JP2008030049A - 摩擦撹拌接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガンフレームを移動させる手段の動作のティーチングを容易にするとともに、ガンフレームを傾動させる場合に摩擦撹拌接合用工具の接合箇所がずれることを防止する。
【解決手段】摩擦撹拌接合装置10は、摩擦撹拌接合用工具30及び受け部材24によりワークWを挟持する摩擦撹拌用のエンドエフェクタ14と、エンドエフェクタ14を移動及び傾動させるロボット12とを有する。ワークWの接合開始箇所Sを摩擦撹拌接合用工具30と受け部材24で挟持し、摩擦撹拌接合用工具30を回転させてワークWに挿入する。エンドエフェクタ14を接合方向に向かって前進角θだけ傾動させるとともに、受け部材24を移動量L2だけ接合方向に沿って移動させる。摩擦撹拌接合用工具30はリミッタ66の作用下に後退して、先端の位置が維持される。エンドエフェクタ14を接合方向に向かって移動させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、摩擦撹拌接合用工具を回転させながらワークに押圧することにより摩擦撹拌を行って接合する摩擦撹拌接合方法に関し、特に、摩擦撹拌接合用工具を備えるガンフレームと、該ガンフレームを移動させる移動手段とを用いて前記ワークを接合をする摩擦撹拌接合方法に関する。
摩擦撹拌接合においては、接合品質を高めるために、摩擦撹拌接合用工具の先端が接合方向に向かって先行するように前進角を付けて接合することがある。具体的に、特許文献1記載の摩擦撹拌接合方法では、摩擦撹拌接合用工具を保持する部分に専用の傾動機構を設け、該傾動機構の作用下に摩擦撹拌接合用工具を傾動させている。
一方、特許文献2では、産業用の多関節型のロボットの先端に摩擦撹拌接合用工具を保持するエンドエフェクタを設け、ロボットの作用下に摩擦撹拌接合用工具を移動させることが提案されている。この特許文献2記載の摩擦撹拌接合装置では、ロボットアームの剛性を補完するために、C形状のガンフレームで摩擦撹拌接合用工具を保持している。
特開2002−301580号公報 特開2002−103061号公報
特許文献2記載の摩擦撹拌接合装置に対して、特許文献1記載のような専用の傾動機構を設けることは可能ではあるが、構造が煩雑で、コストの高騰を招き、しかもロボットの先端部重量が重くなって安定性が低下する。また、機構的に1軸増えることになり、ロボットの動作のティーチング手順及び計算が複雑になるとともに、ティーチングデータが増大する。
さらに、摩擦撹拌接合には、軸方向に進行させた後に横方向にも移動させて線状に接合する場合(以下、線接合という。)がある。線接合の場合には、摩擦撹拌接合用工具が軸方向及び接合方向に移動するため、ロボットの動作のティーチングを行う際に摩擦撹拌接合用工具の先端を基準とすると、摩擦撹拌接合用工具をワークに対して傾動させる動作のティーチングは非常に複雑となる。つまり、摩擦撹拌接合用工具の進退に関する1軸と、受け部材の移動に伴う3軸の合計3軸の設定を行うために複雑なティーチングとなり、手動調整によるティーチングは困難である。
また、ティーチングを自動で行う場合であっても、図10に示すように、ワークが厚い場合(又は、テーブルにワークを載置してテーブルごとガンアームで挟持する場合等)、ガンアーム1を摩擦撹拌接合工具2の先端を中心として傾動させる単純な動作では、仮想線のように反対側の受け部材3がワークに食い込んでしまう。このような不都合を避けるためには、受け部材の位置及び姿勢に関する4動作の計算が必要であり、構造及び計算が複雑となる。ここで、ティーチングに必要とされる4動作とは、摩擦撹拌接合用工具2の回転動作と、摩擦撹拌接合用工具2の後退動作と、ガンアーム1の平行動作と、ガンアーム1の傾動動作である。
また、受け部材3を中心として傾動させる場合には、摩擦撹拌接合工具2がワークに食い込んでしまうとともに元の位置からずれてしまう。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ガンフレームを移動させる手段の動作のティーチングを容易にするとともに、ガンフレームを傾動させる場合に摩擦撹拌接合用工具の接合箇所がずれることのない摩擦撹拌接合方法を提供することを目的とする。
