JP2008015871A - 認証装置、及び認証方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象物の撮影画像を用いて、登録データとの比較により認証を行うに当たって、撮影条件の変動があっても、それを考慮した有効な特徴量を簡便に選定することができ、撮影条件の変動による認証精度の低下を抑制することができる認証装置、及び認証方法。
【解決手段】対象物の各特徴部位毎に、撮影画像の撮影条件に基づき、認証の処理に用いる特徴量として有効である条件を設定し、その設定範囲で特徴量を算出する。
【選択図】図1
【解決手段】対象物の各特徴部位毎に、撮影画像の撮影条件に基づき、認証の処理に用いる特徴量として有効である条件を設定し、その設定範囲で特徴量を算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、対象物の撮影画像に基づいて、対象物の特徴を予め登録された基準となるデータと比較することにより、その同一性を認証する認証装置、及び認証方法に関する。
近年は、情報機器のネットワーク化が進展し、様々な場所で情報機器が用いられるとともに、通信網を通じて様々な場所、装置に瞬時にアクセスすることが可能になり、端末としての情報機器を操作するだけで、時間空間の障壁を越えて様々な情報が入手できるようになってきている。
このような情報環境において、情報機器としての利便性とは相反するが、そういった情報操作を許容された人物がその操作を行っているのかどうかを、より厳しく管理することが求められてきている。
例えば、情報機器に自動の個人認証装置を組み込んでおき、操作者の認証を行って、予め登録されたデータと一致しなければ、特定の操作を受け付けない、といったシステムが提唱され、そのための自動個人認証技術が開発されてきている。
従来から一般的であったユーザIDやパスワードなど、単純で、特定の個人との結びつきの緩い管理情報による管理は、それだけではセキュリティとして不十分であることから、最近は、より直接的に特定の個人と結びつけられるような管理情報を用いた認証技術が求められている。特にオフィスなどでは、その利便性から、顔を用いた個人認証技術に対する要求が高い。
しかしながら、顔などの撮影画像を用いる人物の認証は、その撮影条件の変化がその性能に大きな影響を及ぼす。それは、撮影条件がしばしば、被撮影者の識別情報を上回るほどの画像変動をもたらすからである。
認証の性能に大きく影響を及ぼす主な要因は、(1)姿勢変動、(2)照明変動、(3)表情変化である。このうち(1)と(2)は、認証に用いる対象物、すなわち顔の有する3次元形状により、画像の形状に関する情報が姿勢や照明で変化することに起因している。
そこでこれらの変動要因に対処するための認証技術が提案されてきた(例えば、特許文献1、2、及び3参照)。
姿勢変動、すなわち顔の向きの変化に対処するには、標準である正面向きに対して、横を向いているような場合、そのままで認証するか、補正して認証するかの何れかが一般的である。特許文献1では、複数台のカメラを用いて、顔の向きを推定するとともに、その顔の向きにあった登録画像を用いて認証を行う技術が提案されている。
しかしながら、この方法では、予め様々な向きの登録画像を用意しておく必要がある。また、照明変動についても、同じ趣旨で対処できるが、これも様々な照明条件の登録画像が必要であり、両方に対処しようとすれば膨大な登録データが必要となってくる。
また特許文献1では、複数台のカメラを用いて顔の向きを推定した結果、3次元情報を使用して登録画像にあわせて顔の向きを補正し、認証する技術も提案されている。
しかしながら、顔の向きによっては、補正することによって情報の欠落する部分が発生してくる。情報の欠落を防止するには、補正ではなく完全な3次元画像を得る必要があり、2次元画像での簡単な認証は無理になってしまう。
特許文献2においても顔の向きを補正する認証技術が提案されている。登録画像もしくは認証画像を同じ顔向きになるように、また照明変動(全体の輝度調節)を変化させて、画素間の距離を算出して認証する。しかしながら、これも複雑な照明変動に対しては対処できず、誤差が大きくなる。
特許文献3では、Gaborの特徴量とSVM(サポートベクターマシン)を組み合わせて認証する技術が提案されている。顔のスケールにあわせて、用いるGaborフィルタのサイズを変更するのが特徴である。
顔の特徴部位毎に、距離に応じたGaborの周波数変更が行える。しかしながら、やはり姿勢変動や照明変動に対しては認証精度を向上することはできない。
特開2002−288670号公報
特開2003−323622号公報
国際公開第2003/019475号パンフレット
上記のように、対象物の撮影画像を用いて、登録データとの比較により認証を行うに際しては、対象物が3次元形状を有するため、撮影条件により認証の精度が大きく影響される。
本発明の目的は、対象物の撮影画像を用いて、登録データとの比較により認証を行うに当たって、撮影条件の変動があっても、それを考慮した有効な特徴量を簡便に選定することができ、撮影条件の変動による認証精度の低下を抑制することができる認証装置、及び認証方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 撮影画像を取得する撮影画像取得手段と、前記撮影画像取得手段により取得された撮影画像から認証の対象物を検出する認証対象物検出手段と、前記認証対象物検出手段により検出された認証の対象物から少なくとも1つの特徴部位を検出する特徴部位検出手段と、前記特徴部位検出手段により検出された特徴部位毎の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴部位毎に対応して基準となる特徴量を登録データとして予め格納している登録データ記憶手段と、前記特徴量算出手段により算出された特徴部位毎の特徴量を、前記登録データ記憶手段から読み出した前記特徴部位毎に対応して基準となる特徴量と比較して、対象物の認証を行う認証手段と、を有する認証装置であって、前記特徴量算出手段は、前記撮影画像の撮影条件を取得する撮影条件取得手段と、前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件に基づいて、前記特徴部位毎に特徴パラメータを設定する特徴パラメータ設定手段と、を有し、前記特徴パラメータ設定手段により設定された特徴パラメータに基づいて、前記特徴部位毎の特徴量を算出する、ことを特徴とする認証装置。
2. 前記認証の対象物は、顔である、ことを特徴とする1に記載の認証装置。
3. 前記特徴量算出手段は、前記特徴部位検出手段により検出された特徴部位毎の特徴量を、複数の周波数特性を持つウェーブレット変換により算出する、ことを特徴とする1または2に記載の認証装置。
