JP2007510447A - 人間または哺乳動物を治療するためのカウンタパルセーション電気治療装置 - Google Patents

人間または哺乳動物を治療するためのカウンタパルセーション電気治療装置 Download PDF

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Abstract

電気治療装置は、周期的に反復して生じる信号ピーク、とりわけ人間の心電図のR−Rピークを検出するセンサと、周期的に反復して生じる信号ピークから、T波のほぼ終端に相当する遅延時間を求めるプロセッサと、プロセッサの出力信号により起動されるか、あるいはプロセッサに内蔵され、遅延時間の終端に関連した時点において、人間に取り付けられた1つまたはそれ以上の活性電極に電気刺激を供給するトリガシステムまたはトリガ回路とを備え、人間の体の上に配置された1つまたはそれ以上の電極に電気刺激を印加するための複数の出力チャンネルを有することを特徴とする。

Description

本発明は、周期的に反復して生じる信号ピーク、とりわけ人間の心電図のR−Rピークを検出するセンサと、周期的に反復して生じる信号ピークから、T波のほぼ終端に相当する遅延時間を求めるプロセッサと、トリガシステムまたはトリガ回路とを有する電気治療装置に関する。トリガシステムまたはトリガ回路は、プロセッサの出力信号により起動されるか、あるいはプロセッサに内蔵されており、遅延時間の終端に関連した時点において、人間に取り付けられた1つまたはそれ以上の活性電極に電気刺激を供給する。さらに本発明は、こうした電気治療装置を使用する方法に関する。
最初に評判となったタイプの電気治療装置は、国際特許出願公開第WO01−13990号に開示されている。
この文献に開示された電気治療装置は、いわゆるカウンタパルセーションを用いて、人間または哺乳動物のからだの筋肉を刺激するように構成されている。換言すると、通常、治療される人間または哺乳動物からリアルタイムで得られる心電図のRピークを検出することにより、人間または哺乳動物の瞬間的な心臓の鼓動が決定される。近接する2つのRピークの間で測定された時間差により、既知のいわゆるバゼット関係を用いて、心電図のT波の終端に相当する時間を計算する。その後、通常、T波の終端前のR−R経路の長さの5%からT波の終端後のR−R経路の長さの45%に達する位置までの時間帯において、電気刺激パルスが始まるように、電気刺激パルスを選択された筋肉に印加する。
この種の電気治療は、まさに電気治療がどのように実施されたかに依存するが、人間または哺乳動物の心臓に対して極めて有用な効果を奏し、さまざまな領域の悪条件を治療するために用いることができることが確認されている。
上述の文献WO01−13990A1において、有用な効果は、主に、該文献の図3の曲線の特定の形状に起因し、この図3は、検査中の患者の冠状動脈に流れるフローが相当に増大させ、心筋の状態を改善するための、心臓拡張期の開始時点直後の血圧曲線のこぶを示す。
今日までになされた実験によれば、この説明は物語の一部に過ぎず、人間または患者へのごく微小の局在的な刺激でさえも、微細な末梢血管における血流を増大させ、心臓に対する背圧を相当に低減させ、これ自体が心臓の動作を改善するものと考えられる。いくつかの形態の生体フィードバックが自立神経系を介して行われ、今までに成し遂げられた驚くべき結果を実現するものと考えられている。
上述の文献WO01/13990は、ただ1つの中性電極と1つの活性電極を用いて治療が行われるが、複数の活性電極を用いる方がよりよいことを教示している。その理由は、人間のからだが印加パルスに慣れてしまい、単一の活性電極が用いられた場合、電気刺激信号が与えられた筋肉が疲れて、あまり有効的に刺激されないためである。刺激パルスを異なる活性電極に連続的に印加することにより、印加された刺激により活性化される筋肉群が疲れないようにすることができる。反復して刺激を与える活性電極は、最低でも2つ必要であり、特定の実施形態では、一連の刺激パルスは、第1、第2、第3、および第4の電極に連続して印加されると記載されている。
文献WO01/13990で開示された装置は安全遮断機能を有し、これは、患者の心拍があまりも速いか、遅い場合、患者の血圧があまりにも高いか、低い場合、あるいは不整脈が確認された場合、この装置が自動的に停止することを意味する。
国際特許出願公開第WO01−13990号
この先行技術文献は、干渉(interference)と呼ばれる問題を説明している。
この問題は次のように説明することができる。測定された任意の心臓QRSトレース(心電図)を用いたとき、患者の心拍数を検出するためのトリガ信号は、通常、各Rピークの正の立ち上がり勾配から求められる。トリガ信号は、通常、デジタル式のトリガ信号であって、上述した遅延時間帯内の所定の時点において必要な遅延時間後に、電気的な筋肉刺激信号を開始する。この刺激信号は、心拍信号自体より何倍も大きい振幅を有する電気信号であるので、電気刺激信号は、人間のからだ中に伝わり、やがては心臓信号センサも電気刺激信号を検出することになる。ここで、筋肉に対する刺激パルスが心臓に対するカウンタパルセーションに(つまり、T波の終端に)供給されるように、電気治療装置が制御設定された場合、トリガユニットは、まず、Rピークを示す所望のトリガ入力信号を心拍センサから受信する。さらに、R−Rサイクルの間、まさに筋肉が刺激されている時に、はるかに強い電気刺激信号が筋肉に供給され、これが別のRピークとして解釈され、さらなるトリガ信号を生成する。このトリガ信号により、同一のR−Rサイクル中であって、さらなるトリガ信号の後の上述と同一の遅延時間において、第2の不必要な筋肉刺激が生じる。この第2の不必要な筋肉刺激は、刺激された人には、カウンタパルセーションモードから予想される鎮静リズムに比して極めて不規則的な突然の予期しない外乱(disturbance)として知覚される。その結果、おそらくは脳および心臓への神経伝達を介して、心拍数が急激に増大する。こうした干渉があるとき、同期刺激カウンタパルセーションは機能せず、所望の心臓負荷の低減を実現することはできない。
この問題を解消するために、文献WO01/13990は、心拍センサからのトリガ信号が電気治療装置により記録された後、干渉時間帯を有効に閉じるゲート機構を提供している。電気治療装置は、必要なトリガパルスを受信するが、電気刺激により生じる不必要なトリガパルスを回避するように、この干渉時間帯を再び開く。
上記文献は、干渉時間帯を定義するゲート機構の実際的な実施例を教示している。このゲート機構は、マイクロプロセッサを制御するソフトウェアの形態で実現され、デジタルトリガ信号の上昇端により、マイクロプロセッサは割り込みルーチンを実行し、干渉時間帯を閉じる動作が、不必要なトリガ信号の受信を阻害するソフトウェアゲートにより起動される。こうして電気刺激に起因するさらなるトリガ信号は、干渉時間帯が閉じている限り、マイクロプロセッサに伝達されない。干渉時間帯の開閉は、測定されたR−Rサイクルに対して選択されたプログラム可能で調整可能な設定値により設定される。
上記文献は、電気治療装置内の適用可能な制御ユニットが自動的に心臓の負荷をできるだけ小さくすることを可能にする方法を記述した実際的でプログラム可能なアルゴリズムを開示している。上記文献の開示によれば、第1に、遅延時間、つまり各Rピークから刺激信号を起動するまでの時間に関する現実的な最大値および最小値が定義されている。これらの最大値および最小値は、後続のR−Rピークから測定された一般的な心拍数に対して設定される。通常、最小の遅延時間は、遅延時間帯の開始時点またはそれより少し前に、すなわち、いわゆるバゼット関係式などを用いて計算されるT波の予想される終端の前のR−R経路の長さの5%に相当する時点またはそれより少し前に選択される。安全予防策として、最大の遅延時間は、T波の終端の後のR−R経路の長さの45%を超えないように選択することができる。しかし、最大の遅延時間は省略することができる。
ここで、オフセット値を定義して、最小の遅延時間に付加し、刺激信号を開始する時刻を定義するために用いる。オフセット値の通常の初期値は、R−R経路の5%〜10%であってもよい。この遅延時間を用いて、すなわち最小の遅延時間にオフセット値を加えた遅延時間を用いて刺激を開始し、後続のR−Rピークの間の距離を測定することにより心拍数をモニタする。心拍数が低減すると、R−R経路の長さが小さくなると、オフセット値の所定量、例えば、当初のオフセット値の固定的部分だけ低減し、心拍数が低減したか否か、再度チェックする。その場合、オフセット値を再度低減して、心拍数のさらなる低減が確認されなくなるまで、あるいは安全遮断装置に設定された最小の心拍数に達するか、心拍数が再び増大するまで、このプロセスを継続する。
心拍数が再び増大すると、遅延時間(最小遅延時間にオフセット値を加えたもの)は、もはや最適な値ではなくなる。
心拍数が増大すると、心拍数を低減するために、同様にオフセット値を低減する必要がある。心拍数が再び増大し始めると、オフセット値があまりにも大きいことを示唆している。これは、最適なオフセット値、すなわち最小の心拍数を実現するオフセット値が見出されたことを示唆する。オフセット値は、この最適値に戻すことができる。適当なオフセット値が決定されると、その後の使用のためにこれを保持することができる。
上記文献は、必要なオフセット値、または各Rピークから刺激電気パルスのトリガまでの全体的な遅延時間を決定するための実用的なシステムを提供し、電気治療装置を実用的に実現するものであるが、特に不整脈を患う患者に関して改善の余地がある。こうした不整脈を患う患者、つまり心拍が一定でない患者に関して、先に測定された2つのR−Rパルスの間の距離に依存して、電気刺激信号を次に印加すべき時点を決定すると、不適当な時点でトリガし、患者を不快にする可能性がある。
さらに、上記文献で開示されたような既存の装置は、有用な効果を伴って、数多くの用途において用いることができるが、電気治療装置の機能を改善し、その利用範囲を拡大することが望まれている。
したがって、本発明は、第1に、とりわけ患者が不整脈を患っている場合など、電気刺激パルスを伝達すべき時点(時間)を決定するための改善された機能を有する改善された電気治療装置を提供する目的に即してなされたものであり、新規の治療方法を含む広範なさまざまな治療のために用いることができる、改善された電気治療装置を提供する目的に基づいてなされたものである。
この目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、最初に評判となったタイプの電気治療装置において、プロセッサが以下の特徴を有するように構成される。すなわち、このプロセッサは、
a)連続する信号ピーク対の間の時間および人間の心拍数に関連する値を有する連続信号ピーク対を特定し、
b)前記値と電気治療装置が許容する最大および最小の技術的許容限界値とを比較し、
c)前記値と最大および最小の選択された許容限界値とを比較し、
d)前記値のそれぞれが以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上大きいか否かを判断し、
e)前記値のそれぞれが以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上小さいか否かを判断し、
f)前記比較結果b)および/またはc)が肯定的で、前記判断結果d)およびe)において、前記値が、以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上大きくなく、以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上小さくないと判断された場合に限り、トリガシステムを起動する。
すなわち前記特徴a)によれば、本発明の電気治療装置は、まず、連続する信号ピーク対の間の時間および人間の心拍数に関連する値を有する連続信号ピーク対、例えばR−Rピークを特定する。電気治療装置は、治療すべき人間の心拍数に対し、例えば1分間あたり30回の最低値および250回の最大値の固有の最小および最大の技術的許容限界値を有する。おそらく不整脈に起因して、検出された心拍数がこれらの限界値の範囲外にあるとき、この装置は、こうした特異的な心拍数に対してうまく対応することができず、電気信号を生成しない。
