JP2008009155A - 液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶分子を基板面と平行な面内において制御して画像を表示する半透過反射表示において、明暗反転を防止する。
【解決手段】一対の基板1,2間の間隙に、液晶分子3aが基板面と実質的に平行に配列し、且つΔndが透過光に1/4波長の位相差を与える値に設定された液晶層3を封入し、一方の基板の内面に、横電界を生成する複数の信号電極4とコモン電極5とを設け、観察側とは反対側の基板2の内面に、画素100内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて、画素100を反射表示部100aと透過表示部100bとに区分する反射膜19を設け、いずれかの基板の内面に、画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて、反射表示部100aの液晶層厚d1を、反射表示部100aのΔnd1が、透過光に1/4波長の位相差を与える値になる厚さに調整する液晶層厚調整層20と、λ/4位相差層23とを設けた。
【選択図】図2
【解決手段】一対の基板1,2間の間隙に、液晶分子3aが基板面と実質的に平行に配列し、且つΔndが透過光に1/4波長の位相差を与える値に設定された液晶層3を封入し、一方の基板の内面に、横電界を生成する複数の信号電極4とコモン電極5とを設け、観察側とは反対側の基板2の内面に、画素100内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて、画素100を反射表示部100aと透過表示部100bとに区分する反射膜19を設け、いずれかの基板の内面に、画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて、反射表示部100aの液晶層厚d1を、反射表示部100aのΔnd1が、透過光に1/4波長の位相差を与える値になる厚さに調整する液晶層厚調整層20と、λ/4位相差層23とを設けた。
【選択図】図2
Description
この発明は、液晶分子の配向方位を基板面と実質的に平行な面内において制御して画像を表示する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子として、予め定めた間隙を設けて対向配置された一対の基板間の間隙に、液晶分子がその分子長軸を予め定めた一方の方向に揃えて前記基板面と実質的に平行に配列された液晶層を封入し、前記一対の基板の互いに対向する内面のうちの一方の基板の内面に、前記基板面と実質的に平行な横電界を生成し、この横電界によって前記液晶分子の配向方位が制御される複数の画素をマトリックス状に配列させて形成するための複数の信号電極及び複数のコモン電極を設け、前記一対の基板の外面にそれぞれ偏光板を配置したものがある(特許文献1参照)。
この液晶表示素子は、一方の基板の内面に設けられた複数の信号電極とコモン電極との間にそれぞれ表示データに対応した横電界を生成することにより、前記液晶分子の配向方位を前記基板面と実質的に平行な面内において制御して画像を表示する。
特開2002−82357号公報
上述した液晶表示素子は、一対の基板の観察側とは反対側の基板側から入射し、液晶層を透過した光によって画像を表示する透過型の表示素子であって、観察側から入射しだ外光によって画像を表示することができなかった。
この発明は、液晶分子の配向方位を基板面と実質的に平行な面内において制御して画像を表示し、しかも、観察側から入射した光を反射し、その光の前記観察側への出射を制御して画像を表示する反射表示と、観察側とは反対側から入射した光の前記観察側への出射を制御して画像を表示する透過表示とを、明暗を反転させること無く行なうことができる液晶表示素子を提供することを目的としたものである。
この発明の液晶表示素子は、
予め定めた間隙を設けて対向配置された観察側及びその反対側の一対の基板と、
前記一対の基板間の間隙に封入され、液晶分子がその分子長軸を予め定めた一方の方向に揃えて前記基板面と実質的に平行に配列された液晶層と、
前記一対の基板の互いに対向する内面のうちのいずれか一方に互いに絶縁して配置され、前記基板面と実質的に平行な横電界を生成し、この横電界によって前記液晶分子の配向方位が制御される複数の画素をマトリックス状に配列させて形成するための複数の信号電極及び複数のコモン電極と、
前記反対側の基板の内面または外面に、前記複数の画素内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて設けられ、前記観察側から入射した光を反射して前記観察側へ出射する反射表示部と、前記観察側とは反対側から入射した光を透過させて前記観察側へ出射する前記反射表示部以外の透過表示部とを前記複数の画素毎に形成するための反射膜と、
前記一対の基板の少なくともいずれか一方の内面に、前記複数の画素の前記反射表示部にそれぞれ対応させて形成され、前記反射表示部の前記液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値が、前記透過表示部の前記液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値に比べて透過光の1/4波長に相当する値だけ小さくなるように、前記反射表示部の液晶層厚を調整するための液晶層厚調整層と、
前記一対の基板の外面にそれぞれ配置された観察側及びその反対側の一対の偏光板と、
前記反射表示部と前記透過表示部のいずれか一方に対応させて、前記反射膜と観察側の偏光板との間、或いは前記一対の偏光板の間に設けられ、透過光に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差層と、
を備えることを特徴とする。
予め定めた間隙を設けて対向配置された観察側及びその反対側の一対の基板と、
前記一対の基板間の間隙に封入され、液晶分子がその分子長軸を予め定めた一方の方向に揃えて前記基板面と実質的に平行に配列された液晶層と、
前記一対の基板の互いに対向する内面のうちのいずれか一方に互いに絶縁して配置され、前記基板面と実質的に平行な横電界を生成し、この横電界によって前記液晶分子の配向方位が制御される複数の画素をマトリックス状に配列させて形成するための複数の信号電極及び複数のコモン電極と、
前記反対側の基板の内面または外面に、前記複数の画素内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて設けられ、前記観察側から入射した光を反射して前記観察側へ出射する反射表示部と、前記観察側とは反対側から入射した光を透過させて前記観察側へ出射する前記反射表示部以外の透過表示部とを前記複数の画素毎に形成するための反射膜と、
