JP2008009354A - 液晶表示パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】モノクローム表示において理想的な黒色を表示することができる液晶表示パネルを提供する。
【解決手段】液晶セル1には、波長分散値が1.15以上の液晶が封止される。ポリカーボネートを用いて製造されたPC位相差フィルム3は、液晶セル1の前面に配置される。フロント側偏光板2は、PC位相差フィルム3上に配置される。また、リア側偏光板4は、液晶セル1の背面に配置される。波長分散値は1.15以上1.30以下であることが好ましく、さらに、波長分散値は1.15以上1.25以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示パネルに関し、特に、ポリカーボネートを用いて製造された位相差フィルムを備えた液晶表示パネルに関する。
図14は、モノクローム表示を行う従来の液晶表示パネルの構成例を示す模式図である。従来の液晶表示パネルは、図14に示すように、フロント側偏光板2と、位相差フィルム3と、STN(Super Twisted Nematic )型の液晶セル101と、リア側偏光板4とが積層された構成となっている。位相差フィルム3は、ポリカーボネートを用いて製造された位相差フィルムであることが多い。以下、位相差フィルム3がポリカーボネートを用いて製造された位相差フィルムであるものとして説明し、位相差フィルム3をPC位相差フィルム3と記す。
従来の液晶表示パネルの構成は、例えば、特許文献1に記載されている。ただし、特許文献1に記載された液晶表示パネルでは、液晶セルとリア側偏光板との間に、他の位相差フィルムが設けられている。
従来、液晶表示パネルによる良好な表示を実現するために、液晶セル101、各偏光板2,4、およびPC位相差フィルム3の軸角や、液晶セル101およびPC位相差フィルム3のリタデーションの最適化が行われていた。
ただし、従来、液晶セル101に封止される液晶として、波長分散値が1.13程度の液晶が用いられていた。特許文献1では、波長分散値が1.12の液晶を用いることが記載されている。
波長分散値の定義について説明する。図15は、各波長の光に対する屈折率異方性(以下、Δnと記す。)の変化を示す説明図である。図15に示すように、波長λが長くなると、Δnは減少する傾向がある。波長分散値Dは、波長450nmの光に対するΔnを、波長590nmの光に対するΔnで除算した値である。すなわち、波長450nmの光に対するΔnをΔn(450nm)と表し、波長590nmの光に対するΔnをΔn(590nm)と表せば、波長分散値Dは以下の式で表される。
D=Δn(450nm)/Δn(590nm)
また、PC位相差フィルム3の波長分散値は、約1.10である。
次に、液晶表示パネルの表示の態様および液晶への印加電圧について説明する。液晶表示パネルの表示の態様には、電圧を印加していないときに白色となるノーマリホワイトと、電圧を印加していないときに黒色となるノーマリブラックとがある。
また、白色表示および黒色表示を行うときに液晶に印加する電圧のうち、高い方の電圧をオン電圧と記し、低い方の電圧をオフ電圧と記す。ノーマリホワイトの場合、白色表示とするために液晶に印加する電圧がオフ電圧であり、黒色表示とするために液晶に印加する電圧がオン電圧である。ノーマリブラックの場合、黒色表示とするために液晶に印加する電圧がオフ電圧であり、白色表示とするために液晶に印加する電圧がオン電圧である。なお、オフ電圧は、0Vではない。
以下、液晶表示パネルがノーマリホワイトである場合を例にして説明する。図16は、液晶への印加電圧Vの増加に伴うノーマリホワイト液晶表示パネルの透過率tの変化の例を示す説明図である。図16に示すように、透過率tは印加電圧Vの増加に伴い、しばらく一定値を保ってから下降する。白色表示時の印加電圧および黒色表示時の印加電圧は、白色および黒色のコントラストが最大となるように決定される。すなわち、駆動条件下で、コントラストが最大になるようにオン電圧、オフ電圧が決定される。ノーマリホワイトの場合、図16に示すオフ電圧を液晶に印加すると白色表示となり、図16に示すオン電圧を液晶に印加すると黒色表示となる。
なお、電圧を印加しない場合(印加電圧が0Vである場合)も白色となるが、オフ電圧を印加した場合よりも光の透過率が若干高い。電圧が印加されて画像を表示するアクティブエリアの外周(アクティブエリアの背景となる領域)の液晶には電圧が印加されないので、印加電圧が0Vであるときに液晶パネルが呈する色を背景色と呼び、オフ電圧印加時の白色と区別する。図17は、アクティブエリアおよびその背景を示す説明図である。図17は、画像を表示する面の方向から液晶表示パネルを観察した状態を表している。アクティブエリア21は、液晶に電圧を印加するための電極が配置され、画像を表示可能な領域である。アクティブエリア21は、液晶への印加電圧に応じて白色、黒色、あるいはその中間色を呈する。アクティブエリアを囲む領域22には電極は配置されていないため、領域22に存在する液晶への印加電圧は0Vである。よって、領域22は背景色を呈する。
特開2003−233073号公報(段落0009,0010、図1)
従来、ノーマリホワイトの液晶表示パネルでは、液晶にオン電圧(図16参照。)を印加したときに黒色が表示されるが、青色に近い黒色が表示される。青色に近い黒色をCIE表色系の色度図で示す。図18は、CIE表色系の色度図である。CIE表色系の色度図では、色度は(x,y)座標で表される。なお、x軸は横軸であり、y軸は縦軸である。座標値が(0.1,0.2)近辺の場合、青色となる。また、例えば、座標値が(0.4,0.4)近辺の場合、黄色となる。また、座標値(0.310,0.316)は、理想的な白色となる。白色と同様に無彩色である黒色においても、色度が(0.310,0.316)に近いほど理想的な黒色となる。また、背景色の色度の理想的な値も(0.310,0.316)である。
