JP2007529476A - 5−ht3受容体アンタゴニストを非消化管由来の有痛性腹部疾患の治療用医薬品の製造に用いる使用 - Google Patents

5−ht3受容体アンタゴニストを非消化管由来の有痛性腹部疾患の治療用医薬品の製造に用いる使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、5−HT受容体アンタゴニスト、特にシランセトロン、又は薬理学的に許容性のその誘導体、例えば塩及び/又は溶媒和物を、非消化管由来の有痛性腹部疾患、特に間質性膀胱炎、慢性骨盤痛症候群及び/又は子宮内膜症に伴う腹痛の治療及び/又は予防に使用する新規医療的使用に関する。

Description

本発明は、5−HT受容体アンタゴニスト、特にシランセトロン、又はその薬理学的に認容性の誘導体、例えば塩及び/又は溶媒和物を、非消化管由来の有痛性腹部疾患、特に間質性膀胱炎、慢性骨盤痛症候群及び/又は子宮内膜症に伴う腹痛の治療及び/又は予防に用いる新規医療的使用に関する。
5−HT受容体アンタゴニストの療法潜在性に関しては、それが例えば胃腸疾患治療において有益な役割を担うことができることは、既に広く知られている(例えば、概要についてはZ.H.イスラリ著、カレント・メディカル・ケミストリー、CNS薬剤1(2001年)171〜199頁(Z.H. Israili, Curr. Med. Chem. -CNS Agents 1 (2001) 171-199)を参照のこと)。
EP0467365号A2からは、尿失禁治療のための5−HT受容体アンタゴニストの使用が既に公知である。
ヨハンセンら(Johansen et al.)(泌尿器科学カレントオピニオン、12/1、(2002年)63〜67頁(Current Opinion in Urology, 12/1(2002)63-67)を参照のこと、以下「ヨハンセンら」として引用)は、間質性膀胱炎におけるマスト細胞の考えられる原因論的役割と、間質性膀胱炎及び慢性骨盤痛症候群における療法剤としてセロトニンの重要性との関係を議論している。
非消化管由来の有痛性腹部疾患のうち、間質性膀胱炎、慢性骨盤痛症候群及び子宮内膜症に伴う腹痛は、5−HT受容体アンタゴニストの投与によって非常に良好に治癒される。間質性膀胱炎の療法が好ましい。本発明によれば、「療法」は、疾患の予防及び治療の療法を含むことを意味する。
間質性膀胱炎は、頻尿及び尿意切迫、恥骨痛、性交疼痛(性交に際しての痛みの予期)、夜間頻尿症及び慢性骨盤痛の病徴を特徴とする膀胱の慢性疾患である(例えば、G.ニューサム著、ナースプラクティショナー米国学会誌15号(2)(2003年)64〜71頁(G. Newsome, Journal of the American Academy of Nurse Practitioners, 15(2)(2003)64-71)を参照のこと)。間質性膀胱炎は、主として女性に発症するが、男性にも発症する。幾つかの病態生理学的機構、例えば上皮機能障害、マスト細胞の活性化、神経性炎症、自己免疫、潜在性(ウイルス性又は細菌性)感染、被毒及び骨盤底機能障害が、ここ数年にわたって提案されている。間質性膀胱炎は、主として成人期に発症するが、幼年期においても発症する。間質性膀胱炎の有病率は、約8件〜約60件/100000人の評価人口に応じた女性患者の範囲にわたっている。患者の約10%は、膀胱の生検についてハナー潰瘍に関連する重篤な病徴を示す;残りの患者は、膀胱の炎症を罹患しているか又は罹患していない群にまとめることができる。男性の間質性膀胱炎は、おそらく不顕性であり、かつ非常に一般的には前立腺炎と誤診される。間質性膀胱炎の病徴は、ストレス、所定の食品及び排卵ホルモンによって悪化する。多くの患者は、アレルギー、過敏性腸症候群(IBS)及び偏頭痛をも経験する。膀胱のグリコサミノグリカン(GAG)保護層の機能障害を示す種々の報告が存在し、かつ活性化された膀胱マスト細胞の数が多いことを示す多くの出版物が存在する。
