以下、本発明の実施の形態における電子棚札について、図面を参照しながら説明する。
<電子棚札の一般的な説明>
図1は、本実施の形態における電子棚札1を用いた電子棚札システムの構成を示したブロック図である。図1において、本実施の形態における電子棚札1を用いた電子棚札システムは、スーパーマーケットや小売店等の店舗で用いられるシステムであり、複数の電子棚札1と、棚札サーバ2、及び、携帯端末3で構成される。これらの内、電子棚札1と携帯端末3は、棚札サーバ2と無線で接続されている。
図2は、棚札サーバ2の構成を示したブロック図であり、図3は、携帯端末3の構成を示したブロック図である。図2において、棚札サーバ2は、CPU21、メモリ22、HDD23、無線通信部24、表示部25、及び、操作部26で構成されている。これらの各部は、CPU21に接続されたデータバスやアドレスバス等で構成される制御ライン27を介して、相互に接続されている。又、CPU21は、マイクロコンピュータで構成されており、メモリ22は、RAMやフラッシュメモリ等で構成されている。又、HDD23には、棚札サーバ2を制御するのに必要なOSや各種の処理プログラム等のソフトウエアが格納されており、CPU21は、このメモリに搭載されたソフトウエアにより、棚札サーバ2における各種の処理を行う。無線通信部は、外部との無線による交信を行う。
又、図3において、携帯端末3は、CPU31、メモリ32、無線通信部33、表示操作部34で構成されている。これらの各部は、棚札サーバ2と同様、CPU31に接続されたデータバスやアドレスバス等で構成される制御ライン35を介して、相互に接続されている。又、CPU31は、マイクロコンピュータで構成されており、メモリ32は、RAMやフラッシュメモリ等で構成されている。このメモリ32には、棚札サーバ2を制御するのに必要なOSや各種の処理プログラム等のソフトウエアが格納されており、CPU31は、このメモリ32に搭載されたソフトウエアにより、携帯端末3における各種の処理を行う。無線通信部33は、外部との無線による交信を行う。
図4は、スーパーマーケットや小売店等の店舗に設置される商品陳列台4の外観図であり、図5(a)は、この商品陳列台4の部分平面図、図5(b)は、その部分正面図、図5(c)は、その部分側面図である。この商品陳列台4には、複数の商品陳列棚5が水平に備えられており、この商品陳列棚5に商品が陳列される。又、図8は、本実施の形態における電子棚札1の外観図である。この電子棚札1は、図8に示すように、細長い帯状で、高さが商品陳列棚5の厚さと略同じであり、長さも商品陳列棚5の長さと略同じである。この電子棚札1は、商品陳列台4の商品陳列棚5の前端面5aに備えられている。
又、図4、図5に示すように、商品陳列台4は、通常、複数の商品陳列棚5を備えており、又、スーパーマーケットや小売店等の店舗には、通常、複数の商品陳列台4が備えられている。従って、本実施の形態における電子棚札1を用いた電子棚札システムでは、上述したように、複数の電子棚札1が用いられる。
上記の商品陳列棚5に複数の異なる商品が陳列される場合は、隣接して陳列される異なる商品間に、商品仕切板6が取付られる。即ち、この商品陳列棚5には、商品陳列棚5に形成される商品陳列空間を、商品陳列棚5の前端面5aに沿った方向に対して垂直な方向に仕切る商品仕切板6が取付られる。図6は、この商品仕切板6の外観図である。この商品仕切板6は、図4〜図6からわかるように、奥行が商品陳列棚5の奥行よりも少し長く、前端部の下端には前端突起6aが設けられ、後端部の下端には後端突起6bが設けられている。又、商品陳列棚5の後端部には、該商品陳列棚5の後端面に沿って、この後端面と平行な後端溝5bが設けられている。
上記の商品仕切板6は、次のようにして商品陳列棚5に取付けられる。即ち、商品仕切板6の後端突起6bを商品陳列棚5の後端溝5bに嵌入すると共に、該商品仕切板6の前端突起6aが、商品陳列棚5の前端面5aに備えられている電子棚札1の表面の上端縁付近を押圧するようにして、商品仕切板6を取付ける。この商品仕切板6は、商品陳列棚5に陳列される商品の種類や量に応じて、商品陳列棚5の任意の位置で着脱することができる。又、この商品仕切板6は、水平方向にスライドさせて移動させることにより、その取付位置を変更することができる。
上述したように、本実施の形態の電子棚札1は、商品陳列台4の商品陳列棚5の前端面5aに備えられており、この電子棚札1の表面には、後述するように、棚札部15が設けられている。そして、この棚札部15の表面には、この表面の上段側にタッチパネル17が、下段側にはLCD16が備えられており、後述するように、上段側のタッチパネル17で上記の商品仕切板6の取付位置を認識すると共に、下段側のLCD16に形成される表示エリアには、商品陳列棚5に陳列される商品情報が表示されるようになっている。
又、上記の表示エリアの境界には、後述するように、隣接する表示エリアとの間に境界線が形成される。そこで、商品陳列棚5に陳列される商品と、上記の表示エリアに表示される商品情報とが正確に対応するように、表示エリアの境界に形成されるこの境界線が、商品仕切板6の取付位置と一致するような後述する仕組が、本実施の形態の電子棚札1に採用されている。
図7は、本実施の形態における電子棚札1の構成を示したブロック図である。図7において、本実施の形態における電子棚札1は、CPU11、メモリ12、無線通信部13、表示操作部14、及び、棚札部15で構成されており、これらの各部は、CPU11に接続されたデータバスやアドレスバス等で構成される制御ライン18を介して、相互に接続されている。これらの内、棚札部15は、図8に示すように、電子棚札1の表面に形成されており、CPU11や、メモリ12、アンテナを含めた無線通信部13は、電子棚札1の内部に内蔵されている。
図7において、CPU11は、マイクロコンピュータで構成されている。メモリ12は、RAMやフラッシュメモリ等で構成されており、このメモリ12には、電子棚札1を制御するのに必要なOSや各種の処理プログラム等のソフトウエアが格納されている。CPU11は、このメモリ12に搭載されたソフトウエアにより、各種の処理を行う。
無線通信部13は、アンテナを備えており、棚札サーバ2との間で各種の情報の送受信を行う。又、無線通信部13は、この棚札サーバ2を介して間接的に携帯端末3との間で情報の送受信を行う。表示操作部14は、テンキー等のキーボードで構成されており、電子棚札1の制御に関する各種の設定等を行うのに用いられる。
棚札部15は、上述したように、電子棚札1の表面に設けられている。又、この棚札部15は、上述したように、LCD16とタッチパネル17とで構成されており、これらは、棚札部15の表面に備えられている。この棚札部15の表面は、上述したように、上段側と下段側とに分かれており、上段側に細長い帯状のタッチパネル17が設けられ、下段側には、タッチパネル17に比べて幅広のLCD16が設けられている。
上記のタッチパネル17は、水平方向の長さが1000mmであり、分解能が10mmである。このタッチパネル17は、このタッチパネル17の表面が押圧されると、押圧された地点の水平方向の座標値、即ち、X軸座標値が得られるデバイスである。上述したように、このタッチパネル17は、商品仕切板6の取付位置を認識する機能を備えているが、それは次のようにして行われる。
即ち、上述したように、商品仕切板6は、この商品仕切板6の前端突起6aで、商品陳列棚5の前端面5aに備えられている電子棚札1の表面の上端縁付近を押圧するようにして、商品陳列棚5に取付けられている。又、上記のタッチパネル17は、電子棚札1の表面に設けられている棚札部15の表面の上段側、即ち、棚札部15の上端縁付近に設けられている。そこで、このタッチパネル17の表面は、上記の商品仕切板6の前端突起6aにより押圧されるので、タッチパネル17からは、商品仕切板6により押圧された地点のX軸座標上の値が得られるのである。
又、上記のLCD16は、商品陳列棚5の前端面5aに沿った帯状の表示面を備えており、この表示面は、高さ100mm、水平方向の長さは、LCD16の長さと同じ1000mmである。又、この表示面には、上述したように、商品陳列棚5に陳列される商品の情報を表示する表示エリアが形成されると共に、隣接する表示エリア間には、境界線が形成される。LCD16の表示面におけるこの境界線の位置は、LCD16における水平方向の位置の座標値、即ち、X軸座標値を指定することにより定まる。上記の境界線は、表示エリアの境界を示すものであることから、LCD16における上記のX軸座標上の値を指定することにより、表示エリアの境界の位置を指定することにもなる。
この境界線は、上述したように、商品仕切板6の取付位置と一致するように形成されるが、これは、上記のタッチパネル17から得られる商品仕切板6により押圧された地点のX軸座標値に基づいて、LCD16における上記のX軸座標上の値を指定することにより、行うことができる。
上記のLCD16とタッチパネル17は、上述したように、共に水平方向の長さが1000mmで同じであり、電子棚札1の長さが、上述したように、商品陳列台4の商品陳列棚5の長さと略同じであることから、LCD16とタッチパネル17の長さも、商品陳列棚5の長さと略同じである。又、棚札部15の表面の上段側のLCD16と下段側のタッチパネル17は、一方を上下に移動させると、双方の両端が重なるような位置に配置されている。従って、電子棚札1のLCD16とタッチパネル17では、双方の左端を基準とした場合に、左端からある距離をおいて離れた地点を、左端を基準とし、水平方向をX軸方向とする共通のX軸座標の値で表現することができる。そこで、上記の電子棚札1のLCD16とタッチパネル17では、水平方向の位置を表すのに、左端を基準とするこの共通のX軸座標(以下、単にX軸座標と称する)の値を用いる。
又、LCD16とタッチパネル17に共通の上記のX軸座標としては、LCD16及びタッチパネル17の左端におけるX軸座標値を0、右端におけるX軸座標値を1000とした座標を用いるものとする。又、タッチパネル17におけるX軸座標の値のインターバルは10とする。即ち、タッチパネル17におけるX軸座標の値は、左端が0で右端に向かって、10,20,30,・・・・・,990となり、右端が1000となる。
又、以降の説明では、棚札部15の表面に形成されているLCD16の表示面及びタッチパネル17の表面を合わせて、棚札部15の表示面と称する。又、商品仕切板6により押圧された地点のタッチパネル17におけるX軸座標上の値を、商品仕切板6の取付位置と称する。尚、以降に示す棚札部15の表示面を表した図には、図15(b)に示すように、関連するX軸座標値を併記すると共に、商品仕切板6の取付位置を三角形で表すものとする。