4. 前記特徴パラメータ設定手段は、前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件に基づいて抽出した変換処理の周波数成分を、前記特徴パラメータとして設定する、ことを特徴とする3に記載の認証装置。
5. 前記特徴パラメータ設定手段は、前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件に基づいて抽出した変換処理のウィンドウサイズを、前記特徴パラメータとして設定する、ことを特徴とする3または4に記載の認証装置。
6. 前記撮影条件取得手段は、前記特徴部位毎の照明変動の情報を、前記撮影条件として取得する、ことを特徴とする1乃至5の何れか1項に記載の認証装置。
7. 前記撮影条件取得手段は、前記特徴部位毎の姿勢変動の情報を、前記撮影条件として取得する、ことを特徴とする1乃至6の何れか1項に記載の認証装置。
8. 前記撮影条件としての照明変動または姿勢変動の情報は、前記特徴部位検出手段により検出された特徴部位に基づいて推定される、ことを特徴とする6または7に記載の認証装置。
9. 前記撮影条件としての照明変動または姿勢変動の情報は、外部からの入力情報として取得される、ことを特徴とする6または7に記載の認証装置。
10. 前記撮影条件取得手段は、前記撮影条件として、前記特徴部位毎の照明変動の情報を取得し、前記特徴パラメータ設定手段は、前記撮影条件としての照明変動が大きいほど、より低周波成分を含まないような変換処理の周波数成分を、前記特徴パラメータとして設定する、ことを特徴とする4に記載の認証装置。
11. 前記撮影条件取得手段は、前記撮影条件として、前記特徴部位毎の姿勢変動の情報を取得し、前記特徴パラメータ設定手段は、前記撮影条件としての姿勢変動が大きいほど、より低周波成分を含まないような変換処理の周波数成分を、前記特徴パラメータとして設定する、ことを特徴とする4に記載の認証装置。
12. 前記撮影条件取得手段は、前記撮影条件として、前記特徴部位毎の姿勢変動の情報を取得し、前記特徴パラメータ設定手段は、前記撮影条件としての姿勢変動の大きさに応じて、特定のウィンドウサイズを上限とする変換処理のウィンドウサイズを、前記特徴パラメータとして設定する、ことを特徴とする5に記載の認証装置。
13. 撮影画像を取得する撮影画像取得工程と、前記撮影画像取得工程で取得された撮影画像から認証の対象物を検出する認証対象物検出工程と、前記認証対象物検出工程で検出された認証の対象物から少なくとも1つの特徴部位を検出する特徴部位検出工程と、前記特徴部位検出工程で検出された特徴部位毎の特徴量を算出する特徴量算出工程と、前記特徴量算出工程で算出された特徴部位毎の特徴量を、特徴部位毎に対応して基準となる特徴量を登録データとして予め格納している登録データ記憶手段から読み出した基準となる特徴量と比較して、対象物の認証を行う認証工程と、を有する認証方法であって、前記特徴量算出工程は、前記撮影画像の撮影条件を取得する撮影条件取得工程と、前記撮影条件取得工程で取得された撮影条件に基づいて、前記特徴部位毎に特徴パラメータを設定する特徴パラメータ設定工程と、を有し、前記特徴パラメータ設定工程で設定された特徴パラメータに基づいて、前記特徴部位毎の特徴量を算出する、ことを特徴とする認証方法。
14. 前記認証の対象物は、顔である、ことを特徴とする13に記載の認証方法。
15. 前記特徴量算出工程では、前記特徴部位検出工程で検出された特徴部位毎の特徴量が、複数の周波数特性を持つウェーブレット変換により算出される、ことを特徴とする13または14に記載の認証方法。
16. 前記特徴パラメータ設定工程では、前記撮影条件取得工程で取得された撮影条件に基づいて抽出した変換処理の周波数成分が、前記特徴パラメータとして設定される、ことを特徴とする15に記載の認証方法。
17. 前記特徴パラメータ設定工程では、前記撮影条件取得工程で取得された撮影条件に基づいて抽出した変換処理のウィンドウサイズが、前記特徴パラメータとして設定される、ことを特徴とする15または16に記載の認証方法。
18. 前記撮影条件取得工程では、前記特徴部位毎の照明変動の情報が、前記撮影条件として取得される、ことを特徴とする13乃至17の何れか1項に記載の認証方法。
19. 前記撮影条件取得工程では、前記特徴部位についての姿勢変動の情報が、前記撮影条件として取得される、ことを特徴とする13乃至18の何れか1項に記載の認証方法。
20. 前記撮影条件としての照明変動または姿勢変動の情報は、前記特徴部位検出工程で検出された特徴部位に基づいて推定される、ことを特徴とする18または19に記載の認証方法。
21. 前記撮影条件としての照明変動または姿勢変動の情報は、外部からの入力情報として取得される、ことを特徴とする18または19に記載の認証方法。
本発明の認証装置、及び認証方法によれば、対象物の撮影画像を用いて、特徴部位毎に特徴量算出し、登録データとの比較により認証を行うに当たって、対象物の各特徴部位毎に、撮影画像の撮影条件に基づき、認証の処理に用いる特徴量として有効である条件を設定し、その設定範囲で特徴量を算出することにより、撮影条件の変動があっても、それを考慮した有効な特徴量を簡便に選定することができ、撮影条件の変動による認証精度の低下を抑制することができる。
以下に図を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(認証装置1の概略機能構成)
図1を用いて本発明に係る実施形態として、認証装置1の機能構成を説明する。図1は認証装置1、及びそれを備えたコンピュータ装置の概略機能構成図である。
図1を用いて本発明に係る実施形態として、認証装置1の機能構成を説明する。図1は認証装置1、及びそれを備えたコンピュータ装置の概略機能構成図である。
図1においては、認証装置1の各機能構成を示しているが、これらの機能は主にコンピュータ処理の形態で実行される。図1のように単独のコンピュータ装置で、認証装置1の各機能構成を実現することも可能であるし、複数の装置に分離して各機能が実現されていてもよい。また各機能を実行する装置間のデータのやり取りは、ネットワークを介して送受信されるような形態でもよい。具体的な装置形態は様々な形態が可能であるが、本実施形態では、単独のコンピュータ装置で認証装置1の機能構成が実現されているものとして説明する。
2は本実施形態に係る認証装置1を組み込み、備えているコンピュータ装置であり、認証のためだけの機能を備えていてもよいし、図示しないがネットワークや他の装置と接続して情報機器として用いられてもよい。
コンピュータ装置2は、一般的に知られているように、主として外部からの入力を受け取る入力部21、外部への出力や表示装置への出力を行う出力部22、ユーザの操作を受け付けるための操作部23、CPUを含み、プログラムにより全体の動作実行を制御する制御部24、その動作プログラムやデータ等を格納記憶する記憶部25などから構成される。
