JP2008014732A - 表面プラズモン共鳴測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型で高集積配置可能な表面プラズモン共鳴測定器を提供する。
【解決手段】 本発明の表面プラズモン共鳴測定装置は、金属平面上に形成された誘電体による周期構造による検知部1、入出力光の結合部2、5から構成され、位相整合関係の選択に検知部1の周期構造の格子長、屈折率、誘電体の構成割合をパラメータとして用い、検知部1での表面プラズモンポラリトンの光エネルギー帯中の禁制帯−透過帯遷移を測定原理に用いている事を特徴としている。位相整合関係の検出を光入射角を固定して実施できるため小型化・高集積化が容易となった。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フォトニック結晶技術を表面プラズモンポラリトン光波に適用することにより、主として表面吸着水検出や生体分子間の相互作用解析、電極化学反応解析、液体/気体成分分析などの微量分析に用いられる表面プラズモン共鳴センサーの高集積・並列配置することができる表面プラズモン共鳴測定装置に関する。
表面プラズモンポラリトンとは、金属表面に発生する光の表面波モードであり、金属表面の伝導電子密度波と入射光の共鳴現象に伴って、光波を金属表面のごく近傍にエバネッセント界として強く局在分布させられる(例えば、非特許文献1を参照。)。
通常の誘電体導波路における導波モードでは高屈折率コアに光のエネルギーが集中しているが、表面プラズモンポラリトンとなった導波モードでは金属と誘電体の界面の誘電帯側にエネルギーが集中している。位相・界分布など表面プラズモンポラリトンとなった光波の状態は表面の状態が変化すればそれに応じて他の光の状態よりも敏感に変化する。そのため金属表面近傍での試料物質の吸着・離脱、あるいは金属表面に固定された結合種との選択的結合・解離による僅かな屈折率変化の検知に利用されている(例えば、非特許文献2等を参照。)。あるいは、微細加工精度や電子機器の動作、劣化などに影響を及ぼす表面吸着水を検出するための、大気中での使用による結露センシングなどへの利用も検討されている。
フォトニック結晶技術とは、光の半波長程度の周期構造により光のエネルギー帯に特異な伝搬特性を示す領域(禁制帯など)が形成される現象を利用した光学技術である。この禁制帯と透過帯の光エネルギー帯中での境界位置は周期構造の屈折率、格子長などによって制御可能であり、一次元的な誘電体周期構造による境界制御技術は所謂干渉フィルターとして古くから用いられている。その他誘電体膜中の孔周期構造や柱周期構造の六方格子や直方格子による二次元的フォトニック結晶、あるいは全方位に周期構造が続く三次元的フォトニック結晶も知られている(例えば、非特許文献3等を参照。)。
従来の表面プラズモン共鳴センサーでは、プリズム等を用いて平坦な金属表面への入射光の入射角を掃引して、その反射応答を角スペクトルとして読み取る。即ち、入射光の面内方向波数ベクトルが表面プラズモンポラリトンの波数ベクトルに整合(位相整合)した時に光が表面プラズモンポラリトンに変換されて金属表面に局在し、反射光強度が減衰する現象(全反射減衰)が生じる。これを用いた共鳴角(位相整合角)の変化検出から微量な試料物質の吸着・離脱等を読み取っている。共鳴角変化の変化範囲として1°(通常、屈折率変化約0.06に相当)、測定分解能としてその1000分割程度の計測が求められ、検知部金属平面に対する入射角や検出角の精密な調整や正確な測角のために一つの検知部の計測でも検知部金属平面からある程度(数10cm)の間隔をとって光線照射及び受光が必要となる。そのため、装置は広い容積が必要であり、マイクロアレイ化や高集積並列検出可能な装置の実現は困難なものとなっている。
特願2005−257323 特開2003−254904 福井 万寿夫、大津 元一著 光ナノテクノロジーの基礎 オーム社 2003年 六車 仁志著 バイオセンサー入門 コロナ社 2003年 迫田 和彰著 フォトニック結晶入門 森北出版 2004年 早川 正士著 波動工学 コロナ社 2000年 Teppei Onuki, Yasuo Ohtera and Takashi Tokizaki, "EfficientInsertion of Surface Plasmon Polariton on Grating Coupler", Proceeding of SPIEvol.5927 Plasmonics: Metallic Nanostructures and their optical properties III(2005)592717 p.1−8 吉田 貞史、矢嶋 弘義著 薄膜・光デバイス 東京大学出版会 1994年 川上彰二郎 監修 フォトニック結晶技術の新展開−産業化への動向− シーエムシー出版 2005年 Jianguo Huang, Izumi Ichinose andToyoki