JP2007524647A - 新規内部寄生菌に関する組成物および使用方法 - Google Patents

新規内部寄生菌に関する組成物および使用方法 Download PDF

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ガリー エー. シュトローベル,
デニス シー. マンカー,
ジュリエン メルシェ,
ジョージ ヒメネス,
チーアン−エル “ジョン” リン,
ジョナサン サーストン,
バリー ケースティング,
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ガリー エー. シュトローベル,
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Abstract

本発明は、Muscodorという名前の新規内部寄生真菌に関連する殺虫薬として有効な組成物を提供する。特に、本発明は、Muscodorの商業的に有用な調合物およびそのような調合物を調製する方法に関連する。それはまた、様々な基質において増殖させたMuscodorから分離可能な揮発性有機化合物の、様々な合成殺虫混合物を提供する。微生物、昆虫、および線虫のような有機体、またはその居住環境を上記のMuscodor関連組成物に曝露ことによって、そのような有機体の増殖を阻害する方法も提供される。

Description

(関連出願に関する相互参照)
本出願は、2003年4月4日に提出された米国特許出願10/408,209の35U.S.C.§120のもとに利益を請求し、それは今度は2002年4月11日に提出された米国特許出願第10/121,740の35U.S.C.§120のもとで利益を請求し、それは今度は2001年4月16日に提出された米国仮出願第60/283,902、および2002年3月11日に提出された米国仮出願第60/363,072号のもとで利益を請求する。これら出願の内容は、本明細書により本開示へ参考として援用される。
(使用の分野)
本発明は、微生物学および殺虫薬の分野に関連し、そして収穫前および後に植物に、および建築物材料に有害な影響を与える、微生物、昆虫、および線虫の増殖を阻害する組成物および方法を提供する。特に、それはMuscodor albusに基づくまたはそれ由来の組成物、およびそのような組成物を殺虫薬として使用する方法に関連する。
(発明の背景)
様々な出版物または特許が、本出願を通してカッコ内で言及される。これらの出版物または特許それぞれは、本明細書中で参考文献に組み込まれる。文章において与えられないなら、各出版物に対する完全な引用が、明細書の最後、請求の直前に述べられる。
様々な微生物が生物学的活性を示して植物の疾病をコントロールするために有用であることが周知である。作物学的および園芸学的に重要な様々な植物の疾病をコントロールするために生物学的殺虫薬を同定および開発する分野において進歩があったが、使用されている殺虫薬のほとんどは依然として合成化合物であり、それらはEPAによって発癌性物質として分類され、そして野生生物および他の非標的種に対して毒性である。例えば、臭化メチルは、土壌燻蒸剤として、および収穫後の害虫を処理するために広く使用されている。そのヒトおよび動物に対する高い毒性およびその環境に対する有害な影響のために、臭化メチルの使用はまもなく排除される。従って、これおよび他の合成殺虫薬のより安全な代替物を見つける、大きな必要性が存在する。
(発明の要旨)
本出願人らは、臭化メチルの代替物およびその使用方法を発見した。特に、本出願人らは、(1)有効な殺虫薬である揮発性副産物を産生する、Muscodorと呼ばれる新規内部寄生真菌の商業的に有用な調合物、および(2)1つまたはそれ以上のこれら揮発性副産物からなる合成殺虫混合物を発見した。
本発明の1つの局面は、微量元素および安定化剤を含む安定な微小環境に接着したMuscodor培養菌を含む、商業的に現実味のある、殺虫薬として有効なMuscodorキャリア調合物である。この調合物は、水分によって活性化され、周囲の環境からの水分にさらされた場合のみ、Muscodor揮発性物質を産生する。従って、それは保存可能な殺虫組成物である。
別の実施態様において、Muscodorキャリア調合物を、カプセル封入する。カプセル封入は、依然としてMuscodor揮発性物質が漏れること、および微生物、昆虫、および線虫の増殖を阻害することを可能にしながら、Muscodor培養菌、キャリア、および安定化剤を、例えば土壌適用において存在し得る害虫による干渉から保護する。
本発明の別の局面は、上記のMuscodor調合物を調製する方法である。
本発明はまた、ライ麦穀粒、玄米のグリット(grit)、およびポテトデキストロース寒天を含む様々な基質上で増殖させたMuscodorから単離可能な揮発性有機化合物の、様々な合成殺虫混合物を特色とする。
本発明はまた、そのような有機体またはその居住環境を、Muscodor培養菌から単離可能な個々の揮発性有機化合物および/またはMuscodor調合物および上記で記載した合成殺虫混合物に曝露することによって、微生物、昆虫、および線虫のような有機体の増殖を阻害する方法を含む。本方法は、工業的および農業的適用の両方を有する。例えば、1つの実施態様において、建築材料および建築物における毒性のカビを処理または予防するためにそれを使用し得る。別の実施態様において、果実、種子、植物、および植物を囲む土壌を、微生物、昆虫、または線虫による侵入から処理または保護するためにそれを使用し得る。
(発明の詳細な説明)
本出願人らは、Muscodorという名前の新規真菌およびその2つの種、Muscodor albusおよびMuscodor roseusを単離および特徴づけした。M.albusの部分的ゲノム配列を、配列番号第1および2番で提供し、そしてM.roseusの部分的ゲノム配列を、配列番号第3および4番で提供する。Muscodor albusの単離した培養菌およびMuscodor roseusの単離した培養菌を、Budapest Treaty on the International Recognition of the Deposit of Microorganisms for the Purpose of Patent Procedureおよびその下のRegulations(ブダペスト条約)によって、1815 N.University Street Peoria、Illinois 61604 U.S.A.(NRRL)にあるAgricultural Research Culture Collectionへ寄託し、そして以下のような受け入れ番号を割り当てられた:
Muscodor albus 620−受け入れ番号NRRL30547
Muscodor roseus A3−5−受け入れ番号NRRL30548
その菌株を、本出願が未定の間、その培養菌へのアクセスが可能であることを保証する条件下で寄託した。しかし、寄託物の利用可能性は、政府機能によって認められた特許権の減損において本発明を実施する認可に法的な形式を与えない。
M.albusおよびM.roseusは、建築材料に寄生する微生物、および植物、種子、果実および土壌中で疾病を引き起こす微生物を含む、昆虫、線虫、および微生物に対して抑制的および/または致死的である揮発性の副産物(Muscodor揮発性物質)を産生する。本出願人らはまた、Muscodor揮発性物質は、単独で、または様々なサブコンビネーション(subcombinations)のいずれかで、Muscodorの殺虫活性を模倣することを発見した。従って、本発明は安定で、商業的に有用なMuscodorの調合物、Muscodor揮発性物質の1つまたはそれ以上の構成要素の合成混合物、およびこれらの組成物を殺虫薬として使用する方法に向けられる。
本発明の実施は、他に示さなければ、化学、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学の伝統的な技術を採用し、それはその分野の技術の範囲内である。そのような技術は、文献において完全に説明される。これらの方法は、以下の出版物において記載される。例えば、Sambrookら MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL 第2版(1989);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F.M.Ausubelら編(1987));METHODS IN ENZYMOLOGYシリーズ(Academic Press,Inc.);PCR:A PRACTICAL APPROACH(M.MacPhersonら、IRL Press at Oxford University Press(1991));およびPCR2:A PRACTICAL APPROACH(M.J.MacPherson、B.D.HamesおよびG.R.Taylor編(1995))を参照のこと。
本発明の特定の実施態様が今記載されるが、そのような実施態様は、本発明の原理の適用を代表し得る多くの可能な特定の実施態様の、少数の単なる例示である例であることが理解される。本発明が属する当業者に明らかな様々な変更が、添付された請求においてさらに規定されるような、本発明の意図、範囲および企図の範囲内である。
(定義)
