JP2008031796A - コンクリート爆裂防止構造及びその施工方法 - Google Patents

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和廣 岡田
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Abstract

【課題】長時間高温にさらされた場合であってもその形状保持性に優れるコンクリート爆
裂防止構造体及びその施工方法を提供すること。
【解決手段】
コンクリート構造体の表面が熱膨張性無機材料により被覆されてなるものであって、
前記熱膨張性無機材料は、無機繊維55〜85重量%、熱膨張性無機物5〜30重量%
、無機質バインダー5〜25重量%および有機質バインダー5〜15重量%からなり、
前記熱膨張性無機材料に含まれる前記無機質バインダーは、融点が650〜1000℃
の範囲である焼結性無機質材からなることを特徴とするコンクリート爆裂防止構造体。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリートの爆裂を防止するためのコンクリート爆裂防止構造体及びその
施工方法に関する。
従来、コンクリート構造体は、耐火性が優れるため耐火構造体として広く使用されてき
た。このような構造体では、コンクリートの含水率を低くして強度を高める対策が採られ
ている。しかしながら、含水率を低くすると火災時の高温によって前記コンクリート構造
体が爆裂を起こし、建築基準法で定める耐火性能を満足することができなくなるという問
題点があった。
この様な問題に鑑み、前記コンクリート構造体、特に水分含有量の少ない高強度コンク
リート構造体が火災時の高温によって爆裂するのを防止することを目的として、熱可塑性
樹脂等を含有する熱膨張性樹脂材料により前記コンクリート構造体を被覆したコンクリー
ト爆裂防止構造体が提案されている(特許文献1)。
この一方、ロックウール50〜90重量%、熱膨張性無機粉末5〜25重量%、焼結性
無機質材5〜10重量%および有機質バインダー2〜10重量%の組成物の水分スラリー
を湿式抄造して得られる熱膨張性無機質繊維フェルトがこれまでに提案されている。
この熱膨張性無機質繊維フェルトは火災等による熱を受ける前と受けた後ではその形状
が大きく変化する。このため火災等の熱により前記熱膨張性無機質繊維フェルトが膨張し
た後であっても、膨張後の前記熱膨張性無機質繊維フェルトが容易に崩れ落ちたりしない
様に、前記熱膨張性無機質繊維フェルトには焼結性無機質材が必須の構成要素とされてい
る。
この焼結性無機質材は、前記ロックウールと火災等の熱により焼結一体化する。この焼
結一体化により膨張後の前記熱膨張性無機質繊維フェルトが短時間の間に崩れ落ちたりす
ることを防止することができる。
このことから前記熱膨張性無機質繊維フェルトを、耐火性材料等に応用することができ
るとされる(特許文献2)。
特開2002−166492号公報 特開2000−199194号公報
しかしながら上記に説明した熱可塑性樹脂等を含有する熱膨張性樹脂材料に替えて、単
に前記熱膨張性無機質繊維フェルトを使用すると問題が生じた。
すなわち、前記熱膨張性無機質繊維フェルトの場合の様に、融点が75℃のホウ砂等や、あるいは融点が1300℃を超えるセピオライト等の焼結性無機質材を前記熱膨張性無機質繊維フェルトに使用した場合には、火災等の熱により前記熱膨張性無機質材料が十分に膨張する前に前記焼結性無機質材と前記無機繊維とが焼結一体化してしまったり、逆に前記熱膨張性無機質材料が十分に膨張した後になっても、前記焼結性無機質材と前記無機繊維とが十分に焼結一体化しないことがあり、長時間高温にさらされた場合の形状保持性が未だ十分ではないとの問題があった。
本発明の目的は、長時間高温にさらされた場合であってもその形状保持性に優れるコン
クリート爆裂防止構造体及びその施工方法を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、融点が650〜1000℃
の範囲であるという、特定の融点を有する焼結性無機質材を含む下記の熱膨張性無機材料
に被覆されたコンクリート構造体が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成する
に至った。
すなわち本発明は、
[1]コンクリート構造体の表面が熱膨張性無機材料により被覆されてなるものであって、
前記熱膨張性無機材料は、無機繊維55〜85重量%、熱膨張性無機物5〜30重量%、無機質バインダー5〜25重量%および有機質バインダー5〜15重量%からなり、
前記熱膨張性無機材料に含まれる前記無機質バインダーは、融点が650〜1000℃
の範囲である焼結性無機質材からなることを特徴とするコンクリート爆裂防止構造体を提
供するものであり、
[2]前記コンクリート構造体の表面が、前記熱膨張性無機材料に加えて、不燃性材料及
び発泡体の1種以上により被覆されてなることを特徴とする、上記[1]に記載のコンク
リート爆裂防止構造体を提供するものであり、
