JP2007534298A - mRNA発現分析 - Google Patents

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Abstract

mRNA発現分析における単純な手法での定量は、ビオチン化オリゴd(T)を使用し、固体担体(例えばストレプトアビジン誘導体化磁気ビーズ)に連結することによって実現する。同定され定量される対象となっているある特定のmRNAに特異的な標識した標的を、mRNAおよびビオチン化オリゴd(T)を含有する生体サンプルに添加する。ビーズは、ハイブリッド形成後に添加することが好ましいが、前もって添加してよい。ビーズに接着させた後、非結合標的、非特異的結合標的および非mRNA材料を、連続的に厳密洗浄を行うことによって除去する。次いで全てのmRNA材料を、ポリAおよびオリゴd(T)を分離する条件にかけることによってビーズから溶出し、次いで当初のmRNAを、塩基性加水分解により分解して、一本鎖合成標的を残し、次いでこの標的を、マイクロアレイ上に適切に担持されかつこれら標的に特異的なプローブにハイブリッド形成させる。プローブおよび標的は、合成設計されたものであり、標的とmRNAとのハイブリッド形成反応を含む全ての親和性反応は、mRNAが固体基質に結合したときに終了するので、付加物の精製は、磁気分離と組み合わせた簡単な洗浄によって実施でき、あらゆる潜在的な、労力および時間のかかるカラム分離、フィルタ調製、遠心分離、または沈殿を回避できる。

Description

本発明は、生体サンプル中に存在する可能性のある、対象のメッセンジャーRNA(mRNA)を、単離しかつ定量するための方法に関する。本発明は、mRNA発現分析に特に有用であると考えられるが、本発明には、その他の分子生物学的な用途もある。
遺伝子発現の研究のため、DNAマイクロアレイ(microarrays)を使用することが、ますます一般的になってきた。しかし現在、酵素反応を含むいくつかの複雑なステップでは、現在市販されているDNA分析、即ちマイクロアレイを用いるDNA分析を使用する必要がある。これらのステップの1つは、不安定なmRNAから安定なDNAおよびRNAへの変換、即ちmRNAまたは得られるDNAおよびRNAの増幅を伴い、または伴わない変換である。蛍光色素などの、検出可能な部分(entity)または標識は、この酵素ステップ中に、都合良くDNAに組み込まれる。標識DNA標的は、現在、いくつかの方法でmRNAから調製される。例えば、典型的な実験では、サンプル中のmRNAに関し、色素標識ヌクレオチドまたは色素標識プライマーの原位置での(in−situ)組込みを介して、逆転写酵素と反応させることにより、標識cDNAを生成する。一般に、酵素を使用するような方法は、そのサイズおよび色素組込みの程度が不均一な、標識標的の生成をもたらす。さらに、そのような酵素反応の効率は、慎重な制御がしばしば非常に困難になる可能性のある環境条件に左右され、その結果、サンプルごとに非常にばらつく可能性のある結果になる。特異的mRNAを定量的に捕獲し、引き続きマイクロアレイとハイブリッド形成(hybridize)するために、使用者によって設計された合成標的または生体標的を使用する場合が、理想的と考えられる。
そのような、一般的に使用される2つの方法とは、一般に文献(例えば、特許文献1参照。)に記述されるS1ヌクレアーゼ保護アッセイと、文献(例えば、非特許文献1参照。)に記述されたリボヌクレアーゼ保護アッセイである。これらのアッセイは、合成によりまたは生物学的に生成された、いくつかの異なる蛍光標識されたDNA標的を使用して、特異的mRNAを捕獲する。その後、一本鎖RNAおよび非結合DNA標的に特異的なS1ヌクレアーゼまたはリボヌクレアーゼを使用して、非結合標識DNA標的および残されたmRNAを消化する。次いで後続の塩基処理を使用して、そのような二本鎖のRNA部分を分解し、それぞれの特異的mRNAとハイブリッド形成している標識合成標的だけを残す。そのような標的は、例えば、特異的mRNAの検出および定量に関連したマイクロアレイの一部であるプローブと、ハイブリッド形成することができる。そのような方法では、標的のサイズおよび色素組込みの程度が均一であることを確実にしようとし、またハイブリッド形成していないDNA標的およびRNAの全てを消化して、最終的なマイクロアッセイを実施する際の再現性を確実なものにしようとするが、これらの方法は通常、酵素、S1ヌクレアーゼの使用に頼り、またはリボヌクレアーゼの使用に頼っている。その結果、反応条件の小さな変化があると、過剰消化または不完全消化が原因で、標識された標的の量に大きなばらつきが生ずる可能性がある。
その他の関係のない場合では、mRNAを単離しかつ精製するために、また固相cDNAライブラリー(solid phase cDNA libraries)を作成するために、またPCR、ディフェレンシャル・ディスプレイ(differential display)、および差し引きハイブリッド形成法(subtractive hybridization applications)の適用分野に向けて、磁気ビーズを使用してきた。これらの目的で市販されている磁気ビーズは、様々な方法で生成され、しばしば金属酸化物などの常磁性金属を、ポリマーやシリケートなどの適切なコーティング材料で包み込んで、直径が約1μm〜100μmのコーティング付きビーズを生成する。