JP2007537745A - 遺伝子毒性試験 - Google Patents

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Abstract

本発明は、DNA損傷を引き起こすか、又はDNA損傷を強めることが推定される物質の存在を検出する方法に関する。前記方法は、ヒトGADD45α遺伝子プロモーターと機能的に連結されたレポータータンパク質をコードするDNA配列、及びDNA損傷に応答して前記DNA配列の発現を活性化させるように配置されたヒトGADD45α遺伝子調節性エレメントを含む細胞を物質にさらし;さらに前記細胞のレポータータンパク質の発現をモニターすることを含む。本発明はまた、そのような方法にしたがって用いることができる発現カセット、ベクター及び細胞、並びに本発明の蛍光アッセイ及び本発明の方法の好ましい実施態様で用いることができる改変培地にも関する。
【選択図】 なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、DNA損傷を惹起するか、又はDNA損傷を強める物質を検出する方法、並びにそのような方法で利用することができる分子及びトランスフェクトされた細胞株に関する。特に本発明は、ヒト細胞培養でDNA損傷を検出するバイオセンサーに関する。
DNA損傷は、多様な因子、例えば紫外光、X線、遊離ラジカル、メチル化剤及び他の変異原性化合物によって誘発される。DNA損傷はまた、DNAと相互反応する酵素及びタンパク質(ポリメラーゼ及びトポイソメラーゼを含む)に影響を与える物質、又は前変異原(代謝されて変異原性となることができる物質)によってもまた間接的に惹起されうる。これらの因子のいずれも生物の遺伝暗号を含むDNAに損傷を引き起こし、遺伝子の変異をもたらしうる。動物では、そのような変異は発癌に至るか、又は配偶子を損傷して子孫に先天的な欠陥を生じる可能性がある。そのようなDNA損傷性因子は包括的に遺伝子毒として知られている。
これらのDNA損傷因子は、DNAを構成するヌクレオチドを化学的に修飾することができきる。さらにまた、前記はヌクレオチドを連結するホスホジエステル結合を断裂させるか又は塩基間の結合(T-A又はG-C)を破壊することができる。これらDNA損傷因子の作用に対抗するために、細胞は多数のメカニズムを進化させてきた。例えば、大腸菌のSOS応答は、性状がよく調べられた、DNA損傷によって誘発される細胞性応答である。前記応答では、損傷DMAを修復するDNA修復酵素を含む一連のタンパク質が発現される。哺乳動物では、ヌクレオチド切り出し修復及び塩基切り出し修復メカニズムが、DNA損傷修復で重要な役割を果たし、大きなDNAアダクツ及び修飾された塩基を除去する主要なメカニズムである。
どの因子がDNA損傷を引き起こすか又は強めるかを特定することが重要である状況は多数存在する。これらの因子に人間が暴露されても安全であるか否かを判定するときに、DNA損傷を引き起こす物質を検出することは特に重要である。例えば、医薬、食品添加物又は化粧品の候補物質のような化合物を、前記問題の化合物がDNA損傷を誘発するか否かを判定する目的でスクリーニングするために、遺伝子毒性アッセイとしてこれらの物質を検出する方法を用いることができる。また別には、DNA損傷物質を検出する方法を用いて、変異原性化合物を含む汚染物質による給水源の汚染をモニターすることができる。
物質の毒性決定のために多様な方法、例えばエームス(Ames)試験、in vitroミクロ核試験及びマウスリンパ腫アッセイ(MLA)が知られているが、多くの理由から満足なものではない。例えば、遺伝子毒性データを短期間内に入手することがしばしば所望されるときに、サンプルのインキュベーションに何週間も要するであろう。さらにまた、DNA損傷を検出する多くの公知の方法(エームス検査及び関連方法を含む)が、終末点として、誤修復DNA(変異および組換え)の形で、又はフラグメント化されたDNAの形で未修復損傷として継続的なDNA損傷をアッセイする。しかしながら、ほとんどのDNA損傷はそのような終末点が測定されうる前に修復され、継続的なDNA損傷は、修復メカニズムが飽和されるほど損傷状態が重度な場合にのみ生じる。
改善された遺伝子毒性試験はWO98/44149で開示される。前記特許文献は、発光レポータータンパク質(例えば緑色蛍光タンパク質、GFP)をコードするDNA配列に機能的に連結された、DNA損傷に応答して遺伝子発現を活性化するサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiaie)調節性エレメントを含む組換えDNA分子に関する。そのようなDNA分子を用いて、DNA損傷を引き起こすか又は強める物質の存在を検出する遺伝子毒性試験で使用される酵母細胞を形質転換することができる。前記細胞を物質にさらし、発光レポータータンパク質(GFP)が細胞から発現されれば、前記物質のDNA損傷惹起の指標となることができる。WO98/44149に記載された遺伝子毒性試験は、終末点への到達を妨げることができる修復活性の誘発を検出する。WO98/44149に記載された方法はしたがって、DNA損傷物質の存在の検出に用いることができる。
US6,344,324は、GFPをコードするDNA配列に連結された、細胞の広範囲のストレス条件に応答して遺伝子発現を活性化するハムスターGADD153上流プロモーター領域の調節性エレメントを含む組換えDNA分子を開示する。このレポーター系は、ヒトの頭部及び頸部の扁平上皮細胞癌の細胞株で実施される。しかしながら、このレポーター系に付随する問題は、前記は、10%未満の細胞が生存するテスト物質の濃度で少なくとも4日間の処理期間を必要とし、その後フローサイトメトリーによる蛍光分析が続くということである。さらにまた、この毒性レベルで複数の物質を用いて検査を実施したとき、いずれの遺伝子誘発の生物学的相関性にも議論の余地があった。さらにまた、この系の開発では、DNA損傷を引き起こすか又は強める可能性がある物質の存在について特異的にモニターする手段は開示されず、GADD153誘発メカニズムは不明のままである。したがってこの系は、ヒトのDNA損傷バイオセンサーとして使用するには非常に制限がある。
したがって、本発明の目的は、従来技術に付随する問題に着目しヒト細胞培養でDNA損傷を検出するために改善されたバイオセンサーを提供することである。
本発明の第一の特徴にしたがえば、レポータータンパク質をコードするDNA配列(前記DNA配列はヒトGADD45α遺伝子プロモーターに機能的に連結される)、及びDNA損傷に応答して前記DNA配列の発現を活性化させるように配置されたヒトGADD45α遺伝子調節性エレメントを含む発現カセットが提供される。
“調節性エレメント”という用語は、前記調節性エレメントが結合している遺伝子(すなわちレポータータンパク質をコードするDNA配列)の転写を調節するDNA配列を意味する。
“機能的に連結される”という用語は、前記調節性エレメントがレポータータンパク質の発現を誘発することができることを意味する。
本発明の第二の特徴にしたがえば、前記第一の特徴の発現カセットを含む組換えベクターが提供される。
本発明の第三の特徴にしたがえば、本発明の第二の特徴の組換えベクターを含む細胞が提供される。
本発明の第四の特徴にしたがえば、DNA損傷を引き起こすか、又は強める物質の存在を検出する方法が提供される。前記方法は、本発明の第三の特徴の細胞を物質にさらし、前記細胞のレポータータンパク質発現をモニターすることを含む。
本発明の第四の特徴の方法は新規で経費効率の高い遺伝子毒性スクリーニングであり、前記を用いて、製薬工業で、及び膨大な数の物質又は化合物を検査する必要がある他の用途で使用される、予備調整スクリーニングアッセイを提供することができる。前記方法は、現存のin vitro及びin vivo哺乳動物遺伝子毒性アッセイよりも高処理性及び化学品低消費性を提供し、広い変異原スペクトルに対して感受性を有する。
本発明の第四の特徴の方法は、物質がDNA損傷を引き起こしうるか否かの判定に適している。前記方法は、特に、人間がDNA損傷性物質に暴露されても安全であるか否かを判定するときに、DNA損傷を引き起こす物質を検出するために有用である。例えば、前記方法は、既知の物質(例えば医薬、製薬及び工業用化学品、農薬、抗カビ剤、食品又は化粧品の候補物質)がDNA損傷を誘発するか否かをスクリーニングする遺伝子毒性アッセイとして用いることができる。また別には、本発明の方法を用いて、給水源、ろ液及び溶出液のDNA損傷性物質による汚染をモニターすることができる。
本発明の第四の特徴の方法はまた、物質がDNA損傷を強めうるか否かを判定するために用いることができる。例えば、ある種の物質は、DNA修復を阻害することによって(例えば修復タンパク質の発現又は機能を妨げることによって)、直接DNA損傷を与えることなくDNA損傷の蓄積を引き起こすことができる。
驚くべきことに、本発明の第一の特徴の発現カセットにおいて、ヒトGADD45α遺伝子プロモーター加えてヒトGADD45α遺伝子調節性エレメントを使用することによって、遺伝子毒性ストレスに対するカセットの応答、したがって第三の特徴の細胞内でのDNA損傷が劇的に強化される。有利には、前記カセットは、テスト培養中のレポータータンパク質についてアッセイすることによって、24時間以内又はほんの24時間後に前記タンパク質の発現について分析することができる。細胞をテスト物質又は化合物にさらし、細胞内でレポータータンパク質が発現されれば、前記テスト物質がDNA損傷を引き起こすか否かの指標となる。
