JP2007532816A - 液体を送る方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、送り設備を運転する方法及び液体を連続に送る送り設備に関する。この方法及びこの送り設備は、特に水をガスタービンの主流の中に噴射する水噴射設備での使用に適している。送り設備は、互いに平行に連結された多数の送り装置を有する。
最初の方法ステップ(11)では、送り設備(20)の送り装置(FE1,FE2,FE3,FE4,FE5)が、少なくとも2つの送り装置群に割り当てられる。引き続き、それぞれ割り当てられた送り装置(FE1,FE2,FE3,FE4,FE5)を有するこれらの送り装置群は、液体質量流を送るため期間ごとに交替して休止モードから能動状態に切り替えられる(方法ステップ13)。したがって、少なくとも1つの送り装置が、期間ごとに交替する順序で休止モードで運転される。
本発明は、送り設備の送り装置の耐用期間を延ばすために使用される。

Description

本発明は、請求項1の上位概念に記載の方法に関する。さらに本発明は、請求項10の上位概念に記載の送り装置に関する。
例えば定置式ガスタービンや可動式ガスタービンのようなガスターボ群は、今日ではその効率及び出力に関して最適化されている。それ故に今日のガスターボ群は、一般に定格出力をほんの僅か上回る供給予備力しか有さない。
定格出力を超える出力に上げるため、水又はその他の適した液体が、注入又は噴射によってガスタービンのコンプレッサの流れの中に注入され得る。これによって得られる出力上昇は、液体が噴射後に蒸発することに基づく。これによって熱が、コンプレッサを貫流する空気から奪い取られる。この連続的に進行する気化過程は、あたかもコンプレッサの流れの連続する媒介冷却を実現する。その結果、コンプレッサの流れを所定の圧力比に圧縮するのに、水を注入しない圧縮動作より僅かな圧縮動作で済む。同時に、コンプレッサを貫流する空気の質量流量が上昇する。したがって、ガスタービンのタービン内の燃焼チャンバの出口温度がほぼ一定である場合、より高い出力が変換され、例えば軸出力として利用される。
ガスタービンの出力を上げるこのよう水の噴射又は注入は、例えばドイツ連邦共和国特許第25 49 790 号明細書又はフランス共和国第1 563 749 号明細書から公知である。
水の噴射又は注入は、コンプレッサの前方で実施できるか又はコンプレッサ段のうちの1つのコンプレッサ段で実施してもよい。簡単なこと及び効率の理由から、水を噴射するため、例えばエアアシスト式噴射ノズルのような補助媒体アシスト式噴射ノズルのほかに、圧力噴射ノズルが使用される。一般に、鉱物質を除去した水が噴射又は注入される。水は、1つ又は多数のポンプを用いて貯蔵容器から汲み出されて噴射ノズルに供給される。これに対してこれらのポンプは、供給すべき水の比較的少ない質量流を高圧で送る。渦巻ポンプは、要求される動作点で全く作動され得ないか又は非常に低い効率でしか作動され得ないので、これらの渦巻ポンプは動作方式には適さない。それ故にここでは多くの場合に、ピストンポンプが使用される。しかしながらピストンポンプは、これらのピストンポンプに作用する機械的に高い負荷に起因して頻繁に整備される必要があり、したがって比較的短い耐用期間しか有さない。ピストンポンプのうちの1つ又は多数の不測の故障の危険も非常に高い。したがって、水噴射によって構成されている最近のガスタービンは、ポンプを整備又は交換できるようにするため多くの場合に出力を低減して又は少なくとも出力を上げる水噴射なしに運転される。
ドイツ連邦共和国特許第 25 49 790号明細書 フランス共和国第 1 563 749号明細書
本発明は、ここでは対策を提供する。したがって本発明の課題は、冒頭で述べた種類の方法及び装置を提供することにある。従来の技術の欠点が、この方法及びこの装置によって低減又は阻止される。
本発明は、送り装置の耐用期間を延ばすことに寄与する。主流の中に注入されなければならない液体が、これらの送り装置によって送られる。
別の側面によれば、ポンプが、送り装置の動作を中断する必要なしに整備され得る。さらに別の側面では、ポンプが故障した場合でも送り装置を引き続き運転可能である。
