前記第1の歯部に噛合する第2の歯部と他方のブレーキシューに形成された係合孔内に遊嵌する係合腕部とを備えて、前記他方のブレーキシューが所定以上に拡開方向に移動する時に前記係合孔の内端縁に前記係合腕部が押されることで前記ストラット上を回動可能なアジャスタギヤと、
前記第2の歯部が前記第1の歯部に噛合する方向に前記第1の引張りばねよりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばねと、
制動時にホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときに、前記アジャスタギヤの回動を規制するオーバーアジャスト防止手段と、を備え、
前記オーバーアジャスト防止手段は、前記ホイールシリンダのピストンと他方のブレーキシューの端部との間に介在するレバー部材であり、
前記レバー部材は、基端が前記ホイールシリンダの操作力作用点よりも径方向外側となる位置で前記他方のブレーキシューに回転自在に支持されると共に、中間部には前記ホイールシリンダからの操作力を受ける操作力受け部が設けられ、先端には前記ストラットに係合して前記ホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときに回動して前記ストラットを前記第1の引張りばねの付勢力に抗して前記アジャスタギヤ側に移動させて前記第1の歯部と第2の歯部との噛合状態を堅持するストラット操作部が設けられたことを特徴とするドラムブレーキ装置。
The above object is achieved by the following configuration.
(1) A drum brake device including an automatic gap adjustment device that automatically adjusts the position of a pair of brake shoes arranged in a drum inner space according to wear,
The automatic gap adjusting device includes a strut provided with a shoe contact portion that contacts one brake shoe at one end and a first tooth portion at the other end,
A first tension spring that biases the strut so as to maintain the shoe contact portion in contact with the brake shoe;
The other end of the strut is supported so as to be rotatable and movable in the longitudinal direction of the strut, and in a second tooth portion meshing with the first tooth portion and an engagement hole formed in the other brake shoe. An engaging arm portion that loosely fits, and when the other brake shoe moves more than a predetermined amount in the expanding direction, the engaging arm portion is pushed against the inner end edge of the engaging hole to An adjuster gear that can rotate,
A second tension spring that applies a weaker tensile force than the first tension spring in a direction in which the second tooth portion meshes with the first tooth portion;
Over-adjustment preventing means for restricting the rotation of the adjuster gear when the operating force from the wheel cylinder is greater than or equal to a predetermined value during braking,
The over-adjustment prevention means is a lever member interposed between the piston of the wheel cylinder and the end of the other brake shoe,
The lever member is rotatably supported by the other brake shoe at a position where the base end is radially outward from the operating force acting point of the wheel cylinder, and an operating force from the wheel cylinder is provided at an intermediate portion. An operating force receiving portion for receiving the first tension spring is provided. The front end engages with the strut and rotates when the operating force from the wheel cylinder exceeds a predetermined value. A drum brake device, further comprising a strut operating portion that is moved to the adjuster gear side to keep the meshing state between the first tooth portion and the second tooth portion.
(2) 上記(1)において、前記レバー部材は、前記他方のブレーキシューのウェブを挟む一対の折曲げ片を有することを特徴とするドラムブレーキ装置。 (2) The drum brake device according to (1), wherein the lever member includes a pair of bent pieces that sandwich a web of the other brake shoe.
上記(1)に記載のドラムブレーキ装置では、各ブレーキシューのライニングの摩耗によって、ドラム内周面と各ライニングとの間の隙間が係合腕部と係合孔の内端縁との間の隙間よりも大きくなると、他方のブレーキシューがドラム内周面に押圧される拡開動作時に、係合孔の内端縁が係合腕部をドラム内周面側に押す。これにより、アジャスタギヤはストラット上をドラム内周面側に移動して、第2の歯部と第1の歯部との噛合が外れた状態になり、係合孔の内端縁から係合腕部に作用する押圧力で、アジャスタギヤはストラット上を回動する。このアジャスタギヤの回動により、第2の歯部と第1の歯部との噛合位置が変わることで、ストラット及びアジャスタギヤを介した一対のブレーキシュー間の離間距離の調整がなされ、ドラム内周面と各ライニングとの間の隙間が所定寸法以下に維持される。 In the drum brake device described in (1) above, a gap between the drum inner peripheral surface and each lining is formed between the engagement arm portion and the inner end edge of the engagement hole due to wear of the lining of each brake shoe. When the clearance is larger than the gap, the inner edge of the engagement hole pushes the engagement arm portion toward the drum inner peripheral surface during the expanding operation in which the other brake shoe is pressed against the drum inner peripheral surface. As a result, the adjuster gear moves on the drum inner peripheral surface side on the strut, and the engagement between the second tooth portion and the first tooth portion is disengaged from the inner end edge of the engagement hole. The adjuster gear rotates on the strut by the pressing force acting on the arm portion. By the rotation of the adjuster gear, the engagement position between the second tooth portion and the first tooth portion is changed to adjust the separation distance between the pair of brake shoes via the strut and the adjuster gear. The gap between the peripheral surface and each lining is maintained below a predetermined dimension.
