JP2007525979A - 間葉系前駆細胞無血清懸濁培養システム - Google Patents

間葉系前駆細胞無血清懸濁培養システム Download PDF

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Abstract

非造血製、例えば間葉系前駆細胞は無血清培地中で非静的、非接着性条件下で拡大される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、細胞生物学の分野に属するものである。さらに詳しくは、本発明は分化の際に骨および軟骨を始めとする種々の結合組織を生じる間葉系前駆細胞の培養に関するものである。
特許文献1(国際出願第WO02/086104号パンフレット、2002年10月31日公開)の教示によれば、コロニー形成単位−線維芽細胞(CFU−F)および骨芽細胞(CFU−O)発達能力を有する哺乳動物、特にヒトの間葉系前駆細胞(MPCs)を、細胞が大きな塊や密集層ではなく接着しない個々の細胞として存在する非静的かつ非接触懸濁培養条件で首尾よく比較的大規模に培養および拡大することができる。そのような細胞の生存と拡大は培地に種々の成長因子および剤、例えばインターロイキン−3(IL−3)および幹細胞因子(SCF)を補給することにより改善することができる。従って、非静的、非接着懸濁培養方法が、さらなる研究用またはヒト組織工学を含む細胞ベースの治療方法のような医療用のMPCsの比較的大きな集団を生成することができる価値ある方法として確立されている。この技術も、間葉系細胞集団の接着ベースの培養の際には見られなかった独特の表現型を有する細胞の亜集団を提供する。
国際出願第WO02/086104号パンフレット
本発明の目的は、間葉系前駆細胞を含む、前駆細胞の改良された培養方法を提供することにある。
本発明において、非接着性の個々の細胞として存在する非静的、非接触状態懸濁培養条件により、前駆細胞を血清無添加培地において培養すること、すなわち維持および拡大することが見出された。従って、本発明の一実施形態によれば、前駆細胞の投入集団を非接触的、非接着性の撹拌された懸濁により無血清栄養培地中で培養する工程を含む、前駆細胞集団の培養方法を提供する。好ましくは、前記培養された前駆細胞集団は非造血前駆細胞を含み、場合によっては非造血前駆細胞が濃縮されている。他の実施形態では、前記培養された前駆細胞集団はCD45表現型を有する前駆細胞を含み、場合によってはこれら前駆細胞が濃縮されている。本発明の特定の実施形態では、前記投入された細胞集団は間葉系前駆細胞を含み、場合によってはこれら間葉系前駆細胞が濃縮されている。本発明の他の実施形態では、前記無血清培地は成長因子を含む1種類以上の剤、および/または造血前駆細胞を補給されて前記培養された前駆細胞の生存および/または拡大を助成および/または向上する。
本発明の他の態様において、本発明の培養方法により生産された前駆細胞を取得する工程、および前記前駆細胞をその間葉系細胞および/または組織への分化を促す条件下で培養する工程を含む、間葉系細胞を含む非造血細胞の集団の生産方法が提供される。
本発明では、CD45前駆細胞、特に間葉系前駆細胞を始めとする非造血前駆/幹細胞を含む投入細胞集団が血清を補給されない培地中で非静的、非接着性懸濁培養により培養される。
非静的、非接着性懸濁培養技術は、もっとも一般的には、本質的に培養された細胞が培養容器の表面に接着するのを防止する条件下で、そして好適な実施形態では、また、培養された細胞がかなりの期間にわたって相互に直接接触して凝集細胞塊、合成足場(scaffold)上に凝集した細胞塊、または融合した細胞層となることを防止する条件下で細胞を培養するように設計されている。そのような非静的、接着性培養条件を達成するために、所定の投入細胞集団を液体培地内で運動を賦与する条件下で、この目的のために確立されている装置および条件を用いて、例えば震盪またはかき混ぜによるような撹拌を用いて、またはパーコレーション(浸透)、アスピレーション(吸引)等のような流動化技術を用いて培養することができる。培養中の接着をできるだけ少なくするために、バイオ反応器を、例えばシリコーン化するなどの処理をしてバイオ反応器の内表面への細胞の接着を最小限にするのが好適である。従って、非静的、非接着性培養条件は培養された懸濁細胞をそれらの培養中に個々の細胞として維持するように設計される。
撹拌源は典型的には培地内に直接または外部から培養容器が配置される表面を通して外部から運動を導入する機械的撹拌手段である。ある実施形態では、非静的、非接着性条件はかき混ぜ手段により導入されるが、このかき混ぜ手段はバイオ反応器内に配置され、外部磁化手段により誘導される磁化された撹拌パドルを含むものであってもよい。あるいはまた、撹拌は、細胞集団を通して培養雰囲気を適切に運動させることにより撹拌を導入する流動化培養床を含む他の手段により導入することが可能である。
撹拌の強さは、培養栄養物の所望の循環を伴い細胞を実質的に個々の拡大可能な細胞として懸濁状態に維持するのに十分な強さであるが、細胞の破壊(lysis)を生じる剪断力を導入するには不十分な強さであることが分かるであろう。約40rpmの撹拌速度が好適である。
一実施形態では、培養システムは、i)インペラーをバイオ反応器の中央に液面に対して90°の角度で配置して軸流を維持し、ii)一定した混合速度40rpmを用いて細胞を懸濁状態に維持し、かつiii)攪拌機を容器の上から4分の3のところに配置して均一な混合を保証するように構成される。
非静的、非接着性培養の他の実施形態は、例えば2002年10月31日公開の国際出願公開第WO02/086104号パンフレットに記載されている。この公報の開示内容全体が本明細書において参照される。
非静的、非接着性培養のアプローチを用いて、本方法は細胞の拡大のための3次元環境を導入し、前駆細胞が拡大することが可能な環境の体積を指数関数的に増加させ、それにより、任意の与えられた時間で拡大可能な細胞の数を増加させるだけでなく、細胞がある時間にわたって拡大可能な速度を加速する。本方法では、好適な培養体積は数ミリリットル〜数リットル、例えば約0.1L〜200L超、例えば0.5L〜100L、例えば1L〜10Lの範囲にすることができる。
本発明によれば、前駆細胞または幹細胞の投入集団は補給在としての血清、例えばウシ胎児血清、馬血清およびヒト血清を本質的に含まないが、そのほかは特に間葉系前駆細胞の生存および拡大にとって本質的である成分を含む液体培地中で培養される。従って、本発明において使用される培地は他の系では未知のときとして感染性の剤を導入する原因となる血清歳暮運を欠いている培地である。