さらに、通常、前記の技術的限界値より厳しくなる要に選択された最大および最小の許容可能限界値を設定することが好ましい。例えば特定の患者に対して、治療する医者は、最低限界値を1分間あたり40回とし、最大限界値を1分間あたり170回と選択して、これらの限界値から逸脱する心拍数を有する患者を意図的に治療しないことができる。すなわち、この電気治療装置のプロセッサは、心拍数として特定された値が選択された最大限界値と最小限界値の間の範囲に収まるか、あるいは逸脱するか比較する。こうした選択された限界値を用いると、当然に、測定値は前記の最大および最小の技術的許容限界値の範囲内に収まるはずであり、前記ステップc)を実行するだけで十分である。最大および最小の選択された許容限界値を用いない場合、ステップb)に基づく比較だけを行えば十分である。
R−R経路に対して求められた現在の値が、R−R経路に対する以前の値、通常、直前の値(例えば初期の心拍数または初期の測定結果から得られた代表的な値でも可)または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上大きいか否かを判断する。加えて、R−R経路の長さに対して求められた現在の値が、以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上小さいか否かを判断する。現在の値が、以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上大きいか、あるいは以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上小さい場合、患者の心拍は不整脈により不規則であると推定され、電気刺激は起動されない。しかし、値がこうした設定された限界値の範囲内に収まるとき、センサが後続の電気刺激に起因する偽のピークを検出することを防止するために、あるいは少なくともセンサが検出する任意の偽のピークを排除するために、まずゲート時間帯を閉じる。その後、電気刺激信号が起動され、電気刺激が施される。センサが次のRピークを検出し、上述の計算および比較プロセスを反復できるように、次に予定されるRピークの前の時点で干渉時間帯が再び開かれる。
次のRピークが予定された時間帯で検出されなかった場合、すなわちRピークが干渉時間帯の開く前に到達したか、あるいは予定した時点よりはるかに遅く到達したことを示唆し、患者の心拍が不定期であり、つまり不整脈が認められると、さらなるRピークが上述の限定値の範囲で検出されるまで、電気治療装置は待機し、電気刺激を再開する。
基本的に、現在測定されたR−R経路の長さに対して上述した処理に基づけば完全に十分であると考えられるが、2つの連続するRピークの間のここで測定された遅延時間ではなく、R−Rの過去の平均値に基づいて上述の処理を行うことにより、さらに高い信頼性が得られる。
複数の過去の値が、以前に測定された値に事前設定された正の偏差、すなわち所定量を加えた値と、先に測定された値より事前設定された偏差小さい値との間の範囲に含まれる値を含むシステムにおいて、とりわけ過去の複数のR−R値から得られた平均値を用いた場合に有用である。
電気治療装置の特に好適な形態がクレーム2〜13で定義されている。
不整脈がある場合のこの装置の信頼性を改善するだけでなく、この装置の範囲を拡大するために、次のような電気治療装置が提供される。この装置は、人間の心電図のR−Rピークなどの周期的に反復する信号ピークを検出するセンサと、周期的に反復する信号ピークから、T波のほぼ終端に相当する遅延時間を求めるプロセッサと、プロセッサの出力信号により起動されるか、プロセッサに内蔵された、遅延時間の終点に対応する時点で、人間の上に配置された1つ以上の活性電極に電気刺激を供給するためのトリガシステムとを備えた電気治療装置であって、人間の上に配置された1つ以上の活性電極に電気刺激を供給するための複数の出力チャンネルを有することを特徴とする。各チャンネルに対して、それぞれのオフセット値が遅延時間に加算される。
すなわち、すべてのチャンネルが1つの筋肉または筋肉群の上にある活性電極と接続された場合、これらは異なるタイミングで複数の電極に刺激パルスを印加することができる。したがって、第1の刺激パルスで励起された筋肉収縮が緩和し始めた時、第1のチャンネルからの第1の電気刺激信号が出力された後からの所定の時点において、あらたな電気刺激信号が第2のチャンネルにより筋肉に印加される。こうして筋肉収縮の全体の期間を延長することができる。同様にして、第3のチャンネルからの電気刺激信号が、第2のチャンネルにより印加された電気刺激信号のオフセット値よりも大きい異なるオフセット値で印加され、より長い期間、筋肉収縮を維持することができる。第4のチャンネルを用いて、同一の状況を繰り返すことができる。このようにして、実質的にT波の終端から、最近のRピークの上昇面の開始点から計測したR−R経路の全体の85%〜95%の範囲に収まる値までの最大所望時間、筋肉収縮を持続させることができる。
一般に、筋肉収縮が実際に完了した時点で、次のRピークは生じていないので、これを検出することはできない。この観点において、この装置は、1つの心拍が測定されると、次の心拍は同様の長さを有するかどうかに基づいて作動し、ここ最近の2つの前回のR−Rピークの間の距離を用いて、4つのチャンネルの刺激信号の伝達に関するタイミング値を決定する。
上述の技術により、異なる電気刺激信号、すなわちチャンネル毎に異なる刺激信号形状および値を用いることが可能となり、これはいくつかの状況において好都合となり得る。
別の具体例として、2つの活性電極を用いた場合、チャンネル1および3から刺激信号をそれぞれの電極に同じ遅延時間で印加し、チャンネル2および4から刺激信号を2つの電極のうちの他方のそれぞれの電極に同じオフセット値で印加することができる。
電気治療装置が複数のチャンネルグループを備え、各チャンネルグループが複数のチャンネルを有する場合、この電気治療装置はとりわけ好適である。チャンネルグループのそれぞれは、同数のチャンネルを有する。例えば、2つまたは3つのチャンネルグループを設け、各チャンネルグループは4つのチャンネルを有することができる。
こうした装置が作動するさまざまな特定の手法がある。
例えば、各チャンネルおよび各チャンネルグループに同じ遅延時間を付与することができる。それぞれのチャンネルグループに対して4つの活性電極を設けた場合、各グループの各チャンネルをそのグループに関連する4つの電極のそれぞれに接続することができる。というようにこの装置を作動させることができる。最初にチャンネル1が第1電極に付随する筋肉または筋肉群を刺激した後、第1電極とは異なる筋肉または筋肉群に付随した第2電極に刺激信号を印加する。チャンネル3は第3の刺激信号を第3電極に印加し、この刺激はさらに別の筋肉または筋肉群を刺激し、その後、チャンネル4は第4の刺激信号を第4電極に印加し、この刺激はこの電極に付随する別の筋肉または筋肉群を刺激する。これにより、それぞれの筋肉は、4心拍数毎に1回、刺激されることになり、そのため筋肉または筋肉群のそれぞれは、再び刺激されるまで心拍数3回分に相当する休養期間をもつことができる。
複数のチャンネルグループが設けられている場合、チャンネルグループのそれぞれを用いて、からだの上の異なる筋肉群を刺激し、こうして全体的な刺激を改善することができる。
この装置を作動させる別の方法は、任意の他のチャンネルグループに関連する遅延時間とは一般に異なる遅延時間を有するように各チャンネルグループを構成することである。これは、1つのチャンネルグループに対して1つの遅延時間を付与し、別のチャンネルグループに対してはこの遅延時間に各オフセット時間を加えるように、プロセッサをプログラムすることにより実現することができる。
このように構成された装置を用いた場合、出力チャンネルからなる各チャンネルグループは、通常、人間または哺乳動物の体の上で互いに近接した筋肉群に関連し、このとき出力チャンネルの各グループに関連する筋肉群は、出力チャンネルの各グループのための筋肉群と同じであり、各出力チャンネルグループのそれぞれにより伝達される刺激信号は、任意の他の出力チャンネルグループにより伝達される刺激信号に対して、時間的にずらして伝達される。このように例えば各グループが4つの出力チャンネルを有し、4つの電極が設けられた場合、第1の刺激信号をグループ1のチャンネル1を介して電極1に印加し、第2の刺激信号を次の心拍中に電極2に印加し、第3の刺激信号を第3の心拍中に電極3に印加し、第4の刺激信号を第4の心拍中に電極4に印加してもよい。第2のチャンネルグループの追加的なオフセット値により、例えば、第2のチャンネルグループのチャンネル5から、第1の心拍中に第2の刺激信号を第1の電極に印加し、第2のチャンネルグループのチャンネル6から第2の刺激信号を第2の電極に印加することができる。こうして、各筋肉は、1回の心拍中に全体で1度だけ刺激されるが、筋肉収縮を持続させるように複数の刺激インパルスが印加される。
このような装置設計を用いる別の方法は、出力チャンネルグループのそれぞれに対して、通常、人間または哺乳動物の体の上で互いに近接した筋肉群に関連付けることであり、1つの出力チャンネルグループに関連した筋肉群に対して、任意の他の出力チャンネルグループに関連する筋肉群とは異ならせることであり、出力チャンネルグループのそれぞれから関連する筋肉群へ伝達される刺激信号を各チャンネルグループ毎に同時に起動することである。
すなわちすべての筋肉は、各筋肉または各筋肉群に対して、4つのチャンネルを用いることにより、関連するチャンネルグループから位相で繰り返し刺激され、各筋肉群は実質的に3回の心拍数を有する休憩期間が与えられる。
上述の種の装置の別の使用方法において、出力チャンネルグループのそれぞれは、通常、人間または哺乳動物の体の上で互いに近接した対応する筋肉または筋肉群に関連付けられ、1つの出力チャンネルグループに関連付けられた筋肉群は、他の任意の出力チャンネルグループに関連付けられた筋肉群とは異なり、各出力チャンネルグループから対応する関連した筋肉群へ伝達された刺激信号は、それぞれのチャンネルグループに対して異なる時点で起動される。
とりわけ、各チャンネルグループにそれぞれ関連した筋肉群を人間または哺乳動物の体の上に配置することができ、1つのチャンネルグループに関連付けられた心臓により近い筋肉群は、別のチャンネルグループに関連付けられた心臓からより遠い筋肉群よりも後に刺激される。これにより、筋肉収縮により末梢部から心臓の方への血流のポンプ作用を行うことができる。
択一的には、各チャンネルグループがそれぞれ関連付けられた筋肉群を人間または哺乳動物の体の上に配置することができ、1つのチャンネルグループに関連付けられた心臓からより遠い筋肉群は、別のチャンネルグループに関連付けられた心臓により近い筋肉群よりも後に刺激される。これにより、心臓から末梢部の方への血液のポンプ作用を支援し、体の特定部位に流れる血流を増大させ、例えば損傷後の回復のために、体のこの部位の血量を改善することができ、体内のリンパ移動に役立つように用いることができる。
本発明のとりわけ好適な実施形態は、以下のクレームに記載されている。
単なる具体例として、添付図面を参照しながら本発明について詳細に説明するが、図1〜図4は上記文献の図1〜図4とほぼ同様であり、図2Aおよび図4は変形例を示し、その他の図は、本発明の実施形態に特に関連する。
ここで本発明を理解しやすくするために、図1A、図1B、および図1Cを参照しながら、人間の心臓の通常の動作について簡単に説明する。
図1Bに示す心臓10は、右心房RA、右心室RV、左心室LV、および左心房LAの4つの室を有する。心臓に戻る静脈血液は、右心房に入った後、右心室に入り、肺動脈を介して肺に流れる。血液は、肺において酸素を取り込み、矢印14に示すように左心房に戻る。この時点から、酸素を取り込んだ血液が左心室、そして大動脈AOに入り、いわゆる体内への大循環器系を流れる道のりが始まる。右心室から肺、そして左心房に至る循環器系は小循環器系と呼ばれる。
心臓の動作は電気信号を伴うものであり、この電気信号は図1Aに示す心電図上に表れる。ポイントPは、2つの心房RAおよびLAの収縮を表し、これらの心房は、逆止弁として機能するそれぞれの弁16、18を介して、各心室RVおよびLVに血液を押し出す。Qで始まりTで終わる心電図の期間は、心収縮期と呼ばれ、心室の収縮を表し、これにより血液は、右心室から肺静脈へ、左心室から大動脈へ放出される。この心収縮期において、弁16および18は閉じ、右心房および左心房へ血液の逆流が防止される。TQ期間は、心拡張期と呼ばれ、心室の緩和または弛緩を意味する。酸素を取り込んだ血液が、弁20,22の直ぐ上流側において大動脈から分岐した冠状動脈CAを介して心臓に送られ、これらの弁により、心拡張期において、大動脈から左心室への血液の逆流が防止される。明白なことであるが、心臓自体が筋肉であり、筋肉を動かし続けるためには、酸素を取り込んだ血液を供給する必要がある。心拡張期において、冠状動脈CAを流れる酸素を取りこんだ血液が、心臓に供給される。ポイントTにおいて、大動脈AOの弁20,22は閉じ、このとき、血液が大動脈内の血圧により冠状動脈CAに入る。したがって、大動脈AO内の圧力が心拡張期において増大することは、冠状動脈にとって好ましい。
