JP2007528217A - スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫応答を誘導するためのポリペプチド - Google Patents

スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫応答を誘導するためのポリペプチド Download PDF

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Abstract

本発明は、配列番号1に構造的に関連したアミノ酸配列を含むポリペプチド、およびそのようなポリペプチドの用途に関する。配列番号1は完全長スタヒロコッカス・アウレウスポリペプチドのトランケート化誘導体である。該完全長ポリペプチドは本明細書中では完全長「sai−1」と称される。配列番号1のHisタグ付き誘導体はスタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫応答を生成することが判明した。

Description

本出願の全体において引用されている参考文献は、特許請求されている発明の先行技術であると自認するものではない。
スタヒロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)は多種多様な疾患および状態を引き起こす病原体である。スタヒロコッカス・アウレウスにより引き起こされる疾患および状態の具体例には、菌血症、感染性心内膜炎、毛包炎、フルンケル、カルブンケル、インペチゴ、水疱性インペチゴ、フレグモーネ、ボトリオミセス(botryomyosis)症、毒素ショック症候群、火傷様皮膚症候群、中枢神経系感染症、感染性および炎症性眼疾患、骨髄炎および関節および骨の他の感染症、ならびに気道感染症が含まれる(The Staphylococci in Human Disease,CrossleyおよびArcher(編),Churchill Livingstone Inc.1997)。
スタヒロコッカス・アウレウス感染症およびスタヒロコッカス・アウレウスの蔓延を防除するためには、免疫学に基づく方法を用いることが可能である。免疫学に基づく方法には、受動免疫および能動免疫が含まれる。受動免疫は、スタヒロコッカス・アウレウスを標的とする免疫グロブリンを使用するものである。能動免疫はスタヒロコッカス・アウレウスに対する免疫応答を誘導する。
潜在的なスタヒロコッカス・アウレウスワクチンはスタヒロコッカス・アウレウス多糖およびポリペプチドを標的化する。標的化は、適当なスタヒロコッカス・アウレウス多糖またはポリペプチドをワクチン成分として使用して達成されうる。可能なワクチン成分として使用されうる多糖の具体例には、スタヒロコッカス・アウレウス5型および8型莢膜多糖が含まれる(Shinefieldら,N.Eng.J.Med.346:491−496,2002)。可能なワクチン成分として使用されうるポリペプチドの具体例には、コラーゲンアドヘシン、フィブリノーゲン結合タンパク質およびクランピング因子が含まれる(Mamoら,FEMS Immunology and Medical Microbiology 10:47−54,1994,Nilssonら,J.Clin.Invest.101:2640−2649,1998,Josefssonら,The Journal of Infectious Diseases 184:1572−1580,2001)。
スタヒロコッカス・アウレウスポリペプチド配列に関する情報はスタヒロコッカス・アウレウスゲノムの配列決定から得られている(Kurodaら,Lancet 357:1225−1240,2001,Babaら,Lancet 359:1819−1827,2000,Kunschら,欧州特許公開EP 0 786 519(1997年7月30日付け公開))。ある程度は、ゲノム配列決定から得られたポリペプチド配列を特徴づけるためにバイオインフォマティクスが用いられている(Kunschら,欧州特許公開EP 0 786 519(1997年7月30日付け公開))。
潜在的抗原をコードする遺伝子を同定するためには、感染患者からの血清およびディスプレイ技術が関わるような技術が用いられている(2001年12月27日付け公開のFosterら,国際公開番号WO 01/98499、2002年8月1日付け公開のMeinkeら,国際公開番号WO 02/059148、Etzら,PNAS 99:6573−6578,2002)。
発明の概要
本発明は、配列番号1に構造的に関連したアミノ酸配列を含むポリペプチド、およびそのようなポリペプチドの用途に関する。配列番号1は完全長スタヒロコッカス・アウレウスポリペプチドのトランケート化誘導体である。該完全長ポリペプチドは本明細書中では完全長「sai−1」と称される。配列番号1のHisタグ付き誘導体はスタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫応答を生成することが判明した。
「防御」免疫または免疫応答に対する言及は、スタヒロコッカス・アウレウス感染に対する検出可能なレベルの防御を示す。防御のレベルは、本明細書に記載されているような動物モデルを使用して評価されうる。
したがって、本発明の第1の態様は、配列番号1に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチド免疫原を記載し、ここで、該ポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸261−294により示されるカルボキシル末端を含有せず、該ポリペプチドはスタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫をもたらす。配列番号7は完全長sai−1ポリペプチドを示し、ここで、アミノ酸261−291は、LPXTGモチーフから始まるカルボキシル末端ドメインを示す。
「免疫原」に対する言及は、防御免疫応答を生成する能力を示す。
配列番号1に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含むことについての言及は、配列番号1に関連した領域が存在すること、および追加的なポリペプチド領域が存在しうることを示す。追加的なポリペプチド領域が存在する場合には、該ポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸261−294により示されるカルボキシルLPXTGモチーフを有さない。
参照配列に対する同一性(%)(同一であるパーセントとも称される)の測定においては、ポリペプチド配列を参照配列と整列させ、対応領域内の同一アミノ酸の数を決定する。この数を参照配列(例えば、配列番号1)内のアミノ酸の総数で割り算し、ついで100を掛け算し、最も近い整数に丸める。
本発明のもう1つの態様は、スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫をもたらすポリペプチドを含んでなる免疫原を記載する。該免疫原は、該ポリペプチド、およびカルボキシル末端またはアミノ末端において該ポリペプチドに共有結合した1以上の追加的な領域または部分よりなり、ここで、各領域または部分は、独立して、以下の特性、すなわち、免疫応答の増強、精製の促進またはポリペプチド安定性の増強の少なくとも1つを有する領域または部分から選ばれる。