診断は、病歴、身体検査、実験室検査及び膀胱鏡検査による;従って、これは主として除外的診断にとどまるものである。これまでに認可された治療には、ジメチルスルホキシド(DMSO)の膀胱内投与、ペントサンポリサルフェート(PPS)の経口投与が含まれるが、今日の間質性膀胱炎の管理には、食事変更、抗ヒスタミン剤、三環式抗うつ剤、グルコサミノグリカンの経口及び膀胱内投与、水圧拡張術、疼痛管理及び精神的支援も含まれる。間質性膀胱炎の診断基準は、国立関節炎・糖尿病・消化器・腎臓疾病研究所(National Institute of Arthritis, Diabetes, Digestive and Kidney Disease)によって確立されている(ギレンウォータら著、泌尿器科学ジャーナル140号(1988年)203〜208頁(Gillenwater et al., J. Urol 140 (1998) 203-208))。これらには、膀胱鏡検査における点状出血又はハナー潰瘍及び膀胱に関連する痛み又は尿意切迫が含まれる。最近では、間質性膀胱炎は、しばしば2種の亜型:古典的疾病及び非潰瘍疾病に分類されている(ピーカー、フォール著、泌尿器科学ジャーナル167号(2002年)2470〜2472頁(Peeker and Fall J. Urol. 167(2002)2470-2472))。
慢性骨盤痛症候群は、しばしば間質性膀胱炎に関連する症候群である。米国国立健康研究所(US National Institute of Health)の分類によれば、「III型前立腺炎」(J.N.クリーガーら著、JAMA282号(1999年)236〜237頁(J.N. Krieger et al., JAMA 282 (1999) 236-237)を参照のこと)として、慢性の無菌性前立腺炎とみなすことができる。非炎症性慢性骨盤痛症候群を罹患する患者は、米国国立糖尿病・消化器疾患・腎臓疾病研究所の分類による前立腺炎の患者の最も大きい群であり、かつ他覚所見が欠如していることを特徴とする。興味深いことに、大多数の患者にとって、他覚所見が見られないことは前立腺炎の病徴と前立腺又は男性生殖道との関連を示し、従って所見が見られないことは慢性骨盤痛症候群の病徴と特に男性との関連を示すように思われる。疫学、病態生理学及び療法においても、間質性膀胱炎と慢性骨盤痛症候群との間に有意な重複が存在しうることをむしろ提案している証拠が増えている。実際、この両方の症状は、同様の疾病過程の種々の発現を示すことがあった。例えば、この両方の症状について極めて類似した病理発生の理論が存在する:潜在性感染、上皮機能障害、神経性炎症、マスト細胞活性化及び自己免疫が、間質性膀胱炎の形成並びに慢性骨盤痛症候群の形成の役割を演じると思われる特徴である(例えば、ヨハンセンら;R.M.モールドウィン著、泌尿器科学カレントレポート 3/4(2002年)313〜318頁(R.M. Moldwin, Current Urology Reports 3/4 (2002) 313-318)を参照のこと)。従って、この両方の症状についての同様の薬物療法が見込まれる。慢性骨盤痛症候群についての概要は、例えば、M.マクノートン−コリンズら著、内科年鑑133号(2000年)367〜381頁(M.McNaughton-Collins et al., Ann. Intern. Med. 133(2000)367-381)を参照のこと。