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他に規定しなければ、複数の指示を含む。例えば、「細胞」という用語は、その混合物を含む複数の細胞を含む。
「含む」という用語は、その組成物および方法が、引用された構成要素を含むが、他を除外しないことを意味するよう意図される。「本質的に〜から成る」は、組成物および方法を規定するために使用された場合、組み合わせに本質的に重要ないかなる他の構成要素を除外することを意味する。従って、本質的に本明細書中で規定されるような構成要素から成る組成物は、単離および精製方法からの痕跡混入物および農業的に許容できるキャリアを除外しない。「〜から成る」は、他の成分および本発明の組成物を適用する実質的な方法工程の、痕跡成分以上のものを除外することを意味する。これらの推移(transition)用語のそれぞれによって規定される実施態様は、本発明の範囲内である。
本明細書中で使用されるような、「生物学的コントロール」は、2番目の有機体を使用することによる病原体または昆虫のコントロールとして定義される。例えば、抗生物質のような細菌毒素が、病原体をコントロールするために使用されてきた。そのような毒素を単離し、そして植物に直接適用し得る、または、インサイツで毒素を産生するように細菌種を投与し得る。
「真菌(fungus)」または「真菌(fungi)」という用語は、広く様々な有核の胞子を有する、クロロフィルを含まない有機体を含む。真菌の例は、酵母、カビ(molds)、カビ(mildews)、サビ菌、およびキノコを含む。
「細菌」という用語は、明確な核を持たないあらゆる原核生物有機体を含む。
「殺虫」は、害虫の死亡率を増加させる、または増殖率を阻害する物質の能力を意味する。殺虫(pesticidal)という用語は、抗菌、殺昆虫(insecticidal)、および抗線虫という用語を含み、それは下記で定義する。
「抗菌」は、細菌、真菌、原生動物、粘菌、および藍藻植物のような、単細胞または線維状有機体の死亡率を増加させる、または増殖率を阻害する物質の能力を意味する。抗菌という用語は、抗真菌、殺菌という用語を含み、それは下記で定義する。
「抗真菌」は、真菌の死亡率を増加させる、または増殖率を阻害する物質の能力を意味する。
「殺虫」は、昆虫またはその幼生の死亡率を増加させる、または増殖率を阻害する物質の能力を意味する。
「殺菌」は、細菌の死亡率を増加させる、または増殖率を阻害する物質の能力を意味する。
「抗線虫」は、線虫の死亡率を増加させる、または増殖率を阻害する物質の能力を意味する。
「培養」という用語は、様々な種類の培地上または中における有機体の増殖を指す。「全肉汁培養(Whole broth culture)」は、細胞および培地を両方含む液体培養を指す。「上清」は、培養液中で増殖した細胞を遠心、ろ過、沈降、または当該分野において周知の他の手段によって除去した場合に残る液体培養液を指す。
「有効な量」は、有益なまたは望ましい結果を引き起こすために十分な量である。有効な量を、1回またはそれ以上の投与で投与し得る。治療および保護に関して、「有効な量」は、標的となる感染または疾病の状態の進行を改善、安定化、逆行、遅延(slow)、または遅延(delay)させるために十分な量である。「殺虫薬として有効な量」は、害虫の増殖を阻害するために十分な量を意味する。
「ポジティブコントロール」は、殺虫活性を有することが公知である化合物を意味する。「ポジティブコントロール」は、市販で入手可能な化学的殺虫薬を含むがこれに限らない。「ネガティブコントロール」という用語は、殺虫活性を有することが公知でない化合物を意味する。ネガティブコントロールの例は水である。
「代謝物」または「揮発性物質」という用語は、あらゆる化合物、物質、または微生物の発酵の副産物を指す。ほとんどの例において揮発性物質は環境温度および気圧において容易に蒸発する。「Muscodor揮発性物質」は、Muscodorの培養菌のガス性副産物を指す。「揮発性有機化合物」は、Muscodor揮発性物質の化学的構成成分の1つを指す。
「変異体」という用語は、親菌株の異型および望ましい生物学的活性が親菌株によって発現されるものと同様である変異体または異型を得る方法を指す。「親菌株」は、本明細書中において突然変異生成前のもとのMuscodor菌株として定義される。変異体は、ヒトの介入なしに自然に発生する。それらはまた、当業者に公知の様々な方法および組成物によるまたはそれを用いた処理によって得ることができる。例えば、親菌株をN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホンのような化学物質を用いて、またはガンマ、X線、またはUV照射を用いた照射、または当業者に周知の他の手段によって処理し得る。
「調合物」は、活性薬剤および他の化合物、キャリア、または組成物、不活性(例えば検出可能な薬剤または標識または液体キャリア)またはアジュバントのような活性の組み合わせを意味するよう意図される。農業的キャリアの例を下記で提供する。真菌をまた、キャリアと共に、または、あるいは、少なくとも1つの化学的または生物学的殺虫薬と共に組成物として調合し得る。
範囲を含む全ての数字の指示、例えばpH、温度、時間、濃度、および分子量は、0.1の増加量で(+)または(−)に変化し得る近似値である。常に明確に述べられていないが、全ての数字の指示は、「約」という用語が前につくことが理解される。常に明確に述べられていないが、本明細書中で記載された試薬は単なる例示であり、そしてそれと等価な物が当該分野において周知であることも理解される。
本発明において組成物のよい分散および接着を達成するために、1つの実施態様において、全肉汁培養、上清、および/または揮発性物質を、分散および接着を助ける構成成分と調合することが有利である。適当な調合物は、当業者に公知である(湿潤可能な粉末、顆粒等、または適当な培地等においてマイクロカプセル封入し得る、水性フロアブルおよび水性懸濁液のような液体、揮発性組成物および乳化可能な濃縮物)。他の適当な調合物が、当業者に公知である。
「異型」は、本発明の菌株の全ての同定可能な特徴を有する菌株であり、そして高いストリンジェンシーの条件下で、その有機体のゲノムにハイブリダイズするゲノムを有するとして同定され得、その部分的な配列が、GenBank供託所へ供託された。「ハイブリダイゼーション」は、1つまたはそれ以上のポリヌクレオチドが反応して、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合によって安定化される複合体を形成する反応を指す。水素結合は、ワトソン−クリック塩基対形成、フーグスティーン結合、またはあらゆる他の配列特異的方式で起こり得る。複合体は、2本鎖構造を形成する2本の鎖、複数鎖の複合体を形成する3つまたはそれ以上の鎖、1本の自己ハイブリダイズしている鎖、またはこれらのあらゆる組み合わせを含み得る。ハイブリダイゼーション反応を、異なる「ストリンジェンシー」の条件下で行い得る。一般的に、低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション反応を、約40℃で10×SSCまたは等価のイオン強度/温度の溶液において行う。中程度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーションを、典型的には約50℃で6×SSCにおいて行い、そして高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション反応を、一般的には約60℃で1×SSCにおいて行う。
異型はまた、M.roseusまたはM.albusのゲノムに対して、85%より高い、より好ましくは90%より高い、またはより好ましくは95%より高い配列同一性を有するゲノム配列を有する菌株として定義される。ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドまたはポリペプチド領域)は、別の配列に対してあるパーセンテージ(例えば80%、85%、90%、または95%)の「配列同一性」を有し、それは整列した場合に、そのパーセンテージの塩基(またはアミノ酸)が、2つの配列の比較において同じであることを意味する。この整列および相同性パーセントまたは配列同一性を、当該分野で公知のソフトウェアプログラム、例えばcurrent protocols in molecular biology(F.M.Ausubelら編、1987)Supplement30、7.7.18項、表7.7.1で記載されたものを用いて決定し得る。好ましくは、デフォルトパラメーターを整列のために使用する。好ましい整列プログラムは、デフォルトパラメーターを使用するBLASTである。特に、好ましいプログラムは、以下のデフォルトパラメーターを使用するBLASTNおよびBLASTPである:遺伝コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;Descriptions=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非重複、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBankCDStranslations+SwissProtein+SPupdate+PIR。これらのプログラムの詳細を、以下のインターネットアドレスにおいて見出し得る:www.ncbi.nlm.nih.gov/cgi−bin/BLAST。