「追加的な領域または部分」に対する言及は、sai−1領域とは異なる領域または部分を示す。追加的な領域または部分は、例えば、追加的なポリペプチド領域または非ペプチド領域でありうる。
本発明のもう1つの態様は、患者においてスタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫を誘導しうる組成物を記載する。該組成物は、医薬上許容される担体と、スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫をもたらす免疫原の免疫学的に有効な量とを含む。
免疫学的に有効な量は、スタヒロコッカス・アウレウス感染に対する防御免疫をもたらすのに十分な量である。該量は、スタヒロコッカス・アウレウス感染の可能性または重症化を有意に妨げるのに十分なものであるべきである。
本発明のもう1つの態様は、スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫をもたらすポリペプチドをコードする組換え遺伝子を含んでなる核酸を記載する。組換え遺伝子は、適切な転写およびプロセシングのための調節要素(これは翻訳および翻訳後要素を含みうる)と共に、ポリペプチドをコードする組換え核酸を含有する。該組換え遺伝子は、宿主ゲノムから独立して存在することが可能であり、宿主ゲノムの一部でもありうる。
組換え核酸は、その配列および/または形態において天然には存在しない核酸である。組換え核酸の具体例には、天然で見出されるものとは異なる核酸を与える、一緒に組合された2以上の核酸領域を有する、および天然で互いに結合している1以上の核酸領域(例えば、上流または下流領域)が存在しない、精製された核酸が含まれる。
本発明のもう1つの態様は組換え細胞を記載する。該細胞は、スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫をもたらすポリペプチドをコードする組換え遺伝子を含む。
本発明のもう1つの態様は、スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫をもたらすポリペプチドの製造方法を記載する。該方法は、該ポリペプチドをコードする組換え核酸を含有する組換え細胞を増殖させ、該ポリペプチドを精製することを含む。
本発明のもう1つの態様は、該ポリペプチドをコードする組換え核酸を含有する組換え細胞を宿主内で増殖させ該ポリペプチドを精製することを含む製造方法により製造された、スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫をもたらすポリペプチドを記載する。
本発明のもう1つの態様は、患者においてスタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫応答を誘導するための方法を記載する。該方法は、スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫をもたらす免疫原の免疫学的に有効な量を患者に投与する工程を含む。
個々の用語が互いに排他的でない限り、「または」なる語は一方または両方の可能性を示す。一方または両方の可能性を強調するために「および/または」のような表現が用いられることもある。
「含む(含んでなる)」のような非限定的表現は、追加的な要素または工程を許容するものである。追加的な要素または工程の可能性を強調するために、非限定的表現を伴って又は伴わないで「1以上の」のような語が用いられることもある。
特に明示されていない限り、単数表現は1つのものに限定されるものではない。例えば、「細胞」は、複数の細胞を除外するものではない。複数の存在の可能性を強調するために、1以上のような表現が用いられることもある。
本発明の他の特徴および利点は、種々の実施例を含む本明細書に記載の更なる説明から明らかである。記載されている実施例は、本発明の実施において有用な種々の成分および方法を例示するものである。該実施例は、特許請求されている発明を限定するものではない。本開示に基づき、当業者は、本発明の実施に有用な他の成分および方法を同定し使用することが可能である。
発明の詳細な説明
配列番号1はスタヒロコッカス・アウレウストランスフェリン結合タンパク質のトランケート化誘導体である。配列番号1のアミノHisタグ付き誘導体は大腸菌(E.coli)内で良好に発現されスタヒロコッカス・アウレウス感染に対する防御免疫をもたらすことが判明した(後記実施例を参照されたい)。
配列番号1は、アミノシグナル配列を除去しカルボキシル疎水性領域を除去しアミノ末端メチオニンを付加しアミノ末端に制限部位を付加するためにコード化核酸を修飾することにより、完全長トランスフェリン結合タンパク質に基づいて作製された。除去した疎水性領域はLPXTGモチーフに続いていた。アミノ末端制限部位の付加はセリンからグリシンへの置換を引き起こした。
配列番号1に構造的に関連したポリペプチドが防御免疫をもたらす能力は、配列番号3のポリペプチドを使用して示される。配列番号3は配列番号1のアミノHisタグ付き誘導体である。Hisタグはポリペプチドの精製および同定を促進する。
配列番号1に構造的に関連したポリペプチドには、異なるスタヒロコッカス・アウレウス株に存在する対応領域および天然に存在する領域の誘導体を含有するポリペプチドが含まれる。配列番号1のアミノ酸配列を図1に示す。図2(配列番号2)は、配列番号1と同様に修飾された、異なるスタヒロコッカス・アウレウス株で見出される対応領域の一例を示す。
配列番号1および配列番号2は、天然に存在する異なる完全長スタヒロコッカス・アウレウスsai−1配列(配列番号7および8)に基づく。図3は、配列番号1、2および7に基づく異なるHisタグ付き構築物と共に配列番号7および8を含む配列比較を示す。
Sai−1配列
Sai−1配列には、参考文献によって様々な名称が与えられている。様々な名称の具体例はKurodaら,Lancet 357:1225−1240,2001(SAV1130およびSA0977);Babaら,Lancet 359:1819−1827,2002(MW1012);Mazmanianら,Molecular Microbiology 40(5):1049−1057,2001(SasE);TaylorおよびHeinrichs Mol.Microbiol.43(6):1603−1614(StbA),2002;およびMazmanianら,PNAS 99(4):2293−2298,2002およびMazmanianら,Science 299:906−909,2003(IsdA)に記載されている。
sai−1タンパク質配列に対応するポリペプチド配列は種々の特許公開に記載されているようである(2002年8月1日付け公開のMeinkeら,国際公開番号WO 02/059148、2002年11月28日付け公開のMasignaniら,国際公開番号WO 02/094868、2002年12月27日付け公開のFosterら,国際公開番号WO 02/102829、および2003年2月13日付け公開のFosterら,国際公開番号WO 03/011899)。
