JP2008023088A - 遊技機 - Google Patents

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Takaaki Ichihara
高明 市原
Koji Kawaguchi
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Abstract

【課題】ステージ前方の開口部を通過する遊技媒体の出入りによるステージ上の遊技媒体の挙動の乱れと、不測の要因による入賞率の変動とを抑制することが可能な遊技機の提供。
【解決手段】センター役物ユニット91の中央下部に形成されたステージ20に配設され、ステージ20に流入した遊技媒体を上面で転動させ、特定出口24または普通出口25から流出させる複合転動振分装置と、透光性を有する素材でできており、立面視略長円形を呈し、センター役物ユニット91の遊技者側の開口部124の下端部に立設され、開口部124を通過して遊技領域37とステージ20との間で遊技媒体が出入りすることを防止する仕切板40とを具備する。
【選択図】図11

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の中央部に液晶ディスプレー等の演出表示装置と、遊技媒体が転動可能なステージを備え、演出表示装置の周囲を額縁状に囲む表示装置枠とを具備するものが知られている。ステージは、ステージ上に流入した遊技媒体を、遊技領域の中央下部に配設された入賞口等の上方へと誘導する形状に形成されており、遊技媒体は、遊技領域からステージへとワープホールと呼ばれる案内路を介して流入可能になっている。ステージの例としては、左右両端部が高く、中央部が低いUの字形の斜路状で、中央部に排出口が形成されていて、遊技媒体を勾配に従って転動させ、排出口またはその周辺から遊技領域へと流出させるものが挙げられる。
また、ステージの形状に工夫を加えてステージ出口を複数設けたり、ステージ上に振分装置を配設したりして、複数の流出ルートへと遊技媒体を振り分けるものがある。ステージから遊技媒体が流出する箇所が複数設けられることにより、表示装置枠の下方に位置する入賞口等への入球の確率が相互に異なる複数の流出路が併設されている。例えば、特許文献1には、ステージ出口が形成されたステージの中央部が山状に凸になっているとともに、ステージ出口から左右に離れた部分に遊技領域へと流出しやすい凹部が形成されていて、中央のステージ出口に入球しにくくしたものが開示されている。これにより、ステージが一種の振分装置として機能するようになっている。
特開2006−142058号公報
しかし、従来のステージは、ステージの前方が広く開放されていて、遊技領域を流下する遊技媒体が、釘等で弾発され、表示装置枠の前面の開口部からステージへと進入することがあった。そのため、ステージ上で転動しステージ出口へと向かう遊技媒体に対して、交錯する軌道でステージの前方から進入した他の遊技媒体が接触し、転動方向や転動速度を変化させてしまい、遊技媒体の軌道を乱して遊技の趣向を著しく損ねる虞があった。また、ステージに前記のような振分機能が備えられていた場合には、遊技媒体の軌道の乱れは振分結果を左右し、遊技者に不快感を与える虞があった。さらに、ステージ入口からだけではなく、表示装置枠の開口部からも遊技媒体が進入すると、メーカーや遊技店が本来意図した水準よりも高い確率でステージ上に遊技媒体が入るため、結果として入賞の確率が高くなり、遊技店に対して収益の悪化をもたらす虞があった。開口部から遊技媒体がステージに進入する割合は、遊技機の設置状態による遊技盤の傾斜や、遊技盤に配設された釘の状態、及び遊技者の遊技方法等の関係によって決定されていたため、ばらつきが大きく、緻密に制御することは難しかった。また、遊技媒体同士の不測の接触を警戒した遊技者が、遊技媒体の送出を一時的に停止し、ステージに入った遊技媒体の流出を見届けるという間欠的な遊技を行うことがあり、遊技機の稼働率が低下するという問題も生じていた。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、ステージ上に流入した遊技媒体を規則的な旋回軌道においてステージ上で転動させた後に遊技領域へと流出させるとともに、ステージ上において転動する遊技媒体の軌道の乱れを防止することによって、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:「遊技領域内に設けられた演出表示装置の周囲を額縁状に囲む表示装置枠を備えた遊技機において、
前記表示装置枠の上部または側面部に配設され、遊技領域を流下する遊技媒体を前記表示装置枠内へと取込む球取込口と、
表示装置枠の下部に対応し、遊技媒体を規則的に旋回させる旋回面を有するステージと、
該ステージの前方に立設され、前記表示装置枠の遊技者側からの遊技媒体の進入を防止する仕切部材と
を具備し、
前記旋回面は、
前記表示装置枠内に取込まれた遊技媒体が供給されるとともに、平面視において略円環形または略長円環形であって、内縁部よりも外縁部が高くなるように上面に勾配が形成されている外側転動領域と、
平面視において略円形または略長円形であって、上面が凹面状を呈し、前記外側転動領域の内縁部に隙間無く接し、前記外側転動領域を転動した遊技媒体が前記内縁部の全域より進入可能に形成された内側転動領域とを具備して構成され、
前記内側転動領域には、遊技媒体を前記表示装置枠の下方の遊技領域へと排出する排出口を設けた」ことを特徴とする遊技機。
ここで、「仕切部材」は、板状のものに限定されず、例えば格子状や網状でもよい。また、複数の部品によって構成されたものであってもよく、例えば柱列状のような形状であってもよい。
また、「凹面状」とは、椀のように、周縁部が中央部よりも高くなっており、縦断面において断面の形状が斜め下向きに凸な曲線を描く形状の上面を有することを示す。凹面を形成する曲面としては、球面、円環面、円錐面、その他があるが、本構成において曲面の種類は何れであってもよい。また、「円環状」とは、略円形の形状の中央部を、略同心の略円形または略長円形に切り抜いた、いわゆるドーナツ形を示す。同様に「長円環状」とは、略長円形の形状の中央部を、略同心の略長円形または略円形に切り抜いた形状を示す。
また、「規則的に旋回させる」とは、同じ旋回方向において旋回させることを示す。
手段1の構成によれば、仕切部材がステージの前方に立設され、表示装置枠の前面の開口部に略垂直面を形成する。これにより、表示装置枠の下部近傍の遊技領域において釘等で弾発された遊技媒体が、開口部からステージに進入することを防止できる。従って、ステージの転動面上で転動する遊技媒体に対し、開口部から進入した他の遊技媒体が交錯して接触することがなくなり、転動面上において遊技媒体を常に所定の軌道で転動させることが可能となる。
また、遊技媒体がステージに入る場合に開口部を経由することが無くなるため、必ず球取込口から入るようになる。これにより、遊技媒体がステージに流入する確率は、球取込口に遊技媒体が流入する確率と等しくなる。
また、仕切部材があるので、ステージに流入した遊技媒体は開口部から流出することが防止され、全て所定の排出口から流出する。仮にステージにおいて遊技媒体同士が接触してステージ前方へと弾発されたとしても、仕切部材が遊技媒体の逸脱を防止するので遊技媒体はステージ上に留まり、所定の排出口から流出する。開口部からの遊技媒体の進入の防止に加えて、ステージ上の遊技媒体の開口部からの逸脱も防止されるため、遊技媒体が不測の経路でステージと遊技領域との間を出入りする事態が抑制される。
これらの効果により、ステージにおいて遊技媒体の転動過程が大きく変動することによって遊技者が不快に感じる事態を抑制し、遊技者に安心して遊技を行わせることが可能となる。また、遊技媒体がステージ前方の開口部からステージに進入することを心配した遊技者が、遊技媒体の送出を中断して遊技機の稼働率を低下させる事態を防止することができる。さらに、遊技機メーカーや遊技店にとっては、ステージにおける遊技媒体の転動過程と、ステージに遊技媒体が流入する確率とが安定した遊技機を提供することが可能となる。
また、本構成によれば、旋回面が、奥行に比して横幅が広く形成された領域である表示装置枠の下部に設けられたステージ上に備えられるため、旋回面は、左右方向に長い長円形の外形をとることが可能である。例えば、演出表示装置の左右何れかの側方に旋回面が設けられる場合には、レイアウトの制約のために横幅が十分広くとれず、旋回面を長円形に形成することが困難である。また、長軸を奥行方向に向けると、遊技機の奥行方向の寸法の制約により、やはり十分な空間を用意できないため、長円形にすることが困難である。これに対し、本構成によると、左右方向に広がりがあるステージに配設されるため、平面視において長軸と短軸の比が大きな長円形を呈する旋回面を設けることが可能である。
これにより、周期の長いリズムで遊技媒体を転動させる旋回面を形成することが可能となる。また、旋回面をより大きくすることが可能であるため、遊技者にとって見ごたえのある大形の役物とすることができる。また、平面的に広がった旋回面上を遊技媒体が旋回運動するため、遊技媒体の軌道が交錯せず、遊技媒体同士を接触しにくくすることができる。
手段2:「遊技球が打ち込まれる遊技領域を前面に有する遊技盤と、
操作ハンドルの操作に応じて前記遊技領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技領域内に配置され前記遊技球の転動方向を変化させる障害部材と、
遊技領域内に設けられた演出表示装置の周囲を額縁状に囲む表示装置枠と
を備えた遊技機において、
前記表示装置枠の上部または側面部に配設され、遊技領域を流下する遊技球を前記表示装置枠内へと取込む球取込口と、
表示装置枠の下部に対応し、遊技球を規則的に旋回させる旋回面を有するステージと、
該ステージの前方に立設され、前記表示装置枠の遊技者側からの遊技球の進入を防止する仕切部材と
を具備し、
前記旋回面は、
前記表示装置枠内に取込まれた遊技球が供給されるとともに、平面視において略円環形または略長円環形であって、内縁部よりも外縁部が高くなるように上面に勾配が形成されている外側転動領域と、
平面視において略円形または略長円形であって、上面が凹面状を呈し、前記外側転動領域の内縁部に隙間無く接し、前記外側転動領域を転動した遊技球が前記内縁部の全域より進入可能に形成された内側転動領域とを具備して構成され、
前記内側転動領域には、遊技球を前記表示装置枠の下方の遊技領域へと排出する排出口を設けた」ことを特徴とする遊技機。
手段2の構成によれば、操作ハンドルの操作に対応して発射装置から遊技球が発射されると、遊技球は、多数の障害部材、始動口、及び入賞装置等が組み込まれた遊技領域に導かれる。そして、ステージ入口に入球した遊技球は、案内通路を流下しステージに達する。遊技球はステージに設けられた旋回面上を転動し、排出口に入球する。遊技球が旋回面を転動している間に、ステージ近傍の遊技領域を流下している他の遊技球が、配設されている釘等に弾発されて表示装置枠の前面の開口部へと向かって弾んだ場合には、仕切部材に衝突して遊技領域へと戻されて、遊技領域からステージに遊技球が進入することが防止される。また、旋回面上を転動する遊技球がステージ前方へと旋回面から逸脱した場合には、やはり仕切部材に当接して、表示装置枠の前面の開口部から流出することが防止され、旋回面へと戻されて転動を続ける。
このように、本構成によれば、遊技領域に発射された遊技球がステージ入口に流入し、案内通路を経てステージの旋回面へと到達した場合、遊技球は旋回面上を転動して排出口へ向かい、排出口に入球し、ステージ下方の遊技領域へと流出する。ステージ前方には仕切部材が立設されていて、表示装置枠の前面の開口部を通って遊技球がステージへと進入することを防いでいる。同時に、遊技球がステージ前方へ向かって転動して旋回面から逸脱した場合にも、遊技球をステージから逸脱させることがないようになっている。
本構成によれば、旋回面は、平面形、勾配、曲率等が相互に異なる外側転動領域及び内側転動領域の2つの部分により構成されている。そのため、各部によって軌道や速度など、遊技球の転動の様子を変化させて、遊技球が何れかの出口に入球するまでの過程に変化をもたらすことができ、遊技者に退屈感を感じさせることを防ぐことが期待できる。また、外側転動領域の内縁部に内側転動領域を隙間無く取設した平面的な構成であるので、従来のパチンコ機等の遊技機にみられる複数の凹面状転動装置を垂直方向に多段構成に配置したものと比較して、遊技球が転動する振分過程がより見やすくなっている。
手段3:手段1または手段2の構成において、「前記仕切部材の一部または全体が透光性を有する素材で形成されている」ことを特徴とする遊技機。
手段3の構成によれば、ステージの前方に立設された仕切部材が透光性を有する素材で形成されているため、遊技者とステージとの間に仕切部材が立設されていても、ステージにおける遊技媒体の転動の様子やステージの造作が視認しやすい。また、仕切部材の一部分が透光性を有する素材で形成された部材であり、残る部分が不透明な素材によって形成され、視覚的に遮蔽される場合には、透光性を有する箇所に遊技者の注意を集めやすい。ステージには複雑な形状の部材からなる役物が配設される場合もあるが、それらの装置が取設される箇所の周辺の部材の形状、納まり、仕切部材の形状、仕切部材の取設方式等によって仕切部材全体を透光性を有する素材で形成することが不適切な場合にも、重要な部分のみを透光性を有する素材で形成することでステージの視認性を損なうことなく仕切部材を設置することができる。これにより、ステージ及び仕切部材の意匠に関する自由度が高まる効果が期待できる。
また、ステージより前方に仕切部材が配設されるが、仕切部材が透光性を有するため、仕切部材が奥方を遮って視認性を損なうことがない。例えば、液晶ディスプレー等の演出表示装置がステージよりも奥方に設置される場合に、ステージや演出表示装置が遊技者から見えにくくなることがない。
手段4:手段1〜3の何れか一つの構成において、「前記排出口が、前記ステージの中央部に設けられている」ことを特徴とする。
手段4の構成によれば、排出口がステージの中央部であり、且つ、旋回面の底部である箇所に設けられているため、遊技媒体に排出口の周囲を旋回させることが可能となる。仮にステージ出口が遊技者側に寄ったステージの前端部または後端部に位置していると、旋回面は排出口へと向かって低くなっていく勾配を持つ面であるため、遊技媒体を排出口へ向う途上で旋回させることは困難であり、曲線的な軌道を描いて排出口に向けて転動させる程度にとどまるが、排出口が中央部に穿設されていることで排出口の周囲に遊技媒体が転動可能な余地が形成可能となり、遊技媒体を中央部に設けられた排出口へ向けて旋回させつつ接近させ、排出口へと流入させることができる。
手段5:手段1〜手段4の何れか一つの構成において、「前記旋回面が、前記内側転動領域の中央部に普通出口及び特定出口が穿設された複合転動振分装置であり、前記排出口が、前記普通出口及び前記特定出口である」ことを特徴とする。
ここで、「普通出口」とは、遊技媒体が入球しても遊技者にとって特に有利な状態を生じさせない性質を与えられた出口である。例えば、「当たり」「はずれ」で言えば、「はずれ」に該当し、入賞口への入球の可能性が低いルートへと遊技球を流出させる。一方、「特定出口」は、遊技媒体が入球すると遊技者にとって有利な遊技状態を生じさせる性質を与えられた出口である。例えば、「当たり」に相当し、有利遊技状態を発生させたり、入賞口への入球の可能性が高いルートへと遊技球を流出させたりする。
手段5の構成によれば、ステージに複合転動振分装置が設けられており、球取込口に流入した遊技媒体を、複合転動振分装置の外側転動領域の外縁部から流入させることで、遊技媒体を旋回させながら外側転動領域から内側転動領域へと段階的に中央部に接近させ、中央部に形成された普通出口と特定出口との何れかに入球させて振分けを行うことができる。