コンピュータ装置2に組み込まれた認証装置1は、上述のように主にコンピュータ処理の形態で実行される。従って以下に述べる各機能ブロックの機能は、記憶部25にプログラムの形態で格納されており、制御部24により読み出され実行される。
図1における認証装置1は、以下のような機能ブロックを含んでいる。各機能ブロックを簡略に説明する。詳細な機能説明は、認証動作の全体フローの説明で述べる。
11は撮影画像取得部であり、認証の対象物の撮影画像を取得する。従って、撮影画像取得手段として機能する。本実施形態では、認証の対象物は人物であり、特にその顔画像を用いて特定の個人の認証を行うものである。撮影画像は撮影装置等により撮影された画像データが外部から入力される形態であってもよいし、撮影画像取得部11が撮影装置を備えており随時撮影が行われるような形態であってもよい。撮影画像は、デジタル処理が可能な画像データとして取得される。
12は顔画像検出部であり、撮影画像取得部11から撮影画像のデータを受け取り、認証の対象物としての顔を検出し、顔画像データとして正規化処理を行う。すなわち、認証対象物検出手段として機能する。撮影画像から認証のために必要な顔画像の部分を検出し、切り出すとともに、顔の位置、大きさ、傾きなどの正規化処理を行うが、これはこの後、顔画像から特徴部位を抽出し、特徴量を算出するに当たっての前処理であり、顔画像としての画像配置を整えて、妥当な認証処理が行えるように条件を安定化させておくものである。
13は顔特徴部位検出部であり、顔画像検出部12で正規化処理された顔画像から顔特徴部位を検出する。すなわち、特徴部位検出手段として機能する。顔特徴部位とは顔を識別するのに有効な特徴的部位であり、例えば、目(瞳中心、目尻、目頭、瞳の上下)、眉(両端部、中央部)、鼻(小鼻の端、中央下部、鼻孔)、口(左右の口の端、中央部唇上下)などがある。これらの複数の部位の局所領域毎に特徴量を算出して照合、識別しようというものである。
16は特徴量算出部であり、顔特徴部位検出部13で検出した各顔特徴部位に対して、所定の特徴量を算出する。本実施形態では、各顔特徴部位の局所領域に対して、方向サイズを変えたフィルタリングで画像としての空間周波数特性を算出し、その係数としての高次元特徴量ベクトルを算出する。
しかしながら、この特徴量を用いて、後述するように基準となる特徴量と比較照合し、精度のよい認証を行うためには、撮影時に照明の変動や顔の姿勢の変動が極力少ないことが要求される。撮影時の条件によっては、これらが無視できないほど大きくなり、信頼できる特徴量が得られない場合もある。そういった場合を考慮して、認証に用いる特徴量に対して、その撮影条件変動の影響度合いから特徴量としての有効性に条件を付与し、その条件の範囲内の特徴量だけを利用するという機能を本実施形態では備えている。次の14及び15の機能ブロックがそれである。
14は撮影条件取得部であり、撮影画像取得部11で取得された撮影画像の撮影条件を取得する。すなわち、撮影条件取得手段として機能する。撮影条件とは顔画像、あるいは顔特徴部位毎の照明変動(照明が一様かどうか)または姿勢変動(顔が正面向きかどうか)の情報である。これらの情報は、撮影条件として、外部から入力を受けるような形態であってもよいし、顔画像から推定するような形態であってもよい。顔画像から推定する場合は、顔特徴部位検出部13での顔特徴部位検出に従って、各顔特徴部位毎に変動を推定することが望ましい。
15は特徴パラメータ設定部であり、撮影条件取得部14で取得した撮影条件に基づいて、使用する特徴量の条件を規定する特徴パラメータを設定する。すなわち、特徴パラメータ設定手段として機能する。例えば、照明変動や姿勢変動の有無に応じて、特徴量として使用する周波数成分やウィンドウサイズを特定するように特徴パラメータ設定を行い、認証の精度に対して悪影響を及ぼすような範囲の特徴量は使用しない。つまり、上述の特徴量算出部16では、各顔特徴部位毎に、この特徴パラメータに基づき制限された特徴量算出を行うことになる。
このように、上記の撮影条件取得部14、特徴パラメータ設定部15、そして特徴量算出部16は、特徴量算出手段として機能する。
18は登録データ記憶部であり、登録データ記憶手段として機能する。すなわち、認証のための基準となる登録データとして、予め認証の対象となる人物の顔特徴部位毎の特徴量データが登録されている。登録データは顔画像であってもよい。その場合、認証の都度特徴量を算出することになる。
17は認証部であり、特徴量算出部16で算出された特徴量データを、登録データ記憶部18から読み出した基準となる特徴量データと比較照合することにより、登録データの人物との顔の一致を認証する。すなわち、認証手段として機能する。通常、登録データ記憶部18には複数の人物の顔の登録データが記憶されており、顔照合の場合には、特定の人物の顔の登録データを読み出し、一致するかどうかを認証する。顔識別の場合は、多数の人物の顔の登録データを読み出し、最も一致度合いの高い顔を認証する。
(認証装置1の動作フロー)
図2を用いて認証装置1の動作フローを説明する。図2は認証装置1の認証動作を示すフローチャートである。
図2を用いて認証装置1の動作フローを説明する。図2は認証装置1の認証動作を示すフローチャートである。
図2において、まずステップS11は撮影画像取得工程であり、撮影画像取得部11が認証の対象物の撮影画像を取得する。既述したように、認証の対象は人物であり、特にその顔画像を用いて特定の個人の認証を行うものである。
撮影画像はどのような撮影装置を用いて撮影されてもよい。後述する姿勢変動推定等を考慮して、1台以上のステレオカメラを用いてもよいし、また一般にも知られているフラッシュや赤外光などの補助照明を用いてもよい。撮影画像は、デジタル処理が可能な画像データとして取得される。
次にステップS12は、認証対象物検出工程であり、顔画像検出部12が撮影画像取得部より撮影画像を受け取り、顔画像の検出と、画像データとして正規化処理を行う。すなわち、撮影画像から認証のために必要な顔画像の部分を検出し、切り出すとともに、顔の領域を所定の顔データ形式(所定の顔のサイズ、顔の位置、顔の傾きなど)に変換する。
顔検出には、一般的な手法を用いることができる。例えば、動き情報や色情報を必要としない、複雑背景の中からの顔発見アルゴリズムとして、特開2003−22441号公報に開示されている公知手法が、高速で高い認証率を示す手法として用いることができる。また次のニューラルネットを用いた手法も発表されている。H.Rowley,S.Baluja,and T.Kanade.”Newral Network−Based Face Detection” In IEEE Patt.Anal.Mach.Intell,.volume 20,p22−38,1998.