本実施の形態における電子棚札1では、商品陳列台4の商品陳列棚5に商品仕切板6を取付たり、取外したり、移動したりすることによって、棚札部15の表示面に形成される表示エリアの追加や削除、及び、移動を行うものである。そこで、次に、商品仕切板6に対する取付操作、取外し操作、移動操作の認識と、商品仕切板6の取付位置の認識とに関する仕組である商品仕切板6の状態認識動作(以下、単に状態認識動作と称する)と、棚札部15の表示面における表示エリアの追加や削除、及び、移動等の棚札部15の表示面における表示エリアの表示動作(以下、単に表示動作と称する)とについて説明する。
<電子棚札の状態認識動作の説明>
まず、本実施の形態における電子棚札1の状態認識動作について説明する。図9は、実際のタッチパネル17における入出力信号を示した説明図である。図9に示すように、タッチパネル17には、タッチパネル17のX軸座標値であるX軸座標スキャン入力信号が入力され、この入力信号の応答として、タッチパネル17から、タッチパネル状態出力信号が出力される。このタッチパネル状態出力信号は、X軸座標スキャン入力信号が具体的に表すタッチパネル17のX軸座標値の地点が押圧されているか否かを表す信号であり、押圧されていると1を出力し、押圧されていないと0を出力する。
上述したように、商品仕切板6は、商品陳列棚5に陳列される商品の種類や量に応じて、商品陳列棚5の任意の位置で着脱することができると共に、水平方向にスライドさせて移動させることにより、その取付位置を変更することができる。従って、X軸座標スキャン入力信号として、タッチパネル17のX軸座標値を10ずつ増やして10〜990変化させて、このX軸座標スキャン入力信号の応答であるタッチパネル状態出力信号を得ることにより、具体的なX軸座標値で指定されるタッチパネル17の地点における商品陳列棚5による押圧の有無を知ることができる。即ち、商品仕切板6の取付位置を知ることができる。
上記のタッチパネル17のタッチパネル状態出力信号を用いることにより、本実施の形態における電子棚札1の状態認識動作が行われる。具体的には、まず、上記のX軸座標値をNで表す。従って、X軸座標値Nは、10,20,30,〜,990となる。又、状態認識動作を行うために、図10(a)に示す状態記録データDM、及び、図10(b)に示す状態読取データDPを用いる。状態記録データDMは、棚札部15の表示面における現在の商品仕切板6の設置状態を表しており、X軸座標値NとこのX軸座標値Nの地点における商品仕切板6の状態、即ち、商品仕切板6の有無を表す状態記録値MNとで構成される。X軸座標値Nの地点に商品仕切板6が取付られていると、状態記録値MN=1であり、商品仕切板6が取付られていないと、状態記録値MN=0である。通常、商品陳列台4が初めて設置された状態では、商品仕切板6は、全く取付られていないので、全てのX軸座標値Nにおいて、状態記録値MN=0である。最初は、この状態からスタートする。尚、後述するように、この状態記録データDMは、状態読取データDPを用いて更新される。
状態読取データDPは、X軸座標スキャン入力信号を10〜990に変化させて得られるタッチパネル状態出力信号を読取ったデータであり、X軸座標値NとこのX軸座標値Nの地点における商品仕切板6の状態を表す状態読取値PNとで構成される。X軸座標値Nの地点におけるタッチパネル状態出力信号が1であると状態読取値PN=1であり、タッチパネル状態出力信号が0であると状態読取値PN=0である。
そこで、例えば、商品仕切板6が、全く取付られていない状態では、状態記録データDMは、全てのX軸座標値Nにおいて、状態記録値MN=0である。この状態で、最初に商品仕切板6を取付けると、その時点でX軸座標スキャン入力信号を10〜990に変化させて得られるタッチパネル状態出力信号である状態読取値PNは、商品仕切板6を取付たX軸座標値Nにおいて1となる。
従って、状態読取データDPは、商品仕切板6を取付けたX軸座標値Nにおいて、状態読取値PN=1となり、商品仕切板6を取付けたX軸座標値Nにおいては、状態記録データDMと状態読取データDPとが異なることになる。この状態記録データDMと状態読取データDPの値が異なるX軸座標値を、第1不一致X軸座標値と称し、Jで表すと共に、この第1不一致X軸座標値Jを、図10(c)に示すように、第1不一致データD1Dと称する。即ち、この場合は、第1不一致データD1Dは、第1不一致X軸座標値Jで、この第1不一致X軸座標値Jにおける、状態記録データDMの状態記録値MJ=0、状態読取データDPの状態読取値PJ=1となる。
又、上記とは逆に、既に取付られている商品仕切板6が外されると、商品仕切板6が取付けられていたX軸座標値Nにおいて、状態記録データDMは、状態記録値MN=1となり、状態読取データDPは、状態読取値PN=0となる。この場合も、この状態記録データDMと状態読取データDPの値が異なるX軸座標値を、上記と同様、第1不一致X軸座標値と称し、Jで表すと共に、この第1不一致X軸座標値Jを第1不一致データD1Dと称する。即ち、この場合は、第1不一致データD1Dは、第1不一致X軸座標値Jで、この第1不一致X軸座標値Jにおける、状態記録データDMの状態記録値MJ=1、状態読取データDPの状態読取値PJ=0となる。
電子棚札1のメモリ12には、上記の状態記録データDMを記録する状態記録データDMメモリエリア、状態読取データDPを記録する状態読取データDPメモリエリア、及び、第1不一致データD1Dを記録する第1不一致データD1Dメモリエリアが設けられる。又、第1不一致X軸座標値Jとは別に、第2不一致X軸座標値Kも用いられ、この第2不一致X軸座標値Kを、図10(d)に示すように、第2不一致データD2Dと称する。電子棚札1のメモリ12には、この第2不一致データD2Dを記録する第2不一致データD2Dメモリエリアも設けられる。この第2不一致X軸座標値Kについては後述する。上記の状態記録データDMメモリエリア、状態読取データDPメモリエリア、第1不一致データD1Dメモリエリア、及び、第2不一致データD2Dメモリエリアへの記録は、全て、上書記録される。
又、以下に説明する状態認識動作では、状態認識動作の結果を後述する表示動作に通知するために、図11に示す、取付用処理要フラグF1、取外し用処理要フラグF2、及び、移動用処理要フラグF3の各フラグが用いられる。取付用処理要フラグF1は、商品仕切板6が取付された際の処理が必要であることを表示動作に通知するときにセットされる。取外し用処理要フラグF2は、商品仕切板6が取外しされた際の処理が必要であることを表示動作に通知するときにセットされる。そして、移動用処理要フラグF3は、商品仕切板6が移動された際の処理が必要であることを表示動作に通知するときにセットされる。尚、図11に示す商品情報移動要フラグF4は、後述する表示動作で使用される。
次に、商品仕切板6の取付、取外し、及び、移動における状態認識動作を具体的に説明する。この状態認識動作の説明では、図14〜図18に示す例を用いて説明する。図14の場合は、商品仕切板6が全く取付られていない状態で、商品仕切板6に関する操作は、何も行われていない状態の場合(以下、取付無しのケースと称する)である。
又、図15の場合は、図15(a)に示すように、商品仕切板6が、全く取付られていない状態で、図15(b)に示すように、X軸座標値N=400に、商品仕切板6が新たに取付された場合(以下、取付1のケースと称する)である。又、図16の場合は、図16(a)に示すように、X軸座標値N=300、及び、X軸座標値N=700に、商品仕切板6が既に取付られている状態で、図16(b)に示すように、X軸座標値N=600に商品仕切板6が新たに取付された場合(以下、取付2のケースと称する)である。
又、図17の場合は、図17(a)に示すように、X軸座標値N=300、及び、X軸座標値N=700に商品仕切板6が既に取付られている状態で、図17(b)に示すように、X軸座標値N=700に取付られている商品仕切板6が取外しされた場合(以下、取外しのケースと称する)である。そして、図18の場合は、図18(a)に示すように、同じく、X軸座標値N=300、及び、X軸座標値N=700に商品仕切板6が既に取付られている状態で、図18(b)に示すように、X軸座標値N=700に取付られている商品仕切板6が、X軸座標値N=500に移動された場合(以下、移動のケースと称する)である。
図12及び、図13は、本実施の形態における電子棚札1の状態認識動作を示したフローチャートである。この図12及び、図13では、次のような省略記号を用いている。即ち、取付用処理要フラグF1をF1、取外し用処理要フラグF2をF2、移動用処理要フラグF3をF3、状態記録データDMをDM、状態読取データDPをDP、X軸座標値NをN、状態記録値MNをMN、状態読取値PNをPN、状態記録値MJをMJ、状態読取値PJをPJ、第1不一致データD1DをD1D、第1不一致X軸座標値JをJ、第2不一致データD2DをD2D、そして、第2不一致X軸座標値KをKと表している。
図12において、最初に、取付用処理要フラグF1、取外し用処理要フラグF2、及び、移動用処理要フラグF3を全てリセットすると共に、状態読取データDPメモリエリア、第1不一致データD1Dメモリエリア、及び、第2不一致データD2Dメモリエリアをクリアする(S1)。
次に、X軸座標値N=0とすると共に(S2)、X軸座標値N=N+10とする(S3)。そして、X軸座標値NのX軸座標スキャン入力信号をタッチパネル17に入力してタッチパネル状態出力信号を読出し、状態読取値PNを得る(S4)。次に、このタッチパネル17から得られた状態読取値PNが、状態記録データDMの状態記録値MNと不一致か否かをチェックする(S5)。不一致でなければ、X軸座標値N=990であるか否かをチェックし、X軸座標値N=990でなければ、S3へ戻り、X軸座標値N=990であれば、S2へ戻って、上記の処理を繰返す。尚、S4、S5では、後述するS14と異なり、タッチパネル17から得られる状態読取値PNを、状態読取データDPメモリエリアへ記録することは行われず、状態読取値PNは、状態記録データDMの状態記録値MNと不一致か否かをチェックするのに用いられるのみである。
即ち、タッチパネル17の出力である状態読取値PNが状態記録データDMの状態記録値MNと不一となると、S8へ進む。この状態は、商品仕切板6に関する操作が、何か行われている場合である。又、状態読取値PNが状態記録値MNと不一とならない場合は、S8へは進まない。この状態は、商品仕切板6に関する操作がなにも行われていない場合である。
上記の取付無しのケースでは、状態記録データDMは、図14(b)に示すように、全てのX軸座標値Nにおいて、状態記録値MN=0である。又、タッチパネル17から得られた状態読取値PNは、全てのX軸座標値Nにおいて、状態読取値PN=0である。従って、全てのX軸座標値Nにおいて、状態読取値PNは状態記録データDMの状態記録値MNと一致するので、S5のチェックで不一致となることはなく、S8へ進むことはない。
上記の取付1のケースでは、状態記録データDMは、取付無しのケースと同様、図15(c)に示すように、全てのX軸座標値Nにおいて、状態記録値MN=0である。従って、X軸座標値N=400で、状態記録データDMの状態記録値M400=0である。しかし、状態読取値PNは、図15(d)に示すように、X軸座標値N=400において、状態読取値P400=1である。従って、X軸座標値N=400で、状態読取値P400は、状態記録データDMの状態記録値M400と不一致となるので、S8へ進む。