[3]前記熱膨張性無機材料に含まれる前記無機質バインダーが、二酸化ケイ素50〜6
0重量%、酸化アルミニウム10〜20重量%、酸化カルシウム10〜20重量%、酸化
マグネシウム1〜10重量%および酸化ホウ素8〜13重量%を含有する焼結性無機質材
からなることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載のコンクリート爆裂防止構造
体を提供するものであり、
[4]前記不燃性材料が、石膏ボードであることを特徴とする、上記[2]または[3]
に記載のコンクリート爆裂防止構造体を提供するものであり、
[5]前記コンクリート構造体が、柱構造体、梁構造体、壁構造体および床構造体からな
る群より選ばれる少なくとも一つであることことを特徴とする、上記[2]〜[3]のい
ずれかに記載のコンクリート爆裂防止構造体を提供するものであり、
[6]前記コンクリート構造体が、トンネル構造体であることことを特徴とする、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のコンクリート爆裂防止構造体を提供するものであり、
[7]コンクリートと接する型枠表面に、前記熱膨張性無機材料からなる捨て型枠、又は
前記熱膨張性無機材料に加えて前記不燃性材料及び前記発泡体の1種以上とが積層された
捨て型枠を使用してコンクリートを打設することにより、硬化したコンクリート構造体表
面に、前記熱膨張性無機材料、又は前記熱膨張性無機材料に加えて前記不燃性材料及び前
記発泡体の1種以上とを被覆することを特徴とする、上記[1]〜[6]のいずれかに記
載のコンクリート爆裂防止構造体の施工方法を提供するものである。
本発明によれば、長時間高温にさらされた場合であってもその形状保持性に優れるコン
クリート爆裂防止構造体及びその施工方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のコンクリート爆裂防止構造体は、コンクリート構造体の表面に熱膨張性無機材
料が被覆されてなるものである。
前記コンクリート構造体としては、例えば、構造部材として使用される柱、梁、壁、床
等の一種もしくは二種以上が挙げられる。また、前記コンクリート構造体はトンネル構造
体であってもよい。
この様な前記コンクリート爆裂防止構造体は前記熱膨張性無機材料を使用するものであ
るが、この熱膨張性無機材料は、無機繊維、熱膨張性無機物、無機質バインダーおよび有
機質バインダーからなるものである。
次に前記熱膨張性無機材料に使用する無機繊維について説明する。
本発明に使用する無機繊維としては、例えば、セラミック繊維等を挙げることができる。
この様なセラミック繊維としては、例えば、具体的にはシリカアルミナ繊維、アルミナ
繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
かかるセラミック繊維は、耐熱性の観点から融点が1300℃以上のものが好ましく、
1500℃以上のものであればさらに好ましい。
なお本発明において融点という場合、純物質等の様にその融点を明確に示す物質につい
てはその融点を意味し、混合物等の様にその融点を明確に示さないものについては、JI
S R3103−1に準じて測定された軟化点を意味するものとする。
前記無機繊維は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する無機繊維の配合量は、前記熱膨張性無機材料の重量を基準として、5
5〜85重量%の範囲である。
前記無機繊維の配合量が55重量%未満の場合には断熱層の形状保持性が低下し、また
85重量%を超える場合には前記熱膨張性無機材料の製造作業性が低下する。
本発明に使用する無機繊維の配合量は、60〜80重量%の範囲であれば好ましい。
前記無機繊維の直径は、通常0.01〜100μmの範囲であり、好ましくは0.1〜
30μmの範囲である。また前記無機繊維はシランカップリング剤等の集束剤により複数
の繊維を一本にまとめたものを使用することができる。
前記無機繊維を得るための製造方法に限定はないが、例えば、この無機繊維の原料を軟
化させて線引きして得られた繊維を巻き取るロッド法、溶融させた前記原料をノズルから
排出し、得られた繊維を巻き取るポット法、有機溶剤に溶かした前記原料の前駆体を繊維
状にし、これをプレカーサーとして焼結して得られた繊維を巻き取る前駆ポリマー法等の
方法等を挙げることができる。これらの無機繊維として市販品を入手することができる。
本発明に使用する無機繊維は、例えば、直線状のセラミック繊維を切断して得られたも
の、直線状のセラミック繊維を粉砕して得られたもの等を挙げることができる。
上記の直線状のセラミック繊維を切断して得られたものはチョップド無機繊維として市
販品を入手することができ、上記の直線状のセラミック繊維を粉砕して得られたものはミ
ルド無機繊維として市販品を入手することができる。
これらの無機繊維は一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する熱膨張性無機物について説明する。