前記一対の基板の少なくともいずれか一方の内面に、前記複数の画素の前記反射表示部にそれぞれ対応させて形成され、前記反射表示部の前記液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値が、前記透過表示部の前記液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値に比べて透過光の1/4波長に相当する値だけ小さくなるように、前記反射表示部の液晶層厚を調整するための液晶層厚調整層と、
前記一対の基板の外面にそれぞれ配置された観察側及びその反対側の一対の偏光板と、
前記反射表示部と前記透過表示部のいずれか一方に対応させて、前記反射膜と観察側の偏光板との間、或いは前記一対の偏光板の間に設けられ、透過光に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差層と、
を備えることを特徴とする。
この発明の液晶表示素子において、前記一対の偏光板は、それぞれの吸収軸を実質的に直交させて配置するのが望ましい。
さらに、前記一対の偏光板の一方は、その吸収軸を、無電界時の液晶分子の分子長軸の向きと実質的に平行にして配置し、他方の偏光板は、その吸収軸を、前記無電界時の液晶分子の分子長軸の向きに対して実質的に直交させて配置し、前記複数の画素の反射表示部にそれぞれ対応する前記λ/4位相差層は、その遅相軸を、前記一対の偏光板の吸収軸及び前記無電界時の液晶分子の分子長軸の向きに対して実質的に45°ずらして設けるのが望ましい。
また、前記λ/4位相差層は、前記一対の基板のいずれか一方の内面に設けるのが望ましい。
その場合は、前記λ/4位相差層を前記反射表示部に対応させて設け、前記液晶層厚調整層を、前記一対の基板の少なくともいずれか一方の内面に設けられた透明膜と、前記λ/4位相差層とにより形成するのが好ましい。
或いは、前記λ/4位相差層を前記一対の基板のいずれか一方の内面に設ける場合は、λ/4位相差層を前記反射表示部に対応させて設け、液晶層厚調整層を、前記λ/4位相差層により形成するのが好ましい。
この発明の液晶表示素子は、一対の基板の互いに対向する内面のうちのいずれか一方に互いに絶縁して配置され、前記基板面と実質的に平行な横電界を生成し、この横電界によって液晶分子の配向方位が制御される複数の画素をマトリックス状に配列させて形成するための複数の信号電極と複数のコモン電極との間にそれぞれ表示データに対応した横電界を生成することにより、前記複数の画素の液晶分子の配向方位を制御して画像を表示する。
そして、この液晶表示素子は、観察側とは反対側の基板の内面または外面に、前記複数の画素内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて、前記観察側から入射した光を反射して前記観察側へ出射する反射表示部と、前記観察側とは反対側から入射した光を透過させて前記観察側へ出射する前記反射表示部以外の透過表示部とを前記複数の画素毎に形成するための反射膜を設けているため、観察側から入射した光を反射し、その光の前記観察側への出射を制御して画像を表示する反射表示と、観察側とは反対側から入射した光の前記観察側への出射を制御して画像を表示する透過表示とを行なうことができる。
しかも、この液晶表示素子は、前記液晶層のΔndを、透過光に1/2波長の位相差を与える値に設定し、且つ、前記一対の基板の少なくともいずれか一方の内面に、前記複数の画素の前記反射表示部にそれぞれ対応させて、前記反射表示部のΔndの値が、前記透過表示部のΔndの値に比べて透過光の1/4波長に相当する値だけ小さくなるように、前記反射表示部の液晶層厚を調整するための液晶層厚調整層を形成するとともに、前記反射表示部と前記透過表示部のいずれか一方に対応させて、前記反射膜と観察側の偏光板との間、或いは前記一対の偏光板の間に、透過光に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差層を設けているため、前記反射表示と透過表示とを、明暗を反転させること無く行なうことができる。
この発明の液晶表示素子において、前記一対の偏光板は、それぞれの吸収軸を実質的に直交させて配置するのが望ましく、このようにすることにより、前記反射表示部と透過表示部の両方の表示を無電界暗表示にするとともに、前記透過表示の視野を広くすることができる。
さらに、前記一対の偏光板の一方は、その吸収軸を、無電界時の液晶分子の分子長軸の向きと実質的に平行にして配置し、他方の偏光板は、その吸収軸を、前記無電界時の液晶分子の分子長軸の向きに対して実質的に直交させて配置し、前記複数の画素の反射表示部にそれぞれ対応する前記λ/4位相差層は、その遅相軸を、前記一対の偏光板の吸収軸及び前記無電界時の液晶分子の分子長軸の向きに対して実質的に45°ずらして設けるのが望ましく、このようにすることにより、前記反射表示と透過表示の両方の明るさ及びコントラストを高くすることができる。
また、前記λ/4位相差層は、前記一対の基板のいずれか一方の内面に設けるのが望ましく、このようにすることにより、前記反射表示部と透過表示部とのうち、前記λ/4位相差層が設けられた表示部の表示の視角依存性を小さくすることができる。
その場合は、前記λ/4位相差層を前記反射表示部に対応させて設け、前記液晶層厚調整層を、前記一対の基板の少なくともいずれか一方の内面に設けられた透明膜と、前記λ/4位相差層とにより形成するのが好ましく、このようにすることにより、液晶表示素子の製造を容易にすることができる。
或いは、前記λ/4位相差層を前記一対の基板のいずれか一方の内面に設ける場合は、λ/4位相差層を前記反射表示部に対応させて設け、液晶層厚調整層を、前記λ/4位相差層により形成するのが好ましく、このようにすることにより、液晶表示素子の製造をさらに容易にすることができる。
(第1の実施形態)
図1〜図6はこの発明の第1の実施例を示しており、図1は液晶表示素子の一方の基板の一部分の平面図、図2は前記液晶表示素子の図1のII−II線に沿う断面図、図3は前記液晶表示素子の図1のIII−III線に沿う断面図、図4は前記液晶表示素子の図1のIV−IV線に沿う断面図、図5は前記液晶表示素子の一対の基板の配向処理方向と一対の偏光板の吸収軸の向きとλ/4位相差層の遅相軸の向きを観察側から見た図、図6は前記液晶表示素子の1つの画素における無電界時と横電界生成時の液晶分子の分子長軸の向きを観察側から見た図である。