Kunitate; "Biomolecular Modification of Hierarchical Cellulose Fibersthrough Titania Nanocoating" Angew Chemie International Edition, 45 (2006) p.2883−2886 Hiromi Kuramochi, Kazunori Ando,Takashi Tokizaki and Hiroshi Yokoyama, "ReducedHumidity Effect in Probe Nano−Oxidation by Dynamic Force Microscope" JAPANESEJOURNAL OF APPLIED PHYSICS 45 3B (2006) p.2018−2021 A.L.Weisenhorn and P.K.Hansma; "Forcesin atomic force microscopy in air and water" Applied Physics Letters, 54 (1989)pp.2651−2653
したがって、入射光と表面プラズモンポラリトンの位相整合関係の選択に入射角の掃引を用いない方法であれば、表面プラズモン共鳴センサーの高集積化を推し進められる。
そこで、本発明では、上記事情に鑑みて為されたもので、入射−検出角と反射光強度の関係を求める代わりに平坦な金属表面上に形成された誘電体フォトニック結晶構造を用いて位相整合関係の変化を検出する小型で高集積化が可能な原子、分子、巨大分子等を試料とした微量物質の検知機構を備える表面プラズモン共鳴測定装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の表面プラズモン共鳴測定装置は、金属表面上の物質へ光線を照射して、表面プラズモンポラリトン共鳴を測定する表面プラズモン共鳴測定装置において、金属平面上に形成された誘電体による計測に用いる光周波数帯において禁制体近傍の条件となる1次元的あるいは2次元的周期構造から成る検知部と光線を結合させる入出力結合部と光線を伝送する伝送部とを有し、位相整合状態の選択に検知部の周期構造の格子長、屈折率、誘電体の構成割合及び周期数をパラメータとして、光線の反射率、透過率及び伝搬方向の変化から物質の禁制帯−透過帯間又は禁制帯−局在モード間の遷移を測定する。
また、さらに、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置は、前記検知部が矩形状の断面形状を持つ誘電体による一次元格子構造を有する場合、矩形状の断面形状の格子長Λ、誘電体の構成割合δ及び周期数mが複数の所定の式の関係を誤差50%以内で満たしている。
また、さらに、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置は、入出力結合部に誘電体構造によるエッジ結合器又は回折格子結合器を用いている。
また、さらに、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置は、前記検知部が、矩形状の断面形状の格子長、誘電体構成割合、屈折率の少なくとも1つ以上が僅かずつ異なる誘電体周期構造を複数配置して、前記複数の誘電体周期構造の出力応答の差から位相状態の検出を行う。
また、さらに、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置は、前記検知部及び/又は伝送部が、Au、Ag、Cuなどの金属から形成される。
以上説明したように、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置では、位相整合条件の選択は入射角ではなく周期構造の格子長をパラメータとして行うため、大きな測角機構を用いない小型な測定装置とすることができ、これにより、高集積・並列計測のための複数の光入力及び光強度検出機構を装置に組み込みやすくできる。
さらに、レーザー光など準単色波長の光源を用いて、分光器などを用いずに単純で安価な光検出器で光強度の変化を読み取ることができる。
また、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置では、周期構造の格子長、入射角、あるいは入射光波長など複数の位相掃引パラメータを走査できることで、単一位相パラメータの場合とは異なる条件で多岐な情報を含む測定が可能となる。
また、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置では、予め自由空間伝搬光との結合が微弱である事がわかっているフォトニック結晶構造を検知部に用いることで、理論的指針に則らない凹凸構造を用いた場合に生じる不要な回折・散乱による放射との結合を抑え、かつ曖昧さの少ない理論的な定性・定量分析を可能となる。