これらのコーティング材料は、オリゴd(T)で直接誘導体化することができ、オリゴd(T)で誘導体化されたコーティングをもつ磁気ビーズを使用して、全RNAから、あるいは溶解後の組織または細胞から直接、mRNAを単離し精製してきた。この方法は、オリゴd(T)とmRNAのポリA尾部(tails)との間に緊密な結合親和性があるので、効果的である。mRNAを、磁気ビーズなどの固体基質に結合し、次いでそれらを固体基質に結合させたままで付加反応を実施することにより、従来の溶液相反応にも勝る多くの利点がもたらされる。1つの利点は、望ましくない材料を除去するための、ステップ間の洗浄が、容易であることである。コーティング材料は、アビジン(avidin)、ストレプトアビジン(streptavidin)、または特異的DNA配列で誘導体化してもよく、ストレプトアビジンで誘導体化されたビーズの場合、ビオチン化オリゴd(T)を、mRNAを捕獲するための中間カプラーとして使用する。cDNAライブラリーも、磁気ビーズに連結されたオリゴd(T)でmRNAを最初に捕獲することによって、作成した。次いでビーズに結合したmRNAを、逆転写酵素のプライマーとして使用して、第一鎖(first−strand)cDNAを合成し、これによって共有結合第一鎖cDNAライブラリーを作成する。このような、ビーズ結合cDNAライブラリーは、PCR増幅の鋳型として使用することができる。ディフェレンシャル・ディスプレイも、mRNAの選択的逆転写およびその後のPCRを使用した増幅に基づいて、実施されてきた。磁気ビーズは、差し引きハイブリッド形成法を介して、対象とされるmRNAを選択するのにも使用されてきたが、この磁気ビーズはこれまで、mRNA発現の分析に役立つとは考えられていなかった。
米国特許第6,232,066号明細書 米国特許第6,174,683号明細書 国際公開第02/059372号パンフレット Lee他; Methods in Enzymology, 152, p.633-648(1987)
前述のアッセイの適用例は、いかなる適用例にもある程度のばらつきが本質的に持ち込まれる酵素の使用に大きく依存しており、そのため、生体サンプル中の特異的mRNAの量に対して真に化学量論的に比例する結果をもたらすことができ、かつ再現性のある、改善されたmRNA発現分析が、引き続き求められてきた。
本発明の方法は、蛍光色素のように、適切に標識された多数の合成標的を提供するが、この標的は、酵素を関与させることなく生成されかつ正確な組成を持った特異的mRNAに相補的でありかつ化学量論的に比例するものである。これらの標識された合成標的は、マイクロアレイなどの既知の構成(format)で相補的プローブとハイブリッド形成することにより、最終的な検出が容易になるよう構成され、その結果、後続の定量を、単純な(straightforward)手法で行うことが可能になる。このmRNA発現分析を簡単にし、かつその処理量を増大させるために、好ましくはビーズおよびmRNAに容易に連結するビオチン化オリゴd(T)を使用して、生体サンプル中のmRNAを、固体担体(例えばストレプトアビジン誘導体化磁気ビーズ)に連結する。同定されかつ定量されることになる、ある特定の対象のmRNAに特異的な、標識された標的を、mRNAおよびビオチン化オリゴd(T)を含有する生体サンプルに添加する。この混合物は、最初から磁気ビーズを含有してよいが、ビーズは、ハイブリッド形成(hybridization)後に添加することが好ましい。ハイブリッド形成およびビーズとの接着が終了した後、非結合標的、非特異的結合標的および非mRNA材料を、連続的な厳密洗浄(stringent washings)によって除去する。次に、ポリAおよびオリゴd(T)を分離する条件下におくことによって、全てのmRNAをビーズから溶出し、次いで当初のmRNAを、塩基性加水分解によって分解して、標識された一本鎖合成標的を残す。これは特異的なプローブとのさらなるハイブリッド形成を、マイクロアレイ上で適切に実施するために用いることができる。プローブと標的とは共に、合成により設計されたものであるので、標的のサイズは容易に標準化される。さらに、標的とmRNAとのハイブリッド形成反応を含めた全ての親和性反応は、mRNAが固体基質に結合したときに完結するので、付加物の精製は、単なる洗浄と磁気分離との組合せによって行うことができ、その結果、労力と時間がかかる可能性のある、カラム分離、フィルタ調製、遠心分離、または沈殿に基づく任意の分離手順の必要性がなくなり、したがって、分析が特に魅力あるものになる。
ある特定の態様では、本発明は、mRNA分析の方法を提供し、該方法は、mRNAを含有する生体サンプルを準備するステップと、対象となっているmRNAと選択的にハイブリッド形成することが可能な標的を準備するステップと、ハイブリッド形成できる条件下で前記標的を前記mRNAに会合させる(associating)ステップと、生体サンプル中のmRNAを固体担体に結合するステップと、ハイブリッド形成が生じるのに十分な時間が過ぎた後、非結合標的、非特異的結合標的の全てを除去するステップと、そのような除去の後、生成物から前記mRNAを切り離して、既にハイブリッド形成されている標的を残すステップと、前記標的が選択的に結合する既知のプローブを使用することによって、特定の標的の存在および量を特定するステップを含み、その結果、生体サンプル中の特異的mRNAの量の特定を、正確に決定することができるmRNA分析方法を提供する。