本発明に係る摩擦撹拌接合方法は、摩擦撹拌接合用工具及び受け部材によりワークを挟持する摩擦撹拌用のガンフレームと、前記ガンフレームを接合方向へ移動させる移動手段と、前記摩擦撹拌接合用工具により前記ワークを加圧する際、加圧力指令が前記ワークに対する所定の加圧力を超えないように制限をするリミッタと、を用いて前記ワークを接合する摩擦撹拌接合方法であって、前記ワークの接合開始箇所を前記摩擦撹拌接合用工具と前記受け部材で挟持し、前記摩擦撹拌接合用工具を回転させて前記ワークに挿入する第1工程と、前記傾動手段及び(又は)前記移動手段により、前記受け部材を前記接合方向に向かって移動させるとともに前記ガンフレームを傾動させ、前記摩擦撹拌接合用工具が前記リミッタの作用下に後退して、前記摩擦撹拌接合用工具の先端が前記ワークに挿入された位置で維持される第2工程と、前記ガンフレームを傾動した後に、前記移動手段により前記ガンフレームを前記接合方向に向かって移動させる第3工程とを有することを特徴とする。
このように、受け部材を接合方向に向かって移動させるとともにガンフレームを傾動させ、摩擦撹拌接合用工具の加圧力の制限にっよて該摩擦撹拌接合用工具を後退させることにより、摩擦撹拌接合用工具の先端位置及びワークに対する埋没量が適切に維持されるとともに、ガンフレームを移動させる手段の動作のティーチングが容易となる。
本発明に係る摩擦撹拌接合方法によれば、受け部材を接合方向に向かって移動させるとともにガンフレームを傾動させ、摩擦撹拌接合用工具の加圧力の制限によって該摩擦撹拌接合用工具を後退させることにより、摩擦撹拌接合用工具の先端位置及びワークに対する埋没量が適切に維持されるとともに、ガンフレームを移動させる手段の動作のティーチングが容易となる。
以下、本発明に係る摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図9を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る摩擦撹拌接合装置10は、産業用の多関節型(例えば、6軸型)のロボット12と、該ロボット12の先端に設けられたエンドエフェクタ(ガンフレーム)14と、全体を統括的に制御する制御部16とを有する。エンドエフェクタ14はロボット12の作用下に、任意の位置及び向きに移動が可能であって、ワークWに対して適切な姿勢となるように設定される。また、線接合を行う場合には、ロボット12の作用下にエンドエフェクタ14が接合方向に向かって移動する。つまり、ロボット12はエンドエフェクタ14の移動手段及び傾動手段として作用する。
ワークWは、例えば、積層され、又は端面が付き合わされた2枚のアルミニウム板であって、固定台18によって固定されている。なお、図1では、エンドエフェクタ14を模式的に大きく表示している。
エンドエフェクタ14は、ワークWを側方からクランプするように延在するC形状のアーム20と、該アーム20の一端に設けられた工具駆動機構部22と、他端に設けられた低い円柱状の受け部材24と、工具駆動機構部22とロボット12とを接続する接続部26とを有する。
工具駆動機構部22は、ワークWの摩擦撹拌を行う摩擦撹拌接合用工具30と、該摩擦撹拌接合用工具30を軸中心に回転させる第1モータ32と、摩擦撹拌接合用工具30を軸方向に進退させる第2モータ34と、第2モータ34の回転を直線動作に変換して摩擦撹拌接合用工具30に伝達するボールねじ機構36と、第2モータ34の回転数を検出して制御部16に供給する検出部38とを有する。第1モータ32及び第2モータ34は、例えばサーボモータを用いるとよい。
摩擦撹拌接合用工具30は、受け部材24に対して同軸上に設けられた細い円柱形状であって、先端中心にやや突出した小さい円柱状のプローブ40(図3参照)を有する。プローブ40の周囲は、円柱端面状のショルダ42となっている。