広範な液体栄養培地、例えば基本栄養培地が本発明の方法に使用するのに適している。本発明の一実施形態では、前駆細胞を、非静的、非接着性条件化で、前駆細胞の培養用に市販されている化学的に定義された培地の存在下で培養する。そのような市販の培地としては、カナダ国ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市のステムセル・テクノロジーズ社から市販されているステムスパン(StemSpan(登録商標))無血清拡大培地が挙げられる。あるいはまた、培地はダルベッコ(Dulbecco)の修正イーグル(Eagle)培地(DMEM)、イスコーブ(Iscove)の修正ダルベッコ培地、マッコイ(McCoy)の修正SA培地、最小必須培地イーグル(Eagle)、RPMI1640培地、ハム(Ham)のF12およびそれらの混合物、例えば2003年9月9日発行の米国特許第6,617,161号明細書に記載されているものであってもよい。特定の培地または培地混合物が適しているかどうかは間葉系前駆細胞の投入集団を選択された培地の存在下でここに記載された非静的、非接着性条件化で培養することにより容易に決定することができる。好適な培地は投入された間葉系前駆細胞の集団を維持し、より好ましくは拡大するものである。
本発明の好適な一実施形態では、細胞が培養される培地は、間葉系前駆細胞の生存および拡大を向上させる、1種以上の成長因子またはそれらの細胞性供給源を補給される。間葉系前駆細胞の生存または拡大/増殖が望まれる本発明の特定の実施形態では、培地は幹細胞因子(SCF)および/またはインターロイキン−3(IL−3)を補給される。より具体的な実施形態では、間葉系前駆細胞培地はSCFとIL−3の双方を補給される。他のより具体的な実施形態では、培地はSCFまたはIL−3のいずれかを補給される。繊維が細胞成長因子(FGF)を始めとする他の成長因子を添加してもよい。本明細書の実施例において指摘されているように、FGFを添加しても間葉系前駆細胞の拡大の構造が統計的に有意な程度に向上することが見られなかった。さらに、血小板由来の成長因子(PDGF)を添加しても間葉系前駆細胞の拡大には陰性の影響しかなかった。従って、本発明の実施形態では、間葉系前駆細胞培地はPDGF補給を欠いており、そして場合によってはさらにFGF補給を欠いている。
他の非造血前駆細胞タイプ、例えば正常な組織を生じるものの拡大のために、培地にPDGFをそれらの成長および拡大を支援するのに有効な量で補給される。より一般的には、本発明は、成長因子およびサイトカインを始めとする、ターゲット前駆細胞タイプに一般的な生存および増殖シグナルを与える目的で確立されたような剤の存在下で培養することを企図している。そのような剤は非静的、非接着性無血清培養条件下で、実施例に記載されたより小規模の条件を用いて容易に特定される。
従って、好適な一実施形態では、間葉系前駆細胞を含む投入集団を非静的、非接着性懸濁培養により培養する本発明方法は製造を本質的に血清補給物を含まず、それらの生存および/または拡大を向上するのに有効な量のSCF、IL−3またはそれらの組み合わせを含む栄養培地の存在下で細胞を培養することを含む。
間葉系前駆細胞または他の前駆細胞用の培地中に導入される場合、SCFおよびIL−3はSCFおよびIL−3は望ましくは、IL−3については、約20ng/mL、例えば約1〜100ng/mL、およびSCFについては約100ng/mL、例えば10〜1000ng/mLの濃度、あるいは間葉系前駆細胞の拡大の改善を生じるそれらのバリエーションの濃度で存在する。
投入集団の培養はこの目的のために別様に確立された条件下で行ってもよい。温度は生理学的範囲内であることが好適である。培養雰囲気は、望ましくは、OとCOの適切な混合物、例えば空気中に湿った5%COを含むものであることが望ましい。本明細書の実施例に反映されている好適な培養時間はある程度培養物および培養条件によって決まるが、一般的な期間、例えば約1週間以上、例えば2または3週間以上であり、それにより間葉系前駆細胞の拡大が明らかである期間を課せられる。
本培養方法は、もっとも望ましくは、細胞の接着性または錨着従属性(これは当技術においてより一般的であり、それ自体ある種の表現型の特質を、従来方法に従って培養された他の前駆細胞集団に賦与すると考えられている)に基づく任意の先行工程なしに得られる投入前駆細胞集団に適用される。
本発明方法に従って培養された細胞、すなわち投入集団は、望ましくは非造血(NHP)前駆および幹細胞を濃縮されたものであってもよい。NHP細胞は間葉系前駆細胞(MPCs)および他の非造血細胞タイプを生じる前駆細胞を含み、従ってクラスとして、治療上関心のある、神経組織、結合組織、筋肉、腱/靱帯、骨、軟骨、脂肪組織および血管内皮を含む広範囲の細胞タイプおよび組織を生じる。
本発明の一実施形態では、本発明方法はCD45表現型を有する前駆細胞を拡大するのに適用される。
好適な一実施形態では、本発明の培養方法は投入された前駆細胞集団内の間葉系前駆細胞を拡大するのに適用される。この投入集団はそのような分化を誘導する条件下で、骨、軟骨、心筋を含む筋肉、腱および脂肪を生じる骨細胞、難骨細胞、脂肪細胞、その他の間葉系細胞を生じる能力を特徴とする。表現型としては、間葉系前駆細胞は典型的にはCD45−である。
投入細胞集団の好適な供給源としては、骨髄ストロマ、ワルトン膠質、臍帯血および胎盤血、胎盤、抹消血、皮膚、脂肪組織および筋肉が挙げられる。これらの供給源から入手できる非造血前駆細胞は当技術において確立された技法を用いて抽出することができる。
本発明の一実施形態では、投入細胞集団は培養前に非造血前駆細胞が濃縮されている。これは確立された方法により、例えばロゼット−セプ(Rosette−Sep(登録商標))(ステムセル・テクノロジーズ)のような強化培地(enrichment medium)およびフィコールスピン(Ficoll spin)を用いて、またはより具体的には取り除くべき細胞型についてのマーカーに対する抗体と組み合わせたFACSに基づく分別手順により達成することができる。そのような抗体および手順並びにそのような除去を行う装置は市販されている。例えば、抽出された細胞から表現型がCD45であり、従って造血前駆細胞タイプである細胞を取り除くことが可能である。