以下に説明するように、本発明に関する重要な結果の1つは、心拡張期における大動脈の圧力が若干増大することで、これは、心臓筋肉の動作に対して意味深い効果を与えることが分かってきた。
図2Aは、本発明のテストに用いられてきた基本的な装置であって、本発明を実現するための完全に実行可能な装置を示す。ただし、以下に説明するように、さらなる種々の改善および改良を全体的に加えることができる。
図2Aに示すように、患者24は、ベッド26の上に横たわり、この実施形態では3本の検出電極30を介して心電計28に接続されている。心電計は、この検出電極から、特定の患者24の心電図32を表示装置34上に示すことができる。3本の電極30を介して心電計が得られる情報から、図1Aに示す心電図のR−R経路の反復周波数に相当する信号を抽出することができる。すなわち、この信号は、患者の心臓が脈動する周波数、すなわち心拍数を意味する。
この信号は、図2Aでは図示しないが、図2Aの装置の動作に関連する図4で概略的に図示するライン38を介して、トリガシステムを有するパルス発生器36に供給される。この実施形態では、トリガシステムはプロセッサに内蔵され、適当なソフトウェアを組み込むことにより、図2Aに示すような4本の活性電極40を介して、患者24に一連の二相矩形パルスを供給する。一連の二相矩形パルスの正確な形状については、図2Bを参照して後述する。この実施例では、トリガシステムはプロセッサに内蔵されるが、別体のユニット(図示せず)として、プロセッサからトリガ信号を受信するようにしてもよい。その場合、ここで開示される出力チャンネルは、プロセッサではなく、別体ユニットの外部側面に設けてある。
別の電極42は、電気回路を形成するために必要な中立的な電極である。図2Cに示すように、一連のパルス(パルス群)44は、患者の心臓の周期毎に1回ずつ、心電図のT波の終端と同期させるようにタイミングを図って与えられる。パルス群44は、心電計の表示装置34上に表示され、オペレータは、一連のパルス44と心電図34の間の位相関係を見極めることができる。
表示スクリーン上で心電図とパルス群44を重ねて表示することにより、オペレータ46は、本発明が要請する心臓共鳴が確実に得られるように、パルス群がQ波に対して適正に遅延しているかどうかを見極めることができる。
上述のように、パルス群は、T波の終端において開始するように設定されることが好ましい。オペレータ46は、それぞれのパルス群がT波の終端と同期するように、パルス群の開始点の位相、すなわち遅延時間を調整することができる。これは、図2Aおよび図4の符号48で示すプロセッサへの1つの手入力による信号である。
患者に与えられるパルス群44の効果を説明する前に、パルス発生器36と電極40,42を有する入力システムが形成するパルスに関連して、本明細書が用いる用語について説明するのが好ましい。
パルス発生器36の基本的な出力信号は、図2Bに示すとおりである。それは、いわゆる複数の二相矩形インパルス(刺激)からなる一連のパルス(パルス群)である。各二相矩形インパルスは、正の矩形半パルス50と、その直後に続く負の矩形半パルス52とを有し、各二相矩形インパルスの幅は、正の矩形半パルス50の幅と、負の矩形半パルス52の幅の和で求められる。図2Bに示す二相インパルス50,52の後に、所定の間隔をおいて、図2Bに示す第2の二相インパルス50’,52’が続く。二相パルスの連続する正の半パルス50,50’の間の距離により、この信号の反復周波数が求められる。連続する二相パルスの間隔、および連続する二相パルス群の間隔において、電極40に印加される電圧は、患者に対して刺激しないように、ゼロ、すなわち中立的な電極42の電圧と同じである。このゼロ電圧は、図2Bの図では符号54で示されている。電極に電圧を印加する代わりに、電流を流すこともできることに留意されたい。このとき、電圧に関する記述を電流に関する記述と読み替えることができる。
上述のように、二相矩形パルス群のそれぞれは、心電図のT位相の終端において、すなわち心電図の上にインパルス群を重ね合わせた心電図の拡大部分を示す図2Cにおけるポイント56において、開始するようなタイミングで与えられている。この特別の具体例で、各二相矩形パルス群のパルス反復周波数は、こうしたパルスが、パルス群間隔の範囲で、5回が生じるように選択される。パルス群間隔は、通常、治療される人間のR−R経路の3〜5%に相当する時間を有するように選択される。
パルス群間隔の典型的な値は、心拍の全体期間であるR−R間隔の3%である。したがって、パルス発生器36が形成するパルス反復周波数は、この具体例では、心拍期間の0.033%の期間に5個のパルスが形成されるように、すなわち心拍周期は通常1秒であるから、パルス群の個々のパルス反復周波数は150Hzとなる。
適当な具体例を示すために、電極40に印加されるパルス発生器36の出力信号の振幅は、プラス40Vの正の振幅50からマイナス40Vの負の振幅52まで変化させることができる。
これらの値は、単に具体例として挙げられたに過ぎず、さまざまなファクタすべてに依存して、実質的な変形例を構成することができる。
二相信号の振幅に関する限り、その治療が苦痛であると感じる電圧が、患者により異なるということが確認されている。したがって、オペレータ46は、患者が多少の苦痛を感じるまで二相パルスの振幅を変え、患者が不快とならないように少し振幅を小さくしてもよい。
一般的にいえば、ゼロボルトより少しだけ高いところから始まる下限値(例えば、2,3ボルト)を有する振幅を用いることができる。上限値は、印加される電圧レベルと、これにより得られる電流を、患者が快適であると感じるかどうかに依存する。(少なくとも理論上は、少なくとも非破壊的な値に限定した場合、極めて高い電圧を用いることができる。)
各パルス幅と、各パルス群間隔との関係は、電極40,42を介して刺激される筋肉に注入される全エネルギ量を決定する。1対5の比が有効であると認められたが、この比を実質的に変化させることができるし、実際のところ、間隔は絶対的に本質的なものではない。一般的にいうと、すべての患者に関し、間隔に対するパルス幅の比、およびパルス振幅に依存する閾値に達すると、熟練した観察者は、非自発的な筋肉収縮をはっきりと確認する。そしてこの装置は、通常、非自発的な筋肉収縮が明確に表れる閾値よりも高いレベルのパルス振幅、およびパルス間隔に対するパルス幅の比を用いて作動する。
二相パルスを用いる特に重要な理由は、印加されたインパルスに起因して、組織内で電気分解が起こることを避けるためである。一方の半パルスの間に生じ得るこの種の効果を、次の半パルスで直ぐに反転させることができる。上述のこの種の二相矩形パルスは、満足できるものであるということが確認されており、現在のところ好適なパルスの形態を示すが、それらはただ1つの可能性というわけではない。一般に、パルス発生器により供給されるパルスは、立ち上がり信号成分と立ち下がり信号成分を有するという文脈において二相である。しかし、ある条件下では、単一位相の矩形パルスを同様に用いることができる。確かに、負の半パルス波が正の半パルス波と同じ大きさと形状を有することは本質的には必要でない。正の半パルス波は、負の半パルス波の振幅と幅とは異なる振幅と幅を有していてもよい。さらに、パルスが矩形パルスであることも本質的でない。それらは、シヌソイドであってもよいし、必要ならば、別の他の形状を有していてもよい。
図4から明らかなように、本発明の好適な実施形態によれば、オペレータ46は、患者を治療する際に、さまざまな異なるパラメータを設定することができる。その第1のパラメータは、QRS心臓信号のQ波の終端から、インパルスの有効な開始点、すなわちT波の終端から始まるインパルス群の開始点までの時間差異である遅延時間、またはインパルス遅延時間である。オペレータ46は、例えば、測定されたR−R経路の長さの比率として遅延時間を決定するポテンショメータを調整することにより、対応する入力値をプロセッサにキー入力し、プロセッサのプログラムにより有効に機能させることにより、符号48で遅延時間を調整することができる。これは、次に述べる理由から、図2Aおよび図4に示す装置において極めて重要な調整である。
すぐ後に説明するように、このパルスによる効果は心臓負荷の軽減である。これは、心拍、すなわち心臓の鼓動の周波数が低減することにより実現される。これは、心電図の連続するRピークの間の時間間隔が増大することを意味する。すると、Q波からT波の終端までの距離がR−R時間間隔に対して既知の関係にあるので、R−R間隔だけでなく、Q波からT波の終端までの距離が増大する。すなわち、遅延時間が固定されてしまうと、心拍数が変化するために、パルス群44の開始点がT波の終端とは必ずしも同期しなくなる。したがって、オペレータが遅延時間を設定するとき、オペレータはミリ秒単位の遅延時間の特定の値を設定するのではなく、測定されたR−R経路の長さに対する特定の割合として遅延時間を設定する。
第1のパルス群がT波の終端で開始するように遅延時間が設定されたとき、最良の結果が得られることが多い。ただし、パルス群がT波の終端より遅い時点で開始した場合でも同様に有用な結果を得ることができる。この装置のいくつかの応用例において、このことは、後述するように好ましい特徴である。
実際的にいうと、電気刺激パルス群の開始点は、心電図のT波の終端からR−R経路の5%の長さだけ遡った時点から、心電図のT波の終端からR−R経路の45%の長さだけ進んだ時点までの時間範囲内に維持することが好ましいと考えられている。
電気刺激信号群の開始点は、この範囲内で選択することができる。
オペレータ46が変更できる別のパラメータは、各T波の終端後に患者に与えるパルス群の間隔である。図2Cに示すように、パルス群間隔は、インパルス群の中の1つのインパルスの始点と終点の間の時間として定義される。この変更の可能性が図4の参照符号58により示されている。
パルス群自体は、パルス群間隔として定義される時間で順次反復される一連の電気インパルスである。パルス発生器の周波数の出力値、すなわち、各パルス群の二相パルス反復周波数、パルス群が1秒間の長さを有するとしたときの1秒間当たりに反復されるパルスの数を変化させることにより、各パルス群内にある電気インパルスの数を変更することができる。さらに、パルス群間隔により、所与の周波数を有する刺激がどの程度長く反復して供給されるか、すなわちインパルスが心臓の1周期でどの程度数多く有効に供給されるかが決定される。オペレータ46は、パルス群の周波数と間隔を、図2Aおよび図4の具体例に示す入力部60で変更することができる。図2Aおよび図4の実施形態において、オペレータ46が容易に変えられる他の変数は、二相矩形インパルスの振幅、すなわち、図2Bに示すように、正の半周期50のピーク値と、負の半周期52のピーク値の最大差異である。この調整の可能性を図4の符号62に示す。振幅は、通常、ボルトを単位とする電位差として測定される。別の実施形態(図示せず)では、電圧ではなく、電流曲線をプロットし、電流曲線の対応するピーク振幅を参照しながら、振幅を変えてもよい。
図2Aおよび図4に示す装置において、さらに3つのパラメータがあり、これらは固定されており、この実施形態では、オペレータ46により変更することができない。これらのパラメータの第1は、図2Bに示すように、電気インパルスの始点と終点の間の間隔であるパルス幅である。図2Aおよび図4の具体例では、パルス反復周波数が150Hzのとき、パルス群間隔がパルス幅の長さの5.66倍となるように、パルス幅が選択される。すなわち、パルス幅を固定することにより、パルス反復周波数の変化に応じて、パルス群間隔を自動的に変化させる。パルス幅を可変的にした場合、いくつかの他の実施形態と同様、パルス群のパルスの反復周波数は変化しないと仮定して、パルス幅を変化させることにより、図2Bに示す間隔を自動的に変化させる。図4に示すボックス64は、パルス幅の固定値を選択するための入力部を示す。
図4に示すさらなるボックス66,68は、パルス発生器の出力に関するさらなる2つのパラメータを示し、これらのパラメータは、図2Aおよび図4の装置においては固定され、オペレータ46が容易に変更することはできない。ボックス66は、インパルスの形状、すなわち電気インパルスの振幅がインパルスの幅全体に亙って表示されるときに示される電気的インパルスの幾何学的な形状に関連する。この具体例において、これは二相矩形パルスであるが、例えば、シヌソイド状または鋸波状の異なる形状であってもよい。
