JP2008033603A - 6軸力覚センサ用把持型ツール - Google Patents
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Abstract
【課題】センサ本体部を共通化し、複数の用具を付け替えることが可能な操作データ収集機
【解決手段】 手作業具を用いた操作情報を入手するために用いる機器において、センサ本体Aと把持部Bと作業部Cとから構成される6軸力覚センサ用把持型ツールであって、把持部B及び作業部Cは、センサ本体Aに対して着脱可能な連結構造を有し、該連結構造は、把持部Bあるいは作業部Cに付属されて設けられているか、又は、別体のコネクターD、Eであって、把持部B及び/又は作業部Cは、ツールの種類に応じて、複数備えられている6軸力覚センサ用把持型ツール。
【選択図】 図1
Description
従来の6軸力覚センサにおいては、ロボットの手首に取り付けるもの(例えばニッタ(株)6軸力覚センサ IFS シリーズ)、ロボットハンドの指先に取り付けるもの(例えば ビー・エル・オートテック(株)NANO センサ)が開発されている。
また、人間の手に装着し、指や手のひらに加わる圧力分布を検知するものとして、感圧導電性ゴムや導電性インクシートを用いた分布型触覚センサを手袋状に構成したもの(例えばニッタ(株)グローブスキャンシステム)が開発されている。
操作する指先そのもののデータと作業用具のデータは、熟練工の減少や伝統芸能、技能の保存や再現に重要であって、ビデオ等の視覚データとそれを実現している具体的な力加減を示すデータは、これらの技能が直接伝承できない場合でも再現が容易となる。
また、医療現場などでは、失敗の許されない手術の実施など経験を積んだ者に高度な手術が集中する傾向がある。手術用シュミュレータ等の訓練装置も開発されているが、模擬的な手術用マネキンモデルを対象とした機器の操作であることが多い。
手術の技能そのものを数値化したモデルが構築できると、標準モデルと訓練との比較を具体的に行うことができ、フィードバックが正確になるので訓練の精度を向上させることができる。このため操作データの収集機器の開発提案がなされている。
すなわち、本発明は、次のような手段による。
(1)手作業具を用いた操作情報を入手するために用いる機器において、
センサ本体Aと把持部Bと作業部Cとから構成される6軸力覚センサ用把持型ツールであって、
把持部B及び作業部Cは、センサ本体Aに対して着脱可能な連結構造を有し、
該連結構造は、把持部Bあるいは作業部Cに付属されて設けられているか、又は、別体のコネクターD、Eであって、
把持部B及び/又は作業部Cは、ツールの種類に応じて、複数備えられていること
を特徴とする6軸力覚センサ用把持型ツール。
(2)手作業具が、医療用手作業具であることを特徴とする(1)記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。医療用の手作業具としては、手術用メス、鉗子、注射器、生体検査用サンプル採取具、内視鏡、レーザー等機能具付き内視鏡、縫合器、ピンセットなどが挙げられる。
(3)手作業具が、手術用のメスであることを特徴とする(2)記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
(4)手作業具が、筆記具であることを特徴とする(1)記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
(5)その他の手作業具としては、ノミ、彫刻刀、包丁などが挙げられる。大工、仏師、調理師、奇術師など業師が用いる器具類を挙げることができる。
(6)作業具が、手術等一連の作業用に用いられる複数種類をセットにしたものであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
(7)センサ本体Aの作業部側を受感部とし、把持部側を固定部としたことを特徴とするモーションキャプチャ用力覚センサ用であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
(8)センサ本体Aの作業部側を固定部とし、把持部側を受感部としたことを特徴とするハプティックインターフェース用力覚センサ用であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
センサ本体部の前後に操作用の柄に相当する部分と作業具の機能部分を着脱できるので、複数の手作業具を用いた一連の作業によって構成される技能に関するトータル的なデータの収得を統一的に行うことができる。複数の手作業具の全体をセットにすることによりシュミュレータの開発の基礎データの収集が容易となる。
