JP2007512900A - 神経障害を感知/モニタするための方法並びに電子通信及び医療診断装置 - Google Patents

神経障害を感知/モニタするための方法並びに電子通信及び医療診断装置 Download PDF

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Abstract

本発明による電子通信及び医療診断装置は、遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び医学的診断で使用される振動を発生するための第2構成要素を含む。本発明による電子通信及び医療診断装置は、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話、並びに神経障害を感知(及び/又はモニタ)するための医療診断装置として機能する。

Description

本発明は医療診断装置に関し、更に詳細には、電子通信装置(例えば、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話)及び神経障害を感知及び/又はモニタするための医療器具として使用できる電子通信及び医療診断装置に関する。
糖尿病は、痛みを伴う神経障害に至ることが多い非常にありふれた病気である。症候性糖尿病神経障害は、多数の線維による神経伝導が損なわれる無症候性段階が先行し、振動知覚の欠陥を引き起こす。振動しきい値は連続量であり、必然的に、バイナリ結果への分類は任意のしきい値の設定を意味する。以前より、糖尿病に罹患していない人口の95及び97パーセンタイルが、神経障害に対するしきい値として使用されてきた。振動しきい値は糖尿病患者の神経機能の最も有効な尺度であり、判断基準として使用されてきた。
振動試験は、種々の方法で長く存在してきた。例えば、2つの固定されたプローブをテーブル(又は、床)上に配置された1つ(又は、2つ)の箱の中に含む振動しきい値試験装置が現在使用されている。患者はプローブに指(又は、つま先)で触れて、何れが振動しているかを示さなければならない。振動覚測定器として既知の(成人用品店で販売される振動装置に類似の)他の振動装置が手足に適用され、患者が振動を感じることができるまで振動レベルは強められる。次に、レベルがメータから読み取られる。これらの装置も、コンピュータ駆動であった。
振動試験の他の実施例は音叉の利用によるものであり、音叉は手足に適用できる。神経欠陥(神経障害)を感知するための振動ペンが、 Laudadio により、米国特許第5,931,793号で開示される。しかし、これは単に、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話の機能を取り込まないペン型装置である。更に、 Laudadio のペン型装置は、神経障害の重篤さを軽度、中度、又は重度として定めるために使用される任意のしきい値の設定を要するバイナリ結果として振動しきい値を測定する。
Solarwide 社が販売する振動ペンは、ユーザが携帯電話に電話を掛けたことを示す信号を送信するが、神経障害を感知するために携帯電話を使用することは記載しない。子供用 Wiggle Writer として既知の振動ペンの他の形態が米国特許第5,208,987号で開示され、ペン先に円を描かせるオフセット・モータを使用して類似の原理で動作する。
振動周波数における種々の振動振幅レベルを使用した広範囲の周波数にわたる振動しきい値の量的評価が、 Lacourse 及び McCoy により、米国特許第5,002,065号で開示され、振動に対する知覚しきい値の増加が手根管症候群の最も早期の感知可能な他覚的徴候であることを示す。 Lee 他は、神経障害の尺度として末期腎疾患の患者で振動知覚しきい値を決定することの有用性を実証した(Kidney International, Vol. 64, pp. 1089-1094, 2003)。アルコール依存症、及びビタミン欠乏を含む他の複数の病状が存在し、それらは神経障害と関連付けられる。
多数の有髄線維の損失が、腎不全(又は、尿毒症)の患者の神経障害の最も一定した形態学的特徴である。つま先の減退した振動知覚は、この末梢神経障害の早期および唯一の臨床的徴候であり(G. Said, L. Boudier, J. Silva, J. Zingraff, T. Druecke: Different patterns of uremic polyneuropathy: clinicopathologic study. Neurology 33: 567-574, 1983)、振動知覚しきい値の測定は、神経伝導速度の測定よりも、尿毒症性神経障害の進行(又は、回復)を評価するのに適している(Said et al., ld., and FGI Jennekens, EJ Dorhout Mees, D Van der Most van spijk: Uremic polyneuropathy. Nephron 8: 414-426, 1971)。