発明者らは、ヒトGADD45α遺伝子プロモーター及びヒトGADD45α遺伝子調節性エレメントはレポータータンパク質に機能的に連結されて、本発明の第一の特徴のカセットを形成し、続いて本発明の第四の特徴にしたがって遺伝子毒性検査で前記を有利に用いることができることを見出した。そのようなカセットは、発光レポーターをコードするDNAに機能的に連結されることを条件として、GADD45α遺伝子の全体(コード配列を含む)を含むことができる。例えば、前記カセットは、GADD45α遺伝子の全体又は実質的に全て(調節性エレメント及びプロモーターを含む)を、GADD45αプロモーターの3'に(例えばGADD45αコード配列内又はコード配列の3'に)挿入されたレポーターをコードするDNAとともに含み、DNA損傷に応答して前記DNA配列の発現を活性化させることができるように、本発明の第一の特徴にしたがって作成することができる。
好ましくは、ヒトGADD45α遺伝子プロモーター配列は、RNAポリメラーゼを誘発してDNA分子に結合させ、レポータータンパク質をコードするDNAの転写を開始させる。前記プロモーター配列はヒトGADD45α遺伝子プロモーター配列及び5'非翻訳領域を含むことが好ましい。前記プロモーター配列はpHG45-HCプラスミドから入手することができる。前記プラスミドは図3に示されている。前記プロモーター配列は、図9の本発明の発現カセットの各々で見出すことができる。GADD45α遺伝子プロモーターのヌクレオチド配列は、配列リストの配列番号:1、2、3、4及び5の塩基4−2254として示されている。前記プロモーターは塩基4−2254の各々を含んでいてもよいが、また別にはその機能的誘導体又は機能的フラグメントであってもよいことは理解されよう。機能的誘導体及び機能的フラグメントは、トランスクリプターゼが推定的プロモーター領域に結合し、続いてマーカータンパク質の転写をもたらすか否かを判定することによって容易に同定することができる。また別には、そのような機能的誘導体及びフラグメントは、GADD45αプロモーターに変異を導入し、GADD45α遺伝子との天然の結合に際して、GADD45αの発現が生じうるか否かを判定することによって調べることができる。
本発明の発現カセットの調節性エレメントは、GADD45α遺伝子プロモーター配列の下流の配列を含むことができる。前記調節性エレメントは、機能的DNA配列、例えばリボソーム結合のための転写開始配列をコードするもの、又はDNA損傷に続いて遺伝子発現を促進する転写因子を結合させるDNA配列を含むことができる。本発明の発現カセット中の調節性エレメントは、GADD45α遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含むことができる。例えば、前記調節性エレメントは、GADD45α遺伝子のエクソン1、エクソン2、エクソン3、及び/又はエクソン4、又は前記の少なくとも1つの領域、又は前記の任意の組合せを含むことができる。したがって、前記調節性エレメントは、GADD45α遺伝子の4つのエクソンの任意の組合せ、又は前記の少なくとも1つの領域を含むことができる。
好ましい実施態様では、前記調節性エレメントは、GADD45α遺伝子のエクソン1の少なくとも1つの領域、及び好ましくはGADD45αのエクソン3の少なくとも1つの領域、及びより好ましくは、GADD45α遺伝子のエクソン4の少なくとも1つの領域を含む。特に好ましくは、前記調節性エレメントは、GADD45α遺伝子のエクソン1の全て、及び好ましくはGADD45α遺伝子のエクソン3の少なくとも1つの領域、及びより好ましくは、GADD45α遺伝子のエクソン4の全てを含む。
好ましい調節性エレメントは、図9の本発明の発現カセットの各々に示されている。GADD45α遺伝子のエクソン3のヌクレオチド配列は、配列リストの配列番号:2、3及び4の塩基3405−3642として示されている。GADD45α遺伝子のエクソン3の好ましい領域のヌクレオチド配列は、配列番号:4の塩基3503−3642として示されている。GADD45α遺伝子のエクソン4のヌクレオチド配列は、配列リストの配列番号:2、3及び4の塩基4716−5391として示されている。
前記とはまた別に、或いは前記に加えて、調節性エレメントは、非コードDNA配列、例えばGADD45α遺伝子の少なくとも1つのイントロンを含むことができる。例えば、前記調節性エレメントは、GADD45α遺伝子のイントロン1、イントロン2、及び/又はイントロン3、又は前記の少なくとも1つの領域、又は前記の任意の組合せを含むことができる。したがって、前記調節性エレメントは、GADD45α遺伝子の3つのイントロンの任意の組合せ、又は前記の少なくとも1つの領域を含むことができる。
好ましい実施態様では、本発明の発現カセットの中の調節性エレメントは、GADD45α遺伝子のイントロン3の少なくとも1つの領域を含む。GADD45αのイントロン3は図9に示されてあり、GADD45α遺伝子のイントロン3のヌクレオチド配列は、配列リストの配列番号:2、3及び4の塩基3643−4715として示されている。
好ましい実施態様では、本発明の発現カセットは、GADD45α遺伝子のプロモーター配列、さらにまたゲノムGADD45α遺伝子配列自体のイントロン3内で見出される遺伝子調節性エレメントを含む。発明者らは仮説に拘束されることを望まないが、GADD45α遺伝子のイントロン3は推定的p53結合モチーフを含み、遺伝子毒性ストレスに対する発現カセットの応答を驚異的に強めたのはこのp53であると考えている。この推定的p53結合モチーフは、配列番号:2、3及び4の塩基3830−3849として示されている。
発明者らはまた、GADD45α遺伝子のイントロン3は推定的TREモチーフを含みうると考えている(前記モチーフはAP-1結合部位をコードすることができる)。前記推定的TREモチーフは、配列番号:2、3及び4のヌクレオチド塩基3879−3885として示されている。したがって、発明者らはいずれの仮説にも拘束されるものではないが、この推定的AP-1結合部位がまた遺伝子毒性物質に対する改善された応答に貢献しうると説明する。
発現カセットが、GADD45α遺伝子のイントロン3由来の少なくともp53結合モチーフ及び/又はAP-1結合モチーフを含むことが好ましい。
前記調節性エレメントは、GADD45α遺伝子の3'非翻訳(UTR)領域を含むことができる(前記領域のヌクレオチド配列は、配列番号:2、3及び4の塩基4830−5391として示されている。発明者らはいずれの仮説にも拘束されるものではないが、この3'UTRはmRNAカセットの安定化に必要とされ、したがって前記調節性エレメントの残りの部分(例えばイントロン3)とともに用いられるとき極めて重要でありうると考えている。
“レポータータンパク質”という用語は、本発明のDNA分子の調節性エレメントに応答して発現されたとき、適切なアッセイ方法の手段により検出されうるタンパク質を意味する。好ましくは、前記レポータータンパク質は発光レポータータンパク質を含む。発光レポータータンパク質をコードするDNA配列は、任意の発光タンパク質(例えばルシフェラーゼ又は緑色蛍光タンパク質)をコードすることができる。しかしながら、前記DNA配列は、実質的に蛍光性であるタンパク質をコードするのが好ましい。
発光レポータータンパク質をコードする好ましいDNA配列は、緑色蛍光タンパク質(GFP)及び前記の発光誘導体をコードする。GFPはクラゲのエクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)由来であり、青い光を吸収し容易に検出できる緑色光を再放出し、したがってレポータータンパク質として適切である。GFPの測定は簡単であり試薬を必要とせず、前記タンパク質は無毒であるので、レポータータンパク質として有利に用いることができる。
GFPの誘導体には、GFPのポリペプチド類似体又はポリペプチドフラグメント(前記は発光することができる)をコードするDNA配列が含まれる。これら誘導体の多くが、エクオレア・ビクトリアで内在的に見出されるGFPとは異なる波長の光を吸収し、さらに再放出する。
例えば、本発明の第一の特徴の好ましい発現カセットは、ヒト強化GFP(hEGFP)(GFPのGFPmut1変種としても知られている)をコードするDNA配列を含む。前記は、Phe-64からLeu及びSer-65からThrの二重アミノ酸置換を含むGFP野生型から成る。hEGFP遺伝子のコード配列はまた、190を超える塩基のサイレント変化を含み、前記変化は、天然のエクオレア・ビクトリア配列に対してヒトの優先的コドン使用に対応している。前記はヒトのDNA損傷レポーター系での使用に特に有利である。hEGFP配列はpEGFP-N1プラスミド(例えばClontechから入手できる)から入手することができる(このプラスミドは図1に示されている)。hEGFP配列は、図9の本発明の発現カセットの各々で認められ、hEGFPのヌクレオチド配列は、配列リストの配列番号:1、2、3、4及び5の塩基2550−3278として示されている。
GFPは良好な蛍光の量子収量をもたらし、蛍光活性化細胞分類装置で使用されるアルゴンイオンレーザーの出力に適合する。本発明の第三の特徴の細胞(hEGFPをコードするDNA分子を含む)は、本発明の第四の特徴の方法にしたがって用いることができる。
したがって、本発明の好ましい発現カセットはGADD45α遺伝子調節性エレメント及びGADD45α遺伝子プロモーター(GFP又はその発光誘導体若しくは類似体(例えばYFPなど)をコードするDNA配列に機能的に連結されている)を含む。もっとも好ましい発現カセットは、GFP又はその発光誘導体をコードするDNA配列に機能的に連結されたヒトGADD45α遺伝子プロモーター及びGADD45α遺伝子のイントロン3を含む。
第一の実施態様では、第一の特徴の発現カセットは好ましくは5-31(図9にGD531として示したカセット)である。発現カセット5-31のヌクレオチド配列は、配列番号:2として配列リストに示されている。
第二の実施態様では、第一の特徴の発現カセットは好ましくは5-32(図9にGD532として示したカセット)である。発現カセット5-32のヌクレオチド配列は、配列番号:3として配列リストに示されている。
第三の実施態様では、第一の特徴の発現カセットは好ましくは5-33(図9にGD533として示したカセット)である。発現カセット5-33のヌクレオチド配列は、配列番号:4として配列リストに示されている。
