JP2008017399A - 骨伝導レシーバ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る骨伝導レシーバは、音情報を振動に変換する骨伝導スピーカ10を備え、コイルを有する補聴器とともに使用可能な骨伝導レシーバ1であって、変換された振動に応じて磁束を発生させ、当該磁発生させた束によって補聴器のコイルと磁気結合することにより、補聴器のコイルと通信する通信コイル17を備えたものである。
【選択図】 図3
Description
このような特長から、骨伝導レシーバに骨伝導スピーカを利用することが望ましい。この骨伝導レシーバは、音情報を正確に伝え、ポータビリティが優れ、健常者や一部の難聴者のような多くの利用者が良好に活用することができる。そのため、骨伝導スピーカを利用した骨伝導レシーバは、音声信号等の入出力装置に適し、健常者および難聴者に利用されつつある。
特に、この骨伝導スピーカを骨伝導レシーバに採用することにより、取付け部して機能する固定部の振動を小さく抑えることができ、骨伝導レシーバの音漏れ性能を簡素な構造によって低減することができる。さらに、この圧電セラミック材料から構成する骨伝導スピーカは、消費電力が小さく、同じ電池でより長時間活用でき、ポータビリティに富んでいる。
このような積層型柱状圧電素子を動力源とした骨伝導レシーバでは、テコの原理を利用した構造によって、その出力端には所定の変位を得ることができる。これによって、健常者や軽い難聴者等、その利用者の知覚部に音情報が確実に伝達し、気軽に活用できる。一般に、骨伝導レシーバを補聴器と併用して利用する場合には、骨伝導レシーバと補聴器とが近い位置で利用されるため、補聴器の機能を十分活用することができないことがある。そのため、補聴器の利用者は、音量を最大に設定し、周囲に気兼ねしつつ利用することになる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、健常者等の利用者と同様に補聴器の利用者も利用することができる骨伝導レシーバを提供することを目的とする。
具体的には、本発明に係る骨伝導レシーバは、補聴器機能を十分活用するための機能が付加されたものである。詳細には、骨伝導レシーバにおいて、骨伝導スピーカの周囲に、補聴器のTコイルに対応する通信コイルが設けられている。これら補聴器のTコイルと骨伝導レシーバの通信コイルが磁気結合し、補聴器のTコイルと骨伝導レシーバの通信コイルの間で音情報の送信・受信が行われる。受信した音情報は補聴器によって再生され、補聴器の出力部(スピーカ)から利用者の外耳道に音情報(空気振動)として出力する。これによって、補聴器の機能が十分活用される。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の骨伝導レシーバ1は、骨伝導スピーカ10、通話ボタン21、音量切替スイッチ22、LED23、マイク31、本体ケース2、フリップ3、接続ケーブル4を備えている。
本体ケース2は、当該骨伝導レシーバ1の骨伝導スピーカ10、通話ボタン21、音量切替えスイッチ22、LED23等を収納している。フリップ3は、マイク31を収納している。ヒンジ24は、フリップ3を本体ケース2に回動可能に軸着させている。接続ケーブル4は、専用プラグ4aを携帯電話機(図示せず)に接続することによって、この携帯電話機と骨伝導レシーバ1とを接続する。
図2に示すように、骨伝導スピーカ10は断面略コ字状の形状を有するフレーム11を中心に組み立てられている。フレーム11は、振動出力部11a、弾性部11b、フレーム固定部11cの3部分によって形成されたフレーム構造を有する。また、フレーム11は、金属の板部材をプレス加工等により、断面略コ字状に形成される。
詳細には、振動を出力するための振動出力部11aは、コ字形状のフレーム11の一辺に配置され、その質量はできる限り軽減されている。この振動出力部11aの両側端には、振動出力部11aの剛性を向上させるための立ち曲げ三角状リブが下方に向けて設けられている。平板状の弾性部11bは、振動出力部11aを支持するとともに、その下部をフレーム固定部11cによって支持されている。フレーム固定部11cは、振動出力部11aに対向したコ字形状のフレーム11の他辺に配置されている。このフレーム固定部11cの両側端には、フレーム固定部11cの剛性向上のための立ち曲げ三角状リブ11ccが下方に向けて設けられている。
積層型柱状圧電素子12の下端は与圧ねじ15の端面と当接し、与圧ねじ15はフレーム固定部11cに設けられたねじ穴に螺着されている。積層型柱状圧電素子12の下端における四側面は、位置決め板18の孔によって規制され、それとともに与圧作業後、接着剤(図示なし)によって固定されている。また、積層型柱状圧電素子12の入力線は、弾性部11bの下部を通り、骨伝導レシーバ1の本体ケース内に収納された駆動回路基板(図示せず)に結線している。
そこで、振動出力部11aの上面にはパッド16が設けられ、このパッド16は、熱伝導率が低く比重が小さく、かつ高剛性の材質から構成されている。パッド16は、位置決めのための穴とボスの嵌合により、位置決め後、高い剛性を持った状態で固定されている。
ここで、パット16に熱伝導率が低い材質を使用する理由は、冬季の早朝など振動出力部11aの金属部が冷え、顔面に直接当たったときの「冷たさ」を軽減するためである。また、比重が小さくかつ剛性が高い材質にする理由は、振動部質量の低減により振幅の増大を図り、また、高い剛性により振動出力部11a内の副次振動発生の防止を図るものである。