上記の取付2のケースでは、状態記録データDMは、図16(c)に示すように、X軸座標値N=300、及び、X軸座標値N=700において、それぞれ、状態記録値M300=1、状態記録値M700=1であり、それ以外のX軸座標値Nでは、状態記録値MN=0である。従って、X軸座標値N=600では、状態記録値M600=0である。しかし、状態読取値PNは、図16(d)に示すように、X軸座標値N=300、X軸座標値N=700、及び、X軸座標値N=600において、それぞれ、状態記録値M300=1、状態記録値M700=1、状態記録値M600=1である。従って、X軸座標値N=600で、状態読取値P600は、状態記録データDMの状態記録値M600と不一致となるので、S8へ進む。
上記の取外しのケースでは、状態記録データDMは、図17(c)に示すように、X軸座標値N=300、及び、X軸座標値N=700において、それぞれ、状態記録値M300=1、状態記録値M700=1であり、それ以外のX軸座標値Nでは、状態記録値MN=0である。しかし、状態読取値PNは、図17(d)に示すように、X軸座標値N=300において、状態読取値P300=1であり、それ以外のX軸座標値Nでは、状態読取値PN=0である。即ち、X軸座標値N=700では、状態読取値P700=0である。従って、X軸座標値N=700で、状態読取値P700は、状態記録データDMの状態記録値M700と不一致であるので、S8へ進む。
上記の移動のケースでは、状態記録データDMは、図18(c)に示すように、X軸座標値N=300、及び、X軸座標値N=700において、それぞれ、状態記録値M300=1、状態記録値M700=1であり、それ以外のX軸座標値Nでは、状態記録値MN=0である。しかし、状態読取データDPは、図18(d)に示すように、X軸座標値N=300において、状態読取値P300=1であり、それ以外のX軸座標値Nでは、状態読取値PN=0である。即ち、X軸座標値N=700では、状態読取値P700=0である。従って、上記の取外しのケースと全く同じであり、S8へ進む。
S8では、状態読取値PNが、状態記録データDMの状態記録値MNと不一致となるX軸座標値Nを、第1不一致X軸座標値Jとすると共に(第1不一致X軸座標値J=N)、この第1不一致X軸座標値Jを第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアへ記録して(S9)、S10へ進む。
S9において、第1不一致データD1Dメモリエリアへ記録される第1不一致データD1Dは、上述した説明から分かるように、上記の取付1のケースでは、図15(f)に示すように、第1不一致X軸座標値J=400であり、上記の取付2のケースでは、図16(f)に示すように、第1不一致X軸座標値J=600であり、上記の取外しのケースでは、図17(f)に示すように、第1不一致X軸座標値J=700であり、又、上記の移動のケースでは、上記の取外しのケースと同様、図18(f)に示すように、第1不一致X軸座標値J=700である。
S10では、タイマをスタートさせるが、このタイマは、状態記録データDMと状態読取データDPとが異なる状態が、確実に生じているか否か、即ち、商品仕切板6に関する操作が確実に行われたか否かをチェックするために、時間をあけて、再度、X軸座標スキャン入力信号を10〜990に変化させて得られるタッチパネル状態出力信号を読取るべく、この時間をあけるのに用いられる。このタイマは、ソフトウエアで構成され、タイムアップ時間は、後述する商品仕切板6を移動させる場合(上記の移動のケースにおける商品仕切板6を移動するのに要する時間)も考えて、商品仕切板6の移動が十分行える時間、例えば、30秒程度とする。
上記のタイマがタイムアップすると(S11)、X軸座標値N=0とすると共に(S12)、X軸座標値N=N+10とする(S13)。そして、X軸座標値NのX軸座標スキャン入力信号をタッチパネル17に入力してタッチパネル状態出力信号を読出して、得られた状態読取値PNを状態読取データDPとして、状態読取データDPメモリエリアに記録する(S14)。X軸座標値Nが0から990までの全ての状態読取値PNが読取られて、状態読取データDPとして状態読取データDPメモリエリアへ記録されると(S15)、図13に示すフローチャートのS21へ進む。
S14において、状態読取データDPメモリエリアへ記録される状態読取データDPは、商品仕切板6に関する操作が確実に行われている場合は、上記の各ケースでは、次のようになる。
即ち、商品仕切板6を取付るか取外す場合では、商品仕切板6の移動は生じないので、上記の取付1のケースでは、状態読取データDPは、図15(e)に示すようになり、X軸座標値N=400で、状態読取値P400=1となる。他方、状態記録データDMは、図15(c)に示すように、X軸座標値N=400で、状態記録値M400=0である。
又、上記の取付2のケースでも、商品仕切板6の移動は生じないので、上記の取付1のケースと同様で、状態読取データDPは、図16(e)に示すようになり、X軸座標値N=600で、状態読取値P600=1となる。他方、状態記録データDMは、図16(c)に示すように、X軸座標値N=600で、状態記録値M600=0である。
又、上記の取外しのケースでも、商品仕切板6の移動は生じないので、状態読取データDPは、図17(e)に示すようになり、X軸座標値N=700で、状態読取値P700=0となる。他方、状態記録データDMは、図17(c)に示すように、X軸座標値N=700で、状態記録値M700=1である。
しかし、商品仕切板6の移動を伴う上記の移動のケース場合では、上記の取外しのケースと若干異なる。即ち、状態読取データDPは、図18(e)に示すようになり、X軸座標値N=700で、状態読取値P700=0となるが、商品仕切板6が移動することで、X軸座標値N=500で、状態読取値P500=1となる。他方、状態記録データDMは、図18(c)に示すように、X軸座標値N=700で、状態記録値M700=1であるが、X軸座標値N=500では、状態記録値M500=0である。
図13に示すフローチャートのS21では、まず、第1不一致データD1Dメモリエリアから第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jを読出して、X軸座標値がこの第1不一致X軸座標値Jである状態記録データDMの状態記録値MJが0であるか否かをチェックする(S22)。状態記録データDMの状態記録値MJが0である場合は(S23)、これは、商品仕切板6に関する操作の直前には、タッチパネル17のX軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである地点に、商品仕切板6が存在していない場合であるから、商品仕切板6の取付の場合であり、S24へ進む。
S24では、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態読取データDPの状態読取値PJが1であるか否かをチェックする。即ち、状態記録データDMの状態記録値とタッチパネル17の状態読取値とが異なる状態を生じた原因である商品仕切板6の取付操作が確実に行われていれば、タイマのタイムアップ後に読取られた状態読取データDPの状態読取値PJ=1となるはずである。そこで、状態読取値PJ=1でない場合、即ち、状態読取値PJ=0である場合は(S25)、これは、商品仕切板6の取付操作が、一旦は行われたものの、直に取外されたか移動されたかした場合であるので、S27へ進んでS27の処理を行った後、図12に示すフローチャートの頭に戻って、最初から上述した処理を繰返す。
S24におけるチェックの結果が、状態読取値PJ=1であれば(S25)、商品仕切板6の取付操作が確実に行われており、取付用処理要フラグF1=1とすると共に(S26)、電子棚札1の表示動作である後述する表示動作処理(S50)へ進む。この場合、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jが、商品仕切板6の取付位置を示している。
上記の取付1のケースでは、S9において、第1不一致データD1Dメモリエリアへ記録された第1不一致データD1Dは、第1不一致X軸座標値J=400である。又、図15(c)に示す状態記録データDMから、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態記録データDMの状態記録値M400=0であり、又、図15(e)に示す状態読取データDPから、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態読取データDPの状態記録値P400=1である。従って、この場合は、S22からS23、S24、S25と進んでS26に至るので、取付用処理要フラグF1=1として(S26)、表示動作処理(S50)へ進む。
上記の取付2のケースにおいても、上記の取付1のケースと同様である。即ち、S9において、第1不一致データD1Dメモリエリアへ記録された第1不一致データD1Dは、第1不一致X軸座標値J=600である。又、図16(c)に示す状態記録データDMから、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態記録データDMの状態記録値M600=0であり、又、図16(e)に示す状態読取データDPから、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態読取データDPの状態記録値P600=1である。従って、この場合も、S22からS23、S24、S25と進んでS26に至るので、取付用処理要フラグF1=1として(S26)、表示動作処理(S50)へ進む。
図13に示すフローチャートのS22では、上述したように、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態記録データDMの状態記録値MJが0であるか否かのチェックを行う。このチェックの結果、状態記録データDMの状態記録値MJが0でない場合、即ち、状態記録データDMの状態記録値MJが1である場合は(S23)、これは、商品仕切板6に関する操作の直前に、タッチパネル17のX軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである地点に商品仕切板6が存在している場合であるから、商品仕切板6の取外しの場合、又は、商品仕切板6の移動の場合である。そこで、この場合が、商品仕切板6の取外しの場合、又は、商品仕切板6の移動の場合のいずれであるかを判断する必要がある。この場合は、次に、S30へ進む。
