JP2007527540A - 細胞の体積変化を測定するための方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
細胞の体積変化を測定するための方法及び装置は、一般に、細胞を、該細胞の体積の2〜100倍の体積を有するチャンバに入れることを含む。第1の導電性細胞外流体がチャンバに導入され、電流が印加されて電流が測定される。第1の流体は第2の導電性細胞外流体と交換されて電流が印加され、電流が測定される。第1の電流結果と第2の電流結果を既知の電流とともに使用して、細胞と細胞外流体との間の流体流れに対応する体積変化を監視する。
Description
この国際出願は、2004年8月13日に出願された米国仮特許出願第60/601369号及び2004年3月5日に出願された米国仮特許出願第60/550417号に基づく優先権を主張するものであり、引用によりその全体を援用する。
本発明は、一般に、細胞及び/又は細胞外流体の体積変化を測定するための方法及び装置に関し、特に、小さな細胞及び/又は細胞外流体の体積変化を測定して広範な科学的解析を行うために抵抗変化を利用する方法及び装置に関する。
連邦政府支援研究開発に関する陳述
米国政府は、本発明に対して支払い済みのライセンスと、国家科学財団(NSF)によって与えられる付与番号CMS−02−012、国家健康機関によって与えられる付与番号5RO1HL054887−09及び国家科学財団によって与えられる付与番号0201293のうちの1つ以上の条件によって与えられる妥当な条件で他者にライセンスを与えるよう特許権者に要求する限定的な権利とを所有している。
米国政府は、本発明に対して支払い済みのライセンスと、国家科学財団(NSF)によって与えられる付与番号CMS−02−012、国家健康機関によって与えられる付与番号5RO1HL054887−09及び国家科学財団によって与えられる付与番号0201293のうちの1つ以上の条件によって与えられる妥当な条件で他者にライセンスを与えるよう特許権者に要求する限定的な権利とを所有している。
背景技術
細胞を収容した所定容積の試験槽において細胞外流体抵抗を測定することが、生理学的状態を監視するために用いられてきている。オコーナー等によって確認された方法(以下、オコーナーという)及びその後に他者によって適用された方法においては、固体基板上に付着した細胞が手製の試験槽に配置される。次いで、AC電流を用いて位相を検知しながら試験槽における細胞外流体抵抗が測定される。細胞の膨張は試験槽内の細胞外流体の断面積を低減させるが、これは試験槽の測定抵抗の増加として観察される。
細胞を収容した所定容積の試験槽において細胞外流体抵抗を測定することが、生理学的状態を監視するために用いられてきている。オコーナー等によって確認された方法(以下、オコーナーという)及びその後に他者によって適用された方法においては、固体基板上に付着した細胞が手製の試験槽に配置される。次いで、AC電流を用いて位相を検知しながら試験槽における細胞外流体抵抗が測定される。細胞の膨張は試験槽内の細胞外流体の断面積を低減させるが、これは試験槽の測定抵抗の増加として観察される。
オコーナーによって確認された抵抗方法は大型の付着細胞を非破壊的にサンプリングすることができ、一般に実時間記録を提供するが、オコーナーの方法及び装置の感度は限られている。
発明の開示
オコーナーの装置の感度に限りがあるのは、小さな細胞内体積を有する細胞及び/又はほんの小さな細胞内体積変化しかできない細胞と共に用いられる大きな細胞外流体体積を含むことに多くは帰因する。実に、オコーナーの装置は200〜250μmの高さを有するチャンバを最終的に形成するカバースリップを利用した。したがって、オコーナーのチャンバ内に配置された細胞は細胞の体積変化の結果として高さがほんの数μmしか変化しないので、検出されるとしても抵抗の小さな変化を検出するのは困難であった。さらに、オコーナーの装置は細胞体積の小さな変化に対して鈍感であるため、異なる流体媒体に最初に細胞をさらすときに初期体積変化を測定するのに多くの時間を要し、また、細胞規定プロセスの結果として初期細胞体積変化を測定するのに多くの時間を要する。
オコーナーの装置の感度に限りがあるのは、小さな細胞内体積を有する細胞及び/又はほんの小さな細胞内体積変化しかできない細胞と共に用いられる大きな細胞外流体体積を含むことに多くは帰因する。実に、オコーナーの装置は200〜250μmの高さを有するチャンバを最終的に形成するカバースリップを利用した。したがって、オコーナーのチャンバ内に配置された細胞は細胞の体積変化の結果として高さがほんの数μmしか変化しないので、検出されるとしても抵抗の小さな変化を検出するのは困難であった。さらに、オコーナーの装置は細胞体積の小さな変化に対して鈍感であるため、異なる流体媒体に最初に細胞をさらすときに初期体積変化を測定するのに多くの時間を要し、また、細胞規定プロセスの結果として初期細胞体積変化を測定するのに多くの時間を要する。
必要なことは、細胞の堆積の小さな変化を迅速に測定して監視する単純な装置と方法である。本発明を用いる細胞体積の測定原理は、細胞は或る周波数において電気的絶縁体として作用することができるという事実に基づいている。一定の断面を有するチャンバに細胞を置くと、細胞体積の変化は細胞外流体を変位させ、それによってチャンバのインピーダンスを変化させる。付着した細胞の均一な単層を仮定すると、相対的な細胞体積変化ΔV/V=(V−Vo)/Vの1次近似は
によって与えられる。ただし、Roは細胞が存在しないときのチャンバ内の細胞外流体の抵抗であり、RRCは基準体積Voの細胞が存在するときのチャンバ内の細胞外流体の抵抗であり、RSCは体積Vのシミュレートされる細胞があるチャンバの抵抗であり、ΔR=RSC―RRCである。式(1)は、浅いチャンバはRRC/RSCを増し、したがって細胞体積の所与の変化に対する感度を増すことを示している。
かくて、広義には、本発明は、細胞及び/又は細胞外体積の小さな変化を測定する方法及び装置からなる。この方法は、付着した又は浮遊する多くの細胞に適用可能である。一般に、当該方法は、体積を有するチャンバに細胞を導入することを含むが、チャンバは導入された細胞の体積の2〜100倍の体積を有することが好ましい。次いで、第1の導電性細胞外流体をチャンバに導入し、チャンバを通して電流を流す。チャンバを流れる電流を測定して、第1の導電性細胞外流体に対応する第1の電流結果を得る。第1の導電性細胞外流体は第2の導電性細胞外流体と交換され、チャンバに電流が流される。チャンバを流れる電流を測定して、第2導電性細胞外流体に対応する第2の電流結果を得る。細胞に起因するインピーダンスがないときの第1の導電性細胞外流体と第2の導電性細胞外流体とに対する、チャンバを流れる公知の電流と共に第1の電流結果と第2の電流結果を用いて、細胞と細胞外流体との間の流体流に対応する細胞及び細胞外体積の変化を監視する。
他の観点においては、本発明の方法は、
細胞を導電性の細胞外流体内に配置するステップであって、細胞外流体によって電極間を接続し、電極を接続する細胞外流体の少なくとも3%の体積を細胞が初期変位させるステップと、
印加される起電力(EMF)に起因する電極間の電流を測定して第1の電流結果を得るステップと、
細胞環境を変更するステップと、
印加される電磁力(EMF)に起因する電極間の第2の電流を測定して第2の電流結果を得るステップと、
第1の電流結果と第2の電流結果とを用いて、細胞環境の変化に起因する細胞体積の変化を決定するステップと、
を備える。
細胞を導電性の細胞外流体内に配置するステップであって、細胞外流体によって電極間を接続し、電極を接続する細胞外流体の少なくとも3%の体積を細胞が初期変位させるステップと、
印加される起電力(EMF)に起因する電極間の電流を測定して第1の電流結果を得るステップと、
細胞環境を変更するステップと、
印加される電磁力(EMF)に起因する電極間の第2の電流を測定して第2の電流結果を得るステップと、
第1の電流結果と第2の電流結果とを用いて、細胞環境の変化に起因する細胞体積の変化を決定するステップと、
を備える。
1つの観点においては、当該方法は、一対の電極を設けるステップと、電極間を電気接続する第1の導電性流体を提供するステップと、導電性流体の抵抗を測定するステップと、電極間を接続する導電性流体の少なくとも3%の体積を変位させるよう細胞を導電性流体内に配置するステップと、導電性流体の抵抗を測定するステップと、導電性流体の抵抗を細胞の体積変化と相関させるステップとを含む。
1つの観点において、本発明に係る装置は、
電流を測定するための電極によって規制されるチャンバと、
導電性細胞外流体をチャンバ内へ導入する流入口と、
チャンバを通して電流を印加するための電極と、
を備え、チャンバは、導入される細胞の体積の2〜100倍の体積を有する。
電流を測定するための電極によって規制されるチャンバと、
導電性細胞外流体をチャンバ内へ導入する流入口と、
チャンバを通して電流を印加するための電極と、
を備え、チャンバは、導入される細胞の体積の2〜100倍の体積を有する。
他の観点においては、当該装置は、一般に、電流の測定及び電流の印加のための電極間の間隔が可変である複数の電極を備える。或る観点においては、公知の装置に比較して高感度で且つ小さな細胞体積変化を感知することができるよう、チャンバの高さは100μmよりも小さいが、1μmから50μm以上の間にある。或る観点においては、当該装置はチャンバ又はカバーの壁面に付着した細胞を有する。或る観点においては、当該装置は並列に又は直列に配置され得る2個以上のチャンバを備える。或る観点においては、チャンバは、電流の印加及び電流の測定のための電極間の間隔を選択的に変えるための複数の電極を有する。或る観点においては、チャンバの体積は1ミリ秒よりも長い時間で交換される。或る観点においては、本発明は、例えばバブル弁によって単一のチャンバが1つ以上の導電性細胞外流体を選択的に受け取ることができるよう、複数の流入口と複数の流出口を備える。
1つの観点において、当該装置は、微細加工技術を用いて製造され、それによって標準装置を大量生産することができる。一般に、微細加工は体積対表面面積比が大きく、全体のサイズを小さくでき、サンプルの体積を小さくでき、正確な構造制御を提供し、流体交換率を高くでき、電子装置を一体化することができる。後に検討するように、こうした装置は、シリコンやポリマーのチップのような電気絶縁材料を好ましくは化学的方法によってエッチングすることにより、ホット・エンボス加工することにより、又は微細注入モールディングすることにより微細加工され得、オコーナーによって記述された装置に比較して少なくとも1桁だけ感度を増すことができる。さらに、微細加工を用いると、標準化を簡単化するよう正確な流路と電極サイズを提供することができる。細胞体積の変化を測定/監視するのに加えて、当該装置は薬物選別、一般的毒性検査、結合の検定等の分析に用いることができる。例えば、薬物の発見には、組み合わせ化学ライブラリの高流体交換率選別を必要とするが、本発明に係る装置は平行選別のための統合されたプラットフォームを提供することができる。これは、装置が小型であって低電力と標準電圧を必要とするからである。本発に係る装置は、オンチップの操作や光学系を必要にせず、電気出力は容易に解釈される。この装置はロボット処理のための標準ピン配列で作ることができ、電子装置は容易に特定用途集積回路(ASIC)に変換される標準の演算増幅器及び/又は位相検知器を必要とするだけである。ASICにより、外部配線を必要としないよう、小型電池とIR送信機を備えることができる。手製の装置とは違って、本発明は大量生産することができるのでコスト効率的である。
したがって、本発明の1つの観点は、チャンバ内に配置された導電性細胞外流体の体積変化に対応するチャンバ抵抗の小さな変化を測定するための方法及び装置を提供することである。
本発明の他の観点は、標準化され大量生産可能なチャンバ内に配置された導電性細胞外流体の体積及び/又はチャンバの抵抗の変化を測定するためのチャンバを備える方法及び装置を提供することである。
本発明の別の観点は、細胞外環境の抵抗率の変化を測定することにより細胞体積の小さな変化を測定するための手段を備える方法及び装置を提供することである。
本発明のこれら及び他の観点、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲に鑑みて発明の詳細な説明を読むとき、当業者には明らかになるであろう。本発明の本質及び動作モードは、添付図面とともに行う発明の詳細な説明において十分説明される。
本発明のこれら及び他の観点、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲に鑑みて発明の詳細な説明を読むとき、当業者には明らかになるであろう。本発明の本質及び動作モードは、添付図面とともに行う発明の詳細な説明において十分説明される。