従来のノーマリホワイトの液晶表示パネルでは、液晶にオン電圧を印加したときの色度の座標値が(0.2,0.2)近辺の値となっていた。そのため、液晶にオン電圧を印加したときには理想的な黒色が表示されることが好ましいが、実際には、青色に近い黒色が表示されてしまっていた。
また、従来のノーマリホワイトの液晶表示パネルでは、液晶にオフ電圧を印加したときに白色が表示されるが、黄色に近い白色が表示されていた。
本発明は、モノクローム表示においてより理想的な黒色を表示することができる液晶表示パネルを提供することを目的とする。
本発明の態様1は、電極が設けられた一対の基板間に液晶を封止した液晶セルと、液晶セルの前面に配置されるポリカーボネート製の位相差フィルムと、位相差フィルム上に配置される第1偏光板と、液晶セルの背面に配置される第2偏光板とを備え、液晶セルに封止される液晶の波長分散値が1.15以上であることを特徴とする液晶表示パネルを提供する。
本発明の態様2は、態様1において、液晶セルに封止される液晶の波長分散値が1.15以上1.30以下である液晶表示パネルを提供する。
本発明の態様3は、態様1または態様2において、液晶セルに封止される液晶の波長分散値が1.15以上1.25以下である液晶表示パネルを提供する。
本発明の態様4は、態様1から態様3のいずれかにおいて、位相差フィルムのリタデーションが590nm以上630nm以下である液晶表示パネルを提供する。
本発明の態様5は、態様1から態様4のいずれかにおいて、液晶に電圧を印加しないときに白色を呈する液晶表示パネルを提供する。
本発明の態様6は、態様1から態様4のいずれかにおいて、液晶に電圧を印加しないときに黒色を呈する液晶表示パネルを提供する。
本発明の態様7は、態様1から態様6のいずれかにおいて、第1偏光板および第2偏光板が、ハンターLab表色系で表したときにおける色相bの値が1.5未満となる色の偏光板である液晶表示パネルを提供する。
本発明の態様8は、態様1から態様7のいずれかにおいて、液晶セルに封止される液晶が、波長590nmの光に対する屈折率異方性が0.18以上である液晶であり、液晶セルのセルギャップが、5.0μm以下である液晶表示パネルを提供する。そのような液晶表示パネルによれば、応答速度を速めることができる。
本発明によれば、理想的な色度に近い色度の黒色を表示することができる。また、従来の液晶表示パネルよりもコントラストを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[実施の形態1]図1は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示パネルの例を示す模式図である。本発明の液晶表示パネルは、図1に示すように、STN型の液晶セル1と、フロント側偏光板2と、PC位相差フィルム3と、リア側偏光板4とを備える。
液晶セル1は、電極が設けられた一対の基板(図示略。)を有している。この一対の基板は、電極が設けられた面同士が対向するように配置されている。そして、液晶セル1は、この一対の基板間に液晶(図示略。)を封止している。
液晶セル1には、波長分散値が1.15以上の液晶が封止される。なお、既に説明したように、波長分散値Dは、波長450nmの光に対するΔn(屈折率異方性)を、波長590nmの光に対するΔnで除算した値として定義される。
PC位相差フィルム3は、ポリカーボネートを用いて製造された位相差フィルムである。PC位相差フィルム3は、液晶セル1の前面に配置される。すなわち、PC位相差フィルム3は、観察者によって表示画像が観察される側の面に配置される。
位相差フィルムの波長分散値は、その材質に依存する。ポリカーボネート製の位相差フィルムであるPC位相差フィルム3の波長分散値は、約1.10である。
フロント側偏光板2は、PC位相差フィルム3上に配置される。また、リア側偏光板4は、液晶セル1の背面に配置される。
フロント側偏光板2は、フロント側偏光板2自身の偏光軸の方向に振動する光を透過させる。同様に、リア側偏光板4は、リア側偏光板4自身の偏光軸の方向に振動する光を透過させる。
以下、液晶表示パネルがノーマリホワイト(液晶に電圧を印加しないときに白色を呈する態様)である場合を例にして説明する。なお、ノーマリホワイトのSTN液晶表示パネルを実現するためには、ノーマリホワイトとなるように、フロント側偏光板2およびリア側偏光板4の軸(例えば、吸収軸)の向きを定めればよい。また、ノーマリブラックのSTN液晶表示パネルは、ノーマリホワイトのSTN液晶表示パネルのフロント側偏光板2の吸収軸を90°回転することによって実現することができる。あるいは、ノーマリホワイトのSTN液晶表示パネルのリア側偏光板4の吸収軸を90°回転することによっても実現することができる。
液晶表示パネルを駆動する場合において、白色表示時の液晶への印加電圧および黒色表示時の液晶への印加電圧は、白色および黒色のコントラストが最大となるように決定される。また、ここでは、液晶表示パネルはノーマリホワイトであるものとする。従って、白色表示時には液晶にオフ電圧を印加し、黒色表示には液晶にオン電圧を印加する(図16参照。)。
上記のように液晶セル1上に配置する位相差フィルムとして、ポリカーボネートを用いて製造されたPC位相差フィルム3を用い、液晶セル1に封止される液晶の波長分散値を1.15以上とすることによって、電圧を印加して黒色を表示させるときに、従来よりも良好な黒色を表示させることができる。すなわち、従来は青色に近い黒色が表示されたが、本発明によれば黒色表示時に、色度を(0.310,0.316)に近づけることができ、青みのない黒色を表示することができる。
また、上記のような構成とすることで、従来の液晶表示パネル(波長分散値が1.13程度の液晶を用いた液晶表示パネル)よりコントラストを向上させることができる。
発明者は、波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合における色度、目標値となる色度(0.310,0.316)との距離、およびコントラストを導出した。なお、この導出は、光学計算ソフトウェアを用いたシミュレーションによって行った。