S30では、まず、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態読取データDPの状態読取値PJが0であるか否かをチェックする。即ち、状態記録データDMの状態記録値とタッチパネル17の状態読取値とが異なる状態を生じた原因である商品仕切板6の取外し操作、又は、移動操作が確実に行われていれば、タイマのタイムアップ後に読取られた状態読取データDPの状態読取値PJ=0となるはずである。そこで、状態読取値PJ=0でない場合、即ち、状態読取値PJ=1である場合は(S31)、商品仕切板6の取外し操作、又は、移動操作が、一旦は行われたものの、直に元に戻された場合であるので、S27へ進んでS27の処理を行った後、図12に示すフローチャートの頭に戻って、最初から上述した処理を繰返す。
S30におけるチェックの結果が、状態読取値PJ=0であれば(S31)、商品仕切板6の取外し操作、又は、移動操作が確実に行われている。そこで、商品仕切板6の取外しの場合、又は、商品仕切板6の移動の場合のいずれであるかを判断するS32へ進む。
S32では、状態記録データDMにおける状態記録値が0で、且つ、状態読取データDPにおける状態読取値が1であるようなX軸座標値である第2不一致X軸座標値Kが存在するか否かをチェックする。この第2不一致X軸座標値Kが存在しない場合は、商品仕切板6の移動は存在しないことになるので、この場合は、商品仕切板6の取外しの場合であり、取外し用処理要フラグF2=1とすると共に(S26)、表示動作処理(S50)へ進む。
この場合、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jが、商品仕切板6の取外し位置を示している。
上記の取外しのケースでは、S9において、第1不一致データD1Dメモリエリアへ記録された第1不一致データD1Dは、第1不一致X軸座標値J=700である。又、図17(c)に示す状態記録データDMから、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態記録データDMの状態記録値M700=1であり、又、図17(e)に示す状態読取データDPから、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態読取データDPの状態記録値P700=0である。従って、この場合は、S22からS23、S30、S31と進んでS32に至る。
そして、S32において、図17(c)に示す状態記録データDM、及び、図17(e)に示す状態読取データDPによれば、状態記録データDMにおける状態記録値が0で、且つ、状態読取データDPにおける状態読取値が1であるようなX軸座標値である第2不一致X軸座標値Kは存在しない(S33)。そこで、この場合は、S34に進んで、取外し用処理要フラグF2=1とすると共に、表示動作処理(S50)へ進む。
S32において、状態記録データDMにおける状態記録値が0で、且つ、状態読取データDPにおける状態読取値が1であるようなX軸座標値である第2不一致X軸座標値Kが存在する場合は、商品仕切板6の移動が存在しているので、この場合は、商品仕切板6の移動の場合である。そこで、移動用処理要フラグF3=1とすると共に(S35)、上記の第2不一致X軸座標値Kを、第2不一致データD2Dとして第2不一致データD2Dメモリエリアへ記録し(S36)、表示動作処理(S50)へ進む。
この場合、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jが、商品仕切板6の当初の取付位置を示しており、第2不一致データD2Dメモリエリアに記録されている第2不一致データD2Dである第2不一致X軸座標値Kが、商品仕切板6の移動後の取付位置を示している。
上記の移動のケースでは、S9において、第1不一致データD1Dメモリエリアへ記録された第1不一致データD1Dは、上記の取外しのケースと同様、第1不一致X軸座標値J=700である。又、図18(c)に示す状態記録データDMから、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態記録データDMの状態記録値M700=1であり、又、図18(e)に示す状態読取データDPから、X軸座標値が第1不一致X軸座標値Jである状態読取データDPの状態記録値P700=0である。従って、この場合も、上記の取外しのケースと同様、S22からS23、S30、S31と進んでS32に至る。
そして、S32において、図18(c)に示す状態記録データDM、及び、図18(e)に示す状態読取データDPによれば、状態記録データDMにおける状態記録値が0で、且つ、状態読取データDPにおける状態読取値が1であるようなX軸座標値である第2不一致X軸座標値Kが存在し、その第2不一致X軸座標値K=500である。そこで、この場合は、S35へ進んで移動用処理要フラグF3=1とすると共に、上記の第2不一致X軸座標値Kを、図18(g)に示すように、第2不一致データD2Dとして第2不一致データD2Dメモリエリアへ記録し(S36)、表示動作処理(S50)へ進む。
この表示動作処理(S50)表示動作の詳細は後述するが、この表示動作処理(S50)が終了すると、S27へ進む。S27では、状態読取データDPメモリエリアに記録されている状態読取データDPを、状態記録データDMメモリエリアへ移して、状態記録データDMの内容を状態読取データDPに変更する。そして、このS27の処理を行った後、図12に示すフローチャートの頭に戻って、最初から上述した処理を繰返す。この最初から上述した処理が繰返される段階では、状態記録データDMメモリエリアに記録されている状態記録データDMは、新データに更新されていることになる。
以上説明した内容から分かるとおり、上述した状態認識動作の結果として、次のような情報が、電子棚札1の表示動作である後述する表示動作処理(S50)に引継がれる。即ち、取付用処理が必要な場合は、取付用処理要フラグF1=1となると共に、商品仕切板6の取付位置のX軸座標値である第1不一致X軸座標値Jが、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている。
又、取外し用処理が必要な場合は、取外し用処理要フラグF2=1となると共に、商品仕切板6の取外し位置のX軸座標値である第1不一致X軸座標値Jが、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている。
又、移動用処理が必要な場合は、移動用処理要フラグF3=1となると共に、商品仕切板6の移動前のX軸座標値である第1不一致X軸座標値Jが、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録され、商品仕切板6の移動後のX軸座標値である第2不一致X軸座標値Jが、第2不一致データD2Dとして、第2不一致データD2Dメモリエリアに記録されている。
<電子棚札の表示動作の説明>
次に、本実施の形態における電子棚札1の表示動作について説明する。上述したように、電子棚札1の棚札部15の表示面には、陳列される商品の情報が表示される表示エリアが形成されるが、このような表示エリアは、各電子棚札に最低1つは形成される。それは、商品陳列棚5に商品仕切板6が全く取付られない場合である。又、この表示エリアは、陳列される商品と対応させるべく、商品仕切板6で仕切られて陳列される商品毎に形成されるので、陳列される商品群が複数の場合、即ち、一つ以上の商品仕切板6が商品陳列棚5に取付けられる場合は、商品仕切板6で仕切られた商品群と同数の複数の表示エリアが形成される。図24は、このような状態の電子棚札1の棚札部15の表示面の例を示したものである。
図24に示すように、一般に、電子棚札1の棚札部15の表示面に形成される表示エリアには、1から始まる追番号の表示エリア番号が付与される。棚札部15の表示面に複数の表示エリアが形成される場合は、棚札部15の表示面の左に位置する表示エリアから右に位置する表示エリアにかけて、表示エリア1、表示エリア2、表示エリア3、・・・の順に付与される。図24では、3個の表示エリアが形成されている。
又、この表示エリアには、この表示エリアと対応する商品仕切板6で仕切られた商品陳列棚5の商品陳列空間に陳列されている商品の商品情報が表示される。この商品情報は、本実施の形態では、商品名と価格で構成されている。図24では、3個の各表示エリア内に、商品情報である商品名のリンゴ、ミカン、カキとそれらの価格が表示されている。
又、上述したように、棚札部15の表示面に複数の表示エリアが形成される場合は、図24に示すように、隣接する表示エリア間に境界線が形成される。従って、一つの表示エリアは左側の境界線である左境界線と、右側の境界線である右境界線とで囲まれる。この場合における左境界線のX軸座標値を、左境界値Lと称し、右境界線のX軸座標値を、右境界値Rと称する。又、表示エリアの中央には、上述した商品情報が表示される。この商品情報を表示する位置の中心のX軸座標値を、中央値Cと称する。
上記の電子棚札1では、上述した棚札部15の表示面に表示をする表示動作を行うために、棚札識別データ、及び、棚札表示データが用いられる。上記の棚札部15の表示面の表示は、これらの棚札識別データ、及び、棚札表示データと対応しており、上記の棚札部15の表示面の表示、即ち、表示エリアの形成と、この表示エリア内への商品情報の表示は、これらの棚札識別データ、及び、棚札表示データの内容に基づいて行われる。電子棚札1のメモリ12には、これらの棚札識別データ、及び、棚札表示データが記録される棚札識別データメモリエリア、及び、棚札表示データメモリエリアが設けられる。図19は、棚札識別データの例を、又、図25は、棚札表示データの例を示したものである。
上記の棚札識別データは、棚札識別番号を表すデータと表示エリア数を表すデータとで構成される。この内、棚札識別番号は、各電子棚札を識別する番号である。上述したように、本実施の形態における電子棚札1を用いた電子棚札システムでは、複数の電子棚札が用いられるので、これらの各電子棚札を識別する必要があり、棚札サーバ2の管理下で、各電子棚札に棚札識別番号が付与されている。又、上記の表示エリア数は、電子棚札1の棚札部15の表示面に形成される表示エリアの個数である。
図19は、図24に示す電子棚札1の棚札部15の表示面に関する棚札識別データを表している。図19に示す棚札識別データでは、棚札識別番号の例として1が記載されている。又、図24に示す電子棚札1の棚札部15の表示面には、3個の表示エリアが形成されていることから図19に示す棚札識別データには、表示エリア数として3が記載されている。
上記の棚札表示データは、電子棚札1の棚札部15の表示面に形成される表示エリアに関する棚札情報と、この表示エリアに表示される商品情報とで構成される。上述したように、一つの表示エリアは左境界線と右境界線とで囲まれると共に、表示エリアの中央に商品情報が表示される。そこで、上記の棚札情報は、各表示エリアの左境界値L、右境界値R、中央値C等で構成される。又、棚札情報には、棚札表示データを構成する商品名と価格でなる商品情報が実際に存在しているか否かを表す商品情報有無Dも含まれている。この商品情報有無Dは、実際に商品情報が存在していると、商品情報有無D=1であり、実際に商品情報が存在していないと、商品情報有無D=0である。又、商品情報は、上述したように、商品名と価格で構成される。