子宮内膜症は、十分に知られた婦人科疾患であり、妊娠可能な年齢の女性の10〜15%が罹患している。これは、子宮腔外で生存可能な子宮組織、例えば子宮内膜腺細胞及びストローマ細胞の存在として定義された良性の疾病である。これは、骨盤領域、特に卵巣内で非常に頻繁に見出される。子宮内膜症を発症している女性の場合、逆行性月経(最も考えられる機構)により腹腔に入り込んだ子宮内膜細胞は、腹腔内層に癒着及び侵入する能力を有しており、次いで移植及び成長しうる。この移植物は、子宮内の子宮内膜と同様に月経周期のステロイドホルモンに反応する。湿潤する病巣及びその体を出ることができないこれらの病巣からの血液は、組織周辺の炎症を惹起する。子宮内膜症の最も一般的な病徴は、月経困難、性交疼痛及び(慢性)腹痛である。これらの病徴の発生は、病巣の程度には関係しない。重度の子宮内膜症を罹患し、無症状である女性が存在する一方で、軽度な子宮内膜症を罹患し、重篤な痛みを有する女性も存在する。今までのところ、子宮内膜症を診断するための、信頼できかつ使用が容易な非侵襲的検査は存在しない。この疾病を診断するためには、腹腔鏡検査を実施しなければならない。子宮内膜症は、アメリカ不妊学会(AFS)により示された4つの病期により分類されている。子宮内膜症の位置及び程度に応じて、I期は、最も軽度の疾病に相当するのに対して、IV期は重篤である。子宮内膜症は、不妊症の女性の50%までに見出される。しかしながら、現在のところ軽度の子宮内膜症と不妊症との因果関係は証明されていない。中程度から重度な子宮内膜症は、卵管の損傷及び癒着を惹起し、それが不妊症をもたらすことがある。集中的な研究がなされているにもかかわらず、子宮内膜症の原因は依然としてほとんど不明である。子宮内膜症の起点に関する幾つかの理論が提案されているが、この疾病の全ての事例を完全に説明する単一の仮説は存在しない。しかしながら、これら全ての理論の手がかりとなる事象は、逆行性月経の発生であるように思われる。子宮内膜症の治療の目的は現在ところ、鎮痛、子宮内膜組織の消散及び(所望により)受胎能の回復である。一般的な2種の治療は、手術、若しくは抗炎症及び/又はホルモン療法若しくはこれらの併用である。
驚くべきことに、目下のところ、5−HT受容体アンタゴニストが、非消化管由来の有痛性腹部疾患、特に間質性膀胱炎、慢性骨盤痛症候群及び/又は子宮内膜症に伴う腹痛の治療及び/又は予防の役割を果たすことができることを見出した。
従って、本発明の課題は、5−HT受容体アンタゴニスト又は薬理学的に認容性のその誘導体、例えば塩及び/又は溶媒和物を、大型哺乳動物及びヒトにおいて、非消化管由来の有痛性腹部疾患、特に間質性膀胱炎、慢性骨盤痛症候群及び/又は子宮内膜症に伴う腹痛の治療及び/又は予防に使用する新規使用である。
本発明にかかる好適な5−HT受容体アンタゴニストは、特に、アロセトロン、アザセトロン、ベメセトロン(bemesetron)、シランセトロン、ドラセトロン、ファベセトロン、ガルダンセトロン、グラニセトロン、インジセトロン、イタセトロン、レリセトロン、ルロセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、リカセトロン(ricasetron)、トロピセトロン、ザコプリド及び/又はザトセトロンからなる群から選択される。
シランセトロンは、好ましい5−HT受容体アンタゴニストである。シランセトロンは、欧州特許EP0297651号B1の範囲内のものであり、かつその化学名は(R)−(−)−4,5,6,8,9,10−ヘキサヒドロ−10−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−11H−ピリド−[3,2,1−jk]−カルバゾール−11−オンである。シランセトロンは、その塩酸塩の形で使用することが好ましい。通常は、シランセトロン塩酸塩一水和物を使用する。更なる薬理学的に認容性のシランセトロン酸付加塩が、例えばEP0297651号B1から公知である。
本発明にかかる5−HT受容体アンタゴニストの有益な影響は、例えば、非消化管由来の有痛性腹部疾患、特に間質性膀胱炎における試験化合物の療法的潜在性を予測するインビボ動物試験モデルによって示すことができる。この試験モデルにおいては、シクロホスファミドにより誘発された膀胱炎を罹患するラットについて5−HT受容体アンタゴニストの作用を調査した。
