JP2007333522A - 手触り感計測装置および手触り感計測方法 - Google Patents

手触り感計測装置および手触り感計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より正確に人の物体表面の触感に対応付けられる測定結果をより簡便な方法によって得ることのできる手触り感計測装置および手触り感計測方法を提供すること。
【解決手段】 感圧の大きさに応じた出力信号を生成する圧電効果と、温度変化の大きさに応じた出力信号を生成する焦電効果の両性能を備えたセンサ(イ)により、物体表面の性状を測定する表面性状測定装置であって、センサ部(5)を一定温度に加温する温度制御部(6)、(7)、(8)、(11)、(12)、(A)と、センサ部を一定の圧力で物体表面に押しつける駆動部(B)、(C)、(9)、(10)、(11)と、物体表面上で走査する駆動部(1)、(11)、(13)、(14)、センサ部の出力電圧処理部(15)、(16)からなる手触り感計測装置。また、前記のような装置を応用する手触り感計測方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、物体表面の性状を測定する表面性状測定技術に関するものであり、手触り感計測装置及び手触り感計測方法に関する。
従来、最も人の触感に対応のとれた生地特性の計測手法として、KES(Kawabata Evaluation System)が知られている。KESでは、生地の表面特性(摩擦係数、表面粗さ)、圧縮特性、曲げ特性、せん断特性および引張り特性が計測され、生地の風合いはこれら細分化された特性の計測結果により綿密に評価されることとなっている。さらには、接触時の温冷感も触感の重要な要素とされており、KESの装置で計測可能とされている。
しかしながら、KESでは、生地の触感を評価するために、大掛かりな装置を複数台使って計測しなくてはならない。また、計測結果と触感との対応関係は十分とはいえなかった。
また、編織物の表面の性状を、KES法以外で定量的に測定する装置および測定方法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。この測定装置および測定方法は、表面の凹凸感を、圧電素子を受感材として定量的に測定するものであり、編織物に圧接した受感材を相対的に移動したとき、受感材が受ける圧力の変化を、圧電効果で電圧に変換して測定するものである。しかし、表面の凹凸感は、接触感の1つではあるが、接触時の暖かさや冷たさに関する接触温冷感の情報は得ることができなかった。また、複雑な触感を解析する指標として、十分とは言えないのが現状である。
特開2002−181693号公報
一方で、焦電素子を受感材として、編織物の暖かさや冷たさに関する接触温冷感の情報を定量的に測定するものもある(例えば、特許文献2参照。)。これは、焦電素子を一定温度に加熱して、編織物に圧接した受感材の熱移動量を電圧に変換して測定する装置であるが、やわらかさ、ふんわり感などの、肌触りを評価することはできなかった。また、官能値との対応が十分とれる指標が得られてるとは言い難い。
特許2006−52956号公報
このように、接触温冷感を含む、編織物の手触り感計測評価装置は、簡易性においても、官能値との対応関係においても、十分な装置は存在していなかった。
本発明はこれらの現状に着眼してなされたものであり、その目的は、より正確に人の物体表面の触感に対応付けられる測定結果をより簡便な方法によって得ることのできる手触り感計測装置および手触り感計測方法を提供することにある。
本願発明は、上記目的を達成するためのものであって、以下の構成を採用するものである。
1. 感圧の大きさに応じた出力信号を生成する圧電効果と、温度変化の大きさに応じた出力信号を生成する焦電効果の両性能を備えたセンサ(イ)により、物体表面の性状を測定する表面性状測定装置であって、センサ部(5)を一定温度に加温する温度制御部(6)、(7)、(8)、(11)、(12)、(A)と、センサ部を一定の圧力で物体表面に押しつける駆動部(B)、(C)、(9)、(10)、(11)と、物体表面上で走査する駆動部(1)、(11)、(13)、(14)、センサ部の出力電圧処理部(15)、(16)からなることを特徴とする手触り感計測装置。
2. 圧電効果と焦電効果の両性能を備えたセンサ(イ)が、ポリフッ化ビニリデンからなることを特徴とする上記第1に記載の手触り感計測装置。
3. センサ部(5)が、基体(ニ)、(ホ)を中心として、その周囲に加熱複合膜(ハ)、センサ(イ)およびセンサ保護膜(ロ)を積層したことを特徴とする上記第1に記載の手触り感計測装置。
4. 一定温度に加熱したセンサ部(5)を測定対象物(3)表面に接触させた後、1〜3秒経過時の誘起電圧、センサ部(5)を測定対象物(3)表面で走査するときの出力電圧を周波数解析し、低および中周波数成分のパワースペクトル密度の総和、ならびに、中および高周波数成分に対する中周波数成分のパワースペクトルの分布比の少なくとも誘起電圧とあと1つを計測演算処理することを特徴とする上記第1に記載の手触り感計測装置。