図1〜図6はこの発明の第1の実施例を示しており、図1は液晶表示素子の一方の基板の一部分の平面図、図2は前記液晶表示素子の図1のII−II線に沿う断面図、図3は前記液晶表示素子の図1のIII−III線に沿う断面図、図4は前記液晶表示素子の図1のIV−IV線に沿う断面図、図5は前記液晶表示素子の一対の基板の配向処理方向と一対の偏光板の吸収軸の向きとλ/4位相差層の遅相軸の向きを観察側から見た図、図6は前記液晶表示素子の1つの画素における無電界時と横電界生成時の液晶分子の分子長軸の向きを観察側から見た図である。
この液晶表示素子は、図1〜図4のように、予め定めた間隙を設けて対向配置された観察側(図2〜図4において上側)及びその反対側の一対の透明基板1,2と、前記一対の基板1,2間の間隙に封入され、液晶分子3aがその分子長軸を予め定めた一方の方向に揃えて前記基板1,2面と実質的に平行に配列された液晶層3と、前記一対の基板1,2の互いに対向する内面のうちの一方の基板の内面、例えば観察側とは反対側の基板2の内面に、互いに絶縁して配置され、前記基板1,2面と実質的に平行な横電界を生成し、この横電界によって前記液晶分子3aの配向方位が制御される複数の画素100を行方向(画面の左右方向)及び列方向(画面の上下方向)にマトリックス状に配列させて形成するための複数の信号電極4及び複数のコモン電極5と、前記一対の基板1,2の外面にそれぞれ配置された観察側及びその反対側の一対の偏光板21,22とを備えている。
以下、前記観察側の基板1を前基板、観察側とは反対側の基板2を後基板、前記前基板1の外面に配置された観察側の偏光板21を前側偏光板、前記後基板2の外面に配置された反対側の偏光板22を後側偏光板という。
前記一対の基板1,2は、図示しない枠状のシール材を介して接合されており、前記液晶層3は、前記一対の基板1,2間の間隙の前記シール材により囲まれた領域に封入されている。
この液晶表示素子は、アクティブマトリックス液晶表示素子であり、前記複数の信号電極4及びコモン電極5が設けられた後基板2の内面に、前記信号電極4とコモン電極5との間に生成された前記横電界により前記液晶分子3aの配向方位が制御される領域からなるマトリックス状に配列した複数の画素100毎に配置された能動素子6を備えている。
この能動素子6は、信号の入力電極10及び出力電極11と、前記入力電極10と出力電極11との間の導通を制御する制御電極7とを有しており、前記制御電極7が各行毎に走査線12に接続され、前記入力電極10が各列毎に信号線13に接続され、前記出力電極11が前記信号電極4に接続されている。
前記能動素子6は、TFT(薄膜トランジスタ)であり、前記後基板2の基板面上に形成されたゲート電極(制御電極)7と、前記ゲート電極7を覆って後基板2の略全面に形成された透明なゲート絶縁膜8と、このゲート絶縁膜8の上に前記ゲート電極7と対向させて形成されたi型半導体膜9と、前記i型半導体膜9の両側部の上にn型半導体膜(図示せず)を介して設けられたドレイン電極(入力電極)10及びソース電極(出力電極)11とからなっている。
前記走査線12は、前記後基板2の基板面上に、前記行方向に配列された複数の画素100からなる各画素行毎に、前記画素行の一側(図1において下側)に前記画素行と平行に形成され、各行のTFT6のゲート電極7に接続されており、前記信号線13は、前記ゲート絶縁膜8の上に、前記列方向に配列された複数の画素100からなる各画素列毎に、前記画素列の一側(図1において左側)に前記画素列と平行に形成され、各列のTFT6のドレイン電極10に接続されている。
なお、前記後基板2の縁部には、前記前基板1の外方に張出す端子配列部(図示せず)が形成されており、前記走査線12及び信号線13は、前記端子配列部に設けられた複数の走査線端子及び信号線端子に接続されている。
そして、前記コモン電極5は、前記ゲート絶縁膜8の上に形成され、前記複数の信号電極4は、前記コモン電極5及びTFT6を覆って前記後基板2の略全面に形成された透明な層間絶縁膜14の上に形成されている。すなわち、前記複数の信号電極4と前記コモン電極5は、前記層間絶縁膜14により絶縁されている。
前記複数の信号電極4はそれぞれ、縦幅(画面の上下方向の幅)が横幅(画面の左右方向の幅)よりも大きい縦長の矩形形状の領域に、その長手方向に沿う複数の櫛歯部4bが間隔を設けて互いに平行に形成され、前記長手方向の一端側に、前記複数の櫛歯部4b,4b同士をつなぐ櫛歯接続部4dが形成された透明な櫛形導電膜(例えばITO膜)4aからなっている。
この櫛形導電膜4aの各櫛歯部4bは、図6のように、前記画面の上下方向、つまり画面の縦軸yに対して、左右いずれか一方回りの方向、例えば観察側から見て右回り方向に5°〜15°の角度θで傾いた方向に沿う細長形状に形成されており、これらの櫛歯部4bのうち、前記櫛歯接続部4dに直接つながらない櫛歯部(図1において、櫛形導電膜4aの左端の櫛歯部)4bは、前記櫛歯接続部4dとは反対側の端部において隣合う櫛歯部に接続され、その隣合う櫛歯部4bを介して前記櫛歯接続部4dにつながっている。
また、この櫛形導電膜4aの各櫛歯部4bの幅D1と、隣合う櫛歯部4b,4b間の間隔D2との比D2/D1は、1/3〜3/1、好ましくは1/1に設定されている。
そして、前記櫛形導電膜4aの櫛歯接続部4dの一端側は、前記TFT6のソース電極11上に前記層間絶縁膜14を介して重なっており、前記層間絶縁膜14に設けられた図示しないコンタクト孔において前記ソース電極11に接続されている。
また、前記ゲート絶縁膜8の上に形成された前記コモン電極5は、前記各画素行毎にその全長にわたって設けられた透明な行方向導電膜(例えばITO膜)5aからなっており、前記櫛形導電膜4aからなる信号電極4と、前記行方向導電膜5aからなるコモン電極5とにより、前記信号電極4の各櫛歯部4bの縁部4cと、前記コモン電極5の前記各櫛歯部4bの縁部4cに隣接する部分(隣合う櫛歯部4b,4bの間に対応する部分)との間に、前記後基板2の基板面と実質的に平行な方向の横電界Eを生成し、この横電界Eにより前記液晶分子3aの配向方位を前記基板1,2面と実質的に平行な面内において制御する実質的に縦長矩形形状の画素100が形成されている。
なお、この実施例では、前記行方向導電膜5aを、図1のように、前記櫛形導電膜4aからなる各信号電極4にそれぞれ対応する領域を、縦長矩形形状の電極部5bにパターニングし、これらの電極部5b,5bをその一端側(走査線12が設けられた側とは反対側)において接続部5cにより接続した形状に形成しているが、この行方向導電膜5aは、前記画素行の全長にわたって前記画素100の縦幅(画面の上下方向の幅)に対応する幅に形成してもよい。
前記行方向導電膜5aは、前記複数の信号線13の上を横切って形成されており、この前記行方向導電膜5aと前記信号線13との交差部は、前記信号線13を覆って設けられた図示しない絶縁膜により絶縁されている。
