JP2007504729A - 無線通信システムにおける信号の伝送方法、ならびに相応する送信局及び受信局 - Google Patents

無線通信システムにおける信号の伝送方法、ならびに相応する送信局及び受信局 Download PDF

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Abstract

無線通信システムの送信局NBと受信局UEとの間のリンクの信号Sを伝送する方法において、受信局UEによるリンクの少なくとも1つのチャネルCHの推定のために、局NB,UEの間で少なくとも1つのパイロット信号w2を伝送する。その際、リンクの信号Sを用いて受信局UEに伝送されるべきデータを検出するために、チャネル推定の結果が求められる。送信局NBが送信すべきリンクの信号を生成する際に及び/又は受信局UEがリンクの受信信号を処理する際に、チャネル推定に使用されたパイロット信号w2の送信特性とリンクの信号Sの送信特性との間の差異が考慮される。

Description

本発明は、無線通信システムの送信局と受信局との間のリンクの信号を伝送する方法、ならびに、相応する送信局及び受信局に関する。
無線通信システムでは、リンクに関与する局の間の通信はエアインタフェースを介して電磁波によって行われる。無線通信システムの1つの特殊な形態として移動体通信システムがある。移動体通信システムでは、ネットワーク側の基地局が、たいてい移動性を有する多数の加入者端局が滞在することのできるサービスエリアを提供する。セルラー移動体通信システムの場合には、多数の基地局は「無線セル」と呼ばれるサービスエリアを備えており、これらの「無線セル」により比較的大きな地理的領域を賄うことができる。セルラー移動体通信システムの一例は、とりわけアメリカ合衆国において普及しているIS−95、及び、とりわけヨーロッパで支配的なGSM(Global System of Mobile Communication)である。目下、例えばCDMA2000やUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)などのいわゆる第3世代のセルラー移動体通信システムが開発中である。
加入者局において、例えばレーキ受信器のような簡単な受信器構造を実現するために、基地局によって送信されるべき信号を相応して前置補償することが可能であり、それにより、受信加入者局において、種々の可能な信号伝搬経路の信号寄与の整合的な検出が可能となる。レーキ受信器の場合には、例えば、それぞれの経路に1つのレーキフィンガが割り当てられる。各レーキフィンガは伝搬経路のうちの1つの信号寄与を集め、位相ずれを補正し、最大比合成法の意味で信号寄与を重み付けする。位相補正と実数値による重み付けとを正しく実行することができるためには、加入者局はベクトルチャネルの全体を推定できなければならない、つまり、すべての伝搬経路に関して複素振幅ρと正規化されたチャネルベクトルaを推定できなければならない。
UMTSに対しては、いわゆるS−CPICH(Secondary Common Pitch Channel)に基づいたダウンリンク(基地局から加入者局への方向)におけるチャネル推定が提案されている。S−CPICHでは、チャネル推定に必要なパイロットシーケンスが基地局から同時に指向性ビームによって複数の方向に送信される。その際、各方向に同じパイロットシーケンスを送信するために個別の拡散符号が使用される。それゆえ、加入者局は各経路に関してその経路にとって有利なパイロット信号の指向性ビームを介してチャネル推定を実行することができ、このチャネル推定は後に基地局から加入者局へ伝送すべきデータの検出に使用される。
全方向性パイロットチャネルを使用した場合には、ただ1つのパイロットシーケンスが基地局から全ての方向に伝送され、基地局の無線サービスエリア内の任意の場所の加入者局によってチャネル推定に使用されうるのに対して、例えば上記のS−CPICHで使用されるいわゆるグリッドオブビームズ法(Grid-of-beams Approach)の場合には、その上にそれぞれパイロットシーケンスをのせて伝送するための多数の指向性ビームが必要とされる。しかしながら、ビーム成形利得のおかげで、全方向性放射に比べて電力の小さなパイロットシーケンスの送信は、いわゆるプライマリCPICHによって行うことができる。プライマリCPICHの場合には、それぞれ1つのアンテナから同時に異なるパイロットシーケンスが全方向に送信される。S−CPICHの使用はビーム成形利得のおかげで電力低減を可能にする。