最初に、異なる図面における同じ数字は発明の同じ構成要素を指すことを理解されたい。本発明を、現在好ましい実施の形態であると考えられているものに関して記述するけれども、特許請求される発明は開示される特定の実施の形態に限られるものではない。
詳細な説明及び特許請求の範囲において、用語「細胞」は、その通常の意味に加えて、任意の真核細胞又は原核細胞、任意の天然の又は合成の小胞、脂質小胞、細胞小気管、ウイルス、核酸、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体、抗原、結晶、若しくは、イオン電流を隠すことができる任意の物質及び/又は電流が印加されたときに本発明に係るチャンバ内で電気絶縁体として認めることができる任意の物質を含むものとするが、これらに限定されない。詳細な説明及び特許請求の範囲において、「細胞外流体」は、一般に、細胞の外に配置される流体及び/又は特定の印加された電流に対して導電性であるチャンバ内に配置される流体を意味する。詳細な説明及び特許請求の範囲において、「チャンバ体積」は、電流を測定するための電極間を電気的に接続する細胞外流体の体積を意味するものとする。
図1〜図4を参照すると、一般に、本発明は、第1チャンバ22内に配置された細胞40の体積又は高さの変化が、第1チャンバ22内に配置された細胞外流体42の体積又は高さの変化に反比例するという原理に依存する。換言すると、第1チャンバ22内の細胞の体積又は高さが増すにつれ、第1チャンバ22内に配置された細胞外流体42の体積又は高さは減少する。つまり、導電性細胞外流体が第1チャンバ内に配置され、細胞40を電気絶縁体として見る電流が印加されると、第1チャンバ22内の細胞外流体の抵抗は、細胞の体積又は高さの増加の結果として増加する。代わりに、細胞の体積又は高さが減少するにつれ、導電性細胞外流体の抵抗は減少する。
したがって、細胞外流体の抵抗はρ/(h−hc)に比例する。ただし、図3及び図4に示すように、ρは細胞外流体の抵抗率であり、hcは細胞の高さであり、hはチャンバの高さである。これは、細胞を通って電流が流れていないと仮定しているが、細胞膜カットオフ周波数より低い周波数に対する良好な近似である。カットオフ周波数νcは細胞膜の時定数τ(これは典型的には1〜10ミリ秒である)に反比例する。νc=1/2πτであるから、典型的にはカットオフ周波数は15〜150Hzの範囲にある。
後で検討するように、装置の微細加工により、小さい高さのチャンバを作ることができるが、実際的には、細胞での潅流を許容するよう、チャンバの高さは細胞を押すことなく十分なクリアランスを提供するよう制限される。図3及び図4に示すように、細胞は半球状ではなく実際はずっと複雑な形状をしているので、高さとチャンバ抵抗との間の関係は分析的ではない。それにもかかわらず、以下に示す種々の関係パラメータの役割を調べるためには図3及び図4の単純な球形モデルを使用することが有用である。図3及び図4の球形モデルにおいて、細胞高さhcは細胞半径であるから、hc≒(V/2)1/3である。ただし、Vは細胞の体積である。抵抗はρ/(h−hc)に比例するから、hcを代入すると、測定抵抗はh−(V/2)1/3として逆に変化する。ただし、
hはチャンバの高さ、
hはチャンバの高さ、
は静止細胞の高さ、
hcは細胞の高さ、
hcは細胞の高さ、
は、静止細胞の高さに対して正規化された細胞の高さ、
は、静止細胞の高さに対して正規化されたチャンバの高さ、
Rはチャンネルの抵抗、
R0は、静止細胞のあるチャンネルの抵抗、
dR/Rはチャンバの抵抗の部分的変化、
である。
Rはチャンネルの抵抗、
R0は、静止細胞のあるチャンネルの抵抗、
dR/Rはチャンバの抵抗の部分的変化、
である。
図21は、静止細胞の高さに対してチャンバの高さが比較し得る(Hが小さい)ならば、装置感度は細胞体積の所与のパーセント変化に対して増強されるということを示している。このグラフにおいて、Hは、静止細胞の厚さである
に対して正規化されたチャンバの高さhである。そのため、H=1はチャンバの高さが静止細胞の高さに等しいことに対応する。細胞が収縮するとdR/Rは負になり、細胞が膨張するとdR/Rは正になる。装置感受性とチャンバの高さとの間の関係は、図22において、細胞の体積の20パーセント減少に対する2次元のグラフに一層明瞭に見ることができる。図22は、細胞の公称高さの2〜3倍の厚さのチャンバについては、細胞の体積の20パーセントの減少が抵抗をほぼ8パーセント変化させることを示している。これに対して、細胞の公称高さの8倍の厚さのチャンバについては、図22は、抵抗変化が0.5パーセントよりも小さいことを示している。実際には、組織培養システムにおいては、細胞の正味の厚さは若干の重なり合った細胞を表し得るので、静止細胞の厚さの約3倍の厚さを持つチャンバはhの最小近似値であり得る。これは、細胞体積の20パーセントの変化に対してチャンバ抵抗の7〜8パーセントの変化よりも大きな変化を生じる。
この変化は比較的小さく見えるが、この簡単なモデルを用いると、オコーナーの深いチャンバは0.5パーセントよりも小さな抵抗変化を生じると考えられる。しかし、図23において、抵抗の観察された変化は、上記の計算を用いた200μmの深いチャンバに対して予測されるよりも幾分大きい。多分、これは、半球状のモデルが実生活の菌株を単純化し過ぎており、もっと小さな変化を予測するからである。さらに、これは、静止細胞の3倍前後のチャンバ高さに対する抵抗変化はモデルによって予測された7〜8パーセントよりも大きいことを示唆している。
一般に、細胞外抵抗の変化を測定するための好ましい方法は、カバーに細胞を付着させ又はカバー上で細胞を生長させ、チャンネル12にカバーを置くことを含む。この方法が一般に好まれるのは、微細流体装置を再利用することができるからであり、電極が細胞から分離されたままだからである。代わりに、細胞をチャンバ22内に付着させ又はチャンバ内で生長させることができる。しかし、この方法は、チャンバ内で細胞を培養すること、及び/又は、細胞が電極を覆うのを防ぐための表面処理、及び/又は、電極インピーダンスの大きな変化を生じることを必要とする。
異なる薬剤を細胞上での過融解によって選別するとき、細胞外流体の抵抗率は特に非等張性の刺激によって変化する。これが生じると、器官小胞体積に起因する測定された抵抗率の変化によって、細胞外流体の抵抗率の変化自体が影響される。この問題を回避する3つの方法が存在する。第1に、細胞体積の変化にはタイムラグがあり、これらの2つの要素は反応速度分析を用いて解明することができる。これは細胞体積の変化が浸透圧の変化より遅れるからである。典型的には、細胞は、特に細胞体積は30秒の時間スケールで変化するが、混合自体は主にチャンバ体積と潅流率とに依存し、数ミリ秒から数秒で行い得る。第2に、潅水の抵抗率は第2チャンバ24によって監視することができる。このアプローチに対して、二組の別個の電圧感知電極と単一の電流源とを用いることができる。一組の電極は細胞によって占有された領域の抵抗を測定し(第1チャンバ22)、他の組の電極は溶液抵抗を測定する(第2チャンバ24)。二つの対間の電圧降下の割合を測定すると、細胞体積の変化に起因する抵抗変化が得られる。この方法は、バックグランド抵抗を差し引き且つチャンバの安定性を仮定する必要を無くする。第3に、多周波数測定を用いて潅水の変化(及び細胞の喪失等)を制御することができる。膜のカットオフ周波数よりも高い周波数では細胞は電気的に透明であり得るので、「空らの」チャンバ信号を測定することができる。つまり、必要なことの全ては、20Hz等の低周波数信号と5kHz等の高周波数信号とを印加し、2つのインピーダンスの実数部の比を測定することである。細胞外流体の抵抗率はこれらの周波数では一定であるから、システムは実時間で自己正規化する。追加の周波数は細胞核、ゴルギ装置、小胞体等の他の細胞内区画を明らかにすることができる。
細胞体積の変化を測定するための適切な周波数は、一般に、細胞は電気絶縁性でなければならない、すなわち、カットオフ周波数よりも低く維持されなければならないという事実に支配される。この選択の究極のものは直流電流であるが、直流電流は電極偏極とドリフトを生じる。位相ロック交流方法は低周波数での抵抗成分の検知を可能にし、膜容量からの直交成分の漏洩は適切な位相選択によって抑制される。整流された出力をローパス・フィルタ処理すると、広帯域雑音が抑圧されて分解能が増す。細胞での応答は数分に渡って行われるので、必要な出力周波数応答は極めて低い。
ここで特に図1及び図2を参照すると、本発明に係る微細流体装置が微細流体チップ10を備えるものとして概略的に図示されている。一般に、微細流体チップ10は、シリコン、ポリマー、ガラス等であることが好ましい基板11を備える。基板11内に流体チャンネル12が配置される。1つの観点において、流体チャンネル12は幅が1.5mmであり、深さは25μmであり、チャンネルを通って流体を潅流させるための流入口14と流出口16を備える。流体は流入管18を通してチャンネルに入り、流出管20を介して出力される。流入管18と流出管20とはそれぞれ適宜の手段によって基板11に接続される。
チャンネル12内には、それぞれ互いに深さ又は高さが異なる第1チャンバ22と第2チャンバ24とが配置される。1つの観点においては、第1チャンバ22は深さが25μmであり、細胞試験チャンバを含むよう構成される。第2チャンバ24は深さが55μmであり、制御/校正チャンバとして動作するよう構成される。当業者には理解されるように、第1チャンバ22と第2チャンバ24とは25μm〜55μmの深さ又は高さを持つものとして上に記述されているが、これらのチャンバの大きさ、特にチャンバの高さと深さは所望により変えることができる。例えば、単一のバクテリア細胞に生じる変化を測定し監視するためには、第1チャンバの高さは、特定のバクテリア細胞の高さ又は体積に依存して、1μm〜100μmの範囲にある。例えばウイルスのような1μmよりも小さな細胞に対しては、もっと小さなチャンバ高さが望ましい場合がある。
第1チャンバ22は電極26a、26b,28a、28bを有し、第2チャンバ24は電極30a,30b,32a、32bを備えるものとして図示されている。それぞれの電極はプラチナ又は金でできており、1つの観点では幅50μmである。電極26a、26b、30a、30bは各チャンバを通して電流を印加するための電極を構成し、電極28a、28b、32a、32bは各チャンバにおける電流を測定するために構成される。こうして、一般に、電極28aと電極28bとの間の間隔は、第1チャンバ体積を規定するための要素として用いられ、電極32aと電極32bとの間の間隔は第2チャンバ体積を規定するための要素として用いられる。電流を測定するための電極は、電流を印加するための電極の間に配置されることが好ましい。さらに、電流電極と感知電極とを近くに配置すると電流の分岐に起因する偏極を生じ得るので、分岐を最小にするために、電流測定電極を電流印加電極からチャンバ高さの好ましくは5倍前後の距離の所に配置することができる。また、電極の表面面積を増すと、インピーダンスを低減し且つドリフトを改善することができるが、ドリフトは重大な問題ではないように見える。電極インピーダンスの更なる低減は、信号対雑音比と安定性を改善することができる白金黒を用いて提供され得る。白金黒の微小孔構造は電極の活性面積を増すように作用し、イオン交換を提供する。図20に示すように、本発明に係る微細流体チップは、例えば、特定の実験プロトコルによって要求されるように、電流印加電極又は電流測定電極間の距離の選択を可能にするようにチャンバ内に配列された複数の離間された電極を備えることができる。所望であれば電極を等間隔で配置することができ、電極間の距離は所望により変えることができる。1つの観点においては、電極間の好ましい距離は1〜25μmであるが、測定又は監視されるべき細胞に依存して距離はもっと大きくても良い。図1〜図3に示すように、リード線34は種々の電極を基板表面上に配置されたピン36に接続する。こうして、電流を印加し且つ実験データを取得するために、ピンは種々の電気装置に接続され得る。
チャンネル12を覆うためにカバー38が設けられ、カバー38は基板に取り外し可能に又は永久的に接着される。カバー38は、第1チャンバ内に細胞を配置するために、その内面に付着された細胞を備える。代わりに、所望であれば、細胞を第1チャンバの壁面に付着させることができる。カバー38は光その他の波型のエネルギのような種々のエネルギ形態に対して透明又は不透明であり得、及び/又は、カバー38は例えば熱や冷却のような他の形態のエネルギを迅速に伝達することができ、それによって、チャンバ内に配置された細胞を種々の攻撃に曝させることができる。基板、カバー38及び/又はチャンネル12の表面は、例えば毛細管現象に起因する漏れを防ぐために、親水性又は疎水性の物質又はフィルムで処理され得る。流入口14はチャンネルへ導入される流体の種類を変えるための複数の入力接続部を有する。