特に、熟練した技能の保存・再生、伝統技工の伝承などに有用なデータ収集ツールである。更に、失敗が許されない手術などの医療行為に関し、名人の技能を数値化して標準モデルを作ることができ、更に、訓練機に応用することによりモデルとの客観的な比較が可能となる。
手作業具を用いた操作情報を入手するために用いる機器において、センサ本体Aと把持部Bと作業部Cとから構成される6軸力覚センサ用把持型ツールであって、把持部B及び作業部Cは、センサ本体Aに対して着脱可能な連結構造を有し、該連結構造は、把持部Bあるいは作業部Cに付属されて設けられているか、又は、別体のコネクターD、Eであって、把持部B及び/又は作業部Cは、ツールの種類に応じて、複数備えられている6軸力覚センサ用把持型ツールである。
本発明に用いるセンサは6軸力覚センサである。本発明に用いる力覚センサは、薄型が適している。現状では、筐体部の外形が厚さ約10mmで外形が20mm弱の径とすることができた。
6軸力覚センサの感知部は、弾性構造体であり特定の力成分(力とモーメント)に対して歪み易い構造をもっている。基部とフランジ部を3本のビームを介して連結し、ビームの各面には歪みゲージが取り付ける。この弾性構造体に外力がはたらくと、ビームが歪み、この歪みを歪みゲージにより電気信号に変換することにより、力成分を歪みゲージの電気信号として取り出すことができる。なお、6軸力覚センサ弾性構造体の歪みを検出する素子として、歪みゲージの代わりに光センサユニットを用いることもできる。この弾性構造体は、2mm厚以下に作ることができる。
名人などの力加減などの情報を収集する目的で用いるモーションキャプチャ力覚センサ用として用いる場合は、弾性構造体の受感面は用具を取り付ける面側となる。反対側は固定部として、情報入力面とはならない。
練習者などが訓練する場合に、名人等の雛形の力加減をフィードバックしながら本ツールを使用するハプティック力覚センサ用に用いる場合は、弾性構造体の受感面は柄などを取り付ける面側となる。反対側は固定部となる
リンク機構に接続することにより、モーションキャプチャ力覚センサでは、3次元の空間情報を収集することができ、ハプティック力覚センサでは、訓練者への位置情報を提示することが可能となる。
把持部は、手指で実際に持つ部分で、作業具の柄に相当する部分である。この把持部は、実際に用いられる作業具の柄を加工して準備することもできる。また、実際の作業具の柄に類した形状に作成することもできる。
手術用のメスなどは、実際に使用するものに近いことが望ましいので、実際の手術に用いられるメスの柄を加工して製造することが望ましい。
鉛筆、ボールペン、万年筆などは、ペン先はいろんな種類を普段に使っているが、柄は標準的な柄で対応することが可能である。もちろん、実物から加工して製造することもできる。
把持部とセンサ本体とは、標準的な把持部には、センサ本体部の取り付け面に直接連結可能な構造とすることができる。実物の柄を加工して製造する場合は、柄の先端とセンサ本体を連結するためのコネクターを用いて対応することができる。
手術に用いられる刃先や筆記具のペン先など作業具の実際の作業部である機能部は、それぞれの用具に応じて特有の形状をしているので、機能部に直接接合構造を形成することは、現実的ではなく、接続用にコネクターを介して、センサ本体と連結することが好ましい。
作業部は、実際に機能する部分を確保し、作業具の実長に近い長さを確保できる範囲で後端部を切除及びコネクターの接合部に適合する形状に加工する。
その他の作業具としては、技能者が掴んで用いる手作業具一般に適用することができる。
例えば、外科医、脳外科医、眼科医、婦人科医、大工、調理師、仏師、彫刻家などが用いる道具が挙げられる。
外科医であれば、手術用具であるメス一式、鉗子、縫合器、ピンセットなどが挙げられる。検査用機器である内臓などの生体検査用のサンプル採取具や注射器などは内科医でも使用する必要がある。また、内視鏡及びレーザーなどの治療器具を備えた内視鏡も挙げられる。手術用具は、脳外科用、眼科用などその使用対象によって専用化している器具もある。大工でも、細工が必要な指物用のノミ、鉋、あるいは宮大工などの細工道具、又、包丁さばきなどが必要な調理器具も例示できる。
手術に用いるメスの刃先部や柄をセンサ本体部に接続する際に用いるコネクターである。センサ本体部と把持部や作業部はぐらつきや遊びが無いようにしっかりと連結される必要がある。ぐらつきなどは、データが不正確になる。
