JP2007509873A - 虚血性心疾患の細胞治療で使用するためのeNOS転写エンハンサー - Google Patents

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Abstract

本発明は、虚血性心疾患(例えば冠動脈心疾患または虚血性心筋症)を有する患者の細胞治療において、幹細胞および前駆細胞を処理するために、内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の転写を増強する化合物の使用に関する。このような骨髄から単離された細胞を、例えばeNOS転写エンハンサーを用いて処理してから投与することにより、それらの機能的な活動が改善され、心臓の新血管形成と心臓の再生が改善される。

Description

本発明は、虚血性心疾患(例えば冠動脈心疾患または虚血性心筋症)を有する患者の細胞治療において、幹細胞および前駆細胞を処理するための、内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の転写を増強する化合物の使用に関する。このような細胞(例えば骨髄から単離することができる細胞)を、eNOS転写エンハンサーで処理してから投与することによって、それらの機能的な活動が改善され、心臓の新血管形成と心臓の再生が改善される。
虚血性心疾患(例えば冠動脈心疾患または虚血性心筋症)を有する患者において、梗塞後の心不全が、未だに罹患率および死亡率の主要な理由である。閉塞した動脈の迅速な再潅流により、早期死亡率が著しく減少しているもの、梗塞領域の進行性膨張と左心室腔の拡張を特徴とする心室リモデリングプロセスは、急性心筋梗塞から生存した患者において心不全を発症させることが多い。リモデリングを元に戻す主要な目的は、梗塞領域内の新血管形成の刺激、同様に心筋細胞再生の増強であると考えられる。
近年の調査結果により、出生後の新血管形成と心臓の再生における、内皮の幹細胞および前駆細胞の基本的な役割が確立された。危険な虚血後の新血管形成の改善は、例えば心筋梗塞または肢虚血のような現象後の重要な治療選択肢である。近頃まで、成人における虚血組織の新血管形成は、成熟した内皮細胞の移動と増殖、すなわち血管新生というプロセスに限定されると考えられていた。一方、循環する内皮の前駆細胞(EPC)が虚血部位に戻り、新生血管の形成に寄与することを示す証拠はますます増えている(C.Kalka等,Transplantation of ex vivo expanded endothelial progenitor cells for therapeutic neovascularization,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2000年,97:3422〜7)。胎児における初期内皮の前駆細胞(血管芽細胞)からの血管の発達と同様に、このプロセスは脈管形成と称される。
循環する前駆細胞の重要性は、それらの補充が遺伝的に阻害されていると、腫瘍の血管新生が阻害されるということで実証されている。EPCは、血管内皮増殖因子(VEGF)または間質細胞由来因子(SDF)−1によって、骨髄から循環系に移動させることができる。VEGFとSDF−1はいずれも、低酸素の組織で大いにアップレギュレートされることから、VEGFとSDF−1は、危険な虚血の後に、循環する前駆細胞を補充して、内因性の修復メカニズムを増強するためのホーミングシグナルを構成することが示唆される(S.H.Lee等,Early expression of angiogenesis factors in acute myocardial ischemia and infarction,N.Engl.J.Med.2000年,342:626〜33)。
近年の実証研究により、骨髄または血液から得られた前駆細胞は、梗塞した心筋の再生に寄与し、虚血性の心筋の新血管形成を増強することが裏付けられている(A.A.Kocher等,Neovascularization of ischemic myocardium by human bone−marrow−derived angioblasts prevents cardiomyocyte apoptosis,reduces remodeling and improves cardiac function,Nat.Med.2001年,7:430−6;D.Orlic等,Bone marrow cells regenerate infarcted myocardium,Nature 2001年 ,410:701−5;S.Fuchs等,Catheter−based autologous bone marrow myocardial injection in no−option patients with advanced coronary artery disease:a feasibility study,J.Am.Coll.Cardiol.2003年,41:1721〜4)。その上、成人の前駆細胞の静脈内注入または心筋内注射により、実験的に心筋梗塞を誘発させた後、および、慢性の虚血性心疾患を有する患者の両方において、心臓の機能が持続的に改善された。成人の幹細胞および前駆細胞の冠動脈内注入は、急性心筋梗塞を有する患者と慢性虚血性心筋症を有する患者の両方において、実行可能かつ安全であることが、臨床的に実証されている(B.Assmus等,Transplantation of progenitor cells and regeneration enhancement in acute myocardial infarction(TOPCARE−AMI),Circulation 2002年,106:3009〜17;B.E.Strauer等,Repair of infarcted myocardium by autologous intracoronary mononuclear bone marrow cell transplantation in humans,Circulation 2002年,106:1913−8)。このような細胞治療は、自己細胞治療として患者に施されるものであり、局部的および全体的な左心室機能における顕著な改善につながる。
虚血性心疾患を有する患者の細胞治療を成功させる必要条件はホーミングであり、従って、特に血管内の投与経路が選択される場合、心臓の標的とする領域に移植した細胞が生着することである。間葉細胞、造血幹細胞および前駆細胞のような、様々なタイプの骨髄幹細胞および前駆細胞の数は、虚血性心疾患を有する患者と健康なコントロールとで類似しているが、残念なことに虚血性心疾患を有する患者由来の幹細胞および前駆細胞の機能的な活動は損なわれており、それらのホーミング能は減少する。このような、冠動脈心疾患を有する患者由来の幹細胞および前駆細胞の機能的な欠動により、臨床的な細胞治療に関する治療上の可能性が限定される。これは、特に、虚血組織に侵入しホーミングするために化学誘引物質の濃度勾配に対して前駆細胞が溢出することを必要とする血管内投与経路が用いられる場合に当てはまる。幹細胞および前駆細胞の機能的な活動およびホーミング能は、例えばVEGFまたはSDF−1に応答したそれらのコロニー形成活性または移動活性を決定することによって評価することができる。細胞治療前の幹細胞および前駆細胞の移動またはコロニー形成活性をモニターすることは、細胞治療からより多くの利益を引き出す可能性のある患者を同定するための代用試験として役立たせることができる。一方で、近年、健康なドナーマウス由来の、完全な機能を有する骨髄から誘導されたEPCは、新血管形成機能が損なわれたマウスモデルにおいて、老齢の宿主の心臓の血管新生を回復させることが説明されている(J.M.Edelberg等,Young adult bone marrow−derived endothelial precursor cells restore aging−impaired cardiac angiogenic function,Circ.Res.2002年,90:e89〜e93)。従って、投与前の適切な手段(例えば薬理学的または遺伝子操作)によって、虚血性心疾患を有する患者由来の機能が損なわれた幹細胞および前駆細胞の活動を回復させ、それによって細胞治療から得られる患者の治療上の利点を高めることが有利である。
