JP2008032406A - 水圧低下部の探査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貯槽1の周辺に配置された複数本の水封ボーリング2,2,…の水圧を計測することで、前記貯槽1の周囲に存在する水圧低下部Dpの有無を探査する水圧低下部の探査方法であって、複数本の水封ボーリング2,2,…の中から計測を行う水封ボーリング2を1本ずつ順番に選定し、選定された水封ボーリング2の注水を停止した後、この水封ボーリング2の水圧の変動を計測する。
【選択図】図1
Description
そして、比較の結果、水頭低下速度が、低下速度基準値よりも大きい場合には、水圧低下部が、測定を行った水封ボーリングの近傍に存在することが推定される。
低下速度基準値は、水封ボーリング、貯槽および周辺トンネル等の形状・配置並びに水封水圧を考慮した均質岩盤モデルによる浸透流解析結果に基づき(例えば、水封水圧が0.95MPaである場合には17.2、水封水圧が0.45MPaである場合には8など)設定するとよい。なお、本明細書において、水封水圧とは、水封ボーリングによる注水の圧力をいう。
このように、前記水封ボーリング内の水頭の計測を、当該水封ボーリング内の水頭が最終安定水頭に達するまで継続しなくとも、測定時間の対数(dlog10t)と当該水封ボーリング内の初期水頭からの低下量(dH)が直線比例する区間の勾配を求めるのに必要な時点まで測定を行えば、当該水封ボーリングの注水停止時の水頭(水圧)と、水頭低下速度を把握することが可能なため、このデータに基づき、当該水封ボーリングの近傍の水圧低下部の有無の確認を行うことができる。つまり、非定常状態の低下速度を水頭測定値から算定することにより、水圧低下部の有無を判断することが可能となる。そして、水圧の非定常過程のデータから水頭低下速度を推定すると、貯槽に悪影響を及ぼすような大きな水頭低下を生じさせないで探査することが可能となる。例えば、水封水圧が0.95MPaである場合は水封ボーリング内の水頭が初期水頭から20m下がるまでの水圧のデータを用いて、水頭低下速度を算出し、水封水圧が0.45MPaである場合は水封ボーリング内の水頭が初期水頭から10m下がるまでの水圧のデータを用いて(上記数値は、空洞の配置、水封水圧などにより異なる)、水頭低下速度を算出するとよい。
ここで、図1は、本実施形態に係る貯槽を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。図2は、本実施形態に係る水圧低下部の探査方法を示すフローチャート図である。また、図3は、注水停止後の水頭低下曲線の例を示す図であって、(a)は縦軸を水封ボーリング水頭、横軸を経過時間とした場合を示し、(b)は縦軸を水封ボーリング水頭、横軸を対数時間とした場合を示す。
IN+IA≧QI−ΔQG ・・・(1)
ここで、IN:自然涵養(降雨、地下水)
IA:人工涵養(水封ボーリング、水封トンネル)
QI:空洞への湧水
−ΔQG:グラウトによる空洞への湧水低減量
ボーリング選定工程S1では、複数本の水封ボーリング2,2,…の中から、水頭の測定を行う水封ボーリング2(以下、単に「測定ボーリング2a」と称する場合がある)の選定を行う。測定ボーリング2aの選定は、任意の水封ボーリング2を選定すればよいが、貯槽1の周辺全域について状況を把握することを目的として、全ての水封ボーリング2,2,…について、順番に選定するのが好ましい。
水圧計設置工程S2では、ボーリング選定工程S1において、選定された測定ボーリング2aに、図示しない水圧計の設置を行う。ここで、測定ボーリング2aに設置される水圧計の形式等は限定されないことはいうまでもなく、適宜公知の水圧計の中から選定して使用すればよい。また、水圧計の設置方法は、測定ボーリング2aの注水の停止に伴い水頭が変動しても測定が可能であれば、限定されるものではない。また、測定ボーリング2aの水頭の測定は、水圧計によるものに限定されないことはいうまでもなく、適宜公知の測定手段の中から選定して行えばよい。
