JP2007502210A - 汎用フィルタ基体およびそれを使用するエンジン - Google Patents
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Abstract
流体から微粒子および他の固体を除去するフィルタは、その寸法が様々であることが多く、また様々な種類のシールを含む。しかし、フィルタが取り付けられるフィルタ基体は、一般に、1つの種類のシールを含む1つのみの特定の寸法のフィルタを収容するために製造される。本発明のフィルタ基体(23、123)は、フィルタ取付け部分(25、125)およびシール部分(26、126)を含む。フィルタ基体(22、122)が収容できるフィルタの異なる寸法を拡大するために、シール部分(26、126)は、比較的小さな直径を有する少なくとも第1の環状シール表面(22、122)と、比較的大きな直径を有する第2の環状シール表面(32)とを含む。2つのシール表面(22、32、122)は、ラジアルシール表面および面シール表面の任意の組み合わせであり得る。フィルタ基体(23、123)は、内燃機関内の燃料のような流体を濾過するために使用される。
Description
本発明は、一般に、内燃機関用のフィルタ基体、より詳しくは、異なる寸法の直径を有するフィルタを収容できるフィルタ基体に関する。
流体から微粒子を除去するために、様々な種類および寸法のフィルタを使用することが当分野で周知である。例えば、大部分のディーゼル燃料システムは、燃料がエンジンに噴射される前に微粒子および他の固体を燃料から分離する少なくとも1つの燃料フィルタを含む。典型的に、燃料フィルタは、フィルタ要素が位置付けられるキャニスタを含む。フィルタ要素は、媒体を通して燃料が流れるときに微粒子および固体を捕捉する媒体から成る。一般に、フィルタは、車両または作業機械のエンジンまたはシャシに取り付けられるフィルタ基体に取り付けられる。フィルタは、フィルタ基体のねじ付き部分を介してフィルタ基体に結合可能であり、またフィルタ基体とフィルタとの間の接触領域は、漏れを防止するためにシール可能である。
フィルタ基体は、特定の種類のシールを含む特定の寸法の燃料フィルタを収容するように一般に設計される。例えば、フィルタは、フィルタの直径に隣接して位置付けられる環状シールをしばしば含む。これらのシールは、丸い断面を有するラジアルシールまたは長方形断面を有する面シールであり得る。シールの形状は異なるため、それぞれの種類のシールは、フィルタ基体に異なる受容面を必要とする。丸い環状溝内にラジアルシールを受容できるのに対し、面シールは環状の平坦表面に接触することがある。このように、それぞれのフィルタ基体は、特定の燃料フィルタのシール直径に対応する直径を有するシール表面と、フィルタの特定の種類のシールに対応するシール受容部分とを有するように設計される。したがって、特定のフィルタ基体がエンジンまたはシャシに取り付けられる場合、一般に、1つのみの直径の燃料フィルタを基体に取り付けることができるが、特定の燃料システムに1つよりも多いフィルタを使用することが知られている。
フィルタの直径毎に特定のフィルタ基体を製造しなければならないという事実は、フィルタ基体の製造コストを増大させる。多数の寸法のフィルタを収容できる1つのフィルタ基体があるならば、製造ラインの数を少なくすることができるであろう。さらに、設計および在庫目的のための部品がより少なければ、顧客が間違った部品を受け取るリスクが低減される。さらに、異なる寸法のそれぞれの燃料フィルタに異なる燃料フィルタ基体を使用しなければならないという事実は、顧客に対し不都合を生じる可能性がある。寸法決めされた1つより多い燃料フィルタをフィルタ基体に取り付けることができるならば、顧客は、使用することを望む燃料フィルタについて、より多くの選択肢を有するであろう。例えば、より大きな直径を含む燃料フィルタは、フィルタ要素のより大きな濾過面積を含むことが可能である。このように、必要とされるフィルタ交換の間の時間を延長でき、また燃料品質が予想ほど高くない場合でも、適切な燃料濾過を達成できるであろう。
異なる長さのフィルタを時に収容できるフィルタ基体および異なる種類のフィルタを収容できるフィルタ基体が当分野で公知であるが、異なる直径を含むフィルタおよび/またはシールを収容できるフィルタ基体は、当分野で公知ではない。例えば、1981年2月17日にカニンガン(Cunninghan)に交付された(特許文献1)に示された交換可能なフィルタ装置は、バッグフィルタと、ディスクおよびスリーブフィルタと、カートリッジフィルタと、装置がイオン交換コラムとして使用される場合のストレーナとを含む複数の異なるフィルタ要素を基体に結合することができる。しかし、カニンガムのフィルタ装置は、同一の種類のフィルタを収容できるが、様々な直径およびシール手段を有する基体を含まない。
