JP2008001924A - 溶射皮膜形成方法および溶射皮膜形成装置 - Google Patents

溶射皮膜形成方法および溶射皮膜形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】溶射作業終了後、次回の溶射作業開始時でのアークを発生させるための点火作業が容易に行えるようにする。
【解決手段】溶射ガン1の先端部にカッタ49を設け、溶射ガン1のカソード電極33とワイヤ5の先端5aとの間にアークを発生させ、アーク熱によりワイヤ5を溶融させてこの溶融金属を開口35から放出するアトマイズエアによって前方に移動させ、ワーク表面に溶射皮膜を形成する。溶射ガン1の先端部にはカッタ保持具45を介してカッタ49を取付け、溶射後、ワイヤ5を前進移動させて、溶射ガン1のワイヤ5を中心とした回転によって、その前方に位置するカッタ49に先端5aを接触させて鋭利に切削する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶射用材料となるワイヤを溶射ガンに送給しつつ該溶射ガンからアークを発生させ、このアークの熱によりワイヤの先端を溶融させた溶融金属を被溶射物に供給して被溶射物表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成方法および溶射皮膜形成装置に関する。
溶射ガンから発生させたアークの熱によってワイヤの先端を溶融させ、この溶融金属をガス流により被溶射物に向けて噴射させるアーク溶射方法では、溶射作業終了後アークが消火した時点のワイヤの先端形状が、丸みを帯びていたり、平坦となっているなど、常に一定な形状ではなく、このため、次回の溶射作業開始時のアークを発生させるための点火作業が容易に行えず、作業性の悪化を招いている。
例えば下記特許文献1には、複数のワイヤ相互間にアークを発生させるアーク溶射方法が記載されており、ここでは、切断機によりワイヤの先端を切断することで、ワイヤ先端部の形状を調整し、切断後のワイヤの先端を清掃して溶射ガンの修復作業を行っている。
特開2002−285316号公報(段落0063,0097,0099参照)
しかしながら、上記した従来のものは、溶射作業終了後のワイヤの先端を切断してはいるものの、切断後のワイヤ先端の形状については、特に考慮しておらず、したがってその形状によっては、次回溶射作業開始時のアークを発生させるための点火作業に支障を来たす恐れがある。
そこで、本発明は、溶射作業終了後、次回の溶射作業開始時のアークを発生させるための点火作業が容易に行えるようにすることを目的としている。
本発明は、溶射用材料となるワイヤを溶射ガンに送給しつつ該溶射ガンと前記ワイヤの先端との間でアークを発生させ、このアークの熱により前記ワイヤの先端を溶融させた溶融金属を被溶射物に向けて噴射して被溶射物表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成方法において、前記ワイヤの先端を、前記アークを発生させる前に鋭利にすることを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、溶射用のワイヤの先端を、アークを発生させる前に鋭利にするようにしたので、溶射ガンとワイヤとの間でアークを発生させるための点火作業が容易となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示すアーク溶射による溶射皮膜形成装置の溶射ガン先端の一部断面を含む正面図、図2は、溶射皮膜形成装置の全体構成図である。図2に示すように、溶射ガン1は、図2中で下端側に対応する先端側に溶射ノズル部3を備えており、この溶射ガン1内に、溶射用の鉄系金属からなるワイヤ5を、図2中の上端から挿入して溶射ノズル部3まで供給している。