(Muscodorキャリア調合物)
様々な基質上で増殖させたMuscodorは、基質依存性の揮発性有機化合物の混合物を産生し、それは昆虫、線虫、および微生物に対して抑制的および/または致死的である。本出願人らは、Muscodorの商業的に有用な調合物をデザインし、ここで高い細胞密度のMuscodor培養菌を(1)揮発性有機化合物の産生に適当な栄養素、および(2)安定な微小環境と共に提供する。これらの調合物は、保存し、そして有効な殺虫薬である揮発性物質を産生することができる。
本発明は、Muscodorキャリア調合物に向けられ、それはM.albusまたはM.roseusの培養菌、キャリア、および安定化剤を含む商業的に実現性のある殺虫組成物であり、ここで培養菌および安定化剤はキャリアに接着している。そのような調合物は数ヶ月保存することができ、そして水分によって活性化される;すなわち、乾燥している場合には代謝しないが、散水、土壌、または温室の湿度からの水分のような水分と接触した場合にはMuscodor揮発性物質を産生することができる。
農業的に許容できるキャリアは、調合物が水分と接触した後にMuscodorが増殖するあらゆる基質を含む。適当なキャリアは、Muscodorの増殖および代謝を促進するために、炭素および窒素および他の微量元素の供給源を含む。好ましい実施態様において、キャリアは穀物である。本明細書中で使用される穀物という用語は、全粒およびグリットまたは粉末のような穀物粒子を含む。トウモロコシ、ライ麦、大麦、米、小麦、燕麦、大豆等からの穀物を含む、様々な穀物を使用し得る。特に好ましい実施態様において、穀物はライ麦穀粒、玄米グリット、または大麦穀粒である。別の好ましい実施態様において、キャリアは適当な炭素および窒素供給源を含む吸収性の材料である。適当な吸収性の材料の例は、粘土顆粒および粉末およびBiodac(Kadant Grantek,Inc.Granger、INから入手可能)である。適当な炭素供給源は、グルコースを含む;適当な窒素供給源は、酵母抽出物および硫酸アンモニウムを含む。
安定化剤は、Muscodor細胞の生存能力を維持し得る物質である。好ましい実施態様において、安定化剤はショ糖、乳糖、またはトレハロースのような炭水化物を含む。特に好ましい実施態様において、その炭水化物は乳糖である。
好ましい培養は、実質的な細胞代謝なしに高い細胞密度を達成したものである。これは適当にバランスのとれた培地および時間、温度、およびpHのような適当な発酵条件の選択によって達成される。好ましい実施態様において、培養菌を、炭素および窒素供給源を含む液体培地中で増殖させる。液体培地中で使用される適当な炭素供給源は、炭水化物、好ましくはグルコース、ショ糖およびデンプンである。適当な窒素供給源は、タンパク質を含む材料および窒素を含む塩、好ましくはアンモニウム塩、酵母抽出物および麦芽抽出物を含む。適当な発酵条件は、下記の「Muscodorキャリア調合物を調製する方法」の項で記載される。
別の実施態様において、例えば土壌伝播性の有機体から調合物を保護するが、Muscodor揮発性物質が漏れ出ることを可能にするように、Muscodorキャリア調合物をカプセル封入する。カプセル封入材料は、当業者に周知であり、そして様々なポリマーマトリックスを含む。好ましい実施態様において、カプセル封入材料は、アルギン酸塩のようなヒドロゲルである。
別の実施態様において、Muscodor調合物を、有効な量の1つまたはそれ以上の抗真菌薬、殺虫薬、抗線虫薬、抗菌薬、または食品保存剤と組み合わせる。
(Muscodorキャリア調合物を調製する方法)
本発明はまた、Muscodorキャリア調合物を産生する方法を具体化する。その方法は、(1)Muscodorの培養菌を増殖させる、(2)キャリアにMuscodorの培養菌を植え付ける、(3)安定化剤をキャリアに加える、および(4)キャリアを乾燥させることを含む。適当なキャリア、培地、および安定化剤は上記で記載する。
好ましい実施態様において、Muscodorの培養菌を、培地に生存能力のあるMuscodorの種培養を受け付けることによって調製する。その培養菌を、攪拌および通気しながら、制御された温度およびpHで増殖させる。キャリアに植え付けるために使用される培養菌が、実質的な代謝活動中でない高密度の細胞を有するように、培地および発酵条件を最適化する。好ましい温度は、好ましくは約20から32℃の間、より好ましくは約23−27℃の間、そして最も好ましくは25℃である。好ましいpHは約3から7、好ましくは約2から6、そして最も好ましくは約4である。高密度の細胞が産生された後、好ましくは約2から8日後、そしてより好ましくは発酵の7日後、発酵培養液全体を回収する。
回収した培養液全体を、滅菌キャリアに植え付けるために使用する。キャリア中の真菌を、制御された温度および水分含有量で、キャリアに播種するのに十分な時間、好ましくは約1から10日間、より好ましくは約3から8日間、そして最も好ましくは約7日間増殖させる。好ましい制御された温度は、約20から30℃、そしてより好ましくは20から25℃である。好ましい水分含有量は、約20から80%、より好ましくは約30から70%、そして最も好ましくは約65%である。
乳糖、トレハロース、またはショ糖のような安定化剤をキャリアに加えて、Muscodor細胞の生存能力を維持する。好ましい実施態様において、安定化剤の添加およびMuscodor培養菌の播種は、同時に起こる。別の好ましい実施態様において、Muscodor培養菌の播種および増殖に続いて安定化剤を加える。
最後に、キャリアを保存のために乾燥する。乾燥したMuscodorキャリア上のMuscodorは、外部から与えられた、または周囲の環境(例えば土壌および空気)からの水分によって再活性化され得る。当業者に周知の様々な栄養素を、添加した水と共に使用して、乾燥Muscodorの増殖および揮発性物質の産生を増強し得る。キャリアを水で戻した後、再活性化したMuscodorが、揮発性有機化合物を産生する。
本発明はまた、カプセル封入されたMuscodorキャリア調合物を含む。微生物の使用のために開発された様々な技術(Linら、1991)を適応させて、Muscodorキャリア調合物またはMuscodorの濃縮した真菌の塊をカプセル封入し得る。Muscodorキャリア調合物を、乾燥の前に、様々なポリマーマトリックスによってカプセル封入する。あるいは、Muscodorの濃縮した真菌の塊を、単独でまたは栄養素と共に、ポリマーマトリックスによってカプセル封入する。カプセルを次いで保存のために乾燥する。カプセル封入しないMuscodorキャリア調合物と同様に、カプセル封入した調合物を、周囲の環境中の水分と接触させることによって、揮発性物質産生のために再活性化する。
(合成殺虫混合物)
本出願人らは、上記で記載したMuscodor調合物のような、異なる基質上で培養したMuscodor培養菌のガス性副産物を構成する揮発性有機化合物を同定した。様々なMuscodor調合物によって、およびライ麦穀粒およびポテトデキストロース寒天(PDA)上で増殖させたM.albusによって産生される揮発性有機化合物を、下記の実施例の項において表1、3、4および6で述べる。当業者は、Muscodorを様々な基質上で増殖させることができ、そしてできた揮発性有機化合物は、下記の実施例1において記載されるように、容易に同定可能であることを認識する。
本出願人らは、(1)M.albusのガス性副産物の実質的に全ての構成要素、(2)M.albusのガス性副産物のいくつかのサブコンビネーション、または(3)M.albusのガス性副産物の1つの構成要素のいずれかを含む、揮発性有機化合物の合成混合物が、M.albusの殺虫性質を模倣することを発見した。表7−12は、様々な濃度で微生物の増殖を阻害する、様々な揮発性有機化合物およびその組み合わせを示す。
従って、本発明は、Muscodorの単離された培養菌から単離可能な揮発性有機化合物のいくつかまたは全ての、様々な合成殺虫混合物を含む。キャリアが玄米グリットであるMuscodor調合物から、またはライ麦種子および/またはPDA上で増殖させたM.albus培養菌から単離可能な揮発性有機化合物から得られる混合物の特定の実施態様を、下記および実施例の項で記載する。本出願人らの実験的結果はまた、2つまたはそれ以上の揮発性有機化合物のある混合物は、試験有機体の相乗的な阻害を引き起こすことを示す。本明細書中で使用される場合、相乗的混合物は、試験有機体に対してその混合物が有する阻害効果が、試験有機体に対する混合物の揮発性有機化合物それぞれの(単独で使用)阻害効果の合計より高い、2つまたはそれ以上の揮発性有機化合物の混合物である。実施例10は、そのような相乗的な組成物の例および相乗効果を決定する1つの方法を述べる。
1つの実施態様において、合成混合物は、殺虫薬として有効な量の少なくとも2つの以下の化合物を含む:2−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソ酪酸、3−メチル−1−ブタノール、酢酸3−メチルブチル、およびプロピオン酸エチル。この混合物の好ましい実施態様において、個々の揮発性有機化合物は、もし特定の混合物において使用されたなら、以下の有効な量を有する:イソ酪酸――好ましくは少なくとも0.046μl/mlおよびより好ましくは0.046μl/mlおよび0.92μl/mlの間、;2−メチル−1−ブタノール――好ましくは少なくとも0.11μl/mlおよびより好ましくは0.11μl/mlおよび0.92μl/mlの間;イソブチルアルコール、プロピオン酸エチル、3−メチル−1−ブタノール、および酢酸3−メチルブチル――それぞれ好ましくは少なくとも0.20μl/mlおよびより好ましくは0.20μl/mlおよび0.92μl/mlの間。(この項における全ての濃度は、空気1mlあたりの揮発性有機化合物のμlである。)