図25は、図24に示す電子棚札1の棚札部15の表示面に関する棚札表示データを表している。図24の電子棚札1の棚札部15の表示面には、3個の表示エリアが形成されていることから、図25に示す棚札表示データには、表示エリア番号が1〜3の表示エリアに関する棚札情報と商品情報とが表示されている。
上記の図25に示す棚札情報について更に詳しく説明する。図24に示す電子棚札1の棚札部15の表示面には、表示エリア1〜表示エリア3の3個の表示エリアが形成されている。そして、各表示エリア間である棚札部15の表示面のX軸座標値が300と700の地点には、商品仕切板6が取付られていると共に、境界線が形成されている。この状態を、各表示エリアについてみると、エリア番号が1の表示エリア1では、左境界値L=0、右境界値R=300、中央値C=150である。又、エリア番号が2の表示エリア2では、左境界値L=300、右境界値R=700、中央値C=500である。又、エリア番号が3の表示エリア3では、左境界値L=700、右境界値R=1000、中央値C=850である。
そこで、図25に示す棚札表示データには、上記の棚札情報及び商品情報が記載されている。即ち、図25には、棚札情報として、形成されている表示エリアのエリア番号、各表示エリアにおける上述した左境界値L、右境界値R、及び、中央値Cが記載されている。又、図24には、いずれの表示エリアにも商品情報が存在しているので、図25の棚札情報の商品情報有無D欄には、全ての表示エリアについて、商品情報有無D=1が記載されている。又、図25の商品情報には、商品名及び価格が記載されている。
図22は、棚札部15の表示面の表示エリアに、商品情報が表示されていない場合を示した棚札部15の表示面の状態図であり、この場合の棚札表示データを示したのが、図23である。即ち、図23に示す棚札表示データには、全ての表示エリアの商品情報有無D=0であると共に、商品情報は記載されていない。又、図22には、各表示エリアに、商品情報が表示されていない。
又、図20は、棚札部15の表示面の表示エリアに、表示エリアが一つしか形成されておらず、この表示エリアに商品情報が表示されていない場合を示したものであり、この場合の棚札表示データを示したのが、図21である。
上記の棚札情報は、上述したように、電子棚札1の棚札部15の表示面に形成される表示エリアを規定する情報である。この表示エリアは、商品陳列台4の商品陳列棚5に商品仕切板6を取付たり、取外したり、移動したりすることによって、追加や削除、及び、移動が行われる。そして、この商品仕切板6の取付や、取外し、移動の発生は、上述した電子棚札1の状態認識動作により提供される情報、即ち、取付用処理要フラグF1、取外し用処理要フラグF2、移動用処理要フラグF3、第1不一致データD1D、及び、第2不一致データD2Dによってもたらされる。
そこで、上記の棚札情報は、上述した電子棚札1の状態認識動作により提供される情報、即ち、取付用処理要フラグF1、取外し用処理要フラグF2、移動用処理要フラグF3、第1不一致データD1D、及び、第2不一致データD2Dに基づいて、後述するような仕組みで、形成される。そして、このように形成された棚札情報に基づいて、電子棚札1の棚札部15の表示面に表示エリアが形成される。
従って、表示エリアを規定する情報である上記の棚札情報を含む棚札表示データが変化すると、電子棚札1の棚札部15における表示面の表示も変化する。又、棚札表示データにおける行数は、形成される表示エリアの個数である表示エリア数によって増減する。又、棚札識別データの表示エリア数も、これに伴って、変更される。
又、この棚札表示データは、電子棚札1から棚札サーバ2へ送信されて、棚札サーバ2のメモリ22の棚札表示データメモリエリアに記録される。棚札サーバ2では、棚札表示データの商品情報欄に商品情報を記入して、電子棚札1へ送信することにより、電子棚札1の棚札部15における表示面に形成される表示エリアに商品情報が表示される。或いは、携帯端末3を用いることにより、商品情報を棚札サーバ2に記録されている棚札表示データの商品情報欄に商品情報を記入することもできる。
次に、本実施の形態の電子棚札1が用いられている商品陳列棚5への商品仕切板6の取付や、取外し、移動が行われた場合の電子棚札1の表示動作について、説明する。この説明には、商品陳列棚5への商品仕切板6の取付や、取外し、移動が行われる前の状態として、次のケースを用いる。
まず、表示エリアに商品情報が表示されていない場合として、電子棚札1の棚札部15における表示面に、表示エリアが一つしか形成されていない図20に示す棚札部15の表示面の状態、及び、図21に示す棚札表示データを用いる。このケースをケース1と称する。又、表示エリアに商品情報が表示されていない場合として、前述の、電子棚札1の棚札部15における表示面に表示エリアが3つ形成されている、図22に示す棚札部15の表示面の状態、及び、図23に示す棚札表示データを用いる。このケースをケース2と称する。又、表示エリアに商品情報が表示されている場合として、前述の、電子棚札1の棚札部15における表示面に同じく表示エリアが3つ形成されている、図24に示す棚札部15の表示面の状態、及び、図25に示す棚札表示データを用いる。このケースをケース3と称する。又、この説明に際し、次の定義を行う。
即ち、棚札部15の表示面に形成された、表示エリア番号がnの表示エリアを、表示エリア(n)と表す。従って、表示エリア(n−1)は、表示エリア(n)の左側に隣接する表示エリアを表し、表示エリア(n+1)は、表示エリア(n)の右側に隣接する表示エリアを表す。
そうすると、表示エリア(n)の左境界値Lは、表示エリア(n−1)の右境界値Rと等しくなり、表示エリア(n)の右境界値Rは、表示エリア(n+1)の左境界値Lと等しくなる。又、電子棚札1の棚札部15の表示面に形成されている表示エリアの個数である、上述した表示エリア数を、mで表す。そこで、表示エリア(m)は、電子棚札1の棚札部15の表示面における最も右に位置する表示エリアを表すことになる。
又、ある条件を満たす表示エリアの表示エリア番号をh(hはhitを表す)で表すと共に、表示エリア番号がhの表示エリアを表示エリア(h)と表す。すると、表示エリア(h)の左側に隣接する表示エリアは表示エリア(h−1)と表され、表示エリア(h)の右側に隣接する表示エリアは表示エリア(h+1)と表される。又、当該表示エリア(h)の左境界値L、右境界値R、及び、中央値Cが変更される前の当該表示エリア(h)を、単に表示エリア(h)と称し、これらの値の少なくとも一つが変更された後の当該表示エリア(h)を、新表示エリア(h)と称する。
尚、以下の説明では、表示エリア番号が同一の表示エリアと新表示エリアとの間では、特に説明で取上げているものを除いて、表示エリアで用いられている棚札情報及び商品情報は、そのまま、新表示エリアに用いられる。又、表示エリア番号が同一の表示エリアと新表示エリアとの間で、少なくとも左境界値L又は右境界値Rのいずれかが異なる場合は、新表示エリアの中央値Cは、再計算される。
例えば、説明で「表示エリア(h)を新表示エリア(h)に変更し、この新表示エリア(h)では、右境界値Rに第1不一致X軸座標値Jを用いる。」とされている場合、実際には「新表示エリア(h)の左境界値Lに表示エリア(h)の左境界値Lを用い、新表示エリア(h)の右境界値Rに第1不一致X軸座標値Jを用いる。又、新表示エリア(h)の中央値Cは新表示エリア(h)の左境界値Lと新表示エリア(h)の右境界値Rとを用いて再計算すると共に、新表示エリア(h)の商品情報有無Dに表示エリア(h)の商品情報有無Dを用い、新表示エリア(h)の商品情報に表示エリア(h)の商品情報を用いる。」となる。
又、表示エリアの棚札情報及び商品情報がそのまま引継がれ、表示エリア番号のみが1加算されたり1減算されたりして変化することにより新表示エリアとなる場合は、表示エリアの表示エリア番号に1を加算又は減算して、新表示エリア番号とする旨の記載に留める。又、具体的場面で、商品情報が存在しない場合を、「商品情報は無し」と表現する。
以上を前提に、上述した本実施の形態における電子棚札1の表示動作の説明を行う。図26〜図29、図37〜図39、図43〜図45は、本実施の形態における電子棚札1の表示動作を示したフローチャートである。これらのフローチャートでは、図12及び、図13の示すフローチャートで用いられている省略記号のほか、次のような省略記号を用いている。即ち、商品情報移動要フラグF4を、F4、メモリ12の棚札表示データメモリエリアに記憶される棚札表示データの棚札情報における、表示エリアの左境界値Lを、L、右境界値Rを、R、中央値Cを、C、そして、商品情報有無Dを、Dと表している。
尚、以下の説明において、表示エリアを分割する場合、新たな境界線が形成される点には直接触れていないが、分割前の表示エリアを新表示エリアに変更すると共にこの新表示エリアの次に新しく新表示エリアを形成して追加することに、新たな境界線の形成も含まれている。又、隣接する表示エリアの境界線を移動する場合、境界線を移動する点には直接触れていないが、当該隣接する表示エリアのそれぞれを新表示エリアに変更することに、境界線の移動も含まれている。又、隣接する表示エリアの境界線を削除することにより、隣接する表示エリアの一方を削除すると共に、削除した表示エリア側へ他方の表示エリアを拡張する場合、隣接する表示エリア間の境界線を削除する点には直接触れていないが、隣接する表示エリアの一方を削除することに、当該隣接する表示エリア間の境界線の削除も含まれている。
まず、図26に示す本実施の形態における電子棚札1の表示動作の基幹部分である表示動作処理(S50)を示したフローチャートについて説明する。図26において、まず、取付用処理要フラグF1=1であるか否かをチェックする(S51)。取付用処理要フラグF1=1であれば、商品陳列棚5への商品仕切板6の取付が行われているので、取付用処理を行うと共に(S100)、この取付用処理が終了すると、表示動作処理(S50)を終了する。
S51で取付用処理要フラグF1=1でなければ、次に、取外し用処理要フラグF2=1であるか否かをチェックする(S52)。取付用処理要フラグF2=1であれば、商品陳列棚5からの商品仕切板6の取外しが行われているので、取外し用処理を行うと共に(S200)、この取外し用処理が終了すると、表示動作処理(S50)を終了する。
S52で取外し用処理要フラグF2=1でなければ、次に、移動用処理要フラグF3=1であるか否かをチェックする(S53)。この場合、通常、移動用処理要フラグF3=1であるはずであり、商品陳列棚5における商品仕切板6の移動が行われているので、移動用処理を行うと共に(S300)、この移動用処理が終了すると、表示動作処理(S50)を終了する。S53で移動用処理要フラグF3=1でなければ、何もしないで、表示動作処理(S50)を終了する。
