以下、本発明の一実施形態である遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称する。)について、各図を参照しつつ説明する。
[パチンコ機の全体構成]
図1および図2を参照しつつ説明する。図1は、パチンコ機1の外枠の一側に本体枠3が開かれその本体枠3の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の前側全体を示す正面図である。なお、図1および図2では、遊技領域37における装飾部材を省略して図示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4および遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の全面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉自在に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成]
図2および図3を参照しつつ説明する。図3は、パチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12および機構装着体13を合成樹脂等によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピンおよびヒンジ孔によって開閉回動自在に装着されている。即ち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピンおよびヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着版17が装着されている。そして、スピーカ装着盤にはスピーカ18が装着されている。
前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成]
図1および図2を参照しつつ説明する。前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。
前面枠4の略中央部には、遊技盤5の盤面に形成された遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が、それぞれ装着されている。
サイド装飾装置52は、ランプ駆動基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、この開口孔には、ランプ駆動基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている、音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58およびリフレクタ体(図示せず)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
また、上皿51の前面左側には、演出選択スイッチ60が設けられている。この演出選択スイッチ60は、遊技者自身が押下可能に構成されている。遊技者がこの演出選択スイッチ60を押下すると、後述する演出画像表示装置115における演出表示に、遊技者の意思を反映することができる。なお、この演出選択スイッチ60に代えて、レバーまたはスイッチであってもよい。また、遊技者の音声を受け付ける音声入力手段であってもよい。即ち、遊技者の意思を反映できるものであれば良い。
[施錠装置の構成]
図1および図3を参照しつつ説明する。前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。
即ち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱自在に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱自在に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11および下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成]
図1、図3および図4を参照しつつ説明する。図4は、パチンコ機1の後側全体を示す背面図である。図1および図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。
遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。
なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の間隙が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その間隙から排出され、下皿31に案内されるように構成されている。
また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。
ボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の周辺制御基板610が収納された周辺制御基板ボックス130が装着され、その周辺制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板510が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。
さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、周辺制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、周辺制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンクおよびタンクレールの構成]
図7および図8を参照しつつ説明する。図7は、パチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は、本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134および払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。
球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。
また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。即ち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左側)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に伸びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示せず)とを一体に備えて形成されている。
レール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。
また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物300)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。
また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。換言すれば、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物300の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部および球払出装置の構成]
図7および図8を参照しつつ説明する。本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。
また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図3参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。
また、本体枠3の後端、即ち、払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150および球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関す各種部品が装着されることでユニット化されている。
なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌め込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図3および図4を参照しつつ説明する。本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを差動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。
前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。
払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板510から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成]
図4および図5を参照しつつ説明する。図5はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図9参照)および主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。
機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他端壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の後壁部の上下および中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌め込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。
また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
即ち、後カバー体210は、その上下および中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌め込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図9参照)全体および主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板510の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板510上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板510上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230,231,232,233が貫設されており、これら多数の放熱孔230,231,232,233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさおよび配設位置に対応する大きさおよび位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成]
図2および図6を参照しつつ説明する。図6は、図5に示すパチンコ機1の斜視図から後カバー体210および各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球および貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インターフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インターフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される貸球機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について]
図10〜図22を参照しつつ説明する。図10は、遊技領域37を有した遊技盤5の構成を示す拡大正面図である。図11は、遊技盤5を斜め前方から示す斜視図である。
図10および図11に示すように、遊技盤5は、遊技領域37を形成する略円形の遊技領域形成壁80を有している。この遊技領域形成壁80の内側(遊技領域37側)であって且つ左側には、遊技球を遊技領域37に案内する外レール76および内レール77からなる案内レール78が設けられている。発射装置ユニット194(図7参照)から発射された遊技球は、案内レールに沿って遊技領域37に向けて打ち込まれる。
遊技領域37の中央部には、センター役物300が配置されている。このセンター役物300は、遊技領域37の幅方向のうち3分の2以上の幅を占める大きさである。センター役物300は略長方形の開口部301を有しており、この開口部301には演出画像表示装置115が配置されている。また、センター役物300は枠状装飾体370を有しており、この枠状装飾体370は、開口部301の開口縁に沿って設けられている。
センター役物300の下方には、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な第1始動口390が配置されている。第1始動口390の下方には、一対の可動片396を有する第3始動口394(第2始動口については後述する)が配置されている。第3始動口394は、一対の可動片396が閉状態であるときは遊技球を受け入れることが不可能または受け入れ困難となっており、この一対の可動片396が開状態であるときは、第1始動口390よりも遊技球の受け入れが容易となる。なお、図10、図11および図12に図示されている一対の可動片396は、開状態および閉状態のいずれも実線で表されている。
なお、本実施形態において、「下方」とは、遊技球の流下方向についての下流側を意味し、「上方」とは、遊技球の流下方向についての上流側を意味する。
第1始動口390の真上であって且つ枠状装飾体370の下枠370aには開口部372が形成されている。
センター役物300の上部には、演出用開閉装置398が設けられている。この演出用開閉装置398は、演出用大入賞口3981と、この演出用大入賞口3981に対応して設けられた開閉扉3982とを有している。
演出用大入賞口3981は、遊技球の受け入れが可能な開口領域であって、具体的には、上側、下側、左側、右側、手前側および奥側の周囲6方向のうち、遊技者から見て手前側および上側に開口部が形成されると共に左側、右側、下側および奥側に壁が形成された領域である。遊技者から手前側の開口部は、窓枠39に装着されたガラス板によって塞がれている。これにより、遊技者は、演出用大入賞口3981に受け入れられた遊技球を視認できる。一方、上側の開口部は、後述する開閉扉3982によって開閉自在に構成されている。また、奥側の壁は光を透過可能な透明部材で構成されており、この透明部材の背後には、赤色と緑色とで切り替えて発光可能な演出用開閉装置状態表示ランプ651が設けられている。即ち、この演出用開閉装置状態表示ランプ651は、演出用開閉装置398内で表示可能となっている。
開閉扉3982は、演出用大入賞口3981の上側の開口部を、遊技球の受け入れが可能な開状態と遊技球の受け入れが不可能または困難にする閉状態とに切り換えるための部材である。具体的には、遊技盤5の盤面に対して略直交する方向(即ち前後方向)に出し入れ自在に構成された長方形状の平板からなる可動片であって、開閉扉3982が、遊技者から見て遊技盤5の盤面から手前側に突出したときは上側の開口部を塞ぎ、遊技盤5の盤面側に退避したとき(本実施形態では、遊技盤5の盤面と開閉扉3982とが略面一となったとき)、上側の開口部が開放する。このように、開閉扉3982が遊技盤5の盤面に対して略直交する方向に出し入れ自在に構成されていることによって、遊技領域37に占める演出用開閉装置398の領域を省スペース化することができる。近年、演出にかかる遊技の興趣を高めるために演出画像表示装置115の拡大化が進んでいることから、各部材を効率良く遊技領域37に設ける必要があり、その効果は顕著である。とくに、本実施形態では、従来から設けられている大当たり遊技用開閉装置400とは別に演出用開閉装置398を設けていることから、遊技領域37に占める演出用開閉装置398の領域を小さくすることによる効果は絶大である。
また、演出用大入賞口3981が閉状態であるとき、遊技領域37に向けて打ち込まれて開閉扉3982の平面部に衝突した遊技球は、開閉扉3982の平面部に対して衝撃を与える。しかし、本実施形態においては、演出用開閉装置398が演出画像表示装置115の上方に設けられているので、仮に演出用開閉装置398が第1始動口390の下方に設けられた場合と比べると、遊技球が演出用開閉装置398の平面部に対して与える衝撃が小さくなる。これは、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は重力によって加速するので、開閉扉3982がより上方に設けられている方が、開閉扉3982の平面部に衝突する際における遊技球の速度が小さいからである。
なお、本実施形態では、開閉扉3982が遊技盤5の盤面に対して略直交する方向に出し入れ自在に構成されているがこれに限られず、遊技領域37に占める演出用開閉装置398の領域を省スペース化することができれば、交差する方向であっても良い。
また、本実施形態において、「前後方向」とは、遊技者からみた場合に前後方向であることを意味する。
第1始動口390と球排出口406との間、具体的には第3始動口394の下方であって且つ球排出口406の上方(本実施形態では直上)には、大当たり遊技用開閉装置400が設けられている。演出用開閉装置398と大当たり遊技用開閉装置400とで、開閉装置397を構成している。大大当たり遊技用開閉装置400は、大当たり遊技用大入賞口4001と、この大当たり遊技用大入賞口4001に対応して設けられた開閉扉4002とを有している。大当たり遊技用大入賞口4001は、遊技球の受け入れが可能な開口部である。開閉扉4002は、大当たり遊技用大入賞口4001を、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球の受け入れが不可能な閉状態と当該閉状態よりも受け入れが容易な開状態とに切り換えるための部材である。なお、大当たり遊技用大入賞口4001が閉状態であるとき、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球の受け入れが必ずしも不可能であることに限定されるものではなく困難、好ましくは極めて困難であっても良い。
センター役物300の左側には、遊技球が通過可能な通過ゲート402が設けられており、センター役物300の左下方(第1始動口390および第3始動口394の左側)には、三つの一般入賞口404が設けられている。
なお、本実施形態において、「左側」とは、遊技者からみた左側を意味する。
遊技球の流下方向について最も下流側には、各始動口390,392,394、演出用開閉装置398、大当たり遊技用開閉装置400および一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球を遊技盤5の背後に排出する球排出口406が形成されている。即ち、遊技球の流下方向について球排出口406よりも上流側に設けられた各始動口390,392,394、演出用開閉装置398、大当たり遊技用開閉装置400および一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球は、この球排出口406に向けて流下する。
大当たり遊技用開閉装置400は球排出口406の直上に配置されている。これにより、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作中は、各始動口390,392,394、演出用開閉装置398および一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球が大当たり遊技用開閉装置400の近傍に集まってくるので入賞の期待感をもつことができる。
センター役物300の右下には、後述する第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を表示する第1特別図柄表示器84、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を表示する第2特別図柄表示器86、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数を表示する第1特別図柄保留表示器88および第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数を表示する第2特別図柄保留表示器90が設けられている。
これらの各表示器84,86,88,90は、例えばLEDで構成されており、このLEDの点灯態様によって、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数および第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数が報知される。
なお、「抽選の保留数」とは、本実施形態によれば、当否判定用乱数を取得するものの当該取得した当否判定用乱数が当たりであるか否かの判定の保留数を意味するが、これに限られず、当否判定用乱数の取得を保留し、当該取得を保留した当否判定用乱数の保留数であっても良い。
また、第1特別図柄保留表示器88および第2特別図柄保留表示器90には、抽選の保留数の表示に代えて、抽選結果の表示の保留数であっても良い。即ち、当否判定用乱数を取得し且つ当該取得した当否判定用乱数の当否を判定するものの、当該判定結果を第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に表示することを保留し、かかる保留数を表示しても良い。
センター役物300は、枠状装飾体370の下枠370a付近に、第1棚部(以下、「第1ステージ330」と称する。)と、遊技球の流下方向について第1ステージ330よりも下流側に配置された第2棚部(以下、「第2ステージ350」と称する。)とを有している。第2ステージ350が配置されている位置は、第1ステージ330に対して演出画像表示装置115の反対側(即ち前方(遊技者)側)である。なお、第1ステージ330と第2ステージ350との間には段差が形成されている。
枠状装飾体370の左枠370bの上下方向の略中央付近(即ち枠状装飾体370の側方)には、流下する遊技球を、第1ステージ330まで誘導するための第1ステージ誘導路(以下、「第1ワープ316」と称する。)に受け入れ可能な第1ワープ入口306が設けられている。
また、第1ワープ入口306の下方には第2ステージ誘導路(以下、「第2ワープ318」と称する。)に受け入れ可能な第2ワープ入口308が、第1ワープ入口306と並設されている。
第1ワープ入口306および第2ワープ入口308の下方には、それぞれ、第1ワープ入口306に遊技球を誘導する第1ワープ誘導片(図示せず)および第2ワープ入口308に遊技球を誘導する第2ワープ誘導片310が設けられている。この第2ワープ誘導片310は、枠状装飾体370から左方(即ち、センター役物300から遊技領域37)に向けて突出している。これにより、第2ワープ入口308が第1ワープ入口306よりも遊技球が導かれ易くなっている。従って、遊技球が第1ワープ入口306に導かれなかった場合であっても、第2ワープ入口308に受け入れられる期待感が高まり、興趣が高められる。
第1ステージ330には、第1ワープ出口側端部336から第1ワープ反出口側端部338にかけて波状に形成された曲面が形成されている。詳しくは、上方向に膨らんだ山部332が第1ステージ330の左右方向の略中央部に形成されており、この山部332の左右両側には、山部332と連続的に連なった谷部334が形成されている。
なお、山部332の高さは、第1ワープ出口側端部336および第1ワープ反出口側端部338よりも低い位置となっている。これにより、第1ワープ出口312から排出された遊技球は、山部332を乗り越えることができ、第1ワープ出口側端部336第1ワープ反出口側端部338との間を往復して転動することができる。
第2ステージ350の略中央部には、高台部352が形成されている。この高台部352は、第1ステージ330の山部332の前方に位置している。第2ステージ350は、高台部352の他、第2ワープ出口側端部356からこの高台部352にかけて曲面が形成された湾曲部354を有している。また、第2ワープ反出口側端部358から高台部352にかけて曲面が形成された湾曲部354を有している。これらの湾曲部354は、高台部352よりも下方に湾曲している。
なお、高台部352の高さは、第2ワープ出口側端部356および第2ワープ反出口側端部358よりも低い位置である。これにより、第2ワープ出口314から排出された遊技球は、高台部352を乗り越えることができ、第2ワープ出口側端部356から第2ワープ反出口側端部358との間を往復して転動することができる。
第1ワープ入口306および第2ワープ入口308に受け入れられた遊技球は、それぞれ、第1ワープ出口312および第2ワープ出口314から排出されて、第1ステージ330および第2ステージ350に導かれる。
なお、第1ワープ316における遊技球の流下方向と第1ステージ330における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、第1ワープ316を流下した遊技球は、運動エネルギーの損失が少ない。即ち、第1ワープ316を流下した遊技球がその進行方向を変えられると運動エネルギーが損失してしまう。従って、第1ワープ316を流下した遊技球は、第1ステージ330上を勢い良く転動する。同様に、第2ワープ318における遊技球の流下方向と第2ステージ350における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、第2ワープ318を流下した遊技球も、運動エネルギーの損失が少ない。これにより、第1ステージ330に導かれた遊技球および第2ステージ350に導かれた遊技球は、いずれも、第1ステージ330上および第2ステージ350上を勢い良く転動し、各ステージ330,350上に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
また、本実施形態において、第1ステージ330および第2ステージ350には、センター役物300の右側からは遊技球が導かれない。即ち、第1ステージ330および第2ステージ350にはセンター役物300の左側からのみ遊技球が導かれるので、第1ステージ330上および第2ステージ350上を転動する遊技球が、反対方向から導かれた遊技球によって転動を阻害されることがない。これにより、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
枠状装飾体370の下枠370a付近であって且つ演出画像表示装置115と第1ステージ330との間には、演出画像表示装置115に隣接するセンター電飾部302が形成されている。このセンター電飾部302には、センター役物300の幅方向に沿って棚状の曲面が形成されており、この曲面には、複数のセンター装飾ランプ304が配置されている。
センター電飾部302の左右方向の略中央部であって且つ第1ステージ330の山部332に対応する位置には、遊技球を受け入れ可能な第2始動口392が形成されている。即ち、第2始動口392は、遊技球の流下方向である第2ステージ350側ではなくその反対方向に設けられている。これにより、遊技者から見て遊技球の第2始動口392への入賞を視認し易くなる。これは、第2ステージ350が第1ステージ330よりも下方に形成されており且つ第1ステージ330と第2ステージ350との間に後述するステージ仕切壁364が設けられているからである。
また、第1ステージ330の山部332には、第2始動口392に遊技球を導くための第2始動口誘導溝340が形成されている。この第2始動口誘導溝340は、山部332から第2始動口392にかけて下方に傾斜しており、これにより、第2始動口392に遊技球が導かれるようになっている。従って、第1ステージ330上を転動している遊技球が山部332付近で転動する勢いがなくなったとき、この第2始動口誘導溝340によって第2始動口392に導かれ易くなる。
なお、第2始動口392に入賞した遊技球は、遊技盤5の背後に連通する排出路(図示せず)を通って、遊技盤5の背後に排出される。
第1ステージ330の谷部334には、第2ステージ350に遊技球を導くための第2ステージ誘導溝342が形成されている。この第2ステージ誘導溝342は、谷部334から第2ステージ350にかけて下方に傾斜しており、これにより、第2ステージ350に遊技球が導かれるようになっている。従って、第1ステージ330上を転動している遊技球が山部332を乗り越える勢いがなくなったとき、この第2ステージ誘導溝342によって第2ステージ350に導かれ易くなる。第1ワープ出口側端部336と第1ワープ反出口側端部338との間を往復して転動するだけの勢いがなくなった遊技球は、山部332から第3始動口394に入賞する可能性よりも、谷部334から第2ステージ350に導かれる可能性の方が極めて高い。
第1ステージ330と第2ステージ350との間には、各ステージ330,350を仕切るための薄い板状のステージ仕切壁364が設けられている。このステージ仕切壁364は第1ステージ330上の面よりも上方向に突出するように配置されており、これにより、第1ステージ330上を転動する遊技球が第2ステージ350に流下しないようになっている。ただし、ステージ仕切壁364の第1ステージ330の谷部334に対応する位置には、第1ステージ330(具体的には谷部334)と第2ステージ350とが連通する連通部366が形成されている。連通部366付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、連通部366を通って第1ステージ330から第2ステージ350に流下する。
第2ステージ350の左右方向の略中央部(即ち、第1ステージ330の山部332に対応する部位)であって且つ高台部352に対応する位置には、第1始動口誘導路374を介して枠状装飾体370の下枠370aに形成された開口部372に連通する第1始動口誘導口368が形成されている。即ち、第1始動口誘導口368は、遊技球の流下方向側ではなくその反対方向に設けられている。これにより、遊技者から見て遊技球が第1始動口誘導口368に受け入れられることを視認し易くなる。
第1始動口誘導口368に導かれた遊技球は、第1始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出される。ここで、第1始動口誘導路374は第1始動口390の真上方まで遊技球を導くように形成されているので、第1始動口誘導路374に導かれて遊技盤5面側に排出された遊技球が第1始動口390に入賞する期待感は非常に大きなものとなる。また、第1始動口390の直上には釘が配置されており、この釘によって第1始動口390に遊技球が1球ずつ受け入れ可能となっている。ただし、この釘によって第1始動口390への遊技球の入賞が阻害されることもある。従って、第1始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出された遊技球が第1始動口390に入賞する確率は、概ね4分の1〜4分の3程度となる。
高台部352の左右方向の略中央部は第1始動口誘導口368の位置に対応しており、高台部352の両端から略中央部にかけて下方に傾斜している。また、高台部352の略中央部には、後述する第3棚部(以下、「第3ステージ376」と称する。)に遊技球を導くための前方傾斜溝360が形成されている。また、前方傾斜溝360の内側にはさらに、遊技球を第1始動口誘導口368に導くための第1始動口誘導口誘導溝362が形成されている。即ち、高台部352の略中央部には、後方から前方にかけて下方に傾斜する前方傾斜溝360が形成されていると共に、この前方傾斜溝360の内部にさらに、前方から後方にかけて下方に傾斜する第1始動口誘導口誘導溝362が形成されていることとなる。これにより、前方傾斜溝360付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、第1始動口誘導口誘導溝362に沿って第1始動口誘導口368に導かれる場合と、前方傾斜溝360に沿って第3ステージ376に流下する場合とがある。
また、枠状装飾体370の下枠370aには、左右方向に円弧を描くように曲面が形成された第3ステージ376が形成されている。遊技球は、この第3ステージ376上を左右方向に転動可能となっている。第3ステージ376の左右方向の略中央部には、後方から前方にかけて下方に傾斜する前方誘導溝378が形成されている。この前方誘導溝378付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、前方誘導溝378に沿って遊技盤5上を流下する。
このように、高台部352の略中央部に第1始動口誘導口誘導溝362が形成されているので、第1始動口誘導口368に遊技球が導かれる期待感は、山部332から第2始動口392に入賞する期待感よりも極めて高くなる。また、第2始動口392には第1ワープ入口306からセンター役物300内に受け入れられた遊技球のみが入賞可能である一方、第1始動口390には第1ワープ入口306または第2ワープ入口308からセンター役物300内に受け入れられた遊技球のみでなく、センター役物300の左側を流下した遊技球が、釘によって誘導されて第1始動口390に入賞する場合もある。このように、第1始動口390に遊技球が入賞する確率は、第2始動口392に遊技球が入賞する確率よりも高いものとなる。
図12は、遊技盤5を斜め前方から示す斜視図であって、装飾カバーを取り外すことによって第1ワープ316および第2ワープ318を視認可能とした斜視図である。図12に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318は、互いに区画して形成されている。即ち、第1ワープ入口306から取り込まれた遊技球は第1ワープ316のみを流下し、第2ワープ入口308から取り込まれた遊技球は第2ワープ318のみを流下する。これにより、第1ワープ入口306から取り込まれた遊技球と第2ワープ入口308から取り込まれた遊技球とが互いに干渉することなく、それぞれ、第1ステージ330および第2ステージ350に導かれる。
また、第1ワープ316および第2ワープ318は、いずれも、内部を流下する遊技球を視認可能であるように透明部材で構成されている。これにより、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308から受け入れられた遊技球を視認できる。遊技者は、センター役物300や演出画像表示装置115に注意を惹かれていることが多いため、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308に遊技球が受け入れられたことを見逃す場合が多く、これにより興趣が低下していた。そこで、第1ワープ316および第2ワープ318を透明部材とすることによって、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308に遊技球が受け入れられたことを見逃した場合であっても、第1ワープ316および第2ワープ318を流下する遊技球を視認できるので、興趣の低下を抑制できる。
さらに、第1ワープ316および第2ワープ318は、互いに前後方向に隣接してセンター役物300の開口部301に沿って配置されている。詳しくは、第1ワープ316が後方側、第2ワープ318が前方側となるように、互いに隣接すると共に、センター役物300の開口部301に沿って設けられている。これにより、狭いスペースであっても、両者を効率良く配置できる。
図13は、第1ワープ316および第2ワープ318の周辺の構成を示す斜視図である。図13に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318の後方には、演出用の光源380が配置される。光源380は、ベース382と複数個のLED384とを有しており、ベース382に複数個のLED384が配列されている。なお、光源380(ベース382およびLED384)、装飾カバー386および光透過部材388によって電飾部材379が構成される。
光源380から発光された光は、光透過部材388に入射し、平面部3881に沿って光透過部材388を透過して遊技盤5の前方に導かれる。光透過部材388は、湾曲された板状の部材であって、透明のプラスティック等の樹脂により構成されている。光透過部材388は平面部3881と、この平面部3881に交差する端部3882とを有している。光透過部材388は、この端部3882が前方側(遊技者側)となるように配置される。
第1ワープ316、第2ワープ318および光透過部材388は、着色された非透明の装飾カバー386によって被覆されている。光透過部材388を透過した光は、装飾カバー386まで導かれるので、装飾カバー386の前面部が発光する。このように、光透過部材388は、光源380から発光された光を前方に導いて線状に発光させることができる。しかも、この光透過部材388は平面部3881の幅方向長さ分だけ光を前方に導くことができるので、光源380を配置する位置の自由度が大きくなる。
また、装飾カバー386が着色されることによって、第1ワープ316および第2ワープ318が視認し難くなっている。従って、装飾カバー386の前面部には、第1ワープ316を流下する遊技球を視認できるように第1ワープ視認孔3861と、第2ワープ318を流下する遊技球を視認できるように第2ワープ視認孔3862とが形成されている。これにより、着色された光による演出を行うことができると共に、第1ワープ316および第2ワープ318を流下する遊技球を視認することができ、興趣が高められる。
図14は、光透過部材388と第1ワープ316および第2ワープ318との位置関係を示した図である。図14に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318は、光透過部材388の平面部3881に沿って取り付けられる。ここで、光源380から発光された光は光透過部材388の端部3882から前方に導かれるので、遊技球が流下する経路を、光源380から発光された光によって容易に把握することができる。
また、第1ワープ316および第2ワープ318が互いに前後方向に隣接して配置されているので、第1ワープ316および第2ワープ318のそれぞれに光源380および光透過部材388を設けることなく、第1ワープ316および第2ワープ318のそれぞれを流下する遊技球を把握することができる。
また、光透過部材388を透過した光は端部3882から出射するので、線状に発光させることができる。これにより、センター役物300の周囲に沿う場所等、狭い場所であっても発光させることが可能になり、華やかな演出の実行が可能となる。さらに、センター役物300の開口部301に沿って発光させたい場合のように、枠状に発光させることも可能となる。
また、この光透過部材388の端部3882には、平面部3881が正面視となる方向から見て蒲鉾形に形成されている。これにより、平面部3881を透過した光が、直線的に前方に導き出されるのではなく端部3882の長手方向に沿う方向に分散されるので、発光領域が大きくなり、より華やかに見え、興趣が高められる。
また、このパチンコ機1は、遊技領域37に配置され、1球の遊技球を用いた演出を行うことが可能な演出用役物420を含んでいる。図15は、演出用役物420を含む遊技盤5の構成を示す正面図である。
演出用役物420は、センター役物300の内側であって且つ枠状装飾体370の右枠370cに隣接する部位に配置されており、演出用開閉装置398から受け入れられた遊技球を用いて演出を行なう。
演出用役物420は円筒状の役物収容体422を有しており、この役物収容体422の内部には、図15に示すようにフィギュア424が収容されている。この役物収容体422は、円周方向の一部が、内部のフィギュア424を視認できる透明部材で構成されており、円周方向の一部とは異なる他の部が、内部のフィギュア424を視認できない不透明部材で構成されている。ただし、透明部材に代えて開口部が形成されていても良い。内部に収容されたフィギュア424を視認できればその態様は限定されない。
なお、この明細書において、フィギュア424を視認できる側を演出側領域、フィギュア424を視認できない側を装飾側領域と称する。
役物収容体422は、長手方向に伸びる中心(即ち役物収容体422の長手方向を横切る断面の中心線)を回転中心として、遊技盤5に対して回転自在に構成されている。従って、その回転位置によって、遊技者からフィギュア424を視認できたりまたは視認できなかったりする。即ち、不透明部材が前方(遊技者側)となる場合にはフィギュア424を視認できず(図10参照)、透明部分が前方となる場合にはフィギュア424を視認することができる(図15参照)。
なお、「遊技盤5に対して回転自在」とは、遊技盤5に取り付けられていることを意味するのではなく、遊技盤5に取り付けられているか否かに拘わらず、遊技盤5に対して回転自在であれば良い。
フィギュア424を視認できないとき、役物収容体422の前面には「歌姫伝説」の文字を視認することができる。この文字は光を透過可能な透明部材で構成されている。また、この文字の後方にはLED等の光源が配置されている。この光源から遊技盤5の前方に向けて発光させると、「歌姫伝説(装飾文字)」が点灯する。そして、光源の点灯態様を様々な態様とすることで、演出用役物420を装飾部材として用いることもできる。
従って、演出用役物420は、フィギュア424を視認できるとは演出用役物420として機能し、フィギュア424を視認できないとき(即ち装飾文字を視認できるとき)は装飾部材として機能するので、遊技盤5の領域を有効に活用できると共に、役物収容体422を回転させることによって遊技者に意外性を与えることができるので興趣が高められる。
図16は、遊技盤5の後方に取り付けられる遊技盤ベース480を、正面上前方から示す斜視図である。図17(a)は、遊技盤5の拡大正面図である。図17(b)は、図17(a)に示されるA−A線断面図である。図16および図17(b)に示すように、演出用役物420と演出用開閉装置398との間には、演出用開閉装置398から受け入れられた遊技球を演出用役物420に向けて導く役物誘導路440が設けられている。
また、役物誘導路440は、演出用開閉装置398から演出用役物420に向けて下方に傾斜している(図16参照)。これにより、演出用開閉装置398に受け入れられた遊技球は、演出用役物420に向けて役物誘導路440上を転動する。また、役物誘導路440は透明な樹脂部材で構成されており、これにより、役物誘導路440上を転動する遊技球を視認することができる。
演出用開閉装置398から受け入れられた遊技球は、演出用役物420の上方に設けられた振分機構450によって、演出用役物420に導かれる遊技球と遊技盤5の背後に排出される遊技球とに振り分けられる。
図18は、演出用開閉装置398、役物誘導路440、振分機構450および演出用役物420を左上方から見た斜視図である。図19〜図21は、役物誘導路440、振分機構450および演出用役物420の平面図であって、遊技球が振分機構450によって振り分けられる態様を示す図である。
図18〜図21に示すように、振分機構450は、図18に示すX方向およびY方向に伸縮(移動)するプランジャー4521を有するソレノイド452と、演出用開閉装置398(図18参照)から受け入れられた遊技球を、1球のみ保持できる遊技球保持部材454と、プランジャー4521と遊技球保持部材454とを連結する連結部材456と、連結部材456を支持するピン458とを有している。
図19および図20に示すように、ソレノイド452のプランジャー4521は、通常状態(即ち消磁状態)のときはX方向側に位置している。そして、役物誘導路440上を振分機構450に向けて転動してきた遊技球は、遊技球保持部材454に保持される。
図20に示すように、遊技球保持部材454に1球の遊技球が保持されると、その後に役物誘導路440上を転動してきた遊技球は、遊技球保持部材454によって保持できないので、遊技盤5の後方側(図中のY方向側)に排出される。
図21に示すように、ソレノイド452が励磁するとプランジャーがY方向に移動する。このとき、連結部材456がピン458を支点として反時計回り(図中のα方向)に回転する。遊技球保持部材454は、連結部材456の反時計回りへの回転に伴って反時計回りに回転する。演出用役物420の役物収容体422の上面には、遊技球が落下できる落下口4221が形成されている。ソレノイド452が励磁して遊技球保持部材454が連結部材456を支点として反時計周りに回転すると、遊技球保持部材454に保持されている遊技球は、落下口4221から役物収容体422内に落下する。
なお、ソレノイド452が消磁状態であれば、遊技球保持部材454によって保持された遊技球が落下口4221とずれた位置で保持されるので、遊技球保持部材454によって保持された遊技球が役物収容体422内に落下することはない。
このようにして、演出用開閉装置398に入賞した遊技球が複数であっても、振分機構450によって1球の遊技球のみが演出用役物420内に導かれることとなる。これにより、演出用役物420が、1球の遊技球を用いて演出を行うことが可能となる。
図22は、演出用役物420の役物収容体422の内部構成を示す正面図である。図22に示すように、役物収容体422の内部には、遊技球を用いて演出を行うフィギュア424が配置されている。
役物収容体422の内部には、フィギュア424の他、遊技球が転動可能な第1演出樋426および第2演出樋428が設けられている。第1演出樋426および第2演出樋428は、いずれも、遊技球が転動する態様を視認できるように透明部材で構成されている。
フィギュア424は、片手4241を前方向に差し出した態様で配置されている。また、フィギュア424には、片手4241の真上に支持軸430が支持されている。この支持軸430は、前後方向を長手方向とする軸である。即ち、片手4241と支持軸430とが略平行となる。第1演出樋426は、フィギュア424の片手4241に支えられるように片手4241に固定して配置されていると共に、支持軸430に支持されている。
支持軸430は、フィギュア424の片手4241および第1演出樋426と一体的に構成されていると共に、所定の角度範囲内で回転自在に構成されている。
第1演出樋426の下方には第2演出樋428が配置されている。この第2演出樋428は、一方の端(本実施形態では右端4281)から他方の端(本実施形態では左端4282)にかけて傾斜している。
支持軸430の下方であって且つ左方の端部側には第1の演出口432が、支持軸430の下方であって且つ右方の端部側には第2演出樋428に連通する第2演出樋誘導口434が、それぞれ形成されている。即ち、第2演出樋誘導口434は、第1演出樋426上の遊技球を、第2演出樋428上を転動させて第2の演出口436に導くことが可能となっている。そして、支持軸430が反時計回りの方向に回転限界まで回転したとき、第1演出樋426の左端4262が第1の演出口432の上方に位置する。一方、支持軸430が時計回りの方向に回転限界まで回転したとき、第1演出樋426の右端4261が第2演出樋誘導口434の上方に位置する。
また、第2演出樋428の左端4282の直下方には、第2の演出口432が形成されている。即ち、第1の演出口432と第2の演出口436とが上下に並んで形成されている。
ここで、第1の演出口432は青色、第2演出樋誘導口434および第2の演出口436は赤色で構成されている。これにより、第2の演出口436と第2演出樋誘導口434とが同一色であるので、第1演出樋426上を転動する遊技球を左右に振り分ける演出を行いつつ、演出画像表示装置115によって第1の演出口432および第2の演出口436のうちいずれに遊技球が導かれると当たりであるかを報知する演出を行うことが可能となり、興趣が高められる。
[主基板および周辺基板の制御的な構成について]
図23および図24に基づき説明する。図23は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、主基板500周辺の構成を主として示した図である。図24は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、周辺基板600周辺の構成を主として示した図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板500のグループ(図23に示す)と、周辺基板600のグループ(図24に示す)とで分担されている。主基板500のグループは遊技動作(入賞検出や当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板600のグループは演出動作(発行装飾や音響出力、液晶表示および装飾体の動作等)を制御している。
図23に示すように、主基板500は、主制御基板510と払出制御基板520とから構成されている。主制御基板510は、中央演算装置としてのCPU511、読み出し専用メモリとしてのROM512および読み書き可能メモリとしてのRAM513を備えている。
CPU511は、ROM512に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板600や払出制御基板520に出力するコマンド信号を作成したりする。
RAM513には、主制御基板510で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板500は、電源中継端子板199を介して電源基板195に接続されており、電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板510の入力インタフェースには、第1始動口390への入賞状態を検出する第1始動口センサ580、第2始動口392への入賞状態を検出する第2始動口センサ582、第3始動口394への入賞状態を検出する第3始動口センサ584および全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ586が接続されている。
また、主制御基板510の入力インタフェースには、パネル中継端子板550を介して、通過ゲート402を遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ560および一般入賞口404に遊技球が入賞したことを検出する一般入賞口センサ562が接続されている。
さらに、主制御基板510の入力インタフェースには、パネル中継端子板550に接続された演出用開閉装置中継端子板552を介して演出用開閉装置カウントセンサ570が接続され、パネル中継端子板550に接続された大当たり遊技用開閉装置中継端子板554を介して大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ576が接続されている。
上記各センサからの検出信号は主制御基板510に入力されるようになっている。また、主制御基板510の入力インタフェースには、前枠体11の開放状態を検出する内枠開放スイッチ536および前面枠4の開放状態を検出する扉開放スイッチ538も接続されている。
一方、パネル中継端子板550の出力インタフェースには、図柄制限抵抗基板566を介して、普通図柄・特別図柄表示基板568が接続されており、主制御基板510から、普通図柄表示器82、第1特別図柄表示器84および第2特別図柄表示器86へ駆動信号を出力することが可能になっている。
また、演出用開閉装置中継端子板552の出力インタフェースには、演出用開閉装置398の開閉扉3982を駆動する演出用開閉装置開閉ソレノイド578が接続されており、主制御基板510から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
さらに、大当たり遊技用開閉装置中継端子板554の出力インタフェースには、第3始動口394の一対の可動片396を駆動する普通電動役物ソレノイド574および大当たり遊技用開閉装置400の開閉扉4002を駆動する大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド572が接続されており、主制御基板510から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
一方、払出制御基板520は、中央演算装置としてのCPU522、読み出し専用メモリとしてのROM524および読み書き可能メモリとしてのRAM526を備えている。
そして、払出制御基板520は、主制御基板510から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170や、発射制御基板532に接続された発射モータ192に対して、駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ192は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、主制御基板510と払出制御基板520との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主制御基板510が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板520から主制御基板510にACK信号が返される。
また、払出制御基板520には、下皿31に貯えられる遊技球が満タンになったことを検出する下皿満タンスイッチ530も接続されており、この検出に基づいて、「遊技球を下皿31から取り出して下さい」旨の報知がなされる。
また、主制御基板510および払出制御基板520には、外部端子板534が接続されており、各始動口390,392,394や各開閉装置398,400への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺基板600は、図24に示すように、周辺制御基板610と表示装置制御基板116とから構成されている。なお、上記の主制御基板510と周辺制御基板610との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板510から周辺制御基板610へのコマンド送信はあっても、その逆は行われない。また、周辺基板600に対しても電源中継端子板199を介して電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
周辺制御基板610もまた、CPU611をはじめROM612やRAM613等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。
また、周辺制御基板610には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM619と、ROM619に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC618とが設けられている。
なお、周辺制御基板610と表示装置制御基板116との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
一方、表示装置制御基板116には、演出画像表示装置115としての液晶表示器(LCD)が接続されており、表示装置制御基板116には、周辺制御基板610から送信されたコマンド信号を処理し、演出画像表示装置115に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、表示装置制御基板116には、CPU632、RAM634、ROM636、VDP638および画像ROM639が備えられている。
CPU632は、周辺制御基板610から送られてきたコマンド信号を入出力インタフェースを介して受信するとともに、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP638の制御を行う。RAM634は、CPU632の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM636は、CPU632用(表示制御用)のプログラムを保持する。
VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)638は、演出画像表示装置115に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP638の内部には、レジスタが設けられており、VDP638の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU632が書き換えることにより、演出画像表示装置115における表示態様を種々変化させることが可能となる。これにより、後述するコマンド受信手段750によって受信した第1特別図柄抽選手段700による抽選結果(第1特別図柄当否判定手段704による判定結果)または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果(第2特別図柄当否判定手段714による判定結果)を導出表示することが可能となると共に、所定の演出画像の表示が可能となる。画像ROM639は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
また、周辺制御基板610には、ランプ駆動基板650および枠装飾中継端子板640が接続されている。さらに、ランプ駆動基板650には、中継端子板として、センター装飾駆動部中継端子板662が接続されている。さらに、センター装飾駆動部中継端子板662には、回転部下LED基板664が接続されている。
回転部下LED基板664の入力インタフェースには、演出に用いられた遊技球(即ち、第1演出樋426を転動した遊技球)が、第1の演出口432および第2の演出口432のいずれに受け入れられたかを検出するための球振分部モータセンサ666が接続されている。また、回転部下LED基板664の出力インタフェースには、支持軸430を時計回りと反時計回りとに繰り返し回転させる球振分部モータ668および電飾としてLEDが配列された回転部LED基板670が接続されている。
また、ランプ駆動基板650の出力インタフェースには、パネル装飾ランプ652、センター装飾ランプ304、演出用役物420を回転させるための回転部モータ658および演出用役物420の回転位置を検出する回転部モータセンサ660が接続されている。これにより、ランプ駆動基板650は、これらの各ランプの点灯状態を切り替えることが可能であると共に、演出用役物420の回転動作および回転位置を検出可能となっている。さらに、ランプ駆動基板650の入力インタフェースには、遊技盤5の後方側に排出された遊技球を検出する排出口検出センサ654が接続されている。
また、周辺制御基板610に接続された枠装飾中継端子板640には、前面枠4に接続されたスピーカ18,57、演出選択スイッチ60および枠装飾ランプ642等が接続されており、周辺制御基板610には、演出選択スイッチ60の操作状態に基づいて演出画像表示装置115に出力される演出態様を切り替えると共に、スピーカ18,57や枠装飾ランプ642に対して駆動信号を出力する。
[主制御基板および周辺制御基板の機能的な構成について]
図25に基づき説明する。図25は、主制御基板510および周辺基板600における周辺制御基板610の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図25に示すように、主制御基板510は、第1特別図柄抽選手段700と、第1特別図柄表示制御手段502と、第1特別図柄保留表示制御手段732と、第1特別図柄保留カウンタ703と、第2特別図柄抽選手段710と、第2特別図柄表示制御手段504と、第2特別図柄保留表示制御手段730と、第2特別図柄保留カウンタ713と、保留順記憶手段740と、普通図柄抽選手段720と、大当たり遊技実行手段515と、小当たり遊技実行手段514と、開閉動作制御手段738と、確変遊技実行手段734と、普通図柄抽選手段720と、普通図柄表示制御手段516と、普通図柄保留表示制御手段518と、普通図柄保留カウンタ723と、時短遊技実行手段736と、第3始動口開閉制御手段728と、コマンド送信手段746とを備えている。
第1特別図柄抽選手段700は、遊技球が第1始動口390に入賞して第1始動口センサ580により検出されると、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、保留順記憶手段740によって第1所定数(例えば4個)まで保留される。そして、保留順記憶手段740による保留が解除されると、第1特別図柄当否判定手段704によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。この第1特別図柄当否判定手段704による判定は、通常遊技状態時であれば第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得した乱数値とROM512に記憶された特別図柄通常時当たり判定用テーブル706とに基づいて行われ、確変遊技状態時であれば第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得した乱数値とROM512に記憶された特別図柄確変時当たり判定用テーブル708とに基づいて行われる。
なお、本実施形態において、「長当たり」とは、大当たり遊技実行手段515によって開閉装置397の開閉動作が15ラウンド実行される遊技であり、「短当たり」とは、大当たり遊技実行手段515によって開閉装置397の開閉動作が2ラウンド実行される遊技である。また、「小当たり」とは、小当たり遊技実行手段514によって開閉装置397の開閉動作が2回実行される遊技である。なお、短当たりと小当たりとでは、開閉装置397の動作態様が同じであるが、短当たりに当選した場合には、確変遊技実行手段734によって確率変動機能が作動する(即ち、確変遊技状態が発生する)が、小当たりに当選した場合には、確率変動機能が作動しない点において異なる。
ところで、長当たりに当選すると、開閉装置397の開閉動作が15ラウンド継続して実行されることによって多量の遊技球の払い出しが期待できる長当たり遊技が行われる。また、短当たりに当選すると、演出用開閉装置398の開閉動作が2ラウンド継続して実行される短当たり遊技が行われる。短当たり遊技の終了後には、確変遊技実行手段734による確変遊技状態が発生する。
第2特別図柄抽選手段710は、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞して第2始動口センサ582または第3始動口センサ584により検出されると、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、第2特別図柄保留カウンタ713によって第2所定数(例えば4個)まで保留される。そして、第2特別図柄保留カウンタ713による保留が解除されると、第2特別図柄当否判定手段714によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。この第2特別図柄当否判定手段714による判定は、通常遊技状態時であれば第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得した乱数値とROM512に記憶された特別図柄通常時当たり判定用テーブル706とに基づいて行われ、確変遊技状態時であれば第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得した乱数値とROM512に記憶された特別図柄確変時当たり判定用テーブル708とに基づいて行われる。
第1始動口センサ580、第2始動口センサ582および第3始動口センサ584によって遊技球が検出された順序は、保留順記憶手段740によって後述する特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶される。そして、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710は、特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶された順序に基づいて一つずつ抽選を行う。即ち、特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶された順序に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による判定によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが一つずつ判定される。なお、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選は、例えば変動条件が成立する等、所定の解除条件が成立したときに第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713による保留が解除されることによって行われる。
第1特別図柄当否判定手段704による判定結果は、第1特別図柄表示制御手段502によって第1特別図柄表示器84に表示される。また、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数は、第1特別図柄保留表示制御手段732によって第1特別図柄保留表示器88に表示される。
第2特別図柄当否判定手段714による判定結果は、第2特別図柄表示制御手段504によって第2特別図柄表示器86に表示される。また、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数は、第2特別図柄保留表示制御手段730によって第2特別図柄保留表示器90に表示される。
大当たり遊技実行手段515および小当たり遊技実行手段514は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による判定結果に基づいて、大当たり遊技または小当たり遊技を実行する。具体的には、長当たりに当選したと判定されると大当たり遊技実行手段515によって長当たり遊技が実行され、短当たりに当選したと判定されると大当たり遊技実行手段515によって短当たり遊技が実行され、小当たりに当選したと判定されると小当たり遊技実行手段514によって小当たり遊技が実行される。本実施形態において、「長当たりおよび短当たり」を「大当たり」と総称し、「長当たり遊技および短当たり遊技」を「大当たり遊技」と総称する。
本実施形態において、長当たり遊技は、演出用開閉装置398の開閉動作および大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作を計15ラウンドに亘って行う遊技である。詳しくは、演出用開閉装置398の開閉動作を開閉動作制御手段738によって2ラウンド行ったのちに、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作を開閉動作制御手段738によって12ラウンドに亘って継続ひいては連続して行い、さらにその後、再び演出用開閉装置398の開閉動作を開閉動作制御手段738によって1ラウンドのみ行う遊技である。短当たり遊技は、演出用開閉装置398の開閉動作のみを開閉動作制御手段738によって2ラウンド行う遊技であり、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作は行われない。小当たり遊技は、演出用開閉装置398の開閉動作のみを開閉動作制御手段738によって2回行う遊技である。
このように、長当たり遊技が実行されるときは、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作の回数が演出用開閉装置398の開閉動作よりも多く実行され、短当たり遊技および小当たり遊技が実行されるときは、演出用開閉装置398の開閉動作の回数が大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作よりも多く実行される。