驚くべきことに、虚血性心疾患を有する患者由来の幹細胞および前駆細胞の機能障害は、内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーとのインキュベートによって顕著に改善することができることが発見された。患者の細胞を再投与する前にエクスビボでeNOS転写エンハンサーで処理することによって生産される内皮型一酸化窒素合成酵素の増強された発現により、これらの細胞の機能的な活動が改善または回復され、これは、以下に概略を説明するように、インビトロで遊出分析を用いることと、インビボでの後肢虚血のマウスモデルの両方において実証されている。後者のモデルにおいて、血流測定により大腿動脈を結紮した後の新血管形成を測定したところ、eNOS転写エンハンサーでの前処理の後に、投与された虚血性心疾患を有する患者由来の幹細胞および前駆細胞の有益な作用が、実質的に増加することが発見された。このような観察された作用は、実際には、内皮のNO合成酵素の増強された活性によって引き起こされ、NO形成は、eNOSおよびNO形成の阻害剤であることがわかっているN−モノメチル−L−アルギニン(L−NMMA)の作用を阻害することによって証明されている。eNOS転写エンハンサーとL−NMMA両方の存在下で、虚血性心疾患を有する患者由来の幹細胞および前駆細胞をインキュベートすると、機能的な活動の改善が起こらなかった。
従って、本発明の目的は、虚血性心疾患を有する患者の細胞治療において、幹細胞および/または前駆細胞を処理するための内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーの使用、同様に、虚血性心疾患を有する患者の細胞治療において、幹細胞および/または前駆細胞を処理するための医薬品を製造するための、内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーの使用、および、内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーを用いることを含む、虚血性心疾患を有する患者の細胞治療において、幹細胞および/または前駆細胞を処理するための医薬品を製造する方法、および、細胞を内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーで処理することを含む、虚血性心疾患を有する患者の細胞治療における幹細胞および/または前駆細胞の治療方法である。
内皮のNO合成酵素(eNOS、NOS−III)は、アルギニンの酸化によってメッセンジャー分子の酸化窒素(一酸化窒素;NO)を生産する3種のイソ酵素の群に属する。内皮から生じるNOは、多数の重要な心臓血管メカニズムにおいて中心的な重要性を有する。NOは、血管拡張性の作用を有し、血小板の凝集、内皮への白血球の付着、および、内膜の平滑筋細胞増殖を阻害する。内皮のNO合成酵素は、転写段階、転写後段階いずれにおいても生理学的および病態生理学的な調節を受けやすい。内皮細胞におけるeNOS発現のアップレギュレーションは、冠動脈心疾患やアテローム発生のような心臓血管疾患などの様々な状態を治療し、予防する有効な手段である。eNOS転写を増強する化合物は、例えば、WO02/064146、WO02/064545、WO02/064546およびWO02/064565で説明されている。これらの参考文献には、虚血性心疾患を有する患者の細胞治療における、このような細胞のエクスビボでの処理によって生じる幹細胞および前駆細胞の機能的な能力への有益な作用は説明されていない。近年、幹細胞および前駆細胞の骨髄から循環系への移動に関するeNOSの重要性が説明されている(A.Aicher等,Essential role of endothelial nitric oxide synthase for mobilization of stem and progenitor cells,Nat.Med.2003年;9:1370〜1376)。
好ましい本発明の実施形態において、WO02/064146、WO02/064545、WO02/064546およびWO02/064565、ならびに、対応特許文書、例えばUS2003/0008915、US2003/0022935、US2003/0022939およびUS2003/0055093(これらの内容は、この参照により開示に含まれる)で開示されたeNOS転写エンハンサーが用いられる。より好ましい本発明の実施形態において、式Iで示されるeNOS転写エンハンサーが用いられ、これは、その立体異性体のいずれか、もしくはそれらのあらゆる配合比の混合物、または、それらの製薬上許容できる塩である。
Figure 2007509873
式中、nは、1、2または3であり;
Rは、フェニルまたはHetar基であり、これらはいずれも、非置換であるか、または、F;Cl;Br;C1〜C3−アルキル;C1〜C3−アルコキシメチル;2−アミノ−3,3,3−トリフルオロプロピル−;CF3;C3〜C5−アルカンジイル;フェニル;ヘテロアリール;ベンジル;ヘテロアリール−メチル−;OH;C1〜C3−アルコキシ;フェノキシ;トリフルオロメトキシ;2,2,2−トリフルオロエトキシ;(C1〜C4−アルキル)COO;(C1〜C3−アルキル)メルカプト;フェニルメルカプト;(C1〜C3−アルキル)スルホニル;フェニルスルホニル;NH2;(C1〜C4−アルキル)アミノ;ジ(C1〜C4−アルキル)アミノ;(C1〜C3−アルキル)−CONH−;(C1〜C3−アルキル)−SO2NH−;(C1〜C3−アルキル)−CO;フェニル−CO;−OCH2O−;−OCF2O−;−CH2CH2O−;COO(C1〜C4−アルキル);−CONH2;−CONH(C1〜C4−アルキル);−CON(ジ(C1〜C4−アルキル));CN;−SO2NH2;−SO2NH(C1〜C4−アルキル);−SO2N(ジ(C1〜C4−アルキル));ピロリジニル;ピペリジニル;モルホリニル;および、チオモルホリニルからなる群より選択される1、2、3または4個の同一または異なる置換基を有し;ここにおいて、ヘテロアリール、フェニル、ヘテロアリールを含む基およびフェニルを含む基(これらは、場合により、前記フェニルまたは前記Hetar基の置換基に存在する)は全て、非置換であるか、または、F、Cl、Br、CN、C1〜C3−アルキル、OH、C1〜C3−アルコキシ、および、CF3からなる群より選択される1、2、3または4個の同一または異なる置換基で置換されており;
ヘテロアリールおよびHetar基は、互いに独立して、N、OおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含む、5員環〜10員環の芳香族の単環式または二環式の複素環である。
式Iで示される化合物における基または置換基(例えばフェニル、ヘテロアリール、アルキルなど)が数箇所に存在し得る場合、それらはいずれも、互いに独立して指定された意味を有し、従って、いずれの場合においても互いに同一でもよいし、または異なっていてもよい。例えば、ジ(C1〜C4−アルキル)アミノ基において、アルキル置換基は、同一でもよいし、または異なっていてもよい。
アルキル残基は、直鎖状でもよいし、または、分枝鎖でもよく、非環式でもよいし、または、環状でもよい。これはまた、それらがその他の基(例えばアルコキシ基、アルコキシカルボニル基またはアミノ基)の一部である場合、または、それらが置換されている場合にも適用される。
アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの残基のn−異性体、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルである。また、本明細書において、用語「アルキル」は特に、少なくとも3個の炭素原子を含む、シクロアルキル残基、および、シクロアルキル−アルキル−残基(シクロアルキルで置換されたアルキル)を含む。このようなシクロアルキル残基の例は、シクロプロピル、および、シクロブチルである。シクロアルキル基は、1個またはそれ以上の、同一または異なる(C1〜C4)−アルキル残基で置換されていてもよく、特にメチルで置換されていてもよい。その上、特に他の指定がない限り、本明細書において用語「アルキル」はまた、非置換のアルキル残基、同様に、1個またはそれ以上の、例えば1、2、3または4個の、同一または異なる残基、例えばフェニル基で置換されたアルキル残基も含む。置換されたアルキル残基(例えばフェニルアルキル)において、置換基は、望ましいいずれの位置に存在していてもよい。
3〜C5−アルカンジイルの例は、−CH2CH2CH2−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2CH2−、および、−CH2CH2CH2CH2CH2−基である。
特に他の指定がない限り、上述のフェニル残基、および、複素環式の残基(ヘテロアリール残基など)は、非置換であってもよいし、または、上記の定義で指定された置換基のうち1、2、3または4個を有していてもよく、これらは、望ましいいずれの位置に存在していてもよい。一置換されたフェニル残基において、置換基は、2位、3位または4位に存在でき、二置換されたフェニル残基において、置換基は、2,3位、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位、または、3,5位に存在できる。三置換されたフェニル残基において、置換基は、2,3,4位、2,3,5位、2,3,6位、2,4,5位、2,4,6位または3,4,5位に存在できる。4カ所置換されたフェニル残基において、置換基は、2,3,4,5位、2,3,4,6位、または、2,3,5,6位に存在できる。