この課題は、本発明により、請求項1に記載の方法及び請求項10に記載の送り装置によって解決される。本発明のその他の好適な構成は、従属請求項中に記載されている。
本発明による方法は、送り設備を運転するために使用される。液体質量流が、この送り設備によって供給管から送り管に連続して送られる。これに対して送り設備は、互いに並列に連結されている多数の送り装置を有する。互いに並列に連結されたとは、液体が、送り装置の各々によってその他の送り装置に関係なく供給管から送り管内に送られ得る。この場合、1つの送り装置が、直列に連結された多数の送り要素、例えばポンプを有する。本発明の方法によれば、複数の送り装置が、少なくとも2つの送り装置群に割り当てられる。液体質量流を送るため、それぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群が、期間ごとに交替して休止モードから起動状態に切り替えられる。その結果、少なくとも1つの送り装置が、期間ごとに交替する順序で休止モードで運転される。少なくとも1つの送り装置が、期間ごとに休止モードで、例えば待機モードで運転されることによって、送り設備の耐用期間が延長される。したがって送り設備の耐用期間は、個々の送り装置の耐用期間によってもはや制限されるのではなくて、個々の送り装置の耐用期間によって延長され得る。
さらにこれらの送り装置は、1つの送り装置が休止モードで運転される期間内に整備及び/又は交換される。したがって、個々の送り装置を整備するために送り設備を停止する必要なしに、送り設備を連続運転することが可能である。
本発明の方法を送り設備に使用することが、特に好ましいことが分かっている。送られる液体質量流をガスターボ群の主流の中に注入するため、液体質量流が、この送り設備によって連続して送られる。送り設備の好適な構成では、液体質量流が、ガスターボ群のコンプレッサの流入口内に注入される。本発明の方法の使用の重要な利点は、送り設備の時間動作が個々の送り装置の耐用期間によってもはや制限されていない送り設備にある。したがって、この送り設備はより長く運転され得る。送り設備を送り装置の整備及び/又は交換のために停止する必要ももはやない。送り装置は、送り設備の連続運転の間に好ましくは相前後して整備及び/又は交換できる。その一方でその都度の該当する送り装置が、休止モードで運転される。
送り装置の各々が、少なくとも1つのポンプを有する。ここでは特にピストンポンプが、要求される運転特性に基づいて使用される。しかし、多数のポンプ又はその他の送り要素をそれぞれの送り装置内で直列に連結してもよい。
本発明の好適なその他の構成では、それぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群が、液体質量流を送るため別々に相前後して一期間の開始ごとに休止モードから起動状態に切り替えられ、この期間の終了時に再び休止モードに切り替えられる。この代わりに、それぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群が、液体質量流を送るため多数のグループごとに相前後して一期間の開始ごとに休止モードから起動状態に切り替えられ、この期間の終了時に再び休止モードに切り替えられてもよい。交換が、これらの両切替方法間で送り設備の運転の間でも実施できる。すなわち、例えばこれらの送り装置群が、最初は別々に起動され得る。これによって最初は、それぞれの送り装置群に割り当てられた数だけの送り装置がその都度起動されて、所定の液体質量流を送る。送られる液体質量流を増大しなければならない場合、送り設備をこれ以上に運転するため、送り装置群が、例えば共通に起動される2つずつの送り装置群に構成され得る。これに応じて、共通に起動される送り装置群に割り当てられているそれぞれの全ての送り装置も起動される。
特に、期間は同じ長さに選択される。一方では全ての送り装置の均等な時間負荷がこれによって保証される。他方では同じ長さの期間を選択した場合、各送り装置の実施された起動運転時間の監視が、実施された期間を加算することによって簡単に可能である。