なお、演出用開閉装置398の開閉動作は、開閉動作制御手段738によって演出用開閉装置開閉ソレノイド578を作動させることによって行われ、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作は、開閉動作制御手段738によって大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド572を作動させることによって行われる。
具体的には、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が長当たりであれば、2ラウンドまでを、開閉動作制御手段738によって演出用開閉装置開閉ソレノイド578を作動させて、演出用開閉装置398の開閉扉3982を開閉させる。そして、3ラウンドから14ラウンドまでを、開閉動作制御手段738によって大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド572を作動させて、大当たり遊技用開閉装置400の開閉扉4002を開閉させる。そしてさらに、15ラウンドのみを、開閉動作制御手段738によって演出用開閉装置開閉ソレノイド578を作動させて、演出用開閉装置398の開閉扉3982を開閉させる。一方、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が短当たりであれば、開閉動作制御手段738によって演出用開閉装置開閉ソレノイド578を作動させて、演出用開閉装置398の開閉扉3982を開閉させる動作を、2ラウンドのみ行う。
演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400に遊技球が入賞すると、演出用開閉装置カウントセンサ570または大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ576によって入賞球数がカウントされる。また、演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400に遊技球が入賞することによって当該入賞した遊技球が演出用開閉装置カウントセンサ570または大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ576に検出されたことに応じて、球払出装置170によって賞球として遊技球が払い出される。
小当たり遊技実行手段514は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が小当たりであれば、開閉動作制御手段738によって演出用開閉装置開閉ソレノイド578を作動させて、大当たり遊技用開閉装置400の開閉扉4002を開閉させる動作を、2回行う。
なお、本実施形態では、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が短当たりの場合と小当たりの場合とで、演出用開閉装置398の開閉動作態様が同じである。ただし、短当たりの場合は短当たり遊技が終了したのちの遊技状態が、大当たりへの当選確率が高くなる所謂「確変遊技状態」となるが、小当たりの場合は、小当たり遊技が終了したのちの遊技状態が、大当たり遊技状態、確変遊技状態および時短遊技状態のうちいずれの遊技状態でもない通常遊技状態のままである。従って、開閉扉3982の開閉動作が2ラウンドまたは2回行われたとき、遊技者は、短当たりであるのか小当たりであるのかを判別することが困難であるものの、その後、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710によって大当たりに当選する確率が異なることとなる。これにより、遊技者は、遊技状態が確変遊技状態であるのか通常遊技状態であるのか判別できず、興趣が高められる。
また、本実施形態では、長当たり遊技を実行する場合と、短当たり遊技を実行する場合と、小当たり遊技を実行する場合との演出用開閉装置398の開閉動作処理(詳しくは演出用開閉装置398の開閉動作回数)が共通化されている。これにより、主制御基板510のROM512のデータ量を低減できる。とくに、短当たり遊技を実行する場合と、小当たり遊技を実行する場合とでは、演出用開閉装置398の開閉時間も共通化されているため、短当たり遊技と小当たり遊技とのテーブルを共有させることにより、ROM512のデータ量を低減することができる。
ここで、「ラウンド」とは、長当たり遊技および短当たり遊技が実行されている場合において、所定時間(例えば30秒)経過することおよび所定数(例えば9球)の遊技球が入賞することのいずれかの条件を満たすことによって演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400が開閉動作する単位を意味する。従って、小当たり遊技が実行されている場合における演出用開閉装置398の開閉動作については「ラウンド」と称さない。本実施形態においては、短当たり遊技における1ラウンド当たりの演出用開閉装置398の開放時間は、長当たり遊技における1ラウンド当たりの演出用開閉装置398および大当たり遊技用開閉装置400の開放時間よりも極めて短い時間となっている。なお、小当たり遊技における1回当たりの演出用開閉装置398の開放時間は、短当たり遊技における1ラウンド当たりの演出用開閉装置398の開放時間とほぼ同じ時間である。
確変遊技実行手段734は、長当たり遊技または短当たり遊技が実行されたのちの遊技において、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりへの当選確率を高める確変遊技を実行する。具体的には、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当否判定を、それぞれ、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて行う。
本実施形態において、「確変遊技」とは、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当否判定が、それぞれ、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708および特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて行われる遊技を意味する。また、確変遊技が行われている遊技状態を「確変遊技状態」と称する。ここで、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708は、特別図柄通常時当たり判定用テーブル706よりも長当たりおよび短当たりへの当選確率が高く設定されている。
なお、本実施形態においては、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって長当たりと判定された場合には、長当たり遊技が実行されたのちに例えば2分の1の確率で確変遊技状態となり、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって短当たりと判定された場合には、短当たり遊技が実行されたのち100%の確率で確変遊技状態となる。一方、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって小当たりと判定された場合には、小当たり遊技実行手段514によって小当たり遊技が実行されたのちに遊技状態が変わることはない。
普通図柄抽選手段720は、遊技球が通過ゲート402を通過してゲートセンサ560により検出されると、普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、普通図柄保留カウンタ723によって所定の上限値(例えば4個)まで保留される。そして、普通図柄保留カウンタ723による保留が解除されると、普通図柄当否判定手段724によって当否が判定される。この普通図柄当否判定手段724による判定は、通常遊技状態時であれば普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722によって取得した乱数値とROM512に記憶された普通図柄通常時当たり判定用テーブル726とに基づいて行われ、時短遊技状態時であれば普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722によって取得した乱数値とROM512に記憶された普通図柄時短時当たり判定用テーブル727とに基づいて行われる。
普通図柄当否判定手段724による判定結果は、普通図柄表示制御手段516によって普通図柄表示器82に表示される。また、普通図柄保留カウンタ723による保留数は、普通図柄保留表示制御手段518によって普通図柄保留表示器92に表示される。
時短遊技実行手段736は、普通図柄抽選手段720による抽選において抽選時間を短くする時短遊技を実行する。なお、確変遊技状態のとき、確変遊技実行手段734による確変遊技と併せて時短遊技実行手段736による時短遊技が行われる場合もある。
本実施形態において、「時短遊技状態」とは、普通図柄当否判定手段724による当否判定が、普通図柄時短時当たり判定用テーブル727に基づいて行われる遊技状態を意味する。ここで、普通図柄時短時当たり判定用テーブル727は、普通図柄通常時当たり判定用テーブル726よりも抽選時間が短く設定されている。なお、普通図柄通常時当たり判定用テーブル726および普通図柄時短時当たり判定用テーブル727はいずれも当選確率が例えば90%と高く設定されている。従って、普通図柄当否判定手段724による当否判定が普通図柄時短時当たり判定用テーブル727に基づいて行われるとき、一対の可動片396の開閉動作が頻繁に行われることとなり、第3始動口394に遊技球が入賞し易くなる。第3始動口394に遊技球が入賞すると球払出装置170によって遊技球が払い出されるので、時短遊技状態中は、遊技球を極力減らすことなく遊技を行うことができる。
ここで、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714における抽選について、表1および表2に基づき説明する。表1は、当選確率および乱数を示すテーブルである。表2は、大当たりに当選した場合における大当たり遊技の種類を決定するためのテーブルである。
表1に示すとおり、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702および第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって、0〜630までの631個の乱数値から一つ抽出される。そして、先ず、この抽出した乱数値が大当たりに当選しているか否かが、表1に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって判定される。具体的には、先ず遊技状態が判断され、遊技状態が通常遊技状態であれば7および317が当たり乱数であり、遊技状態が確変遊技状態であれば7,37,67,97,127,157,187,217,247,277,307,337,367,397,427,457,487,517,547,577が大当たりの乱数となる。なお、第1特別図柄当否判定手段704による当たり判定と第2特別図柄当否判定手段714による当たり判定とでは、遊技状態に応じて同じテーブルが用いられる。即ち、第1特別図柄当否判定手段704による当選の判定が特別図柄確変時当たり判定用テーブル708を用いて行われる場合には、第2特別図柄当否判定手段714による当選の判定も特別図柄確変時当たり判定用テーブル708を用いて行われ、第1特別図柄当否判定手段704による当選の判定が第1特別図柄通常時当たり判定用テーブル706を用いて行われる場合には、第2特別図柄当否判定手段714による当選の判定も第1特別図柄通常時当たり判定用テーブル706を用いて行われる。
そして、抽出した乱数が大当たり乱数であると判定されると、表2に基づいて、大当たりの種類が決定される。そして、決定された大当たりに対応する大当たり遊技が行われる。大当たりの種類には、大当たり遊技の時間が長く、多量の遊技球の払い出しが期待できる長当たりと、大当たり遊技の時間が短い短当たりとがある。長当たりには、大当たり遊技(以下、長当たりに対応する大当たり遊技を「長当たり遊技」と称する)の終了後に確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する「確変時短付長当たり」と、長当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみが発生する(確変遊技状態は発生しない)「通常長当たり」とがある。短当たりには、大当たり遊技(以下、短当たりに対応する大当たり遊技を「短当たり遊技」と称する)の終了後に確変遊技状態のみが発生する(時短遊技状態は発生しない)「通常短当たり」と、短当たり遊技の終了後に確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する「確変時短付短当たり」とがある。
一方、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702および第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって抽出された乱数値が当たり乱数でなければ、小当たりに当選しているか否かが、表1に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって判定される。具体的には、遊技状態に拘わらず、16,92,133,321,465,501,568,610が小当たりの乱数である。抽出した乱数が小当たり乱数であると判定されると、小当たり遊技実行手段514によって小当たり遊技が実行される。このように、表1によれば、大当たりの当選確率が631分の2となり、小当たりの当選確率が631分の8となる。
このように、大当たりに当選しなかった場合であっても小当たりに当選する期待感を持つことができる。しかも、小当たりへの当選確率は大当たりへの当選確率よりも高く設定されているので、遊技者は、小当たりに当選する毎に、大当たりに当選したのではないかといった期待感を遊技中常に持つことができ、興趣の低下を抑制できる。さらに、遊技者が遊技を継続して行うようになるので、パチンコ機の稼働率が向上するというホールにとっても利益がもたらされるようになる。また、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702または第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって乱数が抽出されたことに応じて、小当たり当選の判定に先立って大当たりの当選が判定される。即ち、小当たり当選の判定が先であれば、小当たりに当選した場合には大当たりの当選判定が行われないこととなるが、本実施形態のように小当たり当選の判定に先立って大当たりの当選が判定されれれば、大当たりの当選が常に行われることとなり、興趣の低下を抑制できる。しかも、大当たりに当選しなかったときにのみ小当たり当選の判定が行われるので、大当たりと小当たりとが重複して当選することがない。大当たりと小当たりとが重複して当選すると、いずれを優先して当選とするかを決めなければならず、制御的にも複雑となるが、本実施形態のように、大当たりに当選しなかったときにのみ小当たり当選の判定を行うことによって、制御的な負荷を軽減できる。さらには、大当たり判定および小当たり判定の二度の抽選機会が与えられ、興趣の低下も抑制できる。
なお、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当たり判定に用いられるテーブルは、必ずしも同じテーブルを用いる必要はなく、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のそれぞれが異なるテーブルを用いても良い。このような場合であっても、確変遊技状態であれば第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のいずれも確変遊技状態用のテーブルが用いられ、通常遊技状態であれば第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のいずれも通常遊技状態用のテーブルが用いられることが好ましい。これにより、遊技球が入賞する始動口が異なっても同じ遊技状態となるので、遊技の複雑化を招くことがなく、ひいては、興趣の低下を抑制できる。
また、第1特別図柄当否判定手段704、第2特別図柄当否判定手段714および普通図柄当否判定手段724による当否判定結果には、必ずしも外れが含まれている必要はない。例えば、小当たり遊技が、演出用開閉装置398の開閉動作を極めて短い時間実行するような遊技であれば、大当たりに当選しなかったとき、全て小当たりに当選するようにしても良い。
また、本実施形態のように、大当たりに当選したか否かを先ず判定し、大当たりに当選していないときに小当たりに当選しているか否かを判定することによって顕著な効果がもたらされるが、大当たりおよび小当たりに当選しているか否かを一括で抽選しても良い。
また、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選において確変時短付長当たりに当選したとき、確変時短付長当たり遊技が終了したのちの遊技状態が確変遊技状態となるが、このときの遊技状態が確変遊技状態であることが、演出画像表示装置115における表示態様によって把握できる。一方、確変時短付短当たりに当選したときは、確変時短付短当たり遊技が終了したのちの遊技状態が確変遊技状態となるが、このとき、遊技状態が確変遊技状態であることが、演出画像表示装置115における表示態様からは把握できない。即ち、確変時短付短当たり遊技が終了したのちの確変遊技状態における演出画像表示装置115の表示態様と、通常遊技状態における演出画像表示装置115の表示態様とが、同一またはほぼ同一の表示態様である。ここで、「ほぼ同一の表示態様」とは、現在の遊技状態が通常遊技状態であるのか確変遊技状態であるのかを、遊技者が把握できない程度に同一であればよい。
第3始動口開閉制御手段728は、普通図柄当否判定手段724によって判定された抽選結果が当たりであるときに、普通電動役物ソレノイド574を作動させて一対の可動片396を開閉動作させる。一対の可動片396が開閉動作すると、第3始動口394に遊技球が入賞し易くなる。なお、一対の可動片396が閉状態であるときは、第3始動口394への遊技球の入賞が不可能であるか、または、第3始動口394への遊技球の入賞が第1始動口390および第2始動口392への遊技球への入賞よりも困難であるものの、一対の可動片396が開状態であるときは、第3始動口394への遊技球の入賞は、第1始動口390および第2始動口392への遊技球の入賞よりも容易となる。なお、本実施形態においては、第2始動口392への遊技球の入賞は、第1始動口390への遊技球の入賞よりも困難に構成されている。
コマンド送信手段746は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を周辺基板600に送信する。「抽選結果に拘わる情報」とは、演出画像表示装置115において行われる演出時間等が相当する。
周辺制御基板610は、コマンド受信手段750と、演出抽選手段760と、演出用役物動作実行手段762と、演出用開閉装置状態表示制御手段764とを備えている。
コマンド受信手段750は、主制御基板510から送信された第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を受信する。
演出抽選手段760は、演出用役物420による演出を行うか否かを抽選により決定する。演出抽選手段760による抽選の結果、演出用役物420による演出を行うと決定されると、演出抽選手段760は、ランプ駆動基板650およびセンター装飾駆動部中継端子板662を介して球振分部モータ668を作動させて、演出用役物420による演出を実行する。ただし、演出用役物420による演出は、演出用開閉装置398(演出用開閉装置398)に入賞した遊技球を用いて行うため、演出用開閉装置398に遊技球が入賞しなかった場合には、かかる演出は行われない。
演出用役物動作実行手段762は、演出用役物420の回転駆動等、ランプ駆動基板650を介して演出用役物420を制御する。
演出用開閉装置状態表示制御手段764は、ランプ駆動基板650を介して演出用開閉装置状態表示ランプ651の表示態様を制御する。具体的には、開閉動作制御手段738が大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド572を作動させることによって演出用開閉装置398の開閉扉3982を開閉動作させるとき、かかる情報がコマンド送信手段746によって周辺制御基板610に送信される。コマンド送信手段746から周辺制御基板610に送信された情報はコマンド受信手段750によって受信される。
コマンド受信手段750が、演出用開閉装置398の開閉扉3982の開閉動作にかかる情報を受信すると、演出用開閉装置状態表示制御手段764が、ランプ駆動基板650を介して演出用開閉装置状態表示ランプ651の表示態様を制御する。
本実施形態においては、開閉扉3982の動作によって演出用開閉装置398が閉状態から開状態に変化したことを示す情報がコマンド送信手段746によって周辺制御基板610に送信されると、演出用開閉装置状態表示ランプ651が緑色で表示するように表示制御される。また、開閉扉3982の動作によって演出用開閉装置398が開状態から閉状態に変化したことを示す情報がコマンド送信手段746によって周辺制御基板610に送信されると、演出用開閉装置状態表示ランプ651が赤色で表示するように表示制御される。即ち、演出用開閉装置398の開閉扉3982が、開状態でれば緑色、閉状態であれば赤色に表示制御される。
このように、演出用開閉装置状態表示制御手段764は、演出用開閉装置状態表示ランプ651を、開閉動作制御手段738によって演出用開閉装置398が開状態であるときと閉状態であるときとで異なる表示態様で表示制御する。これにより、演出用開閉装置398の開閉状態を把握できるので、遊技者は、演出用開閉装置398が開状態であるにも拘わらず演出用開閉装置398が開状態であることを把握できず、演出用開閉装置398に遊技球を狙うことができないことによる興趣の低下を抑制できる。
とくに本実施形態では、大当たり遊技中、大当たり遊技用開閉装置400が開閉動作する場合と演出用開閉装置398が開閉動作する場合とがあり、いずれに遊技球を入賞させれば良いか把握し難い。とくに、従来から設けられている大当たり遊技用開閉装置400の他に演出用開閉装置398が設けられている場合、遊技者は、大当たり遊技中であれば大当たり遊技用開閉装置400に遊技球を入賞させようとする。そこで、大当たり遊技用開閉装置400に代えて演出用開閉装置398が開放すると、遊技者は戸惑いを感じ、遊技球をどこに入賞させれば良いか分からなくなり、興趣が低下してしまう。しかも、遊技球の流下方向について演出画像表示装置115よりも上流側に演出用開閉装置398が設けられており、さらに、演出用開閉装置398の開閉扉3982が遊技盤5の盤面に対して交差する方向に可動するような場合には、遊技者から見て開閉扉3982の動作を把握し難い。従って、演出用開閉装置398が開状態であるにも拘わらず、遊技球を演出用開閉装置398に入賞させ損ねるといった事態が生じ得る。よって、演出用開閉装置状態表示ランプ651を、演出用開閉装置398が開状態であるときと閉状態であるときとで異なる表示態様で表示制御することによって、演出用開閉装置398が開状態であるにも拘わらず演出用開閉装置398に遊技球を入賞させ損ねることを回避でき、興趣の低下を抑制できる。
しかも、演出用開閉装置状態表示ランプ651が演出用開閉装置398内で表示可能に設けられているので、遊技者は、緑色に発光している場所を狙って遊技球を打ち込めば良い。これにより、本実施形態のように演出画像表示装置115の上方等、位置を把握し難い場所に演出用開閉装置398が設けられた場合であっても、遊技者は、どこを狙って遊技球を打ち込めば良いか把握できるので、興趣の低下を抑制できる。
なお、「演出用開閉装置状態表示ランプ651が演出用開閉装置398内で表示可能に設けられている」とは、演出用開閉装置状態表示ランプ651が演出用開閉装置398内に設けられている態様に限られず、例えば本実施形態のように、演出用開閉装置398内の奥側の壁が透明部材であると共にこの透明部材の背後から演出用開閉装置398内を点灯表示する態様であっても良い。即ち、演出用開閉装置398内を表示可能であれば良い。また、「演出用開閉装置398内」とは、遊技球の流下方向について開閉扉3982よりも下流側の領域を意味する。
さらに、遊技者から見て演出用大入賞口3981の手前側には開口部が形成さているので、演出用大入賞口3981に受け入れられた遊技球を、窓枠39に装着されたガラス板を介して視認することができる。これにより、演出用大入賞口3981に遊技球が受け入れられたことも確実に把握できる。このように、演出用大入賞口3981に遊技球が受け入れ可能であることを把握できることと演出用大入賞口3981に遊技球が受け入れられたことを把握できることとの相乗効果によって、大当たり遊技用開閉装置400とは別に演出用開閉装置398が設けられ且つ大当たり遊技用開閉装置400に代えて演出用開閉装置398が開放した場合であっても、興趣の低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、演出用開閉装置状態表示ランプ651を、演出用開閉装置398が開状態であるときは緑色で表示制御し、閉状態であるときは赤色で表示制御しているが、これに限られず、演出用開閉装置398が開状態であるのか閉状態であるのかを把握できれば、その態様は限定されない。例えば、演出用開閉装置状態表示ランプ651を、演出用開閉装置398が閉状態であるときは消灯制御し、開状態であるときは点灯表示制御するようにしても良い。
[演出用役物の動作について]
図24〜図26に基づき説明する、図26(a)は、演出用役物420の役物収容体422の内部構成を示す正面図であって、第1演出樋426が第1の演出口432に向けて下方に傾斜していることを示す図である。図26(b)は、演出用役物420の役物収容体422の内部構成を示す正面図であって、第1演出樋426が第2演出樋誘導口434に向けて下方に傾斜していることを示す図である。
先ず、ランプ駆動基板650では、パチンコ機1の電源投入時や、リセット時において、演出用役物420の回転位置を検出する回転部モータセンサ660の検出信号の受信の有無を確認する。回転部モータセンサ660からの検出信号がなければ、演出用役物420の役物収容体422の内部を視認することができない位置に、演出用役物420を回転駆動させる。これにより、図10に示すように、演出用役物420の正面には「歌姫伝説」が表れる。
その後、遊技状態の変化に伴って、周辺制御基板610(具体的には演出用役物動作実行手段762)からランプ駆動基板650へ、演出用役物420を回転駆動制御する旨の制御コマンドが送信されると、ランプ駆動基板650では、図15に示すように演出用役物420の役物収容体422の内部のフィギュア424を視認することができるように、回転部モータ658を駆動させ、演出用役物420を回転駆動させる。これにより、遊技者は、演出用役物420の役物収容体422の内部に配置されたフィギュア424を視認することができる。また、演出用開閉装置398から受け入れられた遊技球が第1演出樋426に導かれた場合には、この遊技球を用いた演出を視認することができる。
なお、遊技球を用いた演出は、フィギュア424により演出駆動制御する旨の制御コマンドが周辺制御基板610からランプ駆動基板650へ送信されると、ランプ駆動基板650は、支持軸430を、β方向とγ方向とに繰り返し往復回転させる。
支持軸430がβ方向とγ方向とに繰り返し往復回転されると、フィギュア424の片手4241は、支持軸430の回転に伴って、フィギュア424に対して支持軸430を回転中心として回転する。即ち、支持軸430が時計回り(図中のβ方向)に回転すると、これに伴って片手4241および第1演出樋426が、支持軸430を回転中心として、フィギュア424に対してβ方向に回転する。また、支持軸430が反時計回り(図中のγ方向)に回転すると、これに伴って片手4241および第1演出樋426が、支持軸430を回転中心として、フィギュア424に対してγ方向に回転する。これにより、図26(a)に示されるように第1演出樋426が第1の演出口432に向けて下方に傾斜した態様と、図26(b)に示されるように第1演出樋426が第2演出樋誘導口434に向けて下方に傾斜した態様とが繰り返される。
なお、演出用開閉装置398に入賞した遊技球が第1演出樋426上に存在していれば、支持軸430が時計回りおよび反時計回りに繰り返し往復回転することによって、かかる遊技球は、第1演出樋426上を左右方向に転動する。換言すれば、第1演出樋426の遊技球が第1の演出口432または第2演出樋誘導口434に導かれる前に、支持軸430がそれまでの回転方向とは異なる反対方向に回転することによって、遊技球が第1演出樋426上を左右方向に転動することとなる。そして、支持軸430がγ方向について回転限界まで回転して一定時間保持されると(図26(a)の態様で一定時間保持されると)、遊技球は第1の演出口432に導かれる。一方、支持軸430が時計回りの方向について回転限界まで回転して一定時間保持されると(図26(b)の態様で一定時間保持されると)、遊技球は第2演出樋誘導口434に導かれる。
第1演出樋426上を転動する遊技球が第1の演出口432に導かれると、かかる遊技球は遊技盤5の背後に排出される。一方、第1演出樋426上を転動する遊技球が第2演出樋誘導口434に導かれると、かかる遊技球は、第2演出樋428の右端4281上に落下し、右端4281から左端4282に向けて転動する。そして、右端4281から左端4282に向けて転動した遊技球は、第2の演出口432に導かれる。
即ち、支持軸430がβ方向とγ方向とに繰り返し往復回転すると、第1演出樋426は、この第1演出樋426上を転動する遊技球が第1の演出口432または第2の演出口436のいずれかに導かれるようにシーソー状に揺動することとなる。これにより、1球の遊技球のみが、シーソー状に揺動される第1演出樋426上を転動するので、第1の演出口432または第2の演出口436に受け入れられそうになったとき、ドキドキハラハラ感を遊技者が感じることとなり、興趣が高められる。
なお、振分機構450は、演出用開閉装置398から複数の遊技球が受け入れられた場合であっても、1球の遊技球のみを演出用役物420に振り分けるので、第1演出樋426上をシーソー状に転動する遊技球は1球のみである。
また、遊技球を用いた演出用役物420による演出(即ち、遊技球が第1の演出口432に受け入れられるかまたは第2の演出口432に受け入れられるかといった演出)は、コマンド送信手段746から受信した第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果に基づいて行われる。
具体的には、演出用役物420による演出を行うとき、第1の演出口432および第1演出樋426のうちいずれの演出口を当たりの演出口(または外れの演出口)とするのかが、演出抽選手段760によって決定される。一方、演出画像表示装置115は、第1の演出口432および第2の演出口436のうちいずれに遊技球が導かれると当たりであるかを示唆する演出を行う。これにより、第1の演出口432および第2の演出口436のうちいずれの演出口に遊技球が導かれれば当たりであるかを容易に把握できる。従って、演出用役物420による演出が行われているとき、遊技者は、いずれの演出口が当たりの演出口であるかを容易に把握できるので、興趣の低下を抑制できる。
そして、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が短当たりまたは小当たりである場合には、第1演出樋426上を転動する遊技球が当たりの演出口と決定された側の演出口に導かれるように演出を行う。一方、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が外れである場合には、第1演出樋426上を転動する遊技球が外れの演出口と決定された側の演出口に導かれるように演出を行う。このようにして、演出用役物420による演出毎に、当たりの演出口と外れの演出口とが演出抽選手段760によって決定される。即ち、当たりの演出口と外れの演出口とが可変である。これにより、単調な遊技を回避でき、演出用役物420による演出が行われる際に遊技者は、いずれの演出口が当たりであるのかに注意を惹かれ、興趣が高められる。
なお、「当たりの演出口」とは、抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果である可能性があることを示す演出口のことであり、「外れの演出口」とは、抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果よりも不利な結果であることを示す演出口のことである。本実施形態において、「抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果である可能性がある」とは、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選において「短当たりまたは小当たりに当選していること」を意味する。即ち、「可能性」とは、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が短当たりであれば、確変遊技状態が発生するので遊技者に有利な結果と言うことができる。また、小当たりであれば、通常遊技状態が継続するので遊技者に有利な結果とは言えないことに基づくものである。
また、演出用役物420による遊技球を用いた演出は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が短当たりまたは小当たりである場合には、開閉動作制御手段738による演出用開閉装置398の一連の開閉動作(本実施形態では2回の開閉動作)の実行が終了したのちに行われる。具体的には、短当たり遊技および小当たり遊技が実行されたのち、次の遊技状態が発生した以降の第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86の図柄変動中(第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86の点灯・点滅表示が開始されてから第1特別図柄当否判定手段704による判定結果が表示されるまで間)に行われる。なお、この明細書において、図柄変動に要する時間を変動時間と称する。
演出用開閉装置398の開閉動作が実行されたタイミングで演出用開閉装置398に入賞した遊技球は、演出用役物420による演出が行われるまで振分機構450によって保持され、演出用役物420による演出が行われるタイミングで落下口4221から役物収容体422に落下する。
なお、演出用役物420による遊技球を用いた演出を行うためには一定以上の時間を要する。一方、第1特別図柄当否判定手段704による判定結果が所謂リーチ演出を伴わない外れの場合、詳細は後述するが、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数に応じて変動時間が異なる。例えば、変動開始直後の第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が2以上であれば比較的短い変動時間となり、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が1以下であれば、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が2以上の場合よりも時間が長い変動時間となる。本実施形態においては、リーチ演出における変動時間および第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が1以下の場合における変動時間は、演出用役物420による遊技球を用いた演出に要する時間よりも長くなっている。一方、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が2以上の場合における変動時間は、演出用役物420による遊技球を用いた演出に要する時間よりも短くなっている。なお、第2特別図柄表示器86に第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が導出される場合には、変動時間は、演出用役物420による遊技球を用いた演出に要する時間よりも常に長くなっている。従って、演出用役物420による遊技球を用いた演出は、第1特別図柄表示器84に第1特別図柄当否判定手段704による判定結果が導出される場合であればリーチが発生する場合および第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が1以下の場合のみに実行され、第2特別図柄表示器86に第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が導出される場合であれば常に実行される。
一方、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が長当たりである場合には、演出用役物420による遊技球を用いた演出は、15ラウンド以降に行われる。ここで、開閉動作制御手段738によって演出用開閉装置398の開閉動作が2ラウンドまで実行されるが、この演出用開閉装置398の開閉動作が実行されたタイミングで演出用開閉装置398に入賞した遊技球は、振分機構450によって全てパチンコ機1の背後に排出される。演出用開閉装置398の開閉動作が2ラウンド実行されたのち、開閉動作制御手段738によって大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が14ラウンド目まで継続して実行されるが、このとき、演出用開閉装置398の開閉動作は行われないため、演出用開閉装置398内に遊技球を受け入れることはできない。そして、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が実行されたのち、再び、開閉動作制御手段738によって15ラウンド目の1ラウンドのみ演出用開閉装置398の開閉動作が実行される。この15ラウンド目に演出用開閉装置398内に受け入れられた遊技球は、演出用役物420による遊技球を用いた演出が開始されるまで振分機構450に保持され、演出用役物420による演出が行われるタイミングで落下口4221から役物収容体422に落下する。
ここで、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が長当たりである場合において、演出用役物420による遊技球を用いた演出が行われるタイミングは、上述のとおり、長当たり遊技における15ラウンド目以降である。具体的には、演出用開閉装置398に遊技球が入賞してから長当たり遊技の終了後に発生する遊技状態が開始するまでのいずれかのタイミングで行われる。従って、長当たり遊技の終了後に例えば確変遊技状態が発生する場合であれば、少なくともこの確変遊技状態が発生するまでに、演出用役物420による遊技球を用いた演出が行われる。
また、演出画像表示装置115では、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定が短当たりまたは小当たりである場合、および、長当たり遊技状態発生後の次の遊技状態が発生するまでに、特別演出が行われる。これにより、遊技者は、演出画像表示装置115において特別演出が行われると大当たり遊技状態が発生する期待感が高まり、興趣が高められる。
このように、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定に応じて、第1演出樋426上を転動する遊技球が第1の演出口432または第2の演出口436に導かれるように演出を行う。そして、演出画像表示装置115において特別演出が行われる場合には、第1演出樋426上を転動する遊技球を、当たりの演出口に誘導し、演出画像表示装置115において特別演出が行われない場合には、外れの演出口に誘導する。従って、演出用役物420による演出が行われているとき、遊技者は、当たりの演出口に遊技球が受け入れられることに期待感を持って遊技を行うことになる。
しかも、本実施形態では、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果の判定がたとえ短当たりまたは小当たりであったとしても、演出用開閉装置398に遊技球が受け入れられなかった場合には、遊技球を用いた演出が行われない。従って、遊技者は、演出用開閉装置398の演出用開閉装置398が開状態となったときには、何としても遊技球を演出用開閉装置398内に入賞させようという意思が働く。これにより、パチンコ機1から一方的に行われる演出を単に見るだけではなく、遊技者自身が遊技に参加しているといった感情を持つことができ、興趣が高められる。さらに、役物誘導路440、第1演出樋426および第2演出樋428はいずれも、これらの上を転動する遊技球を視認できるように透明部材で構成されているので、遊技球が演出用開閉装置398に入賞してから第1の演出口432または第2の演出口432に受け入れられるまでの一連の動向を把握できるので、さらに興趣が高められる。
なお、役物誘導路440、第1演出樋426および第2演出樋428の部材は、これらの上を転動する遊技球を視認できる程度に透明であれば良い。即ち、転動する遊技球を視認できれば、半透明部材であっても良い。
[演出画像表示装置の表示領域について]
図27および図28を参照しつつ説明する。図27および図28は、いずれも、演出画像表示装置115を正面から見た図である。図27に示されるように、演出画像表示装置115には、第1判定結果表示領域115aと、第2判定結果表示領域115bと、共通図柄表示領域115cと、保留表示領域1150とを有している。
第1判定結果表示領域115aは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果、より具体的には、第1特別図柄表示器84に表示される第1特別図柄抽選手段700による抽選結果に対応する結果が表示される領域である。
第2判定結果表示領域115bは、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果、より具体的には、第2特別図柄表示器86に表示される第2特別図柄抽選手段710による抽選結果に対応する結果が表示される領域である。
なお、第1判定結果表示領域115aおよび第2判定結果表示領域115bは、演出画像表示装置115の左下領域に配置されている。また、それぞれ、複数色を表示可能な表示部を有しており、所定の演出を行ったのちに表示された表示パターンによって、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が導出される。ただし、第1判定結果表示領域115aおよび第2判定結果表示領域115bにおいて同時に抽選結果が導出されることはなく、各始動口390,392,394に遊技球が入賞した順序に基づいて導出される。
共通図柄表示領域115cは、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710のうちいずれかの抽選結果を導出する領域である。共通図柄表示領域115cには複数(例えば三つ)の図柄列から構成された一つの図柄群が表示されており、この一つの図柄群の変動演出が行われたのち、停止した図柄の組み合わせによって抽選結果が導出される。なお、一つの図柄群の変動演出時間は、上述の変動時間と同じかまたはほぼ同じ時間である。また、共通図柄表示領域115cは、演出画像表示装置115における全表示領域のうち少なくとも3分の2以上の領域を占めている。また、第1判定結果表示領域115a、第2判定結果表示領域115bおよび保留表示領域1150と明確に区画されている。これにより、遊技者は、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を、この共通図柄表示領域115cにおいて表示される一つの図柄群の組み合わせによって把握する。
この共通図柄表示領域115cに導出される抽選結果は、各始動口390,392,394に遊技球が入賞した順序で導出される。即ち、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果と第2特別図柄抽選手段710による抽選結果とを同時に導出することはないため、一つの図柄群は、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710における抽選結果を導出する共通図柄として機能する。これにより、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710の両方によって抽選が行われていながらも、遊技者から見れば非常に明瞭な構成となり、興趣の低下を抑制することができる。
なお、共通図柄表示領域115cに表示される一つの図柄群は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出する演出と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出演出とを、異なる態様で演出を実行している。
具体的には、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合には、複数の変動演出パターンの中からいずれか一つの変動演出パターンが選択されて実行される。この選択された変動演出パターンに基づいて変動演出が行われる。
なお、選択された変動演出パターンがリーチとならない外れ変動である場合には、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数に応じて変動演出パターンが設定される。例えば、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が3以上の場合であれば比較的変動時間が長い外れ変動演出が行われ、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が2以下であれば、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が3以上の場合よりも変動時間が短い外れ変動演出が行われる。ここで「外れ変動」とは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れであって且つリーチ演出も行われない変動である。
一方、第2の特別図柄抽選手段710による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合には、予め定められた特定の変動演出パターンに基づいて変動演出が行われる。本実施形態では、この特定の変動演出パターンはリーチ演出を伴った変動(以下、「リーチ変動」と称する)である。ただし、普通図柄抽選手段720による抽選が遊技者に有利な抽選が行われる所謂「時短遊技状態」が発生している場合には、リーチ変動とは異なる他の変動演出が行われる。
このように、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合とでは、遊技者が共通図柄表示領域115cに惹かれる興味の度合いが異なることとなる。即ち、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が共通図柄表示領域115cに導出される場合にはリーチ演出が行われる。従って、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合と第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合とで一つの図柄群の変動態様が異なるので、単調な遊技を回避でき、興趣の低下を抑制できる。
保留表示領域1150は、演出画像表示装置115の右下領域に配置されており、第1の保留表示領域1151と第2の保留表示領域1152とを有している。また、第1の保留表示領域1151および第2の保留表示領域1152は互いに隣接している。
第1の保留表示領域1151は、左右方向に一列に配列された第1の保留記憶表示部1151a〜第4の保留記憶表示部1151dの4つの保留記憶表示部を有している。第2の保留表示領域1152は、左右方向に一列に配列された第5の保留記憶表示部1152a〜第8の保留記憶表示部1152dの4つの保留記憶表示部を有している。即ち、第1の保留表示領域1151の保留記憶表示部および第2の保留表示領域1152の保留記憶表示部の和と第1特別図柄保留カウンタ703による保留の上限値(第1所定数)および第2特別図柄保留カウンタ713による保留の上限値(第2所定数)の和とが同数である。さらに具体的に言えば、第1の保留表示領域1151の保留記憶表示部の数と第1所定数とが同じであり、且つ第2の保留表示領域1152の保留表示部の数と第2所定数とが同じである。
また、第1の保留記憶表示部1151a、第2の保留記憶表示部1151b、第3の保留記憶表示部1151c、第4の保留記憶表示部1151d、第5の保留記憶表示部1152a、第6の保留記憶表示部1152b、第7の保留記憶表示部1152cおよび第8の保留記憶表示部1152dは、この順で左右方向に規則的に並んでおり、共通図柄表示領域115cへの導出は、このように並んだ順序で導出される。これにより、共通図柄表示領域115cに導出される順序を明確に把握することができる。
第1の保留表示領域1151の各保留記憶表示部1151a〜1151dは、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留可能であることを示す第1の表示態様、第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを示す第2の表示態様、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す第3の表示態様のうちいずれかの表示態様で表示される。
第2の保留表示領域1152の各保留記憶表示部1152a〜1152dは、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様のいずれかの表示態様で表示可能であると共に、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713における保留数に関わる情報を非表示とされる場合もある。
各表示態様について説明すると、図27において、第7の保留記憶表示部1152cおよび第8の保留記憶表示部1152dの表示態様が第1の表示態様、第1の保留記憶表示部1151a、第3の保留記憶表示部1151c、第5の保留記憶表示部1152aおよび第6の保留記憶表示部1152bの表示態様が第2の表示態様並びに第2の保留記憶表示部1151bおよび第4の保留記憶表示部1151dの表示態様が第3の表示態様である。
本実施形態では、第1の表示態様は枠(枠内は青色)が表示され、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留可能であることを意味している。第2の表示態様はキャラクタが表示され、第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを意味している。第3の表示態様は赤色が表示され、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを意味している。このように、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを意味する表示態様と第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを意味する表示態様とで、表示態様が異なっている。
図28は、第1の保留記憶表示部1151a〜第4の保留記憶表示部1151dの全てが第1の表示態様で表示されている。また、第5の保留記憶表示部1152a〜第8の保留記憶表示部1152dは、全て非表示とされている。
なお、非表示とは、第1の表示態様、第3の表示態様および第2の表示態様のいずれも表示されないことを意味する。即ち、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713の保留数に関わる情報が表示されない。
[表示装置制御基板の機能的な構成について]
図29は、周辺基板600における表示装置制御基板116の機能的な構成を示すブロック図である。図29に示すように、表示装置制御基板116は、第1特別図柄画像表示制御手段614と、第2特別図柄画像表示制御手段615と、演出画像表示制御手段616と、併合保留表示制御手段620と、併合保留順記憶手段626と、第1特別図柄保留数記憶手段628と、第2特別図柄保留数記憶手段630と、演出保留カウンタ631とを有している。併合保留表示制御手段620は、さらに、保留可能情報画像表示制御手段6201、第1保留情報画像表示制御手段6202、第2保留情報画像表示制御手段6203、識別符号画像表示制御手段6204および併合保留順画像表示制御手段6205を含んでいる。なお、表示装置制御基板116は、周辺制御基板610のコマンド受信手段750を介して主制御基板510から送信されたコマンドを受信する。
第1特別図柄画像表示制御手段614は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を第1判定結果表示領域115aにおいて所定の演出を行ったのちに導出表示する。
第2特別図柄画像表示制御手段615は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を第2判定結果表示領域115bにおいて所定の演出を行ったのちに導出表示する。
演出画像表示制御手段616は、コマンド受信手段750が主制御基板510から「第1始動口390に入賞したこと」および「第2、第3始動口392,394に入賞したこと」を特定するためのコマンドを受信した順番に基づいて、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果のうちいずれかの抽選結果を、共通図柄表示領域115cに導出表示する。
なお、共通図柄表示領域115cにおいて、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための所定の演出(即ち、図柄の変動表示)を行っているときは、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための所定の演出は行われない。また、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための所定の演出を行っているときは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための所定の演出は行われない。
併合保留順表示制御手段508は、共通図柄表示領域115cにおいて導出される第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出順序、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されている保留数情報および第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている保留数情報を、保留表示領域1150において認識可能に表示制御する。
併合保留表示制御手段620は、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留関連情報を、保留表示領域1150において認識可能に表示制御する。
ここで、「保留関連情報」とは、例えば、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている数を示す保留数情報、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713によって保留可能であることを示す保留可能情報並びに第1特別図柄保留カウンタ703による保留に基づく抽選結果(即ち、第1の特別図柄抽選手段700による抽選結果)および第2特別図柄保留カウンタ713による保留に基づく抽選結果(即ち、第2の特別図柄抽選手段710による抽選結果)が共通図柄表示領域115cに導出される順序を示す保留導出順序等が相当する。
また、保留可能情報画像表示制御手段6201は、保留関連情報の一つである保留可能情報について、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713のそれぞれが、予め定められた第1所定数(例えば4個)および第2所定数(例えば4個)の上限まで保留可能であるにも拘わらず、第1特別図柄保留カウンタ703による保留が第1所定数まで保留可能であることのみを、保留表示領域1150に表示する。
第1保留情報画像表示制御手段6202および第2保留情報画像表示制御手段6203は、それぞれ、いずれも保留関連情報の一つである第1特別図柄保留カウンタ703にかかる保留数情報および第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留数情報を、保留表示領域1150に表示する。
識別符号画像表示制御手段6204は、第1保留情報画像表示制御手段6202および第2保留情報画像表示制御手段6203によって表示される第1特別図柄保留カウンタ703にかかる保留数情報および第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留数情報に、所定の識別符号を付して表示する。
併合保留順画像表示制御手段6205は、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数および第2特別図柄保留カウンタ713による保留数のいずれもが1以上であるときに、共通図柄表示領域115cに導出される導出順序を認識可能に表示する。
併合保留順記憶手段626は、共通図柄表示領域115cに導出される第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出順序を記憶する。具体的には、コマンド受信手段750が各始動口390,392,394に入賞したことを特定するための情報を主制御基板510から受信した順番に基づいて記憶する。
第1特別図柄保留数記憶手段628は、コマンド受信手段750が「第1始動口390に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板510から受信し且つ未だ共通図柄表示領域115cに抽選結果の導出表示が行われていない個数を記憶する。なお、この個数は、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数に対応する。
第2特別図柄保留数記憶手段630は、コマンド受信手段750が「第2、第3始動口392,394に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板510から受信し且つ未だ共通図柄表示領域115cに抽選結果の導出表示が行われていない個数を記憶する。なお、この個数は、第2特別図柄保留カウンタ713おける保留数に対応する。
演出保留カウンタ631については、詳細は後述するが、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、当該演出ポイントが10ポイントに至る契機となった保留に基づく変動が行われるまで、特殊演出の表示を保留するためのカウンタである。
[保留表示領域における演出について]
次に、本実施形態における演出画像表示装置115の保留表示領域1150において行われる具体的な演出について、図30〜図35を参照しつつ説明する。図30〜図35は、いずれも、保留表示領域1150における演出を示す図である。
図30(a)は、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されている保留数および第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている保留数のいずれもがゼロのときの保留表示領域1150の表示態様を示す図である。このとき、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1特別図柄保留カウンタ703により保留可能な上限値が認識可能に表示される。具体的には、第1の保留表示領域1151の第1の保留記憶表示部1151a〜第4の保留記憶表示部1151dの全てが第1の表示態様で表示される。本実施形態においては、第1の表示態様で表示されている保留記憶表示部の数が、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留可能な保留数に相当する。一方、第2の保留表示領域1152の第5の保留記憶表示部1152a〜第8の保留記憶表示部1152dは、全て非表示となっている(図中の二点鎖線は非表示であることを意味する。以下、同じ)。
なお、第1の保留記憶表示部1151a〜第8の保留記憶表示部1152dには、それぞれ、識別符号画像表示制御手段6204によって、例えば「1」〜「8」の数字による識別符号が付されており、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様のうちいずれかの表示態様で表示されていれば、この識別符号を認識できる(図中の第2の表示態様の場合に識別符号が認識できないが、実際にはキャラクタ表示と識別符号とを交互に表示しているため認識可能となっている)。非表示である場合には、この識別符号も認識できない。
図30(b)において、第1始動口390に遊技球が入賞して第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されると(具体的には、コマンド受信手段750が「第1始動口390に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板510から受信すると)、第1の表示態様の最も端の位置である第1の保留記憶表示部1151aが、第1保留情報画像表示制御手段6202によって、第1の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。これにより、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が「1」であることが認識できる。なお、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数がN(Nは1以上且つ第1所定数以下の自然数)になったときは、一列に配列される第1の表示態様の最も端の位置から、第3の表示態様をN個隣接して表示する。
図30(c)において、さらに、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞すると(具体的には、コマンド受信手段750が「第2始動口392または第3始動口394に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板510から受信すると)、第2の保留記憶表示部1151bが、併合保留順画像表示制御手段6205によって第1の表示態様から第2の表示態様に表示制御される。これにより、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が1個であることおよび第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が1個であることを把握することができる。
また、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞すると、第5の保留記憶表示部1152aが、保留可能情報画像表示制御手段6201によって非表示から第1の表示態様に表示制御される。このとき、遊技者から見れば保留上限が増えたように感じることができ、興趣が高められる。
なお、共通図柄表示領域115cに導出される導出順序は、第1の保留記憶表示部1151a〜第8の保留記憶表示部1152dの順序で導出される。即ち、コマンド受信手段750が主制御基板510から受信した各始動口390,392,394への入賞順序に基づいて共通図柄表示領域115cに導出される。従って、図30(c)で言えば、第1の保留記憶表示部1151aに表示される第1特別図柄抽選手段700による抽選結果、第2の保留記憶表示部1151bに表示される第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の順で導出される。このようにして、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果について、共通図柄表示領域115cに導出される導出順序を把握することができる。
図30(d)において、第1の保留記憶表示部1151aに表示されている第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための変動が開始されると、第1の保留記憶表示部1151aが、第2保留情報画像表示制御手段6203によって第3の表示態様から第2の表示態様に表示制御される。また、第2の保留記憶表示部1151bが、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第2の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。なお、第5の保留記憶表示部1152aは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様に表示される(維持される)。なお、このように、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数がゼロであって且つ第2特別図柄保留カウンタ713による保留数がN(Nは1以上且つ第1所定数以下の自然数)になったとき、第2の表示態様が、図30(a)に示すように一列に配列される第1の表示態様の最も端の位置である第1の保留記憶表示部1151aから隣接してN個表示される。また、第1の表示態様が、第1所定数に対応する数(例えば4個)であって且つ最も端の位置である第1の保留記憶表示部1151aからN個目の第2の表示態様に隣接する位置である第2の保留記憶表示部1151bから、第1の保留記憶表示部1151aに表示された第2の表示態様と併せて一列に配列して表示される。
図30(e)において、第1の保留記憶表示部1151aに表示されている第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための変動が開始されると、第1の保留記憶表示部1151aが、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第2の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。また、第5の保留記憶表示部1152aが、第1の表示態様から非表示に非表示制御される。これにより、遊技者から見れば保留上限が可変するように感じる。従って、どのような場合に保留上限が増えるのかといったことに興味を抱くようになり、興趣が高められる。
図31(a)は、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数および第2特別図柄保留カウンタ713における保留数との和と第1の保留表示領域1151の保留記憶表示部の数(4個)とが同じ場合における各保留記憶表示部1151a〜1152dの表示態様を示す図である。ただし、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数および第2特別図柄保留カウンタ713における保留数のいずれもゼロではない。