基地局に適応アンテナが設けられている場合には、グリッドオブビームズ法とは異なって、各受信加入者局に合わせたビームを用いてもパイロットシーケンスを送信することができる。しかしながら、このためには、各加入者局に対して個別のパイロットシーケンスを送信する必要がある。複数の加入者局に対して共通のパイロットチャネルを使用することはもはやできない。
本発明の課題は、無線通信システムにおける信号の伝送方法であって、有利なチャネル推定とデータの検出を可能にする方法を提供することである。
この課題は、請求項1による方法ならびに副請求項による送信局と受信局により解決される。本発明の有利な実施形態及び発展形態は従属請求項の対象である。
無線通信システムの送信局と受信局との間のリンクの信号を伝送する本発明による方法では、リンクの少なくとも1つのチャネルを受信局が推定できるようにするため、局の間で少なくとも1つのパイロット信号が伝送され、リンクの信号を用いて受信局に伝送されるべきデータを検出するために、チャネル推定の結果が求められる。チャネル推定に使用されたパイロット信号の送信特性とリンクの信号の送信特性との間の差異は、送信局が送信すべきリンクの信号を生成する際に及び/又は受信局がリンクの受信信号を処理する際に考慮される。
ここで、送信特性とは、送信される信号の形(例えば、ただ1つの主ローブと複数のサイドローブ)と方向を意味している。チャネル推定は、推定に用いられるパイロット信号の伝搬経路がチャネル推定を実行する対象であるリンクの信号の伝搬経路と異なっている場合には、誤差を生じる。しかし、パイロット信号の送信特性の形とリンクの信号の送信特性の形が異なることによって、パイロット信号とリンクの信号の伝搬経路とは無関係に誤差が生じることもある。以下では、実施形態が後者のケースにも妥当する場合でも、前者のケースだけを考察する場合が多々ある。
本発明はまた、例えば、リンクの信号を送信するために適応アンテナを使用する場合や指向性ビームを用いて決まった方向にパイロット信号を送信する場合にそうであるように、パイロット信号とリンクの信号の送信特性が伝搬経路及び/又は形に関してばらばらであるケースにも関している。これに関して、本願発明は特に上記のグリッドオブビームズ法を使用した場合に適用可能である。グリッドオブビームズ法では、次のようなことがよく起こる。すなわち、個々の加入者局の位置に合わせた指向性ビームによってリンクが行われる場合に、加入者局が直接パイロットビームの主伝搬経路内にないために、このパイロットビームに基づいて行われるリンクの信号に関するチャネル推定が全面的には正確でないということがよく起こる。パイロット信号の送信特性ないし伝搬方向とリンクの信号の信号特性ないし伝搬方向との間の差異を考慮することで、有利には、リンクの信号に関してパイロット信号を用いて行われる推定の際に伝搬方向の差異に起因して生じる誤差の少なくとも部分的な補償が可能になる。
本発明の第1の実施形態によれば、送信特性の差異の考慮は受信局によるリンクの受信信号の処理の際に受信局側で行われる。このためには、受信局が送信特性の差異に関する情報を有していることが必要である。これは、例えば、加入者局が例えばGPS(Global Positioning System)のような相応の測位方法の使用によって送信局に対する自らの位置及び基地局に対するパイロット信号の送信特性を知っているケースである。受信局は、例えば、送信局がパイロット信号の送信特性を相応の組織チャネルを介して受信局に通知することから、この送信特性を知ることができる。送信局が例えば移動体通信システムの基地局であり、受信局が相応する加入者局であれば、基地局のこのような組織チャネルは基地局の無線サービスエリア内のすべての加入者局によって受信されうる。
本発明の第2の実施形態によれば、送信局が送信されるべきリンクの信号を生成する際に、送信側で送信特性の間の差異が考慮される。差異を求めることは問題なく可能である。というのも、送信局には当然のことながらパイロット信号の送信特性もリンクの信号の送信特性も知られているからである。
本発明は、データの検出の前にチャネル推定が行われ、かつ、チャネル推定に使用されるパイロット信号の送信特性と相応するリンクの信号の送信特性との間に差異が生じうるような任意の無線通信システムに適用可能である。パイロット信号の送信特性と相応するリンクの信号の送信特性との間の差異は、パイロット信号の伝搬経路とリンクの信号の伝搬経路の違いと同じ意味である。したがって、本発明は特に、例えば、パイロット信号を用いてチャネル推定を行った後に送信局と受信局の相対的な配置が変化し、以前のチャネル推定の結果を引き続き使用しなければならないにもかかわらず、局の相対的配置の変化とともにリンクの信号のチャネルも変化するような場合にも適用可能である。本発明は移動送信局と移動受信局を備えた無線通信システムでの使用に特に適している。