本発明は、上述した問題の1つ以上を克服することに関する。
本発明の一形態において、フィルタ基体は、フィルタ取付け部分およびシール部分を含む。シール部分は、比較的小さな直径を有する第1の環状シール表面と、比較的大きな直径を有する第2の環状シール表面とを含む。
本発明の他の形態において、フィルタ基体は、フィルタ取付け部分およびシール部分を含む。シール部分は、ラジアルシール受容部分および面シール受容部分の1つを含む第1の環状シール表面と、ラジアルシール受容部分および面シール受容部分の1つを同様に含む第2の環状シール表面とを含む。
本発明のさらに別の一形態において、エンジン群は実質的に同一のフィルタ基体を含む。複数のエンジンの部分は、フィルタ基体に取り付けられた比較的小さな直径を有するフィルタを含む。複数のエンジンの他の部分は、フィルタ基体に取り付けられた比較的大きな直径を有するフィルタを含む。
図1を参照するに、本発明によるエンジン群10の概略図が示されている。エンジン群10は第1の部分11aと第2の部分11bとを含む。エンジン群10内のそれぞれのエンジンは、燃料フィルタ基体23が取り付けられるエンジンハウジング13を含む。それぞれのエンジンに取り付けたフィルタ基体23は、実質的に互いに同一である。さらに、エンジン群10内のエンジンは実質的に互いに同一であることが好ましい。しかし、第1の部分11a内のそれぞれのエンジンは、フィルタ基体23に取り付けられた比較的小さな直径を有する第1のフィルタ14を含み、また第2の部分11b内のそれぞれのエンジンは、フィルタ基体23に取り付けられた比較的大きな直径を有する第2のフィルタ15を含む。本発明は、フィルタ14と15の直径と異なる直径を有するフィルタを含む群10内の複数のエンジンを企図しているが、群10内のそれぞれのエンジンは、比較的小さな直径を有する第1のフィルタ14および比較的大きな直径を有する第2のフィルタ15の少なくとも1つを含むことが好ましい。
必須ではないが、フィルタ基体23に取り付けられたフィルタ14と15は燃料フィルタである。本発明は、オイルフィルタ、クーラントフィルタ、変速機流体フィルタ等を含むが、それらに限定されない燃料以外の流体用のフィルタも企図している。燃料フィルタ14と15は、フィルタ要素を通して流れる燃料から微粒子および他の固体を捕捉できるフィルタ要素を収容するキャニスタを含む従来の燃料フィルタとして示されている。しかし、本発明のフィルタ基体23は、オイルフィルタを含む任意の種類の流体フィルタに適用でき得ることを認識すべきである。さらに、フィルタ基体23は、自動車または作業機械のシャシに取り付けるように、エンジンハウジングに取り付ける必要はない。フィルタ14と15は、漏れを防止するために、フィルタ基体23とフィルタ14と15との間の取付け部をシールする様々な種類のシールを含むことができるが、それぞれのフィルタ14と15は、ラジアルシール18および面シール19(図2と図3に図示)の1つを含むことが好ましい。
図2を参照するに、本発明の一実施形態による、右側16のフィルタ基体23に取り付けられた第1のフィルタ14および左側17のフィルタ基体23に取り付けられた第2のフィルタ15を示した破断側面概略図が示されている。この説明のために、中央線12は、第1のフィルタ14(半部のみ図示)が中央線12の右側16のフィルタ基体23に取り付けられ、また第2のフィルタ15(半部のみ図示)が中央線12の左側17のフィルタ基体23に取り付けられるようにフィルタ基体23を分割する。しかし、示したフィルタ基体23にフィルタ14と15の1つのみを一度に取り付けることができることを認識すべきである。フィルタ取付け部分25およびシール部分26は、フィルタ基体23の底部側面41に含まれる。図示していないが、1つのフィルタ基体23は、多数のフィルタをフィルタ基体23に取り付けることを可能にする1つよりも多いフィルタ取付け部分を含み得ることを認識すべきである。本発明の説明は、多数のフィルタ基体のそれぞれのフィルタ取付け部分に対し同様である。多数のフィルタ基体のそれぞれの取付け部分は、異なる寸法の少なくとも2つの燃料フィルタを収容し得る。このように、多数のフィルタ基体は、異なる寸法の直径を有する2つのフィルタを収容し得る。