図31(a)は、第1の保留記憶表示部1151a、第2の保留記憶表示部1151bおよび第4の保留記憶表示部1151dが、併合保留順画像表示制御手段6205によって第3の表示態様で表示されている。また、第3の保留記憶表示部1151cは、併合保留順画像表示制御手段6205によって第2の表示態様で表示されている。さらに、第5の保留記憶表示部1152aは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様で表示されている。これにより、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されている保留数および第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている保留数を認識することができる。また、共通図柄表示領域115cへの導出は、第1の保留表示部1151a,第2の保留記憶表示部1151b,第3の保留記憶表示部1151c,第4の保留記憶表示部1151dの順序で行われるので、遊技者が共通図柄表示領域115cへの導出順序も把握することができる。
また、第5の保留記憶表示部1152aが第1の表示態様で表示されているので、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留可能な保留数が残り1個であることが把握できる。
図31(b)において、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞すると、併合保留順画像表示制御手段6205によって第5の保留記憶表示部1152aが第1の表示態様から第2の表示態様に表示制御される。また、第6の保留記憶表示部1152bが、保留可能情報画像表示制御手段6201によって非表示から第1の表示態様に表示制御される。
図31(c)において、第1の保留記憶表示部1151aに表示されている第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各保留記憶表示部に表示される第2の表示態様および第3の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の保留記憶表示部1151bの表示が第1の保留記憶表示部1151aの表示に、第3の保留記憶表示部1151cの表示が第2の保留記憶表示部1151bの表示に、第4の保留記憶表示部1151dの表示が第3の保留記憶表示部1151cの表示に、第5の保留記憶表示部1152aの表示が第4の保留記憶表示部1151dの表示に、それぞれシフトされる。そして、第5の保留記憶表示部1152aは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第2の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。また、第6の保留記憶表示部1152bは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様が維持される。このとき、遊技者から見て、保留の上限が変化したと感じることはない。
図31(d)において、第1の保留記憶表示部1151aに表示されている第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための変動が開始されると、図31(c)と同様に、各保留記憶表示部に表示される第2の表示態様および第3の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。
図31(e)において、第1の保留記憶表示部1151aに表示されている第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各保留記憶表示部に表示される第2の表示態様および第3の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の保留記憶表示部1151bの表示が第1の保留記憶表示部1151aの表示に、第3の保留記憶表示部1151cの表示が第2の保留記憶表示部1151bの表示に、それぞれシフトされる。そして、第6の保留記憶表示部1152bは、第1の表示態様から非表示にされる。また、第5の保留記憶表示部1152aは、保留表示領域1150によって第1の表示態様に表示される(維持される)。これにより、遊技者は、保留の上限値が可変するように感じる。
図32(a)は、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が第1所定数と同じ4個であって且つ第2特別図柄保留カウンタ713による保留数がゼロである場合の保留表示領域1150の表示態様を示している。このとき、第1の保留表示領域1151の各保留記憶表示部1151a〜1151dは、第1保留情報画像表示制御手段6202によって第3の表示態様で表示制御されている。また、第2の保留表示領域1152の各保留記憶表示部1152a〜1152dは、非表示となっている。
図32(b)において、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞すると、第5の保留記憶表示部1152aが、併合保留順画像表示制御手段6205によって非表示から第2の表示態様に表示制御される。これにより、遊技者から見れば、保留上限を超えて保留されたように感じ、興趣が高められる。
図33(a)は、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が第2所定数に達していることを示しており、第1の保留表示領域1151の各保留表示部1151a〜1151dの全てが、第2保留情報画像表示制御手段6203によって第2の表示態様で表示制御されている。また、第2の保留表示領域1152の各保留表示部1152a〜1152dの全てが、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様で表示制御されている。このとき、遊技者から見れば、保留上限が第1所定数および第2所定数の和である8個まで増えたように感じ、興趣が高められる。なお、このように、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数がゼロであって且つ第2特別図柄保留カウンタ713による保留数がNになったとき(Nは1以上且つ第1所定数以下の自然数)、N個の第2の表示態様と第1所定数に相当する個数の第1の表示態様が表示される。このとき、N個の第2の表示態様が、一列に配列される第1の表示態様の最も端の位置である第1の保留記憶表示部1151aから隣接してN個表示されると共に、第1所定数に相当する個数の第1の表示態様が、最も端の位置である第1の保留記憶表示部1151aからN個目の第2の表示態様に隣接する位置(例えばN=4であれば第5の保留記憶表示部1152aの位置)から、第2の表示態様と併せて一列に配列表示される。なお、識別符号は、1に対応する識別符号から第1所定数とNとの和(図33(a)では8)に対応する識別符号までが、最も端の位置である第1の保留記憶表示部1151aから順に表示される。
図33(a)のような状態は、例えば普通図柄抽選手段720が遊技者に有利な抽選を行う所謂「時短遊技状態」である場合に発生しやすい。「時短遊技状態」であれば一対の可動片396が頻繁に開閉動作することから、第3始動口394に遊技球が入賞し易くなるからである。
なお、このとき、第2始動口392に遊技球が入賞すると、コマンド受信手段750は、「第2始動口392または第3始動口394に入賞したこと」を特定するコマンドを周辺基板600から受信するものの、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数を特定するためのコマンドも受信する。即ち、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数が第2所定数(上限)であるとき、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数を特定するためのコマンドを受信しても、第2所定数を超えて保留することができないため、第1の保留表示領域1151および第2の保留表示領域1152の各保留記憶表示部1151a〜1152dの全ての表示が、保留可能情報画像表示制御手段6201によって維持される(図33(b)参照)。
図33(c)において、第1の保留記憶表示部1151aに表示されている第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各保留記憶表示部に表示される第2の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の保留記憶表示部1151bの表示が第1の保留記憶表示部1151aの表示に、第3の保留記憶表示部1151cの表示が第2の保留記憶表示部1151bの表示に、第4の保留記憶表示部1151dの表示が第3の保留記憶表示部1151cの表示に、それぞれシフトされる。そして、第4の保留記憶表示部1151dの表示が、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第2の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。また、第8の保留記憶表示部1152dが非表示となる。また、第6の保留記憶表示部1152bおよび第7の保留記憶表示部1152cは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様が維持される。
図34(a)は、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が2個、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が3個の場合における保留表示領域1150の表示態様を示している。第1の保留記憶表示部1151aおよび第4の保留記憶表示部1151dは、併合保留順画像表示制御手段6205によって第3の表示態様に表示制御されている。第2の保留記憶表示部1151b、第3の保留記憶表示部1151cおよび第5の保留記憶表示部1152aは、併合保留順画像表示制御手段6205によって第2の表示態様に表示制御されている。第6の保留記憶表示部1152bおよび第7の保留記憶表示部1152cは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様に表示制御されている。
図34(b)において、第1始動口390に遊技球が入賞すると、第6の保留記憶表示部1152bが、併合保留順画像表示制御手段6205によって第1の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。これにより、遊技者が先だって保留上限が増えたと感じたことは、実際に保留上限が増えていないけれども増えたように見せかけるような単なる演出ではなかったことを確認でき、興趣の低下を抑制できる。即ち、実際に保留上限が増加したという感情を実感できる。
図34(c)において、第1の保留記憶表示部1151aに表示されている第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各保留記憶表示部に表示される第2の表示態様および第3の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の保留記憶表示部1151bの表示が第1の保留記憶表示部1151aの表示に、第3の保留記憶表示部1151cの表示が第2の保留記憶表示部1151bの表示に、第4の保留記憶表示部1151dの表示が第3の保留記憶表示部1151cの表示に、第5の保留記憶表示部1152aの表示が第4の保留記憶表示部1151dの表示に、第6の保留記憶表示部1152bの表示が第5の保留記憶表示部1152aの表示に、それぞれシフトされる。そして、第6の保留記憶表示部1152bの表示が、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第3の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。また、第7の保留記憶表示部1152cは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様が維持される。
図34(d)において、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞すると、第6の保留記憶表示部1152bが、併合保留順画像表示制御手段6205によって第1の表示態様から第2の表示態様に表示制御される。また、第8の保留記憶表示部1152dが、保留可能情報画像表示制御手段6201によって非表示から第1の表示態様に表示制御される。なお、第1の保留記憶表示部1151a、第2の保留記憶表示部1151b、第3の保留記憶表示部1151c、第4の保留記憶表示部1151dおよび第5の保留記憶表示部1152aの表示態様は維持される。これにより、遊技者から見れば、保留上限が増加したように感じ、興趣を高めることができる。
しかも、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞することに伴って、第2の保留表示領域1152の各保留記憶表示部1152a〜1152dが、非表示から第1の表示態様または第2の表示態様に表示制御される。このように、保留上限が増加するように遊技者が感じることによって興趣が高められる。
図34(e)において、第1の保留記憶表示部1151aに表示されている第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための変動が開始されると、各保留記憶表示部に表示される第2の表示態様および第3の表示態様が、一つずつ紙面前方からみた左方向にシフトされる。具体的には、第2の保留記憶表示部1151bの表示が第1の保留記憶表示部1151aの表示に、第3の保留記憶表示部1151cの表示が第2の保留記憶表示部1151bの表示に、第4の保留記憶表示部1151dの表示が第3の保留記憶表示部1151cの表示に、第5の保留記憶表示部1152aの表示が第4の保留記憶表示部1151dの表示に、第6の保留記憶表示部1152bの表示が第5の保留記憶表示部1152aの表示に、それぞれシフトされる。そして、第6の保留記憶表示部1152bの表示が、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第2の表示態様から第1の表示態様に表示制御される。第7の保留記憶表示部1152cは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様が維持される。第8の保留記憶表示部1152dは非表示となる。
図35(a)は、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が1個、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が4個の場合における保留表示領域1150の表示態様を示している。第1の保留記憶表示部1151a、第2の保留記憶表示部1151b、第3の保留記憶表示部1151cおよび第4の保留記憶表示部1151dは、併合保留順画像表示制御手段6205によって第2の表示態様に表示制御されている。第5の保留記憶表示部1152aは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第3の表示態様に表示制御されている。また、第6の保留記憶表示部1152b、第7の保留記憶表示部1152cおよび第8の保留記憶表示部1152dは、保留可能情報画像表示制御手段6201によって第1の表示態様に表示されている。
なお、このとき、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞すると、コマンド受信手段750は、「第2始動口392または第3始動口394に入賞したこと」を特定するコマンドを周辺基板600から受信するものの、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数を特定するためのコマンドも受信する。即ち、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数が第2所定数(上限)であるとき、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数を特定するためのコマンドを受信しても、第2所定数を超えて保留することができないため、第1の保留表示領域1151および第2の保留表示領域1152の各保留記憶表示部1151a〜1152dの全ての表示が、併合保留順画像表示制御手段6205によって維持される(図35(b)参照)。
図35(c)において、第1始動口390に遊技球が入賞すると、コマンド受信手段750は、「第1始動口390に入賞したこと」を特定するコマンドを周辺基板600から受信する。これに伴って、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数を特定するためのコマンドも受信する。第1始動口390に遊技球が入賞する前(図35(b)を参照)は、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が1個であるため、第6の保留記憶表示部1152bが、併合保留順画像表示制御手段6205によって第1の表示態様から第3の表示態様に表示制御される。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板500で実行される種々の制御処理について図36から図59を参照して説明する。
[メインシステム処理]
まず、図36に基づいて説明する。図36は、主基板500の主制御基板510に搭載されるCPU511(いずれも図23参照)が実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
図36に示すように、パチンコ機1へ電源が供給されると、CPU511(図23参照)は、まず電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、RAM513(図23参照)に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM513に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM513に記憶されているバックアップデータを消去してCPU511に関連するデバイス設定(通常の初期設定や割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM513に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM513に記憶されているバックアップデータの消去を指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM513をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主制御基板510に搭載されるRAM513にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM513をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときに周辺制御基板610(図24参照)に主制御基板510(図23参照)が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板510が起動したことを周辺制御基板610に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM513にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理(ステップS10)が終了すると、CPU511は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU511は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判断する(ステップS20)。なお、この実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成される。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に電源を供給している。そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板510に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS20で主制御基板510に搭載されるCPU511により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS40)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では24V)復旧した場合に(以下、「復電」と称する)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM513にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS20で停電予告信号が検知されていない場合(ステップS20におけるNO)、即ち、外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる乱数を更新する非当落乱数更新処理を行う(ステップS30)。なお、非当落乱数更新処理にて更新される乱数については後述する。
[電源断発生処理について]
図37は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。CPU511は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、RAM513のチェックサムを算出し、RAM513の所定領域に保存する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM513の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU511は、RAM513の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS46)。以上の処理を終えると、CPU511は、RAM513へのアクセスを禁止し(ステップS48)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU511には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図37の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU511が起動することになる。
[タイマ割込処理について]
図38は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板500の主制御基板510に搭載されるCPU511により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU511は、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
ステップS60のセンサ監視処理では、上述した各種のセンサ(ゲートセンサ560、第1始動口センサ580、第2始動口センサ582、第3始動口センサ584、演出用開閉装置カウントセンサ570、大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ576等)の検出信号を監視する処理を実行する。
ステップS70の当落乱数更新処理では、遊技で用いられる乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施形態では、当落乱数更新処理にて更新される乱数と、上述した非当落乱数更新処理にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、当落乱数更新処理にて更新される乱数を非当落乱数更新処理でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS80の払出制御処理では、センサ監視処理(ステップS60)にて検出された信号に基づいて払出制御基板520に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。
ステップS90の普通図柄・普通電動役物制御処理では、センサ監視処理処理(ステップS60)にてゲートセンサ560から検出された信号に基づいて普通図柄表示器82に関わる制御処理を実行するとともに、一対の可動片396の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS100の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄の変動開始から当たり遊技の開始までの一連の処理を実行するとともに、演出用大入賞口3981および大当たり遊技用大入賞口4001(いずれも図10参照)の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS260の出力データ設定処理では、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)等において定まる情報に基づいて、主制御基板510から周辺制御基板610に送信するコマンドを生成する処理を実行する。
ステップS270のコマンド送信処理では、出力データ設定処理(ステップS260)において設定されたコマンドを周辺制御基板610に送信する処理が行われる。ステップS60からステップS270の処理を実行すると、レジスタ復帰処理(ステップS280)を実行して、タイマ割込処理を終了する。
ここで、上述した非当落乱数更新処理(ステップS30)および当落乱数更新処理(ステップS70)で主制御基板510に搭載されるCPU511により更新される各種乱数について説明する。本実施形態において、遊技にて用いられる各種乱数として、大当たり遊技の開始または小当たり遊技の開始をさせるか否かの判定に用いられる当否判定用乱数、大当たり遊技を開始させると判定されたときに確変大当たりとするか否かの判定に用いられる図柄乱数、大当たり判定にて確変大当たり遊技、非確変大当たり遊技および小当たり遊技を開始させないと判定されたときにリーチ変動とするか否かの判定に用いられるリーチ判定用乱数、第1特別図柄表示器84および第2特別図柄表示器86に表示されている特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる変動パターン乱数、一対の可動片396を開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当たり判定)に用いられる普通図柄当たり判定用乱数、等がある。
なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動パターンを決定するとともに、演出画像表示装置115にて表示制御される装飾図柄の変動パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、当落乱数更新処理では、大当たり遊技または小当たり遊技の開始に関わる当否判定用乱数、図柄乱数、および、一対の可動片396を、遊技球を受け入れやすい開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当たり判定用乱数の更新を行う。即ち、大当たり遊技の開始および一対の可動片396を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は一定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(当たり遊技を開始させると判定する確率、一対の可動片396を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止できる。
一方、非当落乱数更新処理では、当たり遊技状態の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定用乱数、並びに、変動パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板510で更新される乱数は、上記したものに限られず、非当落乱数更新処理では、当否判定用乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる当否判定用乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
なお、本実施例においては当否判定用乱数を取得するための手段として、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702と第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712の2つの手段を設けるが、これを一つ設ける構成としてもよい。
[特別図柄・特別電動役物制御処理について]
次に、図39に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図39は、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)の一例を示すフローチャートである。この特別図柄・特別電動役物制御処理では、まず、第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を行う。具体的には後述するが、第1始動口390、第2始動口392、第3始動口394に遊技球が受け入れられたか否か判別し、これに基づいて一連の処理を行う。、第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を行うと、次に、処理フラグを確認し(ステップS120〜ステップS230)、処理フラグに対応する処理を行う。
第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、先ず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)変動開始処理(ステップS130)を実行する。変動開始処理(ステップS130)では、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、大当たり遊技または小当たり遊技を開始させるか否かの判断を行い、処理フラグを「1」に更新する。一方、ステップS120において処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)ステップS140に進む。
ステップS140に進むと、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に表示される特別図柄および演出画像表示装置115に表示される装飾図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンに対応して設定される変動時間(第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のいずれかにおいて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新する。一方、ステップS140において処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、ステップS170に進む。
ステップS170に進むと、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)で設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86における特別図柄の変動表示を停止させる。このとき、変動開始処理(ステップS130)にて大当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、小当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当たりおよび小当たりとする判定のいずれもなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。一方、ステップS170において処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、ステップS190に進む。
ステップS190に進むと、処理フラグが3かどうか判断する(ステップS190)。処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)大当たり遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当たり遊技開始処理では、大当たり種別(長当たりか短当たりか)を判断し、その大当たり種別に応じて演出用大入賞口3981および/または大当たり遊技用大入賞口4001の開閉動作を制御するためのラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数をセットし、処理フラグを「5」に更新する。一方、ステップS190において処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、処理フラグが4かどうか判断する(ステップS210)。処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)小当たり遊技処理(ステップS220)を実行する。この小当たり遊技処理では、演出用大入賞口3981の開放動作を制御するための開放回数および開放時間をセットし、処理フラグを「6」に更新する。一方、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、ステップS230に進む。
ステップS230に進むと、処理フラグが5かどうか判断する(ステップS230)。処理フラグが5であれば(ステップS230におけるYES)特別電動役物大当たり制御処理(ステップS240)を実行する。この特別電動役物大当たり制御処理では、大当たり遊技開始処理(ステップS200)においてセットしたラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数に基づいて演出用大入賞口3981および大当たり遊技用大入賞口4001の開閉動作を制御し、大当たり遊技が終了する場合には、確率変動機能および時短機能を作動させるか否か判断させるとともに処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
一方、ステップS230において処理フラグが5でなければ(ステップS230におけるNO)特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)を実行する。この特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)では、小当たり遊技処理(ステップS220)においてセットした開放回数、開放時間および制限個数に基づいて、演出用大入賞口3981の開閉動作を制御し、小当たり遊技が終了する場合には、処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
ステップS130からステップS250の各種処理のいずれかを実行すると特別図柄・特別電動役物制御処理を終了する。
[特別図柄用乱数記憶手段について]
次に図40に基づいて、保留順記憶手段740(図25参照)による記憶方式について説明する。図40は、保留順に拘わる記憶領域の一例を示す図である。主制御基板510のCPU511に設けられたRAM513(いずれも図23参照)は、特別図柄用乱数記憶領域5131と処理領域5132とを有する。遊技球が第1始動口センサ580に検出されたことに基づいて取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)、および、第2始動口センサ582または第3始動口センサ584に検出されたことに基づいて取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)は、遊技球が検出された順序で、保留順記憶手段740によって特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶される。この特別図柄用乱数記憶領域5131は、第1記憶領域5131aから第8記憶領域5131hまでの8つの記憶領域に分かれており、第1記憶領域5131a、第2記憶領域5131b、第3記憶領域5131c、第4記憶領域5131d、第5記憶領域5131e、第6記憶領域5131f、第7記憶領域5131g、第8記憶領域5131hの順に記憶させる。
第1記憶領域5131aから第8記憶領域5131hまでの8つの各記憶領域および処理領域5132は、いずれも、当否判定用乱数記憶領域、確変判定用乱数記憶領域および特別図柄種別記憶領域の3つの記憶領域を有している。当否判定用乱数記憶領域は、大当たり遊技または小当たり遊技を開始させるか否かの判定に用いる当否判定用乱数を記憶する領域である。また、確変判定用乱数記憶領域は、大当たりの場合に第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86の停止図柄の態様を確変図柄とするか否かの判定に用いる図柄乱数を記憶する領域である。また、特別図柄種別記憶領域は、当否判定用乱数および図柄乱数が、第1始動口センサ580に遊技球が検出されたことによって取得されたデータであるのか、第2始動口センサ582または第3始動口センサ584に遊技球が検出されたことによって取得されたデータであるのか、を記憶する領域である。本実施形態においては、当否判定用乱数および図柄乱数が第1始動口センサ580による遊技球の検出により抽出されたものである場合には第1特別図柄種別を、第2始動口センサ582または第3始動口センサ584による遊技球の検出により抽出されたものである場合には第2特別図柄種別を記憶する。
第1始動口センサ580による遊技球の検出があると、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702が当否判定用乱数および図柄乱数を抽出する。抽出された当否判定用乱数および図柄乱数は、それぞれ、保留順記憶手段740により当否判定用乱数記憶領域および確変判定用乱数記憶領域に記憶される。また、特別図柄種別記憶領域には、第1特別図柄種別が記憶される。
第2始動口センサ582または第3始動口センサ584による遊技球の検出があると、第1始動口センサ580による遊技球の検出があった場合と同様に、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により当否判定用乱数および図柄乱数を抽出する。抽出された当否判定用乱数および図柄乱数は、それぞれ、当否判定用乱数記憶領域および確変判定用乱数記憶領域に記憶される。また、特別図柄種別記憶領域には、第2特別図柄種別が記憶される。
また、処理領域5132は、各種データの判定結果を第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に導出する際に読み込まれる領域である。本実施形態においては、特別図柄用乱数記憶領域5131の各領域5131a〜5131hに記憶される各種データの読み込みが制限されており、処理領域5132に記憶されている各種データが判定され、その判定結果が、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に導出される。
なお、処理領域5132については必ずしも有している必要はない。例えば、特別図柄用乱数記憶領域5131の各記憶領域5131a〜5131hに記憶される各種データの読み込みを通常制限すると共に、特別図柄の変動を開始する際にのみ、第1記憶領域5131aに記憶される各種データのみを読み込み可能としても良い。
また、特別図柄の変動が開始される際には、各記憶領域に記憶されている各種データのシフト処理が行われる。このシフト処理の詳細については後述する。
[第1・第2・第3始動口入賞処理]
次に、第1・第2・第3始動口入賞処理について図41に基づいて説明する。図41は、第1・第2・第3始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
第1・第2・第3始動口入賞処理では、CPU511は、先ず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1101)。具体的には、第2始動口センサ582または第3始動口センサ584から検出信号が出力されたか否かを判断する。このとき、第2始動口センサ582から検出信号が出力された場合には第2始動口392に遊技球が入賞したと判断し、第3始動口センサ584から検出信号が出力された場合には第3始動口394に遊技球が入賞したと判断する。第2始動口センサ582および第3始動口センサ584のいずれからも検出信号が出力されていなければ、第2始動口392および第3始動口394のいずれにも遊技球が入賞していない(ステップS1101におけるNO)と判断する。
ステップS1101において第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したと判断したときには、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得し、RAM513に設けられている第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1102)。なお、当否判定用乱数は、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得される。
ステップS1101において第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限の4未満であると判断すると(ステップS1102におけるYES)、CPU511は、第2保留記憶処理を行う(ステップS1103)。この第2保留記憶処理は、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶すると共に、第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値に1を加算する処理である。より詳しくは、特別図柄用乱数記憶領域5131の当否判定用乱数記憶領域には当否判定用乱数を、確変判定用乱数記憶領域には図柄乱数を、特別図柄種別記憶領域には特別図柄種別を、それぞれ、記憶する。
ステップS1103の第2保留記憶処理において特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶される各種データは、第1記憶領域5131a〜第n記憶領域(nは整数)の空き領域のうち最もnが小さい領域に記憶され、その後、ステップS1104に進む。例えば、第1記憶領域5131aが空き領域であれば第1記憶領域5131aに、第1記憶領域5131aが空き領域でなく且つ第2記憶領域5131bが空き領域であれば第2記憶領域5131bに、第1記憶領域5131aおよび第2記憶領域5131bが空き領域でなく且つ第3記憶領域5131cが空き領域であれば第3記憶領域5131cに、それぞれ、CPU511が各種データを記憶し、ステップS1104に進む。
CPU511が、ステップS1101において第2始動口392および第3始動口394のいずれにも遊技球が入賞していないと判別したとき(ステップS1101におけるNO)、および、ステップS1102において第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値の4に達していると判別したとき(ステップS1102におけるNO)は、いずれもステップS1104に進む。
ステップS1104では、CPU511は、第1始動口390に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1104)。具体的には、第1始動口センサ580から検出信号が出力されたか否かを判断し、第1始動口センサ580から検出信号が出力された場合には第1始動口390に遊技球が入賞した(ステップS1104におけるYES)と判断する。第1始動口センサ580から検出信号が出力されていなければ第1始動口390に遊技球が入賞していない(ステップS1104におけるNO)と判断する。
ステップS1104において第1始動口390に遊技球が入賞したと判断したときには、各種乱数(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得し、RAM513に設けられている第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1105)。なお、当否判定用乱数は、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得される。
ステップS1104において第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限の4未満であると判別すると(ステップS1105におけるYES)、CPU511は、第1保留記憶処理を行う(ステップS1106)。この第1保留記憶処理は、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶すると共に、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値に1を加算する処理である。より詳しくは、特別図柄用乱数記憶領域5131の当否判定用乱数記憶領域には当否判定用乱数を、確変判定用乱数記憶領域には図柄乱数を、特別図柄種別記憶領域には特別図柄種別を、それぞれ、記憶する。
ステップS1106の第1保留記憶処理において特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶される各種データは、第1記憶領域5131a〜第n記憶領域(nは整数)の空き領域のうち最もnが小さい領域に記憶され、その後、ステップS1104に進む。例えば、第1記憶領域5131aが空き領域であれば第1記憶領域5131aに、第1記憶領域5131aが空き領域でなく且つ第2記憶領域5131bが空き領域であれば第2記憶領域5131bに、第1記憶領域5131aおよび第2記憶領域5131bが空き領域でなく且つ第3記憶領域5131cが空き領域であれば第3記憶領域5131cに、それぞれ、CPU511が各種データを記憶し、処理を終了する。
CPU511が、ステップS1104において第1始動口390に遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1104におけるNO)、および、ステップS1105において第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1105におけるNO)は、いずれも処理を終了する。
なお、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713に記憶されるカウンタ値は、ステップS1104またはステップS1101で取得した特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶される各種データの数(即ち、8の記憶領域5131a〜5131hのうち各種データが記憶されている記憶領域の数)を示すカウンタ値である。
また、ステップS1102およびステップS1105において、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値であるとき、および、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値であるときは、いずれも、ステップS1101またはステップS1104で取得した各種データを破棄する。
なお、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したと判断したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1101で行う必要はなく、ステップS1101〜ステップS1103の間で行えばよい。例えば、ステップS1101で各種データを取得せずに、ステップS1102で第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値未満であることを判定した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1103の第2保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
同様に、第1始動口390に遊技球が入賞したと判定したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1104で行う必要はなく、ステップS1104〜ステップS1106の間で行えばよい。例えば、ステップS1104で各種データを取得せずに、ステップS1102で第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値未満であることを判別した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1106の第1保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
このように、第1・第2・第3始動口入賞処理では、CPU511は、先ず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したか否かを判断し、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント値が上限未満であれば、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データの記憶処理を行う。そして、その後、第1始動口390に遊技球が入賞したか否かを判断し、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウント値が上限未満であれば、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データの記憶処理を行い、一連の処理を終了する。従って、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時(同じ4ms割込処理内)に行われた場合には、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データが、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データよりも先に特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶される。即ち、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時に行われた場合には、第2特別図柄当否判定手段714による大当たり判定が、第1特別図柄当否判定手段704による大当たり判定よりも先に行われ、その結果、第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が第1特別図柄当否判定手段704による判定結果よりも先に第2特別図柄表示器86および共通図柄表示領域115cに表示される。とくに、時短遊技中、普通図柄抽選手段720による抽選が遊技者に有利な抽選が行われるので、一対の可動片396の開閉動作が頻繁に行われ、第3始動口394に遊技球が入賞しやすくなる。しかし、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時に行われた場合に、第2特別図柄当否判定手段714による大当たり判定を第1特別図柄当否判定手段704による大当たり判定よりも先に行うことによって、時短遊技中、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したにも拘わらず、取得した各種データが破棄されるといったことを極力回避でき、興趣の低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、CPU511が、ステップS1101〜ステップS1103の一連の処理を実行したのちに、ステップS1104〜1106の一連の処理を実行しているが、これに代えて、ステップS1104〜ステップS1106の一連の処理を実行したのちに、ステップS1101〜ステップS1103の一連の処理を実行する態様であっても良い。
また、本実施形態において、特別図柄用乱数記憶領域5131に記憶される各種データの数(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値と第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値との和)を「始動記憶数」と称する。
[変動開始処理]
次に、変動開始処理について図42に基づいて説明する。図42は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、CPU511は、先ず、始動記憶数が0であるか否かを判断する(ステップS1301)。始動記憶数が0でなければ(ステップS1301におけるNO)、特別図柄用乱数記憶領域5131のシフト処理を行う(ステップS1302)。このシフト処理は、第1記憶領域5131aに記憶されている各種データを処理領域5132に記憶させると共に、第n記憶領域(2≦n≦8)に記憶されている各種データを、それぞれ、第(n−1)記憶領域(2≦n≦8)に記憶させる処理である。なお、第1記憶領域5131aのみに各種データが記憶されている場合(第2記憶領域5131b〜第8記憶領域5131hが空き領域の場合)には、第1記憶領域5131aに記憶されている各種データを処理領域5132に記憶させる処理のみが行われる。なお、ステップS1301において始動記憶が0であれば(ステップS1301におけるYES)処理を終了する。
ステップS1302においてシフト処理を行ったのち、CPU511は、処理領域5132の特別図柄種別記憶領域に記憶されている種別が第2特別図柄種別であるか否かを判別する(ステップS1303)。このとき、第2特別図柄種別であれば(ステップS1303におけるYES)、第2特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1303)と共に、第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値を1減算して(ステップS1305)、ステップS1308に進む。また、ステップS1303において判定した処理領域5132の特別図柄種別記憶領域に記憶されている種別が第1特別図柄種別であれば(ステップS1303におけるNO)、第1特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1306)と共に、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値を1減算して(ステップS1307)、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、CPU511は、確率変動機能が作動中であるか否か、即ち、確変遊技実行手段734による確変遊技が実行されているか否かを判別する(ステップS1308)。確率変動機能が作動中であれば(ステップS1308におけるYES)、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708が選択され(ステップS1309)、確率変動機能が未作動であれば(ステップS1308におけるNO)、特別図柄通常時当たり判定用テーブル706が選択される(ステップS1310)。そして、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと、処理領域5132に記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定が行われる(ステップS1311)。
なお、ステップS1311における大当たり判定は、第1特別図柄フラグがON状態であれば第1特別図柄当否判定手段704によって行われ、第2特別図柄フラグがON状態であれば第2特別図柄当否判定手段714によって行われる。
CPU511が、ステップS1311における大当たり判定にて大当たりであると判定すると(ステップS1311におけるYES)、大当たりフラグをON状態にして(ステップS1311)、次に、長当たりか否かの判定を行う(ステップS1313)。具体的には、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと当否判定用乱数とを参照して大当たり判定の結果が長当たりであるか否か判定する。長当たりであると判定されると(ステップS1313におけるYES)、長あたりフラグをONして(ステップS1314)、その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1318)、処理を終了する。また、ステップS1313において長当たりでないと判定されると(ステップS1313におけるNO)、短当たりフラグをONして(ステップS1315)、その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1318)、処理を終了する。また、ステップS1311における大当たり判定にて大当たりでないと判定すると(ステップS1311におけるNO)、小当たり判定が表1に基づいて行われる(ステップS1316)。小当たり判定において小当たりであると判定すると(ステップS1316におけるYES)、小当たりフラグをON状態にして(ステップS1317)、ステップS1318に進み、処理フラグを「1」に更新し、処理を終了する。小当たり判定において小当たりでないと判定すると(ステップS1316におけるNO)、ステップS1318に進み、処理フラグを「1」に更新し、処理を終了する。
なお、本実施形態では、ステップS1302において特別図柄用乱数記憶領域5131のシフト処理を行ったのち、ステップS1310において選択された判定テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)と、処理領域5132に記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定が行われる(ステップS1311)が、これに限られない。例えば、判定テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)と第1記憶領域5131aに記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定を行い、その後、特別図柄用乱数記憶領域5131のシフト処理を行っても良い。このとき、第1記憶領域5131aに記憶されている当否判定用乱数を参照できるのは、変動開始時のみである。
また、大当たり判定および小当たり判定についての詳細は、表1および表2を参照して上述したとおりである。
[変動パターン設定処理]
次に、変動パターン設定処理について図43〜図57に基づいて説明する。図43は、変動パターン設定処理(ステップS150)の一例を示すフローチャートである。図44は、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図45は、第1特別図柄長当たり時パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図46は、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図47は、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図48は、短当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図49は、小当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図50は、短当たり時変動パターンテーブル設定処理および小当たり時変動パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図51は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図52は、図51のAから続くフローチャートである。図53は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断された場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。図54は、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図55は、図54のCから続くフローチャートである。図56は、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断された場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。図57は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理および第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断されない場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。
なお、図45、図47、図50、図53、図56および図57に示すテーブルには、変動番号に対応させて、コマンド、抽選結果、変動時間、変動名称(変動内容)および当該変動番号の変動内容が選択される確率が記憶されている。また、「変動内容」とは、演出画像表示装置115に表示される演出の内容およびこの演出内容に対応させてスピーカ18,57から出力される効果音や楽曲のことである。
図43の変動パターン設定処理では、先ず、大当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1510)。即ち、今回の特別図柄の変動によって大当たりを導出するか否かを判断する。大当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1510におけるYES)、次に、長当たりフラグONか否か判断する(ステップS1520)。即ちステップS1510で判断した大当たりが長当たりであるか否かを判断する。長当たりフラグONであると判断すると(ステップS1520におけるYES)、次に第1特別図柄フラグがONか否か判断する(ステップS1530)。即ち、今回の変動が第1始動センサ580により遊技球が検出されたことに基づいて抽出された当否判定乱数にもとづくものであるか否か判断する。第1特別図柄フラグがONであると判断すると(ステップS1530におけるYES)、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1540)を行う。第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1540)では、時短機能作動中であるか否か(即ち、時短遊技実行手段736により時短遊技が実行されているか否か)、確率変動機能作動中であるか否か(即ち、確変遊技実行手段734により確変遊技が実行されているか否か)、および、確変図柄での長当たりであるか否かに応じて、第1特別図柄長当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
第1特別図柄フラグがONでないと判断すると(ステップS1530におけるNO)、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1550)を行う。第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1550)では、時短機能作動中であるか否か、確率変動機能作動中であるか否か、および、確変図柄での長当たりであるか否かに応じて、第2特別図柄長当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
ステップS1520において、長当たりフラグONでない(即ち、短当たりである)と判断すると(ステップS1520におけるNO)、短当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1560)を行う。短当たり時変動パターンテーブル設定処理では、時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断し、それぞれの遊技状態に応じた短当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
なお、ステップS1520において長当たりでない(即ち短当たり)と判断した場合には、今回の変動が第1始動センサ580により遊技球が検出されたことにもとづくものであるのか否かは判断しない。従って、第1始動口390に遊技球が入賞したことに応じて短当たりが発生した場合、および、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことに応じて短当たりが発生した場合、のいずれであっても、同じ変動パターンテーブルが選択されることになる。
ステップS1510において大当たりフラグONでないと判断すると(ステップS1510におけるNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1570)。小当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1570におけるYES)、小当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1580)を行う。小当たり時変動パターン設定処理では、時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断し、それぞれの遊技状態に応じた小当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
なお、ステップS1570において小当たりであると判断した場合には、ステップS1520において長当たりでないと判断した場合と同様に、今回の変動が第1始動センサ580により遊技球が検出されたことにもとづくものであるのか否かは判断しない。従って、第1始動口390に遊技球が入賞したことに応じて小当たりが発生した場合、および、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことに応じて小当たりが発生した場合、のいずれであっても、同じ変動パターンテーブルが選択されることになる。
小当たりフラグがONでないと判断すると(ステップS1570におけるNO)、第1特別図柄フラグがONであるか否かを判断する(ステップS1590)。第1特別図柄フラグがONであると判断すると(ステップS1590におけるYES)、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1600)を行う。第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、まず時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断したのち、リーチ変動を行うか否かを抽選する(以下、この抽選を「リーチ抽選」と称する)。リーチ抽選では、リーチ判定用乱数を取得し、取得したリーチ判定用乱数をRAM513に記憶するとともに、予め定められたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と取得したリーチ判定用乱数とが一致するか否かによって、リーチ変動を行うか否かを判断する。そして判断された時短機能作動中であるか否かと、確率変動機能作動中であるか否かと、リーチ変動を行うか否かと、第1特別図柄保留カウンタ703(図25参照)によるカウンタ値とに基づいて、第1特別図柄外れ時の変動パターンテーブルを選択する。