次に、取付用処理(S100)について説明する。図27〜図29は、この取付用処理(S100)の動作を示したフローチャートである。この取付用処理は、商品仕切板6の取付が行われた地点で、表示エリアを分割しようとする場合である。
この取付用処理では、まず、図20及び図21に示すケース1の場合において、図30(a)に示すように、棚札部15の表示面におけるX軸座標値400の地点で、商品仕切板6の取付が行われた場合を考える。このケースでは、上述した図26の基本動作を示したフローチャートによる処理により、取付用処理(S100)の指示が行われる。この場合、表示エリア数m=1である。又、商品仕切板6の取付位置のX軸座標値である第1不一致X軸座標値Jは、上述したように、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている。
そこで、図27〜図29において、最初に、商品情報移動要フラグF4をリセットすると共に(S101)、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jを読み出す(S102)。そして、S103へ進む。
S103では、棚札識別データメモリエリアに記録されている棚札識別データを用いて、上記で読み出した第1不一致X軸座標値J>左境界値L、且つ、第1不一致X軸座標値J<右境界値R、となるような表示エリア(h)を、表示エリア1〜表示エリア(m)の中から見つける。ケース1の場合、表示エリアは、表示エリア1の1つしかなく、又、第1不一致X軸座標値J=400で、表示エリア1の左境界値L=0であり、又、表示エリア1の右境界値L=1000であるので、表示エリア(h)が表示エリア1であれば、第1不一致X軸座標値J>左境界値L、且つ、第1不一致X軸座標値J<右境界値Rを満足する。従って、表示エリア(h)=表示エリア1である。
そして、次に、表示エリア(h)の商品情報有無D=1であるか否かをチェックし(S104)、商品情報有無D=1でなければ(S105)、S109へ進む。ケース1の場合は、表示エリア(h)=表示エリア1で、表示エリア1の商品情報有無D=0であるので、商品情報有無D=1ではなく、S109へ進む。
S109では、表示エリア(h)を新表示エリア(h)に変更し、この新表示エリア(h)では、右境界値Rに第1不一致X軸座標値Jを用いて、S110へ進む。S110では、新表示エリア(h)の次に、新しく新表示エリア(h+1)を形成して追加し、この新表示エリア(h+1)では、左境界値Lに第1不一致X軸座標値Jを用い、右境界値Rに表示エリア(h)の右境界値Rを用いると共に、商品情報有無D=0、商品情報は無しとして、S111へ進む。
ケース1の場合、表示エリア(h)=表示エリア1、第1不一致X軸座標値J=400であり、表示エリア1が新表示エリア1に変更される。この変更により、新表示エリア1が表示エリア1と異なる点は、右境界値R=400、中央値C=200となることである。又、新表示エリア2が新しく形成され、この新表示エリア2では、左境界値L=400、右境界値R=1000、中央値C=700、商品情報有無D=0、商品情報は無しとなり、S111へ進む。
S111では、表示エリア(h)の次以降に他の表示エリアが存在するかチェックし、存在しない場合は、S113をパスしてS114へ進む。ケース1の場合、表示エリアは1つしかないので、他の表示エリアは存在せず、S114へ進む。
S114では、商品情報移動要フラグF4=1であるか否かをチェックし、商品情報移動要フラグF4=1でなければ、取付用処理を終了する。ケース1の場合、商品情報移動要フラグF4は、リセットされたままであるので、商品情報移動要フラグF4=1ではなく、取付用処理を終了する。従って、棚札表示データは、図31のようになり、棚札部15の表示面の表示は、図30(b)のようになる。
このように、電子棚札1の棚札部15における表示面に表示エリアが一つしか形成されていない場合、棚札部15の表示面において、表示エリアを分割したい地点で商品仕切板6を取付ることにより、棚札部15の表示面の表示エリアを分割することができる。
次に、図22及び図23に示すケース2の場合において、図32(a)に示すように、棚札部15における表示面のX軸座標値600の地点で、商品仕切板6の取付が行われた場合を考える。このケースをケース2Aとする。このケースでは、上述した図26の基本動作を示したフローチャートによる処理により、上記のケース1の場合と同様、取付用処理(S100)の指示が行われる。この場合、表示エリア数m=3である。又、商品仕切板6の取付位置のX軸座標値である第1不一致X軸座標値Jは、上述したように、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている。
そこで、上記のケース1の場合と同様、図27〜図29において、最初に、商品情報移動要フラグF4をリセットすると共に(S101)、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jを読み出す(S102)。そして、S103へ進む。
S103では、棚札識別データメモリエリアに記録されている棚札識別データを用いて、上記で読み出した第1不一致X軸座標値J>左境界値L、且つ、第1不一致X軸座標値J<右境界値R、となるような表示エリア(h)を、表示エリア1〜表示エリア(m)の中から見つける。ケース2Aの場合、不一致X軸座標値J=600であり、表示エリア2の左境界値L=300、右境界値R=700であるので、表示エリア(h)が表示エリア2であれば、不一致X軸座標値J>左境界値L、且つ、不一致X軸座標値J<右境界値Rを満足する。従って、表示エリア(h)=表示エリア2である。
そして、次に、表示エリア(h)の商品情報有無D=1であるか否かをチェックし(S104)、商品情報有無D=1でなければ(S105)、S109へ進む。ケース2Aの場合は、表示エリア(h)=表示エリア2であり、表示エリア2の商品情報有無D=0であるので、商品情報有無D=1ではなく、S109へ進む。
S109では、表示エリア(h)を新表示エリア(h)に変更し、この新表示エリア(h)では、右境界値Rに不一致X軸座標値Jを用いて、S110へ進む。S110では、新表示エリア(h)の次に、新しく新表示エリア(h+1)を形成して追加し、この新表示エリア(h+1)では、左境界値Lに第1不一致X軸座標値Jを用い、右境界値Rに表示エリア(h)の右境界値Rを用いると共に、商品情報有無D=0、商品情報は無しとして、S111へ進む。
ケース2Aの場合、表示エリア(h)=表示エリア2、不一致X軸座標値Jは600であり、表示エリア2は新表示エリア2に変更される。この変更により、新表示エリア2が表示エリア2と異なる点は、右境界値R=600、中央値C=450となることである。又、新表示エリア3が新しく形成され、この新表示エリア3では、左境界値L=600、右境界値R=700、中央値C=650、商品情報有無D=0、商品情報は無しとなり、S111へ進む。
S111では、表示エリア(h)の次以降に他の表示エリアが存在するか否かチェックし、存在する場合は(112)、S113へ進む。ケース2Aの場合、表示エリア(h)=表示エリア2であり、表示エリア2の次以降に表示エリア3が存在するので、S113へ進む。S113では、表示エリア(h)の次以降に存在する全ての表示エリアの表示エリア番号に1を加算して、新表示エリア番号として、S114へ進む。ケース2Aの場合、表示エリア2の次に存在する表示エリア3の表示エリア番号に1を加算して新表示エリア番号4として、S114へ進む。
S114では、商品情報移動要フラグF4=1であるか否かをチェックし、商品情報移動要フラグF4=1でなければ、取付用処理を終了する。ケース2Aの場合、商品情報移動要フラグはリセットされたままであるので、商品情報移動要フラグF4=1ではなく、取付用処理を終了する。従って、棚札表示データは、図33のようになり、棚札部15の表示面の表示は、図32(b)のようになる。
次に、図24及び図25に示すケース3の場合において、図34(a)に示すように、棚札部15における表示面のX軸座標値600の地点で、商品仕切板6の取付が行われた場合を考える。このケースをケース3Aとする。このケースでは、上記のケース2Aの場合と同様、商品仕切板6の取付が行われた地点で、表示エリアを分割しようとする場合である。この場合は、上述した図26の基本動作を示したフローチャートによる処理により、上記のケース2Aの場合と同様、取付用処理(S100)の指示が行われる。この場合、表示エリア数m=3である。又、商品仕切板6の取付位置のX軸座標値である第1不一致X軸座標値Jは、上述したように、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている。
このケース3Aが上記のケース2Aと異なるのは、図25に示すケース3の棚札表示データから分かるように、各表示エリアの商品情報有無D=1であり、図24に示す棚札部15の表示面のように、棚札部15における表示面に形成されている各表示エリアには、商品情報が表示されている点である。
この場合、取付用処理(S100)において、S101〜S103の処理は、ケース2Aと全く同じであるので、S104から説明する。
S104では、表示エリア(h)の商品情報有無D=1であるか否かをチェックし、商品情報有無D=1であれば(S105)、S106へ進む。ケース3Aの場合は、表示エリア(h)=表示エリア2で、表示エリア2の商品情報有無D=1であるので、S106へ進む。
S106では、商品情報移動要フラグF4=1とする。そして、図34(b)に示すように、新たに形成する新表示エリア(h+1)を左右いずれの側に設けるかを選択させるガイダンスを表示すると共に(図34(b)では、「どちら側に追加しますか」と表示)、「左」及び「右」を表示する(S107)。このガイダンスは、電子棚札1から棚札サーバ2を介して携帯端末3へ無線で送信され、携帯端末3の表示部35に表示される(S107)。そこで、携帯端末3の操作者により「左」又は「右」のいずれかが選択されて、携帯端末3から棚札サーバ2を介して電子棚札1へ無線で送信される。この携帯端末3からの選択結果を待って(S108)、S109へ進む。
次にS109〜S113の処理が行われるが、この処理も、ケース2Aと全く同じであるので、S114から説明する。但し、S109では、新表示エリア(h)である新表示エリア2の商品情報有無D=1、新表示エリア2の商品情報は表示エリア2の商品情報を用いる、となり、S110では、新表示エリア(h+1)である新表示エリア3の商品情報有無D=0、新表示エリア3の商品情報は無し、となる。
S114では、商品情報移動要フラグF4=1であるか否かチェックし、商品情報移動要フラグF4=1であれば、S115へ進む。ケース3Aの場合、S106で商品情報移動要フラグF4=1となっているので、S115へ進む。