ボックス68は、インパルスの形状が電気的に正および負のインパルス位相の間でどのように反復するかを示す交流モードに関するインパルスモードを変更する可能性を示す。この具体例において、インパルスモードは、明らかに二相で、交互に反復する同一の正および負の電気的インパルスを有する。しかし、このモードスイッチを用いて、オペレータは、例えば、2つの正の半パルスの後に1つの負の半パルスが続くような他のモードを選択することができる。
図2Aを参照して、同様に、本発明の他の態様を説明する必要がある。それは、複数の電極40,42を用いる可能性に関する。上述のように、電極42は、中立性を有する電極であって、ただ1つだけ設ける必要がある。しかし、体の異なる複数領域において治療がなされる場合、各活性電極または活性電極の各グループの付近に中立電極を配置できるように、2つ以上の中立電極を用いることができる。長時間に及ぶ治療に際して、複数の活性電極40を設けることが推奨される。
その理由は、人間の体が与えられたパルスに慣れる可能性があるためである。1つの活性電極40が設けられた場合、すなわち図2Bに示す二相矩形インパルス信号がたった1つの電極にしか供給されない場合、この電極と中立電極42の間の電位差により刺激される筋肉が次第に疲れ、あまり有効には刺激されなくなってしまう。複数の刺激インパルスを異なる活性電極に連続的に印加することにより、印加されたインパルスが作用する筋肉群の中の筋肉を疲れさせないようにすることができる。連続的な活性電極の最低数は2つである。
パルス発生器の出力信号をいくつかの電極40に連続的に与えることにより、問題なく、何日間にも亙って治療を実施できること、そして実際には、たった2つの電極で十分であることが、実験により確認された。ただし、4つの電極が好ましい。
現在までに実施された実験において、第1のパルス群44が第1の電極40に供給され、次のパルス群が第2の電極に供給され、その次のパルス群が第3の電極に供給され、さらにその次のパルス群が第4の電極に供給され、さらにまたその次のパルス群が第1の電極に供給される。しかし、この種の順序は、本質的ではない。いくつかのパルス群を1つの電極に供給し、その後、次の電極に変更することも完全に実行可能である。連続的なパルス群、またはパルス群のグループを複数の電極に無作為に供給することも完全に実施可能である。
個々の電極40,42の配置位置に関し、重要なことは何もないことを強調しておく必要がある。ここでは電極は、治療時、腹部領域に図示されているが、実質的には、患者の体のどの部分であってもよい。本発明の驚くべき特徴は、末梢脈管系の任意の部分に、たとえ僅かな量であっても、励起エネルギで刺激することにより、本発明の有用な効果が得られたということである。
以下の説明において、実現可能な電気刺激の形式について、より詳細に説明する。
同様に、図4において、パルス発生器から患者に入力される刺激が、どのように体に作用するかを示す一連のボックスが図示されていることに留意されたい。ボックス70は、刺激が直接的刺激またはより有用である神経筋刺激であってもよいことを図示している。
ボックス72は、骨格筋または平滑筋のいずれか一方に刺激が与えられることを図示している。平滑筋または骨格筋に刺激を与える効果は、両方の場合、ボックス74で図示される末梢脈管系の局部血管における圧力パルセーション(脈動)を形成することである。この局部における圧力変動が、ボックス76で示す本質的に圧縮できない液体である血液を介して、ボックス78に示す心臓に伝わる。このパルスが本発明の開示内容に従って正確にタイミングが図られ、そして供給された場合、心臓の負荷を低減する実質的な効果が得られることが分かった。心臓負荷を低減する効果は、ボックス80で図示された患者の体に作用する。この効果は、心電計の電極30により検出される。
先に述べたように、例えば、R−R信号である心拍数に相当する信号は、パルス発生器に伝達され、個々のパルス群の二相矩形パルスの形成を起動する。心電波形82は、図4のライン82,84で図示したように、パルス発生器の出力信号として、心電計の表示装置34上に表示される。オペレータ46は、心電図のT波の終端、または特定の場合において最適であると思われる位置で、各パルス群を確実に起動するように、インパルスの遅延時間を変化させる機能を有する。
図3は、本発明の方法および装置を用いたときの治療効果をグラフで図示したものである。一番上に描いた曲線86は、心電波形のいくつかのピークを示し、基本的に3つの領域A,B,Cに分割されている。領域Aは、通常状態、すなわち刺激がない場合の患者の心臓リズムを示す。領域Bは、刺激を開始したときの同じ患者の心臓リズムを示し、領域Cは、刺激を続けたときの心臓リズムを示す。別の曲線88,90に対しても、このような分割を適用する。曲線86において、領域Bは、T波の終端の後に開始して、T−Q間隔の約15%だけ継続する第1のインパルス群44を示す。これと同じ波形をC位相においても反復して与え、刺激処置が完了するまで継続して与える。この刺激の効果により、心電図における後続のR点位置間の時間的な長さが延びて、患者の心拍数が実質的に下がる。領域CにおけるR−Rパターンが、図3の曲線90に示す「b」でラベル付与された長さだけ、領域AのR−Rパターンに比べて長くなることに留意されたい。
曲線88は、符号44で示すような電気的インパルス群に起因する筋力の変化を示す。ライン88のA位相において、刺激がないので、ラインは直線的なラインのままである。最初の刺激がB領域で与えられ、末梢脈管系に作用する筋肉刺激が起こる。パルス群44の開始時点で筋肉収縮3が始まり、パルス群の終点で最大収縮に達する傾向があり、その後、パルス群間隔より若干長い時間に亙って弛緩することに留意されたい。パルス群44は、複数の電気的な刺激インパルスを有するが、単純な筋肉収縮を生じることに気付く。この筋肉収縮3は、患者の末梢脈管系に圧力パルセーション(脈動)をもたらし、この圧力パルセーションが患者の心臓に戻って伝わる。
この結果は、曲線90から見て取ることができ、この曲線は、実際のところ、大動脈内の圧力と左心室の圧力の合成波である。左心室の圧力は、基準ライン値92から始まり、丸味を帯びたピーク94に向かってなだらかに上昇し、Q波の始端からT波の終端の直後まで、基準ライン値92より高い値を有する。この曲線に重ね合わせたものは、大動脈内の圧力に対する曲線96である。
ポイント98において、図1Cに示す弁20,22は開き、左心室内の圧力が大動脈内の圧力に直接的に連通し、その結果、大動脈の圧力は、T波の終端に達するまで、すなわち図3のポイント100に達するまで、左心室の圧力と同じ速さで、同じ値で上昇する。この時点で、弁20,22は再び閉じ、大動脈内の血液が人間体内の動脈を通って循環する間、大動脈内の圧力は徐徐に下降する。ポイント98’において、弁20,22は再び開いて、このサイクルが繰り返される。
曲線88の符号3で示す筋肉収縮の効果は、筋肉収縮により誘導される末梢血管のパルセーションから大動脈に伝わる圧力波を介して、大動脈内の圧力を調節することにある。その結果、位相Bにおける大動脈の血圧が、こぶとして図示されたように、符号2でラベル付けされた領域において、位相Aの曲線96において相当する値と比べて少しだけ高くなっている。しかしながら、筋肉収縮の終端の後、大動脈内の圧力は、位相Aの圧力曲線の対応する領域にあった値よりも低い値に下降している。
これと同時に、左心室の圧力のピーク値94''も同様に、位相Aにおけるピーク値94と比較して低減していることに留意されたい。低減値が図3の符号4でラベル付けされている。
これが実際のところ意味することは、心拡張期の大動脈の圧力に生じるこぶが、冠状動脈の血液の循環を良好にし、すなわちより多くの血液およびより多くの酸素を心臓の筋肉に供給し、心臓はより多くのエネルギ量を利用できるということである。これにより、心拍周期が刺激を受ける以前の値aから、長く刺激を与えた後、値bだけ増えた値a+bになるように脈拍数が下がる。そしてDPTI/TTI比(心拡張期血圧時間指標/時間伸張指標)が増大するため、さまざまな被験者に関する一般的な測定低減値は、安静時で1分間当たり約10パルスであり、例えば70から60(心拍数)に低減し、あるいは脈拍数が高いときには30以上であり、例えば140から110(心拍数)に低減する。
さらに、位相Aにおけるピーク値94から位相Cにおけるピーク値94''までの符号4で示す低減値は、左心室内の圧力が減少し、左心室壁の緊張状態を緩和することを意味する。
心臓負荷は、心拍数と心拡張期の圧力の積に比例し、心拍数および心拡張期の圧力の両方を下げる本発明の効果により、心臓負荷が実質的に軽減されることに留意されたい。
心収縮期前の血圧、すなわち図3に示すポイント98,98',98''における圧力は、正常な血圧120/60を有する被験者に対して、およそ−5mmHgだけ低減することが確認される。特に有効な場合は、血圧値があまりにも高い患者の場合で、こうした患者に対する脈拍数の低減値は、正常な被験者に対する心拍数の低減値よりも小さいが、血圧の低減値は予想を遥かに超えるものである。
図3の位相Cにおける曲線90から明らかなように、本発明による心臓共鳴式の電気刺激は、心収縮期における圧力を低下させるだけでなく、心収縮期において急激に圧力を増大させることができる。
一般的にいうと、被験者が正常な血圧値を有すると仮定した場合、被験者にもよるが、DPTI(心拡張期血圧時間指標)が約+10ないし+15%だけ増大すると、心拡張期において増大した血圧のこぶにより、心拍数を下げ、心収縮期前の血圧との差だけ血圧値を矯正するということができる。
(図3の符号7で示すように)心収縮期における急勾配の圧力増加により、心収縮期前の血圧をより低く矯正し、その結果、TTI(時間伸張指標)が4ないし5%低減する。
この利点は、被験者が正常な血圧値を有するか否かにもよるが、DPTI/TTI比(心拡張期血圧時間指標/時間伸張指標)が約15ないし20%増大することである。したがって、被験者およびその体調にも依存するが、より低い心拍数、より低い心収縮期の血圧および心収縮期前の血圧に起因して、心臓負荷は、通常、約15ないし20%またはそれ以上軽減される。さらに、心筋の収縮が改善され、冠状動脈の血液循環がよくなり、虚血が改善される。
ここで図2Aを参照すると、リード92を介してセンサ信号プロセッサ94に接続された別のセンサ90が図示されている。このセンサ信号プロセッサは、図解するために、リード96を介して心電計28に接続されている。センサ90は、非電気式の心臓信号センサであって、例えば心臓が動いているときに生じる複数の異なる音響ノイズによる心臓信号を検出する音響センサであってもよい。この音響信号は、トランスデューサにより電気信号に変換され、装置94内で処理され、心電計28に表示される心電図に相当する信号が生成される。
さまざまな異なるタイプの非電気式作動センサ90が知られているおり、本発明の目的のために利用することができる。非電気式作動センサを用いることの利点は、こうしたセンサが筋肉の電気刺激に起因する電気的ノイズに惑わされないという点にある。事実として、こうしたセンサを用いた場合、心電計28は、実際冗長であり、リード96は、符号98の破線で示すように、信号プロセッサ36に直接接続されることになる。概していうと、プロセッサ36は、PCであってもよいが、キーボード102と共にスクリーン画面100に接続され、オペレータまたは医者46は、必要ならば、心電図をスクリーン画面上で観察し、キーボードを介してコンピュータ36にプロセッサの動作に関するパラメータを入力することができる。さらに、参照符号104はインターネット接続を示し、このインターネット接続により、オペレータまたは医者46は、いわゆるファームウェアとしてこの電気治療装置の製造業者から入手可能な、電気治療装置のための新規または更新された動作プログラムをダウンロードすることができる。
ここで、このプロセッサ36が電気刺激信号を供給する基本的な動作手法について簡単に説明する。