方法の別の構成では、期間を異なる長さに選択することも有益である。このことは、送り装置群又は送り要素の負荷が変化する時に特に意義がある。このとき、全ての送り要素に対して同じ総負荷が生じるように、期間が選択される。しかしながらこのことは、送り設備の各送り装置群の少なくとも1つの送り装置に対するその都度の運転状態及び負荷状態の監視,記憶及び評価を必要とする。
本発明の方法の好適なその他の構成では、送り装置群の数及び/又は送り装置群ごとの送り装置の数及び/又は送り装置群に対する送り装置の割り当てが、送るべき液体質量流の関数として確定される。一般にこの確定は、送り装置の運転の開始に実施される。しかし液体質量流が変更される場合、送り装置群の数及び/又は送り装置群ごとの送り装置の数及び/又は送り装置群に対する送り装置の割り当てが、送り設備の運転の間でも変更された液体質量流に対して新たに確定され得る。
本発明の方法の好適な構成では、送り装置のうちの少なくとも1つの送り装置が、多数の送り装置群に割り当てられる。好ましくは、送り設備の各送り装置が、少なくとも2つの送り装置群に割り当てられる。これらの送り装置を多数の送り装置群に割り当てると、装置に関する経費が、全ての送り装置群に割り当てるよりも全体で少ない送り装置で済むことによって低減され得る。
本発明の方法の別の好適なその他の構成では、送り設備が、N個の送り装置を有する。この場合、送り設備のN個の送り装置が、それぞれN−1個の送り装置を有するN個の送り装置群に割り当てられる。1つの送り装置群がその都度交替して起動状態に切り替えられる場合、送り装置が1つずつ同様に交替する順序で休止モードにある。このようにして送り設備が運転される場合、送り装置の寿命が、最小で個々の送り装置の個々の寿命のN分の1だけ延びる。休止モードが、それぞれの送り装置の監視又は交換に利用される場合、送り設備が、中断なしに連続にも運転され得る。
本発明の方法の別の好適なその他の構成では、送るべき液体質量流が、ガスターボ群の目標出力基準値から算出される。送るべき液体質量流は、好ましくは送り装置の送り出力を変更することによって変更してもよい。
さらに、例えば噴射要素又は噴射要素群のオン・オフが、送り装置の送り出力に同期して制御されるような、噴射要素の制御が好ましい。液体質量流が、これらの噴射要素又は噴射要素群を通じて主流の中に注入される。この制御は、好ましくは送り設備の中央制御部によって実施される。
本発明の方法は、1つ又は多数の送り装置の故障に対するより高い運転信頼性を保証するために利用され得る。この場合、1つ又は多数の送り装置の不測の故障時に、故障している送り装置が割り当てられていない送り装置群が、起動状態に切り替えられる。
別の側面では、本発明は、ガスターボ群の主流の中に注入されなければならない液体質量流を連続して送るための送り設備を実現する。好適な構成では、送られた液体質量流が、ガスターボ群のコンプレッサの流入口内に注入される。
これに対して本発明の送り設備は、1つの供給管,1つの送り管,液体質量流を供給管から送り管に送る多数の送り装置及び送り管に連結している少なくとも1つの噴射要素を有する。送り装置は、互いに並列に配置されている。さらに送り装置は、送り装置を少なくとも2つの送り装置群に割り当てる手段及びそれぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群を期間ごとに交替して起動する手段を有する。
コンプレッサの主流の中に噴射するため、一般に鉱物質を除去した水が、液体として使用される。水のほかに、水及びその他の添加剤から成る混合物又はその他の適した液体が、液体として使用され得る。
用語「液体を入れる」は、主流の中への液体の噴射及び液体の注入と解される。
この場合、液体は、中断せずに、すなわち連続して主流の中に入る。これに応じて噴射要素は、液体が噴射手段から主流の中に入る噴射要素の貫流口を閉じる閉鎖手段を有さない。貫流口を断続的に開いて再び閉める、すなわち液体を断続的に主流の中に入れるような閉鎖手段は、従来の技術から公知である。
各送り装置は、好ましくは少なくとも1つのポンプを有する。特にピストンポンプが、その運転特性に起因して送り装置として使用される。液体の比較的小さい質量流を高い圧力で送ることが、ピストンポンプによって可能である。したがって液体の高い圧力が供給管内で実現され得る。特に圧力噴射の場合、液体の良好な噴射特性を得るため、液体の高い圧力が、供給管内で必要である。