スタヒロコッカス・アウレウス株によって異なるsai−1配列が存在しうる。sai−1配列の2つの例が配列番号7および8により示される。天然に存在する他のsai−1配列は、公知sai−1配列と比較した場合の高い配列類似性の度合または連続的なアミノ酸の存在に基づいて同定されうる。連続的なアミノ酸は特徴的な目印となる。種々の実施形態においては、天然に存在するsai−1配列は、配列番号1中の少なくとも20個、少なくとも30個もしくは少なくとも50個の連続的なアミノ酸を有する、および/または配列番号1に対して少なくとも80%の配列類似性もしくは同一性を有する、スタヒロコッカス、好ましくはスタヒロコッカス・アウレウスにおいて見出される配列である。
配列類似性は、当技術分野でよく知られている種々のアルゴリズムおよび技術により測定されうる。一般に、配列類似性は、2つの配列を整列させて最高アミノ酸同一性を得る技術により測定され、この場合、それらの配列の1つにおけるギャップ、付加および置換が許容される。
配列類似性は、例えば、プログラムlalign(<<sim>>プログラム用にHuangおよびMiller(Adv.Appl.Math.12:337−357,1991)により開発された)を利用する局所アライメント手段を用いて測定されうる。オプションおよび環境変数は以下のとおりである:−f #ギャップにおける第1残基に関するペナルティ(デフォルトでは−14);−g#ギャップにおける各付加残基に関するペナルティ(デフォルトでは−4)−s str(SMATRIX)代替的スコアリングマトリックスファイルのファイル名。タンパク質配列の場合には、配列アライメントのためのデフォルト−w#(LINLEN)出力ライン長(60)でPAM250を使用する。
配列番号1関連ポリペプチド
配列番号1関連ポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含有する。「ポリペプチド」に対する言及は最小または最大のサイズ限界を示すものではない。
配列番号1に対して少なくとも85%同一であるポリペプチドは配列番号1からの26個までのアミノ酸変化を含有する。配列番号2は、配列番号1に構造的に関連したポリペプチドの一例である。種々の実施形態においては、配列番号1関連ポリペプチドは配列番号1に対して少なくとも90%、少なくとも94%または少なくとも99%同一である;配列番号2に対して少なくとも94%または99%同一である;0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個のアミノ酸変化だけ配列番号1または配列番号2とは異なる;あるいは配列番号1のアミノ酸3−260または配列番号2の3−264より実質的になる。各アミノ酸変化は、独立して、付加、欠失または置換である。
示されているアミノ酸より「実質的になる」という表現は、示されているアミノ酸が存在し追加的なアミノ酸が存在しうることを示す。追加的なアミノ酸はカルボキシルまたはアミノ末端に存在しうる。種々の実施形態においては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の追加的なアミノ酸が存在する。好ましい追加的なアミノ酸はアミノ末端メチオニンである。
スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫を誘導しうる誘導体を得るために、配列番号1または2を改変することが可能である。改変は、例えば、スタヒロコッカス・アウレウスに対する防御免疫を誘導する能力を保有する誘導体を得るために、または防御免疫をもたらすことに加えて特定の目的を達成しうる領域を有する誘導体を得るために行うことが可能である。
図2は、完全長sai−1配列(配列番号7および8)を含む配列比較を示す。該比較は、配列番号1または2に対する潜在的改変の設計の指針として用いられうるスタヒロコッカス・アウレウス分離株間のアミノ酸相違を示す。また、改変は、アミノ酸の公知特性を考慮して行われうる。
一般には、活性を保有するよう異なるアミノ酸を置換する際には、類似した特性を有するアミノ酸を置換するのが好ましい。アミノ酸置換に関して考慮されうる要因には、アミノ酸のサイズ、電荷、極性および疎水性が含まれる。アミノ酸特性に対する異なるアミノ酸R基の効果が当技術分野においてよく知られている(例えば、Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−2002,Appendix 1Cを参照されたい)。
活性を維持するようアミノ酸を置換する際には、置換アミノ酸は1以上の類似した特性、例えば、ほぼ同じ電荷および/またはサイズおよび/または極性および/または疎水性を有すべきである。例えば、ロイシンからバリンへ、リシンからアルギニンへ、およびグルタミンからアスパラギンへの置換は、ポリペプチドの機能における変化を引き起こさないための良好な候補である。
特定の目的を達成するための改変には、ポリペプチドの産生もしくは効力、またはコード化核酸のクローニングを促進させることを意図したものが含まれる。ポリペプチドの産生は、組換え発現に適した開始コドン(例えば、メチオニンをコードするもの)の使用により促進されうる。メチオニンは後に、細胞プロセシング中に除去されうる。クローニングは、例えば、アミノ酸の付加または変化を伴いうる制限部位の導入により促進されうる。
免疫応答を誘導するポリペプチドの効力はエピトープの増強により増強されうる。エピトープの増強は、MHC分子に対するペプチドのアフィニティーを改善するためのアンカー残基の改変を伴う技術、およびT細胞受容体に対するペプチド−MHC複合体のアフィニティーを増加させる技術などの種々の技術を用いて行われうる(Berzofskyら,Nature Review 1:209−219,2001)。
好ましくは、該ポリペプチドは、精製されたポリペプチドである。「精製されたポリペプチド」は、それが天然で付随している1以上の他のポリペプチドを欠く環境中に存在し、および/または、存在する全タンパク質の少なくとも約10%に相当する。種々の実施形態においては、精製されたポリペプチドはサンプルまたは調製物中の全タンパク質の少なくとも約50%、少なくとも約75%または少なくとも約95%に相当する。
1つの実施形態においては、該ポリペプチドは「実質的に精製されている」。実質的に精製されたポリペプチドは、該ポリペプチドが天然で付随している全ての又はほとんどの他のポリペプチドを欠く環境中に存在する。例えば、実質的に精製されたスタヒロコッカス・アウレウスポリペプチドは、全ての又はほとんどの他のスタヒロコッカス・アウレウスポリペプチドを欠く環境中に存在する。環境は、例えばサンプルまたは調製物でありうる。
「精製(された)」または「実質的に精製(された)」なる語は、ポリペプチドがいずれかの精製を受けることを要するものではなく、例えば、精製されていない化学合成されたポリペプチドを含みうる。
ポリペプチドの安定性は、ポリペプチドのカルボキシルまたはアミノ末端を修飾することにより増強されうる。可能な修飾の例には、アミノ末端保護基、例えばアセチル、プロピル、スクシニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニルまたはt−ブチルオキシカルボニル、およびカルボキシル末端保護基、例えばアミド、メチルアミドおよびエチルアミドが含まれる。
ポリペプチドの精製は、精製を促進させるための基をカルボキシルまたはアミノ末端に付加することにより促進されうる。精製を促進させるために使用しうる基の具体例には、アフィニティータグを付与するポリペプチドが含まれる。アフィニティータグの具体例には、6ヒスチジンタグ、trpE、グルタチオンおよびマルトース結合タンパク質が含まれる。