溶射ガン1は、溶射ノズル部3側から回転部7,ガス配管接続部9,ワイヤ送給部11をそれぞれ備えている。回転部7のガス配管接続部9近傍の外周には従動プーリ13を設ける一方、回転駆動モータ15には駆動プーリ17を連結し、これら各プーリ13,17を連結ベルト19によって互いに連結する。回転駆動モータ15は、規定の回転数信号の入力を受けるコントローラ21によって駆動制御され、回転部7をその先端の溶射ノズル部3とともに回転させる。
これら回転部7および溶射ノズル部3は、溶射ガン1内のワイヤ5を中心軸線として回転し、その際ワイヤ5が回転することはない。
ガス配管接続部9には、ガス供給源23から、水素とアルゴンとの混合ガスを供給する混合ガス配管25と、アトマイズエア(空気)を供給するアトマイズエア配管26とをそれぞれ接続する。混合ガス配管25によってガス配管接続部9内に供給された混合ガスは、その下部の回転部7内に形成してある図示しない混合ガス通路を通って溶射ノズル部3まで供給される。同様にして、アトマイズエア配管26によってガス配管接続部9内に供給されたアトマイズエアは、その下部の回転部7内に形成してある図示しないアトマイズエア通路を通って溶射ノズル部3まで供給される。
ここで、ガス配管接続部9内の図示しない混合ガス通路およびアトマイズエア通路と、ガス配管接続部9に対して回転する回転部7内の図示しない混合ガス通路およびアトマイズエア通路とをそれぞれ連通させる必要がある。この場合の連通構造としては、例えばガス配管接続部9内の混合ガス通路およびアトマイズエア通路の各下端部を環状通路とし、この環状通路に、回転部7内の上下に延びる混合ガス通路およびアトマイズエア通路の上端をそれぞれ連通させることが考えられる。これにより、回転部7がガス配管接続部9に対して回転しても、回転部7内の混合ガス通路およびアトマイズエア通路とガス配管接続部9内の混合ガス通路およびアトマイズエア通路とがそれぞれ常時連通することになる。
ワイヤ送給部11は、規定の回転数信号の入力を受けて回転してワイヤ5を溶射ノズル部3に向けて順次送給する一対の送りローラ26を備えている。また、ワイヤ5は、ワイヤ収納容器27に収納してあり、ワイヤ収納容器27の上部の引出口27aから引出したワイヤ5を、一対の送りローラ29を備える容器側ワイヤ送給部31により、ガイドローラ32を経て溶射ガン1に向けて送り込む。
次に、図1に拡大して示す溶射ノズル部3について説明する。溶射ノズル部3は、内部にカソード電極33を備え、このカソード電極33とアノード電極となるワイヤ5の先端5aとの間に電圧を印加するとともに、混合ガス放出口37から混合ガスを放出することで、開口35を通過するアークを発生させて、このアークの熱によりワイヤ5の先端を溶融させる。
なお、図1でのワイヤ5は、上記したアーク発生時に対し、図1中で下方の前方に移動させて後述するワイヤ5の先端5aを鋭利に切削している状態であり、アーク発生時には、図2に示すように、ワイヤ5の先端5aは上記した開口35の前方に位置することになる。
アークが通過する上記した開口35の周囲には、混合ガス放出口37を円周方向に沿って複数設けてある。混合ガス放出口37は、カソード電極33の上部に形成してある図示しない混合ガス通路に連通し、この混合ガス通路には、前記図2に示したガス供給源23からの混合ガスが、前記した回転部7内の図示しない混合ガス通路を経て供給される。
また、ワイヤ5は、回転部7の下端に設けてある円筒形状の上部ワイヤガイド41内に移動可能に挿入されている。なお、この上部ワイヤガイド41は図2では省略している。
溶射ノズル部3の図1中で下端に対応する先端には、カッタ保持ブラケット43を突出して設け、このカッタ保持ブラケット43には、カッタ保持具45の基端部を固定用ボルト47によって下方から固定する。
カッタ保持具45は、ワイヤ5側に先端部を位置させており、その先端部に切削手段としての板状のカッタ49およびワイヤガイド51を取付けている。図3は、カッタ49やワイヤガイド51を備えるカッタ保持具45を示すもので、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は底面図である。なお、図3(a),(c)では、ワイヤガイド51を省略している。