振動しきい値は糖尿病神経障害に対する判断基準として認識されてきたが、研究者は他の尺度を神経障害の診断のための代用物として試験してきた(Rahman et al., Diabetic Medicine 20: 368-374, 2003)。何故ならば、振動しきい値を決定するために使用される現在利用可能な装置は扱いにくく、殆ど研究道具として使用され、初期治療で広く利用可能ではないからである。実際、(本発明の発明者を含む)内科医の大部分は vibrameter 装置を見たことがなく、使用したこともない。
一般的な治療では、医療の現在の標準は、神経障害を診断するための質的な(又は、せいぜい半定量的な)道具として音叉を使用する。しかし、音叉は扱いにくく、不正確で、作業者に依存し、従って、ごく一部の内科医によってのみ希に使用される。加えて、音叉の使用では、内科医は振動知覚の損失を過小評価(又は、過大評価)する傾向がある。糖尿病患者では、 vibrameter を使用した量的振動しきい値と比較して、音叉は振動の損失を過大評価する(TM Burns, A Taly, O'Brien, PJ Dyck: Clinical versus quantitative vibration assessment: improving clinical performance. Journal of the Peripheral Nervous System 7: 112-117, 2002)。他方、 vibrameter は高感度で、患者の(神経伝導速度を判断基準として使用した45%と類似の)47.5%に異常性を感知するが、尿毒症患者では、音叉検査は患者の2.5%にだけ異常性を実証する(MJ Hilz, P Zimmermann, G Rosl, W Scheider, J braun, B Stemper, B Neundorfer: Acta Neurol Scand. 92(6): 486-90, 1995)。同様に、同じ研究で、アルコール依存症患者では、(vibrameter による60%、及び神経伝導速度による約35%と比較して)音叉は約15%にのみ異常性を明らかにする。従って、糖尿病、尿毒症、又は、アルコール依存症患者の神経障害の感知のための医療器具として、音叉の使用は不正確で不適切であることが明白である。他方、 vibrameter は高感度で、神経障害の感知に向いている。何故ならば、 vibrameter が、量的刺激、広範囲の刺激振幅、及びゼロ刺激を利用するからである。
しかし、上記の診断装置(又は、モニタ装置)の何れも、電子通信装置(例えば、ページャ、又は携帯電話)としては機能しない。
従来の装置及び技術に関連する欠点を考慮して、神経障害を感知及び/又はモニタするための、(携帯型で、内科医又は他の医療関係者が身に着けて容易に運搬でき、音叉と比較して高感度で用途に向いた)より良い改良された医療器具に対する必要性が存在する。
本発明の主な目的は、従来の装置及び/又は技術に関連する欠点を克服する、神経障害を感知及び/又はモニタするための装置及び方法を提供することである。
本発明の目的は、神経欠陥(又は、神経障害)を感知(及び/又は、モニタ)するための診断方法及び診断装置を提供することである。
本発明の他の目的は、医療関係者の圧倒的多数が日常的に身に着けて運搬する電子通信装置(例えば、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話)に組み込まれた、容易に携帯できる神経障害感知装置(及び/又は、モニタ装置)を提供することである。
本発明の他の目的は、電子通信装置(例えば、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話)としても機能する、神経障害を感知(及び/又は、モニタ)するための診断装置を提供することである。
本発明の他の目的は、電子通信(例えば、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話)、及び神経障害を感知(及び/又はモニタ)するための医療診断装置の2重機能を有する、小型で運搬が容易な装置を提供することである。本発明の装置は、医療関係者が単純で、素早く、更に正確な試験を実行し、被験者の神経障害を決定することを可能にする。本発明の装置は、神経障害の根本原因が明らかでないときに、医療関係者が更なる診断的評価を被験者に照会することを可能にする即効性をもたらす。
