JP2008027168A - 複数のアンテナを備えたデータキャリア - Google Patents

Abstract

【課題】データキャリアシステムにおいて、大型アンテナのリーダライタでも小型アンテナのリーダライタのいずれでも対応できるデータキャリアを提供する。
【解決手段】非接触で無線通信により連結されるデータキャリア１０とリーダライタとからなるデータキャリアシステムの、データキャリア１０を構成する集積回路８に連結して同一基板上に口径の大きなアンテナ１と口径の小さなアンテナ３の少なくとも２種のアンテナを備えている。
【選択図】図１

Description

本発明は、非接触で無線通信により連結されて質問応答を行うデータキャリアシステムであって、異なる種類のリーダライタに応答可能なデータキャリアに関するものである。

特定な部屋への入退室管理、生産管理におけるいわゆるカンバン方式、スキー場のリフト券、鉄道の乗車券、駐車場の入出車管理、高速道路の通行券、電子マネー、商品の万引き防止などに、リーダライタ（質問器）と、データキャリア（応答器）とからなるデータキャリアシステムが使用されている。リーダライタとデータキャリアの間は無線通信で接続される。リーダライタは、ホストコンピュータと有線または無線で接続された固定設置型であり、その指示にもとづいてデータキャリアのデータを読取り、さらにデータキャリアに対してデータを書込む。データキャリアは、カード形、コイン形、あるいは箱形の形状をしており、人が携帯したり、商品や自動車等に取付けられて移動する。

例えば工場において、入退場の管理を行うデータキャリアシステムでは、工場の入り口ドアの近くに取り付けられたリーダライタに工員がカード形のデータキャリアをかざしてデータのやり取りをするのであるから、リーダライタとデータキャリアは近づけて使用できる。そのためリーダライタとデータキャリアとの間の無線通信をするためのアンテナは小型のものが使用でき、現実に小型化がなされている。しかし、一旦工場内に入った工員が作業をするときには、必ずしもリーダライタに近づくことができない場合や、近づくことが作業効率上極めて悪くなることがある。このような場合には、リーダライタとデータキャリアとの間の無線通信をするためのアンテナは大型のものを使用し、リーダライタ側の無線出力を上げていた。

小型のアンテナと大型のアンテナでは電磁界のフラックスが整合しないので、小型アンテナからの発振を大型のアンテナで受信すること、あるいは大型アンテナからの発振を小型のアンテナで受信することは交信距離の条件や回路的な制約が大きいため、夫々のアンテナの大きさに整合性のあるリーダライタとデータキャリアを使う必要がある。その結果、上記のような工場においては、工員は２つ乃至は複数のデータキャリアを保持し、これを使い分けなければならないという不便があった。

特許文献１にはデータキャリアシステムの質問器（リーダライタ）に使用される共振アンテナコイルの例が示されている。また特許文献２にはデータキャリアシステムの応答器（データキャリア）に使用されるアンテナコイルの例が示されている。

特開２００２−３１４４５７号公報 特開２００６−３３３７２号公報

本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、データキャリアシステムにおいて、大型アンテナのリーダライタでも小型アンテナのリーダライタのいずれでも対応できるデータキャリアを提供することを目的とするものである。

前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項１に係る発明のデータキャリアは、非接触で無線通信により連結されるデータキャリアとリーダライタとからなるデータキャリアシステムの、該データキャリアを構成する集積回路に連結して口径の小さなアンテナと口径の大きなアンテナとの少なくとも２種のアンテナを備えたことを特徴とする。

同じく請求項２に係る発明のデータキャリアは、前記データキャリアを構成する集積回路がＩＤタグカードであることを特徴とする。

請求項３に係る発明のデータキャリアは、前記口径の大きなアンテナのループの内側に前記口径の小さなアンテナのループが配置されていることを特徴とする。

本発明のデータキャリアは、大きな口径のアンテナと小さな口径のアンテナを備えている。距離を離して使う大型アンテナのリーダライタからの電波は大きな口径のアンテナに誘導電流を励起して、この誘導電流による二次誘導電流が小さな口径のアンテナに流れて信号としてデータキャリアの集積回路に入力する。近距離で使う小型アンテナのリーダライタからの電波は、直接、小さな口径のアンテナに誘導電流を流し、その電流が信号としてデータキャリアの集積回路に入力する。すなわち本発明のデータキャリアは、大型アンテナのリーダライタからの電波でも、小型アンテナのリーダライタからの電波でも受信でき、１つのデータキャリアで複数の大きさのリーダライタに対応できるから、すこぶる便利なものとなる。