また、前記各画素行にそれぞれ対応する複数の行方向導電膜5aは、前記複数の信号電極4の配列領域の一端側の外側において共通接続されており(図示せず)、その共通接続部は、前記後基板2の前記端子配列部に設けられたコモン電極端子に接続されている。
一方、前記前基板1の内面には、前記複数の画素100の間の領域及び前記複数のTFT6に対応する遮光膜15が形成されており、その上に、前記複数の画素100にそれぞれ対応する赤、緑、青の3色のカラーフィルタ16R,16G,16Bが設けられている。
そして、前記一対の基板1,2の内面にはそれぞれ、前記前基板1に設けられたカラーフィルタ16R,16G,16B及び前記後基板2に設けられたコモン電極5を覆って、ポリイミド膜等からなる水平配向膜17,18が形成されており、これらの基板1,2の内面は、前記配向膜17,18の膜面を互いに平行で且つ逆向き方向にラビングすることにより配向処理されている。
また、前記液晶層3は、正の誘電異方性を有するネマティック液晶からなっており、その液晶分子3aは、分子長軸を、前記一対の基板1,2の内面の配向処理方向により規定される予め定めた一方の方向に揃え、その方向に僅かにプレチルトした状態で、前記基板1,2面と実質的に平行に配列している。
そして、この液晶層3の液晶層厚dは、後述する透過表示部において、液晶の屈折率異方性Δnと前記液晶層厚dとの積Δndが、透過光に1/2波長の位相差を与える値(約275nm)になるように設定されている。
さらに、この液晶表示素子は、前記一方の基板1,2のうち、前記後基板2の内面に、前記複数の画素(信号電極4とコモン電極5との間に生成された横電界Eにより液晶分子3aの配向方位が制御される領域)100内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて反射膜19が設けられている。
この反射膜19は、前記それぞれの画素100に、前記観察側、つまり前記前基板1の外面側から入射した光を反射して前記観察側へ出射する反射表示部100aと、前記観察側とは反対側から入射した光を透過させて前記観察側へ出射する前記反射表示部100a以外の透過表示部100bとを形成している。
さらに、前記一対の基板1,2の少なくともいずれか一方の内面、例えば前記前基板1の内面には、前記複数の画素100の前記反射表示部100aにそれぞれ対応させて、前記反射表示部100aの液晶層厚d1を、前記反射表示部100aのΔndが、透過光に1/4波長の位相差を与える値(約137nm)になる厚さに調整する液晶層厚調整層20が形成されている。
すなわち、この液晶層厚調整層20は、前記反射表示部100aの液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値が、前記透過表示部の前記液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値に比べて透過光の1/4波長に相当する値だけ小さくなる厚さに形成されている。
また前記一方の内面には、前記複数の画素100の反射表示部100aと前記透過表示部100bのいずれか一方に対応させて、前記反射膜19と前記前側偏光板21との間、或いは前記前側及び後側の一対の偏光板21,22の間に設けられ、透過光に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差層23とを備えている。
前記反射膜19は、銀またはアルミニウム合金膜等の高い光反射率を有する金属膜からなっており、前記後基板2の基板面上に、前記複数の画素100内の予め定めた領域、例えば矩形形状をなす画素100の長手方向の中央部から一端側の領域にそれぞれ対応させて形成されている。
また、この実施例では、前記一対の基板1,2のいずれか一方の内面、例えば前基板1の内面に、前記反射表示部100aに対応させて、光学的に等方性な透明膜20aと前記λ/4位相差層23とを設け、前記透明膜20aと前記λ/4位相差層23とからなる液晶層厚調整層20を形成している。
なお、前記透明膜20aは、前記前基板1の内面に設けられた前記カラーフィルタ15R,15G,15B上に形成され、前記λ/4位相差層23は、前記透明膜20aの上に形成されている。
そして、この液晶表示素子では、透明膜20aとλ/4位相差層23との積層膜からなる液晶層厚調整層20を、前記反射表示部100aの液晶層厚d1が他の領域の液晶層厚dの略1/2になる膜厚に形成し、前記反射表示部100aのΔnd1を、透過光に1/4波長の位相差を与える約137nmに設定している。
なお、前記複数の画素100の透過表示部100bの液晶層厚d2は、前記反射表示部100a以外の領域の液晶層厚dと同じであり、したがって、前記透過表示部100bのΔnd2は、透過光に1/2波長の位相差を与える約275nmである。
すなわち、この液晶表示素子は、一対の基板1,2間の間隙に、液晶分子3aがその分子長軸を予め定めた一方の方向に揃えて前記基板1,2面と実質的に平行に配列された液晶層3を封入し、前記一対の基板1,2のうちの後基板2の内面に、互いに絶縁して配置され、前記基板1,2面と実質的に平行な横電界Eを生成し、この横電界Eによって前記液晶分子3aの配向方位が制御される複数の画素100をマトリックス状に配列させて形成するための複数の信号電極4及び複数のコモン電極5を設け、さらに、前記後基板2の内面に、前記複数の画素100内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて反射膜19を設けることにより、前記画素100を、前記予め定めた領域からなる反射表示部100aと、他の領域(反射膜19の無い領域)からなる透過表示部100bとに区分し、前記複数の画素100の透過表示部100bのΔnd2を、透過光に1/2波長の位相差を与える値(約275nm)に設定し、且つ、前記前基板1の内面に、前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて前記λ/4位相差層23を設けるとともに、前記前基板1の内面に、前記透明膜20aと前記λ/4位相差層23とからなる液晶層厚調整層20を形成することにより、前記複数の画素100の反射表示部100aのΔnd1を、透過光に1/4波長の位相差を与える値(137nm)に設定したものである。
さらに、この液晶表示素子は、前記前基板1とその外面に配置された前側偏光板21との間に、前記前基板1の全面にわたって、外部からの静電気を遮断するための一枚膜状の透明な静電気遮断導電膜24を設けている。