さらに、本構成によれば、複合転動振分装置がステージに設けられているため、ステージ以外の場所に設けられた場合と比較すると転動面が比較的大きくなるので、規則的な旋回軌道によって遊技媒体を旋回させた場合にも転動の状態に細かなばらつきが生じやすく、振分結果が一様になりにくいという効果がある。つまり、常に同じ出口にばかり入球が偏る事態が生じにくく、且つ、台の設置状態が変化しても入球傾向の極端な変化が生じにくい。従って、遊技者が、振分結果が予め決まってしまっていると感じて遊技機や遊技店に対して不満を覚える虞を抑制できる。遊技店にとっては、遊技球が特定出口に入球する確率を安定させやすく、ひいては入賞率を安定させやすいため、収益を安定化することが可能となる。
さらに、本構成によれば、ステージの遊技者側の開口部に仕切部材が立設されているので、遊技媒体が遊技領域からステージへと進入することがない。従って、複合転動振分装置上を遊技媒体が転動している最中に他の遊技媒体が開口部から進入して遊技媒体同士が接触し、遊技媒体の軌道が変わり振分結果に影響することで遊技者に不快感を与える虞が抑制される。
また、本構成によれば、複合転動振分装置が、奥行に比して横幅が広く形成された領域である表示装置枠のステージに配設されるため、複合転動振分装置は、左右方向に長い長円形の外形をとることが可能である。例えば、表示装置枠の左右何れかの側方に複合転動振分装置が配設される場合には、レイアウトの制約のために横幅が十分広くとれず、複合転動振分装置を横長の長円形に形成することが困難である。また、長軸を奥行方向に向けると、遊技機の奥行方向の寸法の制約により、やはり十分な空間を用意できないため、長円形にすることが困難である。これに対し、本構成によると、左右方向に広がりがあるステージに配設されるため、平面視において長軸と短軸の比が大きな長円形を呈する複合転動振分装置を設置することが可能である。
これにより、周期の長いリズムで遊技媒体を転動させる旋回面を形成することが可能となる。また、旋回面をより大きくすることが可能であるため、遊技者にとって見ごたえのある大形の役物とすることができる。また、平面的に広がった旋回面上を遊技媒体が旋回運動するため、遊技媒体の軌道が交錯せず、遊技媒体同士を接触しにくくすることができる。
特に、ステージは、流入した遊技媒体が、直下の盤面中央下部に配設された入賞口へ向けて流下する流路として利用されるので、複合転動振分装置をステージに配設し、入賞口等の直上においてルート振分けを行うと、ステージにおける振分けが入賞の可能性に強い関連性をもつため、遊技者の関心をさらに高め、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
手段6:手段1〜手段5の何れか一つの構成において、「前記外側転動領域の内縁部が前記内側転動領域の外縁部よりも高くなるように、前記外側転動領域と前記内側転動領域との境界に段差部が形成されている」ことを特徴とする。
旋回面は外側転動領域と内側転動領域の2つの部分から構成されており、境界に段差部が形成されているため、従来の凹面状転動装置と比較すると、段差部を通過して内側転動領域に流入した遊技媒体が、段差部を越えて外側に向かって転動することを防止できるという特徴をもっている。従って、一旦内側転動領域に流入した遊技媒体は、外側転動領域に出ることはなく速やかに中央部付近で転動して排出口に没入する。
また、本構成のステージによると、遊技媒体の旋回面が大きく2つの部分に分かれており、外側転動領域においては比較的大きな円状または長円状の旋回軌道を描き、内側転動領域においては段差部によって遊技媒体の転動が制約されるため、素早く小さな旋回軌道を描いて排出口に入球するというように、遊技媒体の運動が段階的に分節されるので、遊技者に退屈感を与えることを防ぐ効果が期待できる。
手段7:手段1〜手段6の何れか一つの構成において、「前記表示装置枠の前面中央に開口部が形成されており、前記仕切部材によって前記開口部の下部が部分的に遮蔽され、前記開口部の上部は開放されている」ことを特徴とする。
手段7の構成によれば、ステージの遊技者側に仕切部材が立設されているものの、仕切部材の上方の表示装置枠の開口部は全面的には閉塞されておらず、一部が開放されている。これにより、遊技者の側に仕切部材が設置されていても、ステージとその他の遊技領域とが仕切部材によって区画されている印象が薄らぎ、各部が関連をもって組み合わせられた高度な遊技機であると感じさせることができる。つまり、各部が区画されて整然と分れてしまっていると、振分装置や表示装置枠などの部分が各々に別々の遊技を行う装置であって、遊技機は単にバラバラな要素の集合体でしかないという散漫な印象を与えて遊技者の意欲を低下させる虞があるが、各部に視覚的な連続性をもたせて一体感を演出することで、そうした印象を低減させることができる。また、仕切部材の上方が開放されているため、センター部内側の清掃や調整・修理が必要な場合にも手を入れやすいのでメンテナンス性に優れている。
手段8:手段1〜手段7の何れか一つの構成において、「前記仕切部材が正面視略長円形を呈する」ことを特徴とする。
手段8の構成によれば、立設された仕切部材が正面視において輪郭が略長円形を呈する。ステージ上の旋回面は遊技媒体を転動させるために傾斜や湾曲がつけられた形状になっているので、仕切部材の下端部が直線的な形状であると、仕切部材とステージとが接合される部分がなめらかにつながりにくくなる虞がある。また、旋回面以外にも、ステージや表示装置枠の各種部材と接合される部分においては曲面が多用される。本構成によれば、仕切部材の下端部が略楕円弧形であるため、仕切部材の下端部とステージを構成する部材の上面その他の部材等とをなめらかな形状で接合することができる。仮に仕切部材の下端部が直線的な形状であったり、複雑な自由曲線の輪郭をもつ形状であったりしたならば、ステージ上部の傾斜や湾曲と合致しないため、ステージの一部が遮蔽される虞がある。また、仕切部材が透光性を有する素材で形成されていた場合には、仕切部材の透明部分とステージの不透明な部材とが重なり、不自然な接合部の形状を呈して意匠性を損なう虞がある。しかし、本構成によれば、仕切部材とステージとの境界、及び接合部をなめらかな形状にすることができる。さらに、仕切部材の上部にも突出した角部がないので、表示装置枠内のメンテナンスを行う場合に作業者が仕切部材に手などを擦って怪我をしたり、仕切部材を破損させてしまう虞が小さい。さらに、略長円形の正面形状を呈する仕切部材を傾斜させて設置してもよく、ステージの形状や周囲の意匠に合わせやすい。
手段9:手段3の構成において、「前記仕切部材が、複数の領域から構成されており、各領域間において相互に透光性が異なる」ことを特徴とする。
手段9の構成によれば、仕切部材の透光性が各部で異なるため、ステージの様子を、仕切部材を透過した状態で見せることで様々に演出することができる。例えば、一部をレンズ状にしたり、成形素材の色を変化させたりすることが可能であり、遊技者にステージの一部が着色された状態で見えたり、拡大・縮小されて見えるようにできる。また、プリズム状に形成した仕切部材とLED等とを組み合わせて発光させてステージ周辺を演出することも可能である。
手段10:手段3の構成において、「前記表示装置枠の開口部の下方であり、且つ、前記仕切部材の下端部近傍の箇所に穿設され、前記排出口に連通し遊技領域に向けて開口している流出口を更に具備する」ことを特徴とする。
手段10の構成によれば、遊技媒体が流入する排出口と、遊技盤上に流出する流出口との位置関係が遊技者にわかりやすい。すなわち、流出口と透光性を有する仕切部材の下端とが近接して設置されていることにより、ステージを構成する部材の下で排出口と流出口とが連通していると示唆する効果がある。
手段11:「遊技領域内に設けられた演出表示装置の周囲を額縁状に囲む表示装置枠を備えた遊技機において、
前記表示装置枠の上部または側面部に配設され、遊技領域を流下する遊技媒体を前記表示装置枠内へと取込む球取込口と、
表示装置枠の下部に対応し、複合転動装置を有するステージと、
前記球取込口に流入した遊技球を前記ステージに案内する案内通路と、
全体が透光性を有する素材で形成され、透光性の異なる複数の領域によって構成された正面視略長円形で、前記ステージの遊技者側に立設され、前記表示装置枠の開口部の上部が開いた状態で下端部を塞いで前記表示装置枠の遊技者側からの遊技球の進入を防止する仕切部材と、
前記遊技領域内の前記表示装置枠の中央下方に配設される始動口と
を具備し、
前記複合転動振分装置は、
前記表示装置枠内に取込まれた遊技媒体が供給されるとともに、平面視において略長円環形であって、内縁部よりも外縁部が高くなるように上面に勾配が形成されている外側転動領域と、
平面視において略円形であって、上面が凹面状を呈し、前記外側転動領域の内縁部に隙間無く接し、前記外側転動領域を転動した遊技媒体が前記内縁部の全域より進入可能に形成された内側転動領域と、
該内側転動領域の外周部に沿って略鉛直方向に立設された段差部と
を具備して構成され、
前記内側転動領域には、遊技媒体を前記始動口上方の前記遊技領域内に流出させる特定出口、
及び前記始動口上方から左右に変位した前記遊技領域内の箇所に流出させる普通出口を設けた」ことを特徴とする遊技機。
手段11の構成によれば、表示装置枠の開口部、すなわちステージの遊技者側に、上部が空いた形状で仕切部材が立設されている。仕切部材は、透光性を有する素材を用いて形成され、透光性の異なる複数の領域を有する正面視略長円形を呈している。また、ステージには複合転動振分装置が配設され、ステージに流入した遊技球は複合転動振分装置の普通出口または特定出口から流出する。そして、遊技球が表示装置枠の開口部を通過して遊技領域からステージへの進入は、立設された仕切部材によって防止されている。
これにより、表示装置枠の開口部からステージへと遊技球が進入することがなくなるため、遊技球がステージに進入する割合を安定させるとともに、複合転動振分装置における遊技球の転動過程が乱れることを防ぎ、特定出口に遊技球が入球し、始動口近傍の上方に流出する確率を安定させることができる。特定流出路から遊技球が流出する確率を安定させることによって、始動口に対する入球の確率を安定させることができる。また、表示装置枠の開口部における遊技球のステージへの進入を防止することにより、ステージ上における遊技球同士の接触等によって特定出口への入球の確率が左右されることが大幅に減少し、遊技者が遊技機や遊技店に対して不公平感や不信感を抱く虞を低減させることができる。また、遊技店にとっては、入賞率が安定することで収益性の安定化を図ることが可能となる。
また、本構成によれば、複合転動振分装置上の遊技球は、表示装置枠の開口部から遊技球が進入し、転動の軌道が変化させられることがないため、遊技者は、ステージ入口に入った遊技球の振分けの様子に注目することができ、遊技球同士が衝突する事態を心配したり、ステージ上にない遊技球の転動の様子に注意したりする必要がない。従って、遊技者を落ち着いて遊技に取り組ませることが可能となる。また、ステージに流入した遊技球への影響を心配して遊技球の射出を一時的に中断するような遊技方法をとる必要もなくなるので、遊技者にとっては遊びやすくなり、遊技店にとっては遊技機の稼働率が改善されるという効果が期待できる。
また、本構成によれば、仕切部材は透光性を有する素材で形成されているため、表示装置枠の開口部の奥方の視認性を損なうことがなく、例えば、奥に設置された演出表示装置の視認においても妨げとならない。演出表示装置は装飾的効果もさることながら、遊技状態に関する各種の情報を遊技者に伝達するために必須のものであり、ステージ周辺の意匠的部材の突出等のために演出表示装置が見づらくなってしまうようなことがあると、遊技者の不満が非常に高まることが懸念される。しかし、本構成の仕切部材は透光性を有する素材で形成されており、演出表示装置の視認性を損なうことはない。
さらに、遊技者には仕切部材を透過してステージ上の様子も見えるため、ステージ上に配設した転動振分装置の状態や、ステージ周辺の電飾等の意匠的要素に関しても視認性が保たれており、遊技の趣向を損なう虞がない。
さらに、仕切部材を利用して意匠的な効果を高めることが可能である。すなわち、透光性を有する素材で形成されており、相互に透光性が異なる複数の領域を備えた意匠であることによる光学的な効果を利用し、電飾等の意匠性を高めることができる。例えば、ステージも透光性を有する素材で形成し、仕切部材の下部をステージの上面よりも低い位置となるように取設し、ステージの下方にLEDを配設してステージ上とステージ下と両方において視覚的演出を展開できるようにした時に、ステージ上の部分と、ステージ下の部分において仕切部材の形状を変化させ、ステージ下の部分の光を拡散させるといった演出が可能となる。
また、仕切部材は、表示装置枠の開口部の下端部に立設され、上部が開いているため、表示装置枠の内側の清掃や修理等のメンテナンスの際にも容易に作業を行うことができる。また、仕切部材は正面視略長円形に形成されており、上縁に角がないのでこうした作業時に作業者が負傷したり、仕切部材を破損したりする事故を防ぐ効果がある。
手段12:手段1〜手段11の何れか一つの構成において、「前記遊技機は、パチンコ機である」ことを特徴とする。パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(すなわち遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特定図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段12によると、パチンコ機において、手段1〜手段11までの何れかの作用効果を奏することができる。
手段13:手段1〜手段11の何れか一つの構成において、「前記遊技機は、パチスロ機である」ことを特徴とする。パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシーンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段13によると、パチスロ機において、手段1〜手段11までの何れかの作用効果を奏することができる。
手段14:手段1〜手段11の何れか一つの構成において、「前記遊技機は、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機である」ことを特徴とする。ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段14によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段11までのいずれかの作用効果を奏することができる。
なお、上記に例示したパチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
このように、本発明によれば、遊技媒体を旋回面上で規則的な旋回軌道において転動させた後に、排出口に入球させることができる。また、表示装置枠の前面に仕切部材が立設されており、表示装置枠の開口部から遊技媒体がステージへと進入することを防止できる。これにより、開口部から進入した遊技媒体がステージ上の他の遊技媒体に接触して転動の軌道を変えてしまって遊技の興趣を低下させる虞を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、図5、及び図11に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図であり、図11は遊技領域37を斜め右上前方から示す斜視図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3、及び図11に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車(図示しない)が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物ユニット91が配設されており、このセンター役物ユニット91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。なお、センター役物ユニット91の詳細については後述する。