別の特定の態様では、本発明は、mRNAを含有する生体サンプルを準備するステップと、対象mRNAに選択的にハイブリッド形成することが可能な、標識標的を準備するステップと、オリゴd(T)を担持する固体担体材料を準備するステップと、前記標識標的を、mRNAを含有する前記サンプルおよび前記固体担体材料に会合させるステップと、そのような会合を、ハイブリッド形成が生じ、かつ前記mRNAが前記固体担体材料と連結できる条件下で十分な時間維持するステップと、その後、前記固体担体材料を洗浄して、非結合標的、非特異的結合標的およびその他の非結合材料の全てを除去するステップと、次いで前記連結したmRNAと標識標的とを、前記固体担体材料から遊離させ、そこから分離するステップと、前記固体担体材料から遊離させた生成物から、前記mRNAを非酵素的に分解して、既にハイブリッド形成されている遊離の標識標的を残すステップと、前記標的をアッセイすることによって、前記生成物中の特定の標識した標的の存在および量を特定するステップを含み、その結果、生体サンプル中の特異的mRNAの量の特定を、決定することができるmRNA分析方法を提供する。
本発明は、ゲノム材料、例えばmRNAの、同時実行可能な(parallel)生体外での(in vitro)定量の方法について記述するものであり、これは、mRNA発現分析で、特に価値あるものと考えられる。この方法ステップは、対象となっている特異的mRNAに相補的な、標識された合成一本鎖DNA標的の生成を含む。このような標的は、いかなる酵素も使用せずに生成することが好ましく、サンプル中の対象となっているmRNAに対して少なくとも化学量論的に均等な量で提供され、したがって、標識標的を、例えばマイクロアレイ上でプローブとハイブリッド形成することによって、引き続きmRNAを定量することが可能になる。本発明は、生体サンプル中に存在するmRNAを同定し定量する作業を、より簡単にしかつより費用効果の高いものにし、現在商業的に利用可能な手順よりも、一貫性の高い結果をもたらす。
図1は、本発明の特徴を具体化した1つの好ましい分析方法の、非常に簡単な概要を示す流れ図である。図1によって例示される方法の実施によれば、対象となっているmRNAに相補的な、標識された標的を、ハイブリッド形成できる条件下で、生体サンプルと混合する。オリゴd(T)を担持する連結剤(coupling agent)は、サンプル中のmRNA全てと連結するために、このときに混合物に添加することが好ましく、この連結剤は、後で固体担体に連結させるのに使用するものであり、あるいは、そのポリA尾部を介したmRNAとのそのような連結は、ハイブリッド形成の後まで、延期してもよい。ハイブリッド形成を終えるのに十分な時間が過ぎた後、複数の磁気ビーズを混合物に添加する。後者の選択肢に従って、連結剤をビーズに直接接着することができるが、ビーズは、既にサンプルと混合されたオリゴd(T)連結剤によって運ばれるリンカー(linker)に相補的な、結合剤またはリンカー、例えばストレプトアビジンを担持することが好ましい。ビーズとmRNAとの接着を終了させるための時間を与えた後、ビーズを洗浄して、生体サンプルのその他の成分全てを除去し、mRNAに特異的にハイブリッド形成しなかった標識標的を除去する。
厳密には所望のヌクレオチド配列ではないmRNAの配列に、緩くハイブリッド形成する可能性のある全ての標識標的を除去するために、一般に、1回または複数回の追加の洗浄を任意選択的に厳密度を上げて用いる。これらの洗浄の後、以下に詳細に述べるように、mRNAと固体担体との結合を破壊することによって、mRNAを固体担体から溶出する。溶出後、液体の上澄みを、磁力によって固定化されているビーズから分離し、次いで化学処理による加水分解にかける。標識標的にハイブリッド形成したものも含め、天然のmRNAの全てが分解し、この加水分解後、溶液中でまだ無傷な唯一の分子が、標識標的である。次いで加水分解した混合物を、任意の適切なマイクロアッセイに直接かけることができる。分解した材料の存在は、そのようなマイクロアッセイを妨げないからである。したがって、標識が蛍光である場合、最初に生体サンプルと混合された標的に対して特異的なプローブにより発せられるシグナルは、生体サンプル中に存在した特定のmRNAの相対量の、数値表示をもたらすことになる。
図2には、標識した一本鎖DNA標的が提供される好ましいアッセイ法が示されており、該アッセイ法は、対象となるmRNAに対して選択的にハイブリッド形成するよう設計され、生体サンプル中にあるようなmRNAの濃度を定量的に決定する目的をもつ。標識標的と呼ばれるこれらの品目は、mRNAにハイブリッド形成するための技術分野で知られている、様々な適切な形態の1つを有することができるが、この標的は、長さが約10から100ヌクレオチドの間、好ましくは約30から60ヌクレオチドの間の適切な長さのものになる合成オリゴヌクレオチドであって、対象となる各mRNAの特定のヌクレオチド配列に相補的な配列を有するものである。標的は、自動DNA合成機で形成することが好ましいが、その他の既知の方法を、代わりに用いることができる。天然のヌクレオチドをしばしば使用するが、ペプチド核酸(PNA)またはその他の非天然合成ヌクレオチドを代わりに用いて、親和性を増大させることができる。オリゴヌクレオチド標的は、標識に直接結合することができるが、当技術分野で周知のように、標識が、この標識とmRNAとのハイブリッド形成を妨げないように、しばしば短いリンカーを使用する。簡略化の目的で、DNAオリゴヌクレオチド標的は、最終アッセイでの相補的プローブが構成される部分になり、あるいは各標的は、第2のDNA部分(second DNA section)を含むことができ、それは標識した標的全体の第2の部分として連結した固有の識別子として働くだろう。そのような場合、最終アッセイは、このアッセイの特定のマイクロスポット(microspot)で特定のアッセイに用いられる、特定の固有の識別子それぞれに特異的なプローブをもつことができる。したがって、そのようなマイクロスポットでのマイクロアレイ等の上でのシグナルの存在は、生体サンプル中の対象とされる特異的mRNAに相補的で、対応する連結標的(linked target)の存在を表している。
