JP2008012422A - 有機性廃棄物を利用した葉茎の処理方法 - Google Patents

有機性廃棄物を利用した葉茎の処理方法 Download PDF

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Osamu Hamamoto
修 濱本
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隆之 丸本
Yoshiko Date
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Abstract

【課題】有機性廃棄物の発酵処理によって生成したアンモニアを用いて葉茎を処理することができ、家畜の消化性、嗜好性等に優れた葉茎を得ることができる方法を提供する。
【解決手段】有機性廃棄物を発酵処理する工程と、前記有機性廃棄物の発酵処理により生じた発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収する工程と、前記アンモニア含有ガスから硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を除去する工程と、前記臭気成分を除去したアンモニア含有ガスを葉茎に接触させて発酵処理する工程とを含むことを特徴とする葉茎の処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性廃棄物を利用して家畜の飼料等に用いる穀物等の葉茎を発酵処理する方法に関する。
畜産廃棄物や生ごみなどの有機性廃棄物を再生処理する方法として、嫌気的発酵(メタン発酵)や好気的発酵(堆肥化)が広く採用されている。
嫌気的発酵であるメタン発酵処理では、嫌気性微生物の代謝により産生されるメタンを主成分とするバイオガスを回収し、再生エネルギーとして活用されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、メタン発酵処理による発酵残渣は、窒素、カリウムなどの植物栄養成分を含むことから、肥料や土壌改良材として活用されている(例えば、特許文献3、4参照)。
しかし、発酵残渣中には通常多量のアンモニア態窒素が含まれているため、液肥としてそのまま農地還元すると、地下水の硝酸汚染等が発生するという問題がある。
また、発酵残渣を堆肥化(好気性コンポスト化)する場合、含水率や炭素/窒素比(C/N比)の調整のために、比較的多量(ともすれば発酵残渣量と同量)の副資材が必要となる。さらに、一般的に堆肥ヤードも例えばメタン発酵施設部分の10倍以上という大きな面積を要するため、メタン発酵処理を行う諸利点の多くが失われてしまうのが実情であった。しかも、堆肥中に含まれるアンモニア態窒素が多すぎると、散布された土壌中でアンモニアが硝酸や亜硝酸に変化することにより、液肥の場合と同様に地下水汚染を引き起こすという問題がある。
一方、鶏糞などの含水率の少ない有機性廃棄物については、直接好気的に発酵させ、堆肥化する処理も行われている。このような好気的発酵による堆肥化でも大量のアンモニアガスが生成するが、このアンモニアガスがそのまま大気中に放出されると、著しい異臭による周辺環境への影響が問題となる。
このような有機性廃棄物の嫌気的又は好気的な発酵により生成するアンモニアを利用する方法として、アンモニアを含む発酵液を蒸留したり、アンモニアガスを気液接触させるなどしてアンモニアを液中から放散させ、これを飼料用又は肥料用の原料となる穀物等の葉茎と接触させて処理する方法が提案されている(特許文献5参照)。このように有機性廃棄物の発酵で生成したアンモニアを葉茎に接触させることで、家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎などの繊維質が加安分解(架橋結合の開裂などの分解反応と窒素が添加される反応)され、消化吸収し易くなるなどの効果を得ることができる。本処理によって、単なる乳酸発酵のサイレージなどと比べて粗蛋白質量が数十%増大する。
特開2000−331701号公報 特開2005−125172号公報 特開2004−298688号公報 特開2005−87978号公報 特開2005−13909号公報