ここで図5及び図15を参照すると、微細流体チップを製造する若干の方法が存在する。図15に図示されるように、低圧化学蒸着(LPCVD)を用いて、シリコン・ウェーハの両面にSi3N4層が生長する。次いで、フォトリソグラフィ工程をシリコン・ウェーハの上面に対して実施し、入力及び出力のパターンを規定する。次いで、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)を用いてSi3N4層をエッチングする。それに続いてシリコンを所望の深さまでKOHエッチングする。フォトレジストを除いた後、処理されたシリコン表面に対して別のフォトリソグラフィ工程を実施して第2チャンバ24のパターンをシリコン・ウェーハに転写する。次いで、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)を用いてSi3N4層をエッチングし、その後に、特定の設計にしたがってシリコン・ウェーハを第2チャンバの深さまでKOHエッチングする。処理されたシリコン表面に対して別のフォトリソグラフィ工程を実施して第2チャンバ22のパターンをシリコン・ウェーハに転写する。次いでRIEを実施してSi3N4層をエッチングし、その後、設計にしたがって第1チャンバ22の深さまでシリコンをKOHエッチングする。電極を設けるためにリフトオフ技術を適用することができるが、リフトオフ技術は電極のパターンをシリコン・ウェーハの上面に転写するフォトリソグラフィ・プロセス及び画像反転プロセスによって達成されることができる。電子ビーム蒸着を用いてプラチナ・ゴールド電極を蒸着することが好ましい。次いで、プラズマ強化化学気相反応(PECVD)を用いてSiO2層を蒸着し、処理された表面上に絶縁バリアを作る。緩衝されたHFエッチングを用いて、チャンバ内のプラチナ電極の部分上のSiO2層を除去して漏洩路を最小にする。
バックサイド整列及びリソグラフィを実施してウェーハの背面に流入液溜/流出液溜を確定する。S3N4及びスルーホールを形成する残留シリコンをエッチングするRIEを実施することができる。接着剤又はエポキシ等の適宜の手段によって液溜の背面にシリコン・ゴム管を付着させることができる。試験のために、第1チャンバに近いガラスの内面に細胞を付着させ又は培養し、次いで、細胞を流れチャンネルを閉じるようにシリコン・ウェーハの上面に配置することができる。代わりに、細胞を他のチャンバ表面に付着させ又は成長させても良い。或る実験のために、細胞を細胞外流体内に浮遊した状態に置くことができる。
図5に示すように、本発明に係る微細流体チップは、プラスチック及びネガティブトーン・フォトレジストを用いて製造することもできる。例えば、好ましい方法は、マサチュセッツ州ニュートンのマイクロケム社から入手可能なエポキシ型ネガ・レジストであるSU−8を用いる。SU―8はフォトリソグラフィ技術を用いて容易にパターン化でき、低温(100°C)で硬化して接着できる。製造のために、まずSU−8はガラス上でスピンされて所望の厚さ、典型的には15〜60ミクロンを達成する。次いで、SU−8は加熱され、フォトリソグラフィのために適切にマスキングされる。365nmで露光された後、マスクが除去され、SU−8が現像液で処理される。この反応は現像された領域からSU−8を除去するが、他の領域はそのまま残し、特定の大きさの流体チャンネルを生じる。最後に、乾燥された電極を含む第2のガラス表面が適宜の温度でチャンバに融合される。流体チャンネル・ウェーハに対する電極ウェーハの適切な位置決めのためには標準アライナーが用いられる。2つのガラス板を接着する前に、ガラス面が化学的に誘導体化される。例えば、アミノ・シランを用いてアミノ基を導入することができる。SU−8を両方の表面に接着させる焼き付け温度は、全チャンバが形成された後に反応に利用可能であり且つアミノ基が保持されるに足るほど穏やかである。代わりに、レーザー切除、注入マイクロモールディング、ホット・エンボス加工のような技術を用いて、本発明に係る装置を製造することができる。表面処理により、測定チャンバを親水性に保ち、他の表面を疎水性に保って漏れを防ぐことができる。プラスチックの基板の利点は、室温でカバーを取り付けることができ、接着の前にカバーに生物試薬を液溜に加えることができることである。また、ホット・エンボス加工を用いてPMMAから装置を製造することができる。構造の陰画のシリコン・ウェーハを用いてマスター・モールドを生成することができる。ネガ・マスクを設計し、ポジ・チップのために用いられる同じKOHエッチング方を用いて装置を製造することができる。マスター・モールドを作ると、注入モールディング(又はホット・エンボス加工)によって微細構造のプラスチック部品を製造することができる。上述の同じ蒸着法を用いて、薄膜をプラスチック・チップの上面に設けることができる。プラスチック基板は理想的な電気絶縁を提供し、追加の蒸着工程は基板と電極間では不要である。用途によっては表面修正が必要であり、これは湿潤挙動を変えるためのプラズマ被覆によって達成可能である。微細チャンバ及びチャンネルの適格なシーリングは、超音波溶接、加熱処理、接着、レーザー溶接等の種々の接着技術により形成できる。
図16〜図18に示すように、複数の平行な試験チャンバと自動流体分配システムとを有する総合的な微細流体システムを製造することができる。高スループットの検定チップは2つの部分、即ち、堅牢なオンチップ流体分配システムと複数流入口平行感知プラットフォームからなる。部品を動かすことなくチップ上の流体を迅速に操作する電解バブル弁13を用いる微細流体作動機構を組み込むことができる。電解バブル弁13は電気的に駆動されるが、1V前後で数マイクロワットを要するだけである。1個の流入チャンネルと2n個の流出チャンネルとをからなる流体マルチプレクサ・チップが図16に図示されている。流体は、n個の弁を閉じることにより2n個の流出チャンネルのうちの任意の1つに分配される。図17に示すように、複数チャンネル検定チップは複数の流入ポートを持つことができる。一般に、各チャンネル22、24は(チャンネル間で流体を等分するための入力規制により)ベースライン溶液入力のための共有共通流体入力チャンネル(I1)を備えることができる。また、各チャンバ22、24は試験溶液を導入するための個別流体入力(I3)を備え、チャンバ22、24はドレイン路(I2)を共有することができる。チャンネル流出口は端部で廃液溜に結合される。流体分配システム及び感知アレイは所望であればシリコンで作ることができる。図18に示すように、装置は2つの流入液溜I1、I2、2つのチャンバ22、24及び1つの流出口16を備えることができる。試薬は流入口I1を介して分配され、潅流溶液は流入口I2を介して分配される。25μm前後の狭い方のチャンバ22は細胞体積測定チャンバとして働くよう構成される。同じ面内寸法と電極配置を持つチャンバ24は、溶液抵抗率を監視するための基準チャンバとして構成される。高温を受ける永久的なカバーを有するチップは、カバーをマスクしてチャンバ22の近くに金フィルムのアイランドを作ることにより誘導体化され得る。こうして、チャンバがチオール試薬によって潅流されると、該試薬はチャンバ内に固定される。異なるチャンバ及びチャンネルに対して異なる試薬を操作するためにオンチップ弁を用いることにより、多機能チップを作ることができる。金をリン脂質の単層で被覆することにより、又は、ビオチン標識脂質及びチオール固定ストレプタビジンを用いることにより、脂質小胞を局所化することができる。
図19に示すように、細胞はガラス、ロッド又はプラスチック繊維の上で生長することができ、ガラス、ロッド又はプラスチック繊維は、一端がオープンである電流を印加し測定するための電極を備えるチャンバに挿入される。プラスチック繊維は円形、矩形、三角形その他の形状で良く、チャンバの形状にほぼ一致する。この配置は自動化に適している。繊維又はロッドを研究室ロボットが扱えるからである。
実験1
第1の実験において、流入液溜12と流出液溜14に接続された1.5mm幅で25μmの深さの流体チャンネル12が試験溶液と試薬を運んだ。深さの異なる2つの測定チャンバ22、24が流体チャンネルの長さに沿って配置された。第1チャンバ22は細胞試験チャンバとして設計され、25μmの深さを有し、第2チャンバ24は細胞外流体抵抗率に対する制御・校正チャンバとして設計され、55μmの深さを有した。それぞれが50μm幅の4個の白金電極がそれぞれ第1チャンバ22と第2チャンバ24内に配置されて電気インピーダンス測定用の4点プローブを形成した。図1〜図3と同様の装置がアクリル製のプラットフォーム(図示せず)に接着された。アクリル製のプラットフォームは、試験溶液を変更するための流入口14と流出口16に接続された流体出力管20とに整列した3つの流体入力接続を含んでいた。試験のために、星状細胞が通常のガラス・カバースリップ上で培養され、細胞が第1チャンバに対向するよう装置の先端に置かれた。
第1の実験において、流入液溜12と流出液溜14に接続された1.5mm幅で25μmの深さの流体チャンネル12が試験溶液と試薬を運んだ。深さの異なる2つの測定チャンバ22、24が流体チャンネルの長さに沿って配置された。第1チャンバ22は細胞試験チャンバとして設計され、25μmの深さを有し、第2チャンバ24は細胞外流体抵抗率に対する制御・校正チャンバとして設計され、55μmの深さを有した。それぞれが50μm幅の4個の白金電極がそれぞれ第1チャンバ22と第2チャンバ24内に配置されて電気インピーダンス測定用の4点プローブを形成した。図1〜図3と同様の装置がアクリル製のプラットフォーム(図示せず)に接着された。アクリル製のプラットフォームは、試験溶液を変更するための流入口14と流出口16に接続された流体出力管20とに整列した3つの流体入力接続を含んでいた。試験のために、星状細胞が通常のガラス・カバースリップ上で培養され、細胞が第1チャンバに対向するよう装置の先端に置かれた。
実験結果は、手製の装置に対して狭いチャンバを用いた利点を証明した。予備実験において、高さが25μmの浅いチャンバの抵抗のみを測定した。活性電流源が1μAで50Hzの正弦波信号を2個の外側電極26a、26bに提供した。チャンバ抵抗を、自家製のJFET差動増幅器(低入力電流が電極の偏極を低減する)とロックイン増幅器を用いて測定した。第1チャンバは等張性の媒体(323 m0sm、170mMのNaClと約170mMマンニトールと緩衝液を加えたもの)で数分だけ潅流された。マンニトールの使用はイオン強度と導電率を変更することなくオスモル濃度の変化を許容した(弾力性は細胞の膨張や収縮を意味し、必ずしもオスモル濃度とは同じでない。これは、膨張の影響は細胞膜がオスモライトに対して浸透性であるかどうかに依存するからである)。次いで、第1チャンバは劣張性の媒体で潅流された(マンニトールを含む生理食塩水は除去された)。膨張がピークに達すると、潅水は等張性の媒体に切り換えられる。図24は弾力性の変化に対する星状細胞の応答を示している。劣張性の媒体の抵抗変化(図24では約17パーセント)は図22に示すオコーナーの結果(4パーセントより低い)よりもずっと大きい。図24において、矢印は溶液の変化を指している。星状細胞培養組織は融合性ではなかったので、チャンバ抵抗の17パーセントの変化は最適値より小さい。第1チャンバはシステムが安定するまで等張性の媒体(323 m0sm)で満たされていた。等張性の細胞は5.5分だけ劣張性の溶液(170 m0m)にさらされ、次いで、等張性の溶液へ戻された。矢印は第1チャンバにおける溶液の変化を指している。細胞の膨張による観察された電圧変化(約17パーセント)は、図23における4パーセント未満の変化よりも大きかった。なお、上記の試験に使用された培養組織は融合性の単層ではなかったので、感度は最適値よりも低い。
また、膨張応答の周波数依存性を、細胞膜が電気的に透明である2kHzで実験を反復することによって試験した。予測のとおり、溶液を等張性から劣張性へ切り換えたときにも細胞抵抗の変化は無かった。この結果は、低周波数と高周波数でのインピーダンスの実数部の比を取ることによってデータの自動正規化の手法をサポートする。
こうして、微細流体チップは単一のチャンバを有するように製造することができ、細胞体積は膜の容量が電流を除外する低周波数で測定される。細胞膜のカットオフ周波数は10〜150Hzの範囲にある。次いで、「空らの」チャンバの抵抗は細胞が電気的に透明である高周波数(5kHzより高い)で測定される。2つの周波数は直交しているので、各抵抗を実時間で測定することができ、応答を比として(又は、応答を一層明らかに示すよう比マイナス1として)計算することができる。この設計は自己校正付きの極めて簡単な装置へと導く。なお、死んだ細胞も電気的に透明であるから、低周波数チャンバ抵抗における時間依存の減少により、死んだ細胞(又は細胞喪失)を測定することができる。
実験2