また、顔と非顔の入り組んだ空間の識別関数を、簡単な画像特徴量を用いた単純な判別関数を複数組み合わせて構成することができる、次のようなViola−Jones検出器も知られている。P.Viola and M.Jones.”Rapid object detection using a boosted cascade of simple features” In Proc.of IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition,Kauai,HI,December 2001.
正規化処理についても、顔認証の精度を向上するために撮影画像中の顔を所定の顔データ形式(所定の顔のサイズ、顔の位置、顔の傾きなど)に変換するものであり、公知の手法を用いることができる。
また、顔と非顔の入り組んだ空間の識別関数を、簡単な画像特徴量を用いた単純な判別関数を複数組み合わせて構成することができる、次のようなViola−Jones検出器も知られている。P.Viola and M.Jones.”Rapid object detection using a boosted cascade of simple features” In Proc.of IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition,Kauai,HI,December 2001.
正規化処理についても、顔認証の精度を向上するために撮影画像中の顔を所定の顔データ形式(所定の顔のサイズ、顔の位置、顔の傾きなど)に変換するものであり、公知の手法を用いることができる。
ステップS13は、特徴部位検出工程であり、顔特徴部位検出部13が顔画像検出部12で正規化処理された顔画像から所定の顔特徴部位を検出する。すなわち、顔の特徴的な部位の位置(画像上の座標)を計算する。
顔特徴部位とは顔を識別するのに有効な特徴的部位であり、例えば、目(瞳中心、目尻、目頭、瞳の上下)、眉(両端部、中央部)、鼻(小鼻の端、中央下部、鼻孔)、口(左右の口の端、中央部唇上下)、下顎尖端位置などの部位が挙げられる。図3に顔画像に対して位置を求める各部位の例を示す。例えば、図3のP1からP23に至る各点が求める顔特徴部位であり、これらの点の位置を算出する。
顔画像からの各部位の抽出方法は、例えば特開平9−102043号公報に開示されているような公知手法を用いることができる。また補助光を用いることで顔部位の形状から検出するような手法を用いてもよい。また、ニューラルネットを用いた方法やGaborウェーブレット変換を用いた方法も知られている。
次にステップS14は、撮影条件取得工程であり、撮影条件取得部14が撮影画像取得部11で取得された撮影画像の撮影条件を取得する。
撮影条件とは顔画像、あるいは顔特徴部位毎の照明変動(照明が一様かどうか)または姿勢変動(顔が正面向きかどうか)の情報である。これらの情報は、撮影条件として、外部から入力を受けるような形態であってもよいし、顔画像から推定するような形態であってもよい。
図2のフローでは顔画像から推定するものとした。その場合撮影条件取得部14は、顔特徴部位検出部13での顔特徴部位検出に従って、各顔特徴部位毎に変動を推定することが望ましい。
顔の姿勢変動、すなわち顔が正面向きか横向きか(通常、正面向きが望ましい)の情報を取得する場合の検出方法は、取得した2次元の撮影画像から算出する方法と、複数台の撮影装置による撮影画像から3次元再構成を行い、3次元形状から顔の向きを推定する方法がある。推定方法は、例えば特開2004−94491号公報に開示されているような公知の手法を用いることができる。
顔の照明変動、すなわち照明が一様かどうか(通常、一様な照明が望ましい)の情報を取得する場合の検出方法は、それぞれの顔特徴部位における輝度値の分布を用いる方法や、予め照明を変動させた3次元形状のモデルとの類似度により判定する方法などが知られている。例えば、特開2002−15311号公報に開示されているような手法を用いることができる。
次にステップS15は、特徴パラメータ設定工程であり、特徴パラメータ設定部15が撮影条件取得部14で取得した撮影条件に基づいて、使用する特徴量の条件を規定する特徴パラメータを設定する。
特徴量については後述するが、周波数成分やウィンドウサイズの異なる多数のフィルタを用いて算出する。特徴パラメータ設定部15は、例えば、各特徴部位毎に照明変動や姿勢変動の有無に応じて、特徴量として使用する周波数成分やウィンドウサイズを特定するように特徴パラメータ設定を行うことで、有効な特徴量のみ使用するようにする。
具体的な、撮影条件(姿勢変動、照明変動)に応じた特徴パラメータの設定例については、後述する。
次にステップS16では、特徴量算出部16が、顔特徴部位検出部13で検出した各顔特徴部位に対して、所定の特徴量を算出する。各顔特徴部位の局所領域に対して、方向サイズを変えたフィルタリングで画像としての空間周波数特性を算出し、その係数としての高次元特徴量ベクトルを算出するが、そこで特徴パラメータ設定部15により設定された特徴パラメータに基づき、特徴量を求める空間周波数成分かウィンドウサイズ、またはその両方に制約が係る。
このようにステップS16は、先行するステップS14、ステップS15と合わせて特徴量算出工程として機能する。
特徴量算出に用いるのは、上記の各顔特徴部位の局所領域毎に局所的な濃淡情報(特定方向の輪郭線など)を特徴として取り出す手法であり、ここではGabor Wavelet(ガボア・ウェーブレット)変換を用いている。Gabor Wavelet変換を用いる特徴量算出の詳細については、後述する。
次にステップS17は、認証工程であり、認証部17が特徴量算出部16で算出された特徴量データを、登録データ記憶部18から読み出した基準となる特徴量データと比較照合することにより、登録データの人物との顔の一致を認証する。
通常、登録データ記憶部18には複数の人物の顔の登録データが記憶されており、顔照合の場合には、特定の人物の顔の登録データを読み出し、一致するかどうかを認証する。顔識別の場合は、多数の人物の顔の登録データを読み出し、最も一致度合いの高い顔を認証する。
以上で、図2のフローチャートに示した認証装置1の認証動作は終了する。
図4には、認証装置1の認証動作の別の例を示す。図4は、認証装置1の認証動作の別の例を示すフローチャートである。
上述した図2の認証動作においては、ステップS14の撮影条件取得工程は、ステップS13の顔特徴部位検出工程で検出された各顔特徴部位に基づいて撮影条件を推定していた。しかしながら、図4に示した認証動作においては、図2の認証動作とは異なり、撮影条件の取得は外部から入力されるケースを想定している。
従ってこの場合、図4のフローチャートに示したように、ステップS14の撮影条件取得工程、及びそれに引き続くステップS15の特徴パラメータ設定工程が、ステップS13の顔特徴部位検出工程の後で実行される必要はなく、ステップS16で特徴量を算出する前の任意の時点で実行してもよい。