そして、本発明に係る自動隙間調整装置のオーバーアジャスト防止手段は、ホイールシリンダと他方のブレーキシューとの間に回動可能に介在させたレバー部材によって、ストラットをアジャスタギヤ側に移動させることで、アジャスタギヤの回動を規制する構成で、側部ピストンの追加等のホイールシリンダの改良が必要ないため、ホイールシリンダの構造の単純化により、装置の小型化を実現することができる。 And the over-adjustment preventing means of the automatic gap adjusting device according to the present invention moves the strut to the adjuster gear side by a lever member that is rotatably interposed between the wheel cylinder and the other brake shoe. Since the rotation of the adjuster gear is restricted and no improvement of the wheel cylinder such as addition of a side piston is required, the size of the apparatus can be reduced by simplifying the structure of the wheel cylinder.
上記(2)に記載のドラムブレーキ装置では、オーバーアジャスト防止手段に使用するレバー部材は、一対の折曲げ片により他方のブレーキシューのウェブを挟む構成で、組み立て時に脱落等が起こり難く、ブレーキ装置の組立性を向上させることができる。 In the drum brake device according to the above (2), the lever member used for the over-adjustment prevention means is configured such that the web of the other brake shoe is sandwiched between the pair of bent pieces, so that it is difficult for the lever member to fall off during assembly. Assembling property can be improved.
以下、本発明に係るドラムブレーキ装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るドラムブレーキ装置の第1の実施の形態の正面図、図2は図1に示したドラムブレーキ装置の斜視図、図3は図1に示した一対のブレーキシューと自動隙間調整装置とを部分組み立てした状態の斜視図、図4は図3に示した自動隙間調整装置と一対のブレーキシューとの位置関係を示す拡大正面図である。
DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of a drum brake device according to the invention will be described in detail with reference to the drawings.
1 is a front view of a drum brake device according to a first embodiment of the present invention, FIG. 2 is a perspective view of the drum brake device shown in FIG. 1, and FIG. 3 is a pair of brake shoes shown in FIG. FIG. 4 is an enlarged front view showing a positional relationship between the automatic gap adjusting device shown in FIG. 3 and a pair of brake shoes.
この第1の実施の形態のドラムブレーキ装置200は、図示せぬ略円筒形のドラム内の空間に対向配備される一対のブレーキシュー3,4と、これらの一対のブレーキシュー3,4の一方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4をドラムに押圧するシュー操作力を発生するホイールシリンダ5と、一対のブレーキシュー3,4の他方の対向端側に配設されて各ブレーキシュー3,4のブレーキ力を受けるアンカー部材7と、これらの構成部材を支持するバッキングプレート9と、一対のブレーキシュー3,4の非制動時におけるドラムとの間の隙間が各ブレーキシュー3,4の摩耗によって増大しないように、各ブレーキシュー3,4の位置を摩耗に応じて自動調整する自動隙間調整装置201と、ブレーキシュー4にピン11aを介して回動自在に結合されて駐車時に回動操作により一対のブレーキシュー3,4を拡開して制動力を発生させるパーキングレバー11とを備えている。