好ましくは、図2に示した実施形態によれば、比較的小さな直径を有する第1のフィルタ14はラジアルシール18を含む。環状ラジアルシール18は、第1のフィルタ14の比較的小さな直径に隣接して位置付けられ、D字状の断面を含む。比較的大きな直径を有する第2のフィルタ15は環状面シール19を含み、このシールは、第2のフィルタ15の比較的大きな直径に隣接して位置付けられ、長方形の断面を含む。本発明は、ラジアルシール18および面シール19が様々な材料から成り、当分野で公知の様々な形状であり得ると企図している。
フィルタ基体23のフィルタ取付け部分25は、第1のフィルタ14がフィルタ基体23に取り付けられた場合に第1のアダプタ20を含み、また第2のフィルタ15がフィルタ基体23に取り付けられた場合に第2のアダプタ21を含む。第1および第2のアダプタ20と21は、例えばねじ式係合を介して、従来の方法でフィルタ基体23に取り付けることができる。第1のアダプタ20および第2のアダプタ21の両方は、ねじ付きスタッドを含み、このスタッドに、第1のフィルタ14および第2のフィルタ15の雌ねじをそれぞれ噛合させることができる。第1および第2のアダプタ20と21は、特定のフィルタ14と15に取り付けるために寸法決めされる。本発明のフィルタ基体23は、それぞれのフィルタ14と15用のアダプタ20と21を含むものとして示されているが、本発明は、同一のアダプタを使用してあるいはアダプタを使用することなく、両方のフィルタ14と15を収容するフィルタ基体23を企図していることを認識すべきである。この代替例は、利用可能なフィルタを同一の噛合形状を有するように修正することによって達成し得る。さらに、アダプタは必ずしも別個の構成要素である必要はなく、基体23と一体であり得る。
シール部分26は、少なくとも第1の環状シール表面22と、第2の環状シール表面32とを含むが、本発明は2つよりも多くの環状シール表面を企図していることを認識すべきである。シール表面がより多い場合、異なるシールおよび/または異なる直径を含むより多くの燃料フィルタをフィルタ基体23に取り付けることができる。図示した実施形態では、第1の環状シール表面22は、中央線12と同心の円筒形状と、第1のフィルタ14の比較的小さな直径に隣接して位置付けられるラジアルシール18の直径と対応する比較的小さな直径とを有する。さらに、例示した実施形態によれば、第1のシール表面22はラジアルシール受容部分27を含む。フィルタ基体23のシール部分26は、3つの段部を含むものとして示される環状段付き表面24を含む。環状段付き表面24は、取り付けられた第1のフィルタ14が部分的に位置付けられる段付き空洞31を画定する。ラジアルシール受容部分27は、環状段付き表面24の中央段部29内に含まれる。中央段部29は、第1のフィルタ14をフィルタ基体23に取り付ける間にラジアルシール18を受容できる丸い溝を画定する。このように、中央段部29によって画定された丸い溝は、例示した実施形態のラジアル受容部分27として作用する。段付き表面24の外側段部30は、漏れの場合にスプレシールドとして作用することができる。ラジアルシール18の周りに漏れが生じた場合、高温流体がエンジンに直接に噴霧しないで、その代わりに第1のフィルタ14の外面の下方に偏向して走る傾向を有するように、フィルタ基体23の外側段部29の張り出し部分によって、結果として生じる流体スプレを偏向させることができる。
第2のシール表面32は、第2のフィルタ15の比較的大きな直径に隣接して位置付けられる面シール19の直径に対応する比較的大きな直径を含む。例示した実施形態によれば、第2のシール表面32は面シール受容部分28を含む。ラジアルシール受容部分27と異なり、面シール受容部分28は、比較的平坦な表面44として示されている。例示した実施形態では、段付き表面24の外側段部30の底部表面44は面シール受容部分28として作用する。このように、第2のフィルタ15は、第1のフィルタ14が延在するようには段付き空洞31内に延在しない。外側段部30は、第2のフィルタ15がフィルタ基体23に取り付けられた場合にスプレシールドとして作用できる張り出しを提供しないが、別個のスプレシールドまたはシュラウドは、漏れた高温流体からエンジンを保護するために、従来の方法でフィルタ基体23に取り付けることができる。フィルタ15のキャニスタの部分は、面シール19と第2の環状シール表面32との間の接触領域を越えて半径方向に延在できることを認識すべきである。
