JP2008023498A - 廃水の活性汚泥処理方法及び活性汚泥処理装置 - Google Patents

廃水の活性汚泥処理方法及び活性汚泥処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な装置で、汚泥分離を困難にする糸状細菌の繁殖を防止しつつ廃水から効率よく窒素及びリンを除去可能な、廃水の活性汚泥処理技術を提供する。
【解決手段】単一の処理槽10内で廃水Wに、活性汚泥Sを用いて硝酸態窒素の脱窒及びアンモニア態窒素の硝化を行う汚泥処理を施し、その一部を処理槽から分離槽30に分取して、被処理廃水から活性汚泥を収集し分離する。下処理槽40で、分離した活性汚泥の一部に新たな廃水Waを供給して嫌気性条件下とした後、処理槽に還流して被処理廃水残部に加え、これらの処理及び操作を繰り返し行う。下処理槽で脱窒細菌が活性化され、活性汚泥の残留硝酸態窒素の脱窒を完遂させることにより、処理槽の汚泥処理において硝化と共にリン酸態リンの活性汚泥への取り込みが行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃水の活性汚泥処理方法及び活性汚泥処理装置に関し、特に、活性汚泥の廃水からの分離を困難にする糸状細菌の増殖がなく、窒素及びリンが効率よく除去できる廃水の活性汚泥処理方法及び活性汚泥処理装置に関する。
活性汚泥を用いた廃水の処理においては、硝酸態窒素の脱窒、アンモニア態窒素の硝化及びリン酸態リンの活性汚泥への取り込みが活性汚泥中の細菌によって進行し、これらの働きをする細菌は、各々、適正環境が異なる。脱窒を行う脱窒細菌は、嫌気性条件下で硝酸態窒素(硝酸、亜硝酸)を還元して窒素に変換し、硝化を行う硝化細菌は、好気性条件下でアンモニア態窒素を酸化して硝酸イオンを生成する。リン酸態リンを取り込むリン蓄積細菌は、好気性条件下ではリンを取り込み、嫌気性条件下ではリンを放出する。特に、環境中に硝酸態窒素がない場合は、嫌気性条件下で有機物を取り込み、増殖に有利な状態になる。
廃水の活性汚泥処理には、回分式処理と連続式処理とがあり、回分式処理は、1つの槽内で環境を嫌気性条件と好気性条件とに交互に切り換えることによってアンモニアの硝化及び脱窒を行って排水中のアンモニアを除去する方法であり、連続式処理は、環境が異なる連続した複数の槽を廃水が徐々に移動することによって処理が進行し、廃水が連続的に処理される方法である。下記特許文献1は、回分式による排水の活性汚泥処理方法を開示する。
特開平8−267087号公報
脱窒細菌による脱窒が進行するには、養分としての有機質が必要であるが、好気性条件下で硝化が進行した後では排水中の有機質が分解消失しているため、回分式処理において汚泥処理を繰り返すには、上記特許文献1のように、外部から有機質を追加する必要がある。この追加を廃水中の有機質を用いて行うと、追加廃水に含まれるアンモニアに起因する硝酸が処理後に残存する。このため、回分式処理において残存硝酸の濃度を減少させるためには、廃水を部分的に排出/補充するように構成するが、硝酸濃度はゼロにはならず、又、硝酸の脱窒が完遂する前に有機質が消費し尽くされるので、リン蓄積細菌が有効に作用しない。従って、窒素及びリンの両方を除去するのは実質的に困難である。
このようなことから、窒素及びリンの両方を除去する処理方式として、連続式処理が採用されており、嫌気性条件及び好気性条件の繰り返しと、部分的な廃水の還流路を設けることによって、窒素及びリンの除去を進めている。
ところが、連続式の処理においては、回分式では繁殖し難い糸状の細菌が繁殖して排水中に糸状性バルキングを生じ、活性汚泥を廃水から沈降分離することが困難になるという問題がある。これを解決するには、廃水の逆流等が生じ難いように構造設計において種々な改良を加える必要があるが、各槽の最適な寸法及び構造を決定するのは難しく、変更幅を見越して設計すると過大な設備になり易く、建設コストが高騰し、流路の閉塞等の操作上におけるなどの問題も生じるので、実用的には非常に難しい。
本発明は、プロセスや装置の複雑な変更を要することなく、汚泥処理の各工程について時間等の条件を容易に変更・最適化でき、汚泥分離を困難にする糸状細菌の繁殖を防止しつつ廃水から効率よく窒素を除去でき、リンの効率的な除去も可能である廃水の活性汚泥処理方法を提供することを課題とする。