この点を除けば、各ステップの実行内容詳細は図2のフローと同様であり、説明は省略する。
(特徴量算出方法)
撮影条件に基づいて、どのように特徴パラメータを設定し、有効な特徴量の算出へと反映するかを述べる前に、まず特徴量の算出方法自体について説明する。
撮影条件に基づいて、どのように特徴パラメータを設定し、有効な特徴量の算出へと反映するかを述べる前に、まず特徴量の算出方法自体について説明する。
特徴量の算出方法としては、図2のステップS13までで算出された顔特徴部位を用いて、画像の各顔特徴部位における局所的な濃淡情報(特定方向の輪郭線など)を特徴として取り出す。その具体的な手法としては、Gabor Wavelet変換を用いる。以下、Gabor Wavelet変換について説明する。
Gabor Wavelet変換は、Gaborフィルタを用いて行う演算処理である。Gaborフィルタとは、sin/cos関数をガウス関数で局在化したカーネルを用いる空間フィルタである。図5にGaborフィルタを図示する。
図5(b)はGabor Wavelet、すなわちGaborフィルタ関数(下記の式(1))を立体的に示したものであり、図5(a)はその周期方向の断面を示したものである。振動する波が局在化されており、その周期と方向はkベクトルで表される。
Gaborフィルタにより、画像の局所的な濃淡情報を取り出す変換処理が可能になり、局所的な情報を抽出できるので、画像の照明変動の影響を受けにくいといった利点がある。また、カーネルの形を固定して、伸縮させることで様々なサイズ、様々な周期(周波数)のカーネルを作成することができ、それらの様々なカーネルのGaborフィルタを用いて、それに対応した空間周期の特徴抽出を行うことができる。この方法が、Gabor Wavelet変換と呼ばれている。
Gabor Wavelet変換により、サイズ、方向特性の異なる変換係数の並びとして、特徴ベクトルが得られる。特徴ベクトルの各係数は、次のような式で表されるGaborフィルタの系列を畳み込んでいくことで計算される。
このkベクトルは、波の波長と方向を定める定数であり、[]内の第2項は、Waveletの再構成条件を満たすために関数Ψの直流成分が0となるように加えられた項である。
Gaborフィルタの例として、方向を{0,π/8,2π/8,3π/8,4π/8,5π/8,6π/8,7π/8,8π/8}の8方向、スケール(ウィンドウサイズ)を{4,4√2,8,8√2,16}の5段とした複数のGaborフィルタ系列を用いることにする。この複数のGaborフィルタを畳み込むことにより、40次元の特徴量ベクトルを得ることができる。
上記Gaborフィルタ系列の例を図6に図示する。縦方向の5段はウィンドウサイズ(周期)が異なり、横方向の8列は波の方向が異なる。各々濃淡でもって関数値を表現している。上下が40個ずつの2段に分かれているのは、それぞれ複素関数の実部と虚部とを表している。
このようにして、Gabor Wavelet変換を顔画像に適用すると、その局所領域における様々な濃淡周期とその方向に応じて、より豊富な特徴情報が抽出できるため、高精度な顔認証装置に幅広く用いることができる。
(撮影条件と特徴パラメータ設定)
撮影条件取得工程で取得した撮影条件に対する、特徴パラメータ設定工程での特徴パラメータ設定の具体例を以下に説明する。特徴パラメータ設定は、有効特徴量を判定することであり、上述した特徴量算出のためのGaborフィルタ系列において、有効でないものを排除することに繋がるものである。
撮影条件取得工程で取得した撮影条件に対する、特徴パラメータ設定工程での特徴パラメータ設定の具体例を以下に説明する。特徴パラメータ設定は、有効特徴量を判定することであり、上述した特徴量算出のためのGaborフィルタ系列において、有効でないものを排除することに繋がるものである。
<照明変動について>
前述したように、図2のステップS14における撮影条件取得工程では、撮影画像の照明変動についての情報が取得されている。照明変動の有無とそれに応じた特徴パラメータ設定の具体例を示す。
前述したように、図2のステップS14における撮影条件取得工程では、撮影画像の照明変動についての情報が取得されている。照明変動の有無とそれに応じた特徴パラメータ設定の具体例を示す。
撮影画像の照明変動について、各顔特徴部位において照明が一様である場合は、特徴パラメータとして、Gaborフィルタ系列のすべての周波数成分(図6のウィンドウサイズ部分)を使用するように設定する。すなわち40次元のすべての特徴量が算出され、認証に利用される。
撮影画像の照明変動について、各顔特徴部位において照明が一様でない場合は、輝度情報には低周波成分の情報量が多くなっていると推定される。そのため、各顔特徴部位において輝度変化が大きくなり、大きく認証の精度に影響を与えることになってしまうので、特徴パラメータとして、Gaborフィルタ系列の低周波成分(図6のウィンドウサイズが大きい部分)を使用しないように設定し、特徴量を算出する。
設定方法としては、照明変動がある、例えば輝度変化が登録データよりも大きいと推定された顔特徴部位においては、その大きさの程度に応じて予め定めておいた条件より低周波のGaborフィルタを使用しないように設定する。
照明変動の判定については、取得した撮影画像内の顔特徴部位どうしの比較により、左右や上下などで輝度値がアンバランスの場合は一様な照明でないと判断し、その輝度値の差異により使用する周波数を決定する方法も可能である。また照明変動の検出に使用するモデルに基づいて、使用周波数を決定してもよい。
図7には、照明変動がある場合の使用周波数設定の設定例を示す。光源31による照明が偏っており、顔32に照明変動が生じている。すなわち顔32の右側が暗く、左側が明るいという輝度変化が生じている。このままの状態でGabor Wavelet変換を行い、40次元の特徴量を用いた認証を行うと、認証の精度が大きく低下してしまう。その理由は、照明変動により余計な低周波成分が情報として生じてしまっていることである。従って、輝度変化が比較する登録データよりも大きいと推定された顔特徴部位においては、その程度に応じて低周波成分を使用しない特徴パラメータ設定とする。
図7においては、顔特徴部位33(目の右端)においては輝度変化は小さいとして周波数成分(図6のウィンドウサイズ)は5段すべてを使用しているが、顔特徴部位34(目の左端)においては輝度変化の大きさから最低周波数成分(図6のウィンドウサイズの最大部分)が省かれ、4段のウィンドウサイズでフィルタを使用するような特徴パラメータ設定となっている。最も低い周波数成分を特徴量算出に用いない、すなわち認証に使用しないことで、照明変動による認証精度の低下を抑止しているのである。
<姿勢変動について>
前述したように、図2のステップS14における撮影条件取得工程では、撮影画像の姿勢変動、すなわち顔が正面向きか横向きかについての情報が取得されている。正面向きを姿勢変動なしの状態として、姿勢変動の有無とそれに応じた特徴パラメータ設定の具体例を示す。