膀胱過活動の原因である膀胱の炎症は、試験の48時間前に腹腔内(i.p.)シクロホスファミド注入(150mg/kg、i.p.)を行うことにより誘発し(マギーら著、自律神経系ジャーナル38号(1992年)201頁(Maggi et al., J Auton Nerv Syst 38 (1992) 201))、その際、体重300〜350gの雄のウィスターラットを使用した。このラットは、ウレタンを生理食塩水(1.2g/kg)中で皮下を介して送達して麻酔し、かつその体温を37℃に維持した。腹部正中切開の後に、カテーテルを膀胱ドームを通して挿入し、そして留め具で封止した。このカテーテルを、T字管を介して圧力変換器及びシリンジポンプに接続し、膀胱を温かい(37℃)生理食塩水で50μl/分で満たし、同時に膀胱内圧を記録した。このカテーテルを、後に膀胱内圧測定に使用した。
それぞれの排尿収縮及び非排尿収縮について、閾値圧力(ThP、排尿収縮の開始時の膀胱内圧に相当(mmHg))、最大排尿圧(MP、排尿収縮の際に達せられた最大膀胱内圧により定義(mmHg))、基礎圧力(BaP、排尿収縮の後に達せられた最小膀胱内圧により定義(mmHg))及び排尿の間の膀胱内圧の曲線下面積(AUP)(mmHg×s)をそれぞれのラットについて算出し、それぞれの条件について平均した。更に、収縮の回数を測定した。
それぞれ10匹のラットからなる試験群を使用した。薬物治療を、以下の第1表に記載されているとおりに実施した。
第1表:シクロホスファミドにより誘発された膀胱炎を罹患するラットについての5−HT受容体アンタゴニストの試験モデルについての群の設計
Figure 2007529476
第2群〜第5群においては、膀胱炎を、実験の48時間前のシクロホスファミド150mg/kg腹腔内(i.p.)注入により誘発させた;第1群は、対照群として利用した。試験されるべき薬剤又は賦形剤を、膀胱内圧測定の開始10分前に注入した。シランセトロンの3種の投与量(第4群、第5群)に加え、HOE140(D−アルギニル−[Hyp3、Thi5、D−Tic7、Oic8]−ブラジキニンのブラジキニン2受容体アンタゴニストを、このモデルにおいて有効であることが公知である対照標準として使用した。膀胱内圧測定の間、温かい生理食塩水の50μl/分の経膀胱の潅流による圧力変化を、60分にわたって記録した。パラメータ(概要は上述)を、それぞれの膀胱充満について分析した。
シクロホスファミド前処理は、排尿圧を除く膀胱内圧測定の全てのパラメータを一貫して変化させた。賦形剤対称群(第1群)と比較して、膀胱炎の群の基礎圧力、閾値圧力及び膀胱収縮の回数は、膀胱炎の群(第2群)において一貫して増加し(第2表を参照のこと)、これに対して膀胱収縮の曲線下面積並びに第1の排尿の開始時の潅流の容量は、膀胱炎の群(第2群)において一貫して減少した(第2表を参照のこと)。従って、この膀胱炎は、膀胱コンプライアンスの減少(すなわち、より小さい潅流の容量でより大きい膀胱内圧に達した)及び膀胱過活動をもたらした。
第2表::シクロホスファミドにより誘発された膀胱炎を罹患するラットにおける試験化合物の作用
Figure 2007529476
HOE140での治療は、膀胱炎により誘発された、基礎圧力及び閾値圧力並びに膀胱収縮の回数の変化をそれぞれ50%、60%及び25%だけ減少させた(第2表及び第3表を参照のこと)。排尿圧の曲線下面積及び第一の排尿の容量は、HOE140での治療によっては影響を受けなかった。HOE140は、膀胱炎の幾つかの作用を部分的に軽減させたことを結論付けることができる。それというのも、それが排尿の重要なパラメータを対照群において観察された値に向かって変化させたからである。
第3表:膀胱炎の作用の阻害