使用される標識は、インジケーター色素、放射性核種、抗体、酵素なども含め、核酸標識用に市販されている広範な材料から選択された、これまで一般に使用されてきたこれらの品目のいずれかでよい。標識は、最終アッセイを簡単にするために蛍光色素が好ましいが、化学発光物質などの品目はもとより、アルカリ性ホスフェート、ペルオキシド、βガラクトシダーゼ(ベータガラクトシダーゼ)、およびハプテン、例えばジゴキシン(digoxin)やジゴキシゲニン(digoxygenin)などを使用することができる。
上述のように、固体担体に連結したオリゴd(T)の使用は、生体サンプル中のmRNAと固体担体とを連結する好ましい方法であるが、その他の代替の連結方法を用いることができる。例えば、オリゴd(T)を使用する代わりに、標的材料とのハイブリッド形成が生じる領域の外側の領域で、対象のmRNA中に見出される短いヌクレオチド配列を選択することができる。これらのより短い広がり(stretches)を有するオリゴヌクレオチドは、その他のmRNAにも見出すことができるが、これは抑止作用のあるものではないと考えられる。全てを考慮すると、固体担体材料をmRNAに連結するために、オリゴd(T)を使用することは、断然好ましいことであり、そのような構成にすることによって、発現アッセイ全体が単純化されると考えられる。
固体担体材料は、Amersham Biosciences、BioRad、およびSigmaから市販されているような、一般に使用される広く様々な材料のいずれかから選択することができる。これは、粒子、プレート、マトリックス、繊維などの形をとることができ、シリカ、セルロース、アガロースビーズ、孔径制御型多孔性ガラス(controlled−pore glass)、ポリマービーズ、ゲルビーズ、または磁気ビーズで作製することができる。磁気ビーズを使用すると、その後に磁場を直接印加することによって行われる上澄みからの分離が容易になるので、磁気ビーズが好ましい。これは、フロー・チャンバ(flow chambers)を使用して、または単にピペット分取することによって行うことができる。このような磁気ビーズ、例えばDynalビーズとして販売されているものや、BIOMAGビーズとしてAdvanced Magneticsから販売されているものは、当初の洗浄の一部として、生体サンプルの残り、および非結合標的および非特異的結合標的材料から、連結されたmRNAを分離するのに使用することができる。同じ性質が、アッセイの後半で切り離されたmRNAを分離するのに利用される。ビーズ形態の粒子が、設備および取扱いに好ましいが、その他の形をした粒子または基質を代わりに用いることができる。そのような市販されている磁気ビーズは、一般に、所望の磁気特性が得られるように磁鉄鉱の層で被覆され、次いで外部コーティングで被覆された、小さな非多孔性球体である。
mRNAをビーズに連結するには、様々な構成を用いることができる。例えば、オリゴd(T)を使用して、そのポリA尾部によりmRNAを引き付けかつ連結する場合、オリゴd(T)は、ビーズの表面に、または使用されているその他の固体担体に、直接連結させることができる。その表面に本質的に連結したオリゴd(T)を有する磁気ビーズは、市販されている。
しかし好ましい構成は、相補的でありかつ中間的連結(intermediate linkage)として相互に結合する、第1および第2のリンカーまたは結合剤を用い、それによって、連結剤、即ちオリゴd(T)を固体担体に接着する。結合対の多くの変形例が、当技術分野で周知であり、適切に用いることができる。好ましい結合系は、アビジンまたはストレプトアビジン、およびビオチンを用いる。ストレプトアビジンは、例えば、磁気ビーズなどの固体担体の外面に共有結合し、ビオチン化オリゴd(T)に強力に結合する。関心が持たれている適用例に適切な、そのような磁気ビーズは、いくつかの供給業者から市販されている。ビーズ表面に結合されたストレプトアビジンを有するビーズであって、直径の公称寸法が約1ミクロンであるビーズは、カリフォルニア州CarlsbadのActive Motifから販売されている。その他の結合対、例えば抗体−抗原などを、そのような中間的連結として代わりに使用することができる。
天然のチミンを含むビオチン化オリゴd(T)は、mRNAに連結させるための連結剤として用いることができるが、mRNAのポリA尾部により、より強力に引き付けられる、RNAまたはその他の様々な形の非天然ヌクレオチドを含む、合成オリゴd(T)を使用することによって、より強力な連結を得ることができる。その結果、この構成によって、より積極的な洗浄が可能になり、非特異的に結合している標識標的が除去されて、以下により詳細に述べるような、より汚染のないアッセイがもたらされるようになる。非天然ヌクレオチドを使用する、そのようなビオチン化オリゴd(T)は、市販されており、その1つの製品は、Active MotifからポリTグリップNAプローブ(Poly T grip NA Probe)として販売されているものであり、即ちチミン・レプリカ(thymine replicas)のPNAオリゴマーであり、5’末端にビオチン分子をもつものである。市販の材料を使用するそのような構成は、非結合材料の分離の準備として、固体担体材料によって生体サンプルからmRNAを隔離する、アッセイ手順ステップの実施を容易にする。