また、センター役物ユニット91の後方には、抽選結果を演出表示する演出表示装置115が設けられている。演出表示装置115は、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報を表示可能な適宜の表示装置が用いられる。本実施の形態では、演出表示装置115として液晶表示装置が用いられている。
一方、遊技領域37におけるセンター役物ユニット91の下方には、普通図柄始動口96が配置されており、この普通図柄始動口96に遊技球が入球すると、普通抽選を行うとともに、普通図柄を変動表示させるようになっている。また、センター役物ユニット91の左側には、普通抽選で当りとなった場合に短時間開放する普通電動役物81を有し、この開放によって遊技球の入賞が可能になる特別図柄始動口82が配設されている。そして、特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、大当り抽選が行われるとともに、特別図柄を変動させるようになっている。
また、遊技領域37には、上記の普通図柄始動口96のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置98は、開閉部材99の下端部分を軸として開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより下部側大入賞口83を開閉させる。なお、普通図柄始動口96、普通電動役物81、特別図柄始動口82、及びアタッカ装置98等の詳細については後述する。
また、センター役物ユニット91の斜め左下には、普通図柄表示器333(詳細は後述する)として機能する三つのLED84と、普通抽選の保留状態を示す四つのLED85(保留球ランプ)とが設けられている。四つの保留球ランプは、普通抽選において、保留回数分(最大4回)だけ点灯するようになっている。また、センター役物ユニット91の左上方には、大当り抽選における抽選結果を表示する特別図柄表示器332(詳細は後述する)として機能する四つのLED86が設けられている。例えば、始動入賞を契機として四つのLED86をいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、四つのLED86の点灯・消灯表示パターンによって、確定した特別図柄を停止状態で表示する。つまり、抽選結果情報がLED86の点灯・消灯によって報知される。なおLED86の点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131(図36参照)により行われる。ここで、センター役物ユニット91が本発明の表示装置枠に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物ユニット91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物ユニット91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213Cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[センター役物ユニットの具体的な構成について] 図11〜図17に基づき説明する。
図12はセンター役物ユニット91を示す正面図であり、図13はセンター役物ユニット91の前側ユニット120と後側ユニット121とを分離した状態を示す分解斜視図であり、図14は前側ユニット120を機能単位で分離した状態を示す分解斜視図であり、図15は前側ユニット120を斜め左上前方から示す斜視図であり、図16は前側ユニット120を斜め右上後方から示す斜視図であり、図17は後側ユニット121を機能単位で分離した状態を示す分解斜視図である。
図11及び図12に示すように、センター役物ユニット91は、額縁状の外観を呈しており、遊技領域37の中央に配設されるとともに、上側から右側に亘る外周部分が、遊技領域37の右側周縁まで延出されている。つまり、センター役物ユニット91の右側には、実質的な遊技領域37が形成されておらず、遊技球が通過しないようになっている。なお、センター役物ユニット91の大きさは特に限定されるものではないが、本例では、遊技領域37全体の約2/3を占める極めて大きな役物として構築されている。
図12〜図17に示すように、センター役物ユニット91は、前側に配置される前側ユニット120と、その後側に配置される後側ユニット121とに大別されている。前側ユニット120と後側ユニット121は、遊技盤5を前後から挟み込んで接合されている。前側ユニット120は、遊技領域37から前方に突出した状態で配設されており、遊技領域37と内部空間とを区画する装飾フレーム125を備えている。なお、装飾フレーム125の外周面のうち特に左側の部分には、遊技球を誘導するための誘導壁123が形成され、また、装飾フレーム125の中央には表示窓として機能する開口部124が設けられている。
装飾フレーム125は、表面に装飾が施されており、右側には、複数の発光手段を備える電飾体129が設けられている。また、右上部分が左上部分よりも上方に突出しており、その内側に拡張開口部140が形成されている。この拡張開口部140は、後述する回転式振分装置294を収容する空間として機能しており、開口部124と連通した状態で形成されている。拡張開口部140の左側壁の誘導壁123には、遊技球が入賞可能な大入賞口141が装飾フレーム125の周面を貫通して設けられており、可動片142によって開閉可能となっている。なお、図面では、可動片142によって大入賞口141が閉鎖された状態を示しており、この状態では、大入賞口141に遊技球を入賞させることができないようになっている。可動片142が開放し、大入賞口141に入賞した遊技球は、案内通路340によって案内され、後述する回転式振分装置294に送られる。
また、装飾フレーム125の左側面には、遊技球が入球可能なワープ流入口63(図15参照)が設けられており、ワープ流入口63から入球した遊技球を装飾フレーム125の内部に取り入れることが可能になっている。装飾フレーム125の内側底面には、後述するステージ20から流出する遊技球を、普通図柄始動口96付近に案内する流出部62が設けられている。装飾フレーム125の内側には投光器を模した投光装飾体61が複数配設されている。ここで、ワープ流入口63が本発明のステージ入口に相当する。
以下、装飾フレーム125に組みつけられた上記の各構成についてさらに詳細に説明する。
[可動片142及びその駆動機構について] 図13、図14、図18、及び図19に基づき説明する。
図18は可動片142の開閉機構を示す説明図であり、図19は開閉部材駆動機構の各構成を分離した状態を左上後方から示す分解斜視図である。
大入賞口141を開閉する可動片142は、大入賞口ユニット146の前側上方に位置し、上蓋143及び中枠145によって摺動可能に挟持され、大入賞口開閉駆動手段160によって前後方向に摺動させられる。可動片142は、ソレノイド161のプランジャー162の運動によってリンクアーム163をリンク軸164を回転軸として回動させる。リンクアーム163はリンク機構によって可動片142を前後に摺動させる。このように、プランジャー162の往復運動が可動片142の往復運動に変換され、突出状態(閉鎖状態)から引込状態(開放状態)に変位させることが可能になっている。なお、プランジャー162は通電していない状態で下に下がっており、リンクアーム163を介して可動片142を突出状態に保っている。
大入賞口開閉駆動手段160は、中枠145と、受止部144とによってソレノイド161が上下方向に挟持され、リンク軸164が受止部144に嵌設されて大入賞口ユニット146内に取設される。ソレノイド161の後方側にはソレノイド支持部148に接合され、大入賞口ユニット146を固定するときのガイドとなる。大入賞口ユニット146は、可動片142と大入賞口141とが前方に露出するように大入賞口取付窓302及び大入賞口取付基部296に挿入され固定される。
[ステージ20及び複合転動振分装置21について]
ステージ20について、図14、図15、図16、図20、図21、及び図22に基づき説明する。図20は、複合転動振分装置を示す平面図とA−Aにおける断面図であり、図21は、複合転動振分装置における遊技球の転動過程を示す説明図であり、図22はステージ下電飾100の構成を示す説明図である。
図15に示すように、前側ユニット120の中央下部には、上面で遊技球を転動させることができるステージ20が設けられている。ステージ20の中央部には外周壁41で囲われた複合転動振分装置21が形成されており、その外縁部にはステージ左余地42及び右キャノピー43が形成されている。ステージ20の左奥方に複合転動振分装置21の外縁部に接続する進入路45が形成されている(図16)。進入路45の上流側端部はワープ出口44に接続しており、ワープ出口44はワープ通路60を介して遊技領域37に面して開口しているワープ流入口63に連通している。ステージ20の遊技者側には仕切板40が立設され、仕切板40の下方には特定流出路26及び普通流出路27を備える流出部62が形成されている。ここで、複合転動振分装置21が本発明の転動面に相当し、特定流出路26及び普通流出路27が本発明の流出路に相当し、進入路45及びワープ通路60が本発明の案内通路に相当する。
ステージ20は全体が透光性を有するプラスティックで一体的に成形されており、ステージ20の下方にはステージ下電飾100が全面的に配設されている。右キャノピー43の下方には投光装飾体61が配設され、右キャノピー43を透過して視認可能となっている。なお、投光装飾体61については後述する。
複合転動振分装置21は、中央部に1個の特定出口24と2個の普通出口25とが穿設された凹面状の第二転動領域23が形成されており、その外縁部に接して平面視長円環状で、内縁部よりも外縁部が高く勾配が設けられた第一転動領域22が形成されている。第一転動領域22と第二転動領域23との境界には段差部28が形成されており、第二転動領域23より第一転動領域22の方が若干高く段状になっている。特定出口24は、ステージ20の前下方に形成された流出部62の特定流出路26に、普通出口25は普通流出路27に接続し、特定出口24及び普通出口25に入球した遊技球を普通図柄始動口96の近傍の遊技領域37内へと流出させる(図3参照)。ここで、特定出口24及び普通出口25が本発明のステージ出口に相当する。
ワープ流入口63に入球した遊技球は、湾曲したワープ通路60を通過して下降し、ワープ出口44からステージ20上に流出する。ワープ通路60を下降して速度を得た遊技球は、進入路45を転動して複合転動振分装置21の第一転動領域22へと進入する。遊技球は進入路45の方向付けに従い、第一転動領域22上を左から右へと横断する方向に進み、第一転動領域22の勾配によって次第に時計回りの方向に旋回する(図21(a)参照)。遊技球は第二転動領域23の周囲を巡るように旋回し、第一転動領域22の第二転動領域23よりも遊技者側の部分を進み、やがて第一転動領域22と第二転動領域23との境界に形成された段差部28を越えて第二転動領域23へと流入する(図21(b)参照)。なお、図21において、遊技球はBの符号で示されている。
第二転動領域23は、第一転動領域22とは異なり円形の平面形状を呈している。第二転動領域23と第一転動領域22との境界には段差部28が形成されており、第二転動領域23の外縁部は第一転動領域22の内縁部よりも低くなっている。そのため、第二転動領域23に流入した遊技球が段差部28を越えて第一転動領域22へと逆流することはない。遊技球は段差部28を越えて第二転動領域23に入ると、第二転動領域23は円形の平面形状であるため、段差部28にガイドされて遊技球は第一転動領域22上における軌道よりも曲率のきつい軌道を描いて旋回する。やがて遊技球は第二転動領域23の勾配に従って中央部へと近づき、特定出口24または普通出口25の何れかへと没入する(図21(c)参照)。
特定出口24に没入した遊技球は、特定出口24に接続している特定流出路26を遊技者側へと向かって流下し、流出部62の中央から普通図柄始動口96の直上の位置にて遊技領域37へと流出する。一方、普通出口25に没入した遊技球は普通流出路27を流下して、流出部62の左右何れかの開口部から遊技領域37へと流出する。普通流出路27の開口部は中心から左右にずれているため、遊技球はほとんど普通図柄始動口96に入らない。これに対し、特定流出路26から遊技領域37へと流出した場合は、ほぼ全てが普通図柄始動口96へと入球する。このように、複合転動振分装置21はステージ20において普通図柄始動口96への入賞と、その他の結果とを振り分ける機能を果たしている。
また、複合転動振分装置21は、センター役物ユニット91の下方中央の大半の部分を占める大きさの転動振分装置であり、従来の凹面状転動振分装置に比較すると平面的な広がりがある領域を遊技球が転動するため、遊技者にとって見ごたえのある役物となっている。
また、複合転動振分装置21によれば、転動面が大きくなっているので、複数の遊技球が流入した場合にも遊技球同士が接触する虞が小さくなっている。これにより、遊技球の軌道が変化し、衝突しなかった場合よりも早期に特定出口24または普通出口25から流出してしまったり、逆になかなか流出しないで転動面上に留まっていたりすることを防ぐ効果がある。
また、複合転動振分装置21は、第二転動領域23の外延部に第一転動領域22が広がり、第一転動領域22の外縁部から遊技球を流入させる進入路45を有するという平面的な構成の役物であり、前方に遮蔽部分を作り出して演出表示装置115の視認性を損なうことがないため、演出表示装置115よりも遊技者側にあって演出表示装置115の前下方に位置する役物として好適な形状を有している。
また、複合転動振分装置21は、転動面である第一転動領域22及び第二転動領域23と、特定出口24及び普通出口25とによって構成されており、モータ等で駆動される可動部材をもたない。そのため、例えば、動力駆動される振分装置において問題となりやすい、遊技者によるタイミングを測った間欠的な遊技による特定領域の狙い撃ちの問題が発生しない。さらに、可動部材がないため、使用にともなう破損や磨耗の虞が小さく、故障の原因となりにくいという利点がある。
[仕切板40について] 図15及び図16に基づき説明する。
仕切板40は、透光性を有するプラスティックでできた薄板であり、正面視において一部が切欠された略楕円形を呈し、前側ユニット120の遊技者側の開口部124の中央下方の最前部に立設される。仕切板40の表面には若干の厚みの変化をもたらす凹凸が形成されており、二重楕円の模様が描かれている。これは、複合転動振分装置21の形状を示唆するとともに流出部62の存在を強調する意匠的効果をもたらしている。
仕切板40は、ステージ20の遊技者側の最前部に立設されており、遊技球の前方からの流出を防止している。仮に仕切板40が無く、遊技球がステージ20の前方から流出する構成であった場合には、進入路45から流入した遊技球が必ずしも複合転動振分装置21を通過せずに遊技領域37へ前方の開口部124から流出してしまう場合がある。仕切板40があることによって、ステージ20へと流入した遊技球は必ず複合転動振分装置21の特定出口24または普通出口25から流出するようになり、所定の確率で安定して遊技球が普通図柄始動口96に入球するようにできる。これにより、メーカーにとっては安定した入賞率の遊技機を提供できるようになり、遊技店の収益の安定化をもたらすとともに、遊技者が安心して遊技に取り組むことができるようになる。
