JP2008035330A - 投写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キーストーン補正を経て台形歪みを是正した投写画像における効果的なモアレの抑制手法を提供する。
【解決手段】走査入力した画素データをデータ特性(濃淡レベル)の連続性の有無を基準に区分し、濃淡レベルに連続性があれば、キーストーン補正の際の画素データの間引きにより連続性の欠損が起き、これにより投写画像にモアレが発生する可能性がある。よって、濃淡レベルに連続性があるときは、連続性に基づいたほかし処理(ローパスフィルタ処理)を台形補正前に行って画素データに画像のぼやけをもたらした上で、キーストーン補正を施す。濃淡レベルに連続性がない画素データであっても、これら画素データを濃淡レベルの偏在状況により区分しつつ、濃淡レベルに低階調側或いは高階調側に偏在があれば、濃淡レベルに基づいたぼかし処理(ローパスフィルタ処理)を施す。
【選択図】図3

Description

本発明は、投写画像の台形歪みを是正するよう画像を投写する投写装置と投写方法に関する。
投写装置は、画像を投写する投写表示機器と、画像の投写対象であるスクリーンとが離れている都合上、投写表示機器とスクリーンとの相対的な位置関係によって、スクリーンに投写された画像(投写画像)に台形歪みが生じることがある。このため、スクリーンと投写表示機器との相対的な位置関係を予め把握して、その結果に応じて台形歪みが是正されるよう、投写表示機器での画像に変形を起こすようにする技術、いわゆるキーストーン補正技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
上記した特許文献で提案されているようなキーストーン補正を行うと、台形歪みが是正された投写画像を得ることができる。しかしながら、投写前の画像、即ちキーストーン補正を行わない画像では見られなかったモアレが投写画像で散見されると云った事態が報告されるに到った。
ところで、モアレの抑制には、ぼかし処理が効果的であることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−247614号公報 特開2001−78039号公報
しかしながら、キーストーン補正を経た画像(投写画像)は、画像パターンの周期性においてキーストーン補正前の画像とは相違していることから、投写画像の画素データにただ単純にぼかし処理を行うと、台形歪みの是正程度、延いては投写画像の画質への悪影響が懸念される。その一方、キーストーン補正前の画像の画素データにぼかし処理を行うとしても、外形歪みの是正のための補正との関係において何らかの対処を要すると思われるが、そのアプローチがなされていないのが現状である。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、キーストーン補正を経て台形歪みを是正した投写画像における効果的なモアレの抑制手法を提供することをその目的とする。
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、投写表示機器による投写画像の台形歪みを是正するために必要な画像補正を、走査順に並んだ画素データの間引きを行った上で、該間引き後の前記画素データに対して施し、前記画像補正を経た画素データを前記投写表示機器に走査出力することで、前記投写表示機器による投写画像の台形歪みを是正するに当たり、画像を構成する画素データの走査入力し、キーストーン補正部による上記した画像補正の前に以下の処理を行う。つまり、まず、走査入力した入力画素データの一の画素データを判別対象画素データとし、該判別対象画素データを含んだ一群の複数の前記入力画素データについての画素データのデータ特性の連続状況を、前記入力画素データのそれぞれの画素データについて判別する。画素データ(判別対象画素データ)を含んだ一群においてデータ特性の連続性があれば、後に行う上記の画像補正において画素データの間引きが行われることから、データ特性の連続性に欠損が起き得るので、画像補正前では見られなかった画素データのデータ特性の周期性が発現する可能性がある。
こうした知見に立ち、連続性の判別後には、前記画像補正の際の前記画素データの間引きに基づく画素データのデータ特性の連続性欠損に起因した前記投写画像におけるモアレの発生の可能性を、前記判別した前記データ特性の連続状況に基づいて判別する。そして、前記モアレの発生の可能性があると判別した前記データ特性の連続状況を有する前記判別対象画素データとしての前記入力画素データについては、画像にぼやけをもたらすデータ処理を行い、該データ処理を経た画素データを台形歪み是正のための前記画像補正の補正対象データとして前記キーストーン補正部に走査出力する。このため、キーストーン補正部は、画像にぼやけをもたらすデータ処理を経た画素データに対して、走査順に並んだ画素データの間引きを行った上で、台形歪み是正のための画像補正を施し、前記画像補正を経た画素データを前記投写表示機器に走査出力する。
上記したように画像にぼやけをもたらすデータ処理を行うに当たり、そのぼやけの程度を、キーストーン補正部による台形歪み是正のための画像補正の程度に応じて設定することができる。例えば、キーストーン補正部による台形歪み是正のための画像補正の程度が大きくなれば、画素データ前処理での画像のぼやけの程度を大きく設定することができる。
上記構成を有する本発明の画像投写手法では、画素データ(判別対象画素データ)を含んだ一群において表れるデータ特性の連続性がキーストーン補正部にて施される画像補正の際の画素データの間引きにより損なわれて、画像補正前では見られなかった画素データのデータ特性の周期性が発現するような場合には、画像にぼやけをもたらすデータ処理を行った後に、台形歪みの是正のための画像補正を行う。よって、本発明の画像投写手法によれば、キーストーン補正を経て台形歪みを是正した投写画像のモアレを抑制できる。しかも、画像にぼかしをもたらすデータ処理は、キーストーン補正による台形歪み是正の前に行うことから、台形歪みの是正程度や投写画像の画質への影響をも抑制できる。
以上説明した本発明の投写装置において、判別対象画素データを含んだ一群の複数の前記入力画素データについての画素データのデータ特性の連続状況を判別するに当たり、前記一群の複数の前記入力画素データを、前記判別対象画素データに続いて走査順に並んだ複数の前記入力画素データとして、前記データ特性の連続性を判別する第1の判別手法と、前記一群の複数の前記入力画素データを、前記判別対象画素データを含む走査列において走査順に並んだ複数の前記入力画素データと、前記判別対象画素データの走査列の前後の走査列において走査順に並んだ複数の前記入力画素データとを含むデータとして、前記データ特性の連続性を判別する第2の判別手法を取ることができる。この両判別手法を併用することもできる。こうした判別手法を取れば、データ特性の連続状況を簡便に判別でき、好ましい。
また、上記した本発明の投写装置において、前記キーストーン補正部による台形歪みの是正のための画像補正を行うに当たり、投写画像の台形歪み是正の要否を判別し、前記台形歪み是正が必要な場合において前記画素データの前記画像補正を施して前記画像補正後の画素データを投写表示機器に走査出力し、前記台形歪み是正が不要な場合には前記画素データの前記画像補正を行わないまま前記画素データを投写表示機器に走査出力するようにし、その上で、前記キーストーン補正部により前記台形歪み是正が不要と判別された際には、前記画素データ前処理を行わないまま前記画素データを前記キーストーン補正部に走査出力するようにすることもできる。こうすれば、データ処理に要する演算負荷の軽減を図ることができる。
更に、上記した本発明の投写装置において、前記モアレ判別部により前記データ特性の連続状況に応じて前記モアレの発生の可能性がないと判別した前記データ特性の連続状況を有する前記判別対象画素データとしての前記入力画素データについても、前記走査入力した前記画素データの濃淡レベルの発現状況が該濃淡レベルの高階調側偏在或いは低階調側偏在がある場合には、画像にぼやけをもたらすデータ処理を前記判別対象画素データとしての前記入力画素データの濃淡レベルに応じて実行するようにすることもできる。こうすれば、次の利点がある。
画像においては、一般に、濃淡レベルが低い画像と高い画像では画像のぼやけが目立つ傾向にあることから、走査入力した前記画素データの濃淡レベルの発現状況が該濃淡レベルの高階調側偏在或いは低階調側偏在があると、この濃淡レベルが高い階調或いは低い階調に属する濃淡レベルを有する画素データによる画像部分では画像のぼやけが目立ちがちとなる。その反面、濃淡レベルが高階調側と低階調側以外の濃淡レベルを有する画素データによる画像部分では画像のぼやけは比較的目立たない。画像のぼやけはモアレ抑制に関与することから、濃淡レベルが高い階調或いは低い階調に属する濃淡レベルを有する画素データについては、当該データ自体で画像のぼやけをもたらすので更なるぼやけは無用であり、濃淡レベルの発現状況が該濃淡レベルの高階調側偏在或いは低階調側偏在があると、画素データ自体で画像のぼやけをもたらす領域が多くなる。しかし、濃淡レベルが高階調側と低階調側以外の濃淡レベルを有する画素データについては、ぼやけが目立たないことで、画像投写に際してのデータの間引きを含むキーストーン補正(画像補正)によりモアレを発現させる可能性がある。よって、こうしたモアレ発現の可能性のある画素データについては、データ特性の連続状況に応じて前記モアレの発生の可能性がないと判別した場合であっても、画像にぼやけをもたらすデータ処理を当該画素データの濃淡レベルに応じて実行する。これにより、画素データの濃淡レベルに起因する画像のぼやけを介して、投写画像のモアレ抑制の実効性を高めることができる。