図2に示すように、制御部16は、ロボット12の動作を制御するロボット制御部50と、第1モータ32に回転指令を与える回転指令部53と、該回転指令部53の信号を増幅して第1モータ32に供給するアンプ54と、摩擦撹拌接合用工具30の先端位置を制御する位置制御ループ56とを有する。
位置制御ループ56は、摩擦撹拌接合用工具30の先端位置の指令cを与える進出量指令部60と、検出部38から得られた信号に基づいて摩擦撹拌接合用工具30の現在の先端位置zを求める入力処理部62と、指令cと先端位置zとの偏差εを増幅するアンプ64と、該アンプ64によって得られた電流信号Iを制限するリミッタ66と、該リミッタ66の飽和値を設定する飽和値設定部68とを有する。リミッタ66の出力で第2モータ34に供給される信号を電流信号ILとする。
入力処理部62は、検出部38から供給される信号に対して、ボールねじ機構36に基づく所定の比率を乗算するとともに、ワークWの厚みを勘案して、該ワークWの表面を基準とした摩擦撹拌接合用工具30の進出量zを算出する。該進出量zは、ワークWに進入する方向をプラス、上方に離間する方向をマイナスとする。ロボット制御部50と、回転指令部53と、進出量指令部60は相互に協動して動作する。
ところで、一般のモータと同様に第2モータ34は電流に応じたトルクを発生し、その負荷は主体的にはワークWを押圧する加圧力であることから、電流信号Iは加圧力指令と同視することができる。また、線接合の場合、一定速度で横方向に移動させるときには、ワークWに対する摩擦撹拌接合用工具30の挿入量と、ワークWに対する摩擦撹拌接合用工具30の加圧力との間には相関関係があり、挿入量が深くなるほど必要な加圧力も大きくなる。したがって、電流信号Iの大きさによって摩擦撹拌接合用工具30のワークWに対する挿入量を調整することができることになる。また、リミッタ66を設けて電流信号IをILに制限することによって、摩擦撹拌接合用工具30の挿入量を所定量に制限することができることになる。
そこで、飽和値設定部68は、ワークWの適正挿入量zA(図3参照)に対応する加圧力Lを超えないように電流信号Iを制限して電流信号ILを出力するようにリミッタ66を設定する。適正挿入量zAは、ワークWが適正接合強度を得られる厚みに基づいて設定され、例えば、図3に示すように、ショルダ42の端面のワークWの表面を基準とした深さhが、0.05mm〜0.5mm程度が好適であり、より好適には0.2mmとなる位置に設定するとよい。換言すれば、プローブ40の高さをhpとするとき、適正挿入量zAは、zA=(hp+0.05)mm〜(hp+0.5)mmが好適であり、より好適にはzA=(hp+0.2)mmとなる位置に設定するとよい。
なお、飽和値設定部68は、摩擦撹拌接合用工具30の挿入量zを監視しており、該挿入量zと所定の閾値zT(図示せず)とを比較して、z>zTとなったときに、リミッタ66が適正挿入量zAで飽和するように設定する。z≦zTであるときには、リミッタ66が飽和することがない程度に十分大きい値を設定する。つまり、z≦zTであるときにはリミッタ66は作用せず、挿入量が閾値zTを超えたときにリミッタ66が作用するように切り換えることになる。閾値zTは、適正挿入量zAより僅かに小さい値として設定されている。
また、進出量指令部60が供給する摩擦撹拌接合用工具30の先端位置zの指令cは、ワークWの厚みDの範囲内で、リミッタ66により制限される加圧力Lに対応する深さよりも深い位置zL1に等しい値に設定されている。
摩擦撹拌接合では、摩擦熱によってワークWが加熱されると材質が柔らかくなり、同じ加圧力でもより深くまで埋没してしまう傾向がある。このようにワークWが高温となった場合や、何らかの不測の事態により、摩擦撹拌接合用工具30の先端がワークWの適正挿入量zAよりも深く進入した場合であっても、位置制御ループ56によって、2段階の制限が設定されていることから、摩擦撹拌接合用工具30は過度にワークWに埋没してしまうことがなく、歩留まりが向上する。さらに、指令cをワークWが適正接合強度を得られる範囲の下限値に等しくなるように設定しておくとよい。つまり、h=0.05〜0.5mmが好適である場合には、c=zL1=(hp+0.5)mmに設定するとよい。これにより、加圧力に基づくリミッタ66の制限が作用しない場合であっても、ワークWは適切な接合強度が得られる。