S115では、携帯端末3からの回答により、新表示エリアを左右いずれの側に設けるか判断する。この判断が、右側であれば、S117に進み、左側であれば、S118に進む。ケース3Aの場合、携帯端末3から「右」が回答されるとS117に進み、「左」が回答されるとS118に進む。
S117では、表示エリア(h)の商品情報をそのまま新表示エリア(h)の商品情報として使用する。そして、電子棚札1の動作を終了する。この場合、この新表示エリア(h)が、前述の継承表示エリアに該当する。
ケース3Aの場合、携帯端末3から「右」が回答されると、表示エリア2の商品情報をそのまま新表示エリア2の商品情報として使用する。従って、棚札表示データは、図35のようになり、棚札部15の表示面の表示は、図34(c)のようになる。
S118では、表示エリア(h)の商品情報を、新しく形成された新表示エリア(h+1)へ移すと共に、新表示エリア(h+1)の商品情報有無D=1とする。又、新表示エリア(h)では、商品情報有無D=0に、商品情報は無しにそれぞれ変更して、電子棚札1の動作を終了する。この場合、この新表示エリア(h+1)が、前述の継承表示エリアに該当する。
ケース3Aの場合、表示エリア(h)=表示エリア2であるので、携帯端末3から「左」が回答されると、表示エリア2の商品情報は、新しく形成された新表示エリア3へ移されると共に、新表示エリア3の商品情報有無D=1となる。又、新表示エリア2では、商品情報有無D=0、新表示エリア2の商品情報は無しとなる。従って、棚札表示データは、図36のようになり、棚札部15の表示面の表示は、図34(d)のようになる。
次に、取外し用処理(S200)について説明する。図37〜図39は、取外し用処理(S200)の動作を示したフローチャートである。この取外し用処理は、商品仕切板6の取外しが行われた地点で、商品仕切板6を取外す前に形成されていた商品仕切板6の取付位置に存在する境界線の、左右いずれか一方の表示エリアを削除すると共に、他方の表示エリアを削除した表示エリアに拡張しようとする場合である。
この取外し用処理では、まず、図22及び図23に示すケース3の場合において、図40(a)に示すように、棚札部15の表示面で、表示エリア2と表示エリア3との境界であるX軸座標値700の地点に取付られている商品仕切板6が、取外しされた場合を考える。このケースをケース3Bとする。このケースでは、上述した図26の基本動作を示したフローチャートによる処理により、取外し用処理(S200)の指示が行われる。この場合、表示エリア数m=3である。又、商品仕切板6の取付位置のX軸座標値である第1不一致X軸座標値J=700は、上述したように、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている。
そこで、図37において、最初に、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jを読み出す(S201)。そして、S202へ進む。
S202では、第1不一致X軸座標値Jを、表示エリア1〜表示エリア(m)の右境界値Rと比較して一致する表示エリア(h)を見つける。そして、図40(b)に示すように、見つかったこの表示エリア(h)の右境界線上に、この右境界線の左右のいずれの表示エリアを削除するかを選択させるガイダンスを表示すると共に(図40(b)では、「どちら側を削除しますか」と表示)、「左」及び「右」を表示する(S203)。このガイダンスは、電子棚札1から棚札サーバ2を介して携帯端末3へ無線で送信され、携帯端末3の表示部35に表示される(S203)。そこで、携帯端末3の操作者により「左」又は「右」のいずれかが選択されて、携帯端末3から棚札サーバ2を介して電子棚札1へ無線で送信される。この携帯端末3からの選択結果を待って(S204)、S205へ進む。
S205では、携帯端末3からの回答により、左右いずれの表示エリアを削除するか判断する。この判断が、左側であれば、S210に進み、右側であれば、S220に進む。S210は表示エリア左側削除処理であり、S220は表示エリア右側削除処理である。このいずれかの処理が終了すると、S207へ進む。ケース3Bの場合、携帯端末3から「左」が回答されるとS210に進んで表示エリア左側削除処理を行い、この処理が終了するとS207へ進む。「右」が回答されるとS220に進んで表示エリア右側削除処理を行い、この処理が終了するとS207へ進む。
ケース3Bの場合、第1不一致X軸座標値J=700であるのに対して、表示エリア2の右境界値R=700であるので、第1不一致X軸座標値Jが、右境界値Rと一致する表示エリア(h)=表示エリア2である(S202)。そして、上述したS202〜S206の処理が行われて、携帯端末3の回答により、表示エリア左側削除処理(S210)、又は、表示エリア右側削除処理(S220)のいずれかの処理が行われ、S207へ進む。上記の表示エリア左側削除処理(S210)、及び、表示エリア右側削除処理(S220)については、後述する。
S207では、表示エリア(h+1)の次以降に他の表示エリアが存在するかチェックし、存在しない場合は、取外し用処理を終了する(S208)。存在する場合は、S209へ進む。S209では、表示エリア(h+1)の次以降に存在する全ての表示エリアの表示エリア番号から1を減算して、新表示エリア番号として、取外し用処理を終了する。
ケース3Bの場合、表示エリア数m=3である。又、表示エリア(h)=表示エリア2であるので、表示エリア(h+1)=表示エリア3であり、表示エリア3の次に表示エリアは存在しないので、表示エリア(h+1)の次以降に存在する全ての表示エリアの表示エリア番号から1を減算する処理は行わずに、取外し用処理を終了する。
次に、上記の表示エリア左側削除処理(S210)について説明する。図38は、表示エリア左側削除処理(S210)の動作を示したフローチャートである。表示エリア左側削除処理は、商品仕切板6の取外しが行われた地点で、商品仕切板6を取外す前に形成されていた商品仕切板6の取り付け位置に存在する境界線の、左側の表示エリアを削除すると共に、右側の表示エリアを削除した左側の表示エリアに拡張する処理である。
この表示エリア左側削除処理(S210)は、図38において、まず、表示エリア(h)を削除する(211)。そして、表示エリア(h+1)を新表示エリア(h)に変更し、この新表示エリア(h)では、右境界値Rに表示エリア(h+1)の右境界値Rを用いると共に、表示エリア(h+1)の商品情報有無D及び商品情報を、新表示エリア(h)へ移して、表示エリア左側削除処理の処理を終了する(S212)。
ケース3Bの場合、表示エリア(h)=表示エリア2、表示エリア(h+1)=表示エリア3、表示エリア3の右境界値R=1000であり、表示エリア2が削除されると共に、表示エリア3は新表示エリア2に変更される。この変更により、この新表示エリア2が表示エリア2と異なる点は、右境界値R=1000、中央値C=650、商品情報有無Dに表示エリア3の商品情報有無Dを用い、商品情報に表示エリア3の商品情報を用いることである。即ち、新表示エリア2には、図40(c)に示すように、表示エリア3の内容であるカキ、80円が表示される。
上記の表示エリア左側削除処理(S210)が終了すると、上述したように、取外し用処理(S200)におけるS207〜S209の処理が行われるが、このケース3Bの場合は、上述したように、表示エリア(h+1)の次以降に存在する全ての表示エリアの表示エリア番号から1を減算するS209の処理は行われない。従って、棚札表示データは、図41のようになり、棚札部15の表示面の表示は、図40(c)のようになる。
次に、上記の表示エリア右側削除処理(S220)について説明する。図39は、表示エリア右側削除処理(S220)の動作を示したフローチャートである。表示エリア右側削除処理は、商品仕切板6の取外しが行われた地点で、商品仕切板6を取外す前に形成されていた商品仕切板6の取り付け位置に存在する境界線の、右側の表示エリアを削除すると共に、左側の表示エリアを削除した右側の表示エリアに拡張する処理である。
この表示エリア右側削除処理(S220)は、図39において、まず、表示エリア(h+1)を削除する(221)。そして、表示エリア(h)を新表示エリア(h)に変更し、この新表示エリア(h)では、右境界値Rに表示エリア(h+1)の右境界値Rを用いて、表示エリア右側削除処理の処理を終了する(S222)。
ケース3Bの場合、表示エリア(h)=表示エリア2、表示エリア(h+1)=表示エリア3、表示エリア3の右境界値R=1000であり、表示エリア3が削除されると共に、表示エリア2は新表示エリア2に変更される。この変更により、この新表示エリア2が表示エリア2と異なる点は、右境界値R=1000、中央値C=650となることである。即ち、新表示エリア2には、図40(d)に示すように、表示エリア2の内容であるミカン、100円がそのまま表示される。
上記の表示エリア左側削除処理(S210)が終了すると、上述したように、取外し用処理(S200)におけるS207〜S209の処理が行われるが、このケース3Bの場合は、上述したように、表示エリア(h+1)の次以降に存在する全ての表示エリアの表示エリア番号から1を減算するS209の処理は行わない。従って、棚札表示データは、図42のようになり、棚札部15の表示面の表示は、図40(d)のようになる。
上記の取外し用処理(S200)において、図22及び図23に示すケース2の場合も考えられるが、このケース2の場は、図24及び図25に示すケース3の場合と比べて、各表示エリアの棚札表示データの商品情報有無D=0であり、棚札部15における表示面に形成されている各表示エリアに、商品情報が表示されていない点が異なるのみであり、取外し用処理(S200)の処理フローとしては、ケース3の場合と全く同じであるので、説明を省略する。
次に、移動用処理(S300)について説明する。図43〜図45は、移動用処理(S300)の動作を示したフローチャートである。この移動用処理は、商品仕切板6の移動が行われた場合に、移動した商品仕切板6が移動する前に取付られていた商品仕切板6の取付位置に存在する境界線の、左右いずれか一方の表示エリアを縮小すると共に、他方の表示エリアを縮小した表示エリアに拡張しようとする場合である。
この移動用処理(S300)では、図43において、最初に、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されている第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jを読出すと共に(S301)、第2不一致データD2Dメモリエリアに記録されている第2不一致データD2Dである第2不一致X軸座標値Kを読出す(S302)。そして、S303へ進む。