送り設備の好適な構成によれば、送り装置を少なくとも2つの送り装置群に割り当てる手段及びそれぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群を期間ごとに交替して起動する手段が、送り設備の制御部内に組み込まれている。
好適なその他の構成では、送り設備は、少なくとも1つの絞り要素をさらに有する。この場合、この絞り要素は、送り装置と少なくとも1つの噴射要素との間の送り管内に配置されている。
少なくとも1つの絞り要素は、好ましくは送り設備の制御部によって制御される。
さらに送り設備は、好ましくは噴射要素を少なくとも1つずつ有する多数の噴射要素群を有する。各噴射要素群は、個別送り管を介して送り管に連結されている。さらに好ましくは、絞り要素が、送り管と噴射要素群の少なくとも1つの噴射要素との間の各個別送り管内に配置されている。
好適な構成では、少なくとも1つの噴射要素が、圧力噴射ノズルとして構成されている。
この代わりに、少なくとも1つの噴射要素が、補助媒体アシスト式ノズルとして、例えばエアアシスト式噴射ノズルとして、いわゆる空気ブラストノズルとして構成され得る。送り設備が、多数のノズルを有する場合、これらのノズルは、特に全てが1つの種類に応じて構成されている。
本発明のもう1つの好適な構成では、噴射要素が、ノズルキャリア上に配置されている。しかし、多数のノズルキャリアを設けてもよい。噴射要素が、これらのノズルキャリア上に分散して配置されている。
本発明の送り設備は、特に好ましくは上述した本発明の方法にしたがって運転される。
以下に、本発明を図中に示された実施の形態に基づいて詳しく説明する:
図1は、本発明の方法の実施形をフローチャートとして示す。
図2は、ガスターボ群の水噴射設備で使用する本発明にしたがって構成された送り装置を示す。
図3は、水噴射部を有するガスタービンを概略的に示す。
これらの図中には、本発明の理解に重要な要素及び構成部材が示されている。示された実施の形態は、純粋に有用であると解されかつより良好に理解するために役に立つものの、本発明の対象を限定するものではない。
図1中には、本発明の方法の実施形がフローチャートとして示されている。この方法は、送り装置を運転するために使用される。この場合、ここで考慮される送り装置は、5つの送り装置を有する。各送り装置は、ここではピストンポンプを1つだけ有する。基本的には、多数のポンプを送り装置内に設けて、例えば直列に互いに連結してもよい。これらの送り装置は、互いに並列に接続されている。すなわち各送り装置は、供給側で送り装置の供給管に直接連結し、送り側で送り装置の送り管に連結する。
図1中に示された方法は、主に2つの主要な方法ステップに細分されている。方法の開始(図1中の方法ステップ10)後に、送り設備の5つの送り装置FE1,FE2,FE3,FE4及びFE5が、5つの送り装置群FG1,FG2,FG3,FG4及びFG5に割り当てられる。したがって、例えば、送り装置FE1,FE2,FE3及びFE4が、第1送り装置群FG1に割り当てられ、送り装置FE2,FE3,FE4及びFE5が、第2送り装置群FG2に割り当てられ、送り装置FE3,FE4,FE5及びFE1が、第3送り装置群FG3に割り当てられ、送り装置FE4,FE5,FE1及びFE2が、第4送り装置群FG4に割り当てられ、送り装置FE5,FE1,FE2及びFE3が、第5送り装置群FG5に割り当てられる。
送り装置を送り装置群に割り当てた後に、カウント変数Nが、1にセットされる(図1中の方法ステップ12)。別の方法ステップ13では、それぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群FG1〜FG5が、期間ごとに交替して休止モードから起動状態に切り替えられる。カウント変数Nに応じて、ここでは、それぞれの割り当てられた送り装置を有するその都度のN番目の送り装置群が、1つの期間の初めに休止モードから起動状態に切り替えられ、この期間の終了時に再び休止モードに切り替えられる。この期間の終了後に初めて、カウント変数Nの実際のカウント値が検査される(方法ステップ14)。カウント変数Nが、5より小さい場合、カウント変数Nが1だけ増える(方法ステップ15)。その後に、方法ステップ13へのリターン16が実行され、方法ステップ13が新たに進行する。しかしカウント変数Nが、値5に達した場合、カウント変数Nが、リターン17によって方法ステップ12で再び値1にリセットされる。引き続き方法ステップ13が、リセットされたカウント変数Nに基づいて新たに実行される。