上記のように、有機性廃棄物に含まれる炭素分のうちメタン生成菌が利用し得る分についてはメタン発酵によりバイオガスとして回収され、エネルギーとして有効利用する途が拓かれつつある。
一方、窒素分については、肥料成分として利用するだけでなく、アンモニアを含む発酵液からアンモニアを放散せしめ、それを麦稈などに作用して飼料化する途が見出されたが、このようにアンモニアを葉茎に施して利用する場合、硫黄系などの悪臭成分のため、特に家畜用の飼料として用いるには嗜好性の点で問題がある。
そこで、本発明は、有機性廃棄物の発酵処理によって生成したアンモニアを用いて家畜の消化性、嗜好性等に優れた葉茎を得ることができる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者が鋭意研究を行った結果、下記方法によれば、異臭を大幅に低減して肥料や飼料となる葉茎を有利に処理することができることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は次の方法を提供するものである。
<1> 有機性廃棄物を発酵処理する工程と、前記有機性廃棄物の発酵処理により生じた発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収する工程と、前記アンモニア含有ガスから硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を除去する工程と、前記臭気成分を除去したアンモニア含有ガスを葉茎に接触させて発酵処理する工程とを含むことを特徴とする葉茎の処理方法である。
<2> 前記有機性廃棄物の発酵処理としてメタン発酵処理を行い、該メタン発酵処理により生じた発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収する前に、該発酵残渣中の二酸化炭素を放散させることを特徴とする<1>に記載の葉茎の処理方法である。
<3> 前記アンモニア含有ガスの硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を、活性炭吸着法及び生物脱臭法の少なくともいずれか一方によって除去することを特徴とする<1>又は<2>に記載の葉茎の処理方法である。
<4> 前記アンモニア含有ガスを葉茎に接触させた後、該ガスを、前記発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収するための放散塔又は前記有機性廃棄物の発酵を行うための発酵槽に戻すことにより循環させることを特徴とする<1>ないし<3>のいずれかに記載の葉茎の処理方法である。?
本発明によれば、有機性廃棄物の発酵処理によって生成したアンモニアを用いて葉茎を処理することができ、家畜の消化性、嗜好性等に優れた葉茎を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明の好ましい実施の形態を具体的に説明する。
図1は、本発明に係る葉茎処理方法を実施するための葉茎処理システムの構成の一例を示している。この葉茎処理システム20は、メタン発酵槽1、アンモニア放散塔9、脱臭塔11、ラップサイロ12等を備えており、この葉茎処理システム20を用いることで、有機性廃棄物を発酵処理する工程と、有機性廃棄物の発酵処理により生じた発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収する工程と、アンモニア含有ガスから硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を除去する工程と、臭気成分を除去したアンモニア含有ガスを葉茎に接触させて発酵処理する工程を行うことができる。以下、工程ごとに説明する。
[有機性廃棄物の発酵処理工程]
まず、メタン発酵槽1において有機性廃棄物の発酵処理を行う。
<有機性廃棄物>
有機性廃棄物としては、発酵処理に供することが可能な畜産廃棄物、緑農廃棄物、排水処理汚泥などを用いることができる。畜産廃棄物としては、各種家畜の糞尿、屠体、さらにその加工品が挙げられる。また緑農廃棄物には、各種農業施設からの生ごみ類があり、さらに家庭の生ごみや、農水産業加工残渣、食品加工残渣等の産業系の有機性廃棄物を用いることもできる。