深さが15μmで幅が1.5mmのチャンネルを有する微細流体チップを製造して流体流入口及び流体流出口に接続した。チャンネルの長さに沿って、2つのチャンバ(図3の22及び24)が存在した。チャンバ22は細胞体積を測定するために構成され、深さ15μmである。チャンバ24の方が深く(55μm)、溶液抵抗率を監視する校正チャンバとして機能した。各チャンバに配置された薄膜白金電極がチャンバ・インピーダンスを測定するための4点プローブを形成した。チップは、外部の流体接続部と結合するようアクリル製のプラットフォームに取り付けられた。付着した細胞を試験するために、細胞はガラス・カバースリップ上で培養され、細胞がチャンバ22に対向するようチップの先端で反転された。カバースリップは、50N前後の均一な力を加えるクランプによってチップに押し付けられた。電気的測定のために、1μAで50Hzの正弦波を提供する活性電流源を2つの外部電極に印加した。低周波数シミュレーションを用いてシリコンでの誘電体損を最小にするとともに、電圧増幅器の同相分除去に対する要求を低減した。内部電極間の電圧が、偏極を低減するよう1pA未満の入力電流を持つ自家製の計装用増幅器を用いて測定された。ロックイン増幅器は整流とフィルタリングを提供した。
深さが15μmで幅が1.5mmのチャンネルを有する微細流体チップを製造して流体流入口及び流体流出口に接続した。チャンネルの長さに沿って、2つのチャンバ(図3の22及び24)が存在した。チャンバ22は細胞体積を測定するために構成され、深さ15μmである。チャンバ24の方が深く(55μm)、溶液抵抗率を監視する校正チャンバとして機能した。各チャンバに配置された薄膜白金電極がチャンバ・インピーダンスを測定するための4点プローブを形成した。チップは、外部の流体接続部と結合するようアクリル製のプラットフォームに取り付けられた。付着した細胞を試験するために、細胞はガラス・カバースリップ上で培養され、細胞がチャンバ22に対向するようチップの先端で反転された。カバースリップは、50N前後の均一な力を加えるクランプによってチップに押し付けられた。電気的測定のために、1μAで50Hzの正弦波を提供する活性電流源を2つの外部電極に印加した。低周波数シミュレーションを用いてシリコンでの誘電体損を最小にするとともに、電圧増幅器の同相分除去に対する要求を低減した。内部電極間の電圧が、偏極を低減するよう1pA未満の入力電流を持つ自家製の計装用増幅器を用いて測定された。ロックイン増幅器は整流とフィルタリングを提供した。
細胞体積変化の時間的経過の正確な記録には、迅速な流体交換が必要である。センサに対する流体交換率が実験的に測定され、有限要素解析(コベンターウェア)を用いてシミュレーションされた。導電率が制御潅水と僅かに相違する生理食塩水がチャンバを通して潅流された。チャンバのコンダクタンスの変化によって交換率を監視した。図6は、流量0.2μl/s、0.3μl/s、0.4μl/sに対してコンダクタンスを時間の関数として示している。図6における実験データ(標識記号)及びシミュレーション・データ(実線)は交換が4〜7秒で90パーセント完了することを示している。これは細胞の応答時間に比較して相対的に短く、細胞反応動力学の解析における曖昧さを最小にする。
分解能は、細胞体積の最小の検知可能な変化を意味する。解像度は、僅かに異なる浸透圧(且つ一定のイオン強度)の生理的食塩水で細胞を潅流することによって測定された。組織培養された主星状細胞を用いて、チャンバ22はまず等張媒体(323 mOsm)で潅流された。次いで、流体は僅かに劣張性の媒体(図7の311 mOsm)に切り換えられて細胞を膨張させ、対照生理的食塩水に戻ると、細胞をその対照体積に復元した。可逆的な細胞膨張は1 mOsm未満の浸透摂動で検出できた。ΔV/Vの絶対値を確立するために、実施の終了時に、チャンバは中性洗剤(同じ生理的食塩水における1%トリトン−X100)で潅流されて細胞を破壊した。これにより、動作構成における空らのチャンバの抵抗が確立された。図9は細胞膨張のピークが70%前後の体積増加に対応したことを示している。
微細流体チップの性能を生きた細胞で試験するために、ラットの星状細胞の体積規制応答の検査を実施した。溶液浸透圧をマンニトールを用いて調節して、一定のイオン強度を維持することができた。最も臨界的な試験に対して、溶液導電率は全部の浸透圧において等しいように微細に滴定された。流量はほぼ0.3μl/sで一定であった。図10及び図11は、劣張性及び高張性の刺激を持つ潅流に対する星状細胞の応答を示している。劣張性の媒体は迅速な(ほぼ1分の)体積増加を引き起こし、その後、周知の規制体積減少(RVD)である緩慢な(10分の)減少が生じた。星状細胞におけるRVDはKClとタウリンのような中性有機オスモライトとに起因する。188、220及び273 mOsm溶液を用いた時間的経過とRVDの程度(図10)は公開されたデータと一致する。HEK及びMDCKを含む他の細胞種におけるRVDが試験され、同様の応答が識別された。予測されたように、劣張性の溶液は迅速な収縮を生じ、その後、規制体積増加(RVI)を生じた(図11)。しかし、RVIは弱い刺激(345 mOsm未満)でのみ観察された(図11)。同様な結果が以前にも星状細胞に対して報告されている。上記の条件の下でのRVIはコ・トランスポータ(co-transporter)を介するNa+、K+及びCl−流によって駆動される。
チップの実時間能力を利用して、反復された劣張性の攻撃が見出され、最終的に細胞は体積を規制する能力を失うことが分かった。実験結果は、水の流入と劣張性の媒体に対する露出に起因する迅速な膨張は常に存在するが、体積減少は緩慢な体積増加によって置き換えられることを示す(図12)。要するに、結果は、短い膨張期間が与えられると、RVIはその後の攻撃のおいて一層活発であることを示している。この観察は、規制に必要な主要な代謝産物が細胞から漏れていることを示唆する。この代謝産物は有機オスモライトであり得る。潅流溶液は塩分とマンニトールのみを含んでいたからである。代わりに、膨張によって誘起された機械的歪みが、RVDにおける役割を奏すると示唆されている細胞骨格を崩壊させることができるであろう。
実験3
タランチュラ・ガンモストラ・スパツラタから隔離されたペプチドを選別することによって微細流体チップを試験した。ペプチドを劣張性の潅水に加えて星状細胞RVDに対する効果を検査した。図13の実線の曲線は188 mOsm刺激を持つ対照RVDを示している。RVDはGsMTx1と呼ばれる小さな抑制システイン・ノット・ペプチドによって阻止された。このペプチドはGH3細胞における膨張誘起型Ca2+摂取を阻止するとして以前から知られていた。この実験において、GsMTx1は、図13に示すように、1μM、10nM、1nMにおいてRVDを完全に阻止した。100pMにおいてGsMTx1はRVDを約50%低減させた。この高い密接性はGsMTx1がRVDの主要な要素(恐らくは細胞そのものの体積感知能力)に対する敵対者であることを示唆する。GsMTx1抑制は、規制率ではなく規制の設定点に影響する点で衝撃的であった。
タランチュラ・ガンモストラ・スパツラタから隔離されたペプチドを選別することによって微細流体チップを試験した。ペプチドを劣張性の潅水に加えて星状細胞RVDに対する効果を検査した。図13の実線の曲線は188 mOsm刺激を持つ対照RVDを示している。RVDはGsMTx1と呼ばれる小さな抑制システイン・ノット・ペプチドによって阻止された。このペプチドはGH3細胞における膨張誘起型Ca2+摂取を阻止するとして以前から知られていた。この実験において、GsMTx1は、図13に示すように、1μM、10nM、1nMにおいてRVDを完全に阻止した。100pMにおいてGsMTx1はRVDを約50%低減させた。この高い密接性はGsMTx1がRVDの主要な要素(恐らくは細胞そのものの体積感知能力)に対する敵対者であることを示唆する。GsMTx1抑制は、規制率ではなく規制の設定点に影響する点で衝撃的であった。
実験4
浮遊する細胞を有する微細流体チップの性能を試験するために、第1チャンバは大腸菌の検査液で潅流された。大腸菌菌株(BL21(DE3))はカナマイシンに抵抗を与えるプラスミドを含む。細胞は、変化する濃度のカルベニシリン(バクテリアが敏感である抗生物質)を加えることによって抗生物質感受性に対して試験された。チャンバをバクテリアで満たした後、流れを止め、チャンバ抵抗を監視した。図14の実線は、24°Cでの対照条件の下でのバクテリアの生長を示している。なお、検定は細胞の生長に対して敏感であるから、細胞分裂のための時間を必要としない。カルベニシリンは、濃度(図14のダッシュの曲線では50μg/mlであり、点線の曲線では10μg/ml)に依存して、15分以内で生長を明らかに鈍化させた。アンピシリンに抵抗を与えるプラスミドを含む別の大腸菌菌株(DH5アルファ)も同様にカナマイシンによって抑制された(データは示していない)。かくて、バクテリアの抗生物質感受性を検出するのに15〜20分以上はかからず、一層高い温度での予備的実験はこの時間が5分未満であることを示している。測定チャンバの壁面に抗体のような特定のリガンドを加えることによって、特定の微生物を清浄化し、濃縮し、単一の工程で検定された。細胞の細胞小器官はバクテリアと同じような大きさであるから、本発明はミトコンドリア、クロロプラスト、小胞又はERのような細胞小器官の代謝を研究するのにも利用できる。
浮遊する細胞を有する微細流体チップの性能を試験するために、第1チャンバは大腸菌の検査液で潅流された。大腸菌菌株(BL21(DE3))はカナマイシンに抵抗を与えるプラスミドを含む。細胞は、変化する濃度のカルベニシリン(バクテリアが敏感である抗生物質)を加えることによって抗生物質感受性に対して試験された。チャンバをバクテリアで満たした後、流れを止め、チャンバ抵抗を監視した。図14の実線は、24°Cでの対照条件の下でのバクテリアの生長を示している。なお、検定は細胞の生長に対して敏感であるから、細胞分裂のための時間を必要としない。カルベニシリンは、濃度(図14のダッシュの曲線では50μg/mlであり、点線の曲線では10μg/ml)に依存して、15分以内で生長を明らかに鈍化させた。アンピシリンに抵抗を与えるプラスミドを含む別の大腸菌菌株(DH5アルファ)も同様にカナマイシンによって抑制された(データは示していない)。かくて、バクテリアの抗生物質感受性を検出するのに15〜20分以上はかからず、一層高い温度での予備的実験はこの時間が5分未満であることを示している。測定チャンバの壁面に抗体のような特定のリガンドを加えることによって、特定の微生物を清浄化し、濃縮し、単一の工程で検定された。細胞の細胞小器官はバクテリアと同じような大きさであるから、本発明はミトコンドリア、クロロプラスト、小胞又はERのような細胞小器官の代謝を研究するのにも利用できる。
細胞体積変化のモデルを開発することができる。異なるオスモル濃度のバスに対してさらされた細胞は水及びオスモライトを交換することができる。細胞とバスのオスモル濃度がcc、cbであるとすると、水の体積流量Jv(速度の次元cms−1を持つ)は静水圧微分p、浸透圧Π、及び膜の透水率eと呼ばれる比例係数Lpによって
のように決定される。
オスモライトの流束に対する最も簡単なアプローチにおいては、これはオスモライトに対する膜透水率と呼ばれる比例係数Lpを持つ濃度差の線形関数として表される。次いで、オスモライトのモル流束Js(次元はモルcm―2s−1である)は
オスモライトの流束に対する最も簡単なアプローチにおいては、これはオスモライトに対する膜透水率と呼ばれる比例係数Lpを持つ濃度差の線形関数として表される。次いで、オスモライトのモル流束Js(次元はモルcm―2s−1である)は
で表される。溶液濃度ccと面積Acの細胞の浸透体積Vとに対する平衡式は
で表される。初期条件はcc(0)=c0、V(0)=V0である。溶液は小さな浸透性攻撃でしかなかったが、式(3)は細胞の膨張と体積規制をモデル化するのに利用されてきている。
細胞膜がオスモライトに対して不透過性であり、細胞が弛緩しているならば、2つの変数ξcとνによって決定される、膜における浸透性流束のみが存在する。式(3)は浸透性プロセスの特性時間
を含んでおり、正規化された形で
として提示される。ただし、時間、オスモライト濃度及び体積に対する変数を変形してθ=t/τosm、ξ=c/c0、ν=V/V0であり、初期条件はξc(0)=1、ν(0)=1である。これは解析を一層便利にする。2つの式は体積に対する1つの非線形関数
に変形でき、これを体積の小さな変化に対して分析的に解くと、
が得られる。
この式は規制体積増(RVI)に対して用いられてきた。しかし、体積変化が極めて小さくない場合には、この解は明確な誤りを与える。バスのオスモル濃度が半減すると(バスのオスモル濃度ξ=0.5)、この解は全体積増の50%を占めるのみである(図25)。曲線1は式(5)の正確な数値解を与え、曲線2は式(6)にしたがってプロットされた。
この式は規制体積増(RVI)に対して用いられてきた。しかし、体積変化が極めて小さくない場合には、この解は明確な誤りを与える。バスのオスモル濃度が半減すると(バスのオスモル濃度ξ=0.5)、この解は全体積増の50%を占めるのみである(図25)。曲線1は式(5)の正確な数値解を与え、曲線2は式(6)にしたがってプロットされた。
細胞が高張性の溶液内で収縮する場合、この状況は一層悪化する。バスのオスモル濃度が2倍になると、式(6)は体積がゼロになることを示すが、体積は50%減少するだけである。明らかに、この関数は膨張と体積規制を記述するのには不十分である。