図3を参照するに、本発明の代替実施形態による、フィルタ基体123に取り付けられた第1のフィルタ114およびフィルタ基体123に取り付けられた第2のフィルタ15を示した破断図が示されている。この説明のために、中央線112は、第1のフィルタ114が中央線112の右側116のフィルタ基体23に取り付けられ、また第2のフィルタ15が中央線112の左側117のフィルタ基体123に取り付けられるようにフィルタ基体123を分割する。しかし、示したフィルタ基体123にフィルタ114と15の1つのみを一度に取り付けることができることを認識すべきである。フィルタ取付け部分125およびシール部分126は、フィルタ基体123の底部側面141に含まれる。図示していないが、1つのフィルタ基体123は、多数のフィルタをフィルタ基体123に取り付けることを可能にする1つよりも多いフィルタ取付け部分を含み得ることを認識すべきである。本発明の説明は、多数のフィルタ基体のそれぞれのフィルタ取付け部分に対し同様である。多数のフィルタ基体のそれぞれの取付け部分は、異なる寸法の少なくとも2つの燃料フィルタを収容し得る。このように、多数のフィルタ基体は、異なる寸法の直径を有する2つのフィルタを収容し得る。
本発明の両方の実施形態によれば、第2のフィルタ15は、比較的大きな直径および面シール19を含む。さらに、両方の実施形態によれば、第1のフィルタ14は比較的小さな直径を有する。しかし、第1のフィルタ114は面シール119を含み、これに対し、図2に示した実施形態では、第1のフィルタ14はラジアルシール18を含む。シール部分126は、第1の環状シール表面122と、第2の環状シール表面32とを含む。他方の実施形態と同様に、フィルタ取付け部分125は、第1のフィルタ114がフィルタ基体123に取り付けられた場合に第1のアダプタ20を含み、また第2のフィルタ15がフィルタ基体123に取り付けられた場合に第2のアダプタ21を含む。代替実施形態によれば、フィルタ基体123のシール部分126は、図2の実施形態の段付き表面24を含む必要はない。むしろ、シール部分126は、第1および第2の環状シール表面122と32の両方を含むのに十分な幅を有する底部平坦表面144を含む。シール部分126は、環状分離空洞145を介してフィルタ取付け部分125から半径方向に分離される。第1の環状シール表面122は、第1のフィルタ114の比較的小さな直径に隣接して位置付けられる面シール119の直径と対応する直径を有する。第2の環状シール表面32は、第2のフィルタ15の比較的大きな直径に隣接して位置付けられた面シール19の直径に対応する直径を含む。第1および第2の環状シール表面122と32は、それぞれ、第1および第2の面シール受容部分128と28を含む。両方の面シール受容部分128と28は、フィルタ基体123の底部平坦表面144の部分である。シュラウドは、スプレ漏れから保護するために基体123に取り付けることができる。
本発明は、ラジアルシール18を有するフィルタ14と、面シール19を有するフィルタ15とを収容できるフィルタ基体23について、また異なる直径の面シール19と119を両方が有するフィルタ114およびフィルタ15を収容できるフィルタ基体123について記載してきたが、本発明は、ラジアルシールを両方が含む比較的小さな直径のフィルタと、比較的大きな直径のフィルタとを収容できるフィルタ基体を企図していることを認識すべきである。例えば、フィルタ基体は、より大きな段付き表面を含むように設計することができる。内側段部は、第1のラジアルシール受容部分として機能でき、またフィルタ基体の中央線からより大きな半径方向距離にある外側段部は、第2のラジアルシール受容部分として機能できる。さらに、本発明は、面シールを含む比較的小さな直径のフィルタと、ラジアルシールを含む比較的大きな直径のフィルタとを収容できるフィルタ基体を企図している。フィルタ基体は、平坦表面が、ラジアルシール受容部分を含む段付き表面をフィルタ基体の中央線から半径方向に分離するように設計することができる。平坦表面は面シール受容部分を含むことができる。