特に他の指定がない限り、ヘテロアリール残基および複素環式の残基(例えばHetar基)は、好ましくは、1、2または3個の同一または異なるヘテロ原子を含む複素環から誘導されたもの、より好ましくは、1または2個の同一または異なるヘテロ原子を含む複素環から誘導されたものである。ヘテロ環式基における環は、好ましくは5員環、6員環または7員環であり、より好ましくは、5員環または6員環である。式Iで示される化合物に存在する残基が生じる可能性がある単環式および二環式の複素環系の例は、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3−ジオキソール、1,3−オキサゾール(=オキサゾール)、1,2−オキサゾール(=イソオキサゾール)、1,3−チアゾール(=チアゾール)、1,2−チアゾール(=イソチアゾール)、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピラン、チオピラン、1,4−ジオキシン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、アゼピン、1,2−ジアゼピン、1,3−ジアゼピン、1,4−ジアゼピン、1,3−オキサゼピン、1,3−チアゼピン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、チエノチオフェン、1,8−ナフチリジン、およびその他のナフチリジン、プテリジン、または、フェノチアジンであり、これらはいずれも、それぞれの型が既知であり、安定で、本化合物の定義に合致するのであれば、飽和型(ペルヒドロ型)、または、部分的に不飽和の型(例えば、ジヒドロ型またはテトラヒドロ型)、または、最大限不飽和の型であり得る。本明細書で用いられる用語「ヘテロアリール」は、両方の環が芳香族である二環式の残基、同様に、一方の環だけが芳香族である二環式の残基を含む。独立して、同様のことがHetar基にも当てはまる。適切な複素環としては、例えば、飽和複素環のピロリジン、ピペリジン、モルホリンおよびチオモルホリンが挙げられる。不飽和の複素環は、例えば、環系内に1、2または3個の二重結合を含んでいてもよい。また、5員環および6員環は、具体的には芳香族であってもよい。
これらの複素環から誘導することができる置換基は、適切な炭素原子のいずれかを介して結合されていてもよい。また、環の窒素原子上に水素原子または置換基を有する含窒素複素環から誘導された残基、例えば ピロール、イミダゾール、ピロリジン、モルホリン、ピペラジンは、特にそれぞれの複素環式の残基が炭素原子に結合している場合、環の窒素原子を介して結合されていてもよい。例えば、チエニル残基は、2−チエニル残基、または、3−チエニル残基として存在でき、フリル残基は、2−フリル残基、または、3−フリル残基として存在でき、ピリジル残基は、2−ピリジル残基、3−ピリジル残基、または、4−ピリジル残基として存在でき、ピペリジニル残基は、1−ピペリジニル残基(=ピペリジノ残基)、2−ピペリジニル残基、3−ピペリジニル残基、または、4−ピペリジニル残基として存在でき、(チオ)モルホリニル残基は、2−(チオ)モルホリニル残基、3−(チオ)モルホリニル残基、または、4−(チオ)モルホリニル残基(=チオモルホリノ残基)として存在できる。炭素原子を介して結合している1,3−チアゾールまたはイミダゾールから誘導された残基は、2位、4位または5位で結合させることができる。
ヘテロ環式基が置換されている場合、ヘテロ環式基は、1、2、3または4個の同一または異なる置換基を有することができる。複素環中の置換基は、望ましいいずれの位置に存在していてもよく、例えば、2−チエニル残基または2−フリル残基においては、3位、および/または、4位、および/または、5位に存在でき、3−チエニル残基または3−フリル残基においては、2位、および/または、4位、および/または、5位に存在でき、2−ピリジル残基においては、3位、および/または、4位、および/または、5位、および/または、6位に存在でき、3−ピリジル残基においては、2位、および/または、4位、および/または、5位、および/または、6位に存在でき、4−ピリジル残基においては、2位、および/または、3位、および/または、5位、および/または、6位に存在できる。また、適切な含窒素複素環は、N酸化物、または、製薬上許容できる酸から誘導された対イオンを含む第四級塩として存在していてもよい。例えば、ピリジル残基は、ピリジン−N酸化物として存在できる。
本発明は、式Iで示される化合物の全ての立体異性体を含む。式Iで示される化合物に存在する不斉中心は、いずれも互いに独立して、S配置またはR配置を取ることができる。本発明は、可能性のある全ての鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体、ならびに、2種またはそれ以上の立体異性体のあらゆる配合比の混合物、例えば、鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体の混合物を含む。従って、本発明に従って用いられる鏡像異性体として存在できる化合物は、鏡像異性的に純粋な形態(左旋性の対掌体としてでもよいし、右旋性の対掌体としてでもよい)、ラセミ化合物の形態、および、2種の鏡像異性体のあらゆる配合比の混合物の形態で存在できる。シス/トランス異性の場合、本発明は、シス型とトランス型の両方、同様に、これらの型のあらゆる配合比の混合物を含む。これら全ての型は、本発明に含まれる。個々の立体異性体の製造は、必要に応じて、一般的な方法によって、例えばクロマトグラフィー、または、結晶化によって、立体化学的に均一の出発原料を合成に使用することによって、または、立体選択的な合成によって混合物を分離することによって行うことができる。場合により、立体異性体の分離の前に、誘導体化を行ってもよい。立体異性体の混合物の分離は、式Iで示される化合物の段階で行ってもよいし、または、合成の最中に中間体の段階で行ってもよい。本発明はまた、式Iで示される化合物の全ての互変異性型も含む。
式Iで示される化合物が、1またはそれ以上の酸性または塩基性基を含む場合、本発明はまた、それらに対応する製薬的または毒物学的に許容できる塩、特に、それらの製薬的に利用可能な塩も含む。従って、式Iで示される、酸性基を含む化合物は、これらの基に存在させることができ、本発明に従って、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、または、アンモニウム塩として用いることができる。このような塩のより具体的な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、または、アンモニアまたは有機アミンとの塩、例えばエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、または、アミノ酸が挙げられる。式Iで示される、1個またはそれ以上の塩基性基(すなわちプロトン化することができる基)を含む化合物が存在してもよく、本発明に従って、無機または有機酸との付加塩の形態で用いることができる。適切な酸の例としては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸、および当業者既知のその他の酸が挙げられる。式Iで示される化合物が同時に、分子内に酸性の基と塩基性の基を含む場合、本発明はまた、上述の塩の形態に加えて、分子内塩またはベタイン(両性イオン)も含む。それぞれの塩は、式Iで示される化合物から当業者既知の一般的な方法によって得ることができ、例えば、溶媒または分散剤中で、それらと有機または無機酸または塩基とを接触させることによって、または、その他の塩との陰イオン交換または陽イオン交換によって得ることができる。
本発明はさらに、式Iで示される化合物の溶媒化合物、例えば、水和物またはアルコールの付加物の使用、および、式Iで示される化合物の活性代謝産物、および、式Iで示される化合物の誘導体およびプロドラッグ(生理学的に許容でき、切断可能な基を含む)、例えばエステル、アミド、および、式Iに示されたN−H基が、N−アルキル基(例えばN−メチル)、または、N−アシル基(例えばN−アセチルまたはN−アルギニル(argininyl))で置き換えられている化合物、例えば、N−アシル基に存在する官能基で形成された製薬上許容できる塩(ただし、幹細胞および前駆細胞のエクスビボでの処理に適した条件下で本発明に従って用いられる場合、望ましい活性を示すという条件で)の使用を含む。