本発明の第二の特徴の組換えベクターは例えばプラスミド、コスミド又はファージでもよい。そのような組換えベクターは、発現カセットを複製するときに極めて有用である。さらにまた、組換えベクターは細胞に発現カセットをトランスフェクトするために非常に有用であり、さらにレポータータンパク質の発現も促進することができる。
組換えベクターは細胞の細胞質ゾルで自律的に複製でききるように設計するか、又はゲノムに組み込むために用いることができる。本事例では、DNA複製を誘発するエレメントが組換えベクターで必要とされうる。適切なエレメントは当業界で周知であり、例えばpCEP4(Invitrogen, 3 Fountain Drive, Inchinnan Business Park, Paisley, PA4 9RF, UK)、pEGFP-N1(BD Bioscience Clontech UK, 21 In Between Towns Road, Cowley, Oxford, OX4 LY, United Kingdom)、又はpCI及びpSI(Promega UL ltd, Delta house, chilworth Science Park, Southampton SO16 7NS, UK)である。
そのような複製ベクターは形質転換体中で多数のDNA分子コピーを生じることができ、したがってレポータータンパク質の過剰発現が要求されるとき(過剰発現によって発光の増強が要求されるとき)に有用である。さらにまた、ベクターがヒト、霊長類及び/又はイヌの細胞で複製できることが好ましい。ベクターが複製起点を含み、さらに好ましくは少なくとも1つの選別可能なマーカーを含むことが好ましい。前記選別可能マーカーは、抗生物質、例えばヒグロマイシン又はネオマイシンに対して耐性を付与することができる。したがって、適切なエレメントは、pCEP4(Invitrogen, 3 Fountain Drive, Inchinnan Business Park, Paisley, PA4 9RF, UK)から誘導される(前記プラスミドは図2に示されている)。
第一の実施態様では、第二の特徴の組換えベクターは好ましくはpEP-GD531(図5に示されている)である。
第二の実施態様では、第二の特徴の組換えベクターは好ましくはpEP-GD532(図6に示されている)である。
第三の実施態様では、第二の特徴の組換えベクターは好ましくはpEP-GD533(図7に示されている)である。
本発明の第二の特徴にしたがえば、組換えベクターは細胞内に取り込まれる。細胞は真核細胞であることが好ましい。そのような宿主細胞は哺乳動物に由来する細胞及び細胞株でありうる。好ましい哺乳動物細胞にはヒト、霊長類、ネズミ又はイヌの細胞が含まれる。前記宿主細胞はリンパ腫細胞又は細胞株、例えばマウスリンパ腫細胞でもよい。前記宿主細胞は不朽化された、例えばリンパ球でもよい。
好ましい宿主細胞はヒト細胞株である。好ましくは、前記宿主細胞は、完全に機能的なp53を有するヒト細胞株、例えばML-1(野生型p53を有するヒト骨髄性白血病細胞株)、TK6(野生型p53を有するヒト類リンパ芽球細胞株)である。しかしながら、WI-L2-NS及びWTK1(両者はTK6の姉妹株であり変異p53タンパク質を有する)の宿主細胞株もまた意図される。これらの細胞株はいずれも欧州細胞培養集積所(ECACC本部、CAMR, Porton Down, Salisbury, Wiltshire, SP4 OJG, United Kingdom)で見出すことができる。
発明者らは、TK6ヒト細胞は本発明の方法にしたがって使用される特に好ましい細胞株であることを発見した。発明者らはいずれの仮説にも拘束されないが、TK6細胞は完全に機能的なp53を有するのでもっとも有用であると考えている。
DNA分子によってコードされるタンパク質の発現に用いられる宿主細胞は理想的に安定的にトランスフェクトされるが、ただし非安定的に(一過性に)トランスフェクトされた細胞の使用も排除されない。
本発明の第三の特徴のトランスフェクトされた細胞は、実施例1に記載される方法にしたがって生成することができる。理想的には、前記細胞はヒト細胞株(例えばTK6)である。そのようなトランスフェクトされた細胞は、本発明の第四の特徴の方法にしたがって用いて、物質がDNA損傷を誘発又強化するか否かを判定することができる。GFP発現はDNA損傷に応答して誘発され、GFPによって放出された光は既知の適切な技術を用いて容易に測定することができる。
本発明の第三の特徴のもっとも好ましい細胞は、ベクターpEP-GAD532によって形質転換されたTK6細胞である。これらの細胞は本明細書ではGenTK-T01と称される。
さらにまた、本発明の発現カセットが宿主細胞のゲノムに組み込まれうることも意図される。前記カセットをゲノムに組み込ませるための適切な方法を当業者は認識していよう。例えば、発現カセットはレトロウイルスベクター内に保持させることができる。前記ベクターはパッケージング細胞株と一緒になって、ヘルパーを含まない組換えレトロウイルスを生成することができ、このウイルスを続いて宿主細胞に導入することができる。続いて前記カセットは自身をゲノムに組み込むことができる。適切なヘルパー非含有レトロウイルスベクター系には、BINGレトロウイルスパッケージング細胞株と一緒になったpBabePuroプラスミドが含まれる(Kinsella and Nolan, 1996, Episomal Vectors Rapidly and Stably Produce High-Titer Recombinant Retrovirus. Human Gene Therapy. 7:1405-1413)。
本発明の第四の特徴の方法は、低濃度でDNA損傷を誘発する物質の検出に特に有用である。前記方法を用いて、化合物(例えば医薬、食品添加物又は化粧品の候補物質)をスクリーニングし、前記が生きている生物(特に人間)をそのような化合物に暴露しても安全であるか否かを判定することができる。また別には、本発明の第四の特徴の方法を用いて、給水源がDNA損傷物質又はDNA損傷を強める物質によって汚染されていないかどうかを検出することができる。例えば、前記方法を用いて工業排水をモニターし、汚染に暴露される人間又は他の生物でDNA損傷の増加をもたらす可能性がある汚染物質の存在について調べることができる。
本発明のこの方法は、好ましくは、本発明の第二の特徴の組換えベクター(例えばpEP-GD531、pEP-GD532又はpEP-GD533)をトランスフェクトした細胞を増殖させ、DNA損傷を引き起こすことが推定される物質とともに予め定めた時間インキュベートし、さらに細胞サンプルの直接的な発光レポータータンパク質発現をモニターすることによって実施される。
細胞は好ましくは低蛍光増殖培地中で増殖させる。これによって測定の実施前に細胞を洗浄する必要を排除することができ、したがってこの方法の更なる工程の数を減少させることができる。例えば、本発明の第三の特徴の好ましいヒト細胞は低蛍光培地中で増殖させることができる。適切な培地は改変RPMI1640培地であり、前記はもっとも好ましくは低濃度のリボフラビン又はフェノールレッドを含むか、又は好ましくはリボフラビン又はフェノールレッドを全く含まない。発明者らは、そのような培地の使用は、蛍光マーカー(例えばGFP)のアッセイで極めて有用であることを見出した。そのような培地の使用は、蛍光測定時の“シグナル対ノイズ比”を減少させる。したがって、本発明の第五の特徴にしたがえば、リボフラビン又はフェノールレッド含まないか又は前記を(標準的な細胞培養と比較して)低レベルで含む培地が、蛍光アッセイで使用するために提供される。もっとも好ましくは、前記培地は、リボフラビン及びフェノールレッドを含まない。
培地がリボフラビンを含まないように改変することが好ましい。そのような改変培地の使用は、リボフラビンが培地に通常要求されるために、当業者の直感に反していよう。これは、ほとんどの細胞が増殖及び生存のためにリボフラビンを要求するからである。発明者らは、リボフラビンを含む通常の培地で増殖した細胞をそのような培地から取り出し、リボフラビンを含まない培地に入れることが可能であり、信頼性のある蛍光アッセイを実施する目的で生命活性を維持するであろうということを知った。通常の培地(リボフラビン及び/又はフェノールレッドを含む)で維持された細胞は、本発明の第四の特徴の方法にしたがって試験を実施したとき(特にレポータータンパク質がGFP又はその誘導体であるとき)、満足度の低い蛍光値を提供する傾向がある。
本発明の第四の特徴のアッセイを実施するときは、本発明の第五の特徴の培地を用いることが好ましい。レポーターとしてGFPを用いて遺伝子毒性検査を実施するときはそのような培地を用いることが特に好ましい。
自家蛍光が低い好ましい培地は、リボフラビン又はフェノールレッドを含まない改変RPMI1640である。もっとも好ましい培地は実施例1の表1に開示される。
低い自家蛍光のために改変することができる他の培地には、ダルベッコーの改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle medium;D-MEM)、F-10栄養混合液(Ham)、F-12栄養混合液(Ham)及びフィッシャー培地(Fischer's medium, GIBCO, Invitrogen, Paisley, UK)が含まれる。組換えレポーターベクターのための宿主として用いることができる種々の細胞タイプのために、もっとも適切な培地を用いることができる。
本発明の方法の好ましい実施態様にしたがって、TK6細胞にpEP-GD531、pEP-GD532又はpEP-GD533をトランスフェクトし、リボフラビンを含まないRPMI培地で増殖させることができる。続いて、推定的DNA損傷物質(例えば食品添加物又は医薬品としての可能性がある物質、又は水サンプル若しくは排出液サンプル内に含まれる物質)を、前記細胞を含む培地に添加することができる。さらに細胞を一定の時間増殖させ、その後、細胞サンプルを取り出し、それらの蛍光を測定する。