本発明の他の目的は、種々の病状(又は、疾患)(例えば、糖尿病、腎不全、又は尿毒症、アルコール依存症、ビタミン欠乏、及び手根管症候群)により引き起こされる神経障害を感知(及び/又は、モニタ)するために使用できる電子通信及び医療診断装置を提供することである。
本発明の他の目的は、振動知覚しきい値(VPT)、振動消失しきい値(VDT)、及び/又は振動しきい値(VT)を正確な量で聴覚的(又は、視覚的)に指示できる電子通信及び医療診断装置を提供することであり、VTはVPTとVDTの合成として計算される。VTの量的尺度は、神経障害の進行を長時間にわたってモニタすることを可能にする。
本発明の他の目的は、神経障害を感知(及び/又は、モニタ)するための自己診断(又は、自己評価)目的で、個人により容易に使用できる電子通信及び医療診断装置を提供することである。
要約すると、本発明の主な目的は、電子通信装置(例えば、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話)としても機能する神経障害感知装置(及び/又は、モニタ装置)を提供することである。2重機能を考慮して、本発明の装置は、容易且つ安価に製造でき、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話を日常的に運搬する医療関係者により更に容易に運搬される。
上記目的の1つは、本発明によって部分的に満たされ、本発明は1側面で、電子通信及び医療診断装置を含み、電子通信及び医療診断装置は、遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び医学的診断で使用される振動を発生するための第2構成要素を含む。
本発明の他の側面は、電子通信及び医療診断装置を含み、電子通信及び医療診断装置は、振動を第1モード及び第2モードで発生するための装置を含む。第1モード及び第2モードの一方は電子通信で利用され、第1モード及び第2モードの他方は医学的診断で利用される。
本発明の他の側面は、被験者の神経障害を感知するための電子通信装置を含み、電子通信装置は、固定(又は、可変)振幅の振動を発生するための構成要素を含み、本発明の装置が被験者に適用されるとき、振動の知覚(又は、消失)に対するしきい値は、神経障害を感知するための神経機能の尺度として決定できる。
本発明の他の側面は医学的診断方法を含み、医学的診断方法は、(遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び医学的診断で使用される振動を発生するための第2構成要素を含む)電子通信及び医療診断装置を提供すること、振動を発生して本発明の装置を被験者に適用すること、並びに病状を被験者による振動の感知又は非感知に基づいて診断することを含む。
本発明の他の側面は、被験者の神経障害を感知する方法を含み、被験者の神経障害を感知する方法は、(遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び神経障害を感知するのに使用される振動を発生するための第2構成要素を含む)電子通信及び医療診断装置を提供すること、予め定められた振幅(又は、周波数)の振動をしきい値刺激として発生し、本発明の装置を被験者に適用すること、並びに振動が感知できるか否かを被験者が示すことを可能にすることを含み、神経障害の有無は被験者の振動を感知する(又は、感知しない)能力によって示される。
本発明の他の側面は医学的診断方法を含み、医学的診断方法は、(遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び医学的診断で使用される振動を発生するための第2構成要素を含む)電子通信及び医療診断装置を提供すること、本発明の装置を被験者に適用して振動を発生すること、並びに病状を被験者による振動の感知又は非感知に基づいて診断することを含む。
本発明の他の側面は被験者の神経障害を感知する方法を含み、被験者の神経障害を感知する方法は、(遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び神経障害を感知するのに使用される振動を発生するための第2構成要素を含む)電子通信及び医療診断装置を提供すること、本発明の装置を被験者に適用し、予め定められた振幅(又は、周波数)の振動をしきい値刺激として発生すること、並びに振動が感知できるか否か被験者が示すことを可能にすることを含み、神経障害の有無は被験者の振動を感知する(又は、感知しない)能力によって示される。