実験データを適合させることができるようにするためには、初期膨張の時間的経過を記述する信頼性の高い関数が必要である。解(6)はθが1よりも極めて小さいときの初期の膨張(収縮)においてのみ良好である。長い時間(θ>>1)に対しては、式(5)の漸近的解
を見出した。
この曲線(「長」で指示される)は図26に示され、パラメータξ=0.5、const=0.5である。この図において、正確な解(「正確」)及び漸近的解が短い時間(「短」)に対して提示されている。したがって、膨張は2つの別個の段階で進行する。第1段階は高速であり、特性時間は(次元なしの形では)1であり、次元のある形では
この曲線(「長」で指示される)は図26に示され、パラメータξ=0.5、const=0.5である。この図において、正確な解(「正確」)及び漸近的解が短い時間(「短」)に対して提示されている。したがって、膨張は2つの別個の段階で進行する。第1段階は高速であり、特性時間は(次元なしの形では)1であり、次元のある形では
である。第2段階は低速で、次元のない特性時間1/ξ2又は
である。式(6)を用いると、この例において全体積変化の50%に関係する低速な第2段階が取り除かれる。収縮の場合には解は逆である。第1段階は比較的低速で、第2段階は高速である。
漸近的解(6)及び(7)を結合することによって近似解析公式を作ると、式(8)すなわち
が生成される。
この関数は図25に曲線3によってプロットされている。これは式(5)の正確な数値解に対する近似を与える。なお、この当てはめは、バスのオスモル濃度が2倍だけ減少又は増加されたときの強い浸透性攻撃に対して達成される。もっと弱い攻撃においては、近似は一層良好になる。この式はデータの第1当てはめとして以下で用いられる。
この関数は図25に曲線3によってプロットされている。これは式(5)の正確な数値解に対する近似を与える。なお、この当てはめは、バスのオスモル濃度が2倍だけ減少又は増加されたときの強い浸透性攻撃に対して達成される。もっと弱い攻撃においては、近似は一層良好になる。この式はデータの第1当てはめとして以下で用いられる。
この解析の応用例として、星状細胞におけるアクアポリン・チャンネルの数を評価した。細胞の浸透圧浸透性は
で表され、Vmは水のモル体積(18cm3モル−1)である。星状細胞での実験では、c0=321 mOsmであり、膨張の特性時間は3秒であった。星状細胞の体積の面積に対する比は1.1μmとして評価された。これは6.4×10−3cms−1の浸透圧浸透性を与えた。通常、脂質の浸透圧浸透性は10−4〜10−3cms−1である。したがって、星状細胞の浸透圧浸透性はこの値を一桁越えており、アクアポリンに起因するといえる。アクアポリン−1の単一のチャンネルは約7.1×10−14cm3s−1 73の浸透性を有する。したがって、チャンネル密度はnch=6.4×10−3/7.1×10−14=9×1010cm−2である。各アクアポリン複合体は4つのチャンネルを持ち、アクアポリン密度nAQPは約225μm―2である。これは、アクアポリン分子の平均距離dAQPが約1/(nAQP)1/2=67nmであることを意味している。
比較のために、野生型でアクアポリン−4を欠くマウスからの脳の星状細胞の培養における水の浸透圧浸透性を測定したところ、約0.005cm/sのPfに対応する、0.92sに等しい半分の応答時間を見出した。PfはAQP−4を欠くマウスからの星状細胞において7.1倍低減された。ここから、AQP−4は星状細胞における水のトランスポートに主要な役割を提供すると結論された。
規制体積増(RVD)又は規制体積減(RVI)を記述するとき、細胞とバスとの間のオスモライト交換を説明しなければならない。これを行うには、交換の形式に依存して多くの方法がある。不幸にして、これらのプロセスはよく理解されておらず、数学的に記述されていない。したがって、或る合理的な仮定をすることができ、オスモライト・チャンネルの開口を介する受動的な交換、水の流入を妨げる圧力の生成、溶質の能動的なトランスポート等の多数の可能性を分析することができる。
例として、膨張する細胞に小さな静水圧が加わり、或る瞬間に受動的オスモライト・トランスポータが開くという状況がモデル化された。式(1)〜(3)を用いて、図7〜図12において実験的に観察された特異な反復浸透性攻撃をモデル化した。システム・パラメータを適切に選択することにより、図27に示されるシミュレーションが再生された。これらの曲線は実験的観察に酷似している。
機械感度は、どのように生じるかが明らかではないが、体積規制に重要な役割を果たす。機械感度の一般的熱力学的理論が開発され、基礎的な膜力、すなわち膜張力、ライン張力及び膜トルクを用いて提示された。それらの幾何学的な対応物は面内面積、周囲長及びチャンネル形状である。機械感度は、膜における機械的張力によって必ずしも生成されるものではなく、幾何学的な要因や曲げ力によって生じる。これが体積規制に重要なのは、細胞は弛緩していることが多く、その膜は張力のない状態であるからである。それにも拘わらず、体積の変化は膜の形状の変化を生じ、機械的応答を誘導することができる。体積センサの分子的機序は不知のままである。
体積規制はイオンと中性分子との能動的及び受動的な結合されたトランスポートを含むものと考えられる。一列縦隊拡散、移動性のキャリア及びリレー競走トランスポートを含むイオン・トランスポートの多くの興味ある形態が記述されている。
本発明は、細胞外抵抗を測定するための少なくとも1つのチャンバを有する単一のチャンネルとして主に記述されてきたが、当業者は理解するように、本発明は単一の装置に配置された複数のチャンバと電極を備えるように構成することができる。予備的実験は細胞体積が神経伝達物質に迅速に応答することを示しており、本発明の微細流体チップは粗い電気生理学的選別に代わることができる。更に理解されるように、本発明の実験的強調は原核細胞及び真核細胞の体積を測定するためではあったが、本発明はタンパク質結晶化溶液のようなイオンを通さない任意の対象物を感知するのに利用することができる。微細流体チップは臨床研究室での応用を有し、微生物病理学での使用可能性は既に明らかである。異なる薬物により種々の細胞種を迅速に走査することができるので、癌治療における化学受容器及び放射感受性に対する生体検査サンプルの選別が可能になる。
1つ以上のチャンバに電流を加えて測定する方法が幾つか存在する。電圧記録電子装置の主要な要件は、電圧記録電子装置の偏極の影響を最小にする低バイアス電流差動増幅器である。チャンバにおける1pA未満のJFET演算増幅器が用いられ、システムを駆動する電子装置は活性電流源を含む。更に、演算増幅器を含む増幅器と電流源は小さなPCボード上に構成された。しかし、CMOS増幅器を用いて、当業者には公知の技術を使って微細流体チップ上に能動電子装置を一体化することが好ましい。例えば、電子装置は二重周波数電流源と二重位相ロック増幅器を備えることができる。外部入力は広帯域信号源の使用を許容する。
一般に、チップを駆動するアナログ電子装置は電位計級の計装用増幅器とバイポーラー電流源とからなる。電流源は励起電圧の1ボルト当たり1μA前後のAC電流でチャンバを駆動する。出力信号の大きさは、100kHzを越す溶液/膜カットオフ周波数未満ではバス抵抗に正比例する。電極の偏極は電極をメッキすることにより及び電圧増幅器(アナログ・デバイス社のAD515)の入力電流を低減することにより減少させることができる。計装用増幅器に典型的な高い同相分除去により、残留共通モード・オフセットが刺激から除去される。
50Kを越える典型的なバス・インピーダンスは500〜1000mVの範囲のベースライン出力信号振幅を生成する。これは第1段階の利得をほぼ10に限定するので、小さな抵抗変化の分解能を幾らか困難にする。分解能を増すために、増幅器の第2段階は、スケーリングされた駆動電圧を出力信号から差し引いて、ベースライン信号振幅を数mVまで有効に低減する。第2段階の利得も10であり、全アナログ利得は100となる。
簡単化と信頼性のために、体積センサ電子装置は全てソフトウェアによって制御され得る。バス電流を生成するのに使用されるアナログ信号はベースライン信号振幅を差し引き、弁とサーモスタットを制御するために使用されるデジタル信号は全てソフトウェアによって制御され得る。A/D及びD/A動作はサウンド・カードを用いて、すなわち、典型的にはパーソナル・コンピュータ(PC)に標準装備されているサウンド・カードを用いて実行される。デジタル制御信号はPCのパラレル・ポートから直接に導出され、サウンド・カード上のMIDIインターフェースは、パラレル・ポートを解放するよう、独立のミリ秒分解能のTTL源として用いられる。弁駆動ハードウェア及び付属の他の電子装置は標準のものである。
刺激の波形は標準ウィンドウズ・ウェーブAPIを用いて44.1kHzで生成される正弦波である。周波数は50Hz〜100Hzの範囲でユーザー選択可能である。一次電流駆動波形はステレオ出力チャンネルの第1チャンネルで運ばれ、ベースライン減算のための信号は第2チャンネル上で運ばれる。第2信号の振幅は、ベースライン振幅を最小にするようプログラムによって自動的に調節される。オンボード・ミキサを用いて振幅を設定することができる。
チャンバ出力信号は、励起信号を生成するのに用いられるのと同じサンプリング速度(44.1kHz)でサウンド・カードのステレオ・チャンネルの一方上でデジタル化される。デジタル化されたデータの正弦及び余弦の積の平均を用いて、信号の実数部及び虚数部がそれぞれ取り出される。ただし、実数成分のみが必要であり、位相検出はノイズを低減する。バス抵抗は実数成分から計算される。検出された出力はソフトウェアでフィルタリングされ、実時間で細胞体積変化を監視するには十分な、100〜1000msの公称時間分解能が提供される。
マルチ・チャンネル・チップについては、複数のマルチメディア・カードを用いることができる。しかし、多くのPCは限定された数のスロットを有するので、5以上のチャンネルに対しては、I/Oを扱う標準チップを用いた特注のマルチメディア・ボードが必要である。一般に、ソフトウェアは使いやすさと精度を決定する。ソフトウェアは電気的刺激波形、溶液の供給、温度とデータの表示、記憶と分析を制御することができる。
刺激波形インターフェースはバッファロ大学から入手できるQUB(商標)ソフトウェアの刺激生成器と同じにように見えるので、QUB(商標)のフレッチャ・パウエル最適化ルーチンは数学モデルをデータに当てはめるのに用いることができる。データ速度は計算時間に比較して遅いので、当てはめられたデータを生のデータに実時間で重畳する能力を提供することができる。開発時間を最小にするよう、当てはめられたパラメータとデータとをQUB(商標)ファイル・フォーマットで蓄積することができる。ソフトウェアは自動校正、当てはめられたパラメータのスプレッドシート出力、スクリーン及びハードコピーのグラフィカル出力を備えることができ、最小のセットアップで動作することができる。
試験インターフェースはLabview(登録商標)を用いたナショナル・インスツルメンツのA/D、D/Aボードからなり、最適振幅と刺激の周波数の測定が実施できる。大きな刺激電流は、十分な電気分解反応と局所的加熱を生じ始めるまで感度を増すことができる。位相ロック検出を用いると、システムは刺激周波数の小さな変化に影響されないが、「低周波」刺激が大きいほど、時間分解能と信号対雑音比は向上する。
最適電流振幅と周波数は、星状細胞、HEK及びMDCK細胞株を含む異なる細胞種を試験する間に決定することができる。刺激及び記録電子装置は、複雑な装置には共通の接続誤りから生じる問題を最小にするように、チップ上に組み込まれ得る。ソフトウェア・コードは信頼性の高いデータ取得、自動システム校正、細胞体積変化測定のための適切な単位変換を提供することができる。また、コードは試験チャンバ及び校正チャンバからのデータを用いて抵抗率を補正することができる。Labview(登録商標)ソフトウェアはデータ取得のために使用でき、微細流体チップを動作させるコードは簡単なユーザー・インターフェースを提供するようにプログラムされる。信号処理ソフトウェア及びユーザー・フレンドリなインターフェースの開発は、ターンキー・システムを素早く完成させる。
真核細胞の解剖は膜が境界をなす多くの区画があって複雑なので、細胞の内部は異なる周波数に対して異なる寄与をなす。疑似ランダム・ノイズのような広帯域刺激及び周波数領域法は、細胞体積における攻撃の期間でのチャンバ伝達函数を測定するのに用いられる。細胞体積のための最適帯域自体には興味がなく、むしろ、細胞内区画変化として生成される二次変動の方に関心がある。
取得期間に適宜のアンチエイリアシング・フィルタを適用することで、Labview(登録商標)のルーチンを実装することができる。その結果は、種々の体積摂動に対して時間の関数として取った振幅及び位相対周波数のプロットであり、その結果は二重周波数測定のための最適な選択を指導するものであり、又は、多重周波数測定が極めて多くの情報を与えることを示唆している。