<発酵処理>
有機性廃棄物の発酵処理はアンモニアを生成することができれば特に限定されず、メタン発酵処理のほか、好気性堆肥化処理を行ってもよい。
メタン発酵(嫌気的発酵)の場合、例えば次のように行う。
まず、メタン発酵に先立ち、原料となる有機性廃棄物の状態により、必要に応じて前処理として破砕・分別工程を実施する。破砕・分別工程は、例えば、以下に示すような分別破砕、あるいは全量破砕により行うことができる。
分別破砕の場合は、破砕分別機を用い、有機性廃棄物の中で容易に破砕可能な部位を液と共にスラリーとして回収する。一方、破砕しにくい部位は塊状物として別途回収する。スラリーの含水率は70〜90重量%程度、塊状物の含水率は40〜60重量%程度である。破砕分別機は、有機性の固形物をせん断力、引っ張り力によって破砕するもので、カッター部分は2軸式または3軸式のものを利用することができる。牛などの動物屠体を原料とする場合は、3軸式で破砕処理する方が破砕の細かさや均一性の観点から好ましい。
選別除去すべき混入プラスチック類、シート類などは、メッシュによる選別、風力による選別などで除去することができる。
全量粉砕の場合は、例えばディスポーザー等の破砕機を使用して全対象物を破砕する。含水率は例えば60〜70重量%程度となるが、加工品の場合はより広い範囲、例えば40〜90重量%程度とすることができる。このような破砕や磨砕処理のほかに、亜臨界や超臨界条件でのスラリー化も好ましい前処理方法である。
メタン発酵は、いわゆる中温型、高温型、また高含水率(湿式)型、低含水率(乾式)型のいずれのタイプでも適用可能である。
発酵槽1は、絶対嫌気性のメタン発酵菌による活動を維持するために二槽方式をとる発酵プロセスの場合も、後段においては空気を完全に遮断した構成とする。
また、発酵槽1は固形物濃度(通常3〜40重量%の範囲)と発酵温度(通常、中温発酵では37℃、高温発酵では55℃であるが、この温度には限定されない。)によって、形状や運転条件が異なってくる。例えば、洗浄廃水が混合したりして高含水率になった原料(固形物濃度10重量%まで)の場合は湿式型の完全混合方式の発酵槽を、低含水率の原料(固形物濃度30〜40重量%)の場合は、いわゆる乾式型のプラグフロー式(押出し式)の発酵槽を用いることが好ましい。
なお、発酵槽1には、生成するバイオガスを回収する手段のほか、必要に応じて保温のための加熱手段を設けておくことが好ましい。さらに、バイオガス回収手段には、必要に応じて脱硫装置を設けてもよい。このようなバイオガス回収手段や脱硫装置は公知のものを利用することができる。
例えば、高含水率の原料(固形物濃度10重量%程度まで)の場合は、完全混合方式の発酵槽を用い、高温メタン発酵菌(至適温度55℃)では、滞留時間(Retention Time)を15日間程度、中温メタン発酵菌(至適温度37℃)では、滞留時間を20〜30日間程度に設定する。鳥類を除く、家畜糞尿のメタン発酵処理は、メルカプタン類(硫黄系悪臭成分)などが分解されて悪臭成分が低濃度化する高温発酵が好適ある。
低含水率の原料(固形物濃度30〜40重量%)の場合は、被処理物の固形分濃度を30〜40重量%にして押出し式の発酵槽を使用できる程度の固さに調整する。滞留時間?については、高含水率の場合と同様に設定することができる。また、C/N比の調整?のために、必要に応じて若干の有機成分を導入することもできる。
高含水率型のメタン発酵後の有機性廃棄物(発酵残渣)は、例えば水分含有率95重量%、固形分5重量%程度を含む液状であり、嫌気性徴生物の菌体およびその代謝産物に由来する各種のアミノ酸や有機酸などを多量に含んでいる。
[アンモニア含有ガスの回収工程]
次に、有機性廃棄物の発酵処理により生じた発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収する。
<COの放散>