また、遊技球が勢いよく複合転動振分装置21に流入する場合や、ワープ流入口63以外の個所からもステージ20に遊技球が流入可能である場合には、遊技球が弾発等によって開口部124から遊技者側へと流出してしまう虞があるが、仕切板40は高さが十分に高いため、遊技球がバウンドした場合にも前方からの流出を防ぐことができる。
逆に、遊技領域37を流下し、遊技盤5に配設された釘等によって弾発された遊技球が、開口部124を通過してセンター役物ユニット91の内部へと入ることが、仕切板40によって防止されている。センター役物ユニット91の上方及び左側方は装飾フレーム125によって仕切られており、遊技領域37を流下する遊技球はワープ流入口63を経由する以外にステージ20に進入することはない。また、センター役物ユニット91の下方においては、遊技球が上方へと跳ね上がっても仕切板40が十分な高さを備えており、遊技球のセンター役物ユニット91内への進入を防ぐ。遊技球が遊技領域37を流下して得た運動エネルギーでは仕切板40の上方を跳び越えてステージ20へと進入するには不十分であり、遊技球が釘等によって弾発された場合にもステージ20上の他の遊技球と接触することがないため、複合転動振分装置21における遊技球の振分に影響を及ぼす虞がない。
また、開口部124の上部は仕切板40によって覆われていないため、メンテナンス時などに作業者が手や道具を差し入れて作業を行うことが可能であり、メンテナンス性に優れている。また、可動部がないので故障の原因となりにくい。
また、仕切板40は、ステージ20よりも遊技者側に立設されているが、透光性のある素材で形成されているため、奥に位置する演出表示装置115等の視認性を阻害することがない。
さらに、仕切板40はセンター役物ユニット91の最も遊技者側に近い部分に設置されるため、視覚的に目立つが、全体が略楕円形板状であり、且つ一部の厚みが薄くなっていて大小2個の長円が重なっているような外観を呈しているため、複合転動振分装置21の形状との関連を思わせる意匠となっている。また、流出部62に近接した個所に上記の仕切板40の薄肉部分が形成されており、流出部62の開口部の形状を想起させる効果も期待できる。これにより、仕切板40が意匠的な構成としてセンター役物ユニット91の最前部においても邪魔にならないようにすることができる。
[ステージ下電飾100について] 図21及び図22に基づき説明する。
ステージ20は透光性を有するプラスティックでできており、ステージ下方に配設されたステージ下電飾100がステージ20を透過して視認可能である。ステージ下電飾100はLED基盤104、レンズ101、及びリフレクター102を備えており、中央部には円形切欠部103が形成されている。円形切欠部103の上方には複合転動振分装置21の第二転動領域23が位置し、特定出口24及び普通出口25に接続する特定流出路26及び普通流出路27が円形切欠部103の空隙を貫通している。
レンズ101は透光性を有するプラスティックにより形成されている。一方、リフレクター102は不透明なプラスティックによって形成され、上面には多数の略長方形の小孔が開口しており、上面は光沢のある表面が形成されている。レンズ101とリフレクター102は組み合わせられ、リフレクター102の小孔が透光性を有する窓状になっている。LED基盤104はリフレクター102の小孔に対応した位置に上方を向いた多数のLEDを備え、LED基盤の上方に配設されるレンズ101の窓状の部分を通してステージ20の上面を発光させ視覚的に演出する。LED基盤104のLEDは、レンズ101の窓状の部分を透過して上方へ向けて発光されるが、透過光はレンズ101によって拡散され、リフレクター102の上面にて反射して下方からステージ20を全体的に照射する。
[投光装飾体61について] 図14及び図16に基づき説明する。
投光装飾体61はテレビカメラを模した外観を呈している。投光装飾体61の中央部にはLEDを備えており、電飾制御基盤357(図36参照)によって制御され、発光してステージ20周辺を視覚的に演出する。投光装飾体61は全部で3個あり、前側ユニット120の開口部124の内側の左上方、左側方、及び右キャノピー43の下方に各1個ずつ配設されている。
[後側ユニット121の概略構成] 図13及び図17に基づき説明する。
一方、後側ユニット121は、演出表示装置115を視認可能な開口部291を有する枠状の後側フレーム292と、その後側フレーム292の左上に配置された大入賞口ユニット146と、後側フレーム292の右側に配置され、大入賞口141より案内された遊技球を回転体によって振分ける回転式振分装置294と、後側フレーム292の下側に配置され回転式振分装置294から流出した遊技球を排出する振分装置排出路274が内部に形成された右排出路ユニット273と、特別始動口ユニット530から流出した遊技球を排出する左始動口排出路272が内部に形成された排出路ユニット271とを具備して構成されている。以下、後側ユニット121における各構成について詳細に説明する。
[後側フレーム292について]
後側フレーム292は、前面が開放された略四角形の枠状部材であり、開口部291が形成された板状の背面板300と、背面板300の周縁から前方に延出された側面板301とから構成されている。つまり、上記した各構成が後側フレーム292の内部に収容されるように箱状に形成されている。なお、図示していないが、後側フレーム292の周囲、特に左側方及び右下方には、入賞した遊技球または排出される遊技球を所定の部位に案内するための案内通路構成部材が組付けられるようになっている。
[回転式振分装置294について]
続いて、回転式振分装置294について、図23乃至図28に基づき説明する。図23は回転式振分装置294を左上前方から示す斜視図であり、図24は回転式振分装置294を示す正面図であり、図25は回転式振分装置294から回転体297及び搬入片341を除去した状態を示した説明図であり、図26は回転式振分装置294の各構成を分離した状態を左上前方から示す分解斜視図であり、図27は回転式振分装置294の各構成を分離した状態を左上後方から示す分解斜視図であり、図28は回転式振分装置294の内部構成を示す説明図である。
図24〜図28に示すように、回転式振分装置294は、大入賞口141に入球し案内通路340を流下した遊技球を、回転体297を用いて、有利な状態と不利な状態とに振分けるものである。回転式振分装置294は、凹状の特定領域343及び普通領域344を有し、回転可能に支持された円盤状の回転体297と、回転駆動手段405と、回転体297の周囲を囲う外周壁346を有する回転体ケース342とを具備して構成されている。
また、図25に示すように、回転体ケース384の外周壁346には、回転体297の回転に伴って特定領域343または普通領域344に一時的に連通される流入口347が形成されている。さらに、回転体ケース342において回転体297を収容する回転体受面349には、特定領域343に入球した遊技球を特定領域343から流出させる特定出口360と、普通領域344に入球した遊技球を普通領域344から流出させる普通出口361とが形成されている。また、図28に示すように、特定出口360から流出した遊技球が流下する第一流出路387の途中には遊技球検出手段384(V入賞センサ331)が設けられており、この遊技球検出手段384によって遊技球が検出された場合には、遊技者にとって有利となる有利遊技状態が発生するようになっている。
なお、本例では、遊技者に利益が付与される態様として大当り態様が用意されている。具体的には、最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を下部側大入賞口83に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当り遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
回転体297は、遊技機の前後方向に軸心が設けられた回転軸364によって軸支されて回転可能となっており、円盤状を呈している。その周縁には、等間隔に配置され、夫々径方向に開口した、三ヶ所の特定領域343と、各特定領域343の間に等間隔で形成された十五ヶ所の普通領域344とが設けられている。つまり、各特定領域343の間の位相差が120°となり、各特定領域343の間に五ヶ所ずつの普通領域345が配設されている。各領域343,344の底面には、夫々遊技球を排出可能な貫通孔が形成されており、その貫通孔と回転体受面349に穿設された出口との組合せによって遊技球が流出される状態と流出されない状態とが切替えられるようになっている。具体的に説明すると、特定領域343における貫通孔は、回転体受面349に形成された特定出口360と合致し、普通出口361とは合致しない位置に形成され、一方、普通領域344における貫通孔は、回転体受面349に形成された普通出口361と合致し、特定出口360とは合致しない位置に形成されている。ここで、「合致する」とは、少なくとも遊技球を排出させることができる程度に連通する状態を示しており、「合致しない」とは、譬え重ね合っても連通部分が遊技球の直径よりも小さく遊技球を通過させることのない状態を示している。したがって、特定領域343に遊技球が入球した場合には、その遊技球は回転体297とともに回転し、特定領域343が特定出口360と合致した際、第一流出口360から流出される。また、普通領域344に遊技球が入球した場合には、その遊技球は回転体297とともに回転し、普通領域344が普通出口361と合致した際、普通出口361から流出される。なお、特定出口360と連通しており特定出口360から流出した遊技球が流下する第一流出路387には、V入賞センサ331(図36参照)が配設されており、特定領域343から遊技球が流出したことをV入賞センサ331によって検出するようになっている。また、普通出口361と連通しており普通出口361から流出した遊技球が流下する第二流出路388には、排出センサ313(図36参照)が配設されており、普通領域344から遊技球が流出したことを排出センサ313によって検出するようになっている。
また、遊技球が流入口347に達しても、その流入口347が回転体297における特定領域343または普通領域344に連通するまではその場所で待機し、回転体297の回転に伴って一時的に連通すると、その特定領域343または普通領域344に入球し、回転体297とともに軸心周りに回転する。そして、特定領域343に入球した遊技球は特定出口360から流出し、普通領域344に入球した遊技媒体は普通出口361から流出する。また、特定領域343から遊技球が流出したことに基づいて、遊技者に有利となる有利遊技状態が発生する。
また、案内通路340には、遊技球搬入装置380が介装されており、案内通路340を流下した遊技球を回転式振分装置294の流入口347へと持ち上げることができるようになっている。遊技球搬入装置380は、一つの遊技球のみを流入口347に到達させる搬入片341と、搬入片341を、案内通路340に面した位置に下降させ、遊技球を受入可能とする受入位置、及び搬入片341内に保持した遊技球を上昇させ、流入口347に流入可能とする投入位置との間で回動させる搬入機構駆動手段404(図36参照)とを具備して構成されている。なお、搬入片341が投入位置のときに搬入片341に収まらない遊技球を排出する排出口348が、案内通路340の終端部に開口して形成されており、排出口348に流入した遊技球は第三流出路389から振分装置排出路274(図17参照)へと流下する。また、複数の遊技球が相次いで案内通路340を流下した場合には、搬入片341が受入位置にあった場合にも一つの遊技球のみが搬入片341内に収まり、その他の遊技球は搬入片341に収まった遊技球に当接して案内通路340に留まり、搬入片の上昇に伴って転動を再開し、排出口348に流入する。このように、案内通路340に遊技球搬入装置380を介在させたことにより、流入口347に到達する遊技球のタイミングが予測し難くなり、特定領域343を狙った特殊な打ち方を抑制することが可能になる。また、遊技球搬入装置380に搬入片341が設けられているため、大入賞口141に入賞する遊技球の個数を増やしても、回転体297の特定領域343に入球可能となる遊技球の数を制限することができる。したがって、入賞による遊技者の期待感を高めながらも、遊技店における負担の増大を抑制することが可能となる。
回転軸364を回転させる回転体駆動手段405は、回転体297を回転させる回転力発生する回転体モータ369、回転体モータ369の動力を伝達する回転駆動ギア368、及び回転軸364、及び回転体モータ369及び中枠383を支持するとともに回転体297の回転軸364を回転可能に支持する回転体裏蓋382を備えている。
次に、普通図柄始動口96及びアタッカ装置98を有する入賞口ユニットと、普通電動役物81及び特別図柄始動口82を有する特別始動口ユニット530とについて説明する。
[入賞口ユニット499について]
入賞口ユニット499について図33〜図35に基づき説明する。図33は入賞口ユニット499を示す正面図であり、図34は入賞口ユニット499を右上前方から示す斜視図であり、図35は図33におけるB−B断面図(但し開閉部材99を開放した状態)である。
入賞口ユニット499は、遊技盤5(図3参照)の盤面よりも遊技者側に突出して配設された普通図柄始動口96と、普通図柄始動口96の下方に配設された普通入賞装置502と、普通入賞装置502の下方から遊技者側に突出して配設された振分用突起部507と、振分用突起部507の下方に配設されたアタッカ装置98とを具備して構成されている。
ここで、普通図柄始動口96は、遊技領域37(図3参照)を流下する遊技球が通過可能なゲート形の始動口であって、その内部には、普通図柄始動口96に遊技球が通過したことを検出する第一始動口センサ317が設けられている。そして、第一始動口センサ317による遊技球の検出に基づいて普通抽選が行われるようになっている。また、普通図柄始動口96の左右両側には、上面が円弧状の進入阻止部材512が斜め下方に向って延出されており、普通図柄始動口96の外側を通過する遊技球が、振分用突起部507に向って転動することを阻止している。つまり、普通図柄始動口96を通過した遊技球のみを振分用突起部507に到達させることを可能としている。ここで、普通図柄始動口96が本発明の始動口に相当する。
普通入賞装置502は、遊技盤5の盤面に対して開口した普通入賞口500と、普通入賞口500に連通し遊技盤5の奥側に延出された入賞通路501とを有しており、普通入賞口500から入賞通路501内に遊技球を入賞させることが可能になっている。なお、普通入賞口500に遊技球が入賞すると、入賞センサ503(図36参照)によって検出され、これに基づいて所定数の遊技球が払出される。
振分用突起部507は、遊技盤5側(普通入賞口500側)に向って僅かに下り勾配に形成された上面傾斜部506を有しており、上面傾斜部506の左右方向略中央部分に落下した遊技球を上面傾斜部506に沿って普通入賞口500へ誘導可能とし、上面傾斜部506の左側端部付近または右側端部付近に落下した遊技球を、上面傾斜部506の側方から排出可能としている。また、振分用突起部507は、普通図柄始動口96の真下に配設され、振分用突起部507の最大横幅が遊技球の外径と略同等で、先端側ほど横幅が狭くなるように平面視先細形状(全体としてホームベース形)に形成されている。