図2は、シミュレーションにおいて設定した値を示す説明図である。視角を6時方向としたときにおける3時方向を、基準軸の方向と定めた。そして、図2に示すように、基準軸の方向とフロント側偏光板2の吸収軸とのなす角度が15°になるようにフロント側偏光板2の吸収軸の方向を定めた。具体的には、基準軸を反時計回りに15°回転させたときの方向とフロント側偏光板2の吸収軸の方向とが一致するようにフロント側偏光板2の吸収軸の方向を定めた。
また、PC位相差フィルム3のリタデーションを617nmとして設定した。そして、図2に示すように、基準軸の方向とPC位相差フィルム3の延伸軸とのなす角度が55°になるようにPC位相差フィルム3の延伸軸の方向を定めた。具体的には、基準軸を反時計回りに55°回転させたときの方向とPC位相差フィルム3の延伸軸の方向とが一致するようにPC位相差フィルム3の延伸軸の方向を定めた。
また、液晶セル1のツイスト角を240°に設定し、セルギャップを6.0μmに設定した。また、液晶セル1のΔnを0.14に設定し、Δndを0.84に設定した。
また、図2に示すように、基準軸の方向とリア側偏光板4の吸収軸とのなす角度が75°になるようにリア側偏光板4の吸収軸の方向を定めた。具体的には、基準軸を反時計回りに75°回転させたときの方向とリア側偏光板4の吸収軸の方向とが一致するようにリア側偏光板4の吸収軸の方向を定めた。以上のような設定のもとでシミュレーションを行った。なお、シミュレーションは、1/64デューティ、1/9バイアスの液晶駆動条件を用いた。
図3は、液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合におけるオン電圧印加時の黒色の色度の変化を示すシミュレーション結果である。黒色は無彩色であるので、色度(0.310,0.316)に近いほど青みのない良好な黒色にすることができる。すなわち、色度の目標値は、(0.310,0.316)である。また、図3に示すx軸(横軸)およびy軸(縦軸)は、図18に示すCIE表色系の色度図におけるx軸、y軸に相当する。
図3では、オン電圧を印加して表示した黒色の色度を四角形のマーカで示し、液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合におけるマーカの変化を矢印で示している。液晶の波長分散値Dを増加させることによって、オン電圧印加によって表示される黒色の色度が、青色に近い色度から遠ざかり目標値(0.310,0.316)に近づけられることが確認できる。
なお、図3では、液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合におけるオフ電圧印加時の白色の色度の変化も示している。白色の色度の目標値も(0.310,0.316)である。図3では、オフ電圧を印加して表示した白色の色度は、丸形のマーカで示し、液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合におけるマーカの変化を矢印で示している。
図4は、オン電圧を印加して表示した黒色の色度と目標値(0.310,0.316)との距離(色度差)の変化を示すシミュレーション結果である。2つの色度(x,y),(x,y)の距離は、√((x−x+(y−y)として求められる。従って、オン電圧印加時の黒色の色度を(x,y)とすれば、その色度と目標値との色度差は、√((x−0.310)+(y−0.316))として求めることができる。
図4に示すように、液晶の波長分散値Dが1.15以上のとき、目標値(0.310,0.316)との色度差が、従来の液晶の波長分散値(1.13)の場合よりも減少していることがわかる。すなわち、液晶の波長分散値Dを1.15以上とすることで、黒色の色度が目標値(0.310,0.316)に近づいていて、従来よりも良好な黒色を表示できることがわかる。
また、図5は、液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合におけるコントラスト(オン電圧印加時の黒色とオフ電圧印加時の白色とのコントラスト)の変化を示すシミュレーション結果である。図5に示すように、液晶の波長分散値Dが上昇するにつれてコントラストも上昇する。液晶の波長分散値Dが1.15以上のとき、従来の液晶の波長分散値(1.13)の場合よりもコントラストが上昇している。従って、液晶の波長分散値Dを1.15以上とすることで、従来よりもコントラストが改善できることがわかる。
[実施の形態2]本発明の第2の実施の形態の液晶表示パネルは、液晶セルに封止する液晶以外に関しては第1の実施の形態と同様である。以下、図1を参照して第2の実施の形態について説明する。以下、液晶表示パネルがノーマリホワイトである場合を例にして説明する。なお、第2の実施の形態の液晶表示パネルもSTNモードの液晶表示パネルである。
第2の実施の形態では、液晶セル1に、波長分散値が1.15以上1.30以下である液晶が封止される。フロント側偏光板2と、PC位相差フィルム3と、リア側偏光板4については、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
本実施の形態のように、液晶セル1に封止する液晶として波長分散値が1.15以上1.30以下である液晶を用いることによって、以下の効果が得られる。すなわち、黒色表示時おける黒色の色度および白色表示時における白色の色度の双方を、目標値(0.310,0.316)に近づけることができる。本例のように、液晶表示パネルがノーマリホワイトである場合、オン電圧を印加して黒色を表示した場合であっても、オフ電圧を印加して白色を表示した場合であっても、いずれの色度も(0.310,0.316)に近づけることができる。従って、黒色表示時に、青みのない黒色を表示することができる。そして、白色表示時に、黄色に近い白色が表示されることを防止して、理想的な白色(色度が(0.310,0.316)に近い白色)を表示することができる。