有機性廃棄物をメタン発酵した後の発酵残渣(発酵物)をアンモニア放散塔9内に散布して残渣中のアンモニアを放散させることでアンモニア含有ガスを回収する。このとき、発酵残渣を直接アンモニア放散塔9内に散布して残渣中のアンモニアを放散させてもよいが、その前に例えば発酵残渣を大気圧下に置いてブロワ等により発酵残渣中のCOを放散させておけば、後のアンモニア放散が容易となり、好ましい。例えば、発酵槽1の後にCO放散用のタンクを設けておき、発酵残渣をCO放散用タンクに通す。このときブロワによって発酵残渣中に空気を吹き込むことでCOを放散させることができる。また、このように空気を吹き込むことで発酵残渣は好気化し、残渣中の悪臭成分の濃度を低減させることができる。ただし、ここでは発酵残渣中のアンモニアがCOとともに放散しない程度に空気を吹き込むようにする。
<熱交換>
また、有機性廃棄物の発酵処理後、発酵残渣を、熱交換機能を有する機器によって温度調整を行うことが好ましい。例えば、図1に示したように、メタン発酵槽1で発酵処理された発酵残渣を熱交換器4に送ることで所望の温度に調整することができる。
<発酵残渣の循環>
発酵残渣を、必要に応じてCO放散塔、熱交換器4に送った後、さらにpHや温度を調整するための循環タンク5に送ることが好ましい。例えば、図1に示したようにアンモニア放散塔9の前に循環タンク5を設け、循環タンク5を経てアンモニア放散塔9に供給した発酵残渣を循環タンク5に戻し、好ましい条件に整えた後、再びアンモニア放散塔9に送る。
循環タンク5は、撹拌装置、保温装置等を備えるものが好ましい。発酵残渣の温度は50℃以上が好ましく、より好ましくは55℃以上である。発酵残渣の温度が50℃以上、特に55℃以上になると、発酵残渣中の有機性窒素が比較的短時間で分解し、アンモニア性窒素となり易い。
また、発酵残渣のpHは、7.5以上とすることが好ましく、より好ましくは8以上である。発酵残渣のpHが7.5以上、特に8以上になると、アンモニアが放散され易くなる。発酵残渣のpHは、必要に応じて苛性ソーダ等のアルカリをアルカリタンク6から供給し、循環タンク5内の発酵残渣に添加することにより調整することができる。なお、メタン発酵では、前述のCO放散塔によって発酵残渣から二酸化炭素を放散させた場合は、通常、アルカリの添加は不要となることが多い。
<アンモニア含有ガスの回収>
循環タンク5内の発酵残渣はポンプ8によってアンモニア放散塔9に送られる。アンモニア放散塔9は、充填塔あるいは棚段塔とすることができる。そして、放散塔9内に散布された発酵残渣は、気液接触の後、再び循環タンク5に戻される。発酵残渣がアンモニア放散塔9で空気等のキャリアーガスと接触することで、アンモニア含有ガスが得られ、これを回収することができる。気液接触時間は20秒以上が好ましく、特に1分以上が好ましい。また、温度は50℃以上が好ましく、特に55℃以上が好ましい。このような気液接触時間や温度であれば、発酵残渣中のアンモニアが放散され易く、ガス中のアンモニアの濃度を高めることができる。
[臭気成分の除去工程]
次に、アンモニア放散塔9で回収したアンモニア含有ガスから硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を除去する。
アンモニア放散塔9で得られたアンモニア含有ガスをそのまま穀物の葉茎(例えば、藁類や半乾燥牧草など)に接触させてアンモニア処理を行うと、悪臭を放ち、周囲の環境に多大な影響を及ぼしてしまう。また、処理後の葉茎も異臭を放ち、飼料としての嗜好性が乏しいものとなる。そこで、本発明では、アンモニア含有ガスを葉茎に接触させる前に、アンモニア含有ガスから硫黄系および有機窒素系の臭気成分を除去する。
硫黄系臭気成分としては、メルカプタン類、硫化アルキル類などがあり、有機窒素系臭気成分としては一級〜三級の各種アミン類やスカトールなどがある。このような臭気成分を除去する方法は特に限定されないが、後のアンモニア処理において有効成分となるガス中のアンモニアまで吸収あるいは除去されてしまうことは極力避ける必要がある。例えば、図1に示したように、アンモニア放散塔9からのアンモニア含有ガスを生物脱臭塔11に通す。生物脱臭法によれば、高アルカリ性に馴養した菌叢によって、硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を酸化分解して効果的に除去することができる。