また、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置では、一つの検知部を用いた単純な吸着センサーとして用いることもできるが、格子長が異なった複数の検知部を用いて解析を行うことで、透過帯−禁制帯境界の変動、即ち位相状態の変動を読み取ることが可能となり、従来の入射角掃引の方法と同様に位相の絶対値計測が可能となる。
さらに、格子長が異なった複数の検知部を用いて解析を行うことで、検出ダイナミックレンジを広げることができ、または、光強度、位相が安定した高速応答の波長可変レーザー光源を採用した場合には、一つの検知部を用いた場合でも位相状態を読み取ることが可能となる。
また、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置では、平坦な金属の平面を用いた機構であるため、金属自体の微細構造で生じる強い散乱放射が無く、安定な光波の金属表面への局在・増強効果をそのまま活かすことが可能で、加えて誘電体周期構造による検知部の表面積増大に伴う検出感度及び検出速度の向上させることが可能になる。
さらに、金属膜と誘電体膜の微細構造からなるため、従来ある光学部品の製造工程で生産が可能となる。また、微細流路をもつマイクロチップなどとの実装上の相性も良く、チップ内のセンサーとして用いることが可能になる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態を示した概略平面図である。図2は、本発明の一実施形態を示す概略断面図である。
本発明の表面プラズモン共鳴測定装置は、基本構成要素が金属6−誘電体平面導波路を基にその中に作りこまれた入力光結合部2と入力表面プラズモンポラリトン伝送部3、周期構造を有する検知部1、出力表面プラズモンポラリトン伝送部4、出力光結合部5からなる。
これを一組として金属平面上に一つ以上配置されており、その他入力光照射系10、出力光検出系11、及び顕微鏡等による拡大観測系(図面には不記入)から構成される。
図1及び図2内の破斜線部の検知部1を、図3、図4及び図5に示す。
図3は、本発明の一実施形態を示す斜視図である。
試料物質の検知部として、模式的に示した図3のように金属平面上に透明誘電体による周期構造(フォトニック結晶)の層を形成する。この誘電体層の厚さは高次モードがカットオフとなる厚さに調整する(例えば、非特許文献4を参照。)。
位相整合関係の選択のために誘電体の周期構造を用いて、その逆格子ベクトルと入射光と表面プラズモンポラリトンそれぞれの波数ベクトルとの間での整合関係について周期構造の格子長、誘電体構造の構成割合、屈折率や周期数などを調整することで実現される。これらのパラメータや測定光波長を数%〜10%程度の僅かずつ変化させた複数の条件の周期構造を金属平面に配置することで、位相整合関係の変化を検出可能となる。
図6は、図3の検知部の断面図である。誘電体周期構造は図6の断面図ように誘電体構造と溝、孔など外部から物質が出入できる開放された空間で形成される。この金属層表面近傍や誘電体構造の側面がセンサーとして機能する。特に金属層表面近傍がセンサーとして高感度に機能する為、計測する物質がなるべく金属層表面近傍でのみ吸着・結合するような機構となる設計及び表面処理を施して用いる。
例として、一次元周期構造の一次位相整合条件を説明する。図7ないし9は、一次元周期構造の一次位相整合条件を説明するためのダイアグラムである。
図7に示すように、逆格子ベクトルKと表面プラズモンポラリトン及び自由空間伝搬光の波数ベクトルの面内成分βspp及び//βlightの関係が、βspp//βlight <K≦βspp//βlightの場合、表面プラズモンポラリトンは金属表面外部の自由伝搬光と強く結合でき、例えば表面プラズモンポラリトンの入出力結合器として利用できる(特許文献1や非特許文献5を参照。)。
そして、図8に示すように、K>βspp//βlightの条件では全方位にわたって自由空間伝搬光との結合条件が無くなり、表面プラズモンポラリトンは外部に放射されること無く表面プラズモンポラリトンとして周期構造中を伝搬できる。逆にこの構造に外部から自由空間伝搬光を入射しても、位相整合条件は満たさず相互作用が弱いためセンサーとしての感度が弱くなる(例えば、特許文献2を参照。)。
そこで、直接このような周期構造に光入射するのではなく、入射光を何らかの手法で一旦表面プラズモンポラリトンに変換し、その表面プラズモンポラリトンを入射光として周期構造に導入・結合させる。入射する表面プラズモンポラリトンと周期構造内表面プラズモンポラリトンの等価屈折率が異なる場合、入射表面プラズモンポラリトンは一部反射される。また、この条件下では完全な位相整合条件ではないため、入射表面プラズモンポラリトンは一部反射される。