Figure 2007529476
0.01mg/kg i.v.の低濃度のシランセトロンでの治療は、膀胱炎により誘発された基礎圧力及び閾値圧力並びに膀胱収縮の回数の変化を、それぞれ50%、60%及び45%だけ減少させた(第2表及び第3表を参照のこと)。従って、これは基準化合物HOE140と同様に効果的か又はそれと比べて非常に効果的であった。 シランセトロンは、0.1mg/kg i.v.では、膀胱炎により誘発された基礎圧力及び閾値圧力の変化をそれぞれ83%、100%だけ減少させる点で非常に高い効力を示した(第2表及び第3表を参照のこと)。
130μg/kgのHOE140での急性期治療により、シクロホスファミド前処理に伴う膀胱過活動の病徴が軽減した。0.01mg/kg及び0.1mg/kgのシランセトロンの投与により、これらの病徴が同程度にか又はわずかに良好な程度に軽減した。従って、上述の動物試験モデルにおいては、シクロホスファミドにより誘発された膀胱炎を罹患するラットの膀胱内圧測定において、シランセトロンは、HOE140により生ずる作用と比べて非常に優れた有益な作用を示した。
療法剤として、5−HT受容体アンタゴニスト又は薬理学的に認容性のその酸付加塩及び/又はその溶媒和物を、慣用の医薬製剤中で投与してよい。個々の事例においては、特定の剤形を指示してよい。使用されるべき用量は、個々に変動してよく、かつ治療されるべき症状の種類及び使用される物質に応じて当然に変動してよい。しかしながら、一般的に、単一用量につき有効物質0.2〜200mg、特に1〜50mgの有効物質含有量を有する医薬形態が、ヒト及び大型哺乳動物への投与に好適である。この化合物は、本発明により、慣用の医薬助剤及び/又は担体と一緒に、固体又は液体の医薬製剤中に含まれていてよい。固体製剤の例は、経口投与可能な製剤、例えば錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、粉末剤又は顆粒剤若しくは場合により坐剤である。これらの製剤は、慣用の医薬助剤、例えば滑沢剤又は錠剤崩壊剤の他に、慣用の医薬無機担体及び/又は有機担体、例えばタルク、ラクトース又はデンプンを含有していてよい。液体製剤、例えば有効物質の懸濁剤又は乳剤は、慣用の希釈剤、例えば水、油及び/又は沈殿防止剤、例えばポリエチレングリコール等を含有してよい。他の助剤、例えば保存剤、矯味剤等を付加的に添加してよい。
5−HT受容体アンタゴニスト又は薬理学的に認容性の酸付加塩及び/又はその溶媒和物、好ましくはシランセトロンは、医薬助剤及び/又は担体と公知のように混合及び配合してよい。固体製剤形の製造のために、シランセトロン又はその酸付加塩を、例えば助剤及び/又は担体と公知にように混合し、そして湿式又は乾式造粒を行ってもよい。顆粒剤又は粉末剤は、カプセル剤中に直接注入してよく、又は慣用的に核錠に圧縮してよい。所望により、これらを公知のようにコーティングしてよい。
以下の実施例は、シランセトロン塩酸塩を含有する医薬製剤の製造の説明を意図するものである。
実施例I:シランセトロンを含有する錠剤
組成:
シランセトロン塩酸塩一水和物 4質量部
トウモロコシデンプン 30質量部
ラクトース 70質量部
Kollidon 25(登録商標) 5質量部
ステアリン酸マグネシウム 2質量部
タルク 3質量部
合計: 114質量部
製造の手順:
有効物質とトウモロコシデンプン及び微粉末ラクトースとを混合機内で混合した。得られた混合物を、脱イオン水中のポリビニルピロリドン20%溶液(Kollidon 25(登録商標)(BASF社製))で完全に湿潤させた。必要であれば、更に脱イオン水を添加した。この湿潤な顆粒物を、2mmのふるいに通して、棚上で40℃で乾燥させ、次いで1mmのふるい(Frewitt型装置)に通した。この顆粒物とステアリン酸マグネシウム及びタルクとを混合した後に、これから質量114mgの錠剤を圧縮し、それぞれの錠剤に4mgの有効物質を含有させた。