前記熱膨張性無機化合物としては、加熱時に膨張するものであれば特に限定はないが、
例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等が挙げられる。これらの
中でも発泡開始温度が低いことから熱膨張性黒鉛が好ましい。
前記熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラフ
ァイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナ
トリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。粒度が2
00メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、十分な耐火断熱層が得られない
ことがあり、また、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという
利点はあるが、前記熱膨張性無機材料に保持されにくくなることがある。
前記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON
社製「GRAF GUARD」、東ソー社製「GREP−EG」等が挙げられる。
前記熱膨張性無機物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する熱膨張性無機物の配合量は、本発明に使用する前記熱膨張性無機材料
の重量を基準として、5〜30重量%の範囲である。
前記熱膨張性無機物の配合量が5重量%未満の場合には燃焼後の膨張体積が少なく、十
分な耐火断熱層が得られない。また30重量%を超える場合には膨張後の前記熱膨張性無
機材料の強度が低下する。
本発明に使用する熱膨張性無機物の配合量は、10〜25重量%の範囲であれば好まし
い。
次に本発明に使用する無機質バインダーについて説明する。
本発明に使用する無機質バインダーとしては、例えば、焼結性無機質材等を挙げること
ができる。
この焼結性無機質材の具体例としては、例えば、電気絶縁性ガラス等を例示することが
できる。
前記電気絶縁性ガラスとしては、具体的には二酸化ケイ素が50〜60重量%、酸化ア
ルミニウムが10〜20重量%、酸化カルシウムが10〜20重量%、酸化マグネシウム
が1〜10重量%、酸化ホウ素が8〜13重量%等の範囲で含まれるEガラスと呼ばれる
もの等を挙げることができる。
本発明に使用する焼結性無機質材は、鉛金属塩およびアルカリ金属酸化物含有量が前記
焼結性無機質材の重量に対してそれぞれ1重量%未満のものであれば好ましい。
前記鉛金属塩としては、例えば、PbO、PbO、Pb等を挙げることができ
る。
また前記アルカリ金属酸化物としては、例えば、NaO、KO等を挙げることがで
きる。
本発明に使用する焼結性無機質材の中でも前記Eガラスは、アルカリ金属酸化物含有量
が少なく、防・耐火パネルからなる防火戸等に対する影響が少ないことから好ましい。
本発明に使用する焼結性無機質材は、650〜1000℃の範囲の融点を有するもので
ある。
これにより、本発明に使用する前記熱膨張性無機材料が火災等の熱により膨張した後で
あっても前記熱膨張性無機材料に含まれる無機繊維等を一体のまとまりのある形状に保つ
ことができることに加え、長時間高温にさらされた場合であってもその形状保持性が維持
される。
前記融点が650℃未満の場合には、火災等の熱により、前記熱膨張性無機材料が十分
に膨張する前に前記焼結性無機質材と前記無機繊維とが焼結一体化するため、長時間高温
にさらされた場合の形状保持性に劣る。また前記融点が1000℃を超える場合には、前
記熱膨張性無機材料が十分に膨張した後になっても、前記焼結性無機質材と前記無機繊維
とが十分焼結一体化しないことがあり、同様に長時間高温にさらされた場合の形状保持性
に劣る。
前記融点の範囲は700〜900℃であれば好ましく、750〜850℃の範囲であれ
ばさらに好ましい。
所望の融点を有する前記焼結性無機質材は、前記焼結性無機質材に含まれる成分の調整
を行なうことにより得ることができる。
例えば、具体的には前記Eガラスの場合であれば、二酸化ケイ素が55重量%、酸化ア
ルミニウムが15重量%、酸化カルシウムが15重量%、酸化マグネシウムが5重量%、
酸化ホウ素が10重量%等含まれる場合、その融点は700℃である。
このEガラスに対し、その中に含まれる酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の量を増
加させることにより、このEガラスに含まれる二酸化ケイ素等の共有結合の割合を減少さ
せることができることから、前記Eガラスの融点を700℃以下に下げることができる。
逆に、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の量を減少させることにより、このEガラ
スに含まれる二酸化ケイ素等の共有結合の割合を増加させることができることから、前記
Eガラスの融点を700℃以上に上げることが可能となる。