別の実施態様において、その合成混合物は、殺虫薬として有効な量の少なくとも2つの以下の化合物を含む:2−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソ酪酸メチル、イソ酪酸、3−メチル−1−ブタノール、酢酸3−メチルブチル、および酪酸エチル。この混合物の好ましい実施態様において、個々の揮発性有機化合物は、もし特定の混合物において使用されたなら、以下の有効な量を有する:イソ酪酸――好ましくは少なくとも0.046μl/mlおよびより好ましくは0.046μl/mlおよび0.92μl/mlの間;2−メチル−1−ブタノール――好ましくは少なくとも0.11μl/mlおよびより好ましくは0.11μl/mlおよび0.92μl/mlの間;イソブチルアルコール、酪酸エチル、3−メチル−1−ブタノール、および酢酸3−メチルブチル――それぞれ好ましくは少なくとも0.20μl/mlおよびより好ましくは0.20μl/mlおよび0.92μl/mlの間。
別の実施態様において、その合成混合物は、殺虫薬として有効な量の少なくとも3つの以下の化合物を含む:2−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソ酪酸メチル、イソ酪酸、3−メチル−1−ブタノール、酢酸3−メチルブチル、プロピオン酸エチル、および酪酸エチル。この混合物の好ましい実施態様において、個々の揮発性有機化合物は、もし特定の混合物において使用されたなら、以下の有効な量を有する:イソ酪酸――好ましくは少なくとも0.046μl/mlおよびより好ましくは0.046μl/mlおよび0.92μl/mlの間;2−メチル−1−ブタノール――好ましくは少なくとも0.11μl/mlおよびより好ましくは0.11μl/mlおよび0.92μl/mlの間;イソブチルアルコール、酪酸エチル、プロピオン酸エチル、3−メチル−1−ブタノール、および酢酸3−メチルブチル――それぞれ好ましくは少なくとも0.20μl/mlおよびより好ましくは0.20μl/mlおよび0.92μl/mlの間。
別の実施態様において、その合成混合物は、殺虫薬として有効な量の、ポテトデキストロース寒天上で増殖させたMsucodor albusの単離培養菌から単離可能な、少なくとも2つの揮発性有機化合物を含む。この混合物の好ましい実施態様は、酢酸3−メチルブチルおよびプロピオン酸、2−メチル、3−メチルブチルエステルを含む。
さらに別の実施態様において、その合成混合物は、殺虫薬として有効な量の、玄米グリット上で増殖させたM.albusの単離培養菌から単離された、少なくとも2つの揮発性有機化合物を含む。
さらに別の実施態様において、その合成混合物は、殺虫薬として有効な量の、ライ麦穀粒上で増殖させたM.albusの単離培養菌から単離された、少なくとも3つの揮発性有機化合物を含む。
さらに別の実施態様において、その合成混合物は、殺虫薬として有効な量の、ライ麦穀粒上で増殖させたMuscodor albusの単離培養菌、玄米グリット上で増殖させたMuscodor albusの単離培養菌、およびポテトデキストロース寒天上で増殖させたMuscodor albusの単離培養菌のうち少なくとも1つから単離された、少なくとも2つまたは少なくとも3つの揮発性有機化合物を含む。
この混合物の好ましい実施態様は、殺虫薬として有効な量の、2−メチル−1−ブタノールまたは3−メチル−1−ブタノールのいずれか、酪酸エチル、イソブチルアルコール、フェネチルアルコール、イソ酪酸エチル、およびイソ酪酸を含む。好ましい実施態様において、その混合物の個々の揮発性有機化合物は、以下の有効な量を有する:少なくとも0.11μl/ml、より好ましくは0.11μl/mlおよび0.64μl/mlの間、および最も好ましくは0.38μl/mlの酪酸エチル;好ましくは少なくとも0.023μl/ml、より好ましくは0.023μl/mlおよび0.13μl/mlの間、および最も好ましくは0.080μl/mlのイソブチルアルコールおよびフェネチルアルコールおよびイソ酪酸;好ましくは少なくとも0.015μl/ml、より好ましくは0.015μl/mlおよび0.092μl/mlの間、および最も好ましくは0.054μl/mlのイソ酪酸エチル;好ましくは少なくとも0.030μl/ml、より好ましくは0.030μl/mlおよび0.18μl/mlの間、および最も好ましくは0.12μl/mlの酢酸2−メチルブチル;および好ましくは少なくとも0.25μl/ml、より好ましくは0.25μl/mlおよび1.48μl/mlの間、および最も好ましくは0.86μl/mlの2−メチル−1−ブタノールまたは3−メチル−1−ブタノールのいずれか。
(Muscodor調合物および合成組成物の使用方法)
下記の表および実施例で示すように、本出願人らは、上記で記載した組成物−Muscodor調合物および合成殺虫混合物−は、1つまたはそれ以上の以下の有機体の増殖を阻害する、または殺すことを発見した:微生物、線虫、および昆虫。それらは、C.albicans(表11)およびA.fumigatusおよびPseudomonas sp.を含むヒトの主要な真菌および細菌病原体に対して致死的である。それらは、S.auerusおよびE.coli(表11)のような食物を汚染する細菌を殺し、そしてStachybotrys sp.(住宅および公共建築物の汚染物質)および多くの木材腐食真菌にも致死的であることが発見された。
従って、本発明は、有機体またはその居住環境を、有効な量の以下のMuscodor由来組成物と接触させることによって、微生物、昆虫および線虫からなるグループから選択される有機体の増殖を阻害する方法を含む:(1)Muscodorキャリア調合物、(2)下記の実施例の項で記載される、Muscodorから単離可能な揮発性有機化合物の1つ、および(3)上記および下記の実施例の項で記載される、Muscodorから単離可能な、2つまたはそれ以上の揮発性有機化合物の混合物。有機体の居住環境は当業者に公知であり、そして種子、植物、植物の周囲の土壌、農具、食物、収穫後の食物の容器、建築材料、および建築材料間の空間を含む。
本発明の好ましい実施態様において、微生物、昆虫、および線虫の増殖阻害は、有機体またはその居住環境を、有効な量の2−メチル−1−ブタノール、イソ酪酸、酢酸3−メチルブチル、イソブチルアルコール、または3−メチル−1−ブタノールと接触させることによって達成される。特に好ましい実施態様において、有効な量の2−メチル−1−ブタノールは、好ましくは2500ppmより少なく、そして有効な量のイソ酪酸は、2800ppmより少ない。
好ましい実施態様において、本発明は、建築物、建築材料、または建築材料間の空間を、1つまたはそれ以上の上記で記載したMuscodor由来組成物と接触させることによって、建築材料および建築物において、毒性のカビを処理するまたは予防する方法を提供する。
農業的な適用において、本発明は、果実、種子、植物、および植物の周囲の土壌を、1つまたはそれ以上の上記で記載したMuscodor由来組成物と接触させることによって、果実、種子、植物、および鉢植え用土を含む植物の周囲の土壌を、微生物、昆虫、または線虫の侵襲から処理または保護する方法を提供する。
(実施例1:Muscodorキャリア調合物の調製)
酵母抽出物(5g/L)、グルコース(20g/L)、および可溶性デンプン(4g/L)を含む、pH3.7の培地(10リットル)を発酵槽中で滅菌した。次いで発酵槽に生存能力のあるMuscodorの種培養(0.2リットル)を播種し、そして約25℃で操作した。発酵培地を機械的に攪拌(300rpmで)および通気(0.3vvmで)した。7日間の発酵後、高密度の真菌細胞を含む発酵培養液全体を回収した。この培養液全体(0.17L)を、2.8リットルのフラスコ中で滅菌玄米グリット(200mlの水を含む200gの乾燥グリット)に播種するための種菌として使用した。キャリア中の真菌を、20から25℃で、および約65%の含水量で7日間増殖させた。284mlの乳糖溶液(10%w/v)を、フラスコに含まれた増殖Muscodorキャリアに加えた。キャリアを保存のために5−15%の含水量まで空気乾燥した。
(実施例2:Muscodorキャリア調合物によって産生された揮発性有機化合物の同定)