本発明は、少なくとも部分的に、小型の携帯型装置(例えば、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話)により振動を生成する原理に基づく。振動装置自体(又は、装置から伸長するプローブ)は、患者の手足(指、つま先、脛骨、手首、顔面、等)に適用され、振動を感知する患者の能力に対する特定のレベル(又は、しきい値)を決定する大きさ(又は、振幅)及び/又は周波数で振動する。振幅(固定が好ましいが)は、(しきい値低下の最小感知のために)低、(中度の神経障害を感知するために)中、又は(重度の神経障害を感知するために)高が選択できる。もし患者が(予め選択されたレベルに設定された)振動を感じることができたら、患者のしきい値はレベル設定より低い。逆に、もし患者が振動を感じることができなければ、患者のしきい値はレベル設定より高い。
しかし、振動しきい値は連続量である。従って、本発明は、振動知覚しきい値(VPT)、振動消失しきい値(VDT)、及び/又はVPT及びVDTの合成尺度として計算される振動しきい値(VT)を正確に計量して表示する。振動しきい値の量的尺度は、神経障害の進行を長時間にわたってモニタすることを可能にする。振動知覚しきい値(VPT)は、感じられる最小刺激の(物理単位で表される)振幅として既知である。VPTを決定するために、ゼロから振動感覚が最初に受信されるポイントまで刺激強度が徐々に増加される。その後、刺激強度は、知覚し得る範囲のレベルから感覚消失まで減少される。これは、振動消失しきい値(VDT)を示す。従って、VDTは、感じられない最大刺激の(物理単位で表される)振幅である。VPTとVDTの平均が、振動しきい値(VT)として既知である。
図1に示されるように、本発明の通信及び医療診断装置CMDは振動を発生するためのモータ10を含み、モータ10はシャフト14によって振動ヘッド12へ接続される。電源16(バッテリが好ましい)は、電力をモータ10に供給する。振動モードセレクタ18は、ユーザが本発明の装置CMDを、ページング、音声、データ、等の目的で通信信号受信機/送信機20を介して信号を送受信する通信モード、又は神経障害を感知する(又は、モニタする)診断モードの何れでも動作させることを可能にする。通信モードでは、モータ10は振動を、例えば、標準的なページング(又は、呼び出し)振幅(又は、周波数)で発生する。しかし、診断モードでは、振幅/周波数セレクタ22を起動することにより所望する大きさ(又は、振幅)及び/又は周波数で振動を発生することをユーザは選択できる。更に詳細には、本発明の装置CMDは、固定(又は、可変)振幅(及び/又は、周波数)の振動を発生するように予めプログラムされる。固定された振幅は、ユーザにより選択できる種々の予め選択された値である。同様に、可変振幅は、予め選択された値で直線的、曲線的、又は階段状の方法で変化し、方法もユーザにより選択される。同じ方針で、本発明の装置CMDは、種々の予め選択された固定(又は、可変)周波数で振動を発生するために動作する。
更に、本発明の装置CMDは、振動の選択された振幅(及び/又は、周波数)を示すディスプレイ24を備える。加えて(又は、代案として)、本発明の装置CMDは、振動の振幅(及び/又は、周波数)を音で示す機構を備えてもよい。図示されていないが、本発明の装置CMDは、適切なメモリ・チップ、及びマイクロプロセッサ、又はデータ(例えば、試験されたVPT、VDT、VT、等)を記憶及び/又は処理するための同様の構成要素を含む。これは、神経障害に対する治療の進捗状況を長時間にわたってモニタすること、及び/又は連続的な評価を、例えば、血液透析患者で実行することにおいて特に有用である。加えて、これは、自己診断(又は、自己評価)目的で神経障害を感知中(又は、モニタ中)の個人を補助する。
本発明の装置CMDは、(任意の色のプラスチック(又は、金属)の外部ケーシングを含む)任意の適切な耐久性のある材料で作られる。ケーシングはバレルを(又は、バレルの内部にバレルを)含み、外部ケーシングから振動を切り離す。1又は複数のバッテリは、ボール紙バレルにメッキされた導電アルミニウムの内側に取り付けられることが好ましく、次にボール紙バレルにメッキされた導電アルミニウムは、外部ケーシング(又は、1又は複数のバレル)の内部に取り付けられ、動作スイッチ、1又は複数のバッテリ、及びモータの間に完全な電気回路を提供するか、又はケーシングの中に直接配置され、配線を使用して回路を完成させる。
振動ヘッド(又は、プローブ)12はプラスチック(又は、金属)材料で作られ、本発明の装置CMDの端部から突出する管状(又は、中実)形状を有することが好ましい。
モータ10は、シャフト14にオフセット重量を有する小型DCモータ、又は圧電(又は、他の)トランスデューサであり、被験者には聞こえないが、感知は充分に可能である小さい振幅(及び/又は、周波数)の振動を発生できる。