本発明に使用する焼結性無機質材の配合量は、本発明に使用する前記熱膨張性無機材料
の重量を基準として、5〜25重量%の範囲である。
前記焼結性無機質材の配合量が5重量%未満の場合または25重量%を超える場合には、前記熱膨張性無機材料が長時間高温にさらされた場合、その形状保持性が低下する。
本発明に使用する焼結性無機質材の配合量は、10〜15重量%の範囲であれば好まし
い。
前記焼結性無機質材の形状には特に限定はないが、例えば、繊維形状体、繊維形状体が
絡み合ったウール形状体、粉体形状体等を挙げることができる。
前記焼結性無機質材として繊維形状体を使用する場合には、前記繊維の直径は、通常0.01〜100μmの範囲であり、好ましくは0.1〜30μmの範囲である。この場合、前記繊維形状体はシランカップリング剤等の集束剤により複数の繊維を一本にまとめたものを使用することができる。
この様な繊維形状体を得る方法としては特に限定はないが、例えば、この焼結性無機質
材の原料を軟化させて線引きして得られた繊維を巻き取るロッド法、溶融させた前記原料
をノズルから排出し、得られた繊維を巻き取るポット法等の方法等を挙げることができる。これらの方法により得られたもの等を市販品として入手することができる。
また、前記焼結性無機質材として粉体形状体を使用する場合には、前記粉体状体の平均
粒径は、通常5〜500μmの範囲である。前記粉体状体は通常市販品として入手するこ
とができる。
前記焼結性無機質材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に本発明に使用する有機質バインダーについて説明する。
本発明に使用する有機質バインダーに特に限定はないが、例えば、具体的にはポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等
のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン系樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹
脂、エチレン−プロピレン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂類、
天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリ
ブタジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレン
ゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン
ゴム(EPR、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(
ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリ
コーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム(U)等のゴム類、
ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリイソシアヌレート樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂類、
上記熱可塑性樹脂類、ゴム類等のラテックス類、
上記熱可塑性樹脂類、ゴム類等のエマルション類等を挙げることができる。
中でも取り扱い性の面等から、ゴム類のラテックス類、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ア
クリル系樹脂エマルション等が好ましい。
前記有機質バインダーは一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する有機質バインダーの配合量は、本発明に使用する前記熱膨張性無機材
料の重量を基準として、5〜15重量%の範囲である。
有機質バインダーの配合量が5重量%未満の場合、前記熱膨張性無機材料を製造する作
業性が低下する。また15重量%を超える場合には、前記熱膨張性無機材料が長時間高温
にさらされた場合、その形状保持性が低下する。
本発明に使用する有機質バインダーの配合量は、5〜10重量%の範囲であれば好まし
い。
また前記熱膨張性無機材料に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、着色剤、酸
化防止剤、難燃剤、無機充填材、粘着剤等の各種添加剤を使用することができる。
次に本発明に使用する前記熱膨張性無機材料を製造する方法について説明する。
前記熱膨張性無機材料の製造方法については特に限定はないが、例えば、前記熱膨張性
無機材料の各成分を抄造法により板状形状、シート状形状とする方法、前記熱膨張性無機
材料の各成分と有機溶剤との混合物を成形した後、有機溶剤を除去することにより板状形
状、シート形状とする方法等が挙げられる。
中でも、均質な前記熱膨張性無機材料を製造する観点から、抄造法による製造方法が好
ましく、この抄造法による製造方法の中でも吸着成形法による製造方法がさらに好ましい。