なお、本発明は、投写装置の制御装置、それらの方法または装置の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムやファームウェア、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、記憶装置を備える消耗品容器等の種々の形態で実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例としての液晶プロジェクタ10の構成を示すブロック図である。液晶プロジェクタ10は、スクリーンSC上に画像を投写するための光学系100と、投写光を制御する制御系200とを備えている。光学系100は、照明光学系110と、液晶パネル(LCD)120と、投写光学系130と備えている。制御系200は、コントローラ210と、画像処理部220と、液晶パネル(LCD)ドライバ230と、撮像画像解析部260と、撮像部250と、を備えている。
コントローラ210は、図示しないCPUやメモリを備えている。コントローラ210は、画像処理部220と、LCDドライバ230と、撮像画像解析部260と、を制御する。
画像処理部220は、その処理の機能別に、キーストーン補正部222と、データ前処理部224と、通常処理部226とを備え、これら処理部により、外部から与えられた入力画像信号(画素データ)を処理してLCDドライバ230への入力信号を生成する。入力画像信号の処理には、画質調整処理や台形補正処理、台形補正前の前処理といった種々の画像処理が含まれている。通常処理部226は、例えば輝度調整や色温度補正といったこの種装置において通常行われる画質調整処理を実行する。キーストーン補正部222は、スクリーンSCが液晶プロジェクタ10の光学系100の光軸に対して正対しない場合に生ずる画像の歪み(台形歪み)を是正(補正)するための画像処理(台形補正処理、いわゆるキーストーン補正処理)を実行する。データ前処理部224は、外部のメモリ等から画像を構成する画素データを入力し、その入力画素データをキーストーン補正部222や通常処理部226に受け渡したりする一方、キーストーン補正部222での台形補正に先立つデータ前処理を行う。これら処理については、後述する。
LCDドライバ230は、画像処理部220から入力された画素データに基づいて、液晶パネル120を駆動するための駆動信号を生成する。この駆動信号は、液晶パネル120に供給されて、液晶パネル120が有する各画素の透過光量の制御に使用される。液晶パネル120を透過した光は、投写光学系130に照射される。
投写光学系130は、液晶パネル120から照射された光をスクリーンSC上に投写する。スクリーンSCは、投射光によって所定の照度比となるように照射されている。ここで、スクリーンSCへの照射状態は、撮像部250によって撮像される。
撮像部250は、液晶プロジェクタ10の投写光学系130の近傍に配設され、投写光学系130からスクリーンSCに投写された画像を撮像する。撮像画像解析部260は、撮像部250の撮像画像を走査入力し、当該撮像画像と光学系100の液晶パネル120に描画された画像とを比較し、その比較結果に基づいてスクリーンSCの傾きを推定する。その上で、撮像画像解析部260は、このスクリーンSCの傾きの程度に応じて、キーストーン補正部222による台形歪み是正の補正量を算出する。このようにして算出された台形歪み是正の補正量は、撮像画像解析部260から画像処理部220に送られ、キーストーン補正部222によるキーストン補正の際の補正量として用いられる。こうした台形歪み是正の補正量算出は、液晶プロジェクタ10の電源オン時や、液晶プロジェクタ10の使用期間における所定時間ごとに実行され、算出補正量は更新・記憶される。なお、台形歪み是正の補正量算出は種々の手法で行うことができるが、本発明の要旨に直接関係しないので、その説明は省略する。
次に、本実施例の液晶プロジェクタ10が行う画像投写処理について説明する。図2は画像投写処理のプロセスを示すフローチャートである。この画像投写処理は、静止画或いは動画の画像投写の開始信号、例えば図示しない開始スイッチのオン操作を経て実行され、まず、その投写対象となる画像を構成する画素データを操作入力する(ステップS100)。入力した画素データは、後述の処理に備えてフレームメモリに一時的に記憶される。
次に、撮像画像解析部260にて算出した台形補正量に基づいて、今回の画像投写に際しての台形補正の要否を判定する(ステップS110)。スクリーンSCの傾きが画像投写に際して無視できるほど小さいために、撮像画像解析部260で算出した台形補正量が実質的にゼロというようなこともある。こうした場合には、後述の台形補正前処理は無用であることから、このステップS110にて台形補正の要否を判定する。ステップS110で台形補正不要と判定すれば、ステップS120の台形補正に移行するが、この場合には、台形補正量は実質的にゼロであることから、台形補正は行われないことと同義である。
ステップS110で台形補正が必要であると判定すると、台形歪みの是正のための画像処理(台形補正)に先だって台形補正前処理を実行する(ステップS120)。この台形補正前処理は、後述するように画素データに画像のぼかしをもたらすフィルタ処理(ローパスフィルタ処理)であり、台形補正前処理に続いては、台形歪みの是正のための画像処理を行う(ステップS130)。このステップS130の画像処理である台形補正は、撮像画像解析部260にて算出した台形補正量により画素データを補正すると共に、走査順に並んだ画素データの間引きも行う。こうした台形補正の概要は、次の通りである。スクリーンSCに投写された画像に台形歪みが起きている場合、この台形歪みと逆パターンで歪んだ画像を液晶パネル120にて生成すれば、スクリーンSCでの投写結果の画像は、台形歪みが是正された画像となる。こうした逆パターン歪みの画像を液晶パネル120にて生成する際、算出した台形補正量が用いられると共に、画像の歪みにより画素間の間隔が狭くなることから、台形補正量に応じて画素データの間引きを行う。
上記した台形補正に続いては、その補正(画像処理)後の画素データをドライバ230に走査出力して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。ドライバ230は、走査出力を受けた画素データに基づいて液晶パネル120を駆動制御し、台形補正後の画像を液晶パネル120に生成するので、スクリーンSCの投写画像では台形歪みが是正された画像が得られる。なお、既述したように、台形補正量が実質的にゼロであれば、ステップS140で走査出力される画素データは、入力画素データのままとなる。
こうした画像投写処理におけるステップS130の台形補正前処理について詳述する。この台形補正前処理は、既述したような画素データの間引きを含む台形補正を行うことで投写画像に現れるモアレの抑制を目的とする。図3は台形補正前処理の概要を模式的に説明する説明図、図4は台形補正前処理の詳細内容の前半を示すフローチャート、図5は台形補正前処理の詳細内容の中盤を示すフローチャート、図6は台形補正前処理の終盤を示すフローチャートである。
図3に示すように、ステップS120の台形補正前処理は、ステップS100で走査入力した画素データをデータ特性の連続性の有無を基準に区分しつつ、連続性に基づいたほかし処理を行う第1処理と、データの特性に連続性がない画素データであっても、これら画素データを濃淡レベルの偏在状況により区分しつつ、濃淡レベルに基づいたぼかし処理を行う第2処理とを含む。こうした処理の内容について説明する。
ステップS120の台形補正前処理では、図4に示すように、まず、走査入力した画素データをグレースケール化し(ステップS200)、そのグレースケールデータを画素データのデータ特性として捉える。グレースケール化の際には、画素データの3原色(RGB)についてそれぞれの階調値をグレースケール化し、その平均値を画素データのグレースケールinデータとし、これをバッファに蓄積する。このグレースケール化とその蓄積は、走査入力した総ての画素データについて行われる。グレースケール化したデータは、後述の種々のデータ処理に用いられることから、RGBの各色についてのデータをデータ処理に用いる場合に比して、演算負荷を軽減できる。
続くステップS205では、上記のグレースケールinデータの連続性の有無を判定する。以下の説明の便宜上、連続性ありと判定した画素データのエリアをfillエリアと、連続性なしと判定した画素データのエリアをnonfillエリアと適宜称することとする。本実施例では、このデータ特性の連続性を、以下に説明する第1の手法と第2の手法にて行うようにした。第1の手法は、走査順に並んだ一つの画素データに着目し、その着目画素データと当該画素データに続いて走査順に並んだ複数の画素データとを一つのデータ群とし、このデータ群におけるデータ特性の連続性を判別する手法である。図7はデータ特性の連続性の判定を行う場合のフレームエリアを説明する説明図、図8はデータ特性の連続性を判定する第1の手法の第1ステップをエリアAについて模式的に説明する説明図、図9は同じく第1の手法の第2ステップをエリアAについて模式的に説明する説明図である。