このプロセッサは、心電計28または非電気式センサ90(あるいは両方から)信号を受信し、最も大きい信号ピークであり、最も容易に認識される心電図のR−Rピークを認識するようにプログラムされている。プロセッサは、まず、連続する一対の信号ピークの間の時間、すなわち人間の心拍に相当する値を有する連続する一対の信号ピークを特定する。具体例として、患者が1分間に60回の定常的な心拍数を有する場合、連続する一対の信号ピーク間の時間は、1秒または1000ミリ秒である。一般に、人間の心拍数は、完全に定常的であることはなく、心臓疾患に対する治療を必要とする患者の多くの心拍数は、全く不規則的である。連続する一対の信号ピーク間の距離は、ふらつき、上記の具体例の1000ミリ秒から実質的に変動し得る。
本発明の電気治療装置は、1分間あたり最低30、最高250の心拍数に対処するように設計されている。この電気治療装置は、一例として挙げたこれらの限界値の範囲外では作動することはできないため、連続する一対の検出された信号ピークに対して、R−Rピーク間距離が、この装置の物理的な作動可能範囲に収まるか否かについて判断される。例えば、1分間あたり30回の心拍数は、2000ミリ秒のR−Rピーク間距離に相当し、250の心拍数は、240ミリ秒の周期に対応する。概して云えば、30および250の心拍数は極端なものであって、好適には、この電気治療装置は、キーボード102により実現され得る入力部を有し、その結果、オペレータまたは医者46は、例えば1分間あたり40〜170回の心拍数のように、より狭い範囲に限定して設定することができる。
プロセッサ38は、各対のR−Rピーク間の測定された時間と、この装置により技術的に許容された値の範囲、および/またはオペレータが選択した最大値および最小値の許容可能な限界値と比較するようにプログラムされている。当然ながら、オペレータが選択した限界値は技術的な限界値より狭いはずであり、これらの限界値がオペレータにより入力されたものであるならば、これらの限界値と比較するだけで十分である。一方、オペレータが限界値を選択しない場合には、技術的に許容される最大および最小の限界値と比較することが必要である。
この装置の動作は、心拍数が極端には変動しないことに基づくものであり、とりわけ、不整脈のように心拍が不規則な患者に生じる問題に対処するように設定されている。
この文脈において、プロセッサ36は、まず、連続するR−Rピーク間の時間が、以前の値、すなわち以前の心拍のR−Rピーク間の時間距離、あるいは複数の心拍における平均的な値に比して、所定値以上超えるか否か、判断するようにプログラムされている。さらに、プロセッサ36は、測定された各R−R値が以前の値、すなわち前回の心拍のR−R値、あるいは複数の心拍における平均的な値に比して、所定値以上に小さいか否か、判断するようにプログラムされている。
技術的な最大値および最小値および/または選択された許容可能な最大値および最小値との比較結果が肯定的であって、かつ測定されたR−R値が以前のR−R値または以前の平均的なR−R値に比して所定値以上超えず、さらに測定されたR−R値が以前のR−R値または以前の平均的なR−R値に比して所定値以上に小さいものであると、上述の判断結果がなされた場合に、プロセッサは電気信号パルス生成の起動(トリガ)のみを行うようにプログラムされている。
上述の比較結果が否定的か、上述の判断結果が否定的である場合は、トリガ信号は生成されず、この装置は、上述の条件を満足させる複数の連続する値が見出されるまで、連続する一対の信号ピーク間の距離を測定し続ける。
このプロセッサは、さらに、上述の比較結果が肯定的で、かつ上述の判断結果が肯定的であると判断すると、センサ(心電図または非電気式センサ)に対する測定時間枠を閉じるようにプログラムされている。測定時間枠が閉鎖されると、プロセッサは、後に詳細に説明するように、再び時間枠が開放されるまで、さらなるR−R信号を検出しない。
R−R値が分かると、プロセッサは、既知のバゼット(Bazett)関係式を用いて、推定される次回の心拍のT波の終端までのミリ秒を計算することができる。プロセッサは、バゼット関係式を用いて値を計算する代わりに、同様に、参照テーブルまたは他の統計的データベース中の対応する値を参照するようにプログラムすることもできる。
オペレータまたは医者が正確にT波の終端で刺激を与えるのではなく、T波の終端の少し前または後に刺激を与えると判断した場合、オペレータまたは医者は、比率としての必要なオフセット値をキーボードに入力して(すなわちバゼット関係式の比例定数を変えて)、オフセット値をシステムに入力する。
T波の終端に至る遅延時間を計算することに加えて、プロセッサは、ある筋肉収縮を次に予定されるRピークが到来する前に確実に終わらせるのに十分な時点で刺激の終点を設定するように意図された最大の刺激長を計算するようにプログラムすることができる。
さらに、このプロセッサは、計算された、あるいは求められた遅延時間の値(計算遅延時間)が、トリガ遅延時間と計算に要する遅延時間(カルキュレーション遅延時間)の和に相当する遅延時間と等しいか、それ以下であることを確認するようにプログラムされている。トリガ遅延時間とは、第1の信号ピークの検出に対応したセンサが出力するトリガ信号の開始時点から、この信号がプロセッサに達するまでの遅延時間であり、カルキュレーション遅延時間とは、プロセッサがこのトリガ遅延時間を計算するために要する時間である。T波の終端に至るまでの計算された遅延時間(計算遅延時間)がトリガ遅延時間とカルキュレーション遅延時間の和に等しい遅延時間より短い場合、プロセッサは、任意に、計算遅延時間をトリガ遅延時間と計算遅延時間の和に相当する遅延時間以上の補正された値(補正値)に設定するようにプログラムされている。
さらに、このプロセッサは、計算遅延時間または補正遅延時間が最大の刺激長以下であることを確認して、必要ならば、計算遅延時間または補正遅延時間を最大の刺激長より小さくなるように修正するようにプログラムされている。
同様に、このプロセッサは、入力パラメータに基づいて電気刺激期間を求め、そして最大の刺激長から計算遅延時間または補正遅延時間を引いたものに等しい最大期間を計算し、求められた電気刺激期間が最大期間以下であることを確認するようにプログラムされている。そのようにプログラムされていなければ、この期間を最大期間以下となるように補正する必要がある。
さらに、このプロセッサは、計算遅延時間または補正されたならば補正遅延時間に、電気刺激期間または補正されたならば補正電気刺激期間と、例えば50ミリ秒の安全マージンとを加えたものに等しい時間において測定時間帯を開くようにプログラムされている。心電図から求められた信号を用いて、この装置を起動すれば、電気刺激信号が次のRピークと誤って認識されることを確実に回避することができる。
このプロセッサは、測定時間帯が閉じている間にトリガシステムに出力信号を送信し、センサによる心電図のさらなるピーク検出を認識可能にする計算時間において測定時間帯を開く。
トリガシステムは、一般に、プロセッサ内に格納され、プロセッサ内で出力チャンネルに接続されたソフトウェア部品であって、必要に応じて、適当なオフセット値が各チャンネル、チャンネル群のそれぞれに追加される。
このプロセスは、連続する測定されたRピーク毎に反復される。
プロセッサが以前の値または以前の平均値に基づいて計算した推定時間内における測定時間帯を開いた後に、さらなる信号ピークが検出されなければ、トリガ信号は出力されず、推定時間内にさらなる信号ピークが検出されるまで、トリガ信号の伝達および刺激は阻止される。
R−R経路に相当する値としての信号ピーク間の前の時間値を用いる代わりに、過去の複数の値から得られた平均値を用いることもできる。このように、プログラムされたプロセッサは、以前に測定された値に所定の正の偏差を加えたものより小さく、以前に測定された値より所定の偏差だけ小さいものより大きい範囲に含まれる値を、複数の過去の値の中に有することができる。平均値を求める上で、合理的な値だけを考慮に入れ、システムの信頼性を増大させる。
このような平均値を用いる目的は、刺激の品位を改善し、不整脈の場合の誤った設定を回避することにある。不整脈がある場合、心収縮期間の長さは大体一定に維持されるものの、心収縮期間の長さは大きく変動し、これにより心拍数は大きく変動し得る。こうした場合、平均的な経緯を用いて遅延時間を計算し、測定された心拍数がそれまで設定された心拍数変動基準から逸脱しても刺激を続けると、継続的な刺激を成功裡に行うことができることが立証された。このような場合、変動する平均値を計算している間、心拍数は考慮されないが、心収縮期の終端後に刺激するために用いられる比較的に正しい遅延時間を計算するために過去の平均値を用いて刺激を続行する。上述のように、こうしたシステムを用いた場合、心拡張期は大きく変動する。
変動する平均値を用いた場合、不整脈の後に記録された「良好な」心拍数が、新しい直前状況に適応させる変動平均値に再び含まれるか否かを判断する根拠として、定常的な心拍の回数、つまり心拍数のばらつき基準を満足する(上述の正および負の偏差内に収まる)定常的な心拍を何回用いるべきか定義しておく必要がある。不整脈後、心拍を3回検出すれば、合理的な結果が得られ、新しい直前状況に適応させるように変動平均値内に含ませることができることが確認された。
基本的に、心拍数、すなわち2つのR−Rピークの間の距離は、N=1またはN>1の任意の過去の回数の心拍、およびばらつきテストを満足しない任意の心拍数を用いて決定することができる。(ばらつきテストを満足しない任意の心拍数は、少なくとも1つまたは複数(通常3つ)の定常的な心拍が再び検出されるまで、変動平均値を求めるために考慮されない、この平均値に基づく最大値および最小値の範囲外にある。)定常的な心拍とは、平均的な心拍数に対して設定された正および負の限界値の間に含まれる心拍数を意味する。
上述のように不整脈の場合、心収縮期の長さは大きくに変動することがあり、予想された筋肉収縮の終端が、予期しない次のRピークが現れている時点より後に生じることがある。筋肉収縮がすでに始まっているので、予期しない次のRピークが測定されている時点において、筋肉収縮が悪影響を受けることはないが、筋肉収縮が心収縮期の最初の位相中に完了した場合、好ましくない状況に至ることがあり、血流力学に多少有害な影響が生じる。
この装置は、第1の短い筋肉収縮を起こすのに十分な程度の短い期間(例えば、R−Rの3%〜5%の刺激群期間)の第1の刺激群を与えることにより、上述の状況を回避することができる。筋肉の収縮が弱くなる時点は、筋肉収縮期間に比例して計算することができるが、例えば筋肉収縮期間の約50%の期間を用いて(筋肉収縮期間は電気刺激期間より実質的に長い)、筋肉の収縮が弱くなる時点を求めることができるが、新規のより短い刺激パルス群を筋肉収縮時間の延長に至る同一のチャンネルに送信する。こうして第2、第3、第4の電気刺激パルスは、通常、第1の電気刺激パルスと同じパラメータを有するが(異なる場合もあり得るが)、極力小さいので、単一の刺激パルスまたは間隔をあけた2,3の刺激パルスを用いて、多少、筋肉収縮の延長時間を実現することができる。最近の心拍数または平均心拍数の予想に基づいた筋肉収縮の計算された終点に達するか、次のRピークが検出されるか、いずれかが先に起こるまで、これらの刺激パルスを反復する。
筋肉収縮の終端を良好に制御するために、さらなる刺激パルスまたは刺激パルス群に付随した追加的な筋肉収縮期間は、生理学的に可能な限り短くする必要がある。
理想的状況においては、計算された筋肉収縮は、R−R距離の85%〜95%の時間帯内に収まる。次のRピークがより早く(あるいははるかにより遅く)到来した時に検出される不整脈の場合、次のRピークが検出されると直ちに、追加的な筋肉収縮を引き起こす任意の短いパルス群を追加しないモードに変更するようにプログラムされていることが好ましい。
筋肉収縮の長さは電気刺激期間の約3倍であることが、実験で示された。
150Hzのパルス反復周波数を用いて刺激を行う場合、各パルスサイクルは6.66ミリ秒継続する。図2Bに示す二相矩形信号を用いた場合、二相パルスの幅は、通常、1ミリ秒で、第1の二相パルスの終点から次の二相パルスまでの間隔は5.66秒である。
第1の電気刺激パルス群がR−Rの約3%の長さを有するように選択された場合、1分あたり60回の心拍数に対して、刺激の長さは全体で30ミリ秒となり、刺激は、150Hzで6.66ミリ秒の期間を有する5つの二相パルスを含むことになる。その結果、当初の筋肉収縮時間は90ミリ秒となる。その後、筋肉収縮を継続するために、追加的な二相パルスを10ミリ秒毎に送信することが提案される。6.66ミリ秒の各二相パルスにより、通常20ミリ秒間、筋肉が追加的に収縮する。
最初に90ミリ秒間筋肉収縮すると、筋肉収縮の下降勾配に50ミリ秒を要し、最悪の場合、刺激を増大させた後に測定されたRトリガ信号が、次のRトリガの後筋肉収縮が終わるまでの間に、さらに50ミリ秒を要することになる。Rトリガ信号はQRS群のQ点の後約20ミリ秒で到達し、このトリガ信号のさらなる技術的な遅延時間は通常25ミリ秒であるので、最悪の場合でも、収縮はRピークの後50ミリ秒または5%で終了させなければならない。