特に好ましくは、式Iで示される化合物が本発明に従って用いられ、ここにおいて、そこに含まれる1個またはそれ以上の可変部分が以下に示す好ましい意味を有し、好ましい意味の全ての組み合わせが本発明の目的に含まれる。全ての好ましい式Iで示される化合物に関して、本発明はまた、全ての立体異性体およびそれらのあらゆる配合比の混合物、および、それらの製薬上許容できる塩の使用も含む。
n、すなわちポリメチレン鎖(CH2nにおけるすなわちCH2基の数は、好ましくは、1または3である。本発明の一実施形態において、nが1の式Iで示される化合物、すなわち式R−COOHで示される酸のインダン−2−イルアミドが用いられる。その他の本発明の実施形態において、nが3の式Iで示される化合物、すなわち、式R−COOHで示される酸の6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプタン−6−イルが用いられる。
Rは、好ましくは、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−(C1〜C3−アルコキシ)フェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル、2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル、2−メトキシ−4−メチルフェニル、4−フェノキシフェニル、3−フルオロ−4−メチルフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、1−(4−クロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル、1H−ベンゾトリアゾール−5−イル、1H−インドール−4−イル、1H−インドール−6−イル、1−イソプロピル−2−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル、1−メチル−3−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン−6−イル、1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(2−ヒドロキシピリジン−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル、2−(4−シアノフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル、2,4−ジメチルオキサゾール−5−イル、2,4−ジメチルピリミジン−5−イル、2,4−ジメチルチアゾール−5−イル、2,5−ジメチル−1H−ピロール−3−イル、2,5−ジメチル−1−フェニル−1H−ピロール−3−イル、2,5−ジメチル−1−ピリジン−4−イルメチル−1H−ピロリル、2,5−ジメチル−2H−ピラゾール−3−イル、2,6−ジクロロピリド−3−イル、2,6−ジメトキシピリド−3−イル、2,6−ジメチルピリド−3−イル、2−アミノ−4,6−ジメチルピリド−3−イル、2−アミノ−6−クロロピリド−3−イル、2−アミノ−ピリド−3−イル、2−クロロ−6−メチルピリド−3−イル、2−クロロピリド−4−イル、2−シクロプロピル−4−メチル−チアゾール−5−イル、2−ジメチルアミノ−4−メチル−チアゾール−5−イル、2−ジメチルアミノピリド−4−イル、2−エチル−5−メチル−2H−ピラゾール−3−イル、2−ヒドロキシ−6−メチルピリド−3−イル、2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル、2−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−イル、2−メチルピリド−3−イル、2−メチル−6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、2−メチルチアゾール−5−イル、2−(モルホリン−4−イル)ピリジン−4−イル、2−(モルホリン−4−イル)ピリミジン−5−イル、2−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イル、3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル、3−アミノ−5,6−ジメチルピラジン−2−イル、3−アミノ−5−メチルピラジン−2−イル、3−アミノピラジン−2−イル、3−ジメチルアミノ−4−メチルフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3H−ベンゾイミダゾール−5−イル、1H−ベンゾイミダゾール−5−イル、3−メタンスルホニルアミノ−2−メチルフェニル、3−メタンスルホニルアミノフェニル、3−メチル−イソオキサゾール−4−イル、3−(モルホリン−4−イル)フェニル、3−(ピペリジン−1−イル)フェニル、3−(ピロリジン−1−イル)フェニル、4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル、4,6−ジメチルピリド−3−イル、4−アミノ−2−エチルスルファニルピリミジン−5−イル、4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル、4−クロロ−3−メタンスルホニルアミノ−フェニル、4−クロロ−3−スフファモイルフェニル、4−メチル−3−メチルアミノフェニル、4−メチルチアゾール−5−イル、ピリド−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル、5−アミノ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル、5−メタンスルホニル−2−メチルフェニル、5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル、5−メチルイソオキサゾール−3−イル、5−メチルピリド−3−イル、5−メチルピラジン−2−イル、6−クロロピリド−3−イル、6−シアノピリド−3−イル、6−ジメチルアミノピリド−3−イル、6−エチニルピリド−3−イル、6−メトキシメチルピリド−3−イル、6−メトキシピリド−3−イル、6−メチル−2−メチルアミノピリド−3−イル、6−メチルアミノピラジン−2−イル、6−メチルピリド−3−イル、6−(モルホリン−4−イル)ピリド−3−イル、6−(ピロリジン−1−イル)ピリド−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、および、ピリミジン−4−イルから選択される。
ヘテロアリールは、好ましくは、1、2または3個の、より好ましくは 1または2個の、N、OおよびSからなる群より選択される同一または異なるヘテロ原子を含む、5員環〜10員環の、芳香族の、単環式または二環式の複素環である。ヘテロアリールは、最も好ましくは、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、および、インダゾリルからなる群より選択される。
Hetar基は、好ましくは、1、2または3個の、より好ましくは1または2個のN、OおよびSからなる群より選択される同一または異なるヘテロ原子を含む、5員環〜10員環の、芳香族の、単環式または二環式の複素環である。Hetar基は、最も好ましくは、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、および、インタゾリルからなる群より選択される。
特に好ましい本発明の実施形態において、nが1であり、R基がRについて好ましいものとして上記で列挙した意味のいずれか一つを有する式Iの化合物が、その立体異性体のいずれかで、もしくはそれらのあらゆる配合比の混合物として、または、それらの製薬上許容できる塩として使用される。その他の特に好ましい本発明の実施形態において、nが3であり、R基がRについて好ましいものとして上記で列挙した意味のいずれか一つを有する式Iの化合物が、その立体異性体のいずれかで、もしくはそれらのあらゆる配合比の混合物として、または、それらの製薬上許容できる塩として使用される。このような特に好ましい式Iで示される化合物の例は、4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミド、および、2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸インダン−2−イルアミドである。