5. 測定対象物(3)表面の性状を測定する表面性状測定方法であって、一定温度に加熱したセンサ部(5)を一定の圧力で測定対象物(3)表面に5〜15秒間押し当て、センサ(イ)の焦電の大きさに応じた出力信号を入力し、かつ、出力電圧処理部(15)、(16)において誘起電圧を計測した後、一定の圧力、一定の速度で測定対象物(3)表面上を走査させ、センサ(イ)の感圧の大きさに応じた出力信号を入力し、出力電圧処理部(15)、(16)において、入力された信号を周波数解析し、低および中周波数成分のパワースペクトル密度の総和、ならびに、中および高周波数成分に対する中周波数成分のパワースペクトルの分布比の少なくとも1つを演算処理することを特徴とする手触り感計測方法。
上記第1および第5に記載の発明によると、一定温度に加熱したセンサ部(5)を測定対象物(3)表面に押し付け、センサ(イ)の焦電の大きさに応じた出力信号を入力し、その信号から誘起電圧を求めることで、従来行われていたセンサ部(5)からの最大熱移動速度に比較して、より正確に人が測定対象物(3)表面に接したときの接触温冷感に対応付けられる測定結果が得られる。また、センサ部(5)を測定対象物(3)表面上に移動し、センサ(イ)の感圧の大きさに応じた出力信号を入力し、その信号を周波数分析し解析することにより、従来行われていた物体表面の力学的な測定(物体表面の摩擦係数の測定、表面粗さの測定)に比較して、より正確に人の触感に対応つけられる測定結果が得られる。
上記第2に記載の発明によると、複数の装置を使うことなく、1つの装置で簡易的に、温度特性と表面凹凸特性を測定することができる。具体的には、接触温冷感とふんわり感、しっとり感という複数の表面触感を同時に計測評価することができる。
上記第3に記載の発明によると、焦電効果を人の接触温冷感に近い正確な値として検出することができる。
上記第4に記載の発明によると、出力信号の各計算結果によって物体表面の接触温冷感を含む表面触感を定量的に評価することができる。本方法で評価できる表面触感は、物体表面に接触したときの温かさ、冷たさ、および、ふんわり感、しっとり感、という複数の表面触感のことであり、従来の評価指標に対して、より正確に人の感覚と対応良く評価することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態の1つである手触り感計測装置について説明する。
図1は、本発明実施の形態の1つである手触り感計測装置の全体構成の概略を示す図であり、図2は、ロボットフィンガ部(4)の構成の概略を示す図である。さらに、図3はセンサ部(5)の構成の概略を示す図である。
図1に示すように、本手触り感計測装置は、測定対象物(3)が広げられた状態で試料台(2)に固定され、ロボットフィンガ部(4)内のセンサ部(5)が一定温度に加熱された状態で、測定対象物(3)の表面に押し付けられる。そのとき、センサ部(5)では、焦電の大きさに応じた信号が生成されてコンピュータ(15)に出力され、数1に示す信号処理が行われ、結果が表示またはプリントアウトされる。センサ部(5)が測定対象物(3)の表面に押し付けられ、5〜15秒経過した後、センサ部(5)は測定対象物(3)に対し一定の力で押し付けられつつ、ロボットフィンガ部(4)は、矢印の向きに平行移動される。このとき、センサ部(5)では、感圧の大きさに応じた信号が生成されてコンピュータ(15)に出力され、コンピュータにて数2、数3に示すような信号処理が行われ、結果が表示またはプリントされる。
センサ部(5)の測定対象物(3)への押し付け力は、ロボットフィンガ部(4)にひずみゲージ(B)が用いられて、ロボットフィンガ部(4)の圧電素子(C)に電圧が印化され、押し付け力をひずみゲージ(B)で計測し、押し付け力が一定に保たれるように、圧電素子(C)へ電圧が印化される。焦電効果を測定する場合でも圧電効果を測定する場合でも、センサ部(5)の測定対象物(3)への押し付け力が一定になるように、ロボットフィンガ部(4)の圧電素子(C)とひずみゲージ(B)で制御される。さらに、押し付け力を一定に保った状態で、ロボットフィンガ部(4)を水平移動させる。焦電効果を測定する場合のロボットフィンガ部(4)の押し付け力は、人が測定対象物を触ったときの加圧レベルである1〜3kN/m2の範囲に制御される。接触圧力が1.5〜2.5kN/m2であると、より人が測定対象物を触ったときの加圧レベルに近くなる。ロボットフィンガ部(4)の押し付け力は、焦電効果を測定する場合でも、圧電効果を測定する場合でも、通常は一定に保って計測される。しかしながら、必要に応じて、加圧レベルを変更させることもできる。