これは、追加的な非電気式センサを用いることの利点を示している。次のRピークを測定するための測定時間帯または測定ゲートを開閉するためのゲート間隔は、若干扱いにくく、次のRピークを測定し損ねることがあり、これはゲートが閉じている間に起こるので、非電気式センサを用いて、心電図に対応する心臓リズムの異なる位相を検出することが有用である。その後、検出された心臓リズムからRピークを求めることができる(あるいは、基本的に実現可能であるが、Rピークを無視し、他の信号ピークを参照して、タイミングプロセスを実行する。)。非電気式センサを用いると、電気ノイズを排除して、心電図の異なる位相を容易に検出することができ、心臓サイクルのそれぞれの終端を信頼性よく検出することが可能となり、こうして、Rピークが予想以上に早期に到達したために刺激が供給され続けた場合、追加的な刺激パルスの供給を止めることにより、筋肉収縮を終了させることができる。非電気式センサとは、心臓の動作に関連した電圧または電流を検出せず、例えば圧力またはノイズを測定して心臓リズムを検出するセンサを意味する。非電気式センサという用語は、圧力またはノイズを測定するための電気技術または電子技術を用いたセンサを排除しない。非電気式センサは、刺激インパルスを検出するのではなく、単に、連続するP波またはQRS群または圧力変化など、非電気式センサで利用されるものに依拠して起動する。
図5を参照すると、一般に、女性の腹部領域に配置された4つの活性電極40',40'',40''',40''''を示す概略図が図示されている。この場合、活性電極40',40''が左右の外腹斜筋(lateralis muscles)の上に配置され、活性電極40''',40''''が腹直筋(infra umbilicalis muscles)の上に配置されている。受動電極42は、腸腰筋(infra inguinalis muscles)の上に配置されている。これらの電極の配置位置は単なる例示に過ぎず、実際上、電極の配置位置を限定するものと理解すべきではない。
この電気治療装置は2つのグループの出力チャンネルを有し、各グループは4つの異なる出力チャンネルを含むように設計されたものと仮定する。すなわち、チャンネル1〜4はグループAに属し、チャンネル5〜8はグループBに属する。出力チャンネル1および出力チャンネル5に対する信号は、それぞれのリードを介して電極40'に接続されている。出力チャンネル2および出力チャンネル6に対する信号は、それぞれのリードを介して電極40''に接続されている。出力チャンネル3および出力チャンネル7に対する信号は、それぞれのリードを介して電極40'''に接続されている。出力チャンネル4および出力チャンネル8に対する信号は、それぞれのリードを介して電極44'に接続されている。
図6は、この基本的装置が動作手法を示す。
図6の最も上部に図示された曲線は心電図の概略図であり、図3と同様、3つの部分A,B,Cに区分され、部分Aではカウンタパルセーション電気治療を行わなかった場合、部分Bではカウンタパルセーション電気治療を開始した場合、部分Cでは「安定状態」プロセスの場合を図示している。
この電気治療装置は、部分AにおけるR−R距離を測定し、これよりT波の終端までの遅延時間を計算し、このタイミングで、グループAのチャンネル1がグレイの四角で示すトリガパルスを電極40'に印加する。
グループBのチャンネル4は、各筋肉、すなわち図5の左右の外腹斜筋が最も収縮するタイミングでトリガパルスを同じ電極40'に印加するように、部分Bに示すオフセット値を用いて、プロセッサにより制御される。この追加的な刺激パルスの効果は、筋肉収縮の期間を延長し、図6で特定された期間において延長させ、筋肉収縮期間をR−Rの85%の時間帯からR−Rの95%の時間帯まで筋肉収縮の期間を延長させる。
次の心拍期間中(部分C)において、電極40'には信号は印加されず、代わりに筋肉グループ2、すなわち右の外腹斜筋グループに信号が印加される。信号は、再びグループAおよびB、とりわけグループAのチャンネル2およびグループBのチャンネル6から電極40''に印加される。次の心拍では、信号は、電極40'および40''には印加されず、代わりに電極40'''に印加される。その後に次の心拍では、信号は電極40''''印加され、刺激は再び繰り返される。電極40'''および電極40''''に対する信号は、図面を不必要に複雑にするので、図6には示されていない。
各刺激パルスによる筋肉収縮は、(図6の具体例の部分Bまたは部分Cにおけるオフセット値に相当する)急激な立ち上がり時間を有し、より長い減衰時間(通常、立ち上がり時間の2倍)を有する本質的に非対称的なこぶであることに留意されたい。チャンネルグループAのチャンネル1の刺激パルスによる筋肉収縮は、チャンネルグループBのチャンネル5の刺激パルスにより補完され、実際には減衰プロセスを完了することはなく、むしろこの具体例ではオフセット値に相当する時間経過した直後、さらに再び上昇する。このため、第1のこぶの減衰部、および第2のこぶの対応する上昇部の両方が、図面では破線で図示されている。実際の筋肉収縮を示すのは、実線の包絡曲線だけである。
2つのチャンネルグループに関し、複数の電極が用いられ、複数のピンコネクタに配設されており、その結果、1つの電極の複数のピンがチャンネルグループAおよびBなどのチャンネル1〜5に接続される。3つのチャンネルグループが用いられる場合、各活性電極のピンは、例えばチャンネルグループA,B,Cのそれぞれチャンネル1、チャンネル5、チャンネル9の3つのチャンネルに接続される。
これは、チャンネルグループBの刺激群は、チャンネルグループAからの刺激と同じ筋肉に加えられることを意味する。すなわち、チャンネルグループAの刺激群が接続された電極の筋肉収縮を引き起こし、所定のオフセット時間後、第1の刺激インパルスと同じか異なる第2の刺激インパルスが(あるいはチャンネルBが用いられている場合、第3の刺激インパルスが)、チャンネルグループAの第1の刺激インパルスによる筋肉収縮が持続している間の所定時点において継続される。この第2(または第3)の刺激群は、その筋肉収縮時間が延び、R−Rに対する所望の時間帯内で終了する。
図7を参照すると、さまざまな電極40',40'',40''',40''''および対応する受動電極42を取り付けた女性が図示されている。白抜き丸印で図示された電極は、4つのチャンネルからなるグループAに関連する。単一ハッチングを有する円形電極は4つのチャンネルからなるグループBに関連し、クロス(交差)ハッチングを有する円形電極は4つのチャンネルからなるグループCに関連する。チャンネルの各グループに関連する受動電極42は四角印で図示されている。これらは、電気的に等価であり、チャンネルグループAに対してはハッチングなしで、チャンネルグループBに対しては単一ハッチングで、チャンネルグループCに対しては交差ハッチングを有する。
グループAの電極40',40''は、左右の外腹斜筋グループに取り付けられている。グループAの電極40''',40''''は、左右の大臀筋グループに取り付けられている。グループAに関連する受動電極42は、腸腰筋の上に配置されている。グループBに関連する電極40',40''は、左右の内側大腿筋(femoralis medialis muscles)の上に取り付けられ、グループBに関連する電極40''',40''''は、臀溝筋(sulucus glutealis muscles)の上に取り付けられている。チャンネルグループBに関連する受動電極は、左右の大腿四頭筋(supragenus muscles)の上に取り付けられている。
チャンネルグループCに関する電極40',40''は左右の腓腹筋(medialio muscles)に設けられ、チャンネルグループCに関する電極40''',40''''はふくらはぎの左右の下腿三頭筋(lateralis muscles of the calf)に設けられている。チャンネルグループCに関連する受動電極は、女性の左右の脚の指屈筋(doralis pedis muscles)の上に設けられている。
すなわち、この実施形態では、ハッチングなし円形電極40',40''およびこれに付随する受動電極42は、外腹斜筋および大臀筋に取り付けられる。単一ハッチング付き電極40',40''およびこれに付随する受動電極42は、臀部大腿筋(regio glutea femoralis muscles)に取り付けられている。
交差ハッチング付き40',40''およびこれに付随する受動電極42は、下腿筋(regio druralis muscles)に取り付けられている。
患者に取り付ける図示の電極に関し、電気治療装置のいくつかの主要な動作方法がある。
図7を参照して、本発明の電気治療装置の利用方法を説明する前に、図8を検討することが有用である。この図は、ハッチングなし電極40',40''に設けられたチャンネル1〜4からなるチャンネルグループAに関して、刺激パルスがチャンネル1から電極40'、チャンネル2から電極40''、チャンネル3から電極40'''、チャンネル4から電極40''''に、T波の終端の直後の所定の時点において印加される様子を示すものである。さらに、この図は、チャンネル5〜8からなるチャンネルグループBに関して、これらのチャンネルから伝達された刺激信号が、チャンネルグループAの対応するチャンネルにより伝達された刺激信号の後、所定のラベル付けされたオフセット時間経過したときに印加されることを図示している。これらの信号は、図6に示す手順で、単一ハッチング付き電極40',40''に印加される。図8には図示しないが、交差ハッチング付き40',40''に関するチャンネル9〜12からなるチャンネルグループCがあり、チャンネルBのオフセット値の2倍のオフセット値をもって電気刺激信号が印加される(2倍という値は、この場合には好適ではあるが、任意のものであり、限定的に理解されるべきものではない。)。
電気治療装置がこのモードで作動すると、心臓から末梢部への血液のポンプ効果が増大する。末梢動脈血流を改善し、同様に便宜上、静脈環流を増大させる。
図7に示す構成における電極配置に関する別の可能性がある。この場合、電極が心電計装置に異なるように接続される。より具体的には、ハッチングなし電極40',40''がチャンネルグループCのチャンネル9〜12に接続される。単一ハッチング付き40',40''がチャンネルグループBのチャンネル5〜8に接続され、交差ハッチング付き40',40''がチャンネルグループAのチャンネル1〜4に接続される。この場合、(先の具体例と同様に)、単一のチャンネルにはいずれか1つの電極が接続される。
このように電極が接続され、図8に示したものと同じオフセット値を用いて駆動させた場合、すなわちT波の終端において(またはその直後において)、チャンネルグループAのチャンネルに刺激信号を印加し、チャンネルグループBのチャンネルに適当なオフセット時間経過した後にそれぞれの電極に刺激信号を印加し、チャンネルグループCのチャンネルにより長いオフセット時間経過した後に関連電極に刺激信号を印加すると、末梢部から心臓への血流を良くする効果が得られる。
2つのチャンネルグループAおよびBだけを用いて同様の効果を実現することができる。チャンネルグループAの電極を下腿部または大腿臀部筋のいずれか一方に配置し、チャンネルグループBの電極を臀部大腿筋または腹直筋/臀部筋に配置することにより、同様の効果を実現することができる。異なるグループの電極が体の部位において接近し、心臓からの距離が実質的に異なることが重要である。末梢部から心臓への効果を実現するためには、(オフセット値に起因して)後で刺激するチャンネルグループの電極は、先に刺激するチャンネルグループの電極より心臓に近いところに配設される。
究極閾値刺激(super threshold stimulation)に際して、すなわち志願者または患者が無痛で受容できる最大に近い振幅(例えば、電極の配置位置に依存するが、20V〜45V)を用いると、圧力パルス波の増大(図3の心拡張期初期におけるこぶの増大)により、冠状動脈の血流が増大することになる。動脈流が心臓に向かって逆行する量が増大すると、静脈環流が増大し、リンパドレナージが心臓から末梢部へ増大する。これにより、中心血行動態(図3のこぶの増大)が改善され、心拍出量が増大する。この設定は、心拍出量が非常に低い患者または心臓麻痺を起こした後の患者に対して推奨される。