なお、図示せぬドラムは、バッキングプレート9と同心で、車両の前進時には図1の矢印R方向に回転する。
The
A drum (not shown) is concentric with the
ブレーキシュー3,4は、それぞれのウェブ3a,4aに貫通形成された取付穴3c,4c(図3参照)に装着されるシュー支持軸14により、ドラムの内周に向かって移動可能にバッキングプレート9に取り付けられている。
各ブレーキシュー3,4のホイールシリンダ5側の端部は、シュートゥシュースプリング15によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がホイールシリンダ5のピストンに当接した状態に維持されている。
また、各ブレーキシュー3,4のアンカー部材7側の端部は、アンカースプリング16によってそれぞれのシューの端部が互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されて、それぞれのシューの端部がアンカー部材7に当接した状態に維持されている。
The
The ends of the
The ends of the
パーキングレバー11をブレーキシュー4に連結するピン11aは、該ピン11aに嵌合するクリップ(止め輪)12により、抜け止めされている。
The
本実施の形態の自動隙間調整装置201は、図4〜図7に示すように、一方のブレーキシュー4のストラット係合部4dに当接して該ブレーキシュー4を位置決めするシュー当接部41aが一端に設けられると共に他端に第1の歯部41bが設けられたストラット41と、シュー当接部41aがストラット係合部4dに当接した状態を維持するようにストラット41の一端を一方のブレーキシュー4側に付勢する第1の引張りばね43と、第1の歯部41bに噛合する第2の歯部45aと他方のブレーキシュー3のウェブ3aに形成された係合孔47内に遊嵌する係合腕部45bとを備えたアジャスタギヤ45と、第2の歯部45aが第1の歯部41bに噛合する方向にアジャスタギヤ45とストラット41との間に第1の引張りばね43よりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばね48と、制動時にホイールシリンダ5からの操作力が所定以上となるときに、アジャスタギヤ45の回動を規制することで過調整を防止するオーバーアジャスト防止手段51と、を備えている。
As shown in FIGS. 4 to 7, the automatic
ストラット41の一端には、図6及び図7に示すように、シュー当接部41aに連続して、パーキングレバー11が当接するレバー当接部41cが形成されている。
パーキングレバー11は、不図示のケーブルから伝達される牽引力で、ピン11aを中心に図3の矢印X方向に回動して、ストラット41をブレーキシュー3側に押圧変位させることで、一対のブレーキシュー3,4を拡開させて、制動力を発生させる。
As shown in FIGS. 6 and 7, a
The
ストラット41は、図7及び図14に示すように、一対のブレーキシュー3,4の対向方向に沿って細長いスティック状の板材である。このストラット41の他端側は、先端に第1の歯部41bが形成された第1腕部411と、この第1腕部411と略平行で第1腕部411よりも先方まで延出した第2腕部412との2本の腕部に分岐している。そして、第2腕部412の先端側には、ストラット41の長手方向に細い長穴413が形成されている。
As shown in FIGS. 7 and 14, the
アジャスタギヤ45は、第2腕部412の長穴413に嵌合する円柱状のピン451により、ストラット41の他端に回転自在かつストラット41の長手方向に移動可能に支持されている。
このアジャスタギヤ45の係合腕部45bが遊嵌するブレーキシュー3の係合孔47は、ホイールシリンダ5の操作力でブレーキシュー3が拡開された場合に、当該ブレーキシュー3のライニング3bの摩耗が少なくてブレーキシュー3がドラム内周面に押圧されるまでの変位量が規定量以下のときには、係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bに接触しないように、寸法が設定されている。
The
The
ブレーキシュー3のライニング3bの摩耗が進行して、ホイールシリンダ5の操作力でブレーキシュー3が拡開された場合に、ブレーキシュー3がドラム内周面に押圧されるまでの変位量が規定量以上になる場合には、変位するブレーキシュー3の係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bを押す。
この係合孔47の内端縁47aによって係合腕部45bが押されると、アジャスタギヤ45が長穴413に沿って移動することで、図9に示すように第2の引張りばね48の付勢力で第2の歯部45aが第1の歯部41bに噛合している状態から、図8に示すようにこれらの歯部45a,41bの噛合が解除された状態になる。
When wear of the
When the