前記一対の基板1,2の配向処理方向(配向膜17,18のラビング方向)1a,2aと、前記一対の偏光板21,22の吸収軸21a,22aの向きと、前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて設けられたλ/4位相差層23の遅相軸23aの向きは、図5のように設定されている。
すなわち、前基板1の内面と後基板2の内面は、前記画面の左右方向、つまり画面の横軸xに対して実質的に90°ずれた方向、つまり画面の上下方向に沿って互いに逆向きに配向処理されており、前記液晶層3の液晶分子3aは、分子長軸を、前記一対の基板1,2の配向処理方向1a,2aに揃えて前記基板1,2面と実質的に平行に配列している。
なお、前記信号電極4とコモン電極5との間に生成される横電界Eは、前記信号電極4の各櫛歯部4bの縁部4cの長さ方向に対して実質的に直交する方向の電界であり、この実施例では上述したように、前記櫛歯部4bを、画面の縦軸yに対して観察側から見て右回り方向に5°〜15°の角度θで傾いた方向に沿う細長形状に形成し、前記一対の基板1,2の内面(配向膜17,18の膜面)を前記縦軸yと実質的に平行な方向に配向処理しているため、前記一対の基板1,2の配向処理方向1a,2aは、前記横電界Eの方向に対して前記5°〜15°の角度で斜めに交差している。
そして、前記前側と後側の一対の偏光板21,22は、それぞれの吸収軸21a,22aを実質的に直交させて配置され、前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応する前記λ/4位相差層23は、その遅相軸23aを、前記一対の偏光板21,22の吸収軸21a,22aに対して実質的に45°ずらして設けられている。
この実施例では、前記一対の偏光板21,22の一方、例えば前側偏光板21の吸収軸21aを、前記画面の横軸xに対して実質的に直交させ、他方の偏光板、つまり後側偏光板22の吸収軸22aを、前記画面の横軸xと実質的に平行にし、前記λ/4位相差層23の遅相軸23aを、前記画面の横軸xに対して左右いずれか一方回りの方向、例えば観察側から見て左回り方向に実質的に45°ずらしている。
すなわち、前記前側偏光板21は、その吸収軸21aを、前記一対の基板1,2の配向処理方向1a,2a、つまり前記信号電極4とコモン電極5との間に横電界Eを生成させる電圧を印加しない無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きと実質的に平行にして配置され、前記後側偏光板22は、その吸収軸22aを、前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きに対して実質的に直交させて配置され、前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応する前記λ/4位相差層23は、その遅相軸23aを、前記一対の偏光板21,22の吸収軸21a,22a及び前記無電界時の液晶分子の分子長軸の向きに対して実質的に45°ずらして設けられている。
この液晶表示素子は、前記後基板2の内面に設けられた前記複数の信号電極4と前記コモン電極5との間にそれぞれ表示データに対応した横電界Eを生成することにより、前記液晶分子3aの配向方位を前記基板1,2面と実質的に平行な面内において制御して画像を表示する。
そして、この液晶表示素子は、前記後基板2の内面に、前記複数の画素100内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて、観察側(前基板1の外面側)から入射した光を反射して前記観察側へ出射する反射表示部100aと、観察側とは反対側から入射した光を透過させて前記観察側へ出射する前記反射表示部100a以外の透過表示部100bと形成するための反射膜19を設けているため、観察側から入射した光を反射し、その光の前記観察側への出射を制御して画像を表示する反射表示と、観察側とは反対側(後基板2の外面側)から入射した光の前記観察側への出射を制御して画像を表示する透過表示とを行なうことができる。
しかも、この液晶表示素子は、前記液晶層3のΔndを、透過光に1/2波長の位相差を与える値に設定し、且つ、前基板1の内面に、前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて、前記反射表示部100aの液晶層厚d1を、前記反射表示部100aのΔnd1が、透過光に1/4波長の位相差を与える値になる厚さに調整する液晶層厚調整層20を設けるとともに、前基板1の内面に、前記反射表示部100aに対応させて、透過光に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差層23を設けているため、前記反射表示と透過表示とを、明暗を反転させること無く行なうことができる。
すなわち、前記液晶層3の液晶分子3aは、無電界時に、図6(a)のように一対の基板1,2の配向処理方向1a,2aに配列し、前記信号電極4とコモン電極5との間に横電界Eが生成されることにより、図6(b)のように、前記基板1,2面と実質的に平行な面内において、前記横電界Eの方向に対する分子長軸の角度が小さくなる方向に配列する。
なお、前記横電界Eは、上述したように、前記信号電極4の各櫛歯部4bの縁部4cと、前記コモン電極5の前記各櫛歯部4bの縁部4cに隣接する部分との間に、前記櫛歯部4bの長さ方向に対して実質的に直交する方向に沿って生成する。
そして、前記信号電極4の各櫛歯部4bは、画面の縦軸y、つまり前記一対の基板1,2の配向処理方向1a,2aに対して観察側から見て右回り方向に5°〜15°の角度θで交差する方向に沿う細長形状に形成されているため、前記横電界Eは、前記無電界時における液晶分子3aの分子長軸に対して一方の方向に65°〜85°の角度で斜めにずれた方向の電界であり、前記液晶分子3aは、前記横電界Eが生成された画素100の略全域において、前記横電界Eに対する分子長軸の角度が小さい方向、つまり前記配向処理方向1a,2aに対して観察側から見て左回り方向に一様に回転し、その方向に分子長軸を揃えて配列する。
図6(b)に示した横電界生成時の液晶分子3aの配列方向は、前記信号電極4とコモン電極5との間に、液晶分子3aを前記配向処理方向1a,2aに対して実質的に45°の方向に配列させる強さの横電界Eを生成させたときの方向である。