オコーナー等はカットオフ周波数よりも高い500Hzの励起周波数を実験において使用した。こうして、電気的には細胞質が部分的に見えただけであった。多重周波数についての研究が、最適感度のための周波数範囲を明確にするために実施された。
細胞の周波数依存特性も、細胞の可視性を特徴付けることを助ける。細胞死の共通の定義は、膜の選択的浸透性の喪失である。細胞体積の電気的測定は、感度を相関させるよう、生きた又は死んだ蛍光染みの画像と相関される。予測されるように、電気的測定は感度がよい。これは、電気的測定は大きな分子ではなくイオンに対する浸透率を主に測定するからである。
時間応答を修正するために、Gd+3のような体積規制抑制剤を用いることができる。最も広範に研究されているGd+3で始めると、膜の完全性と代謝の種々の薬理的調整剤に対する微細流体チップの感度を観察することができる。
毒物を検査するツールとして、チャンバの感度を用いて、アルコールやメチル水銀のような、星状細胞体積規制に影響するものとして知られている薬剤を監視することができる。膜を分裂させる薬剤が測定にどう影響するかのチェックとして、細胞膜を可溶性にするトリトンX−100のような低濃度の洗剤でチャンバの中を潅流することができる。
チャンバは毒物や非等張性の媒体以外のものに対しても敏感である。例えば、P2X7(イオン・チャンネル)で切開されたHEK細胞は、ATPによる活性化が後続する可逆的体積変化を示す。こうして、装置は、共通の(低速の)電気生理学的検定のための粗い代替物として作用することができる。
前に検討したように、チャンバ抵抗は細胞体積の線形関数ではない。ここでの方法及びセンサは絶対的細胞体積を測定することを目的とするとは限らないが、絶対的細胞体積を相関させることができる。
共焦顕微鏡法を用いると、BCECFのようなシトソル蛍光染料で細胞に印を付すことができ、等張性媒体での潅流の時間的経過の期間に細胞の3次元再生を行うことができる。これらの数は、チャンバ電極によって記録された「見かけの」平均体積変化と比較される。(特に、時間依存する変化が存在する場合での)3次元での共焦画像再生は定量化が困難であるから、画像から計算された及び装置を用いて測定された定常状態変化とピーク体積変化との間の10〜15%の一致は満足できるものである。
代わりに、MDCK細胞の挙動を、レーザー・トラップに浮遊する細胞のビデオ顕微鏡法で測定された、個々の細胞に対する公表データと比較することができる。
明確な細胞変化を監視するためにラテックス・ビーズを導入することができる。大きさが5〜10μmの範囲のビーズが流れチャンネルを介してチャンバへ潅流され、次いで、一定量のビーズがチャンバ内に存在するよう、流れは停止される。ビーズの数は、透明カバースリップ又はガラス板を通して光学顕微鏡を用いて数えることができる。感度を規定するためのチャンバ抵抗の絶対的体積変化との相関を決定することができる。ビーズは絶縁性であるから、オーディオ周波数範囲での周波数依存性は予測されず、これは周波数における一貫性を見るのに使用できる。
明確な細胞変化を監視するためにラテックス・ビーズを導入することができる。大きさが5〜10μmの範囲のビーズが流れチャンネルを介してチャンバへ潅流され、次いで、一定量のビーズがチャンバ内に存在するよう、流れは停止される。ビーズの数は、透明カバースリップ又はガラス板を通して光学顕微鏡を用いて数えることができる。感度を規定するためのチャンバ抵抗の絶対的体積変化との相関を決定することができる。ビーズは絶縁性であるから、オーディオ周波数範囲での周波数依存性は予測されず、これは周波数における一貫性を見るのに使用できる。
同様の実験条件の下でNPEアナライザを用いて、チャンバ性能の浮遊細胞の応答に対する比較を実施することができる。培養された星状細胞及び他の細胞株を通常の細胞通過の場合のように、分離し、浮遊している間に、クールタ計数装置を用いて時間の関数として非等浸透性媒体においてサイズ分布を測定することができる。その出力は、非等張性の応力後の異なる時間での細胞サイズ分布のヒストグラムである。本発明と他の商用装置との間の感度と信頼性の直接比較を提供することができる。
AFMを用いると、非等張性の媒体での局所的潅流の後に、細胞の高さの変化を時間の関数として測定することができる。基本の大きさを確定するために、細胞はタッピング・モードでAFMで画像化され、次いで、細胞の或る部分にチップを配置し、潅流を開始する。細胞の異なる部位での高さの変化は、緊張がいかに一貫しているかを見るために比較される。これらの測定は高い精度、高い正確性、高い時間分解能を有し、付着した細胞に対して実施可能である。
赤血球は浸透特性に対してよく研究されているので、試験のために、赤血球をカバースリップ又はガラス板に固定してチャンバ内に配置することができる。赤血球の「壊れやすさ」の試験を行い、細胞を膨張、収縮させ、又は、非等張性の媒体を用いて溶解させることができる。
ABCトランスポータによる薬物のトランスポートは細胞体積の関数であるから、バクテリアの体積規制を測定し監視することができる。多くのバクテリア試薬の有効性は薬物の解消に依存する。AFMは個々の細胞のサイズの変化を測定できるが、再現性と単純化のためには、母集団平均が一層有用である。バクテリアの直径は1μmのオーダーであるから、高さが2〜100μmの浅いチャンバを作ってバクテリアを測定し監視することができる。赤血球の場合と同様に、研究室で通常使用される普通の大腸菌菌株を用いてバクテリアをカバースリップ又はガラス板に付着させることができる。細胞体積を変え時間的経過に従うよう、非等張性の溶液を用いることができる。
潅流システムにおける特定のバクテリアの存在を検知するチャンバの能力を保証する試験を実施することができる。バクテリアの特定の菌株に対する抗体で誘導体化されたカバーを用意し、浮遊状態のバクテリアにチャンバ内を潅流させる。バクテリアが抗体と結合してカバースリップに付着するにつれ、チャンバ抵抗が増大する。生理的食塩水によるチャンバの潅流により、結合していないバクテリアはチャンバから洗い出される。次いで、抗体と結合したバクテリアの数を光学顕微鏡で計数する。チャンバの特異性を試験するために、異なるハプテンを示すバクテリアの2つの菌株でチャンバを潅流することができる。理想的には、固定された抗体によって結合された種からの持続的な信号のみを記録する。その後、蛍光でラベル付けされた抗体を2つの細胞種に適用して、電気的に測定される数の分布を識別する。
選別のためのパラメータを抽出するよう、細胞体積規制の数学的モデルを開発することができる。実験データ、特に、初期膨張(収縮)の段階、水の浸透率、アクアポリンの密度を当てはめることにより、また、追加の薬理学的データを用いて、特性を評価することができる。
規制体積減少(増加)の段階を当てはめることにより、電解質と中性オスモライトのチャンネル/トランスポータの開閉、及びそれらの細胞体積と濃度への依存性に関するデータを蓄積することができる。バスをKレベルだけ変えることにより制御された方法で膜電位を変えることにより、イオンと中性オスモライトの移送を体積規制に対するその貢献から区別することが可能である。浸透性の攻撃(バス濃度)の大きさを変えることにより、オスモセンサの動作点及びその傾斜感受性を体積軸上で決定することができる。
体積規制は、センサとエフェクタは別個の存在である一連の事象からなる。それらを分離するために動的手段を開発し、セカンド・メッセンジャ又は他の型式の通信の影響を調査することができる。温度を下げると拡散工程よりも生化学工程の速度を低減すると予測されるので、規制の温度依存性を監視することができる。しかし、脂質の熱力学的特性の変化は重大な影響を持つ。セカンド・メッセンジャの経路を邪魔するものとして知られる薬理学的試薬で細胞を処理することは、弁別器を提供する助けとなる。
多くの浸透性攻撃が時間と共にどう変化するかを知るために、これらの攻撃をシミュレーションすることができる。浸透性攻撃に対する細胞体積の伝達函数(及びその時間依存性)を導出することができる。細胞及びバスにおける電解質及び中性オスモライトは異なる組成を有する。例えば、細胞の主要な電解質がKClであり、バスのそれがNaClである場合、細胞膨張期間におけるイオン・チャンネルの開放は、KClの流出ばかりでなくNaClの同時流入をも含み、体積規制のプロセスを一層複雑にする。細胞は、タウリン(星状細胞)、グリシン・ベタイン又は糖質のような細胞質においてのみ利用可能な化合物を用いる。潅水媒体がこうしたオスモライトを含まないならば、体積規制のプロセスは、特に、長い又は複数の浸透性攻撃を伴うときには非可逆的である。しかし、この感度は制限ではないので、他の検定ツールを提供する。特定のオスモライトは、スクリーンがこれらのトランスポータに対する薬物の効果を測定することができるよう、潅水媒体に含まれ又は潅水媒体から除去されるからである。
式はオスモライトの複数の種類を含むことができ、多くの規制効果に関係し細胞体積規制にも関わる独自の分子であるタウリンの役割を特に考察することができる。Na+/Ca2+アンチポータ(赤血球)、Na+/H+アンチポータ、Cl−/HCO3 −アンチポータ、Na+−H+-2Cl−シンポータ(皮質星状細胞)その他のような特定の交換機構を考察することができる。バスの電解質組成を変えると、特定の種類の交換と体積規制を試験することができる。
細胞の膨張及び収縮の動的特徴を説明する分析モデルを、情報ネットワークからアクセスできるオプティマイザに組み込むことができる。その出力は水とオスモライトの浸透率を含む。
細胞骨格での内部歪み、膜及び細胞壁の伸張、オスモライトの有限の貯蔵を含む細胞機構の効果を測定することができる。細胞膜は球形である場合のみ張力を有し、この形状であるときのみセルとバスとの間に圧力差を維持すると仮定する。この手法は、細胞は単一の液体区画であり、膜は構造要素によって支持されていないと仮定する。機械の観点からは、こうした膜は、適切な表面(膜)張力を持つ液滴の面として視覚化される。しかし、大部分の細胞種は細胞骨格を有し、膜を細胞骨格に接続することができる。この場合、膜の異なる部分は機械的に独立であり、膜張力を維持することができる。歪んだ細胞での溶質の集合と水の活動との平衡物理化学についての他の業績を用いることができる。本発明はアップ・ショック及びダウン・ショックの下でのバクテリアの体積を測定することができるので、動的変形システムを作ることができる。
体積/圧力センサを調査する際に、形状感受性を有する機械感受性チャンネルを研究することができる。こうした場合、装置は刺激として膜張力を必要とせず、膜変形に対して反応する。このアイデアは微絨毛信号発生の概念に直接関係する。この概念によると、機能的に重要な膜トランスポータとイオン・チャンネルが特別の表面細胞小器官微繊毛内に配置される。これらの細胞小器官のチップ区画は、イオンが無制限に取り出される細胞表面上に小さな細胞周空間を形成する。入り口区画は、有効な拡散バリアを表す密に整列されたアクチン・フィラメントの束によって細胞骨格から分離される。細胞膨張のプロセスにおいて、曲率の大きな変化を伴って細胞表面に物質が補充されるならば、微繊毛は変形する。この刺激は機械感受性チャンネルをトリガーすることができる。
アクアポリン変種を含む脂質小胞における水と溶質のトランスポートの単純で高解像度のシステムのモデルを開発することができる。こうしたモデルは、必要により、弾性、流動性、固有湾曲のような機械的パラメータを含むことができる。これらのパラメータは、リソキピドやコレステロールのような、異なる幾何学的機械的特性を持つ膜要素を加えることによって物理的に修正することができる。その結果は、膜融合のプロセスにおける膜変形を記述するために開発された膜弾性エネルギの方法を用いて解析することができる。この手法において、弾性エネルギは膜の2つの主要曲率の関数として計算され、システムの進展は最小のエネルギでの変形の経路として見出される。エネルギ障壁及び遷移の可能性を計算することができる。
脂質小胞のモデルは、プロポフォールやバルビツレート麻酔薬のような薬物がアクアポリンを介して膜貫通型水流入を禁止する能力を評価するのに用いることができる。これらの薬物はこの医療的効果を赤血球細胞及び冠動脈細胞に生じさせるものとして知られている。この相互作用の興味ある特徴は、方向性の特性を有することである。これらの化合物の中には赤血球の膨張を禁止するが縮小を禁止しないものがある。この相互作用をモデル化して小胞からのデータに適用することができる。
真核細胞の体積応答を特性付けることができる。細胞を小振幅刺激(20mOSm未満)でシミュレートし、時間に対して独立である応答の線形部分を生成することができる。細胞内のオスモライトの枯渇を最小にすることができる最小の生理的食塩水の過融解による反復される短い刺激に対する体積応答を調べることができる。生理的食塩水は修正される唯一の成分であるマンニトールで非等張性にされ、潅水イオン強度は一定に保たれる。反復される刺激による同様の応答を生成する条件を観察することができる。次いで伝達函数をモデルから計算することができる。反復される刺激が定常データを生じないならば、モデル当てはめを拡張し、溶質の枯渇と細胞機構の変化を表す期間とを含むようにする。タウリンのような典型的な内部オスモライトを追加して、内生摂取機構を用いて細胞が再生するかどうかを見る試験を実施することができる。