免疫応答をポリペプチドが引き起こす能力は、免疫応答を一般に増強する基を使用することにより増強されうる。ポリペプチドに対する免疫応答を増強するためにポリペプチドに連結されうる基の具体例には、例えばIL−2のようなサイトカインが含まれる(Buchanら,2000.Molecular Immunology 37:545−552)。
ポリペプチドの製造
ポリペプチドは、化学合成を伴う技術および該ポリペプチドを産生する細胞からの精製を伴う技術を含む標準的な技術を用いて製造されうる。ポリペプチドの化学合成のための技術は当技術分野でよく知られている(例えば、Vincent,Peptide and Protein Drug Delivery,New York,N.Y.,Decker,1990を参照されたい)。
細胞からのポリペプチドの精製のための技術は後記実施例に例示されている。精製技術の更なる例は当技術分野でよく知られている(例えば、Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−2002を参照されたい)。
細胞からのポリペプチドの入手は、該ポリペプチドを製造するための組換え核酸技術を用いることにより促進される。ポリペプチドを製造するための組換え核酸技術は、該ポリペプチドをコードする組換え遺伝子を細胞内に導入し又は細胞内で産生させ、該ポリペプチドを発現させることを含む。
組換え遺伝子は、ポリペプチドの発現のための調節要素と共に、ポリペプチドをコードする核酸を含有する。組換え遺伝子は細胞ゲノム内に存在することが可能であり、あるいは発現ベクターの一部でありうる。
組換え遺伝子の一部として存在しうる調節要素には、該ポリペプチドをコードする配列に天然で付随している調節要素、および該ポリペプチドをコードする配列に天然では付随していない外因性調節要素が含まれる。組換え遺伝子を特定の宿主内で発現させるためには又は発現レベルを増加させるためには、外因性プロモーターのような外因性調節要素が有用でありうる。一般には、組換え遺伝子中に存在する調節要素には、転写プロモーター、リボソーム結合部位、ターミネーター、および場合によって存在するオペレーターが含まれる。真核細胞内でのプロセシングのための好ましい要素はポリアデニル化シグナルである。
細胞内での組換え遺伝子の発現は発現ベクターの使用により促進される。好ましくは、組換え遺伝子に加えて発現ベクターも、宿主細胞内での自律複製のための複製起点、選択マーカー、一定数の有用な制限酵素部位、および高いコピー数の潜在性を含有する。発現ベクターの具体例としては、クローニングベクター、修飾されたクローニングベクター、特別に設計されたプラスミドおよびウイルスが挙げられる。
遺伝暗号の縮重のため、特定のポリペプチドをコードするために多数の異なるコード化核酸配列が用いられうる。ほとんど全てのアミノ酸は、異なる組合せのヌクレオチドトリプレットまたは「コドン」によりコードされているため、遺伝暗号の縮重が生じる。アミノ酸は、以下のとおりに、コドンによりコードされる。
A=Ala=アラニン:コドンGCA、GCC、GCG、GCU。
C=Cys=システイン:コドンUGC、UGU。
D=Asp=アスパラギン酸:コドンGAC、GAU。
E=Glu=グルタミン酸:コドンGAA、GAG。
F=Phe=フェニルアラニン:コドンUUC、UUU。
G=Gly=グリシン:コドンGGA、GGC、GGG、GGU。
H=His=ヒスチジン:コドンCAC、CAU。
I=Ile=イソロイシン:コドンAUA、AUC、AUU。
K=Lys=リシン:コドンAAA、AAG。
L=Leu=ロイシン:コドンUUA、UUG、CUA、CUC、CUG、CUU。
M=Met=メチオニン:コドンAUG。
N=Asp=アスパラギン:コドンAAC、AAU。
P=Pro=プロリン:コドンCCA、CCC、CCG、CCU。
Q=Gln=グルタミン:コドンCAA、CAG。
R=Arg=アルギニン:コドンAGA、AGG、CGA、CGC、CGG、CGU。
S=Ser=セリン:コドンAGC、AGU、UCA、UCC、UCG、UCU。T=Thr=トレオニン:コドンACA、ACC、ACG、ACU。
V=Val=バリン:コドンGUA、GUC、GUG、GUU。
W=Trp=トリプトファン:コドンUGG。
Y=Tyr=チロシン:コドンUAC、UAU。
sai−1関連ポリペプチドの組換え核酸発現のための適当な細胞は原核生物および真核生物である。原核生物細胞の具体例には、大腸菌(E.coli);スタヒロコッカス(Staphylococcus)属のメンバー、例えばスタヒロコッカス・アウレウス(S.aureus);ラクトバシラス(Lactobacillus)属のメンバー、例えばラクトバシラス・プランタルム(L.plantarum);ラクトコッカス(Lactococcus)属のメンバー、例えばラクトコッカス・ラクティス(L.lactis);およびバシラス(Bacillus)属のメンバー、例えばバシラス・サチリス(B.subtilis)が含まれる。真核生物細胞の具体例には、哺乳類細胞;昆虫細胞;酵母細胞、例えばサッカロミセス(Saccharomyces)属のメンバー(例えば、サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae))、ピチア(Pichia)属のメンバー(例えば、ピチア・パストリス(P.pastors))、ハンゼヌラ(Hansenula)属のメンバー(例えば、ハンゼヌラ・ポリモルファ(H.polymorpha))、クルイベロミセス(Kluyveromyces)属のメンバー(例えば、クルイベロミセス・ラクティス(K.lactis)またはクルイベロミセス・フラジリス(K.fragilis))およびシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属のメンバー(例えば、シゾサッカロミセス・ポンベ(S.pombe))が含まれる。
組換え遺伝子の産生、細胞内への導入および組換え遺伝子発現のための技術は当技術分野でよく知られている。そのような技術の具体例はAusubel,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−2002およびSambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989のような参考文献に記載されている。
所望により、特定の宿主内での発現はコドン最適化により増強されうる。コドン最適化は、より好ましいコドンの使用を含む。種々の宿主におけるコドン最適化のための技術は当技術分野でよく知られている。
発現に使用する宿主に応じて、sai−1関連ポリペプチドは翻訳後修飾を含有しうる。「ポリペプチド」、またはポリペプチドの「アミノ酸」配列に対する言及は、宿主細胞(例えば、酵母宿主)からの翻訳後修飾の構造を有する1以上のアミノ酸を含有するポリペプチドを含む。
例えば、サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)においては、末端前アミノ酸の性質が、N末端メチオニンが除去されるかどうかを決定するらしい。さらに、末端前アミノ酸の性質は、N末端アミノ酸がNα−アセチル化されるかどうかをも決定する(Huangら,Biochemistry 26:(1987),8242−8246,1987)。したがって、本発明の範囲においては、どのアミノ酸が末端前位置に存在するかに応じて、sai−1関連ポリペプチドがNα−アセチル化N末端を有することが可能であり、N末端メチオニンが除去されることが可能である。