図2−図6は、本発明による種々の方法/手順を実行するためのフローチャートである。更に詳細には、図2は被験者の神経障害を決定するための方法を示す。図3−図4は、振動知覚しきい値(VPT)を決定し、被験者の神経障害の重篤さを決定して等級を決めるための方法を示す。同様に、図5−図6は、振動消失しきい値(VDT)を決定し、被験者の神経障害の重篤さを決定して等級を決めるための方法を示す。被験者の診察中の内科医(又は、他の医療関係者)が、神経障害、又は神経欠陥(例えば、糖尿病、腎不全、尿毒症、アルコール依存症、手根管症候群、及び/又はビタミン欠乏)を引き起こす病状、不快、又は病気の存在(又は、徴候)を疑った場合、これらの手順が必要に応じて取り入れられる。
図2を参照すると、初診(ステップ10)の後、被験者は神経障害の徴候を更に検査される(ステップ12)。もし医療関係者が他の試験が有益であると感じたら、被験者を振動試験に備えさせる(ステップ14)。振動を感知する被験者の能力を試験するために、本発明の通信及び医療診断装置CMDは、振動モードセレクタ18を起動することにより診断モードに設定され、振幅(又は、周波数)に対して予め設定された標準値は、振幅/周波数セレクタ22を使用することにより選択される(ステップ16)。例えば、予め設定された標準値は、神経障害に対するしきい値として非糖尿病人口の95及び97パーセンタイルに対応する。
本発明の装置CMDが所望する(又は、予め設定された)振幅(又は、周波数)に設定された後、本発明の装置CMDが作動して振動を発生し(ステップ18)、被験者の手足に適用される(ステップ20)。次に、被験者は、彼/彼女が振動を感知できるか否かを尋ねられる(ステップ22)。被験者による振動の感知は神経障害の欠如を示し(ステップ24)、手順は終了する(ステップ26)。他方では、もし振動が被験者により感知されなければ、これは神経障害の存在を示し(ステップ28)、手順は終了する(ステップ30)。
図3−図4は、被験者に対する振動知覚しきい値を決定するための方法を示す。図示されるように、被験者は最初に医療関係者により診察され(ステップ32)、次に神経障害の徴候を検査される(ステップ34)。被験者は振動試験に備え(ステップ36)、本発明の装置CMDが振幅/周波数セレクタ22を起動することによって振動の振幅(又は、周波数)を選択することにより試験する準備ができる(ステップ38)。次に、本発明の装置CMDが作動して振動を発生し(ステップ40)、被験者の手足に適用する(ステップ42)。次に、被験者は、振動を感知できるか否かを尋ねられる(ステップ44)。もし被験者が振動を感知できなければ、振動の振幅(又は、周波数)は徐々に増加され(ステップ46)、被験者が振動を感知できるまでステップ40,42,44が繰り返される。被験者が振動を感知できる値は、振動知覚しきい値(VPT)を被験者に示す(ステップ48)。ステップ48で決定されたVPT値を確認するために(又は、更に信頼性の高い値を得るために)、手順が繰り返され(ステップ50)複数のVPT値を得て平均を得る。次に、ステップ48で決定されたVPT値が、予め設定された標準値(又は、正常値)と比較される(ステップ52)。もし試験された(ステップ48で決定した)VPTが正常であれば(ステップ54)、神経障害の欠如が示され(ステップ56)、手順は終了する。他方では、もし試験されたVPTが正常より高ければ(ステップ60)、神経障害の存在が示される(ステップ62)。もし神経障害の存在が示されたら(ステップ62)、試験されたVPTと予め設定された標準値の間の差に基づき、神経障害の重篤さの等級(例えば、低、中、高)が決められる(ステップ64)。次に、最終的な診断が提供され(ステップ66)、手順は終了する(ステップ68)。
図5−図6は、被験者に対する振動消失しきい値を決定するための方法を示す。図示されるように、被験者は最初に医療関係者により診察され(ステップ70)、次に神経障害の徴候を検査される(ステップ72)。被験者は振動試験に備え(ステップ74)、振動の振幅(又は、周波数)が本発明の装置CMDで選択される(ステップ76)。次に、本発明の装置CMDが作動して振動を発生し(ステップ78)、被験者の手足に適用する(ステップ80)。次に、被験者は、振動を感知できるか否かを尋ねられる(ステップ82)。もし被験者が振動を感知できなければ、振動の振幅(又は、周波数)は徐々に減少され(ステップ84)、被験者が振動を感知できるまでステップ78,80,82が繰り返される。いったん被験者が振動を感知したら、被験者がもはや振動を感知できなくなるまで振幅(又は、周波数)は徐々に減少される(ステップ86)。被験者がもはや振動を感知できな値は、被験者に対する振動消失しきい値(VDT)を示す。更に信頼性の高いVDT値を確認する(又は、得る)ために、ステップ86が繰り返され、複数の値を得て平均を得る(ステップ88)。次に、試験されたVDT(ステップ86)が予め設定された標準値(又は、正常値)と比較される(ステップ88)。もし試験されたVDTが正常であれば(ステップ90)、神経障害の欠如が示され(ステップ92)、手順は終了する(ステップ94)。他方では、もし試験された VDTが正常より高ければ(ステップ96)、神経障害の存在が示され(ステップ98)、等級(例えば、低、中、高)が決められる(ステップ100)。次に、最終的な診断が提供され(ステップ102)、手順は終了する(ステップ104)。