図4を参照するに、図2と図3のフィルタ基体23と123の同一の通路部分46の等角図が示されている。必須ではないが、例示した例では、通路部分46は、様々な構成要素および通路のための共通のハウジングとして作用する。例えば、圧力差センサ、絶対圧力センサ、および温度センサは、圧力差センサポート33、圧力センサポート(図示しない側面の)、通路部分46によって画定された温度センサポート34にそれぞれ装着することができる。さらに、通路部分46の共通のハウジング内に、プライミングポンプ(図示せず)を少なくとも部分的に位置付けることができる。プライミングポンプは、手動プライミングポンプまたは電気式作動のプライミングポンプを含むが、それらに限定されない様々な種類であり得ることを認識すべきである。通路部分46はまた、通路部分46の復帰通路内に位置付けられる圧力調整弁35を収容することができる。
通路部分46に取り付けられる様々な構成要素に加えて、通路部分はまた、5つのポートを介して燃料システム内の他の通路に流体連結される様々な内部通路を含むことができる。通路部分46は、プライミング供給ラインを介して燃料源に流体連結可能なプライミング入口ポート36と、供給ラインの部分を介して供給ポンプに流体連結可能なフィルタ入口ポート37と、復帰ラインの部分を介して少なくとも1つの燃料噴射器に流体連結可能な噴射器復帰ポート38と、復帰ラインの他の部分を介して燃料源に流体連結可能なタンク復帰ポート39と、共通レールを含むことができる供給ラインの他の部分を介して燃料噴射器に流体連結可能なフィルタ出口ポート40とを含む。このように、噴射器に供給される燃料は、一般に、フィルタ入口ポート37を介して通路部分46に流入し、フィルタ14、15、または114を通り、フィルタ出口ポート40を介して通路部分46から流出する。燃料噴射器から戻される再循環燃料は、再びフィルタ14、15、または114を通過することなく、噴射器復帰ポート38とタンク復帰ポート39とを介して通路部分46を流れる。したがって、噴射器への供給通路および噴射器からの復帰通路は、通路部分46を通して延在する。さらに、プライミング中、プライミングポンプは、通路部分46のプライミングポート36を介して燃料源からフィルタ14、15、または114に燃料を直接供給することができる。フィルタ14、15、または114を通過した後、燃料は、フィルタ出口ポート40を介して通路部分46を出ることができる。
示した通路部分46はまた、第1のバイパス通路(図示せず)および第2のバイパス通路(図示せず)を画定する。第1のバイパス通路は、供給通路を通路部分46内の復帰通路に流体連結する。燃料復帰通路で一度、燃料は、第2の燃料バイパス通路を介し、圧力調整弁35を通してまたは圧力調整弁の周りに流れる。第1のバイパス通路は、燃料噴射器を迂回すると考えることができ、一方、第2のバイパス通路は、圧力調整弁35を迂回するために、上流部分を復帰通路の下流部分に流体連結すると考えることができる。第1のバイパス通路および第2のバイパス通路の両方は、空気および/または蒸気を含むガスが前記通路を通して容易に通過するが、燃料は通過しないように位置付けられかつ設計される。このように、共に、バイパス通路は、フィルタ交換のためフィルタの領域に生じ得るガスが、エンジンプライミングおよび始動中に燃料噴射器および調整弁の両方を迂回することを可能にする。本発明は、通路部分46について記載されているが、本発明は、フィルタにかつフィルタから延在し、また何のセンサも収容しない1つのみの通路を有するフィルタ基体を企図していることを認識すべきである。
図1〜図4を参照して、燃料フィルタ14、15と114を取り付けることができるフィルタ基体23と123に関し本発明について説明する。本発明は、フィルタ基体に取り付けられるオイルフィルタを含むが、それらに限定されない様々な種類のフィルタを企図していることを認識すべきである。さらに、フィルタ基体23、123は、エンジンハウジング11に取り付けられるものとして示されているが、本発明のフィルタ基体は、エンジンに取り付けられるか、あるいはエンジンと関連して使用される流体システム内に含まれる必要はないことを認識すべきである。例えば、本発明は、ある水濾過システム内の使用に適切であり得る。
好ましくは、フィルタ基体23、123は、エンジンハウジング11に従来の方法で取り付けることができる。燃料フィルタをフィルタ基体23、123に結合する前に、顧客および/または製造業者は、彼らのニーズに最善に適合する燃料フィルタを選択することができる。顧客および/または製造業者は、異なる寸法の直径および/または異なる種類のシールを有する少なくとも2つの燃料フィルタから選択することができる。図2に示した本発明の第1の実施形態では、顧客は、比較的小さな直径を有する第1のフィルタ14または比較的大きな直径を有する第2のフィルタ15から選択することができる。例えば、燃料フィルタ交換と維持との間の時間を延ばすために、顧客および/または製造業者は、比較的大きな直径を有する第2のフィルタ15を選択するかもしれない。第2の燃料フィルタ15は、第1の燃料フィルタ14よりも大きな濾過面積を含み、したがって、第1の燃料フィルタ14よりも長いフィルタ媒体寿命を有する可能性がある。