生産管理の一方式であるＲＦＩＤによるカンバン方式を利用した場合、小さなカンバン用紙やプラスチック製小型タグを利用した場合は読み取り距離がとれないという弊害を取り除くことができる。また逆に、パレットやコンテナ、通い箱に直接取り付けた大型アンテナタグに書き込むのでなく、小型タグに書き込み当該場所にセットして読み取り距離を長くすることもできる。

以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明の範囲はこの実施例に限定されるものではない。

図１は本発明を適用するデータキャリア（応答器）の一実施例を示す模式図である。この実施例において、データキャリア１０は、いわゆるＩＤカードの形状に仕上げられている。絶縁体基板の上にプリントによる矩形金属層の大口径アンテナ１、同じく絶縁体基板の上にプリントによる矩形金属層の小口径のアンテナ３が形成される。大口径アンテナ１と小口径アンテナ３とは互いに電磁誘導エリア内に配置され接続されている。大口径アンテナ１は閉ループ構成している。小口径アンテナ３には共振コンデンサ５が付され、入出力コンデンサ６を介して信号処理機能および記憶機能を有する集積回路（ＩＣ）８に接続している。

図２は、本発明のデータキャリアがデータキャリアシステム中で使用されている状態を示す図である。この図では、アンテナは等価回路であるコイルのシンボルに描いている。大口径アンテナ１と小口径アンテナ３との二つのアンテナを備えたデータキャリア１０は、二つの質問器であるリーダライタからの無線通信による問いかけに応答をする。

大型アンテナ１４を備えたリーダライタ１３から発振した質問信号の無線電波は、大口径アンテナ１で受信され、共振コンデンサ７との閉回路に共振電流が流れる。その誘導で小口径アンテナ３と共振コンデンサ４との閉回路に生じる二次共振電流が信号として集積回路８に入力する。集積回路８では信号処理されて必要な記憶をするとともに、応答信号を生成して小口径アンテナ３に出力する。すると小口径アンテナ３が発振し、その誘導で大口径アンテナ１で共振して、大口径アンテナ１から応答信号の電波が発振する。この電波を大型アンテナ１４で受信してリーダライタ１３が応答信号を得る。

一方、小型アンテナ１７を備えたリーダライタ１６から発振した質問信号の無線電波は、小口径アンテナ３で受信され、集積回路８に入力する。集積回路８では信号処理されて必要な記憶をするとともに、応答信号を生成して小口径アンテナ３から応答信号の電波が発振する。この電波を小型アンテナ１７で受信してリーダライタ１６が応答信号を得る。

図３は本発明を適用するデータキャリアの別な実施例を示す模式図である。データキャリア１０は、金属対応のＩＤカードである。磁性体シール１１の上に円形大口径アンテナ１の金属箔が張付けられ、その大口径アンテナ１の内側に同心円の小口径アンテナ３の金属箔が張付けられている。アンテナ１には共振コンデサ５が接続され、アンテナ３からは入出力コンデンサ６を介して信号処理機能および記憶機能を有する集積回路（ＩＣ）８に接続している。

本発明を適用するデータキャリアの一実施例を示す模式図である。

本発明を適用するデータキャリアがデータキャリアシステム中で使用されている状態を示す図である。

本発明を適用するデータキャリアの別な実施例を示す模式図である。

符号の説明

１は大口径アンテナ、３は小口径アンテナ、５・７は共振コンデンサ、６は入出力コンデンサ、８は集積回路、１０はデータキャリア、１１は磁性体シール、１３・１６はリーダライタ、１４は大口径のアンテナ、１７は小口径のアンテナである。

Claims (3)

1. 非接触で無線通信により連結されるデータキャリアとリーダライタとからなるデータキャリアシステムの、該データキャリアを構成する集積回路に連結して口径の小さなアンテナと口径の大きなアンテナとの少なくとも２種のアンテナを備えたことを特徴とするデータキャリア。
2. 前記データキャリアを構成する集積回路がＩＤタグカードであることを特徴とする請求項１に記載のデータキャリア。
3. 前記口径の大きなアンテナのループの内側に前記口径の小さなアンテナのループが配置されていることを特徴とする請求項１に記載のデータキャリア。

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