アタッカ装置98は、振分用突起部507の下方に配設されており、多量の遊技球を入賞可能とする横長の下部側大入賞口83と、下部側大入賞口83を閉鎖するとともに下端部分を回転軸として前後方向に回動可能に支持された開閉部材99と、開閉部材99を駆動し下部側大入賞口83を閉鎖する閉鎖位置、及び下部側大入賞口83を開放する開放位置の間で回動させるアタッカ駆動機構339(図36参照)とを備えている。なお、図35に示すように、開閉部材99の上面と対向する振分用突起部507の下面513は、遊技盤5側に向って上り勾配に形成されている。これにより、開閉部材99の上端と振分用突起部507の下面513との間隔を、開閉部材99の回動位置に拘らず略一定とすることが可能になり、ひいては開閉部材99の上端と振分用突起部507の下面513との間で遊技球が挟持されること、所謂「球噛み」が発生することを抑制することが可能になる。
なお、振分用突起部507は可動機構を備えていないため、アタッカ駆動機構339を有するアタッカ装置98を振分用突起部507の下方に設けた場合でも、互いに接近して配置することができ、下部側大入賞口83から普通図柄始動口96までの長さを比較的短くすることができる。
ところで、これらの普通図柄始動口96、普通入賞装置502、振分用突起部507、及びアタッカ装置98は、共通のベース板510に取付けられ、一つのユニットとして一体的に構成されている。また、ベース板510における普通図柄始動口96と普通入賞口500との間には、遊技盤5に設けられた障害釘508を挿通させるための釘貫通孔511が穿設されている。つまり、普通図柄始動口96及び普通入賞装置502等を一つのユニットとして一体的に構成するにもかかわらず、遊技盤5に設けられた障害釘508がユニットの内部に配置されることを可能にしている。
図33に示すように、障害釘508は、普通図柄始動口96と普通入賞装置502との間に配設され、普通図柄始動口96を通過した遊技球の転動方向を変化させることにより振分用突起部507への落下地点を分散させるものである。特に、本例では、障害釘508は、左右方向に並設される右側障害釘508a及び左側障害釘508bからなり、普通図柄始動口96の中心と普通入賞口500の中心とを結ぶ中心線を基準線とした場合、その基準線から右側障害釘及508aび左側障害釘508bまでの距離が互いに異なるように、右側障害釘508a及び左側障害釘508bが一方に偏って配置されている。このため、それらの障害釘508の間に遊技球を通過させることにより、遊技球の転動方向が大幅に変更されることを抑制できる。つまり、普通図柄始動口96を通過した遊技球の殆ど全てを振分用突起部507の上面に落下させることが可能になる。また、普通図柄始動口96を通過した遊技球を、夫々の障害釘508に順に衝突させることが可能となり、転動方向を確実に変化させることができる。
なお、ベース板510は左右方向に延出されており、右側には、上方に向って開口した入賞口514が形成されている。また、ベース板510の背面にはケース部材516が取付けられており、このケース部材516の内部に、アタッカ駆動機構339が収容されるとともに、下部側大入賞口83に入賞した遊技球を流出口(図示しない)に誘導する誘導通路(図示しない)が形成されている。また、ケース部材516の上面には、普通入賞装置502の入賞通路501に入賞した遊技球を、ケース部材516内の通路(誘導通路とは別の通路)に送るための送通路517が設けられている。
このように、入賞口ユニット499では、遊技領域37を流下する遊技球が普通図柄始動口96を通過すると、第一始動口センサ317によって検出され、普通図柄始動口96に遊技球が通過したことに基づき普通抽選が実行される。普通図柄始動口96を通過した遊技球は、普通図柄始動口96の下方に配設された障害釘508によって転動方向が変化させられる。また、障害釘508の下方には、普通入賞装置502が設けられており、遊技球が普通入賞装置502に入賞すると、入賞センサ503によって検出され、所定数の遊技球が払出される。
普通入賞装置502の下方には、振分用突起部507が遊技者側に突出して配設されており、振分用突起部507は、遊技盤5側(普通入賞口500側)に向って僅かに下り勾配に形成された上面傾斜部506を備えているため、上面傾斜部506上に落下した遊技球を上面傾斜部506に沿って普通入賞口500へ誘導することが可能となる。特に、振分用突起部507の横幅は遊技球の直径と略同等であるため、上面傾斜部506に沿って普通入賞口500へ誘導する場合と、上面傾斜部506の側方から排出(逸脱)させる場合とに振分けることが可能になる。すなわち、上面傾斜部506の左右方向略中央部分に落下した遊技球は上面傾斜部506に沿って普通入賞口500へ誘導され、一方、上面傾斜部506の左側端部付近または右側端部付近(すなわち角部付近)に落下した遊技球は、上面傾斜部506の側方から排出するようになる。
[特別始動口ユニット530について]
特別始動口ユニット530について図29〜図32に基づき説明する。図29は特別始動口ユニット530を示す正面図であり、図30は特別始動口ユニット530を右上前方から示す斜視図であり、図31は特別始動口ユニット530の各構成を分離した状態を左上後方から示す斜視図であり、図32は特別始動口ユニット530を縦方向に切断した状態を示す切断斜視図である。
特別始動口ユニット530は、遊技盤5(図3参照)の盤面に対して開口した特別図柄始動口82、及び特別図柄始動口82に連通し遊技盤5の奥側に延出された入賞通路531(図30参照)を有する特別入賞装置532と、入賞通路531内に位置する没入位置と特別図柄始動口82から遊技者側に突出する突出位置との間で摺動可能に支持された受止誘導部材535と、受止誘導部材535を前後方向に摺動させる普通役物駆動機構334(図36参照)とを具備して構成されている。
入賞通路531は、入賞装置ケーシング538内に形成されており、その前面開口部分が特別図柄始動口82となっている。なお、特別図柄始動口82は、下部側が上部側よりも横幅が広くなるように凸状に形成されている。
受止誘導部材535は、遊技盤5の奥側(入賞通路531の奥側)に向って下り勾配に形成された傾斜面534を有する舌片状の部材であり、遊技領域37(図3参照)を通過する遊技球を突出位置において受け止めるとともに受け止めた遊技球を特別図柄始動口82に誘導するように構成されている。受止誘導部材535の先端部には上向きに突起536が形成されている。
このように、特別始動口ユニット530では、受止誘導部材535が没入位置になると、入賞通路531内に収容され、遊技領域37を流下する遊技球を受け止めることができなくなる。つまり、特別図柄始動口82に遊技球を入賞させることができない状態となる。一方、普通抽選で当選すると、普通役物駆動機構334が制御され、受止誘導部材535が没入位置から突出位置に変位する。この状態では、舌片状の受止誘導部材535が特別図柄始動口82から遊技者側に突出した状態となり、遊技領域37を流下する遊技球を受け止めることが可能になる。そして、受止誘導部材535の傾斜面534で受け止められた遊技球は、傾斜面534に従って特別図柄始動口82へと案内される。すなわち、遊技球を特別図柄始動口82に入賞させることが可能となる。このとき、受止誘導部材535が動いても、遊技球を確実に傾斜面534に従って特別図柄始動口82に入球させるために、受止誘導部材535の上面先端部には突起536が上向きに突設されており、遊技球が受止誘導部材535の先端部からこぼれ落ちることがないようにしている。また、特別図柄始動口82側に向って遊技球を転動させることから、受止誘導部材535の傾斜面534における傾斜度合が比較的緩やかであっても、特別図柄始動口82に向って滑らかに誘導することができる。
また、受止誘導部材535の傾斜面534は、遊技盤5の奥側に向って僅かに下り勾配に形成されているため、受止誘導部材535が突出位置の場合には、没入位置のときよりも特別図柄始動口82の実質的な開口面積が広くなる。つまり、受止誘導部材535が没入位置のときは、受止誘導部材535の中で最も高い位置である受止誘導部材535の先端が特別図柄始動口82付近に位置しており、その先端よりも上方の空間(比較的狭い間口)が特別図柄始動口82の実質的な開口部分となる。これに対し、受止誘導部材535が突出位置のときは、受止誘導部材535の先端よりも低い受止誘導部材535の中央部位または根元部位が特別図柄始動口82付近に位置しており、その部位よりも上方の空間(比較的広い間口)が特別図柄始動口82の実質的な開口部分となる。したがって、受止誘導部材535が突出位置のときは開口面積が大きくなり遊技球の入賞を確実なものとし、一方、受止誘導部材535が没入位置のときは開口面積が小さくなり遊技領域37(図3参照)での跳ね返りによる遊技球の飛び込みを抑制することができる。
ところで、受止誘導部材535は、球噛みする箇所が極めて少なくなるように、遊技者側に向って先端の尖った尖形形状を呈している。このため、受止誘導部材535の先端が遊技球の中心に当接した場合には、球噛みする可能性が残されているものの、受止誘導部材535の先端が遊技球の中心から僅かでもずれている場合には、受止誘導部材535の先端から離れる方向の力が遊技球に加わり、遊技球は挟持されないようになる。突起536についても、平面視において特別図柄始動口82の側に向かって凸の二等辺三角形を呈する形状に形成されているため、僅かでも遊技球に当接する個所が中心からずれていれば遊技球は挟持されないようになっている。さらに、突起536によって、受止誘導部材535が没入位置のときの特別図柄始動口82の開口面積が小さくなるので、受止誘導部材535が没入位置にある時に遊技球が特別図柄始動口82に進入することを防止できる。
また、受止誘導部材535の左右縁部から壁部539が立設されており、これらの壁部539は入賞通路531の奥側に向って延出されている。これによれば、受止誘導部材535で受け止められた遊技球を、受止誘導部材535の左右側方から排出(落下)させることなく、特別図柄始動口82側に向って誘導することができる。また、受止誘導部材535を平板状に形成することが可能となり、その結果、特別図柄始動口82及び入賞通路531の高さが比較的低くても、受止誘導部材535を入賞通路531の内部に収容すること、及び受止誘導部材535の上方に遊技球を入賞させるための空間を設けることが可能となる。なお、受止誘導部材535の先端部分は、左右縁部に壁部539を備えない平板状の形状に形成されているため、遊技者が受止誘導部材535を左右斜め前方から見た場合でも、受止誘導部材535上を転動する遊技球の挙動を明瞭に視認させることができる。また、先端部分の壁部を省くことにより、先端側における左右方向の間口が広くなり、受止誘導部材535が没入位置に復帰する際に、受止誘導部材535上の載置された遊技球を受止誘導部材535の先端部分から容易に排出させることが可能になる。
また、図32に示すように、入賞装置ケーシング538の底面中央部分には、特別入賞装置532に入賞した遊技球を入賞通路531から流出させる流出口541が穿設されており、受止誘導部材535の後方における一対の壁部539の間には、受止誘導部材535の位置に拘らず常に流出口541と連通する開口部542が形成されている。このため、受止誘導部材535が突出位置のときは勿論、遊技球が入賞通路531から流出される前に受止誘導部材535が没入位置となった場合にも、その後、開口部542及び流出口541を通して遊技球を流出させることが可能になる。特に、開口部542の後方における一対の壁部539間には、入賞した遊技球を流出口541に誘導する可動誘導壁543が設けられ、可動誘導壁543は、受止誘導部材535が突出位置の時に流出口541の後方近傍に位置するように構成されている。このため、特別図柄始動口82に入賞した遊技球が可動誘導壁543よりも後方に入り込むことを防止し、流出口541に向って自然に落下させることが可能になる。また、可動誘導壁543は一対の壁部539間に横設されているため、一対の壁部539を平行に支持するとともに、壁部539の変形を抑制することができる。
また、図30に示すように、入賞装置ケーシング538は、不透明の前側ケース部545と、光透過性部材からなる後側ケース部546とに分割されており、前側ケース部545の前面に形成されたフランジ部547が遊技盤5の盤面に固定されるようになっている。つまり、フランジ部547には、三つの取付孔557が穿設されており、ネジ等(図示しない)を取付孔557に挿通させて遊技盤5に螺着させることにより、遊技盤5の盤面に取付けられる。後側ケース部546の内部には、一対の壁部539の摺動を前後方向に規制するガイド部が壁部539を挟むように形成されており、受止誘導部材535を滑らかに摺動させることを可能にしている。
また、図31及び図32に示すように、後側ケース部546の内部には、伝達機構540によって動力を伝達し、受止誘導部材535の駆動源として機能するソレノイド548が収容されている。ソレノイド548は、プランジャー549の先端が遊技者側を向くように配設されている。プランジャー549と壁部539との間には、アーム部材551が設けられており、プランジャー549の往復直線運動が反転して壁部539に伝達されるようになっている。
また、図30に示すように、特別図柄始動口82の上方には、遊技盤5の盤面よりも遊技者側に突出して形成された制動ゲート部材554が設けられている。この制動ゲート部材554は、遊技領域37を流下する遊技球を制動させながら通過させるものであり、内径が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように設定されている。これによれば、制動ゲート部材554を通過し勢いを抑えられた遊技球が受止誘導部材535の上面に載せられるため、遊技球を受止誘導部材535上に落ち着かせることが可能となる。したがって、受止誘導部材535上に落下した遊技球を特別図柄始動口82に向って確実に誘導することが可能となる。また、受止誘導部材535が受ける衝撃も弱くなり、受止誘導部材535の変形や破損を防止することが可能になる。
また、制動ゲート部材554の左右両側には、一対の進入防止部材558が斜め下方に延出されている。進入防止部材558は、制動ゲート部材554の外側を通過する遊技球が、受止誘導部材535に向って転動することを阻止するものであり、これによれば、制動ゲート部材554を通過した遊技球のみを受止誘導部材535に載せることが可能になるとともに、受止誘導部材535で受け止められた遊技球が、制動ゲート部材554を通過しない他の遊技球、すなわち勢いの強い遊技球によって弾き出されることを防止できる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図36に基づき説明する。
図36は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主制御基板131のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主制御基板131のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、普通図柄表示、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、第一始動口センサ317、入賞センサ503、第二始動口センサ318、カウントセンサ319、入賞口センサ330、V入賞センサ331、及び排出センサ313等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、特別図柄表示器332、普通図柄表示器333、普通役物駆動機構334、大入賞口開閉機構335、振分装置駆動機構336、及びアタッカ駆動機構339等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU351、読み出し専用メモリとしてのROM352、読み書き可能メモリとしてのRAM353を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