又、本発明は、簡易な構造で、汚泥分離を困難にする糸状細菌の繁殖を防止しつつ廃水から効率よく窒素を除去でき、リンの効率的な除去にも有効である廃水の活性汚泥処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、回分式処理を改良して複数槽を用いて処理することによって、窒素及びリンを効率良く除去でき、糸状細菌の繁殖による問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、廃水の活性汚泥処理方法は、単一の処理槽内で廃水に活性汚泥を用いて硝酸態窒素の脱窒及びアンモニア態窒素の硝化を行う汚泥処理;前記汚泥処理後の活性汚泥を含んだ被処理廃水の一部を前記処理槽から取り出す分取操作;取り出された前記一部の被処理廃水に含まれる活性汚泥を収集し分離する分離操作;分離した前記活性汚泥の一部に新たな廃水を供給して嫌気性条件下におく下処理;及び、前記下処理後の活性汚泥を含んだ新たな廃水を前記処理槽内の被処理廃水残部に加える還流操作を有し、前記汚泥処理、前記分取操作、前記分離操作、前記下処理及び前記還流操作を繰り返し行うことを要旨とする。
上記下処理においては、新たな廃水に含まれる有機質を用いて上記一部の活性汚泥の残留硝酸態窒素の脱窒を実質的に完遂させ、これにより前記汚泥処理において前記硝化と共にリン酸態リンの活性汚泥への取り込みが行われる。
又、本発明の一態様によれば、廃水の活性汚泥処理装置は、廃水及び活性汚泥を収容するための処理槽;前記処理槽に収容される前記廃水に、前記活性汚泥を用いて硝酸態窒素の脱窒及びアンモニア態窒素の硝化を行う汚泥処理を施すための、前記処理槽に設けられる処理機構;前記処理機構によって汚泥処理を施した活性汚泥を含んだ被処理廃水の一部を前記処理槽から排出する排水手段;前記処理槽から排出した前記一部の被処理廃水に含まれる活性汚泥を当該被処理廃水から収集し分離する分離手段;分離した前記活性汚泥の一部に新たな廃水を供給して嫌気性条件下におくための下処理手段;及び、前記下処理手段によって前記新たな廃水が供給され嫌気性条件下におかれた前記活性汚泥を前記処理槽へ供給するための還流手段を有することを要旨とする。
上記下処理手段において供給される上記新たな廃水の量は、上記一部の活性汚泥の残留硝酸体窒素の脱窒を実質的に完遂させるのに充分な有機質を供給可能な量であり、前記処理機構が施す前記汚泥処理は、前記硝化と共にリン酸態リンの前記活性汚泥への取り込みを行う。
本発明によれば、回分式処理に従って窒素及びリンを好適に除去できるため、汚泥の沈降分離を阻害する糸状細菌の繁殖が防止され、効率良く廃水処理を行うことができる。又、廃水処理を行うための活性汚泥処理装置における改良は、簡易なものであり、煩雑な操作や工程管理を要せず、簡便且つ効率良く廃水処理を進めることができる。又、廃水の水質が変わった際に、脱窒、硝化、沈降等の各工程に費やす時間などの変更によって柔軟に対応できるので、大規模な装置改造等を伴わずに済む。
汚泥の沈降分離を妨げる糸状細菌は、廃水の連続式処理において還流される廃水と関連して繁殖する傾向があり、糸状細菌が繁殖する条件について詳細に検討すると、有機質の濃度が低い(有機質濃度:約13.6mg-COD/L以下)微好気性条件下の廃水中において糸状細菌がフロック生成細菌より優位に繁殖することが解った。つまり、好気性条件下で硝化を進行させた廃水を有機質濃度の高い嫌気性条件下の廃水に加えた部分においては、有機質の濃度が低く糸状細菌が繁殖し易い。又、嫌気性状態の廃水と好気性状態の廃水とが大きな水槽内で混合されているので、微好気性条件の廃水が常時生じ、同様に糸状細菌が繁殖し易い。これに基づくと、廃水の有機質濃度を急激に変化させるのが難しく微好気状態を防止し難い連続式処理においては、糸状細菌が繁殖し易い状態が必然的に生じ、糸状細菌の繁殖を防止するのは困難である。しかし、このような緩やかな濃度勾配の形成は、廃水を短時間で一気に供給する回分式処理においては回避でき、また、微好気状態についても、好気性条件と嫌気性条件とを切り換える間の極短時間にしか起こり得ないので、回分式処理において窒素除去とリン除去とを共に進行できるように改良できれば、糸状細菌の問題を解消しつつ窒素及びリンの両方を効率よく廃水から除去できる。
本発明は、上述のような回分式処理の改良に関し、活性汚泥処理を行う回分式処理槽に加えて、リン蓄積細菌の繁殖を優位にするための下処理を施す手段を使用し、処理槽から活性汚泥の一部を取り出して下処理手段によってリン蓄積細菌を優位に繁殖させて活性汚泥のリン蓄積能を高め、これを処理槽に戻して高められたリン蓄積能を用いて廃水のリン除去を行う。以下、本発明の活性汚泥処理方法及びこれに用いる活性汚泥処理装置について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る廃水の活性汚泥処理装置の一実施形態を示す。この処理装置1は、廃水W及び活性汚泥Sを収容するための処理槽10と、処理槽10から活性汚泥Sを含んだ被処理廃水Wの一部を排出する排水手段である配管20及びポンプ21と、処理槽10から排出した被処理廃水Wに含まれる活性汚泥Sを収集して被処理廃水Wから分離する分離手段として備えられる分離槽30及びポンプ31と、分離した活性汚泥Sの一部に新たな廃水Waを供給して嫌気性条件下におく下処理を行うための下処理手段である下処理槽40と、下処理後の新たな廃水Wa及び活性汚泥Sを処理槽10へ供給するための還流手段である配管50及びポンプ51とを有する。