そして、さらに噛合が解除された状態で内端縁47aからの押圧力が係合腕部45bに作用すると、図8に矢印Yで示すように、アジャスタギヤ45が回動する。このアジャスタギヤ45の回動により、第1の歯部41bから係合腕部45bの先端までの距離L2が増大するため、ストラット41及びアジャスタギヤ45により位置規制する一対のブレーキシュー3,4の離間距離が拡大され、ドラム内周面33と各ライニング3b,4bとの間の隙間が非制動時における係合腕部45bと係合孔47の内端縁47aとの間の隙間よりも小さい値に自動調整される。
Then, when the pressing force from the
本実施の形態の場合、オーバーアジャスト防止手段51は、図2及び図3に示すように、ホイールシリンダ5のピストンと他方のブレーキシュー3の端部との間に挟持状態に介在するレバー部材である。
このオーバーアジャスト防止手段51としてのレバー部材(以下、単にレバー部材51と表記する)は、図4に示すように、基端51aがホイールシリンダ5の操作力作用点P1よりも外側となる位置でブレーキシュー3に回転自在に支持されると共に、中間部にはホイールシリンダ5からの操作力Wを受ける操作力受け部51bが設けられている。また、レバー部材51の先端には、ストラット41に係合してホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以上となるときに基端51a側を支点とした回動によりストラット41を第1の引張りばね43の付勢力に抗してアジャスタギヤ45側に移動させるストラット操作部51cが設けられている。このストラット操作部51cによる押圧により、第1の歯部41bと第2の歯部45aとの噛合状態が堅持される。
In the case of the present embodiment, the over-adjustment preventing means 51 is a lever member that is interposed between the piston of the
As shown in FIG. 4, the lever member as the over-adjustment preventing means 51 (hereinafter simply referred to as the lever member 51) is located at a position where the
本実施の形態のレバー部材51は、金属板のプレス成形により形成されている。図3〜図5に示すように、レバー部材51の基端51aは、ウェブ3aに直行する板状で、ウェブ3aに形成された切り欠き溝53に遊嵌することで、ウェブ3aに取り付けられる。操作力受け部51bは、基端51aの端縁からストラット41側に延出した中間板51d上に設定されている。中間板51dと基端51aとの境界部51eは、所定の曲げRに加工されている。この境界部51eの曲げRは、切り欠き溝53の入り口部に連なるウェブ3aの突湾曲部54に被さり、レバー部材51の回動動作を円滑にする。
ストラット操作部51cは、ウェブ3aに平行で基端51a及び中間板51dの側縁に連なる板部51fの先端に形成した突起である。このストラット操作部51cは、ストラット41の第2腕部412上に突出形成された突起414に当接されている。
The
The
図4に示すように、ウェブ3aに回転自在に係合したレバー部材51の回動時接触点c1から操作力作用点P1までの距離をS1、回動時接触点c1からストラット操作部51cまでの距離をS2とすると、S1<S2となるように、板部51fの長さが設定されている。
更に、ホイールシリンダ5からの操作力Wが、所定以下の時、ストラット操作部51cが突起414を押す力Fは、ストラット41をブレーキシュー4側に付勢している第1の引張りばね43の付勢力よりも小さくなるように、レバー部材51の各部の寸法が設定されている。
As shown in FIG. 4, the distance from the contact point c1 during rotation of the
Further, when the operating force W from the
本実施の形態の場合、ホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以下、あるいは所定以上となる場合の閾値は、例えば高速走行中に急ブレーキをかけた場合のように、ドラム内周面への各ブレーキシュー3,4の押圧力が強すぎるために、ドラム内周面に変形が生じる時の操作力を意味している。
従って、ブレーキペダル操作の開始直後の各ブレーキシュー3,4がドラム内周面に接触するまでの各ブレーキシューの拡開動作時にホイールシリンダ5が出力する操作力や、通常の制動範囲で各ブレーキシュー3,4をドラム内周面に押圧する時にホイールシリンダ5が出力する操作力は、いずれも、所定以下となる。
In the case of the present embodiment, the threshold value when the operating force W from the
Accordingly, each
次に、制動時におけるレバー部材51の動作を、図4に基づいて説明する。
ホイールシリンダ5から操作力作用点P1に操作力Wが作用すると、ウェブ3aに対するレバー部材51の回動時接触点c1から各作用点までの距離S1,S2の比率に応じて、レバー部材51のストラット操作部51cにはストラット41上の突起414を押す力Fが発生する。
ホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以下の場合は、ストラット操作部51cからストラット41の突起414に作用する力Fが、第1の引張りばね43の引張力よりも小さいため、ストラット41は一端をブレーキシュー4に当接した状態を維持している。従って、レバー部材51のストラット操作部51cの位置は変位せず、ホイールシリンダ5からの操作力Wに応じて、基端51aがブレーキシュー3と共にドラム内周面側に変位する動作となる。
Next, the operation of the
When the operating force W is applied from the
When the operating force W from the
そして、急制動等で、操作力Wが所定以上になるときは、ストラット操作部51cからストラット41の突起414に作用する力Fが、第1の引張りばね43の引張力よりも大きくなるため、ストラット操作部51cからの力Fにより、ストラット41は第1の引張りばね43の引張力に抗して、アジャスタギヤ45側に移動させられる。このストラット41の移動により、図9に示すように、第1の歯部41bが第2の歯部45aに噛合した状態が堅持されて、係合孔47の内端縁47aにより係合腕部45bが押されてもアジャスタギヤ45が回転できない状態に保持される。
When the operating force W becomes greater than or equal to a predetermined value due to sudden braking or the like, the force F acting on the
以上に説明した第1の実施の形態のドラムブレーキ装置200では、各ブレーキシュー3,4のライニング3b,4bの摩耗によって、ドラム内周面と各ライニング3b,4bとの間の隙間が係合腕部45bと係合孔47の内端縁との間の隙間よりも大きくなると、他方のブレーキシュー3がドラム内周面に押圧される拡開動作時に、係合孔47の内端縁47aが係合腕部45bをドラム内周面側に押す。
これにより、アジャスタギヤ45はストラット41上をドラム内周面側に移動して、図8に示すように第2の歯部45aと第1の歯部41bとの噛合が外れた状態になり、係合孔47の内端縁47aから係合腕部45bに作用する押圧力で、アジャスタギヤ45はストラット41上を回動する。このアジャスタギヤ45の回動により、第2の歯部45aと第1の歯部41bとの噛合位置が変わることで、ストラット41及びアジャスタギヤ45を介した一対のブレーキシュー3,4間の離間距離の調整がなされ、ドラム内周面と各ライニング3b,4bとの間の隙間が所定寸法以下に維持される。
In the
As a result, the
本実施の形態のドラムブレーキ装置200において、このような自動隙間調整装置201の動作は、各ブレーキシュー3,4がドラムの内周面に接触するまでの移動動作に連動して一気に行われるため、従来のワンショットアジャスタ方式の自動隙間調整装置を搭載したドラムブレーキ装置の場合と同様に、車両への組み付け時におけるドラムとブレーキシューとの間の初期隙間を大きく設定していても、組み付け後に、ドラムとブレーキシューとの間の隙間を適正隙間に調整するのに、1回のブレーキペダル操作を実行するだけで良い。従って、車両への組み付け時の初期隙間を大きく設定しておいて、車両への組付け性を向上させることができ、且つ、車両への組み付け後のドラムとブレーキシューとの間の隙間調整を簡単にすることができる。
In the
また、制動時にホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以上となるときに、オーバーアジャスト防止手段51がアジャスタギヤ45の回動を規制することで過調整を防止するため、ブレーキシューの引き摺りを招くオーバーアジャストの発生を防止することもできる。
Further, when the operating force W from the
そして、本実施の形態の自動隙間調整装置201におけるオーバーアジャスト防止手段51は、ホイールシリンダ5と他方のブレーキシュー3との間に回動可能に介在させたレバー部材51によって、ストラット41をアジャスタギヤ45側に移動させることで、アジャスタギヤ45の回動を規制する構成で、側部ピストンの追加等のホイールシリンダの改良が必要ないため、ホイールシリンダ5の構造の単純化により、装置の小型化を実現することができる。
The over-adjustment preventing means 51 in the automatic
また、側部ピストンの追加等のホイールシリンダの改良が必要ないため、ホイールシリンダ内の容積の変動を抑止することができる。 Further, since it is not necessary to improve the wheel cylinder such as addition of a side piston, fluctuations in the volume in the wheel cylinder can be suppressed.