ここで、主基板310の入力ポートに接続された第一始動口センサ317は、普通図柄始動口96に遊技球が入球したことを検出する入球状態検出手段であり、入賞センサ503は普通入賞口500に遊技球が入賞したことを検出する入賞状態検出手段であり、第二始動口センサ318は特別図柄始動口82に遊技球が入賞したことを検出する入賞状態検出手段である。また、カウントセンサ319は、下部側大入賞口83に入球した遊技球の数を計数するものであり、入賞口センサ330は、大入賞口141に遊技球が入賞したことを検出するものであり、V入賞センサ331は、回転体297の特定領域343に入賞したことを検出するものであり、排出センサ313は回転体297の普通領域344に入球したことを検出するものである。一方、主基板310の出力ポートに接続された特別図柄表示器332はLED86から構成され、普通図柄表示器333はLED84及びLED85から構成されている。また、普通役物駆動機構334は普通電動役物81を動作させるものであり、大入賞口開閉機構335は可動片142を開放動作させるものであり、振分装置駆動機構336は遊技球搬入装置380の搬入片341を揺動させるものである。アタッカ駆動機構339は下部側大入賞口83を開閉させるものである。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板355のほかに例えば複数の電飾制御基板356,357、及び波形制御基板358等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板355との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板355へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板355もまた、CPU370をはじめROM371やRAM372等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板355とその他の電飾制御基板356,357、及び波形制御基板358との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板356には主に保留球ランプ111と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ394とが接続されており、サブ統合基板355から電飾制御基板356に対して保留球ランプ111や装飾ランプ394の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板356が各ランプ111,394を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板357には演出表示装置115とともに演出ランプ395が接続されている。例えばサブ統合基板355から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板357に送信されると、これを受けて電飾制御基板357は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。
波形制御基板358は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板355から音響出力コマンドが波形制御基板358に送信されると、これを受けて波形制御基板358は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板358には超音波送受信装置396が接続されており、この超音波送受信装置396は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置396を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板356,357、及び波形制御基板358にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU374,377,390、読み出し専用メモリとしてのROM375,378,391、及び読み書き可能メモリとしてのRAM376,379,392を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[普通図柄始動入賞処理について] 図37に基づき説明する。
図37は普通図柄の始動入賞処理のルーチンを示している。
この普通図柄始動入賞処理では、遊技中に普通図柄始動口96に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS1)。具体的には、上記の普通図柄始動口96に対応する第一始動口センサ317から検出信号が入力されると、普通図柄始動口96への始動入賞有りと判断され、一方、検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS1においてYES)、次に始動保留数が最大の「4」より少ないか否かが判断される(ステップS2)。このとき既に始動保留数が「4」に達していれば(NO)、そのまま普通図柄始動入賞処理を終える。一方、始動保留数が「4」より少なければ(YES)、次に保留格納処理が行われる(ステップS3)。この保留格納処理では、例えばRAM316内に確保されている保留数カウンタに「1」が加算され、合わせて保留球ランプ(LED)85の点灯個数が1つ増加される。
また、保留格納処理では、合わせて乱数値の取得が行われる。このとき取得される乱数値には、例えば普通当り判別用乱数、普通図柄用乱数、可変変動用乱数(普通図柄用の可変変動カウンタ)、及び演出表示パターン乱数等が含まれている。このうち普通当り判定用乱数は、普通当りであるか否かを決定するための乱数である。次の普通図柄用乱数は、普通当り判定用乱数によって普通当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、普通図柄表示器333によって停止表示される表示パターン(三つのLED84における点灯状態の組合わせパターン)を特定するための乱数である。そして可変変動用乱数(普通図柄用の可変変動カウンタ)は、普通図柄表示器333による普通図柄の変動時間を可変させるための乱数である。また、演出表示パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出表示の変動表示パターンを特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらが例えばRAM316に格納されると、保留格納処理を終えて本ルーチンがリターンされる。
[遊技作動処理について] 図38に基づき説明する。
図38は普通図柄始動入賞に伴う遊技作動処理のルーチンを示している。
この遊技作動処理では、最初に普通図柄の始動保留が有るか否かが判断される(ステップS101)。具体的には、保留数カウンタの数値が0でない場合、始動保留が有ると判断され(YES)、次に普通図柄表示器333における普通図柄(点灯状態)が未変動状態か否かが判断される(ステップS102)。このとき普通図柄表示器333にて未だ変動表示が開始されていなければ(YES)、次に保留シフト処理が実行される(ステップS103)。
保留シフト処理では、保留数カウンタの値が「1」だけ減算されるとともに、RAM316の保留格納領域に記憶されている各乱数値の内容をシフトする処理が行われる。そして、これに続いて普通当り判定処理が実行され(ステップS104)、普通当り判別用乱数に基づいて普通当りであるか否かが決定される。
その後、普通図柄変動設定処理が実行され(ステップS105)、ここでは普通図柄の変動時間の設定や、変動停止時の表示パターンが設定される。つまり、抽選の結果と、普通図柄用乱数及び可変変動用乱数とに基づいて、変動時間及び表示パターンが設定され、主制御基板131からサブ統合基板355に対して制御情報コマンドの生成・送信が行われる。サブ統合基板355は、受信した制御情報コマンドに基づいて主制御基板131の制御情報(始動入賞・保留の有無、普通図柄の変動・停止画像情報、当り判定結果、及び演出画像の変動パターン等)を解釈し、所定の演出動作を制御する。
その後、抽選の結果が当りである場合には(ステップS106においてYES)、普通当り処理を実行する(ステップS107)。ここでは、普通電動役物81を動作させることにより特別図柄始動口82を開放し、遊技球の入賞が容易となるように制御する。具体的には、ソレノイド548を制御し、受止誘導部材535を没入位置から突出位置に変位させ、特別図柄始動口82に対して遊技球の入賞を可能にする。なお、普通当りには、有利性の低い「第一当り」と、「第一当り」よりも有利性の高い「第二当り」とが含まれており、受止誘導部材535を突出位置に変位させた後、没入位置に復帰させるまでの時間、すなわち受止誘導部材535を突出位置に維持させる時間が、互いに異なるように設定されている。ここで、「第二当り」での設定時間は、少なくとも一つの遊技球が特別図柄始動口82に入賞するのに要する時間よりも長いに時間(例えば5.7秒)に設定されている。このため、「第二当り」となった場合には、容易に遊技球を入賞させることが可能となる。
一方、「第一当り」での設定時間は、受止誘導部材535上の遊技球が特別図柄始動口82に到達するのに要する時間よりも短い時間(例えば0.06秒)に設定されている。このため、受止誘導部材535が突出位置に変位したのと同時に遊技球が受け止められたときでも、その遊技球を入賞させることができなくなる。すなわち、「第一当り」を頻繁に発生させるようにしても、特別図柄始動口82へ入賞する遊技球の割合は増加しない。換言すれば、遊技球の払出しを増加させたり大当り抽選の頻度を増加させたりすることなく、普通抽選における当りを増加させるとともに、受止誘導部材535の頻繁な動作によって入賞への期待感を大幅に高めることが可能になる。
なお、遊技作動処理において、保留数カウンタの数値が0であり、普通図柄の始動保留がないと判断された場合(ステップS101においてNO)、または、普通図柄が変動中の場合(ステップS102においてNO)には、保留シフト処理を実行することなく、遊技作動処理を終える。また、抽選の結果が外れである場合には(ステップS106においてNO)、普通当り処理を実行することなく、遊技作動処理を終える。
[特別図柄始動入賞処理について] 図39に基づき説明する。
図39は特別図柄の始動入賞処理のルーチンを示している。
この特別図柄始動入賞処理では、遊技中に特別図柄始動口82に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS201)。具体的には、上記の特別図柄始動口82に対応する第二始動口センサ318から検出信号が入力されると、特別図柄始動口82への始動入賞有りと判断され、一方、検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
次に特別図柄表示器332における特別図柄(点灯状態)が未変動状態か否かが判断される(ステップS202)。このとき特別図柄表示器332にて未だ変動表示が開始されていなければ(YES)、次に大当り判定処理が実行される(ステップS203)。具体的には、まず大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数(可変変動カウンタ)、及び演出表示パターン乱数等の乱数が取得される。このうち大当り判定用乱数は、大当りであるか否かを決定するための乱数である。次の大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、特別図柄表示器332によって停止表示される表示パターンを特定するための乱数である。そして可変変動用乱数(可変変動カウンタ)は、特別図柄表示器332による図柄の変動時間を可変させるための乱数である。また、演出表示パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出表示の変動表示パターンを特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらの乱数が例えばRAM316に格納されるとともに、大当り判別用乱数に基づいて大当りであるか否かが判定される。なお、特別図柄表示器332が変動中であると判定された場合には(ステップS202においてNO)、大当り判定処理を実行することなく、特別図柄始動入賞処理を終える。
続いて、特別図柄変動設定処理が実行され(ステップS204)、ここでは特別図柄の変動時間の設定や、変動停止時の表示パターンが設定される。つまり、抽選の結果と、特別図柄用乱数及び可変変動用乱数とに基づいて、変動時間及び表示パターンが設定され、主制御基板131からサブ統合基板355に対して制御情報コマンドの生成・送信が行われる。サブ統合基板355は、受信した制御情報コマンドに基づいて主制御基板131の制御情報(始動入賞・特別図柄の変動・停止画像情報、大当り判定結果、及び演出画像の変動パターン等)を解釈し、所定の演出動作を制御する。
その後、抽選の結果が大当りである場合には(ステップS205においてYES)、大当り処理を実行する(ステップS206)。なお、大当り処理の詳細については後述する。一方、抽選の結果が大当りでない場合(詳しくは小価値当りである場合)には(ステップS205においてNO)、大入賞口開放処理を実行する(ステップS207)。ここでは、可動片142を一定時間(例えば1.68秒間)開放位置(傾斜位置)とし、大入賞口141に対して遊技球を入賞させることを可能にする。つまり、案内通路340を通して回転式振分装置294に遊技球を誘導させることを可能にする。
[役物V入賞処理について] 図40に基づき説明する。
図40は役物V入賞処理のルーチンを示している。
この役物V入賞処理では、回転式振分装置294における回転体297の特定領域343に遊技球が入球したか否かが判断される(ステップS301)。具体的には、上記の特定領域343に対応するV入賞センサ331から検出信号が入力されると、特定領域343への入球有りと判断され、一方、検出信号の入力がなく、排出センサ131によって遊技球が検出されれば、特定領域343への入球は無いものと判断される。
そして、特定領域343に入球したものと判断された場合には(ステップS301においてYES)、ステップS206と同様の大当り処理を実行する(ステップS302)。
[大当り処理について] 図41に基づき説明する。
図41は大当り処理の内容を示している。
内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行されると、先ず所定のラウンドカウンタが初期化される(ステップS401)。このラウンドカウンタは例えばRAM316内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ(ステップS402)、続いて下部側大入賞口83(アタッカ装置98)が開放される(ステップS403)。そして、次のステップS404では下部側大入賞口83の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS405)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、下部側大入賞口83に対応するカウントセンサ319の検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS406)。下部側大入賞口83への入賞によりカウントセンサ319がONになると(YES)、次のステップS407で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS404の判断が行われる。あるいは、ステップS406で下部側大入賞口83への入賞がなく、カウントセンサ319がONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS404の判断が行われる。
