JP2007333614A - 金属内気相物質の分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Ta膜に大気中の水素を吸着させ、更に大気中の酸素等と反応して得られたTaOx膜を有する試料に対してSIMS分析を行い得られた結果と、HFS分析を行い得られた結果とを比較するとSIMS分析ではTaOxとTaとの界面で水素濃度ピークが見られるが、HFS分析ではTa内部で水素濃度はほぼ一定の値で分布している。分析方法により分析結果が異なり金属内気相物質の分布を分析することは困難であった。
【解決手段】重水素をTa膜中に一様に分布するようイオン注入を行う。またSIMS分析を行う際に酸素を真空装置中にリークさせて水素を検出する。スパッタによりTa膜が露出すると同時に酸素雰囲気によるTa膜表面の酸化が生じるためTa膜内部からの水素ガス離脱が抑制され水素の偽ピークが消失する。更に重水素の信号強度が一定になるよう制御することでより精密な水素の定量分析が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属内気相物質の分析方法に関する。
金属内での気相物質の分布状態は、当該金属を用いたデバイスの動作特性に影響を与える。金属としてTFD(薄膜ダイオード)の電極に用いられる金属のTa(タンタル)を例に取り、気相物質として水素を例に取る場合、当該水素量を調整することにより、特許文献1に示すようにTFDの非線形性を制御可能であることが知られている。そのため金属内気相物質を高感度且つ精密に分析できる技術が検討されている。
分析技術の一例としてTa中に含まれる水素の分析にはHFS(水素前方散乱)分析や、SIMS(2次イオン質量)分析等の分析手段が知られている。また、金属内に存在する水素以外の気相物質の量及び分布を求める場合にHFS分析に代えてRBS(ラザフォード後方散乱)分析を用いることができる。なお、SIMS分析を用いた例について例えば特許文献1にその分析例が紹介されている。
SIMS分析は1次イオンを試料に照射することで試料をスパッタし、スパッタに伴い発生する試料内成分由来の2次イオンを収集してそのイオン数をカウントすることで試料内に存在する物質の濃度を調査する方法である。非金属物質である水素のSIMS分析を行う場合には、例えば特許文献2でも用いられているように1次イオンとしてCs+(セシウム)が用いられる。Cs+は水素の検出感度が高いことから非金属物質の分析用のイオンとして一般に用いられている。
特開平10−247754号公報 特開2001−244522号公報
図5はTaOx(酸化タンタル)/Ta(タンタル)/TaOx(酸化タンタル)構造を有する試料の模式断面図である。以下に製造方法の一例を示す。まず下地TaOx膜51を表面に有する試料50の表面を覆うようにスパッタ法等を用いて後工程での陽極酸化後の膜厚が90nm程度となるようTa膜52を形成する。
その後大気中に取り出し、大気中に存在する水素を吸収させて、更に水素の吸収後Ta膜52の表面を覆うように水素を遮断する機能を有するTaOx膜53をTa膜52と大気中の酸化種との反応により形成する。次に水素を遮断する機能を有するTaOx膜53を陽極酸化法等で100nm程度に厚膜化したTaOx/Ta/TaOx構造を有する試料50を形成したものである。
この試料50に対して非破壊分析法であるHFS(水素前方散乱)分析を行った。そして同じ試料に対してCs+(セシウム)を1次イオンとして用いてSIMS(2次イオン質量)分析を行った。
図7は、水素に関してはHFS分析、水素以外の元素に対してはRBS(ラザフォード後方散乱)分析を用いて得られた結果を重ねたグラフである。図6はCs+を1次イオンとして用いてSIMS分析により得られた結果を示すグラフである。図6に示されるSIMS分析を用いて得られた結果と図7とを比較すると、SIMS分析では図6に示すようにTaOx膜53(図5参照)とTa膜52(図5参照)との界面(100nm近傍)で大きな水素濃度ピークが見られ、当該界面を超えたTa中では水素濃度が大幅に低下する現象が発生している。
一方、HFS分析結果とRBS分析結果とを重ねて図示したグラフでは図7に示すようにTa膜52内部で水素濃度はほぼ一定の割合で分布しており、図6で観測された酸化Ta膜53(図5参照)とTa膜52(図5参照)との界面(100nm近傍)での水素ピークは観測されていない。このように分析方法により異なる結果が得られるため正確な金属内気相物質の分布を分析することは困難であるという課題が生じている。そこで、本発明はこのような課題を解決し、正確に金属内気相物質の分析が行える分析手段を提供することを目的としている。