本発明に従って用いられる化合物、具体的には、式Iで示される化合物およびそれらの前駆体は、文献で説明されている方法または当業者既知の類似の方法に従って合成することができる。式Iで示される化合物は、例えば、それぞれの式R−COOHで示される酸またはそれらの誘導体、およびそれぞれのアミンからアミド結合を形成することによって合成することができる。この目的を達成するために、それぞれのアミンを、例えば水、イソプロパノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエンまたはジオキサンのような不活性溶媒に溶解させ、そして例えばトリエチルアミンまたは水酸化ナトリウムのような塩基の存在下で、適切なカルボン酸誘導体(例えばカルボン酸塩化物)と、例えば室温で、反応させることができる。また、式Iで示される化合物は、例えばジイソプロピルエチルアミンのような塩基と、適切なカップリング試薬(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、または、TOTUのようなカルボジイミド)の存在下で、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中で、例えば室温で、それぞれのアミンとそれぞれの酸とをカップリング反応させることにより得ることもできる。必要に応じて、得られたアシルアミンは続いて、官能化させ、さらなる化合物を得ることもできる。式Iで示される化合物の合成のための全ての反応そのものは、当業者周知であり、文献で説明されている手法に従って、または、それらと同様にして標準的な条件下で行うことができ、このような文献は、例えば、Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie(Methods of Organic Chemistry),Thieme−Verlag,Stuttgart、または、Organic Reactions,ジョン・ワイリー&サンズ(John Wiley&Sons),ニューヨークである。個別の場合の環境に応じて、式Iで示される化合物の合成の際に生じる副反応を防ぐために、保護基を導入することによって一時的に官能基をブロックし、合成の後の段階でそれらを脱保護すること、または、前駆体の基(例えばアミノ基の前駆体であるニトロ基)の形態で官能基を導入すること(ここにおいて、後の反応工程で、望ましい官能基に変換される)が、必要であるか、または有利であり得る。このような、個別の場合において適切な合成法および保護基および前駆体の基は、当業者既知である。必要に応じて、式Iで示される化合物は、一般的な精製手法、例えば再結晶またはクロマトグラフィーによって精製してもよい。式Iで示される化合物の製造のための開始化合物は、市販のものでもよいし、または、文献の手法に従って、または、それらと同様にして製造することもできる。
本発明に係るeNOS転写エンハンサーで処理される成人の幹細胞および前駆細胞の単離およびさらなる操作は、文献で説明されている標準的な方法、または、文献で説明されている方法と類似した方法に従って行うことができ、これらは 当業者周知である。用いられる細胞は、患者の骨髄から得ることができ、骨髄は、通常の吸引法によって採取されるため、骨髄の幹細胞および前駆細胞であるか、または、骨髄から誘導された幹細胞および前駆細胞であり得る。骨髄は、通常の手順によって調整されるが、この手順に、単核細胞を分離するために密度勾配遠心分離による分画化が含まれていてもよい。洗浄した後に、この細胞を通常の細胞培地に懸濁するが、この細胞培地は、例えば市販のX−Vivo媒体(キャンブレックス(Cambrex),イーストラザフォード,ニュージャージー州,米国)であり、これは、血清非含有媒体であり、ヒトでの適用に適している。さらなる操作のために細胞を懸濁でき、実験的な調査に適したその他の細胞培地として、市販のRPMI1640媒体(シグマ(Sigma),セントルイス,ミズーリ州,米国)が挙げられる。一般的に、得られた細胞懸濁液は、造血細胞の前駆細胞などを含む不均質な細胞集団からなる。得られた細胞懸濁液は、特徴付けすることができ、例えば造血および間葉幹細胞および前駆細胞集団は、一般的な抗体を用いたフローサイトメトリー解析のような標準的な技術によって同定される。このような細胞の機能的な活動は、例えば、コロニー形成単位分析で、または、上述したようにVEGFまたはSDF−1に応答したそれらの移動能力を決定することによって評価することができ、以下でより詳細に述べる。細胞懸濁液は、内皮の前駆細胞か、または、それに発達することができる細胞を含み、これらの細胞は、順に、内皮細胞に発達し、新生血管形成を惹起し、すなわち梗塞領域の新血管形成を促進する。骨髄のほかにも、本発明に従って用いられる前駆細胞は、例えば、患者の脂肪組織または循環する血液から類似の手法によって得ることもでき、それによりそれぞれ脂肪組識から得られた前駆細胞、または、循環する血液から得られた前駆細胞が得られる。血液から得られた細胞集団は通常、再投与の前に、エクスビボで数日間培養される。体循環に存在する内皮の前駆細胞は、骨髄細胞から誘導されるため、「骨髄から誘導された」のような用語は、患者の骨髄から得られた細胞、同様に、回収された血液から得られた細胞を意味するものとして適切に用いることができる。
虚血性心疾患を有する患者由来の幹細胞および前駆細胞の損なわれた機能的な活動およびホーミング能を改善し、従ってそれらの再投与後の新血管形成を改善するための、該細胞の懸濁液のエクスビボでの処理は、細胞培養に関する標準的な条件下で行うことができる。懸濁液(適切な媒体(例えばX−Vivo)、例えば、完全な処方であって、さらなる物質の添加を必要としない媒体中の懸濁液が可能である)中の細胞濃度は、約100000/ml〜約5000000/ml、の範囲が可能であり、例えば約1000000/mlである。eNOS発現エンハンサーでの処理に用いられる媒体のpHは一般的に、細胞の操作中のpHとして、約6.5〜約7.5の範囲、特に、約6.8〜約7.3の範囲である。細胞懸濁液は、適切な製薬上許容できる溶媒、例えば水または有機溶媒(例えば、エタノールのようなアルコール、またはポリプロピレングリコールのようなポリグリコール、またはジメチルスルホキシド、または、このような溶媒の混合物)中のeNOS転写エンハンサーの溶液と混合される。また、eNOS転写エンハンサーの溶液は、塩、緩衝物質または可溶化剤のような、製薬上許容できる助剤を含んでいてもよい。得られた混合物中でのeNOS転写エンハンサーの濃度は一般的に、約1nM〜約1mMであり、特に約0.1μM〜約100μM、例えば約1μM〜約10μM、例えば約5μMである。次に、この混合物を、滅菌条件下で、一般的には約37℃の温度で、湿潤した雰囲気(例えば約5%の二酸化炭素を含む空気からなっていてもよい)でインキュベートする。インキュベート時間は、個別の環境(例えば用いるeNOS転写エンハンサーの有効性)に依存する。一般的に、インキュベート時間は、約6時間〜約48時間、例えば約12時間〜約24時間の範囲であり、例えば約18時間である。循環する血液から得られた前駆細胞が本発明に従って用いられる場合、eNOS転写エンハンサーとのインキュベートは、上述の、通常このような細胞を用いて行われる培養中に行ってもよい。含まれるeNOS転写エンハンサーは、体内で望ましい作用を与える医薬物質でもあるので、得られた混合物を調整しないで直接患者に投与できる。あるいは、処理された細胞は、まず得られた混合物から遠心分離によって分離し、例えば緩衝溶液で洗浄し、例えばX−Vivoのような媒体に再懸濁し、この懸濁液を患者に投与してもよい。
本発明のさらなる目的は、上述の、eNOS転写エンハンサーでの処理によって改善された機能的な活動を有する幹細胞および/または前駆細胞を生産するための方法、すなわち、改善された機能的な活動を有する幹細胞および/または前駆細胞を製造する方法であり、本方法は、虚血性心疾患を有する患者由来の幹細胞および/または前駆細胞を、内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーで処理することを含む。また、虚血性心疾患を有する患者の細胞治療において幹細胞および前駆細胞の処理に使用するための、eNOS転写エンハンサー、例えば式Iで示される化合物、および/または、それらの製薬上許容できる塩、および、場合により1種またはそれ以上の助剤、例えば塩または緩衝物質または可溶化剤を含む医薬品(または、医薬組成物もしくは医薬製剤)、同様に、このような使用のためのさらなる要素(例えば固形のeNOS転写エンハンサーを溶解させるのに適した溶媒または媒体)および使用説明書と共に上記医薬品を含む、このような処理に使用するためのキットまたはパッケージも本発明の目的である。本医薬品は、例えば、ボトル、アンプルまたはバイアルに含まれる固形のeNOS転写エンハンサー(これは続いて、eNOS転写エンハンサーを細胞懸濁液に添加する前に溶解される)、または、eNOS転写エンハンサーの溶液(細胞懸濁液に直接添加することができる)を含む。