処理槽10には、排水の汚泥処理を行うための処理機構が装備されており、処理機構は、処理槽内の廃水及び活性汚泥を好気性条件に調整するための作動切り換え可能な酸素供給手段である曝気装置11と、廃水及び活性汚泥を混合するための攪拌装置12とを有する。処理槽10で行われる汚泥処理には、廃水を嫌気性条件に調整する嫌気性工程と、この後の廃水を好気性条件に調整する好気性工程とが有る。嫌気性工程では、処理槽10内で、廃水W及び活性汚泥Sを攪拌装置12によって混合し、この時、嫌気性状態とするために必要に応じて槽内は外気から遮断されるが、水面からの酸素の溶け混みが無視できる程度であれば外気の遮断は不要である。この工程で、脱窒細菌の活動によって廃水W中の硝酸態窒素が還元され窒素となって廃水Wから放出される。つまり、脱窒が進行する。攪拌によって、廃水の局所的な水質変化が防止される。脱窒が完遂されて硝酸態窒素が無くなれば、リン蓄積細菌が活性化されてリン蓄積細菌が繁殖に優位になる。次の好気性工程では、攪拌装置12を停止して曝気装置11から廃水W及び活性汚泥Sに空気を吹き込むことにより好気性状態となり、廃水W中のアンモニア態窒素が硝化細菌によって酸化されて硝酸を生じる。この時、リン蓄積細菌は、取り込んでいた有機質を用いて繁殖すると共にリン酸態リンを取り込むが、この段階で廃水のリン酸態リンの除去が満足に進行するにはリン蓄積細菌が汚泥中で十分に繁殖する必要があり、処理槽10内でリン蓄積細菌が繁殖に優位になる機会は極めて限られる。従って、汚泥中のリン蓄積細菌の繁殖及びリンの取り込み能の増強を可能にするための処理を別途行う必要がある。又、リンを取り込んだ細菌は、廃水から分離廃棄しなければ嫌気性条件下で廃水中にリンを再度放出するので、廃水処理の繰り返しに従って、リン除去のための汚泥廃棄が必要となる。これらは、後述する分離槽30及び下処理槽40において行われる。
処理槽10において脱窒、硝化及びリンの取り込みを施した後の廃水W及び活性汚泥Sは、その一部が、処理槽10から延伸する配管20及びポンプ21によって排出され、分離槽30に収容される。
分離槽30では、処理槽10から分取される汚泥を含んだ廃水を、活性汚泥Sと廃水Wとに分離する。この実施形態では、沈降分離によって活性汚泥Sが分離槽底部に収集される。分離手段として、レーキの様な汚泥を掻き寄せて収集する機械的分離手段を用いても良い。活性汚泥Sから分離された廃水Wは、ポンプ31を用いて分離槽30から配管32を介して廃棄される。活性汚泥Sは、廃水Wを含む濃縮汚泥の状態で分離槽30に残るが、後続の下処理の効率の点から、活性汚泥Sに残留する廃水Wが少ないように可能な限り分離効率を高めることが望ましい。
この実施形態では、分離槽30には下処理槽40へ延伸する配管41が接続されており、分離槽30の濃縮汚泥Sは、その一部がポンプ42等の搬送手段を用いて下処理槽40に供給される。残りの汚泥は、リン蓄積細菌に取り込まれたリンを処理系から除去するために分離槽30から排出し、焼却処理等を施して廃棄される。但し、活性汚泥Sのリン蓄積細菌のリン取り込み容量に余裕があって、更にリン取り込みが可能である場合には、分離槽30の濃縮汚泥を全て下処理槽40へ供給すれば良い。この判断は、分離槽30の廃水のリン酸濃度の測定値に基づいて行うことができる。
下処理槽40では、分離槽30から供給される汚泥に、ポンプ43等の送水手段を用いて新たな廃水Waが供給され、必要ならば槽内を外気から遮断することによって、取水した新たな廃水Wa及び活性汚泥Sを嫌気性条件下におく。下処理槽40には、廃水Wa及び活性汚泥Sを混合するための攪拌装置44が装備されており、廃水Waを攪拌することによって活性汚泥Sが分散し、局所的な品質変化が防止されて汚泥の活性化が均一になる。この状態では、活性汚泥Sに含まれていた廃水Wによる残留硝酸体窒素が脱窒細菌によって窒素に変換され、脱窒が完遂されて硝酸態窒素がなくなる(本願ではこのような硝酸態窒素のない嫌気性状態を絶対嫌気性と記載する)と、リン蓄積細菌が活性化して廃水中の豊富な有機質を取り込み、有機質を取り込んだリン蓄積細菌は他の細菌より繁殖に優位になる。従って、後の好気性状態で増殖することにより活性汚泥Sのリン蓄積容量が増大する。この増殖により増大する分のリン蓄積容量によって、前述の分離槽30から系外へ廃棄された分の汚泥のリン蓄積容量が補充される。下処理が有効に機能するには、濃縮汚泥に供給される新たな廃水Waの量が、活性汚泥Sに残留する硝酸態窒素の脱窒を実質的に完遂させて絶対嫌気性とするのに充分な(つまり、完遂当量を超える)量の有機質を供給可能な量であることが重要である。