大当りの場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS404またはステップS405の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために下部側大入賞口83が閉止(ステップS408)される。そして、次のステップS409でラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(例えば15ラウンド)に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ(ステップS409においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS410)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS402)。
上記の処理は大当り中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると(ステップS409においてYES)、大当り処理は終了となる。
[演出表示装置における演出表示の詳細について] 図42〜図45に基づき説明する。
図42は、サブ統合基板355における制御処理、及び電飾制御基板357における制御処理の内容を示している。また、図43〜図45は演出表示制御における機能的な構成を示している。
ところで、これまで説明してきた処理は、純粋に主制御基板131による遊技動作の制御に関するものであるが、サブ統合基板355は主制御基板131から制御情報コマンドを受け取ると、これに基づいて各種の演出処理を実行することができるようになっている。
詳細に説明すると、前述したように主制御基板131では、保留格納処理(S3)において、普通当り判別用乱数、普通図柄用乱数、可変変動用乱数、及び演出表示パターン乱数等が取得され、これらの乱数を基に、普通当りの有無に関する情報(当否コマンド)、及び演出表示パターンの種類に関する情報、すなわち普通図柄の変動時間に関する情報(変動表示パターンコマンド)が、変動開始コマンドとして設定され、主制御基板131からサブ統合基板336に送信される。また、主制御基板131では、大当り判定処理(S203)において、大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数、及び演出表示パターン乱数等が取得され、これらの乱数を基に、大当りの有無に関する情報、及び演出表示パターンの種類に関する情報、すなわち特別図柄の変動時間に関する情報が、変動開始コマンドとして設定され、サブ統合基板336に送信される。
すなわち、図43に示すように、主制御基板131には、通常時普通当り判定用テーブル411、特殊モード時普通当り判定用テーブル412、普通図柄用テーブル413、当り時変動時間可変用テーブル414、及び外れ時変動時間可変用テーブル415が予め記憶されており、これらのテーブル411〜415を基に、普通抽選の当否、普通図柄表示器333における停止図柄、及び変動時間が決定される。詳しく説明すると、通常時普通当り判定用テーブル411及び特殊モード時普通当り判定用テーブル412は、普通当り判定用乱数値と普通当りの当否との関係を示すものである。ここで、通常時普通当り判定用テーブル411は、通常の遊技状態の際に用いられ、特殊モード時普通当り判定用テーブル412は、大当り後に発生する「チャレンジモード」や「爆走モード」等の特殊モード時に用いられるテーブルである。なお、特殊モード時普通当り判定用テーブル412では、通常時普通当り判定用テーブル411よりも普通当りとなる確率が高くなるように振分けがなされている。
普通図柄用テーブル413は、普通図柄用乱数値と普通図柄表示器333における停止図柄との関係を示すものであり、普通図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と三つのLED84の点灯状態との対応付けがなされている。また、当り時変動時間可変用テーブル414及び外れ時変動時間可変用テーブル415は、可変変動用乱数値と普通図柄表示器333における普通図柄の変動時間との関係を示すものであり、例えば6通りに振分けられている。なお、当り時変動時間可変用テーブル414及び外れ時変動時間可変用テーブル415では、当り時における変動時間が、外れ時における変動時間よりも長くなるように設定されている。換言すれば、変動時間が長いほど、普通当りとなる期待値が高くなっている。
また、主制御基板131には、第一始動口センサ317によって普通図柄始動口96への入球が検出されたとき、ランダムカウンタ(図示しない)から、普通当り判定用乱数を抽出する普通当り判定用乱数抽出手段416と、普通図柄用乱数を抽出する普通図柄用乱数抽出手段417とが設けられている。また、判定用乱数及び普通図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する変動時間用乱数抽出手段418が設けられている。また、普通当り判定用乱数抽出手段416によって普通当り判定用乱数が抽出されると、通常時普通当り判定用テーブル411または特殊モード時普通当り判定用テーブル412を用いて普通当りの当否を決定する当否決定手段419、及び普通図柄用乱数抽出手段417によって普通図柄用乱数が抽出されると、普通図柄用テーブル413を用いて普通図柄表示器333における停止図柄を決定する停止図柄決定手段430が設けられている。さらに、変動時間用乱数抽出手段418によって変動時間用乱数が抽出され、且つ当否決定手段419によって普通当りであることが決定されると、当り時変動時間可変用テーブル414を用いて普通図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ当否決定手段419によって外れであることが決定されると、外れ時変動時間可変用テーブル415を用いて普通図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段431が設けられている。
また、主制御基板131には、普通図柄表示器333において普通図柄の変動を開始するとともに、変動時間用乱数抽出手段418によって決定された変動時間の経過後、停止図柄決定手段430によって決定された停止図柄で変動停止させる普通図柄変動制御手段433と、当否決定手段419によって普通当りであることが決定されると、普通図柄の変動停止後、ソレノイド548を制御し、受止誘導部材535を没入位置から突出位置に変位させることにより特別図柄始動口82に対して遊技球の入賞を可能とする入賞制御手段432と、普通図柄の変動開始前に、当否決定手段419によって決定された普通当りの有無に関する当否コマンド、及び普通図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段438と、一定球数(4回)を上限として始動記憶数をカウントするとともに、普通図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰り返し行わせる保留・消化手段434とが設けられている。
また、図44に示すように、主制御基板131には、大当り判定用テーブル451、大当り図柄用テーブル452、当り時変動時間可変用テーブル453、及び外れ時変動時間可変用テーブル454が予め記憶されており、これらのテーブル451〜454を基に、抽選の当否、特別図柄表示器332における停止図柄、及び変動時間が決定される。詳しく説明すると、大当り判定用テーブル451は、大当り判定用乱数値と大当りの当否との関係を示すものである。また、大当り図柄用テーブル452は、大当り図柄用乱数値と特別図柄表示器332における停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と四つのLED86の点灯状態との対応付けがなされている。当り時変動時間可変用テーブル453及び外れ時変動時間可変用テーブル454は、可変変動用乱数値と特別図柄表示器332における特別図柄の変動時間との関係を示すものである。なお、当り時変動時間可変用テーブル453及び外れ時変動時間可変用テーブル454では、大当り時における変動時間が、外れ時(正確には小価値当り時)における変動時間よりも長くなるように設定されている。
また、主制御基板131には、第二始動口センサ318によって特別図柄始動口82への入賞が検出されたとき、ランダムカウンタ(図示しない)から、大当り判定用乱数を抽出する大当り判定用乱数抽出手段456と、大当り図柄用乱数を抽出する大当り図柄用乱数抽出手段457とが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する変動時間用乱数抽出手段458が設けられている。また、大当り判定用乱数抽出手段456によって大当り判定用乱数が抽出されると、大当り判定用テーブル451を用いて大当りか小価値当りかを決定する当否決定手段470、及び大当り図柄用乱数抽出手段457によって大当り図柄用乱数が抽出されると、大当り図柄用テーブル452を用いて特別図柄表示器332における停止図柄を決定する停止図柄決定手段471が設けられている。さらに、変動時間用乱数抽出手段458によって変動時間用乱数が抽出され、且つ当否決定手段470によって大当りであることが決定されると、当り時変動時間可変用テーブル453を用いて特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ当否決定手段470によって小価値当りであることが決定されると、外れ時変動時間可変用テーブル454を用いて特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段472が設けられている。
また、主制御基板131には、特別図柄表示器332において特別図柄の変動を開始するとともに、変動時間決定手段472によって決定された変動時間の経過後、停止図柄決定手段471によって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段473と、当否決定手段470によって大当りであることが決定されると、特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な遊技状態(すなわち図49の大当り処理)を発生させる第一有利遊技状態発生手段475とが設けられている。なお、コマンド発信手段438は、特別図柄の変動開始前に、当否決定手段470によって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドも発信する。
さらに、主制御基板131には、当否決定手段470によって小価値当りであることが決定されると、特別図柄の変動停止後、大入賞口開閉機構335を制御して可動片142を動作させ、大入賞口141を一定時間開放させる大入賞口制御手段474が設けられている。
なお、可動片142の開放動作によって大入賞口141に入賞した遊技球は、案内通路340を通って回転式振分装置294に誘導され、特定領域343または普通領域344の何れかに振り分けられる。そして、特定領域343に入球した場合には、主基板310に接続されたV入賞センサ331によって検出される。主制御基板131では、第二有利遊技状態発生手段478が備えられており、V入賞センサ331によって遊技球が特定領域343に入球したことが検出されると、第二有利遊技状態を発生させる。第二有利遊技状態としては、第一有利遊技状態と異なる遊技状態、すなわち有利性の異なる遊技状態であってもよいが、本例では、第一有利遊技状態と同一の遊技状態、すなわち、大当り遊技状態が発生するようになっている。このように、当否決定手段470による抽選の結果が小価値当りであっても、大入賞口141に遊技球が入賞した場合には、大当りが発生する可能性が生じることから、遊技者は、案内通路340によって遊技球が誘導されることを強く願うようになり、遊技球の挙動に対する興味が大きくなる。
また、主制御基板131には、遊技状態判定手段476が設けられており、これにより、特定の遊技状態か否かを判定されるようになっている。
一方、サブ統合基板355では、図42に示すように、主制御基板131から普通図柄の変動開始コマンドを受け取ると(ステップS501においてYES)、受け取ったこれらの変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における普通図柄の変動態様を設定する(ステップS502)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、当否コマンドに基づいて装飾図柄列における最終停止図柄を決定する。また、サブ統合基板355は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、乱数を取得するとともに、取得された乱数に応じて当り予告の演出態様を付加する。さらに、サブ統合基板355では、決定されたこれらの変動態様を、電飾制御基板356,357及び波形制御基板358に対する変動開始コマンドとして設定する(ステップS503)。具体的には、変動表示パターンコマンド、最終停止図柄コマンド、及び演出パターンコマンド等を設定する。そして、設定されたこれらの変動開始コマンドを、各制御基板356,357,358に送信する(ステップS504)。これにより、これらの制御基板356,357,358では、抽選結果に応じた演出表示を行なったり、その演出表示に合せて音声等を発生させることが可能になる。
特に、電飾制御基板358では、サブ統合基板355から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS601においてYES)、その変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定(ステップS602)し、その後、演出表示装置115を制御する(ステップS603)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、最終停止図柄コマンドに基づいて、装飾図柄列の最終停止図柄を設定する。また、演出パターンコマンドに対応した演出を決定するとともに、より具体的な演出態様を付加する。つまり、電飾制御基板357は、乱数発生手段(ランダムカウンタ)を有しており、演出表示装置115における夫々の変動パターンに対して、より具体的な演出態様を付加することを可能にしている。このように、本例では、変動パターンの選択処理が、主制御基板131、サブ統合基板355、及び電飾制御基板357において分担されており、これにより、主制御基板131及びサブ統合基板355における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンの複雑化、ひいては演出の興趣を向上させている。
なお、図42に示すフローチャートでは、サブ統合基板355及び電飾制御基板357におけるコマンド受信処理のうち、特に演出の制御に関する変動開始コマンドの受信処理のみを説明している。すなわち、ここでは、電源投入時のコマンドや異常時のコマンドに対する処理は省略している。
ところで、本例の演出表示装置115に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄、及び装飾図柄の変動中に複数の画像を予め定めた順序に従って段階的に発展表示させることが可能なステップ演出等が含まれている。以下、装飾図柄、及びステップ演出について詳細に説明する。
(装飾図柄について)