顧客または製造業者が比較的大きな直径を有する第2の燃料フィルタ15を選択するならば、第2のアダプタ21は、フィルタ基体23に従来の方法で取り付けられる。第2のアダプタ21は、比較的大きな直径を含む第2の燃料フィルタ15をフィルタ基体23に結合するように適切に寸法決めされる。このように、第2の燃料フィルタ15の内面を第2のアダプタ21のねじ付きスタッドに噛合させることができる。作動中に燃料フィルタアセンブリからの燃料漏れを防止するため、燃料フィルタ15と基体23との間の接触領域をシールするために、面シール19は、第2の環状シール表面32の面シール受容部分28と従来の方法で接触する。燃料フィルタ15がアダプタ21のねじ山の周りに固定されているとき、第2の燃料フィルタ15の比較的大きな直径に隣接して位置付けられる面シール19は、第2の燃料フィルタ15と、面シール受容部分28として作用する外側段部30の平坦な底部表面44との間に位置付けられる。面シール19は、燃料フィルタ15とフィルタ基体23との間の環状の接触領域に沿った漏れを防止するように設計される。
顧客および/または製造業者が望む場合、比較的小さな直径を有する第1のフィルタ14および第1のアダプタ20を従来の方法でフィルタ基体23に取り付けることができる。第1のアダプタ20は、比較的小さな直径を有する第1のフィルタ14をフィルタ基体23に結合するように寸法決めされる。第1の燃料フィルタ14は、第1のアダプタ20のねじ付きスタッドに従来の方法で噛合させることができる。第1の燃料フィルタ14が第1のアダプタ20に噛合させられているとき、第1のフィルタ14の比較的小さな直径に隣接して位置付けられるラジアルシール18は、ラジアルシール受容部分27と接触する。ラジアルシール18はD字形の断面を含み、これに対し面シール19は長方形の断面を含むので、第1の環状シール表面22のラジアルシール受容部分27は、第2の環状表面32の平坦な面シール受容部分28とは異なる形状を有することが可能である。ラジアルシール受容部分27は、段付き表面24の中央段部29によって画定された丸い環状溝を含む。ラジアルシール18は、第1の環状のシール表面22のラジアルシール受容部分27と第1の燃料フィルタ14との間に位置付けられる。このように、燃料は、フィルタ基体23と第1のフィルタ14との間に流れ、ラジアルシール18は、第1の燃料フィルタ14とフィルタ基体23との間の環状の接触領域の周りの燃料漏れを防止する。さらに、燃料が漏れた場合、外側段部30はスプレシールドとして作用して、フィルタ14の外側表面の下方にかつエンジンから離れて燃料を偏向させる。
本発明の代替実施形態によれば、フィルタ基体123は、第1のフィルタ114および第2のフィルタ15の両方を受容できる。第1のフィルタ114は比較的小さな直径に隣接して位置付けられた面シール119を含むので、第1の環状シール表面122の面シール受容部分128は、段付き表面よりむしろ平坦表面144の部分である。第2の燃料フィルタ15はまた、面シール19を含むので、フィルタ基体123は段付き表面を必要とせず、また含まない。製造業者および/または顧客が、比較的小さな直径を有する第1のフィルタ114を選択した場合、第1のアダプタ20は、フィルタ基体123に従来の方法で取り付けられる。第1のフィルタ14および第1のフィルタ114は比較的小さな直径を含むので、同一の第1のアダプタ20を使用して、両方のフィルタ14と114をフィルタ基体23と123にそれぞれ結合できることが好ましい。第1の燃料フィルタ114が第1のアダプタ20のねじ付き部分に噛合させられているとき、第1のフィルタ114の比較的小さな直径に隣接して位置付けられた長方形の面シール119は、フィルタ基体123の底部平坦表面144と接触する。面シール119は、作動中に環状接触領域の周りの漏れを防止するために、第1の燃料フィルタ114とフィルタ基体123の平坦表面144との間に位置付けられる。製造業者および/または顧客が比較的大きな直径を有する第2の燃料フィルタ15を好んだ場合、本発明の他の実施形態について説明したのと同一の方法を用いて、第2の燃料フィルタ15をフィルタ基体123に取り付けることができる。