ステップS1590において第1特別図柄フラグがONでないと判断すると(ステップS1590におけるNO)、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1610)を行う。第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断する。時短機能が未作動のときであれば、常にリーチ変動が行われるリーチ変動パターンテーブルが選択される。時短作動時であれば、リーチ判定用乱数を取得してRAM513に記憶するとともに、取得したリーチ判定用乱数と予め定められたリーチ判定テーブルに設定されている判定値とが一致するか否かによって、リーチ変動とするか否かを判断する。そして、判断された時短機能作動中であるか否かと、確率変動機能作動中であるか否かと、リーチ変動を行うか否かと、第2特別図柄保留カウンタ713(図25参照)によるカウンタ値とに応じて、第2特別図柄外れ時の変動パターンテーブルを選択する。
各変動パターンテーブルを設定するとステップS1620に進み、変動パターンを決定する。変動パターンの決定では、先ず、変動表示乱数を取得する。そして、この取得した変動表示乱数に基づいて、ステップS1540、ステップS1550、ステップS1560、ステップS1580、ステップS1600またはステップS1610で設定された変動パターンテーブルに設定されている変動パターンのなかからいずれか一つの変動パターンを決定する(ステップS1620)。
各変動パターンには、変動時間およびコマンドが対応して設定されており、変動パターンを決定すると(ステップS1620)、この決定された変動パターンを選択値としてセットする(ステップS1630)。そして、選択値としてセットされた変動パターンに対応するコマンドを、周辺制御基板610に送信される演出コマンドとしてセットする。変動パターンを選択値としてセットすると(ステップS1630)、セットされた変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする(ステップS1640)。即ち、特別図柄の変動時間を、主制御基板510に搭載されるRAM513に設けられたタイマにセットする。その後、処理フラグを「2」に更新して(ステップS1650)変動パターン設定処理を終了する。
次に、図44および図45に基づいて第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図44の第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU511は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15401)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15401におけるYES)、時短機能が未作動の場合における長当たり図柄の種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15402)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル1を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル2を選択する(図45参照)。
ステップS15401において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15401におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15403)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15403におけるYES)、時短機能作動時であって且つ低確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15404)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル3を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル4を選択する。
ステップS15403において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS15403におけるNO)、時短機能作動時であって且つ高確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15405)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル5を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル6を選択する。
ステップS15402、ステップS15404、ステップS15405においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル1が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号10のノーマル長当たり、変動番号13の歌リーチAノーマル長当たり、変動番号15の歌リーチAロング長当たり、変動番号17の歌リーチB(歌リーチA経由)長当たり、変動番号19の歌リーチC(歌リーチA経由)長当たり、変動番号21の歌リーチD(歌リーチA経由)長当たり、変動番号26の歌リーチB前半長当たり、変動番号28の歌リーチB後半長当たり、変動番号33の歌リーチC前半長当たり、変動番号35の歌リーチC後半長当たり、変動番号40の歌リーチD前半長当たり、変動番号42の歌リーチD後半長当たり、および、変動番号45のチャンス目(確変長当たり)、のうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の500、64000分の3500、64000分の5000、64000分の8000、64000分の10000、64000分の10000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、および、64000分の3000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとしてノーマル長当たりを64000分の500の確率で選択したとき、ノーマル長当たりの変動パターンに対応するコマンド0AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21500msをタイマにセットする。このノーマル長当たりを選択すると、演出画像表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、スーパーリーチ演出を実行することなく、停止図柄が長当たり態様となるように表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてし、さらに選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル2が選択されると、テーブル1と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。ただし、変動番号26、28、33、35、40、42が選択される確率は、テーブル1では64000分の4000であるのに対し、テーブル2では64000分の4500である。また、変動番号45が選択される確率は、テーブル1では64000分の3000であるのに対し、テーブル2では選択されない。そして、テーブル1が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル3が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号26の歌リーチB前半長当たり、変動番号28の歌リーチB後半長当たり、変動番号33の歌リーチC前半長当たり、変動番号35の歌リーチC後半長当たり、変動番号40の歌リーチD前半長当たり、および、変動番号42の歌リーチD後半長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の10500、64000分の10500、64000分の10500、64000分の10500、64000分の11000、および、64000分の11000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB前半長当たりを64000分の10500の確率で選択したとき、歌リーチB前半長当たりの変動パターンに対応するコマンド1AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として41100msをタイマにセットする。この歌リーチB前半長当たりを選択すると、演出画像表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行すると共に、歌(B)演奏に伴ってキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチ演出をし、その後、停止図柄が長当たり態様となるように表示する。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル4が選択されると、テーブル3と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。そして、テーブル3が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル5が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号51の歌リーチB完走当たり(共通)、変動番号52の歌リーチB扉1枚目復活長当たり、変動番号53の歌リーチB扉2枚目復活長当たり、変動番号54の歌リーチB扉3枚目復活長当たり、変動番号60の歌リーチC完走当たり(確変)、変動番号61の歌リーチC扉1枚目復活長当たり、変動番号62の歌リーチC扉2枚目復活長当たり、および、変動番号63の歌リーチC扉3枚目復活長当たり、変動番号69の歌リーチD完走当たり(確変)、変動番号70の歌リーチD扉1枚目復活長当たり、変動番号71の歌リーチD扉2枚目復活長当たり、および、変動番号72の歌リーチD扉3枚目復活長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の30000、64000分の500、64000分の500、64000分の1000、64000分の10000、64000分の250、64000分の250、、64000分の5500、64000分の10000、64000分の250、64000分の250、および、64000分の5500の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB完走長当たりを64000分の30000の確率で選択したとき、歌リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル6が選択されると、変動パターン乱数を取得することなく、常に変動番号51の歌リーチB完走当たりの変動パターンを選択する。そして、歌リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。この歌リーチB完走当たりは、演出画像表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、歌(B)に伴ってキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチを表示し、その後、ステージの扉が閉まるものの、演奏およびキャラクタ表示が中断されない演出を3回繰り返し、歌(B)を演奏し終わった後に停止図柄が長当たり態様となるように表示する。
このように、テーブル6が選択された場合の変動パターンの内容は、テーブル5が選択された場合の変動パターンの内容と異なる。即ち、テーブル5で選択される可能性がある歌リーチB扉1枚目復活長当たり、歌リーチB扉2枚目復活長当たり、歌リーチB扉3枚目復活長当たり、歌リーチC完走当たり、歌リーチC扉1枚目復活長当たり、歌リーチC扉2枚目復活長当たり、歌リーチC扉3枚目復活長当たり、歌リーチD完走当たり、歌リーチD扉1枚目復活長当たり、歌リーチD扉2枚目復活長当たり、および、歌リーチD扉3枚目復活長当たりは、いずれもテーブル6で選択されることはないので、これらの変動パターンが演出画像表示装置115において表示された場合には、確変時短付長当たりが確定する。
次に、図46および図47に基づいて第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図46の第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU511は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15501)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15501におけるYES)、時短機能が未作動である場合における長当たり図柄の種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15502)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル7を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル8を選択する(図47参照)。
ステップS15501において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15501におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15503)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15503におけるYES)、時短機能作動時であって且つ低確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15504)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル9を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル10を選択する。
ステップS15503において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS15503におけるNO)、時短機能作動時であって且つ高確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15505)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル11を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル12を選択する。
ステップS15502、ステップS15504、ステップS15505においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル7が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号75のノーマル長当たり、変動番号78の歌リーチAノーマル長当たり、変動番号80の歌リーチAロング長当たり、変動番号82の歌リーチB(歌リーチA経由)長当たり、変動番号84の歌リーチC(歌リーチA経由)長当たり、および、変動番号86の歌リーチD(歌リーチA経由)長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の900、64000分の3800、64000分の6000、64000分の12000、64000分の20000、および、64000分の21300の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとしてノーマル長当たりを64000分の900の確率で選択したとき、ノーマル長当たりの変動パターンに対応するコマンド51Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として15400msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル8が選択されると、テーブル7と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。ただし、変動番号82が選択される確率は、テーブル7では64000分の12000であるのに対し、テーブル8では64000分の15000である。また、変動番号86が選択される確率は、テーブル7では64000分の21300であるのに対し、テーブル8では64000分の18300である。そして、テーブル7が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル9が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号51の歌リーチB完走当たり(共通)、変動番号52の歌リーチB扉1枚目復活長当たり、変動番号53の歌リーチB扉2枚目復活長当たり、変動番号54の歌リーチB扉3枚目復活長当たり、変動番号60の歌リーチC完走当たり(確変)、変動番号61の歌リーチC扉1枚目復活長当たり、変動番号62の歌リーチC扉2枚目復活長当たり、変動番号63の歌リーチC扉3枚目復活長当たり、変動番号69の歌リーチD完走当たり(確変)、変動番号70の歌リーチD扉1枚目復活長当たり、変動番号71の歌リーチD扉2枚目復活長当たり、および、変動番号72の歌リーチD扉3枚目復活長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の26500、64000分の500、64000分の500、64000分の1000、64000分の15000、64000分の250、64000分の500、64000分の2000、64000分の15000、64000分の250、64000分の500、および、64000分の2000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチB完走長当たりを64000分の26500の確率で選択し、選択した歌リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル11が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号26の歌リーチB前半長当たり、変動番号28の歌リーチB後半長当たり、変動番号33の歌リーチC前半長当たり、変動番号35の歌リーチC後半長当たり、変動番号40の歌リーチD前半長当たり、および、変動番号42の歌リーチD後半長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の13750、64000分の13750、64000分の10000、64000分の10000、64000分の8250、および、64000分の8250の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB長当たりを64000分の13750の確率で選択したとき、歌リーチB長当たりの変動パターンに対応するコマンド1AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として41100msをタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル10が選択されると、変動パターン乱数を取得することなく、常に変動番号51の歌リーチB完走長当たりの変動パターンを選択する。そして、歌リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。
このように、テーブル10が選択された場合の変動パターンの内容は、テーブル9が選択された場合の変動パターンの内容と異なる。即ち、テーブル9で選択される可能性がある歌リーチB扉1枚目復活長当たり、歌リーチB扉2枚目復活長当たり、歌リーチB扉3枚目復活長当たり、歌リーチC完走当たり、歌リーチC扉1枚目復活長当たり、歌リーチC扉2枚目復活長当たり、歌リーチC扉3枚目復活長当たり、歌リーチD完走当たり、歌リーチD扉1枚目復活長当たり、歌リーチD扉2枚目復活長当たり、および、歌リーチD扉3枚目復活長当たりは、いずれもテーブル10で選択されることはないので、これらの変動パターンが演出画像表示装置115において表示された場合には、確変時短付長当たりが確定する。
次に、図48および図50に基づいて短当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図48の短当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU511は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15601)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15601におけるYES)、時短機能が未作動である場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15602)。即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されていない場合には、確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されているか否かに拘わらず、テーブル13を選択する(図50参照)。
ステップS15601において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15601におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されていない状態であるか否かを判断する(ステップS15603)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15603におけるYES)、時短機能作動時且つ確率変動機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15604)。即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されていない場合には、テーブル14を選択する(図50参照)。
ステップS15601において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15603におけるNO)、時短機能作動且つ確率変動機能作動時における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15605)。即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されている場合には、テーブル15を選択する(図50参照)。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル13が選択されると、変動番号43のチャンス目の変動パターンを100%の確率で(即ち常に)選択する。そして、コマンド2BHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24600msをタイマにセットする。チャンス目(短当たり)では、演出画像表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴わずに長当たりとは異なる短当たりの態様で装飾図柄を停止表示する。このように、時短機能未作動および確変機能未作動の通常遊技状態時においては、チャンス目の1種類の短当たり表示態様のみが表示態様記憶手段770に記憶されている。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル14が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号23の歌リーチBイントロ外れ、変動番号30の歌リーチCイントロ外れ、および、変動番号37の歌リーチDイントロ外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の24000、64000分の20000、および、64000分の20000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチBイントロ外れを64000分の24000の確率で選択したとき、歌リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド17Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この歌リーチBイントロ外れを選択すると、演出画像表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴って歌(B)のイントロを演奏するものの、歌い始める前に、装飾図柄を、長当たりとは異なる短当たりの態様で停止表示する。また、歌リーチCイントロ外れおよび歌リーチDイントロ外れの変動パターンも同様に64000分の20000の確率で選択し、選択した変動パターンのコマンド1EHおよび25Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24100msをタイマにセットする。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル15が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号47の歌リーチB扉1枚目短当たり、変動番号48の歌リーチB扉3枚目短当たり、変動番号56の歌リーチC扉1枚目短当たり、変動番号57の歌リーチC扉3枚目短当たり、変動番号65の歌リーチD扉1枚目短当たり、および、変動番号66の歌リーチD扉3枚目短当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の14000、64000分の4000、64000分の19000、64000分の4000、64000分の19000、および、64000分の4000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチB扉1枚目短当たりを64000分の14000の確率で選択したとき、歌リーチB扉1枚目短当たりの変動パターンに対応するコマンド2FHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この歌リーチB扉1枚目短当たりを選択すると、演出画像表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、歌(B)を演奏するとともにキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチを表示し、その後ステージの扉が閉まり、装飾図柄を長当たりとは異なる短当たりの態様で停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、対応する変動時間値をタイマにセットする。
次に、図49および図50に基づいて小当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図49の小当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU511は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15801)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15801におけるYES)、時短機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15802)。即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されていない場合には、確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されているか否かに拘わらず、テーブル16を選択する(図50参照)。
ステップS15801において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15801におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されていない状態か否かを判断する(ステップS15803)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15803におけるYES)、時短機能作動時且つ確率変動機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15804)。即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されていない場合には、テーブル17を選択する(図50参照)。
ステップS15801において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15803におけるNO)、時短機能作動且つ確率変動機能作動時における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15805)。即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されている場合には、テーブル18を選択する(図50参照)。
小当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル16が選択されると、変動番号44のチャンス目の変動パターンを100%の確率で(即ち常に)選択する。そして、コマンド2CHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24600msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号44のチャンス目の変動パターンは、変動番号43のチャンス目の変動パターンと同じ態様である。このように、時短機能未作動および確変機能未作動の通常遊技状態時においては、チャンス目の1種類の小当たり表示態様のみが表示態様記憶手段770に記憶されている。
小当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル17が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号24の歌リーチBイントロ外れ、変動番号31の歌リーチCイントロ外れ、および、変動番号38の歌リーチDイントロ外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチBイントロ外れを64000分の40000の確率で選択したとき、選択した歌リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド18Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号24の歌リーチBイントロ外れ、変動番号31の歌リーチCイントロ外れ、および、変動番号38の歌リーチDイントロ外れは、それぞれ、変動番号23の歌リーチBイントロ外れ、変動番号30の歌リーチCイントロ外れ、および、変動番号37の歌リーチDイントロ外れの変動パターンと同じ態様である。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル18が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号49の歌リーチB扉1枚目小当たり、変動番号50の歌リーチB扉2枚小当たり、変動番号58の歌リーチC扉1枚目小当たり、変動番号59の歌リーチC扉2枚目小当たり、変動番号67の歌リーチD扉1枚目小当たり、および、変動番号68の歌リーチD扉2枚目小当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の17000、64000分の14500、64000分の5000、64000分の11250、64000分の5000、および、64000分の11250の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチB扉1枚目小当たりを64000分の17000の確率で選択したとき、歌リーチB扉1枚目小当たりの変動パターンに対応するコマンド31Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号49の歌リーチB扉1枚目小当たり、変動番号50の歌リーチB扉2枚小当たり、変動番号58の歌リーチC扉1枚目小当たり、変動番号59の歌リーチC扉2枚目小当たり、変動番号67の歌リーチD扉1枚目小当たり、および、変動番号68の歌リーチD扉2枚目小当たりの変動パターンは、それぞれ、変動番号47の歌リーチB扉1枚目短当たり、変動番号48の歌リーチB扉3枚目短当たり、変動番号56の歌リーチC扉1枚目短当たり、変動番号57の歌リーチC扉3枚目短当たり、変動番号65の歌リーチD扉1枚目短当たり、および、変動番号66の歌リーチD扉3枚目短当たりの変動パターンと同じ態様である。
次に、図51、図52、図53および図57に基づいて第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図51および図52の第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、CPU511は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS16001)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS16001におけるYES)、次に、変動開始直後の第1特別図柄の保留数(即ち第1特別図柄保留カウンタ703(図25参照)によるカウンタ値)が0であるか否かを判断する(ステップS16002)。第1特別図柄の保留数がゼロであると判断すると(ステップS16002におけるYES)、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16003)。具体的には、0から240までのリーチ乱数のなかからリーチ乱数を一つ取得し、当該取得したリーチ乱数が予め定められたリーチ判定値(本実施形態においては0から25まで)に該当するか否かを判定する所謂リーチ抽選を行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16003におけるYES)、テーブル19(図53参照)を選択する(ステップS16004)。
なお、「第1特別図柄の保留数」とは、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数を意味する。即ち、本実施形態では、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって当否判定用乱数を取得するものの第1特別図柄当否判定手段704による当否判定を保留しているため、この第1特別図柄当否判定手段704による当否判定の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。なお、これに代えて、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702による当否判定用乱数の取得を保留しても良い。この場合、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702による当否判定用乱数の取得の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。さらに、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって当否判定用乱数を取得すると共に第1特別図柄当否判定手段704によって取得した当否判定用乱数の当否判定を行うものの、当該判定結果を第1特別図柄表示器84に表示することを保留しても良い。この場合、第1特別図柄当否判定手段704による判定結果の第1特別図柄表示器84への表示の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。
ステップS16003においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16003におけるNO)、テーブル25(図57参照)を選択する(ステップS16005)。
また、ステップS16002において第1特別図柄の保留数がゼロでないと判断すると(ステップS16002におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が1であるか否かを判断する(ステップS16006)。ここで、第1特別図柄の保留数が1であると判断すると(ステップS16006におけるYES)、第1特別図柄の保留数が1の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16007)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16007におけるYES)、テーブル19(図53参照)を選択する(ステップS16008)。ただし、第1特別図柄の保留数が1の場合におけるリーチ判定値は0から23までなので、第1特別図柄の保留数が0の場合(リーチ判定値は0から25)に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。
ステップS16007においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16007におけるNO)、テーブル25(図57参照)を選択する(ステップS16009)。
また、ステップS16006において第1特別図柄の保留数が1でないと判断すると(ステップS16006におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2であるか否かを判断する(ステップS16010)。ここで、第1特別図柄の保留数が2であると判断すると(ステップS16010におけるYES)、第1特別図柄の保留数が0および1の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16011)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16011におけるYES)、テーブル19(図53参照)を選択する(ステップS16012)。ただし、第1特別図柄の保留数が2の場合におけるリーチ判定値は0から21までなので、第1特別図柄の保留数が0および1の場合に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。
ステップS16011においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16011におけるNO)、テーブル26(図57参照)を選択する(ステップS16013)。
また、ステップS16010において第1特別図柄の保留数が2でないと判断すると(ステップS16014におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が3であると判断し、第1特別図柄の保留数が0、1および2の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16014)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16014におけるYES)、テーブル19(図53参照)を選択する(ステップS16015)。ただし、第1特別図柄の保留数が3の場合におけるリーチ判定値は0から15までなので、第1特別図柄の保留数が0、1および2の場合に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。
ステップS16014においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16014におけるNO)、テーブル27(図57参照)を選択する(ステップS16013)。
このように、時短機能が未作動である場合、第1特別図柄の保留数とリーチ抽選における当選確率との間には、第1特別図柄の保留数が少ないほどリーチ抽選に当選しやすく、第1特別図柄の保留数が多いほどリーチ抽選に当選し難いといった相関関係がある。これにより、第1特別図柄の保留数が例えば3であるときにリーチ変動が実行されると、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選している期待感が高まるので、興趣の低下を抑制できる。
ステップS16001において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS16001におけるNO)、図52に示す処理が行われる。具体的には、先ず、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段734による確変遊技が実行されていない状態か否かを判断する(ステップS16017)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS16017におけるYES)、リーチ変動を実施する否かを判断する(ステップS16018)。このリーチ変動を実行するか否かの判断は、時短機能が未作動の場合におけるリーチ変動を実行するか否かの判断(ステップS16003、ステップS16007、ステップS16011、ステップS16014)と同様にリーチ抽選の結果により行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16018におけるYES)、テーブル20(図53参照)を選択する(ステップS16019)。
ステップS16018においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16018におけるNO)、テーブル28(図57参照)を選択する(ステップS16020)。
また、ステップS16017において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS16017におけるNO)、時短機能が未作動の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16021)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16021におけるYES)、テーブル21(図53参照)を選択する(ステップS16022)。ただし、時短機能作動時且つ確変機構未作動、即ち、確変遊技状態でない時短遊技状態の場合にはリーチ判定値が0および1のみでなので、時短機能が未作動の場合と比べると、リーチ変動が実行される確率が極めて低い。これにより、時短機能作動時且つ確変機構未作動である場合にリーチ変動が実行されると、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選している期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
ステップS16021においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16021におけるNO)、テーブル29(図57参照)を選択する(ステップS16023)。
ステップS16004、ステップS16005、ステップS16008、ステップS16009、ステップS16012、ステップS16013、ステップS16015、ステップS16016、ステップS16019、ステップS16020、ステップS16022およびステップS16023においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル19(図53参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号8のノーマル外れ(1図柄前)、変動番号9のノーマル外れ(1図柄後)、変動番号11の歌リーチA外れ(アンコール前)、変動番号12の歌リーチA外れ(アンコール後)、変動番号14の歌リーチAロング外れ、変動番号16の歌リーチB(歌リーチA経由)外れ、変動番号18の歌リーチC(歌リーチA経由)外れ、変動番号20の歌リーチD(歌リーチA経由)外れ、変動番号22の歌リーチBイントロ外れ、変動番号25の歌リーチB前半外れ、変動番号27の歌リーチB後半外れ、変動番号29の歌リーチCイントロ外れ、変動番号32の歌リーチC前半外れ、変動番号34の歌リーチC後半外れ、変動番号36の歌リーチDイントロ外れ、変動番号39の歌リーチD前半外れ、および、変動番号41の歌リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の19000、64000分の14000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の300、64000分の300、64000分の300、64000分の7000、64000分の2100、64000分の2100、64000分の3000、64000分の225、64000分の225、64000分の3000、64000分の225、および、64000分の225の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動番号8のノーマル外れ(1図柄前)を64000分の19000の確率で選択したとき、ノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンに対応するコマンド08Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として15600msをタイマにセットする。このノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンを選択すると、演出画像表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれでもない態様であって、リーチ図柄の1つ前の図柄(例えば図柄7でリーチとなっている場合は図柄6)で装飾図柄を停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル20(図53参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号22の歌リーチBイントロ外れ、変動番号25の歌リーチB前半外れ、変動番号27の歌リーチB後半外れ、変動番号29の歌リーチCイントロ外れ、変動番号32の歌リーチC前半外れ、変動番号34の歌リーチC後半外れ、変動番号36の歌リーチDイントロ外れ、変動番号39の歌リーチD前半外れ、および、変動番号41の歌リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ64000分の100、64000分の25000、64000分の25000、64000分の50、64000分の3450、64000分の3450、64000分の50、64000分の3450、および、64000分の3450の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチBイントロ外れを64000分の100の確率で選択したとき、歌リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド16Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この歌リーチBイントロ外れを選択すると、演出画像表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ演出を伴って歌(B)のイントロを演奏するものの、歌い始める前に、装飾図柄を、大当たりおよび小当たりのいずれとも異なる所謂リーチ外れの態様で停止表示する。また、他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンのコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターン対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル21(図53参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号46の歌リーチB扉1枚目外れ、変動番号55の歌リーチC扉1枚目外れ、および、変動番号64の歌リーチD扉1枚目外れのいずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB扉1枚目外れを64000分の40000の確率で選択したとき、歌リーチB扉1枚目外れの変動パターンに対応するコマンド2EHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この歌リーチB扉1枚目外れを選択すると、演出画像表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、歌(B)を演奏するとともにキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチを表示し、その後ステージの扉が閉まり、装飾図柄を長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれ異なる所謂リーチ外れの態様で停止表示する。また、歌リーチC扉1枚目外れおよび歌リーチD扉1枚目外れの変動パターンも同様に64000分の12000の確率で選択し、選択した変動パターンのコマンド37Hおよび40Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として18600msをタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、テーブル25(図57参照)が選択されると常に変動番号1の通常変動の変動パターンを選択し、テーブル26(図57参照)が選択されると常に変動番号2の短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル27(図57参照)が選択されると常に変動番号3の短縮変動2の変動パターンを選択し、テーブル28(図57参照)が選択されると常に変動番号7の時短短縮変動2の変動パターンを選択し、テーブル29(図57参照)が選択されると常に変動番号5の時短短縮変動1の変動パターンを選択する。
即ち、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、時短機能が未作動であれば、第1特別図柄の保留数(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウンタ値)に応じて変動パターンを選択することとなる。従って、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が0または1である場合は、変動番号1の通常変動を選択し、コマンド01Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として11800msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2である場合は、変動番号2の短縮変動1の変動パターンを選択し、コマンド02Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として6000msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が3である場合は、変動番号3の短縮変動2の変動パターンを選択し、コマンド03Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2900msをタイマにセットする。なお、通常変動、短縮変動1および短縮変動2では、演出画像表示装置115に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ演出を伴わずに、長当たり、短当たりおよび小当たりと異なる態様で装飾図柄を停止表示する。
また、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、時短作動時であれば、第1特別図柄の保留数に拘わらず、確率変動機能が作動しているか否か、即ち、確変遊技実行手段734により確変遊技が実行されているか否かに応じて変動パターンを選択することとなる。従って、確率変動機能が未作動である場合は、変動番号7の時短短縮変動2を選択し、コマンド07Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2300msをタイマにセットする。確率変動機能作動時である場合は、変動番号5の時短短縮変動1を選択し、コマンド05Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2200msをタイマにセットする。
次に、図54、図55、図56および図57に基づいて第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図54および図55の第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、CPU511は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS16101)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS16101におけるYES)、テーブル22を選択する(ステップS16102)。なお、詳細は後述するが、テーブル22には、リーチ演出を伴わない外れ変動パターンは設定されていないため、テーブル22が選択された場合には常にリーチ演出を行うこととなる。
ステップS16101において時短機能が未作動でない、即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されていると判断すると(ステップS16101におけるNO)、図55に示す処理が行われる。具体的には、先ず、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段734によって確変遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS16103)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS16103におけるYES)、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16104)。具体的には、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理におけるリーチ抽選と同様に、ゼロから240までのリーチ乱数を取得し、当該取得したリーチ乱数が予め定められたリーチ判定値(本実施形態においては0および1)に該当するか否かを判定するリーチ抽選を行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16104におけるYES)、テーブル23(図56参照)を選択する(ステップS16105)。
ステップS16104においてリーチ変動を行わないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなかったとき(ステップS16104におけるNO)、変動開始直後の第2特別図柄の保留数(即ち第2特別図柄保留カウンタ713(図25参照)によるカウンタ値)が0であるか否かを判断する(ステップS16106)。変動開始直後の第2特別図柄の保留数が0であると判断すると(ステップS16106におけるYES)、テーブル30を選択し(ステップS16107)、第2特別図柄の保留数が0でないと判断すると(ステップS16106におけるNO)、テーブル31を選択する(ステップS16108)。
なお、「第2特別図柄の保留数」とは、本実施形態では、第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数を意味する。即ち、本実施形態では、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって当否判定用乱数を取得するものの第2特別図柄当否判定手段714による当否判定を保留しているため、この第2特別図柄当否判定手段714による当否判定の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。なお、これに代えて、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712による当否判定用乱数の取得を保留しても良い。この場合、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712による当否判定用乱数の取得の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。さらに、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって当否判定用乱数を取得すると共に第2特別図柄当否判定手段714によって取得した当否判定用乱数の当否判定を行うものの、当該判定結果を第2特別図柄表示器86に表示することを保留しても良い。この場合、第2特別図柄当否判定手段714による判定結果の第2特別図柄表示器86への表示の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。
また、ステップS16103において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS16103におけるNO)、確率変動機能が未作動の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16109)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16109におけるYES)、テーブル24(図56参照)を選択する。ただし、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理の時短機能作動且つ確率変動機能作動時の場合におけるリーチ判定値は0のみである。
ステップS16109においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16109におけるNO)、変動開始直後の第2特別図柄の保留数(即ち第2特別図柄保留カウンタ713(図25参照)によるカウンタ値)が0であるか否かを判断する(ステップS16111)。変動開始直後の第2特別図柄の保留数がゼロであると判断すると(ステップS16111におけるYES)、テーブル32を選択し(ステップS16112)、第2特別図柄の保留数がゼロでないと判断すると(ステップS16111におけるNO)、テーブル33を選択する(ステップS16113)。
ステップS16102、ステップS16105、ステップS16107、ステップS16108、ステップS16110、ステップS16112およびステップS16113においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
なお、時短機能が未作動のとき、即ち、時短遊技実行手段736によって時短遊技が実行されていない場合には、図51と図54とを対比すると分かるように、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、リーチ抽選を行い(ステップS16003)、このリーチ抽選に当選したことに応じてリーチ演出のみが変動パターンとして設定されたテーブル19が選択される(ステップS16004)のに対し、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、リーチ抽選を行うことなく、リーチ演出のみが変動パターンとして設定されたテーブル22を選択している(ステップS16102)。これにより、時短機能が未作動のときに第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときは、常にリーチ変動が実行されることになる。これにより、時短機能が未作動のときには、第2始動口392および第3始動口394が第1始動口390よりもプレミア的な存在となり、興趣の低下を抑制できる。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル22(図56参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、
変動番号73のノーマル外れ(1図柄前)、変動番号74のノーマル外れ(1図柄後)、変動番号76の歌リーチA外れ(アンコール前)、変動番号77の歌リーチA外れ(アンコール後)、変動番号79の歌リーチAロング外れ、変動番号81の歌リーチB(歌リーチA経由)外れ、変動番号83の歌リーチC(歌リーチA経由)外れ、変動番号85の歌リーチD(歌リーチA経由)外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の27500、64000分の27500、64000分の2000、64000分の2000、64000分の4400、64000分の400、64000分の100、および、64000分の100の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、ノーマル外れ(1図柄前)を64000分の27500の確率で選択したとき、ノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンに対応するコマンド49Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として9500msをタイマにセットする。このノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンを選択すると、演出画像表示装置115に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれでもない態様であって、リーチ図柄の1つ前の図柄(例えば図柄7でリーチとなっている場合は図柄6)で装飾図柄を停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル23(図56参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号22の歌リーチBイントロ外れ、変動番号25の歌リーチB前半外れ、変動番号27の歌リーチB後半外れ、変動番号29の歌リーチCイントロ外れ、変動番号32の歌リーチC前半外れ、変動番号34の歌リーチC後半外れ、変動番号36の歌リーチDイントロ外れ、変動番号39の歌リーチD前半外れ、および、変動番号41の歌リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ64000分の100、64000分の25000、64000分の25000、64000分の50、64000分の3450、64000分の3450、64000分の50、64000分の3450、および、64000分の3450の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、歌リーチBイントロ外れを64000分の100の確率で選択したとき、歌リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド16Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この歌リーチBイントロ外れの変動パターンを選択すると、演出画像表示装置115に表示される装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴って歌(B)のイントロを演奏するものの、歌い始める前に、装飾図柄を、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれとも異なる態様で停止表示する。また、他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル24(図56参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号46の歌リーチB扉1枚目外れ、変動番号55の歌リーチC扉1枚目外れ、および、変動番号64の歌リーチD扉1枚目外れのいずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして歌リーチB扉1枚目外れを64000分の40000の確率で選択したとき、選択した歌リーチB扉1枚目外れの変動パターンに対応するコマンド2EHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この歌リーチB扉1枚目外れを選択すると、演出画像表示装置115に表示される装飾図柄を変動表示した後、歌(B)を演奏するとともにキャラクタがステージ上で歌っている態様のスーパーリーチを表示し、その後、ステージの扉が閉まり、装飾図柄を、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれとも異なる態様で停止表示する。また、歌リーチC扉1枚目外れおよび歌リーチD扉1枚目外れの変動パターンも同様に64000分の12000の確率で選択し、変動パターンに対応するコマンド37Hおよび40Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として18600msをタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、テーブル30(図57参照)が選択されると常に変動番号6の時短通常変動2の変動パターンを選択し、テーブル31(図57参照)が選択されると常に変動番号7の時短短縮変動2の変動パターンを選択し、テーブル32(図57参照)が選択されると常に変動番号4の時短通常変動1の変動パターンを選択し、テーブル33(図57参照)が選択されると常に変動番号5の時短短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル33(図57参照)が選択されると常に変動番号6の時短通常変動2の変動パターンを選択する。