また、第1の実施の形態と同様に、従来の液晶表示パネル(波長分散値が1.13程度の液晶を用いた液晶表示パネル)よりコントラストを向上させることができる。
発明者は、第1の実施の形態で示した設定と同様の設定で、目標値(0.310,0.316)との色度差を求めたり、複数種類の色度差の和を求めるシミュレーションを行った。
図6は、オン電圧を印加して表示した黒色の色度と目標値(0.310,0.316)との距離(色度差)、オフ電圧を印加して表示した白色の色度と目標値(0.310,0.316)との距離(色度差)、およびその2種類の色度差の和の変化を示すシミュレーション結果である。
図6では、液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合における色度差や2種類の色度差の和の変化を示している。図6では、オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差を四角形のマーカで示している。また、オフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差を白丸のマーカで示している。さらに、この2種類の色度差(オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差、およびオフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差)の和を黒丸のマーカで示している。
図6に示すように、液晶の波長分散値Dが1.15以上1.30以下のとき、2種類の色度差の和が約0.1以下の値に抑えられていて、従来の液晶の波長分散値(1.13)の場合よりも減少していることがわかる。2種類の色度差の和が減少しているということは、黒表示時においても白表示時においても色度が目標値(0.310,0.316)に近いということを意味している。従って、波長分散値Dが1.15以上1.30以下の液晶を液晶セル1内の液晶として用いることによって、理想的な黒色および理想的な白色を表示できることがわかる。
[実施の形態3]本発明の第3の実施の形態の液晶表示パネルは、液晶セルに封止する液晶以外に関しては第1および第2の実施の形態と同様である。以下、図1を参照して第3の実施の形態について説明する。以下、液晶表示パネルがノーマリホワイトである場合を例にして説明する。なお、第3の実施の形態の液晶表示パネルもSTNモードの液晶表示パネルである。
第3の実施の形態では、液晶セル1に、波長分散値が1.15以上1.25以下である液晶が封止される。フロント側偏光板2と、PC位相差フィルム3と、リア側偏光板4については、第1および第2の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
本実施の形態のように、液晶セル1に封止する液晶として波長分散値が1.15以上1.25以下である液晶を用いることによって、以下の効果が得られる。すなわち、黒色表示時おける黒色の色度、白色表示時における白色の色度、および背景色の色度のいずれも、目標値(0.310,0.316)に近づけることができる。本例のように、液晶表示パネルがノーマリホワイトである場合、オン電圧を印加して黒色を表示した場合であっても、オフ電圧を印加して白色を表示した場合であっても、いずれの色度も(0.310,0.316)に近づけることができる。また、液晶に電圧が印加されない領域22(アクティブエリアを囲む領域。図17参照。)の色である背景色の色度も(0.310,0.316)に近づけることができる。
従って、波長分散値Dが1.15以上1.25以下である液晶を液晶セル1内の液晶として用いることによって、理想的な黒色および理想的な白色を表示できる。また、背景色の色度も、黒色および白色の色度と同様に目標値に近づけられる。その結果、オフ電圧印加時にアクティブエリアとその周りの領域の境界を目立たなくすることができる。ノーマリホワイトの場合、アクティブエリアを白色としたときに、アクティブエリアとその周りの領域の境界を目立たなくすることができる。なお、ここではノーマリホワイトを例にして説明したが、ノーマリブラックの場合も同様である。すなわち、ノーマリブラックの場合、アクティブエリアを黒色としたときに、アクティブエリアとその周りの領域の境界を目立たなくすることができる。
また、第1および第2の実施の形態と同様に、従来の液晶表示パネル(波長分散値が1.13程度の液晶を用いた液晶表示パネル)よりコントラストを向上させることができる。
発明者は、第1の実施の形態で示した設定と同様の設定で、目標値(0.310,0.316)との色度差を求めたり、複数種類の色度差の和を求めるシミュレーションを行った。
図7は、オン電圧を印加して表示した黒色の色度と目標値(0.310,0.316)との距離(色度差)、オフ電圧を印加して表示した白色の色度と目標値(0.310,0.316)との距離(色度差)、電圧を印加しない場合の背景色の色度と目標値(0.310,0.316)との距離(色度差)、およびその3種類の色度差の和の変化を示すシミュレーション結果である。
図7では、液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合における色度差や3種類の色度差の和の変化を示している。図7では、オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差を四角形のマーカで示している。また、オフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差を白丸のマーカで示している。また、電圧を印加しない場合の背景色の色度と目標値との色度差を斜線入りの白丸のマーカで示している。さらに、この3種類の色度差(オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差、オフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差、電圧を印加しないときの背景色の色度と目標値との色度差)の和を黒丸のマーカで示している。