画像はm行n列のフレームデータで構成されることから、このフレームを、左端側のエリアAと、中間エリアのエリアB0〜B3と、右端側のエリアCに分割し、各エリアに属する画素データを、エリアごとに後述するようにデータ特性の連続性判定に処する。各エリアの走査方向のデータ数は、フレームデータのサイズに応じて適宜決定すればよく、本実施例では、連続性判定の信頼性を高める上から、エリアAとエリアCの走査方向データ数を11程度、エリアB0〜B3については、エリアA、Cよりデータ数を多くしつつ、各エリアでほぼ案分のデータ数とした。
こうしたエリア区分をした上で、上記の第1の判定手法を説明する。この第1の判定手法の第1ステップでは、図8に示すように、エリアAにおける最左端の画素データを着目画素データとし、この着目画素データを含んで走査順に並んだ7個の画素データを連続性判定のデータ範囲とする。そして、この着目画素データを1個飛びさせつつ、上記のデータ範囲においてデータ特性の連続性を判定する。着目画素データを含んだ走査順の7個の画素データのデータ特性、即ちステップS200で求めた各画素データについてのグレースケールinデータが、所定範囲の濃淡レベル(例えば、3階調レベル範囲)において連続すると、データ特性に連続性があると判定し、この場合の着目画素データを連続性ありの画素データとする。こうした1個飛びで行う着目画素データについての連続性判定を、エリアAに属するデータについて繰り返し行う。エリアAには11個のデータが含まれるので、1個飛びで行う着目画素データについての連続性判定は、図8において白丸で示された6個の画素データについて実施されることになる。
第1の手法の第2ステップでは、図9に示すように、エリアAにおける最左端の画素データを着目画素データとし、この着目画素データを含んで走査順に並んだ5個の画素データを連続性判定のデータ範囲とする。そして、この着目画素データを2個飛びさせつつ、上記のデータ範囲においてデータ特性の連続性を判定する。着目画素データを含んだ走査順の5個の画素データのデータ特性、即ちステップS200で求めた各画素データについてのグレースケールinデータが、所定範囲の濃淡レベル(例えば、3階調レベル範囲)において連続すると、データ特性に連続性があると判定し、この場合の着目画素データを連続性ありの画素データとする。こうした2個飛びで行う着目画素データについての連続性判定を、エリアAに属するデータについて繰り返し行う。エリアAには11個のデータが含まれるので、2個飛びで行う着目画素データについての連続性判定は、図8において白丸で示された4個の画素データについて実施されることになる。
エリアB0〜B3についても同様であるが、このエリアB0〜B3に属する画素データは、着目画素データの左右に画素データが走査順に並ぶことから、着目画素データを含んで左側に並んだ複数の画素データのデータ群と、着目画素データを含んで右側に並んだ複数の画素データのデータ群とについて、上記した第1ステップと第2ステップの連続性判定を行う。エリアCでは、データ列の右端を含むことから、エリアAとは逆に、着目画素データを含んで当該データの左側に走査順に並んだ複数の画素データのデータ群について、上記した第1ステップと第2ステップの連続性判定を行う。
つまり、ステップS205では、上記した1個飛びで行う着目画素データについての連続性判定と2個飛びで行う着目画素データについての連続性判定とをエリアA、エリアB0〜B3およびエリアCの各画素データについて実行する。そして、1個飛び或いは2個飛びで行う着目画素データについての連続性判定のいずれかにおいてデータ特性の連続性があると判定した画素データについては、後述のステップS210に移行して画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処す。また、1個飛び或いは2個飛びで行う着目画素データについての連続性判定のいずれかにおいてデータ特性の連続性があると判定した画素データについては、連続性がある旨を示す連続指標に値ゼロをセットし、連続性がないと判定した画素データについては、連続指標に値1をセットする。この連続指標のデータは、以下の第2の手法にて用いる。
本実施例では、上記した第1ステップと第2ステップを行う第1の手法(連続性判定手法)に加え、次の第2の手法にてもデータの連続性を判定する。第2の手法は、走査順に並んだ一つの画素データに着目し、その着目画素データを含む走査列において走査順に並んだ複数の画素データと、着目画素データの走査列の前後の走査列において走査順に並んだ複数の画素データとを含む2列のデータをデータ群とし、このデータ群におけるデータ特性の連続性を判別する手法である。図10はデータ特性の連続性を判定する第2の手法をエリアAについて模式的に説明する説明図、図11は同じく第2手法をエリアBについて模式的に説明する説明図である。本実施例では、この第2の手法では、上記したデータ群を、2行11列範囲の画素データの集合とした。列範囲は、エリアAに属するデータ数に合わせたが、これ以外の列範囲とすることもできる。
図10の上段に示すように、エリアAでは、最上段のデータ行(図における0行)に属する画素データについては、各画素データを着目画素データとした場合に、当該画素データが属する行(0行)とその下段の行(1行)の上下2行で着目画素データを含んで走査順に11個並んだ画素データのデータ群エリア(sum4エリア)をデータ群とする。そして、このsum4エリアに含まれる各画素データについてステップS205での連続性判断の際にセットした上記の連続指標の値(値ゼロ或いは値1)を合計し、その合計値が値ゼロであれば(sum4=0)、連続性があるとして、その着目画素データであった画素データについては、後述のステップS210に移行して画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処す。このsum4エリアの合計値による連続性判定を、エリアAの最上列の走査列に属する画素データについて行い、各画素データごとにステップS210の画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処すか否かを判定する。
エリアAの2行目以降の各走査列に属する画素データについては、図10の下段に示すように、その画素データが属する行を1行とした場合、当該画素データが属する行(1行)とその上段の行(0行)の上下2行で着目画素データを含んで走査順に11個並んだ画素データのデータ群エリア(sum2エリア)と、当該画素データが属する行(1行)とその下段の行(2行)の上下2行で着目画素データを含んで走査順に11個並んだ画素データのデータ群エリア(sum4エリア)の両エリアをデータ群とする。そして、このsum2エリアとsum4エリアとについて、各エリアに含まれる各画素データについての上記の連続指標の値(値ゼロ或いは値1)をそれぞれ合計し、上記両エリアのいずれかでもその合計値が値ゼロであれば(sum2=0或いはsum4=0)、連続性があるとして、その着目画素データであった画素データについては、後述のステップS210に移行して画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処す。このsum2エリアとsum4エリアでの合計値による連続性判定を、エリアAの2行目以降の各走査列に属する画素データについて行い、各画素データごとにステップS210の画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処すか否かを判定する。エリアAの最下行に属する画素データについては、最上行と同様にして行う。なお、エリアAの最上行、最下行に属する画素データについては、上記した2行11列範囲のデータ群での連続性判定を省略することもできる。
エリアB0〜B3では、図11の上段に示すように、最上行(図における0列)に属する画素データについて、各画素データを着目画素データとした場合に、当該画素データが属する行(0行)とその下段の行(1行)の上下2行で着目画素データを含んで走査順とは逆に並んだ11個の画素データのデータ群エリア(sum3リア)と、当該画素データが属する行(0行)とその下段の行(1行)の上下2行で着目画素データを含んで走査順に11個並んだ画素データのデータ群エリア(sum4エリア)の両エリアをデータ群とする。そして、このsum3エリアとsum4エリアとについて、各エリアに含まれる各画素データについての上記の連続指標の値(値ゼロ或いは値1)をそれぞれ合計し、上記両エリアのいずれかでもその合計値が値ゼロであれば(sum3=0或いはsum4=0)、連続性があるとして、その着目画素データであった画素データについては、後述のステップS210に移行して画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処す。このsum3エリアとsum4エリアでの合計値による連続性判定を、エリアB0〜B3の最上列の走査列に属する画素データについて行い、各画素データごとにステップS210の画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処すか否かを判定する。