キャリアとして玄米グリットを使用したMuscodor調合物によって産生された揮発性化合物の分析を行った。最初の工程として、Muscodor調合物を、キャリア上のM.albus1グラムあたり1.78mLの水を使用して再水和した。次いで、上記で記載したMuscodor調合物を、250mlのエルレンマイアーフラスコに入れ、そしてゴム栓で密封した。「Solid Phase Micro Extraction」シリンジを用いて、真菌の揮発性物質を捕捉した。線維状物質(Supelco)は、安定な曲がる線維上のポリジメチルシロキサン上の50/30ジビニルベンゼン/カルブレン(carburen)であった。シリンジをゴム栓の中隔を通して設置し、そして蒸気相に25分間曝露した。次いでシリンジを、水素炎イオン化検出器(FID)を備えたガスクロマトグラフ(Hewlett Packard 5890 Series II)に挿入した。0.5mmのフィルム厚さを有する30m×0.25mmI.D.ZB Waxキャピラリーカラムを、揮発性物質の分離のために使用した。カラムを以下のように温度プログラムした:43.8分の全流動時間(total run time)で、5℃/分で31℃から220℃まで。注射器の温度は250℃であった。キャリアガスはHelium Ultra High Purity(地域の配給業者)であり、最初のカラム頭部圧力(column head pressure)は105kPaであった。揮発性物質を捕捉する前に、線維をヘリウムガスの流れの中で、250℃で30分間コンディショニングした。サンプル線維をGCに導入するために、30秒の注入時間を使用した。純粋な標準化合物を同じ条件下で分析し、Muscodor調合物の構成要素のアイデンティティーを確認した。観察された揮発性有機化合物のプロファイルを表1に示す。
Figure 2007524647
(実施例3:立枯れ病のコントロールにおけるMuscodorキャリア調合物の生物学的活性)
Muscodor調合物のサンプルを、時間と共におよびいくつかの温度で、土壌ポットテスト(soil pot test)において、立枯れ病のコントロールにおけるその有効性を試験した。具体的には、温室土壌ミックスを、PDA上で5−7日間増殖させたRhizoctonia solani培養菌で汚染した。2つのプレートからの培養菌を水と共にブレンダーで30秒間粉砕し、そして1リットルの土壌(Fafard no.2)と混合した。次いでR.solani汚染土壌の一部を、以下の2つのMuscodorキャリア調合物のうち1つと混合した:乳糖のような糖安定化剤を含むキャリア(実施例1で記載されたように調製した)または糖安定化剤が加えられなかったキャリア(空気乾燥前に乳糖を加える最終工程がない以外は、実施例1で記載されたように調製した)。100mlのMuscodorキャリア調合物で処理したR.solani汚染土壌を、処理あたり3−4つの複製ポットを作り、いくつかのプラスチックポットそれぞれに入れた。病原体のみのコントロールおよび汚染されていないコントロールを、各実験に含めた。一晩インキュベートした後、約70個のブロッコリーの種子を各ポットの表面にまき、そして汚染されていない鉢植え用土でおおい、それを次いでスプレーボトルで湿らせた。この時点で水のトレイに1時間置くことによってポットに水をやり、その後過剰の水を排水した。次いで実験の過程で必要に応じて水を加えた。蛍光灯の下で約6−7日後、健康な実生を数え、そして結果を非汚染コントロールに対する出芽パーセントとして表した。Muscodorキャリア調合物は、立枯れ病(R.solaniによって引き起こされる)のコントロールにおいて高い有効性を有していた。
表2において示すように、上記の実験を新しく調製したMuscodorキャリア調合物(安定化剤ありまたはなしで)で、および様々な時間保存された調合物で、様々な温度で行った。糖安定化剤を含むMuscodorキャリア調合物は、商業的な適用のために許容できる安定性を有していた。対照的に、糖安定化剤を含まないMuscodorキャリア調合物は、殺虫活性を急速に失った。
Figure 2007524647
Figure 2007524647
(実施例4:カプセル封入されたMuscodorキャリア調合物の調製)
実施例1で記載された発酵過程によって調製されたMuscodorの培養液全体を遠心した。できた真菌菌糸体のペレット(10ml)を、5%の乳糖を含む90mlの0.3M CaCl溶液に加えた。この混合物を次いで60mlのシリンジを用いて、攪拌した0.5%(w/v)アルギン酸溶液に1滴ずつ加えた。次いで約1リットルの滅菌イオン除去水を、カプセルを含むアルギン酸溶液に加えた。濡れたカプセルを、ろ紙を用いたろ過によって回収した。カプセルを生物学的フードにおいて空気乾燥した。約15の乾燥カプセルを250mlのフラスコに加え、そして次いで3mlのポテトデキストロース培養液を乾燥カプセルに加えた。2日後、いくつかの真菌増殖が観察され、そしてフラスコ頭部空間からのガス性サンプルをガスクロマトグラフィーによって分析した。表3に示すように、Muscodorの典型的な揮発性有機化合物が頭部空間に見出された。
Figure 2007524647
(実施例5:ライ麦上で増殖させたMuscodorによって産生された揮発性有機化合物の同定)
M.albusのライ麦穀粒培養を産生するために、150gのライ麦穀粒を2Lのフラスコに250mlの水と共に入れ、そして2日連続して30分間2回オートクレーブした。小さい立方体に切断したPDAプレート培養の半分の内容物を加えることによって、または25mlの液体菌糸体懸濁液をピペッティングすることによって、フラスコに播種した。固体培養の小さい立方体を、100mlのポテトデキストロース培養液を含む1Lのフラスコに加えることによって菌糸体懸濁液を増殖させ、そして回転式振とう機で攪拌した。コロニー化した穀粒培養は、10−15日で使用する準備ができた。
揮発性有機化合物の産生の分析を、上記の実施例2で記載したように行った。実施例2においてMuscodorキャリア調合物によって産生されたガスの新規構成成分の1つ(プロピオン酸エチル)が、ライ麦穀粒調製物において高濃度で産生された。観察された揮発性有機化合物のプロファイルを表4に示す。
Figure 2007524647
(実施例6:ライ麦において増殖させたMuscodorによって産生された揮発性有機化合物の生物学的活性)
(選択された真菌に対する活性)
ポテトデキストロース寒天(PDA)およびライ麦穀粒上のM.albusによって産生される揮発性物質の、阻害および致死的活性を、多くの真菌に対して試験した。PDAプレート培養に関しては、培地がない濠を、各プレートを横切って切り、2つの寒天部分を物理的に分離して、あらゆる阻害が空気拡散性の化合物のみによることを保証した。M.albusを1つの部分上で7日間増殖させた後、試験真菌の3つの寒天断片を他の部分に置き、そしてプレート全体をパラフィルムで密封した。3日後、試験真菌の増殖を評価した。増殖が無い場合、試験断片の生存能力を、それらを新しいPDAプレートへ移すことによって評価した。5日後に増殖の徴候を示さない断片を、死んだと判断した。
ライ麦穀粒培養を、5または10個のライ麦穀粒をPDAの1つの部分に、そして別の部分に試験断片を置いた、3つの等しい部分に分けた「Y」プレートを用いて同様に試験した。3つ目の部分は空のままであった。断片の増殖および生存能力を、上記で記載したように評価した。
結果を、全断片に対する死んだ断片の数をカッコ内に入れて、増殖(G)および増殖なし(NG)として表す。
Figure 2007524647
G.candidum、G.citri−aurantiおよびR.solaniのようないくつかの病原体は、使用したM.albus培養菌の型にかかわらず阻害されたまたは死んだが、ライ麦培養が、CylindrocarponおよびF.oxysporumのような、より殺菌するのが困難な病原体に対してより活性であることがわかった。非病原性の真菌であるTrichodermaは、使用した培養菌または使用量に関わらず、M.albus揮発性物質に感受性でないことがわかった。
(シロイチモジヨトウガの幼虫(Spodoptera exigua)に対する活性)
約150グラムのオートクレーブしたM.albusがコロニー化したライ麦種子を含む3つの小さなプラスチックビーカーを、プラスチックの箱(約250in)に入れた。対になる箱を、真菌の3つのビーカーなしで室温に設置した。両方の箱は、生物検定の指標として中央にRhizoctonia solaniの小さな断片を有するPDAのペトリ皿を含んでいた。人工餌上に置いたシロイチモジヨトウガの幼虫の卵を含む96穴マイクロプレートを、各箱に入れた。2日後、Muscodorがない箱の卵は孵化し始め、そしてR.solaniは新しい菌糸体を発達させた。M.albusのライ麦培養を含む箱では、シロイチモジヨトウガの卵は孵化しなかった。さらに、R.solaniの増殖は抑制された。5日後、未処理の箱のシロイチモジヨトウガの幼虫は、第2から第3齢に達した。
別の実験において、人工餌で3日間増殖させたシロイチモジヨトウガの幼虫を含む対になったマイクロプレートを箱に入れた。Muscodorの箱のプレートは、摂食をやめ、そして未処理のコントロールと比較して発育が妨げられたままであった。5日後、処理プレートのシロイチモジヨトウガの幼虫は死んだ。
(キュウリヒゲナガハムシ(Diabrotica undecimpunctata)に対する活性)
人工餌の上に置いたキュウリヒゲナガハムシの卵を有する対になったマイクロプレートも、箱に入れた。プレートを試験箱に入れた時、卵はちょうど孵化し始めていた。約半分の卵がMuscodor箱の中で孵化した。残りは孵化せず、全ての新生幼虫は2日以内に死んだ。未処理のコントロール箱のマイクロプレートは、正常な蔓延を引き起こし、1週間後にウェルあたり3−6匹の第3齢地虫へ発達した。
(実施例7:ポテトデキストロース寒天上で増殖したMuscodorによって産生された揮発性有機化合物の同定)