そして、図9に示すように、さらに格子長が細かくなった、所謂Bragg条件:K=2βsppでは、表面プラズモンポラリトンのエネルギー帯に禁制帯が形成される。そのため、この波数の表面プラズモンポラリトンはこの周期構造中ではエバネッセント界としてのみ存在が許容され、この構造に入射された表面プラズモンポラリトンは強く反射される。周期構造の周期数が充分多ければ(周期構造の長さがエバネッセント界の伝搬方向波数の逆数より充分長ければ)、導破損、放射損を除いて100%反射される。透過帯と禁制帯の間の遷移では表面プラズモンポラリトンの分布や伝搬特性に大きな変化を伴うため、これを利用して周期構造を禁制帯と透過帯の境界極近傍となるように設計し、物質の吸着離脱等による屈折率の変化を表面プラズモンポラリトンの透過帯−禁制帯間の遷移による界分布や透過/反射率の変化として検出する。
禁制帯が形成されると、禁制帯の両端の透過帯は低次透過帯と高次透過帯に別れて2つの禁制帯−透過帯の境界が作り出される。本発明では、どちらか一方の禁制帯−透過帯の境界を用いる。また周期構造の誘電体部と溝部の割合も金属表面の割合や禁制帯形成条件に大きく影響するため、敏感な条件となるように調整する。以下に矩形断面を持つ禁制帯近傍の一次元周期構造の場合の条件を数式を用いて示す。
禁制帯−透過帯の境界となる条件は、次のように誘電体フォトニック結晶の解析モデルで近似的に表す(例えば、非特許文献3を参照。)。


ここで、Λは格子長、λは真空での光の波光である。フォトニック結晶の平均ポテンシャルρ、とポテンシャル深さρΔは周期構造の低屈折率域と高屈折率域の表面プラズモンポラリトンの等価誘電率ε’、ε’から求められ(例えば、非特許文献1を参照。)、ε’、ε’は金属誘電率の実部εmR、誘電体の構成割合δ(各図面内7と8及び9の幅の比)と、低屈折率域(各図面内8及び9の部分の7と同じ厚さの空間)及び高屈折率域(各図面内7の部分)の容積平均誘電率ε、εから次のように算出する。

(4)式はδ≠0.5の場合にも(1)式で解析できるように拡張させるための処理である。金属−誘電体導波路中の表面プラズモンポラリトン光波に対して誘電体多層膜によるフォトニック結晶モデルを適応しているため、断面界分布など条件が異なることに起因した誤差を生じる。その誤差を補正するため禁制帯の幅ρΔには補正係数Aを積する。補正係数Aは予備実験や計算機による数値解析などから求められる値である。
センサー検知部として用いる周期構造は有限の周期数であり始端と終端それぞれに境界を持つ。特に境界の外の屈折率が周期構造内の等価屈折率と異なる場合周期構造の境界では反射を伴うため、不完全なサブバンドギャップを形成する。これは干渉フィルターや分布帰還型半導体レーザー中の周期構造共振器などの透過帯スペクトルに振動(リップル)が現れる現象と同様の現象である(例えば、非特許文献6を参照。)。
禁制帯−透過帯境界近傍での周期構造中の透過帯表面プラズモンポラリトンの界分布は周期構造によるバンドと境界反射と周期構造による位相変調で生じるサブバンドの両方の項で現される。この場合の検知部内周期方向に沿って金属に垂直方向の電界E(x)の界分布を近似式で表すと、

であり、始めの三角関数の周期構造によるブロッホ項と次の正弦関数のサブバンド項との積で表される。
ここで、Kは逆格子ベクトルの大きさでK=2π/Λ、xは始端を原点とした周期構造中の位置、LΛは周期構造全体の長さでLΛ=mΛ(mは周期数)である。
同時に位相整合にも周期構造の始端と終端の間隔LΛをサブ格子長とした不完全なサブバンドギャップの影響が現れ、図9に示すように表面プラズモンポラリトンの波数ベクトルと周期構造の逆格子ベクトルがBragg条件に近い条件である時、境界によるサブ逆格子長Ksub=2π/LΛ、即ち周期数を調整することでバンドギャップによる位相のずれを補償する完全な位相整合K=2βspp
+Ksub に近い条件を作り出すことが出来る。
この条件を満たす透過帯−禁制帯遷移で最も敏感なセンシングが成されるので周期構造の周期数はこの条件を選ぶ。後に述べる複数の検知部を直列に並べて用いる場合を除いて、一つの検知部を用いたセンサーでは最適な周期数mは次の(5)式から四捨五入して求められる1以上の整数mの正の整数倍である。

以上の関係を満たすように、周期構造の格子長Λ、誘電体構造と溝の構成割合、周期数mの条件を設計して作製する。但し、本発明の全ての形態は、この近似的表現で厳密に表しきれるものではなく、上式の関係から±50%誤差範囲までとする。この範囲内であれば、精度の高い測定を行うことができる。
以上の説明は最も単純な一定周期の一次元の周期構造をセンサー検知部と想定したものであるが、なるべく反射による信号強度の損失を減らす為に、誘電体と溝の構成割合の調整や格子周期のチャ−ピング等によって緩やかに等価屈折率が変化するように調整した構造を検知部周期構造の始端及び終端に配置する場合もある(例えば、非特許文献6を参照。)。更に検知部の周期に欠陥・変調が加味されているものでは、その固有モードの共振器効果によって鋭い禁制帯−固有モード遷移の共鳴結合が現れるため、それを本発明の検知機構に応用する事も考えられる(非特許文献7を参照。)。また図4及び図5のような金属平面状の二次元周期構造を検知部用いたものについても、位相整合関係の調整や禁制帯−透過帯境界間あるいは禁制帯−固有モード間での遷移による反射率、透過率及び、伝搬方向の変化を検出原理として用いたものは本発明の請求内とする。