エリアB0〜B3の2行目以降の各列の走査列に属する画素データについては、図11の下段に示すように、上記したsum3エリアとsam4エリアに加え、次のsum1エリア、sum2エリアをもデータ群エリアとする。sum1エリアは、着目画素データが属する行を1行とした場合、当該画素データが属する行(1行)とその上段の行(0行)の上下2行で着目画素データを含んで走査順とは逆に並んだ11個の画素データのデータ群エリアである。sum2エリアは、既述したように、着目画素データが属する行(1行)とその上段の行(0行)の上下2行で着目画素データを含んで走査順に11個並んだ画素データのデータ群エリアである。そして、このsum1エリア〜sum4エリアについて、各エリアに含まれる各画素データについての上記の連続指標の値(値ゼロ或いは値1)をそれぞれ合計し、上記両エリアのいずれかでもその合計値が値ゼロであれば(sum1エリア〜sum4エリアのいずれかが値0)、連続性があるとして、その着目画素データであった画素データについては、後述のステップS210に移行して画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処す。このsum1エリア〜sum4エリアでの合計値による連続性判定を、エリアB0〜B3の2行目以降の各走査列に属する画素データについて行い、各画素データごとにステップS210の画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処すか否かを判定する。エリアB0〜B3の最下列に属する画素データについては、最上列と同様にして行う。なお、エリアB0〜B3の最上行、最下行に属する画素データについては、上記した2行11列範囲のデータ群での連続性判定を省略することもできる。
エリアCでは、画素データの並びを走査順と逆にした状態として、既述したエリアAと同様にして、各画素データごとにステップS210の画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)に処すか否かを判定する。
ステップS205にて、エリアA、エリアB0〜B3およびエリアCに属する各画素データについて、既述した第1の手法および第2の手法にてデータ特性の連続性があるとされると、連続性ありとされた画素データについて画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)を行うべく、ローパスフィルタ値lpf#1の算出・記憶を行う(ステップS210)。ステップS210でローパスフィルタ値lpf#1の算出の対象となる画素データには、第1の手法により連続性ありとされた画素データと(図8〜9参照)、第2の手法により連続性ありとされた画素データと(図10〜11参照)が含まれるが、ローパスフィルタ値lpf#1は、第2の手法で求めたsum1エリア〜sum4エリアの合計値に応じて場合分けして求めることとした。このローパスフィルタ値lpf#1は、連続性があるとされた画素データが有する連続性に基づいて、次のように算出される。
この場合、ローパスフィルタ値lpf#1の算出のための以下の説明に際しては、次のようにする。ステップS210では、着目画素データが含まれる上記のsum1エリア〜sum4エリアの各画素データについての上記の連続指標の値(値ゼロ或いは値1)の合計値が、sum1エリア〜sum4エリアのいずれかで値ゼロである。よって、上記のsum1エリア〜sum4エリアの合計値が総てゼロである場合を原則として先に説明し、いずれかのsumエリアで合計値がゼロでない場合については、上記の原則の説明に続いて説明する。
説明の便宜上、ローパスフィルタ値lpf#1の算出対象の画素データをline_in_[属する行の数][属する列の数]と書すこととする。図でもって示すと、図10と図11の上段では、黒塗りの着目画素データは、属する行が0行であり、属する列がj列であるので、画素データline_in_[0][j]となる。図10と図11の下段では、黒塗りの着目画素データは、属する行が1行であり、属する列がj列であるので、画素データline_in_[1][j]となる。このように書した画素データline_in_[0][j]や画素データline_in_[1][j]は、ステップS200にてグレースケール化したグレースケールinデータである。そして、データ特性の連続性に基づいた画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)を行うため、着目画素データの前後の画素データの他、着目画素データの上下の行に属して着目画素データを取り囲む画素データを用いる。
図11の下段に示す画素データline_in_[1][j]についてのローパスフィルタ値lpf#1をlpf#1_ line_in_[1][j]と表すとする。このローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[1][j]の算出には、画素データline_in_[1][j]とその前後の画素データ(画素データline_in_[1][j1]、画素データline_in_[1][j2])と、画素データline_in_[1][j]の上下の行に属して画素データline_in_[1][j]を取り囲む画素データ(画素データline_in_[0][j1]〜line_in_[0][j2]、画素データline_in_[2] [j1]〜line_in_[2] [j2])の8個の画素データを用いる。これら画素データは、画素データline_in_[1][j]とその周囲の画素データ(グレースケールinデータ)を用いて、下記の数式1に示すように3行3列の画素データ行列Pjとなる。そして、ローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[1][j]を求める場合に、この行列に乗じる3行3列の係数行列Klpは、下記の数式2に示す通りであり、ローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[1][j]は、数式3に示すように、数式1の行列と数式2の行列を乗じて定数で除算して求められる。なお、図10や図11の上段に示すように、着目画素データを取り囲む8個の画素データに不足がある場合については後述する。
Figure 2008035330
Figure 2008035330
(数3)
lpf#1_ line_in_[1][j]=(Pj x Klp)/16 … 数式3
この数式3における除数16は、数式2の係数行列Klpによって定まる。そして、数式2の係数行列Klpは、ローパスフィルタ値lpf#1の値に影響を与えるものであることから、この係数行列Klpを、撮像画像解析部260にて算出した台形補正量に応じて変更するようにすることができる。例えば、台形補正量が大きければ、ローパスフィルタ値lpf#1の値が大きくなるように係数行列Klpを定める。
ステップS205で連続性ありとされたエリアB0〜B3に属する画素データのうち、最上行と最下行に属する画素データを除く画素データは、当該データを上記のように取り囲む8個の画素データが存在するので、これら画素データの値(グレースケール値)を用いて上記数式からローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[1][j]は算出され、記憶される。ところが、エリアB0〜B3において最上行と最下行に属する(着目画素データ)ついては、その着目画素データの属する行より下方或いは上方の画素データが存在しない。よって、最上行の下の行に属する画素データを、最上行の上に存在すると仮定して、ローパスフィルタ値lpf#1を算出・記憶するようにすればよい。この場合の画素データ、つまり図11の上段に示す着目画素データである画素データline_in_[0][j]についてのローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[0][j]の算出の際の画素データ行列Pjは、次の数式4で示される。最下行に属する画素データの場合も同様であり、最下行の上の行に属する画素データを、最下行の下に存在すると仮定して、ローパスフィルタ値lpf#1を算出・記憶するようにすればよい。
Figure 2008035330
エリアAに属する画素データの場合は、最上行・最下行に属するデータについてはエリアB0〜B3と同様であるが、図10の下段に示すように、エリアAの最左端列に属する画素データ(着目画素データ)ついては、その着目画素データより前の画素データが存在しない。よって、この場合は、最左端列の次の列に属する画素データを、最左端列の前に存在すると仮定して、ローパスフィルタ値lpf#1を算出・記憶するようにすればよい。この場合の画素データ、つまり図10の上段に示す着目画素データである画素データline_in_[1][j]についてのローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[1][j]の算出の際の画素データ行列Pjは、次の数式5で示される。エリアCに属する画素データについては、エリアAと同様であり、最右端列の前の列に属する画素データを、最右端列の次に存在すると仮定して、ローパスフィルタ値lpf#1を算出・記憶するようにすればよい。
Figure 2008035330