本発明の第2の実施形態の発展形態によれば、第1のステップにおいて、送信特性間の差異の度合いが推定される。第2のステップでは、送信局により送信される前にリンクの信号が推定された度合いに従って前置補償される。
この対象の発展形態によれば、第1のステップを実行するために、リンクの少なくとも1つのチャネルの推定の結果が送信局に供給され、差異の度合いを求めるためにチャネル推定の結果がパイロット信号の送信特性に関する情報と関連づけられる。
送信局に供給されるチャネル推定の結果は、パイロット信号に基づいて受信局により行われたチャネル推定に基づいているか、又は、受信局から送信局へ通知される。これには、受信局で行われた同一のチャネル推定の結果を、受信局においてデータの検出に使用することも、送信局においてデータをのせて伝送されるべき信号の前置補償に使用することもできるという利点がある。
しかし、択一的に、送信局が送信局と受信局の間のチャネルに関する独自のチャネル推定を行うことにより、送信局に供給されるチャネル推定の結果を送信局自体が求めるようにすることも可能である。これは、例えば、チャネル推定の結果を逆の伝送方向(つまり、受信局から送信局へ)でのチャネル推定の結果から導き出すことによって行うことができる。特に、TDD方式(時分割二重)のように両方の伝送方向に同一の周波数を使用する場合には、両方の伝送方向においてチャネルの相反性を仮定することができるので、両方の伝送方向に関するチャネル推定の結果は広範囲にわたって一致する。
本発明の発展形態によれば、送信局に供給されるチャネル推定の結果はそれぞれリンクの各チャネルの共分散行列に関係している。それぞれの共分散行列について、主固有値に対応する固有ベクトルを求めることにより固有値分解が行われる。差異の度合いは、固有値分解の結果をパイロット信号の送信特性に関する情報と関連づけることによって求められる。
受信局がデータ検出のためにレーキ受信器を使用すると有利である。つまり、本発明に従ってパイロット信号の送信特性とリンクの信号の送信特性との間の差異を考慮することにより、有利には、差異があるにもかかわらず、レーキ受信器の出力側において整合的な検出を行うことが可能である。
本発明の発展形態によれば、送信局はそのつど決まった方向に複数のパイロット信号を送信し、受信局はこれらのパイロット信号の内の少なくとも1つをチャネル推定に使用する。それゆえ、本発明は特に上記のグリッドオブビームズ法での使用に適している。
本発明による送信局と本発明による受信局は、本発明による方法ならびにその実施形態及び発展形態を実行することができるように、相応の手段を有している。
以下では、図に示された実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
図1は、いわゆるグリッドオブビームズ法における送信局による複数のパイロット信号の送信を示しており、
図2は、チャネル推定に使用されるパイロット信号の伝搬方向とリンクの信号の伝搬方向の差異を示しており、
図3は、図1及び2の送信局のコンポーネントを示しており、
図4は、図3の受信局のコンポーネントを示している。
図1には、例として4つのアンテナ素子AEを備えた適応アンテナを有する移動体通信システムの基地局の形で送信局NBが示されている。送信局NBは、適応アンテナを用いて、グリッドオブビームズ法に従って、同じ形の送信特性を有する異なる多数のパイロット信号を指向性ビームにより異なる方向に時間的に繰り返して送信する。図1には、パイロット信号w2のうちの1つだけが実線で示されており、残りのパイロット信号は破線で示されている。
図2には、図1に加えて、移動体通信システムの加入者局の形で受信局UEが示されている。今度は、図1のパイロット信号w2の送信特性が破線で示されている。図2では、送信局NBと受信局UEの間のリンクに従って送信局NBから受信局UEへ伝送される信号Sの指向特性が実線で示されている。図2は、受信電力の送信角度への依存性を示している。
図2からは、パイロット信号w2の伝搬方向はリンクの信号Sの伝搬方向とは異なっていることが見て取れる。受信局UEは、パイロット信号w2に基づいて、送信局NBと受信局UEの間のリンクのチャネルCHに関するチャネル推定を行う。しかしながら、パイロット信号w2の伝搬方向とリンクの信号Sの伝搬方向との間の差異のために、このチャネル推定には誤差が生じる(この実施例では、パイロット信号w2とリンクの信号Sは、形に関してではなく方向に関してのみ異なる送信特性を有していることが仮定されている。しかしながら、その逆であってもよいし、送信特性が形に関しても方向に関しても異なっていてもよい)。