そして、この液晶表示素子では、図5に示したように、前側偏光板21の吸収軸21aを、前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きと実質的に平行にし、後側偏光板22の吸収軸22aを、前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きに対して実質的に直交(前側偏光板21の吸収軸21aと直交)させ、前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応するλ/4位相差層23の遅相軸23aを、前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きに対して実質的に45°ずらしているため、前記横電界Eの生成により液晶分子3aを前記配向処理方向1a,2aに対して実質的に45°の方向に配列させたときに、その分子長軸の向きが、前記前側偏光板21及び後側偏光板22の吸収軸21a,22aに対して実質的に45°ずれる。
この液晶表示素子は、外部環境の光である外光を利用する反射表示と、前記液晶表示素子の観察側とは反対側に配置される図示しない面光源からの照明光を利用する透過表示とを行なうものであり、いずれの表示を行なうときも、各画素100の信号電極4に、前記信号線13及びTFT6を介して、前記信号電極4とコモン電極5との間に前記液晶分子3aの分子長軸の向きを前記配向処理方向1a,2aに対して実質的に0°〜45°の範囲の角度で制御する横電界Eを生成する電圧値の表示データ信号を印加することにより表示駆動される。
まず、反射表示について説明すると、このときは、前記液晶表示素子にその観察側から入射した外光が、前記前側偏光板21によって直線偏光になり、その光のうち、各画素100の反射表示部100aに入射した光が、前基板1の内面に前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて設けられたλ/4位相差層23と液晶層3を透過して後基板2の内面に設けられた反射膜19により反射され、前記液晶層3と前記λ/4位相差層23を再び透過して前記前側偏光板21に入射する。なお、前記各画素100の透過表示部100bに入射した光は、前記液晶層3を透過して観察側とは反対側へ出射する。
そして、前記反射表示部100aのΔnd1は、透過光に1/4波長の位相差を与える値に設定され、前記前側偏光板21は、その吸収軸21aを、前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向き(一対の基板1,2の配向処理方向1a,2a)と実質的に平行にして配置され、前記λ/4位相差層23は、その遅相軸23aを、前記前側偏光板21の吸収軸21a及び前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きに対して実質的に45°ずらして設けられているため、前記信号電極4とコモン電極5との間に電圧を印加しない無電界時、つまり液晶分子3aが前記配向処理方向1a,2aに分子長軸を揃えて配列したときは、前記前側偏光板21によってその吸収軸21aと直交する直線偏光にされて前記画素100の反射表示部100aに入射した光が、前記λ/4位相差層23によって円偏光となって反射表示部100aの液晶層を進み、反射膜19によって反射され、逆回りの円偏光になって再び前記液晶層を進行して前記λ/4位相差層23に入射し、この前記λ/4位相差層23によりさらに前記λ/4の位相差が与えられることによって、入射した直線偏光に対して90゜旋光し、前記前側偏光板21の吸収軸21aに対して平行な直線偏光になり、前記前側偏光板21によって吸収される。
また、前記信号電極4とコモン電極5との間に、液晶分子3aを前記一対の基板1,2配向処理方向1a,2aに対して45°の方向に配列させる強さの横電界Eを生成させたときは、前記液晶分子3aの分子長軸の向きが、前記λ/4位相差層23の遅相軸23aと90゜で交差することとなり、前記液晶層3と前記λ/4位相差層23との位相差が相殺された状態となる。
そのため、前記液晶分子3aが前記横電界Eにより前記配向処理方向1a,2aに対して45°の方向に配列したときは、前記前側偏光板21によってその吸収軸21aと直交する直線偏光にされた光は、前記λ/4位相差層23と液晶層とを位相差が与えられることなく透過し、前記前側偏光板21の吸収軸21aと直交する直線偏光のまま前記前側偏光板21に入射し、この前側偏光板21を透過して観察側に出射する。
すなわち、前記反射表示部100aの無電界時の表示は暗表示、横電界生成時の表示は明表示である。
次に、透過表示について説明すると、このときは、前記図示しない面光源から前記液晶表示素子に向けて照射された照明光が、前記後側偏光板22によってその吸収軸22aと直交する直線偏光になり、その光のうち、各画素100の透過表示部100bに向かう光が前記液晶層3に入射する。なお、前記各画素100の反射表示部100aに入射した光は、前記反射膜19により反射され、前記後側偏光板22を再び透過して観察側とは反対側(面光源側)へ出射する。
そして、前記透過表示部100bのΔnd2は、透過光に1/2波長の位相差を与える値に設定され、前記後側偏光板22は、その吸収軸22aを、前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向き(一対の基板1,2の配向処理方向1a,2a)と実質的に直交させて配置され、また、前側偏光板21は、その吸収軸21aを、前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きと実質的に平行にして配置されているため、前記信号電極4とコモン電極5との間に電圧を印加しない無電界時、つまり液晶分子3aが前記配向処理方向1a,2aに分子長軸を揃えて配列したときは、前記後側偏光板22によってその吸収軸22aと直交する直線偏光となって前記画素100の透過表示部100bに入射した光は、前記液晶層3を偏光状態を変えることなく透過し、その偏光面と平行な方向に吸収軸21aを向けて配置された前記前側偏光板21により吸収される。。
また、前記信号電極4とコモン電極5との間に、液晶分子3aを前記一対の基板1,2配向処理方向1a,2aに対して45°の方向に配列させる強さの横電界Eを生成させたときは、前記液晶分子3aの分子長軸の向きが、前記後側偏光板22により直線偏光されて前記画素100の透過表示部100aに入射した光(無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きに対して直行する直線偏光)の偏光面に対して実質的に45°ずれる。
そのため、前記液晶分子3aが前記横電界Eにより前記配向処理方向1a,2aに対して45°の方向に配列したときは、前記後側偏光板22によってその吸収軸22aと直交する直線偏光になった光が、Δnd2を透過光に1/2波長の位相差を与える値に設定された前記透過表示部100bの液晶層3を透過する間に実質的に90°旋光されて前記前側偏光板21の吸収軸21aと直交する直線偏光になり、前記前側偏光板21にを透過する。