金属層6には金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、プラチナ、チタニウム、レニウム、オスミウム、アルミニウム、ニオブ、タンタル、タングステンを主成分とする純金属、複合物又は化合物を用い、誘電体7には測定に用いる光の長波において透明な誘電体(酸化物、弗化物、ほう化物や有機高分子を主成分とした誘電体)を用いる。
計測の概略を述べる。検知部1での試料の吸着・離脱又は結合・解離を検出するために、入力光照射系10から光線を入力光結合部2に照射し、表面プラズモンポラリトンに変換する。この変換機構にはエッジ又は回折格子結合器、あるいはプリズム結合器を用いる。回折格子結合器を用いた場合、検知部及び結合器共に誘電体の周期的構造を用いることになるが、格子長の選定によってその機能は明瞭に区別されて使用される(特許文献1又は非特許文献5を参照。)。あるいは誘電体導波路を入力結合部2に直結させて誘電体導波路の導波光を表面プラズモンポラリトンに変換する。励起された表面プラズモンポラリトンは入力表面プラズモンポラリトン伝送部3を経て検知部1に結合される。
検知部1の周期構造は図6のように誘電体構造7の間の溝9に、試料の選択的吸着・結合を行う処理が施された多孔性物質8(例えば、抗体が付加した単分子膜や、固形状のヘミセルロースや微生物セルロースなど)を配置しておく。あるいは誘電体構造7そのものをこの選択的結合を行う物質で形成しても良い。その他の部分には非特異的な吸着・結合が生じないよう処理をしておく。これらの物質や処理方法については従来技術又は他の発明のものを用いる(例えば、非特許文献8を参照。)。
試料の吸着・離脱あるいは結合・解離が生じると、周期構造中での表面プラズモンポラリトンの等価屈折率、つまり波数ベクトルβsppが変化し、禁制帯−透過帯間の遷移が起こる。それによって表面プラズモンポラリトンの周期構造内での分布や透過率及び反射率に変化が生じる。表面プラズモンポラリトンの分布は顕微鏡などによる散乱光観測によって行い、透過した表面プラズモンポラリトン強度変化は出力光結合部からの放射光や出力結合部に直結した導波光を光検出器11で検出する事で行う。
また、伝送部を省略し、結合部と検知部の機能を併せ持たせた図10のような形態も考えられる。これらの構造では格子長が2段に分かれている。短周期のものは透過帯−禁制帯の境界を用いた検知部1の機能を担い、長周期のものは図3のような位相関係あるいは表面プラズモンポラリトンの分散関係における透過帯と入射光の波数ベクトルの面内方向射影成分を表すライトラインの交点近傍となるように光入射条件及び格子形状を設計して入出力結合部2および5の機能を担うようにする。この場合の計測では回折光遠方界パターンの変化を計測するのではなく、光入射角及び検出角を固定した光強度計測から検知を行う。
数%〜10%程度の僅かに格子長が異なる周期構造を持つ検知部1を複数配置して、測定前に出力強度や分布を計測してベースラインとする。
図11及び図12に検知部の複数配置方法の一例を示す。図11では入力結合部2から表面プラズモンポラリトンは伝送部3に沿って伝搬し、直列に配された検知部群1に伝送される。検知部では試料物質の吸着によって禁制帯から透過帯に遷移するが、個々の検知部は、吸着量に対して遷移が入力結合部側から順に起こるように順番に並べる。
あるいは図12のように格子長が僅かに異なる検知部を並列に配置して、個々の検知応答を独立に検出する。予備実験や計算機を用いた数値解析などから予め予想される試料物質の量と各検知部からの強度のベースラインからの変動の関係についてパターンデータを準備しておき、実際の計測中の試料の吸着/離脱・結合/解離による出力強度や分布の変化とパターンデータとの照会から試料の同定や、動的な定性または定量的分析を行う。
本発明における検知部周期構造の格子長によって位相整合関係を選択する方式の表面プラズモン共鳴検出器による微量検出及び高集積配置の実施例を示す。
(実施例1)
はじめに計算機を用いた数値解析による周期構造検知部の設計と動作検証の実施例を示す。
測定に用いる波長は780nmとした。図12の形態を実施する為、図13のような厚さ150nmの銀薄膜に厚さ300nm、屈折率1.5400の誘電体物質をコートした金属−誘電体導波路の中に溝と誘電体構造(屈折率:n)の構成割合を1:1として検知部周期構造を形成し、その後、溝の金属表面及び誘電体構造表面に厚さ75nmの選択的吸着処理を施した多孔性物質(屈折率:nm)を配置した構造とした。構成割合が1:1であるためε=[(75×n+225×1.0)/300]、ε=n である。数値解析にはフォトニック結晶や表面プラズモンポラリトンの解析に一般的に用いられている時間領域有限差分法を用いている。