同様に又は好ましくは、シランセトロンの他の医薬製剤、例えばEP0895782号A2から公知の安定化された医薬製剤を使用してよい。

Claims (17)

  1. 5−HT受容体アンタゴニスト又は薬理学的に認容性のその誘導体を、非消化管由来の有痛性腹部疾患の治療及び/又は予防のための医薬品の製造において用いる使用。
  2. 腹部疾患が、間質性膀胱炎、慢性骨盤痛症候群及び/又は子宮内膜症に伴う腹痛である、請求項1に記載の使用。
  3. 腹部疾患が、間質性膀胱炎である、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 5−HT受容体アンタゴニストが、アロセトロン、アザセトロン、ベメセトロン、シランセトロン、ドラセトロン、ファベセトロン、ガルダンセトロン、グラニセトロン、インジセトロン、イタセトロン、レリセトロン、ルロセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、リカセトロン、トロピセトロン、ザコプリド及びザトセトロンからなる群から選択された、請求項1に記載の使用。
  5. 5−HT受容体アンタゴニストが、シランセトロン又は薬理学的に認容性のその酸付加塩及び/又はその溶媒和物である、請求項1に記載の使用。
  6. シランセトロン塩酸塩を用いる、請求項5に記載の使用。
  7. シランセトロン塩酸塩一水和物を用いる、請求項6に記載の使用。
  8. 非消化管由来の有痛性腹部疾患の治療方法において、5−HT受容体アンタゴニスト又は薬理学的に認容性のその誘導体の有効量を、かかる治療が必要なヒトに投与することを含む方法。
  9. 腹部疾患が、間質性膀胱炎、慢性骨盤痛症候群及び/又は子宮内膜症に伴う腹痛である、請求項8に記載の方法。
  10. 腹部疾患が、間質性膀胱炎である、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 5−HT受容体アンタゴニストが、アロセトロン、アザセトロン、ベメセトロン、シランセトロン、ドラセトロン、ファベセトロン、ガルダンセトロン、グラニセトロン、インジセトロン、イタセトロン、レリセトロン、ルロセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、リカセトロン、トロピセトロン、ザコプリド及びザトセトロンからなる群から選択された、請求項8に記載の方法。
  12. 5−HT受容体アンタゴニストが、シランセトロン又は薬理学的に認容性のその酸付加塩及び/又はその溶媒和物である、請求項8又は11に記載の方法。
  13. 5−HT受容体アンタゴニスト又は薬理学的に認容性のその誘導体を、非消化管由来の有痛性腹部疾患の治療及び/又は予防に用いる使用。
  14. 腹部疾患が、間質性膀胱炎、慢性骨盤痛症候群及び/又は子宮内膜症に伴う腹痛である、請求項13に記載の使用。
  15. 腹部疾患が、間質性膀胱炎である、請求項13に記載の使用。
  16. 5−HT受容体アンタゴニストが、アロセトロン、アザセトロン、ベメセトロン、シランセトロン、ドラセトロン、ファベセトロン、ガルダンセトロン、グラニセトロン、インジセトロン、イタセトロン、レリセトロン、ルロセトロン、オンダンセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、リカセトロン、トロピセトロン、ザコプリド及びザトセトロンからなる群から選択された、請求項13に記載の使用。
  17. 5−HT受容体アンタゴニストが、シランセトロン又は薬理学的に認容性のその酸付加塩及び/又はその溶媒和物である、請求項13に記載の使用。
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