eNOS転写エンハンサーでの処理後に得られた幹細胞および/または前駆細胞の懸濁液は、患者に、静脈注射または注入によって全身投与してもよいし、または、例えば心筋内注射または冠動脈内注射または注入によって、心臓または心臓に近い血管に直接投与してもよい。梗塞した心筋または冠状血管への直接投与は、外科手術の間に、または、カテーテル法を介して施すことができ、以下により詳細に概略を説明する。適切な投与法は当業界で確立されており、当業者周知である。
本明細書で用いられる用語「虚血性心疾患」は、心筋の1またはそれ以上の領域への不十分な血液供給が発生しているかまたはすでに発生したか、または、医師により新血管形成または血管新生の回復が望まれるあらゆる心疾患を含むものとし、例えば、例えば、冠動脈心疾患、冠動脈疾患、急性冠症候群、狭心症、心筋梗塞、虚血性心筋症、および、うっ血性心不全のような病気が挙げられ、後者の病気は虚血による場合がある。本発明に従って治療することができる虚血性心疾患は、急性または慢性疾患であり得る。
eNOS転写エンハンサーの合成
4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミド
2−アミノインダン塩酸塩43.70g(258mmol)、および、トリエチルアミン53.43g(528mmol)を、テトラヒドロフラン250mlに添加し、4−フルオロベンゾイル塩化物42.89g(270mmol)を添加し、この混合物を室温で2時間撹拌した。次に、得られた混合物を氷/HCl混合物に注ぎ、得られた沈殿をろ過し、NaHCO3溶液と水で洗浄し、真空中で乾燥させた。粗生成物をメタノールから結晶化した。収率:白色の結晶性生成物47.8g(73%)。
融点:167℃
マススペクトル:256.1[M+H+
1H−NMRスペクトル(300MHz,d6−DMSO):2.96(dd,2H,H1/3),3.25(dd,2H,H3/1),4.70(6重項,1H,H2),7.12〜7.19(m,2H,H4,7/5,6),7,20〜7,28(m,2H,H5,6/4,7),7.30(t,2H,H31,51),7.95(dd,2H,H2’,6’),8.68(d,1H,NH)。
以下の典型的な一般的な手順A、BおよびCのような手法に従って、式Iで示されるさらなる化合物を合成した。
手順A
1−エチル−3−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)カルボジイミド塩酸塩0.5mmol(96mg)、および、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)0.5mmol(87μl)を、ジクロロメタン(DCM)2.5mlに溶解させ、それぞれの酸0.5mmolのDCM2.5mlの溶液に添加し、10分間室温で撹拌した。次に、それぞれのアミン0.7mmolを添加し、一晩撹拌し続けた。次に、得られた溶液を2NのHClで2回、飽和KHCO3溶液で1回洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過した。乾燥するまで蒸発させた後に得られた残留物を、酢酸エチル/ヘキサン、または、メタノール/ジエチルエーテル混合物から結晶化するか、または、HPLCによって精製した。
手順B
テトラヒドロフラン5ml中のそれぞれの酸0.75mmolおよびDIPEA271μl(1.575mmol)に、O−[(シアノ−エトキシカルボニル−メチレン)アミノ]−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TOTU)271mg(0.825mmol)(ジメチルホルムアミド(DMF)1mlに溶解した)を添加した。室温で15分撹拌した後、DMF1ml中の、それぞれのアミン塩酸塩0.9mmolと、DIPEA172μl(1mmol)の混合物を添加した。6時間撹拌した後に、この混合物をろ過し、蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解させ、1NのHCl20mlと、5%炭酸水素ナトリウム溶液20mlで連続的に洗浄した。得られた有機相を蒸発させ、分取用HPLC(RP18,アセトニトリル/水)によって精製した。
手順C
それぞれのアミン2.5mmolを、トリエチルアミン550mgおよびジオキサン5mlと混合し、次にそれぞれのカルボン酸塩化物2.5mmolを添加し、この混合物を2時間にわたり室温で撹拌した。次に、得られた混合物を、氷/HCl混合物に注ぎ、得られた沈殿を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。このようにして得られた残留物を、分取用HPLCによって分画した。
製造された化合物の例として、以下のものが挙げられる。
2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸インダン−2−イルアミド
融点:147.5℃
マススペクトル:318.2[M+H+
1H−NMRスペクトル(400MHz,d6−DMSO):2.91〜2.99(m,2H,H−1/H−3),3.22〜3.30(m,2H,H−3/H−1),4.69(6重項,1H,H−2),7.13〜7.19(m,2H,H−4,H−7またはH−5,H−6),7.21〜7.28(m,2H,H−4,H−7またはH−5,H−6),7.50(d,1H,H−6’/H7’),7.80(d,1H,H−7’/H6),7.88(s,1H,H4’),8.71(d,1H,NH)。
eNOS転写活性化の測定
eNOS転写の活性化を、Li等,Activation of protein kinase C alpha and/or epsilon enhances transcription of the human endothelial nitric oxide synthase gene,Mol.Pharmacol.1998年,53:630〜637に詳細に説明されているようにして測定した。簡単に言えば、eNOS遺伝子の開始コドンの5’にある3.5kBの長いフラグメントをクローニングし、配列解析し、ホタルルシフェラーゼ発現プラスミドにクローニングし、レポーター遺伝子活性によってeNOSプロモーターの活性化をモニターした。このプロモーター−レポーター構築物が安定してトランスフェクションされ、かつそれらを発現するヒト内皮細胞系を、化合物試験に用いた。細胞を、化合物と18時間インキュベートした。全ての化合物は、予め滅菌ジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解させた。完全培地中のDMSOの最終濃度を、0.5%とした。これらの細胞におけるレポーター遺伝子発現の誘導を、標準的なルシフェラーゼ分析システム(プロメガ(Promega),マディソン,ウィスコンシン州,米国;カタログ番号E150)を製造元の説明書に従って用いて測定した。化合物とインキュベートされた細胞におけるルシフェラーゼ誘導を、溶媒のみとインキュベートされた細胞における誘導と比較した。両方の活性の比率(転写誘導比(transcription induction ratio),TIR)を、化合物濃度の関数としてプロットした。典型的には、TIR値は、比1の低い濃度で始まり、このとき化合物の作用は示されないが、最大TIR値、TIR(max)までくると、eNOS転写の増加が示される。化合物濃度の関数としての転写誘導比のEC50値を、図を用いて決定した。
骨髄細胞の単離
年齢18〜75歳の、総計9人の健康なコントロールと、25人の慢性的に冠動脈心疾患に罹っており心筋梗塞歴がある患者から、骨髄穿刺液を回収した。患者は、局所壁運動異常、開存しているもともとの血管(patent native vessel)、冠状動脈バイパス移植片、または、側副動脈を有する必要があった。心筋虚血は、骨髄から得られた前駆細胞を移動させることがわかっているため、過去4週間に誘導型または安静時心筋虚血の徴候を示した患者を除外した。さらなる排除基準は、進行性または慢性の感染の存在、過去2ヶ月以内の手術または外傷、悪性の病気の証拠、進行性の胃腸出血、160/100mmHgを超える制御不能な高血圧、過去2年間以内の発作(stroke)、AV動脈瘤、腎不全または肝不全、血小板減少症(血小板数<100000/μl)、貧血(ヘモグロビン<8.5g/dl)、知的障害、その他の臨床試験での登録、または、参加への不本意性とした。また、妊娠した女性および閉経前の女性も除外した。ホスピタル・オブ・ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ・ユニバーシティ・オブ・フランクフルト(Hospital of Johann Wolfgang Goethe University of Frankfurt,ドイツ)の倫理審査委員会によりこのプロトコールは認可され、ヘルシンキ宣言に従って本研究が行われた。それぞれの患者から、書面によるインフォームド・コンセントを得た。