この実施例では、送信局NBと受信局UEとの間にただ1つの空間的経路しかないものと仮定される。この誤差のあるチャネル推定に起因する位相誤差は45°である。これは、パイロット信号w2の伝搬方向と信号Sの伝搬方向が互いに11°だけ異なっていることに因っている。
この位相差は、信号Sがパイロット信号w2と同じ送信特性ないし伝搬方向で伝送されれば、避けられる。しかしながら、その場合、受信局UEにおける受信電力は、信号Sが受信局UEの方向に送信された場合よりも小さくなる。このケースに関して、受信局UEにおける受信電力の相応する差ΔPが図2にはっきりと示されている。この受信電力の損失は、本発明において信号Sを直接受信局UEの方向に伝送することにより避けられる。これにより生じる位相誤差は信号Sの前置補償により補償される。
本発明の第1の実施例では、受信局UEはパイロット信号w2の伝搬方向とリンクの信号Sの伝搬方向との間の差異を自立的に求め、それに応じてパイロット信号w2に基づいて行われたチャネル推定の少なくとも部分的な補正を行う。このようにして、後に、リンクの信号によって伝送されたデータの検出が、(補正されているため)より適切なチャネル推定を用いて行われる。
本発明の第2の実施例では、送信局NBは、第1のステップにおいて、受信局UEにより行われるべきリンクに関するチャネル推定の誤差を推定することにより、送信すべきリンクの信号を生成する際に、パイロット信号w2の伝搬方向とリンクの信号Sの伝搬方向との間の差異を考慮する。つづいて、第2のステップにおいて、リンクの信号Sは送信局NBによって送信される前に推定された誤差に従って前置補償される。
図3には、図1及び2の送信局NBの主要なコンポーネントが示されている。送信局NBは、図1及び図2に示されたアンテナ素子AEにより形成された第1の適応アンテナA1を有している。第1の適応アンテナA1はパイロット信号w2とリンクの信号Sを送信するために使用される。パイロット信号w2と図1に示されている残りのパイロット信号はユニットPにより生成され、送信ユニットTXを介して第1のアンテナ装置A1に伝送される。送信局NBは、第1のアンテナ装置A1を介して、パイロット信号w2に基づいて受信局UEにより行われたチャネル推定の結果RCHも受信する。結果RCHは第1のアンテナ装置A1から受信ユニットRXを介して信号処理ユニットSPに供給される。信号処理ユニットSPの内部では、誤差のあるチャネル推定を補償する上記の前置補償も含めて、リンクの信号Sの生成が行われる。その際、信号処理ユニットSPは受信局UEにより行われたチャネル推定の結果RCHを使用する。
本発明の他の実施例では、送信局NBが受信局UEにより行われたチャネル推定の結果RCHを受信せず、送信局NBから受信局UEへの伝送方向に関してリンクのチャネルの推定を自立的に行うことも可能である。このようなチャネル推定は、例えば、逆の伝送方向、つまり、受信局UEから送信局NBへの伝送方向に関してチャネルの推定から導き出すことができる。
図4には、図2の受信局UEの主要なコンポーネントだけが示されている。受信局UEは第2のアンテナ装置A2を介してパイロット信号w2とリンクの信号Sを受信する。両方とも受信ユニットRXを介して後続のコンポーネントに転送される。パイロット信号w2はチャネル推定ユニットCHEに転送され、チャネル推定ユニットCHEはパイロット信号に基づいて送信局NBから受信局UEへの方向でリンクのチャネル推定を行う。リンクの信号Sは受信ユニットRXからデータ検出器DETに供給される。データ検出器DETの中にはレーキ受信器が組み込まれており、レーキ受信器のフィンガはチャネル推定ユニットCHEによって行われたチャネル推定に従って調整されている。チャネル推定の結果は、受信局UEからのチャネル推定の結果RCHの形で、チャネル推定ユニットCHEからさらに送信ユニットTXと第2のアンテナ装置A2とを介して送信局NBへ伝送される。
本発明に従った受信局UEによるチャネル推定の誤差の補償は、グリッドオブビームズ法を使用しているにもかかわらず、データ検出器DETによる整合的な検出が可能になるという利点を有している。チャネルCHによる位相歪みを求める際の誤差は、完全に全面的に避けることはできないにしても、少なくとも部分的に減少させることができる。
本発明の第2の実施例では、受信局UEの系統的な推定誤差が送信局NBにより予測される。したがって、送信局NBにおいて信号Sの前置補償に使用するために、この系統的な推定誤差を送信フィルタの計算に取り入れることが可能である。これにより、送信局NBは受信局UEによるチャネル推定の誤差を減少させる、又は完全に除去することさえできる。以下では、ここで使用されているパイロット信号はUMTS規格のいわゆるS−CPICH(Secondary Common Pilot Channel)であるものと仮定する。つづいて、本発明による方法を実行するためのアルゴリズムをより詳細に説明する。