アッセイの初期部分におけるステップは、様々な順序で実施することができる。例えばビオチン化オリゴd(T)は、最初に、mRNAを含有する生体サンプルと混合することができ、その後、この混合物に標識標的を添加し、またはビオチン化オリゴd(T)は、最初に、ストレプトアビジンを担持する磁気ビーズに連結させ、その後、生体サンプルと混合することができる(任意選択で、このサンプルから非mRNA材料が除去されるように洗浄もなされ、その後、標的材料と接触させてもよい)。しかし、アッセイを実施する好ましい方法が図2に示されており、この場合、分析されるmRNAを含む生体サンプルと、標識標的、即ち蛍光標識をもつDNAオリゴヌクレオチドと、ビオチン化オリゴd(T)(好ましくはPNAを含む)とを含有する混合物を、最初に調製する。この混合物を、ハイブリッド形成できる条件下で維持し、それによって、オリゴT PNAが、利用可能なmRNAの全てのポリA尾部に連結されるようにし、また一本鎖DNA標的がサンプル中に存在すると仮定した場合は、この標的が、厳密に相補的な配列を含有するmRNAの特異的な部分に、ハイブリッド形成するようにする。ハイブリッド形成は、pHがほぼ中性で、適切な塩濃度を有し、温度が約20°から45℃のハイブリッド形成緩衝液の存在下で、約3時間から24時間にわたり(即ち一晩)実施することが好ましい。
本質的に完全なハイブリッド形成を、確実に行うのに望まれる時間が経過したら、ストレプトアビジン担持磁気ビーズを混合物に添加する。このビーズは、当技術分野で周知のように、0.2%BSA溶液で一晩、プレ・ブロックし(pre−blocked)、その後、生体サンプルを含有する混合物に添加することが好ましい。その後、約30分から1時間、好ましくは約45分間にわたり、液体混合物内のビーズを絶えず撹拌しながら、インキュベーションを約20°から45℃で継続する。これらの条件下、本質的に全てのビオチン化材料は、ビオチン−ストレプトアビジン対の結合の結果、磁気ビーズに接着するようになる。
この時間が経過したら、生体サンプルからの全ての非mRNA材料と、全ての非結合標的および非特異的結合標的を除去するために、洗浄を実施する。一般に、当技術分野で周知のように、徐々に厳密にした洗浄溶液(washing solutions of increasing stringency)が任意選択で使用される、多数回の洗浄を実施することになる。前述のように、ポリTカプラーの一部として、非天然チミンのようなものを用いることによって、標的がハイブリッド形成しているmRNAの一部を不注意に溶出するという著しい危険性もない状態で、高度に厳密な洗浄(high stringency washings)が可能になる。このような洗浄は、極めて小さい磁気ビーズ、例えば直径が約1ミクロンの磁気ビーズを固体担体として使用することによって容易になるが、それは、ビーズを効果的に撹拌することができ、次いで撹拌後、上澄みをピペット分取などで除去しながら、チャンバの壁面、例えば適切なサイズの試験管の壁面に対して保持することができるからである。あるいは、ビーズをフロー・チャンバ(flow chamber)に移し、そこでは、徐々に厳密にした溶液をチャンバ内に流して所望の洗浄を行いながら、ビーズを適切に、交互に撹拌し次いで磁気的に拘束することができる。
所望の洗浄が終了して、非特異的結合の全ての標識標的を除去したら、mRNAをビーズから溶出し、その後に、次の分解ステップを実施することが好ましい。分解は、mRNAを固体担体に連結させたままの状態で実施することができるが、マイクロアレイなどでの最終アッセイの前に、標的材料をビーズから分離することが望ましいので、この時点で分離を実施することが好ましい。溶出は、脱イオン(DI)水中で約75℃に加熱することにより、mRNAのポリA尾部とオリゴd(T)との結合を適切に破壊し、次いでそのような温度のまま上澄みをビーズから分離することによって、実施する。
ビーズを除去した状態で、DI水中のmRNA混合物を、アルカリで、例えば水酸化ナトリウム溶液で約15分間、適切な温度で、例えばRTから75℃で処理することにより、mRNAを加水分解によって分解する。これは、前述のように、好ましくはアルカリ処理によって依然として影響を受けることのないDNAオリゴヌクレオチドである蛍光標識された合成標的を遊離させる。次いで得られたDI水溶液は、当初は生体サンプルと混合されかつ今では加水分解ステップの結果、遊離した状態にある特定の標的のために、適切なアッセイにおいて、直接使用することができる。
標的用プローブを、平らな基質、例えばマイクロタイタープレートのウェルに直接結合させる2次元アッセイも含め、標識DNA標的に関して開発された無数のアッセイのいずれかを使用することができるが、文献(例えば、特許文献2および「Three dimensional Format Biochip」という名称の特許文献3参照。)に記載されているものなど、3次元バイオチップの使用によるアッセイが好ましい。そのような3次元アッセイでは、プレートのウェルの固体表面またはスライドガラスまたはプレートに、プローブを結合せず、代わりに重合ヒドロゲルのマイクロスポットに接着することによって、プローブを3次元アレイ(three−dimensional array)内に存在させる;これにより、プローブが固体基質から分離し、プローブの提示および標識した標的分子の最終捕獲に向けた、拡大した表面積を与える。したがって、一般に発現アッセイで用いられる種々の標的の数に応じて、複数のマイクロスポットが、各スライドガラス上およびマイクロウェルプレートの各ウェル内に設けられる。例えば50個の標的を用いる場合は、50個のマイクロスポット、即ち5×10のアレイが、スライドガラスなどの表面上に設けられる。