コネクターは、センサ本体側は、センサ本体の取り付け面に適合した形状とする。例えば、平面同士の面突き合わせの場合は、平面を備える。平面フランジ同士の面を突き合わせてネジ止めする連結機構は、把持部や先端側のふらつきを防止して固定制度を高めることができ、情報精度を向上させることが容易である。また、柄側については、フランジ部を薄くできて実際に指で押さえる位置の制限を小さくすることができる。そして、ネジ穴や位置決め・回り止め用に係合用凹凸などを適宜備えることとする。
作業部側は、それぞれの作業部の形状にあわせた連結構造を工夫することができる。手術用のメスなどある程度形状が類似しているものは、作業部の方を加工して、共通の連結構造とすることが可能である。
柄や作業部を連結する構造は、割型の間に挿入して、受け凹部を形成した割型に挟圧して押さえ込んで固定する手段や、円筒割型の空隙に根本を挿入して外側から締め込む手段、螺着、嵌合など適宜採用することができる。
把持部や作業部は取り替えることができるので、ひとつの仕事に必要なさまざまな作業具の種類に応じて、準備しておくことによって、トータル的なデータを収集することができる。
例えば、ひとつの手術に必要なデータの全体を収集することができることとなり、シュミュレータの開発データが得られる。また、遠隔医療用ツールであるハプテックインターフェイスに装備することができる。
全体構成を図1に示し、増幅器に連結した状態を図2に示す。各構成要素は図3〜12に示す。
実施例1は、手術用メスタイプのツール型センサ1である。図1に従って、全体を説明すると、センサ本体部Aの一方に把持部である柄部B、他方に作業用先端部であるメスの刃部Cがそれぞれ柄側コネクターD及び先端側コネクターEを介して取り付けられている。このように構成された手術用メスタイプのツール型センサ1は、センサ本体部Aから引き出されたケーブル2によって増幅器3に接続される。
センサ取り付けブロックa10の断面構成を図10に示す。基部に感知部収容凹部14を形成し、収容した感知体から信号を取り出すケーブル取り出すケーブル端子取付孔15等を形成する突起部を設ける。この感知部収容凹部には、図11に示す3本のリブを設けた円形の感知部12を挿入して、収容する。なお、これらの具体的な形状は、一例であってこれに制限されるものではない。
図8にこのフランジ付きの一方の刃側コネクターについて、平面図(a)、側面図(b)、正面図(c)の3面を示す。図8(d)(e)には、他方の刃側コネクターである他方の挟圧ブロック片b28が示されている。この他方の挟圧ブロック片b28はセンサ取り付け用の挟圧ブロック片bそのものであり、メス後端部位置決め孔23の残りの縁に連続する凹部が形成されている。この図示では、センサ取り付けブロックbには、凹部にはネジ孔が設けられていないが、対象部に連通するネジ孔を設けることもできる。
また、挟圧ブロック片a、bの隅部には連通可能なネジ孔26,26,27,27が設けられ、両挟圧ブロック片a,b同士をネジ止め連結する。
図6(b)に示すセンサ取り付けブロックa10の面に対向するフランジ32を備え、該フランジ32の中央部には、柄先端部位置決め孔33を形成し、また、フランジ32の周縁部にはセンサ取り付けブロックa10の面に形成されたネジ孔15、15に対向するネジ孔35,35が2つ設けられている。また、センサ取り付けブロックa10の面には柄先端部位置決め孔33の半周に相当する凹部を連続して設け、この凹部に柄の先端側に設けたネジ孔を通して、連通するネジ孔34を形成する。
この例においては、コネクターの厚みは、刃側、柄側とも6〜7mmに製造することができた。
まず、メスの刃体である作業具先端側Cは、一方の刃側コネクター20に設けられたメス後端部位置決め孔23にメス刃部40の後端部を挿入して、挟圧ブロック片aの凹部にメスの切削加工部を合わせて添わせてネジ止めし、更に、他方の刃側コネクター28を併せて、刃側コネクターの隅部をネジ止めして、メス刃部40とコネクターの結合を完成する。
一方、ほぼ同様の手順により、柄50と柄側コネクター30を接続する。
その後、先端側のコネクター及び柄側のコネクターをセンサ本体Aとそれぞれネジ止めしてメスタイプのツール型センサ1を完成する。
コネクターのフランジを初めにセンサ本体とネジ止めした後に、メス刃部あるいは柄を接続する順番でも組立は可能である。
また、本例では、各部品をネジ止めする手段を採用したが、連結手段はこれに限るものではないが、遊びが無いようにしっかりとした加工と連結が正確なデータの取得には重要である。ネジ止めは、微妙な締め加減が調整できるので、適している。
これらのメスの種類に応じて、共通用のコネクターと連結部に併せて、メスの基部及び柄の先端部を切削加工して、取り替えて使用できるように、セットとして提供する。