前述したように、図2のステップS14における撮影条件取得工程では、撮影画像の姿勢変動、すなわち顔が正面向きか横向きかについての情報が取得されている。正面向きを姿勢変動なしの状態として、姿勢変動の有無とそれに応じた特徴パラメータ設定の具体例を示す。
撮影画像における姿勢変動について、姿勢変動なしと判定されている場合は、特徴パラメータとして、Gaborフィルタ系列のすべてのウィンドウサイズ(図6のウィンドウサイズ部分)を使用するように設定する。すなわち40次元のすべての特徴量が算出され、認証に利用される。
撮影画像における姿勢変動について、姿勢変動があると判定されている場合は、その変動に応じたウィンドウサイズのGaborフィルタを使用する。
姿勢変動がある場合、例えば右向きの顔であれば、顔の右側の特徴部位については、見えていない部分、すなわち情報として欠落している部分の存在が推定される。それにも拘わらず情報として利用することになり、大きく認証の精度に影響を与えることになってしまう。そのため、特徴パラメータとして、Gaborフィルタ系列のウィンドウサイズが大きい部分を使用しないように設定し、情報欠落部分を含まないようにして特徴量を算出するようにする。
設定方法としては、既述したように2次元の顔画像、あるいは3次元構成された顔画像から姿勢変動があると推定された場合、情報欠落の発生が予測される各顔特徴部位において、その向きの変化の程度に応じて予め定めておいた条件より大きいウィンドウサイズのGaborフィルタを使用しないように設定する。
図8には、姿勢変動がある場合の使用ウィンドウサイズ設定の設定例を示す。顔41は向かって左側を向いている。この場合、この顔41の画像をそのまま用いてもよいし、姿勢変動の情報に基づいて顔42のように補正を行ってもよい。いずれにせよ、向かって左を向いた顔に基づく以上、顔の左側の顔特徴部位において情報欠落部分が含まれることが予想される。
このままの状態でGabor Wavelet変換を行い、40次元の特徴量を用いた認証を行うと、認証の制度が大きく低下してしまう。その理由は、姿勢変動により生じた情報の欠落部も情報として処理されてしまうことである。従って、情報欠落の予測される顔特徴部位においては、その程度に応じて大きなウィンドウサイズでのGaborフィルタを使用しないような特徴パラメータ設定とする。
図8においては、顔特徴部位43(目の右端)においては情報欠落は無視できるとしてフィルタのウィンドウサイズは5段すべてを使用しているが、顔特徴部位44(目の左端)においてはその位置から大きな情報欠落が推定されるため、最小のウィンドウサイズのフィルタのみが使用されるような特徴パラメータ設定となっている。また顔特徴部位45(口の左端)においてもその位置から若干の情報欠落が推定されるため、最大のウィンドウサイズのフィルタが除かれている。最も大きいウィンドウサイズのフィルタを特徴量算出に用いない、すなわち認証に使用しないことで、姿勢変動による認証精度の低下を抑止しているのである。
上で示したのは顔が横向きの例であるが、上下方向に向いた場合も同様である。
また特徴パラメータとして、所定のウィンドウサイズより大きいフィルタを使用しないのではなく、ウィンドウサイズを小さくして使用することもできる。図9にその例を示す。
図9は、図8と同様の状況を示しているが、用いているフィルタが異なる。顔特徴部位83(目の右端)において、5段すべてのフィルタのウィンドウサイズを使用しているのは同様であるが、顔特徴部位84(目の左端)においては最小のウィンドウサイズのフィルタだけでは、高周波数成分のみが使用されるような特徴パラメータ設定となってしまうため、より低周波成分(より大きなウィンドウサイズ)も使用し、かつ情報欠落部分を含まないようにするため、低周波成分のフィルタについてもウィンドウサイズを所定のサイズまで小さくするような特徴パラメータ設定としている。また顔特徴部位85(口の左端)においても同様の考え方に従い、ウィンドウサイズを変更してすべての周波数成分を使用するような特徴パラメータ設定としている。
以上、撮影画像において、照明変動もしくは姿勢変動がある場合の、特徴パラメータの設定について例を示して説明したが、照明変動と姿勢変動の両方がある場合についても同じ特徴パラメータ設定の考え方を適用できる。使用するフィルタについての両方の制約が係ることになり、有効な特徴量として、照明変動と姿勢変動の両方ともに対して有効な特徴量が選定されることになる。
以上のように、撮影条件に対して、照明変動や姿勢変動に対しても有効な特徴量が選定されるように特徴パラメータを設定し、特徴量算出に反映することで、照明変動や姿勢変動に起因する認証精度の低下を抑制することができる。
<特徴量の抽出>
図2のステップS14及びステップS15の工程による特徴パラメータによる特徴量の制約、つまり有効特徴量の選定については上に述べたとおりであるが、図10を用いて特徴パラメータに基づく特徴量の抽出について説明する。図10は、図2におけるステップS16の動作手順を示すフローチャートである。
図2のステップS14及びステップS15の工程による特徴パラメータによる特徴量の制約、つまり有効特徴量の選定については上に述べたとおりであるが、図10を用いて特徴パラメータに基づく特徴量の抽出について説明する。図10は、図2におけるステップS16の動作手順を示すフローチャートである。
まずステップS21では、特徴量算出部16が顔特徴部位検出部13で検出された各顔特徴部位毎に、特徴量算出のための、すなわちGabor Wavelet変換のためのGaborフィルタの設定を行う。
これは既に述べたように特徴パラメータ設定部15で各顔特徴部位毎に設定された特徴パラメータに基づいて行う。つまり、撮影条件取得部14で取得された照明変動や姿勢変動の情報に基づいて特徴パラメータが設定され、Gaborフィルタが設定され、それにより有効特徴量が選定され、認証に用いられることになる。
次にステップS22では、やはり特徴量算出部16が顔特徴部位検出部13で検出された各顔特徴部位毎に、設定されたGaborフィルタの系列を用いて、Gabor Wavelet変換を行う。
次にステップS23では、特徴量算出部16が顔特徴部位検出部13で検出された各顔特徴部位毎に、Gabor Wavelet変換処理結果による、多次元の特徴ベクトルの係数を特徴量として算出する。
いずれも各顔特徴部位毎に設定された特徴パラメータに基づく有効特徴量が得られており、この特徴量を登録データとして読み出した基準となる特徴量データと比較して認証することになる。
(認証工程のフロー)
以下に、図11を参照して、図2のステップS17の認証工程を顔照合(Verification)の場合と顔識別(Identification)の場合に分けて詳細説明する。図11(a)は照合の場合、(b)は識別の場合の、各動作手順を示すフローチャートである。