体積応答の線形性に関する研究が存在しないので、また、機械的形質導入の熱力学の研究に基づくならば、刺激に対する「センサ」の対数的応答が予測される。振幅が増大する浸透圧ラダー(ladder)とステップを用いて、線形性を研究することができる。一般的特徴化の一部として、温度を5〜40°Cの範囲で変え、浸透圧伝達函数を計算してどの項が温度に最も敏感であるかを調べることができる。異なる温度で異なるプロセスが優勢であり、検定の柔軟性が拡張される。付着培養された異なる細胞種を検定して、結果の一般性を確立することができる。これらはHEK、MDCK、3T3フィブロブラスト、ラット星状細胞を含む。
浮遊細胞数を、他の研究に用いられる動物からは標準技術により分離されるマウスの赤血球とリンパ球を用いて試験することができる。赤血球の体積応答はよく研究されている。よく知られた浸透圧特性の中で、高張性の応力が、細胞分裂へと導く細胞内Ca2+を高めるカチオン・チャンネルを活性化することができ、生理学的クリアランスの一部であり得る。応力によって誘起されるCa2+の摂取は鎌状赤血球化に関連する損傷のファクタであるように見える。通常の細胞の反応動力学を実施した後、機械感受性イオン・チャンネルの特定の遮断物と細胞規制の効果を試験することができる。
異なる薬物の効果を選別するためのプロトタイプとして、リン酸化反応のモジュレータ、タプサガルギンやリアノジンのようなCa2+摂取及び放出、COX抑制剤、エンドセリンのようなペプチド・ホルモン、プロトフォールのような麻酔薬、ウアバインのようなポンピング抑制剤をサンプル化することができる。さらに、共通の神経伝達物質やATP、アセチルコリン、エピネフリンのような類縁物質及びそれらの拮抗薬を試験することができる。
目的は、作用場所を特定し、濃度と時間における検定感度を調べることである。薬物をまず静止細胞で試験し、次いで、非等張性の条件の下での細胞で試験して、どの条件が最高感受性をもたらすかを知ることができる。
分子生物学は異型の表現を普通にした。特定のタンパク質の体積応答に対する寄与を、細胞を既知のタンパク質に核酸を入れることによって強調することができる。これは、所望の時に体積検定を一層限定的にするにはどうするかを示唆している。特定のタンパク質やGFPのような偽物でトランスフェクトされた細胞を用いた上述の浸透圧攻撃試験を実施することができる。試験すべき最も明白なタンパク質はアクアポリンであり、これは、非等張性の刺激に対する応答において重要な役割を果たし、且つ、安全な抑制剤や活性剤が存在しない緑内障のような病状に貢献する水チャンネルである。適切に刺激されたときに細胞体積を変えることができるかについて、タウリン・トランスポータTauT、Kチャンネル、P2X族、AChRs、NMDA及びTREK―1のうちの多くのもの並びに2P領域機械感受性Kチャンネルを試験することができる。
反バクテリア剤に対するバクテリアの応答を選別するためのツールをも生成することができる。前述のように、微細流体チップはバクテリア生長速度に敏感であり、抗生物質の存在に迅速に応答する。試薬に対する細胞の応答は数分内で解析可能である。バクテリア細胞反応速度を検査するために、細胞をアップショックで縮小させ、細胞膜に含まれる体積の反応速度を監視し、次いで、定常状態に達すると、細胞をダウンショックで試験することができる。細胞を予め収縮させておくことにより、体積攻撃を強調することができる。これは、細胞膜は細胞壁によって拘束されていないからである。バクテリアの細胞壁は極めて堅く、遠心分離によるバクテリア細胞体積の従来の測定は、細胞壁と原形質膜との間に存在する流体を反映しない。細胞膜が細胞壁から引き離されて縮む、アップショックの初期段階の期間に、体積は十分であり得る。バクテリア体積の時間分解研究は当該成分に関して極めて有益である。定常状態の差は、全部の細胞遠心分離手順に従うことによって評価することができる。チャンバは、原形質膜区画に対するΔV/Vと全細胞体積の遠心分離ΔV/Vとを提供する。
混合された多くのバクテリアのための高スループット選別器としてセンサを用いるために、バクテリアをチャンバにおいて固定して薬物で攻撃することができる。バクテリアを実時間で分類して試験するために、各試験チャンバに対する特定のリガンドを用いて特定のバクテリア群を保持することができる。その後直ちに薬物潅流により平行分類を行うことができる。基礎的な手法は、電極から離してチャンバのカバー上に抗体を配置することである。各チャンバは特定の抗体によって区別され、チップ上での抗体の位置は抵抗変化と相関されるので、混合物における特定の微生物薬剤の識別を可能にする。
一般に、カバーの抗体誘導体化は、敵対的な化学的熱的環境の故に、チャンバを作るときには達成できない。陽極の固着されたカバーを用いると、固着には温度が必要である。カバーをフォトレジスト又はPDMSで固着するときには、予め誘導体化されたカバーの適用を可能にする。プラスチック・カバーを用いると、カバーを試験領域で金フィルムによって誘導体化することができ、流体経路を介してチオール試薬を導入することができ、適宜の溶液を分配してチャンバをオンチップ弁により充当することができる。シリコン・チップに対しては、カバーの内面を準備し、チップを組立て、次いで、タンパク質を所望の面に付着させる。タンパク質を面に付着させる多くの方法がある。例えば、IgGの部分と相互作用するA/Gをまず固定することができる。次いで、単クローン性の抗体を加え、A/Gタンパク質と作用させる。抗原を認識する免疫グロブリンのFab部分は自由であり、IgGが面に直接付着される場合に生じるようには面に付着するようにはならない。さらに、異なるチャンバに異なる抗体を用いて、各チャンバを所与の抗原に対して特有なものにすることができる。
カバーのシリカ面はマスクされ、次いで、チャンバの組立ての前に自由アミノ基を提供するアミノプロピル・シランで修正される。この時点でチャンバを組みたてることができ、それに続く全部の反応は適宜の溶液をチャンバに加えることによって行うことができる。次いで、アミノ基を潜在カルボキシル基を含むMSA(メチルN―スクシニミジル・アジペート)と反応させる。塩基によるその後の処理によってカルボキシル基が解放されるが、これは、安定なアミド結合を形成するEDC(1−エチルー3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドHCl)を用いてアミノ基によりタンパク質を結合させることによってタンパク質A/Gの直接付着を可能にする。この試薬は、チャンバ内での反応に最適な特質である溶水性副産物を持つという利点を備えている。A/Gタンパク質はアミン基を介して結合される。このタンパク質は反応に適したリジン(アミノ)尾部を持つものとして知られており、タンパク質を正しく方向付けるからである。この時点で抗体を導入し、面に固着させる。検定期間に抗体が分離しないように、二機能性の試薬を用いてIgGをタンパク質A/Gに対して「固定」することができる。
一般に、カバーの陽極結合は(低温での動作は可能ではあるが)高温を必要とするから、測定チャンバの上部の領域のカバーに金フィルムを設けることができる。次いで、カバーを固着し、金パッドを誘導体化する。A/Gタンパク質を、SATA(N―スクシニミジル−S−アセチチオプロプリオネート)と呼ばれる試薬と反応させることにより準備することができる。この試薬はタンパク質の自由アミノ基と反応し、保護されたスルフチドリル基を残す。保護する基が除去され、自由スルフチドリル基を持つA/Gタンパク質はチャンバ内の金面と反応できるようになる。抗体の導入は上記の方法と同じである。
誘導体化されたチャンバを、A/Gタンパク質のないチャンバを準備することによって試験することができる。A/Gタンパク質がないのだから、チャンバの抵抗の変化は細胞浮遊による潅流期間を除いて観察されない。しかし、バクテリアの中にはチャンバ壁に非特定的に付着することができるものがある。非特定的な結合バクテリアの量を幾つかの方法で測定することができる。
非特定的結合を阻止するために、チャンバをBSA又は他のバクテリアの種で潅流することができる。固定された細胞の体積は、細胞膜を消去する洗浄剤の潅流により測定することができる。また、チャンバを光学顕微鏡で観察して、拘束された細胞の数を数えることができる。
他の制御はA/Gタンパク質でチャンバを準備することであるが、抗体の追加は省略される。非特定的結合に対して適切に阻止されたチャンバにおいては、これは抵抗率の変化を生じない。最終的に、バクテリアに対して特定的ではないIgG分子を導入して測定を反復する。
バクテリアの混合群をチャンバに導入して、誘導体化されたチャンネルが適切なバクテリアを選択することができるか否かを決定することができる。この目的のために大腸菌を用いることができる。まず、大腸菌を生長させてチャンバに導入し、抗体と反応しないことを確かめる。M.カタルハリスとの混合を実施して、懸濁液にチャンバを通過させる。2つの歪みの抗生物質抵抗を選択し、保持された種に対して抗生物質応答が適切であるかどうかを調べることにより、M.カタルハリスが選択されるかどうかを決定することができる。また、DNA含有量を決定するために、実験の最後にバクテリアを除去することができる。収集されたプロテアーゼを追加することによって細胞を除去し、選択されたバクテリアに対する汚染物質の比を定量的PCRによって決定することができる。これは簡単な手順である。大腸菌は、モラクセラ属カタルハリスとは区別される規定されたシーケンスを有するプラスミドを含むからである。
バクテリアの保持の特異性が決定されると、適切な抗生物質を追加して、バクテリアの生長応答を決定することができる。複数のチャンバに同じバクテリアが固定されるとき、異なる濃度の複数の抗生物質を選別することができる。
また、チャンバを再生することができるかどうかを試験することができる。バクテリアを分離するために、コラムからの親和性浄化期間に抗体から抗原を除去するのに使用された条件を用いることができる。低pH約2〜3の緩衝溶液をチャンバに流すことができる。典型的には、これは脱離には十分であり、必要であれば、高められた温度又は穏やかな変性試薬を用いることができる。
最後に、バクテリアの混合群の感受性を決定するために、特定の抗体で事前に誘導体化され且つバクテリアを付着した平行なチャンバに抗生物質を潅流させることができる。抗生物質の投与量応答特性を評価するためには、同じバクテリアを持つ複数のチャンバを準備し、濃度を変えた単一の抗生物質で各チャンバを攻撃することができる。
また、脂質小胞の使用を試験することができる。脂質小胞は優れた絶縁物であるから、内部と外部との間の試薬の非特定的漏洩は無視することができる。特定のタンパク質を使って人工的な脂質小胞を再構成することができるので、小胞を用いて特定のタンパク質の機能や選別された試薬の伝達に対する影響を検定することができる。大きな単層状の小胞を膜押し出しとともに用いることができる。これらの小胞は、所望の脳室内溶液で水和させることによって作ることができる。これはオスモライト、トランスポータ・タンパク質のためのATP等を含むことができる。次いで、浮遊された小胞は薄められて、高いオスモル濃度を持つ試験溶液へ入れられるので、柔軟になる。次いで、小胞は非等張性溶液で刺激される。これは水及びオスモライト流束に対してシステムを敏感にすることができる。
純粋な脂質を用いて、異なる脂質で作られた大きな単層状の小胞(LUV)の体積弛緩時間を測定することができるが、小胞は浮遊状態(作るのが簡単)でも固定状態(速い流体交換)でもよい。鎖長(DLPC、DPPC、DMPC)、電荷(DPPC対DOPG対DOTAP)、フィタノイル脂質を用いた安定性、MscL及び他のペプチド再構成に用いられるアゾレクチンを変えることにより、遷移温度を変えることができる。
小胞の体積を2つの異なる技術によって試験することができる。体積チャンバを用いると、浮遊する小胞を持つ体積チャンバの抵抗及び浮遊用溶液のみを比較することができる。抵抗の変化は正味の小胞を反映する。別の同様のチェックにおいては、中性洗浄剤を懸濁液に加えて小胞を壊すことができる。この方法を独立にチェックするために、小胞にルシファ・イエローのような不透水性の蛍光染料を付け、洗浄し、既知の体積の懸濁液を中性洗浄剤を含む既知の体積の水に溶かし、蛍光計で染料の濃度を測定する標準方法を用いることができる。
実験により、浸透圧刺激の下でのLUVの体積変化の時間的経過を追うことができる。刺激は、オンチップで非等張性溶液に小胞懸濁液を混合することからなる。高張性刺激に対しては、糖質をオスモライトとして用いてイオン強度に起因する影響を回避することができる。低張性の刺激に対しては、糖質のない溶液による懸濁液を用いることができる。低張性の試験に対しては、溶解の証拠を調べることができる。薬物担体の影響を溶解と関係付けることができるからである。チャンバを直立蛍光顕微鏡のステージ上に配置することができ、チャンバ・コンダクタンスの増加による蛍光染料の喪失を観察することができる。小胞の膨張は速くはないので、流れ停止実験におけると同様に、上記は流れなしで実施可能である。