図3に示すように、骨伝導スピーカ10の周囲には、通信コイル17が固定され、この通信コイル17は、骨伝導スピーカ10のベース錘13に装着されている。これら通信コイル17および骨伝導スピーカ10は、本体ケース2のリブ2a,2b,2c等によって、支持部材25a,25bを介して本体ケース2に固定している。これら支持部材25a,25bは、骨伝導スピーカ10の固定部の振動を減衰させるため、粘弾性体材料からなる材料を用いて構成されている。
この通信コイル17の磁気回路においては、磁気抵抗が低いほど入力信号を小さくすることができ、消費電力が抑えることができる。また、骨伝導スピーカ10のフレーム11、ねじ14、ベース錘13を磁性材によって構成することができる。この場合には、上記した通信コイル17の磁路内に磁性材の構造部材が配設されるので、通信コイル17の磁気回路における磁気抵抗を減少することが可能となる。
利用者は、骨伝導レシーバ1の利用に際して、予め骨伝導スピーカ10と通信コイル17が同時に動作するモードに設定し、接続ケーブル4の専用プラグ4aを携帯電話機(図示せず)に接続する。この状態で、例えば、この携帯電話機が他の電話機から通話の着信した場合には、利用者は、フリップ3を開けて通話ボタン21を押す。すると、骨伝導レシーバ1に接続される携帯電話機(図示せず)から通話音声等の音情報の電気信号が接続ケーブル4を介して、骨伝導レシーバ1の本体ケース2内の回路基板に伝わる。この電気信号は、この回路基板から入力線を介して、図2に示された積層型柱状圧電素子12に交流信号として印加される。この積層型柱状圧電素子12は、この電気信号により、その長手軸方向に対して信号に対応した伸縮変動(変位)を行う。
骨伝導スピーカ10と通信コイル17が同時動作モードの状態で、図示しない携帯電話機が他の電話機等から通話の着信をした場合、上記の動作と同様に、利用者は、フリップ3を開けて通話ボタンを押す。すると、携帯電話機(図示せず)から通話音声等の電気信号が接続ケーブル4を介して、骨伝導レシーバ1の本体ケース2内の回路基板に伝わる。この電気信号は、この回路基板から入力線を介し、図2に示す積層型柱状圧電素子12に伝わる。それと同時に、回路基板(図示せず)からの電気信号は、通信コイル17にも伝わる。通信コイル17は、この電気信号が伝わると、この電気信号に対応した磁束を発生させる。この通信コイル17が発生させる磁束の磁路は、図4に示すように、" 通信コイル17の中央部→パット16→A→B→C→本体ケース2(下面)→通信コイル17中央部"のルート、または、その逆ルートにおいて閉じている。
なお、本実施形態では、補聴器50のコイルがTコイルである場合について説明したが、Tコイルに限らず、骨伝導レシーバ1の通信コイルが発生させる磁界によって励磁する誘導コイルであればよい。
4…接続ケーブル、4a…専用プラグ、10…骨伝導スピーカ、11…フレーム、
11a…振動出力部、11b…弾性部、11c…フレーム固定部、
11cc…立ち曲げ三角状リブ、
12…積層型柱状圧電素子、13…ベース錘、14…ねじ、15…与圧ねじ、
16…パット、16a…凸状当接面、17…通信コイル、17a…ボビン、
18…位置決め板、21…通話ボタン、22…音量切替スイッチ、23…LED、
24…ヒンジ、25a,25b…支持部材、31…マイク
50…補聴器、51…Tコイル、55…磁束
Claims (7)
- 音情報を振動に変換する骨伝導スピーカを備え、コイルを有する補聴器とともに使用可能な骨伝導レシーバであって、
前記変換された振動に応じて磁束を発生させ、当該磁発生させた束によって前記補聴器のコイルと磁気結合することにより、前記補聴器のコイルと通信する通信コイルを備えた骨伝導レシーバ。 - 前記通信コイルは、前記骨伝導スピーカの周囲に配設されることを特徴とする請求項1に記載の骨伝導レシーバ。
- 前記通信コイルは、前記骨伝導スピーカの周囲を囲繞することを特徴とする請求項2に記載の骨伝導レシーバ。
- 前記補聴器は、人体耳部に取付けられ、
前記通信コイルは、当該骨伝導レシーバが人体耳部に当接した状態で、前記人体耳部に取付けられた補聴器の周辺に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の骨伝導レシーバ。 - 前記骨伝導スピーカは、
前記音情報に応じて振動を発生させる振動発生手段と、
当該振動発生手段を取付けるためのフレームとを有し、
当該フレームは、磁性材料から構成され、前記通信コイルが発生させる磁束の磁路の一部を構成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の骨伝導レシーバ。 - 前記振動発生手段は、積層型柱状圧電素子であり、
前記フレームは、前記積層柱状圧電素子の長手方向の変動を増幅させる請求項5に記載の骨伝導スピーカ。 - 音情報を振動に変換する骨伝導スピーカを備え、コイルを有する補聴器が人体耳部に取付けられた状態で使用可能な骨伝導レシーバであって、
前記骨伝導スピーカの周囲に配設され、前記補聴器のコイルと通信するための通信コイルを備え、
当該通信コイルは、
当該骨伝導レシーバが前記人体耳部に当接した状態で、前記人体耳部に取付けられた補聴器のコイルの周辺に配置され、
前記変換された振動に応じて磁束を発生させ、当該発生させた磁束によって前記補聴器のコイルと磁気結合することにより、前記音情報を前記補聴器のコイルに送信する骨伝導レシーバ。
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