即ち、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、時短作動時であれば、第2特別図柄の保留数(即ち、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値)に応じて変動パターンを選択することとなる。従って、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が0である場合であって且つ確率変動機能が未作動であれば変動番号6の時短通常変動2を選択し、コマンド06Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として5200msをタイマにセットする。
また、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が0である場合であって且つ確率変動機能作動時であれば変動番号4の時短通常変動1を選択し、コマンド04Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として4800msをタイマにセットする。一方、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が1、2または3であって且つ確率変動機能が未作動であれば変動番号7の時短短縮変動2を選択し、コマンド07Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2300msをタイマにセットする。また、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が1、2または3であって且つ確率変動機能作動時であれば変動番号5の時短短縮変動1を選択し、コマンド05Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2200msをタイマにセットする。
このように、確率変動機能が未作動のときには、変動番号6が選択されたときは変動番号7が選択されたときよりも変動時間が長くなり、また、確率変動機能作動時には、変動番号4が選択されたときは変動番号5が選択されたときよりも変動時間が長くなる。従って、確率変動機能が作動しているか否かに拘わらず、時短機能が作動していれば、変動時間は、第2特別図柄の保留数が1、2または3のときよりも0のときに長くなる。これにより、時短機能が作動していれば、変動時間は、第2特別図柄の保留数が1、2または3のときよりも0のときに長くなるので、装飾図柄の変動が行われないことによる興趣の低下を抑制できる。即ち、時短作動時には、一対の可動片396の開閉動作が行われるので、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390よりも第3始動口394に入賞し易くなる。時短機能作動時には、第1特別図柄の保留数よりも第2特別図柄の保留数が多くなるのが一般的であるから、第2特別図柄の保留数が0であれば第1特別図柄の保留数も0である可能性が高い。よって、第2特別図柄の保留数が0のときに変動時間を長くすることによって、興趣の低下を抑制できる。なお、変動番号4、5、6および7では、いずれも、演出画像表示装置115に表示される装飾図柄の変動を開始した後、リーチ演出を伴わず、且つ、装飾図柄を、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれとも異なる態様で停止表示する。
このように、図43〜図57を参照して説明した変動パターン設定処理についてまとめると、第1表示態様決定手段772および第2表示態様決定手段778がそれぞれ行う処理は以下の通りである。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが長当たりであるとき、第1表示態様決定手段772は、第1特別図柄画像表示制御手段614によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、長当たりに当選したときの遊技状態と長当たりの種別(確変時短付長当たりまたは通常長当たり)とに基づいて決定されたテーブル(テーブル1〜6のうちいずれかのテーブル)に記憶された長当たり表示態様のなかから所定の長当たり表示態様に選択決定する(ステップS1540)。なお、テーブル1〜6には、いずれも複数の長当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが短当たりであるとき、第1表示態様決定手段772は、第1特別図柄画像表示制御手段614によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、短当たりに当選したときの遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル13〜15のうちいずれかのテーブル)に記憶された短当たり表示態様のなかから所定の短当たり表示態様に選択決定する(ステップS1560)。なお、テーブル13〜15には、いずれも複数の短当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりに当選したとき、第1表示態様決定手段772は、第1特別図柄画像表示制御手段614によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、小当たりに当選したときの遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル16〜18のうちいずれかのテーブル)に記憶された小当たり表示態様のなかから所定の小当たり表示態様に選択決定する(ステップS1580)。なお、テーブル16〜18には、いずれも複数の小当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したときは、第1特別図柄画像表示制御手段614によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、当該抽選が行われたとき(即ち抽選結果が外れとなったとき)の遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル19およびテーブル25〜27のうちいずれかのテーブル)に記憶された外れ表示態様またはリーチ外れ表示態様のなかから所定の外れ表示態様またはリーチ外れ表示態様に決定する(ステップS1600)。具体的には、第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したとき、リーチ演出を行うか否かの抽選(ステップS16003、ステップS16007、ステップS16011、ステップS16014)を行い、このリーチ抽選に外れたときは、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値に基づいてテーブル25〜27のうちいずれかのテーブルが選択され(ステップS16005、ステップS16009、ステップS16013、ステップS16016)、リーチ抽選に当選したときはテーブル19が選択される(ステップS16004、ステップS16008、ステップS16012、ステップS16015)。即ち、リーチ抽選に落選したときは、保留数に基づいてテーブル25〜27のいずれかが選択され、当該選択されたテーブルに記憶された外れ表示態様が表示される。そして、リーチ抽選に当選したときは、テーブル19に記憶された複数のリーチ外れ表示態様のなかから所定のリーチ外れ表示態様に選択決定される。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが長当たりであるとき、第2表示態様決定手段778は、第2特別図柄画像表示制御手段615によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、長当たりに当選したときの遊技状態と長当たりの種別(確変時短付長当たりまたは通常長当たり)とに基づいて決定されたテーブル(テーブル7〜12のうちいずれかのテーブル)に記憶された長当たり特別表示態様のなかから所定の長当たり特別表示態様に選択決定する(ステップS1550)。なお、テーブル7〜12には、いずれも複数の長当たり特別表示態様が記憶されている。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したときは、第2特別図柄画像表示制御手段615によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、当該抽選が行われたとき(即ち抽選結果が外れとなったとき)の遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル22〜24およびテーブル30〜33のうちいずれかのテーブル)に記憶されたリーチ外れ特別表示態様または外れ特別表示態様のなかから所定のリーチ外れ特別表示態様または外れ特別表示態様に決定する(ステップS1600)。具体的には、抽選結果が外れである抽選が行われたときに時短機能が未作動であればテーブル22が選択され、このテーブル22に記憶された複数のリーチ外れ特別表示態様のなかから所定のリーチ外れ特別表示態様に決定される。一方、抽選結果が外れである抽選が行われたときに時短機能が作動していれば、リーチ抽選を行い、このリーチ抽選に当選すれば遊技状態に基づいてテーブル23またはテーブル24が選択される(ステップS16105、ステップS16110)。また、リーチ抽選に落選すれば遊技状態および第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値に基づいてテーブル30〜33のいずれかに決定される(ステップS16107、16108、ステップS16112、ステップS16113)。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが短当たりであるときは、第2特別図柄画像表示制御手段615によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が短当たりとのきに第1特別図柄画像表示制御手段614によって共通図柄表示領域115cに表示される表示態様と同様に、短当たりに当選したときの遊技状態に基づいてテーブル13〜15のうちいずれかのテーブルに決定され、この決定されたテーブルのなかから所定の短当たり表示態様に選択決定する(ステップS1560)。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりに当選したときは、第2特別図柄画像表示制御手段615によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が小当たりとのきに第1特別図柄画像表示制御手段614によって共通図柄表示領域115cに表示される表示態様と同様に、小当たりに当選したときの遊技状態に基づいてテーブル16〜18のうちいずれかのテーブルに決定され、この決定されたテーブルのなかから所定の小当たり表示態様に選択決定する(ステップS1580)。
なお、短当たり表示態様および小当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選に基づく場合と第2特別図柄抽選手段710による抽選に基づく場合とで全く同一の表示態様であることに限られず、例えば変動時間が僅かに異なるにすぎない等、互いに極似する表示態様であっても良い。
なお、本実施例において変動開始直後とは、変動開始処理(ステップS130)において第1特別図柄カウンタまたは第2特別図柄カウンタを減算処理した直後を意味する。
[変動中処理]
次に、図58に基づいて、変動中処理について説明する。図58は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。変動中処理では、先ず、特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1801)。即ち、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のいずれかが変動中であるか否かを判断する。特別図柄が変動中でないと判断すると(ステップS1801におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。
ステップS1801において特別図柄が変動中であると判断すると(ステップS1801におけるYES)、ステップS1802に進み、変動時間が終了しているか否かを判断する。即ち、変動パターン設定処理においてタイマにセットした変動時間が経過したか否かを判断する。変動時間が経過していないと判断すると(ステップS1802におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。変動時間が経過したと判断すると(ステップS1802におけるYES)、特別図柄の変動を停止する(ステップS1803)。即ち、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のうち変動中の表示器において、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710(いずれも図25参照)の抽選結果を導出表示するとともに、周辺制御基板610に変動停止コマンドを出力する。
特別図柄の変動を停止すると(ステップS1803)、大当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1804)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、大当たり遊技を開始するか否を判断する。大当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1804におけるYES)、処理フラグを「3」に更新し(ステップS1805)、変動中処理を終了する。大当たりフラグがONでないと判断すると(ステップS1804におけるNO)、次に小当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1806)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、小当たり遊技を開始するか否かを判断する。小当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1806におけるYES)、処理フラグを「4」に更新し(ステップS1807)、変動中処理を終了する。小当たりフラグONでないと判断すると(ステップS1806におけるNO)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS1808)、変動中処理を終了する。
[大当たり遊技開始処理]
次に、図59に基づいて、大当たり遊技開始処理の一例について説明する。この大当たり遊技開始処理では、先ず、確率変動機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS2001)。具体的には、確変遊技実行手段734が第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714を制御しているか否か、即ち、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714(いずれも図25参照)による当否判定が、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて判定するか否かを判断する。ここで、確率変動機能が作動中であると判断すると(ステップS2001におけるYES)、確率変動機能の作動を停止して(ステップS2002)、ステップS2003に進む。一方、確率変動機能が作動中でないと判断すると(ステップS2001におけるNO)、そのままステップS2003に進む。
ステップS2003では、時短機能作動中であるか否かを判断する。具体的には、時短遊技実行手段736が普通図柄当否判定手段724(いずれも図25参照)を制御しているか否か、即ち、普通図柄当否判定手段724による当否判定が、普通図柄時短時当たり判定用テーブルに基づいて判定するか否かを判断する。ここで、時短機能作動中であると判断すると(ステップS2003におけるYES)、時短機能の作動を停止して(ステップS2004)、ステップS2005に進む。一方、時短機能作動中でないと判断すると(ステップS2003におけるNO)、そのまま、ステップS2005に進む。
ステップS2005では、長当たりであるか否かを判断する。具体的には、長当たりフラグがONか否か確認して、ONであれば長当たりであると判断する。長当たりであると判断すると(ステップS2005におけるYES)、長当たり用のラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数をセットするとともに、開放する開閉装置をセットする。具体的には、ラウンド回数が例えば15ラウンド、1ラウンド当たりの開放時間が例えば30秒、制限個数が例えば9個とセットすると共に、開放する開閉装置を例えば1ラウンド目および2ラウンド目は演出用開閉装置398をセットし、3ラウンド目から14ラウンド目は大当たり遊技用開閉装置400をセットし、15ラウンド目は演出用開閉装置398(いずれも図10参照)をセットする。長当たりでないと判断すると短当たり用ラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数をセットするとともに、開放する開閉装置をセットする。具体的には、ラウンド回数が例えば2ラウンド、1ラウンド当たりの開放時間が例えば0.3秒、制限個数が例えば3個とセットすると共に、開放する開閉装置を例えば演出用開閉装置398にセットする。
ステップS2006およびステップS2007のいずれかでラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数および開放する開閉装置をセットすると、その後、処理フラグを「5」に更新して(ステップS2008)、大当たり遊技開始処理を終了する。
[小当たり遊技開始処理]
次に、図60に基づいて、小当たり遊技開始処理の一例について説明する。この小当たり遊技開始処理では、先ず、小当たり用の開放回数、1回当たりの開放時間、制限個数をセットすると共に、開放する開放装置をセットする(ステップS2201)。具体的には、開放回数が例えば2回、1回当たりの開放時間が例えば0.3秒、制限個数が例えば3個とセットすると共に、開放する開放装置を演出用開閉装置398にセットする。その後、処理フラグを「6」に更新して小当たり遊技開始処理を終了する。
[特別電動役物大当たり制御処理]
次に、図61に基づいて、特別電動役物大当たり制御処理の一例について説明する。先ず、特別電動役物大当たり制御処理においては、開閉装置397が開放中であるか否かを判断する(ステップS2401)。具体的には、演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400が開放中であるか否かを判断する。開閉装置397が開放中であると判断すると(ステップS2401におけるYES)、次に、予め定められた開閉装置397(演出用開閉装置398または大当たり遊技用開閉装置400)の開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS2402)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされた開放時間に達したか否かを判断する。開閉装置397の開放時間が経過したと判断すると(ステップS2402におけるYES)、開閉装置397を閉鎖して(ステップS2404)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2402において開閉装置397の開放時間が経過していないと判断すると(ステップS2402におけるNO)、予め定められた制限個数の遊技球が開閉装置397に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2403)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされた制限個数の遊技球が、開放動作が実行されている開閉装置397(演出用開閉装置398の開閉動作が実行されているときは演出用開閉装置398、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が実行されているときは大当たり遊技用開閉装置400)に受け入れられたか否かを判断する。開放動作が実行されている開閉装置397に制限個数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2403におけるYES)、当該開閉装置397を閉鎖して(ステップS2404)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。また、開閉装置397に制限個数の遊技球が受け入れられていないと判断すると(ステップS2403におけるNO)、そのまま、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2401において開閉装置397が開放中でないと判断すると(ステップS2401におけるNO)、予め定められたラウンド回数に達したか否かを判断する(ステップS2405)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされたラウンド回数に達したか否かを判断する。予め定められたラウンド回数に達していないと判断されると(ステップS2405におけるNO)、演出用開閉装置398および大当たり遊技用開閉装置400のうち予め定められた開放装置を開放し(ステップS2406)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2405において予め定められたラウンド回数に達したと判断すると(ステップS2405におけるYES)、大当たりフラグをOFFにし(ステップS2407)、今回の大当たりが確率変動を伴うものであるか否かを判断する(ステップS2408)。具体的には、図柄乱数を用いて判定した結果が確率変動であると判定した場合には確率変動を伴うものであると判断する。確率変動を伴う大当たりであると判断すると(ステップS2408におけるYES)確率変動機能を作動し(ステップS2409)、次に、長当たりであるか否かを判断する。具体的には、長当たりフラグがONであれば長当たりであると判断する。長当たりであると判断すると(ステップS2410におけるYES)、長当たりフラグをOFFにして(ステップS2411)、その後、時短機能を作動し(ステップS2412)、ステップS2418に進む。
ステップS2401において長当たりでないと判断すると(ステップS2410におけるNO)、短当たりフラグをOFFして(ステップS2413)、その後、時短機能作動中の当選であるか否かを判断する(ステップS2414)。即ち、短当たりであるときには短当たりフラグをOFFにして、ステップS2414に進んで時短機能作動中であるか否かを判断する。時短機能作動中の当選であると判断すると(ステップS2414におけるYES)、時短機能の作動を開始し(ステップS2412)、ステップS2418に進む。
ステップS2408に戻って、確率変動を伴わない大当たりであると判断すると(ステップS2408におけるNO)、長当たりフラグをOFFにし(ステップS2415)、時短機能の作動を開始し(ステップS2416)、時短機能の作動規定回数(例えば100回)を設定して(ステップS2417)、ステップS2418に進む。
ステップS2418に進むと処理フラグを「0」に更新して、特別図柄電動役物大当たり制御処理を終了する。なお、特別電動役物は、演出用開閉装置398、大当たり遊技用開閉装置400、演出用開閉装置開閉ソレノイド578、大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド572を含む概念である。
[特別電動役物小当たり制御処理]
次に、図62に基づいて、特別電動役物小当たり制御処理の一例について説明する。この特別電動役物小当たり制御処理では、まず、予め定められた制限個数の遊技球が開閉装置397に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2501)。具体的には、小当たり遊技開始処理においてセットされた制限個数(例えば3個)の遊技球が開閉装置397に受け入れられたか否かを判断する。制限個数の遊技球が開閉装置397に受け入れられていないと判断すると(ステップS2501におけるNO)、開閉装置397が開放中であるか否かを判断する(ステップS2502)。開閉装置397が開放中でないと判断すると(ステップS2502におけるNO)、演出用開閉装置398および大当たり遊技用開閉装置400のうち予め定めた開閉装置(例えば演出用開閉装置398)を開放し(ステップS2503)、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
ステップS2502において開閉装置397が開放中であると判断すると(ステップS2502におけるYES)、予め定められた開閉装置(例えば演出用開閉装置398)の開放時間が経過したか否か判断する(ステップS2504)。具体的には小当たり遊技開始処理においてセットされた開放時間(例えば0.3秒)が経過したか否かを判断する。予め定められた開閉装置397の開放時間が経過していないと判断すると(ステップS2504におけるNO)、そのまま、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
ステップS2504において予め定められた開閉装置397の開放時間が経過したと判断すると(ステップS2504におけるYES)、開閉装置397を閉鎖し(ステップS2505)、予め定めた開放回数に達したか否かを判断する(ステップS2506)。具体的には開閉装置397を開放した回数が小当たり遊技開始処置においてセットされた開放回数(例えば2回)に達したか否かを判断する。このとき、予め定められた開放回数に達していないと判断すると(ステップS2506におけるNO)、そのまま、電動役物小当たり制御処理を終了する。一方、開閉装置397を開放した回数が予め定めた開放回数に達したと判断すると(ステップS2506におけるYES)、ステップS2509に進む。
ステップS2501に戻って、開閉装置397に制限個数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2501におけるYES)、開閉装置397が開放中であるか否かを判断する(ステップS2507)。開閉装置397が開放中であると判断すると(ステップS2507におけるYES)、開閉装置397を閉鎖して(ステップS2508)、ステップS2509に進む。ステップS2507に戻って、開閉装置397が開放中でないと判断すると(ステップS2507におけるNO)、そのままステップS2509に進む。
ステップS2509に進むと処理フラグを「0」に更新して、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
なお、本実施例において開閉装置の開放時間は例えば0.3秒が設定されている。ステップS2501において開閉装置に最大入賞数(例えば3個)入賞したか否か判断し、最大入賞数入賞している場合には予め定められた開放回数(例えば2回)に達していなくても小当たり遊技を終了する。しかし、小当たり遊技における開閉装置の開放時間は最大入賞数入賞することが極めて困難となるように設定されているので、ほとんどの場合には、最大入賞数入賞せずに予め定められた開放回数(例えば2回)開閉装置が開放することとなる。
[変動時間について]
次に、図63に基づいて、時短機能未作動時の外れの変動パターンにかかる変動時間の一例について説明する。図63は、時短機能未作動時のリーチ演出を伴わない外れの変動パターンにかかる変動時間を示すタイミングチャートである。図63(A)は、第1特別図柄の保留数が0または1の場合における第1特別図柄の変動時間(即ち、変動番号1の通常変動の場合の変動時間)を示している。この場合の変動時間は11800msである。図63(B)は、第1特別図柄の保留数が2の場合における第1特別図柄の変動時間(即ち、変動番号2の短縮変動1の場合の変動時間)を示している。この場合の変動時間は6000msである。図63(C)は、第1特別図柄の保留数が3の場合における第1特別図柄の変動時間(即ち、変動番号3の短縮変動2の場合の変動時間)を示している。この場合の変動時間は2900msである。以上より、時短機能未作動時のリーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄の変動時間は、第1特別図柄の保留数が少ないほど長くなる。時短機能未作動時、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390に入賞することよりも第2始動口392または第3始動口394に入賞することの方が困難なので、第1特別図柄の保留数が0になると、第2特別図柄の保留数も0である可能性が高い。第1特別図柄の保留および第2特別図柄の保留のいずれも0になってしまうと、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動も行われなくなってしまい、興趣が低下する。従って、時短機能未作動時のリーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄の変動時間を、第1特別図柄の保留数が少ないほど長くすることによって、興趣の低下を抑制できる。
図63(D)および(E)は、第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号73および変動番号74の場合の変動時間)を示している。時短機能未作動時であって且つ第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が外れの場合には、第2特別図柄の保留数に拘わらず、図63(D)および(E)のうちいずれかの変動時間となる。従って、第2特別図柄の保留数と第2特別図柄の変動時間との間に相関関係がなく、第2特別図柄の変動時間は、第2特別図柄の保留数に拘わらず決定される。また、第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が外れ(長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれでもない)の場合には、変動番号73または変動番号74が選択されるので、常にリーチ変動が実行される。また、時短機能未作動時には一対の可動片396が閉状態なので、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が第3始動口394に入賞することはほぼ不可能である。また、第2始動口392に遊技球が入賞することは第1始動口390に遊技球が入賞することよりも困難なので、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が第2始動口392に入賞したときに常にリーチ変動を行うことによって、第2始動口392への入賞にプレミア感を持たせることができ、興趣の低下を抑制できる。なお、図63(D)の場合の変動時間は9500msであり、図63(E)の場合の変動時間は11300msである。
次に、図64に基づいて、時短機能作動時のリーチ演出を伴わない外れの変動パターンにかかる変動時間について説明する。図64は、時短機能作動時のリーチ演出を伴わない外れの変動パターンにかかる変動時間を示すタイミングチャートである。図64(A)は、確変機能作動時における第1特別図柄の変動時間(即ち、変動番号5の時短短縮変動1)を示している。この場合の変動時間は2200msである。図64(B)は、確変機能未作動時における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号7の時短短縮変動2)を示している。この場合の変動時間は2300msである。従って、第1特別図柄の変動時間は、確変機能が未作動であるか作動しているかによって異なるものの、第1特別図柄の保留数と第1特別図柄の変動時間との間には相関関係がなく、第1特別図柄の保留数に拘わらず決定される。
図64(C)は、確変機能作動時であって且つ第2特別図柄の保留数が0の場合における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号4の時短通常変動1)を示している。この場合の変動時間は4800msである。図64(D)は、確変機能作動時であって且つ第2特別図柄の保留数が1以上の場合における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号5の時短短縮変動1)を示している。この場合の変動時間は2200msである。図64(E)は、確変機能が未作動であって且つ第2特別図柄の保留数が0の場合における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号6の時短通常変動2)を示している。この場合の変動時間は5200msである。図64(F)は、確変機能が未作動であって且つ第2特別図柄の保留数が1以上の場合における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号7の時短短縮変動2)を示している。この場合の変動時間は2300msである。以上より、時短機能作動時のリーチ演出を伴わない外れの場合、第2特別図柄の変動時間は、第2特別図柄の保留数が少ないほど長くなる。より具体的には、第2特別図柄の保留数が0のときは、第2特別図柄の保留数が1以上の場合よりも長くなる。時短機能作動時、一対の可動片396の開閉動作が実行されるので、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390に入賞することよりも極めて容易に第3始動口394に入賞可能となる。従って、第2特別図柄の保留数が0になると、第2特別図柄の保留数も0である可能性が高い。第1特別図柄の保留および第2特別図柄の保留のいずれも0になってしまうと、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動も行われなくなってしまい、興趣が低下する。従って、時短機能作動時のリーチ演出を伴わない外れの場合、第2特別図柄の保留数が0の場合における第2特別図柄の変動時間を、第2の特別図柄の保留数が1以上の場合における第2特別図柄の変動時間よりも長くすることによって、興趣の低下を抑制できる。
[演出画像表示装置に表示される装飾図柄の変動態様について]
次に、図65および図66に基づいて、演出画像表示装置115に表示される装飾図柄1153について説明する。なお、装飾図柄は複数の図柄列で構成されており、本実施形態では、遊技者から見て左側に表示される左図柄列1153a、遊技者から見て真ん中に表示される中図柄列1153b、および、遊技者から見て右側に表示される右図柄列1153cの3列の図柄列で構成されている。
図65は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を演出画像表示装置115に導出する場合の装飾図柄1153を示す図である。すなわち、図65(A)が、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図65(B)が、装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図65(C)が、装飾図柄1153の変動停止後の態様を示す図、図65(D)が、リーチであることを導出する態様を示す図、図65(E)が、リーチ後の装飾図柄1153の変動中の態様を示す図である。装飾図柄1153の変動は、図65(B)に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動である。そして、左図柄列1153a、右図柄列1153c、中図柄列1153bの順で停止する。
そして、図65(C)に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cの各停止図柄が全く関連性のない異なる図柄で停止する変動が、本実施形態における「リーチ演出を伴わない外れ変動」である。一方、図65(D)に示すように、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが同じとなった場合はリーチが導出され、さらに図65(E)に示すように、中図柄列1153bのみがスクロール変動する。その結果、中図柄列1153bの停止図柄のみが異なる場合における装飾図柄1153の変動が、本実施形態における「リーチ演出を伴う外れ変動」であり、また、左図柄列1153a、右図柄列1153cおよび中図柄列1153bの全てが同じ図柄で停止する場合における装飾図柄1153の変動が、本実施形態における「大当たり変動」である。
また、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様は、時短機能が作動しているか否かに拘わらず、縦方向にスクロールするスクロール変動である。
図66は、時短機能未作動時に第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れの場合において、当該抽選結果を演出画像表示装置115に導出する場合の装飾図柄1153の変動態様を示す図である。すなわち、図66(A)が、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図66(B)が、装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図66(C)が、リーチであることを導出する態様を示す図、図66(D)が、装飾図柄1153の変動停止後の態様を示す図である。装飾図柄1153の変動は、図66(B)に示すように、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cが、変動開始前の停止位置(図66(A)に示される位置)とほぼ同じ位置にとどまりつつ表裏面を交互に表示するように回転表示すると共に、中図柄列1153bが、図65(B)に示す態様と同様に縦方向にスクロールするスクロール変動である。そして、左図柄列1153aと右図柄列1153cとがほぼ同時に回転停止し、その後、中図柄列1153bが停止する。
この場合、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが常に同じ図柄となって、図66(C)に示すようにリーチが導出され、さらに図66(D)に示すように中図柄列1153bのみがスクロール変動する。その結果、図66(E)に示すように、中図柄列1153bの停止図柄のみが異なる場合は、当該装飾図柄1153の変動は本実施形態における「リーチ演出を伴う外れ変動」である。なお、図66(D)に示すスクロール変動によって、左図柄列1153a、右図柄列1153cおよび中図柄列1153bの全てが同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は本実施形態における「大当たり変動」である。
ここで、時短機能作動時における第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とほぼ同様である。即ち、装飾図柄1153の変動が、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動である。そして、左図柄列1153a、右図柄列1153c、中図柄列1153bの順で停止する。
このように、時短機能が未作動であれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とが異なる。一方、時短機能が作動していれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とが、ほぼ同じ態様となる。
また、時短機能未作動時に第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを示す情報は、上述したとおり、保留表示領域1150において第2の表示態様(キャラクタが表示された態様)で表示される。一方、時短機能作動時に第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを示す情報は、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す第3の態様(即ち、キャラクタ表示が消えた態様)と同じ態様で表示される。
以上より、時短機能が未作動であれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合とで、装飾図柄1153の変動態様が異なる。また、保留表示領域1150に表示される第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す情報の表示態様と、保留表示領域1150に表示される第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを示す情報の表示態様とも異なる。一方、時短機能作動時であれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出画像表示装置115に導出される場合とで、装飾図柄1153の変動態様および保留表示領域1150に表示される特別図柄保留カウンタ703、713によって保留されていることを示す情報の表示態様は、ほぼ同じ態様となる。
図67は、各特別図柄抽選手段700,710による抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合において、当該抽選結果を演出画像表示装置115に導出する場合の装飾図柄1153の変動態様を示す図である。即ち、抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合には、当該抽選が第1特別図柄抽選手段700によるものであっても第2特別図柄抽選手段710によるものであっても両者は同じテーブル13を選択するので、同様の変動態様を行う。
図67(A)は、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図67(B)〜(G)が、装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図67(H)が、装飾図柄1153の変動停止後の態様を示す図である。
装飾図柄1153の変動は、図67(B)に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動である。そして、図67(D)に示すように、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cが中図柄列1153bの表示よりも大きく表示されたのち、左図柄列1153aに否妻が走って停止し(図67(E)参照)、その後、右図柄列1153cに否妻が走って(図67(F)参照)停止する(図67(G))。なお、図67(G)に示すように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示し、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示し、中図柄列1153bのみが縦方向にスクロールする態様は、短当たり、小当たりまたは確変長当たりに当選している可能性があるリーチ変動である。そして、図67(H)に示すように、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止すると、短当たり遊技状態、小当たり遊技状態または長当たり遊技状態の発生が確定する。
次に、図68および図69に基づいて、装飾図柄1153の変動態様について説明する。図68は、主制御基板510の機能的な構成のうち、とくに表示態様決定に係る機能を主体として示す機能ブロック図である。図69は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示態様について時系列で表したタイムチャートである。
図68に示すように、遊技球が第1始動口390に入賞し第1始動口センサ580に検出されると、上述のとおり第1特別図柄抽選手段700による抽選が行われる。具体的には、遊技球が第1始動口390に入賞すると第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって当否判定用乱数を取得し、当該取得した乱数値と当否判定用テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)とに基づいて、第1特別図柄当否決定手段704によって第1特別図柄の当否判定が行われる。
また、主制御基板510は、第1表示態様決定手段772および第2表示態様決定手段778を有している。第1表示態様決定手段772は、第1特別図柄画像表示制御手段614(図29参照)によって演出画像表示装置115に導出する表示態様を、表示態様記憶手段770に記憶される複数種類(2種以上)の表示態様のなかから選択決定する。第2表示態様決定手段778は、第2特別図柄画像表示制御手段615(図29参照)によって演出画像表示装置115に導出する表示態様を、表示態様記憶手段770に記憶される複数種類(2種以上)の表示態様のなかから選択決定する。
そして、第1特別図柄当否決定手段704または第2特別図柄当否決定手段714による当否判定結果に基づいて、表示態様記憶手段770に記憶された複数の表示態様のうち、いずれか一つの表示態様に選択決定し、コマンド送信手段746によって周辺制御基板610にコマンド送信する。かかるコマンドを受信した周辺制御基板610は、演出画像表示制御手段616によって選択決定された表示態様を演出画像表示装置115に表示制御する。
具体的には、第1表示態様決定手段772が、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が当たりであるか否かを判断する。一方、第2表示態様決定手段778が、第2特別図柄抽選手段710による抽選が当たりであるか否かを判断する。
第1表示態様決定手段772は、第1表示態様決定選択手段773、リーチ外れ表示態様選択決定手段774、当たり表示態様選択決定手段775、外れ表示態様決定手段776および有利遊技状態外れ表示態様決定手段777を有している。
外れ表示態様決定手段776は、通常遊技状態において、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が0または1のときは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れの場合にのみ外れ表示態様に決定し、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が2のときは短縮変動1に決定し、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が最大の3であるときは短縮変動2に決定する。
有利遊技状態外れ表示態様決定手段777は、時短遊技状態において、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数に拘わらず、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れの場合にのみ、時短短縮変動1(確変機能作動時)または時短短縮変動2(確変機能未作動時)に決定する。
第1表示態様決定選択手段773は、共通図柄表示領域115cに導出する表示態様を、外れ表示態様決定手段776および有利遊技状態外れ表示態様決定手段777のうちいずれによって決定するかを選択する。この第1表示態様決定選択手段773は、有利遊技状態である場合には有利遊技状態外れ表示態様決定手段777を選択すると共に、有利遊技状態から通常遊技状態への移行に伴って、有利遊技状態外れ表示態様決定手段777に代えて外れ表示態様決定手段776を選択する。
リーチ外れ表示態様選択決定手段774は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れであって、且つ第1特別図柄抽選手段700による抽選とは異なる抽選においてリーチ外れ表示態様による表示を行うことを選択決定した場合にのみ、2種以上のリーチ外れ表示態様のなかからさらにいずれか一つのリーチ外れ表示態様を選択決定する。また、当たり表示態様選択決定手段776は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が当たりである場合に、2種以上の長当たり表示態様のなかからいずれか一つの長当たり表示態様を選択決定する。
第2表示態様決定手段778は、リーチ外れ特別表示態様選択決定手段780、当たり特別表示態様選択決定手段781、外れ特別表示態様決定手段782および有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段783を有している。
リーチ外れ特別表示態様選択決定手段780は、第2特別図柄抽選手段710による抽選が外れであるときに、2種以上のリーチ外れ特別態様のなかからいずれか一つのリーチ外れ特別表示態様を選択決定する。
当たり特別表示態様選択決定手段781は、第2特別図柄抽選手段710による抽選が当たりである場合に、2種以上の当たり特別表示態様のなかからいずれか一つの当たり特別表示態様を選択決定する。
外れ特別表示態様決定手段782は、通常遊技状態において、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数に拘わらず、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れの場合にのみ、短リーチ外れ特別表示態様または長リーチ外れ特別表示態様に決定する。
有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段783は、時短遊技状態において、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が0のときは、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れの場合にのみ、時短通常変動1(確率変動作動時)または時短通常変動2(確率変動未作動時)に決定すると共に、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が1〜3のいずれかのときは、時短短縮変動1(確率変動作動時)または時短短縮変動2(確率変動未作動時)に決定する。
第2表示態様決定選択手段779は、共通図柄表示領域115cに導出する表示態様を、外れ特別表示態様決定手段782および有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段783のうちいずれによって決定するかを選択する。この第2表示態様決定選択手段779は、有利遊技状態である場合には有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段783を選択すると共に、有利遊技状態から通常遊技状態への移行に伴って、有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段783に代えて外れ特別表示態様決定手段782を選択する。
一方、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞すると、上述のとおり第2特別図柄抽選手段710による抽選が行われる。具体的には、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞すると第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって当否判定用乱数を取得し、当該取得した乱数値と当否判定用テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)とに基づいて、第2特別図柄当否決定手段714によって第2特別図柄の当否判定が行われる。そして、第2特別図柄当否決定手段714による当否判定結果に基づいて、表示態様記憶手段770に記憶された複数の表示態様のうち、いずれか一つの表示態様に選択決定し、コマンド送信手段746によって周辺制御基板610にコマンド送信する。かかるコマンドを受信した周辺制御基板610は、演出画像表示制御手段616によって選択決定された表示態様を演出画像表示装置115に表示制御する。
第1特別図柄抽選手段700による抽選結果は、第1特別図柄画像表示制御手段614によって共通図柄表示領域115c(図27参照)に導出される。また、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果は、第2特別図柄画像表示制御手段615によって共通図柄表示領域115cに導出される。なお、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果は、いずれも、共通図柄表示領域115cにおいて、表示態様記憶手段770に記憶されたテーブル1〜33のうちいずれかのテーブルに基づいて装飾図柄1153を変動表示させたのちに導出される。
第1特別図柄による抽選結果を導出するための装飾図柄1153の変動(以下、「第1特別図柄の変動」と称する)の表示態様には、2種以上の長当たり表示態様、長リーチ外れ表示態様、短リーチ外れ表示態様、短当たり表示態様、小当たり表示態様、および、外れ表示態様がある。なお、これらの各表示態様には、それぞれ、複数のパターンがあり、いずれも、表示態様記憶手段770のテーブル1〜33のいずれかに記憶されている。
長当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が大当たりであって、当該大当たりが長当たりのときにのみ選択決定される表示態様であり、テーブル1〜6(図45参照)に示すように、6パターン(6種類)の表示態様が記憶されている。また、図69に示すように、長当たり表示態様は、図柄変動期間と、長リーチ変動期間とからなっている。
第1特別図柄の変動では、3個の装飾図柄1153の全てについて変動を開始し、左図柄、右図柄、中図柄の順で停止表示する。図柄変動期間は、3個の装飾図柄1153の全てについて変動を開始してから右図柄が停止するまで(即ち、最終停止図柄となる中図柄のみの変動となるまで)の期間を意味する。長リーチ変動期間は、図柄変動期間の終了後にリーチとなった場合に、いかにも長当たりに当選したかのような期待を遊技者に与える変動時間が長い長リーチ(一般的にはスーパーリーチと称される)が行われる期間であって、最終停止図柄となる中図柄が停止表示するまでの時間を意味する。
なお、装飾図柄1153の図柄数は3個に限られない。例えば装飾図柄1153の数が複数であれば、この複数の装飾図柄1153のうちN個(Nは2以上)の図柄の変動表示を開始する。そして、N個の図柄のうち(N−1)個の図柄を停止表示するまでが図柄変動期間となる。
また、図69において、「左」は左図柄の停止表示を意味し、「右」は右図柄の停止表示を意味し、「中」は中図柄の停止表示を意味する。
長リーチ外れ表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れのときに選択決定される態様であって、テーブル19〜21(図53参照)に示すように複数の表示パターンが表示態様記憶手段770に記憶されている。そして、これらの各表示パターンは、長当たり表示態様における表示パターンと対応している。例えば、長当たり表示態様が選択決定されるテーブル1(図45参照)では、変動番号19の「歌リーチC(歌リーチA経由)長当たり」が記憶されており、長リーチ外れ表示態様が選択決定されるテーブル19(図53参照)では、変動番号19に対応する変動番号18の「歌リーチC(歌リーチA経由)外れ」が記憶されている。なお、複数の図柄(本実施形態では3つの図柄)が停止するときは、これら複数の図柄が全て一致する態様で停止表示される。これにより、遊技者は、長当たりに当選したことを把握できる。
また、長リーチ外れ表示態様は、対応する長当たり表示態様と経時的に通じて極似する表示態様となっている。具体的には、長当たり表示態様とほぼ同じ図柄変動期間と、長当たり表示態様とほぼ同じ長リーチ変動期間とを有している。これにより、長リーチ外れ表示態様は、長当たり表示態様と経時的に通じて極似している。このように、長リーチ外れ表示態様を、長当たり表示態様と経時的に極似する表示態様とすることによって、中図柄が停止表示されるまで、遊技者に第1特別図柄抽選手段700による抽選に当選したのではないかといった期待感を抱かせることができ、興趣の低下を抑制できる。
なお、「経時的に通じて極似している」とは、演出画像表示装置115に表示される変動態様のみならず、時間的な表示態様も極めて似ていることを意味する。即ち、x秒経過後における表示態様がほぼ同じであることを意味する。また、「極似」とは、遊技者から見て違いを認識できない程度に似ていることを意味し、「同一」も含む概念である。
短リーチ外れ表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れのときに選択決定される態様であって、長リーチ外れ表示態様のうち経時的な一部と極似する表示態様を有している。具体的には、短リーチ外れ表示態様は、長当たり表示態様および長リーチ表示態様の一部である図柄変動期間とほぼ同じ図柄変動期間と、長リーチ表示態様の一部である長リーチ変動期間と経時的に極似する長リーチ変動期間とを有している。なお、複数の図柄のうち他の図柄と異なるタイミングで最後に停止表示する最終停止図柄(中図柄)のみが他の図柄(左図柄、右図柄)と異なるリーチ態様で停止表示される。
外れ表示態様は、短リーチ外れ表示態様のうちの一部である図柄変動期間と経時的に極似する表示態様である。なお、複数の図柄のうち少なくとも一つの図柄(本実施形態では右図柄または左図柄)が他の図柄と異なると共に、リーチ態様とは異なる態様で停止表示される。
短当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに当選し、当該当選した大当たりが短当たりのときに選択決定される表示態様であって、長当たり表示態様の一部である図柄変動期間と経時的に極似する図柄変動期間を変動態様の一部に含んでいる。具体的には、短当たり表示態様は、長当たり表示態様の図柄変動期間と経時的に極似する図柄変動短期間と短当たりリーチ変動期間とを有している。短当たりリーチ変動期間は、長リーチ変動期間よりも変動時間が短いので、短当たり変動態様全体の変動時間は、長当たり表示態様全体の変動時間よりも短い時間となっている。なお、複数の図柄のうち少なくとも一つの図柄(本実施形態では右図柄または左図柄)が他の図柄と異なると共に、リーチ態様とは異なる態様で停止表示される。これにより、遊技者に付与される遊技価値が長当たりのに当選した場合よりも小さい短当たりに当選した場合であっても、遊技者に不必要な期待感を与えることがなく、興趣の低下を抑制できる。
小当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、且つ小当たりに当選したときに選択決定される表示態様であって、短当たり表示態様に経時的に通じて極似している。具体的には、小当たり表示態様は、長当たり表示態様の図柄変動期間と経時的に極似する図柄変動短期間と小当たりリーチ変動期間とを有している。小当たりリーチ変動期間は、短当たりリーチ変動期間と経時的に通じて極似している。これにより、小当たり表示態様全体が短当たり表示態様全体と経時的に極似することとなる。また、小当たりリーチ変動期間は短当たりリーチ変動期間とほぼ同じ変動時間なので、長リーチ変動期間よりも変動時間が短くなる。これにより、小当たり変動態様全体の変動時間は、長当たり表示態様全体の変動時間よりも短い時間となっている。なお、短当たり表示態様と同様に、複数の図柄のうち少なくとも一つの図柄(本実施形態では右図柄または左図柄)が他の図柄と異なると共に、リーチ態様とは異なる態様で停止表示される。これにより、遊技者に付与される遊技価値が長当たりのに当選した場合よりも小さい短当たりに当選した場合であっても、遊技者に不必要な期待感を与えることがなく、興趣の低下を抑制できる。
また、第2特別図柄による抽選結果を導出するための装飾図柄1153の変動(以下、「第2特別図柄の変動」と称する)の表示態様には、長当たり特別表示態様、長リーチ外れ特別表示態様、短リーチ外れ特別表示態様、短当たり表示態様、および、小当たり表示態様がある。なお、これらの各表示態様には、それぞれ、複数のパターンがあり、いずれも、表示態様記憶手段770のテーブル1〜33のいずれかに記憶されている。
ここで、短当たり表示態様および小当たり表示態様は、いずれも、第1特別図柄の変動における表示態様と第2特別図柄の変動における表示態様とが同じ表示態様である。なお、短当たり表示態様および小当たり表示態様は、必ずしも同じ表示態様であることに限られず、両態様が互いに近似する態様であっても良い。
長当たり特別表示態様は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が当たりのときにのみ選択決定される表示態様であって、テーブル7〜12(図47参照)に示すように、6パターンの表示態様が記憶されている。また、長当たり表示態様は、図柄変動短期間と、長リーチ変動期間とからなっている。なお、複数の図柄(本実施形態では3つの図柄)が停止するときは、これら複数の図柄が全て一致する態様で停止表示される。これにより、遊技者は、長当たりに当選したことを把握できる。
第2特別図柄の変動では、3個の装飾図柄1153のうち左図柄および右図柄が、第1特別図柄におけるスクロール変動とは異なる回転変動を行うと共に、中図柄がスクロール変動を行う。そして、左図柄と右図柄とがほぼ同時に停止表示し、その後、中図柄が停止表示する。
図柄変動短期間は、3個の装飾図柄1153の全てについて変動を開始してから左図柄および右図柄が停止するまで(即ち、最終停止図柄となる中図柄のみの変動となるまで)の期間を意味する。この図柄変動短期間は、第1特別図柄の変動における図柄変動期間よりも変動時間が短い変動となっている。長リーチ変動期間は、第1特別図柄の変動における長リーチ変動期間と極似する変動期間である。この長リーチ変動期間における演出は、大当たり遊技が発生するかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせるため、遊技者にとって印象深く記憶される。これにより、当たり特別表示態様は、遊技者にとって第1特別図柄の長当たり表示態様と極似する表示態様となる。なお、当たり特別表示態様の変動時間は、当たり特別表示態様の変動期間における長リーチ変動期間と長当たり表示態様における長リーチ変動期間とがほぼ同じ時間である一方、図柄変動短期間における時間が図柄変動期間における時間よりも短いため、長当たり表示態様の変動時間よりも短くなる。
長リーチ外れ特別表示態様は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れのときに選択決定される態様であって、テーブル22〜24(図56参照)に示すように複数の表示パターンが表示態様記憶手段770に記憶されている。そして、これらの各表示パターンは、当たり特別表示態様における表示パターンと対応している。例えば、当たり特別表示態様が選択決定されるテーブル7(図47参照)では、変動番号82の「歌リーチB(歌リーチA経由)長当たり」が記憶されており、長リーチ外れ特別表示態様が選択決定されるテーブル22では、変動番号82に対応する変動番号81の「歌リーチB(歌リーチA経由)外れ」が記憶されている。なお、複数の図柄のうち他の図柄と異なるタイミングで最後に停止表示する最終停止図柄(中図柄)のみが他の図柄(左図柄、右図柄)と異なるリーチ態様で停止表示される。
また、長リーチ外れ特別表示態様は、対応する当たり特別表示態様と経時的に極似する表示態様からなっている。具体的には、長リーチ外れ特別表示態様は、当たり特別表示態様とほぼ同じ図柄変動短期間と、当たり特別表示態様とほぼ同じ長リーチ変動期間とを有している。これにより、長リーチ外れ特別表示態様は、当たり特別表示態様と経時的に極似している。このように、長リーチ外れ特別表示態様を、当たり特別表示態様と経時的に極似する表示態様とすることによって、中図柄が停止表示されるまで、遊技者に第1特別図柄抽選手段700による抽選に当選したのではないかといった期待感を抱かせることができ、興趣の低下を抑制できる。
なお、「経時的に極似している」とは、演出画像表示装置115に表示される変動態様のみならず、時間的な表示態様も極めて似ていることを意味する。即ち、x秒経過後における表示態様がほぼ同じであることを意味する。また、「極似」とは、遊技者から見て違いを認識できない程度に似ていることを意味し、「同一」も含む概念である。
短リーチ外れ特別表示態様は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れのときに選択決定される態様であって、テーブル22〜24(図56参照)に示すように複数の表示パターンが表示態様記憶手段770に記憶されている。そして、これらの各表示パターンは、当たり特別表示態様と対応している。例えば、当たり特別表示態様が選択決定されるテーブル7(図47参照)では、変動番号75の「ノーマル長当たり」が記憶されており、短リーチ外れ特別表示態様が選択決定されるテーブル22(図56参照)では、変動番号75に対応する変動番号73の「ノーマル外れ(1図柄前)」と変動番号74の「ノーマル外れ(1図柄後)」とが記憶されている。
また、短リーチ外れ特別表示態様は、対応する当たり特別表示態様のうち経時的な一部と極似する表示態様を有している。具体的には、当たり特別表示態様の図柄変動短期間、および、第1特別図柄の短リーチ外れ変動期間の短リーチ変動期間を有している。また、短リーチ外れ特別表示態様の変動時間は、第1特別図柄の外れ表示態様の変動時間とほぼ同じ時間である。これにより、変動時間を長くすることなくリーチを発生させることができる。即ち、本実施形態では、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞したとき、時短機能未作動であれば常にリーチが発生する。通常、リーチが発生すると、リーチが発生しない外れ時における変動時間よりも長くなってしまう。従って、時短未作動時に、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞する度にリーチが発生すると変動時間が長くなり、遊技の進行が遅くなり、興趣が低下する。そこで、時短未作動時に、第2特別図柄の表示態様として短リーチ外れ特別表示態様を表示するときは、第1特別図柄の表示態様として外れ表示態様の変動時間とほぼ同じ変動時間とすることによって、遊技の進行が遅くなることに起因する興趣の低下を抑制できる。
また、第1特別図柄の短リーチ外れ表示態様の短リーチ変動期間と短リーチ外れ特別表示態様の短リーチ変動期間とは経時的にほぼ同じ時間である。また、第1特別図柄の短リーチ外れ表示態様の変動時間は、第1特別図柄の外れ変動表示態様の変動時間よりも、ほぼ短リーチ変動期間に要する時間分だけ長い。従って、短リーチ外れ特別表示態様全体の変動時間は、第1特別図柄の短リーチ外れ表示態様の変動時間よりも、短リーチ変動期間に要する時間分だけ短い時間となる。
また、本実施形態では、第2特別図柄の短リーチ特別表示態様の図柄変動短時間における装飾図柄1153の変動態様は、左図柄および右図柄が回転変動する点において、第1特別図柄の外れ変動表示における装飾図柄1153の変動態様と明確に異なる。従って、短リーチ外れ特別表示態様の場合、装飾図柄1153の変動表示が開始すると同時に第2特別図柄の変動であることを遊技者は把握できる。これにより、外れ表示態様、短リーチ外れ表示態様、および、長リーチ外れ表示態様の場合に、変動中に外れであることを把握できないので、興趣の低下を抑制できる。