蛍光の検出及び定量の適切な方法は当業者には公知であり、1つの方法が実施例に記載されている。蛍光検出の好ましい方法は、US6,509,161に記載されている。この方法は、発光レポーターがGFP又はその誘導体であるときに特に有用である。
本発明の方法の好ましい実施態様にしたがえば、pEP-GD531、pEP-GD532又はpEP-GD533をトランスフェクトされたTK6細胞の蛍光及び吸収の読み取りは、例えばマイクロプレートのウェルから記録される。適切なマイクロプレートの例は、96ウェルの黒色で透明底のマイクロプレートで、マトリックススクリーンメイツ(Matrix ScreenMates)(カタログ番号4929)(Apogent Discoveries, USA)又はコーニング(BV, オランダ:カタログ番号3651)である。蛍光及び吸収測定は、適切なマイクロプレート読取装置、例えばテカンウルトラ384(Tecan Ultra-384;Tecan UK Ltd.)マイクロプレートリーダーを用いて記録することができる(励起485nm/発光535nm、追加の二色性ミラー(反射率320nm-500nm、透過率520nm-800nm)を使用)。吸収は適切なフィルター、例えば620nmフィルターを通して測定することができる。
本発明の第四の特徴の方法を実施するもっとも好ましいプロトコルは、実施例1、3及び4に記載される。
蛍光及び吸収の測定から、本発明の第三の特徴の細胞の“明度値”及び蛍光誘発比が実施例に記載されているように作成される。
GADD45α-EGFP構築物のGFPバックグラウンド(“構成的”)発現が存在し、したがって細胞密度が高ければ高いほど培養の蛍光は強くなる。増殖の結果である蛍光の増加を補正するために、蛍光データ(GFP)を吸収データ(細胞密度)で割り、“明度ユニット”(すなわち細胞当たりの平均蛍光測定値)を得る。前記は培養密度と無関係である。したがって、DNA損傷物質の毒性の測定ではなくむしろ吸収の測定を主として蛍光シグナルの標準化に用いることができる。したがって、細胞の生命活性及びアポトーシスにより毒性を決定するために吸収測定と組合せた二次アッセイを用いることができる。例えば、バイオビジョン・バイオルミネセンス細胞障害性アッセイ(Biovision Incorporated, 2455-D Old Middlefield Way, Mountain View, California 94043, USA)、又はバイブラント(Vybrant(商標))アポトーシスアッセイキット(Molecular probes Inc., 29851 Willow Creek Road, Eugene, OR 97402, USA)を用いることができる。
時には化合物はそれ自身の蛍光を示すか、又は細胞の自家蛍光を誘発する。したがって、GFP発現の増加が判定されたとき、コントロール細胞株の明度値がレポーター細胞株の明度値から差し引かれる。これによってデータから干渉が除去される。したがって、好ましくは、本発明の第四の特徴の方法は、本発明の第二の特徴のレポーターベクターを土台にしたコントロールベクターを含む細胞を利用する。そのようなコントロールベクターはレポーターベクターと一致するが、ただし発光レポーター遺伝子にナンセンス変異が導入されている。
前記組換えコントロールベクターは、好ましくは、それぞれ図18及び19に示されたpEP-GD500C又はpEP-GD532Cとして記載されたベクターでもよい。
本発明の第四の特徴の好ましい方法は、本発明の第三の特徴の細胞(例えばGenTK-T01)及びベクターpEP-GD532Cで形質転換されたTK6細胞を土台にしたコントロール細胞(本明細書ではGenTK-C01と称される)を利用するであろう。
いくつかの非遺伝子毒性化合物が細胞の代謝によって改変されうることは理解されよう。哺乳動物では、このプロセスはしばしば代謝活性化(MA)と称される。MAはある種の非遺伝子毒性化合物(例えば前変異原)を遺伝子毒性化合物に変換することができる。極めて頻繁にMAが肝で発生する。そのために化合物を代謝することができる肝抽出物の存在下及び非存在下で、あたかもin vivoで化合物が代謝されるかのようにテスト化合物のアッセイを実施する遺伝子毒性検査を適用することがしばしば好ましい。実施例4は、S9と称される肝抽出物(当業者には公知である)を利用する、本発明の第四の特徴の好ましい方法を示す。そのような抽出物を取り入れることによって、肝臓を通過した後でのみ遺伝子毒性となる化合物の検出が可能になる。
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面の一切を含む)に記載された特色のいずれも、及び/又はそのように開示された一切の方法又は手順のいずれの工程も、上記の特徴と任意の組合せで組み合わせることができる(ただしそのような特徴及び/又は工程の少なくともいくつかが相互に排除される組合せは除かれる)。
実施例1
以下の実施例1は、本発明の第一及び第二の特徴のGADD45α-EGFPヒト細胞培養DNA損傷バイオセンサー/レポーターシリーズの構築で用いられた成分を概略する。さらにまた、本実施例はバイオセンサーの構築(本発明の第三の特徴の細胞)を開示し、さらに前記センサーが本発明の第四の特徴の方法で用いられるとき、それらがどのように遺伝子毒性物質、例えばメタンスルホン酸メチルエステル(MMS)に応答するかを示す。
1.1システム成分
(i)プロモーター(GADD45α由来)
GADD45αプロモーターの供給源は、Albert J. Fornace Jr., MD(National Cancer Institute, Buildings:37, Room:6144, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland 20892, USA)のプラスミドpHG45-HCである(前記プラスミドは図3に示されている)。
(ii)蛍光タンパク質(クロンテックのEGFP)
緑色蛍光タンパク質の供給源はクロンテック(Clontech)のプラスミドpEGFP-N1(BD Biosciences Clontech UK, 21 In Between Towns Road, Cowley, Oxford, OX4 LY, United Kingdom)である(前記プラスミドは図1に示されている)。pEGFP-N1は野生型GFPの赤色シフト変種であり、前記は哺乳動物細胞でのより明るい蛍光及びより強い発現のために最適化されている(最大励起=488nm;最大発光=507nm)。プラスミドpEGFP-N1はGFPmut1変種をコードし、前記はPhe-64からLeu及びSer-65からThrの二重アミノ酸置換を含む。EGFP遺伝子のコード配列は190を超えるサイレント塩基変化を含み、前記変化はヒトのコドン使用頻度に対応する。
1.2バイオセンサーレポーターカセットの構築
各々がGADD45α-EGFPレポーターカセットを含む組換えベクター一式の構築は、インビトロゲン(Invitrogen)のpCEP4プラスミドを骨格として用い数段階で実施した(pCEP4は図2に示されている)。プラスミドpCEP4はエピソーム性哺乳動物細胞発現ベクターであり、前記は、サイトメガロウイルス(CMV)の極初期エンハンサー/プロモーターをマルチクローニング部位に挿入された組換え遺伝子の高レベル転写のために使用する。エプスタイン-バー(Epstein-Barr)ウイルス複製起点(oriP)及び核抗原(EBNA-1遺伝子によってコードされる)はこのプラスミドによって運ばれ、ヒト、霊長類及びイヌの細胞での染色体外複製が可能になる。pCEP4はまたトランスフェクトされた細胞の安定的選別のためのヒグロマイシン耐性遺伝子を保持する。
工程1EGFPモジュールのpCEP4への挿入):EGFPモジュール(ヒト最適化緑色蛍光タンパク質及びSV40ポリアデニル化シグナルから成る)を、クロンテックのプラスミドpEGFP-N1(BD Bioscience Clontech UK, 21 In Between Towns Road, Cowley, Oxford, OX4 LY, United Kingdom)からPCRにより増幅させた(前記プラスミドは図1に示されている)。EGFP遺伝子は、BglII-AscI(5')及びPacI-XhoI(3')部位によってフランキングされている。これをBglII-XhoI切断pCEP4(Invitrogen)に挿入した(pCEP4は図2に示されている)。この工程はまたpCEP4からCMVプロモーターの除去をもたらす。
工程2GADD45αプロモーターの挿入):GADD45α5'プロモーター配列を図3に示されているように、-2253bpから、5'UTR(非翻訳領域)及び開始コドン(+298bp)とフランキングするBglII(5')及びAscII(3')部位を含む領域までPCR増幅させた(Albert J. Fornace Jr., MD(National Cancer Institute, Buildings:37, Room:6144, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland 20892, USA)から贈与されたプラスミドpHG45-HCから増幅)。前記を工程1から生成されたプラスミドに挿入した。得られたプラスミドをpEP-GD500と称した(前記は図4に示されている)。
工程3GADD45α遺伝子配列の挿入):種々のGADD45α遺伝子配列(遺伝子の3'末端)を、クローニング部位を用いてPCRにより増幅させ、工程2から生成されたプラスミド(pEP-GD500)でクローニングしてさらに4つのレポータープラスミドが得られた。
これらのプラスミドを以下のように命名した:
(i)pEP-GD531(+1034から+3149までの3'配列):図5に示されている。このプラスミドはヒトGADD45α遺伝子のイントロン3の全てを含み、p53結合モチーフが含まれている;