を1.5800、nを1.36、格子長325nm、誘電体構造と溝部の構成割合1:1、周期数19で大気中に配置した場合の検知部周辺における表面プラズモンポラリトンの断面界強度分布を図14に示す。この条件は、前述の(1)式ないし(5)式の条件を満たしている。表面プラズモンポラリトンが図内白矢印の方向に検知部へと伝送されると、検知部内では第2透過帯の表面プラズモンポラリトンが格子内に進入して強く分布し、かつ透過しているのが分かる。またこの周期構造中の界分布は(5)式で表すことができる。
一方、図14の条件からnが1.32と減少すると、図15に示す表面プラズモンポラリトンの断面強度分布のように禁制帯へと遷移し、表面プラズモンポラリトンは検知部内ではエバネッセント界となって検知部を透過できずに反射される。
図16に図14の検知部においてnが試料物質の吸着によって変化した場合の、検知部を透過した表面プラズモンポラリトンの強度変化の様子を示す。検知部を持たない表面プラズモンポラリトン伝送部の計算結果を参照して各検知部からの信号を規格化してある。nの1.3000から1.4000へと変化するに伴ってそれぞれの強度はn1.35付近を境に急峻に増大しており、この変化を読み取ることでセンシングを行う。特にn1.3200から1.3800への変化(これは従来の入射角掃引の表面プラズモン共鳴センサー1°の変化に相当する)に伴って、透過SPP信号は44dBの明瞭な変化が得られている。この信号変化は市販の半導体光検出器や撮像素子の線形感度の検出範囲内とする事が可能な値であり、10bit程度の分解能のものも市販品されている。この程度の応答特性であれば本発明の検知手法が従来型のものと遜色ない感度を有するといえる。またnm1.3600以上の透過帯に見られる振動は先に述べた不完全なサブバンド形成の影響による。
図17に格子長Λを5nmずつ変化させた各検知部の格子長Λを310nmから340nmまでの解析結果を示す。始め試料吸着前のnmが1.3200であるとすると、表面プラズモンポラリトン透過率から図17中右端の太線のベースラインが得られる。この場合格子長335nmより短いものは禁制帯であり、それより長いものは透過帯である。試料物質の吸着によりnmが1.3800へと増大するとそれぞれの出力信号は図17に示す様に透過帯−禁制帯の境界がより短格子長側にシフトしていく。このような計算結果や予備実験の結果をパターンデータとして、実験結果と照合することで透過帯−禁制帯の境界、即ち位相の絶対値を読み出し、試料吸着・解離の動的特性の定量評価を行う。
図18に格子長325nm、格子数20の検知部に入射光波長を780nmから790nmまで変化させた時の透過率の変化を示す。長波長側になるに従い第2透過帯から禁制帯へとシフトしていく。このような入射光波長の掃引も組み合わせた計測から、表面プラズモンポラリトンの伝搬ベクトルをパラメータとした透過帯−禁制帯境界近傍の位相状態の詳細を求める。また、作製誤差を含む格子構造の補正のために入射光をチューニングすることで最適計測条件に調整することもできる。
水溶液中での使用を想定した場合についても図19に示すような動作の計算結果が得られる。伝送部の誘電体層の屈折率は1.5400のまま溶液の屈折率を1.3400として、検知部が溶液に浸された場合、入射光波長780nmでn1.62、n1.42、格子長275nm、誘電体構造の構成割合0.5、そして格子数20の条件で透過帯−禁制帯の境界が形成されている。nの変化に応じた透過率の変化が生じており、1.34から1.44にかけて透過率増大(22dB信号増)の遷移が生じている。この場合大気中よりも感度は劣っているが、入力結合時の反射損失が小さく透過帯中で最大86%の透過率を示している。
(実施例2)
実験による本発明の検知機構の集積配置及び微量物質検出の一実施形態例を、図20に示す。室温18℃、相対湿度30%(湿度計の精度±5%)下での大気中水分による検知部内吸着水を試料として検知を行った。検知部周期構造の溝内に多孔性物質は配置せず、吸着水(屈折率n)の厚さが室内の温度又は湿度によって変化するのを検出する。通常大気下で物質表面には数nmから数10nmの吸着水層が存在する事が知られており(例えば、非特許文献9及び10を参照。)、湿度によってその量が変動する事が原子間力顕微鏡等を用いた実験から知られている。石英基板上に厚さ200nmの銀薄膜をRFスパッタリング法で製膜し、その上に厚さ300nm、屈折率1.5489の透明高分子膜(日本ゼオン製ZEP520)による表面プラズモンポラリトン伝送部と入力結合部、及び1次元周期構造の検知部を電子線描画装置(クレステック社製 CABL8000)を用いて作製した。入射光波長は781nmの半導体レーザー(SANYO製 DL−7140−201)光源を用い、上面からCCDカメラ付顕微鏡(VGAビデオ信号、8bit階調、40dB分解能)で散乱光を観測する事で、表面プラズモンポラリトンの透過率変化及び検知部内での分布を測定した。