カッタ保持具45は、先端部に先端側ほど図1中で上下高さが低くなる傾斜面45aを備えるとともに、この傾斜面45aの図1中で紙面手前側に底面部45bを残して切欠部45cを形成している。底面部45bは、図3(a)に示すように、カッタ保持具45の先端側が先細形状となるようテーパ面45dを備えている。
そして、傾斜面45aに上記したカッタ49を2本の固定用ボルト53によって固定している。この際図3(a)に示すように、カッタ49の切刃49aを切欠部45c側に突出させている。
また、カッタ保持具45の上面45eには、前記したワイヤガイド51を固定用ボルト55によって固定する。ワイヤガイド51は、ワイヤ5が移動可能に挿入される円筒ガイド部51aを備え、ワイヤ5は円筒ガイド部51aに挿入された状態で先端5aがカッタ49の切刃49aに対応する位置となる。円筒ガイド部51aのワイヤ挿入孔の上端部は、上部側ほど内径が広がるテーパ形状としてワイヤ5の挿入を容易にしている。
また、上記した円筒ガイド部51aは、図1に示すように、前記した上部ワイヤガイド41と同直線上に位置してワイヤ5をガイドする。
ワイヤガイド51は、円筒ガイド部51aのカッタ保持ブラケット43側の側部に取付板51bを装着しており、この取付板51bの下部に、図3(b)に示すように左右に突出するフランジ51cを設け、このフランジ51cを前記した固定用ボルト55によってカッタ保持具45の上面45eに固定する。
図2に示すように、溶射ガン1の下方には、排気チャンバ57を設置し、排気チャンバ57の側部には排気ダクト59を接続する。排気チャンバ57は、ワーク載置台61の下部に設置してあり、ワーク載置台61上に、円筒部材からなる被溶射物としてのワークWを載置する。なお、円筒部材からなるワークWとしては、例えば自動車などに搭載される内燃機関のアルミ合金製シリンダブロックであり、そのシリンダボア内面に対して鉄系金属の溶射皮膜を形成する。
次に、作用を説明する。図2に示すように、ワイヤ5の先端5aが溶射ノズル部3の開口35の前方に位置する状態で、溶射ノズル部3のカソード電極33とワイヤ5との間で、例えば200V(20A)の電圧を印加するとともに、ガス供給源23から溶射ガン1に供給した混合ガスを混合ガス放出口37から放出することで、図示しないアークを発生させて点火し、アークの熱によってワイヤ5の先端5aを溶融させる。
この際ワイヤ5を、その溶融に伴って、容器側ワイヤ送給部31およびワイヤ送給部11を駆動して前方に順次送給する。これとともに、ガス供給源23から溶射ガン1に供給したアトマイズエアを、開口35からワイヤ5の先端5a付近に向けて放出し、上記ワイヤ5の溶融金属を噴霧化して円筒部材からなるワークWの内面Waに向けて移動させて付着させ、これにより溶射皮膜を形成する。
上記溶射皮膜を形成する際には、回転部7およびその下部の溶射ノズル部3を、回転駆動モータ15によりワイヤ5を中心軸位置として回転させるとともに、溶射ガン1を、図示しない上下駆動機構によって円筒部材の軸方向に移動させることで、ワークWの内面Waの必要部位に溶射皮膜を形成する。
溶射皮膜形成後は、電圧印加を解除してアークを消火させ、混合ガスおよびアトマイズエアの供給も停止し、アーク電流値が低下した時点でワイヤ5の送給を停止する。図4(a)は、アーク消火後の状態を示し、このときワイヤ5の先端5aは、丸みを帯びた形状となっている。
図4(a)の状態では、溶射ガン1を回転させつつ、ワイヤ送給部11および上流側ワイヤ送給部31を再度駆動することで、ワイヤ5を、図4(b)のように前進移動させ、さらにワイヤガイド51の円筒ガイド部51a内に挿入し、図4(c)のように、先端5aを下部から突出させてカッタ49の切刃49aに接触する位置まで前進させる。ワイヤ5の先端5aの切刃49aへの接触位置は、切刃49aの長さ方向のほぼ中央に位置している。