以下に、図11を参照して、図2のステップS17の認証工程を顔照合(Verification)の場合と顔識別(Identification)の場合に分けて詳細説明する。図11(a)は照合の場合、(b)は識別の場合の、各動作手順を示すフローチャートである。
<照合のフロー>
図11(a)を参照して顔照合のフローを説明する。
図11(a)を参照して顔照合のフローを説明する。
図11(a)において、まずステップS31で、認証部17が登録データ記憶部18から照合すべき登録データを指定し、読み出す。この登録データが、顔照合の基準となる特徴量データである。
次にステップS32で、認証部17が特徴量算出部16で算出された各顔特徴部位毎の特徴量データと登録データ記憶部18から読み出した基準となる特徴量データとを比較し、類似度を算出する。
各顔特徴部位毎の類似度SD(Ji,J′i)は、次のように表される。Ωは、原点近傍(0変位近傍)の局所領域を表す。
ここでSD(Ji,J′i,d)は、位相類似度に変位修正を考慮した次の式で表される。これは振幅の相関を位相角の類似度で重み付けした形をしている。
但し、J=(a1,a2,・・・,aN,φ1,φ2,・・・,φN)であり、Nは複素Gaborフィルタの数である。また、特徴量算出と同様にaは振幅を、φは位相を表している。またベクトルkjは、j番目の2次元波の方向を向き、大きさがその周波数を表すベクトルであり、次のような式で表される。
各顔特徴部位毎の類似度SD(Ji,J′i)を算出することは、位相類似度に変位修正を考慮した式(3)を用いて、局所探索でその類似度が最大になる真の位置を推定し、その場所での類似度を予測するという、2次元距離計算を行っているのである。
次にステップS33で、認証部17が特徴量算出部16で算出された特徴ベクトルの特徴量Gと登録されている特徴量G′との類似度L(G,G′)を算出する。類似度L(G,G′)はステップS32で算出した各顔特徴部位毎の類似度SD(Ji,J′i)を元に、各顔特徴部位を平均し、次の式で表される。
すなわち類似度算出は、上記のようにGaborフィルタにより作成された特徴ベクトルの類似度をF個の特徴部位に対して行った平均である。
次にステップS35では、先のステップで算出した類似度を所定のしきい値と比較することによって、照合判定を行う。すなわち、算出した類似度が所定のしきい値以上の場合は、登録したデータと顔が一致したものと判定し、算出した類似度が所定のしきい値未満の場合は、登録したデータと顔が一致しないものと判定する。
<識別のフロー>
図11(b)を参照して顔識別のフローを説明する。
図11(b)を参照して顔識別のフローを説明する。
図11(b)において、まずステップS31で、認証部17が登録データ記憶部18から識別の対象となる登録データの一つを指定し、読み出す。この登録データが、まず最初の顔識別の基準となる特徴量データである。
次にステップS32で、認証部17が特徴量算出部16で算出された各顔特徴部位毎の特徴量データと登録データ記憶部18から読み出した基準となる特徴量データとを比較し、類似度を算出する。
類似度の算出方法は顔照合の場合と同様であり、説明は省略する。
次にステップS33では、認証部17が特徴量算出部16で算出された特徴ベクトルの特徴量Gと登録されている特徴量G′との類似度L(G,G′)を算出する。これも顔照合の場合と同様であり、説明は省略する。
次にステップS34では、類似度算出に使用した登録データをチェックし、識別の対象となる登録データの最終指定であるかどうか、すなわちすべての対象となる登録データについて類似度の算出を終えたかどうかを判定する。
すべての登録データを終了した場合(ステップS34:YES)は、次のステップS36を実行する。まだ、すべての登録データを終了していない場合(ステップS34:NO)は、ステップS31へ戻る。
ステップS31へ戻った場合は、ステップS31で新たに、まだ類似度算出に使用していない登録データを取得し、ステップS34でYES判定になるまで、ステップS31からステップS34までのフローを繰り返す。
ステップS34でYES判定になり、ステップS36の実行に移った場合は、先のステップ繰り返しで算出したすべての登録データの類似度を互いに比較することによって、識別判定を行う。すなわち、算出した類似度が最も大きい場合の登録データを選定し、その登録データと顔が一致したものと識別判定する。
以上述べてきたように、本実施形態によれば、対象物の撮影画像を用いて、特徴部位毎に特徴量算出し、登録データとの比較により認証を行うに当たって、対象物の各特徴部位毎に、撮影画像の撮影条件に基づき、認証の処理に用いる特徴量として有効である条件を設定し、その設定範囲で特徴量を算出することにより、撮影条件の変動があっても、それを考慮した有効な特徴量を簡便に選定することができ、撮影条件の変動による認証精度の低下を抑制することができる。
なお本発明の範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、それらの変更された形態もその範囲に含むものである。
1 認証装置
2 コンピュータ装置
11 撮影画像取得部
12 顔画像検出部
13 換え特徴部位検出部
14 撮影条件取得部
15 特徴パラメータ設定部
16 特徴量算出部
17 認証部
18 登録データ記憶部
21 入力部
22 出力部
23 操作部
24 制御部
25 記憶部
31 光源
32 顔画像(照明変動あり)
33 顔特徴部位(目の右端)
34 顔特徴部位(目の左端)
41 顔画像(姿勢変動あり)
42 顔画像(同上)
43 顔特徴部位(目の右端)
44 顔特徴部位(目の左端)
45 顔特徴部位(口の左端)
2 コンピュータ装置
11 撮影画像取得部
12 顔画像検出部
13 換え特徴部位検出部
14 撮影条件取得部
15 特徴パラメータ設定部
16 特徴量算出部
17 認証部
18 登録データ記憶部
21 入力部
22 出力部
23 操作部
24 制御部
25 記憶部
31 光源
32 顔画像(照明変動あり)
33 顔特徴部位(目の右端)
34 顔特徴部位(目の左端)
41 顔画像(姿勢変動あり)
42 顔画像(同上)
43 顔特徴部位(目の右端)
44 顔特徴部位(目の左端)
45 顔特徴部位(口の左端)
Claims (21)
- 撮影画像を取得する撮影画像取得手段と、
前記撮影画像取得手段により取得された撮影画像から認証の対象物を検出する認証対象物検出手段と、
前記認証対象物検出手段により検出された認証の対象物から少なくとも1つの特徴部位を検出する特徴部位検出手段と、
前記特徴部位検出手段により検出された特徴部位毎の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記特徴部位毎に対応して基準となる特徴量を登録データとして予め格納している登録データ記憶手段と、
前記特徴量算出手段により算出された特徴部位毎の特徴量を、前記登録データ記憶手段から読み出した前記特徴部位毎に対応して基準となる特徴量と比較して、対象物の認証を行う認証手段と、