硫黄系および有機窒素系の臭気成分を除去する方法としては、活性炭吸着塔なども使用することができる。ただし、活性炭を消耗品として用いるプロセスよりは高アルカリ性の生物脱臭法の方がコストを低く抑えることができ、また、アンモニアの吸収を効果的に防ぐことができるため、好ましい。なお、活性炭吸着法と生物脱臭法を併用して硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を除去してもよい。このようにアンモニア含有ガスを葉茎に接触させる前に、ガス中の硫黄系および有機窒素系の臭気成分を除去することで、アンモニア含有ガス中の臭気を大幅に低減させることができる。
[葉茎のアンモニア処理工程]
次に、上記のようにして硫黄系および有機窒素系の臭気成分を除去したアンモニア含有ガスを穀物等の葉茎に接触させて発酵処理する。
臭気成分を除去したアンモニア含有ガスを、密閉室あるいは密閉容器、例えば、袋状の軟質樹脂シートからなるラップサイロ12に送り、サイロ12内の穀物等の葉茎と接触させて発酵処理(乳酸発酵によるサイレージ化)を行う。例えば藁類の主成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグンなどは、互いに複雑に絡み合って硬い組織を作っており、微生物や酸素では分解されにくい組織を形成しているが、上記のように有機性廃棄物の発酵処理により得られたアンモニア含有ガスを藁類に接触させると、アンモニアの作用により加安分解などが起って、そのままでは家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎などが消化吸収され易くなり、粗蛋白量が高く、付加価値の高い飼料にすることができる。
すなわち、アンモニア処理によって、穀物の葉茎などの飼料原料では、セルロースやヘミセルロースにアンモニアが作用して加安分解が起こり、さらにアミノ化された分解物からアミノ酸重合体が形成される結果、消化吸収性の向上と粗蛋白量の増加が起こる。
なお、アンモニア処理の効果を数値的に示す方法としては、例えば、ア)高消化性繊維の低消化性繊維に対する割合の増加、イ)全溶解性窒素量の増加などを測定する方法がある。上記のようなアンモニア処理を行えば、上記ア)、イ)の数値を未処理の葉茎の2倍以上にすることも可能である。
さらに、本発明におけるアンモニア含有ガスは、葉茎に接触させる前に硫黄系および有機窒素系の臭気成分が除去されているため、葉茎の発酵処理中、硫黄系および有機窒素系の臭気成分による悪臭が著しく低減され、周囲に悪臭が漂うことを抑制することができる。さらに、発酵処理後の葉茎は、硫黄系および有機窒素系の臭気成分が大幅に低減されるため、飼料としての嗜好性が極めて高いものとなる。
アンモニア含有ガスの曝気あるいは曝気後の発酵は、例えば20〜30日間程度の期間とし、常温から60℃、特に50〜60℃で行うことが好ましい。また、ここでのアンモニア濃度は、例えば1000ppmなど高い方が好ましいが、l00ppmレベルであってもアンモニアは葉茎に吸着されるため、良好に処理することができる。
ラップサイロ12に送ったアンモニア含有ガスは、図1に示したようにアンモニア放散塔9に戻して循環させてもよい。このようにラップサイロ12から排出されるアンモニア等の臭気成分を含むガスを循環させれば、アンモニア含有ガスが周囲環境に放出されることを防ぎ、また、ガス中に残存するアンモニアを有効に再利用することができる。なお、ラップサイロ12から排出されるガスは発酵槽1あるいは循環タンク5に戻してもよい。
[好気性発酵処理]
上記では、有機性廃棄物をメタン発酵させる場合について説明したが、有機性廃棄物の好気性発酵を行う場合も、アンモニア含有ガスを回収し、上記と同様に硫黄系及び有機窒素系の臭気成分を除去した後、葉茎をアンモニア処理すればよい。例えば、有機性廃棄物の好気性発酵過程で発生するアンモニア含有ガスをブロワ等によって回収し、生物脱臭塔等に通して硫黄系及び有機窒素系臭気成分を除去する。次いで、このアンモニア含有ガスを麦稈などの穀物の葉茎に接触させてアンモニア処理を行う。これにより、硫黄系及び有機窒素系臭気成分による悪臭を大幅に低減させた上で葉茎の発酵処理を行うことができ、消化吸収性が向上するだけでなく、硫黄系及び有機窒素系の臭気成分による臭気が大幅に低減された飼料を得ることができる。