また、sai−1関連ポリペプチドを分泌リーダー(例えば、シグナルペプチド)の存在により分泌させたい場合には、該タンパク質をN結合またはO結合グリコシル化により修飾することが可能である(Kukuruzinskaら,Ann.Rev.Biochem.56:915−944,1987)。
アジュバント
アジュバントは、免疫応答の生成において免疫原を補助しうる物質である。アジュバントは、以下のうちの1以上のような種々のメカニズムにより機能しうる:抗原の生物学的または免疫学的半減期の延長、抗原提示細胞への抗原の運搬の改善、抗原提示細胞による抗原のプロセシングおよび提示の改善、ならびに免疫調節性サイトカインの産生の誘導(Vogel,Clinical Infectious Diseases 30(suppl.3):S266−270,2000)。
免疫応答の生成を補助するためには、多種多様なタイプのアジュバントが使用されうる。個々のアジュバントの具体例には、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムもしくはアルミニウムの他の塩、リン酸カルシウム、DNA CpGモチーフ、モノホスホリルリピドA、コレラ毒素、大腸菌(E.coli)易熱性毒素、百日咳毒素、ムラミルジペプチド、フロインド不完全アジュバント、MF59、SAF、免疫刺激性複合体、リポソーム、生分解性ミクロスフェア、サポニン、非イオン性ブロック共重合体、ムラミルペプチド類似体、ポリホスファゼン、合成ポリヌクレオチド、IFN−γ、IL−2およびIL−12が含まれる(Vogel Clinical Infectious Diseases 30(suppl 3):S266−270,2000,Kleinら,Journal of Pharmaceutical Sciences 89:311−321,2000)。
防御免疫を誘導するための患者
「患者」は、スタヒロコッカス・アウレウスに感染しうる哺乳動物を意味する。患者は予防的または治療的に治療されうる。予防的治療は、スタヒロコッカス・アウレウス感染の可能性または重症度を軽減するのに十分な防御免疫をもたらす。治療的治療は、スタヒロコッカス・アウレウス感染の重症度を軽減するために行われうる。
予防的治療は、本明細書に記載の免疫原を含有するワクチンを使用して行われうる。そのような治療は、好ましくは、ヒトに対して行われる。ワクチンは、一般的集団、またはスタヒロコッカス・アウレウス感染のリスクの高い者に投与されうる。
スタヒロコッカス・アウレウス感染のリスクの高い者には、医療従事者、入院患者、低下した免疫系を有する患者、手術を受ける患者、カテーテルまたは血管装置のような外来インプラントを受ける患者、免疫低下を招く療法を受けている患者、および火傷または創傷損傷のリスクの高い職業の者が含まれる(The Staphylococci in Human Disease,Crossley and Archer(編),Churchill Livingstone Inc.1997)。
スタヒロコッカス・アウレウスに感染しうる非ヒト患者には、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ウマ、イヌ、ネコおよびマウスが含まれる。非ヒト患者の治療は、ペットおよび家畜を防御するのに、および特定の治療の効力を評価するのに有用である。
混合(組合せ)ワクチン
配列番号1関連ポリペプチドは、免疫応答を誘導するために、単独で又は他の免疫原と組合せて使用されうる。存在しうる追加的な免疫原には、1以上の追加的なスタヒロコッカス・アウレウス免疫原、例えば前記の背景技術において記載されているもの、1以上の他のスタヒロコッカス生物、例えばスタヒロコッカス・エピデルミディス(S.epidermidis)、スタヒロコッカス・ヘモリティカス(S.haemolyticus)、スタヒロコッカス・ワーネリ(S.warneri)またはスタヒロコッカス・ラグネンシス(S.lugunensis)を標的化する1以上の免疫原、ならびに他の感染生物を標的化する1以上の免疫原が含まれる。
動物モデル系
スタヒロコッカスに対する防御免疫応答を生成する免疫原の効力を評価するためには、動物モデル系を使用した。防御動物モデルを準備する際に遭遇した2つの問題点は、(1)先天免疫に打ち勝つためには非常に高いチャレンジ用量が必要であったこと、および(2)死亡速度が速すぎて防御応答を検出できなかったことであった。特に、細菌チャレンジ後、マウスは24時間以内に感染で死亡し、したがって、該感染を消散させるための特異的免疫応答のための十分な時間が得られなかった。用量を低下させると、対照および免疫化マウスの両方が該感染に対して生存した。
定常期の細胞から調製され適切に力価測定され静脈内注射されたスタヒロコッカス・アウレウスが関与する遅速度致死モデルを開発することにより、これらの問題点を検討した。この遅速度の死亡は、細菌感染に打つ勝つための特異的免疫防御のための十分な時間(例えば、24時間ではなく10日間)を与える。
定常期のスタヒロコッカス・アウレウス細胞は、固形培地上で増殖させた細胞から入手されうる。それは液体培地からも入手されうるが、固形培地上で増殖させた細胞での結果は、より良好な再現性を示した。細胞は固形培地上で一晩にわたって簡便に増殖されうる。例えば、スタヒロコッカス・アウレウスは、倍加時間が約20〜30分間である条件下、約18〜約24時間増殖されうる。
スタヒロコッカス・アウレウスは、スタヒロコッカスの効力を維持するために標準的な技術を用いて固形または液体培地から単離されうる。単離されたスタヒロコッカスは、例えば、グリセロールを含有するリン酸緩衝食塩水中の洗浄された高密度懸濁液(>10コロニー形成単位(CFU)/mL)として−70℃で保存されうる。
スタヒロコッカス・アウレウスチャレンジは、第1日または第2日から約7〜10日間の期間にわたって動物モデルにおいて約80〜90%の死亡率を与える効力を有すべきである。力価測定実験は、保存されたスタヒロコッカス接種物の効力をモニターするために動物モデルを使用して行われうる。該力価測定実験は接種実験の約1〜2週間前に行われうる。
力価測定実験のための初期効力は、これまでの実験に基づくものでありうる。スタヒロコッカス・アウレウスおよび動物モデル系統ベッカー(Becker)の場合には、適当な効力は一般には5×10〜8×10CFU/mlの範囲であることが判明した。
投与
免疫原は、当技術分野でよく知られた技術と共に本明細書に記載の指針を用いて、製剤化され、患者に投与されうる。医薬投与全般に関する指針は、例えばVaccines PlotkinおよびOrenstein編,W.B.Sanders Company,1999;Remington’s Pharmaceutical Sciences 20th Edition,Gennaro編,Mack Publishing,2000;ならびにModern Pharmaceutics 2nd Edition,BankerおよびRhodes編,Marcel Dekker,Inc.,1990(これらのそれぞれは参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている。