さらに、接合加工の前段階及び後段階においては摩擦撹拌接合用工具30を移動させる必要があることから位置制御ループ56は通常的に設けられているものであり、該位置制御ループ56をリミッタ66に対する第2段目の深さ制限手段として簡便に利用可能である。なお、図3におけるクロスハッチング部分は、摩擦撹拌された箇所を示している。また、計測の基準は、どの位置であってもよいことはもちろんであり、図3のようにプローブ40の先端を基準とするに限らず、例えば、ショルダ42の端部を基準としてもよい。
次に、このように構成される摩擦撹拌接合装置10を用いて行われる摩擦撹拌接合方法について図4〜図9を参照しながら説明する。本実施の形態に係る摩擦撹拌接合方法は、ロボット12の動作のティーチングをする第1段階と、該ティーチングデータに基づいてワークWの接合を行う第2段階に分けられる。
ティーチングを行う際には、摩擦撹拌接合用工具30に代えて、図4に示すティーチング用ツール80を用いる。ティーチング用ツール80は、胴体部80aと、該胴体部80aの先端に設けられたフランジ部80bとを有する。胴体部80aは、摩擦撹拌接合用工具30における胴体部30a(図3参照)と同径である。フランジ部80bは薄い円板状であって、先端面は軸に対して直交している。ティーチング用ツール80を工具駆動機構部22に装着した状態では、フランジ部80bの端部の位置は、対応する摩擦撹拌接合用工具30のショルダ42の端面から距離h(図3参照)だけ上方の位置(つまり、ワークWの表面)と整合している。なお、ティーチングを行う際には、簡便には、プローブ40のない摩擦撹拌接合用工具30を用いてもよい。
なお、ワークWは、図4に示すように、テーブル100上に支柱102を介して載置されている例について説明する。この場合、テーブル100も実質的にはワークWの一部であるとみなすことができ、ワークWが厚いことと等価である。
次に、摩擦撹拌接合方法の第1段階、つまりティーチングを行う方法について説明をする。
図5のステップS1において、工具駆動機構部22にティーチング用ツール80を取り付ける。
ステップS2において、ロボット12の作用下にエンドエフェクタ14を移動させて、図4に示すように、接合線における接合開始箇所Sにティーチング用ツール80を押し付けるとともに、裏面からは受け部材24を当ててワークWを挟持する。このとき、ティーチング用ツール80の先端部にはフランジ部80bが設けられていることから、ティーチング用ツール80の軸はワークWに対して面直に当接することになる。この場合、軸がワークWに面直となればよく、例えば、前記のとおりプローブ40のない摩擦撹拌接合用工具30等を用いてもよい。
ステップS3において、第2モータ34の出力トルクが上昇した時点で、その時点のティーチング用ツール80の突出量zを参照し、定点(中心点)Oの位置を求める。求められた定点Oは接合開始箇所Sとして記憶する。つまり、第2モータ34の出力トルクが上昇したときには、ティーチング用ツール80がワークWの表面に当接したときであることから、接合線における一端の接合開始箇所Sが特定される。
この場合の定点Oとは、図4に示すように、ティーチング用ツール80の軸上の点であって、ワークWの表面と接する箇所の点とするとよい。また、図6に示すように、対応する摩擦撹拌接合用工具30を想定した場合、摩擦撹拌接合用工具30の軸上の点であって、ワークWの表面と交差する位置O1からプローブ40の先端の位置O2のいずれか1つの点に設定してもよい。
ステップS4において、定点Oと前記受け部材との距離L1を記憶する。
ステップS5において、一度、ティーチング用ツール80を後退させてワークWから離間・退避した後に、ステップS2と同様に、ロボット12の作用下にエンドエフェクタ14を移動させて、接合線における接合終了箇所Eにティーチング用ツール80を押し付けるとともに、裏面からは受け部材24を当ててワークWを挟持する。
ステップS6において、前記のステップS3と同様に、定点Oを求め、該定点Oは接合終了箇所Eとして記憶する。この後、ティーチング用ツール80を後退させてワークWから離間・退避する。