閾値レベルの刺激において、すなわち観測する医者または患者が認知できる程度の筋肉収縮のレベル(通常、約10V)において、心臓に逆行する圧力波が増大し(図3を参照して説明したように、心拡張期初期における心臓が増大し)、中心血行動態が改善される。この効果は、他の任意の公知のカウンタパルセーション方法によって実現することはできず、その理由は、これらの方法が最大振幅で動作するに過ぎず、中心血行動態を改善するためにこうした高い振幅を必要とするためである。本件明細書において、以下の定義を用いてきた。
チャンネルは、電気治療装置の出力端子であって、この装置は活性皮膚電極に刺激信号を供給し、その付近に配置された1つの受動(中立)電極と共に用いたとき、筋肉群の収縮をもたらすものである。
チャンネルグループは、特定数X(一般的な具体例では4つ)のチャンネルからなり、これに刺激信号がシーケンスモードで分配され、特定の筋肉群が心拍に対して収縮し、チャンネル数に相当する数の筋肉群を順次収縮させることができ、これにより心拍数に対して(X−1)回の休息を特定の筋肉に与えることができる。例えば、X=4チャンネルであった場合、心拍数3回分の休息を与えることができる。これは、筋肉の疲労を排除する極めて重要な特徴である。必要ならば、4つ以上(またはそれ以下の)チャンネルを用いてチャンネルグループを設計することができる。
チャンネル出力端子を構成するプリント回路をしかるべく設計する必要があるので、電気治療装置の特定部品に対して、チャンネルグループ内のチャンネル数は固定される。
活性チャンネル数は、最大のチャンネル数以下となるように、ファームウェア(マイクロプロセッサのためのソフトウェア)のプログラムにより特定することができる。すなわち、シーケンス処理を行うチャンネル数Xを減らすことができる。一例として、活性チャンネルが4つある場合、チャンネルグループのすべてのチャンネルに対して、すなわちチャンネル1、チャンネル2、チャンネル3、チャンネル4、チャンネル1、そしてチャンネル2といったように、シーケンス処理を行うことができる。活性チャンネル=2であるということは、2つのみのチャンネル、すなわちチャンネル1、チャンネル2、チャンネル1、チャンネル2、チャンネル1といったように、シーケンス処理を行い、チャンネル3およびチャンネル4を不活性にするということを意味する。
複数のチャンネルグループ:2つ以上のチャンネルグループを1つのデバイスに設けることができる。2つのチャンネルグループが4つのチャンネルを有する場合、合計のチャンネル数は8つとなる。
チャンネル出力端子を構成するプリント回路基板をしかるべく設計する必要があるため、チャンネルグループ数Yは特定の電気治療装置において一定である。
複数のチャンネルグループを用いて、2つのチャンネルグループを用いて、平行してシーケンス処理を行うことができる。例えば、両方のチャンネルグループに対する同一の遅延時間を用いて、チャンネル1とチャンネル5を同時に作動させ、チャンネル2とチャンネル6を同時に作動させ、チャンネル3とチャンネル7を同時に作動させ、チャンネル4とチャンネル8を同時に作動させる。
例えば、遅延時間、振幅、刺激パルス群の周波数および期間、ならびに刺激パルスまたは同一または異なる形状を有する複数の刺激パルス群など、すべての刺激変数パラメータは、原則的に、各チャンネルグループに対して個別に設定することができる。
原理的に異なるように選択できる各チャンネルグループの活性チャンネルの選択の場合も同様である。ただし、常に同じ筋肉を選択されたシーケンスモードで同期させて刺激することが、治療される人にとってはより快適であり、心臓の負荷低減効果を改善する上で推奨される。これは、活性チャンネルがすべての活性チャンネルグループにおいて同一のものを自動的に選択することを意味する。例えば、X=4×2=8つのチャンネルを用いた場合、チャンネルグループAおよびBに対して2つだけの活性チャンネルが選択された場合、シーケンス処理は次の順序で行われる。すなわち、チャンネル1の後にチャンネル5、チャンネル2の後にチャンネル6、チャンネル3の後にチャンネル7、チャンネル4の後にチャンネル8を行う。チャンネルグループ数Yが電気治療装置に組み込まれるが、選択により、Y以下の任意の数を活性化することができるようにファームウェアをプログラムすることができる。ただ1つのチャンネルグループが選択された場合、このグループのチャンネルだけが活性状態となる。X=4の具体例では、4つ、3つ、2つまたは1つの活性チャンネルを選択でき、Y=2を選択した場合、8つ、6つ、4つまたは2つのチャンネルを有することができ、Y=1を選択した場合、4つ、3つ、2つまたは1つのチャンネルを有することができるということを意味する。
オフセット値は、上記説明したように、1つのグループのチャンネルが別のグループのチャンネルよりも先に、あるいは後に刺激する際の両者間の(プラスまたはマイナスの)時間差を意味する。この時間差は、それぞれのチャンネルグループにおいて設定される遅延時間にオフセット値だけ差し引くか、加算することにより得ることができる。
Yとして3以上が選択された場合、チャンネルグループCとBの間で別のオフセット値を選択することができ、すなわち同じ電気治療装置に2つ以上のオフセット値を提供することができる。
複数のチャンネルグループを選択する理由は、例えば、活性状態にある筋肉量を増やし、移動する血液量またはリンパドレナージ量を増やし、血管学における全体的な代謝量を増大させるためである。
同様に、複数のチャンネルグループを利用することにより、筋肉仕事量を増やし、移動する血液量またはリンパドレナージ量を増やし、そうして全体的な新陳代謝を増大させることができる。オフセット値を用いることにより、順次、オフセット時間差で、筋肉を収縮させることができ、これにより末梢部から心臓、または心臓から末梢部への方向における効果を実現することができる。
別の可能性のある電極配列を図9に示す。電極の特定に関し、図7の具体例で用いた符号と同じ符号を用いて、この具体例を説明する。すなわち、ハッチングなし電極40',40''''はチャンネルグループAに関連し、単一ハッチング付き電極40',40''''はチャンネルグループBに関連する。この構成において、ハッチングなし電極40',40''が左右の外腹斜筋の上に配置され、ハッチングなし電極40''',40''''が左右の腹直筋の上に配置されるように、ハッチングなし電極40',40''''は配置される。
関連するハッチングなし受動電極42は左右の腸腰筋の上に配置される。
単一ハッチング付き電極40',40''は左右の臀部筋(glutea muscles)の上に配置され、単一ハッチング付き電極40''',40''''は臀溝筋の上に配置されている。チャンネルグループBの単一ハッチング付き受動電極42は、大臀筋(infra glutealis muscles)の上に配置されている。
この構成の目的は、心臓からの距離が等しい増量された筋肉量の効果に対する知覚される衝撃を緩和することにあり、逆行する動脈血流量および動脈血流移動量を増大させることができる。この結果は腹部(regio abdominus)に現れる。
究極閾値刺激で、オフセット値=0(すなわちチャンネルグループAの刺激信号とチャンネルグループBの刺激信号の間にオフセット時間がないとき)を用いた場合、増幅効果は最大となり、大動脈および大静脈に対して最大の影響をもたらし、パルス波伝達により(冠状動脈流の増大を伴う心拡張期初期におけるこぶの増大により)、中心血行動態的な心臓負荷を改善する。ただし、こうした刺激はあまりにも強いと知覚される場合がある。チャンネルグループAとチャンネルグループBからなるチャンネルの間のオフセット時間を用いることにより、知覚される衝撃を緩和し、改善される結果により実現される利点を享受することができる。
複数のチャンネルグループを有する図5の構成において、これらを用いて、血行力学を改善するために、刺激された筋肉群の中の筋肉収縮時間を延長させることができる。
理想的には、筋肉収縮は次のRピークの前、R−R心臓サイクル内のR−Rの85%〜100%の時間帯内で終了する。それぞれの筋肉収縮は、この時間帯内で開始されるが、次の心収縮位相中、すなわち次のRピークの後に、筋肉収縮が終了するような状況を回避しなければならない。
心収縮期の終点(T波の終端)前のR−R長の5%から心収縮期の終点(T波の終端)後のR−R長の45%までの明確に設定された時間帯内に同期するように、筋肉収縮の開始点を制御するとともに、筋肉収縮の終点を制御することにより、心臓負荷の血行力学全体に一般的な改善が認められ、筋肉収縮の始点だけを制御した場合に比して、通常20%の改善が認められた。
なお、同期した電気刺激、すなわち印加されるパルスが実際の患者の心拍と同期する場合の電気刺激を参照して、上述の具体例を説明してきたことに留意されたい。
ただし、本発明の電気治療装置を非同期モードで用いることも可能である。非同期の刺激は、健康のために特に有用である刺激モードを意味する。本発明によれば、これは、自動プログラムモードで実行することができる。このとき、電気治療装置は、同期位相を用いて開始し、非同期位相、または開始位相と終了位相の間で交互の同期・非同期位相を用いて、非同期位相で終了する必要がある。非同期モードの電気刺激は、ここでは1つの刺激の形態と理解すべきであり、同期させるために心臓リズムを用いることはないが、所定の可変可能なサイクル時間で反復して刺激を与える。ただし、この場合も、刺激のための刺激モードと同じシーケンスモードを用いる。
その目的は次の通りである。作用される筋肉仕事量は非同期位相において増大し、脂肪分解が活発化する。非同期刺激中、心臓負荷が減少するか、あるいは心臓負荷を変化させるが、次の同期位相で心臓負荷が軽減され得る。この処置により、こうした複合的自動プログラムモードによる心臓負荷の全体的な軽減効果は、純粋な同期モードによる軽減効果よりも小さい。しかし、この心臓負担の軽減効果は、数多くの従来式の筋肉刺激装置で用いられている純粋な非同期モードに比してはるかに良好である。
電気刺激パルスを生成またはトリガするために用いられる装置または回路は、本願と同日付で出願された「電気治療装置」と題する欧州特許出願(代理人整理番号C5152PEP2)に開示されており、その開示内容が参考に本願に統合される。加えて、本願と同日付で出願された「電気治療装置およびこれを用いて人間または哺乳動物を治療する方法」と題する欧州特許出願(代理人整理番号C5148PWO)の開示内容が参考に本願に統合される。
一般的な心電図を示す概略図である。 人間の心臓の概略図である。 心臓および冠状動脈との接合部における大動脈の拡大図である。 本発明に係る電気治療を行うための装置の第1の実施形態を示す概略図である。 二相矩形インパルスを説明するために用いられた用語を説明するグラフである。 本発明に係る心臓共鳴を実現するためのカウンタパルセーションモードで患者に与えられるパルスのタイミングを示すグラフである。 患者の心臓動作に対する、本発明の方法および装置の効果を示す一連のグラフである。 図2Aと同様の装置の動作を示す概略図である。 人間に取り付けられた電極の位置の1つの可能性を示す第1の図である。 実施形態5で図示された電極がどのようにして2つの異なるチャンネルグループからの刺激信号が提供されるかを説明する図である。 人間に取り付けられた活性電極の配置を示す図である。 図7の電極がどのようにして刺激信号を受けるかを説明する図である。 人間に取り付けられた電極の位置の1つの可能性を示す別の図である。
符号の説明
10 心臓、RA 右心房、RV 右心室、LV左心室、LA 左心房、AO 大動脈、16,18,20,22 弁、28 心電計、30 検出電極、32 心電図、36 パルス発生器、38 ライン、40 活性電極、42 電極、44 パルス(パルス群)、46 オペレータ、50 正の矩形半パルス、52 負の矩形半パルス、60 入力部、90 非電気式センサ、92 リード、94 センサ信号プロセッサ、96 リード。

Claims (29)

  1. 人間の心電図のR−Rピークなどの周期的に反復する信号ピークを検出するセンサと、
    周期的に反復する信号ピークから、T波のほぼ終端に相当する遅延時間を求めるプロセッサと、
    プロセッサの出力信号により起動されるか、プロセッサに内蔵された、遅延時間の終点に対応する時点で、人間の上に配置された1つ以上の活性電極に電気刺激を供給するためのトリガシステムまたは回路とを備えた電気治療装置であって、
    このプロセッサは、
    a)連続する信号ピーク対の間の時間および人間の心拍数に関連する値を有する連続信号ピーク対を特定し、