(ii)pEP-GD532(+1147から+3149までの3'配列):図6に示されている。このプラスミドはヒトGADD45α遺伝子のイントロン3の全てを含み、p53結合モチーフが含まれている;
(iii)pEP-GD533(+1248から+3149までの3'配列):図7に示されている。このプラスミドはヒトGADD45α遺伝子のイントロン3の全てを含み、p53結合モチーフが含まれている;及び
(iv)pEP-GD534(+3155から+3149までの3'配列):図8に示されている。このプラスミドはヒトGADD45α遺伝子のイントロン3の全てを含んでいるわけではなく、p53結合モチーフを含まない。このプラスミドはGADD45α3'非翻訳領域を含んでいる。
工程3のために用いられるクローニング部位:
pEP-GD531:NotI(5')及びXhoI(3')によってフランキングされたPCR生成物。NotI-XhoI切断pEP-GD500にクローニング。
pEP-GD532:EcoRV(5')及びXhoI(3')によってフランキングされたPCR生成物。HpaI-XhoI切断pEP-GD500にクローニング。
pEP-GD533:PacI(5')及びXhoI(3')によってフランキングされたPCR生成物。PacI-XhoI切断pEP-GD500にクローニング。
pEP-GD534:NotI(5')及びXhoI(3')によってフランキングされたPCR生成物。NotI-XhoI切断pEP-GD500にクローニング。
工程4(コントロールベクターの作成):レポータープラスミドをAscIで消化し、5'オーバーハングをクレノー酵素で充填した。続いて改変DNAフラグメントを再環状化させた。これによってEGFP遺伝子内に4bpのフレームシフトが導入された。生成されたタンパク質は機能をもたない。得られたコントロールプラスミドには文字Cが末尾に付され、図18及び19に示されている。
プラスミドpEP-GD500、pEP-GD531、pEP-GD532、pEP-GD533及びpEP-GD534中の発現カセットの各々のDNA配列は、配列リストにそれぞれ配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4及び配列番号:5として示されている。
図9を参照すれば、本発明のレポーターカセットシリーズが示されている。その各々はヒトGADD45α遺伝子の下に並べられてある。プラスミドpEP-GD531、pEP-GD532及びpEP-GD533のGADD45α-EGFPレポーター遺伝子融合物は、図9に示されているように、GADD45α-EGFP融合物の全体の長さが天然のGADD45α遺伝子と同一となるような態様で構築された。プラスミドpEP-GD531及びpEP-GD532では、hEGFPの下流のGADD45αDNAはhEGFP自体と同様にmRNAに転写され、スプライシングに付される。プラスミドpEP-GD533では、hEGFP遺伝子のみがmRNAに転写される。転写は、GADD45α遺伝子配列の前のSV40ポリアデニル化シグナルの位置で停止する。これらのプラスミドは本発明の第一の特徴に一致する。pEP-GD534ははるかに短く、GADD45α遺伝子のイントロン3内のp53モチーフを含まない。
1.3細胞株の選択及びトランスフェクション
新規な哺乳動物DNA損傷レポーター系のための宿主として細胞株を考えるとき、前記レポーターに要求される応答が可能な態様で、前記選択される細胞株が遺伝子毒性損傷に対して応答する能力を考慮することが重要である。分子生物学及び/又は遺伝子毒物学で一般的に用いられる2つの細胞株のp53の状態及び下流の遺伝子に対する作用が究明され、この研究が本明細書で開示される。これらの細胞株は、(i)TK6(ヒト類リンパ芽球細胞株(wt p53)及び(ii)TK6の姉妹株のWI-L2-NS(変異p53タンパク質)である。
機能不全p53タンパク質は、放射能耐性の増加(すなわち生存の増加)、並びに放射線の変異原性及び染色体異常誘発作用に対する感受性増加をもたらすことができる。これらの特性によって細胞株は変異終末点の検出には適するが、同じ特性が、変異p53状態を含む細胞株ではDNA損傷に対する代用生物マーカーの誘発が極めて貧弱であることを暗示している。この目的のために、TK6細胞株をバイオセンサー(すなわち本発明の第三の特徴の細胞)のために選択した。学術的に興味深い更なるデータが、GADD45α-EGFP組換えレポーターベクターを含む、この姉妹細胞株を使用することによって得ることができると考えている。
Xia and Liber(Methods in Molecular Biology, Vol.48: Animal Cell Electroporation and Electrofusion Protocols, 1995. Edited by J.A. Nickoloff. Humana Press Inc., Totowa, NJ, USA, Pages 151-160)の方法を応用して、エレクトロポレーションによりTK6細胞に前記ベクターをトランスフェクトし、レポータープラスミドを保持するクローンをヒグロマイシンBを用いて2週間にわたって選別する。
pEP-GAD532で形質転換したTK6細胞は本明細書ではGenTK-T01と称する。等価のコントロール細胞株(GenTK-C01と称する)もまた作成した。前記コントロール細胞株ではGFPレポーター遺伝子は意図的にフレームの外に配置されていた。したがって、GFPをこのコントロール細胞株から発現させることはできない。
1.4アッセイ培地(改変RPMI)
通常の培地を本発明の方法で用いることができる。しかしながら、発明者らは、多くの慣習的細胞培地は、EGFP励起(最大488nm)及び発光(最大520nm)に付随する波長で自家蛍光性であることを見出した。本実験では、この蛍光の主要な寄与因子はビタミンのリボフラビンであることが判明した。したがって、低自家蛍光性改変培地が用いられる。
そのような多くの培地を作成することができる。発明者らは、例示として、低自家蛍光性RPMI1640改変培地(表1参照)を開発した。この培地は、リボフラビンを全く含まず、バイオセンサーとともに用いてバイオセンサー培養の直接的蛍光の表示を容易にすることができる、本発明の第五の特徴にしたがって使用される好ましい培地である。





























表1:低自家蛍光性哺乳動物細胞培地の成分の適用濃度
Figure 2007537745
1.5分析方法(マイクロプレートリーダー)
蛍光及び吸収データは、テカンウルトラ384(Tecan Ultra-384;Tecan UK Ltd.)マイクロプレートリーダー(励起485nm/発光535nm、追加の二色性ミラー(反射率320nm-500nm、透過率520nm-800nm)を使用)を用いて、マイクロプレートから収集した。吸収は620nmフィルターを通して測定した。前記データをマイクロソフトエクセルスプレッドシートに移入し、グラフデータに変換した。吸収データは増殖潜在能力における低下の指標を提供する。これらのデータを未処理コントロール(=100%増殖)に対して標準化した。蛍光データを吸収データで割って、“明度ユニット”(細胞当たりの平均GFP誘発の測定値)を提供する。これらのデータを未処理コントロール(=1)に対して標準化した。このようにして、少数の強い蛍光を示す細胞と多数の弱い蛍光を示す細胞とを区別することができる。誘発された細胞の自家蛍光及び化合物の固有蛍光について補正するために、トランスフェクトされていないTK6細胞株の明度値をレポータープラスミドを含む5つの細胞株の明度値から差し引いた。この処理によって、視覚によるデータ判定の信頼性が高まる。全てのデータをこの補正を実施し又は実施しないでチェックした。この“明度”データから、蛍光誘発比を算出した。
1.6バイオセンサーのMMS誘発
レポーター誘発の例として、6つの細胞株(プラスミド無し、及び5つのレポータープラスミドの1つを保有するTK6)を種々の濃度のMMSで処理した。MMSは遺伝子毒性及び細胞毒性物質として当業者には公知であり、本発明の方法を用いるときは陽性コントロールとして使用することができる。
1mLの改変RPMI1640培地(上記1.4参照)+10%ウマ血清中で1x106細胞を、0μg/mL、6.25μg/mL、12.5μg/mL及び25μg/mLのMMSとともに一晩インキュベートした(37℃、5%CO2、湿度100%)。
インキュベーション後、細胞をPBS中で洗浄し、300μLのPBSに再懸濁し、続いて96ウェルの黒色透明底マイクロプレートの2つのウェルに分割した(例えばマトリックススクリーンメイツ(Matrix ScreenMates)、カタログ番号4929、(Apogent Discoveries, USA)又はコーニング(BV, オランダ:カタログ番号3651)である)。蛍光及び吸収の表示を記録し、蛍光誘発比を算出した。
前記を3回繰り返し、平均誘発及び標準誤差を算出した。結果は図10に示されている。
図11を参照すれば、5つのレポーター細胞株及び親の非トランスフェクト細胞株TK6由来の未加工明度値が示されている。各細胞株-MMS組合せについて、総GFP蛍光を測定し、続いて前記を620nmでの吸収を用いて標準化することによって明度値を算出した。したがって、プラスミドpEP-GD531、pEP-GD532及びpEP-GD533の各々は、非トランスフェクト親細胞株TK6と比較してバックグラウンド蛍光の増加を示し、さらにこれらの細胞株は、MMSで処理されたときヒト細胞株TK6での蛍光において実質的な度合いの用量依存増加を示すことは理解されよう。対照的に、プラスミドpEP-GD500又はpEP-GD534を保有する細胞株はTK6と比較したときバックグラウンド蛍光の増加を示すが、この蛍光はMMSによる処理によってさらに誘発されることはない。発明者らはいずれの仮説にも拘束されないが、プラスミドpEP-GD534でGADD45α3'非翻訳領域の添加は生成されるmRNAを安定化させ、プラスミドpEP-GD500を保有する細胞株と比較して、前記のプラスミドを保有する細胞株でより高いバックグラウンドレベルの蛍光を生じると考える。