なお、エリアA、B0〜B3、Cの各エリアにおいて、最上行と最下行に属する画素データは、投写画像の上下縁の画像に対応するが、画像の上下縁については、モアレが例え見られても、画像の中央およびその周辺でのモアレに比べれば、視覚に訴える程度が低い。よって、最上行と最下行に属する画素データについては、画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)のためのローパスフィルタ値lpf#1算出を省略するようにすることもできる。エリアA、Cにおける最左端・最右端の列に属する画素データについても同様である。
上記したように着目画素データを取り囲む画素データをそのまま用いるのは、既述したように、着目画素データが含まれる上記のsum1エリア〜sum4エリアでの上記の連続指標の値(値ゼロ或いは値1)の合計値が総てゼロの原則の場合である。次に、sum1エリア〜sum4エリアのいずれかのsumエリアで合計値がゼロでない場合については、上記の原則の説明に続いて説明する。
sum1エリア〜sum4エリアのいずれかのsumエリアで合計値がゼロでない場合は、合計値がゼロでないsumエリアに属して着目画素データを取り囲む画素データを用いないようにし、その代用として、合計値がゼロのsumエリアに属して着目画素データを取り囲む画素データを用いる。つまり、sum1エリア〜sum4エリアの合計値に応じて場合分けして、ローパスフィルタ値lpf#1を算出・記憶する。
こうした場合を、まずエリアAについて説明する。図10の下段に示す着目画素データにおいて、sum2エリアの合計値がゼロでsum4エリアではゼロでないとする。この場合は、着目画素データが最左端列のものであることから、数式5に示した画素データ行列Pjにおいて、sum4エリアに属する画素データ(2列で表す列の画素データ)に代わって、sum2エリアに属する画素データ(0列で表す列の画素データ)を用いる。この場合の画素データ行列Pjは次の数式6となる。
Figure 2008035330
sum4エリアの合計値がゼロでsum2エリアではゼロでない場合は、数式5に示した画素データ行列Pjにおいて、sum2エリアに属する画素データ(0列で表す列の画素データ)に代わって、sum4エリアに属する画素データ(2列で表す列の画素データ)を用いる。この場合の画素データ行列Pjは次の数式7となる。
Figure 2008035330
また、エリアAに属する画素データであって最左端列以外の列に属する画素データの場合には、着目画素データを取り囲む8個の画素データが存在することから、既述した原則における数式1が用いられる。しかし、sum2エリアの合計値がゼロでsum4エリアではゼロでない場合は、数式1に示した画素データ行列Pjにおいて、sum4エリアに属する画素データ(2列で表す列の画素データ)に代わって、sum2エリアに属する画素データ(0列で表す列の画素データ)を用いる。この場合の画素データ行列Pjは次の数式8となる。
Figure 2008035330
sum4エリアの合計値がゼロでsum2エリアではゼロでない場合は、数式1に示した画素データ行列Pjにおいて、sum2エリアに属する画素データ(0列で表す列の画素データ)に代わって、sum4エリアに属する画素データ(2列で表す列の画素データ)を用いる。この場合の画素データ行列Pjは次の数式9となる。
Figure 2008035330
sum2エリアもsum4エリアもともにゼロでない場合は、数式1に示した画素データ行列Pjの通りとなる。なお、sum2エリアもsum4エリアもともにゼロでない場合があるのは、画素データの走査順の並びにおける連続性の判定(第1の手法)により、ステップS210に移行する場合があるからである。
エリアCについては、sum1エリアとsum3エリアの合計値の状況に応じて、既述したエリアAと同様となる。
エリアB0〜B3に属する画素データでは、sum1エリア〜sum4エリアの合計値の状況により場合分けが増えるに過ぎず、エリアAで説明したように、合計値がゼロでないsumエリアについては、当該sumエリアに属する画素データに代わって、合計値がゼロのsumエリアに属する画素データを用いればよい。sumエリアの状況に応じた画素データ行列Pjを以下に示す。
エリアB0〜B3においてsum1エリア〜sum4エリアの合計値がいずれもゼロであれば数式1に示した画素データ行列Pjであり、sum4エリアのみがゼロでない場合は数式10の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum3エリアのみがゼロでない場合は数式11の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum2エリアのみがゼロでない場合は数式12の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum1エリアのみがゼロでない場合は数式13の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum2エリアとsum4エリアがともにゼロでない場合は数式14の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum1エリアとsum3エリアがともにゼロでない場合は数式15の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum3エリアとsum4エリアがともにゼロでない場合は数式16の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum1エリアとsum2エリアがともにゼロでない場合は数式17の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum2エリアとsum3エリアとsum4エリアがともにゼロでない場合は数式18の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum1エリアとsum3エリアとsum4エリアがともにゼロでない場合は数式19の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum1エリアとsum2エリアとsum4エリアがともにゼロでない場合は数式20の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum1エリアとsum2エリアとsum3エリアがともにゼロでない場合は数式21の画素データ行列Pjとなる。
Figure 2008035330
エリアB0〜B3においてsum1エリア〜sum4エリアのいずれもゼロでない場合は、数式1に示した画素データ行列Pjの通りとなる。なお、sum1エリア〜sum4エリアのいずれもゼロでない場合があるのは、画素データの走査順の並びにおける連続性の判定(第1の手法)により、ステップS210に移行する場合があるからである。
そして、ステップS210では、エリアA、エリアB0〜B3およびエリアCの各画素データについて上記のように求めた画素データ行列Pjに数式2で示す係数行列Klpを乗じて、ローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[1][j]を数式3で示すようにして求める。
こうしたローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[1][j]の算出・記憶に続いては、ステップS215にて、各画素データごとのローパスフィルタ値lpf#1によりローパスフィルタ処理(画像のぼかし処理)を実行し、各画素データ、即ちステップS200で得たグレースケールinデータを出力画素データであるグレースケールoutデータに変換する。この説明においては、画素データの属する行を省き、着目画素データを画素データline_in_[j]と表して説明する。
まず、以下の数式22に示すように、グレースケールinデータである画素データline_in_[j]から当該画素データについて求めたローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[j]を減算し、その結果をハイパスフィルタ値hpf#1_ line_in_[j]とする。
(数22)
hpf#1_ line_in_[j]=line_in_[j]−lpf#1_ line_in_[j] …数式22
そして、グレースケールinデータである画素データline_in_[j]を、以下の数式23に示すように、出力画素データであるグレースケールoutデータ(line_out_[j])に変換する。
(数23)
line_out_[j]=lpf#1_ line_in_[j]+hpf#1_ line_in_[j]/8 …数式23
この数式23が意味するところは、グレースケールinデータである画素データline_in_[j]は、上記算出されたローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[j]のデータと、このローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[j]および画素データline_in_[j]に依存するハイパスフィルタ値hpf#1_ line_in_[j]の1/8の大きさのデータに置換されたことである。つまり、グレースケールinデータである画素データline_in_[j]は、上記算出されたローパスフィルタ値lpf#1_ line_in_[j]を用いたローパス処理を受けて、グレースケールoutデータ(line_out_[j])となる。こうして得られたグレースケールoutデータ(line_out_[j])は、ステップS235にて、所定のバッファに蓄積される。