S303では、第1不一致X軸座標値Jと第2不一致X軸座標値Kとの大小比較を行う。第1不一致X軸座標値Jが第2不一致X軸座標値Kより大きい場合は(S304)、商品仕切板6は、移動前の位置から左の方向へ移動しているので、左側への境界線移動処理を行い(S310)、移動用処理を終了する。第1不一致X軸座標値Jが第2不一致X軸座標値Kより大きくない場合(S304)、即ち、第2不一致X軸座標値Kが第1不一致X軸座標値Jより大きい場合は、商品仕切板6は、移動前の位置から右の方向へ移動しているので、右側への境界線移動処理を行い(S320)、移動用処理を終了する。
図44は、上記の左側への境界線移動処理(S310)を示したフローチャートである。図44において、まず、第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jを、表示エリア1〜表示エリア(m)の右境界値Rと比較して一致する表示エリア(h)を見つける(S311)。そして、表示エリア(h)を新表示エリア(h)に変更し、この新表示エリア(h)では、右境界値Rに第2不一致データD2Dである第2不一致X軸座標値Kを用いると共に(S312)、表示エリア(h+1)を新表示エリア(h+1)に変更し、この新表示エリア(h+1)では、左境界値Lに第2不一致データD2Dである第2不一致X軸座標値Kを用いて、左側への境界線移動処理を終了する(S313)。
図45は、上記の右側への境界線移動処理(S320)を示したフローチャートである。図45において、まず、第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値Jを、表示エリア1〜表示エリア(m)の左境界値Lと比較して一致する表示エリア(h)を見つける(S321)。そして、表示エリア(h)を新表示エリア(h)に変更し、この新表示エリア(h)では、左境界値Lに第2不一致データD2Dである第2不一致X軸座標値Kを用いると共に(S322)、表示エリア(h−1)を新表示エリア(h−1)に変更し、この新表示エリア(h−1)では、右境界値Rに第2不一致データD2Dである第2不一致X軸座標値Kを用いて、右側への境界線移動処理を終了する(S323)。
上記の移動用処理では、図24及び図25に示すケース3の場合において、ケース3Cとケース3Dの2つのケースを考える。ケース3Cは、図46(a)に示すように、棚札部15の表示面で、表示エリア2と表示エリア3との境界であるX軸座標値700の地点に取付られている商品仕切板6が、移動前の位置から左の方向であるX軸座標値500の地点に移動された場合である。
この場合、商品仕切板6の移動前の取付位置のX軸座標値である第1不一致X軸座標値J=700は、上述したように、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されていると共に、移動後の取付位置のX軸座標値である第2不一致X軸座標値K=500は、上述したように、第2不一致データD2Dとして、第2不一致データD2Dメモリエリアに記録されている。
このケース3Cでは、上述した図26の基本動作を示したフローチャートによる処理により、移動用処理(S300)の指示が行われる。又、移動用処理(S300)では、第1不一致X軸座標値J=700が第2不一致X軸座標値K=500より大きいので(S304)、左側への境界線移動処理(S310)が行われる。
この左側への境界線移動処理(S310)において、表示エリア数m=3であり、表示エリア(h)=表示エリア2、表示エリア(h+1)=表示エリア3、表示エリア2の右境界値R=700である。従って、第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値J=700が、一致する左境界値Lを有する表示エリア(h)=表示エリア2であり、表示エリア2は新表示エリア2に変更され、表示エリア3は新表示エリア3に変更される。この変更により、新表示エリア2が表示エリア2と異なる点は、右境界値R=500、中央値C=400となることであり、新表示エリア3が表示エリア3と異なる点は、左境界値L=500、中央値C=750となることである。従って、棚札表示データは、図47のようになり、棚札部15の表示面の表示は、図46(b)のようになる。
ケース3Dは、図48(a)に示すように、棚札部15の表示面で、表示エリア1と表示エリア2との境界であるX軸座標値300の地点に取付られている商品仕切板6が、移動前の位置から右の方向であるX軸座標値400の地点に移動された場合である。
この場合、商品仕切板6の移動前の取付位置のX軸座標値である第1不一致X軸座標値J=300は、上述したように、第1不一致データD1Dとして、第1不一致データD1Dメモリエリアに記録されていると共に、移動後の取付位置のX軸座標値である第2不一致X軸座標値K=400は、上述したように、第2不一致データD2Dとして、第2不一致データD2Dメモリエリアに記録されている。
このケース3Dでは、上述した図26の基本動作を示したフローチャートによる処理により、移動用処理(S300)の指示が行われる。又、移動用処理(S300)では、第2不一致X軸座標値K=400が第1不一致X軸座標値J=300より大きいので(S304)、右側への境界線移動処理(S320)が行われる。
この右側への境界線移動処理(S310)において、表示エリア数m=3であり、表示エリア(h)=表示エリア2、表示エリア(h―1)=表示エリア1、表示エリア2の左境界値L=300である。従って、第1不一致データD1Dである第1不一致X軸座標値J=300が、一致する左境界値Lを有する表示エリア(h)=表示エリア2であり、表示エリア2は新表示エリア2に変更され、表示エリア1は新表示エリア1に変更される。この変更により、新表示エリア2が表示エリア2と異なる点は、左境界値L=400、中央値C=550となることであり、新表示エリア1が表示エリア1と異なる点は、右境界値R=400、中央値C=200となることである。従って、棚札表示データは、図49のようになり、棚札部15の表示面の表示は、図48(b)のようになる。
上記の移動用処理(S300)において、図22及び図23に示すケース2の場合も考えられるが、このケース2の場は、図24及び図25に示すケース3の場合と比べて、各表示エリアの棚札表示データの商品情報有無D=0であり、棚札部15における表示面に形成されている各表示エリアに、商品情報が表示されていない点が異なるのみであり、移動用処理(S300)の処理フローとしては、ケース3の場合と全く同じであるので、説明を省略する。
<電子棚札の効果及びその他の説明>
上記の本実施の形態における電子棚札1によれば、商品陳列台4の商品陳列棚5における商品情報の表示エリアの変更を、商品陳列棚5の商品仕切板6の新たな取付、既に取付けられている商品仕切板6の移動、又は、既に取付られている商品仕切板6の取外しにより行うことができるので、商品陳列台4が設置されたスーパーマーケットや小売店等の店舗の現場で、容易に行うことができる。
上記の本実施の形態における電子棚札1では、電子棚札1の棚札部15の表示面に形成される隣接する表示エリア間には境界線が形成され、この境界線は、可視状態で表示されるが、この境界線を、棚札部15の表示面に表示しないようにしてもよい。
又、上記の本実施の形態における電子棚札1では、メモリ12の棚札表示データメモリエリアに記録される棚札表示データの表品情報としては、商品名と価格のみであるが、これら以外の他の情報、例えば、商品IDや、当該商品に対するキャッチコピー、販売期間等を加えるようにしてもよい。又、棚札表示データの棚札情報として、棚札ID等を加えるようにしてもよい。又、上記の本実施の形態における電子棚札1では、電子棚札1の棚札部15の表示面に形成される表示エリアに表示されるのは、商品名と価格のみであるが、これら以外の情報として、上記のキャッチコピー等を表示するようにしてもよい。
又、上記の本実施の形態における電子棚札1では、図12及び、図13のフローチャートで示される状態認識動作は、常時動作している。しかし、このような状態下では、スーパーマーケット等への来店客が、不用意に、商品陳列棚5の前端部に手等を触れることで、タッチパネル17がこれを捉えることがないとは言えず、その場合に、電子棚札1は、新たな商品仕切板6が取付られた等の誤認識を行うおそれがある。そこで、これを防ぐために、図12及び、図13のフローチャートで示される状態認識動作は、操作者が携帯端末3を操作することにより、携帯端末3から状態認識動作の開始指令が棚札サーバ2経由で電子棚札1に送信されたときのみ、行うようにしてもよい。
又、上記の本実施の形態における電子棚札1では、LCD16の表面に、選択ガイダンスを表示した際に、この選択に対する回答を、電子棚札1と無線で交信する携帯端末3を用いて電子棚札1に提供するようにしているが、この選択に対する回答の提供としては、このような方法には限られない。例えば、タッチパネル17の表面の左右の端部に、選択に対する回答を入力可能な部分を設けておき、選択に対する回答として、「左」を入力するときは、タッチパネル17の左端の表面を指で押圧し、「右」を入力するときは、タッチパネル17の右端の表面を指で押圧するようにする等の方法が考えられる。
又、上記の本実施の形態における電子棚札1では、タッチパネル17は、電子棚札1の表面に設けられている棚札部15を構成しており、電子棚札1が商品陳列台4の商品陳列棚5の前端面5aに備えられているが、タッチパネル17の取付位置としてはこれには限られない。例えば、タッチパネル17を電子棚札1から分離すると共に、帯状のタッチパネル17を、図4〜図6において、商品陳列台4の商品陳列棚5の後端溝5bの後端溝内側前面5cに取付ると共に、商品仕切板6の後端突起6bの前面で、この帯状のタッチパネル17を押圧するようにしてもよい。或いは、後端溝5bの底面である後端溝底面5dに取付て、商品仕切板6の後端突起6bの底面で、この帯状のタッチパネル17を押圧するようにする等、他の方法も考えられる。
又、上記の本実施の形態における電子棚札1では、商品仕切板6の取付位置を認識する手段としてタッチパネル17を用いているが、商品仕切板6の取付位置を認識する手段としてはこれには限られず、マイクロスイッチ等のスイッチを商品陳列棚5の後端溝5b内に並べて配設し、商品仕切板6の後端突起6bの底面で押圧するようにする等の、他の方法も考えられる。
又、上記の本実施の形態における電子棚札1では、水平に設置されている商品陳列台4の商品陳列棚5の1段に、1つの電子棚札1が備えられているが、商品陳列台4が大きくて、1段の商品陳列台4が長い場合に、複数の電子棚札1を備えるようにしてもよい。図50は、このような場合の例を示したものであり、1段の商品陳列台4に3つの電子棚札1が備えられている。
又、上記の本実施の形態における電子棚札1では、電子棚札1が備えられる商品陳列棚5は水平方向に長い形状をしており、電子棚札1は長手方向が水平になるようにして使用されているが、図51に示すように、電子棚札1は長手方向が垂直になるようにして使用するようにしてもよい。