望ましくは、そして本発明の一実施形態では、間葉系前駆細胞の投入集団はさらにCD45表現型の細胞、例えば造血結合組織の細胞を含む。従って、本発明方法においては、抽出された前駆細胞は最初に分別してCD45間葉系前駆細胞を濃縮することは必須ではない。むしろ、抽出された前駆細胞集団を全体として、非静的、非接着性培養により無血清条件下で培養を行うことが可能である。混合投入集団中の非間葉系CD45前駆細胞は間葉系前駆細胞の生存および拡大に有効な因子に寄与することができる。
本発明の方法はCD45/CD123表現型を有する前駆細胞を濃縮するのに特に有効である。従って、本発明はさらにCD45/CD123表現型を有する細胞が濃縮された、望ましくは本質的にCD45/CD123表現型を有する細胞のみからなる間葉系前駆細胞の単離された集団を提供する。
そのような単離された細胞集団は、例えばFACSに基づく細胞分別による培養され、拡大された集団の所望の細胞表現型から所望の細胞表現型を選択することにより得ることができる。
投入された前駆細胞集団から生成された細胞集団は、例えばこれらの集団が分化することができる任意のタイプの組織を修復または再生するように設計された種々の治療法において医療的に有効である。本発明の方法に従って培養された細胞はこの目的に特に有効であるが、その理由は、それら細胞は大きさが比較的小さい(約6μm)ため、一般に例えば大きさが大きいため送達が望まれる生体内部位に侵入することができない赤血球よりも小さいからである。さらに、本発明により培養された細胞は、組織培養プラスチックと接触して培養された細胞を使用する場合に形成されやすい塊または凝集体としてではなく、個々の細胞として生存および拡大する実証された能力を有し、従って個々の細胞として送達可能である蓋然性がより高い。従って、医療用途には、拡大された間葉系前駆細胞集団を分化が望まれる部位に送達するために、受容体および処方された細胞の生存能力の双方にとって生理学的に許容し得る任意の送達媒体(ベヒクル)を用いて処方することが可能である。特定の処方および好適な送達媒体は当技術において既知であり、意図されている治療法の性質から明らかになる。望ましくは、この処方はさらに、成長因子およびサイトカインのような、生存能力および/または投与された細胞の分化を向上する剤を含有する。
本発明は、さらに、それを必要とする患者に特異的に分化した細胞を投与することを含む、特異的に分化した細胞を治療に使用する方法を提供する。さらに、本発明は、内生遺伝子または外来遺伝子(transgene)を選択的に発現するための遺伝子工学により作製された多効能幹細胞の使用、および前駆細胞のそのままの、またはインビボで拡大して動物に翻訳/または投与して疾患を治療するための使用を提供する。これら細胞を用いて細胞を哺乳動物に移植することができ、これは自己由来の(autologous)、同種異系の(allogeneic)、または異種の(xenogeneic)細胞を投与して組織特異的構造的または他の機能を哺乳動物に回復または治療することを含む方法による。これら細胞を用いて細胞を哺乳同部打つに移植して、インビボでの細胞タイプの分化を引起し、前駆細胞または分化した細胞を哺乳動物に投与することができる。これら細胞あるいはそれらのインビトロまたはインビボの子孫を用いて遺伝的疾患、退行性疾患、神経性または癌疾患を治療することができる。それらを用いて歯周病の治療のための歯肉様材料を製造することができる。遺伝子工学により作製された前駆細胞、またはその分化した子孫を用いてCNS欠損または損傷を持つ疾患を治療することができる。さらい、前駆細胞またはニューロン関連の分化した子孫を用いてニューロン欠損または退行をもつ疾患、限定されないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、エイズ関連痴呆、脊髄損傷、脳または他の神経に影響する代謝病を治療することができる。
前駆細胞または軟骨分化子孫を用いて間接または軟骨の疾患、例えば軟骨裂傷、軟骨薄化(thinning)、および変形性関節炎(osteoarthritis)を治療することができる。さらに、上記細胞またはそれらの骨細胞分化子孫を用いて骨の疾患および症状、例えば骨折、変形性関節炎、骨粗そう症における組織再生用手術または癌により引き起こされる骨の欠損(bone voids)、ページェット病、および骨髄炎を治療することができる。
分かるように、前駆細胞およびそれらの拡大均等物を誘導して分化させることは当技術において確立された技法であって、所望の分化した細胞タイプに従って異なる技法を用いて達成される。骨細胞へ分化させるには、前駆細胞を約14〜21日間デキサメタゾン、β−グリセロホスフェートおよびアスコルビン酸のような補給物を含み、任意に種々の骨成長因子を含む培地中で培養することができる。骨細胞の存在はフォン・コッサ(Von Kossa)染色または骨細胞マーカー、例えば骨シアロプロテイン、オステオネクチン、オステオポンチンおよびオステオカルシンにより確認することが可能である。
難骨細胞へ分化させるには、前駆細胞を、TGF−βを補給した無血清DMEM中、約14日以上懸濁ペレット培養で成長させることができる。
脂質細胞へ分化させるには、デキサメタゾンおよびインスリン、または約20%馬血清を補給した培地を使用することができる。脂質細胞分化は、オイルレッドで染色して光学顕微鏡検査によるか、またはリポプロテイン・リパーゼ(LPL)、脂質細胞リピッド結合タンパク(αP2)、あるいはペロキシソーム・プロリフェレータ−活性化受容体γ(PPAR)の検出により検出することができる。脂質細胞をII型糖尿病の治療に、および再生または美容整形手術、例えば乳房切除(mastectomy)後の胸部再生において、または他の手術の結果失われた組織を再形成するために用いることができる。
骨格筋細胞分化を誘導するために、前駆細胞を拡大培地中で5−アザシチジンである期間処置してLTC培地に移す。分化はMyf−5,Myo−D、Myf−6、ミオゲニン、デスミン、骨格アクチンおよび骨格ミオシンの順次活性化を免疫化学またはウエスタンブロット分析により検出することにより確認することができる。平滑筋細胞も前駆細胞を、無血清培地中で、成長因子なしで、高濃度の血小板由来成長因子(PDGF)を補給して培養することにより誘導することができる。末端分化平滑筋細胞はデスミン、平滑筋特異アクチン、および平滑筋特異ミオシンの発現を標準的方法により検出することにより特定することができる。心筋分化は基本的線維芽細胞成長因子(bFGF)を標準的無血清培地に成長因子なしで添加することにより達成することができる。
従って、本発明の前駆細胞、それらの拡大均等物およびそれらの分化した子孫を細胞置換治療および/または遺伝子治療に用いて種々の症状を治療することができる。