Muscodor albusの培養菌を、ペトリ皿においてポテトデキストロース寒天(PDA)上で増殖させた。ペトリ皿で増殖するM.albus菌糸体上の空間においてガスを分析するために方法を考案した。「Solid Phase Micro Extraction」シリンジを使用して、真菌揮発性物質を捕捉した。線維上物質(Supelco)は、安定な曲がる線維上のポリジメチルシロキサン上の、50/30ジビニルベンゼン/カルブレンであった。シリンジを、ペトリ皿の横にあけた小さな穴に通し、そして45分間蒸気相に曝露した。次いでシリンジを、質量選択的検出器を備えたガスクロマログラフ(Hewlett Packard 5890 Series II Plus)に挿入した。0.50mmのフィルム厚さを有する30m×0.25mmI.D. ZB Waxキャピラリーカラムを、揮発性物質の分離のために使用した。カラムを、以下のように温度プログラムした:25℃で2分間、続いて5℃/分で220℃まで。キャリアガスはHelium Ultra High Purity(地域の配給業者)であり、そして最初のカラム頭部圧力(column head pressure)は50kPaであった。He圧は、分離過程の間、一定のキャリアガス流速を維持するために、オーブンの温度勾配と共に勾配をなした。揮発性物質を捕捉する前に、線維をヘリウムガスの流れのもとで、240℃で20分間コンディショニングした。サンプル線維をGCへ導入するために、30秒間の注入時間を使用した。ガスクロマトグラフを、1500の質量分解能で作動する二重収束型磁気質量分析器と連結した。MSを、35−360amuの質量範囲で、マスディケード(mass decade)あたり0.50秒の速度でスキャンした。データの取得およびデータの処理は、VG SIOS/OPUSインターフェースおよびソフトウェアパッケージで行った。M.albusによって産生された未知物質の最初の同定を、NISTデータベースを用いたライブラリー比較によって行った。
PDAのみを含むペトリ皿で比較分析を行い、そしてそこから得られた化合物、ほとんどスチレンを、真菌を含むプレートで行った分析から引いた。28化合物のうち20の最終的同定を、本明細書中で記載されたGC/MS法を用いた確実な標準に対する比較を基礎として行った。しかし、揮発性物質の約20%のみを構成する他の8つの化合物は、NISTデータベースの情報に基づいて試験的に同定されただけであり、そしてM.albus化合物の人工混合物を採用するバイオアッセイ試験のいずれにおいても含まれなかった。
観察された揮発性有機化合物のプロファイルを、下記の表6に示す。表において、の印は、標準化合物または分析中の化合物のいずれのスペクトルにおいても分子イオンピークが観察されなかったことを示す。#の印は、この構成成分のスペクトルおよび保持時間が観察され、そしてその物質がNISTデータベースの最も可能性の高い化合物とマッチしたが、そのデータは保持時間またはMSのいずれかによって、適当な同一の標準化合物の使用によって確認されなかったことを示す。これらの化合物は、バイオアッセイ試験において人工混合物に入れなかった。
(表6:M.albusによって産生された揮発性化合物のGC/MS分析)
Figure 2007524647
Figure 2007524647
(実施例8:PDA上で増殖させたMuscodorによって産生された揮発性有機化合物の生物学的活性)
(真菌およびヒト病原体)
Strobelら、2001によって記載されたように、PDAプレートの真中から細長い1片の寒天を取り、微生物が増殖し得る2つのほぼ同じおよび分離した部分を作った。M.albus培養菌の1つの寒天断片を1つの部分に置き、そしてプレートをプラスチックバッグ中に封じて10日間増殖させた。10日後、コントロールとなるM.albusを有さない区分したプレートと共に、別の部分に様々な真菌病原体を播種した。各処理に3つのプレートが存在した。Penicillium expansum、Monilinia fructicola、Candida albicansおよび細菌を、胞子/細胞懸濁液として適用し、一方他の病原体を単一の3または6mmの菌糸体断片として各プレートに適用した。コロニーの直径によって測定される病原体の増殖を、3日後に評価した。その生存能力を評価するために、播種した領域の寒天を持ち上げ、そしてそれを新しいPDAプレートへ移すことによって、病原体の再分離を実験の最後に試みた。
F.solaniおよびF.oxysporum lycopersiciを除いて、病原体はM.albusの存在下で増殖せず(表11)、そしてその増殖は阻害された。それに加えて、M.albusの揮発性物質はM.albusの近い近縁生物であるXylaria sp.を殺さなかったが、Xylaria sp.の増殖を阻害した(表11)。
(線虫(Caenorhabditis elegans))
濠システムを使用したプレート(Worapongら、2001)に、1つの側にM.albusを、そして反対側にE.coli、またはE.coliとともに自由に生活する線虫を播種した。5日後、Muscodorなしのプレートは、線虫の大きな生殖集団を発達させ、それは濠を越え、そしてペトリ皿の反対側に住み始めていた。E.coliは対の片方のプレートで正常なコロニー形態に増殖した。Muscodorで処理したプレートは、かなりのコロニーを発達させ、それはPDAの表面を越えて菌糸体を送っていた。存在する線虫は鈍いが運動能力はあった。7日目までに、MuscodorはPDAの端まで達し、そしてE.coliのあるプレートおよび線形動物のいるプレートの濠に菌糸体を送った。寒天上には少数の生きた成体の線虫しか存在せず、そしてその移動性は限られていた。
(実施例9:Muscodorから単離可能な揮発性有機化合物の調達)
上記で記載した基質上のM.albusによって産生される揮発性有機化合物の大部分を、Aldrich Chem Co.から得たが、バレンセンはFluka Chem Co.から、そして合成ブルネセン(bulnesene)はU.C.Berkeley、Dept of ChemistryのDr.Clayton Heathcockから得て、そしてHeathcockおよびRatcliffe(1971)の手順に従って合成し得る。
イソ酪酸2−メチルブチルおよび酢酸2−メチルブチルを、下記の手順に従って合成し得る。
イソ酪酸2−メチルブチル(1−ブタノール、2−メチル、プロピオン酸塩、2−メチル)。0℃で5mLのドライCHCl中のイソ酪酸溶液(1.05mL、11mmol)に、オキサリル塩化物(5.65mL、ヘキサン中2.0M)を加え、そして1時間攪拌させた。次いで2−メチル1−ブタノール(1.23mL、0.011mol)をゆっくりと加え、そして室温で12時間攪拌させた。希釈NaHCOを加えることによって反応を終息させ、そしてヘキサンで抽出した(2×5mL)。有機層を合わせ、そして気流のもとで溶媒を注意深く除去した。HNMR(400MHz、CDCl)δ3.95(t、J=6.4Hz、OCHCH)、2.37(m、CH)、1.55(m、CHCH3)、1.37(m、CH(CH)CHCH)、1.01(d、J=7.2Hz、(CHCH)、0.77(d、J=6.4Hz、2×CH)。
酢酸2−メチルブチル。RTで2.0mLのヘキサン中の2−メチル−1−ブタノール溶液(1.0mL、9.2mmol)に、0.5gのDMAPを加え、そして30分間攪拌した。次いで溶液を0℃まで冷却し、そして過剰の塩化アセチル(1.2mL)を加え、そしてRTで12時間攪拌させた。水で反応を終息させ、そしてヘキサンで抽出した(2×2mL)。気流のもとで溶媒を注意深く除去した。HNMR(400MHz、CDCl)δ3.81(dd、J=11および6Hz、OCHCHCH)、3.72(dd、J=11および6.8Hz、OCHCHCH)、1.91(s、CHCO)、1.56(m、CHCH)、1.32(m、CHCHCH)、1.05(m、CHCH)、0.79(d、j=7.2、CHCH)、0.77(d、J=7.6Hz、CHCH)。
市販で入手可能でない他のエステルを、Hoefle,G.ら(1978)において述べられたアシル化手順のいくつかに従って作成した。
プロパン酸、2−メチル、3−メチルブチルエステル。イソブチリル塩化物(2ml 19.1mmol)を、ジクロロメタン中のイソアミルアルコール(1ml、9.5mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(583mg、4.8mmol)、およびピリジン(0.85ml、10.5mmol)の0℃の溶液にゆっくりと加えた。加え終わった5分後に沈殿が明らかであった。アルゴン下で12時間攪拌した後、反応物を20mlの0.1N HClに注いだ。層が分離し、そして水層を20mlの塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせ、そして10mlの飽和水性塩化アンモニウム、次いで10mlの飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、および減圧下で濃縮した。14mmのVigreauxカラム(bp60−62C、25mm)を通して蒸留することによって精製した。できた無色透明の油を、Amberlyst15上で攪拌し、あらゆる残留イソブチリル塩化物を除去した。HNMR(250MHz、CDCl)4.09(t、2H、J6.7)、2.53(m、1H)、1.68(m、1H)、1.52(q、2H、J6.5)、1.16(d、6H、J7.0)、0.92(d、6H、J6.5)。