また、制動時に過調整防止のためにオーバーアジャスト防止手段51により移動させられたストラット41は、制動解除時には、第1の引張りばね43により元の位置に復帰するため、オーバーアジャスト防止手段51として復帰用の専用のばね部材を装備する必要がなく、部品点数の削減等により、ブレーキ装置の小型化やコストの低減を図ることができる。
In addition, the
なお、本発明に係るオーバーアジャスト防止手段としてのレバー部材の具体的な構造は、上記実施の形態に限らない。以下に説明する第2の実施の形態に示す構造とすることもできる。 The specific structure of the lever member as the over-adjustment preventing means according to the present invention is not limited to the above embodiment. The structure shown in the second embodiment described below can also be adopted.
図10〜図14は本発明の第2の実施の形態のドラムブレーキ装置300を示したもので、図10は本発明に係るドラムブレーキ装置の第2の実施の形態の正面図、図11は図10に示したドラムブレーキ装置の斜視図、図12は図10に示した自動隙間調整装置と一対のブレーキシューとの位置関係を示す拡大正面図、図13(a)は図12に示したレバー部材の斜視図、図13(b)は同正面図、図13(c)は同側面図、図14(a)は図11に示した自動隙間調整装置の斜め下方から見た斜視図、図14(a)(b)は同正面図、図14(a)(c)を同下面図である。
10 to 14 show a
この第2の実施の形態のドラムブレーキ装置300は、第1の実施の形態のドラムブレーキ装置200におけるレバー部材51の代わりに、レバー部材151を使用したもので、それ以外の構成は、第1の実施の形態のドラムブレーキ装置200と共通である。
共通の構成については、同番号を付して、説明を省略する。
以下、第2の実施の形態で採用したレバー部材151の構造を、図12及び図13に基づいて説明する。
この実施の形態において、自動隙間調整装置301に使用するレバー部材151も第1の実施の形態のものと同様に、基端151aがホイールシリンダ5の操作力作用点P1よりも径方向外側となる位置でブレーキシュー3に回転自在に支持されると共に、中間部にはホイールシリンダ5からの操作力Wを受ける操作力受け部151bが設けられている。また、レバー部材151の先端には、ストラット41に係合してホイールシリンダ5からの操作力Wが所定以上となるときに基端151a側を支点とした回動によりストラット41を第1の引張りばね43の付勢力に抗してアジャスタギヤ45側に移動させるストラット操作部151cが設けられている。このストラット操作部151cによる押圧により、第1の歯部41bと第2の歯部45aとの噛合状態が堅持される。
The
Common components are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted.
Hereinafter, the structure of the
In this embodiment, the
本実施の形態のレバー部材151も、第1の実施の形態のレバー部材51と同様に金属板のプレス成形により形成されている。
ただし、図13に示すように、本実施の形態のレバー部材151は、細長い板材をその中間部で折り曲げて、その折曲げ部を基端151aとしたもので、基端151aの両端から延出した一対の折曲げ片151eの先端が、ストラット41の突起414を押圧するストラット操作部151cとなっている。
レバー部材151は、図13(b)に示すように、基端151aをウェブ3aの切り欠き溝53に挿入することにより、ウェブ3aに回転自在に支持される。
その時、一対の折曲げ片151eは、ブレーキシュー3のウェブ3aを挟んで、ウェブ3aからの脱落を防止する。
Similarly to the
However, as shown in FIG. 13, the
As shown in FIG. 13B, the
At that time, the pair of
このレバー部材151の場合も、ウェブ3aに回転自在に係合したレバー部材151の回動時接触点c1から操作力作用点P1までの距離をS1、回動時接触点c1からストラット操作部151cまでの距離をS2とすると、S1<S2となるように、折曲げ片151eの長さが設定されている。
更に、ホイールシリンダ5からの操作力Wが、所定以下の時、ストラット操作部151cが突起414を押す力Fは、ストラット41をブレーキシュー4側に付勢している第1の引張りばね43の付勢力よりも小さくなるように、レバー部材151の各部の寸法が設定されている。
In the case of this
Further, when the operating force W from the
本実施の形態のレバー部材151を使用すると、例えば、プリアセンブリ等で、一対のブレーキシュー3,4に自動隙間調整装置301を組み付けた状態にするとき、ウェブ3aの切り欠き溝53に取り付けたレバー部材151は、一対の折曲げ片151eによりブレーキシュー3のウェブ3aを挟むため、組み立て時に脱落等が起こり難く、ブレーキ装置の組立性を向上させることができる。
When the
3,4 ブレーキシュー
3a,4a ウェブ
3b,4b ライニング
4d ストラット係合部
5 ホイールシリンダ
7 アンカー部材
9 バッキングプレート
11 パーキングレバー
15 シュートゥシュースプリング
16 アンカースプリング
41 ストラット
41a シュー当接部
41b 第1の歯部
41c レバー当接部
43 第1の引張りばね
45 アジャスタギヤ
45a 第2の歯部
45b 係合腕部
47 係合孔
47a 内端縁
48 第2の引張りばね
51 レバー部材(オーバーアジャスト防止手段)
51a 基端
51b 操作力受け部
51c ストラット操作部
53 切り欠き溝
151a 基端
151b 操作力受け部
151c ストラット操作部
151e 折曲げ片
200 ドラムブレーキ装置
201 自動隙間調整装置
300 ドラムブレーキ装置
301 自動隙間調整装置
413 長穴
414 突起
451 ピン
3, 4
Claims (2)
前記自動隙間調整装置が、一端に一方のブレーキシューに当接するシュー当接部が設けられると共に他端に第1の歯部が設けられたストラットと、