本発明者は水素のSIMS(2次イオン質量)分析を行う場合に生じるTaOx(酸化タンタル)とTa(タンタル)との界面について考察し、SIMS分析を行う試料に対し、自然界では水素の0.016%程度とごく微量にしか存在しない重水素を試料中にイオン注入法を用いて添加し、熱処理を行う事無くSIMS分析を実行した。
その結果、SIMS分析による重水素の分布は重水素の添加条件からは正当化が困難な分布を有していることが判明した。具体的には、試料を覆うTaOxがスパッタにより除去され、Taが露出すると同時に重水素が異常に高い濃度で検出されることが判明した。
この機構は、減圧下でスパッタを行うことで図5にある減圧雰囲気下でTa膜52中からの水素拡散防止膜となるTaOx膜53が除去されると同時に、Ta膜52中に含まれていた水素が減圧雰囲気下で放出され、TaOx膜53/Ta膜52界面付近(100nm近傍)に多量の水素が蓄積されているよう誤った分析結果が生じてしまうことに起因していた。
そこで、SIMS分析の実行と同時に減圧下で酸素リークを行い、酸化性雰囲気下でスパッタを行い、試料表面を除去すると同時に酸化を行い、試料表面側の金属が減圧された雰囲気中に露出せぬよう処置しながら分析することで金属膜露出に伴う金属内気相物質の異常散逸を防ぎ分析する方法を見出した。また、自然界では存在量が少ない被分析元素の同位元素を試料中に分布させ、当該分布を再現するよう測定条件を調整することでより高精度な分析を行えることを見出した。また、この分析方法は他の金属や他のガスに対しても有効であることを確かめた。
以上述べた技術を用いて上記課題を解決するために、本発明の金属内気相物質の分析方法は、金属中に分布し、前記金属に起因し前記金属の能動面を覆うように形成される金属酸化膜を散逸阻止膜として前記金属外への離脱が抑制される金属内気相物質を有する試料を、前記試料の前記能動面側をスパッタしながら前記金属内気相物質に由来する2次イオンを検出することで前記試料の深さ方向の前記金属内気相物質分布を分析する2次イオン質量分析法を用いた金属内気相物質の分析方法であって、前記試料中に前記金属内気相物質の同位体を、既知の分布をなすよう導入する工程と、前記試料中の前記同位体を分析した分析結果が前記既知の分布と揃うよう分析条件が調整された標準分析条件を抽出する工程と、前記標準分析条件を用いて前記試料中の前記金属内気相物質の分布を分析する工程を備えたことを特徴とする。
この分析方法によれば、金属内気相物質の同位体を前記金属中に既知の分布を有するよう導入した試料を用いるため、前記同位体の信号強度を既知の分布と揃えられるよう分析条件を設定することで金属内気相物質の分布を同位体を用いない場合の分析結果と比較してマトリクス効果をより正確に補正できる。従って、より正確な分析結果を得ることができる。
また、上記した課題を解決するために、本発明の金属内気相物質の分析方法は、前記試料中に前記金属内気相物質の前記同位体を前記既知の分布を有するよう導入する工程としてイオン注入工程を用い、前記イオン注入工程により形成される前記同位体の分布を把握する手段としてシミュレーションを用い、前記同位体の分布の分析結果と前記シミュレーションを用いた解析結果とが揃えられるよう分析条件を調整して標準分析条件を求め、前記標準分析条件を用いて前記試料中の前記金属内気相物質の分布を分析する工程を備えたことを特徴とする。
この分析方法によれば、イオン注入工程で得られた同位体の分布を、シミュレーションにより導出された同位体の分布と揃えられるよう分析条件を設定することで標準分析条件を求める。イオン注入工程による金属内気相物質の導入工程では、試料を形成する各膜の界面に生じる気相物質の偏析は抑制されるため、イオン注入工程のみを行った金属内気相物質のシミュレーション結果は他の工程を用いた場合のシミュレーション結果と比べより高い精度で金属内気相物質の分布を予測することができる。高い精度を持つシミュレーション結果を用いて標準分析条件を求め、この標準分析条件を用いて金属内気相物質の分析を行うことでより高い精度を持つ分析を行うことができる。
また、上記した課題を解決するために、本発明の金属内気相物質の分析方法は、前記金属内気相物質の前記同位体の濃度分布を再現するよう、分析条件を分析中に逐次調整し、前記金属内気相物質の分析をすることを特徴とする。
この分析方法によれば、同位体の分布を再現するよう分析条件を調整しながら分析するため、金属内気相物質の分析条件の局部的な変動に対しても対応でき、分析条件変動に対する誤差量が抑えられた精度の高い分析を行うことができる。