プロパン酸、2−メチル−エチルエステル。イソブチリル塩化物(2ml 19.1mmol)を、ジクロロメタン中エチルアルコール(0.55ml、9.5mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(583mg、4.8mmol)、およびピリジン(0.85ml、10.5mmol)の0℃溶液にゆっくりと加えた。加え終わった5分後に沈殿が明らかであった。アルゴン下で12時間攪拌した後、反応物を20mlの0.1N HClに注いだ。層が分離し、そして水層を20mlの塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせ、そして10mlの飽和水性塩化アンモニウムで、次いで10mlの飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、および減圧下で濃縮した。14mmのVigreauxカラム(bp102C)を通して蒸留することによって精製した。H(300MHz、CDCl)4.12(q、2H、J7.2)、2.52(m、1H)、1.25(t、3H、J6.9)、1.16(d、6H、J7.2)。
1−ブタノール、3メチル、酢酸塩。アルゴン雰囲気下で、アセチル塩化物(6.5ml、91.8mmol)を、ジクロロメタン(92ml)中イソアミルアルコール(5ml、45.9mmol)、N,N−ジメチルピリジン(2.8g、23mmol)、および無水ピリジン(4.1ml、50.5mol)の0℃溶液中に1滴ずつ加えた。反応混合物を、100mlの0.1N HClへ注ぎ、そしてできた層が分離した。有機層を50mlの飽和水性塩化アンモニウムで洗浄し、次いで硫酸マグネシウム上で乾燥させた。有機層をろ過し、そして減圧下で透明な油まで濃縮した。できた油を蒸留(bp134−136℃)によって精製し、イソアミル酢酸塩を産生した。HNMR(300MHz、CDCl)4.08(t、2H、J6.9)、2.03(s、3H)、1.68(m、1H)、1.51(q、2H、J6.9)、0.92(d、6H、J6.6)。
(実施例10:Muscodorから単離可能な揮発性有機化合物の合成混合物)
いくつかの実験が、揮発性有機化合物の人工的混合物が、植物病原体真菌に対して活性を提供することを示す。
(玄米グリットおよびライ麦穀粒上で増殖させたMuscodor albusから単離可能な揮発性有機化合物の合成混合物の活性)
1セットの実験で、プラスチックの壁で3つの等しいスペースに分けられたペトリ皿をアッセイのために使用した。R.solaniの断片を、PDAを含むペトリ皿の1つの部分に置いた。プレートの別の部分で、1×2cmの滅菌ろ紙片に、試験化合物を載せた。全てのプレートを2層のサランフィルムで包み、そして室温でインキュベートした。各プレートの頭部空間は65mlであった。寒天断片を取り、そしてそれを新しいPDAペトリ皿へ置くことが、各試験化合物に曝露されたR.solaniの生存能力を決定した。試験化合物なしのコントロール実験も、同時に行った。
イソ酪酸および3−メチル−1−ブタノールが、R.solaniがM.albusに曝露された時に観察されたものと同様の、R.solaniに対する致死的効果を示した(表7を参照のこと)。それに加えて、3つの化合物の単純な混合物が、そのような致死的効果を示した。この混合物は、28.5μlの2−メチル−1−ブタノール、28.5μlのプロピオン酸エチル、および3μlのイソ酪酸を含んでいた(表8を参照のこと)。多くの他の単純な混合物を試験し(表8を参照のこと)、そしてR.solaniの増殖を阻害したが、病原体に対して致死的ではなかった。それに加えて、表9および10で示した、6つまたは7つの揮発性有機化合物を含む混合物は、R.solaniに対して致死的効果を示した。従って、M.albusの活性を模倣するために、揮発性化合物の人工的混合物を使用することが可能である。
表7−10は、上記で記載した実験の結果を述べる。未処理コントロールプレートにおけるR.solaniコロニーの直径は70−72mmであった。上記の各表の生存能力の列における(+)記号は、与えられた化合物または混合物への曝露およびそれからの除去後も持続する有機体の生存能力を示し、一方(−)記号は有機体の死を示す。同じ列における複数の(+)および(−)記号は、複数の試験の結果を示す。
(表7:R.solaniに対する各揮発性有機化合物の効果)
Figure 2007524647
Figure 2007524647
(表8:揮発性有機化合物の混合物の効果)
Figure 2007524647
(表9:R.solaniに対するいくつかの揮発性有機化合物の、様々な濃度の混合物の効果)
Figure 2007524647
(表10:R.solaniに対するいくつかの揮発性有機化合物の混合物の効果)
Figure 2007524647
(ポテトデキストロース寒天上で増殖させたMuscodor albusから単離可能な揮発性有機化合物の合成混合物の活性)
別のセットの実験において、ポテトデキストロース寒天(PDA)上で増殖させたMuscodor albus培養菌から単離可能な揮発性有機化合物を、そのような培養菌のガス相において存在する相対的な比率でバイアルに入れることによって、試験溶液を調製した。試験混合物を、PDAを含むペトリ皿の中央に置いた、前もって滅菌したマイクロカップ(4×6mm)に入れた。使用しないときには、混合物を0℃で保存した。新しく増殖させ、そして3mmの寒天ブロックに削り取った試験有機体(試験真菌あたり少なくとも3つの寒天ブロック)を、マイクロカップから2−3cmのところに置き、そしてプレートを2層のパラフィルムで包み、そして23℃で2日間またはそれ以上増殖させた。寒天ブロックの端からの菌糸体増殖について測定を行った。しかし、細菌およびCandida albicansの場合には、PDAプレートの試験側に画線培養し、そして新規の目に見える増殖をチェックし、そして播種した寒天プレートのもとの領域から再び画線培養することによって生存能力をチェックした。試験溶液をマイクロカップ中に入れない、適当なコントロールも設定した。PDAプレート上の空間50ccあたり3.2−90μlの人工混合物に対する試験を、各試験有機体に関してIC50データを得るために、3つの複製に対して行った。試験微生物の生存能力を、小さい寒天ブロックを無菌的に取り、そしてそれをPDAプレート上に置き、そして1−3日後に増殖を観察することによって評価した。
表11に示すように、PDA上で増殖させたMuscodor albusから単離可能なMuscodor揮発性物質の合成混合物に曝露した全ての病原体の増殖は阻害され、そして大部分の病原体が合成混合物への曝露によって死んだ。
下記の表11において、人工混合物において使用された、明確に同定された化合物それぞれの量は、GC/MS分析において得られた化合物の電子イオン化横断面(cross section)(総面積に対する%)を適用することによって得た。(表6を参照のこと。)#記号が前についた表6の化合物は、合成混合物には含まれなかった。下記の表11の#記号は、特定の有機体に関するデータが、この実験デザインにおいて測定されなかったことを意味する。
(表11:試験微生物のグループに対するM.albusの揮発性化合物およびM.albus化合物の合成混合物の効果)
Figure 2007524647
Figure 2007524647
各種類の化合物の相対的生物学的活性を決定するために、個々の種類も、混合物全体の最適な濃度で存在する相対的量において試験し、それは標準的なペトリ皿において培養上の空間50ccあたり60μlの試験混合物である。例えば、同定された揮発性物質の混合物のうちエステルが44%を占め、そして26.4μl/50cc(0.53μl/cc)空間で試験し、そして同定された他の種類の化合物それぞれに関して同じ手順を使用した。7つの試験真菌の選択されたグループを用いてこれを行った。化合物の各グループは、試験有機体に対していくらかの阻害活性を有していた(表12)。しかし、比較するとエステルが他のいかなる化合物のグループよりも阻害活性を有していた(表12)。
エステルの種類の各化合物を、個々に評価した。各エステルに対する比較試験を表6の条件により行った場合、1−ブタノール、3−メチル、酢酸塩(酢酸3−メチルブチル)は、表6に示す全てのエステルの結果をほとんど完全に模倣した。それは全ての同定された、合わせたエステルの62%を占め、そして従って0.32μl/CCのレベルで試験した。さらに、最低限の阻害生物活性が、プロピオン酸、2−メチル、3−メチルブチルエステルによって示され、そして他のエステルの方ではほとんど活性がないかまたは活性が示されなかった。エステル、および1−ブタノール、3−メチル酢酸塩は、バイオアッセイ試験において阻害活性を有していたが、あらゆる試験のいかなる条件下でも、標準的な3日間の曝露期間でいかなる試験真菌の死も観察されなかった(表12)。完全な人工的雰囲気およびM.albusの天然のペトリ皿雰囲気のいずれにおいても、試験有機体の死が示されたので、これは有意な観察である。その結果は、M.albus揮発性物質の場合、相加的または相乗的メカニズムが作用していることを強く示唆する。従って、化合物の各種類は多少阻害活性を有しているが、試験真菌および細菌の死を引き起こすためには成分の混合物が必要である(表11)。未処理のコントロールと比較した菌糸体増殖の測定は全て、上記で記載したように行った。