医薬上許容される担体は免疫原の保存および患者への免疫原の投与を促進する。医薬上許容される担体は、バッファー、注射用無菌水、正常食塩水またはリン酸緩衝食塩水、スクロース、ヒスチジン、塩およびポリソルベートのような種々の成分を含有しうる。
免疫原は皮下、筋肉内または粘膜のような種々の経路により投与されうる。皮下および筋肉内投与は、例えば針または噴射式注射器を使用して行われうる。
適当な投与計画は、好ましくは、患者の年齢、体重、性別および医学的状態;投与経路;所望の効果;ならびに使用する個々の化合物を含む、当技術分野でよく知られた要因を考慮して決定される。免疫原は多用量(multi−dose)ワクチン形態で使用されうる。用量は1.0μg〜1.0mgの全ポリペプチドの範囲よりなると予想され、本発明の種々の実施形態においては、該範囲は0.01mg〜1.0mgおよび0.1mg〜1.0mgである。
投与の時機は、当技術分野でよく知られた要因に左右される。初回投与後、1以上の追加用量を順次投与して抗体力価を維持または増強することが可能である。投与計画の一例は、第1日、第1ヶ月、第3投与としての第4、6または12ヶ月の投与、および必要に応じて行う、間隔をあけて投与する追加的な追加投与であろう。
抗体の産生
配列番号1関連ポリペプチドは、該ポリペプチドに又はスタヒロコッカス・アウレウスに結合する抗体および抗体フラグメントを一般化するために使用されうる。そのような抗体および抗体フラグメントは、ポリペプチドの精製、スタヒロコッカス・アウレウスの同定またはスタヒロコッカス・アウレウス感染に対する治療的または予防的治療における用途を含む種々の用途を有する。
抗体はポリクローナルまたはモノクローナルでありうる。抗体を製造し使用するための技術は当技術分野でよく知られている。そのような技術の具体例はAusubel,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−2002,Harlowら,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988,およびKohlerら,Nature 256:495−497,1975に記載されている。
実施例
本発明の種々の特徴を更に詳しく例示するために、以下に実施例を記載する。該実施例は、本発明を実施するための有用な方法をも例示する。これらの実施例は、特許請求されている発明を限定するものではない。
防御免疫をもたらすための配列番号3の使用
本実施例は、モデルにおいて防御免疫をもたらす配列番号1関連ポリペプチドの能力を例示する。防御免疫を得るために、配列番号1のHisタグ付き誘導体である配列番号3を使用した。
(sai−1のクローニングおよび発現)
sai−1 DNA配列を、Vector NTIソフトウェアを使用して翻訳し、得られた355アミノ酸の配列を解析した。最初のアスパラギン残基から終止コドンの前の末端アスパラギン残基まで該遺伝子を増幅するPCRプライマーを設計した。これらのPCRプライマーは、発現ベクター内へのクローニングを容易にする追加的なNcoI(フォワードプライマー)およびXhoI(リバースプライマー)部位をも有していた。
該タンパク質は、pET28ベクターから発現されるように設計され、該ベクターは、該ベクターによりコードされる末端His残基および終止コドンを含有していた。また、sai−Nでは、開始残基メチオニンの後に該タンパク質にグリシン残基を付加した。sai−Cはカルボキシル末端Hisタグを有し、350アミノ酸のsai−1タンパク質およびベクター配列およびポリHis尾部を含むカルボキシル末端の追加的な8アミノ酸から構成される。sai−Nはアミノ末端Hisタグを有し、351アミノ酸のsai−1タンパク質(グリシンインサートを含む)から構成され、ベクター配列およびポリHis尾部を含む追加的な46アミノ酸を伴う。
PCR増幅配列を、PCRプライマー内に作製されたNcoI/XhoI部位を使用してpET28ベクター(Novagen)内に連結し、熱ショックにより大腸菌(E.coli)DH5α(Invitrogen)内に導入した。PCR増幅配列を、PCRプライマー内に作製されたNcoI/XhoI部位を使用してpET28ベクター(Novagen)内に連結し、熱ショックにより大腸菌(E.coli)DH5α(Invitrogen)内に導入した。コロニーを選択し、30μg/mLカナマイシンを含有するLB内で成長させ、DNAミニプレップを作製し(Promega)、インサートの完全性を制限消化およびPCRにより確認した。正しいインサートサイズを有する4個のミニプレップを、表1に示すプライマーを使用して配列決定した。所望の配列からのDNA変化を含有しないクローンを選択した。
Figure 2007528217
大腸菌(E.coli)HMS174(DE3)細胞(Novagen)を形質転換し、カナマイシン(30ug/ml)を含有するLBプレート上で増殖させ、3個のコロニーを発現試験用に選択した。液体LB(カナマイシン)培養を37℃、250rpmで、A600が0.6〜1.0になるまでインキュベートし、ついで最終濃度1mMまでのIPTGの添加により誘導し、さらに3時間のインキュベーションを行った。5000×g、4℃で5分間の遠心分離により培養を回収した。細胞を500μlの細胞溶解バッファー(Bug Buster;プロテアーゼインヒビターを含有;Novagen)に再懸濁させた。等容量のローディングバッファー(最終容量5%のβ−メルカプトエタノールで補足されたもの)を加え、ついで該サンプルを70℃で5分間加熱した。抽出物をNovex 4〜20% トリス−グリシンゲル上で泳動させ、タンパク質(クーマシーブルーで染色)に関してアッセイし、ニトロセルロース上にブロットし、抗HIS6抗体(Zymedd)でプローブした。観察された発現は極めて低かった。
該タンパク質を再分析した。推定シグナル配列は、LPXTGモチーフの下流領域と同様に除去された。これらのPCRプライマーは、該発現ベクター内へのクローニングを容易にする追加的なNdeI(フォワードプライマー)およびXhoI(リバースプライマー)部位をも有していた。
該タンパク質は、pET28ベクターから発現されるように設計され、該ベクターは、該ベクターによりコードされる末端His残基および終止コドンを含有していた。また、開始残基メチオニンの後に該タンパク質にグリシン残基を付加した。sai−N2(配列番号3)はアミノHisタグを含有する。sai−C2(配列番号5)はカルボキシル末端Hisタグを含有する。
PCR増幅配列を、PCRプライマー内に作製されたNdeI/XhoI部位を使用してpET28ベクター(Novagen)内に連結し、熱ショックにより大腸菌(E.coli)DH5α(Invitrogen)内に導入した。PCR増幅配列を、PCRプライマー内に作製されたNdeI/XhoI部位を使用してpET28ベクター(Novagen)内に連結し、熱ショックにより大腸菌(E.coli)DH5α(Invitrogen)内に導入した。コロニーを選択し、30μg/mLカナマイシンを含有するLB内で成長させ、DNAミニプレップを作製し(Promega)、インサートの完全性を制限消化およびPCRにより確認した。正しいインサートサイズを有する4個のミニプレップを、表1に示すプライマーを使用して配列決定した。所望の配列からのDNA変化を含有しないクローンを選択した。