結論すれば、本発明は、ヒトDNA損傷誘発性遺伝子GADD45αの調節性配列を用いて、p53野生型ヒト類リンパ芽球細胞株TK6におけるEGFPの生成を制御する。ヒト遺伝子GADD45αはin vitroでDNA切り出し修復を刺激し、細胞のS期への進行を阻害する。本発明のレポーターはGADD45α遺伝子の上流プロモーターを使用するだけでなく、ゲノム遺伝子配列自体の内部に見出される遺伝子調節性エレメントもまた取り込んでいる。前記は、GADD45α遺伝子の第三のイントロン中の推定的p53結合部位を含む。驚くべきことに、これらの配列の使用は、遺伝子毒性ストレスに対するバイオセンサーの応答を強化する。このレポーター系を、単純にテスト培養の蛍光を測定することによってわずか24時間後に蛍光誘発について分析することができる。前記細胞を物質にさらし、前記細胞に由来する発光レポータータンパク質(GFP)の発現は、前記物質がDNA損傷を惹起することの指標である。このバイオセンサーは、短期間前調節型薬剤スクリーニングでの用途を有する。
実施例2
本発明の第四の特徴の方法で使用される好ましい培地を開発するために、通常の培地によって引き起こされる自家蛍光の影響を判定する更なる実験を行った。
また別に指示されないかぎり、実施例1で述べた構築物、細胞及びプロトコルが用いられた。
リボフラビンと同様に(1.4参照)、発明者らは、細胞培地の自家蛍光に寄与する第二の主要な因子はフェノールレッド(培地で一般的に用いられるpH指示色素)であることを明確にした。フェノールレッドの蛍光もまたpHで変動する。したがって、本発明にしたがって用いられる培地は改変低自家蛍光培地として調合されることが好ましい。したがってフェノールレッド又はリボフラビンは、好ましくはフェノールレッド及びリボフラビンの両方が省略される(表1参照)。
図12を参照すれば、通常のRPMI1640培地の使用は、蛍光シグナル対ノイズ比を低下させ、蛍光測定値の変動性を高めた。したがって、通常のRPMI1640培地の使用は直接的蛍光表示には最適ではなかった。対照的に、改変低蛍光細胞培地(リボフラビン及びフェノールレッドが省力されているということを除いて通常の培地と一致する)は、遺伝子毒誘発蛍光の表示値の直接測定を容易にした。
図13を参照すれば、培地からリボフラビン及びフェノールレッドの両方を省略することによって、96時間及び4回の細胞分割にわたって細胞増殖に影響を与えない低自家蛍光培地が得られることが判明した。したがって、そのような培地は、本発明の第五の特徴にしたがって使用される好ましい培地である。
したがって、本発明の第四の特徴の方法で用いられる培地は通常の培地(例えばRPMI1640)を含むが、好ましくは本発明の第五の特徴にしたがってフェノールレッド又はリボフラビンを含まないように改変されることが好ましいことは理解されよう。
実施例3
更なる開発実験を実施し、本発明の第五の特徴の方法を96ウェルプレートで実施するためのもっとも好ましいプロトコルを開発した。
また別に指示されないかぎり、実施例1で述べた構築物、細胞及びプロトコルが用いられた。
本発明の第四の特徴にしたがってDNA損傷を検査する好ましい方法は以下の工程を含む:(1)アッセイで使用されるマイクロプレートを準備する;(2)マイクロプレートでアッセイを実施する;(3)データを収集し分析する;さらに(4)DNA損傷及び結果について判定する。
DNA損傷についてもっとも好ましい検査を実施するための工程(1)−(4)の詳細は以下に提供される。
3.1マイクロプレートの準備
アッセイは、96ウェルの黒色で透明底のマイクロプレートで実施した。例えば、マトリックススクリーンメイツ、カタログ番号4929(Apogent Discoveries, USA)又はコーニング(BV, オランダ:カタログ番号3651)である。また別の多数のマイクロプレートを評価した。しかしながら、個々の製造業者の同じプレート内で及び他の業者のプレート間でバックグラウンド吸収及び蛍光が変動することが見出され、いくつかの事例では許容しがたいものであった。したがって、本発明にしたがって使用されるマイクロプレートは、好ましくはプレート間又はプレートのバッチ間で一定の吸収及び蛍光を有することは理解されよう。適切なマイクロプレートを選択するとき、当業者は注意深く考慮すべきであることは理解されよう。
アッセイプレートは、液体操作ロボット(例えば、マイクロラブS(MicroLabS)シングルプローブ(Hamilton GB Ltd., Birmingham)又はジェネシス(Genesis)8-プローブロボット(Tecan UK Ltd. Theale. UK))を用いて充填することができる。マイクロプレートはまた、マルチチャネルピペットを用いて迅速かつ効率的に充填することができる。
3.2アッセイ
以下の標準的プロトコルにしたがうことができる。被検化学物質の2mM又は1000μg/mL(どちらか最低のもの)ストック(又はDNA損傷を引き起こすと推定される物質を含むサンプル)を2%(v/v)DMSO水溶液で調製し、96ウェルのマイクロプレートで2組の同一希釈シリーズ及び“コントロール”(下記参照)を作成するために用いた。前記を実施するために、被検化学物質の15μLをマイクロプレートの2つのウェルに入れた。75μLを2%DMSOの75μLに移し、混合し、続いて75μLを次のウェルに入れることによって、各サンプルを段階希釈した。前記によって各々75μLの9段階の希釈が得られた。マイクロプレート上の被検化学物質/サンプルの最終的な最高濃度は1mM又は500μg/mLである。
コントロールは以下のように添加された:
a.アッセイ媒体のみに被検化学物質/物質含有サンプル(化合物の吸収/蛍光に関する情報を提供する);
b.1%DMSOのみで希釈したヒト細胞培養(潜在的最大増殖能力の測定値を提供する);
c.遺伝子毒性及び細胞毒性コントロールとしてのMMS:“高”=50μg/mL、“低”=10μg/mL(v/v);
d.2%DMSO希釈液のみ(希釈液に吸収/蛍光が存在しないことを確認する);
e.増殖培地のみ(無菌性/汚染が存在しないことを確認する)。
本発明の細胞株の指数関数的増殖培養(例えばGenTK-C01及びGenTK-T01)をD-PBSで洗浄し、2x106細胞/mLの密度で本発明の2倍の低自家蛍光アッセイ媒体中で再懸濁した。細胞懸濁液の75μLを希釈した化学物質の各ウェルに添加した(一方のシリーズにGenTK-C01を、GenTK-T01を第二のシリーズ及び適切な標準物及びコントロールに)。プレートを充填した後、前記を気体透過性メンブレン(例えばブレスイージー(Breath-easy);Diversified Biotech, USA)又はプラスチックの蓋を用いて封入し、振盪せずに24時間インキュベートした(37℃、5%CO2、95%湿度)。
3.3データの収集及び操作
24時間インキュベーションに続いて、蛍光及び吸収データをマイクロプレートから収集した。蛍光と吸収の機能性を結合させる2つの別個のマイクロプレートリーダーを用い、比較可能なデータを入手した。これらは、テカンウルトラ384(Tecan UK Ltd.):励起485nm/発光535nm、追加の二色性ミラー付き(反射率320nm-500nm、透過率520nm-800nm)を使用)及びウォラックビクター2(Wallac Victor2;PerkinElmer Life and Analytical Sciences, Monza, Italy):励起485nm/発光535nmであった。吸収は両装置で620nmフィルターを通して測定した。マイクロプレートを気体透過性メンブレン(例えばブレスイージー(Diversified Biotech, USA))又はプラスチックの蓋を用いて再度封入し、続いて振盪せずにさらに24時間インキュベートした(37℃、5%CO2、95%湿度)。更なる蛍光及び吸収測定値を続いて収集した。前記データをマイクロソフトエクセルスプレッドシートに移入し、グラフデータに変換した(例えば実施例2のための図14及び15の典型的なデータを参照されたい)。データープロセッシングは最小限である:吸収データは増殖潜在能力における低下の指標を提供し、これらのデータを未処理コントロール(=100%増殖)に対して標準化した。蛍光データを吸収データで割って、“明度ユニット”(細胞当たりの平均GFP誘発の測定)を提供する。これらのデータを未処理コントロール(=1)に対して標準化した。このようにして、少数の強い蛍光を示す細胞と多数の弱い蛍光を示す細胞とを区別することができる。誘発された細胞の自家蛍光及び固有の化合物の蛍光について補正するために、GenTK-C01細胞株の明度値をGenTK-T01細胞株の明度値から差し引いた。この処理によって、視覚によるデータ判定の信頼性が高まる。全てのデータをこの補正を実施し又は実施しないでチェックし、化合物が遺伝子毒性であると分類されるか否かについての決定(下記参照)は影響を受けなかった。
3.4決定の閾値
日常的アッセイから得られる陽性及び陰性結果の明確な規定をもつことは有用であり、そのような規定は、系及びデータの最大ノイズを考慮しながら、遺伝子毒性及び作用メカニズムに関して明確なコンセンサスが存在する化学物質から得られてきた。当然、ユーザーが数値データ及びグラフデータを精査して彼ら自身の結論を引き出すこともまた可能である。例えば、閾値を越えなかった遺伝子毒性データにおける上昇傾向もなお2つの化合物の区別となりうる。決定の閾値は以下のように設定した:
細胞毒性の閾値は、未処理コントロール細胞が到達した細胞密度の80%に設定される。これはバックグラウンドの標準偏差の3倍より大きい。1つ又は2つの化合物希釈が80%の閾値より低い最終細胞密度を生じる場合は、細胞毒性結果は陽性(+)と結論する。(i)3つ又は4つ以上の化合物希釈が80%閾値より低い最終細胞密度を生じるか、又は(ii)少なくとも1つの化合物希釈が60%閾値より低い最終細胞密度を生じるときは、細胞毒性の結果は強陽性(++)と結論する。いずれの化合物希釈も80%閾値より低い最終細胞密度を生じないときは、結果は陰性(−)と結論する。最低有効濃度(LEC)は、80%閾値より低い最終細胞密度を生じる最低の被検化合物濃度である。