了解されるように、本発明により提供される細胞を用いて移植用組織または器官を作成することができる。オーバープレニング等、ネイチャー・バイオテクノロジー第17巻第149−155頁(1999年)[Overprenning, et al.(Nature Biotechnology(1999)17:149−155)]はイヌの外側膀胱からの筋肉細胞と内側膀胱からのライニング細胞を培養し、これらの培養物から組織片(sheets)を調製し、ポリマー小球を筋肉細胞で外側にコーティングし、内側にライニング細胞をコーティングすることにより正常に機能する(working)膀胱の形成を報告している。次いで、この球をイヌの泌尿器系に挿入したところ、膀胱として機能を開始した。ニックラソン等(サイエンス第284巻第489〜493頁(1999年))[Nicklason,et al.,Science(1999)284:489−493]は培養した平滑筋および内皮細胞か種々の長さの血管グラフト材料の製造を報告している。培養した細胞空組織層を形成する他の方法が当業者に知られている(例えば、バカンティ等、米国特許第5,855,610号明細書参照)。これらの方法は広範囲の分可能を有する本発明の細胞と組み合わせて使用した場合に特に有効である。
上記細胞は、単独またはそれらの培養用の予め包装された培地および補給物と組み合わせて、凍結ストックとして提供することが可能であり、また、さらに別個に包装された、特異的細胞タイプに分化を誘導する有効濃度の適切な因子と組み合わせて提供することが可能である。あるいはまた、上記細胞は上述の方法により分化を誘導された細胞を含有する」凍結ストックとして提供することが可能である。
本発明の特定の実施形態では、拡大された前駆細胞および特に拡大された間葉系前駆細胞は骨の治療に利用される。このために、上記細胞をそのまま、または適切なマトリックス、例えば足場、液体またはゼラチン材料とともに注入により目句はペーストとして適用することにより骨の形成が望まれる部位に送達することができる。あるいはまた、上記細胞は体外から例えば上述のCFU−O条件により例示される分化環境に置き、次いで、それらの骨組織への分化が適切に成熟した段階に達した時に目的の部位に移植することができる。
本研究は種々の可溶性因子の候補を無血清条件下で鋭意検査してMPC集団の懸濁状態の成長影響する最適化された可溶性因子の組合せを得たものである。これを達成するために、要因計画法(factorial design approach)(ボックス等(Box et al.)、1978年)を実施してMPCの拡大にプラスの効果を有する重要な可溶性因子の組合せをスクリーニングした。具体的には、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、幹細胞因子(SCF)およびインターロイキン−3(IL−3)並びにそれらの各2個の可能な組合せを全細胞、CFU−FおよびCFU−O拡大についての効果を評価した。FGFおよびPDGFをこれらの研究用に選んだが、それらが血清含有条件および無血清条件のいずれにおいても間葉系細胞(CFU−Fとして検出される)の補充と成長の双方を促進することが示されているからである[ビアンキ等(Bianchi et al.)、2003年);ツツミ等(Tsutsumi et al.)、2001年;クズネツォフ等(Kuznetsov et al.)、1997年a;グロントスおよびシモンズ(Gronthos and Simmons)、1995年b;ホックおよびカナリス(Hock and Canalis)、1994年;ヒラタ等(Hirata et al.)、1985年b]。IL−3とSCFは、典型的には間葉系細胞の成長を促進するのに使用されていないが、ここではSCFとIL−3の組合せ(たとえ血清の存在下でも)が懸濁培養するとCFU−FおよびCFU−Oを顕著な拡大を示したという従前の結果に基づいて検討した。これらの分析からIL−3はMPCsの生存に対するもっとも有効な促進剤であること、およびSCFと組み合わせると、懸濁状態のMPCsの拡大を支援することが分かった。重要なのは、これらの知見から無血清懸濁培養条件で間葉系前駆細胞タイプを成長する独特の能力を実証していることである。
材料および方法
ヒト骨髄由来細胞の単離
ヒト骨髄吸引物を正常ドナー(n=3;女性ドナー2名:年齢37歳および38歳;男性ドナー1名:25歳)の腸骨稜(iliac crest)から得た。上記骨髄吸引物をフィコールパック(Ficoll−Paque(登録商標))勾配(シグマ社、ミズーリー州セントルイス市)上で先に報告したように分画した。回収された細胞を計数し、6ウェルプレートのウェル当りステムスパン(StemSpan(登録商標))(無血清)培地4ml当り1×10個の細胞密度で植えた。
無血清培養
CFU−F検定
懸濁物由来細胞(および投入細胞)のCFU−F能力を、セントカルト(MesentCult(登録商標))培地(ステムセル・テクノロジー社)中の供試細胞のアリコート(1000細胞/cm)を24ウェルまたは35mmポリスチレン製組織培養プレートに37℃で5%湿潤COを用いて植えることにより決定した。培地を3〜4日毎に交換した。14日間インキュベーションした後、培養を終了し、α−ナフチルアセテート・エステラーゼ活性を染色した(シグマ社、カナダ国オンタリオ州オークビル市)。次いで、培養物をギムザ修飾溶液(シグマ社)で染色して細胞核および細胞質を可視化した。次いで、>50 αナフチルアセテート・エステラーゼ陰性細胞を含有する線維芽細胞のコロニーを数えた。なお、CFU−F検定はαナフチルアセテート・エステラーゼ陽性細胞またはコロニーを含むことは非常にまれである。
CFU−O検定
CFU−O能力を、0、7、14および21日目の供試細胞のアリコート(1000細胞/cm)を24ウェルまたは35mmポリスチレン製組織培養プレートに植え、37℃で5%湿潤COを用いてインキュベーションすることにより決定した。造骨培地はα−MEM(メディアム・プレパレーション・サービス、トロント大学、カナダ国)、15%牛胎児血清(ステムセル・テクノロジー社)および10%抗生物質/抗菌剤溶液(167単位/mLペニシリンG、50μg/mLゲンタマイシン、0.3μg/mLアンホテリシンB)を含み、50μg/mLのL−アスコルビン酸(シグマ社)および3.5mMのβ−グリセロリン酸ナトリウム(シグマ社)を補給したものである。培養33日後に、ddHO中9μg/mlのテトラサイクリンを培養物に35日目が終了する前に最後のリフィード(re−feed)において添加し、細胞により堆積された新しく石化されたマトリックスをUV−蛍光顕微鏡法により可視化する技法とした。次いで、全35日の期間の経過後、培養を終了し、引き続きテトラサイクリンに対して陽性を示す骨芽細胞(CFU−O)のコロニーを数えた。あるCFU−O培養物はフォン・コッサ染色の後にアルカリ性フォスファターゼでも染色した。代表的培養物をSEM分析用に調製して形成されたマトリックスを可視化した。