代表的な抄造法による前記熱膨張性無機材料の製造方法としては、例えば、次の工程に
よる製造方法を挙げることができる。
(1)先に説明した本発明に使用する前記熱膨張性無機材料の各成分を、ミキサーやミル
等の装置を用いて溶剤に分散し、前記各成分の溶剤スラリーを調製する。
(2)前記溶剤スラリーをロートフォーマー等の抄造機により抄造し、所望の形状に成形
する。
(3)必要に応じて前記溶剤スラリーを吸引、圧縮、遠心、加熱、送風等の手段により溶
剤分を除去する。
以上の工程により、本発明に使用する前記熱膨張性無機材料を得ることができる。
次に吸着成形法による前記熱膨張性無機材料の製造方法について説明する。
この吸着成形法の一実施態様について、図17を参照しつつ具体的な工程を挙げて例示
すると次の通りである。
(1)例えば、前記熱膨張性無機材料の各構成成分を溶解しない溶剤を準備しておき、か
かる溶剤中に前記熱膨張性無機材料の各構成成分を懸濁させたスラリー7を準備しておく。
(2)前記スラリー7を吸入するための枠体吸入口8と、前記枠体吸引口8の一方の側に
備えられた前記スラリー7から前記熱膨張性無機材料の各構成成分を分離するための濾過
部材9と、前記濾過部材9を通して前記スラリー7から前記溶剤を回収するための吸引装
置10とを備えた吸着成形装置11により前記スラリーを吸引する。
(3)前記吸着成形装置11の前記枠体吸入口2から前記濾過手段3との間には、例えば、スラリー7に含まれる無機繊維を一方向に配向させるための仕切りを設けることができる(図示せず。)。この仕切りは各区画の一辺が他辺に比べて十分に長く設けられているため、吸引成形装置11の内部においてこの長い辺の方向に沿って無機繊維12が順次前記濾過部材9側から堆積する。
なお説明の便宜上、図17においては無機繊維の長さは実際よりも長く描かれている。
前記仕切りは吸引操作終了後、もしくは吸引操作を行いながら前記枠体吸引口8から抜
き取ることにより、前記吸着成形装置5の内部には前記無機繊維が一定方向に略配向した
濾過物が形成される。
(4)吸引後、得られた濾過物に含まれる溶剤を吸引、圧縮、遠心、加熱、送風等の手段
により除去する。
(5)続いて切断等の手段を用いて、所望の形状に成形することができる。
以上の工程により、本発明に使用する前記熱膨張性無機材料を得ることができる。
前記濾過部材としては、例えば、濾紙、濾布、フィルター、金属メッシュ等を有するも
の等を挙げることができる。
前記濾過部材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記枠体吸入口の形状を適宜選択することにより、所望の形状の前記熱膨張性無機材料
を得ることができる。
なお前記溶剤は、前記熱膨張性無機材料の各種成分を溶解しないものが好ましく、例え
ば、水、メタノール等を挙げることができる。これらの中でも取り扱い性の面から、前記
溶剤は水であることが好ましい。
上記の操作により前記スラリーを吸引する際に、吸引方向に無機繊維の配向方向を揃え
ることができ、前記熱膨張性無機材料中に含まれる無機繊維を、前記熱膨張性無機材料の
表面に対する法線方向に略配向させることができる。
前記無機繊維が前記熱膨張性無機材料の表面に対する法線方向に略配向することにより、前記熱膨張性無機材料は、前記熱膨張性無機材料の厚み方向に比べて、前記熱膨張性無機材料の表面方向に大きく膨張する。
これにより、前記熱膨張性無機材料の一部に開口部や、前記コンクリート構造体の一部
分に前記熱膨張性無機材料により覆われていない箇所があったとしても、これらの開口部
や覆われていない箇所を火災等の熱に基づく膨張により閉塞させることができる。
また、前記有機溶剤との混合物を成形する方法の具体例としては、例えば、有機質バイ
ンダーが溶解する有機溶剤に、無機繊維、熱膨張性無機物、焼結性無機質材および有機質
バインダーを混合してパテ状混合物を作製し、成形機にて各種形状に成形した後、有機溶
剤を除去する方法が挙げられる。この方法によっても前記熱膨張性無機材料を得ることが
できる。
この様にして得られた前記熱膨張性無機材料の厚さは0.3〜10mmが好ましい。
前記熱膨張性無機材料の一方の面または両方の面には基材が積層されていてもよい。
この様な基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフロロエチ
レン、ポリイソブチレン等の熱可塑性樹脂フィルム;織布、不織布、割布、紙、アルミ箔
等の金属箔、アルミガラスクロス、アルミクラフト紙などが挙げられる。これらは単独で
用いられてもよく、2種以上の積層体として使用されてもよい。
中でも、アルミ箔と、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維などを積層した材料はア
ルミの熱反射性に優れる点から耐火上有利であり、ガラスクロス、ガラスマット炭素繊維
の耐熱性により、熱膨張性材料を保護することができ、特に好適である。
上記アルミガラスクロスのアルミ箔の厚みは、取扱い性を考慮すると5μm以上が好ま