汚泥処理後の廃水は有機質量が少なくなっているので、取り扱いによっては汚泥に糸状細菌が増殖する可能性があるが、下処理槽40では汚泥が有機質濃度の高い新たな廃水に接触するので、糸状細菌の増殖は防止される。この下処理槽40は、処理槽10における不慮の糸状細菌の増殖を回避する手段としても作用する。処理槽10の汚泥処理後の廃水の有機質濃度はゼロに近いので、新たな廃水を直接処理槽10に追加すると、混合状況によっては糸状細菌の増殖が促進される可能性が生じ、特に処理前の廃水の有機質濃度が100mg-COD/L程度以下の場合に可能性が高くなるが、下処理槽40を経由した場合には、下処理槽40で活性化された硝化細菌及びフロック形成細菌が廃水と共に投入されるので、処理槽10では糸状細菌が活性化する前に硝化細菌及びフロック形成細菌が先行して有機質を摂取するので、糸状細菌の繁殖抑制に有効となる。従って、廃水の水質変動や分離槽の分離効率などに起因して下処理槽で絶対嫌気性とならずリン蓄積細菌が活性化されない場合にも、下処理槽40は有用な手段である。また、リン除去を必要としない廃水処理に本願発明を適用すれば、糸状細菌の増殖防止を確実にする手段として下処理槽40を活用することができ、この場合、下処理槽40において脱窒を完遂する必要はない。
上述の下処理に先立って濃縮汚泥Sに酸素を供給すると、残留廃水の有機質及び汚泥に蓄積されていた貯蔵有機質が酸化分解して汚泥中の細菌が飢餓状態になるので、新たな廃水Waによって有機質が供給された時に細菌が有機質を取り込む速度が増加し、下処理の有効性が向上する。この酸素供給は、曝気処理によって可能であり、酸素又はこれを含む空気等のガスを供給するための曝気装置45を下処理槽40に設けて空気等を吹き込むことによって効率よく実施できる。尚、曝気装置45に代えて攪拌装置を用いて同様の効果を得ることもできる。この場合、酸素の代わりに硝酸の結合酸素が消費(脱窒)される。
下処理後の新たな廃水Wa及び活性汚泥Sは、配管50を介してポンプ51によって還流されて処理槽10へ供給される。処理槽10の水量は満水レベル(図中、破線Fで示す)に戻り、新たな廃水Waを加えた残留廃水Wに対して、下処理後の活性化したリン蓄積細菌を含む活性汚泥Sによって再び汚泥処理が施される。還流後の空の下処理槽40は、新たな廃水を収容して原廃水用貯水槽として利用しても良い。
上述のようにして、新たな廃水Waを下処理槽40に断続的に供給しながら、上述の汚泥処理、分取操作、分離操作、下処理及び還流操作を繰り返すことによって、廃水中のアンモニア態窒素及びリン酸態リンが除去され、硝酸態窒素濃度が許容可能な低濃度に減少した被処理廃水が活性汚泥処理装置の分離槽30から排出される。廃水中のリンは、活性汚泥のリン蓄積細菌に取り込まれ、分離槽30で収集された活性汚泥Sの一部と共に廃棄処分される。この際、分離槽30から排出される廃水の容積と、下処理槽40で活性汚泥Sに供給される新たな廃水Waの容積とを等しくすることによって、処理槽10において汚泥処理を施す廃水の容積(全量)が一定になる。
一般に、活性汚泥の沈降分離は長時間を要するので、分離槽30における分離操作と並行して処理槽10における廃水の汚泥処理を進めると、処理及び操作の効率化の点で有利であり、活性汚泥処理装置1の3つの槽10,30,40を無駄無く活用できる。このためには、例えば、初期処理として、予め、下処理槽40において新たな廃水と活性汚泥とで下処理を行っておき、汚泥処理後の廃水及び汚泥の一部を分離槽30に分取した後(図1が示す状態)の処理槽10に、下処理後の廃水Wa及び活性汚泥Sを補充することにより、分離操作と汚泥処理とを並行して進行できる状態になり、時間当たりに処理可能な廃水量を多くでき、実質的に処理に要する時間の短縮と同等となる。この場合、分離後の活性汚泥に下処理を施す間に汚泥処理が終了したら、処理槽10からの分取操作を並行して行えばよく、(汚泥処理/分離−廃水廃棄−下処理/廃水分取−還流)を一サイクルとして、処理及び操作が繰り返し行われる。
処理槽10での汚泥処理においては、追加される新たな廃水に含有されるアンモニア態窒素が、汚泥処理後の廃水中に硝酸態窒素として残存するので、処理槽10から分取される被処理廃水の硝酸態窒素濃度は、処理開始時つまり1回目の汚泥処理後においては、廃水のアンモニア態窒素濃度と同程度になるが、上記サイクルに従って処理を繰り返すことによって減少して定常化し、ほぼ一定状態の被処理廃水が分離槽30から廃棄されるようになる。廃水処理が定常化した状態では、処理前の廃水のアンモニア態窒素濃度と汚泥処理後の廃水の硝酸態窒素濃度との濃度比率は、汚泥処理が施される廃水(全量)の容積と下処理で加える新たな廃水の容積との比率(水量比率)に実質的に相当し、処理前の廃水のアンモニア態窒素濃度をA、処理後に装置から排出される廃水の硝酸態窒素濃度をN、処理槽10で汚泥処理を施す廃水の容積をV、下処理槽で追加される新たな廃水の容積をvとすると、排出される廃水の硝酸態窒素濃度Nは、N=A×(v/V)となり、新たな廃水の割合に依存する。