大腸菌(E.coli)HMS174(DE3)細胞(Novagen)を形質転換し、カナマイシン(30ug/ml)を含有するLBプレート上で増殖させ、3個のコロニーを発現試験用に選択した。液体LB(カナマイシン)培養を37℃、250rpmで、A600が0.6〜1.0になるまでインキュベートし、ついで最終濃度1mMまでのIPTGの添加により誘導し、さらに3時間のインキュベーションを行った。5000×g、4℃で5分間の遠心分離により培養を回収した。細胞を500μlの細胞溶解バッファー(Bug Buster;プロテアーゼインヒビターを含有;Novagen)に再懸濁させた。等容量のローディングバッファー(最終容量5%のβ−メルカプトエタノールで補足されたもの)を加え、ついで該サンプルを70℃で5分間加熱した。抽出物をNovex 4〜20% トリス−グリシンゲル上で泳動させ、タンパク質(クーマシーブルーで染色)に関してアッセイし、ニトロセルロース上にブロットし、抗HIS6抗体(Zymedd)でプローブした。
(配列番号3の精製)
組換え大腸菌(E.coli)細胞(46グラムの湿潤細胞重量)を細胞溶解バッファー(50mM リン酸ナトリウム,pH8.0、0.15 M NaCl、2mM MgCl、10mM イミダゾール、0.1% Tween(商標)−80および0.02% アジ化ナトリウム)(細胞湿潤重量1グラム当たり3ml)に懸濁させた。ポリ(ヒスチジン)タグ付きタンパク質と共に使用するためのプロテアーゼインヒビター混合物(Roche#1873580)を、細胞ペースト15グラム当たり錠剤1個の割合で、該懸濁液に加えた。ベンゾナーゼ(商標)(EM Ind.)を1μL/mLまで加えた。該懸濁液をマイクロフルイダイザーに14,000PSI(Microfluidics Model 110S)で3回通過させることにより、細胞溶解が達成された。温度を25℃未満に維持されるよう、各通過の間に該細胞懸濁液を氷上で冷却した。細胞残渣を11,000×g、4℃で30分間ペレット化し、上清を残した。
Hisタグを含有するタンパク質を該上清から精製した。該上清を、穏やかに反転させながら12mLのNi−NTAアガロース(Qiagen)と4℃で18時間混合した。該混合物を、開いたカラム(15cm×20cm)内に注ぎ、未結合画分を大量に集めた。該カラムを洗浄バッファー(50mM リン酸ナトリウム,pH8.0、0.3M NaCl、20mM イミダゾールおよび0.1% Tween(商標)−80)で洗浄した。Hisタグ付きタンパク質を300mM イミダゾール、20mM Tris−HCl(pH8)、0.3M NaCl、0.1% Tween(商標)−80の段階勾配で溶出した。
配列番号3のポリペプチドを含有する画分を、クーマシー染色されたSDS−PAGEにより検出し、プールした。プールした画分を0.2ミクロンのフィルターで濾過して粒状物質を除去し、サイズ排除カラム(Sephacryl S−300 26/60カラム,Amersham Biosciences)にアプライし、30mM MOPS(pH7.0)、0.3M NaClおよび10% グリセロールで1mL/分で溶出した。配列番号3のポリペプチドを含有する画分をクーマシー染色SDS−PAGEおよびウエスタンブロット法(抗テトラHis Mab,Qiagen)により検出した。タンパク質をBCA(Pierce)により確認した。純度をクーマシー染色ゲルのデンシトメトリーにより測定した。
(スタヒロコッカス・アウレウスチャレンジの準備)
スタヒロコッカス・アウレウスをTSAプレート上、37℃で一晩増殖させた。該細菌をTSAプレートから洗い落とした。これは、5mlのPBSをプレート上に加え、無菌スプレッダーで該細菌を穏やかに再懸濁させることにより行った。Sorvall RC−5B遠心機(DuPont Instruments)を使用して、該細菌懸濁液を6000rpmで20分間遠心した。該ペレットを16% グリセロールに再懸濁させ、アリコートを−70℃で凍結保存した。
使用前に接種物を解凍し、適当に希釈し、感染に使用した。ナイーブマウスにおいて遅速度の死亡を誘発する適当な用量を決定するために、各ストックを少なくとも3回力価測定した。該モデルの再現性が保証されるよう、細菌接種物の効力(80〜90%の致死性)を一貫してモニターした。各チャレンジ実験の10日前に、10匹の対照動物(アジュバントのみで免疫されたもの)の群をチャレンジし、モニターした。
(配列番号3のポリペプチドに関する防御研究)
20匹のBALB/cマウスをアルミニウムヒドロキシホスファートアジュバント(450μg/用量)上の3用量の配列番号3のポリペプチド(20μg/用量)で免疫した。アルミニウムヒドロキシホスファートアジュバント(AHP)はKleinら,Journal of Pharmaceutical Sciences 89,311−321,2000に記載されている。該用量を、第0日、7日および21日に、2回の50μlの注射として投与した。第28日に該マウスから採血し、それらの血清を配列番号3のポリペプチドに対する反応性に関してELISAによりスクリーニングした。
該実験の第35日に、該マウスを、ある用量(8.0×10 CFU/ml)の増殖スタヒロコッカス・アウレウスの静脈内注射によりチャレンジした。該マウスを生存に関して10日間モニターした。該実験の終了時に、配列番号3ポリペプチド免疫化群においては5匹のマウスが生存し、これに対して、30匹のマウスを含むAHP対照群では2匹が生存した。20匹の免疫化マウスおよび20匹の対照マウスを使用して、該実験を繰返した。両方の実験に関する結果を図7Aおよび7Bに示す。
配列番号1関連タンパク質をコードする核酸からの細胞内発現
図6Aおよび6Bは、配列番号1関連タンパク質をコードする核酸からの細胞内発現を比較する、それぞれSDS−PAGEゲルおよびウエスタンブロットの典型的なクーマシー染色を示す。抗his抗体を使用して該ウエスタンブロットをプローブした。レーン1,精製された配列番号3(100ng);2,配列番号3大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);3,配列番号3大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);4,配列番号5大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);5,配列番号5大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);6,配列番号6大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);7,配列番号6大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);8,配列番号9大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);9,配列番号9大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);10,標準。
他の実施形態も特許請求の範囲内である。いくつかの実施形態が示され記載されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の修飾が施されうる。