しい。また、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維などは単位面積当たりの重量が5g
/m未満であると熱膨張性材料の保護性が劣るので、単位面積当たりの重量は5g/m以上が好ましい。上記アルミ箔と、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維はポリエチ
レンなどで熱ラミネートするか、不燃性のアクリル系接着剤等の接着剤を用いて積層され
る。
本発明のコンクリート爆裂防止構造体では、耐熱性能をより一層向上させるために、上
記熱膨張性無機材料に不燃性材料及び発泡体の1種以上を積層することができる。
前記不燃性材料としては無機質系板材及び無機質系繊維材等が挙げられ、具体的には無
機質系板材としては、例えば、ステンレス板、アルミニウム板、アルミニウム箔、亜鉛メ
ッキ鋼板、アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板等の金属板;珪酸カルシウム板、繊維混入
珪酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、石膏ボード、強化石膏ボード、パーライトセメン
ト板、繊維強化セメント板、木片セメント板、木粉セメント板、スラグ石膏板、スレート
板、ALC板、窯業系板、モルタル、PC板、ガラス繊維強化コンクリート板、金網、ラ
スなどが挙げられる。
前記無機質系繊維材としては、ロックウール保温板、セラミックブランケット、アルミ
ナシリカ繊維フェルト等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数枚貼り合わ
せて使用してもよい。
前記発泡体としては、フェノール、ウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレ
ン系などの発泡樹脂や、無機質系の発泡体が挙げられる。
前記発泡体の中にはガラス繊維や無機充填材等の添加剤が混合されてもよい。
前記熱膨張性無機材料を上記の積層体とすることにより、火災時の耐火性能と同時に吸
音性能を付与することができる。
前記熱膨張性無機材料と前記不燃性材料とを併用する場合は、その積層順序は特に限定
されないが、施工性等を考慮すると前記不燃性材料を外側に配置することが好ましい。特
に、外側から石膏ボード、金属板、熱膨張性材料の順に配置した構成であれば、耐火被覆
の施工とともに内装下地の施工が同時にできるので好適である。
前記発泡体はコンクリートに接する側に配置するのが好ましい。また、両者を予め積層
したパネル状態で施工してもよく、積層せずに順次施工してもよい。
前記積層体において、前記熱膨張性無機材料の厚さは0.3〜10mm、前記無機質系
板材の厚さは0.2〜25mm、前記無機質系繊維材料の厚さは3〜50mm、前記発泡
体の厚さは3〜100mmがそれぞれ好ましい。
前記積層体をコンクリート構造体へ施工する場合は、それぞれの材料を予め積層したパ
ネル状態で施工してもよく、積層せずに順次施工してもよい。
前記熱膨張性無機材料または積層体とした熱膨張性無機材料をコンクリート構造体へ施
工する方法としては、例えば、既存のコンクリート構造体の場合は、ビス留め、ねじ留め、釘打ち等によって固定する方法が挙げられる。
また、新設のコンクリート構造体の場合は、ビス留め、ねじ留め、釘打ち等によって固
定する方法以外に、コンクリート型枠の内側に予め釘打ち等によって取り付けておき、コ
ンクリート打設によって固定する方法等が挙げられる。
また、コンクリート構造体に取付けられた下地材(スタッド、ランナー等)を介して施
工してもよい。
以下、実施例により本発明の実施態様をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
・参考例1〜3
表1に示した配合比のセラミック繊維(新日化サーマルセラミックス社製「SCバルク
」)、熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」)、ガラス繊維(旭ファイバーグラ
ス社製「グラスロンチョップドストランド」、Eガラス長繊維、繊維径:約10μm、繊
維長:約3mm)、ガラスウール(旭ファイバーグラス社製「グラスロンウール」、繊維
径:約4〜7μm)、アクリル樹脂系ラテックス(日本ゼオン社製「LX874」)の水
分散液を調整し、抄造法にて表1に記載のかさ密度、厚みを有する熱膨張性無機材料を作
製した。
作製した前記熱膨張性無機材料について、下記の性能評価を行った。参考例2および3
についても、表1に示した配合比にて実施例1の場合と同様に実施した。結果を表1にま
とめた。
[膨張倍率・破断点応力の測定]
参考例1〜3により得られたサンプルを用いて、電気炉にて1000℃の温度により一
時間加熱し、膨張倍率を加熱後の厚みの、加熱前の厚みに対する比(加熱後の厚み/加熱
前の厚み)としてそれぞれ算出した。
また加熱膨張後の前記熱膨張性無機材料の形状保持性の指標として、加熱後のサンプル
を圧縮試験機(カトーテック社製「フィンガーフィーリングテスター」)を用いて、0.