注水停止工程S3では、水圧計設置工程S2において水圧計が設置された測定ボーリング2aの注水の停止を行う。
また、水封ボーリング2の注水量Qは、この水封ボーリング2周辺の透水係数に比例するため、注水停止後の揚水量−Qも、水封ボーリング2周辺の透水係数に応じた値に設定される。このため、水頭低下速度および安定水頭は、当該水封ボーリング周辺岩盤の透水係数の違いに関わらず、水圧低下領域の水圧と距離のみに依存する。よって、空洞レイアウト(貯槽1の形状や周囲の岩盤状況等)や水封水圧が等しい場合には、一つの低下速度基準値が全測定結果に対して適用される。
水圧計測工程S4では、注水が停止された測定ボーリング2aについて、水圧計設置工程S2において設置された水圧計を利用して、水頭(水圧)の計測を行う。なお、本実施形態では、測定ボーリング2a内の水圧を測定することで、測定ボーリング2a内の水頭を計測するものとするが、測定ボーリング2aの水頭の計測方法は、上記の方法に限定されるものではなく、適宜公知の方法から選定して行えばよい。
ここで、本明細書において水封機能判断水頭とは、水頭低下速度の算出が可能な、注水停止前と停止後の水頭位置であって、本実施形態では、水封水圧が0.95MPaである場合には初期水頭−20m、水封水圧が0.45MPaである場合には初期水頭−10mとして適宜設定するものとする。なお、水封機能判断水頭は、岩盤状況等に応じて適宜設定すればよく、前記の高さに限定されるものではない。
したがって、水圧計測工程S4において、水頭低下量および低下勾配が大きい結果が得られた場合には、当該測定ボーリング2aの近傍に、高透水層Ga等からなる水圧低下部(不飽和領域を含む)Dpが存在していることがわかる。
注水再開工程S5では、水圧計測工程S4における水頭の計測後、この測定ボーリング2aの注水を再開する。測定ボーリング2aの注水を再開することにより、貯槽1の周囲の地下水は、元の定常状態に戻る。
つまり、注水停止後の測定ボーリング2aについて、水頭低下速度Tを算出して、水頭が低下しないか上昇するケース1と、注水停止後の水頭低下速度Tが小さいケース2と、注水停止後の水頭低下速度Tが大きいケース3と、に分類することにより、当該測定ボーリング2aの貯槽1に対する水封機能について評価を行う。
T=|dH/dlog10t|・・・(2)
ここで、 T:水頭低下速度
dH:水頭差
dlog10t:対数時間
注水停止後、測定ボーリング2a内の水頭が低下しないということは、停止前の注水量が0または負(流入)の状態であったことを示している。すなわち、この水封ボーリング2は、自然涵養だけで、水収支の均衡が保たれており、現時点では、貯槽1の水封に必要でないものとみなすことができる。
ケース2は、注水停止後の水頭低下速度Tが、水頭低下速度の基準値に比べて小さい場合であり、自然涵養INやグラウト1aによる止水対策効果により、水の供給量が、貯槽1への湧水量を上回っていることを意味する。したがって、測定の対象の水封ボーリング2(測定ボーリング2a)により、水封効果が機能しているとみなすことができる。
ケース3は、注水停止後の水頭低下速度Tが、水頭低下速度の基準値に比べて大きい場合であり、自然涵養INやグラウト1a等による止水対策によっても、貯槽1への湧水量が供給量を上回っており、水封ボーリング2(測定ボーリング2a)の水封効果が機能していないことを意味している。つまり、ケース3に分類された場合には、当該水封ボーリング2の近傍に、水圧低下部Dpが形成されているおそれがある。この場合には、隣接する他の水封ボーリング2の測定結果や空洞(貯槽1)の壁面やボーリングを用いて実施した地質調査結果などを加味して、水圧低下部Dpの位置を推定する。そして、推定された水圧低下部Dpについて、新たな水封ボーリング2を設置して注水量を増加することや、追加グラウト等の止水対策工の実施等の検討を行う。