図7に示すように、従来の液晶の波長分散値(1.13)の場合、3種類の色度差の和は約0.15である。液晶の波長分散値Dが1.15以上1.25以下のときには3種類の色度差の和が、従来の波長分散値(1.13)の場合よりも減少していることがわかる。3種類の色度差の和が減少しているということは、黒表示時、白表示時、背景色表示時のいずれの場合においても色度が目標値(0.310,0.316)に近いということを意味している。従って、波長分散値Dが1.15以上1.25以下の液晶を液晶セル1内の液晶として用いることによって、理想的な黒色および理想的な白色を表示でき、また、オフ電圧印加時にアクティブエリアとその周りの領域の境界を目立たなくすることができることがわかる。
また、液晶セル1に封止する液晶として波長分散値Dが1.21の液晶を用い、PC位相差フィルム3としてリタデーションが590nm以上630nm以下のPC位相差フィルムを用いることが特に好ましい。この場合、オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差、およびオフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差をいずれも、0.01以下に抑えられることが多い。すなわち、オン電圧印加時の黒色を理想的な黒色に近づけ、かつ、オフ電圧印加時の白色を理想的な白色に近づけることができる。
発明者は、第1の実施の形態で示した設定と同様の設定で、PC位相差フィルム3のリタデーションの値を変化させたときの黒色、白色それぞれの色度と目標値との差の変化を調べるシミュレーションを行った。なお、液晶の波長分散値Dとして、“1.13”,“1.21”,“1.25”,“1.30”を用いた。
図8は、PC位相差フィルム3のリタデーションの値を変化させたときの黒色、白色それぞれの色度と目標値との差の変化を示すシミュレーション結果である。図8に示すように、液晶の波長分散値Dが1.21であり、PC位相差フィルム3のリタデーションが590nm以上630nm以下である場合、オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差、およびオフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差をいずれも、0.01以下に抑えられることが多いことがわかる。
なお、図8において、破線で示した範囲は、オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差、およびオフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差がいずれも概ね0.05以下に抑えられると考えられる領域である。図8において、点線で示した範囲は、オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差、およびオフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差がいずれも概ね0.025以下に抑えられると考えられる領域である。図8において、実線で示した範囲は、オン電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差、およびオフ電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差がいずれも概ね0.01以下に抑えられると考えられる領域である。
また、上記の各実施の形態では、中間調表示における色度も改善することができる。発明者は、液晶への印加電圧を変化させたときの色度の変化を調べるシミュレーションを行った。なお、液晶の波長分散値Dとして、“1.01”,“1.13”,“1.21”,“1.30”を用いた。
図9は、液晶への印加電圧を変化させたときの色度の変化を示すシミュレーション結果である。図9(a)は、波長分散値Dが1.01の場合の結果であり、図9(b)は、波長分散値Dが1.13(従来用いられていた液晶の波長分散値)の場合の結果である。また、図9(c)は、波長分散値Dが1.21(最適値)の場合の結果であり、図9(d)は、波長分散値Dが1.30の場合の結果である。なお、図9に示す各x軸(横軸)および各y軸(縦軸)は、図18に示すCIE表色系の色度図におけるx軸、y軸に相当する。
図9(a),(b)に示すように、波長分散値Dが1.01や1.13の場合、オフ電圧印加時の色度とオン電圧印加時の色度との差が大きい。また、オフ電圧からオン電圧まで印加電圧を変化させた場合(中間調表示時に相当する。)、色度が大きく遷移していることがわかる。
一方、図9(c),(d)に示すように、波長分散値Dが1.21や1.30の場合、オフ電圧印加時の色度とオン電圧印加時の色度との差が小さい。また、オフ電圧からオン電圧まで印加電圧を変化させた場合における色度が遷移する範囲も、波長分散値Dが1.13(従来値)の場合に比べて狭くなっている。従って、中間調表示を行う場合における色度も従来より改善されることがわかる。
また、上記の各実施の形態では、液晶表示パネルがノーマリホワイトである場合を例に説明した。ノーマリホワイトのSTN液晶表示パネルのフロント側偏光板2(あるいはリア側偏光板4)の吸収軸を90°回転することによってノーマリブラックの液晶表示パネルを実現できる。この場合、オフ電圧印加時に黒色表示となり、オン電圧印加時に白色表示となる。このようなノーマリブラックの液晶表示パネルとした場合でも、ノーマリホワイトの場合と同様の効果を得ることができる。