ステップS7において、図7に示すように、記憶した接合開始箇所Sと接合終了箇所Eとを結ぶベクトルVを求める。このベクトルVは、ワークWの接合線を示すことになる。なお、接合線が折線や曲線である場合には、直線区間の両端、又は、直線と近時できる区間の両端において上記の処理を回繰り返して行えばよい。また、所定の設定条件データに基づいてベクトルVを規定してもよい。
ステップS8において、予め設定された前進角θ(図4参照)に基づいて、受け部材24の移動量L2を、L2←L1・tanθ として求める。求めた移動量L2は記憶部に記憶する。前進角θは、接合品質を高めるために、摩擦撹拌接合用工具30のプローブ40が接合方向に向かって先行するように設けられるものであり、例えば、3°〜10°に設定される。移動量L2は、定点Oを中心としてエンドエフェクタ14を前進角θだけ傾動させる場合の受け部材24が移動する距離を示す。
また、ステップS8においては、受け部材24が接合方向(V方向)に移動量L2だけ移動した位置で、且つ、前進角θだけ傾いた姿勢を規定し、この位置及び姿勢に基づいてロボット12の姿勢を求める。ロボット12の姿勢は、受け部材24の位置及び姿勢に基づいて、行列式を用いた公知の逆演算によって求められる。
すなわち、受け部材24を接合方向(V)に向かって移動させるとともにエンドエフェクタ14を傾動させるティーチングを行うことになる。
また、このステップS8におけるティーチングで必要とされる動作は、2つの複合的な動作である。つまり、エンドエフェクタ14を接合方向(V)に向かって移動量L2だけ動かす平行動作と、前進角θだけ傾斜させる傾動動作の複合動作である。このように、ステップS8におけるティーチングは、2つの動作の組合わせで足りることから、複雑な計算が不要で簡便に行うことができ、例えば、手動調整で行うことができる。
なお、ここでいう手動調整とは、調整用ペンダント等を用いてロボット12及びエンドエフェクタ14を実際に動かしながら動作を目視により確認しつつ行うティーチングのことである。
次に、第1段階のティーチングデータに基づいてワークWの接合を行う第2段階について図8を参照しながら説明する。
ステップS101において、工具駆動機構部22に摩擦撹拌接合用工具30を取り付ける。
ステップS102において、記憶部に記憶された接合開始箇所Sのデータを参照しながら、ロボット12の作用下にエンドエフェクタ14を移動させて、接合開始箇所Sに摩擦撹拌接合用工具30を押し付けるとともに、裏面からは受け部材24を当ててワークWを挟持する。また、第1モータ32によって摩擦撹拌接合用工具30を回転させる。これにより、ワークWが摩擦熱により熱せられて軟化し、プローブ40及びショルダ42の一部がワークWに進入し、摩擦撹拌が開始される。このとき、摩擦撹拌接合用工具30の進出量は、位置制御ループ56によって位置zL1となるように制御し、リミッタ66の加圧力制限作用によって適正挿入量zAで制限される。つまり、摩擦撹拌接合用工具30をティーチング用ツール80に置きかえた場合、図4に示す位置と等価になる。
ステップS103において、ロボット12を前記のステップS8で求めた姿勢となるように動作させる。つまり、図9に示すように、受け部材24を進行方向に移動量L2だけ移動する。前進角θは、接合線を含んでワークWの表面に垂直な面において、鉛直線を基準として接合方向と逆向きに傾斜した角度を示す。
このとき、リミッタ66の加圧力制限作用により摩擦撹拌接合用工具30が受動的に後退することになり、摩擦撹拌接合用工具30の先端位置及びワークWに対する埋没量が適切に維持される。この動作は、受け部材24が基準となってエンドエフェクタ14を移動及び傾動させるものであるが、見かけ上は、摩擦撹拌接合用工具30の先端の定点Oが中心となって傾動することになる。