図1は配列番号1のアミノ酸配列を示す。 図2は配列番号2のアミノ酸配列を示す。 図3は、配列番号3(SEQ3)、配列番号4(SEQ4)、配列番号5(SEQ5)、配列番号6(SEQ6)、配列番号7(SEQ7)、配列番号8(SEQ8)および配列番号9(SEQ9)の配列比較を示す。配列番号3は配列番号1のアミノHisタグ付き構築物である。配列番号4は配列番号2のアミノHisタグ付き構築物である。配列番号5は配列番号1のカルボキシルHisタグ付き構築物である。配列番号6は配列番号7のアミノHisタグ付き構築物である。配列番号7は完全長COL sai−1配列である。配列番号8はsai−1 ATCC#ABO42826である。配列番号9は配列番号7のカルボキシルHisタグ付き構築物である。 図4は、配列番号3をコードする核酸配列を示す。配列番号1のアミノ酸3−260をコードする領域が太字で示されている。 図5は、配列番号4をコードする核酸配列を示す。配列番号2のアミノ酸3−264をコードする領域が太字で示されている。 図6Aおよび6Bは、配列番号1関連タンパク質をコードする核酸からの細胞内発現を比較する、それぞれSDS−PAGEゲルおよびウエスタンブロットの典型的なクーマシー染色を示す。抗his抗体を使用して該ウエスタンブロットをプローブした。レーン1,精製された配列番号3(100ng);2,配列番号3大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);3,配列番号3大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);4,配列番号5大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);5,配列番号5大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);6,配列番号6大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);7,配列番号6大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);8,配列番号9大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);9,配列番号9大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);10,標準。 図6Aおよび6Bは、配列番号1関連タンパク質をコードする核酸からの細胞内発現を比較する、それぞれSDS−PAGEゲルおよびウエスタンブロットの典型的なクーマシー染色を示す。抗his抗体を使用して該ウエスタンブロットをプローブした。レーン1,精製された配列番号3(100ng);2,配列番号3大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);3,配列番号3大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);4,配列番号5大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);5,配列番号5大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);6,配列番号6大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);7,配列番号6大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);8,配列番号9大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴う);9,配列番号9大腸菌(E.coli)粗ライセート(誘導を伴わない);10,標準。 図7Aおよび7Bは、アルミニウムヒドロキシホスファートアジュバント(AHP)中で配列番号3ポリペプチドを使用する別々の実験からの生存データを示す。該ポリペプチドは図7Aにおいては「SEQ3」、図7Bにおいては「ワクチン」と称される。 図7Aおよび7Bは、アルミニウムヒドロキシホスファートアジュバント(AHP)中で配列番号3ポリペプチドを使用する別々の実験からの生存データを示す。該ポリペプチドは図7Aにおいては「SEQ3」、図7Bにおいては「ワクチン」と称される。

Claims (15)

  1. スタヒロコッカス・アウレウス(S.aureus)に対する防御免疫をもたらす、配列番号1に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸配列(1以上の追加的なポリペプチド領域が存在する場合には、該追加的領域は、配列番号7のアミノ酸261−294を含有するカルボキシル末端を与えない)を含んでなるポリペプチド免疫原。
  2. 配列番号1または配列番号2に対して少なくとも94%同一であるアミノ酸配列よりなる、請求項1記載のポリペプチド。
  3. 配列番号1のアミノ酸3−260または配列番号2のアミノ酸3−264より実質的になる、請求項1記載のポリペプチド。
  4. 配列番号1のアミノ酸配列よりなる、請求項3記載のポリペプチド。
  5. 請求項1記載のポリペプチドを含んでなる免疫原であって、
    該免疫原が、該ポリペプチド、およびカルボキシル末端またはアミノ末端において該ポリペプチドに共有結合した1以上の追加的な領域部分よりなり、ここで、各領域または部分が、独立して、以下の特性、すなわち、免疫応答の増強、精製の促進またはポリペプチド安定性の増強の少なくとも1つを有する領域または部分から選ばれる、前記免疫原。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の免疫原の免疫学的に有効な量と医薬上許容される担体とを含んでなる、患者において防御免疫応答を誘導しうる組成物。
  7. アジュバントを更に含む、請求項6記載の組成物。
  8. 請求項1から4のいずれか1項記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組換え遺伝子を含んでなる核酸。
  9. 発現ベクターである、請求項8記載の核酸。
  10. 請求項1から4のいずれか1項記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組換え遺伝子を含んでなる組換え細胞。
  11. (a)請求項10記載の組換え細胞を、ポリペプチドが発現される条件下で増殖させ、
    (b)該ポリペプチドを精製する
    工程を含んでなる、防御免疫をもたらすスタヒロコッカス・アウレウス(S.aureus)ポリペプチドの製造方法。
  12. 配列番号1に対して少なくとも85%同一であるアミノ酸を含むポリペプチド免疫原の免疫学的に有効な量を患者に投与する工程を含んでなる、患者において防御免疫応答を誘導するための方法。
  13. 患者がヒトである、請求項12記載の方法。
  14. スタヒロコッカス・アウレウス(S.aureus)感染に対して前記患者を予防的に治療する、請求項13記載の方法。
  15. 前記免疫原が請求項1、2、3、4または5記載の免疫原である、請求項12記載の方法。
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