このとき、溶射ガン1は回転しているので切刃49aもワイヤ5の中心軸線を中心として回転し、これにより、図4(c)のようにワイヤ5の先端5aが傾斜状態の切刃49aによって鋭利に切削される。
上記の切削過程では、ワイヤ5を徐々に前進させ、切削が完了したら、図5(a)のように前進移動を停止させる。その後、図5(b)のように溶射ガン1の回転を継続させつつ、前記したワイヤ送給部11を逆転駆動してワイヤ5を後退させ、先端5aがカッタ49から離反した図6(a)の状態で溶射ガン1の回転を停止させる。
その後、ワイヤ5をさらに後退させて、図6(b)のように、その先端5aを溶射ノズル部3における開口35の前方位置とし、次のワークに対する溶射作業に備える。図6(b)の状態では、ワイヤ5の先端形状は、先細の円錐形状であり鋭利となっているので、カソード電極33とワイヤ5の先端5aとの間に電圧を印加したときに、従来のように丸みを帯びた形状や平坦な形状と比較して、これら両者間にアークが容易に発生し、点火作業が確実に行えて作業性が向上する。
また、上記したワイヤ5の先端5aは、溶射作業を行う毎にカッタ49によって切削して毎回一定の鋭利な形状とするので、繰り返し溶射作業を行う際にも、アークが容易に発生して点火作業が確実に行える。
また、ワイヤ5を、その先端5aがアークの発生位置より前方となるよう送給移動させた状態で、先端5aを鋭利にするので、溶射ガン1を特定の切削エリアに移動させる必要がなく、切削作業を短時間で容易に行え、コスト削減に寄与することができる。
さらに、ワイヤ5を、先端5aを鋭利にしてから、アークを発生させる位置にまで後退移動させるので、次回の溶射作業時でのアーク発生を安定的に行え、溶射作業効率が向上する。
また、溶射ガン1は、円筒部材からなるワークWの内面Waを溶射する際に、円筒内にてワイヤ5を中心として該ワイヤ5に対して回転するものであり、この溶射ガン1が回転した状態で、回転停止状態のワイヤ5の先端5aがカッタ49に接触しつつ鋭利に切削するので、カッタ49を駆動する専用の動力が不要となり、構造の簡素化を図ることができる。
また、カッタ49の直前では、ワイヤガイド51によってワイヤ5をガイドし保持しているので、切削時でのワイヤ5の曲がりを防止して先端形状のくずれを防止するとともに、切削後ワイヤ5を後退させる際に先端位置の横ずれを防止することができる。
図7(a)は、本発明の第2の実施形態を示すアーク溶射による溶射皮膜形成装置の溶射ガン先端の側面図、図7(b)は図7(a)の簡略化したB−B断面図である。なお、図7(b)は、前記した第1の実施形態による図1に相当し、ここでの溶射ガン1Aにおける溶射ノズル部3Aには、第1の実施形態と同様に、中心部にアークおよびアトマイズエアが通過する開口35Aを備えるとともに、その周囲に、水素とアルゴンとの混合ガスを放出する混合ガス放出口37Aを複数設けている。
符号41Aは、ワイヤガイドで、ワイヤ5を図7中で上下方向に移動可能にガイドし、またワイヤ5は、前記図1,図2に示した第1の実施形態と同様に、ワイヤ収納容器からワイヤ送給部を経て溶射ガン1Aに送り込まれる。
そして、第2の実施形態における溶射ノズル部3Aには、図7(a)に示すように、左右両側部に、カッタ駆動機構63,65をそれぞれ設けている。この各カッタ駆動機構63,65は互いに同等の構造を備えており、同一構成部分には、同一符号を付して説明する。
上記したカッタ駆動機構63,65は、先端に切削手段としてのカッタ67を備えるカッタ保持具69を、ガイド部71に対して図7中で左右方向に移動可能に設けている。ここでのガイド部71は、例えばシリンダで構成し、カッタ保持具69を油圧あるいは空圧で移動させることができる。
上記したガイド部71は、ワイヤ5側の端部を、保持部材73によって溶射ノズル部3Aに固定してある。保持部材73は、図7(a)中で溶射ノズル部3Aの左右方向両端位置で、かつ図7(b)中で溶射ノズル部3Aから右方向に突出した状態となるよう設けてあり、このような保持部材73を用いてガイド部71を取り付けることで、左右一対のカッタ67,67相互を結ぶ直線上にワイヤ5が位置するものとなる。