25cmの圧子で0.1cm/sの圧縮速度にて破断点応力を測定した。
結果を表1に示す。
なお、前記サンプルの破断点応力が、0.05kgf/cm以上であると、垂直に保
持させた状態において耐火試験を行ったとしても、加熱膨張後の前記熱膨張性無機材料の
形状が崩れることなく耐火性能を十分に発揮することができる。
Figure 2008031796
・参考例4〜5
熱膨張性材料の作製
セラミック繊維(新日化サーマルセラミックス社製「SCバルク」)、熱膨張性黒鉛(
東ソー社製「GREP−EG」)、ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製「グラスロンチ
ョップドストランド」、Eガラス長繊維、繊維径:約10μm、繊維長:約3mm)、ガ
ラスウール(旭ファイバーグラス社製「グラスロンウール」、繊維径:約4〜7μm)、
アクリル樹脂系ラテックス(日本ゼオン社製「LX874」)を、表2に示した配合比に
て水に分散させスラリーを調製した。幅300mm×長さ450mm×厚み30mmの金
型を用い、抄造法にて厚み方向から吸引(吸着成形法)して、無機繊維が略一定方向に配向
した所定のかさ密度の前記熱膨張性無機材料を作製した後、無機繊維の配向方法と垂直方
向にスライスして、所定厚みの前記熱膨張性無機材料を得た。
[得られたサンプルの評価]
作製した前記熱膨張性無機材料について、体積膨張倍率の評価を行った。
50mm角の前記熱膨張性無機材料を電気炉にて1000℃の温度にて一時間加熱し、
幅・長さ・厚みを測定して、体積膨張倍率を加熱後の体積の、加熱前の体積に対する比(
加熱後の体積/加熱前の体積)として算出した。
加熱後のサンプルは、主として繊維方向と平行になる方向に優先的に膨張するが、繊維
方向、すなわち厚み方向にも膨張が見られた。
Figure 2008031796
上記に説明した参考例1により得られた熱膨張性無機材料を、端部をはぜ折り加工した
断面L字状の亜鉛メッキ鋼板(0.3mm厚)に貼合わせて積層体を得ることができる。
この積層体を、50mm厚の高強度コンクリート壁にはぜ折り加工部を介して装着するこ
とにより、高強度コンクリート壁面に熱膨張性材料を被覆したコンクリート爆裂防止構造
体を作製することができる。
参考例2により得られた前記熱膨張性無機材料を、サイズ300mm×300mm×3
000mm(高さ)の高強度コンクリート柱の周囲に巻き付けた後、その外側から金網を
絡み合わせて固定することにより、高強度コンクリート柱の周囲に前記熱膨張性無機材料
が被覆されたコンクリート爆裂防止構造体を作製することができる。
参考例3により得られた前記熱膨張性無機材料の一方の面に、アルミガラスクロスを積
層して、積層体を得た。
次に5mm厚のスレート板に、10mm厚のガラス繊維マット及び前記積層体をこの順
序で配置したものを、50mm厚のスタッドを介して50mm厚の高強度コンクリート壁
に装着することにより、壁面に熱膨張性材料を被覆したコンクリート爆裂防止構造体を作
製することができる。
図1〜図4は参考例3で得たシート状の熱膨張性無機材料をコンクリート柱の周囲に被
覆する施工順序を示す平面図である。
図1に示すように、参考例で得た熱膨張性無機材料2を4枚の捨て型枠1のコンクリー
トに接する面に貼り付けた。
図2は4枚の捨て型枠1を組み合わせた状態、図3はコンクリート6を注入した状態で
ある。
図4はコンクリート6が硬化した後、捨て型枠を外し、コンクリート6柱に熱膨張性無
機材料2を被覆し、コンクリート爆裂防止構造体を作製することができる。
図5〜図8は他の施工例を示す平面図である。
参考例3で得たシート状の熱膨張性材料2と厚み12.5mmの石膏ボード3の積層体
を用いて、石膏ボード3側を捨て型枠1に貼り付けた他は、実施例4と同様にしてコンク
リート6柱に熱膨張性材料2及び石膏ボード3を被覆した。これによりコンクリート爆裂
防止構造体を作製することができる。
図9〜図12は更に他の施工例を示す平面図であり、熱膨張性無機材料2に積層された
石膏ボード3面に亜鉛鋼板(厚み0.5mm)4を積層したものを用いたこと以外は実施
例5と同様にしてコンクリート6柱に熱膨張性材料2、石膏ボード3、亜鉛鋼板4の積層
体を被覆した。これによりコンクリート爆裂防止構造体を作製することができる。
図13〜図16に示すように、発泡体としてスチレンボード5、熱膨張性無機材料2、
石膏ボード3の積層体を用いて、石膏ボード3面を捨て型枠1に貼り付けたこと以外は実
施例5と同様にしてコンクリート6柱に積層体を被覆した。これによりコンクリート爆裂
防止構造体を作製することができる。
上記実施例1〜7のコンクリート爆裂防止構造体につき、ISO 834に準拠して、
1時間耐火試験を行ったところ、いずれもコンクリート表面温度は350℃以下であり、
コンクリートの爆裂は認められない。尚、高強度コンクリートの爆裂温度は、含水率、水
/セメント比等により異なるが、350℃以下であれば爆裂は起こらないといわれている。
本発明のコンクリート爆裂防止構造体は、上述の構成であり、火災時の高温によって熱