したがって液体質量流が、その都度の期間に対して起動状態に切り替えられた送り装置群に割り当てられているそれぞれの送り装置によって交替して送られる。このことは、その都度の1つの送り装置が各期間に対して交替して休止モードにあることを同時に意味する。図1中に示された実施の形態では、その都度の1つの送り装置とは、その都度の起動状態にある送り装置群FG1〜FG5に割り当てられていないその都度の送り装置FE1〜FE5である。
期間は、好ましくは同じ長さに選択されている。それぞれ同じ長さの期間による時間制御を実現するためには、時間計数ユニットだけが制御部として必要である。さらにこれによって、複数の送り装置のほぼ均等に分布した負荷が保証される。この代わりに、送り装置の負荷の均等な分布の条件下で個々の期間を算出するため、これらの送り装置の負荷が、測定技術的に検出され記憶され、その後に評価され得る。
図1中に示された本発明の方法は、送り設備を運転するために特に好ましい。液体質量流を連続運転でガスターボ群の主流の中に注入するため、液体質量流が、この送り設備によって連続して送られる。特に液体質量流は、ガスターボ群のコンプレッサの流入口内に注入される。したがって送り設備は、ガスターボ設備の一部として構成されている。したがって多くの場合、送り装置をガスターボ設備の中央の制御ユニットによって制御することが好ましい。
少なくとも1つの送り装置が、各期間で休止モードで運転され、したがってこの少なくとも1つの送り装置が、この期間内に老朽化せずかつ磨耗しないことによって、送り設備の耐用期間を長くすることができる。送り設備の耐用期間の延長は、最低で送り装置が休止モードで運転される期間に一致する。送り装置が、期間ごとに整備されるか又は交換され、それぞれの送り装置が、この期間内に休止モードで運転される場合、送り設備の耐用期間もさらに延長され得る。
ピストンポンプは、運転の間に発生する高い機械的な負荷に起因して一般に比較的僅かな耐用期間しか有さないので、このことは、特にピストンポンプを使用する場合に有益である。ピストンポンプは、耐用期間の経過後に整備又は完全に交換される必要がある。このことは、既存のガスターボ設備の頻繁な運転停止を招く。送り設備の稼動期間が、本発明によって送り装置の最大耐用期間によってもはや制限されない。
さらに送り装置が、休止モードで運転される期間内に、この送り装置が整備又は交換される。したがって、送り設備の運転を個々の送り装置の整備のために中断する必要なしに、送り設備を連続運転することが可能である。
本発明の方法の別の好ましい構成では、送り装置のうちの1つの送り装置の不測の故障時に、故障している送り装置が割り当てられていない送り装置群が、起動状態に切り替えられ得る。これによって、1つ又は多数の送り装置の故障時でも、送り設備を制限なしに連続運転する可能性が提供されている。特にこれによって、1つ又は多数の送り装置の故障時のガスターボ設備の運転の低下も阻止され得る。
送り装置群の数及び送り装置群に対する送り装置の割り当ては、図1中に示された構成と異なってもよい。例えば、3つの送り装置だけを各送り装置群に割り当ててもよい。このとき送り装置群は、期間ごとに別々に相前後して起動され得る。送られる液体質量流を増大させるため、多数の送り装置群を割り当てられた送り装置と共にそれぞれの期間内に起動することも好ましい。この代わりに又は補足的に、送り装置の送り能力を上げて、送られる液体質量流を増大させてもよい。
図2は、ガスターボ群の水噴射設備内で使用するための本発明にしたがって構成された送り設備を示す。送り設備20は、供給管21,送り管22及び水質量流を供給管21から送り管22に送るための互いに並列に配置された5つの送り装置FE1〜FE5を有する。互いに並列に配置された送り装置FE1〜FE5の各々を供給管21及び送り管22に連結するため、供給管21及び送り管22がそれぞれ、5つの個別管に分岐している。図2中には、供給管21が、送り装置FE1〜FE5に対して反対側の端部で貯蔵タンクに連結されていることが示されていない。鉱物質を除去した水が、この貯蔵タンク内に貯蔵されている。供給を制御するため、絞り要素23が、供給管にさらに設けられている。