即ち、リーチが発生する表示態様(例えば短リーチ外れ表示態様)における変動時間と、リーチが発生しない表示態様(例えば外れ表示態様)における変動時間とをほぼ同じ時間にすることによっても、リーチの発生による遊技の進行が遅くなることを抑制できる。しかし、かかる場合には、リーチが発生する表示態様であればリーチが発生すべき時間が経過してもなおリーチが発生しない場合には、もはやリーチが発生することがない(即ち、大当たりとなることもない)ことを変動中に分かってしまうため、興趣が低下する。そこで、従来からある第1始動口390に入賞することによって行われる第1特別図柄抽選手段700による抽選とは別に、所定時に常にリーチが発生する第2特別図柄抽選手段710による抽選を設けることによって、リーチが発生することがないことを変動中に分かってしまうことに起因する興趣の低下を抑制できる。とくに本実施形態の場合、第1特別図柄の図柄変動期間における変動の態様と、第2特別図柄の図柄変動短期間における変動の態様とが明確に異なるので、リーチが発生することがないことを変動中に分かってしまうことをより顕著に抑制できる。
なお、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合における変動にかかる表示態様は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合における変動にかかる表示態様と同じ変動態様となる。
次に、周辺制御基板610に搭載されるCPU611によって実行される処理について説明する。図70は、サブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図71は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図70に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御基板610は、初期設定処理を行う(ステップS310)。この初期設定処理では、周辺制御基板610に搭載されるRAM668をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS310)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS312)。
この実施形態では、CPU611は、2ms毎に割込を発生させ、2ms定常処置を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、即ち、16msを経過したときに16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS312で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS314)、16ms定常処理を行う(ステップS316)。
この16ms定常処理では、主制御基板510から受信したコマンドに基いて、演出画像表示装置115およびパネル装飾ランプ690等を、それぞれ、表示装置制御基板116およびランプ駆動基板688を介して制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS312に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に(即ち16ms毎に)、上述したステップS314およびステップS316を繰り返し行う。一方、ステップS312で16ms経過フラグTがセットされていないとき(16ms経過フラグTが「0」のとき)には、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図71は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、CPU611は、ステップS320〜ステップS420の処理を実行する。ステップS320のコマンド解析処理では、主制御基板510から受信したコマンドを解析する。ステップS340の演出制御処理では、コマンド受信手段750により受信した変動パターンにかかる演出コマンドに基いて演出画像表示装置115に関わる制御処理を実行する。
また、ステップ360の音制御処理では、効果音(例えばBGMや音声)を発生させるための、スピーカー18,57に関わる制御処理を実行する。なお、この音制御処理では、遊技状態または演出画像表示装置115に表示される演出の態様に応じてBGMを変更する処理が行われる。
ステップS380のランプ制御処理では、パネル装飾ランプ690、センター装飾ランプ304に関わる制御処理が行われる。ステップS400の情報出力処理では、変動パターンにかかるコマンド、各始動口390,392,394への始動入賞にかかるコマンド
その他の表示コマンドを、表示装置制御基板116に送信すると共に、各ランプの点灯・消灯コマンドをランプ駆動基板688に送信する。ステップS420の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS340)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS320〜ステップS420の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上要したとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときにすぐに16ms定常処理を最初(ステップS320のコマンド解析処理)から実行しない。即ち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS312で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS330)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図72は、コマンド解析処理(ステップS320)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、CPU611は、先ず、主制御基板510からコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS321)。この実施形態では、主制御基板510からコマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込を発生させ、受信したコマンドを、周辺制御基板610に搭載されるRAM668における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。そして、受信コマンド格納領域の内容を確認し、受信コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の受信コマンドを読み出す(ステップS322)。
読み出した受信コマンドが始動口入賞コマンドであるか判別し(ステップS323)、読み出した受信コマンドが始動口入賞コマンドであれば(ステップS323におけるYES)、第1始動口有効入賞か否か判別される(ステップS324)。第1始動口有効入賞であれば(ステップS324におけるYES)、第1始動口有効入賞フラグをONする(ステップS325)。そして、コマンド解析処理を終了する。
ステップS324において、第1始動口有効入賞でなければ(ステップS324におけるNO)、第2・第3始動口有効入賞か否かを判別し(ステップS326)、第2・第3始動口有効入賞であれば(ステップS326におけるYES)、第2・第3始動口有効入賞フラグをONする(ステップS327)。そして、コマンド解析処理を終了する。
なお、第1始動口有効入賞とは、主制御基板510から受信した始動口入賞コマンド(ステップS323参照)が第1始動口390に入賞したことを示すコマンドであって、且つ第1特別図柄保留数記憶手段628(図29参照)によって記憶される第1特別図柄の保留数が加算されることを意味する。即ち、第1始動口390に遊技球が受け入れられると、コマンド受信手段750は、第1特別図柄保留カウンタ703によってカウントされたか否か(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウント数が第1所定数(本実施形態では4)に達しているか否か)に拘わらず、主制御基板510(コマンド送信手段746)から送信された第1始動口390に遊技球が受け入れられたこと(入賞したこと)を示すコマンドを受信する。このとき、第1特別図柄保留数記憶手段628に記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数未満であれば、第1特別図柄保留数記憶手段628によって記憶されている第1特別図柄の保留数に1加算され、第1始動口有効入賞となる。一方、第1特別図柄保留数記憶手段628に記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数に達していれば、第1特別図柄保留数記憶手段628によって記憶されている第1特別図柄の保留数をそのまま維持する(即ち加算しない)。このとき、第1始動口390に遊技球が受け入れられたことを示すコマンドを受信したとしても、第1始動口有効入賞とはならない。このように、周辺制御基板610(コマンド受信手段750)は、第1始動口有効入賞であるか否かに拘わらず、第1始動口390に遊技球が入賞したことを示すコマンドを受信する。そして、第1特別図柄保留数記憶手段628によって記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数未満であると(即ち1加算されると)第1始動口有効入賞となり、第1特別図柄保留数記憶手段628によって記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数に達していると(即ち加算されなければ)有効入賞とならない。また、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウンタ値と第1特別図柄保留数記憶手段628による保留数とは同じ値である。
同様に、第2・第3始動口有効入賞とは、第1始動口有効入賞と同様に、主制御基板510から受信した始動口入賞コマンド(ステップS323参照)が第2始動口392または第3始動口394に入賞したことを示すコマンドであって、且つ第2特別図柄保留数記憶手段630(図29参照)によって記憶される第2特別図柄の保留数が加算されることを意味する。即ち、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられると、コマンド受信手段750は、第2特別図柄保留カウンタ713によってカウントされたか否か(即ち、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント数が第2所定数(本実施形態では4)に達しているか否か)に拘わらず、主制御基板510(コマンド送信手段746)から送信された第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられたこと(入賞したこと)を示すコマンドを受信する。このとき、第2特別図柄保留数記憶手段630に記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数未満であれば、第2特別図柄保留数記憶手段630によって記憶されている第2特別図柄の保留数に1加算され、第2始動口有効入賞となる。一方、第2特別図柄保留数記憶手段630に記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数に達していれば、第2特別図柄保留数記憶手段630によって記憶されている第2特別図柄の保留数をそのまま維持する(即ち加算しない)。このとき、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられたことを示すコマンドを受信したとしても、第2始動口有効入賞とはならない。このように、周辺制御基板610(コマンド受信手段750)は、第2始動口有効入賞であるか否かに拘わらず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことを示すコマンドを受信する。そして、第2特別図柄保留数記憶手段630によって記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数未満であると(即ち1加算されると)第2始動口有効入賞となり、第2特別図柄保留数記憶手段630によって記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数に達していると(即ち加算されなければ)有効入賞とならない。また、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値と第2特別図柄保留数記憶手段630による保留数とは同じ値である。
ステップS323において、受信したコマンドが始動口入賞コマンドでなければ(ステップS323におけるNO)、ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドであるか否かが判別される(ステップS328)。ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドであれば(ステップS328におけるYES)、変動パターン受信フラグをONし(ステップS329)、コマンド解析処理を終了する。一方、ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドでなければ(ステップS328におけるNO)、受信したコマンドに対応するフラグをONし(ステップS330)、コマンド解析処理を終了する。
図73は、演出制御処理(ステップS340)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、CPU611は、ステップS342〜ステップS348の処理を実行する。
ステップS342の第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理では、第1始動口390への有効入賞の有無に基いて第1特別図柄保留数を記憶し、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞の有無に基いて第2特別図柄保留数を記憶すると共に第2、第3始動口有効入賞に関わる演出処理を実行する。なお、詳細は後述する。
ステップS344の装飾図柄変動開始処理では、演出コマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、演出コマンドに応じて装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。なお、詳細は後述する。
ステップS346の装飾図柄変動停止処理では、主制御基板510から変動確定コマンドを受信したときに、表示装置制御基板116に表示コマンドを送信して演出画像表示装置115における装飾図柄の変動表示を確定させる制御を行う。
ステップS348の大当たり表示処理では、主制御基板510から送信される大当たり開始コマンドに応じて、演出画像表示装置115に大当たり遊技状態の開始を示す表示や大当たり遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
図74は、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理(ステップS342)の一例を示すフローチャートである。図74の第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理において、CPU611は、先ず、第1始動口有効入賞フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3421)。即ち、ステップS325において、第1始動口有効入賞フラグがONされていれば第1始動口有効入賞フラグがONと判別される。第1始動口有効入賞フラグがONであれば(ステップS3421におけるYES)、第1特別図柄保留数を1つ加算し(ステップS3422)、第1特別図柄保留数表示コマンド、即ち、第1特別図柄保留数記憶手段628(図29参照)に記憶される第1特別図柄の保留数をセットする(ステップS3423)。そして、第1始動口有効入賞フラグをOFFにする(ステップS3424)。
ステップS3424において第1始動口有効入賞フラグをOFFにしたのち、または、ステップS3421において第1始動口有効入賞フラグがOFFであれば(ステップS3421におけるOFF)、次に、第2・第3始動口入賞フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3425)。即ち、ステップS327において、第2・第3始動口有効入賞フラグがONされていれば第2・第3始動口有効入賞フラグがONと判別される。第2・第3始動口有効入賞フラグがONであれば(ステップS3425におけるYES)、第2特別図柄保留数を1つ加算し(ステップS3426)、第2特別図柄保留数表示コマンド、即ち、第2特別図柄保留数記憶手段630(図29参照)に記憶される第2特別図柄の保留数をセットする(ステップS3427)。そして、第2・第3始動口有効入賞演出処理(ステップS3428)を行ったのち、第2・第3始動口有効入賞フラグをOFFにして(ステップS3429)、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理を終了する。なお、ステップS3425において、第2・第3始動口有効入賞フラグがOFFであるときも(ステップS3425におけるNO)、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理を終了する。
ここで、ステップS3428の第2・第3始動口有効入賞演出処理について、図75を参照しつつ説明する。図75は、第2・第3始動口有効入賞演出処理の一例を示すフローチャートである。
第2・第3始動口有効入賞演出処理では、先ず、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判別する(ステップS34281)。現在の遊技状態が時短遊技状態でなければ(ステップS34281におけるYES)、演出ポイントPが上限の10ポイント未満であるか否かを判別する(ステップS34282)。このとき、演出ポイントPが10ポイント未満であれば(ステップS34282におけるYES)、現在の演出ポイントPに1ポイントをさらに貯留(即ち演出ポイントPを1ポイント加算または蓄積)する(ステップS34283)と共に、演出ポイントPの表示をセットする(ステップS34284)。なお、時短遊技状態でない遊技状態とは、本実施形態では、通常遊技状態および確変機能のみが作動し時短機能が作動していない遊技状態(例えば短当たり遊技終了後の遊技状態)が相当する。
ところで、先述のように、時短遊技状態でない遊技状態では、第2始動口392及び第3始動口394よりも第1始動口390の方に遊技球が入賞しやすい一方、時短遊技状態中は第1始動口390よりも第3始動口394に遊技球が入賞しやすくなる。そして、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合は、第2始動口392および第3始動口394に遊技球が入賞しても演出ポイントPを貯留しないようにしている(ステップS34281におけるNO)。これは、かかる時短遊技状態中における第2始動口392および第3始動口394への入賞まで演出ポイントPの付与対象とすると、後述するように遊技球が入賞しにくい始動口への入賞に対する特典としての演出ポイントPの意味が没却するためである。
なお、演出ポイントPとは、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞することに応じて貯留されるポイントである。本実施形態では、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が1球入賞する毎に1ポイント貯留される。即ち、演出ポイントPは、特殊演出が表示されるための期待値を定量的に表したものである。言い換えれば、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞するごとに演出ポイントPが1ずつ加算されて増加していき、貯留後の演出ポイントPは所定の上限値(本実施形態では、10ポイント)まで貯留可能である。
ここで、特殊演出は、特殊第1演出と特殊第2演出とから構成されており、本発明における特別演出遊技態様に相当する。特殊第1演出は、演出ポイントPが10ポイントになったときに演出画像表示装置115に表示される演出であり、特殊第2演出は、演出ポイントPが10ポイント貯留される基となった(言い換えれば、貯留後の演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった)第2・第3始動口有効入賞の変動表示が行われるタイミングで表示される演出である。即ち、特殊第2演出は、第2・第3始動口有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントになったとき、当該第2・第3始動口有効入賞に基づく変動パターンが表示されるタイミングで特殊演出を行うためである。従って、第2・第3始動口有効入賞したときに、第1特別図柄保留数記憶手段628または第2特別図柄保留数記憶手段630による保留数が1以上であって且つ演出ポイントPが10ポイントになった場合には、特殊第1演出は、演出ポイントPが10ポイントになったときにすぐに表示される一方、特殊第2演出は、第2・第3始動口有効入賞したときに保留されていた変動表示が終了したのちに表示される。これにより、演出ポイントPが10ポイント貯留された時点で、ステップS3201において受信した当該演出コマンドよりも先に受信した演出コマンドが受信コマンド格納領域に保存されている場合には、当該先に受信した演出コマンドにかかる変動表示が行われている間、特殊第1演出が継続して行われることとなる。
ステップS34284において演出ポイントPの表示をセットしたのち、演出ポイントPが10ポイント貯留されたか否かを判別する(ステップS34285)。ここで、演出ポイントPが10ポイント貯留されていれば(ステップS34285におけるYES)、演出保留カウンタに第2特別図柄保留数をセットする(ステップS34286)と共に、特殊第1演出フラグをONにして(ステップS34287)、第2・第3始動口有効入賞演出処理を終了する。
なお、ステップS34286において演出保留カウンタに第2特別図柄保留数をセットするのは、演出ポイントPが10ポイント貯留される基となった第2・第3始動口有効入賞の変動表示が行われるタイミングで特殊第2演出を行うようにするためである。
また、ステップS34281において時短遊技状態であると判別されたとき(ステップS34281におけるNO)、ステップS34282において演出ポイントPが10であると判別されたとき(ステップS34282におけるNO)、ステップS34285において演出ポイントPが10でないと判別されたとき(ステップS34285におけるNO)は、いずれも、第2・第3始動口有効入賞演出処理を終了する。
[装飾図柄変動開始処理]
次に図76〜88に基づいて、装飾図柄変動開始処理及び当該処理において実行される処理について説明する。
図76は、装飾図柄変動開始処理(ステップS344)の一例を示すフローチャートである。図77は、装飾図柄変動開始処理における変動パターン決定及びAモード設定処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、チャンス目を停止表示させる変動パターンに基づき、装飾図柄1153の一部にオールマイティー図柄(A図柄)に設定する処理を行っている。ここでオールマイティー図柄(A図柄)を設定するとは、装飾図柄1153の一部をオールマイティー図柄(A図柄)に置換することを意味する。このオールマイティー図柄(A図柄)に関連する処理がAモード設定処理である。図78は、変動パターン決定及びAモード設定処理における小当たり時A図柄使用数設定処理の一例を示すフローチャートである。図79は、変動パターン決定及びAモード設定処理における2R当たり時A図柄使用数設定処理の一例を示すフローチャートである。図80は、変動パターン決定及びAモード設定処理における15R当たり時A図柄使用数設定処理の一例を示すフローチャートである。図81は、変動パターン決定及びAモード設定処理におけるA図柄消費処理の一例を示すフローチャートである。図82は、チャンス時A図柄消費処理の一例を示すフローチャートである。また、図83及び図84は、チャンス目停止時に設定されるA図柄の個数を決定するためのテーブルの一例を示す図である。図85は、A図柄の消費数(復元数)を決定するためのテーブルの一例を示す図である。図86は、装飾図柄1153の一部に対するオールマイティー図柄(A図柄)の設定を例示する説明図である。
図87は、装飾図柄変動開始処理における特殊演出抽選処理の一例を示すフローチャートである。図88は、演出ポイント貯留処理を実行するか否かを決定するためのテーブルの一例を示す図である。本実施形態では、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることに応じて演出ポイントPを1つ加算する態様(図75のステップS34283参照)の他、装飾図柄変動開始処理においても演出ポイントPが加算されることがある。
図86の装飾図柄変動開始処理において、CPU611は、先ず、変動パターン受信フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3441)。変動パターン受信フラグがONであれば(ステップS3441におけるYES)、時短遊技状態でないか否かを判別する(ステップS3442)。
ステップS3442において時短遊技状態でないと判別すると(ステップS3442におけるYES)特殊演出抽選処理を行い(ステップS3443)、ステップS321において受信した演出コマンドにかかる変動パターンが、当たりの変動パターンであるか否かを判別する(ステップS3444)。
一方、ステップS3442において時短遊技状態であると判別すると(ステップS3442におけるNO)、特殊演出抽選処理を省略してステップS3444に進む。特殊演出抽選処理についての詳細は後述する。なお、先述のように、時短遊技状態中は第2始動口392および第3始動口394に遊技球が入賞しても演出ポイントPを貯留しないため、ステップS3442において時短遊技状態である場合は、演出ポイントPに関する各種演出を行うための特殊演出抽選処理を省略するようにしている。なお、時短遊技状態中は演出ポイントPを貯留しないばかりでなく、演出ポイントPの貯留状況の表示すらも行わない。これにより、第2始動口392に遊技球が入賞しても演出ポイントPが貯留されないことによる興趣の低下を抑制できる。
ステップS3444において、当たりの変動パターンであると判別すれば(ステップS3444におけるYES)対応する当たりの停止図柄決定処理を行う(ステップS3445)。この停止図柄決定処理では、長当たりであれば確変大当たりフラグがセットされているか否かを判別し、確変大当たりフラグがセットされていれば所定の確率で確変図柄用の停止図柄に決定し、確変大当たりフラグがセットされていなければ常に非確変図柄用の停止図柄に決定する。また、短当たりまたは小当たりであれば、短当たり・小当たり用の停止図柄に決定する。
一方、外れの変動パターンであると判別すれば(ステップS3444におけるNO)外れ図柄の停止図柄を決定する(ステップS3446)。
ステップS3445またはステップS3446において停止図柄を決定すると、変動パターン決定及びAモード設定処理を実行する(ステップS3447)。この変動パターン決定及びAモード設定処理については後述する。続いて、変動パターン受信フラグをOFFにする(ステップS3448)。その後、演出保留カウンタが0であるか否かを判別し(ステップS3449)、演出保留カウンタが0でなければ(ステップS3449におけるYES)、当該変動表示(即ち、これから開始される変動表示)が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であるか否かを判別する(ステップS3450)。
ステップS3450において、これから開始される変動表示が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であれば(ステップS3450におけるYES)、演出保留カウンタから1つ減算して(ステップS3451)、装飾図柄変動開始処理を終了する。
一方、ステップS3449において演出保留カウンタが0であると判別したとき(ステップS3449におけるNO)、および、ステップS3450において当該変動が第1始動口有効入賞に基づく変動であると判断されたとき(ステップS3450におけるNO
は、演出保留カウンタの減算処理(ステップS3451)を行うことなく、装飾図柄変動開始処理を終了する。
なお、ステップS3441において変動パターン受信フラグがOFFであれば(ステップS3441におけるNO)、そのまま装飾図柄変動開始処理を終了する。
[変動パターン決定及びAモード設定処理]
図77の変動パターン決定及びAモード設定処理において、CPU611は、先ず、非時短中であるか否かを判別する(ステップS34471)。ここで非時短中、すなわち時短遊技状態でなければ(ステップS34471におけるYES)、ステップS34472へ移行する。一方、時短中、すなわち時短遊技状態である場合、ステップS34479へ移行する。
非時短中と判別された場合には、変動パターンが小当たりチャンス目であるか否かを判別する(ステップS34472)。この判別処理は、変動パターンが変動番号44のチャンス目(小当たり)であるか否かを判別するものである。ここで変動パターンが小当たりチャンス目であると判別された場合(ステップS34472におけるYES)、小当たり時A図柄使用数設定処理を実行し(ステップS34473)、ステップS34479へ移行する。小当たり時A図柄使用数設定処理については後述する。一方、変動パターンが小当たりチャンス目でないと判別された場合(ステップS34472におけるNO)、ステップS34474へ移行する。
ステップS34474では、変動パターンが2R当たりチャンス目であるか否かを判別する(ステップS34474)。この判別処理は、変動パターンが変動番号43のチャンス目(短当たり)であるか否かを判別するものである。ここで変動パターンが2R当たりチャンス目であると判別された場合(ステップS34474におけるYES)、2R当たり時A図柄使用数設定処理を実行し(ステップS34475)、ステップS34479へ移行する。2R当たり時A図柄使用数設定処理については後述する。一方、変動パターンが2R当たりチャンス目でないと判別された場合(ステップS34474におけるNO)、ステップS34476へ移行する。
ステップS34476では、変動パターンが15R当たりチャンス目であるか否かを判別する(ステップS34476)。この判別処理は、変動パターンが変動番号45のチャンス目(確変長当たり)であるか否かを判別するものである。ここで変動パターンが15R当たりチャンス目であると判別された場合(ステップS34476におけるYES)、15R当たり時A図柄使用数設定処理を実行し(ステップS34477)、ステップS34479へ移行する。一方、変動パターンが15R当たりチャンス目でないと判別された場合(ステップS34476におけるNO)、A図柄消費処理を実行し(ステップS34478)、ステップS34479へ移行する。なお、15R当たり時A図柄使用数設定処理及びA図柄消費処理については後述する。
ステップS34479では、受信した変動パターンをセットする。その後、変動パターン決定及びAモード設定処理を終了する。
このように本実施形態では、チャンス目の変動パターンを受信したか否かを判別し(ステップS34472,ステップS34474,ステップS34476)、チャンス目の変動パターンを受信した場合には、各A図柄使用数設定処理を行うようになっている。
上述のように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示され、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示され、中図柄列1153bのみが縦方向にスクロールする態様は、短当たり、小当たり又は確変長当たりに当選している可能性があるリーチ変動である(図67(G)参照)。そして、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示されると、短当たり遊技状態、小当たり遊技状態、又は、長当たり遊技状態の発生が確定する(図67(H)参照)。
本実施形態では、上記中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。具体的には、装飾図柄1153は、図65等に示したように、「1」〜「8」の数字図柄と、当該数字図柄に対応する絵柄とで構成されている。数字図柄「1」〜「5」にはそれぞれ、歌姫のキャラクタ画像等で構成される絵柄が対応し、数字図柄「6」〜「8」にはそれぞれ、「歌」、「姫」、「伝説」という文字画像等で構成される絵柄が対応している。数字図柄に対する絵柄の縦横比は約2.7倍となっており、数字図柄に対する絵柄の面積比は、約7倍となっている。本実施形態では、数字図柄「6」〜「8」に対応する「歌」、「姫」、「伝説」の絵柄のいくつかが、文字画像等で構成される「A」という絵柄に置換されることで、装飾図柄1153の一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)であっても元の絵柄と同一の数字図柄を有することになり、オールマイティー図柄(A図柄)を含む図柄列の順序が把握可能となっている。その結果、停止表示にあたって行われる低速のスクロール変動において、リーチ態様の形成を予測し易くなる。また、数字図柄に対して絵柄が大きくなっているため、オールマイティー図柄(A図柄)への置換が分かり易いものとなる。その結果、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示が興趣の高いものとなる。なお、本実施形態では、絵柄のみが置換される構成としたが、数字図柄の示す数値情報を変更しなければ、例えば見た目を変更するような数字図柄の置換を行うようにしてもよい。
そして、装飾図柄1153の一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換された後の変動において、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄のいずれか一方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ずリーチ態様が発生するように制御される。また、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄の双方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ず長当たりが発生するように制御される。そのため、オールマイティー図柄(A図柄)に置換される装飾図柄1153の数量が多いほど、遊技者のリーチまたは当たりに対する期待感が高まり、興趣の低下を抑制することができる。なお、確変長当たり遊技状態の発生が確定している場合は、オールマイティー図柄(A図柄)への置換が導出される変動表示における停止図柄が、所定の確変大当たり図柄(本実施形態では「1」、「1」、「1」)となる。
このオールマイティー図柄(A図柄)に置換される装飾図柄1153の数量の設定を行うのが、A図柄使用数設定処理である。なお、本実施形態では、装飾図柄1153(詳細には、左図柄列1153aおよび右図柄列1153c)のうち、最大6個までオールマイティー図柄(A図柄)に置換されるようになっている。
ここでA図柄使用数設定処理について説明する。A図柄使用数設定処理には、上述したように、図78の小当たり時A図柄使用数設定処理、図79の2R当たり時A図柄使用数設定処理、及び、図80の15R当たり時A図柄使用数設定処理が含まれる。
[小当たり時A図柄使用数設定処理]
図78の小当たり時A図柄使用数設定処理において、CPU611は、先ず、チャンス時A図柄消費処理を実行する(ステップS344731)。このチャンス時A図柄消費処理については後述する。
次に低確率状態か否かを判別する(ステップS344732)。低確率状態とは、確変遊技状態(非報知の確変遊技状態)でないことをいう。ここで低確率状態であると判別された場合(ステップS344732におけるYES)、A図柄の残数に基づいて低確率→小当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344733)、A図柄数をセットする(ステップS344735)。一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344732におけるNO)、すなわち確変遊技状態(非報知の確変遊技状態)である場合には、A図柄の残数に基づいて高確率→小当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344734)、A図柄数をセットする(ステップS344735)。A図柄数をセットすると、小当たり時A図柄数設定処理を終了する。なお、低確率→小当たり時テーブルの一例を、図83(a)に示す。また、高確率→小当たり時テーブルの一例を、図83(b)に示す。
[2R当たり時A図柄使用数設定処理]
図79の2R当たり時A図柄使用数設定処理において、CPU611は、先ず、チャンス時A図柄消費処理を実行する(ステップS344751)。このチャンス時A図柄消費処理については後述する。
次に低確率状態か否かを判別する(ステップS344752)。ここで低確率状態であると判別された場合(ステップS344752におけるYES)、A図柄の残数に基づいて低確率→2R当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344753)、A図柄数をセットする(ステップS344755)。一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344752におけるNO)、A図柄の残数に基づいて高確率→2R当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344754)、A図柄数をセットする(ステップS344755)。A図柄数をセットすると、2R当たり時A図柄数設定処理を終了する。なお、低確率→2R当たり時テーブルの一例を、図83(c)に示す。また、高確率→2R当たり時テーブルの一例を、図83(d)に示す。
[15R当たり時A図柄使用数設定処理]
図80の15R当たり時A図柄使用数設定処理において、CPU611は、先ず、チャンス時A図柄消費処理を実行する(ステップS344771)。このチャンス時A図柄消費処理については後述する。
次に低確率状態か否かを判別する(ステップS344772)。ここで低確率状態であると判別された場合(ステップS344772におけるYES)、A図柄の残数に基づいて低確率→15R当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344773)、A図柄数をセットする(ステップS344775)。一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344772におけるNO)、A図柄の残数に基づいて高確率→15R当たり時テーブルから抽選を行い(ステップS344774)、A図柄数をセットする(ステップS344775)。A図柄数をセットすると、15R当たり時A図柄数設定処理を終了する。なお、低確率→15R当たり時テーブルの一例を、図84(a)に示す。また、高確率→15R当たり時テーブルの一例を、図84(b)に示す。
以上説明したように、本実施形態では、A図柄使用数設定処理を実行することにより(図78〜図80参照)、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数をセットする。ここでオールマイティー図柄(A図柄)の設定数は、遊技状態に基づきテーブル(図83及び図84)を参照して決定される。そして、これらのテーブルでは、遊技者に有利な遊技状態にある場合、概して、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が多くなっている。したがって、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数によって、例えば確変遊技状態(短当たり)への期待を持たせることができ、興趣の低下の抑制に寄与する。
また、A図柄使用数設定処理では、テーブルにて決定された設定数分だけ、予め定められた装飾図柄1153をオールマイティー図柄(A図柄)へ置換する。つまり、オールマイティー図柄(A図柄)への置換にあたり、その設定個数だけを決定することで置換が行われる構成となっている。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の置換が比較的簡単になり、処理負荷が軽減される。また、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が一律でないため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数は、テーブル(図83及び図84参照)を参照して決定されるため、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数の決定処理が比較的容易になる。その結果、遊技状態などに応じたオールマイティー図柄(A図柄)の設定数の振り分けが比較的簡単になる。
さらにまた、A図柄使用数設定処理には、上述したように、図78の小当たり時A図柄使用数設定処理、図79の2R当たり時A図柄使用数設定処理、及び、図80の15R当たり時A図柄使用数設定処理が含まれる。そして、各処理において、低確率状態か否かが判別されて、テーブルが選択される。具体的に、小当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344732におけるYES)、低確率→小当たり時テーブル(図83(a)参照)から抽選が行われ(ステップS344733)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344732におけるNO)、高確率→小当たり時テーブル(図83(b)参照)から抽選が行われる(ステップS344734)。また、2R当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344752におけるYES)、低確率→突確時テーブル(図83(c)参照)から抽選が行われ(ステップS344753)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344752におけるNO)、高確率→2R当たり時テーブル(図83(d)参照)から抽選が行われる(ステップS344754)。さらに、15R当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344772におけるYES)、低確率→15R当たり時テーブル(図84(a)参照)から抽選が行われ(ステップS344773)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344772におけるNO)、高確率→15R当たり時テーブル(図84(b)参照)から抽選が行われる。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数から、ある程度は、遊技状態を推測可能となる。その結果、オールマイティー図柄(A図柄)への置換自体が興趣の高いものとなり、遊技者に対して、大当たり遊技への期待感を芽生えさせることができる。
また、上述したように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示され、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示され、中図柄列1153bのみが縦方向にスクロールする態様は、短当たり、小当たり又は確変長当たりに当選している可能性があるリーチ変動である(図67(G)参照)。そして、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示されると、短当たり遊技状態、小当たり遊技状態、又は、長当たり遊技状態の発生が確定する(図67(H)参照)。そして、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。このように、短当たり遊技の実行確定や小当たり遊技の実行確定を契機としてオールマイティー図柄(A図柄)への置換が行われる。すなわち、低確率状態から高確率状態への移行を契機としてオールマイティー図柄(A図柄)への置換が行われる場合がある。したがって、遊技者にとって、オールマイティー図柄(A図柄)への置換及びオールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示が興趣の高いものとなり、図柄の変動表示が単調なものとなることを確実に抑止できる。
さらにまた、図77に示したように、小当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが小当たりチャンス目である場合(ステップS34472においてYES)、小当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34473)。一方、短当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが2R当たりチャンス目である場合(ステップS34474においてYES)、2R当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34475)。そして、いずれの処理が実行されるかにより、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が決定される。これにより、有利な状態(短当たりによる高確率状態)であるか否かを推測することが可能になり、オールマイティー図柄(A図柄)への置換演出によっても遊技者は「アツさ」を感じることが可能となる。
例えば、A図柄使用数設定処理では、低確率状態にある場合に参照されるテーブルについて見ると、図83(a)の低確率→小当たり時テーブルでは、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」であるとき、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が「6」とはならないようになっている。これに対し、図83(c)の低確率→突確時テーブルでは、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」であるとき、100分の5の確率で、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が「6」となるようになっている。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」の低確率状態において6個のオールマイティー図柄(A図柄)が設定された場合、短当たり(2R当たり)であることが演出態様から確定する。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数によって遊技状態(高確率状態)を判別することができ、遊技者に優越感を与えることができる。そして、短当たり遊技の実行確定をいち早く把握できることで、安心感を持って遊技を楽しむことができる。
また、図77に示したように、長当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが15R当たりチャンス目である場合には(ステップS34476においてYES)、15R当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34477)。これにより、長当たり遊技の実行確定に対応させてオールマイティー図柄(A図柄)の設定数が決定されるため、短当たり遊技や小当たり遊技と同様の演出から、いきなり確変長当たりが導出されることになる。その結果、遊技者を歓喜させることが可能となる。また、短当たり遊技や小当たり遊技とは設定数の選択確率に差をつけるようにすれば、有利な状態(長当たり遊技の確定状態)であるか否かを推測することが可能になり、オールマイティー図柄(A図柄)への置換演出に際し、「既に当たっているのではないか」という大当たりへの期待感を生じさせることができる。
例えば、図83及び図84のテーブルのうち、図84(a)に示す低確率→15R当たり時テーブルだけ、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「4」であるとき、100分の10の確率で、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が「5」となるようになっている。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「4」の低確率状態において5個のオールマイティー図柄(A図柄)が設定された場合、確変長当たり(15R当たり)であることが演出態様から確定する。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数によって長当たり遊技の実行確定をいち早く把握でき、優越感・安心感を持って遊技を楽しむことができる。
[A図柄消費処理]
図81のA図柄消費処理において、CPU611は、先ず、A図柄数が0であるか否かを判別する(ステップS344781)。このA図柄数は、以前に設定されたオールマイティー図柄(A図柄)の残数である。ここでA図柄数が0であると判別された場合(ステップS344781におけるYES)、A図柄使用個数振分テーブルA(図85参照)を選択し(ステップS344782)、ステップS344791へ移行する。一方、A図柄数が0でないと判別された場合(ステップS344781におけるNO)、ステップS344783へ移行する。
ステップS344783では、A図柄数が1であるか否かを判別する。ここでA図柄数が1であると判別された場合(ステップS344783におけるYES)、高確率状態(非報知の確変遊技状態)であるか否かを判別し(ステップS344784)、高確率状態であれば(ステップS344784におけるYES)、A図柄使用個数振分テーブルC(図85参照)を選択して(ステップS344785)、ステップS344791へ移行する。高確率状態でなければ(ステップS344784におけるNO)、A図柄使用個数振分テーブルB(図85参照)を選択して(ステップS344786)、ステップS344791へ移行する。
一方、ステップS344783にてA図柄数が1でないと判別された場合(ステップS344783におけるNO、すなわちA図柄数が2以上である場合)、A図柄数が2であるか否かを判別する(ステップS344787)。ここでA図柄数が2であると判別された場合(ステップS344787におけるYES)、高確率状態(非報知の確変遊技状態)であるか否かを判別し(ステップS344788)、高確率状態であれば(ステップS344788におけるYES)、A図柄使用個数振分テーブルD(図85参照)を選択して(ステップS344789)、ステップS344791へ移行する。一方、A図柄数が2でないと判別された場合(ステップS344787におけるNO、すなわちA図柄数が3以上である場合)あるいは高確率状態でないと判別された場合(ステップS344788におけるNO)、A図柄使用個数振分テーブルE(図85参照)を選択して(ステップS344790)、ステップS344791へ移行する。
ステップS344791では、変動パターンに基づいて各A図柄使用個数振分テーブル(すなわち、A図柄使用個数振分テーブルA〜Eのうち、上記ステップS344782、ステップS344785、ステップS344786、ステップS344789、ステップS344790のいずれかで選択されたもの)からA図柄使用数(消費数)を抽選する。次に、A図柄使用数をセットし(ステップS344792)、A図柄数からA図柄使用数を減じて、A図柄数を更新する(ステップS344793)。そして、A図柄消費処理を終了する。
[チャンス時A図柄消費処理]
図82のチャンス時A図柄消費処理において、CPU611は、先ず、A図柄数(残数)が0であるか否かを判別する(ステップS3447311)。ここでA図柄数が0であると判別された場合(ステップS3447311におけるYES)、A図柄使用数(消費数)を0とし(ステップS3447312)、ステップS3447316へ移行する。一方、A図柄数が0でないと判別された場合(ステップS3447311におけるNO)、ステップS3447313へ移行する。
ステップS3447313では、A図柄数(残数)が1〜3のいずれかか否かを判別する。ここで、A図柄数が1〜3のいずれかであると判別された場合(ステップS3447313におけるYES)、A図柄使用数(消費数)を1とし(ステップS3447314)、ステップS3447316へ移行する。一方、A図柄数が1〜3のいずれでもないと判別された場合(ステップS3447313におけるNO)、すなわちA図柄数が4〜6のいずれかである場合には、A図柄使用数(消費数)を2とし(ステップS3447315)、ステップS3447316へ移行する。
ステップS3447316では、A図柄数からA図柄使用数を減じて、A図柄数を更新する。そして、A図柄消費処理を終了する。
このようにA図柄消費処理では、変動パターンに基づいてA図柄使用数(消費数)が抽選される(ステップS344791)。ここで、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数は、遊技状態に基づきテーブル(図85参照)を参照して決定される。そして、決定された消費数分だけ、オールマイティー図柄(A図柄)が元の装飾図柄1153へ置換される。つまり、オールマイティー図柄(A図柄)を消費するにあたり、その消費数だけを決定することで置換が行われる構成となっている。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の消費に係る処理が比較的簡単になる。また、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数が一律でないため、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示自体が興趣の高いものとなる。さらに、テーブル(図85参照)を用いてオールマイティー図柄(A図柄)の消費数が決定されるため、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数の決定処理が比較的容易になり、遊技状態などに応じたオールマイティー図柄(A図柄)の消費数の振り分けが比較的簡単になる。
また、A図柄消費処理では、変動パターンに基づいてA図柄使用数(消費数)が抽選される(ステップS344791)。具体的には、変動番号8〜15,27,28,34,35,41,42の変動パターンコマンドに対応してオールマイティー図柄(A図柄)の消費数が決定される(図85参照)。これにより、遊技に応じてオールマイティー図柄(A図柄)を使用(消費)することができ、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示が興趣の高いものとなる。
さらにまた、A図柄消費処理では、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」の場合(ステップS344781)、「1」の場合(ステップS344783)、「2」以上の場合(ステップS344787)、という場合分けをして、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数を決定している。具体的には、この場合分けによって、参照するA図柄使用個数振分テーブルA〜Eが決定されている(ステップS344782,ステップS344785,ステップS344786,ステップS344789,ステップS344790)。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示の中で適切にオールマイティー図柄(A図柄)が消費されていき、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示の興趣を低下させることがない。
また、残数が「1」以上となる場合、A図柄消費処理では、高確率状態か否かを判別して(ステップS344784,ステップS344788)、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数を決定している。具体的には、高確率状態である場合(ステップS344784においてYES,ステップS344788においてYES)、A図柄使用個数振分テーブルC,Dを参照し、一方、高確率状態でない場合(ステップS344784においてNO,ステップS344788においてNO)、A図柄使用個数振分テーブルB,Eを参照する。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数から、ある程度、遊技状態を推測することが可能となり、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示自体が興趣の高いものとなる。
さらにまた、A図柄消費処理では、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「1」となった場合で、かつ、高確率状態である場合には(ステップS344783においてYES,ステップS344784においてYES)、A図柄使用個数振分テーブルCが選択される(ステップS344785)。このA図柄使用個数振分テーブルCは、図85に示したように、「外れ」の変動パターンに対してはオールマイティー図柄(A図柄)の消費数が必ず「0」に振り分けられる。これにより、高確率状態である場合には、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」となることがなくなっている。そのため、オールマイティー図柄(A図柄)が残っているうちは、高確率状態である可能性があり、遊技者の期待感を確実に持続させることが可能となる。
[オールマイティー図柄(A図柄)の設定および消費態様]
本実施形態においてオールマイティー図柄(A図柄)は、図86に示すような態様で設定される。すなわち、図86(a)に示す左図柄列1153aの「歌」図柄、「姫」図柄および「伝説」図柄、右図柄列1153cの「歌」図柄、「姫」図柄および「伝説」図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される可能性のある図柄である。具体的には、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が1のときは、左図柄列1153aの「歌」図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される(図86(b)参照)。また、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が2のときは、左図柄列1153aの「歌」図柄及び右図柄列1153cの「歌」図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される(図86(c)参照)。同様に、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が3であればさらに左図柄列の「姫」図柄が、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が4であればさらに右図柄列1153cの「姫」図柄が、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が5であればさらに左図柄列1153aの「伝説」図柄が、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が6であればさらに右図柄列1153cの「伝説」図柄が、オールマイティー図柄(A図柄)に置換される(図86(d)〜(g)参照)。
そして、オールマイティー図柄(A図柄)が停止表示されると、当該オールマイティー図柄(A図柄)は、元の図柄に戻される。これが、オールマイティー図柄(A図柄)の消費である。オールマイティー図柄(A図柄)の消費順序は、基本的に、次に示すごとくとなっている。例えば6個のオールマイティー図柄(A図柄)が設定されている場合(図86(g)参照)、最初に右図柄列1153cの「A(8)」図柄が停止表示されて、元の「伝説」図柄に戻る(図86(f)参照)。次に、左図柄列1153aの「A(8)」図柄が停止表示されて、元の図柄に戻る(図85(e)参照)。同様に、右図柄列1153cの「A(7)」図柄→左図柄列1153aの「A(7)」図柄→右図柄列1153cの「A(6)」図柄→左図柄列1153aの「A(6)」図柄、という順序でオールマイティー図柄(A図柄)が消費される。上述したように、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数は、図85に示したテーブルで決定される。すなわち、A〜Eのうち選択されたテーブルによる抽選によって、ここに示した順序で、1個又は2個のオールマイティー図柄(A図柄)が消費されることになる。なお、このような順序で2個のオールマイティー図柄(A図柄)が消費される可能性があるのは、変動番号10,13,15,28,35,42の長当たりの変動パターンに基づく場合である(図85参照)。
一方、上記順序とは別にオールマイティー図柄(A図柄)が消費される場合がある。これは、変動番号43,44,45のチャンス目の変動パターンによる場合である。この場合の処理が、上記チャンス時A図柄消費処理である。チャンス目の変動パターンによれば、最初に、左図柄列1153aには「歌」図柄が、また、右図柄列1153cには「姫」図柄が停止表示される。したがって、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が4以上の場合(図86(e)〜(f)参照)、左図柄列1153a中の「A(6)」図柄、及び、右図柄列1153c中の「A(7)」図柄が消費される。なお、このチャンス目の変動パターンによる場合、左図柄列1153a及び右図柄列1153cにオールマイティー図柄(A図柄)が停止表示されても、各オールマイティー図柄(A図柄)の停止時に消費処理が実行されるようになっており、リーチ態様は形成されず、上述した確変長当たり遊技は実行されない。
したがって、チャンス時A図柄消費処理では、A図柄数が0〜3でない場合(ステップS3447311におけるNO,ステップS3447313におけるNO)、すなわちA図柄数が4〜6の場合には、A図柄使用数を2としている(ステップS3447315)。また、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が1〜3の場合(図86(b)〜(d)参照)、左図柄列1153a中の「A(6)」図柄が消費される。したがって、チャンス時A図柄消費処理では、A図柄数が1〜3である場合(ステップS3447311におけるNO,ステップS3447313におけるYES)、すなわちA図柄数が1〜3の場合には、A図柄使用数を1としている(ステップS3447315)。なお、この場合は、「A」図柄が停止とともに元の図柄に変化し、リーチ態様を形成するオールマイティー図柄(A図柄)の機能は発揮されない。
このようなチャンス目の変動パターンによるオールマイティー図柄(A図柄)の消費数(最大で2個)から、図83および図84において、オールマイティー図柄(A図柄)の残数(図中の仮停止時A個数)は、最大で4となっている。
[特殊演出抽選処理]
図87の特殊演出抽選処理において、CPU611は、先ず、演出保留カウンタが1でないか否かを判別する(ステップS34431)。ここで、演出保留カウンタが1でないと判別されれば(ステップS34431におけるYES)、演出ポイントが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であるか否か、即ち、7ポイント以上且つ9ポイント以下であるか否かを判別する(ステップS34432)。なお、演出保留カウンタが1より大きければ演出ポイントが10ポイントであり、演出保留カウンタが0であれば演出ポイントが10未満である。
ステップS34432において、演出ポイントPが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であると判別されると(ステップS34432におけるYES)、特殊演出条件が成立しているか否かを判別する(ステップS34433)。一方、演出ポイントPが0ポイント〜6ポイントまでの範囲内であるとき(0ポイントおよび6ポイントを含む)、または、10ポイントであるとき(ステップS34432におけるNO)は、特殊演出条件が成立しているか否かを判別することなく特殊演出抽選処理を終了する。即ち、演出ポイントが10ポイントに至っていれば、当該10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント(第2特別図柄保留数記憶手段630のよる第2特別図柄の保留)に基づく変動表示が行われるよりも先に行われる変動表示においては、特殊演出条件が成立しているか否かを判別することなく特殊演出抽選処理を終了する。これにより、当該10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント(第2特別図柄保留数記憶手段630のよる第2特別図柄の保留)に基づく変動表示における特殊演出を無駄にすることなく、複数の変動表示に跨って、遊技者に期待感を与え続けることが可能となる。
なお、特殊演出条件とは、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであること、および、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであることに応じて行われる演出ポイントP貯留抽選に当選することである。本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が、長当たりである場合、または、外れではあるもののリーチとなる場合に、演出ポイントP貯留抽選を行う。具体的には、図88に示すように、変動番号11〜21,25〜28,32〜35,39〜42,76〜86の場合に、演出ポイントP貯留抽選を行う。このとき、演出ポイントP貯留抽選に当選する確率は、図88に示されるように、例えば2分の1に設定されている。
このように、演出ポイントが所定の閾値(本実施形態では7ポイント)以上であって且つステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターン(即ち、第1特別図柄画像表示制御手段614または第2特別図柄画像表示制御手段615によって表示される変動パターン)が特定の変動パターンであるときに、選択的に(即ち演出ポイントP貯留抽選に当選したときに)、特殊演出条件が成立する。よって、第2始動口392に遊技球が入賞することに基づいて演出ポイントが貯留され、当該貯留された演出ポイントが10ポイントに至ることよりも、特殊演出条件が成立して演出ポイントが10ポイントに至る頻度の方が少なくなる。
ステップS34433において特殊演出条件が成立すると(ステップS34433におけるYES)、演出ポイントP貯留処理を行う(ステップS34444)。
演出ポイントP貯留処理(ステップS34444)では、貯留後の演出ポイントPが上限の10ポイントになるように貯留処理される。即ち、貯留前の演出ポイントPが7ポイントであれば3ポイント貯留され、貯留前の演出ポイントPが8ポイントであれば2ポイント貯留され、貯留前の演出ポイントPが9ポイントであれば1ポイント貯留される。言い換えれば、先述の特殊演出条件を満たすと、演出ポイントPが所定の上限値(本実施形態では、10ポイント)に至るのに必要な数量が加算されて、貯留後の演出ポイントPは当該所定の上限値まで増加する。
そして、演出ポイント貯留処理(ステップS34444)が行われたのち、特殊第1演出フラグおよび特殊第2演出フラグをONにして(ステップS34445)、特殊演出抽選処理を終了する。