以下では、リンクの信号Sとパイロット信号w2に関して、
S=p*s[n]
w2=wS−CPICH*PN
が成り立つ。ここで、pとwS−CPICHは送信局NBのアンテナ素子AEに対する重み係数であり、s[n]は信号Sによって伝送すべきデータのシーケンスであり、PNはパイロット信号w2によって伝送すべきパイロットシンボルのシーケンスである。
S−CPICHパイロットシーケンスは“Grid of Beams”を介して伝送されるので、固定的なベクトルwS−CPICH で重み付けされる。チャネルCHは時間的に分解可能なQ個の経路を有するものと仮定される。各経路はM個の固有ベクトルaq,1,…,aq,Mと対応する複素減衰ρq,1,…,ρq,Mと遅延νとにより記述される。それゆえ、受信局UEのレーキ受信器はパイロットチャネル
Figure 2007504729
Figure 2007504729
1)第1のステップにおいて、送信局NBは、チャネル推定にS−CPICHを使用したことにより受信局UEで生じたレーキ重みの歪みを計算する。
a.関連する空間的固有ベクトルaf,rを求めるために、送信局NBはQ個のすべての経路のダウンリンク共分散行列を推定する。これら共分散行列の各々を固有値分解することにより、空間成分af,rが求まる。
b.使用されるS−CPICHダイアグラム形成ベクトルwS−CPICH はつねに送信局NBに知られている。
c.この両方の量の組み合わせにより、誤差のあるチャネルCHの推定に起因するレーキ受信器の誤調整が
Figure 2007504729
として前もって計算される。ここで、f=0,…,Qであり、r=1,…,Mである。
2)第2のステップにおいて、送信局NBの信号処理ユニットSP内の前置補償フィルタのベクトルpを求めるために、この係数αf,rが使用される。対応する関数
=fTxFilter(α1,1,ρ1,1,a1,1,…,αQ,M,ρQ,M,aQ,M
Figure 2007504729
Figure 2007504729
誤差のあるチャネル推定によるデータ検出器DET内のレーキ受信器のレーキ重み係数の歪みを推定し、使用される送信スキームの導出に結び付けるという基本思想は、特定のシナリオや使用される送信ストラテジーに依存しない。それゆえ、上記の関数を導き出すために、チャネル推定ごとに2つ又はそれより多くのパイロット信号(図1に従ってさまざま方向で計算されるS−CPICHビーム)を使用するなど、任意の基準を導入することができる。
例:
1)階数2の時間的経路を有するチャネル
同じ遅延時間で受信局UEに到着する2つの異なる離散した伝搬経路によるシナリオでは、チャネル共分散行列は階数2を有する。これはまた、伝搬経路の角度拡がりによって共分散行列が零ではない2つの固有値を有する場合にも当てはまる。
Figure 2007504729
Figure 2007504729
Figure 2007504729
2)マルチユーザCDMAシナリオ
階数1のQ+1個のチャネル経路を有するK人ユーザS−CPICH CDMAシステムでは、レーキ重みの歪みを信号モデルに、したがってまた線形送信フィルタの解に取り入れることができる。送信フィルタ、チャネル、L次、Q次、又はF次のレーキ受信器を使用した場合、q番目のチャネル経路とf番目のレーキフィンガとを介して受信されたユーザkの信号成分は、
Figure 2007504729
で表すことができる。ここで、ベクトルpは下記の式にしたがってユーザiに関するL+1個のすべての重みベクトルを含んでいる:
=[pi,0 ,…,pi,L ,]
また、行列Xk,q,fは次のように定義されている:
Figure 2007504729
Figure 2007504729
2.1 信号に合わせたフィルタ(整合フィルタ)を使用した場合の解
信号に合わせたフィルタは所望の信号成分の最大化に従い、下記のようになる。
Figure 2007504729
2.2 期待に忠実な送信フィルタ(ゼロフォーシングフィルタ)を使用した場合の解
Figure 2007504729
Figure 2007504729
2.3 ウィーナー送信フィルタを使用した場合の解
与えられたシナリオにおいて、ウィーナー送信フィルタは、
Figure 2007504729
を生じる。
いわゆるグリッドオブビームズ法における送信局による複数のパイロット信号の送信を示す。 チャネル推定に使用されるパイロット信号の伝搬方向とリンクの信号の伝搬方向の差異を示す。 図1及び2の送信局のコンポーネントを示す。 図3の受信局のコンポーネントを示す。
符号の説明