他方で送り管22は、多数の噴射要素に連結されている。これらの噴射要素は、ここで示された実施形では全てノズルキャリア26上に配置されている。図2中で示された配置では、圧力噴射ノズル25が、噴射要素として使用される。これらの圧力噴射ノズル25は、それぞれ直列に配置されたグループに統合されている。送り管をグループ内に配置された圧力噴射ノズル25に連結するため、送り管22が、個別送り管221 ,222 ,223 ,224 及び225 に分岐する。さらにそれぞれの絞り要素、ここでは電気制御されるバルブ271 ,272 ,273 ,274 及び275 が、個別送り管221 ,222 ,223 ,224 及び225 内に配置されている。グループに統合されたノズルが、バルブ271 ,272 ,273 ,274 及び275 によってグループごとに開閉され得る。こうして、個別送り管内のノズルにかかる圧力が個別に制御され得る。圧力測定センサ281 ,282 ,283 ,284 及び285 がそれぞれ、絞り要素の下流の流れ方向に沿って個別送り管221 ,222 ,223 ,224 及び225 内に配置されている。これらの圧力測定センサ281 ,282 ,283 ,284 及び285 は、個別送り管221 ,222 ,223 ,224 及び225 内の液圧を測定し、送り設備20の制御部29に伝える。送り管22が、個別送り管221 ,222 ,223 ,224 及び225 に分岐する上流では、さらに質量流測定点30が、送り管22内に配置されている。こうして、送り管22内の全測定流が、測定されて制御部29に送られ得る。
送り装置FE1〜FE5はそれぞれ、ここでは電気駆動されるピストンポンプFE1K〜FE5K及びポンプの下流の流れ方向に沿って配置された検査バルブFE1R〜FE5Rを有する。
本発明にしたがって構成された送り装置は、それぞれ割り当てられた送り装置と共にこれらの送り装置を送り装置群に割り当てる手段及びこれらの送り装置群を期間ごとに交替して起動する手段をさらに有する。これらの送り装置を送り装置群に割り当て、それぞれ割り当てられた送り装置を有するこれらの送り装置群を期間ごとに交替して起動するこれらの手段は、少なくとも1つの記憶要素,プロセッサ及び入出力要素を有し、図2中の制御部内に組み込まれている。制御部は、データ線31を通じて送り装置と交信し、データ線32,33,34を通じて質量流測定点30,バルブ271 〜275 及び圧力測定センサ281 〜285 と交信する。
図2中に示された本発明にしたがって構成された送り設備は、好ましくは図1中に示された方法にしたがって運転される。最初の方法ステップでは、制御部内に組み込まれた送り装置を割り当てるための手段が、ピストンポンプを送り装置群に割り当てる。例えば、全部で5つの送り装置群が、4つずつの送り装置に構成されるように、この割り当ては実行できる。第1送り装置群は、送り装置FE1〜FE4を有し、第2送り装置群は、送り装置FE2〜FE5を有する、等々。別の方法ステップである実際の送り動作では、これらの送り装置群が、これらの送り装置群を期間ごとに交替して起動する手段によって期間ごとに交替して起動状態に切り替えられる。例えば、第1送り装置群が、最初の500 運転時間の間に休止モードから起動状態になるように、この切替えは実行される。その結果、主流の中に注入すべき水が、送り装置FE1〜FE4によって送られる。この第1送り装置群は、500 運転時間の経過後に停止される、すなわち待機モードに切り替えられる。第1送り装置群の停止と同時に、第2送り装置群が、起動状態に切り替えられる。次いで第2送り装置群の送り装置FE2〜FE5が、送り設備の500 運転時間〜1000運転時間の期間に送る、等々。第5送り装置群が停止すると、第1送り装置群が再び起動し、このサイクルが新たに開始される。