それぞれの参加者から、総計で50mlの骨髄穿刺液を得た。骨髄幹細胞および前駆細胞を密度勾配遠心分離によって単離した。2回の洗浄工程の後に、細胞を、X−vivo10培地(ゲンタマイシンおよびフェノールレッド非含有;キャンブレックス,イーストラザフォード,ニュージャージー州,米国)10mlに再懸濁した。この細胞懸濁液は、造血細胞の前駆細胞などを含む不均質な細胞集団からなる。
骨髄幹細胞と前駆細胞を、フローサイトメトリーによって解析した。造血細胞および間葉細胞の幹細胞および前駆細胞集団を同定するために、ヒトCD45(ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson),フランクリン・レイクス、ニュージャージー州,米国)、CD34(FITC標識;BDファーミンジェン(BD Pharmingen),サンディエゴ,カリフォルニア州,米国)、CD133(APC標識;BDファーミンジェン)、CD14(FITC標識;BDファーミンジェン)、CXCR4(APC標識;BDファーミンジェン)、および、CD49d(APC標識;BDファーミンジェン)に対して向けられた標識抗体を直接用いた。この系のパネルを、BDファーミンジェンから得て(FITC標識CD3、CD14、CD16、CD19、CD20、および、CD56を含む)、さらにCD15およびグリコホリンA(いずれもBDファーミンジェン製)に対して向けられたFITC標識抗体を直接用いることによって完成させた。
eNOS転写エンハンサーを用いた骨髄細胞の処理
eNOS転写エンハンサー4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミドとインキュベートするために、X−Vivo10細胞培地1ml中の、1000000個の幹細胞および前駆細胞の懸濁液1mlを、4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミドのジメチルスルホキシド(DMSO)溶液1μl(DMSO1ml中に4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミド1.275mgを溶解させることによって製造された)と混合した。得られた混合物中の4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミドの濃度は、5μMであった。eNOS転写エンハンサーである4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミド、および、eNOS阻害剤NG−モノメチル−L−アルギニン(L−NMMA)とインキュベートするために、4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミドに加えて、L−NMMA(シグマ,セントルイス,ミズーリ州,米国)を、細胞懸濁液に添加し、4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミドの濃度が5μMであり、L−NMMA濃度が1mMの混合物が得られた。5%二酸化炭素を含む空気の雰囲気下で、37℃の温度で18時間インキュベートした。細胞を遠心分離によって単離し、PBSで2回洗浄し、X−Vivo10に懸濁した。
骨髄細胞の機能的な活動の測定
コロニー形成活性を評価するために、骨髄幹細胞および前駆細胞(1×105/培養皿)を、メチルセルロースプレート(幹細胞因子、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インターロイキン−3、インターロイキン−6を含む、Methocult GF H4535;セルシステム(CellSystems),St.Katharinen,ドイツ)に撒いた。14日間インキュベートした後に、プレートを位相差顕微鏡で観察し、コロニー形成単位−顆粒球−マクロファージ(CFU−GM;コロニー>50細胞)をカウントした。
骨髄幹細胞および前駆細胞の移動能力を評価するために、総計で1×106個の骨髄幹細胞および前駆細胞を、X−Vivo10(250μl)に懸濁し、マトリゲル(matrigel)(バイオコート・インバージョン・アッセイ(BioCoat invasion assay),孔径8μm,ベクトン・ディッキンソン・ラボウェア(Becton Dickinson Labware),ツーオークパーク(Two Oak Park),ベッドフォード,マサチューセッツ州,米国)を充填した改良型ボイデン(Boyden)チャンバーの上部チャンバーに置いた。次に、このチャンバーを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、50ng/mlのVEGF、または、100ng/mlのSDF−1のいずれかが追加された内皮細胞用基礎培地(EBM)500μlを含む24ウェル培養皿に置いた。37℃で24時間インキュベートした後に、移動した細胞をカウントした。
インビボの後肢虚血マウスモデル
体重18〜22gの8〜10週齢の無胸腺NMRIヌードマウス(ジャクソン・ラボラトリー(Jackson laboratory)、バーハーバー,メイン州,米国)の使用によって、後肢虚血のマウスモデルで骨髄幹細胞および前駆細胞の新血管形成能力を調査した。浅枝および深枝を含む大腿動脈近位部分、同様に、伏在動脈の遠位部分を、7−0シルク縫合糸で結紮した。電気コアグレーターを用いて、結紮間の全ての動脈の枝を取り除いた。3個の外科用ステープルを用いて、上を覆っている皮膚を閉じた。24時間後に、骨髄幹細胞および前駆細胞のX−Vivo10懸濁液を、静脈注射した(5×104、5×105、または、5×106細胞/マウス;n=5/グループ)。2週間後に、肢の潅流を決定した。具体的には、レーザードップラー血流メーター(Laser Doppler Perfusion Imager System,MoorLDI−Mark2,ムーア・インスツルメンツ(Moor Instruments),ウィルミントン,デラウェア州,米国)を用いて、虚血性の肢(右)/正常な肢(左)の血流比を測定した。スキャンを開始する前に、マウスを37℃の加熱プレートに置き、温度の変動を最小化した。レーザードップラーカラーイメージを2回記録した後、着色されたヒストグラムの画素数に基づき虚血性および非虚血性の肢の平均潅流を計算した。周辺の光や温度などの変動を最小化するために、計算された潅流は、非虚血性の肢の潅流に対する虚血性の肢の潅流の比で示した。
組織学的な評価のために、虚血性および非虚血性の肢から採取された内転筋と半膜様筋の5μmの凍結標本で、組織の血管新生を決定した。内皮細胞を、CD146に対して向けられたFITC標識モノクローナル抗体(ケミコン(Chemicon),テメキュラ,カリフォルニア州,米国)で染色した。毛細管密度は、毛細血管数/筋細胞で示された。ヒト骨髄幹細胞および前駆細胞を、HLA−DR−APC標識抗体(BDファーミンジェン,サンディエゴ,カリフォルニア州,米国)、および、CD146−FITC標識抗体で共染色することによって同定した。
患者への骨髄細胞の投与
患者へのeNOS転写エンハンサーで処理した骨髄細胞の投与は、前駆細胞を移植するための以下のカテーテル法によって行うことができた。特大の(0.5mm)オーバー・ザ・ワイヤー(over−the−wire)バルーンカテーテルを、予め埋め込まれたステントに侵入させた。内皮を通じて注入された細胞の付着と起こり得る遊出を可能にするために、バルーンを低圧で膨らませ、血流を3分間完全にブロックし、その間に、閉塞したバルーンの遠位に前駆細胞懸濁液3.3mlをバルーンカテーテルの中心ポートを介して注入した。この手順を3回繰り返して、総計10mlの前駆細胞懸濁液の注入を完了させた(その際、バルーンをしぼませて3分再流させることによって中断し、大規模な虚血を最小化した)。冠動脈内の細胞移植が完了した後、冠動脈造影を繰り返し、血管の開存と造影剤のスムーズな流れを確認した。
統計的分析を標準的な方法によって行った。特に他の指定がない限り、継続的な可変値の結果は、平均±標準偏差で示した。2より多いサブグループを用いた実験のt検定(両側)またはANOVAによって、グループ間の比較を解析した。多重範囲検定(Post hoc range test)、および、ペアごとの多重比較を、ボンフェローニ補正を用いたt検定(両側)で行った。ピアソンχ2検定によって、カテゴリーごとの可変値比較を作製した。インビトロでの骨髄幹細胞および前駆細胞の特徴のブラインド評価の後に、試験結果とインビボでの研究結果とを統合した。インビトロでの骨髄幹細胞および前駆細胞のインビボでの新血管形成能力に関する決定基を同定するために、多変量の線形回帰分析を行った。P値<0.05を統計学的に有意とみなした。全ての解析は、SPSS11.5(SPSS Inc.,シカゴ,イリノイ州,USA)で行われた。