廃棄する水に許容される最大硝酸態窒素濃度をNmaxとすると、N≦Nmaxとなるためには、追加される新たな廃水の容積vは、v≦(Nmax/A)×Vによって概算で設定できる。つまり、水量比率v/Vは、濃度比率Nmax/Aに基づいて大まかに設定することができ、水量比率を適切に調節することによって、排出される被処理廃水の硝酸態窒素濃度を好適に目的濃度に近づけることができる。この時の新たな廃水の容積vの最小値は、下処理が有効となるのに必要な量であり、最大値は、廃棄する廃水の硝酸態窒素濃度がNmaxとなる量となり、vが大きいほど処理槽10へ供給される有機質量も多くなり、嫌気性工程が良好に進行する。但し、処理開始時においては、汚泥処理後の廃水は硝酸態窒素濃度が高いので、廃棄する被処理廃水を少なくする必要がある。このためには、前述の濃度比率に応じて設定される値より初期の水量比率v/Vを小さく設定して段階的に増加させる方法や、初期の汚泥処理における廃水量を全量Vより少なく設定(例えば、V−v)して、汚泥処理後の廃水に分取及び分離を行うことなく下処理後の新たな廃水を加える方法などがあり、諸状況を勘案して適宜選択する。
上記繰り返しによる定常化において、活性汚泥S中のリン蓄積細菌は、下処理槽40で活性化されて好気性工程で繁殖し、これによって活性汚泥のリン蓄積能は増加するが、新たな廃水が繰り返し加えられることによって、処理系内のリン量は、細菌の取り込み飽和量に達する。従って、取り込み飽和量に達したら、前述のように分離槽30の活性汚泥Sの一部のみに下処理を施すが、取り込み飽和量に達するまでは、分離槽の活性汚泥は全て下処理に供することができる。取り込み飽和に達したか否かは、汚泥処理後の廃水のリン酸態リン濃度のモニター結果に基づいて判断でき、廃水のリン濃度の上昇によって検知可能である。廃棄する活性汚泥の量は、新たな廃水によって加わるリン量に依存し、下処理によって増加可能なリン取り込み量を考慮して設定する。汚泥処理において使用される活性汚泥の量は、概して、1日に処理する有機質kg当たりの値で0.2〜0.6kgCOD/(kg活性汚泥・日)程度であるが、活性汚泥Sの全量に対して1日当たり3〜7乾燥質量%(又は容積%)程度を廃棄することが好ましい。
上述においては、活性汚泥処理装置1に供給される廃水の水質は一定で、硝酸態窒素を含まないことを前提とするが、廃水のアンモニア態窒素濃度が変動する場合、この変動に対応するには、廃水のアンモニア態窒素濃度を常時モニターしながら濃度比率の変動に応じて水量比率及び嫌気/好気の時間配分を適切に調節することによって、排出される被処理廃水の硝酸態窒素濃度を好適に制御できる。
分離槽30における廃水と汚泥との分離が完全であれば、下処理槽40から処理槽10へ還流される廃水の量は、上述の新たな廃水の量vに等しいが、実際には、汚泥の収集・分離状況を正確に把握するのは難しいため、分離された汚泥に廃水が残留し、残留廃水量v’が加わった(v+v’)となる。下処理を有効に行うために必要な新たな廃水の量vは、残留する廃水の硝酸態窒素量に依存するので、残留廃水量v’が多いほど新たな廃水の量vは多く必要となり、処理槽10から分取、還流される廃水量(v+v’)は二重に増加する。従って、汚泥処理後の廃水の硝酸態窒素濃度を低下させるには、残留廃水量v’の低下が根本的に必要である。従って、活性汚泥処理装置1の槽の収容容積のバランスは、上記のように分離槽30における分離効率を考慮して決定される。例えば、廃水のアンモニア態窒素濃度Aが許容硝酸態窒素濃度Nmaxの10倍で、分離槽30での分離においてv=v’となる場合、水量比率は1/10、分離槽30及び下処理槽40の容量は(v+v’)=2vで、処理槽の容量の1/5となる。
上述の分離槽30及び下処理槽40に必要とされる容量は同じと見なせる(但し、実際には、廃水の水質変動による追加廃水量の変更分が容量に考慮される)ので、これらを区別せずに2つの槽(第1及び第2槽)を交互に使用するように上記実施形態を変更することができる。具体的には、処理槽10から排出された廃水を第1槽に収容し、汚泥を沈降させて廃水を除去した後の第1槽中の汚泥に新たな廃水を加えて下処理を行う。処理槽10から次に分取される被処理廃水は、第2槽に収容して同様に沈降分離及び廃水の排出を行い、第2槽内で下処理を行う。第1槽で下処理を施した廃水は、第2槽への分取後に処理槽へ還流すればよい。この実施形態では、分離槽30から下処理槽40へ汚泥を搬送する手段41,42は不用であり、その代わりに、排出先を第1槽と第2槽との間で切り換え可能なように配管を構成し、処理槽10から廃水を排出する排出先を変更する手段として切り替え弁等を設ける。下処理槽で使用する攪拌装置44は、第1及び第2槽の両方に設けられる。下処理前の汚泥に曝気処理を施す場合は、第1及び第2槽の両方に曝気手段45を設けて作動を切り替え制御する。