すなわち、液晶セル1に封止される液晶の波長分散値を1.15以上とすることによって、電圧を印加して黒色を表示させるときに、従来よりも良好な黒色を表示させることができる。また、従来の液晶表示パネルよりコントラストを向上させることができる。
また、液晶セル1に封止される液晶の波長分散値を1.15以上1.30以下とすることによって、オフ電圧を印加して黒色を表示する場合であっても、オン電圧を印加して白色を表示する場合であっても、目標となる色度(0.310,0.316)に近づけることができる。
また、液晶セル1に封止される液晶の波長分散値を1.15以上1.25以下とすることによって、オフ電圧を印加して黒色を表示する場合であっても、オン電圧を印加して白色を表示する場合であっても、目標となる色度(0.310,0.316)に近づけることができる。また、背景色の色度も目標となる色度(0.310,0.316)に近づけることができ、オフ電圧印加時にアクティブエリアとその周りの領域の境界を目立たなくすることができる。
また、液晶セル1に封止される液晶の波長分散値を1.21とし、リタデーションが590nm以上630nm以下のPC位相差フィルムを用いることで、オン電圧印加時の白色の色度と目標値との色度差、およびオフ電圧印加時の黒色の色度と目標値との色度差をいずれも、概ね0.01以下に抑えることができる。
[実施の形態4]図10は、本発明の第4の実施の形態の液晶表示パネルの例を示す模式図である。第4の実施の形態の液晶表示パネルは、第1の実施の形態におけるフロント側偏光板2、リア側偏光板4の代わりにそれぞれブルー系偏光板12,14を備える。ブルー系偏光板とは、ハンターLab表色系で表したときにおける色相bの値が1.5未満となる色の偏光板である。以下、フロント側に配置されるブルー系偏光板12を、フロント側ブルー系偏光板12と記す。また、リア側に配置されるブルー系偏光板14をリア側ブルー系偏光板14と記す。なお、第1の実施の形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
第4の実施の形態の液晶表示パネルは、図10に示すように、フロント側ブルー系偏光板12と、STN型の液晶セル1と、PC位相差フィルム3と、リア側ブルー系偏光板14とを備える。
液晶セル1は、第1の実施の形態と同様に、波長分散値が1.15以上の液晶を封止している。PC位相差フィルム3は、ポリカーボネートを用いて製造された位相差フィルムである。
フロント側ブルー系偏光板12は、PC位相差フィルム3上に配置される。リア側ブルー系偏光板14は、液晶セル1の背面に配置される。フロント側ブルー系偏光板12は、フロント側ブルー系偏光板12自身の偏光軸の方向に振動する光を透過させる。同様に、リア側ブルー系偏光板14は、リア側ブルー系偏光板14自身の偏光軸の方向に振動する光を透過させる。
以下、液晶表示パネルがノーマリホワイトである場合を例にして説明する。なお、ノーマリホワイトのSTN液晶表示パネルを実現するためには、ノーマリホワイトとなるように、フロント側ブルー系偏光板12およびリア側ブルー系偏光板14の軸(例えば、吸収軸)の向きを定めればよい。また、ノーマリブラックのSTN液晶表示パネルは、ノーマリホワイトのSTN液晶表示パネルのフロント側ブルー系偏光板12の吸収軸を90°回転することによって実現することができる。あるいは、ノーマリホワイトのSTN液晶表示パネルのリア側ブルー系偏光板14の吸収軸を90°回転することによっても実現することができる。
既に説明したように、液晶表示パネルを駆動する場合において、白色表示時の液晶への印加電圧および黒色表示時の液晶への印加電圧は、白色および黒色のコントラストが最大となるように決定される。また、ここでは、液晶表示パネルはノーマリホワイトであるものとする。従って、白色表示時には液晶にオフ電圧を印加し、黒色表示には液晶にオン電圧を印加する。
以上のような第4の実施の形態の構成とすることによって、オフ電圧印加時の表示や背景色を劣化させずに、オン電圧印加時の表示色をより理想的な無彩色に近づけることができる。すなわち、オン電圧印加時の表示色の色度をより(0.310,0.316)に近づけることができる。上述のようにノーマリホワイトとする場合、オン電圧を印加したときに表示される黒色の色度を(0.310,0.316)に近づけることができ、より理想的な黒色を表示させることができる。従って、青色に近い黒色となってしまうことを防ぐことができる。
また、ノーマリブラックの液晶表示パネルとする場合には、オン電圧を印加したときに表示される白色の色度を(0.310,0.316)に近づけることができ、より理想的な白色を表示させることができる。
第1の実施の形態においても、オン電圧を印加したときに表示される色の色度を理想的な色度に近づけ、オン電圧印加時の表示色を理想的な無彩色に近づけることができる。本実施の形態では、フロント側ブルー系偏光板12とリア側ブルー系偏光板14を備えた構成とすることにより、オフ電圧印加時の表示や背景色を劣化させずに、オン電圧印加時の表示色を理想的な無彩色にさらに近づけることができる。
また、上記の説明では、液晶セル1が第1の実施の形態における液晶セルと同様の液晶セルである場合を例にして説明した。第4の実施の形態において、液晶セル1は、第2の実施の形態における液晶セルと同様の液晶セルであってもよい。すなわち、液晶セル1には、波長分散値が1.15以上1.30以下である液晶が封止されていてもよい。この場合、第2の実施の形態の効果に加え、オフ電圧印加時の表示や背景色を劣化させずに、オン電圧印加時の表示色を理想的な無彩色にさらに近づけることができるという効果が得られる。
また、第4の実施の形態における液晶セル1は、第3の実施の形態における液晶セルと同様の液晶セルであってもよい。すなわち、液晶セル1には、波長分散値が1.15以上1.25以下である液晶が封止されていてもよい。また、液晶セル1に封止される液晶として波長分散値Dが1.21の液晶を用い、PC位相差フィルム3としてリタデーションが590nm以上630nm以下のPC位相差フィルムを用いてもよい。この場合、第3の実施の形態の効果に加え、オフ電圧印加時の表示や背景色を劣化させずに、オン電圧印加時の表示色を理想的な無彩色にさらに近づけることができるという効果が得られる。