また、上記した課題を解決するために、本発明の金属内気相物質の分析方法は、前記金属内気相物質は水素であり、前記同位体は重水素であり、前記重水素のイオン注入を、前記試料に対して非破壊で且つ前記2次イオン質量分析法よりも高い定量性を有する水素前方散乱法を用いて分析しうる注入量で行った後、前記水素前方散乱法を用いて求められた前記重水素分布を前記シミュレーションを用いて把握された前記金属内気相物質の分布に代えて用い、前記水素前方散乱法と比べ分析感度の高い前記2次イオン質量分析法の分析条件を、前記水素前方散乱法により得られた前記重水素分布を再現するよう調整する工程を有することを特徴とする。
この分析方法によれば、前記2次イオン質量分析法よりも高い定量性を有する水素前方散乱法を用いて分析した結果と分析結果が揃えられるよう2次イオン質量分析法に用いる分析条件の調整を行い標準分析条件を求める。この標準分析条件を用いて2次イオン質量分析法を実行することでシミュレーション結果ではなく水素前方散乱法による実測値を基準として水素分布の分析を行うことができる。
また、上記した課題を解決するために、本発明の金属内気相物質の分析方法は、前記金属内気相物質は質量数14の窒素であり、前記同位体は質量数15の窒素であり、前記質量数15の窒素注入を、前記試料に対して非破壊で且つ前記2次イオン質量分析法よりも高い定量性を有するラザフォード後方散乱法を用いて分析しうる注入量で行った後、前記試料中の前記質量数15の窒素の分布を非破壊で分析する前記ラザフォード後方散乱法を用いて求められた前記質量数15の窒素の分布を、前記シミュレーションを用いて把握された前記金属内気相物質の分布に代えて用い、前記ラザフォード後方散乱法と比べ分析感度の高い前記2次イオン質量分析法の分析条件を、前記ラザフォード後方散乱法により得られた前記質量数15の窒素の分布を再現するよう調整する工程を有することを特徴とする。
この分析方法を用いることで、窒素に対しても水素同様の分析精度を持って分析を行うことができる。
また、上記した課題を解決するために、本発明の金属内気相物質の分析方法は、前記質量数14の窒素に代えて質量数40のアルゴンを用い、前記質量数15の窒素に代えて質量数36のアルゴンを用いたことを特徴とする。
この分析方法を用いることで、アルゴンに対しても窒素同様の分析精度を持って分析を行うことができる。
また、上記した課題を解決するために、本発明の金属内気相物質の分析方法は、前記金属中に分布し、前記金属に起因する金属酸化膜を散逸阻止膜として前記金属内気相物質の前記金属外への離脱を抑制する金属内気相物質の分析方法であって、前記金属の前記能動面側をスパッタすると同時に酸化を行なうための酸化性ガスを供給し、スパッタと同時に当該金属との酸化反応による金属酸化膜を随時形成することを特徴とする。
この分析方法を用いることで、スパッタと同時に酸化を行う酸素が供給されるため、前記金属内気相物質の金属外への離脱を抑制しながら分析することが可能となり、金属膜の真空中での露出により生じる金属内気相物質の異常放出を抑制した状態で分析を行うことができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、Cs+イオンによるSIMS分析を行うための試料として、下地TaOx(酸化タンタル)膜11上にTa(タンタル)膜12を0.1μm程度の厚さで成膜し、大気中に取り出すことで大気中の水素を吸着させ、更にTa膜12上に水素飛散阻止に優れた自然TaOx膜13を大気中の酸化種との反応により形成した試料10の模式断面図である。
試料10において、Ta膜12中の重水素濃度はTa膜12中で一様に分布するよう調整されている。具体的には重水素を複数のエネルギー水準でイオン注入を行い、シミュレーション上でTa膜12中の重水素の分布がほぼ平坦になるようイオン注入条件を決定している。また、イオン注入後の試料10には一切の熱工程を行わない。重水素の添加工程後に熱処理を一切行わずイオン注入後の重水素分布をイオン注入直後の状態に保持するこの方法は、熱拡散等で極端な偏析が生じる可能性がある試料を扱う場合には好適な同位体の導入方法である。
ここで、イオン注入後の重水素分布をシミュレーションで推定する分析方法に代えて、2〜3atom%程度の高濃度イオン注入を行い、SIMS分析法に比べ定量性が高いHFS(水素前方散乱)分析を行っても良い。この場合には、実際に測定したデータを元に水素の不純物量や分布の基準値を得ることができる。特に、被測定試料中に同位体を導入するため、SIMS分析法の欠点であるマトリクス効果による定量性の低下を効果的に抑制することができる。
SIMS分析を行う真空装置内には酸素が導入され、100μPa程度の酸素の圧力となるように調整されている。そしてスパッタ用のイオンとして5keV程度で加速したCs+を用いている。この装置を用いて水素の正イオンを検出した結果を図2に示す。試料10を覆うように形成されているTa膜12中では、水素はほぼ一様に分布しており、図6で観察されたTaOx膜53/Ta膜52界面における水素の急峻なピーク(図2では最表面位置に対応する)は観察されていない。このことから、図6で見られた水素のピークはTa膜52内部からの水素の真空中への放出に起因するピークとして判断することができる。