すなわち、前記透過表示部100bの無電界時の表示は暗表示、横電界生成時の表示は明表示である。
このように、この液晶表示素子は、前記各画素100の反射表示部100aの表示と透過表示部100bの表示は、いずれも無電界暗表示(ノーマリーブラック表示)であり、したがって、外光を利用する反射表示と、液晶表示素子の観察側とは反対側に配置された面光源からの照明光を利用する透過表示とを、表示の明暗を反転させること無く行なうとともに、外光の照度が不足するときに前記面光源を補助光源として利用し、反射表示と透過表示とを併用する表示を行なうことができる。
しかも、この液晶表示素子は、前記一対の偏光板21,22を、それぞれの吸収軸21a,22aを実質的に直交させて配置しているため、前記画素100の反射表示部100aと透過表示部100bの両方の表示を無電界暗表示にするとともに、前記透過表示の視野を広くすることができる。
さらに、この液晶表示素子は、前側偏光板21を、その吸収軸21aを無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きと実質的に平行にして配置し、後側偏光板22を、その吸収軸22aを前記無電界時の液晶分子の分子長軸の向きに対して実質的に直交させて配置し、前記複数の画素の反射表示部にそれぞれ対応する前記λ/4位相差層23を、その遅相軸23aを前記一対の偏光板21,22の吸収軸21a,22a及び前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きに対して実質的に45°ずらして設けているため、前記反射表示部100aと透過表示部100bの無電界時の光の出射率を実質的に最少にして十分高いコントラストを得ることができる。
また、前記液晶分子3aを一対の基板1,2配向処理方向1a,2aに対して45°の方向に配列させる強さの横電界Eを生成させたときの光の出射率を十分高くすることができ、明るい明表示を行うことができる。したがって、前記反射表示と透過表示の両方の明るさ及びコントラストを高くすることができる。
なお、前記一対の基板は、前側偏光板21の吸収軸21aを無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きと実質的に直交させ、後側偏光板22の吸収軸22aを前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きと実質的に平行にして配置してもよく、その場合も、前記λ/4位相差層23を、その遅相軸23aを前記一対の偏光板21,22の吸収軸21a,22a及び前記無電界時の液晶分子3aの分子長軸の向きに対して実質的に45°ずらして設けることにより、前記反射表示と透過表示の両方の明るさ及びコントラストを高くすることができる。
また、この液晶表示素子は、前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応するλ/4位相差層23を、前記一対の基板1,2のいずれか一方(この実施例では前側偏光板)21の内面に設けているため、正面方向(液晶表示素子の法線付近の方向)に対して斜め方向から見たときの前記反射表示部100aの横電界Eにより液晶分子3aの配向方位が制御される領域と前記λ/4位相差層23とのずれをほとんど無くすことができ、したがって、前記反射表示部100aと透過表示部100bとのうち、前記λ/4位相差層23が設けられた反射表示部100aの表示の視角依存性を小さくすることができる。
さらに、この液晶表示素子は、前記λ/4位相差層23を、前記一方の基板1の内面に、複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて設け、前記反射表示部100aの液晶層厚d1を前記反射表示部100aのΔnd1が透過光に1/4波長の位相差を与える値になる厚さに調整する液晶層厚調整層20を、前記一方の基板21の内面に設けられた透明膜20aと前記λ/4位相差層23とにより形成しているため、前記液晶層厚調整層20とは別にλ/4位相差層23を設ける場合に比べて、液晶表示素子の製造を容易にすることができる。
なお、上記実施例では、前記透明膜20aとλ/4位相差層23を前基板1の内面に設けているが、前記透明膜20aは、後基板1の内面に設けても、一対の基板1,2の両方の内面に設けてもよい。
(第2の実施形態)
図7はこの発明の第2の実施例を示す液晶表示素子の一部分の断面図である。なお、この実施例において、上述した第1の実施例と同じものについては、図に同符号を付してその説明を省略する。
図7はこの発明の第2の実施例を示す液晶表示素子の一部分の断面図である。なお、この実施例において、上述した第1の実施例と同じものについては、図に同符号を付してその説明を省略する。
この実施例の液晶表示素子は、前基板1の内面に、複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて、上記第1の実施例における透明膜20aとλ/4位相差層23との積層膜の膜厚と同じ厚さのλ/4位相差層23を設け、このλ/4位相差層23により、前記反射表示部100aの液晶層厚d1を前記反射表示部100aのΔnd1が透過光に1/4波長の位相差を与える値になる厚さに調整する液晶層厚調整層20を形成したものであり、他の構成は第1の実施例と同じである。
この実施例の液晶表示素子は、前基板1の内面に、複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて前記厚さのλ/4位相差層23を設け、前記反射表示部100aの液晶層厚d1を前記反射表示部100aのΔnd1が透過光に1/4波長の位相差を与える値になる厚さに調整する液晶層厚調整層20を、前記λ/4位相差層により形成しているため、液晶表示素子の製造を上記第1の実施例よりもさらに容易にすることができる。
(他の実施形態)
なお、上述した実施例の液晶表示素子は、櫛形導電膜4aからなる信号電極4を備えたものであるが、前記信号電極4は、複数のスリットを互いに平行に形成したスリット付き導電膜により形成してもよい。
なお、上述した実施例の液晶表示素子は、櫛形導電膜4aからなる信号電極4を備えたものであるが、前記信号電極4は、複数のスリットを互いに平行に形成したスリット付き導電膜により形成してもよい。
また、上記各実施例では、後基板2の内面の信号電極4よりも前記基板2側に、前記信号電極4と絶縁してコモン電極5を設けているが、TFT6に接続された信号電極を、画素領域に対応する形状の導電膜により形成し、その信号電極よりも液晶層側に、前記信号電極と絶縁して、櫛形導電膜またはスリット付き導電膜からなるコモン電極を設けてもよい。