発明者は、偏光板としてブルー系偏光板を用いた液晶表示パネルと、通常の偏光板(ブルー系偏光板ではない偏光板)を用いた液晶表示パネルを作製し、その2種類の液晶表示パネルの色度を比較した。作製した液晶表示パネルは、いずれもノーマリホワイトの液晶表示パネルであり、背景色、オフ電圧印加時の表示色(ノーマリホワイトでは白色)、およびオン電圧印加時の表示色(ノーマリホワイトでは黒色)の色度を比較した。
発明者は、図10に示すフロント側ブルー系偏光板12と、液晶セル1と、PC位相差フィルム3と、リア側ブルー系偏光板14とを備えた液晶表示パネルを作製した。液晶セル1には、波長分散値が1.17である液晶を封止した。この液晶表示パネルを「液晶表示パネルA」と記す。
また、発明者は、フロント側ブルー系偏光板12およびリア側ブルー系偏光板14に代えて通常の偏光板を用いた液晶表示パネルを作製した。この液晶表示パネルを「液晶表示パネルB」と記す。偏光板以外の構成要素は、液晶表示パネルAと同様であり、液晶表示装置Bの液晶セルにも、波長分散値が1.17である液晶を封止した。
図11は、液晶表示パネルAおよび液晶表示パネルBにおける背景色、オフ電圧印加時の表示色(白色)、およびオン電圧印加時の表示色(黒色)の色度の測定結果を示す説明図である。また、背景色、白色、黒色の色度の目標値はいずれも(0.310,0.316)である。
図11に示すように、液晶表示パネルB、液晶表示パネルAの背景色の色度はそれぞれ(0.317,0.334)、(0.317,0.339)であり、両者は近い値となっている。また、いずれも目標値となる色度(0.310,0.316)に近い値となっている。
また、液晶表示パネルB、液晶表示パネルAのオフ電圧印加時における白色の色度はそれぞれ(0.318,0.334)、(0.315,0.337)であり、両者は近い値となっている。また、いずれも目標値となる色度(0.310,0.316)に近い値となっている。
また、液晶表示パネルBのオン電圧印加時における黒色の色度は(0.283,0.278)である。一方、ブルー系偏光板を用いた液晶表示パネルAでは、電圧印加時における黒色の色度は(0.321,0.337)であり、より目標値に近い値となっている。
図11に示す測定結果から、第4の実施の形態のようにブルー系偏光板を用いることで、オフ電圧印加時の表示色や背景色を無彩色に保ったまま、オン電圧印加時の表示色を理想的な無彩色に近づけられることが確認できる。
また、上記の第1の実施の形態から第4の実施の形態までの各実施の形態において、液晶セル1には、Δn(590nm)≧0.18を満足する液晶を封止し、液晶セル1のセルギャップを5.0μm以下とすることが好ましい。Δn(590nm)≧0.18を満足する液晶とは、波長590nmの光に対する屈折率異方性が0.18以上である液晶である。セルギャップとは、液晶セル1において対向する電極間での液晶層の厚みである。
液晶セル1に封止する液晶を、Δn(590nm)≧0.18を満足する液晶とし、液晶セル1のセルギャップを5.0μm以下とすれば、液晶セル1のセルギャップを狭くすることになる。従って、液晶表示パネルの応答速度を速めることができる。
液晶の屈折率異方性Δnと波長分散値との間には、波長分散値が大きくなるほどΔnも大きくなるという関係が成立することが多い。図12は、Δn(590nm)が異なる液晶の波長分散値D(すなわち、Δn(450nm)/Δn(590nm))を測定した結果を示す説明図である。図12から、波長分散値Dが大きくなるほど、Δn(590nm)も大きくなっていることが確認できる。
上記の第1の実施の形態から第4の実施の形態までの各実施の形態では、いずれも波長分散値が1.15以上である液晶を液晶セル1に封止するが、この液晶のΔn(590nm)は0.18以上であることが好ましい。
液晶表示パネルの特性は、液晶セルのセルギャップをdとしたときに、Δndに依存し、Δndは、0.7μm≦Δnd≦0.9μmを満足することが好ましい。
Δn(590nm)≧0.18を満たし、Δn(590nm)・d≦0.9を満たすセルギャップdは、d≦5.0μmである。
このように、液晶セル1に封止される液晶として、Δn(590nm)≧0.18を満足する液晶を用い、また、液晶セル1のセルギャップを5.0μm以下とすることによって、液晶表示パネルの応答速度を速めることができる。
発明者は、Δn(590nm)=0.19である液晶を用いた液晶表示パネルと、Δn(590nm)=0.14である液晶を用いた液晶表示パネルを作製し、2つの液晶表示パネルにおける応答時間を比較した。2つの液晶表示パネルを作製するときに、2つの液晶表示パネルのΔndの値がほぼ同じ値(約0.76)となるようにそれぞれの液晶表示パネルにおける液晶セル1のセルギャップを定めた。すなわち、Δn(590nm)=0.19である液晶を用いた液晶表示パネルでは、セルギャップを4.0μmとし、Δnd=0.76とした。また、Δn(590nm)=0.14である液晶を用いた液晶表示パネルでは、セルギャップを5.5μmとし、Δndを約0.76とした。
また、いずれの液晶表示パネルもノーマリホワイトとし、オフ電圧印加時の表示色が白色であり、オン電圧印加時の表示色が黒色となるようにした。
発明者は、Δn(590nm)が異なる2つの液晶表示パネルを、それぞれ以下のように駆動し、応答時間を比較した。駆動方法として、IAPT(Improved Alt Pleshko Technique)を採用した。また、非選択行の行電極に設定する電位をVr,Vcとして(Vc<Vrとする。)、液晶への印加電圧の極性を切り替える毎に、非選択行の行電極に設定する電位をVrからVcまたはVcからVrに切り替えて駆動した。また、駆動電圧(液晶表示パネルを駆動するために供給する電圧)をVdとしたときにVd=Vr+Vcとなるようにして、バイアス比(Vc/(Vr+Vc))を一定に定め、コントラストが最大となる駆動電圧Vdを選択し、その駆動電圧で駆動した。