図3中には、当業者に周知であり、多くの場合例えば発電又は定置式駆動部又は飛行機の駆動部のような可動式駆動部で使用されるガスタービン100が概略図で示されている。例示的に示されたガスタービン100は、主な構成群としてコンプレッサ101,燃焼チャンバ102及びタービン103を有する。流入した周囲の空気が、コンプレッサ102内で圧縮されて燃焼チャンバ102に供給される。圧縮された空気が、燃焼チャンバ102内で燃料に混入され、その混合物が燃焼される。燃焼チャンバ102内で発生した高温ガスが、タービン103内で膨張して仕事をする。この場合、ここで示された定置式設備のタービン103が、コンプレッサ101の横のシャフト105を介して電力消費体、ここでは発電する発電機104をさらに駆動する。タービン,コンプレッサ及び発電機は、シャフト105を介して互いに連結されている。
ガスタービンの出力を上げるため、ここでは水をコンプレッサの流入口107内に入れる水噴射装置108が、コンプレッサの入口の領域内にさらに配置されている。水噴射装置108は、図2中に示されたような送り装置120を有する。この送り装置120は、供給管121,送り管122,5つのポンプFE1〜FE5,バルブ127及び多数の個別ノズル125を有するノズルキャリア126を備える。個別ノズル125はそれぞれ、グループに統合されていて、コンプレッサ101の流入口107内に合流する。
図3によれば、送り装置を割り当てる手段及びそれぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群を期間ごとに交替して起動する手段が、ガスタービンの中央制御部106内に組み込まれている。この中央制御部106は、目標出力基準値Psollを基準値としてプリセットする。燃焼チャンバに供給すべき燃料質量流が、制御部106によって目標出力基準値Psollから計算され、データ線を通じて送られる。さらに液体質量流が、ガスタービンの中央制御部によって目標出力基準値Psollから算出される。この液体質量流は、ガスターボ群の出力を上げるためコンプレッサ101の流入口107内に注入する必要がある。これから、送り装置群の数及び/又は送り装置群ごとの送り装置の数及び/又は送り装置群に対する送り装置の割り当てが、送るべき液体質量流の関数として確定され、データ線131及び133を通じてポンプFE1〜FE5及びバルブ127に送られる。
図3中に示されたガスタービンを多数のタービン,中間配置された燃焼チャンバ,多数のコンプレッサ及び中間配置された冷却器等によって多重シャフト式に構成することも明らかに可能である。これらの実施形は、当業者に周知であり、本発明は、使用に関連する内容だけに関する。それ故にこれらの実施形は、この点からさらに説明しない。
図2に関して説明した方法及び図2,3中に示された送り設備は、本発明の例示的な実施形を示す。これらの実施形は、本発明の概念から離れることなしに当業者によって全く多様に簡単に変更され得る。
本発明の方法の実施形をフローチャートとして示す。 ガスターボ群の水噴射設備で使用する本発明にしたがって構成された送り装置を示す。 水噴射部を有するガスタービンを概略的に示す。
符号の説明
10〜15 方法ステップ
16,17 方法のリターン
20 送り設備
21 供給管
22 送り管
221 〜225 個別送り管
23 絞り要素
25 ノズル
26 ノズルキャリア
271 〜275 バルブ
281 〜285 圧力測定センサ
29 制御部
30 質量流測定点
31 データ線
32 データ線
33 データ線
34 データ線
100 ガスターボ群
101 コンプレッサ
102 燃焼チャンバ
103 タービン
104 発電機
105 シャフト
106 ガスターボ群の制御部
107 流入口
108 水噴射装置
120 送り設備
121 供給管
122 送り管
125 ノズル
126 ノズルキャリア
127 バルブ
131 データ線
133 データ線
FE1〜FE5 送り装置
FE1K〜FE5K ピストンポンプ
FE1R〜FE5R 検査バルブ
SOLL 目標出力

Claims (12)

  1. 送り設備を運転する方法にあって、液体質量流が、この送り設備によって連続して送られて、この液体質量流をガスターボ群の主流の中に、特にガスターボ群のコンプレッサの流入口内に入れ、