検知部は周期数30、誘電体と溝の構成割合は1:1(δ=0.5)、格子長Λはそれぞれ350nm(図20(b))、325nm(図20(c))及び300nm(図20(d))である。今回作製したセンサーは、検知部サイズが11.55μm×50μm、結合器まで含めた面積が200×50μmであり、図12のような並列配置で1cm四方のチップ上に8センサー/mmの密度で集積配置させている。εは2.3991であり、εは凡そ1.00〜1.77の範囲で変化すると考えられる。この場合(1)式ないし(4)式から、吸着水が存在しなければいずれの検知部も禁制帯を示し、吸着水量によってΛ=325や350nmでは禁制帯から第2次透過帯への遷移が示されることになる。
図20(b)(c)(d)に散乱光遠方界の観測結果を示す。図20(a)のような構成で入力照射系10からの入射光が入力結合部2によって表面プラズモンポラリトンに変換され、表面プラズモンポラリトン伝送部3によって検知部1へと導かれる。表面プラズモンポラリトンの透過率や検知部内界分布をみると、格子長350nmでは完全に透過帯であり、325nmでは透過帯−禁制帯境界に近い透過帯に見られるバンド曲げ効果に伴う格子内でのSPP局在成分が観測され、300nmでは禁制帯となっている。これらの結果から禁制帯−透過帯境界が格子長325nm付近に存在すること、及び吸着水層が存在することが確認された。
図21に図20(b)(c)(d)の測定結果から透過率を求めた結果を示す。図中丸点がその結果で、透過帯(格子長325nm、350nm)における透過率は45.6%、66.4%、禁制帯(格子長300nm)の透過率0.5%未満と求められた。ベースライン安定性を求めると、1時間の期間で1%未満の透過率信号の変動となっていた。一方四角点は超音波式加湿器を用いて室内の相対湿度を65%に平衡させた場合のものである。この時の透過率を求める再の規格化によって入力結合器での湿度変化による結合効率の変化はキャンセルされている。透過帯−禁制帯境界近傍の格子長325nmにおいて51.2%への透過率増大が確認され、透過帯−禁制帯境界から離れた格子長300nm及び350nmでは殆ど変化が見られていない。数値解析の結果との比較から、この変化は厚さ10nm程度の微量な吸着水量の変化の検知に対応している。
次に、34%の時の、格子長325nmのものについて半導体レーザー光源の温度調整によって発振波長を780.0nmから786.0nmまで可変させて透過率を求めた結果を図22に示す。波長のチューニングによって透過帯−禁制帯境界近傍の位相状態を詳細に求められ、数値解析の結果との照合から、この場合の吸着水層の厚さが約50nmで吸着水層を含む検知部内溝部の等価誘電率εは1.19程度であると求められた。
本発明によって、小型軽量かつ集積配置、並列解析を特徴とする表面プラズモン共鳴検知機構が提供される。従来の主要な応用例であった生体分子間相互作用のリアルタイム解析の多チャンネル解析、測定・解析の信頼性向上などの効果がもたらされると考えられる。それにより例えば医療・製薬分野における抗原−抗体相互作用、たんぱく質機能解析などスクリーニング計測用バイオチップのセンサーとしての利用が期待できる。それ以外にもチップ内センサーとして保健衛生や環境分野における病原体の特定、水質/大気成分解析、燃料電池や充電池などの電極反応によるイオン電流解析や電池寿命モニターなど多産業への利用展開が期待される。特に小型軽量化が可能な点を活かして、ポータブルな表面プラズモン共鳴センサーとして屋外での利用や組込み機器として利用することが可能となり、例えばロボットの超高感度嗅覚、味覚センサーとして利用するなど新規応用分野への利用も考えられる。
本発明の一実施形態を示す上面図である。 本発明の一実施形態を示す断面図である。 本発明の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態を示す断面図である。 本発明の計測原理を説明するための、自由空間伝搬光及び周期構造中表面プラズモンポラリトンの波数ベクトルblight及びbsppと、本発明検知部の逆格子ベクトルKとの間の位相整合関係の一例を示すダイヤグラムである。これはbspp//blight <K≦ bspp//blightの関係の場合である。 本発明の計測原理を説明するための、自由空間伝搬光及び周期構造中表面プラズモンポラリトンの波数ベクトルblight及びbsppと、本発明検知部の逆格子ベクトルKとの間の位相整合関係の一例を示すダイヤグラムである。これはbspp+blight <Kの関係の場合である。 本発明の計測原理を説明するための、自由空間伝搬光及び周期構造中表面プラズモンポラリトンの波数ベクトルblight及びbsppと、本発明検知部の逆格子ベクトルK及びサブ逆格子ベクトルKsubとの間の位相整合関係の一例を示すダイヤグラムである。これは2bspp=K の関係の場合である。 