なお、ステップS34432において演出ポイントが7ポイント未満または10ポイントであると判別されたとき(ステップS34432におけるNO)、および、ステップS34433において特殊演出条件が不成立であると判別されたとき(ステップS34433におけるNO)、特殊演出抽選処理を終了する。
一方、ステップS34431において演出保留カウンタが1であると判別されたとき(ステップS34431におけるNO)、当該変動表示(即ち、これから開始される変動表示)が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であるか否かを判別する(ステップS34446)。ここで、当該変動表示が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であると判別すると(ステップS34446におけるYES)、特殊第2演出フラグをONする(ステップS34447)と共に、演出保留カウンタをリセットする(ステップS34448)。なお、ステップS34446において当該変動表示が第1始動口有効入賞に基づく変動であるときは(ステップS34446におけるNO)、特殊演出抽選処理を終了する。
このように、図87の特殊演出抽選処理では、演出保留カウンタが1である場合は(S34431におけるYES)、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されているから、当該演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づき変動表示が行われるときは(S34446におけるYES)、特殊第2演出を行うためのフラグがONにセットされて演出保留カウンタがリセットされる(S34447及びS34448)。
一方、演出保留カウンタが0である場合(つまり、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されていない場合)であっても(S34431におけるNO)、演出ポイントPが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であれば(S34432におけるYES)、第1・第2・第3有効入賞に基づいて特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)に(S34433におけるYES)、特殊第1演出及び特殊第2演出を行うために演出ポイントPが上限値まで貯留されて特殊演出フラグがONにセットされる(S34444及びS34445)。
また、演出保留カウンタが2以上である場合(つまり、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されているが、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞よりも先に第1・第2・第3有効入賞が保留されており、且つ、当該先に保留された有効入賞に基づく変動表示がまだ行われていない場合)であれば(S34431におけるYES)、演出ポイントPが10ポイントであるから(S34432におけるNO)、各特殊演出フラグはONにセットされることなくOFFのままとなる。そして、当該既に保留されている他の第1・第2・第3有効入賞の全てについて変動表示がなされると演出保留カウンタが1となり(S34431におけるNO)、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示が行われるのに対応して、特殊第2演出がONにセットされる(S34436におけるYES〜S34448)。
言い換えれば、当該既に保留されている他の第1・第2・第3有効入賞の全てについて変動表示がなされるまで、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示及びこれに対応する特殊第2演出の実行が留保(待機)される。そのため、先述のように演出ポイントPが10ポイントに達すると特殊第1演出が行われるところ(図75のS34287)、演出ポイントPが10ポイントまで貯留された時点で既に他の有効入賞が保留されている場合は、その保留されている他の有効入賞について全て変動表示(いわゆる、保留の消化)されるまで特殊第2演出が実行されないため、特殊第1演出の表示と特殊第2演出の表示とに時間差が発生することになる。これにより、先の保留が全て消化されるまでの間は複数の変動表示間に亘って特殊第1演出のみが表示されることになるため、遊技者はこの特殊第1演出によって演出ポイントPが上限値に達したことを余裕をもって正確に確認でき、また特殊第2演出が実行されるまでの間は期待感をもって遊技できるため、興趣の低下を抑制することができる。
さらに、第2・第3有効入賞に基づいて演出ポイントPが10ポイントまで貯留されたときに、既に他の第1・第2・第3有効入賞が保留されている場合は、当該先に保留された有効入賞に基づいて特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)であっても、演出ポイントPの貯留や特殊演出フラグのONセットは実行されない。そのため、先に保留された有効入賞が特殊演出条件を成立させるものであっても、特殊第2演出は当該先に保留された有効入賞に基づいて行われるのではなく、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づいて実行される。これにより、先の保留が全て消化されるまでの間は複数の変動表示間に亘って特殊第1演出のみが表示されることになるため、遊技者はこの特殊第1演出によって演出ポイントPが上限値に達したことを余裕をもって正確に確認でき、また特殊第2演出が実行されるまでの間は期待感をもって遊技できるため、興趣の低下を抑制することができる。
以上より、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合には、当該演出ポイントP貯留抽選が行われる基となった有効入賞が第1始動口有効入賞または第2・第3始動口有効入賞に拘わらず特殊演出が行われる。一方、演出ポイントP貯留抽選が行わることなく演出ポイントPが10ポイントに達したことによって特殊演出が行われるときは、有効入賞が第2・第3始動口有効入賞であるときにのみ特殊演出が行われる。
しかも、特殊第1演出および特殊第2演出が行われるタイミングは、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合には両演出が同一変動において表示されるのに対し、演出ポイントP貯留抽選が行わることなく演出ポイントPが10ポイントに達したことによって特殊演出が行われる場合には、演出ポイントPが10ポイントに達したときの第1特別図柄保留数記憶手段628および第2特別図柄保留数記憶手段630によって保留される保留数如何によって、両演出が同一変動において表示されるとは限らない。具体的には、演出ポイントPが10ポイントに達したときに特殊第1演出の表示が開始され、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示が行われるときに特殊第2演出が開始される。
上述のように、本実施形態では、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて演出ポイントPを貯留(加算)し、この演出ポイントPが上限値に達したときに特殊演出フラグ(特殊第1演出フラグおよび/または特殊第2演出フラグ)をONにしているが、これに限られない。例えば、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じてパズルを組み合わせていき、このパズルが完成したときに特殊演出フラグをセットするようにしてもよい。また、第2・第3始動口有効入賞フラグがセットされていることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて複数ある所定のミッションを一つずつクリアしていき、当該所定のミッション全てをクリアしたときに特殊演出フラグをONするようにしてもよい。即ち、特殊演出フラグがセットされるための条件が設定されており、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じてこの条件をクリアする方向に近づいていく構成であればよい。
なお、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出は変動表示によって行い、この変動表示とは別個に特殊演出を別個に表示しているが、これに限られない。例えば、特殊演出によって、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するようにしてもよい。
次に、演出画像表示装置115において演出ポイントPが貯留表示される態様について説明する。図89は、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様の一例を示す図である。図90は、演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様の一例を示す図である。
演出画像表示装置115は、図89および図90に示されるように、演出ポイント表示領域1154を有している。演出ポイント表示領域1154には、10個の枠からなる演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jが表示されており、演出ポイントPが貯留される毎に枠内の表示色が変化する。そのため、遊技者は演出ポイント表示領域1154を参照することで、演出ポイントPを貯留可能な最大値である達成上限と、現在貯留されている演出ポイントPの累計値である進捗状況との両方を同時に把握できるようになっている。例えば、演出ポイントPが0の場合は、図89(a)に示すように、10個の表示部1154a〜1154jの枠内が全て背景色と同じ色に表示されている(図面では便宜上、白色で表示している)。
この演出ポイント表示領域1154には、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞するのに応じて演出ポイントPが1ポイントずつ貯留表示されるが、第2特別図柄保留数記憶手段630の保留数及びその最大保留数(ここでは、4個)とは関係なく、演出ポイントPを表示部1154a〜1154jに表示可能な10個まで貯留表示可能である。
先ず、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様について、図89を参照しつつ説明する。図89(a)は、初期状態(即ち、保留数および演出ポイントPのいずれもが0である状態)を示している。
遊技球が第1始動口390に入賞すると、図89(b)に示されるように、第1の保留記憶表示部1151aが、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す第3の表示態様に表示される。一方、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jの枠内は全て表示色が維持される。これは、演出ポイントPが0に維持されることを示す。
遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞すると、図89(c)に示されるように、保留表示領域1150では、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が加算されて第2の表示態様が表示されると共に、演出ポイント1表示部1154aの枠内の表示色が変化する。なお、演出ポイント2表示部1154b〜演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色は維持されたままである。これにより、遊技者は、演出ポイントPが1であることを把握できる。
このように、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞した場合には演出ポイントPが1ポイントずつ貯留され、貯留された演出ポイントPをインジケータで表示する。一方、遊技球が第1始動口390に入賞した場合には演出ポイントPは貯留されない。すなわち、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞した場合には、所定の特殊演出を表示させるための演出ポイントPが貯留されるように構成されている。そして、この貯留された演出ポイントPは、演出ポイント表示領域1154において遊技者が視認できるインジケータで、所定の達成上限に向けて近づく態様で貯留表示される。
そのため、遊技者は所定の特殊演出まで必要な残りのポイント数を確認することができ、また第2始動口392または第3始動口394に入賞したことを目で確認できる。つまり、遊技者が第2始動口392または第3始動口394へ遊技球を入賞させると、その入賞が当たり判定や変動表示などの内部処理の契機となるだけでなく、遊技者自らが遊技球を入賞させて貯留させた演出ポイントPを視覚的に把握可能であるため、遊技者の期待感や安心感を維持することができる。
さらに、第2始動口392または第3始動口394には第1始動口390よりも遊技球が入賞しにくいため(時短遊技状態を除く。)、これらの第2始動口392または第3始動口394に遊技球を入賞させた場合に、遊技者に対する特典として演出ポイントPが貯留されるようにしている。これにより、遊技球が入賞しにくい第2始動口392または第3始動口394に入賞した場合の期待感を向上させることができる。
なお、演出ポイント表示領域1154の表示は、始動口390、392、394への遊技球の入賞に応じて演出ポイントPの貯留状況(特殊演出が行われるための進捗状況)が、特殊演出が行われる所定の達成上限まで表示されればよい。そのため、第1始動口390に遊技球が入賞すると演出ポイントPが増加するようにしてもよいし、特別図柄保留数記憶手段628、630によって保留されなくても演出ポイントPが増加するようにしてもよい。
図89(d)は、演出ポイントPが9ポイントであることを示す図である。即ち、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント9表示部1154iの枠内の表示色が変化しており、演出ポイント10表示部1154jのみ枠内の表示色が背景色と同じ色である。このとき、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞すると、図89(e)に示すように、演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色が変化する。これにより、遊技者は、演出ポイントPが上限値である10ポイントに達したことを把握できる。また、保留表示領域1150では、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が貯留された態様で表示される。図89(e)では、第3の保留記憶表示部1151cが、第1の表示態様から第2の表示態様に変化する。
なお、演出ポイントPが10ポイントに達すると、演出ポイント表示領域1154の上方にキャラクタが出現する。そして、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留(図89(e)では第3の保留記憶表示部1151cに表示される保留)の変動表示が行われるまで、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続ける。また、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続けている間、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色が変化した表示態様となる。即ち、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が行われるまでの間、特殊演出が未だ表示されていないにも拘わらず、特殊演出が導出されるための導出進捗状況(即ち、演出ポイント数)の表示が継続される。換言すれば、演出ポイントPが10ポイントに至ったときに、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値が1以上であったとしても(即ち第2特別図柄保留数記憶手段630によって記憶されている第2特別図柄の保留数が1以上であったとしても)、演出ポイント数の表示が維持されつつ、当該カウンタ値(当該保留)に基づく変動表示が行われる。これにより、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が行われるまでの複数の変動表示に跨って、遊技者に期待感を与え続けることが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
そして、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が開始されると、図89(f)に示すように、演出ポイント表示領域1154の上方で踊っていたキャラクタが演出画像表示装置115のほぼ中央部に移動して拡大表示される。このようなキャラクタによる一連の演出表示が、本実施形態の特殊演出に相当する。
なお、本実施形態では、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続ける態様が特殊第1演出に相当し、演出ポイント表示領域1154の上方で踊っていたキャラクタが演出画像表示装置115のほぼ中央部に拡大表示される態様が特殊第2演出に相当する。従って、特殊第1演出は、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントに達したときの保留数に拘わらずすぐに表示される。一方、特殊第2演出は、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントに達したときに当該第2始動口392または第3始動口394への有効入賞の他に有効入賞が保留されていれば、当該保留に基づく変動表示が終了したのちに表示されることとなる。
このように、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが所定の上限値(ここでは、10ポイント)まで貯留されたときに、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことを教唆する特殊第1演出を表示するようにしたので、遊技者は特殊演出の特典を獲得したことを容易に把握することができ、遊技の興趣を維持することができる。さらに、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことに基づいて、抽選結果の導出に関する特殊な演出特典である特殊第2演出が行われるため、興趣の低下を抑制できる。
そして、特殊第1演出および特殊第2演出の両方が終了すると、即ち、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が終了すると、演出ポイントPがリセットされて0になると共に、演出ポイント表示領域1154に演出ポイントPが0である態様で表示される。
また、本実施形態では、大当たり遊技(より詳しくは長当たり遊技)が開始されたときにも演出ポイントPがリセットされ、当該大当たり遊技終了後には、演出ポイントPの貯留が0から開始される。これにより、大当たり遊技を契機として、遊技者は、新たな気持ちで遊技に臨むことが可能となる。また、大当たり遊技中は、第2始動口392に遊技球が入賞しても演出ポイントの貯留を行わないため、演出ポイントの貯留状況の表示も行わない。従って、大当たり遊技終了後に新たに表示される演出ポイントが0でないといった不自然さも解消できる。
次に、演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様について、図90を参照しつつ説明する。図90(a)は、演出ポイント表示領域1154に表示される演出ポイントPが7ポイントである状態を示している。即ち、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント7表示部1154gの枠内の表示色が変化しており、演出ポイント8表示部1154h〜演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色が背景色と同じ色となっている。
遊技球が第1始動口390に有効入賞すると、図90(b)に示されるように、保留表示領域1150では、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数(第1特別図柄保留数記憶手段628による保留数)が加算された態様で表示される。なお、遊技球が第1始動口390に有効入賞すると、CPU611は主制御基板510から演出コマンドを受信して変動パターン受信フラグがONされるが(図72のステップS329を参照)、このとき、特殊演出条件が成立すれば、演出ポイントP貯留処理(図87のステップS34444参照)を行う。ここで、特殊演出条件とは、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであること、および、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであることに応じて行われる演出ポイントP貯留抽選に当選することである。なお、演出ポイントが所定の閾値(本実施形態では7ポイント)以上であって且つ達成上限値(10ポイント)未満であることは、特殊演出条件が成立するための前提条件である。
ここで、「所定の閾値以上」とは、第2始動口392にあと僅かに遊技球が入賞すれば、所定の達成上限値に至る程度の値を意味する。本実施形態では、達成上限値が10ポイントであるため、3球程度の遊技球が第2始動口392に入賞することによって達成上限値に至る値、即ち、7ポイントが所定の閾値となる。また、所定の達成上限が例えば100ポイントであるときは、3〜5球程度の遊技球が第2始動口392に入賞することによって達成上限に至る値、即ち、95〜97ポイント程度が所定の閾値となる。即ち、貯留されている演出ポイントと所定の達成上限との差があまりにも大きい場合には、遊技者は、所定の達成上限に至ることがないと思って遊技を行っているが、あと少しで所定の達成上限に至るというときであれば、第2始動口392に遊技球が入賞することに注意が惹かれ、遊技球の動向に興味が惹かれる。このとき、第2始動口392に1球が入賞したのみでは所定の達成上限に至らないと感じるのが常であるが、このようなときに演出ポイントが2ポイントや3ポイントといったまとめて貯留されることにより、遊技者に不意打ちとなる喜びを与え、これにより、大きな期待感を遊技者に与えることが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
演出ポイントP貯留処理では、図90(c)に示されるように、演出ポイントP貯留処理が行われる基となった第1始動口390への入賞に基づく保留(本実施形態では図90(b)の第2の保留記憶表示部1151bに表示される保留が相当する)の変動表示を開始する際に、演出ポイントPが上限値である10ポイントに至るまで貯留表示されると共に、特殊第1演出が行われる。そして、この同じ変動表示において、図90(d)に示すように、特殊第1演出に引き続いて特殊第2演出が行われる。
このように、演出ポイントPが所定の上限値(ここでは、10ポイント)まで貯留されていないときであっても、演出ポイントPが所定値(ここでは、7ポイント)以上であって、且つ、特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)には、所定の特殊演出を表示させるための演出ポイントPが貯留されるように構成されている。言い換えれば、貯留された演出ポイントPと所定の上限値(ここでは、10ポイント)との差が2以上であっても、その差が3以下という微差の範囲内であれば、特殊演出条件が成立すれば演出ポイントPが貯留されることを意味する。そして、この貯留された演出ポイントPは、演出ポイント表示領域1154において遊技者が視認できるインジケータで、所定の達成上限に向けて近づく態様で貯留表示される。
そのため、遊技者は所定の特殊演出まで必要な残りのポイント数を確認することができ、また始動口390、392、394への遊技球の入賞に基づいて特殊演出条件が成立したことを目で確認できる。そして、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことを教唆する特殊第1演出と、抽選結果の導出に関する特殊な演出特典である特殊第2演出とが一連の特殊演出として表示される。よって、遊技者は演出ポイントPが所定の上限値まで貯留されていなくても一連の特殊演出(第1特殊演出及び特殊第2演出)の特典を獲得する期待感を有することができるので、遊技の興趣を維持及び向上させることができる。
なお、演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて行われる演出ポイントP貯留処理について、本実施形態では、遊技球が第1始動口390に有効入賞したことに基づいて受信した演出コマンドが特定の変動パターンを示す演出コマンドであるときに演出ポイントP貯留抽選を行っているが、これに限られない。例えば、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞したことに基づく演出コマンドが特定の変動パターンを示すコマンドであるときに、演出ポイントP貯留抽選を行うことなく常に演出ポイント貯留処理を行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が短当たりまたは小当たりであるとき、短当たり遊技または小当たり遊技が実行されたのちの遊技状態において演出用役物420による遊技球を用いた演出が行われる。この演出用役物420による遊技球を用いた演出は、短当たり遊技または小当たり遊技が終了したのち、すぐに行われるとは限らない。従って、短当たり遊技または小当たり遊技が終了してから演出用役物420による遊技球を用いた演出が行われるまでの間に、演出ポイントPが10ポイントになった場合、または、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合であっても、特殊演出が行われる。
なお、上述のとおり、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、当該演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段630による保留に基づく変動表示が行われるまで、特殊演出の表示が保留される。
このように、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段630による保留に基づく変動表示は、演出保留カウンタ631により管理されている。詳述すると、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、このときに第2特別図柄保留数記憶手段630(図29参照)に記憶されている第2特別図柄の保留数を演出保留カウンタ値として記憶する。そして、第2特別図柄画像表示制御手段615(図29参照)による変動表示が行われる毎に、演出保留カウンタ値から1ずつ減算する。そして、演出保留カウンタ値が1になると、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段630によって記憶されている第2特別図柄の保留に基づく変動表示が行われると認識し、第2特殊演出の表示を行う。なお、第1特殊演出は、演出ポイントPが10ポイントに至ったときに行う。
[遊技演出態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において実行される遊技演出態様(装飾図柄1153の変動態様を含む。)のうちで代表的なものを、図面を参照して説明する。なお、「遊技演出態様」とは、演出画像表示装置115による演出(装飾図柄1153の変動態様を含む。)、演出用役物420による演出、スピーカ18,57から出力される効果音等の音声、開閉装置397の開閉動作など、遊技状態に応じて実行される各種演出態様を含む概念である。
なお、「遊技演出態様」では、人物に模したキャラクタが楽曲を歌唱する演出(以下、キャラクタの歌唱演出)が実行されることがある。本実施形態では、特定の人物について髪形や服装などが異なる4つのキャラクタ(ここでは、第1のキャラクタ〜第4のキャラクタ)を有する。そして、「キャラクタの歌唱演出」では、演出画像表示装置115で第1〜第4のキャラクタに応じた歌唱動作を表す画像(動画を含む)が表示されるとともに、スピーカ18,57から各キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲A〜楽曲D)が音声出力される。
また、本実施形態における「楽曲」は、導入部(イントロ部)、前半部、後半部の3つのパートを含み、各パートを組み合わせた全体として一つの楽曲が構成される。具体的には、「導入部(イントロ部)」は楽曲の出だし部分の楽音であって、当該楽曲名や後続する楽音などを遊技者に想到させるものである。「前半部」は楽曲のイントロ部に後続する部分の楽音であって、少なくとも楽曲の主要部(所謂サビ部)の前半を含む。「後半部」は楽曲の前半部に後続する部分の楽音であって、少なくとも楽曲の主要部(所謂サビ部)の後半を含む。
なお、「楽曲」は、本実施形態では、導入部(イントロ部)と主要部(サビ部)とから構成されているが、導入部から曲の最後までの一連の曲であっても良い。また、「楽音」とは、楽曲の一部分を意味する。従って、導入部(イントロ部)のみ、前半部のみ、後半部のみは、いずれも楽音に相当する。また、楽音は、1フレーズに限られるものではなく、複数のフレーズであってもよい。
[通常変動態様について]
まず、本実施形態のパチンコ機1において、最も基本的な遊技演出態様である「通常変動態様」について説明する。この「通常変動態様」はリーチ発生まで特殊演出(例えば、後述のイントロ演出やチャンス目演出など)を行わずに抽選結果の当たりまたは外れを導出する態様であり、以下の「通常外れ」,「ノーマルリーチ外れ」,「ノーマル長当たり」の3パターンを含んでいる。
「通常外れ」は、図65を参照して説明したように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cの各停止図柄が全く関連性のない異なる図柄で停止する演出態様(すなわち、リーチ演出を伴わない外れ変動)である。なお、上述のように、この「通常外れ」は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるか,時短作動の有無,確変作動の有無,保留数によって、変動番号1〜7のいずれかの変動パターンが選択される(図67参照)。
「ノーマルリーチ外れ」は、図65および図66を参照して説明したように、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが同じであって中図柄列1153bの停止図柄のみが異なる図柄で停止する演出態様(すなわち、リーチ演出を伴った外れ変動)である。なお、図65における「ノーマルリーチ外れ」は変動番号8,9の「ノーマル外れ」に基づく変動に相当し(図53参照)、図66における「ノーマルリーチ外れ」は変動番号73,74の「ノーマル外れ」に基づく変動に相当する(図56参照)。
「ノーマル長当たり」は、図65および図66を参照して説明したように、左図柄列1153a、右図柄列1153cおよび中図柄列1153bの全てが同じ図柄で停止する演出態様(すなわち、大当たり変動)である。なお、図65における「ノーマル長当たり」は、変動番号10の「ノーマル長当たり」に基づく変動に相当し(図45参照)、図66における「ノーマル長当たり」は、変動番号75の「ノーマル長当たり」に基づく変動に相当する(図47参照)。
なお、「ノーマルリーチ外れ」および「ノーマル長当たり」は、いずれも、全図柄列1153a〜1153cの変動表示が行われる全図柄変動期間と、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cが同じ図柄で停止し、中図柄1153bのみが変動するリーチ変動期間とから構成されている。また、「ノーマルリーチ外れ」および「ノーマル長当たり」に限らず、以下に説明するリーチが発生する変動表示においても、少なくとも全図柄変動期間と、リーチ変動期間とから構成されている。全図柄変動期間では、全図柄の変動表示が行われると共に所定の効果音がスピーカ18,57から出力される。リーチ変動期間は、全図柄変動期間を経たのちにリーチとなり、所定の楽曲の特定楽音(サビ部を含む特定の部分)がスピーカ18,57から出力される。
[ノーマル特殊態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において、上記の「通常変動態様」でノーマルリーチが成立した場合(図65(D)または図66(C)参照)、当該ノーマルリーチの当たりへの期待感を促す特殊演出を伴う遊技演出態様である「ノーマル特殊態様」について、図91を参照して説明する。図91は、「ノーマル特殊態様」の実行時に演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図91(A)が、ノーマルリーチ成立後に表示されるキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、図91(B)が、アンコール演出時の態様を示す図、図91(C)〜(F)が、アンコール演出後に表示されるキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、である。
図91(A)に示すように、ノーマルリーチの成立後、中図柄列1153bがスクロール変動するとともに、キャラクタの歌唱演出が実行される。すなわち、演出画像表示装置115では第1のキャラクタによる歌唱動作が表示され、その動作に合わせて当該キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲A)の前半部がスピーカ18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号11,76の「歌リーチA外れ(アンコール前)」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号13,78の「歌リーチAノーマル長当たり」に基づく変動に相当する(図45および図47参照)。
一方、図91(B)に示すように、左右方向から閉じられるカーテンによって第1のキャラクタが当該カーテンの背後に隠されると、さらに、遊技者に対して演出選択スイッチ60の押下を促す表示がなされるとともに、手拍子を模した音声がスピーカ18から出力される。すなわち、カーテンの背後に隠された第1のキャラクタに対して、さらなる楽曲の歌唱をリクエストするアンコール演出が行われる。そして、演出選択スイッチ60が押下され、または所定時間の経過後に、以下の図91(C)〜(F)に示す演出のいずれかが表示される。なお、図91(C)〜(F)の演出が実行されずに、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号12,77の「歌リーチA外れ(アンコール後)」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。
図91(C)では、図91(B)においてカーテンの背後に隠された第1のキャラクタが再び表示され、その第1のキャラクタが歌唱する動作に合わせて楽曲Aの後半部がスピーカ18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号14,79の「歌リーチAロング外れ」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号15,80の「歌リーチAロング長当たり」に基づく変動に相当する(図45および図47参照)。
図91(D)では、第1のキャラクタとは髪形や服装などが異なる第2のキャラクタが表示され、その第2のキャラクタが歌唱する動作に合わせて、当該キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲B)の後半部がスピーカ18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号16,81の「歌リーチB(歌リーチA経由)外れ」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号17,82の「歌リーチB(歌リーチA経由)長当たり」に基づく変動に相当する(図45および図47参照)。
図91(E)では、第1および第2のキャラクタとは髪形や服装などが異なる第3のキャラクタが表示され、その第3のキャラクタが歌唱する動作に合わせて、当該キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲C)の後半部がスピーカ18,57から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号18,83の「歌リーチC(歌リーチA経由)外れ」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号19,84の「歌リーチC(歌リーチA経由)長当たり」に基づく変動に相当する(図45および図47参照)。
図91(F)では、第1〜第3のキャラクタとは髪形や服装などが異なる第4のキャラクタが表示され、その第4のキャラクタが歌唱する動作に合わせて、当該キャラクタに固有の楽曲(ここでは、楽曲D)の後半部がスピーカ18から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号20,85の「歌リーチD(歌リーチA経由)外れ」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号21,86の「歌リーチD(歌リーチA経由)長当たり」に基づく変動に相当する(図45および図47参照)。
このように、本実施形態の「ノーマル特殊態様」では、キャラクタの歌唱演出やアンコール演出などにより、ノーマルリーチへの期待感を向上させて興趣の低下を抑制することができる。
[イントロ特殊態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において、図柄変動中においてリーチが発生するよりも前(即ち、全図柄変動期間)にキャラクタの歌唱演出を実行することでリーチへの期待感を促す特殊演出を伴う遊技演出態様である「イントロ特殊態様」について、図92〜図94を参照して説明する。本実施形態では、第2のキャラクタ(楽曲B)、第3のキャラクタ(楽曲C)および第4のキャラクタ(楽曲D)の各々について「イントロ特殊態様」が設けられている。
まず、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」について、図92を参照しつつ説明する。図92は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」の実行時に、演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図92(A)は、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図92(B)が、リーチ前の装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図92(C)が、フラッシュライト演出時の態様を示す図、図92(D)が、リーチ前における第2のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、図92(E)〜(F)が、リーチ後における第2のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、である。
図92(B)に示すように、この「イントロ特殊態様」では、上述の「通常変動態様」と同様に、まず左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのスクロール変動が開始され、当該スクロール変動中に演出画像表示装置115の表示画面が突然暗くなる。そして、図92(C)に示すように、閃光(フラッシュライト)を模した演出が表示された後、図92(D)に示すように、第2のキャラクタによる楽曲の歌唱動作が表示され、その歌唱動作に合わせて楽曲Bのうちで導入部(イントロ部)のみがスピーカ18,57から出力される。このように、「イントロ特殊態様」では、全図柄変動期間において出力される効果音に代えて、楽曲Bの導入部(イントロ部)が出力される。この第2のキャラクタによるイントロ部の歌唱演出(すなわち、イントロ演出)の後に、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが異なる図柄で停止すれば(すなわち、リーチが発生しなければ)、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴わない外れ変動」であって、変動番号22の「歌リーチBイントロ外れ」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。
ただし、この楽曲Bの全図柄変動期間に行われるイントロ演出の後にリーチが発生しなかった場合(即ち、リーチ変動期間に移行しなかった場合)でも、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cがスクロール変動後に所定の関連性ある図柄で停止した場合には短当たりまたは小当たりに当選しているため、上述の短当たり遊技状態または小当たり遊技状態が発生する。これにより、全図柄変動期間において効果音に代えて楽曲Bの導入部(イントロ部)が出力された場合には、たとえリーチに至らなかったとしても、短当たりに当選している可能性があるので、遊技者の落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制できる。なお、この装飾図柄1153の変動が、変動番号23の「歌リーチBイントロ外れ(短当たり)」または変動番号24の「歌リーチBイントロ外れ(小当たり)」に基づく変動に相当する(図50参照)。
一方、図92(E)に示すように、イントロ演出の後に左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが同じになれば(すなわち、リーチ変動期間に移行すれば)、常に、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選において当選している期待値がノーマルリーチよりも相対的に高いリーチ(以下、「スーパーリーチ」と称する。)が発生する。これにより、全図柄変動期間においてイントロ演出が行われたとき(即ち、効果音に代えて楽曲の導入部(イントロ部)が出力されたとき)、この全図柄変動期間を経たのちにリーチ変動期間に至ると、常に、ノーマルリーチよりも期待値が高いスーパーリーチが導出されるので、遊技者は、リーチ変動期間に移行することを願って遊技を行うこととなり、興趣の低下を抑制できる。また、イントロ演出が行われると、全図柄変動期間においても効果音に代えて楽曲の導入部(イントロ部)が出力されるので、図柄の変動を単に視認するしかなかった全図柄変動期間においても、リーチ変動期間に移行するかどうかといった楽しみが増え、興趣の低下を抑制できる。
なお、スーパーリーチは、ノーマルリーチを経由して行われる。従って、スーパーリーチが行われるときは、ノーマルリーチが行われたのちにスーパーリーチに移行するので、ノーマルリーチのみが行われる場合よりも、リーチ変動期間が長くなっている。
なお、「期待値」とは、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果(以下、この段落において単に「抽選結果」と称する)が外れの場合に選択される確率と、当たりの場合に選択される確率とから導出されるものであって、期待値が高いと、当選している期待感が高くなる。具体的には、例えば、リーチ態様としてリーチ態様Aとリーチ態様Bとがあるとき、抽選結果が外れの場合にリーチAおよびリーチBが選択される確率がいずれも2分の1であって、抽選結果が当たりの場合にリーチAおよびリーチBが選択される確率が、それぞれ、10分の9および10分の1であるとき、リーチAの方がリーチBよりも期待値が高くなる。また、抽選結果が外れの場合にリーチAおよびリーチBが選択される確率が、それぞれ、10分の9および10分の1であって、抽選結果が当たりの場合にリーチAおよびリーチBが選択される確率がいずれも2分の1であるとき、リーチBの方がリーチAよりも期待値が高くなる。
そして、全図柄変動期間において行われたイントロ演出の後にリーチ変動期間に移行すると、第2のキャラクタによる歌唱動作に合わせて楽曲Bの前半部がスピーカ18,57から出力される。ここで、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号25の「歌リーチB前半外れ」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号26の「歌リーチB後半長当たり」に基づく変動に相当する(図45および図47参照)。
さらに、図92(E)に示す第2のキャラクタの歌唱演出(楽曲Bの前半部)で抽選結果が導出されない場合は、図92(F)に示すように、第2のキャラクタによる歌唱動作に合わせて楽曲Bの後半部がスピーカ18から出力される。そして、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄とは異なる図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「リーチ演出を伴った外れ変動」であって、変動番号27の「歌リーチB後半外れ」に基づく変動に相当する(図53および図56参照)。一方、中図柄列1153bが左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの停止図柄と同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は「大当たり変動」であって、変動番号28の「歌リーチB後半長当たり」に基づく変動に相当する(図45および図47参照)。
次に、第3のキャラクタ(楽曲C)の「イントロ特殊態様」について、図93を参照しつつ説明する。図93は、第3のキャラクタ(楽曲C)の「イントロ特殊態様」の実行時に、演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図93(A)は、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図93(B)が、リーチ前の装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図93(C)が、フラッシュライト演出時の態様を示す図、図93(D)が、リーチ前における第3のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、図93(E)〜(F)が、リーチ後における第3のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、である。
第3のキャラクタ(楽曲C)の「イントロ特殊態様」の流れ(図93(A)〜(F)参照)は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」の流れ(図92(A)〜(F)参照)と基本的に同じである。すなわち、この「イントロ特殊態様」では、図93(B)に示すように、演出画像表示装置115では装飾図柄1153のスクロール変動中に表示画面が突然暗くなり、図93(C)に示すように、閃光(フラッシュライト)を模した演出が表示される。その後、図93(D)に示すように、第3のキャラクタによる楽曲の歌唱動作が表示され、その歌唱動作に合わせて楽曲Cのうちで導入部(イントロ)のみがスピーカ18,57から出力される。そして、イントロ演出の後にリーチが発生すれば、第3のキャラクタによる歌唱動作に合わせて楽曲Cの前半部がスピーカ18,57から出力される。さらに、第3のキャラクタの歌唱演出(楽曲Cの前半部)で抽選結果が導出されない場合は、図93(F)に示すように、第3のキャラクタによる歌唱動作に合わせて楽曲Cの後半部がスピーカ18,57から出力される。
そのため、第3のキャラクタ(楽曲C)の「イントロ特殊態様」についての各変動コマンド(変動番号29〜35)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」についての各変動コマンド(変動番号22〜28)と同様である。ただし、先述のフラッシュライト演出は、その後にキャラクタが歌唱演出する楽曲に応じて表示態様が異なるため、図92(C)と図93(C)とでは異なる態様で表示される。また、第3のキャラクタの歌唱演出(図93(D)〜(F)参照)は、第2のキャラクタの歌唱演出(図92(D)〜(F)参照)とは異なる演出画像や効果音などで実行される。
次に、第4のキャラクタ(楽曲D)の「イントロ特殊態様」について、図94を参照しつつ説明する。図94は、第4のキャラクタ(楽曲D)の「イントロ特殊態様」の実行時に、演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図94(A)は、装飾図柄1153の変動開始前の態様を示す図、図94(B)が、リーチ前の装飾図柄1153の変動中の態様を示す図、図94(C)が、フラッシュライト演出時の態様を示す図、図94(D)が、リーチ前における第4のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、図94(E)〜(F)が、リーチ後における第4のキャラクタの歌唱演出時の態様を示す図、である。
第4のキャラクタ(楽曲D)の「イントロ特殊態様」の流れ(図94(A)〜(F)参照)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」の流れ(図92(A)〜(F)参照)と基本的に同じである。すなわち、この「イントロ特殊態様」では、図94(B)に示すように、演出画像表示装置115では装飾図柄1153のスクロール変動中に表示画面が突然暗くなり、図94(C)に示すように、閃光(フラッシュライト)を模した演出が表示される。その後、図94(D)に示すように、第4のキャラクタによる楽曲の歌唱動作が表示され、その歌唱動作に合わせて楽曲Dのうちで導入部(イントロ)のみがスピーカ18から出力される。そして、イントロ演出の後にリーチが発生すれば、第4のキャラクタが歌唱する動作に合わせて楽曲Dの前半部がスピーカ18から出力される。さらに、第4のキャラクタの歌唱演出(楽曲Dの前半部)で抽選結果が導出されない場合は、図94(F)に示すように、第4のキャラクタが歌唱する動作に合わせて楽曲Dの後半部がスピーカ18から出力される。
そのため、第4のキャラクタ(楽曲D)の「イントロ特殊態様」についての各変動コマンド(変動番号36〜42)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「イントロ特殊態様」についての各変動コマンド(変動番号22〜28)と同様である。ただし、先述のフラッシュライト演出は、その後にキャラクタが歌唱演出する楽曲に応じて表示態様が異なるため、図92(C)と図94(C)とでは異なる態様で表示される。また、第4のキャラクタの歌唱演出(図94(D)〜(F)参照)は、第2のキャラクタの歌唱演出(図92(D)〜(F)参照)および第3のキャラクタの歌唱演出(図93(D)〜(F)参照)とは異なる演出画像や効果音などで実行される。
このように、本実施形態の「イントロ特殊態様」では、図柄変動中においてリーチが発生するよりも前(即ち、全図柄変動期間)に、キャラクタの歌唱動作が表示されるとともに楽曲の導入部(イントロ部)が出力される。そして、このイントロ演出によってリーチが成立すると、当該楽曲におけるイントロ部の続き(前半部や後半部)がキャラクタの歌唱動作とともに出力される。なお、このとき、ノーマルリーチを経由せずにいきなりスーパーリーチが表示される。即ち、全図柄変動期間において出力された楽曲におけるイントロ部の続き(前半部や後半部)がキャラクタの歌唱動作とともに出力されるリーチ態様がスーパーリーチに相当する。このように、いきなりスーパーリーチが表示されることによって遊技者に驚きを与えることができ、興趣の低下を抑制できる。
また、全図柄変動期間においてイントロ演出が行われる場合(即ち、所定の効果音に代えて楽曲の導入部(イントロ部)が出力された場合)、全図柄変動期間における所定の効果音に代えてリーチ変動期間に出力される特定楽音(サビ部)と同一の楽曲であって且つこの特定楽音(サビ部)とは異なる部分(イントロ部)を含む一般楽音が出力されるので、全図柄変動期間において楽曲のイントロ部が出力された場合には、ノーマルリーチよりも期待値が高いリーチ態様が導出される期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
また、リーチ変動期間において出力される楽音は、楽曲のなかで最も盛り上がるサビ部のフレーズを含んでいる。これにより、演出画像表示装置115における演出表示とスピーカ18,57から出力される楽音との組み合わせにより、遊技者の気分を高揚させることができ、興趣の低下を抑制できる。
また、全図柄変動期間において所定の効果音に代えて出力される一般楽音は、リーチ変動期間において出力される楽曲にかかるフレーズを含む楽音なので、リーチ変動期間に移行したときに何の楽曲が出力されるかを遊技者に想起させることができ、興趣の低下を抑制できる。
しかも、全図柄変動期間において所定の効果音に代えて出力される一般楽音は、リーチ変動期間において出力される楽曲の導入部(イントロ部)にかかるフレーズを含む楽音なので、リーチ変動期間に移行したとすれば何の楽曲が出力されるかを予想させる「イントロクイズ」のような面白みを遊技者に与えることができるので、全図柄変動期間における興趣の低下を抑制できる。
[チャンス目特殊態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において、小当たりまたは短当たりを導出するとともに、遊技者に有利である可能性が高いモードへの移行を演出する特殊演出を伴う遊技演出態様である「チャンス目特殊態様」について、図95を参照して説明する。図95は、「チャンス目特殊態様」の実行時に演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図95(A)は、装飾図柄1153が小当たりまたは短当たりを表す態様を示す図、図95(B)は、装飾図柄1153の一部がオールマイティー図柄(A図柄)に変化する態様を示す図、図95(C)が、演出用開閉装置398が開放されることを導出する態様を示す図、図95(D)〜(E)が、モード移行チャンス時の態様を示す図、図95(F)〜(G)が、第1モードの態様を示す図、図95(H)〜(I)が、第2モードの態様を示す図、である。
なお、以下の「チャンス目特殊態様」は、変動番号43の「チャンス目(短当たり)」または変動番号44の「チャンス目(小当たり)」に基づく変動時に実行される。
図95(A)に示すように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示し、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示し、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止すると、当該装飾図柄1153は短当たりまたは小当たりを導出するものである。そして、図95(B)に示すように、装飾図柄1153は再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に変化する。詳しくは、装飾図柄1153のスクロール変動に並行して、左図柄列1153aの「歌」図柄→右図柄列1153cの「歌」図柄→左図柄列1153aの「姫」図柄→右図柄列1153cの「姫」図柄→左図柄列1153aの「伝説」図柄→右図柄列1153cの「伝説」図柄という順序で設定された個数分(本実施形態では、2〜6個)だけ装飾図柄1153がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。
ここで、オールマイティー図柄(A図柄)について繰り返し説明する。装飾図柄1153の一部がオールマイティー図柄(A図柄)に変化した後の変動において、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄のいずれか一方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ずリーチが発生するように制御される。また、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄の双方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ず長当たりが発生するように制御される。そのため、図95(B)において、オールマイティー図柄(A図柄)に変化する装飾図柄1153の数量が多いほど、遊技者のリーチまたは当たりに対する期待感が高まり、興趣の低下を抑制することができる。
また、オールマイティー図柄(A図柄)の数量は、演出画像表示装置115における左下部分に表示されており(図95(B)参照)、当該オールマイティー図柄(A図柄)がリーチ発生の契機となるごとに(すなわち、停止図柄となるごとに)変化前の通常図柄に戻るとともに、オールマイティー図柄(A図柄)の数量が減算される。そのため、遊技者はオールマイティー図柄(A図柄)の残量を容易に把握できるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。なお、本実施形態では、装飾図柄1153(詳細には、左図柄列1153aおよび右図柄列1153c)のうち、最大6個までオールマイティー図柄(A図柄)に変化可能となっている。従来、装飾図柄をオールマイティー図柄に変更するものはあったが、あくまでも、ある図柄列の装飾図柄全てがオールマイティー図柄に変更される構成であった。これは、例えばリーチ態様の形成される当該変動でのみ、オールマイティー図柄を利用した演出を行うためである。本実施形態のように以降の複数の変動に渡ってオールマイティー図柄(A図柄)を使用する場合、図柄列の全てをオールマイティー図柄(A図柄)に変更すると、リーチ演出を頻繁に行う必要が生じると共に、過度の期待を遊技者に与えてしまうことになりかねない。そこで、本実施形態では、最大でも6個の装飾図柄1153をオールマイティー図柄(A図柄)に変更するようにしたことにより、オールマイティー図柄(A図柄)を使用しない外れを演出することが可能となり、制御負荷が軽減される。また、遊技者に過度の期待を与えることなく、遊技の適正を図ることができる。
そして、図95(B)に示す装飾図柄1153の変動停止後、短当たり遊技状態または小当たり遊技状態が実行される。すなわち、図95(C)に示すように、演出用開閉装置398に向けて遊技球を射出することを促す演出(例えば、「上を狙ってね!」)が表示される。それとともに、先述のように、「短当たり」または「小当たり」として演出用開閉装置398の開閉動作が2回実行される。演出用開閉装置398に入賞した遊技球の一つは、後述の演出用役物420による演出が行われるまで振分機構450によって保持される。
ここで、短当たりまたは小当たりによる演出用開閉装置398への入賞態様について、図96および図97を参照しつつ説明する。図96は、演出用開閉装置398に入賞する前の演出画像表示装置115および演出用役物420の正面図であり、図97は、演出用開閉装置398に入賞した後の演出画像表示装置115および演出用役物420の正面図である。
図96に示すように、短当たりまたは小当たりの実行前では、演出用開閉装置398に遊技球が入賞していない状態であるため、振分機構450に遊技球は保持されていない。なお、先述のように、演出用開閉装置398から遊技球が誘導される役物誘導路440は透明部材で構成されているため、パチンコ機1の正面側(すなわち、遊技者側)からは、振分機構450に遊技球が保持されていないことを視認可能である。
一方、図97に示すように、短当たりまたは小当たりの実行により演出用開閉装置398に遊技球が入賞すると、振分機構450により当該遊技球が保持される。そして、パチンコ機1の正面側(すなわち、遊技者側)からは、役物誘導路440において遊技球が転動する態様を視認でき、また、振分機構450に遊技球が保持されていることを視認可能となっている。そして、振分機構450に遊技球が保持された後の変動からは、振分機構450に遊技球が保持されていること(言い換えれば、後述のモード移行チャンスが発動される可能性があること)を遊技者に教唆する演出(具体的には、図97に示す「CHANCE」)が、演出画像表示装置115に表示される。
図95に戻り、振分機構450に遊技球が保持されたのを契機として、モード移行チャンス(本実施形態では、「歌姫チャンス」)を実行するか否かの抽選が行われる。そして、モード移行チャンスを実行することが決定された場合は、以下の演出用役物420による演出を伴うモード移行チャンスが実行される。なお、本実施形態のモード移行チャンスは、必ずしも次変動によって実行されるわけではなく、上記抽選により選択された回数分の保留変動の実行後に発動される。一方、モード移行チャンスを実行しないことが決定された場合は、モード移行チャンスは実行されないため、演出用役物420による演出も実行されない。
ここで、モード移行チャンスについて説明する。遊技者は演出用役物420の開閉動作のみでは小当たりまたは短当たりのいずれに該当するかを判断できないところ、本実施形態における「モード移行チャンス」によって、短当たりによって確変遊技状態に移行したか(言い換えれば、小当たりによって通常遊技状態のままか)を、ある程度判断できるようにして遊技者の期待感を向上させている。
まず、モード移行チャンスが発動されると、図95(D)に示すように、モード移行チャンスの発動を導出する演出が表示される。そして、図95(E)に示すように、後述の演出用役物420による演出とともに、複数のモードのうちでいずれのモードに移行するかを抽選する演出が表示される。本実施形態では、移行先の複数のモードとして、確変遊技状態である可能性が高い第1モード(本実施形態では、「歌姫モード」)と、第1モードよりも確変遊技状態である可能性が高い第2のモード(本実施形態では、「SUPER歌姫モード」)とを有する。また、このモード移行チャンスでは、モードが移行せずに通常遊技状態である場合(本実施の形態では、「はずれ」)が選択される場合もあるが、ここでは「第1モード」と「第2のモード」のいずれかをモード移行先として抽選する場合を例示して説明する。
ここで、モード移行チャンスに実行される演出用役物420によるモード抽選演出について、図98を参照しつつ説明する。図98は、モード抽選演出時の演出画像表示装置115および演出用役物420の正面図である。図98に示すように、演出用役物420によるモード抽選演出では、演出用役物420が回転駆動されて役物収容体422の内部に配置されたフィギュア424が正面側(すなわち、遊技者側)に向けられ、振分機構450に保持された遊技球が第1演出樋426に導かれる。そして、第1演出樋426が第1の演出口432に向けて下方に傾斜した態様(図26(a)参照)と、第1演出樋426が第2演出樋誘導口434に向けて下方に傾斜した態様とが繰り返されて(図26(b))、当該遊技球が第1演出樋426上を左右方向に転動する演出動作が行われる。なお、本実施形態においては、遊技球を左右方向に転動させるにあたって、第1演出樋426の傾斜態様(例えば傾き度合い)を変えることにより、遊技球の入賞する演出口432,436を、入賞以前にも示唆可能な構成となっている。これにより、後述する抽選結果を抽選途中においてもある程度は示唆することができ、モード抽選演出が単調となることがない。その結果、モード抽選演出の興趣を向上させることができる。
そして、図98に示すように、図95(E)の演出画面に表示された「第1モード」(歌姫モード)の矢印は第1の演出口432を指しており、「第2モード」(SUPER歌姫モード)の矢印は第2の演出口436を指している。そのため、第1演出樋426が第1の演出口432に向けて傾斜して遊技球が第1の演出口432に入賞すると、モード移行先として「第1モード」が選択される。一方、第1演出樋426が第2演出樋誘導口434に向けて傾斜して、遊技球が第2演出樋428上を転動して第2の演出口436に入賞すると、モード移行先として「第2モード」が選択される。
図95に戻り、演出用役物420のモード抽選演出により「第1モード」が選択されると、図95(F)に示すように、「第1モード」に移行したことを導出する演出が表示される。図95(G)に示すように、「第1モード」では、演出画像表示装置115に表示される背景演出が通常モード(図65等参照)とは異なっており、以降はかかる表示状態のもとで装飾図柄1153のスクロール変動が実行される。よって、確変遊技状態である可能性が高い「第1モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
一方、演出用役物420のモード抽選演出により「第2モード」が選択されると、図95(H)に示すように、「第2モード」に移行したことを導出する演出が表示される。図95(I)に示すように、「第2モード」では、演出画像表示装置115に表示される背景演出が通常モード(図65等参照)および「第1モード」とは異なっており、以降はかかる表示状態のもとで装飾図柄1153のスクロール変動が実行される。よって、確変遊技状態である可能性がより高い「第2モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
なお、上述したように、振分機構450に遊技球が保持されたのを契機として、モード移行チャンス(本実施形態では、「歌姫チャンス」)を実行するか否かの抽選が行われるのであるが、振分機構450に遊技球が保持されない場合にも、「第1モード」又は「第2モード」への移行抽選が行われる。そして、「第1モード」又は「第2モード」への移行が決定された後、次変動から変動パターンに基づく実行抽選が行われる。そして、この実行抽選における当選によってはじめて、「第1モード」又は「第2モード」へ移行させられるようになっている。ただし、振分機構450に遊技球が保持されない場合は、保持された場合と比べて、「第1モード」又は「第2モード」へ移行する確率が低くなっている。
このように、本実施形態の「チャンス目特殊態様」では、小当たりまたは短当たりが導出されるのみならず、オールマイティー図柄(A図柄)による演出や演出用役物420のモード抽選演出が行われるため、当たりやモード移行への期待感を向上させて興趣の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、遊技領域37に向けて遊技者が自ら打ち込んだ遊技球が演出用開閉装置398に受け入れられ、この受け入れられた遊技球を用いてフィギュア424によるモード移行の演出が行われる。これにより、第一種の遊技機でありながらも、第二種の遊技機のような感覚(即ち、自ら打ち込んだ遊技球を用いて遊技結果が決まる感覚)で遊技を行うことができるので、ひいては興趣の低下を抑制できる。
なお、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示し、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示し、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止した後、装飾図柄1153が再びスクロールして、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に変化することは既に述べた。このオールマイティー図柄(A図柄)への置換を演出する変動において、上記「チャンス目特殊態様」では、装飾図柄1153が所定の図柄(本実施形態では「1」,「3」,「2」)で停止表示される。これに対し、本実施形態には、オールマイティー図柄(A図柄)への置換を演出する変動において、装飾図柄1153が所定の確変大当たり図柄(本実施形態では「1」,「1」,「1」)で停止表示される態様が含まれる。この態様は、変動番号45の「チャンス目(確変長当たり)」に基づく変動時に実行される。この場合、オールマイティー図柄(A図柄)への置換は実質的に意味をなさないものとなるが、いきなり確変長当たりが導出されるため、遊技者に驚きを与え、遊技者を歓喜させることが可能となる。結果として、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