    b)前記値と電気治療装置が許容する最大および最小の技術的許容限界値とを比較し、そして/または
    c)前記値と最大および最小の選択された許容限界値とを比較し、
    d)前記値のそれぞれが以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上大きいか否かを判断し、
    e)前記値のそれぞれが以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上小さいか否かを判断し、
    f)前記比較結果b)および/またはc)が肯定的で、前記判断結果d)およびe)において、前記値が、以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上大きくなく、以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上小さくないと判断された場合に限り、トリガシステムを起動することを特徴とする電気治療装置。
  2. 前記比較結果b)および/またはc)が肯定的で、前記判断結果d)およびe)において、前記値が、以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上大きくなく、以前の値または所定回数以上の複数の心拍において平均した以前の値より所定値以上小さくないと判断されたとき、プロセッサはセンサの測定時間帯を閉じるように構成され、
    トリガシステムを起動する前、測定時間帯は閉じられることを特徴とする請求項1に記載の電気治療装置。
  3. プロセッサは、遅延時間に加えて最大の刺激長を計算するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の電気治療装置。
  4. 求められた遅延時間がトリガ遅延時間とカルキュレーション遅延時間の和に相当する遅延時間と等しいか、それ以下であることを確認するように構成されており、
    トリガ遅延時間は、第1の信号ピークの検出に対応したセンサが出力するトリガ信号の開始時点から、この信号がプロセッサに達するまでの遅延時間であり、
    カルキュレーション遅延時間は、プロセッサがこのトリガ遅延時間を求めるために要する時間であり、
    プロセッサは、計算された遅延時間が最大の刺激長以下であることを確認して、必要ならば、修正された遅延時間が2つの条件を満足するように、すなわち計算された遅延時間がトリガ遅延時間とカルキュレーション遅延時間の和に等しいか大きく、計算された遅延時間が最大の刺激長に等しいか小さくなるように、計算された遅延時間を修正するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の電気治療装置。
  5. プロセッサは、最大の刺激長から遅延時間を差し引いたものに等しい最大期間を計算するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の電気治療装置。
  6. プロセッサは、電気刺激期間と、最大の刺激長から遅延時間を差し引いたものに等しい最大期間とを計算し、計算された期間が最大期間に等しいか小さいか否か確認し、そうでなければ、最大期間に等しいか小さくなるように計算された遅延期間を修正するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の電気治療装置。
  7. 計算された遅延時間、または遅延時間が修正された場合には修正された遅延時間と、最大刺激期間または修正された場合には修正された最大刺激期間と、安全マージンとの和に等しい開放された測定時間帯を計算することを特徴とする請求項6に記載の電気治療装置。
  8. プロセッサは、測定時間帯中にトリガシステムに出力信号を送信し、センサによる心電図のさらなるピーク検出を認識できるように、計算された遅延時間において測定時間帯を開くことを特徴とする請求項7に記載の電気治療装置。
  9. プロセッサは、新しいR−R値に基づいて一連の手順を反復するように構成されたことを特徴とする請求項8に記載の電気治療装置。
  10. 測定時間帯を開いた後、プロセッサが以前の値または以前の平均値に基づいて計算した推定時間内において、さらなる信号ピークが検出されなければ、トリガ信号は出力されず、推定時間内にさらなる信号ピークが検出されるまで、トリガ信号の伝達および刺激は阻止されることを特徴とする請求項9に記載の電気治療装置。
  11. 前記値として、信号ピーク間の以前の時間値を用いる代わりに、過去の複数の値から得られた平均値を用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一に記載の電気治療装置。
  12. プロセッサは、複数の過去の値の中に、以前に測定された値に所定の正の偏差を加えたものより小さく、以前に測定された値より所定の偏差だけ小さいものより大きい範囲に含まれる値だけを有するように構成されたことを特徴とする請求項11に記載の電気治療装置。
  13. 電気治療装置は、人間の体に取り付けられた1つ以上の活性電極に電気刺激を提供するための複数のチャンネルを備え、
    各チャンネルに対してそれぞれのオフセット値が遅延時間に加算されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一に記載の電気治療装置。
  14. 人間の心電図のR−Rピークなどの周期的に反復する信号ピークを検出するセンサと、
    周期的に反復する信号ピークから、T波のほぼ終端に相当する遅延時間を求めるプロセッサと、
    プロセッサの出力信号により起動されるか、プロセッサに内蔵された、遅延時間の終点に対応する時点で、人間の上に配置された1つ以上の活性電極に電気刺激を供給するためのトリガシステムまたは回路とを備えた電気治療装置であって、
    人間の上に配置された1つ以上の活性電極に電気刺激を供給するための複数の出力チャンネルを有することを特徴とする電気治療装置。
  15. 各チャンネルに対して、それぞれのオフセット値が遅延時間に加算されることを特徴とする請求項14に記載の電気治療装置。
  16. 複数(Y個)のチャンネルグループ(A,B;A,B,C)が設けられ、各チャンネルグループ(A,B;A,B,C)は複数のチャンネルを有することを特徴とする請求項14に記載の電気治療装置。
  17. 各チャンネルグループ(A,B;A,B,C)は同数のチャンネル(Ch.1,Ch.2,Ch.3,Ch.4(グループA);Ch.5,Ch.6,Ch.7,Ch.8(グループB);Ch.9,Ch.10,Ch.11,Ch.12(グループC))を有することを特徴とする請求項16に記載の電気治療装置。
  18. 同じ遅延時間で各チャンネルグループ(A,B;A,B,C)に提供するための手段が設けられたことを特徴とする請求項17に記載の電気治療装置。
  19. 通常、他のチャンネルグループに関連した遅延時間とは異なるそれぞれの遅延時間で、各チャンネルグループ(A,B;A,B,C)に提供するための手段が設けられたことを特徴とする請求項17に記載の電気治療装置。
  20. プロセッサは、1つのチャンネルグループ(A)に対する遅延時間を提供し、別のチャンネルグループ(B;B,C)に対してそれぞれのオフセット時間を追加するように構成されたことを特徴とする請求項19に記載の電気治療装置。
  21. 請求項14または15に記載の電気治療装置を用いて人間または哺乳動物を治療するための方法であって、
    各出力チャンネルは、通常、任意の他の出力チャンネルに関連する遅延時間とは異なるそれぞれの遅延時間を提供し、
    出力チャンネルは、特定の筋肉または筋肉群に作用する共通電極に接続されたすべてのものであるか、あるいはそれぞれの筋肉または筋肉群に作用するそれぞれの電極に接続されることを特徴とする方法。
  22. 請求項16〜20のいずれか一に記載の電気治療装置を用いて人間または哺乳動物を治療するための方法であって、
    出力チャンネルの各チャンネルグループは、人間または哺乳動物の体の上に互いにほぼ隣接する筋肉群に関連し、
    出力チャンネルの各グループに関連する筋肉群が、出力チャンネルの各グループに対して同一の筋肉群であり、
    出力チャンネルの各グループを介して伝達された刺激信号は、出力チャンネルの任意の他のグループにより伝達された刺激信号に関して、オフセット時間離れていることを特徴とする方法。
  23. 請求項16〜20のいずれか一に記載の電気治療装置を用いて人間または哺乳動物を治療するための方法であって、
    出力チャンネルの各グループは、人間または哺乳動物の体の上に互いにほぼ隣接する筋肉群に関連し、
    出力チャンネルの1つのグループに関連する筋肉群が、出力チャンネルの任意の他のグループに関連する筋肉群とは異なり、
    出力チャンネルの各グループからそれぞれの関連する筋肉群に伝達された刺激信号は、各チャンネルグループに対して同じ時点で起動されることを特徴とする方法。
  24. 請求項16〜20のいずれか一に記載の電気治療装置を用いて人間または哺乳動物を治療するための方法であって、
    出力チャンネルの各グループは、人間または哺乳動物の体の上に互いにほぼ隣接する筋肉群に関連し、
    出力チャンネルの1つのグループに関連する筋肉群が、出力チャンネルの任意の他のグループに関連する筋肉群とは異なり、
    出力チャンネルの各グループからそれぞれの関連する筋肉群に伝達された刺激信号は、各チャンネルグループとは異なる時点で起動されることを特徴とする方法。
  25. 請求項24に記載の方法であって、
    各チャンネルグループにそれぞれ関連する筋肉群は、人間または哺乳動物の体の上に配置され、
    1つのチャンネルグループに関連する心臓により近い筋肉群が、別のチャンネルグループに関連する心臓からより離れて配置された筋肉群より後に刺激されることを特徴とする方法。
  26. 請求項24に記載の方法であって、
    各チャンネルグループにそれぞれ関連する筋肉群は、人間または哺乳動物の体の上に配置され、
    1つのチャンネルグループに関連する心臓からより遠くに配置された筋肉群が、別のチャンネルグループに関連する心臓により近い筋肉群より後に刺激されることを特徴とする方法。
  27. 請求項25または26に記載の方法であって、
    第1のチャンネルグループは、4つの活性電極、すなわち人間の左右の前方側部にある外側筋(lateralis muscles)の上に配置された第1および第2の活性電極、および人間の左右の後方にある臀部筋(glutea muscles)に配置された第3および第4の活性電極に関連する4つのチャンネルを有し、このとき、受動電極は、人間の左右の前方部にある腸腰筋(infra inguinalis muscles)の上に配置され、
    第2のチャンネルグループは、4つの活性電極、すなわち人間の左右の前方大腿部にある内側大腿筋(femoralis medialis muscles)の上に配置された第1および第2の活性電極、および人間の左右の臀部にある臀溝筋(sulucus glutealis muscles)に配置された第3および第4の活性電極に関連する4つのチャンネルを有し、このとき、受動電極は膝の上方の大腿四頭筋(supragenus muscles)の上に配置され、
    第3のチャンネルグループは、4つの活性電極、すなわち人間の左右の膝の下方にある内側筋(medialis muscles)の上に配置された第1および第2の活性電極、および人間の
    左右のふくらはぎにある下腿三頭筋(lateralis muscles)に配置された第3および第4の活性電極に関連する4つのチャンネルを有し、このとき、受動電極は左右の脚の指屈筋(doralis pedis muscles)の上に配置されたことを特徴とする方法。
  28. センサは非電気式センサであるか、あるいは心電計に加えて非電気式センサを用いることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一に記載の電気治療装置。
  29. 非電気式センサは、非侵襲性の大動脈圧力測定デバイスと、侵襲性の大動脈圧力測定デバイスと、心臓弁が閉じることを検出するように構成されたノイズ検出デバイスとからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項28に記載の電気治療装置。

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