上記手順に対して、しきい値を試験し評価するために予め設定された標準値(及び/又は、予め正当性を立証されたアルゴリズム)を使用することは、臨床設定で神経障害を診断(又は、モニタ)する振動試験の使用を著しく容易にすることを銘記する。これらの標準値(及び/又は、アルゴリズム)は、基準値の決定の後に、神経系疾患(又は、神経系の不調)、神経障害、神経障害を引き起こしやすい他の病気の心配がない無作為に選択された準拠集団に基づいて創出される。次に、この集団が試験され、振動が正常に感知される振幅(及び/又は、周波数)に対するしきい値を決定する。これらの値に基づき、振動の振幅(及び/又は、周波数)は、これらの病気を有することが疑われる被験者の神経障害を決定しモニタし確認するために、パーセンタイルで表される。
図2−図6で示される方法では、振動を発生した後に被験者の手足へ本発明の装置CMDが適用されるが、被験者へ本発明の装置CMDを適用した後に振動を発生することも本発明に含まれることを銘記する。
本発明の標準的な診断アプリケーションは、腎不全に対する血液透析患者の神経診断判定に対するものである。これは、透析患者の病的状態(及び、死亡率)の非常に高感度な判断材料を提供する。本発明の装置の手動記録、又はデータベース機能(即ち、被験者データの記憶及び/又は処理)を通して、患者(即ち、腎臓透析患者)の健康状態に対する個々の神経系の健康全体を評価するために、1つの試験期間から他の試験期間までの尺度の比較が実行される。例えば、尿毒症患者は、日常的に3ヶ月毎に評価される。本発明の装置のこの自動診断機能を使用することにより、尿毒症患者からの連続的測定値が比較され、患者の神経安定性の評価が本発明の装置の診断出力の一部として提供される。評価される患者に対して腎臓透析の現在のレベルを維持するか又は透析量を増加するかを決定するのに、その種の情報は腎臓専門医にとって貴重である。その種の連続的な評価を実行する能力は、本発明の重要な特徴である。
振動試験装置は利用可能であり振動ペンは既知であるが、電子通信及び医療診断装置を利用して振動知覚、及び消失しきい値を試験する医療機器が提案されてきたことを本発明は最初に表す。数十億ドルが糖尿病神経障害に関連する糖尿病による足の問題に毎年費やされることを考慮すると、本発明の有用性は明らかである。更に、本発明のような装置は、まだ提案されていない。しかし、もし(本発明の装置CMDのような)単純で安価な装置を看護師、内科医、及び他の医療関係者が入手できたら、神経障害は早期に感知され、正しい足の手入れを早期に開始することにより多くの潰瘍、感染症、及び切断が回避できる。加えて、いったん感知されたら、本発明の装置CMDを使用することにより神経障害の治療は容易にモニタできる。加えて、本発明の装置CMDは自己診断(又は、自己モニタ)目的のために被験者により容易に使用できるので、早期の自己感知、及び向上したモニタリングが患者に対して医療費全体の減少、及び健康をもたらす。
以上、本発明の好ましい実施例について図示し記載したが、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなしに種々の変形及び変更がなし得ることは、当業者には明らかであろう。
本発明の電子通信及び医療診断装置の種々の構成要素の略図である。 被験者の神経障害を感知するための本発明の方法のフローチャートである。 振動知覚しきい値(VPT)を決定し、被験者の神経障害の重篤さを決定して等級を決めるための本発明の方法のフローチャートである。 振動知覚しきい値(VPT)を決定し、被験者の神経障害の重篤さを決定して等級を決めるための本発明の方法のフローチャートである。 振動消失しきい値(VDT)を決定し、被験者の神経障害の重篤さを決定して等級を決めるための本発明の方法のフローチャートである。 振動消失しきい値(VDT)を決定し、被験者の神経障害の重篤さを決定して等級を決めるための本発明の方法のフローチャートである。
符号の説明
10 モータ
12 振動ヘッド(又は、プローブ)
14 シャフト
16 電源
18 振動モードセレクタ
20 通信信号受信機/送信機
22 振幅/周波数セレクタ
24 ディスプレイ

Claims (54)

  1. a)遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び
    b)医学的診断で使用される振動を発生するための第2構成要素を含むことを特徴とする、電子通信及び医療診断装置。