    この場合、送り設備は、互いに並列に連結された多数の送り装置を有し、
    送り設備の送り装置を少なくとも2つの送り装置群に割り当て、液体質量流を送るそれぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群を期間ごとに交替して休止モードから起動状態に切り替える方法から成り、その結果、少なくとも1つの送り装置が、交替する順序で期間ごとに休止モードで運転されることを特徴とする方法。
  2. 液体質量流を送るそれぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群を、別々に及び/又はグループ分けして1つの期間の開始ごとに休止モードから起動状態に相前後して切り替え、再び休止モードに切り替える方法からさらに成る請求項1に記載の方法。
  3. 同じ総負荷が、送り装置群の全ての送り要素に対して生じるように、期間を送り装置群の個々の負荷に応じて可変に選択する方法からさらに成る請求項1又は2に記載の方法。
  4. 送り装置群の数及び/又は送り装置群ごとの送り装置の数及び/又は送り装置群に対する送り装置の割り当てを、送るべき液体質量流の関数として確定する方法からさらに成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 送り装置のうちの少なくとも1つの送り装置を多数の送り装置群に割り当てる方法からさらに成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 送り設備が、N個の送り装置を有し、方法は、送り設備のN個の送り装置を、送り装置をN−1個ずつ有するN個の送り装置群に割り当てる方法からさらに成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. さらに送るべき液体質量流をガスターボ群の目標出力基準値から算出する方法から成る請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 休止モードにある1つの送り装置又は休止モードにある複数の送り装置を休止モードの間に整備又は交換する方法からさらに成る請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 1つの送り装置の不測の故障時に、故障していない送り装置が割り当てられている1つの送り装置群を起動状態に切り替える方法からさらに成る請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 液体質量流を連続に送って、液体質量流をガスターボ群の主流、特にガスターボ群のコンプレッサの流入口の中に入れる送り設備(20)にあって、
    この送り設備(20)は、1つの供給管(21),1つの送り管(22),液体質量流を供給管(21)から送り管(22)内に送る多数の送り装置(FE1,FE2,FE3,FE4,FE5)及び送り管(22)に連結している少なくとも1つの噴射要素(25)を有し、
    この場合、送り装置(FE1,FE2,FE3,FE4,FE5)は、互いに平行に配置されている送り設備において、
    送り装置(20)は、送り装置を少なくとも2つの送り装置群に割り当てる手段及びそれぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群を期間ごとに交替して起動する手段をさらに有することを特徴とする送り設備。
  11. 送り装置を少なくとも2つの送り装置群に割り当てる手段及びそれぞれ割り当てられた送り装置を有する送り装置群を期間ごとに交替して起動する手段が、送り設備(20)の制御部(29)内に組み込まれていることを特徴とする請求項10に記載の送り設備。
  12. 請求項10又は11に記載の送り設備(120)を有するガスターボ群(100)において、この場合、送り管(122)に連結している少なくとも1つの噴射要素(125)が、ガスターボ群(100)のコンプレッサ(101)の上流に配置されているガスターボ群。
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