膨張性材料が膨張して耐火断熱層を形成し、コンクリート構造体の温度上昇を抑制するた
め、コンクリート構造体の爆裂を防止する。また、熱膨張性材料に、不燃性材料及び発泡
体の1種以上を積層して積層体とすることにより、爆裂を防止する効果と共に優れた吸音
性能を発現する。更に、本発明のコンクリート爆裂防止構造体の施工方法によると、捨て
型枠に熱膨張性材料、又は、熱膨張性材料と不燃材料、発泡体などの積層体を取り付ける
という簡単な工程だけで、爆裂防止構造体を得ることができる。
熱膨張性無機材料を捨て型枠に取り付けた状態を示す平面図である。 図1に示す捨て型枠を組み合わせた状態を示す平面図である。 図2に示す捨て型枠にコンクリートを注入した状態を示す平面図である。 図3で捨て型枠を外した状態を示す平面図である。 熱膨張性材料と石膏ボードを捨て型枠に取り付けた状態を示す平面図である。 図5に示す捨て型枠を組み合わせた状態を示す平面図である。 図6に示す捨て型枠にコンクリートを注入した状態を示す平面図である。 図7で捨て型枠を外した状態を示す平面図である。 熱膨張性材料、石膏ボード、亜鉛鋼板の積層体を捨て型枠に取り付けた状態を示す平面図である。 図9に示す捨て型枠を組み合わせた状態を示す平面図である。 図10に示す捨て型枠にコンクリートを注入した状態を示す平面図である。 図11で捨て型枠を外した状態を示す平面図である。 石膏ボード、熱膨張性材料、発泡体の積層体を捨て型枠に取り付けた状態を示す平面図である。 図13に示す捨て型枠を組み合わせた状態を示す平面図である。 図14に示す捨て型枠にコンクリートを注入した状態を示す平面図である。 図14で捨て型枠を外した状態を示す平面図である。 吸着成形法による熱膨張性無機耐火材を製造するための装置の概略を示す模式要部断面図である。
符号の説明
1 捨て型枠
2 熱膨張性材料
3 石膏ボード
4 亜鉛鋼板
5 発泡体
6 コンクリート
7 スラリー
8 枠体吸引口
9 濾過部材
10 吸引装置
11 吸着成形装置
12 無機繊維
13 配管
14 スラリー槽

Claims (7)

  1. コンクリート構造体の表面が熱膨張性無機材料により被覆されてなるものであって、
    前記熱膨張性無機材料は、無機繊維55〜85重量%、熱膨張性無機物5〜30重量%
    、無機質バインダー5〜25重量%および有機質バインダー5〜15重量%からなり、
    前記熱膨張性無機材料に含まれる前記無機質バインダーは、融点が650〜1000℃
    の範囲である焼結性無機質材からなることを特徴とするコンクリート爆裂防止構造体。
  2. 前記コンクリート構造体の表面が、前記熱膨張性無機材料に加えて、不燃性材料及び発
    泡体の1種以上により被覆されてなることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート
    爆裂防止構造体。
  3. 前記熱膨張性無機材料に含まれる前記無機質バインダーが、二酸化ケイ素50〜60重
    量%、酸化アルミニウム10〜20重量%、酸化カルシウム10〜20重量%、酸化マグ
    ネシウム1〜10重量%および酸化ホウ素8〜13重量%を含有する焼結性無機質材から
    なることを特徴とする、請求項1または2に記載のコンクリート爆裂防止構造体。
  4. 前記不燃性材料が、石膏ボードであることを特徴とする、請求項2または3に記載のコ
    ンクリート爆裂防止構造体。
  5. 前記コンクリート構造体が、柱構造体、梁構造体、壁構造体および床構造体からなる群
    より選ばれる少なくとも一つであることことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記
    載のコンクリート爆裂防止構造体。
  6. 前記コンクリート構造体が、トンネル構造体であることことを特徴とする、請求項1〜
    5のいずれかに記載のコンクリート爆裂防止構造体。
  7. コンクリートと接する型枠表面に、前記熱膨張性無機材料からなる捨て型枠、又は前記
    熱膨張性無機材料に加えて前記不燃性材料及び前記発泡体の1種以上とが積層された捨て
    型枠を使用してコンクリートを打設することにより、硬化したコンクリート構造体表面に
    、前記熱膨張性無機材料、又は前記熱膨張性無機材料に加えて前記不燃性材料及び前記発
    泡体の1種以上とを被覆することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のコンク
    リート爆裂防止構造体の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011038317A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 耐火被覆木材及びその製造方法
CN114508943A (zh) * 2022-03-01 2022-05-17 湖南裕钧贸易有限公司 一种组合式石墨匣钵及成型方法

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