  2. a)前記遠隔通信信号が無線信号から成る、請求項1に記載の装置。
  3. a)前記装置がポケットベル、ページャ、又は携帯電話として機能する、請求項2に記載の装置。
  4. a)前記装置が被験者の神経障害を感知するためのプローブとして機能する、請求項3に記載の装置。
  5. a)前記第2構成要素が固定振幅の振動を発生する、請求項1に記載の装置。
  6. a)前記第2構成要素が各々が固定振幅の複数組の振動を発生する、請求項1に記載の装置。
  7. a)前記第2構成要素が可変振幅の振動を発生する、請求項1に記載の装置。
  8. a)前記振幅が直線的、曲線的、又は階段状の方法で変化する、請求項7に記載の装置。
  9. a)前記第2構成要素が振動を固定周波数で発生する、請求項1に記載の装置。
  10. a)前記第2構成要素が複数組の振動を固定周波数で各々発生する、請求項1に記載の装置。
  11. a)前記第2構成要素が振動を可変周波数で発生する、請求項1に記載の装置。
  12. a)前記プローブが、神経障害を感知する被験者で振動知覚しきい値、振動消失しきい値、又は振動しきい値を決定するために使用できる請求項4に記載の装置。
  13. a)振動知覚しきい値、振動消失しきい値、及び振動しきい値の1又は複数を指示する聴覚的又は視覚的ディスプレイを更に含む、請求項12に記載の装置。
  14. a)振動を第1モード及び第2モードで発生するための装置を含み、
    b)前記第1モード及び第2モードの一方は電子通信で利用され、前記第1モード及び第2モードの他方は医学的診断で利用されることを特徴とする、電子通信及び医療診断装置。
  15. a)前記装置が、前記第1モード及び第2モードの一方のモードで、ポケットベル、ページャ、又は携帯電話として動作する、請求項14に記載の装置。
  16. a)前記装置が、前記第1モード及び第2モードの他方のモードで、被験者の神経障害を感知するためのプローブとして動作する、請求項14に記載の装置。
  17. a)前記装置が、前記第1モード及び第2モードの他方のモードで、固定振幅の振動を発生する、請求項16に記載の装置。
  18. a)前記装置が、前記第1モード及び第2モードの他方のモードで、複数組の振動を固定振幅で各々発生する、請求項17に記載の装置。
  19. a)前記装置が、前記第1モード及び第2モードの他方のモードで、可変振幅の振動を発生する、請求項16に記載の装置。
  20. a)前記振幅が直線的、曲線的、又は階段状の方法で変化する、請求項19に記載の装置。
  21. a)前記装置が、前記第1モード及び第2モードの他方のモードで、振動を固定周波数で発生する、請求項16に記載の装置。
  22. a)前記装置が、前記第1モード及び第2モードの他方のモードで、複数組の振動を固定周波数で各々発生する、請求項16に記載の装置。
  23. a)前記装置が、前記第1モード及び第2モードの他方のモードで、振動を可変周波数で発生する、請求項16に記載の装置。
  24. a)前記プローブが、神経障害を感知する被験者で振動知覚しきい値、振動消失しきい値、又は振動しきい値を決定するために使用できる、請求項16に記載の装置。
  25. a)振動知覚しきい値、振動消失しきい値、及び振動しきい値の1又は複数を指示する聴覚的又は視覚的ディスプレイを更に含む、請求項16に記載の装置。
  26. a)固定、又は可変振幅の振動を発生するための構成要素を含み、
    b)前記装置が被験者に適用されるとき、振動の知覚又は消失に対するしきい値が、神経障害を感知する神経機能の尺度として決定できることを特徴とする、被験者の神経障害を感知するための電子通信装置。
  27. a)前記装置がポケットベル、ページャ、又は携帯電話としても機能する、請求項26に記載の装置。
  28. a)
    i)遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び
    ii)医学的診断で使用される振動を発生するための第2構成要素を含む電子通信及び医療診断装置を提供し、
    b)振動を発生して前記装置を被験者に適用し、
    c)病状を前記被験者による振動の感知又は非感知に基づいて診断する諸ステップ含むことを特徴とする、医学的診断方法。
  29. 前記装置が無線通信装置として機能する、請求項28に記載の方法。
  30. 予め定められた振幅又は周波数の振動を発生することにより、振動を感知する前記被験者の能力に対するしきい値を決定するステップを更に含む、請求項28に記載の方法。
  31. 前記被験者が振動を感知したら、前記しきい値の等級は低に決められ、もし前記被験者が振動を感知しなければ、前記しきい値の等級は高に決められる、請求項30に記載の方法。