(表12:揮発性化合物の各種類の阻害作用を、試験化合物の存在しないコントロールと比較した試験微生物増殖の%として表す)
Figure 2007524647
(揮発性有機化合物間の相乗効果)
M.albusによって産生される揮発性有機成分間の相乗効果を、Richer(Richer,D.L.1987)によって記載されたLimpelの方法を用いて研究した。Limpelによって記載されたような相乗効果の決定は、以下の方程式で表し得る:
=X+Y−(XY/100)
ここでEは2つの抗真菌化合物の予期される相加効果であり、Xは抗真菌剤Aを混合物中で使用される比率で、単独で適用した場合に観察された試験有機体の阻害パーセントであり、そしてYは抗真菌剤Bを混合物中で使用される比率で、単独で使用した場合に観察された試験有機体の阻害パーセントである。もし観察された効果(E)が予期された効果より大きいなら、相乗効果が示されたと言われる。
M.albusによって産生される成分間に相乗効果が存在するかどうかを決定するために実験的研究を設定した。個々の揮発性有機化合物および揮発性有機化合物の混合物の生物学的活性を、上記の実施例10で記載した方法によって試験した。結果を表13に示す。揮発性有機化合物の観察された阻害効果を、次いで上記の方程式から計算した予期される相加効果と比較した。この比較も表13に示す。その結果は、M.albusによって産生される揮発性有機化合物の混合物は、観察された阻害効果が予期される効果より高い、相乗的抗真菌活性を提供することを示す。
下記の表における記号は、上記の表7で述べた揮発性有機化合物それぞれの記号に対応する。
(表13:揮発性有機化合物の混合物の効果)
Figure 2007524647
(参考文献)
Figure 2007524647

Claims (29)

  1. ライムギ穀物において増殖したMuscodor albusの単離培養物、グリットにおいて増殖したMuscodor albusの単離培養物、ポテトデキストロース寒天において増殖したMuscodor albusの単離培養物のうちの少なくとも1つから単離可能な、殺虫有効量の少なくとも2つの揮発性有機化合物を含む、合成混合物。
  2. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、表1、表3および表6に示される揮発性有機化合物から選択される、請求項1に記載の合成混合物。
  3. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、以下の群:2−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソ酪酸、3−メチル−1−ブタノール、酢酸3−メチルブチル、およびプロピオン酸エチルから選択される、請求項1に記載の合成混合物。
  4. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、以下の群:2−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソ酪酸メチル、イソ酪酸、3−メチル−1−ブタノール、酢酸3−メチルブチル、および酪酸エチル、から選択される、請求項1に記載の合成混合物。
  5. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、イソ酪酸と、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、プロピオン酸エチル、酪酸エチルおよび3−メチル−1−ブタノールのうちの少なくとも1つとを含む、請求項1に記載の合成混合物。
  6. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、酢酸3−メチルブチルおよびプロピオン酸、2−メチル、3−メチルブチルエステルを含む、請求項1に記載の混合物。
  7. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、2−メチル−1−ブタノールと、イソブチルアルコール、プロピオン酸エチル、および酪酸エチルとのうちの少なくとも2つとを含む、請求項1に記載の混合物。
  8. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、酪酸エチル、イソブチルアルコール、およびプロピオン酸エチルを含む、請求項1に記載の混合物。
  9. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、2−メチル−1−ブタノール、酪酸エチル、イソブチルアルコール、フェネチルアルコール、イソ酪酸エチル、酢酸2−メチルブチル、およびイソ酪酸を含む、請求項1に記載の混合物。
  10. 前記少なくとも2つの揮発性有機化合物が、3−メチル−1−ブタノール、酪酸エチル、イソブチルアルコール、フェネチルアルコール、イソ酪酸エチル、およびイソ酪酸を含む、請求項1に記載の混合物。
  11. 微生物、昆虫、および線虫からなる群より選択される生物の増殖を阻害するための方法であって、該方法は、該生物または該生物の生育地を、請求項1に記載の合成混合物に曝露する工程を包含する、方法。
  12. 微生物、昆虫、および線虫からなる群より選択される生物でのインフェステーションから、果実、種子、植物、および土壌を処理または保護するための方法であって、該方法は、該果実、種子、植物、または土壌を、酢酸3−メチルブチル、3−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、メチル酪酸2−メチル、イソ酪酸メチル、2500ppm未満の2−メチル−1−ブタノールおよび2800ppm未満のイソ酪酸からなる群より選択される有効量の揮発性有機化合物に曝露する工程を包含する、方法。
  13. 建築材料および建築物における有害なカビを処理または予防するための方法であって、該方法は、該建築、該建築材料、または該建築材料間の空間を、酢酸3−メチルブチル、3−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、メチル酪酸2−メチル、イソ酪酸メチル、2500ppm未満の2−メチル−1−ブタノール、および2800ppm未満のイソ酪酸からなる群より選択される有効量の揮発性有機化合物に曝露することによる、方法。
  14. Muscodorキャリア調合物であって、該調合物は:
    キャリア、
    安定剤、
    およびMuscodor albus培養物、
    を含み、ここで、該培養物および該安定剤は、該キャリアに接着されている、Muscodorキャリア調合物。
  15. 前記キャリアが穀物である、請求項14に記載のMuscodorキャリア調合物。
  16. 前記穀物が、トウモロコシ、ライムギ、オオムギ、イネ、コムギ、オートムギ豆(oat bean)、および大豆からなる群より選択される、請求項15に記載のMuscodorキャリア調合物。
  17. 前記キャリアが、窒素源および炭素源を含む吸収性材料である、請求項14に記載のMuscodorキャリア調合物。
  18. 前記安定剤が炭水化物である、請求項14に記載のMuscodorキャリア調合物。
  19. 前記炭水化物が、ラクトース、スクロースおよびトレハロースからなる群より選択される、請求項18に記載のMuscodorキャリア調合物。
  20. 前記炭水化物がラクトースである、請求項18に記載のMuscodorキャリア調合物。
  21. さらにマトリックスを含む請求項14に記載のMuscodorキャリア調合物であって、前記キャリア、培養物、および安定剤が、該マトリックスにより封入されている、Muscodorキャリア調合物。
  22. 前記マトリックスがヒドロゲルである、請求項21に記載のMuscodorキャリア調合物。
  23. Muscodorキャリア調合物を調製するための方法であって、該方法は、以下:
    Muscodor培養物を増殖させる工程;
    キャリアを該Muscodor培養物に播種する工程;
    該キャリアに安定剤を添加する工程;および
    該キャリアを乾燥させる工程、
    を包含する、方法。
  24. 前記安定剤が炭水化物である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記炭水化物が、スクロース、トレハロース、およびラクトースからなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記炭水化物がラクトースである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記キャリアが穀物である、請求項23に記載の方法。
  28. 前記穀物が、トウモロコシ、ライムギ、オオムギ、イネ、コムギ、オートムギ豆、および大豆からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記キャリアを乾燥させる工程前に、該キャリアを封入する工程をさらに包含する、請求項23に記載の方法。
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