処理槽10での汚泥処理(嫌気性処理+好気性処理)に要する時間に比べて分離槽30での分離操作に要する時間が極めて長い場合、効率よく汚泥処理装置1を利用するために、例えば、a)処理槽10での汚泥処理を繰り返す、b)汚泥の分離操作を2段階に分けて初期段階の分離を処理槽10において行う、等の応用が可能である。
上記a)では、好気性処理後の廃水は有機質が不足するので、汚泥処理を繰り返す前に、廃水の追加によって有機質を補充して嫌気性処理における脱窒が進行可能とする必要がある。従って、処理槽10での汚泥処理を繰り返す場合には、1回目の汚泥処理における廃水量は、汚泥処理を繰り返す際に追加する廃水量を考慮して設定する。
上記b)では、処理槽10において汚泥処理を終えた廃水に沈降分離等による分離操作を行うことによって処理槽10の下部に活性汚泥Sが収集され、ある程度濃縮される。分離槽30(又は第1及び第2槽の一方)が空いた時点で、処理槽10内の半濃縮された汚泥を分離槽30に排出する。この場合、排出物中の汚泥の廃水に対する比率が大きくなるので、分離操作を経て下処理を施す汚泥の量を増加することができ、リン蓄積能の増強の点で有利である。この時の濃縮汚泥の排出・分取量は、理想的には、濃縮汚泥に含まれる廃水量が前述の新たな廃水の量vになるように調節されるが、実際は、分離槽30での分離が不完全で残留廃水v’を含む(v+v’)として分離効率を考慮して調節され、これが新たな廃水量vに近づくように分離槽30での操作を最適化する。このような調節は、例えば、分離槽30に汚泥界面計を装備し、分離槽30での分離状況を分取操作における排出量に反映させる形で実現できる。具体的には、分離槽30に排出された濃縮汚泥を分離した際に汚泥界面計で界面位置を検出することによって、分離槽30から排出可能な上澄みの被処理廃水量、及び、分取された濃縮汚泥に対する上澄み被処理廃水の割合が決定される。上澄み被処理廃水量と新たな廃水量vとの差を求めて、この差分に相当する割合だけ、処理槽10から排出する濃縮汚泥を減少させることによって、分離操作時の残留廃水量v’を分離効率に対応して減少でき、より多くの汚泥及びリン蓄積細菌に対して下処理を施して高い効率で活性化できる。
上述のように、処理槽10で処理された廃水の一部のみを分取して活性汚泥の分離及び下処理による活性化を行うことにより、活性汚泥の分離を施す容積が小さいため、分離効率を高め易い。又、下処理の曝気に要するエネルギーが節約でき、廃水の有機質を高濃度の状態で利用できるので、細菌の活性化の効率も高い。又、廃水の汚泥処理と汚泥分離とを並行して行えるので、処理効率が高く、単一槽で全てを行う従来の回分式装置よりも小型の装置で対応可能になる。
以下、実施例を参照して、本発明に係る廃水の活性汚泥処理方法及び装置について具体的に説明する。
曝気装置11及び攪拌装置12を備えた容量5Lの処理槽10、廃水を沈降分離するための容量830mlの分離槽30、及び、曝気装置45及び攪拌装置44を備える容量830mlの下処理槽40を有する図1の活性汚泥処理装置1を用いて、アンモニア濃度650mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度0mg-N/L、リン酸濃度25mg-P/Lの原廃水の処理を以下のようにして行った。
先ず、初期処理として、活性汚泥を処理槽に投入して原廃水(5L)を満たし、窒素ガスを用いて外気を遮断して嫌気性状態とし、52分間攪拌装置12を作動させて嫌気性処理を施し、脱窒細菌による脱窒を進行させた。この後、曝気装置11を作動させて好気性条件とし、197分間好気性処理を施すことによって下硝化細菌による硝化を進行させて汚泥処理を終了した。この処理槽10における汚泥処理と並行して、下処理槽40に活性汚泥を投入して曝気装置45で59分間空気を吹き込んだ後、窒素ガスを用いて外気から遮断して嫌気性状態とし、原廃水(830ml)を満たして攪拌装置44で21分間攪拌して脱窒を進行させて絶対嫌気性にした。処理槽10内の活性汚泥を含んだ廃水のうちの830mlを排水ポンプ21で分離槽30へ排出した後、下処理槽40の活性汚泥を含んだ廃水を排水ポンプ51で処理槽10へ供給した。
次に、定常化のために、前述と同じ嫌気性処理及び好気性処理からなる汚泥処理(52分+197分)を施した。この汚泥処理の間に、分離槽30の廃水を静置することにより沈降分離して汚泥を底部に濃縮した後、上澄み廃水415mlを排水ポンプ31を用いて分離槽30から廃棄し、底部に残留する濃縮汚泥(廃水415mlを含む)は下処理槽40へ移送した。下処理槽40の濃縮汚泥に曝気装置45で59分間空気を吹き込んだ後、窒素ガスを用いて外気から遮断して嫌気性状態とし、これに原廃水415mlを供給して21分間攪拌装置44で攪拌して脱窒を進行させ、絶対嫌気性にした。この後、汚泥処理後の廃水の分取(830ml)及び下処理後の廃水の処理槽10への還流(830ml)を前述と同様に行った。この定常化の操作を繰り返して合計70回行った。