を有する認証装置であって、
前記特徴量算出手段は、
前記撮影画像の撮影条件を取得する撮影条件取得手段と、
前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件に基づいて、前記特徴部位毎に特徴パラメータを設定する特徴パラメータ設定手段と、を有し、
前記特徴パラメータ設定手段により設定された特徴パラメータに基づいて、前記特徴部位毎の特徴量を算出する、
ことを特徴とする認証装置。 - 前記認証の対象物は、顔である、
ことを特徴とする請求項1に記載の認証装置。 - 前記特徴量算出手段は、
前記特徴部位検出手段により検出された特徴部位毎の特徴量を、複数の周波数特性を持つウェーブレット変換により算出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の認証装置。 - 前記特徴パラメータ設定手段は、
前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件に基づいて抽出した変換処理の周波数成分を、前記特徴パラメータとして設定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の認証装置。 - 前記特徴パラメータ設定手段は、
前記撮影条件取得手段により取得された撮影条件に基づいて抽出した変換処理のウィンドウサイズを、前記特徴パラメータとして設定する、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の認証装置。 - 前記撮影条件取得手段は、
前記特徴部位毎の照明変動の情報を、前記撮影条件として取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の認証装置。 - 前記撮影条件取得手段は、
前記特徴部位毎の姿勢変動の情報を、前記撮影条件として取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の認証装置。 - 前記撮影条件としての照明変動または姿勢変動の情報は、前記特徴部位検出手段により検出された特徴部位に基づいて推定される、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の認証装置。 - 前記撮影条件としての照明変動または姿勢変動の情報は、外部からの入力情報として取得される、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の認証装置。 - 前記撮影条件取得手段は、
前記撮影条件として、前記特徴部位毎の照明変動の情報を取得し、
前記特徴パラメータ設定手段は、
前記撮影条件としての照明変動が大きいほど、より低周波成分を含まないような変換処理の周波数成分を、前記特徴パラメータとして設定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の認証装置。 - 前記撮影条件取得手段は、
前記撮影条件として、前記特徴部位毎の姿勢変動の情報を取得し、
前記特徴パラメータ設定手段は、
前記撮影条件としての姿勢変動が大きいほど、より低周波成分を含まないような変換処理の周波数成分を、前記特徴パラメータとして設定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の認証装置。 - 前記撮影条件取得手段は、
前記撮影条件として、前記特徴部位毎の姿勢変動の情報を取得し、
前記特徴パラメータ設定手段は、
前記撮影条件としての姿勢変動の大きさに応じて、特定のウィンドウサイズを上限とする変換処理のウィンドウサイズを、前記特徴パラメータとして設定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の認証装置。 - 撮影画像を取得する撮影画像取得工程と、
前記撮影画像取得工程で取得された撮影画像から認証の対象物を検出する認証対象物検出工程と、
前記認証対象物検出工程で検出された認証の対象物から少なくとも1つの特徴部位を検出する特徴部位検出工程と、
前記特徴部位検出工程で検出された特徴部位毎の特徴量を算出する特徴量算出工程と、
前記特徴量算出工程で算出された特徴部位毎の特徴量を、特徴部位毎に対応して基準となる特徴量を登録データとして予め格納している登録データ記憶手段から読み出した基準となる特徴量と比較して、対象物の認証を行う認証工程と、
を有する認証方法であって、
前記特徴量算出工程は、
前記撮影画像の撮影条件を取得する撮影条件取得工程と、
前記撮影条件取得工程で取得された撮影条件に基づいて、前記特徴部位毎に特徴パラメータを設定する特徴パラメータ設定工程と、を有し、
前記特徴パラメータ設定工程で設定された特徴パラメータに基づいて、前記特徴部位毎の特徴量を算出する、
ことを特徴とする認証方法。 - 前記認証の対象物は、顔である、
ことを特徴とする請求項13に記載の認証方法。 - 前記特徴量算出工程では、
前記特徴部位検出工程で検出された特徴部位毎の特徴量が、複数の周波数特性を持つウェーブレット変換により算出される、
ことを特徴とする請求項13または14に記載の認証方法。 - 前記特徴パラメータ設定工程では、
前記撮影条件取得工程で取得された撮影条件に基づいて抽出した変換処理の周波数成分が、前記特徴パラメータとして設定される、
ことを特徴とする請求項15に記載の認証方法。 - 前記特徴パラメータ設定工程では、
前記撮影条件取得工程で取得された撮影条件に基づいて抽出した変換処理のウィンドウサイズが、前記特徴パラメータとして設定される、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の認証方法。 - 前記撮影条件取得工程では、
前記特徴部位毎の照明変動の情報が、前記撮影条件として取得される、
ことを特徴とする請求項13乃至17の何れか1項に記載の認証方法。 - 前記撮影条件取得工程では、
前記特徴部位についての姿勢変動の情報が、前記撮影条件として取得される、
ことを特徴とする請求項13乃至18の何れか1項に記載の認証方法。 - 前記撮影条件としての照明変動または姿勢変動の情報は、前記特徴部位検出工程で検出された特徴部位に基づいて推定される、
ことを特徴とする請求項18または19に記載の認証方法。 - 前記撮影条件としての照明変動または姿勢変動の情報は、外部からの入力情報として取得される、
ことを特徴とする請求項18または19に記載の認証方法。
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- 2006-07-07 JP JP2006187790A patent/JP2008015871A/ja active Pending
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