スライドまたはウェルと共に、ハイブリッド形成溶液をインキュベートした後、洗浄を実施して、非結合の標識した標的材料を除去する。得られたスライドは、蛍光検出器を使用するなど、任意の適切な手法で観察することができる。当然ながら、その他の適切な検出器も、標的との接着に合わせて選択された特定の標識の性質に応じて、代わりに使用することができる。
本発明の特徴を具体化したmRNA発現アッセイは、上述のように、その手順の中で酵素を使用せず、したがって、酵素の動作条件および性能に応じて結果にばらつきを招くかなりの可能性をなくすことができる。アッセイは、実施するのが簡単かつ単純であるだけでなく、好ましい代替物を使用することによって、信頼性が高くなり、十分再現性ある結果をもたらすことが可能になる。したがって、これらのアッセイを使用することにより、生体サンプル中に存在する特定のmRNAの量について、正確な定量分析を行うことができる。
本発明の詳細は、本発明の特定の特徴に焦点を当てて設計された、いくつかの実施例に関する以下の記述によって、さらに明らかにされよう;しかしこれらの実施例は、単なる例示を目的とするものであり、本願の最後に示される特許請求の範囲によって当然ながら定義される本発明の範囲に、制限を設けるものではないことを理解されたい。
mRNAアッセイを、ヒトの全RNA(total RNA)を使用して、かつ存在すべきRNAに相補的になるよう構成された20個の異なる標的と、ヒトRNAに見出されるべき任意の天然RNA配列に対して特異的にハイブリッド形成しないよう構成された5個の陰性対照配列(negative control sequences)を使用して、実施する。これら標的のそれぞれは、天然ヌクレオチドを使用して合成し、45−merである。各標的を6ナノモル(nM)使用して、適切な試験管内で、ヒト全RNA約50μgと合わせる。ハイブリッド形成緩衝液(10mM Tris、pH7.5、300mM NaCl、10mM MgCl)中20μMの濃度のオリゴd(T)を添加する。45−mer標的のそれぞれを、Cy−3、蛍光シアニン色素で標識する。
この混合物を、約37℃で一晩ハイブリッド形成させ、次いでActive Motifから購入したストレプトアビジン結合型磁気ビーズ(streptavidin−conjugated magnetic beads、直径1μm)を、この混合物が入っている試験管に添加する。これらのビーズを、4℃の0.2%BSA溶液(10mM HEPES、pH7.3、100mM NaCl、0.1%Triton X−100)で、一晩プレ・ブロックする。得られる混合物を、絶えず混合しながら、37℃で45分間インキュベートする。次いで混合物が入っている試験管を、マグネットスタンドに立て掛けて、ビーズが1つの壁面に集めるようにし、上澄みをピペットにより除去する。この試験管を、すぐに洗浄緩衝液(20mM Tris、pH7.5、50mM NaCl)で満たし、得られた溶液を、数回ピペットによって上下させ(pipetting up and down)、穏かに撹拌する。次いで試験管を、再びマグネットスタンドに立て掛け、上澄みを除去し、この試験管に再び洗浄緩衝液を満たす。次いで試験管を、揺動体(rocker)上に15分間置いて、洗浄を促進させる。次いで洗浄ステップを、もう1回繰り返す。3回洗浄した後、上澄みを脱イオン(DI)水に代えて、約75℃で2分間加熱しながら、結合しているmRNAを溶出し、混合物を、この温度で層(beds)から分離する。DI水中のmRNAに、水酸化ナトリウム溶液を添加して、約0.1モルのNaOH濃度にし、その混合物を、約15分間、約75℃に維持して、mRNAを分解し、それによって、Cy−3標識された合成標的の全てを遊離させる。
mRNAを含有する、得られたアルカリ溶液を、2M HEPES pH5.3の緩衝液で中和し、その後、20×SSC(最終的には3×SSC)および4%Triton X−100(最終的には0.1%)を添加する。次いで、マイクロスポットがスライドガラス上の25箇所に設けられる標準的なマイクロアレイで直接使用する。25個のマイクロスポットのそれぞれには、当初の標的溶液に含まれていた、45−merの1つに対して相補的なプローブが入っている。約45℃で一晩ハイブリッド形成した後、スライドを洗浄して、非結合標的材料を、25個のマイクロスポットそれぞれの領域から除去し、次いでレーザスキャナ(ScanArray Lite、Packard Biochip Technologies)を使用して試験をする。試験は、全ヒトmRNA内に存在することが予測される標的に向けられたプローブを有する、20個のマイクロスポットが、予測される輝度と同程度に明るくなるが、一方、陰性対照である45−merに相補的なプローブを有する5個のマイクロスポットは、明るくならないことを示している。その結果、mRNAアッセイ手順は、mRNA発現分析などを実施する分析ツールとして有効であることが感じられる。