筆記具の柄は、大部分が円筒形で共通しており、把持部が共有可能であるので、柄側にはコネクターとなるフランジをあらかじめ作り込んだ例を示す。筆記具の柄は、太さが異なることもあるので、数種類を標準品として揃えること可能である。指当て部のゴムクッションなどのバリエーションは、はめ込み型に準備することも可能である。
先端側は、鉛筆、ボールペン、ペン、毛筆などの種類がある。これらも、基本的には、柄の円筒に連続した円錐形の先端に筆記部が存在する。これらの筆先部は、円筒形部分を若干残して、これをコネクターの接続部とすることが可能である。ペンにおいても、万年筆タイプでないペン先をペン軸に着けて使用するタイプでは、同様に円筒の軸先を準備することで対応できる。
従って、本実施例では、コネクターは先端側のみ準備し、把持部側は把持部にあらかじめ固着したものを提案する。
Aはセンサ本体部であり、把持部55にはフランジ51が設けられている。先端側は、雄ネジとフランジ61を設けた先端側コネクター60である。センサ本体Aは、実施例1と同様の構成である。フランジとセンサ本体の連結は、ネジ止めを採用している。
図15は、各種のペン先の例を示しており、鉛筆71、シャープペン72、ボールペン73、ペン74、毛筆75である。これらのペン先の後端部にコネクターの雄ネジに螺合する雌ネジを形成することにより、接合することが可能となる。
この接合は、雄ネジと雌ネジの関係を逆にすることも可能である。また、螺合に限らず、コネクター側をパイプとし、ペン先をパイプに挿入する方法も採用することができる。
本例では、把持部のフランジから先端側コネクターの先端まで13〜20mmに押さえることができたので、ペン先を10〜20mm確保しても十分に普通の筆記具の操作が可能である。
図16(a)は把持部50のフランジの正面図である。フランジには、周縁部にネジ止め用のネジ孔が2つ形成されている。図16(b)は把持部50の側面図であり、(c)はその断面図である。本例では、中空として、通常の筆記具の柄の重量に近づけるようにしてある。長さは約100mmである。
図17はペン先側のコネクター60である。(a)はコネクター60のフランジの正面図である。フランジには、周縁部にネジ止め用のネジ孔が2つ形成されている。(b)は側面図であり、(c)はその断面を示している。この例では、コネクターの全長は10mmであるが、雄ネジ部が5mmであるので、センサ本体と併せて、約15mmがはじ不能部となるので、十分な操作性を確保できる。
これら複数のペン先と共通のペン軸を揃えることにより、バリエーションに富んだ筆記具タイプの6軸力覚センサ用把持型ツールを提供することができる。
2 ケーブル
3 増幅器
10 センサ取り付けブロックa
11 センサ取り付けブロックb
12 感知部
13 ケーブル連結部
14 感知部収容凹部
15 ケーブル端子取付孔
16 ネジ穴
17 ネジ穴
20 刃側コネクター
21 挟圧ブロック片a
22 フランジ
23 メス後端部位置決め孔
24 ネジ穴
25 ネジ孔
26 ネジ孔
27 ネジ孔
28 他方の挟圧ブロック片b
30 柄側のコネクター
32 フランジ
33 柄先端部位置決め孔
34 ネジ孔
35 ネジ孔
40 メス刃部
50 手術用のメスの柄(把持部)
51 フランジ
55 把持部
60 先端側コネクター
61 フランジ
Claims (5)
- 手作業具を用いた操作情報を入手するために用いる機器において、
センサ本体Aと把持部Bと作業部Cとから構成される6軸力覚センサ用把持型ツールであって、
把持部B及び作業部Cは、センサ本体Aに対して着脱可能な連結構造を有し、
該連結構造は、把持部Bあるいは作業部Cに付属されて設けられているか、又は、別体のコネクターD、Eであって、
把持部B及び/又は作業部Cは、ツールの種類に応じて、複数備えられていること
を特徴とする6軸力覚センサ用把持型ツール。 - 手作業具が医療用の手作業具であることを特徴とする請求項1記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
- 手作業具が、複数種類の手術用のメスであることを特徴とする請求項2記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
- 手作業具が、複数種類の筆記具であることを特徴とする請求項1記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
- 作業具が、一連の作業用に用いられる複数種類をセットにしたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の6軸力覚センサ用把持型ツール。
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