以上のように、本発明では、有機性廃棄物中の窒素分を嫌気性発酵(メタン発酵)あるいは好気性発酵によってアンモニアを発生させ、回収したアンモニア含有ガスの硫黄系及び有機窒素系臭気成分を除去した上で葉茎の発酵処理に適用する。このような方法によれば、アンモニア処理した穀物葉茎などの飼料原料は、そのままでは家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎の繊維質、すなわちセルロースやヘミセルロースにアンモニアが作用して加安分解が起こり、さらにアミノ化された分解物からアミノ酸重合体が形成される。
そして、上記のような葉茎の発酵処理中、周囲に悪臭が漂うことを効果的に防ぐことができ、得られた飼料用の葉茎も悪臭が大幅に低減されたものとなる。すなわち、有機性廃棄物を発酵処理した後、その発酵残渣からアンモニア含有ガスを得て、硫黄系及び有機窒素系の臭気成分を除去した上で、穀物の葉茎に接触させて発酵させることで、悪臭による周辺環境への影響を及ぼすことなく付加価値の高いサイレージを得ることができる。これにより、高消化性繊維および全溶解性窒素量が増加し、粗蛋白量が高く、家畜に対する嗜好性の向上や肉質改善効果に優れた飼料を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1>
処理量4t/日の搾乳牛糞尿処理用の高温(55℃)メタン発酵プラントにアンモニア処理ベンチスケールプラントを併設して麦稈のアンモニア処理試験を行った。図2にベンチスケールプラントの構成を示す。このプラント30は、アルカリタンク6、アンモニア放散塔9、ラップサイロ12などを備え、アンモニア放散塔9とラップサイロ12との間には生物脱臭塔11が設けられている。
メタン発酵残渣(消化液)のNH −Nの濃度は1500mg/L程度、pHは8程度であり、アンモニア放散を行うには良い条件と考えられた。pH調節を行うために重要な性質となるアルカリ度は0.1当量/L以上であり、高温発酵の50〜55℃の条件で運転すれば、特にアルカリ添加をしなくても所定量のアンモニアを放散できるものと考えられた。
図3及び図4はアンモニア放散の結果を示したものであり、図3は放散されたアンモニアの濃度(アンモニア放散濃度)と消化液のpHとの関係を、図4はアンモニア放散濃度の温度依存性をそれぞれ示している。30℃において所定量のアンモニアを放散させるためには0.3当量/L近くのアルカリ添加が必要であったが、50℃の場合は無添加のままでも放散されたアンモニア濃度が500ppm近くに達した。すなわち、アンモニアの濃度はアルカリ添加により調整することができるが、プラントの温度管理(保温処置)が重要であることがわかる。
生物脱臭塔11では、アンモニア含有ガスに対してアンモニアを除去することなく他の悪臭成分、すなわち硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を除去する必要がある。生物脱臭法でこれを行おうとすると、充填層部分のpHは10以上の強アルカリ性にして、アンモニアは物理吸収分しか液側に溶け込まないようにすればよい。そこで、このような強アルカリ性下でも上記悪臭成分を分解できるように菌叢を馴養した。
この状態で運転した場合の脱臭性能を表1に示す。この試験においてアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタンは検知管にて、他の成分はバッグにガス採集してガスクロマトグラフで定量した。
Figure 2008012422
表1に示したように、脱臭塔前で検出された硫化水素(HS)とメチルメルカプタン(MeSH)が脱臭塔後では検出されず、これらの臭気成分は脱臭塔によって除去されたことがわかる。一方、アンモニア(NH)の濃度は脱臭塔によって若干減少したものの、脱臭塔後においても高い濃度が維持された。
上記のアンモニア含有ガスを用い、50℃で10日間処理した麦稈について分析した結果を表2に示す。なお、各定量は食品衛生検査指針に従って実施した。