本実施形態の水圧低下部の探査方法によれば、通常の岩盤で、1試験(水封ボーリング1本)当り2時間程度で作業を完了することが可能なため、早期に行うことができる。
また、測定結果は、岩盤の透水係数や貯留係数などの水理特性に影響されないため、適切な結果を得ることが可能である。
さらに、第一モデルM2および第二モデルM2について、1本の水封ボーリング2(測定ボーリング2a)の注水を停止した場合を比較した場合も、図6(a)および(b)に示すように、水頭の低下量に顕著な相違が見られなかった。
本実施例では、比貯留係数がSs1=1×10−7(1/cm)である岩盤(ケースA)と比貯留係数がSs2=1×10−8(1/cm)の岩盤(ケースB)に形成された貯槽について、水封ボーリングの注水停止時の水頭の変化の測定を行った。ここで、図7(a)は各岩盤(ケースAおよびケースB)が均質な場合における水頭低下曲線を示す図、また、図7(b)は各岩盤(ケースAおよびケースB)が高透水層を介在する場合における水頭低下曲線を示す図であって、縦軸を水封ボーリング水頭、横軸を対数時間としている。
例えば、前記実施形態では、既設の貯槽に対して、その水封ボーリングを利用して当該貯槽の水封機能の確認を行うものとしたが、施工中の貯槽について、施工段階毎に本発明の水圧低下部の探査方法により水圧低下部の探査を行うことで、貯槽周辺の水圧低下領域の発生・進行状況を確認しながら、貯槽の水封機能に効果的な水封ボーリングの配置やグラウト施工等を行ってもよい。
2 水封ボーリング
2a 測定ボーリング
Dp 水圧低下部
Ga 高透水層
Claims (5)
- 貯槽の周辺に配置された複数本の水封ボーリングの水頭を計測することで、前記貯槽の周囲における水圧低下部の存在の有無を探査する方法であって、
前記複数本の水封ボーリングの中から計測を行う水封ボーリングを選定し、選定された前記水封ボーリングの注水を停止した後、当該水封ボーリング内の水頭を計測することを特徴とする、水圧低下部の探査方法。 - 前記水封ボーリング内の水頭の変動に基づいて水頭低下速度を算出し、当該水頭低下速度を低下速度基準値と比較して、前記水頭低下速度が、前記低下速度基準値よりも大きい場合には、前記水封ボーリングの近傍に水圧低下部が存在すると判断することを特徴とする、請求項1に記載の水圧低下部の探査方法。
- 前記低下速度基準値を、前記複数本の水封ボーリング、前記貯槽および該貯槽の周辺に形成された地下構造物等の形状、配置並びに水封水圧を考慮した均質岩盤モデルにより算出することを特徴とする、請求項2に記載の水圧低下部の探査方法。
- 前記水封ボーリング内の水頭の計測を、該水封ボーリング内の水頭の低下が安定するまで行うことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水圧低下部の探査方法。
- 前記水封ボーリング内の水頭の計測を、前記複数本の水封ボーリング、前記貯槽および該貯槽の周辺に形成された地下構造物等の形状、配置並びに水封水圧を考慮した均質岩盤モデルにより算出された水封機能判断水頭まで前記水封ボーリング内の水頭が下がった時点で終了することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の水圧低下部の探査方法。
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JP2002236122A (ja) * | 2001-02-08 | 2002-08-23 | Shimizu Corp | 地盤・岩盤における透水係数の推定方法と健全性の評価方法 |
JP2004037257A (ja) * | 2002-07-03 | 2004-02-05 | Shimizu Corp | 岩盤内気体貯蔵施設の漏気検知装置、及び漏気検知方法 |
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