また、真空中で露出したTa膜12からの水素の真空中への放出を抑制するには、図2と図6との対比から真空装置内に酸素を導入してTa膜12の表面を常にTaOx膜13に酸化し続けていくことが有効であることがわかる。このように、SIMS分析を行う真空装置内に酸素を導入し、Cs+イオンによりスパッタを行うことでHFS分析よりも1000倍程度高い検出能を有するSIMS分析を用いてTa膜12中の水素量検出が可能となる。
ここで、本実施形態では侵入性が高い水素を金属内気相物質の例として扱ったが、これは分析対象を水素に限定するものではなく、例えば窒素やアルゴン等も同様にして分析することができる。この場合、質量数14の窒素の同位体として質量数15の窒素を用い、質量数40のアルゴンの同位体として質量数36のアルゴンを用いることができる。また、金属としてTaを例に挙げて説明したが、これは純Taに代えて他の物質とTaとを混合させ反応させた物質に対しても対応可能である。また、Ta系に限定されず、例えば水素吸着性の強いMg(マグネシウム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、La(ランタン)若しくはこれらの金属を混合させ反応させた物質に対しても対応可能である。特に、水素吸蔵合金等に対しては、大気中に水素を吸蔵した後大気中の酸素により酸化されたものを試料として扱える。上記した試料に対しても同様に水素、窒素又はアルゴン等の分布を分析することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について図面を用いて説明する。図3は下地TaOx(酸化タンタル)膜31上にTa(タンタル)膜32を0.6μm程度の厚さで成膜し、Ta膜32上に自然TaOx膜33が形成された試料30の模式断面図である。図1に示した試料10との相違は、Ta膜32中に多量の水素(軽水素)が含まれている点である。試料30中にも試料製造工程中に吸着した水素(軽水素)の他に、重水素を複数回に渡りイオン注入しTa膜32中では重水素の分布が一様となるようシミュレーションを用いて導入されている。
図4は、重水素の信号強度がTa膜32中で一定値を保ち続けるよう例えば真空装置内にリークさせる酸素量の微調整を行いながら得られた水素の分布を示すグラフである。図4に示されるように重水素はほぼ平坦な分布を示しているのに対し、水素は表面側(左側)に濃度のピークを有している。重水素にないピークが水素に発生していることから、図4に示されたグラフの表面側(左側)に生じている水素のピークは、分析手法上の問題で発生したものではなく実際に試料30の表面付近に何らかの理由により水素が偏析している可能性が高いことが示されている。また、このピーク部分を除いた場合、水素はTa膜32中では高い均一性を持って分布していることが示されている。このように、重水素を試料30に導入することで、水素の分布を高い信頼性を持って分析することができる。
この場合でも第1の実施形態と同様、純Taに代えて他の物質とTaとを混合させ反応させた物質に対しても対応可能である。また、Ta系に限定されず、例えば水素吸着性の強いMg、Ti、V、La若しくはこれらの金属を混合させ反応させた物質に対しても対応可能である。特に、水素吸蔵合金等に対しては、大気中に水素を吸蔵した後大気中の酸素により酸化されたものを試料として扱える。
また、この場合でも第1の実施形態と同様、水素、窒素又はアルゴン等の分布を分析することができる。ここで、イオン注入後の重水素分布をシミュレーションで推定する分析方法に代えて、2〜3atom%程度の高濃度イオン注入を行い、SIMS分析法に比べ定量性が高いHFS(水素前方散乱)分析を行っても良い。この場合には、実際に測定したデータを元に水素の不純物量や分布の基準値を得ることができる。特に、被測定試料中に同位体を導入するため、SIMS分析法の欠点であるマトリクス効果による定量性の低下を効果的に抑制することができる。
真空装置内に酸素を導入したSIMS分析を行うための試料の模式断面図。 真空装置内に酸素を導入したSIMS分析による水素濃度分布図。 SIMS分析を行うために重水素を均一に導入した試料の模式断面図。 重水素の信号を一定に保つよう真空装置内への酸素導入量を制御した水素の分布を示すグラフ。 真空装置内に酸素を導入せずにSIMS分析を行うためのTaOx/Ta/TaOx構造を有する試料の模式断面図。 真空装置内に酸素を導入せずにSIMS分析を行った水素濃度分布図。 HFS分析結果及びRBS分析結果を重ね合わせて表示したグラフ。
符号の説明