バイアス比を1/10B(すなわち、Vc/(Vr+Vc)=1/10)、デューティ比を1/96、フレーム周波数を70Hzとして駆動し、応答時間を比較した。
また、バイアス比を1/9B(すなわち、Vc/(Vr+Vc)=1/9)、デューティ比を1/64、フレーム周波数を70Hzとして駆動し、応答時間を比較した。
なお、応答時間は、τriseおよびτdecayの和として測定した。τriseは、オフ電圧印加状態からオン電圧印加状態に切り替えたときに、透過率が100%から10%まで低下する時間である。τdecayは、オン電圧印加状態からオフ電圧印加状態に切り替えたときに、透過率が0%から90%まで上昇する時間である。
図13は、応答時間の比較結果を示す説明図である。図13では、Δn(590nm)=0.19である液晶を高分散液晶と記し、Δn(590nm)=0.14である液晶を通常液晶と記している。
図13に示すように、バイアス比を1/10B、デューティ比を1/96として駆動した場合であっても、バイアス比を1/9B、デューティ比を1/64として駆動した場合であっても、高分散液晶を用いた液晶表示パネルの応答時間(τrise+τdecay)は、通常液晶を用いた液晶表示パネルの応答時間の約1/2になっている。
このように、Δn(590nm)≧0.18を満足する液晶を用い、液晶セル1のセルギャップを5.0μm以下とすることで、応答時間を短縮することができる。すなわち、応答速度を速めることができる。
なお、本発明において液晶セルのリタデーションを最適化することで、より表示色を改善してもよい。また、PC位相差フィルムや液晶セルの最適化(特に軸角の最適化)によって、より表示色を改善してもよい。また、液晶表示パネルの背面に配置されるバックライトの色度を制御することによって、より表示色を改善してもよい。
本発明は、モノクローム表示を行うSTNモードの液晶表示パネルに好適に適用される。
本発明の第1の実施の形態の液晶表示パネルの例を示す模式図。 シミュレーションにおいて設定した値を示す説明図。 液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合におけるオン電圧印加時の黒色の色度の変化を示すシミュレーション結果。 オン電圧を印加して表示した黒色の色度と目標値との色度差の変化を示すシミュレーション結果。 液晶の波長分散値Dを1.01から1.40まで変化させた場合におけるコントラストの変化を示すシミュレーション結果。 オン電圧を印加して表示した黒色の色度と目標値との色度差、オフ電圧を印加して表示した白色の色度と目標値との色度差、およびその2種類の色度差の和の変化を示すシミュレーション結果。 オン電圧を印加して表示した黒色の色度と目標値との色度差、オフ電圧を印加して表示した白色の色度と目標値との色度差、電圧を印加しない場合の背景色の色度と目標値との色度差、およびその3種類の色度差の和の変化を示すシミュレーション結果。 PC位相差フィルムのリタデーションの値を変化させたときの黒色、白色それぞれの色度と目標値との差の変化を示すシミュレーション結果。 液晶への印加電圧を変化させたときの色度の変化を示すシミュレーション結果。 本発明の第4の実施の形態の液晶表示パネルの例を示す模式図。 液晶表示パネルAおよび液晶表示パネルBにおける色度の測定結果を示す説明図。 Δn(590nm)が異なる液晶の波長分散値の測定結果を示す説明図。 応答時間の比較結果を示す説明図。 従来の液晶表示パネルの構成例を示す模式図。 各波長の光に対する屈折率異方性の変化を示す説明図。 液晶への印加電圧Vの増加に伴うノーマリホワイト液晶表示パネルの透過率tの変化の例を示す説明図。 アクティブエリアおよびその背景を示す説明図。 CIE表色系の色度図。
符号の説明
1 液晶セル
2 フロント側偏光板
3 PC位相差フィルム
4 リア側偏光板
12 フロント側ブルー系偏光板
14 リア側ブルー系偏光板

Claims (8)

  1. 電極が設けられた一対の基板間に液晶を封止したSTN型の液晶セルと、
    前記液晶セルの前面に配置されるポリカーボネート製の位相差フィルムと、
    前記位相差フィルム上に配置される第1偏光板と、
    前記液晶セルの背面に配置される第2偏光板とを備え、
    前記液晶セルに封止される液晶の波長分散値が1.15以上である
    ことを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 液晶セルに封止される液晶の波長分散値が1.15以上1.30以下である
    請求項1に記載の液晶表示パネル。
  3. 液晶セルに封止される液晶の波長分散値が1.15以上1.25以下である
    請求項1または2に記載の液晶表示パネル。
  4. 位相差フィルムのリタデーションが590nm以上630nm以下である
    請求項1、2、または3に記載の液晶表示パネル。
  5. 液晶に電圧を印加しないときに白色を呈する
    請求項1、2、3、または4に記載の液晶表示パネル。
  6. 液晶に電圧を印加しないときに黒色を呈する
    請求項1、2、3、または4に記載の液晶表示パネル。
  7. 第1偏光板および第2偏光板は、ハンターLab表色系で表したときにおける色相bの値が1.5未満となる色の偏光板である
    請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
  8. 液晶セルに封止される液晶は、波長590nmの光に対する屈折率異方性が0.18以上である液晶であり、
    液晶セルのセルギャップは、5.0μm以下である
    請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
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