さらに、上記各実施例では、後基板2の内面に、複数の信号電極4とコモン電極5を設けているが、前記信号電極4とコモン電極5は、前基板1の内面に設けてもよく、また、前記画素100を反射表示部100aと透過表示部100bとに区分する反射膜19は、前記後基板2の内面に設けてもよい。
また、上記各実施例では、前記複数の画素100の反射表示部100aにそれぞれ対応させて、透過光に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差層23を設けているが、前記λ/4位相差層23は、前記複数の画素100の透過表示部100aにそれぞれ対応させて設け、前記反射表示部100aの液晶層厚d1を前記反射表示部100aのΔnd1が透過光に1/4波長の位相差を与える値になる厚さに調整する液晶層厚調整層20を、光学的に等方性な透明膜により形成してもよい。
その場合も、一対の基板1,2の配向処理方向1a.2aと一対の偏光板21,22の吸収軸21a,22aの向きと前記λ/4位相差層23の遅相軸23aの向きは、図5と同じ向きか、或いはそれと直交する向きにすればよく、このようにすることにより、前記各画素100の反射表示部100aの表示と透過表示部100bの表示の両方を、無電界暗表示(ノーマリーブラック表示)にし、前記反射表示部100aによる反射表示と、前記透過表示部100bによる透過表示とを、表示の明暗を反転させること無く行なうとともに、前記反射表示と透過表示の両方の明るさ及びコントラストを高くすることができる。
さらに、上記実施例では、前記λ/4位相差層23を、前基板1の内面に設けているが、前記λ/4位相差層23を前記画素100の反射表示部100aに対応させて設ける場合、このλ/4位相差層23は、前記反射膜19と前側偏光板21との間であれば、後基板2の内面、または前基板1と前側偏光板21との間に設けてもよい。
また、前記λ/4位相差層23を前記画素100の透過表示部100bに対応させて設ける場合、このλ/4位相差層23は、前側と後側の一対の偏光板21,22の間であれば、後基板2の内面、前基板1と前側偏光板21との間、後基板1と後側偏光板22との間のいずれに設けてもよい。
1…前基板(観察側基板)、2…後基板(反対側基板)、1a,2a…配向処理方向、3…液晶層、3a…液晶分子、4…信号電極、4a…櫛形導電膜、4b…櫛歯部、5…コモン電極、5a…行方向導電膜、5b…電極部、6…TFT(能動素子)、7…ゲート電極(制御電極)、8…ゲート絶縁膜、9…i型半導体膜、10…ドレイン電極(入力電極)、11…ソース電極(出力電極)、12…走査線、13…信号線、14…層間絶縁膜、15…遮光膜、16R,16G,16B…カラーフィルタ、17,18…配向膜、19…反射膜、20…液晶層厚調整層、20a…透明膜、21…前側(観察側)偏光板、21a…吸収軸、22…後側(反対側)偏光板、22a…吸収軸、23…λ/4位相差層、23a…遅相軸、24…静電気遮断導電膜、100…画素、100a…反射表示部、100b…透過表示部。
Claims (6)
- 予め定めた間隙を設けて対向配置された観察側及びその反対側の一対の基板と、
前記一対の基板間の間隙に封入され、液晶分子がその分子長軸を予め定めた一方の方向に揃えて前記基板面と実質的に平行に配列された液晶層と、
前記一対の基板の互いに対向する内面のうちのいずれか一方に互いに絶縁して配置され、前記基板面と実質的に平行な横電界を生成し、この横電界によって前記液晶分子の配向方位が制御される複数の画素をマトリックス状に配列させて形成するための複数の信号電極及び複数のコモン電極と、
前記反対側の基板の内面または外面に、前記複数の画素内の予め定めた領域にそれぞれ対応させて設けられ、前記観察側から入射した光を反射して前記観察側へ出射する反射表示部と、前記観察側とは反対側から入射した光を透過させて前記観察側へ出射する前記反射表示部以外の透過表示部とを前記複数の画素毎に形成するための反射膜と、
前記一対の基板の少なくともいずれか一方の内面に、前記複数の画素の前記反射表示部にそれぞれ対応させて形成され、前記反射表示部の前記液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値が、前記透過表示部の前記液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値に比べて透過光の1/4波長に相当する値だけ小さくなるように、前記反射表示部の液晶層厚を調整するための液晶層厚調整層と、
前記一対の基板の外面にそれぞれ配置された観察側及びその反対側の一対の偏光板と、
前記反射表示部と前記透過表示部のいずれか一方に対応させて、前記反射膜と観察側の偏光板との間、或いは前記一対の偏光板の間に設けられ、透過光に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差層と、
を備えることを特徴とする液晶表示素子。 - 一対の偏光板は、それぞれの吸収軸を実質的に直交させて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 一対の偏光板の一方は、その吸収軸を、無電界時の液晶分子の分子長軸の向きと実質的に平行にして配置され、他方の偏光板は、その吸収軸を、前記無電界時の液晶分子の分子長軸の向きに対して実質的に直交させて配置され、複数の画素の反射表示部にそれぞれ対応するλ/4位相差層は、その遅相軸を、前記一対の偏光板の吸収軸及び前記無電界時の液晶分子の分子長軸の向きに対して実質的に45°ずらして設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
- λ/4位相差層は、一対の基板のいずれか一方の内面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- λ/4位相差層は反射表示部に対応させて設けられ、液晶層厚調整層は、一対の基板の少なくともいずれか一方の内面に設けられた透明膜と、前記λ/4位相差層とにより形成されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子。
- λ/4位相差層は反射表示部に対応させて設けられ、液晶層厚調整層は、前記λ/4位相差層により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子。
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