一方、ステップS205で既述した第1、第2の手法にてグレースケールinデータの連続性がないと否定判定した場合は、この否定判定対象であるnonfillエリアの画素データ(連続性なしとされた画素データ)についての画像のぼかし処理(ローパスフィルタ処理)を必要性を判定すべく、ローパスフィルタ値lpf#2の算出・記憶を行う(ステップS220)。この際のローパスフィルタ値lpf#2の算出は、ローパスフィルタ値lpf#1の算出式である数式3に習って行った。
次いで、算出したローパスフィルタ値lpf#2とローパスフィルタ値lpf#1を比較し、両者が一致するか否かを判定する(ステップS225)。ローパスフィルタ値lpf#2の算出対象の画素データはデータ特性に連続性がないとされたnonfillエリアのデータであり、ローパスフィルタ値lpf#1の算出対象の画素データはデータ特性に連続性があるとされたfillエリアのデータであることから、上記の両ローパスフィルタ値は一致しないとして省略することもできる。しかしながら、データ特性に連続性がないとされたnonfillエリアの画素データであっても、その周囲の画素データの状況によっては、データ特性に連続性があるとされたfillエリアの画素データと同じように扱う方が、投写画像のモアレ抑制の上で好ましい場合がある。よって、こうした場合に備えて、ステップS225にてローパスフィルタ値lpf#2とローパスフィルタ値lpf#1の一致の有無を判定し、両者が一致すれば、ステップS230にてローパスフィルタ値lpf#2を用いたローパスフィルタ処理(画像のぼかし処理)をnonfillエリアの画素データについても実行し、各画素データのグレースケールinデータを出力画素データであるグレースケールoutデータに変換する。こうして得られたグレースケールoutデータは、ステップS235にてバッファに蓄積される。なお、既述したようにローパスフィルタ値lpf#2の算出対象の画素データとローパスフィルタ値lpf#1の算出対象の画素データとは相違する画素データであることから、ステップS225の判定の際には、ローパスフィルタ値lpf#2の算出対象である画素データについて求めたローパスフィルタ値lpf#2と、当該算出対象画素データの周囲の画素データであってfillエリアの画素データについて算出したローパスフィルタ値lpf#1とを比較することになる。また、周囲の画素データについてのローパスフィルタ値lpf#1の算出がなされていない場合は、ステップS225では否定判定されることになる。
ステップS225において、上記の両ローパスフィルタ値が一致しないと否定判定した場合は、ステップS205でのデータ特性の連続性なし判定と相俟って、データ特性の連続性が起きていないと云える。よって、ステップS220での否定判定に続いては、その画素データについてのグレースケールinデータを、そのままの状態で出力画素データであるグレースケールoutデータに変換し(ステップS240)、ステップS235にてバッファに蓄積する。
こうしてデータ特性の連続性あり・なしのそれぞれの画素データについてのグレースケールoutデータをバッファに蓄積すると、図5に示すステップS240に移行し、バッファのグレースケールoutデータを用いて各画素データをカラースケールに変換し、当該変換後のデータを後述の処理に備えてバッファに蓄積する。そして、バッファへの蓄積に続いては、ステップS245にて、変換後のカラースケールデータによる画像image1を、走査入力画素データのカラースケールデータによる画像image0と異なる領域のフレームメモリに記憶する。
次いで、画像全体の画素データについてのグレースケールoutデータの階調偏在の様子の把握(ステップS250)と、nonfillエリアにおける画素データについてのグレースケールoutデータの階調偏在の様子の把握(ステップS255)とを順次実行する。この両ステップでは、グレースケールoutデータの階調レベルが階調レベル0〜9の低階調側に偏在している割合(drk とnonfill_drk)の算出と、階調レベルが階調レベル246〜255の高階調側に偏在している割合(brt とnongill_brt)の算出とを行う。こうした処理により、画像全体での濃淡レベルの発現状況と、nonfillの画素データで得られる画像部分での濃淡レベルの発現状況は判明する。
次いで、ステップS245にて記憶した変換後のカラースケールデータによる画像image1と、走査入力画素データのカラースケールデータによる画像image0の読み出しを行うと共に、これらデータからグレースケール化とその結果の蓄積とを行う(ステップS260)。この場合のグレースケール化は、ステップS200で説明した手法と同じ手法で行われる。そして、グレースケール化済みのデータは、画像image1については、line_in_gray1として、画像image0についてはline_in_gray0として蓄積される。
図6に示すステップS265では、ある画素データについてのline_in_gray1とline_in_gray0の一致状態を判定する。これは、ステップS270以降の処理において、後述するように画像の濃淡レベルに応じた画像のぼやけ程度に基づくローパスフィルタ処理の対象となる画素データの選別のためである。ここで、line_in_gray1とline_in_gray0が等しくないと否定判定すれば、走査入力時でのグレースケールデータ値とステップS260までの処理を経た後のグレースケールデータ値が相違することになる。このようにグレースケールデータ値が相違するのは、図4に示したステップS210〜215やステップS230にて、データ特性の連続性に基づいたローパスフィルタ処理による画像のぼやけ処理を受けたことによる。よって、ステップS265で否定判定した場合は、ステップS270以降の画像のぼやけ程度に基づくローパスフィルタ処理は無用であるとして、ステップS295に移行する。その一方、ステップS265でline_in_gray1とline_in_gray0が等しいと肯定判定すれば、上記したローパスフィルタ処理による画像のぼやけ処理を受けていないnonfillエリアの画素データとなるので、ステップS270以降の画像のぼやけ程度に基づくローパスフィルタ処理に進む。
ステップS270では、今回の画像の投写の対象となる画像における濃淡レベルの偏在状況に起因する画像のぼやけの目立ち程度を把握し、ステップS275ではこの把握した画像のぼやけの目立ち程度によるモアレ発生への懸念の有無を判定する。ステップS270での画像のぼやけの目立ち把握は、ステップS245とステップS250で算出した全体画像・nonfillエリアの画像での低階調偏在割合drk_wとnonfill_drk_wおよび高階調偏在割合brt_wとnonfill_brt_wを用いて行う。画像の濃淡レベルと画像のぼやけの目立ち程度の関係は、濃淡レベルが低い画像と高い画像では画像のぼやけが目立つ傾向にあることから、濃淡レベルに高階調側或いは低階調側の偏在があると、この濃淡レベルが高い階調或いは低い階調に属する濃淡レベルを有する画素データによる画像部分では画像のぼやけが目立ちがちとなる。その反面、濃淡レベルが高階調側と低階調側以外の濃淡レベルを有する画素データによる画像部分では画像のぼやけは比較的目立たない。こうした点に立脚し、低階調偏在割合drk_wとnonfill_drk_wおよび高階調偏在割合brt_wとnonfill_brt_wの状況により次のようにぼやけの目立ち程度を把握することとした。
まず、全体画像の低階調偏在割合drk_wと高階調偏在割合brt_wの和が80%を下回れば、その画像は、全体において低階調レベルと高階調レベルへの偏在程度が少ないので、画像のぼやけはあまり目立たないと云える。一方、全体画像の低階調偏在割合drk_wと高階調偏在割合brt_wの和が80%以上となれば、濃淡レベルの偏在程度が大きいので、画像のぼやけが目立ちがちとなる。よって、全体画像の低階調偏在割合drk_wと高階調偏在割合brt_wの和が80%未満の場合は、画像のぼやけが目立たないことで、画像投写に際してのデータの間引きを含むキーストーン補正(台形補正)によりモアレを発現させる可能性がある。このため、全体画像の低階調偏在割合drk_wと高階調偏在割合brt_wの和が80%未満の場合は、ステップS275でモアレ発生の懸念があるとして、画像のぼやけ処理(ローパスフィルタ処理)を行う後述のステップS280に移行し、ステップS265で肯定判定された画素データをローパスフィルタ処理に処する。
全体画像の低階調偏在割合drk_wと高階調偏在割合brt_wの和が80%以上である場合は、全体画像の低階調偏在割合drk_wと高階調偏在割合brt_wの状況、およびnonfillエリアの画像における低階調偏在割合nonfill_drk_wと高階調偏在割合nonfill_brt_wの状況に応じて、次のようにした画像のぼやけ程度の把握とモアレ発生の懸念判定を行う。