さらに、上記した左右一対のカッタ67,67の図7中での上下位置は、溶射ノズル部3Aにおける開口35Aの中心と同位置にあるものとする。
次に、作用を説明する。第1の実施形態と同様に、カソード電極33Aとワイヤ5との間にアークを発生させて溶射作業を行った後は、ワイヤ5の先端5aが前記図4(a)に示したように丸みを帯びた形状、あるいは、図7(a)のように平坦な形状となるなど、一定していない。
ここで溶射作業終了時でのワイヤ5の先端5aが、図7(a)のように、左右一対のカッタ67,67相互を結ぶ直線上よりも前進位置(図7(a)中で下方位置)にある場合には、そのままの状態で各カッタ67,67を互いに接近させる方向に移動させ、図8に示すように、ワイヤ5を切断して、前記平坦な形状部分や丸みを帯びた部分を削除する。符号75は、この切断によって落下したワイヤ5の破片である。
この際、カッタ67は、図9に示すように先端部に上面に向く傾斜面67aを設けており、これによってワイヤ5の切断面が、先細の楔形状となって鋭利なものとなる。
一方、溶射完了時に、ワイヤ5の先端5aが、左右一対のカッタ67,67相互を結ぶ直線上を含み、該直線上より上方に位置する場合には、図7(a)の位置までワイヤ5を前進移動させ、この状態で、前記と同様にしてワイヤ5を鋭利に切断する。
このように、第2の実施形態においても、溶射作業終了後にワイヤ5を切断することで、ワイヤ5のアーク発生により点火する部位である先端形状を、先細の楔形状として鋭利としているので、カソード電極33Aとワイヤ5の先端5aとの間に電圧を印加したときに、従来のように丸みを帯びた形状や平坦な形状と比較して、これら両者間にアークが容易に発生し、点火作業が確実に行えて作業性が向上する。
また、第2の実施形態においては、左右一対のカッタ67,67の図7中で上下方向のワイヤ送給方向での位置が、溶射ノズル部3Aの開口35Aの中心と同位置にあるので、ワイヤ5を切断した後の先端5aが、開口35Aすなわちアークが発生する位置に対応しており、したがってワイヤ切断後にワイヤ5を移動させずにそのままの位置で、次のワークに対して溶射作業を継続して行うことができる。
また、第2の実施形態においても、溶射ガン1Aを特定の切削エリアに移動させる必要がなく、切削作業を短時間で容易に行え、コスト削減に寄与することができる。
さらに、第2の実施形態においては、溶射作業終了時に、ワイヤ5の先端5aが開口35Aよりもワイヤガイド41A側に位置している場合であっても、ワイヤ5を一端前方へ移動させて切断することで、先端5aが常に開口35Aに対応する位置となるので、先端5aが開口35Aよりもワイヤガイド41A側に位置したままアークを発生させた場合でのワイヤガイド41Aの溶損を回避することができる。
本発明の第1の実施形態を示すアーク溶射による溶射皮膜形成装置の溶射ガン先端の一部断面を含む正面図である。 図1の溶射皮膜形成装置の全体構成図である。 カッタやワイヤガイドを備えるカッタ保持具を示すもので、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は底面図である。 図1の溶射皮膜形成装置のワイヤ切断作業を示す動作説明図で、(a)はアーク消火後の状態、(b)はワイヤを前進させている状態、(c)はワイヤ先端を切削している状態をそれぞれ示す。 図1の溶射皮膜形成装置のワイヤ切断作業を示す動作説明図で、(a)はワイヤ切削完了後の状態、(b)はワイヤを後退させている状態をそれぞれ示す。 図1の溶射皮膜形成装置のワイヤ切断作業を示す動作説明図で、(a)はワイヤ後退後溶射ガンの回転を停止させた状態、(b)はワイヤを溶射位置までさらに後退させた状態をそれぞれ示す。 (a)は、本発明の第2の実施形態を示すアーク溶射による溶射皮膜形成装置の溶射ガン先端の側面図、(b)は(a)の簡略化したB−B断面図である。 図7の溶射皮膜形成装置にてワイヤを切断している状態を示す動作説明図である。 図8のワイヤ切断部位を拡大して示す説明図である。