本発明の一実施形態の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態を示す上面図である。検知部を直列に並べてある。 本発明の一実施形態を示す上面図である。検知部を並列に並べてある。 本発明の一実施例として行った数値解析モデルの断面図である。 本発明の一実施例の数値解析から得られた、大気中(屈折率1.00)における検知部内の表面プラズモンポラリトンの断面分布図である。検知部が位相整合条件を満たした第2次透過帯となっている場合の例である。 本発明の一実施例の数値解析から得られた、大気中(屈折率1.00)における検知部内の表面プラズモンポラリトンの断面分布図である。検知部が禁制帯になっている場合の例である。 本発明の一実施例の数値解析から得られた、大気中(屈折率1.00)における試料物質吸着による屈折率mの変化と検知部での表面プラズモンポラリトンの透過率の関係のグラフである。 本発明の一実施例の数値解析から得られた、大気中(屈折率1.00)における検知部の格子長と表面プラズモンポラリトンの透過率の関係が、試料物質吸着による屈折率mnの変化によって変化していく様子を示したグラフである。 本発明の一実施例の数値解析から得られた、単色入射光の波長を変化させて求めた表面プラズモンポラリトンの透過率の変化を求めた結果である。 本発明の一実施例の数値解析から得られた、水溶液中(屈折率1.33)の場合における試料物質吸着による屈折率mnの変化と検知部での表面プラズモンポラリトンの透過率の関係を表したグラフである。 本発明の一実施例として作製した表面プラズモン共鳴測定装置の上面写真(a)と、散乱光遠方界観察(b)(c)(d)の結果である。格子長350nm(b)、325nm(c)、300nm(d)の場合の、表面プラズモンポラリトンの透過率や検知部内分布の変化の様子を示している。 本発明の一実施例として実施した、大気中における検知部の格子長と表面プラズモンポラリトンの透過率の関係を求めた結果である。丸点が室温18℃、相対湿度30%の場合、四角点が室温18℃、相対湿度65%の場合の結果を表している。 本発明の一実施例として実施した、相対湿度34%時の単色入射光の波長を変化させて求めた表面プラズモンポラリトンの透過率の変化を求めた結果である。
符号の説明
1 検知部
2 入力結合部
3 入力表面プラズモンポラリトン伝送部
4 出力表面プラズモンポラリトン伝送部
5 出力結合部
6 金属
7 誘電体構造
8 吸着した試料または選択的吸着を行う多孔性物質
9 開放構造
10 入力光照射系
11 出力光検出系

Claims (4)

  1. 金属表面上の物質へ光線を照射して、表面プラズモン共鳴を測定する表面プラズモン共鳴測定装置において、
    前記表面プラズモン共鳴測定装置は、
    金属平面上に、
    計測に用いる光周波数帯における禁制帯近傍の条件となる1次元的又は2次元的周期構造から成る誘電体による検知部と
    入出力する光線を結合させる結合部と
    光線を伝送する伝送部とを有し、
    位相状態の選択に検知部の周期構造の格子長、屈折率、誘電体の構成割合及び周期数をパラメータとして、
    光線の反射率、透過率及び伝搬方向の変化から物質の禁制帯−透過帯間又は禁制帯−局在モード間の遷移を測定する
    ことを特徴とする表面プラズモン共鳴測定装置。
  2. 請求項1に記載の表面プラズモン共鳴測定装置において、
    前記表面プラズモン共鳴測定装置は、
    前記検知部が矩形状の断面形状による1次元的周期構造を有する場合、
    矩形状の断面形状の格子長Λ、誘電体の構成割合δ及び周期数mが以下の(1)から(5)式の関係を誤差50%以内で満たしている






    (ただし、εmRは金属の複素誘電率実部、ε及びεはそれぞれ周期構造の低屈折率側及び高屈折率側の容積平均誘電率、λは真空中での光の波長、Aは補正係数を表す。)
    ことを特徴とする表面プラズモン共鳴測定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の表面プラズモン共鳴測定装置において、
    前記表面プラズモン共鳴測定装置は、
    前記結合部に誘電体によるエッジ結合器又は回折格子結合器を用いている
    ことを特徴とする表面プラズモン共鳴測定装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の表面プラズモン共鳴測定装置において、
    前記表面プラズモン共鳴測定装置は、
    前記検知部が、矩形状の断面形状の格子長、誘電体構成割合、屈折率の少なくとも1つ以上が僅かずつ異なる周期構造を複数配置して、
    前記複数の周期構造の出力応答の差から位相状態の検出を行う
    ことを特徴とする表面プラズモン共鳴測定装置。
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