まず、全体画像の低階調偏在割合drk_wと高階調偏在割合brt_wの大小比較を行い、低階調偏在割合drk_wが高階調偏在割合brt_w以上の場合と、低階調偏在割合drk_wが高階調偏在割合brt_w未満の場合とに区分する。次いで、全体画像の低階調偏在割合drk_wが高階調偏在割合brt_w以上の場合には、nonfillエリアの画像における低階調偏在割合nonfill_drk_wが80%以上であれば、この低階調レベル(濃淡レベル0〜9)以外の濃淡レベルの画素データ(元画素データ)については、モアレ発生の懸念があるとしてステップS280に移行し、ローパスフィルタ処理に処する。低階調レベル(濃淡レベル0〜9)の画素データ(元画素データ)については、低階調レベル故に画像のぼやけが目立ちがちであることからモアレ発生の懸念は低いとしてステップS275では否定判定して後述のステップS290に移行する。
全体画像の低階調偏在割合drk_wが高階調偏在割合brt_w以上でありながら、nonfillエリアの画像における低階調偏在割合nonfill_drk_wが80%未満であれば、高階調レベル(濃淡レベル246〜255)以外の濃淡レベルの画素データ(元画素データ)については、モアレ発生の懸念があるとしてステップS280に移行し、ローパスフィルタ処理に処する。高階調レベル(濃淡レベル246〜255)の画素データ(元画素データ)については、高階調レベル故に画像のぼやけが目立ちがちであることからモアレ発生の懸念は低いとしてステップS275では否定判定して後述のステップS290に移行する。
その一方、全体画像の低階調偏在割合drk_wが高階調偏在割合brt_w未満の場合には、nonfillエリアの画像における低階調偏在割合nonfill_drk_wが80%以上であれば、高階調レベル(濃淡レベル246〜255)以外の濃淡レベルの画素データ(元画素データ)については、モアレ発生の懸念があるとしてステップS280に移行し、ローパスフィルタ処理に処する。高階調レベル(濃淡レベル246〜255)の画素データ(元画素データ)については、高階調レベル故に画像のぼやけが目立ちがちであることからモアレ発生の懸念は低いとしてステップS275では否定判定して後述のステップS290に移行する。
全体画像の低階調偏在割合drk_wが高階調偏在割合brt_w未満でありながら、nonfillエリアの画像における低階調偏在割合nonfill_drk_wが80%未満であれば、この低階調レベル(濃淡レベル0〜9)以外の濃淡レベルの画素データ(元画素データ)については、モアレ発生の懸念があるとしてステップS280に移行し、ローパスフィルタ処理に処する。低階調レベル(濃淡レベル0〜9)の画素データ(元画素データ)については、低階調レベル故に画像のぼやけが目立ちがちであることからモアレ発生の懸念は低いとしてステップS275では否定判定して後述のステップS290に移行する。
上記したステップS265〜275を経て画像のぼやけの目立ち程度に応じたローパスフィルタ処理の対象とされた画素データは、続くステップS280にてローパスフィルタ処理(各画素データごとのローパスフィルタ値lpf#nonによりローパスフィルタ処理)を受け、各画素データ、即ちステップS260で走査入力画素データのカラースケールデータから得たグレースケールinデータline_in_gray0を出力画素データであるグレースケールoutデータline_out_gray0に変換する。
次いで、変換されたグレースケールoutデータline_out_gray0を、上記したステップS265〜275を経て画像のぼやけの目立ち程度に応じたローパスフィルタ処理の対象とされた画素データについてのローパスフィルタ処理後のグレースケールoutデータline_out_gray1に置換する(ステップS285)。
投写画像の元となる画像の全画素データは、ステップS285での置換後のグレースケールoutデータline_out_gray1の画素データ、即ち、ステップS265〜275を経た画像のぼやけの目立ちに応じたローパスフィルタ処理を受けた画素データを当然に含む。また、この全画素データは、ステップS270やステップS275の否定判定を受けた画素、即ち、ステップS205〜215のデータ特性の連続性に基づいたローパスフィルタ処理を受けた画素データと、ステップS220〜230のデータ特性の連続性に準じたローパスフィルタ処理を受けた画素データと、一切のローパスフィルタ処理を必要としなかった画素データ(ステップS240)とを含む。そして、ステップS265〜280を経て画像のぼやけの目立ちに応じたローパスフィルタ処理を受けた画素データについては、ステップS260で得たグレースケールoutデータline_out_gray1がステップS280後のグレースケールoutデータline_out_gray1に置換されている。よって、ステップS285とステップS265での否定判定、ステップS275での否定判定に続くステップS290では、ステップS260で得た画素についてのレースケールoutデータline_out_gray1と、ステップS280後のグレースケールoutデータline_out_gray1とにより、投写画像の元となる画像の全画素データについてのグレースケールoutデータline_out_gray1を構築する。
その後、得られた全画素データについてのグレースケールoutデータline_out_gray1をカラースケール化してその結果を出力画素データline_out1としてバッファに蓄積し(ステップS295)、当該出力画素データline_out1をキーストーン補正部222に走査出力する(ステップS300)。その後は、このキーストーン補正部222にて、台形歪みを是正するようデータ処理がなされ(ステップS130)、データ処理後の画像がスクリーンSCに投写される。
上記した構成を有する本実施例の液晶プロジェクタ10では、投写画像の台形歪みを是正するために必要な台形補正(キーストーン補正)を行うに当たり、この台形補正前に個々の画素データについて前処理(ステップS120/台形補正前処理)を行う。この前処理は、画素データのデータ特性の連続性の発現状況を調べ(図8〜図11/図2のステップS205〜235)、ある画素データを着目画素データとした場合に、当該着目画素データを含んで走査順に並んだデータ群において、或いは、着目画素データを含む走査行とその前後の走査行において走査順に並んだデータ群において、データ特性の連続性があれば、着目画素データである画素データをローパスフィルタ処理に処し、画像のぼやけをもたらすようにした。よって、次の利点がある。
一般にキーストーン補正では、投写画像の台形歪み是正を行う都合上、走査順に並んだ画素データの間引きを行った上で、台形歪み是正のためのデータ補正(画像補正)を行う。そうすると、データ特性、例えば濃淡レベルに連続性がある場合、このデータ間引きによって濃淡レベルの連続性に欠損が起き得るので、キーストン補正前では見られなかった画素データのデータ特性の周期性が発現する可能性がある。従って、濃淡レベルに連続性が見られれば、上記した画素データのローパスフィルタ処理を経た画像のぼやけをキーストーン補正前に起こしておくことで、キーストーン補正において画素データの間引きが行われたことに基づく投写画像におけるモアレの発生を有効に抑制できる。しかも、画像にぼかしをもたらすローパスフィルタ処理をキーストーン補正による台形歪み是正の前に行い、その後は、従前通りのキーストーン補正を行えば足りることから、台形歪みの是正程度や投写画像の画質への影響をも抑制できる。
本実施例では、に画像にぼやけをもたらすローパスフィルタ処理を行うに当たり、そのぼやけの程度を、数式2で表す係数行列Klpで規定した。よって、このKlpを種々設定することで、例えば、キーストーン補正量に応じて大小設定することで、より有効に投写画像におけるモアレの発生を抑制できる。
また、本実施例では、データ特性(濃淡レベル)の連続性判定に際して、図8〜図9で説明した着目画素データが属する走査行において走査順に並んだデータ群での連続性判定と、図10〜図11で説明した前後の走査行を含んだデータ群での連続性判定を併用した。よって、濃淡レベルの連続性の判定を多様化できるので、キーストーン補正後の投写画像におけるモアレの抑制の実効性が高まる。しかも、濃淡レベルに連続性がないとした着目画素データについても、その周辺の画素データに濃淡レベルの連続性が見られ、当該周辺の画素データから算出したローパスフィルタ値と同一のローパスフィルタ値であれば(ステップS225)、この着目画素データをローパスフィルタ処理に処してぼやけを起こすこととした(ステップS230)。従って、特異的に濃淡レベルの連続性がないとされた画素データについてもローパスフィルタ処理を経て画像にぼやけを起こすようにしたので、キーストーン補正後の投写画像におけるモアレの抑制にとってより好ましい。
更に、本実施例では、スクリーンSCに実際に投写した画像の状況からキーストーン補正の要否を判定し(ステップS110)、キーストーン補正の必要がない場合には、キーストーン補正前のデータ処理を行わないようにした。よって、投写画像を得る上での種々の処理に要する演算負荷を軽減できる。
更に、本実施例の液晶プロジェクタ10では、濃淡レベルの連続性がないとした画素データについても、走査入力した元画素データの濃淡レベルが高階調側偏在或いは低階調側レベル或いは高階調側レベルに偏在があれば、濃淡レベルの発現状況に応じて、画像にぼやけをもたらすローパスフィルタ処理を施すようにした(ステップS265〜280)。よって、次の利点がある。