本例では、普通図柄に対応する装飾図柄として、例えば、左・中・右の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って上から下へと変動表示されるようになっており、左装飾図柄列→右装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に三つの装飾図柄が普通当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば普通当りとして「特別図柄始動口82に入賞させるように操作すること」、具体的には、「左に入れろ」が表示されるようになっている。特に、三つの装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄列(中装飾図柄列)が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している二つの装飾図柄(左装飾図柄及び右装飾図柄)が互いに同じ図柄である場合には、これらの装飾図柄をリーチ形成図柄として、リーチ状態が成立する。
なお、本例では、演出表示装置115における装飾図柄列の変動は、装飾図柄変動制御手段515(図45参照)によって制御され、変動開始時期を、普通図柄の変動開始後とし、装飾図柄列の変動停止を普通図柄の変動停止前としている。これにより、普通図柄の変動表示の開始時と停止時には、演出表示装置115での演出表示を行わないことで、普通図柄の変動表示に対して演出表示装置115での紛らわしい表示を行うことを防止するとともに、演出表示装置115の演出中に普通当りか否かを認識させること、すなわち演出の効果を損なうことを防止している。
(ステップ演出)
ステップ演出では、最初のステップから最後のステップまでの間が時系列的に分割されており、各ステップに対して互いに異なる画像(動画)が定められている。そして、段階的に発展表示されるステップの数が互いに異なるように複数の演出パターンが設定されている。つまり、ステップの数が互いに異なる複数の演出パターンがステップ演出として演出パターン記憶手段494(図45参照)に記憶されており、例えばステップの数が一つの演出パターンが選択された場合には、第一ステップにおける画像のみが表示され、ステップの数が四つの演出パターンが選択された場合には、第一ステップ〜第四ステップにおける画像を段階的に発展表示させることが可能となる。また、このステップ演出は、普通当りの予告表示として、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始から、それらがリーチ状態となるまでの間の所定期間内において導出可能なものであり、段階的に発展表示されるステップの数が多いほど、普通当りの信頼度が高くなるように出現率が振り分けられている。なお、普通当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、選択率が低い演出ほど普通当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。
次に、上記演出の演出表示制御における機能的な構成、すなわち演出プログラムとして実現される機能的な構成ついて説明する。図45に示すように、電飾制御基板357には、主制御基板131からサブ統合基板355を介して送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段491によって受信されると、これを基に演出表示装置115を制御するための各種機能が備えられている。
すなわち、当り時演出態様テーブル492と、外れ時演出態様テーブル493とが予め記憶されており、これらのテーブル492,493を基に、ステップ演出における演出態様が決定されるようになっている。
当り時演出態様テーブル492は、普通当りの場合に用いられ、演出決定用乱数(後述する)と、演出態様(ここではステップ演出における演出パターン)との関係を示すものである。また、外れ時演出態様テーブル493は、外れの場合に用いられるテーブルであり、演出決定用乱数と演出パターンとの関係を示すものである。
電飾制御基板357には、ランダムカウンタ(図示しない)からステップ演出決定用乱数を抽出する演出用乱数抽出手段495と、ステップ演出の演出パターンを決定する演出態様決定手段496とが設けられている。演出態様決定手段496は、コマンド受信手段491を介して制御コマンドを受信すると、演出用乱数抽出手段495によって演出用乱数を抽出するとともに、制御コマンドに含まれる当否コマンドが普通当りを示すものである場合には、演出用乱数抽出手段495によって抽出された演出用乱数と、当り時演出態様テーブル492とから演出パターンを決定し、一方、当否コマンドが外れを示すものである場合には、演出用乱数抽出手段495によって抽出された演出用乱数と、外れ時演出態様テーブル493とから演出パターンを決定するものである。
そして、演出態様決定手段496によって決定されたステップ演出の演出パターンは、演出パターン記憶手段494から抽出されるとともに、演出表示制御手段443に送られる。演出表示制御手段443は、それらの演出の画像を演出パターン記憶手段494から読出し演出表示装置115に導出する。
一方、装飾図柄列の演出に関する機能的な構成として、装飾図柄変動制御手段515、及びリーチ状態成立手段518が設けられている。装飾図柄変動制御手段515は、コマンド受信手段491によって受信された制御コマンドを基に三つの装飾図柄列を変動させるとともに、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄列を順に停止させるものである。
リーチ状態成立手段516は、複数の装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄列が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している装飾図柄(停止図柄)の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する場合、既に停止している装飾図柄を第一リーチ形成図柄として、リーチ状態を成立させるものである。なお、リーチ状態が成立した場合には、リーチ状態であることを示す演出が表示されるとともに、発展演出の導出が可能となる。
このように、本例のパチンコ機1によれば、仕切板40によって開口部124の下部が仕切られており、遊技領域37を流下する遊技球が開口部124を通過してステージ20へと進入することが防止されているため、開口部124から進入した遊技球がステージ20上を転動する他の遊技球に接触して遊技球の軌道を変化させ、振分過程に影響することで遊技者が不快感を覚える虞を抑制することができる。加えて、ワープ流入口63以外からステージ20に遊技球が流入することがなくなることから、ステージ20を経由した遊技球の入賞率のばらつきを低下させることができる。すなわち、開口部124から遊技球が流入すると、遊技球がステージ20に流入する割合が高まる上、ステージ20に流入するルートが増加するため、ステージ20を経由した遊技球の入賞確率を遊技店が制御することが困難となりやすく、遊技店の収益の不安定化をもたらすが、本例のパチンコ機1によれば、開口部124からの遊技球のステージへの進入を防ぐため、こうした問題の発生を抑制することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、仕切板40がステージ20の遊技者側に立設され、センター役物ユニット91の開口部124の下部を塞ぎ、遊技球の流出を防止するため、ステージ20に流入した遊技球はステージ20からごく短時間に流出してしまうことがなく、ステージ20上で遊技球が転動する様子を遊技者にしっかり見せることができる。
また、開口部124からの流出を仕切板40が防ぐため、ステージ20に流入した遊技球は必ず特定出口24または普通出口25から流出するようになり、所定の割合で遊技球が特定出口24に入球して特定流出路26を流下するようになる。従って、普通図柄始動口96に入球する確率のばらつきが小さくなる。ステージ20に流入した遊技球が、開口部124から逸脱することが無くなるため、遊技者にとって不本意な事態が減少し、遊技者を遊技機に不信感を抱かせることなく安心して遊技を楽しませることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、仕切板40は板状の部材であるため、故障や破損の虞がほとんどなく、仕切板40をステージ20の遊技者側に立設しても遊技店の負担とはならない。遊技者にとっても、仕切板40が原因となる故障で遊技が中断したり、偶発的な事故が発生することがないので安心して遊技に取り組むことができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、仕切板40は、開口部124の下部に立設されて開口部124の前縁下端部において壁として機能するが、透光性のある素材で形成されているので、奥方に位置するステージ20や演出表示装置115の視認性を損なうことがない。換言すれば、仕切板40が視界の邪魔となって、遊技に支障が出ることがないため、遊技者が不満を感じる虞を小さくすることができる。
また、仕切板40の上方は開いているので、センター役物ユニット91の内部の清掃や調整等のメンテナンスを行うときに仕切板40を取り外す必要がなく、円滑にメンテナンス作業を行うことができる。仕切板40は略長円形の部材であるため、上方に角など突出した部分がなく、メンテナンス作業者が怪我をしたり仕切板40を破損させる事故の発生を抑制できる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、仕切板40は透光性のある素材で形成されており、透過する光に変化を与えることによってステージ20周辺の視覚的な演出効果を高めることができる。本例においては、仕切板40は流出部62付近において一部の領域が厚みにおいて薄くなっており、流出部62に遊技者の注意を向けさせる効果を挙げることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、ステージ20に複合転動振分装置21を配設したものを示したが、その他の振分装置を配設してもよい。例えば、モータによって駆動される回転式振分装置を配設してもよい。
また、上記実施形態では、ステージ20が透光性のある素材で形成されており、ステージ20の下方にステージ下電飾100を配設したものを示したが、ステージ20は不透明な素材で形成されていてもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。 パチンコ機の前側全体を示す正面図である。 遊技領域を示す拡大正面図である。 パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。 パチンコ機の後側全体を示す背面図である。 パチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。 図6に示すパチンコ機の斜視図から後ろカバー及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図である。 本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。 各種の制御基板ボックスが装着された遊技盤を右下後方から示す斜視図である。 遊技領域を右上前方から示す斜視図である。 表示装置枠を示す正面図である。 表示装置枠の前側ユニットと後側ユニットとを分離した状態を右上前方から示す斜視図である。 前側ユニットにおける各構成を分離した状態を右上前方から示す分解斜視図である。 前側ユニットを左上前方から示す斜視図である。 前側ユニットを右上後方から示す斜視図である。 後側ユニットにおける各構成を分離した状態を右上前方から示す分解斜視図である。 可動片の開閉機構を示す説明図である。 開閉部材駆動機構の各構成を分離した状態を左上後方から示す分解斜視図である。 複合転動振分装置を示す平面図、及び複合転動振分装置のA−A断面を示す断面図である。 複合転動振分装置における遊技球の転動過程を示す説明図である。 ステージ下電飾の構成を示す説明図である。 回転式振分装置を左上前方から示す斜視図である。 回転式振分装置を示す正面図である。 回転式振分装置から回転体及び搬入片を除去した状態を示す説明図である。 回転式振分装置の各構成を分離した状態を左上前方から示す分解斜視図である。 回転式振分装置の各構成を分離した状態を左上後方から示す分解斜視図である。 回転式振分装置の内部構成を示す説明図である。 特別始動口ユニットを示す正面図である。 特別始動口ユニットを右上前方から示す斜視図である。 特別始動口ユニットの各構成を分離した状態を左上後方から示す分解斜視図である。 特別始動口ユニットを縦方向に切断した切断斜視図である。 入賞口ユニットを示す正面図である。 入賞口ユニットを右上前方から示す斜視図である。 図33におけるB−B断面を示す断面図である。 制御構成を概略的に示すブロック図である。 普通図柄始動入賞処理のルーチンを示すフローチャートである。 遊技動作処理のルーチンを示すフローチャートである。 特別図柄始動入賞処理のルーチンを示すフローチャートである。 役物V入賞処理のルーチンを示すフローチャートである。 大当り処理のルーチンを示すフローチャートである。 サブ統合基板における制御処理の内容、及び電飾制御基板における制御処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄の演出表示制御に関する機能的な構成を示すブロック図である。 特別図柄の演出表示制御に関する機能的な構成を示すブロック図である。 電飾制御基板における演出表示制御に関する機能的な構成を示すブロック図である。
符号の説明
B 遊技球
1 パチンコ遊技機(遊技機)
5 遊技盤
20 ステージ
21 複合転動振分装置(旋回面)
22 第一転動領域(外側転動領域)
23 第二転動領域(内側転動領域)
24 特定出口(排出口)
25 普通出口(排出口)
26 特定流出路
27 普通流出路
28 段差部
37 遊技領域
40 仕切板(仕切部材)
45 進入路(案内通路)
60 ワープ通路(案内通路)
62 流出部(流出口)
63 ワープ流入口(球取込口)
91 センター役物ユニット(表示装置枠)
96 普通図柄始動口(始動口)
115 演出表示装置
124 開口部

Claims (1)

  1. 遊技領域内に設けられた演出表示装置の周囲を額縁状に囲む表示装置枠を備えた遊技機において、
    前記表示装置枠の上部または側面部に配設され、遊技領域を流下する遊技媒体を前記表示装置枠内へと取込む球取込口と、
    前記表示装置枠の下部に対応し、遊技媒体を規則的に旋回させる旋回面を有するステージと、
    該ステージの前方に立設され、前記表示装置枠の遊技者側からの遊技媒体の進入を防止する仕切部材と
    を具備し、
    前記旋回面は、
    前記表示装置枠内に取込まれた遊技媒体が供給されるとともに、平面視において略円環形または略長円環形であって、内縁部よりも外縁部が高くなるように上面に勾配が形成されている外側転動領域と、
    平面視において略円形または略長円形であって、上面が凹面状を呈し、前記外側転動領域の内縁部に隙間無く接し、前記外側転動領域を転動した遊技媒体が前記内縁部の全域より進入可能に形成された内側転動領域とを具備して構成され、
    前記内側転動領域には、遊技媒体を前記表示装置枠の下方の遊技領域へと排出する排出口を設けたことを特徴とする遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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