要因計画
2段階要因計画マトリックス(ボックス等、1978年)を構築して(表4.1)、FGF、PDGF、SCFおよびIL−3並びにそれらのそれぞれ2個の可能な組合せの全細胞、CFU−FおよびCFU−O拡大に対する効果を評価した。この要因計画研究では、最適(高)または零薬用量レベルをPDGFおよびFGFについて、PDGFおよびFGFは20〜100ng/mLの濃度においてCFU−F形成能力で検定するとヒト間葉系幹/前駆細胞の拡大を促進すると報告している、従前の研究(グロントスおよびシモンズ、1995年b;ワング等(Wang et al.)、1990年)に基づいて選択した。これらの研究では、20ng/mlの薬用量レベルをSCFおよびIL−3について選択した。
結果
IL−3およびSCFは無血清条件において全細胞、CFU−FおよびCFU−O拡大を支援する。
無血清懸濁培養構成を発展してより完全に可溶性因子の懸濁液におけるMPC成長に対する特異的役割を特徴付けるために、FGF、PDGF、SCFおよびIL−3を、単独または組み合わせて、それらの懸濁液における全細胞、CFU−FおよびCFU−Oの製造ンおよび拡大を支援する能力についてスクリーニングした。7、14および21日目に、細胞の総数を計算し、CFU−FおよびCFU−O検定を各条件から由来する細胞を用いて開始した。研究結果(すなわち、全細胞、CFU−FおよびCFU−O拡大)中最大の拡大がSCF+IL−3およびSCF+IL−3+PDGF処置条件において達成され、一方単一因子群において最小の成長が見られた。重要なのは、無血清系で得られた結果が血清含有培養において記載された結果と比較可能であることである。
SCF、IL−3、PODFGおよびFGF間の相互作用効果
21日目における生産量応答(すなわち、全細胞、CFU−FおよびCFU−O拡大)変異の端変量解析(単変量ANOVA)および線形回帰分析をSPSS11.0を用いて実行した。全細胞、CFU−FおよびCFU−O拡大に対する単一因子陽性効果はSCFまたはIL−3が添加された場合の条件においてのみ特定された。PDGFおよびFGFは、全細胞、CFU−FおよびCFU−O拡大に対して有意の(陽性の)影響を与えなかった。興味深いことに、FGF+SCF+IL−3の組合せは、全細胞、CFU−FおよびCFU−Oを0日目の数値に対して拡大(>1倍)している。しかしながら、SCF+IL−3処置群とSCF+IL−3+FGF処置群の間には統計的有意差はみられなかったことから、FGFの存在は懸濁液においてMPC拡大をSCF+IL−3が組み合わされて存在することにより達成されるレベルを越えてさらに促進はしないことを示唆している。注目すべきことに、全ての成長因子の組合せ(SCF+IL−3+PDGF+FGFに由来する細胞は懸濁培養7日後にCFU−Oを生じない。
PDGFをSCF+IL−3の組合せに添加すると統計的に有意な陰性β値(−0.764)がCFU−O拡大について得られた。しかしながら、計算された拡大倍率は>5倍であった。
MPCsの拡大に対するIL−3の重要性
SCFおよびIL−3の双方を含有するサイトカインの組合せは研究した結果に対して有意な陽性効果を生じた。これらの成長因子のそれぞれについて試験結果に対する個々の寄与を具体的に決定するために、相互作用プロットを構築した。これらはSCFとILの間に全細胞拡大について相互作用効果があることを示唆しているが、SCF単独は全細胞拡大に対して有意な影響を示さなかった。逆に、20ng/mlのIL−3が存在すると全細胞に対する効果は陽性となった。
さらなる例示
上述の実施例はCFU−FおよびCFU−Oを形成する能力を有する細胞は非接触、無血清条件において増殖することができることを示している。無血清懸濁培養システムの発達によりMPCsの成長に対する特異的な内生的および外生的因子の効果の検査が促進される。従って、本研究において、IL−3の懸濁液中のMPCの拡大に対する特異的役割を検査した。IL−3作用の一つの可能なメカニズムはMPCs自体の上に存在するCD123受容体(IL−3α受容体)に直接結合することによる。あるいはまた、IL−3はMPC全細胞、CFU−FおよびCFU−O拡大に対して、CD123受容体の表面発現については多くの報告がなされている造血細胞(CD45細胞)に結合および作用することにより間接的に作用することで影響を与えている。この受容体の結合およびそれにより生じるシグナルカスケードがIL−3促進造血細胞による二次的効果および可溶性因子の放出を導き、この可溶性因子が引き続きMPCを促進している可能性が考えられる。IL−3がCFU−FおよびCFU−Oを発達させる能力を有する非造血細胞に作用するという仮説を直接検証するために、CD45細胞を、CD45細胞の不存在下で、100ng/mlのSCFおよび20ng/mlのIL−3の存在する懸濁液中で培養した。分別されたCD45細胞集団のフローサイトメトリーによる分析によると、21日間懸濁培養後に顕著な数のCD45CD123細胞が出現することが分かる。このCD45分別集団について細胞分別すると、CD45CD123細胞の亜集団がCFU−FおよびCFU−Oを生じる能力を、培養拡大を通して有していることが示された。これらの知見から、CFU−Fを生じる能力を有するMPCsは表現型がヘテロであることが分かる。CD45CD123細胞集団からのCFU−FおよびCFU−Oの収率は研究期間全体にわたって増加したことから、IL−3はCD123受容体発現細胞と相互作用してそれらの増殖がもたらされることを示唆している。さらに、これらの研究は、意外にも、MPCsがCD45細胞の不存在下で成長されると検出可能なCFU−FおよびCFU−Oの数は顕著に低いことが分かった。これらの結果は、造血細胞はMPCsの成長に影響する1種以上の因子を、もしかすると外生的サイトカイン、例えばIL−3およびSCFの追加に応答して、分泌することを示唆している。従って、懸濁液中におけるMPC拡大は造血細胞により(それらによる因子の内生的分泌を介して)そして培地へのIL−3の外生的補給により調節されると結論することが可能である。