前記シュー当接部が前記ブレーキシューに当接した状態を維持するように前記ストラットを付勢する第1の引張りばねと、
前記ストラットの他端に回転自在かつストラットの長手方向に移動可能に支持されると共に、前記第1の歯部に噛合する第2の歯部と他方のブレーキシューに形成された係合孔内に遊嵌する係合腕部とを備えて、前記他方のブレーキシューが所定以上に拡開方向に移動する時に前記係合孔の内端縁に前記係合腕部が押されることで前記ストラット上を回動可能なアジャスタギヤと、
前記第2の歯部が前記第1の歯部に噛合する方向に前記第1の引張りばねよりも弱い引張力を作用させる第2の引張りばねと、
制動時にホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときに、前記アジャスタギヤの回動を規制するオーバーアジャスト防止手段と、を備え、
前記オーバーアジャスト防止手段は、前記ホイールシリンダのピストンと他方のブレーキシューの端部との間に介在するレバー部材であり、
前記レバー部材は、基端が前記ホイールシリンダの操作力作用点よりも径方向外側となる位置で前記他方のブレーキシューに回転自在に支持されると共に、中間部には前記ホイールシリンダからの操作力を受ける操作力受け部が設けられ、先端には前記ストラットに係合して前記ホイールシリンダからの操作力が所定以上となるときに回動して前記ストラットを前記第1の引張りばねの付勢力に抗して前記アジャスタギヤ側に移動させて前記第1の歯部と第2の歯部との噛合状態を堅持するストラット操作部が設けられたことを特徴とするドラムブレーキ装置。 A drum brake device including an automatic gap adjusting device that automatically adjusts the position of a pair of brake shoes arranged in the drum inner space according to wear,
The automatic gap adjusting device includes a strut provided with a shoe contact portion that contacts one brake shoe at one end and a first tooth portion at the other end,
A first tension spring that biases the strut so as to maintain the shoe contact portion in contact with the brake shoe;
The other end of the strut is supported so as to be rotatable and movable in the longitudinal direction of the strut, and in a second tooth portion meshing with the first tooth portion and an engagement hole formed in the other brake shoe. An engaging arm portion that loosely fits, and when the other brake shoe moves more than a predetermined amount in the expanding direction, the engaging arm portion is pushed against the inner end edge of the engaging hole to An adjuster gear that can rotate,
A second tension spring that applies a weaker tensile force than the first tension spring in a direction in which the second tooth portion meshes with the first tooth portion;
Over-adjustment preventing means for restricting the rotation of the adjuster gear when the operating force from the wheel cylinder is greater than or equal to a predetermined value during braking,
The over-adjustment prevention means is a lever member interposed between the piston of the wheel cylinder and the end of the other brake shoe,
The lever member is rotatably supported by the other brake shoe at a position where the base end is radially outward from the operating force acting point of the wheel cylinder, and an operating force from the wheel cylinder is provided at an intermediate portion. An operating force receiving portion for receiving the first tension spring is provided. The front end engages with the strut and rotates when the operating force from the wheel cylinder exceeds a predetermined value. A drum brake device, further comprising a strut operating portion that is moved to the adjuster gear side to keep the meshing state between the first tooth portion and the second tooth portion.
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