Figure 2007504729

Claims (11)

  1. 無線通信システムの送信局(NB)と受信局(UE)との間のリンクの信号(S)を伝送する方法であって、
    前記リンクの少なくとも1つのチャネル(CH)を前記受信局(UE)が推定できるようにするため、前記局(NB,UE)の間で少なくとも1つのパイロット信号(w2)を伝送し、
    前記リンクの信号(S)を用いて前記受信局(UE)に伝送されるべきデータを検出するために、チャネル推定の結果を求め、
    前記送信すべきリンクの信号が前記送信局(NB)により生成される際に及び/又は前記リンクの受信信号が前記受信局(UE)により処理される際に、チャネル推定に使用された前記パイロット信号(w2)の送信特性と前記リンクの信号(S)の送信特性との間の差異を考慮する、ことを特徴とする無線通信システムの送信局(NB)と受信局(UE)との間のリンクの信号(S)を伝送する方法。
  2. 伝搬方向の差異を考慮する際に、
    第1のステップにおいて、信号特性の差異の度合いを推定し、
    第2のステップにおいて、前記送信局(NB)によって送信される前に前記リンクの信号(S)を前記度合いに応じて前置補償する、請求項1記載の方法。
  3. 前記第1のステップを実行するために、
    前記リンクの少なくとも1つのチャネル(CH)の推定の結果を送信局(NB)に供給し、
    前記差異の度合いを求めるために前記チャネル推定の結果を前記パイロット信号(w2)の送信特性に関する情報と関連づける、請求項2記載の方法。
  4. 前記送信局(NB)に供給されるチャネル推定の結果はそれぞれ前記リンクの各チャネル(CH)の共分散行列に関係しており、
    各共分散行列に関して、主固有値に対応する固有ベクトルを求めることにより固有値分解を行い、
    固有値分解の結果を前記パイロット信号(w2)の送信特性に関する情報と関連づけることにより前記差異の度合いを求める、請求項3記載の方法。
  5. 前記送信局(NB)に供給されるチャネル推定の結果を前記送信局(NB)が受信局(UE)から受信するようにする、請求項3又は4記載の方法。
  6. 前記送信局(NB)に供給されるチャネル推定の結果を前記送信局のチャネル推定により求める、請求項3又は4記載の方法。
  7. 前記送信局(NB)に供給されるチャネル推定の結果を、前記送信局(NB)が前記受信局(UE)から前記送信局(NB)への伝送方向に関して前記送信局(NB)により行われたチャネル推定から導出するようにする、請求項6記載の方法。
  8. 前記受信局(UE)はデータ検出のためにレーキ受信器を使用する、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記送信局(NB)はそのつど決まった方向に複数のパイロット信号を送信し、前記受信局(UE)は前記パイロット信号(w2)の内の少なくとも1つをチャネル推定に使用する、請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
  10. 無線通信システムの受信局(UE)へのリンクの信号(S)を送信する送信局(NB)であって、
    前記受信局(UE)による前記リンクの少なくとも1つのチャネル(CH)の推定のために前記受信局(UE)に少なくとも1つのパイロット信号(w2)を伝送する手段(P,TX)を有し、ただし、前記チャネル推定の結果は、前記受信局(UE)へのリンクの信号(S)を用いて伝送されるべきデータを検出するために求められるものであり、
    また、チャネル推定に使用される前記パイロット信号(w2)の送信特性と前記リンクの信号(S)の送信特性との間の差異を考慮して前記送信すべきリンクの信号(S)を生成する手段(SP)を有する、ことを特徴とする送信局(NB)。
  11. 無線通信システムの送信局(NB)からのリンクの信号(S)を受信する受信局(UE)であって、
    前記受信局(UE)による前記リンクの少なくとも1つのチャネル(CH)の推定のために前記送信局(NB)から少なくとも1つのパイロット信号(w2)を受信する手段(RX,CHE)を有し、ただし、前記チャネル推定の結果は、前記受信局(UE)へのリンクの信号(S)を用いて伝送されるべきデータを検出するために求められるものであり、
    また、チャネル推定に使用される前記パイロット信号(w2)の送信特性と前記リンクの信号(S)の送信特性との間の差異を考慮して前記リンクの受信信号(S)を処理する手段(DET)を有する、ことを特徴とする受信局(UE)。
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