Figure 2008012422
表2に見られるように、アンモニア処理した麦稈は未処理のものに比べ粗蛋白質量と粗繊維量が高かった。また、アンモニア処理した麦稈は未処理のものに比べて臭気が大幅に低減されていた。すなわち、アンモニア処理により消化性及び嗜好性の高い飼料が得られた。
<実施例2>
実施例1で使用したものと同じアンモニア処理プラントに鶏糞堆肥化の発酵槽で発生したガスを導入して同様の試験を行った。得られたガス中のアンモニア濃度は約5500ppmであった。そして、このガスを利用して実施例1と同じ条件で麦稈の発酵処理を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2008012422
表3に見られるように、アンモニア処理した麦稈は、未処理のものに比べて粗蛋白質量が極めて高く、粗繊維量と糖度も大幅に高かった。また、アンモニア処理した麦稈は未処理のものに比べて臭気が大幅に低減されていた。すなわち、好気的発酵により得られたアンモニア含有ガスを用いて麦稈の発酵処理を行った場合も、消化性及び嗜好性が極めて高い飼料が得られた。
本発明によれば、有機性廃棄物の発酵処理において発生したアンモニア含有ガスを用いて葉茎を発酵処理する際、アンモニア含有ガスの硫黄系及び有機窒素系臭気成分による悪臭を大幅に抑制した上で葉茎のアンモニア処理を行うことができる。これにより、そのままでは家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎などの繊維質が加安分解され、消化吸収しやすくなるとともに粗蛋白量が増加し、さらに硫黄系及び有機窒素系臭気成分による臭気が大幅に低減されため、付加価値の極めて高い飼料とすることができる。このようにして得られた飼料を用いることで、家畜の肉質改善効果を得ることも可能である。
本発明に係る葉茎処理方法を実施するための葉茎処理システムの一例を示す概略構成図である。 実施例で用いたアンモニア処理ベンチスケールプラントを示す概略構成図である。 実施例1で得られたアンモニア放散濃度と消化液のpHとの関係を示すグラフである。 実施例2で得られたアンモニア放散濃度の温度依存性を示すグラフである。
符号の説明
1 メタン発酵槽
4 熱交換器
5 循環タンク
6 アルカリタンク
8 ポンプ
9 アンモニア放散塔
10 ブロワ
11 生物脱臭塔
12 ラッブサイロ
20 葉茎処理システム

Claims (4)

  1. 有機性廃棄物を発酵処理する工程と、前記有機性廃棄物の発酵処理により生じた発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収する工程と、前記アンモニア含有ガスから硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を除去する工程と、前記臭気成分を除去したアンモニア含有ガスを葉茎に接触させて発酵処理する工程とを含むことを特徴とする葉茎の処理方法。
  2. 前記有機性廃棄物の発酵処理としてメタン発酵処理を行い、該メタン発酵処理により生じた発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収する前に、該発酵残渣中の二酸化炭素を放散させることを特徴とする請求項1に記載の葉茎の処理方法。
  3. 前記アンモニア含有ガスの硫黄系及び有機窒素化合物系の臭気成分を、活性炭吸着法及び生物脱臭法の少なくともいずれか一方によって除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の葉茎の処理方法。
  4. 前記アンモニア含有ガスを葉茎に接触させた後、該ガスを、前記発酵残渣からアンモニア含有ガスを回収するための放散塔又は前記有機性廃棄物の発酵を行うための発酵槽に戻すことにより循環させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の葉茎の処理方法。
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