さらに詳しくは、CFU−Fとして検出される接着性由来の間葉系幹細胞(MSCs)は多数の特異的可溶性成長因子(グロントスおよびシモンズ、1995年b)により調節を受ける。PDGF−BB、EGFおよびbFGFは無血清条件下でコロニー成長を支援する最大の能力を有することが示されている(ビアンキ等、2003年;クズネツォフ等、1997年a;グロントスおよびシモンズ、1995年b;ヒラタ等、1985年b)。しかしながら、PDGFおよびFGFは懸濁液中のMPCsの成長に対して有意の影響を持たないが、一方IL−3はCFU−FとCFU−Oに対してもっとも強力な影響を有する。正常な造血においては、IL−3は細胞周期の進行および分化を促進するが、一方では造血細胞のアポトーシスを素子する。詳しくは、IL−3はCD34前駆細胞の成長および好塩基球およびマスト細胞、ミエロイド由来樹枝状細胞DCsおよび非ミエロイド由来DCsへの分化において重要な役割を果たしている[マルチネス−モスゲンバおよびヒューストン(Martinez−Moczugemba and Huston)、2003年からまとめた]。IL−3の作用の原因となる細胞はCD123(IL−3α受容体)を発現し、典型的には造血結合組織型である(すなわち、CD45を発現する)(ムノス等(Munoz et al.)、2001年;フアング等(Huang et al.)、1999年;ド=グロート等(de Groot et al.)、1998年)。正常ヒト骨髄では、CD123は全有核細胞の0.27%において発現されることが示されている。しかしながら、CD123は骨髄の種々の細胞コンパートメントにおいて異なる発現レベルを示す(ムノス、2001年)。例えば、前駆コンパートメント(CD34細胞)の〜53%、ミエロイド・コンパートメント(CD34CD33C19細胞)の〜63%、およびリンホイド・コンパートメント(CD34CD33CD19CD10)の0%がCD123を正常ヒト骨髄において発現する(ムノス等、2001年)。現在、骨髄が、CD123を発現する間葉系発達能力を有する非造血細胞を含有することを示唆する証拠はない。しかしながら、ピッテンガー等(Pittenger et al.)(199年)(補遺)は接着に基づく骨髄由来間葉系幹細胞はCD123を発現することを報告している。これらの研究はCD123の機能的役割を記載しておらず、本発明者は類似の接着由来細胞の培養がIL−3の補給により影響されないことを示した。さらに、接触培養条件下で成長された細胞はCD123の検出可能な発現を欠いており、IL−3は接着由来MSCsの成長に対する有糸分裂促進剤(mitogen)ではないことを示唆している。
注目すべきことに、CFU−FおよびCFU−Oを形成する能力を有する、懸濁培養されたMPCsの数の維持がIL−3の直接的応答として観察されることから、IL−3はMPCs上のCD123受容体との直接的相互作用によるか、または、まず可溶性因子を放出する造血細胞上のCD123に結合し、次いでMPCsの生存および/または成長を促進することによって間接的に相互作用することによりMPC成長に影響することが考えられることを示唆している。従って、現在の研究はIL−3が、CD123を発現する懸濁成長したMPC集団と直接相互作用し、それらの懸濁液中における増殖をもたらすという仮説を検証するように設計されている。IL−3は造血細胞(CD45細胞)におけるシグナルを形質導入することがよく報告されている(マックアダムズ等(MacAdams et al.)、1996年;ブラント等(Brandt et al.)、1994年)。従って、合併症および造血細胞(CD45細胞)および非造血細胞(CD45細胞)の間の相互作用の可能性を除去し、直接的IL−3−MPC相互作用の仮説を検証するために、非造血細胞(CD45細胞)を単離し、SCFおよびIL−3を補給した無血清懸濁培地で成長させた。フローサイトメトリーを用いて分別されたCD45細胞集団上についてCD123発現を速度論的に追跡した。得られた結果から、IL−3およびSCFの添加に直接応答してCD45CD123細胞集団の拮抗的出現が明らかである。CFU−FおよびCFU−O発達能力を分別されたCD45細胞集団から単離した精製CD45CD123亜集団から決定した。詳しくは、それぞれ〜35%および〜21%の全達成可能なCFU−FおよびCFU−OがCD45CD123細胞亜集団から回収することができた。これらの結果は表現型の不均一が想定される間葉系幹コンパートメントに存在することを示している。特に重要なのは、これらの研究からも、造血細胞との共培養の結果CFU−FおよびCFU−Oの数が増加しており、造血細胞からの内生的に生成された因子もMPCsの懸濁液中の成長に影響することを示唆している。この研究はIL−3および造血細胞から内生的に分泌された因子が懸濁液中のMPCsの成長に対して独特の調節的役割を持ち、この造血細胞培養(すなわち非造投入血細胞と投入造血細胞の双方を導入する)懸濁液システムを使用してより十分にMPCs形成コロニーの生産量を向上する可能性を提起している。
材料および方法
未分別CD45、CD45細胞を用いて開始した無血清懸濁培養
懸濁液中のmPC成長の調節を明確に研究し、造血細胞の存在による交絡的影響を除去するために、BM MNCsのCD45細胞画分を単離した。正常ドナー(n=3)からのBM MNCsを飽和濃度(1:100希釈)の共役マウスIgG抗ヒトCD45FITC(BDバイオサイエンシズ(BD Biosciences)社)と共にインキュベーションし、そしてCD45陰性および陽性細胞の双方をベックマン−コウルターEPICSセルソーター(Beckmann−Couter EPICS CEll Sorter)社(カナダ国)で2000〜3000細胞/秒の速度で、10.5psiで純度99.5%まで分別した。撹拌懸濁培養(n=3、各グループ)を未分別のCD45およびCD細胞を用いて開始し、CD45およびCD45細胞を、20ng/mlのIL−3および100ng/mlのSCF(n=3)を補給したステムスパン(StemSpan(登録商標))培地(製品#09650、ステムセル・テクノロジー社、カナダ国ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市)で培養した(無サイトカイン懸濁培養を各グループについて並行して行った)。ステムスパン(StemSpan(登録商標))培地は必要な血清代替成分(すなわち、アルブミン、rhインスリン、ヒトトランスフェリン、2−メルカプトエタノール、L−グルタミンおよびイスコーブのmDM)をすべて含有している。7、14および21日目において、細胞の総数を計数し、各条件からの試験細胞集団をCFU−FおよびCFU−O検定(n=3、3重)において開始した。フローサイトメトリーを用いて21日間の研究期間の間のCD45およびCD懸濁際オブ集団の相対的百分率を追跡した。