上記繰り返しにおいて、処理槽10における汚泥処理後の廃水の硝酸・亜硝酸濃度は段階的に減少し、60回目の汚泥処理後には、アンモニア濃度6mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度73mg-N/Lとなった。又、リン酸濃度については、急激に減少して60回目以降はほぼ5mg-P/L程度の値であったが、70回目に若干増加して8mg-P/Lとなった。このため、これ以後の分離操作においては、上澄み廃水の廃棄と共に残留汚泥の約4%/日も廃棄することとした。下処理後の廃水は、概して、アンモニア濃度325mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度0mg-N/L、リン酸濃度40mg-P/Lとなった。
上記繰り返しの後、更に、上記と同様の条件で、処理槽10での汚泥処理及び分離槽30での沈降分離を行った。処理槽10内の廃水は、汚泥処理開始前のアンモニア濃度70mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度58mg-N/L、リン酸濃度15mg-P/Lから、嫌気性処理後にはアンモニア濃度70mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度0mg-N/L、リン酸濃度20mg-P/Lとなり、好気性処理後にはアンモニア濃度6mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度73mg-N/L、リン酸濃度5mg-P/Lとなった。一方、分離槽30の廃水は、沈降分離され、廃水の上澄み415ml(アンモニア濃度6mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度73mg-N/L、リン酸濃度5mg-N/P)を廃棄し、同時に残留活性汚泥の約1%も廃棄した。残りを下処理槽40へ移送して上記と同様に曝気処理を行った後に原廃水(アンモニア濃度650mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度0mg-N/L、リン酸濃度25mg-P/L)415mlを加えた。この時、下処理槽40の廃水は、アンモニア濃度325mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度37mg-N/L、リン酸濃度15mg-P/Lとなった。この廃水は、下処理後には、アンモニア濃度325mg-N/L、硝酸・亜硝酸濃度0mg-N/L、リン酸濃度40mg-P/Lとなった。
本発明に係る廃水の活性汚泥処理装置を示す概略構成図である。
符号の説明
10 処理槽、 30 分離槽、 40 下処理槽
12,44 攪拌装置、 11,45 曝気装置
W,W1,W’ 廃水、 S,S1,S2 活性汚泥

Claims (17)

  1. 単一の処理槽内で廃水に活性汚泥を用いて硝酸態窒素の脱窒及びアンモニア態窒素の硝化を行う汚泥処理;
    前記汚泥処理後の活性汚泥を含んだ被処理廃水の一部を前記処理槽から取り出す分取操作;
    取り出された前記一部の被処理廃水に含まれる活性汚泥を収集し分離する分離操作;
    分離した前記活性汚泥の一部に新たな廃水を供給して嫌気性条件下におく下処理;及び、
    前記下処理後の活性汚泥を含んだ新たな廃水を前記処理槽内の被処理廃水残部に加える還流操作を有し、
    前記汚泥処理、前記分取操作、前記分離操作、前記下処理及び前記還流操作を繰り返し行うことを特徴とする廃水の活性汚泥処理方法。
  2. 前記下処理において供給される前記新たな廃水の量は、当該新たな廃水によって供給される有機質の量が前記一部の活性汚泥の残留硝酸態窒素の脱窒を実質的に完遂させるのに充分であるように設定され、これにより前記汚泥処理において前記硝化と共にリン酸態リンの活性汚泥への取り込みが行われる請求項1記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  3. 前記汚泥処理が行われる廃水と、前記下処理における新たな廃水との水量比率は、廃水中のアンモニア態窒素濃度と、前記汚泥処理後の被処理廃水の硝酸態窒素濃度との濃度比率に相当し、当該水量比率は、前記被処理廃水の硝酸態窒素濃度が外部廃棄を許容される値になるように当該濃度比率に基づいて設定する請求項1又は2に記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  4. 