[長当たり演出態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1における長当たり遊技を演出する特殊演出を伴う遊技演出態様である「長当たり演出態様」について、図99を参照して説明する。図99は、「長当たり演出態様」の実行時に演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図99(A)は、長当たりを導出する態様を示す図、図99(B)〜(E)が、長当たり遊技中の態様を示す図、図99(F)〜(H)が、長当たり遊技終了後のモード抽選時の態様を示す図、図99(I)〜(J)が、長当たり遊技終了後の態様を示す図、である。
まず、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cが同一の停止図柄となると(すなわち、大当たり変動が終了すると)、図99(A)に示すように、長当たり遊技の開始を導出する演出が表示され、以下、開閉装置397の開閉動作が15ラウンド実行され、それに伴って演出画像表示装置115の演出画像(キャラクタを含む。)やスピーカ28の音声(楽曲を含む。)による当たり演出が行われる。そして、図99(B)に示すように、演出用開閉装置398に向けて遊技球を射出することを促す演出(例えば、上方向に向いた矢印画像)が表示されるとともに、演出用開閉装置398の開閉動作が2ラウンド行われる。次に、図99(C)に示すように、大当たり遊技用開閉装置400に向けて遊技球を射出することを促す演出(例えば、下方向に向いた矢印画像)が表示されるとともに、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が12ラウンドに亘って行われる。
なお、本実施形態では14ラウンド目に、図99(D)に示すように、演出画像表示装置115に複数のキャラクタ(ここでは、第2〜第4のキャラクタ)が選択可能に表示され、遊技者が演出選択スイッチ60を押下することで任意のキャラクタを選択できるようになっている。そして、図99(D)の演出画面で選択されたキャラクタに対応して、後述する長当たり後モード抽選演出が実行される。
最後に、図99(E)に示すように、演出用開閉装置398に向けて遊技球を射出することを促す演出(例えば、上方向に向いた矢印画像)が表示されるとともに、演出用開閉装置398の開閉動作が1ラウンドのみ行われる。以上により、計15ラウンドの長当たり遊技が終了する。そして、長当たり遊技の終了に際して、図99(D)の演出画面で選択されたキャラクタに応じて各々異なる長当たり後モード抽選演出が実行される。
具体的には、第2のキャラクタが選択された場合は、図99(F)に示す長当たり後モード抽選演出(プレート演出)が実行される。このプレート演出では、第2のキャラクタが移動しながらモード移行先を表した複数のパネルを順に指定していき、第2のキャラクタが停止して最後に指定したパネルに表されたモードに移行する。また、第3のキャラクタが選択された場合は、図99(G)に示す長当たり後モード抽選演出(一発告知演出)が実行される。この一発告知演出では、第3のキャラクタの動作に合わせて移行先のモードのみが表示され、当該モードに移行する。また、第4のキャラクタが選択された場合は、図99(H)に示す長当たり後モード抽選演出(役物抽選演出)が実行されるが、この役物抽選演出の詳細は後述する。
そして、本実施形態における長当たり遊技の終了後は、図99(F)〜(H)の長当たり後モード抽選演出によって、当該長当たりが「確変時短付長当たり」であれば、図99(I)に示すように、確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する確変モード(ライブモード)に移行する。一方、当該長当たりが「通常長当たり」であれば、図99(J)に示すように、長当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみが発生する時短モード(プライベートモード)に移行する。
ここで、長当たり後モード抽選演出(役物抽選演出)について、図100を参照しつつ説明する。図100は、長当たり後モード抽選演出(役物抽選演出)時の演出画像表示装置115および演出用役物420の正面図である。この役物抽選演出では、15ラウンド目の演出用開閉装置398の開閉動作によって振分機構450に保持された遊技球を用いて、演出用役物420によるモード抽選演出が行われる。
すなわち、図99(D)の演出画面で第4のキャラクタが選択されると、図97と同様に、15ラウンド目に演出用開閉装置398へ遊技球が入賞すると振分機構450により当該遊技球が保持される。そして、パチンコ機1の正面側(すなわち、遊技者側)からは、役物誘導路440において遊技球が転動する態様を視認でき、また、振分機構450に遊技球が保持されていることを視認可能である。なお、1〜2ラウンド目の演出用開閉装置398の開閉動作では、遊技球が入賞しても振分機構450は当該遊技球を保持しない。これは、演出用役物420によるモード抽選演出を、あくまで遊技者がその直前(すなわち、15ラウンド目)に演出用開閉装置398へ入賞させた遊技球を用いて実行するためである。これにより、遊技者はモード抽選演出に用いられる遊技球が自ら入賞させたものであることを確実に把握できるため、興趣の低下を抑制することができる。
従って、第一種の遊技機でありながらも、第二種の遊技機のように、自ら打ち込んだ遊技球を用いて遊技結果が決まる感覚で遊技を行うことができるので、興趣の低下を抑制できる。
また、図99(D)の演出画面で第2または第3のキャラクタが選択された場合は演出用役物420による演出は行われないため、15ラウンド目に演出用開閉装置398へ遊技球が入賞しても、振分機構450に当該遊技球は保持されない。また、第4のキャラクタが選択されると演出用役物420による演出が必ず実行されるため、振分機構450に遊技球が保持されていることを導出する演出(具体的には、図97に示す「CHANCE」)は表示されない。
そして、図100に示すように、演出用役物420によるモード抽選演出では、演出用役物420が回転駆動されて、役物収容体422の内部に配置されたフィギュア424が正面側(すなわち、遊技者側)に向けられる。そして、振分機構450に保持された遊技球が第1演出樋426に導かれる。そして、第1演出樋426が第1の演出口432に向けて下方に傾斜した態様(図26(a)参照)と、第1演出樋426が第2演出樋誘導口434に向けて下方に傾斜した態様とが繰り返されて(図26(b))、当該遊技球が第1演出樋426上を左右方向に転動する演出動作が行われる。
ここで、図100に示すように、図99(H)の演出画面に表示された「時短モード」(プライベートモード)の矢印は第1の演出口432を指しており、「確変モード」(ライブモード)の矢印は第2の演出口436を指している。そのため、第1演出樋426が第1の演出口432に向けて傾斜して遊技球が第1の演出口432に入賞すると、モード移行先として「時短モード」が選択される。一方、第1演出樋426が第2演出樋誘導口434に向けて傾斜して、遊技球が第2演出樋428上を転動して第2の演出口436に入賞すると、モード移行先として「確変モード」が選択される。
図99に戻り、演出用役物420のモード抽選演出により「確変モード」が選択されると、図99(I)に示すように「確変モード」に移行する。「確変モード」では、次回の大当たりまで確変遊技状態および時短遊技状態が実行され、演出画像表示装置115に表示される演出画像の背景が通常モード(図65等参照)および「時短モード」とは異なっている。よって、遊技者にとってきわめて有利な遊技状態である「確変モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
一方、演出用役物420のモード抽選演出により「時短モード」が選択されると、図99(J)に示すように「時短モード」に移行する。「時短モード」では、所定回数(ここでは、100回)の変動がなされるまで時短遊技状態が実行され、演出画像表示装置115に表示される演出画像の背景が通常モード(図65等参照)とは異なっている。よって、遊技者にとって有利な遊技状態である「時短モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
このように、本実施形態の「長当たり演出態様」では、長当たり遊技が各種の画像や音声などで演出されるのみならず、長当たり後モード抽選演出の態様を遊技者が任意に選択できるので、遊技の興趣の低下を抑制することができる。特に、長当たり後モード抽選演出(役物抽選演出)では、長当たり遊技終了直前(すなわち、15ラウンド目)に演出用開閉装置398へ入賞した遊技球を使用して演出用役物420による演出が行われるため、モード移行への期待感を一層向上させることができる。
[確変遊技演出態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1における確変遊技を演出する特殊演出を伴う遊技演出態様である「確変遊技演出態様」について、図101〜図103を参照して説明する。本実施形態では、長当たり遊技後の確変遊技状態において、以下に説明するような第2〜第4のキャラクタ(楽曲B〜楽曲D)の歌唱演出(すなわち、確変遊技演出態様)が、次の長当たりの導出に至るまで実行される。以下では、各キャラクタ(楽曲)ごとの「確変遊技演出態様」について説明する。
まず、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」について、図101を参照しつつ説明する。図101は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」の実行時に演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図101(A)は、確変遊技を導出する態様を示す図、図101(B)〜(H)が、確変遊技中の態様を示す図である。
図101(A)に示すように、長当たり遊技が終了した後に「確変モード」へ移行し(即ち、確変遊技状態に移行し)、変動番号46〜54の変動コマンドのいずれかが選択された場合は、以下の第2のキャラクタ(楽曲B)の歌唱演出が当該変動コマンドに基いて実行される。すなわち、図101(B)〜(E)に示すように、4枚の扉が左右方向から順に閉まっていく演出(すなわち、最大4回の扉演出)が行われるとともに、それに応じて楽曲Bの各パーツがキャラクタの歌唱演出とともに出力される。ここで、この楽曲Bは連続する5つのパーツ(第1パーツ〜第5パーツ)から構成されており、先頭の第1パーツはいわゆる楽曲Bの前奏である(他の楽曲C,Dについても同様)。なお、確変遊技状態では、通常遊技状態のように、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が複数の図柄列によってリーチ演出を行うのではなく(形式的には、抽選結果が導出されるまで変動表示を行っている)、キャラクタによる歌唱演出そのものがリーチ演出となる。
詳細には、第2のキャラクタ(楽曲B)の歌唱演出の開始から1枚目の扉が閉まるまで、先頭の第1パーツがキャラクタの歌唱演出とともに出力される(図101(B)参照)。第2のキャラクタが閉まっていく1枚目の扉の正面側に抜け出す演出がなされれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して2枚目の扉が閉まるまで次の第2パーツが出力される(図101(C)参照)。第2のキャラクタが閉まっていく2枚目の扉の正面側に抜け出す演出がなされれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して3枚目の扉が閉まるまで次の第3パーツが出力される(図101(D)参照)。第2のキャラクタが閉まっていく3枚目の扉の正面側に抜け出す演出がなされれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続されて4枚目の扉が閉まるまで次の第4パーツが出力される(図101(E)参照)。最後に、第2のキャラクタが閉まっていく4枚目の扉の正面側に抜け出す演出がなされれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して最終パーツ(第5パーツ)が出力される(図101(G)参照)。つまり、第2のキャラクタが閉まっていく扉の正面側に順次抜け出すことができれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して楽曲Bにおける続き部分がスピーカ18から出力される。一方、図101(F)に示すように、第2のキャラクタが閉まっていく扉の背面側に隠蔽されると、当該キャラクタの歌唱演出が終了して楽曲Bの出力も中断される。このように、扉演出によって第2のキャラクタの歌唱演出が中断されて外れとなる場合が、変動番号46の「歌リーチB扉n枚目外れ」に基く変動に相当する。
なお、「n枚目」とは、確変遊技演出態様では上述のように最大4回まで扉演出が連続して行われるところ、何番目(n番目)の扉演出で当該変動が確定されるかを示す。以下についても同様である。
そして、図101(G)に示すように、第2のキャラクタが4枚の扉のいずれにも隠蔽されずに歌唱演出が継続すると、当該キャラクタに対応する楽曲B全体が中断されずに出力されたことになる。これにより、図101(H)に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cが全て同じ停止図柄となる大当たり変動が実行されるとともに、第2のキャラクタが大当たりを導出する所定のポーズをとる演出が行われる。以降は、先述と同様に、長当たり遊技および長当たり演出態様が実行される。
このように、第2のキャラクタによる楽曲Bの歌唱演出が完遂されて当たりとなる場合が、変動番号51の「歌リーチB完走長当たり」に基く変動に相当する。なお、扉演出によって楽曲Bの歌唱演出が中断されても、第2のキャラクタの歌唱演出が復活して当たりとなる場合がある。これが、変動番号52〜54の「歌リーチB扉n枚目復活長当たり」に基く変動に相当する。また、扉演出によって楽曲Bの歌唱演出が中断されたが小当たりまたは短当たりに当選する場合が、変動番号47〜48の「歌リーチB扉n枚目短当たり」および変動番号49〜50の「歌リーチB扉n枚目小当たり」に基く変動に相当する。
次に、第3のキャラクタ(楽曲C)の「確変遊技演出態様」について、図102を参照しつつ説明する。図102は、第3のキャラクタ(楽曲C)の「確変遊技演出態様」の実行時に演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図102(A)は、確変遊技を導出する態様を示す図、図102(B)〜(H)が、確変遊技中の態様を示す図である。
第3のキャラクタ(楽曲C)の「確変遊技演出態様」の流れ(図102(A)〜(H)参照)は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」の流れ(図101(A)〜(H)参照)と基本的に同じである。図102(A)に示すように、長当たり遊技が終了した後に「確変モード」へ移行し、変動番号55〜63の変動コマンドのいずれかが選択された場合は、以下の第3のキャラクタ(楽曲C)の歌唱演出が当該変動コマンドに基いて実行される。すなわち、図102(B)〜(E)に示すように最大4回の扉演出が行われ、第3のキャラクタが閉まっていく扉の正面側に順次抜け出すことができれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して楽曲Cの続きがスピーカ18から出力される。一方、図102(F)に示すように、第3のキャラクタが閉まっていく扉の背面側に隠蔽されると、当該キャラクタの歌唱演出が終了して楽曲Cの出力も中断される。そして、図102(G)に示すように、第3のキャラクタが4枚の扉のいずれにも隠蔽されずに歌唱演出が継続すると、当該キャラクタに対応する楽曲C全体が中断されずに出力されたことになる。これにより、図102(H)に示すように大当たり変動が実行されるとともに、第3のキャラクタが大当たりを導出する所定のポーズをとる演出が行われ、以降は長当たり遊技および長当たり演出態様が実行される。
そのため、第3のキャラクタ(楽曲C)の「確変遊技演出態様」についての各変動コマンド(変動番号55〜63)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」についての各変動コマンド(変動番号46〜54)と同様である。ただし、第3のキャラクタの歌唱演出(図102(B)〜(G)参照)は、第2のキャラクタの歌唱演出(図101(B)〜(G)参照)とは異なる演出画像や効果音などで実行される。
次に、第4のキャラクタ(楽曲D)の「確変遊技演出態様」について、図103を参照しつつ説明する。図103は、第4のキャラクタ(楽曲D)の「確変遊技演出態様」の実行時に演出画像表示装置115で表示される態様を示す図である。すなわち、図103(A)は、確変遊技を導出する態様を示す図、図103(B)〜(H)が、確変遊技中の態様を示す図である。
第4のキャラクタ(楽曲D)の「確変遊技演出態様」の流れ(図103(A)〜(H)参照)は、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」の流れ(図101(A)〜(H)参照)と基本的に同じである。図103(A)に示すように、長当たり遊技が終了した後に「確変モード」へ移行し、変動番号64〜72の変動コマンドのいずれかが選択された場合は、以下の第4のキャラクタ(楽曲D)の歌唱演出が当該変動コマンドに基いて実行される。すなわち、図103(B)〜(E)に示すように最大4回の扉演出が行われ、第4のキャラクタが閉まっていく扉の正面側に抜け出すことができれば、当該キャラクタの歌唱演出が継続して楽曲Dの続きがスピーカ18から出力される。一方、図103(F)に示すように、第4のキャラクタが閉まっていく扉の背面側に隠蔽されると、当該キャラクタの歌唱演出が終了して楽曲Dの出力も中断される。そして、図103(G)に示すように、第4のキャラクタが4枚の扉のいずれにも隠蔽されずに歌唱演出が継続すると、当該キャラクタに対応する楽曲D全体が中断されずに出力されたことになる。これにより、図103(H)に示すように大当たり変動が実行されるとともに、第4のキャラクタが大当たりを導出する所定のポーズをとる演出が行われ、以降は長当たり遊技および長当たり演出態様が実行される。
そのため、第4のキャラクタ(楽曲D)の「確変遊技演出態様」についての各変動コマンド(変動番号64〜72)も、第2のキャラクタ(楽曲B)の「確変遊技演出態様」についての各変動コマンド(変動番号46〜54)と同様である。ただし、第4のキャラクタの歌唱演出(図103(B)〜(G)参照)は、第2のキャラクタの歌唱演出(図101(B)〜(G)参照)および第3のキャラクタの歌唱演出(図102(B)〜(G)参照)とは異なる演出画像や効果音などで実行される。
このように、本実施形態の「確変遊技演出態様」では、確率変動遊技がキャラクタの歌唱演出および扉演出によって演出されるのみならず、キャラクタの歌唱演出(すなわち、楽曲の出力)が継続すればするほど当たりへの期待感が向上するため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、従来のように複数の図柄列によってリーチ演出を行うことなく、キャラクタの歌唱演出および扉演出によって(即ち、演出画像表示装置115における画像演出およびスピーカ18,57による音声出力によって)、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選に当選している期待感を遊技者に抱かせるリーチ演出を行っている。本来、演出画像表示装置115における画像演出は、複数の図柄列によるリーチ態様を盛り上げるために行われるものであるが、本実施形態のように、複数の図柄列によってリーチ演出を行うことなく画像演出およびスピーカ18,57による音声出力のみでリーチ演出を行うことによって、遊技者は、図柄列の変動表示に注意を払うことなくキャラクタによる歌唱に聞き入ることができるので、興趣の低下を抑制できる。
上述した本実施形態の遊技機は、以下の構成を備える。なお、以下の構成は単独で、若しくは、適宜組み合わされて備えられている。
[構成1]
遊技領域が形成され、当該遊技領域に向け遊技球が打ち込まれる遊技盤と、
該遊技盤の遊技領域に配置され、遊技球が入賞可能な始動口と、
該始動口に遊技球が入賞したことを検出する始動検出手段と、
前記遊技領域に配置され、閉状態と開状態とを変化可能となっており、前記閉状態から前記開状態に変化させられることで遊技球が入賞可能となる開閉装置と、
該開閉装置に遊技球が入賞したことを検出する入賞検出手段と、
少なくとも数字図柄及び絵柄から構成される図柄の変動表示を行うための変動表示手段と、
少なくとも変動表示のパターンである複数の変動パターンを記憶する変動情報記憶手段と、
前記始動検出手段による遊技球の検出に基づいて抽選を行う抽選手段、
前記変動情報記憶手段に記憶された前記変動パターンに基づいて、前記変動表示手段に、変動表示を行い、前記抽選手段による抽選結果に応じた停止表示を行う変動表示制御手段、
前記抽選手段による抽選に当選したことに応じ、前記開閉装置の開閉動作を行い、遊技者に遊技価値を付与可能な大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段、を少なくとも有する遊技制御手段とを備えた遊技機において、
前記変動情報記憶手段は、前記変動表示に用いられる図柄に関する情報を記憶する図柄情報記憶手段を含み、
前記遊技制御手段は、前記図柄情報記憶手段に記憶された情報を変更することにより、通常図柄の一部を、見た目の異なる図柄である特殊図柄へ変更可能な図柄変更手段を有しており、
前記図柄変更手段は、少なくとも遊技状態に係る所定条件の成立に際して、前記絵柄のみを変更することにより、前記通常図柄を前記特殊図柄へ変更し、
前記図柄情報記憶手段は、前記変更された前記特殊図柄に関する情報を、少なくとも次回の変動表示まで記憶し、
前記変動表示制御手段は、前記図柄情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記特殊図柄を含む図柄の変動表示を実行可能となっており、
前記遊技制御手段は、さらに、前記変動表示手段によって前記特殊図柄が停止表示されると、前記図柄情報記憶手段に記憶された情報を変更することにより、前記絵柄を復元することで、前記特殊図柄を前記通常図柄に復元可能な図柄復元手段を有していることを特徴とする遊技機。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技領域37が形成された遊技盤5を備えており、遊技媒体としての遊技球が遊技領域37に向けて打ち込まれる。遊技領域37には、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が入賞可能な始動口(第1始動口390、第2始動口392、第3始動口394)と、閉状態と開状態とを変化可能となっており、閉状態から開状態に変化させられることで遊技球が入賞可能となる開閉装置397(大当たり遊技用開閉装置400、演出用開閉装置398)と、少なくとも図柄(装飾図柄1153)の変動表示を行うための変動表示手段(演出表示装置115)とが配置されている。また、パチンコ機1は、上記始動口に遊技球が入賞したことを検出する始動検出手段(第1始動口センサ580、第2始動口センサ582、第3始動口センサ584)と、上記開閉装置397に遊技球が入賞したことを検出する入賞検出手段(大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ576、演出用開閉装置カウントセンサ570)と、遊技制御手段(主制御基板510、CPU611および表示装置制御基板116)とを備えている。この遊技制御手段は、抽選手段(第1特別図柄抽選手段700、第2特別図柄抽選手段710)、変動表示制御手段(演出画像表示制御手段616)、大当たり遊技実行手段515、を少なくとも有している。
ここで特に、パチンコ機1では、通常図柄(装飾図柄1153)の一部を、見た目の異なる図柄である特殊図柄(オールマイティー図柄)へ変更可能な図柄変更手段を有している。本実施形態では、変動パターンを記憶する変動情報記憶手段(表示装置制御基板116のRAM634)に、変動表示に用いられる図柄に関する情報を記憶する図柄情報記憶手段(RAM634)が含まれている。これにより、上記図柄変更手段は、RAM634に記憶された情報を変更することで、装飾図柄1153の一部をオールマイティー図柄(A図柄)へ変更する。
具体的には、図95(A)に示すように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止し、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止し、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止すると、短当たり、小当たり、または、確変長当たりが導出される。この停止態様から、図95(B)に示すように、装飾図柄1153は再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cがオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。
装飾図柄1153は、図65等に示したように、「1」〜「8」の数字図柄と、当該数字図柄に対応する絵柄とで構成されている。絵柄は、歌姫のキャラクタ画像、又は、「歌」、「姫」、「伝説」という文字画像で構成されている。上記図柄変更手段は、この文字画像で構成される絵柄を、文字画像「A」で構成される絵柄に変更することで、装飾図柄1153をオールマイティー図柄(A図柄)へ変更する。また、図柄変更手段は、少なくとも遊技状態に係る所定条件の成立に際して、装飾図柄1153をオールマイティー図柄(A図柄)へ変更する。
そして、演出画像表示制御手段616により、RAM634に記憶された情報に基づいて、オールマイティー図柄(A図柄)を含めた図柄の変動表示が実行される。すなわち、その後の複数の変動表示において、オールマイティー図柄(A図柄)を用いた変動表示が実行される。
また、演出画像表示制御手段616によりオールマイティー図柄(A図柄)が停止表示されると、図柄復元手段によって、図柄情報記憶手段(RAM634)に記憶された情報が変更されて、オールマイティー図柄(A図柄)が装飾図柄1153へ復元される。より詳しくは、絵柄「A」が元の絵柄に戻される。
従来、例えばリーチ態様が形成された場合などに図柄を変化させる遊技機はあったが、それはあくまでも一変動における図柄変化であった。そのため、その変動の終了後には、図柄は元の図柄に戻ってしまい、大当たり遊技への継続的な期待感を抱かせることは困難となっていた。
この点、構成1では、図柄変更手段が、通常図柄の一部を特殊図柄へ変更し、変動表示制御手段により、特殊図柄を含めた図柄の変動表示が実行される。このように特殊図柄を変動表示に利用することで、変動表示自体を興趣の高いものとすることができ、遊技者に大当たり遊技への期待感を芽生えさせることができる。
特に、図柄変更手段が少なくとも遊技状態に係る所定条件の成立に際して通常図柄を特殊図柄へ変更する構成であるため、特殊図柄への変更により、例えば有利な遊技状態へ移行したのではないか、という期待感につながりやすい。
しかも、絵柄のみを変更するため、特殊図柄が元の絵柄に対応する数字図柄を有することになり、例えば図柄の停止表示にあたって低速でのスクロール変動を行う構成などでは特に、図柄列の順序を認識可能となるため、停止図柄を予測し易くなる。これにより、図柄停止直前の期待感を高めることができる。なお、「絵柄のみを変更する」とあるのは、数字図柄の有する図柄の並び順を示す機能を保持する趣旨である。したがって、数字図柄が見た目の異なるものに変更されてもよい。すなわち、「前記絵柄のみを変更することにより」とあるのを、「数字図柄の示す数値情報を変更することなく、前記絵柄、又は、前記絵柄及び前記数字図柄を変更することにより」としてもよい。
また、特殊図柄が停止表示されると、図柄復元手段によって特殊図柄が通常図柄へ復元される。このように特殊図柄が消化されていくことで、遊技者に大当たりへの過度の期待を抱かせることがなく、一方、特殊図柄のすべてが消化されるまで、遊技者の大当たり遊技への期待感を持続させることができる。
これらのことから、構成1によれば、抽選結果の導出に先立つ図柄の変動停止態様の単調さを解消することができ、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、従来、ある期間内、複数変動に渡って背景画像やBGMを変化させ、大当たりとなるための条件等を提示する演出(ミッションモードなどと称される)が知られている。しかし、このような演出では、この期間内に大当たり抽選に当選しなければ、そのまま通常遊技状態に戻ってしまうため、却って遊技の興趣を低下させてしまうおそれがあった。
この点においても、構成1では、特殊図柄を用いた変動表示が実行されるため、例えば特殊図柄が停止表示されることで特別の演出を行う構成とすれば、遊技者は変動表示自体を楽しむことができ、たとえ大当たり抽選に当選しなかったとしても、その間の遊技を楽しむことができる。結果として、遊技の興趣の低下を確実に抑制することが可能となる。
[構成2]
構成1に記載の遊技機において、
前記図柄を構成する前記絵柄は、前記数字図柄よりも認識しやすくなっていることを特徴とする遊技機。
構成2によれば、図柄を構成する絵柄が数字図柄よりも認識しやすくなっているため、特殊図柄を構成する絵柄が分かり易いものとなり、特殊図柄を用いた変動表示が興趣の高いものとなる。
なお、認識しやすい構成として、「前記数字図柄に対して前記絵柄の輝度を高くしたこと」としてもよい。ここでいう輝度は、平均輝度、最高輝度、最小輝度などとすることができる。また、「前記数字図柄に対して前記絵柄の彩度を高くすること」としてもよい。ここでいう彩度は、平均彩度、最高彩度、最小彩度などとすることができる。
[構成3]
構成2に記載の遊技機において、
前記図柄を構成する前記絵柄は、前記数字図柄よりも大きくなっていることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、装飾図柄1153は、図65等に示したように、「1」〜「8」の数字図柄と当該数字図柄に対応する絵柄とで構成されており、絵柄が数字図柄よりも大きくなっている。
構成3によれば、図柄を構成する絵柄が数字図柄よりも大きくなっているため、特殊図柄を構成する絵柄が分かり易いものとなり、特殊図柄を用いた変動表示がより興趣の高いものとなる。
[構成4]
構成3に記載の遊技機において、
前記数字図柄に対する前記絵柄の縦又は横の比率を、2倍以上としたことを特徴とする遊技機。
本実施形態では、数字図柄に対する絵柄の縦横の比率が約2.7倍となっている。
構成4によれば、特殊図柄を構成する絵柄がより目立つものとなり、特殊図柄を用いた変動表示がより興趣の高いものとなる。
[構成5]
構成3に記載の遊技機において、
前記数字図柄に対する前記絵柄の面積の比率を、5倍以上としたことを特徴とする遊技機。
本実施形態では、数字図柄に対する絵柄の面積の比率が約7倍となっている。
構成5によれば、特殊図柄を構成する絵柄がより目立つものとなり、特殊図柄を用いた変動表示がより興趣の高いものとなる。
[構成6]
構成1乃至5のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、特定の通常図柄を、前記特殊図柄に変更可能であることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの特定の図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に変更される。すなわち、装飾図柄1153に新たな図柄が追加されるのではなく、もともとある装飾図柄1153のうちの特定の図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に変更される。具体的に、特定の装飾図柄1153は、左図柄列1153aの「歌」図柄、「姫」図柄、及び、「伝説」図柄、並びに、右図柄列1153cの「歌」図柄、「姫」図柄、及び、「伝説」図柄となっている。
構成6によれば、特定の通常図柄が特殊図柄に変更されるため、特殊図柄が追加されて図柄の全体数が増える構成と比べ、例えば特殊図柄の停止表示によって特別の演出を行う構成であれば、見かけ上、当該特別の演出の導出確率が上がったような感覚を遊技者に抱かせることができる。
[構成7]
構成6に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記特殊図柄への変更数を決定する変更数決定手段と、該変更数決定手段にて決定される個数分だけ前記特定の通常図柄を前記特殊図柄へ変更する変更手段とを有していることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、A図柄使用数設定処理を実行することにより(図78〜図80参照)、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数(変更数)をセットする。ここでオールマイティー図柄(A図柄)の設定数は、遊技状態に基づきテーブル(図83及び図84)を参照して決定される。そして、決定された個数分だけ、特定の装飾図柄1153をオールマイティー図柄(A図柄)へ変更する。なお、A図柄使用数設定処理を実行する周辺制御基板610が「変更数決定手段」を構成し、表示装置制御基板116の演出画像表示制御手段616が「変更手段」を構成し、周辺制御基板610及び演出画像表示制御手段616が「図柄変更手段」を構成する。
構成7によれば、変更数決定手段により特殊図柄への変更数が決定され、決定された個数分だけ、変更手段によって、特定の通常図柄が特殊図柄へ変更される。つまり、変更対象となる通常図柄が予め特定されていることにより、特殊図柄への変更数を決定することで変更が行われる構成となっている。これにより、図柄変更手段の制御構成が比較的簡単なものになる。また、特殊図柄への変更数が一律でないため、遊技の興趣を向上させることができる。
[構成8]
構成7に記載の遊技機において、
前記特殊図柄への変更数を決定するための変更数決定テーブルを記憶する変更テーブル記憶手段を備え、
前記変更数決定手段は、前記変更テーブル記憶手段に記憶された前記変更数決定テーブルに基づいて、前記特殊図柄への変更数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、A図柄使用数設定処理を実行することにより(図78〜図80参照)オールマイティー図柄(A図柄)の設定数(変更数)がセットされるのであるが、この設定数は、遊技状態に基づきテーブル(図83及び図84参照)を参照して決定される。なお、図83及び図84のテーブルを記憶する周辺制御基板610のROM612が「変更テーブル記憶手段」を構成する。
構成8によれば、変更テーブル記憶手段に記憶された変更数決定テーブルに基づいて特殊図柄への変更数が決定されるため、変更数の決定処理が比較的容易になる。また、例えば遊技状態などに応じて複数の変更数決定テーブルを用意することにより、遊技状態などに基づく変更数の振り分けが比較的簡単になる。
[構成9]
構成1乃至8のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄復元手段は、前記特殊図柄の復元数を決定する復元数決定手段と、該復元数決定手段にて決定される個数分だけ前記特殊図柄を前記通常図柄へ復元する復元手段とを有していることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、図81のA図柄消費処理に示したように、変動パターンに基づいてA図柄消費数(復元数)が抽選される(ステップS344791)。ここで、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数は、遊技状態に基づきテーブル(図85参照)を参照して決定される。そして、決定された個数分だけ、オールマイティー図柄(A図柄)が装飾図柄1153へ復元される。
また、図95(A)に示すように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止し、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止し、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止すると、短当たり、小当たり、または、確変長当たりが導出されることは既に述べた。このとき、図82のチャンス時A図柄消費処理に示したように、左図柄列1153aの「歌」図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に変更されている場合、あるいは、左図柄列1153aの「歌」図柄と共に右図柄列1153cの「姫」図柄がオールマイティー図柄(A図柄)に変更されている場合には、オールマイティー図柄(A図柄)の停止時に装飾図柄1153へ復元される。
なお、A図柄消費処理及びチャンス時A図柄消費処理を実行する周辺制御基板610が「復元数決定手段」を構成し、表示装置制御基板116の演出画像表示制御手段616が「復元手段」を構成する。
構成9によれば、復元数決定手段により特殊図柄の復元数が決定され、決定された個数分だけ、復元手段によって通常図柄への復元が行われる。つまり、復元対象となる特殊図柄が予め特定されていることにより、特殊図柄の復元数を決定することで復元が行われる構成となっている。これにより、図柄復元手段の制御構成が比較的簡単なものになる。また、特殊図柄の復元数が一律でないため、遊技の興趣を向上させることができる。
[構成10]
構成9に記載の遊技機において、
前記特殊図柄の復元数を決定するための復元数決定テーブルを記憶する復元テーブル記憶手段を備え、
前記復元数決定手段は、前記復元テーブル記憶手段に記憶された前記復元数決定テーブルに基づいて、前記特殊図柄の復元数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、A図柄消費処理及びチャンス時A図柄消費処理を実行することにより(図81,図82参照)オールマイティー図柄(A図柄)の消費数(復元数)がセットされるのであるが、この消費数は、遊技状態に基づきテーブル(図85参照)を参照して決定される。なお、図85のテーブルを記憶する周辺制御基板610のROM612が「復元テーブル記憶手段」を構成する。
構成10によれば、復元テーブル記憶手段に記憶された復元数決定テーブルに基づいて特殊図柄の復元数が決定されるため、復元数の決定処理が比較的容易になる。また、例えば遊技状態などに応じて複数の復元数決定テーブルを用意することにより、遊技状態などに基づく復元数の振り分けが比較的簡単になる。
[構成11]
構成1乃至10のいずれかに記載の遊技機において、
前記変動表示制御手段によって、前記特殊図柄が停止表示されると、特別の演出が実行されるようになっており、
前記図柄復元手段は、前記停止表示された特殊図柄を、前記特別の演出のための通常図柄へ変更可能であり、その後、変更前の通常図柄へ復元可能であることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、特定の装飾図柄1153がオールマイティー図柄(A図柄)に変化した後の変動において、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄のいずれか一方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ずリーチが発生するように制御される。この場合は、他方の停止図柄(装飾図柄1153)に合わせてオールマイティー図柄(A図柄)が変更される。また、左図柄列1153aの停止図柄および右図柄列1153cの停止図柄の双方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ず長当たりが発生するように制御される。そして、その後、オールマイティー図柄(A図柄)は変更前の装飾図柄1153へ復元されることになる。
構成11によれば、特殊図柄が停止表示されると特別の演出が実行されるようになっているため、特殊図柄を用いた変動表示が興趣の高いものとなる。また、停止表示された特殊図柄が特別の演出のための通常図柄へ変更されて、その後、変更前の通常図柄へ復元される。このように停止表示された特殊図柄が消化されていくことで、遊技者に過度の期待を抱かせることがなく、一方、特殊図柄のすべてが消化されるまで、遊技者の期待感を持続させることができる。
[構成12]
構成11に記載の遊技機において、
前記変動表示制御手段は、第1図柄列、第2図柄列、第3図柄列の順に前記図柄を停止表示し、
前記図柄変更手段は、前記第1図柄列及び前記第2図柄列の特定の通常図柄を前記特殊図柄へ変更し、
前記変動表示制御手段によって、前記第1又は第2図柄列に前記特殊図柄が停止表示されると、少なくともリーチ演出が実行されるようになっており、
前記図柄復元手段は、前記第1又は第2図柄列に停止表示された特殊図柄を、他方の図柄列に停止表示された通常図柄に合わせリーチ態様が形成されるよう変更可能であり、その後、変更前の通常図柄へ復元可能であることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、第1図柄列(左図柄列1153a)の停止図柄および第2図柄列(右図柄列1153c)の停止図柄のいずれか一方がオールマイティー図柄(A図柄)となる場合は、必ずリーチが発生するように制御される。この場合は、他方の停止図柄(装飾図柄1153)に合わせてオールマイティー図柄(A図柄)が変更される。そして、その後、オールマイティー図柄(A図柄)は変更前の装飾図柄1153へ復元されることになる。
構成12によれば、特殊図柄が停止表示されるとリーチ演出が実行されるようになっているため、特殊図柄を用いた変動表示が大当たりへの期待の高いものとなる。また、停止表示された特殊図柄がリーチ演出のための通常図柄へ変更されて、その後、変更前の通常図柄へ復元される。このように停止表示された特殊図柄が消化されていくことで、遊技者に大当たりに対する過度の期待を抱かせることがなく、一方、特殊図柄のすべてが消化されるまで、遊技者の大当たりへの期待感を持続させることができる。
[構成13]
構成1乃至12のいずれかに記載の遊技機において、
前記大当たり実行手段は、少なくとも、遊技球が十分に入賞可能な態様で前記開閉装置の開閉動作を行う長当たり遊技を実行する長当たり遊技実行手段と、遊技球が十分には入賞しにくい態様で前記開閉装置の開閉動作を行う短当たり遊技を実行する短当たり遊技実行手段とを有し、
前記遊技制御手段は、前記抽選手段による抽選に当選したことに応じ、前記短当たり遊技と同様の態様で前記開閉装置の開閉動作を行う小当たり遊技を実行する小当たり遊技実行手段と、前記大当たり遊技実行手段による前記大当たり遊技の実行を決定するための抽選に係る遊技状態として、相対的に高い当選確率で抽選を行う高確率抽選遊技状態、又は、相対的に低い当選確率で抽選を行う低確率抽選遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を有し、
前記遊技状態制御手段は、前記短当たり遊技実行手段による前記短当たり遊技の終了後には前記短当たり遊技に当選する前の遊技状態にかかわらず前記高確率抽選遊技状態に制御し、前記小当たり遊技実行手段による前記小当たり遊技の終了後には前記小当たり遊技に当選する前の遊技状態に制御するようになっており、
前記図柄変更手段は、前記遊技状態に係る所定条件としての前記短当たり遊技実行手段による前記短当たり遊技の実行確定又は、前記小当たり遊技実行手段による前記小当たり遊技の実行確定を契機として、前記通常図柄を前記特殊図柄へ変更することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示され、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示され、中図柄列1153bのみが縦方向にスクロールする態様は、短当たり、小当たり又は確変長当たりに当選している可能性があるリーチ変動である(図67(G)参照)。そして、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示されると、短当たり遊技状態、小当たり遊技状態、又は、長当たり遊技状態の発生が確定する(図67(H)参照)。そして、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。そして、短当たり遊技状態の終了後には、短当たり遊技に当選する前の遊技状態にかかわらず大当たり遊技の当選確率が相対的に高い高確率状態(いわゆる確変状態)に制御される。
構成13によれば、短当たり遊技実行手段による短当たり遊技の実行確定、又は、小当たり遊技実行手段による小当たり遊技の実行確定を契機として、通常図柄が特殊図柄へ変更される。ここで短当たり遊技が実行された場合には、その後、大当たり遊技の当選確率が相対的に高い高確率抽選遊技状態に制御される。したがって、遊技者にとって、特殊図柄への変更自体が、高確率抽選遊技状態への移行を期待できる演出となり、遊技の興趣の向上に寄与する。
なお、通常、長当たり遊技においては、1ラウンドに、一定数の遊技球(例えば9個)を入賞させられるよう一定時間(例えば30秒)だけ開閉装置397が開状態とされる。開閉装置397は一定数の遊技球の入賞又は一定時間の経過により閉状態とされる。このように一定数の遊技球を入賞させることを目的とした場合、当該一定数に近い数(例えば7〜9個)の遊技球が入賞可能となるような態様が「遊技球が十分に入賞可能な態様」である。これに対し、当該一定数にはほど遠い数(例えば1〜3個)の遊技球しか入賞しない態様が「遊技球が十分には入賞しにくい態様」である。この意味において、「所定個数に近い数の遊技球を入賞させられる態様で前記開閉装置の開閉動作を行う長当たり遊技を実行する長当たり遊技実行手段」、「前記所定個数にほど遠い数の遊技球しか入賞させない態様で前記開閉装置の開閉動作を行う短当たり遊技を実行する短当たり遊技実行手段」としてもよい。
[構成14]
構成13に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記抽選手段による抽選により前記短当たり遊技又は前記小当たり遊技に当選すると、当該当選を示す変動後に実行される次変動に先立って、前記通常図柄を前記特殊図柄へ変更することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示され、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示され、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。
構成14によれば、短当たり遊技又は小当たり遊技への当選を示す変動後に実行される次変動に先立って通常図柄が特殊図柄へ変更されるため、次変動から特殊図柄を用いた変動表示が行われることになり、短当たり遊技又は小当たり遊技への当選を、特殊図柄を用いた変動表示によって確実に示唆することができる。
[構成15]
構成14に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記短当たり遊技又は前記小当たり遊技の当選を示す変動に合わせたタイミングで、前記通常図柄を前記特殊図柄へ変更することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。
構成15によれば、短当たり遊技又は小当たり遊技の当選を示す変動に合わせたタイミングで通常図柄が特殊図柄へ変更されるため、特殊図柄への変更演出によって、短当たり遊技又は小当たり遊技への当選を示唆することができる。
[構成16]
構成14に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記短当たり遊技又は前記小当たり遊技の当選を示す変動パターンによる変動表示が実行されると、前記通常図柄を前記特殊図柄へ変更することを特徴とする遊技機。
構成16においても、短当たり遊技又は小当たり遊技の当選を示す変動パターンによる変動表示が実行されると通常図柄が特殊図柄へ変更されるため、構成10と同様、特殊図柄への変更演出によって、短当たり遊技又は小当たり遊技への当選を示唆することができる。
[構成17]
構成15又は16に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記短当たり遊技又は前記小当たり遊技の当選を示す変動における変動表示に際し、前記通常図柄を前記特殊図柄へ変更することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。すなわち、短当たり又は小当たりの当選を示す変動表示中に、オールマイティー図柄(A図柄)への変更が行われる。
構成17によれば、短当たり遊技又は小当たり遊技の当選を示す変動における変動表示に際し通常図柄が特殊図柄へ変更されるため、特殊図柄への変更演出が目を引くものとなり、短当たり遊技又は小当たり遊技への当選を確実に示唆することができる。
[構成18]
構成15又は16に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記短当たり遊技又は前記小当たり遊技の当選を示す変動における停止表示に際し、前記通常図柄を前記特殊図柄へ変更することを特徴とする遊技機。
構成18によれば、短当たり遊技又は小当たり遊技の当選を示す変動における停止表示に際し通常図柄が特殊図柄へ変更されるため、特殊図柄を用いた以降の変動表示が新鮮なものとなる可能性があり、遊技者に「おや?」といった驚きを与えることができる。結果として、短当たり遊技又は小当たり遊技への当選を示唆することができる。
[構成19]
構成13乃至18のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記短当たり遊技及び前記小当たり遊技のうち、いずれの実行が確定されるかに応じて、前記特殊図柄への変更数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、図77に示したように、小当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが小当たりチャンス目である場合(ステップS34472においてYES)、上記小当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34473)。一方、短当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが2R当たりチャンス目である場合(ステップS34474においてYES)、2R当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34475)。
構成19によれば、短当たり遊技及び小当たり遊技のうちいずれの実行が確定されるかに応じて特殊図柄への変更数が決定される。そのため、例えば短当たりと小当たりとで変更数の選択確率に差をつけるようにすれば、有利な状態(短当たり遊技の実行による高確率抽選状態)であるか否かを推測することが可能になり、特殊図柄への変更演出によっても、遊技者は「アツさ」を感じることが可能となる。その結果、遊技の興趣の向上に寄与する。
[構成20]
構成19に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記低確率抽選遊技状態において、前記短当たり遊技の実行が確定された場合には、前記小当たり遊技の実行が確定された場合とは異なった前記特殊図柄への変更数を決定可能であることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、小当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが小当たりチャンス目である場合(ステップS34472においてYES)、小当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34473)。一方、短当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが2R当たりチャンス目である場合(ステップS34474においてYES)、2R当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34475)。そして、低確率抽選遊技状態においてはそれぞれ、低確率→小当たり時テーブル(図83(a)参照)、低確率→突確時テーブル(図83(c)参照)に基づいて、オールマイティー図柄(A図柄)への変更数が決定される。ここで特に本実施形態では、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」である場合、低確率→小当たり時テーブルではオールマイティー図柄(A図柄)への変更数が「6」に決定されることがないのに対し、低確率→突確時テーブルでは、100分の5の確率で、オールマイティー図柄(A図柄)への変更数が「6」に決定される(図83(a),(c)参照)。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)が残っていない低確率状態において、6つの装飾図柄1153がオールマイティー図柄(A図柄)へ変更された場合には、短当たりであることが確定する。
構成20によれば、低確率抽選遊技状態において、短当たり遊技の実行が確定された場合には、小当たり遊技の実行が確定された場合とは異なった特殊図柄への変更数が決定される。したがって、特殊図柄への変更数によっては遊技状態を判別することができ、遊技者に優越感を与えることができる。そして、短当たり遊技の実行確定をいち早く把握できることで、安心感を持って遊技を楽しむことができる。
[構成21]
構成13乃至20のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記遊技状態制御手段にて制御される前記遊技状態に応じて、前記特殊図柄への変更数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態において、A図柄使用数設定処理には、上述したように、図78の小当たり時A図柄使用数設定処理、図79の2R当たり時A図柄使用数設定処理、及び、図80の15R当たり時A図柄使用数設定処理が含まれる。そして、各処理において、低確率状態か否かが判別されて、テーブルが選択される。具体的に、小当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344732におけるYES)、低確率→小当たり時テーブル(図83(a)参照)から抽選が行われ(ステップS344733)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344732におけるNO)、高確率→小当たり時テーブル(図83(b)参照)から抽選が行われる(ステップS344734)。また、2R当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344752におけるYES)、低確率→2R当たり時テーブル(図83(c)参照)から抽選が行われ(ステップS344753)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344752におけるNO)、高確率→2R当たり時テーブル(図83(d)参照)から抽選が行われる(ステップS344754)。さらに、15R当たり時A図柄使用数設定処理では、低確率状態であると判別された場合(ステップS344772におけるYES)、低確率→15R当たり時テーブル(図84(a)参照)から抽選が行われ(ステップS344773)、一方、低確率状態でないと判別された場合(ステップS344772におけるNO)、高確率→15R当たり時テーブル(図84(b)参照)から抽選が行われる。
構成21によれば、遊技状態制御手段による遊技状態に応じて特殊図柄への変更数が決定されるため、特殊図柄の変更数から、ある程度は、遊技状態を推測可能となる。これにより、特殊図柄への変更自体が興趣の高いものとなる。
[構成22]
構成13乃至21のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記遊技状態に係る所定条件としての前記長当たり遊技実行手段による前記長当たり遊技の実行確定を契機として、前記通常図柄を前記特殊図柄へ変更可能であることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、左図柄列1153aに「歌」図柄が停止表示され、右図柄列1153cに「姫」図柄が停止表示され、中図柄列1153bに「伝説」図柄が停止表示された後、装飾図柄1153が再びスクロール変動を開始し、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cの一部がオールマイティー図柄(A図柄)に置換される。そして、長当たり遊技状態の発生が確定している場合、オールマイティー図柄(A図柄)への変更を演出する変動において、装飾図柄1153が所定の確変大当たり図柄(本実施形態では「1」,「1」,「1」)で停止表示される。この態様は、変動番号45の「チャンス目(確変長当たり)」に基づく変動時に実行される。この場合、オールマイティー図柄(A図柄)への置換は実質的に意味をなさないものとなるが、いきなり確変長当たりが導出されるため、遊技者に驚きを与え、遊技者を歓喜させることが可能となる。
構成22によれば、長当たり遊技実行手段による長当たり遊技の実行確定を契機として通常図柄が特殊図柄へ置換される。この場合、特殊図柄への変更は実質的に意味をなさないものとなるが、いきなり確変長当たりが導出されるため、遊技者に驚きを与え、遊技者を歓喜させることが可能となる。
[構成23]
構成22に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記長当たり遊技の実行確定に応じて、前記特殊図柄への変更数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、図77に示したように、長当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが15R当たりチャンス目である場合には(ステップS34476においてYES)、15R当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34477)。
構成23によれば、長当たり遊技の実行確定に応じて特殊図柄への変更数が決定されるため、短当たり遊技や小当たり遊技とは変更数の選択確率に差をつけるようにすれば、有利な状態(長当たり遊技の実行が確定した状態)であるか否かを推測することが可能になり、特殊図柄への変更演出の段階で、「既に当たっているのではないか」という大当たり遊技への期待感を生じさせることができる。
[構成24]
構成23に記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記長当たり遊技の実行確定を契機とする場合には、前記短当たり遊技又は前記小当たり遊技の実行確定を契機とする場合とは異なった前記特殊図柄への変更数を決定可能であることを特徴とする遊技機。
本実施形態では、上述したように、長当たり遊技の実行が確定された場合、すなわち変動パターンが15R当たりチャンス目である場合には(ステップS34476においてYES)、15R当たり時A図柄使用数設定処理が実行される(ステップS34477)。そして、低確率抽選遊技状態においては、低確率→15R当たり時テーブル(図84(a)参照)に基づいて、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数(変更数)が決定される。ここで特に本実施形態では、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「4」である場合、このテーブルでのみ、100分の10の確率で、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数が「5」に決定される。これにより、オールマイティー図柄(A図柄)が4つ残っている低確率状態において、1つの装飾図柄1153がオールマイティー図柄(A図柄)へ変更されて、オールマイティー図柄(A図柄)のトータルの設定数が「5」となった場合には、確変長当たりであることが確定する。
構成24によれば、長当たり遊技の実行確定を契機とする場合には短当たり遊技又は小当たり遊技の実行確定を契機とする場合とは異なった特殊図柄への変更数が決定される。したがって、特殊図柄への変更数によっては遊技状態を判別することができ、遊技者に優越感を与えることができる。そして、確変長当たり遊技の実行確定をいち早く把握できることで、安心感を持って遊技を楽しむことができる。
[構成25]
構成13乃至24のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄復元手段は、前記遊技状態制御手段による前記遊技状態に基づいて、前記特殊図柄の復元数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、図81のA図柄消費処理に示したように、高確率状態か否かを判別して(ステップS344784,ステップS344788)、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数(復元数)を決定している。具体的には、高確率状態である場合(ステップS344784においてYES,ステップS344788においてYES)、A図柄使用個数振分テーブルC,Dを参照し、一方、高確率状態でない場合(ステップS344784においてNO,ステップS344788においてNO)、A図柄使用個数振分テーブルB,Eを参照する。
構成25によれば、遊技状態制御手段による遊技状態に基づいて特殊図柄の復元数が決定されるため、この復元数から、ある程度、遊技状態を推測することが可能となり、特殊図柄を用いた変動表示自体が興趣の高いものとなる。結果として、遊技の興趣向上に寄与する。
[構成26]
構成25に記載の遊技機において、
前記図柄復元手段は、前記高確率抽選遊技状態にあっては、前記特殊図柄のうち少なくとも1つが復元されないように、前記特殊図柄の復元数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、図81に示したように、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「1」となった場合で、かつ、高確率状態である場合には(ステップS344783においてYES,ステップS344784においてYES)、A図柄使用個数振分テーブルCが選択される(ステップS344785)。このA図柄使用個数振分テーブルCは、図85に示したように、外れ変動に対してはオールマイティー図柄(A図柄)の消費数(復元数)が必ず「0」に振り分けられる。これにより、高確率状態である場合には、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」となることがなくなっている。そのため、オールマイティー図柄(A図柄)が残っているうちは、高確率状態である可能性があり、遊技者の期待感を確実に持続させることが可能となる。
構成26によれば、高確率抽選遊技状態にあっては特殊図柄のうち少なくとも1つが復元されないように特殊図柄の復元数が決定されるため、特殊図柄が残っているうちは、高確率抽選遊技状態である可能性があり、遊技者の期待感を確実に持続させることが可能となる。
[構成27]
構成1乃至26のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄変更手段は、前記特殊図柄の残数に基づいて、前記特殊図柄への変更数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、図83及び図84に示したように、オールマイティー図柄(A図柄)の残数(仮停止時A個数)に基づいて、オールマイティー図柄(A図柄)の設定数(チャンス目停止時のA個数)が決定される。
構成27によれば、特殊図柄の残数に基づいて特殊図柄への変更数が決定されるため、適切な数の特殊図柄を設定することが可能となる。
[構成28]
構成1乃至27のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄復元手段は、前記変動情報記憶手段に記憶される変動パターンに基づいて、前記特殊図柄の復元数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、図85に示したように、変動パターンに基づいてA図柄消費数(復元数)が抽選される(ステップS344791)。具体的には、変動番号8〜15,27,28,34,35,41,42の変動パターンコマンドに対応してオールマイティー図柄(A図柄)の消費数が決定される。
構成28によれば、変動情報記憶手段に記憶される変動パターンに基づいて特殊図柄の復元数が決定されるため、遊技に合わせて特殊図柄が消化され、特殊図柄を用いた変動表示が興趣の高いものとなる。
[構成29]
構成1乃至28のいずれかに記載の遊技機において、
前記図柄復元手段は、前記特殊図柄の残数に基づいて、前記特殊図柄の復元数を決定することを特徴とする遊技機。
本実施形態では、図81に示したように、オールマイティー図柄(A図柄)の残数が「0」の場合(ステップS344781)、「1」の場合(ステップS344783)、「2」以上の場合(ステップS344787)、という場合分けをして、オールマイティー図柄(A図柄)の消費数(復元数)を決定している。具体的には、この場合分けによって、参照するA図柄使用個数振分テーブルA〜Eが決定されている(ステップS344782,ステップS344785,ステップS344786,ステップS344789,ステップS344790)。
構成29によれば、特殊図柄の残数に基づいて特殊図柄の復元数が決定されるため、特殊図柄を用いた変動表示の中で適切に特殊図柄が消化されていき、特殊図柄を用いた変動表示の興趣を低下させることがない。
また、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
例えば、上述の実施形態における演出画像表示装置は、液晶表示装置に限られず、EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等であっても、本発明を適用することができる。なお、パチスロ機への本発明の適用を考え、上記各構成にある「遊技球」を「遊技媒体」としてもよい。
即ち、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(即ち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出画像表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
一方、パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
また、上述の実施形態における演出表示装置は、液晶表示装置であることが好ましいが、必ずしも液晶表示装置に限られない。EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。即ち、第1の表示態様、第3の表示態様および第2の表示態様を表示可能であると共に、これらのいずれの態様も非表示可能であれば、その態様は限られない。