符号の説明
1 溶射ガン
5 ワイヤ
5a ワイヤの先端
49,67 カッタ(切削手段)
W ワーク(被溶射物)
Wa ワークWの内面(被溶射物表面)

Claims (10)

  1. 溶射用材料となるワイヤを溶射ガンに送給しつつ該溶射ガンと前記ワイヤの先端との間でアークを発生させ、このアークの熱により前記ワイヤの先端を溶融させた溶融金属を被溶射物に向けて噴射して被溶射物表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成方法において、前記ワイヤの先端を、前記アークを発生させる前に鋭利にすることを特徴とする溶射皮膜形成方法。
  2. 前記ワイヤの先端を、切削手段を用いて鋭利に切削することを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜形成方法。
  3. 前記ワイヤを、その先端が前記アークの発生位置より前方となるよう送給移動させた状態で、前記ワイヤのアーク発生により点火する部位を鋭利にすることを特徴とする請求項1または2に記載の溶射皮膜形成方法。
  4. 前記ワイヤを、鋭利となった先端が前記アークを発生させる位置となるよう後退移動させることを特徴とする請求項3に記載の溶射皮膜形成方法。
  5. 前記溶射ガンは、前記被溶射物の円筒内面を溶射する際に前記円筒内にて前記ワイヤを中心として該ワイヤに対して回転可能であり、前記溶射ガンの、前記アーク発生位置より先端側に前記切削手段を設け、前記溶射ガンを回転させた状態で、回転停止状態の前記ワイヤの先端を前記切削手段に接触させつつ鋭利に切削することを特徴とする請求項4に記載の溶射皮膜形成方法。
  6. 前記溶射ガンの、前記ワイヤ送給方向での前記アーク発生位置に対応する位置に前記切削手段を設け、この切削手段が前記ワイヤに接近することで該ワイヤを切断して前記アーク発生により点火する部位を鋭利にすることを特徴とする請求項3に記載の溶射皮膜形成方法。
  7. 溶射用材料となるワイヤを溶射ガンに送給しつつ該溶射ガンと前記ワイヤの先端との間でアークを発生させ、このアークの熱により前記ワイヤの先端を溶融させた溶融金属を被溶射物に向けて噴射して被溶射物表面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成装置において、前記ワイヤの先端を前記アーク発生前に鋭利に切削する切削手段を、前記溶射ガンに設けたことを特徴とする溶射皮膜形成装置。
  8. 前記溶射ガンの、前記アーク発生位置より前記ワイヤ送給方向前方位置に、前記切削手段を設けたことを特徴とする請求項7に記載の溶射皮膜形成装置。
  9. 前記溶射ガンは、前記被溶射物の円筒内面を溶射する際に前記円筒内にて前記ワイヤを中心として該ワイヤに対して回転可能であり、前記切削手段は、前記溶射ガンが回転した状態で、回転停止状態の前記ワイヤの先端が接触しつつ鋭利に切削することを特徴とする請求項8に記載の溶射皮膜形成装置。
  10. 前記溶射ガンの、前記ワイヤ送給方向での前記アーク発生位置に対応する位置に前記切削手段を設け、この切削手段は、前記ワイヤに接近することで該ワイヤを切断し、切断後の前記ワイヤの先端を鋭利にすることを特徴とする請求項7に記載の溶射皮膜形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013049900A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Shimazu Kogyo Kk アーク溶線式溶射装置
CN106086758A (zh) * 2016-07-22 2016-11-09 芜湖鼎瀚再制造技术有限公司 一种多功能超音速喷涂装置

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