以下の結果が得られた。
eNOS転写の活性化の測定
本化合物の4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミドは、eNOS転写の活性化に関するルシフェラーゼ分析で、0.8μMのEC50値を示し、4.10のTIR(max)値を示した。
本化合物の2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸インダン−2−イルアミドは、eNOS転写の活性化に関するルシフェラーゼ分析で、0.14μMのEC50値を示し、2.7のTIR(max)値を示した。
骨髄細胞の機能的な活動の測定
上記患者からの骨髄幹細胞および前駆細胞のコロニー形成活性は、37.3±25.0CFU−GM/培養皿であり、それに対して、健康なコントロールからの細胞では、113.8±70.4CFU−GM/培養皿であった(P=0.009)。
上記患者からの骨髄幹細胞および前駆細胞のVEGFに対する移動反応は、移動した細胞が34.0±24.2×1000個であり、それに対して、健康なコントロールからの細胞では、移動した細胞は54.8±29.3×1000個であった(P=0.027)。
上記患者からの骨髄幹細胞および前駆細胞のSDF−1に対する移動反応は、移動した細胞が46.3±26.2×1000個であり、それに対して、健康なコントロールからの細胞では、移動した細胞は108.6±40.4×1000個であった(P<0.001)。
PBSで18時間処理した後の健康なコントロールからの骨髄幹細胞および前駆細胞のSDF−1に対する移動反応は、移動した細胞が126.5.3±41.7×1000個であり、それに対して、4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミド(5μM)で18時間処理した後の健康なコントロールからの細胞では、移動した細胞は111.2±38.5×1000個であった(P<0.01)。
PBSで18時間処理した後の上記患者からの骨髄幹細胞および前駆細胞のSDF−1に対する移動反応は、移動した細胞が38.0±13.7×1000個であり、それに対して、4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミド(5μM)で18時間処理した後の上記患者からの細胞では、移動した細胞は74.0±20.7×1000個であった(P<0.01)。
4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミド(5μM)とNG−モノメチル−L−アルギニン(L−NMMA)(1mM)で18時間処理した後の上記患者からの骨髄幹細胞および前駆細胞のSDF−1に対する移動反応は、移動した細胞が23.9±7.4×1000個であり、それに対して、4−フルオロ−(N−インダン−2−イル)ベンズアミド(5μM)で18時間処理した後の健康なコントロールからの細胞では、移動した細胞は74.3±21.5×1000個であった(P<0.01)。
インビボでの後肢虚血マウスモデル
細胞濃度5×105細胞/マウス(この濃度で、健康なコントロールからの骨髄幹細胞および前駆細胞を用いた最大の治療効果が達成される)で、幹細胞および前駆細胞の作用の比較を行った。
様々な試験グループにおいて、指定した通りに骨髄幹細胞および前駆細胞を投与した後の、以下に示すレーザードップラーから得られた相対的な血流値(虚血性の肢(右)/正常な肢(左)の血流比(パーセント))が決定された。
Figure 2007509873

Claims (10)

  1. 虚血性心疾患の患者の細胞治療において、幹細胞および/または前駆細胞を処理するための医薬品を製造するための、内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーの使用。
  2. 内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーは、式I:
    Figure 2007509873
    で示される化合物、その立体異性体もしくはそれらのいずれかの配合比の混合物、または、それらの製薬上許容できる塩である請求項1に記載の使用。
    式中、nは、1、2または3であり;
    Rは、フェニルまたはHetar基であり、これらはいずれも、非置換であるか、または、F;Cl;Br;C1〜C3−アルキル;C1〜C3−アルコキシメチル;2−アミノ−3,3,3−トリフルオロプロピル−;CF3;C3〜C5−アルカンジイル;フェニル;ヘテロアリール;ベンジル;ヘテロアリール−メチル−;OH;C1〜C3−アルコキシ;フェノキシ;トリフルオロメトキシ;2,2,2−トリフルオロエトキシ;(C1〜C4−アルキル)COO;(C1〜C3−アルキル)メルカプト;フェニルメルカプト;(C1〜C3−アルキル)スルホニル;フェニルスルホニル;NH2;(C1〜C4−アルキル)アミノ;ジ(C1〜C4−アルキル)アミノ;(C1〜C3−アルキル)−CONH−;(C1〜C3−アルキル)−SO2NH−;(C1〜C3−アルキル)−CO;フェニル−CO;−OCH2O−;−OCF2O−;−CH2CH2O−;COO(C1〜C4−アルキル);−CONH2;−CONH(C1〜C4−アルキル);−CON(ジ(C1〜C4−アルキル));CN;−SO2NH2;−SO2NH(C1〜C4−アルキル);−SO2N(ジ(C1〜C4−アルキル));ピロリジニル;ピペリジニル;モルホリニル;および、チオモルホリニルからなる群より選択される1、2、3または4個の同一または異なる置換基を有し;ここにおいて、ヘテロアリール、フェニル、ヘテロアリールを含む基およびフェニルを含む基(これらは、場合により、該フェニルまたは該Hetar基の置換基に存在する)は全て、非置換であるか、または、F、Cl、Br、CN、C1〜C3−アルキル、OH、C1〜C3−アルコキシ、および、CF3からなる群より選択される1、2、3または4個の同一または異なる置換基で置換されており;
    ヘテロアリールおよびHetar基は、互いに独立して、N、OおよびSからなる群より選択される1、2、3または4個の同一または異なるヘテロ原子を含む、5員環〜10員環の芳香族の単環式または二環式の複素環である。
  3. 内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーは、4−フルオロ−N−(インダン−2−イル)ベンズアミド、および、2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸インダン−2−イルアミドから選択される、請求項1または2に記載の使用。
  4. 幹細胞および/または前駆細胞は、患者の骨髄から得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 幹細胞および/または前駆細胞を、内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーと、6時間〜48時間インキュベートする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 虚血性心疾患は、冠動脈心疾患、冠動脈疾患、急性冠症候群、狭心症、心筋梗塞、虚血性心筋症、または、うっ血性心不全である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 処理した幹細胞および/または前駆細胞を、静脈内、冠動脈内または心筋内への注射または注入によって患者に投与する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーを用いることを含む、虚血性心疾患の患者の細胞治療において、幹細胞および/または前駆細胞を処理するための医薬品を製造する方法。
  9. 虚血性心疾患の患者由来の幹細胞および/または前駆細胞を、内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーで処理することを含む、機能的な活動が改善された幹細胞および/または前駆細胞を製造する方法。
  10. 内皮型一酸化窒素合成酵素の転写エンハンサーを含む、虚血性心疾患の患者の細胞治療において、幹細胞および/または前駆細胞を処理するための医薬品。
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