本発明は、フィルタ14と15またはフィルタ114と15を受容できるフィルタ基体23と123について記載しているが、本発明は、ラジアルシールを両方が含む比較的小さな直径を有するフィルタおよび比較的大きな直径を有するフィルタと、小さな直径の面シールフィルタおよび比較的大きな直径のラジアルシールフィルタとを受容できるフィルタ基体を企図していることを認識すべきである。さらに、本発明は、異なる寸法の直径をそれぞれが有する2つのフィルタを受容できるフィルタ基体について説明しているが、本発明は、異なる寸法の直径をそれぞれが有する2つよりも多いフィルタを受容できるフィルタ基体を企図していることを認識すべきである。段付き部分24内により多くの段部が含まれる場合、ラジアルシールを含む様々な直径のより多くのフィルタをフィルタ基体に取り付けることができることを認識すべきである。円筒部分の間の平坦部分は、様々な寸法のフィルタ用の面シールとして作用し得る。同様に、シール部分26、126の平坦表面44、144が大きいほど、面シールを含む様々な直径のより多くのフィルタをフィルタ基体23、123に取り付けることができる。大きな直径のフィルタおよび小さな直径のフィルタを示す本発明を例示してきたが、本発明はまた、フィルタ基体に対し異なる2つの位置および異なる可能な方法でシールする同一の寸法のフィルタを企図している。この代替例は、さもなければ同一のフィルタ用のシール種類の選択をユーザに付与することが可能である。
本発明は、多数のシール表面27と28、または28と128をそれぞれ提供することによって、多数の燃料フィルタ14と15、または14と115を受け入れることができる1つのフィルタ基体23と123を提供するので有利である。燃料フィルタ14、15、114は、異なる寸法の直径および/または種類のシールを含む。このように、顧客および/または製造業者は、エンジン内で使用するためのフィルタの寸法およびシールの種類について選択肢を有する。さらに、顧客および/または製造業者は、より大きな直径を有するフィルタを燃料基体23、123に取り付けることによって、燃料フィルタ交換の間の時間間隔を低減することができる。さらに、より大きな燃料フィルタは、予想よりも劣る燃料品質の燃料の適切な濾過を保証することに役立つことができる。さらに、異なる直径および/またはシールを有するそれぞれの燃料フィルタ14、15、114が、異なる燃料基体を必要としないという事実は、管理すべき部分の数を低減できるので有利である。例えば、フィルタ基体を生産するアセンブリラインは少なくて済む。さらに、支承する必要があるフィルタ基体の数が低減され、これによって、様々な種類のフィルタ基体のトラッキングと関連する困難が低減される。
本発明のフィルタ基体は、オイルを含むが、それに限定されない燃料以外の流体の濾過に適用可能であり得ることを認識すべきである。上述の説明は、例示目的のみのために意図され、本発明の範囲を限定するようには決して意図されないことを理解すべきである。したがって、当業者は、本発明の他の形態、目的および利点は、図面、明細書および添付した請求の範囲の検討によって得られることを認識するであろう。
10 エンジン群
11 複数のエンジン
11a 第1の部分
11b 第2の部分
12 中央線
13 エンジンハウジング
14 第1のフィルタ
15 第2のフィルタ
16 第1の側面
17 第2の側面
18 ラジアルシール
19 面シール
20 第1のアダプタ
21 第2のアダプタ
22 第1の環状シール表面
23 フィルタ基体
24 段付き表面
25 フィルタ取付け部分
26 シール部分
27 ラジアルシール受容部分
28 面シール受容部分
29 中央段部
30 外側段部
31 段付き空洞
32 第2の環状シール表面
33 圧力差センサポート
34 温度センサポート
35 圧力調整弁
36 プライミング入口ポート
37 フィルタ入口ポート
38 噴射器復帰ポート
39 タンク復帰ポート
40 フィルタ出口ポート
41 底部側面
44 平坦表面
46 通路部分
112 中央線
114 第1のフィルタ
116 第1の側面
117 第2の側面
119 面シール
122 第1の環状シール表面
123 フィルタ基体
125 フィルタ取付け部分
126 シール部分
128 面シール受容部分
141 底部側面
144 平坦表面
145 分離空洞
11 複数のエンジン
11a 第1の部分
11b 第2の部分
12 中央線
13 エンジンハウジング
14 第1のフィルタ
15 第2のフィルタ
16 第1の側面
17 第2の側面
18 ラジアルシール