懸濁由来CD45CD117およびCD45CD123細胞のフローサイトメトリー分別
7、14および21日目に、0日目(投入)にCD45細胞を用いて開始した懸濁培養(無サイトカインおよびSCF+IL−3処置グループ)からの細胞を飽和濃度の共役マウスIgG抗ヒトCD45FITCおよびCD123−PE(IL−3α受容体)およびCD117−PE(SCF受容体)(BDバイオサイエンシズ(BD Biosciences)社)と共にインキュベーションしてCD45CD123細胞およびCD45CD117細胞をベックマン−コウルターEPICSセルソーター(Beckmann−Couter EPICS CEll Sorter)社(カナダ国)で2000〜3000細胞/秒の速度で、10.5psiで純度99.5%まで分別した。これらの細胞集団のCFU−FおよびCFU−O発達能力を検定した。
統計的解析
スチューデントのt−検定により指示されているようにペアワイズ統計比較法を行った。差はp<0.05で有意であると考えられた。
結果
未分別およびCD45細胞集団のフローサイトメトリー追跡
無血清条件で100ng/mlのSCFおよび20ng/mlのIL−3の存在下撹拌懸濁培養においてCD45細胞を開始した。各時点(0日目を含む)で、CD45を用いて開始した懸濁培養におけるCD45の発現を、フローサイトメトリーを用いて追跡して細胞集団が比較的均一なCD45表現型を維持していることを確かめた。フローサイトメトリー分析により、CD45を用いて開始した懸濁培養は>97%のCD45表現型を21日の培養期間にわたって維持した(0日目:99%CD45細胞)。平均して、〜1%の細胞がCD45抗体を発現した。
CD45細胞およびそれらの内生的分泌因子の存在が懸濁液におけるCFU−FおよびCFU−O拡大に影響する
7、14および21日目において、無血清条件下で100ng/mlのSCFおよび20ng/mlのIL−3を補給して成長した未分別CD45、CD45骨髄由来細胞を用いて開始した撹拌懸濁培養から試験細胞を除去した。生存細胞の総数を計算し、CFU−FおよびCFU−O発達能力をこれらの集団から検定した。未分別およびCD−分別細胞を用いて開始した懸濁培養から単離された細胞はCFU−FおよびCFU−Oの離散コロニーを生じた。これらの細胞画分(未分別対CD45分別細胞)からのCFU−Fコロニー・サイズにはいずれの研究時点においても有意差が認められなかった。平均CFU−Fコロニー・サイズの7.2±1.9mmおよび6.6±1.2mmを未分別およびCD45−分別細胞集団からの7日目に由来する細胞からそれぞれ計算した。懸濁液中で成長した細胞のCD45分別亜画分からはCFU−FおよびCFU−Oの発達はいずれも見られなかった。
全細胞、CFU−FおよびCFU−Oの投入数に対する拡大倍率を計算すると、未分別細胞グループ[CD45とCD45細胞の双方を含有する(>60%の未分別細胞画分はCD45であった)]が全細胞、CFU−FおよびCFU−O細胞がCD45分別細胞集団から得られた数と比べてすべての研究時点で高倍率の増加を生じている。未分別細胞グループおよびCD45分別細胞グループの間で種々の時点において全細胞、CFU−FおよびCFU−Oにおける拡大倍率に関して統計的有意差(p<0.05)が計算された。最小CFU−FおよびCFU−Oの成長がCD45細胞の不存在下で観察された。しかしながら、意外にも、平均で58±11%のCFU−FおよびCFU−O発達能力の増加が研究期間にわたってCD45細胞がCD45細胞の存在下で培養されたときに観察されたが、このことは造血細胞画分と非造血細胞画分との間に相互作用が存在することを示唆している。
IL−3はCD45CD123細胞の成長を促進する
SCF+IL−3をインキュベーションするとCD123を発現する細胞の百分率が顕著に増加した(すなわち、7日目と21日目の間で)。CD45CD123細胞の相対的発現率は3.5±1.3%(7日目)から21日目までに8.9±2.3%に増加した(CD45 0日目投入細胞の4.7±1.2%がCD123を発現した)。
フローサイトメトリーを用いて懸濁培養中に生成されたCD45CD123細胞の総数を計算した(図1)。CD45CD123細胞の数の減少が0日目から7日目に観察されたが、これはこれらの培養条件かで支援されなかった細胞のアポトーシスによるものであると考えられる。しかしながら、7日目後のCD45CD123細胞では、有意な(p<0.05)数の増加が見られ、かつ全CD45CD123細胞において7日目の値に対して〜12倍の増加が21日目までに見られた。
CD45細胞もそれらのCD117(SCF受容体)の発現について評価した。フローサイトメトリー分析により、全CD45集団の<1%はCD117であることが分かった。さらに、懸濁培養7日目に単離されたCD45CD117細胞はCFU−FおよびCFU−Oを生じなかった。さらに、CD45CD123CD117細胞および/またはCD45CD123CD117細胞集団の存在がこれらの研究では検出されなかった。これらの結果から、SCFはCD45細胞画分かにおいて単離された懸濁培養されたMPCsとは直接相互作用しないことが示唆される。しかしながら、SCFがIL−3の活性を向上させるという観察に基づくと、SCFgaMPCsの成長を支援する他のメカニズム(すなわち、造血細胞およびMPCsを標的とする内生的因子の放出による)が関与していることが考えられる。全体的には、これらの結果は懸濁培養におけるMPCsの拡大を向上させるIL−3の能力を実証し、その作用が起きるのは、MPCsを発現するCD123と直接相互作用することを介して、および/またはCD123造血細胞との相互作用およびそれに続く可溶性因子の導出により間接的に、そしてこれら可溶性因子がMPCsと直接的に相互作用して懸濁培養拡大を容易にすることによることが示唆される。
CD45CD123懸濁由来細胞のCFU−FおよびCFU−O発達能力
CD45CD123細胞(CD45懸濁細胞培養から単離された)をCFU−FおよびCFU−O検定で7、14および21日目に試験した。CD45CD123細胞集団内のCFU−FおよびCFU−Oの頻度を懸濁培養の7、14および221日後にこれらの検定結果から決定した。懸濁培養7日目までにCD45CD123細胞10個の内、〜1がCFU−FおよびCFU−Oを形成する能力を有していた(図2)。投入(0日目)骨髄由来CD45CD123細胞からはそれぞれの機能検定において使用された細胞播種希釈率(すなわち、1×10細胞/cm)において、CFU−FおよびCFU−Oはいずれも検出されなかった。