具体的には、摩擦撹拌接合用工具30がワークWに対して過度に埋没しようとするが、これに応じてトルクが増大することとなり、結局リミッタ66の飽和作用によって、所定値以上のトルクは発生し得ない。したがって、摩擦撹拌接合用工具30は所定のトルクを維持したまま受動的・自動的に軸方向に沿って後退する。このようにリミッタ66を用いる場合、後退量の演算や記憶が不要であり、しかも特に後退指令等を出力する必要がなく、実ワークに合った動作制御が容易となる。
ワークWに対する摩擦撹拌接合用工具30の埋没量は傾動の前後で変わらず、適切に維持することができ、接合品質を保つことができる。
ステップS104において、ロボット12の作用下に、前進角θだけ傾動した姿勢を維持したままエンドエフェクタ14を接合方向(つまり、ベクトルVの方向)に所定速度で移動をさせる。この移動により、ワークWの線接合が行われる。
ステップS105において、摩擦撹拌接合用工具30が接合終了箇所Eまで到達した後、摩擦撹拌接合用工具30を後退させてワークWから離間・退避し、摩擦撹拌接合を終了する。
上述したように、本実施の形態に係る摩擦撹拌接合装置10、摩擦撹拌接合方法及びティーチング方法によれば、受け部材24を接合方向に向かって移動させるとともにエンドエフェクタ14を傾動させ、摩擦撹拌接合用工具30の加圧力の制限によって該摩擦撹拌接合用工具30を後退させることにより、摩擦撹拌接合用工具30の先端位置及びワークWに対する埋没量が適切に維持されるとともに、エンドエフェクタ14を移動させる手段の動作のティーチングが容易となる。
このような効果は、ワークWが厚い場合に特に顕著であるが、ワークWが厚い場合とは、前記のようにテーブル100上に載置されている場合に限らず、例えば、厚い鋳物に薄板を重ねて接合させる場合等がある。
本発明に係る摩擦撹拌接合方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
摩擦撹拌接合装置の概略構成図である。 制御部のブロック構成図である。 位置の指令をワークの厚みの範囲内に設定した場合の摩擦撹拌を行っている状態を示すワークの断面図である。 ティーチングを行う際のワーク、摩擦撹拌接合用工具及び受け部材の概略側面図である。 ロボットの動作のティーチングの手順を示すフローチャートである。 ワーク及びエンドエフェクタの先端部の概略側面図である。 ティーチングを行う際のワーク及び摩擦撹拌接合用工具の概略斜視図である。 本実施の形態に係る摩擦撹拌接合方法の手順を示すフローチャートである。 摩擦撹拌接合を行う際のワーク、摩擦撹拌接合用工具及び受け部材の概略側面図である。 従来技術に係るティーチングの手順を示す説明図である。
符号の説明
10…摩擦撹拌接合装置 12…ロボット(移動手段、傾動手段)
14…エンドエフェクタ 24…受け部材
30…摩擦撹拌接合用工具 32、34…モータ
40…プローブ 42…ショルダ
56…位置制御ループ 66…リミッタ
80…ティーチング用ツール
E…接合終了箇所 O…定点
S…接合開始箇所 V…ベクトル
W…ワーク

Claims (1)

  1. 摩擦撹拌接合用工具及び受け部材によりワークを挟持する摩擦撹拌用のガンフレームと、
    前記ガンフレームを接合方向へ移動させる移動手段と、
    前記ガンフレームを傾動させる傾動手段と、
    前記摩擦撹拌接合用工具により前記ワークを加圧する際、加圧力指令が前記ワークに対する所定の加圧力を超えないように制限をするリミッタと、
    を用いて前記ワークを接合する摩擦撹拌接合方法であって、
    前記ワークの接合開始箇所を前記摩擦撹拌接合用工具と前記受け部材で挟持し、前記摩擦撹拌接合用工具を回転させて前記ワークに挿入する第1工程と、
    前記傾動手段及び(又は)前記移動手段により、前記受け部材を前記接合方向に向かって移動させるとともに前記ガンフレームを傾動させ、前記摩擦撹拌接合用工具が前記リミッタの作用下に後退して、前記摩擦撹拌接合用工具の先端が前記ワークに挿入された位置で維持される第2工程と、
    前記ガンフレームを傾動した後に、前記移動手段により前記ガンフレームを前記接合方向に向かって移動させる第3工程と、
    を有することを特徴とする摩擦撹拌接合方法。

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