10…試料、11…下地TaOx膜、12…Ta膜、13…自然TaOx膜、30…試料、31…下地TaOx膜、32…Ta膜、33…自然TaOx膜、50…試料、51…下地TaOx膜、52…Ta膜、53…TaOx膜。

Claims (7)

  1. 金属中に分布し、前記金属に起因し前記金属の能動面を覆うように形成される金属酸化膜を散逸阻止膜として前記金属外への離脱が抑制される金属内気相物質を有する試料を、前記試料の前記能動面側をスパッタしながら前記金属内気相物質に由来する2次イオンを検出することで前記試料の深さ方向の前記金属内気相物質分布を分析する2次イオン質量分析法を用いた金属内気相物質の分析方法であって、
    前記試料中に前記金属内気相物質の同位体を、既知の分布をなすよう導入する工程と、
    前記試料中の前記同位体を分析した分析結果が前記既知の分布と揃うよう分析条件が調整された標準分析条件を抽出する工程と、
    前記標準分析条件を用いて前記試料中の前記金属内気相物質の分布を分析する工程を備えたことを特徴とする金属内気相物質の分析方法。
  2. 前記試料中に前記金属内気相物質の前記同位体を前記既知の分布を有するよう導入する工程としてイオン注入工程を用い、前記イオン注入工程により形成される前記同位体の分布を把握する手段としてシミュレーションを用い、前記同位体の分布の分析結果と前記シミュレーションを用いた解析結果とが揃えられるよう分析条件を調整して標準分析条件を求め、前記標準分析条件を用いて前記試料中の前記金属内気相物質の分布を分析する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の金属内気相物質の分析方法。
  3. 前記金属内気相物質の前記同位体の濃度分布を再現するよう、分析条件を分析中に逐次調整し、前記金属内気相物質の分析をすることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属内気相物質の分析方法。
  4. 前記金属内気相物質は水素であり、
    前記同位体は重水素であり、
    前記重水素のイオン注入を、前記試料に対して非破壊で且つ前記2次イオン質量分析法よりも高い定量性を有する水素前方散乱法を用いて分析しうる注入量で行った後、前記水素前方散乱法を用いて求められた前記重水素分布を前記シミュレーションを用いて把握された前記金属内気相物質の分布に代えて用い、
    前記水素前方散乱法と比べ分析感度の高い前記2次イオン質量分析法の分析条件を、前記水素前方散乱法により得られた前記重水素分布を再現するよう調整する工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属内気相物質の分析方法。
  5. 前記金属内気相物質は質量数14の窒素であり、
    前記同位体は質量数15の窒素であり、
    前記質量数15の窒素注入を、前記試料に対して非破壊で且つ前記2次イオン質量分析法よりも高い定量性を有するラザフォード後方散乱法を用いて分析しうる注入量で行った後、前記試料中の前記質量数15の窒素の分布を非破壊で分析する前記ラザフォード後方散乱法を用いて求められた前記質量数15の窒素の分布を、前記シミュレーションを用いて把握された前記金属内気相物質の分布に代えて用い、
    前記ラザフォード後方散乱法と比べ分析感度の高い前記2次イオン質量分析法の分析条件を、前記ラザフォード後方散乱法により得られた前記質量数15の窒素の分布を再現するよう調整する工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属内気相物質の分析方法。
  6. 前記質量数14の窒素に代えて質量数40のアルゴンを用い、前記質量数15の窒素に代えて質量数36のアルゴンを用いたことを特徴とする請求項5に記載の金属内気相物質の分析方法。
  7. 前記金属中に分布し、前記金属に起因する金属酸化膜を散逸阻止膜として前記金属内気相物質の前記金属外への離脱を抑制する金属内気相物質の分析方法であって、
    前記金属の前記能動面側をスパッタすると同時に酸化を行なうための酸化性ガスを供給し、スパッタと同時に当該金属との酸化反応による金属酸化膜を随時形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の金属内気相物質の分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014228294A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 日本電信電話株式会社 分析方法

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