21日間の培養期間にわたるCD45CD123細胞画分において回収されるCFU−FおよびCFU−Oの収率を追跡したところ、CFU−FおよびCFU−O双方の21日目の値の7日目の値に対する数が統計的に有意(p<0.05)に増加していることが分かった(図3)。しかしながら、各検査時点のそれぞれにおいて得られたCFU−FおよびCFU−Oの数の間には統計的に有意の差が検出されなかったことから、CD45CD123細胞集団はIL−3に応答する特異的細胞タイプを含有しており、それがCFU−FおよびCFU−Oの双方を生じる能力を有していることが示唆される。
検討
MPCsを無血清懸濁培養条件で培養することが可能であること、そしてIL−3はMPCsの成長の重要な調節剤出あることが分かった。IL−3がその作用をMPCsに及ぼす考えられるメカニズムは間接的に造血細胞(CD45)を介してであり、それらが引き続き因子を放出し、これら因子がMPCsを特異的に標的とすることによる。しかしながら、MPCsに直接作用するIL−3の考えられる作用を調査したところ、MPCsは成長し、CD45細胞(すべてのCD45細胞を欠く)無血清懸濁培養条件でSCFおよびIL−3を補給して培養した。フローサイトメトリー分析により、>97%の細胞が懸濁培養中、CD45表現型を維持することが確認された。SCFおよびIL−3を用いてインキュベーションすると、21日目までにCD45CD123細胞の百分率と総数が顕著に増加したことから、CD45CD123細胞の成長はこれらの条件下で支援されていることが示唆される。重要なのは、本発明により、CD45細胞画分は少量(%)のCD123細胞(範囲:7日目および21日目において、それぞれ〜4.0%から〜11%)を含んでなることを実証し、7、14および21日後のCFU−FおよびCFU−Oを形成する能力を実証したことである。0日目のCD45CD123細胞画分にはCFU−FおよびCFU−Oが検出されないことから、CFU−FおよびCFU−Oを生じる細胞は骨髄中に非常に低い頻度で存在するか、あるいは多分、懸濁培養の時間が長くなるとMPCsがこの表現型を「獲得」することが示唆される。
本発明の種々の実施形態を実施例により詳細に説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更および改変を加えることができることは当業者には明かである。本発明はそのような変更および改変も請求の範囲に包含するものである。
図1は100ng/mlのSCFおよび20ng/mlのIL−3を補給した無血清懸濁培養条件で生成されたCD45CD123細胞の総数を示すグラフである。二重蛍光標識法をCD45とCD123に用いてCD45細胞で開始された懸濁培養中のCD45CD123細胞の百分率を追跡した。これらの値を用いて懸濁培養の全期間中に生成されたCD45CD123細胞の総数を計算した。*印のものには統計的有意差(p<0.05)が認められた。各データ点は平均値±SD(n=3)を表す。 図2はCD45CD123懸濁に由来するCFU−FおよびCFU−Oの発達を示す図である。CD45CD123分別細胞(CD45−撹拌懸濁培養において成長されたもの)をCFU−FおよびCFU−O検定培地において7日間懸濁培養した。(A)CFU−F検定資料をギムザ染色して線維芽細胞の離散コロニーを可視化した。一方、(B)CFU−O検定資料をテトラサイクリン(TC)を用いてUV蛍光顕微鏡法で新たに形成された骨結節(白い領域として見える)を可視化した。代表的走査電子顕微鏡写真から、CFU−O検定条件下で成長したCD45CD123分別細胞由来の(C)セメント行列堆積(矢印)および(D)コラーゲン石化(矢印)が分かる(CおよびDのF.W.:53μmおよび21μm)(なお、CFU−FおよびCFU−O検定は1×10細胞/cmを用いて開始した)。 図3はCD45細胞で開始された懸濁培養中で成長させたCD45CD123細胞から生成されたCFU−FおよびCFU−Oの総数を示すグラフである。各時点におけるCFU−FおよびCFU−Oの絶対数はCFU−FおよびCFU−O検定において検出されたそれらの頻度に各時点における培養中に存在するCD45CD123細胞の総数を掛けることにより決定した。各符号は平均±SD(n=3)を表す。統計的有意差(p<0.05)が7日目および21日目のCFU−FおよびCFU−Oの双方の収率に見られた(*を付した)。なお、投入(0日目)骨髄由来細胞から単離されたCD45CD123細胞から検出された。 図4は、1E5個の細胞を植えた35mmディッシュ中で血清含有条件および無血清条件の双方において計数されたCFU−Oコロニーの比較を示すグラフである。各時点におけるCFU−Oコロニーの数は血清含有条件における数よりも大きいことが分かる。さらに、計数されたCFU−Oコロニーの数の増加率は無血清条件においてより大きい。

Claims (9)

  1. 非造血前駆細胞の投入集団を非静的、非接着性懸濁により無血清栄養培地中で培養する工程を含む、前駆細胞集団の培養方法。
  2. 前記投入集団はCD45表現型を有する前駆細胞である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記投入集団は間葉系前駆細胞である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記無血清栄養培地は幹細胞因子、インターロイキン−3およびそれらの組合せから選ばれた因子を補給されたものである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記無血清栄養培地はインターロイキン−3を補給されたものである、請求項3に記載の方法。
  6. 前記投入集団は、CD45前駆細胞の集団をさらに含む、請求項3に記載の方法。
  7. 前記投入細胞集団は、前記前駆細胞集団を拡大するのに十分な期間培養される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法により生産された前駆細胞を取得する工程、および
    前記前駆細胞をその分化を促す条件下で培養する工程
    を含む、分化した非造血細胞の生産方法。
  9. CD45/CD123表現型を有する間葉系前駆細胞の単離された集団。
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