前記分取操作の後に前記還流操作を行い、当該還流操作の後に前記汚泥処理を前記分離操作と並行して行うようにして、前記汚泥処理、前記分取操作、前記分離操作、前記下処理及び前記還流操作を繰り返す請求項1〜3の何れかに記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  5. 前記下処理と並行して前記分取操作を行う請求項4記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  6. 前記還流操作によって前記処理槽に加えられる廃水の量が、前記分取操作において取り出される前記一部の被処理廃水の量に相当するように、前記下処理において供給される新たな廃水の量が調節される請求項1〜5の何れかに記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  7. 前記下処理は、更に、前記新たな廃水を供給する前の前記一部の活性汚泥を曝気する曝気処理を有する請求項1〜6の何れかに記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  8. 前記汚泥処理は、前記廃水を嫌気性条件に調整する嫌気性工程と、前記嫌気工程後の廃水を好気性条件に調整する好気性工程とを有し、前記嫌気性工程において前記脱窒が進行し、前記好気性工程において前記硝化及びリン酸態リンの取り込みが進行する請求項1〜7の何れかに記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  9. 前記分離操作に要する時間に応じて、前記汚泥処理において前記嫌気性工程及び前記好気性工程を繰り返し行う請求項8記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  10. 更に、前記汚泥処理、前記分取操作、前記分離操作、前記下処理及び前記還流操作の繰り返しを効率化するための初期処理を有し、当該初期処理は、嫌気性条件下で未処理の廃水を活性汚泥に添加する第1操作と、第1操作を経た廃水及び活性汚泥を前記分取操作後の処理槽に補充する第2操作とを有する請求項4又は5に記載の廃水の活性汚泥処理方法。
  11. 廃水及び活性汚泥を収容するための処理槽;
    前記処理槽に収容される前記廃水に、前記活性汚泥を用いて硝酸態窒素の脱窒及びアンモニア態窒素の硝化を行う汚泥処理を施すための、前記処理槽に設けられる処理機構;
    前記処理機構によって汚泥処理を施した活性汚泥を含んだ被処理廃水の一部を前記処理槽から排出する排水手段;
    前記処理槽から排出した前記一部の被処理廃水に含まれる活性汚泥を当該被処理廃水から収集し分離する分離手段;
    分離した前記活性汚泥の一部に新たな廃水を供給して嫌気性条件下におくための下処理手段;及び、
    前記下処理手段によって前記新たな廃水が供給され嫌気性条件下におかれた前記活性汚泥を前記処理槽へ供給するための還流手段を有することを特徴とする廃水の活性汚泥処理装置。
  12. 前記分離手段は、前記処理槽から排出される前記一部の被処理廃水を収容するための分離槽を有し、前記下処理手段は、前記新たな廃水が供給された前記活性汚泥を収容可能な下処理槽を有し、前記分離槽は、前記下処理槽と実質的に同等な収容量を有する請求項11に記載の廃水の活性汚泥処理装置。
  13. 前記廃水の活性汚泥処理装置は、前記分離手段及び前記下処理手段として各々兼用される2つの槽を有し、前記排水手段は、前記処理槽からの排出毎に前記2つの槽に交互に前記一部の被処理廃水を供給し、前記2つの槽の各々が、前記一部の被処理廃水、及び、前記新たな廃水が供給された前記活性汚泥を継続して収容するように構成される請求項11記載の廃水の活性汚泥処理装置。
  14. 前記下処理手段において供給される前記新たな廃水の量は、前記一部の活性汚泥の残留硝酸体窒素の脱窒を実質的に完遂させるのに充分な有機質を供給可能な量であり、前記処理機構が施す前記汚泥処理は、前記硝化と共にリン酸態リンの前記活性汚泥への取り込みを行う請求項11〜13の何れかに記載の廃水の活性汚泥処理装置。
  15. 更に、前記分離手段によって分離した活性汚泥を曝気するための、作動切り換え可能な曝気手段を有する請求項11〜14の何れかに記載の廃水の活性汚泥処理装置。
  16. 前記曝気手段は、前記下処理槽又は前記2つの槽に設けられ、前記下処理槽又は前記2つの槽は、新たな廃水を取り入れるための取水手段を有する請求項15記載の廃水の活性汚泥処理装置。
  17. 前記処理機構は、前記処理槽内の廃水及び活性汚泥を好気性条件に調整するための作動切り換え可能な酸素供給手段と、前記廃水及び活性汚泥を混合するための攪拌手段とを有する請求項11〜16の何れかに記載の廃水の活性汚泥処理装置。
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