試験サンプルを得るため、ヒト遺伝子pdha、hprt1、およびrb1に関してcRNAを作成した。mRNAを模倣するため、AmbionのポリA尾部形成キット(polyA tailing kit)を使用して、それぞれの3’末端にポリA尾部を付加した。20個の異なる蛍光色素標識45−merオリゴヌクレオチド標的(各プライマーごとに、6nMの最終体積)が一組になったものを、3個のポリA cRNA標的それぞれの5μL(最終濃度は1ngと推定した)、50μgのヒト全RNA、および結合緩衝液と混合して、最終的に200μLのハイブリッド形成体積が得られ、次いでハイブリッド形成を、37℃で約4時間実施した。ハイブリッド形成混合物を、ビオチン化ポリT PNAと共に、一晩インキュベートした。翌日、ストレプトアビジンで被覆した磁気ビーズを、このハイブリッド形成混合物に添加し、37℃で45分間撹拌した。結合したRNA、およびこのRNAにハイブリッド形成した標的を、マグネットスタンドを使用して単離し、実施例1と同じ洗浄および溶出手順を実施した。上澄みを、実施例1のようにビーズから抽出し、水酸化ナトリウムを添加して同様の濃度にし、それによってRNAを分解して、45−merのDNA標的を、その蛍光標識と共に無傷のまま残した。
得られた溶液を、前述の国際公開パンフレットの教示により3次元微液滴(three dimensional microdroplets)を用いて作製されたスライドガラスに付着させた。ハイブリッド形成のための時間を提供し、次いで実施例1の場合と同様に洗浄した後、アレイをレーザー・スキャン(laser−scanned)した。特異的なシグナルが、hprt1、pdha、およびrb1に関して検出されたが、これは、そのような捕獲によって、特異的なハイブリッド形成、およびこれら標的と作成されたポリA付加cRNA鋳型との結合が、試験アッセイで得られたことを実証している。
アッセイ手順が、遺伝子発現の小さな変化を測定するのに有効であり、またそのような測定を再現可能に行うことができるようにするのに有効であることを示すため、ヒト全腎臓RNA(human total kidney RNA) 40マイクログラムを各アッセイごとの鋳型として使用して、いくつかの追加の試験を行う。40μgのヒト全腎臓RNAと、各Cy3標識45−merプライマー 6.25nMと、結合緩衝液(300mM NaCl、10mM MgCl、10mM Tris pH7.5)とを含む、200μLのプレ・ハイブリッド形成混合物を生成した。94℃で短時間変性させた後、この混合物に5μLのポリT PNAを添加し、その後、RNaseOut(Invitrogem社)3μLを添加して、可能性ある微量のRNaseを抑制する。ハイブリッド形成を約37℃で一晩実施し、翌日、ストレプトアビジン結合型磁気ビーズ(Active Motif)30μLを各サンプルに添加し、37℃で45分間撹拌した。減塩洗浄緩衝液(20mM Tris、pH7.5、50mM塩化ナトリウム)で、室温で3回洗浄した後、特異的にハイブリッド形成したCy3標識した標的を含むmRNAを、実施例1の場合と同様に溶出し、その後、mRNAを、実施例1の場合と同様に、水酸化ナトリウムで分解した。得られた標識した標的を、マイクロアレイにハイブリッド形成させ、分析した。3つの実験中、得られたシグナルのばらつきは非常に小さく、即ち総平均変動係数(CV)は、約7パーセントであった。
本発明を、ある特定の好ましい実施形態、即ち現在知られているような本発明を実施するのに最良の形態を構成するものに関して述べてきたが、本明細書に添付される特許請求の範囲により定義された本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかにされるように、記述してきた様々なステップおよび材料に対して様々な変更および修正を行うことができることを、理解されたい。例えば、ビオチンおよびストレプトアビジン以外の結合剤の対を使用することができる。さらに、任意のそのような対を使用する場合、オリゴd(T)は、これを生体サンプル中のmRNAにカップリングさせる前に、任意選択で固体担体材料と連結することができる。あるいは、初期成分の全てを、ハイブリッド形成条件にかける前に、混合物として同時にブレンドすることができる。
本発明の特定の特徴を、特許請求の範囲で主張する。
本発明の様々な特徴を具体化した、生体サンプルの分析方法を示す流れ図である。 mRNAを含む生体サンプルの分析手順を示す概略図であり、これは、本発明の様々な特徴を具体化した1つの好ましい方法を、概略的に示すものである。

Claims (18)

  1. (a)mRNAを含有する生体サンプルを準備するステップと、
    (b)対象mRNAと選択的にハイブリッド形成することが可能な標的を準備するステップと、
    (c)ハイブリッド形成できる条件下で、前記標的を前記mRNAに会合させるステップと、
    (d)生体サンプル中のmRNAを固体担体に連結するステップと、
    (e)ハイブリッド形成が生じるのに十分な時間が過ぎた後、非結合標的および非特異的結合標的の全てを除去するステップと、
    (f)ステップ(e)の生成物から前記mRNAを分解して、以前にハイブリッド形成していた標的を残すステップと、
    (g)前記標的が選択的に結合する既知のプローブを使用することによって、特定の標的の存在および量を特定し、その結果、生体サンプル中の特異的mRNAの量の特定を正確に決定することができるステップと
    を含むことを特徴とするmRNA分析方法。