場合によっては、小胞をチャンバ表面に固定して密度に起因する変動を低減し、流体交換時間を改善し、脂質又は再構成されたタンパク質の量を減らすことが有用である。1つの方法は誘導体化されたPEG脂質を用いており、利用可能なマレイミド、アミン又はビオチン脂質を用いて、活性化された基板にPEG脂質を付着させる。結合反応速度は、チャンバに小胞を付け、小胞の無い溶液で追い出すことによって測定することができる。センサ応答時間を、浮遊された小胞および固定された小胞と比較することができる。
アンフォテリシン−Bのような微細孔形成抗生物質は、浸透圧で歪んだ膜及び冷却膜において有効であるから、浸透圧及び温度による応力の下でのアンフォテリシン−Bによる脂質小胞の試験を行うことができる。
また、再構成されたタンパク質を試験することができる。高張性刺激によって活性化されるバクテリア・トランスポータであるProPを含む小胞の体積応答を検査し、その結果を、WT又は変異されたProPを含むバクテリア自体によって取得された結果と比較することができる。アップストレスされた細胞の細胞質のおける分子集合によってProPを刺激することができる。しかし、ProPはプロテオリポソームにおいても活性化され得る。リポソームは細胞質を持たないので、プロテオリポソーム体積の精密測定は集合(crowding)の役割について有益である。
現存するプロトコルにしたがって、大腸菌ラクトース・パーミアーゼを混合した後、プロテオリポソーム体積の変化を測定することができる。ラクトース変化度及びpH変化度の関数としての正味トランスポート率を検査することができる。リポソームにおけるマルトース・トランスポータの役割を調べ、データを完全なバクテリアでの結果と比較することができる。
WTチャンネルと突然変異体Kチャンネルとを含む小胞における正味の流体トランスポートの特性を調べることができる。等浸透圧性/イオン性変化度を、小胞においてKからNaまでのレベルを変えることによって負荷を与え、且つバリノマイシンを小胞に投与して、全流体伝達率に対する膜電位の影響を確立することができる。分子運動学はK+チャンネルを通る水流束を予言していた。
アクアポリンは水流束に関係付けられ、水流束は分子モデルから予言されているのだから、チップを用いて、バックグランドの殆ど無い小胞系においてアクアポリンによって誘導された水流束を観察することができる。その結果を、アクアポリンを表す細胞において取得した結果と比較することができる。
ミトコンドリアの体積変化を特徴付けることができる。細胞のプログラムされた死であるアポトーシスとミトコンドリアの機能との間のリンクは良く記録されている。癌細胞はこのプロセスを迂回することができる。アポトーシス事象は少なくとも2つの経路と関係付けられる。興味あることに、内膜における機能的浸透率遷移細孔(PT)メガチャンネルが重要な役割を演じていることを証明した多数の研究が存在する。開かれると、この多タンパク質複合体は細胞の死を促すシトクロムcのような因子の放出へと導く。生物化学剤の放出とともに、細胞間質膨張を生じる水と溶質の流れによって、体積の変化が引き起こされる。膨張事象については多数の考察がなされているが、ミトコンドリアの体積変化は光散乱を用いて測定してきた。アポトーシスの喪失はTPアセンブリにおける欠陥によって引き起こされると考えられる。
プログラムされた細胞死を回復するための手法は、多タンパク質複合体アセンブリを改善する分子に対して小さな分子を選別することを含む。体積を測定する簡単な技術がないので、研究者は小さな分子を検定するために抽出物や人工構造物(小胞)を用いざるを得ない。本発明は小さな体積変化を測定することができるので、ミトコンドリアの体積を直接測定することができる。
本発明の手法は、現行の技術に対して2つの際立った利点を有する。クローン化されたメガチャンネルを小胞に導入してきており、このメガチャンネルは機能的であることを示したのは本当であるが、当該手法には限界がある。多くの可能な疾病状態が存在し、各個の遺伝子をまずクローン化しなければならないからである。また、無接触システムは一層複雑であり、各要素は多くのフィードバック・ループの一部であるから、1つの素子を交換すると多くの影響が生じる。本発明の手法の強みは、ミトコンドリアを細胞種から隔離し、次いで直接に試験できることである。本発明の感度は現行の方法よりも数桁大きいので、完全なミトコンドリアの反応速度応答を解析して試薬を試験することができる。
ミトコンドリアに非等張性の刺激を与えることによってチップを校正することができる。次いで、TPメガチャンネルの活動を禁止する又は可能にする薬品により、ミトコンドリアを刺激する。標準の技術を用いてミトコンドリアを隔離し、3つのうちの1つの方法でチャンバに導入することができる。第1の方法は懸濁であり、第2の方法は抗体を使用して表面にミトコンドリアを固定することであり、最後に、ミトコンドリアを柔らかなジェルに固定することである。第1の場合、ミトコンドリア懸濁液をチップ上でTP機能の作用薬と混合する(例えば、カルシウムを導入する)。ミトコンドリアを、TP開始を禁止する薬品(例えばシクロスポリンA)で攻撃することができる。第2の場合、チャンバの表面を抗体で修正してミトコンドリアを固定することができる。
表面を化学的に誘導体化する代替法は、浮遊する「細胞」をジェルに固定することである。ジェルは溶液の導電率と小さな分子の拡散に無視し得ない影響を与える。1つの準備は、ミトコンドリアをジェルにおいて準備することを含む。次いで、図19の実施の形態を利用することができる。ロッド又はファイバをミトコンドリア・ジェルで被覆し、整合チャンバに挿入する。次いで、チャンバをロッド又はファイバの周囲について試験溶液で潅流する。一般に、溶液の交換は薄いジェルに対しては迅速である(10μmの被覆については約10ms)。
以上、理解されるように、本発明の目的が効果的に達成されるが、発明に対する修正及び変更は当業者には自明であり、これら修正は特許請求される発明の精神と範囲内にあるものとする。
Claims (34)
- 細胞の体積変化を測定する方法であって、
一対の電極によって規定されたチャンバに細胞を導入して電流を測定するステップであって、前記チャンバの体積が前記の導入された細胞の体積の2〜100倍であるステップと、
第1の導電性細胞外流体を前記チャンバに導入するステップと、
前記チャンバに電流を印加するステップと、
前記チャンバを通る電流を測定して、前記第1の導電性細胞外流体に対応する第1の電流結果を得るステップと、
前記チャンバにおける前記第1の導電性細胞外流体を第2の導電性細胞外流体と交換するステップと、
前記チャンバに電流を印加するステップと、
前記チャンバを通る電流を測定して、前記第2の導電性細胞外流体に対応する第2の電流結果を得るステップと、
前記第1の電流結果と前記第2の電流結果とを、前記細胞に帰因する電流に対するインピーダンスがない状態で、前記第1の導電性の細胞外流体と前記第2の導電性細胞外流体とに対する既知の電流とともに使用して、前記細胞の体積変化を監視するステップと、
を備える方法。 - 前記細胞が前記チャンバ内に付着される、請求項1に記載の方法。
- 前記細胞がないときの前記チャンバの高さが100μm未満である、請求項1に記載の方法。
- 前記細胞がないときの前記チャンバの高さが5μm未満である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1の導電性細胞外流体を、電流測定のための一対の電極によって規定され且つ前記細胞のない第2チャンバに導入するステップと、
前記第2チャンバに電流を印加するステップと、
前記第2チャンバを通る電流を測定して、前記第1の導電性細胞外流体に対応する第1の電流結果を得るステップと、
前記チャンバにおける前記第1の導電性細胞外流体を第2の導電性細胞外流体と交換するステップと、
前記第2チャンバに電流を印加するステップと、
前記第2チャンバを通る電流を測定して、前記第2の導電性細胞外流体に対応する第2の電流結果を得るステップと、
を更に備える、請求項1に記載の方法。 - 前記第1の導電性細胞外流体と前記第2の導電性細胞外流体とのうちの少なくとも一方の導入が同時に生じるよう、前記第1チャンバと前記第2チャンバとが平行な関係で配置される、請求項5に記載の方法。
- 交換する前記ステップが、1ミリ秒よりも長い時間に生じる、請求項1に記載の方法。
- 複数の電極を備え、第1の対の電極が前記チャンバに電流を印加するためのものであり、第2の対の電極が前記チャンバを通る電流を測定するためのものであり、該第2の対の電極が前記第1の対の電極の間に配置される、請求項1に記載の方法。
- 前記第1の対の電極間の距離が可変である、請求項8に記載の方法。
- 前記第2の対の電極間の距離が可変である、請求項8に記載の方法。
- 前記第2の対の電極間の距離が5μm未満である、請求項10に記載の方法。
- 細胞の体積変化を測定するための装置であって、
電流を測定するための電極によって規定されるチャンバと、
導電性細胞外流体を前記チャンバに導入するための流入口と、
前記チャンバに電流を印加するための電極と、
を具備し、前記チャンバがそこに導入される細胞の体積の2〜100倍の体積を有する装置。 - 前記チャンバ内に配置された細胞を更に備える、請求項12に記載の装置。
- 前記細胞が前記チャンバ内に付着される、請求項13に記載の装置。
- 前記細胞がないときの前記チャンバの高さが100μm未満である、請求項12に記載の装置。
- 前記細胞がないときの前記チャンバの高さが5μm未満である、請求項12に記載の装置。
- 第1チャンバと第2チャンバとを備える、請求項12に記載の装置。
- 前記第1チャンバと前記第2チャンバとが互いに平行に配置され、前記導電性細胞外流体を同時に受け取るようになされている、請求項17に記載の装置。
- 前記流入口が第2の導電性細胞外流体を導入するようになされ、前記チャンバにおける前記第1の導電性細胞外流体を前記第2の導電性細胞外流体と交換する、請求項12に記載の装置。
- 前記の交換が1分未満の時間で生じる、請求項19に記載の装置。
- 前記チャンバが複数の電極を備え、第1の対の電極が前記チャンバに電流を印加するためのものであり、第2の対の電極が前記チャンバを通る電流を測定するためのものであり、該第2の対の電極が前記第1の対の電極の間に配置される、請求項12に記載の装置。
- 前記第1の対の電極の間の距離が可変である、請求項21に記載の装置。
- 前記第2の対の電極の間の距離が可変である、請求項21に記載の装置。
- 前記第2の対の電極の間の距離が5μm未満である、請求項23に記載の装置。
- 複数の前記チャンバを備える、請求項21に記載の装置。
- 流体流出口を備える、請求項25に記載の装置。
- 複数の流入口と複数の流出口とを備え、単一のチャンバが1つ以上の導電性細胞外流体を選択的に受け取るように構成される、請求項26に記載の装置。
- 前記チャンバがチップ上に形成される、請求項12に記載の装置。
- 前記チップが電気絶縁性の固体から形成される、請求項28に記載の装置。
- 前記チャンバが化学的エッチングによって形成される、請求項29に記載の装置。
- 細胞環境に起因する細胞の体積変化を測定する方法であって、
導電性細胞外流体が電極を接続し、前記導電性細胞外流体の体積の少なくとも3パーセントを前記細胞が変位させるように、前記細胞を前記導電性細胞外流体に配置するステップと、
印加された起電力(EMF)に起因する前記電極間の電流を測定して第1の電流結果を得るステップと、
前記細胞環境を変更するステップと、
印加された起電力(EMF)に起因する前記電極間の第2の電流を測定して第2の電流結果を得るステップと、
前記第1の電流結果と前記第2の電流結果とを用いて、細胞環境の変化に起因する前記細胞の体積変化を決定するステップと、
を備える方法。 - 細胞の体積変化を測定する方法であって、
一対の電極をもうけるステップと、
前記電極を電気的に接続する第1の導電性細胞外流体を設けるステップと、
前記導電性細胞外流体の抵抗を測定するステップと、
前記電極を接続する前記導電性細胞外流体の体積の少なくとも3パーセントを変位させるように、前記導電性細胞外流体内に細胞を配置するステップと、
前記導電性細胞外流体の抵抗を測定するステップと、
前記導電性細胞外流体の抵抗の変化を前記細胞の体積変化と相関させるステップと、
を備える方法。 - 前記導電性細胞外流体の体積の少なくとも5パーセントを前記細胞によって変位させる、請求項32に記載の方法。
- 前記交換が1秒未満の時間で生じる、請求項20に記載の装置。
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