19 面シール
20 第1のアダプタ
21 第2のアダプタ
22 第1の環状シール表面
23 フィルタ基体
24 段付き表面
25 フィルタ取付け部分
26 シール部分
27 ラジアルシール受容部分
28 面シール受容部分
29 中央段部
30 外側段部
31 段付き空洞
32 第2の環状シール表面
33 圧力差センサポート
34 温度センサポート
35 圧力調整弁
36 プライミング入口ポート
37 フィルタ入口ポート
38 噴射器復帰ポート
39 タンク復帰ポート
40 フィルタ出口ポート
41 底部側面
44 平坦表面
46 通路部分
112 中央線
114 第1のフィルタ
116 第1の側面
117 第2の側面
119 面シール
122 第1の環状シール表面
123 フィルタ基体
125 フィルタ取付け部分
126 シール部分
128 面シール受容部分
141 底部側面
144 平坦表面
145 分離空洞
Claims (10)
- フィルタ基体(23、123)であって、
フィルタ取付け部分(25、125)と、
比較的小さな直径を有する少なくとも第1の環状シール表面(22、122)と、比較的大きな直径を有する第2の環状シール表面(32)とを含むシール部分(26、126)と、
を備えるフィルタ基体(23、123)。 - 第1の環状シール表面(22、122)が、ラジアルシール受容部分(27)および面シール受容部分(28)の1つを含み、また第2の環状シール表面(26、126)が、ラジアルシール受容部分および面シール受容部分(28)の1つを含む、請求項1に記載のフィルタ基体(23、123)。
- 第1の環状シール表面(22)がラジアルシール受容部分(27)を含み、また第2の環状シール表面(32)が面シール受容部分(28)を含む、請求項2に記載のフィルタ基体(23)。
- 第1の環状シール表面(122)が面シール受容部分(128)を含み、また第2の環状シール表面(32)が面シール受容部分(28)を含む、請求項2に記載のフィルタ基体(123)。
- フィルタ基体(23、123)であって、
フィルタ取付け部分(25、125)と、
ラジアルシール受容部分(27)および面シール受容部分(128)の1つを含む少なくとも第1の環状シール表面(22、122)と、ラジアルシール受容部分および面シール受容部分(28)の1つを含む第2の環状シール表面(32)とを含むシール部分(26、126)と、
を備えるフィルタ基体(23、123)。 - 第1の環状シール表面(22、122)が比較的小さな直径を含み、また第2の環状シール表面(32)が比較的大きな直径を含む、請求項5に記載のフィルタ基体(23、123)。
- 第1の環状シール表面(22)がラジアルシール受容部分(27)を含み、また第2の環状シール表面(32)が面シール受容部分(28)を含む、請求項6に記載のフィルタ基体(23)。
- 第1の環状シール表面(122)が面シール受容部分(128)を含み、また第2の環状シール表面(32)が面シール受容部分(28)を含む、請求項6に記載のフィルタ基体(123)。
- エンジン群(10)あって、
実質的に同一のフィルタ基体(23、123)を含む複数のエンジン(11)と、
フィルタ基体(23、123)に取り付けられた比較的小さな直径を有するフィルタ(14)を含む複数のエンジン(11)の部分(11a)と、
フィルタ基体(23、123)に取り付けられた比較的大きな直径を有するフィルタ(15)を含む複数のエンジン(11)の他の部分(11b)と、
を備えるエンジン群(10)。 - 比較的大きな直径を有するフィルタ(15)および比較的小さな直径を有するフィルタ(14)が燃料フィルタである、請求項9に記載のエンジン群(10)。
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US4335688A (en) | 1980-09-12 | 1982-06-22 | Diederich Paul W Jun | Coupling adapter for fluid cooling and filtering |
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- 2004-03-25 DE DE112004000884T patent/DE112004000884T5/de not_active Withdrawn
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