化合物の吸収コントロールは、被検化合物が顕著な吸収を示す場合に警告を発することを可能にする。化合物コントロールウェル対媒体のみを満たしたウェルの吸収比が>2である場合、解釈による干渉のおそれがある。細胞毒性コントロールは、細胞株が正常な態様を示していることを表示する。“高”MMSスタンダードは、最終細胞密度を80%閾値より低下させるはずであり、“低”スタンダードより低い値であるはずである。
遺伝子毒性閾値は、1.5の相対的GFP誘発に設定される(すなわち50%増加)。前記はバックグラウンドの標準偏差の3倍より大きい。1つ又は2つの化合物希釈が1.5の閾値より大きい相対的GFP誘発を生じる場合は、遺伝子毒性の結果は陽性(+)と結論する。(i)3つ又は4つ以上の化合物希釈が1.5の閾値より大きい相対的GFP誘発を生じるか、又は(ii)少なくとも1つの化合物希釈が1.8の閾値より大きい相対的GFP誘発を生じる場合は、遺伝子毒性の結果は強陽性(++)と結論する。いずれの化合物希釈も1.5の閾値より大きい相対的GFP誘発を生じない場合は、遺伝子毒性の結果は陰性(−)と結論する。LECは、1.5の閾値より大きい相対的GFP誘発をもたらす最低の被検化合物濃度である。遺伝子毒性コントロールは、細胞株がDNA損傷に正常に応答していることを示す。“高”MMSスタンダードは、>2の蛍光誘発を生じなければならず、“低”MMSスタンダードより大きい値でなければならない。異常な明度データは、毒性によってブランクの最終細胞密度の30%未満の細胞密度がもたらされるときに生じる。遺伝子毒性データはこの毒性閾値より上では算出されない。遺伝子毒性が陰性であった被検化合物は10mM若しくは5000μg/mLまで、又は溶解性若しくは細胞毒性の限界まで再検査された。
化合物の蛍光コントロールは、化合物が高度に自家蛍光性であるときに警告を発することを可能にする。化合物コントロールウェル対媒体充填ウェルの蛍光比が>5である場合、解釈による干渉のおそれがある。このような事例では、他の蛍光供給源からGFPを識別するために蛍光の偏光を用いることができる(Knight et al. 2000, 2002)。テカンの装置はこの設備を有する。稀には、化合物はそれ自体蛍光性ではないが、細胞の自家蛍光を誘発する。これは、化学物質のみのコントロールから生じる蛍光が存在しないとき、コントロール(GenTK-C01)細胞株で明度が増加することから明らかである。GenTK-T01のデータからGenTK-C01を日常的に差し引くことによって、データからこの干渉が取り除かれる。
実施例4
S9による代謝活性化の存在下及び非存在下で、24ウェルプレートで本発明の第四の特徴の方法を実施するためのまた別のもっとも好ましいプロトコルを得るために、更なる開発実験を実施した。
S9(当業者には公知である)は肝抽出物であり、S9は、遺伝子毒性化合物といくつかの非遺伝子毒性化合物(前記は、肝細胞の代謝によって化学的に改変されてin vivoで遺伝子毒性化合物を生成することができる)の区別を可能にする。
別に指示されないかぎり、実施例1に記載した構築物、細胞及びプロトコルが用いられた。
本発明の第四の特徴にしたがってDNA損傷を検査する好ましい方法は以下の工程を含む:(1)代謝活性化を用いるアッセイで使用される24ウェルプレートを準備する;(2)24ウェルプレートでアッセイを実施し、96ウェルプレートでサンプルを処理する;(3)データを収集し分析する;さらに(4)DNA損傷及び結果について判定する。
DNA損傷についてもっとも好ましい検査を実施するための工程(1)−(4)の詳細は以下に提供される。
4.1マイクロプレートの準備
アッセイは、24ウェルプレート(Corning BV, Schiphol-Rijk, オランダ)及び96ウェルの黒色で透明底のマイクロプレートで実施した。例えば、マトリックススクリーンメイツ、カタログ番号4929(Apogent Discoveries, USA)又はコーニング(BV, オランダ:カタログ番号3651)である。また別の多数のマイクロプレートを評価した。しかしながら、個々の製造業者の同じプレート内及び他の業者のプレート間のバックグラウンド吸収及び蛍光の変動は全般的に許容できないものであり、これまでの好ましい選択を用いた。したがって、本発明にしたがって使用されるマイクロプレートは、好ましくはプレート間又はプレートのバッチ間で一定の吸収及び蛍光を有することは理解されよう。
アッセイプレートは、液体操作ロボット(例えば、マイクロラブS(MicroLabS)シングルプローブ(Hamilton GB Ltd., Birmingham)又はジェネシス(Genesis)8-プローブロボット(Tecan UK Ltd. Theale. UK))を用いて充填することができる。マイクロプレートはまた、マルチチャネルピペットを用いて迅速かつ効率的に充填することができる。
4.2アッセイ
以下の標準的プロトコルにしたがうことができる。24ウェルプレートの各列において、1mLの以下の細胞株培地組合せを各ウェルに添加した:
i)RPMI1640培地中の1x106細胞/mLのGenTK-C01
ii)RPMI1640培地中の1x106細胞/mLのGenTK-T01
iii)RPMI1640培地+10%S9ミックス中の1x106細胞/mLのGenTK-C01
iv)RPMI1640培地+10%S9ミックス中の1x106細胞/mLのGenTK-T01
RPMI1640培地は好ましくは、本発明の第五の特徴によって定義される改変培地である(例えば表1に開示された培地)。
被検化学物質の100mg/mLストック(又はDNA損傷を引き起こすと推定される物質を含むサンプル)を100%(v/v)DMSO水溶液で調製し、24ウェルのマイクロプレートで4組の同一希釈シリーズ及び“コントロール”(下記参照)を作成するために用いた。前記を実施するために、被検化学物質溶液の200μLを無菌的な7mLのガラスバイアル又は1.5mLの微量遠心管に入れた。100μLを100%DMSO(100μL)に移し、混合し、続いて100μLを次のウェルに入れることによって、各サンプルを段階希釈した。前記によって各々100μLの3段階の希釈が得られた。24ウェルプレートの各ウェルに対し、マイクロプレート上で被検化学物質/サンプルの最終的な最高濃度は1mg/mLである。
コントロールは以下のように添加された:
a.10μLの100%DMSOのみで希釈したヒト細胞培養(潜在的最大増殖能力の測定値を提供する);
b.陽性遺伝子毒性及び細胞毒性コントロールとしてS9の存在以下で30μg/mLのシクロホスファミド。
プレートを充填した後、前記を気体透過性メンブレン、例えばブレスイージー(Diversified Biotech, USA)又はプラスチックの蓋を用いて封入し、振盪せずに24時間インキュベートした(37℃、5%CO2、95%湿度)。24時間のインキュベーションに続いて、細胞を1.5mLの微量遠心管に移し、2500rcfで5分遠心して採集した。細胞を500μLの予め加温したD-PBS(Sigma-Aldrich, Gillingham, UK)で洗浄し、以前のように遠心により採集した。細胞を150μLのD-PBSに再懸濁し、光学的に透明な底をもつ黒いポリスチレンの96ウェルマイクロプレート(Matrix Technologies, Wilmslow, UK)のウェルに細胞懸濁液を移した。ブランクとして、150μLのD-PBSを2つのウェルに加えた。
4.3データの収集及び操作
細胞懸濁液を96ウェルプレートに移した後、蛍光及び吸収データを収集した。蛍光と吸収の機能性を結合させる2つの別個のマイクロプレートリーダーを用い、比較可能なデータを入手した。これらは、テカンウルトラ384(Tecan UK Ltd.):励起485nm/発光535nm、追加の二色性ミラー付き(反射率320nm-500nm、透過率520nm-800nm)を使用)及びウォラックビクター2(Wallac Victor2;PerkinElmer Life and Analytical Sciences, Monza, Italy):励起485nm/発光535nmであった。吸収は両装置で620nmフィルターを通して測定した。前記データをマイクロソフトエクセルスプレッドシートに移入し、グラフデータに変換した(例えば実施例3のための図16及び17の典型的なデータを参照されたい)。データープロセッシングは最小限である:吸収データは増殖潜在能力における低下の指標を提供し、これらのデータを未処理コントロール(=100%増殖)に対して標準化した。蛍光データを吸収データで割って、“明度ユニット”(細胞当たりの平均GFP誘発の測定)を提供する。これらのデータを未処理コントロール(=1)に対して標準化した。このようにして、少数の強い蛍光を示す細胞と多数の弱い蛍光を示す細胞とを区別することができる。誘発された細胞の自家蛍光及び固有の化合物の蛍光について補正するために、GenTK-C01細胞株の明度値をGenTK-T01細胞株の明度値から差し引いた。この処理によって、視覚によるデータ判定の信頼性が高まる。全てのデータをこの補正を実施し又は実施しないでチェックし、化合物が遺伝子毒性であると分類されるか否かについての決定(下記参照)は影響を受けなかった。
4.4決定の閾値
日常的アッセイから得られる陽性及び陰性結果の明確な規定をもつことは有用であり、そのような規定は、系及びデータの最大ノイズを考慮しながら、遺伝子毒性及び作用メカニズムに関して明確なコンセンサスが存在する化学物質から得られてきた。当然、ユーザーが数値データ及びグラフデータを精査して彼ら自身の結論を引き出すこともまた可能である。例えば、閾値を越えなかった遺伝子毒性データにおける上昇傾向もなお2つの化合物の区別となりうる。決定の閾値は以下のように設定した:
細胞毒性の閾値は、未処理コントロール細胞が到達した細胞密度の80%に設定される。これはバックグラウンドの標準偏差の3倍より大きい。1つ又は2つの化合物希釈が80%閾値より低い最終細胞密度を生じる場合は、細胞毒性結果は陽性(+)と結論する。(i)3つ又は4つ以上の化合物希釈が80%閾値より低い最終細胞密度を生じるか、又は(ii)少なくとも1つの化合物希釈が60%閾値より低い最終細胞密度を生じるときは、細胞毒性は強陽性(++)と結論する。いずれの化合物希釈も80%閾値より低い最終細胞密度を生じないときは、結果は陰性(−)と結論する。最低有効濃度(LEC)は、80%閾値より低い最終細胞密度を生じる最低の被検化合物濃度である。
化合物の吸収コントロールは、被検化合物が顕著な吸収を示す場合に警告を発することを可能にする。化合物コントロールウェル対媒体のみを満たしたウェルの吸収比が>2である場合、解釈による干渉のおそれがある。細胞毒性コントロールは、細胞株が正常な態様を示していることを表示する。
遺伝子毒性閾値は、1.3の相対的GFP誘発に設定される(すなわち30%増加)。前記はバックグラウンドの標準偏差の3倍より大きい。1つ又は2つの化合物希釈が1.3の閾値より大きい相対的GFP誘発を生じる場合は、遺伝子毒性結果は陽性(+)と結論する。(i)3つ又は4つ以上の化合物希釈が1.3の閾値より大きい相対的GFP誘発を生じるか、又は(ii)少なくとも1つの化合物希釈が1.6の閾値より大きい相対的GFP誘発を生じる場合は、遺伝子毒性の結果は強陽性(++)と結論する。いずれの化合物希釈も1.3の閾値より大きい相対的GFP誘発を生じない場合は、遺伝子毒性の結果は陰性(−)と結論する。LECは、1.3の閾値より大きい相対的GFP誘発をもたらす最低の被検化合物濃度である。遺伝子毒性コントロールは、細胞株がDNA損傷に正常に応答していることを示す。シクロホスファミドスタンダードは、S9の存在下で>1.3の蛍光誘発を生じなければならず、S9の非存在下では>1.1の蛍光誘発を生じない。異常な明度データは、前記毒性がブランクの最終細胞密度の30%未満の最終細胞密度をもたらすときに生じる。遺伝子毒性データはこの毒性閾値より上では算出されない。遺伝子毒性が陰性であった被検化合物は10mM若しくは5000μg/mLまで、又は溶解性若しくは細胞毒性の限界まで再検査された。
ベクターpEGFP-N1の制限地図を示す。 ベクターpCEP4の制限地図を示す。 ベクターpHG45-HCの制限地図を示す。 ベクターpEP-GD500の制限地図を示す。 ベクターpEP-GD531(本発明の好ましい組換えベクター)の制限地図を示す。 ベクターpEP-GD532(本発明の好ましい組換えベクター)の制限地図を示す。 ベクターpEP-GD533(本発明の好ましい組換えベクター)の制限地図を示す。 ベクターpEP-GD534の制限地図を示す。 本発明のレポーター発現カセットの実施態様を示す。 GADD45αレポーター細胞株でのMMS誘発の影響を示す。 GADD45αレポーター細胞株でのMMS誘発による明るさに対する影響を示す。 血清含有RPMI1640(A)又は実施例2で考察した血清含有改変低自家蛍光培地(B)で培養したレポーター細胞株から直接測定された、メチルメタンスルホネート誘発蛍光を示す。 RPMI1640又は実施例2の低自家蛍光培地でのヒト類リンパ芽球細胞株の増殖示す。 実施例3の48時間のインキュベーション後の96ウェルプレートアッセイにおける相対的細胞密度に対するMMSの影響を示す。 実施例3の96ウェルプレートアッセイにおける蛍光誘発比に対するMMSの影響を示す。 実施例4のGenTK-C01細胞の相対的細胞密度に対するS9存在下及び非存在下でのシクロホスファミドの影響を示す。 実施例4のGenTK-C01細胞での蛍光誘発に対するS9存在下及び非存在下でのシクロホスファミドの影響を示す。 pEP-GD500Cと称されるコントロールベクターの制限地図を示す。 pEP-GD532Cと称されるコントロールベクターの制限地図を示す。

Claims (35)

  1. ヒトGADD45α遺伝子プロモーターと機能的に連結されたレポータータンパク質をコードするDNA配列、及びDNA損傷に応答して前記DNA配列の発現を活性化させるように配置されたヒトGADD45α遺伝子調節性エレメントを含む発現カセット。
  2. 前記調節性エレメントが、GADD45α遺伝子のエクソン1、エクソン2、エクソン3及び/又はエクソン4、又は前記の少なくとも1つの領域、又は前記の任意の組合せを含む、請求項1に記載の発現カセット。
  3. 前記調節性エレメントが、GADD45α遺伝子のエクソン1の少なくとも1つの領域、GADD45α遺伝子のエクソン3の少なくとも1つの領域、及びGADD45α遺伝子のエクソン4の少なくとも1つの領域を含む、請求項2に記載の発現カセット。
  4. 前記調節性エレメントが、GADD45α遺伝子のイントロン1、イントロン2、及び/又はイントロン3、又は前記の少なくとも1つの領域、又は前記の任意の組合せを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発現カセット。
  5. 前記調節性エレメントが、GADD45α遺伝子のイントロン3の少なくとも1つの領域を含む、請求項4に記載の発現カセット。
  6. 前記調節性エレメントが、推定的p53結合モチーフを含む、請求項5に記載の発現カセット。
  7. 前記調節性エレメントが、推定的AP-1モチーフを含む、請求項5又は6に記載の発現カセット。
  8. 前記DNA配列が発光レポータータンパク質をコードする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の発現カセット。
  9. 前記DNA配列が、緑色蛍光タンパク質(GFP)及び前記の発光誘導体をコードする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の発現カセット。
  10. 前記DNA配列がヒト強化GFP(hEGFP)をコードし、前記hEGFPがPhe-64からLeu及びSer-65からThrの二重アミノ酸置換を含むGFP野生型から成る、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の発現カセット。
  11. 実質的に図9に示されたとおりの発現カセット5-31。
  12. 実質的に図9に示されたとおりの発現カセット5-32。
  13. 実質的に図9に示されたとおりの発現カセット5-33。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の発現カセットを含む組換えベクター。
  15. 前記ベクターがpCEP4プラスミド由来のDNAを含む、請求項14に記載の組換えベクター。
  16. 実質的に図5に示されたとおりの組換えベクターPEP-GD531。
  17. 実質的に図6に示されたとおりの組換えベクターPEP-GD532。
  18. 実質的に図7に示されたとおりの組換えベクターPEP-GD533。
  19. 請求項15から18のいずれか1項に記載の組換えベクターを含む細胞。
  20. 前記細胞がヒト細胞である、請求項19に記載の細胞。
  21. 前記細胞が、完全に機能的なp53を有するヒト細胞である、請求項20に記載の細胞。
  22. 前記細胞が、TK6ヒト細胞株である、請求項21に記載の細胞。
  23. DNA損傷を引き起こすか、又はDNA損傷を強める物質の存在を検出する方法であって、前記方法が、請求項19から22に記載の細胞を物質にさらし、さらに前記細胞のレポータータンパク質発現をモニターすることを含む、前記検出方法。
  24. 前記物質をさらにスクリーニングして、生きた生物を前記物質に暴露しても安全であるか否かを判定する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記物質が医薬、食品添加物又は化粧品の候補物質である、請求項23又は請求項24に記載の方法。
  26. 細胞の発光レポータータンパク質発現がモニターされる、請求項23から25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記発光レポータータンパク質が緑色蛍光タンパク質である、請求項26に記載の方法。
  28. 請求項14から18のいずれか1項に記載の組換えベクターをトランスフェクトした細胞を増殖させ、前記細胞を物質とともに予め定めた時間インキュベートし、さらに前記細胞サンプルからの直接的な緑色蛍光タンパク質発現をモニターすることを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記細胞を低蛍光増殖培地中で増殖させる、請求項23から28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記低蛍光増殖培地がリボフラビンを含まないRPMI培地である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記低蛍光増殖培地がフェノールレッドを含まないRPMI培地である、請求項29又は請求項30に記載の方法。
  32. 蛍光が、本発明の第三の特徴の細胞から発する蛍光を、発光レポートをコードする核酸がフレーム外に配置されている本発明の第二の特徴のベクターを含むコントロール細胞から発する蛍光と比較することによって決定される、請求項26から31のいずれか1項に記載の方法。
  33. リボフラビン又はフェノールレッドを含まない細胞培地、又は標準的細胞培地と比較して低レベルのリボフラビン又はフェノールレッドを含む細胞培地の蛍光アッセイにおける使用。
  34. 前記培地が請求項30又は31に記載の培地である、請求項33に記載の使用。
  35. 前記蛍光アッセイが請求項23から32のいずれか1項に記載の方法である、請求項33又は34に記載の使用。
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