  32. 振動の前記振幅又は周波数を増加させることにより、振動を感知する前記被験者の能力に対する振動知覚しきい値を決定するステップを更に含む、請求項28に記載の方法。
  33. 予め設定された標準値と比較されるとき、前記振動知覚しきい値が低、中、又は高に等級を決められ、それにより病状の重篤さを示す、請求項32に記載の方法。
  34. 振動の前記振幅、又は周波数を減少させることにより、もはや振動を感知できない前記被験者の能力に対する振動消失しきい値を決定するステップを更に含む、請求項28に記載の方法。
  35. 予め設定された標準値と比較されるとき、前記振動消失しきい値が低、中、又は高に等級を決められ、それにより病状の重篤さを示す、請求項34に記載の方法。
  36. 前記病状が神経障害を含む、請求項28に記載の方法。
  37. ステップb)が、正規母集団の約95−97パーセンタイルに等しい予め定められた振幅又は周波数の振動を発生することを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記被験者による振動の感知が神経障害の欠如を示し、非感知が神経障害の存在を示す、請求項37に記載の方法。
  39. 前記振幅又は周波数が固定である、請求項30に記載の方法。
  40. 前記振幅又は周波数が直線的、曲線的、又は階段状の方法で変化する、請求項30に記載の方法。
  41. 前記装置が前記被験者の手足に適用される、請求項36に記載の方法。
  42. a)
    i)遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び
    ii)神経障害の感知に使用する振動を発生するための第2構成要素を含む電子通信及び医療診断装置を提供し、
    b)予め定められた振幅又は周波数の振動をしきい値刺激として発生し、前記装置を被験者に適用し、
    c)前記被験者が振動を感知できるか否かを示すことを可能にする諸ステップを含み、
    d)神経障害の有無は前記被験者の振動を感知する、又は感知しない能力により示されることを特徴とする、被験者の神経障害を感知する方法。
  43. 前記装置が無線通信装置として機能する、請求項42に記載の方法。
  44. 前記しきい値刺激が、正規母集団の約95−97パーセンタイルに等しい、請求項42に記載の方法。
  45. ステップb)が、固定振幅又は周波数の振動を発生することを含む、請求項42に記載の方法。
  46. ステップb)が、可変振幅又は周波数の振動を発生することを含む、請求項42に記載の方法。
  47. 振動の前記振幅又は周波数を増加させることにより、振動を感知する前記被験者の能力に対する振動知覚しきい値を決定するステップを更に含む、請求項46に記載の方法。
  48. 予め設定された標準値と比較されるとき、前記振動知覚しきい値が低、中、又は高に等級を決められ、それにより神経障害の重篤さを示す、請求項47に記載の方法。
  49. 振動の前記振幅、又は周波数を減少させることにより、もはや振動を感知できない前記被験者の能力に対する振動消失しきい値を決定するステップを更に含む、請求項46に記載の方法。
  50. 予め設定された標準値と比較されるとき、前記振動消失しきい値が低、中、又は高に等級を決められ、それにより神経障害の重篤さを示す、請求項49に記載の方法。
  51. a)
    i)遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び
    ii)医学的診断で使用される振動を発生するための第2構成要素を含む電子通信及び医療診断装置を提供し、
    b)前記装置を被験者に適用して振動を発生し、
    c)病状を前記被験者による振動の感知又は非感知に基づいて診断する諸ステップ含むことを特徴とする、医学的診断方法。
  52. 前記装置が無線通信装置として機能する、請求項51に記載の方法。
  53. a)
    i)遠隔通信信号を送受信するための第1構成要素、及び
    ii)神経障害の感知に使用する振動を発生するための第2構成要素を含む電子通信及び医療診断装置を提供し、
    b)前記装置を被験者に適用し、予め定められた振幅又は周波数の振動をしきい値刺激として発生し、
    c)前記被験者が振動を感知できるか否かを示すことを可能にする諸ステップを含み、
    d)神経障害の有無は前記被験者の振動を感知する、又は感知しない能力により示されることを特徴とする、被験者の神経障害を感知する方法。
  54. 前記装置が無線通信装置として機能する、請求項53に記載の方法。
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