  2. 前記mRNAは、前記mRNAのポリA尾部を介して前記固体担体に連結することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記固体担体は、前記mRNAのポリAにハイブリッド形成するオリゴd(T)を担持することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記オリゴd(T)は、第1の結合剤を個々に担持し、前記固体担体は、第2の結合剤を担持するものであって、前記第2の結合剤は、前記第1と第2の結合剤が相互に結合して前記オリゴd(T)を前記固体担体に接着するような性質のものであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記生体サンプル中の前記mRNAと前記固体担体との前記連結の後の、ある時点で、洗浄を実施して、前記生体サンプル中に含まれる非mRNA材料を除去することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 洗浄を、ステップ(e)の一部として実施して、非特異的結合の全ての標識した標的を除去することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記生体サンプル中の前記mRNAと前記固体担体との前記連結の前に、前記標識標的を、前記生体サンプル中の前記mRNAに会合させることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップ(f)の前に、前記連結したmRNAと、ハイブリッド形成した標的とを、前記固体担体から遊離させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記固体担体は、オリゴd(T)を担持する複数の磁気ビーズを含み、前記ビーズを生体サンプルと混合して、そこにmRNAを連結することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記標的は、前記mRNAに直接ハイブリッド形成する一本鎖DNAオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記mRNAは、ステップ(f)で化学的に分解されて前記標的を残すことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ステップ(g)を、分解ステップ(f)の残留物から前記標的を分離することなく実施することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記標的を最初に標識し、前記標識をステップ(g)で検出することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ステップ(g)の一部として、ステップ(f)の生成物が、前記固体担体から分離され、3次元の性質をもつ複数のマイクロスポットを有するマイクロアレイとハイブリッド形成する請求項13に記載の方法であって、該マイクロスポットの少なくとも1つには前記標的のそれぞれに相補的なプローブが入っていることを特徴とする方法。
  15. (a)mRNAを含有する生体サンプルを準備するステップと、
    (b)対象となっているmRNAに選択的にハイブリッド形成することが可能な、標識標的を準備するステップと、
    (c)オリゴd(T)を担持する固体担体材料を準備するステップと、
    (d)前記標識標的を、mRNAを含有する前記サンプルおよび前記固体担体材料に会合させるステップと、
    (e)そのような会合を、ハイブリッド形成が生じ、かつ前記mRNAが前記固体担体材料と連結できる条件下で十分な時間維持するステップと、
    (f)その後、前記固体担体材料を洗浄して、非結合標的および非特異的結合標的と、その他の非結合材料の全てを除去するステップと、
    (g)次いで前記連結したmRNAと標識標的とを、前記固体担体材料から遊離させ、これらをそこから分離するステップと、
    (h)ステップ(g)で遊離させた生成物から、前記mRNAを非酵素的に分解して、以前にハイブリッド形成していた遊離の標識標的を残すステップと、
    (i)前記標的をアッセイすることによって、前記生成物中の特定の標識標的の存在および量を特定し、その結果、生体サンプル中の特異的mRNAの量の特定を決定することができるステップと
    を含むことを特徴とするmRNA分析方法。
  16. 前記オリゴ(dT)は、第1の結合剤を個々に担持し、前記固体担体材料は、第2の結合剤を担持するものであって、前記第2の結合剤は、前記第1と第2の結合剤が相互に結合して前記オリゴd(T)を前記固体担体に接着するような性質のものであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記サンプル、前記標的、および前記オリゴd(T)を含有する混合物を、最初に調製し、前記固体担体材料を、ハイブリッド形成が生じた後に前記混合物に添加することを特徴とする請求項15または16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記固体担体材料は、複数の磁気ビーズを含むことを特徴とする請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
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