画像においては、一般に、濃淡レベルが低い画像と高い画像では画像のぼやけが目立つ傾向にあることから、走査入力した元画素データの濃淡レベルの発現状況が高階調側(濃淡レベル246〜255)に偏在或いは低階調側(濃淡レベル0〜9)に偏在があると、この濃淡レベルが高い階調或いは低い階調に属する濃淡レベルを有する画素データによる画像部分では画像のぼやけが目立ちがちとなる。その反面、濃淡レベルが高階調側と低階調側以外の濃淡レベルを有する画素データによる画像部分では画像のぼやけは比較的目立たない。画像のぼやけはモアレ抑制に関与することから、濃淡レベルが高い階調或いは低い階調に属する濃淡レベルを有する画素データについては、当該データ自体で画像のぼやけをもたらすので更なるぼやけは無用であり、濃淡レベルの発現状況が該濃淡レベルの高階調側偏在或いは低階調側偏在があると、画素データ自体で画像のぼやけをもたらす領域が多くなる。しかし、濃淡レベルが高階調側と低階調側以外の濃淡レベルを有する画素データについては、ぼやけが目立たないことで、画像投写に際してのデータの間引きを含むキーストーン補正(画像補正)によりモアレを発現させる可能性がある。よって、こうしたモアレ発現の可能性のある画素データについては、濃淡レベルの連続状況に応じてモアレの発生の可能性がないと判別した場合であっても、画像にぼやけをもたらすローパスフィルタ処理(ステップS265〜280)を当該画素データの濃淡レベルに応じて実行する。これにより、画素データの濃淡レベルに起因する画像のぼやけを介して、投写画像のモアレ抑制の実効性をより高めることができる。
また、本実施例では、画像を図7に示すようにエリア分けし、そのエリアにおける画素データの並びに応じて、濃淡レベルの連続性判定の手法を変更した(図8〜図11)。よって、濃淡レベルの連続性をより的確に判定できることから、投写画像におけるモアレ抑制の実効性がより一層高まる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、液晶プロジェクタ10が行うキーストーン補正やキーストーン補正に先立つ既述した前処理の機能の一部または全部をソフトウェアで実現するように構成することもでき、こうした構成とする場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本発明の一実施例としての液晶プロジェクタ10の構成を示すブロック図である。 画像投写処理のプロセスを示すフローチャートである。 台形補正前処理の概要を模式的に説明する説明図である。 台形補正前処理の詳細内容の前半を示すフローチャートである。 台形補正前処理の詳細内容の中盤を示すフローチャートである。 台形補正前処理の終盤を示すフローチャートである。 データ特性の連続性の判定を行う場合のフレームエリアを説明する説明図である。 データ特性の連続性を判定する第1の手法の第1ステップをエリアAについて模式的に説明する説明図である。 同じく第1の手法の第2ステップをエリアAについて模式的に説明する説明図である。 データ特性の連続性を判定する第2の手法をエリアAについて模式的に説明する説明図である。 同じく第2手法をエリアBについて模式的に説明する説明図である。
符号の説明
10…液晶プロジェクタ
100…光学系
110…照明光学系
120…液晶パネル(LCD)
130…投写光学系
200…制御系
210…コントローラ
220…画像処理部
222…キーストーン補正部
224…データ前処理部
226…通常処理部
230…液晶パネル(LCD)ドライバ
250…撮像部
260…撮像画像解析部
SC…スクリーン

Claims (6)

  1. 画像を構成する画素データの走査入力を受けて前記画像を投写する投写表示機器と、該投写表示機器による投写画像の台形歪みを是正するために必要な画像補正を、走査順に並んだ前記画素データの間引きを行った上で、該間引き後の前記画素データに対して施し、前記画像補正を経た画素データを前記投写表示機器に走査出力することで、前記投写表示機器による投写画像の台形歪みを是正するキーストーン補正部とを有する投写装置を用いて画像を投写する投写方法であって、
    前記画素データを走査入力し、
    該走査入力した入力画素データの一の画素データを判別対象画素データとし、該判別対象画素データを含んだ一群の複数の前記入力画素データについての画素データのデータ特性の連続状況を、前記入力画素データのそれぞれの画素データについて判別し、
    前記キーストーン補正部による前記画像補正の際の前記画素データの間引きに基づく画素データのデータ特性の連続性欠損に起因した前記投写画像におけるモアレの発生の可能性を、前記判別した前記データ特性の連続状況に基づいて判別し、
    前記モアレの発生の可能性があると判別した前記データ特性の連続状況を有する前記判別対象画素データとしての前記入力画素データについては、画像にぼやけをもたらすデータ処理を行い、
    該データ処理を経た画素データを前記キーストーン補正部における前記画像補正の補正対象データとして前記キーストーン補正部に走査出力する
    投写方法。
  2. 画像を投写する投写装置であって、
    前記画像を構成する画素データの走査入力を受けて前記画像を投写する投写表示機器と、
    前記画素データを走査入力するデータ入力部と、
    該投写表示機器による投写画像の台形歪みを是正するために必要な画像補正を、走査順に並んだ前記画素データの間引きを行った上で、該間引き後の前記画素データに対して施し、前記画像補正を経た画素データを前記投写表示機器に走査出力することで、前記投写表示機器による投写画像の台形歪みを是正するキーストーン補正部と、
    前記データ入力部が走査入力した入力画素データに画素データ前処理を行った上で、該画素データ前処理を経た画素データを前記キーストーン補正部による前記画像補正の補正対象データとして前記キーストーン補正部に走査出力するデータ前処理部とを備え、
    該データ前処理部は、
    前記データ入力部からの入力画素データの一の画素データを判別対象画素データとし、該判別対象画素データを含んだ一群の複数の前記入力画素データについての画素データのデータ特性の連続状況を、前記入力画素データのそれぞれの画素データについて判別する連続性判別部と、
    前記キーストーン補正部による前記間引きに基づく画素データのデータ特性の連続性欠損に起因した前記投写画像におけるモアレの発生の可能性を、前記判別した前記データ特性の連続状況に基づいて判別するモアレ判別部と、
    該モアレ判別部により前記モアレの発生の可能性があると判別した前記データ特性の連続状況を有する前記判別対象画素データとしての前記入力画素データについては、画像にぼやけをもたらすデータ処理を前記画素データ前処理として行うぼやけ処理部とを備える
    投写装置。
  3. 請求項2記載の投写装置であって、
    前記連続性判別部は、
    前記一群の複数の前記入力画素データを、前記判別対象画素データに続いて走査順に並んだ複数の前記入力画素データとして、前記データ特性の連続性を判別する
    投写装置。
  4. 請求項2記載の投写装置であって、
    前記連続性判別部は、
    前記一群の複数の前記入力画素データを、前記判別対象画素データを含む走査列において走査順に並んだ複数の前記入力画素データと、前記判別対象画素データの走査列の前後の走査列において走査順に並んだ複数の前記入力画素データとを含むデータとして、前記データ特性の連続性を判別する
    投写装置。
  5. 請求項2ないし請求項4いずれかに記載の投写装置であって、
    前記キーストーン補正部は、
    投写画像の台形歪み是正の要否を判別し、前記台形歪み是正が必要な場合において前記画素データの前記画像補正を施して前記画像補正後の画素データを投写表示機器に走査出力し、前記台形歪み是正が不要な場合には前記画素データの前記画像補正を行わないまま前記画素データを投写表示機器に走査出力し、
    前記データ前処理部は、
    前記キーストーン補正部により前記台形歪み是正が不要と判別された際には、前記画素データ前処理を行わないまま前記画素データを前記キーストーン補正部に走査出力する
    投写装置。
  6. 請求項2ないし請求項5いずれかに記載の投写装置であって、
    前記データ前処理部は、
    前記モアレ判別部により前記データ特性の連続状況に応じて前記モアレの発生の可能性がないと判別した前記データ特性の連続状況を有する前記判別対象画素データとしての前記入力画素データについても、前記走査入力した前記画素データの濃淡レベルの発現状況が該濃淡レベルの高階調側偏在或いは低階調側偏在がある場合には、画像にぼやけをもたらすデータ処理を前記判別対象画素データとしての前記入力画素データの濃淡レベルに応じて実行する濃淡対応ぼやけ処理部を備える
    投写装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014238821A (ja) * 2013-05-08 2014-12-18 キヤノン株式会社 画像処理装置、方法およびプログラム

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