より詳細には、基台(1)に設けられたXスライダー(17)に沿って、ロボットフィンガ部(4)が移動される。試料台(2)に測定対象物(3)をクリップ等で固定し、ロボットフィンガ部(4)が試料台(2)と平行に移動される。この平行移動速度は、10〜700mm/secのとき、人が編織物などの測定対象物を触る速度に近くなるので望ましい。さらには、30〜300mm/secのとき、人が測定対象物を触る速度により近い速度が再現される。
センサ部(5)は、測定対象物(3)に接触する最外層から順に、焦電効果および圧電効果を有するセンサ保護膜(ロ)およびセンサ(イ)、加熱複合膜(ハ)が積層され、さらに、基板(ニ)、アルミブロック(ホ)が配置される。焦電効果および圧電効果を有するセンサ(イ)は、PVDF(ポリフッ化ビニリデンフィルム)で構成され、センサ保護膜(ロ)、例えばアセテートフィルムで挟んだ構造をとる。加熱複合膜(ハ)は、外層から、熱分散フィルム(ヘ)、ニクロム線(ト)を挟んだ耐熱フィルム(チ)より構成される多層膜である。基板(ニ)は、人の指の弾力を模すため、加硫ゴムなどで構成される。
加熱複合膜(ヘ)、(ト)、(チ)は、ニクロム線(ト)の発熱により加熱されるが、ニクロム線(ト)の発熱が局所的に周囲部分に接触することを避けるため、ニクロム線(ト)は耐熱フィルム(チ)により挟まれている。ニクロム線(ト)は、センサ部(5)の小型化を図るため、直径0.02〜0.10mmのものを使う。取り扱い性等も考慮すると、直径0.05mm程度のニクロム線が望ましい。耐熱フィルム(チ)は、局所発熱に耐える必要があり、例えば厚さ10〜20μmのポリイミドフィルムで構成される。取り扱い性も考慮すると、厚さ12mm程度のポリイミドフィルムが望ましい。熱分散フィルム(ヘ)は、熱伝導性に優れ、かつ薄いフィルムが望ましく、例えば、厚さ70〜130μmの銅箔テープで構成される。基体(ニ)、(ホ)へ巻きつける取り扱いやすさを考慮すると、厚さ100μm程度銅箔テープがより望ましい。この銅箔テープは、熱分布を均等にして、焦電効果および圧電効果を有するセンサ(イ)に熱を伝える。
焦電効果および圧電効果を有するセンサ(イ)は、センサ保護膜(ロ)に挟まれている。焦電効果および圧電効果を有するセンサ(イ)は、例えば有機圧電膜であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜であるPVDFフィルムを用いることができる。PVDFフィルムの厚さは、20〜40μmのものが使えるが、28μm程度の厚みが適当である。また、センサ保護膜(ロ)は、アセテートフィルムなどが用いられる。アセテートフィルムなどのセンサ保護膜(ロ)は、PVDFの保護の役割と同時に、人の指紋の表面粗さを模すための模擬指紋材としての機能も持つ。このセンサ保護膜の厚みは、50〜70μmの膜が使われるが、振動および熱の伝導性を考慮すると厚み60μm程度が望ましい。
センサ保護膜を通じて焦電効果を有するセンサ(イ)が、測定対象物(3)に接触することにより、焦電効果を有するセンサ(イ)に温度変化が生じ、その温度変化に応じたセンサ信号が出力される。センサ信号である、出力電圧波形には、焦電効果以外に、圧電効果の電圧成分も含まれる。しかしながら、圧電効果による出力成分は、無視できる程度に小さい。重要なのは、測定環境温度とセンサ部の加熱温度の差である。本装置では、測定環境温度を(6)のサーミスタで、センサ部(5)の温度をAのサーミスタで計測し、測定環境温度とセンサ部の過熱温度の差を一定に保つ温度制御方法が導入されている。これにより、測定環境の温度変化に影響を受けない安定したセンサ出力の取得が可能になる。センサ部(5)の温度は、センサ保護膜(ロ)の表面温度を計測する。
加熱したセンサ保護膜(ロ)で覆われたセンサ(イ)を測定対象物に接触させ、このときの焦電効果による出力信号を検出し、接触温冷感を計測、評価する。従来の研究では、出力信号のピーク値が人の接触温冷感との対応が良好である、と言われている。しかしながら、出力信号のピーク値よりも、センサが測定対象物に接触した1〜3秒後に、センサであるPVDFフィルムに誘起した電圧を出力信号から求めることで、より人の接触温冷感と良好な対応関係が得られる。誘起した電圧は、PVDFフィルムに生じた温度変化量に相当する。誘起電圧は、数1で求めることができる。サンプリング数n、サンプリング周期Ts、計測された電圧Vo、PVDFフィルムに誘起した電圧Vi、計測器の抵抗をR、PVDFフィルムの静電容量をCとする。測定対象物にセンサが接触後1〜3秒後のViが接触温冷感と良好な対応関係にある。測定対象物(3)にセンサ保護膜(ロ)で覆われたセンサ(イ)が接触後1〜3秒後のViが接触温冷感と良好な対応関係にある。特に、接触後2秒後が接触温冷感と良好な対応関係にある。
センサ部(5)が測定対象物(3)の表面に押し付けられ、誘起電圧を求めた後、センサ部(5)は測定対象物(3)に対し一定の力で押し付けられつつ、ロボットフィンガ部(4)は、矢印の向きに平行移動される。このとき、センサ部(5)では、感圧の大きさに応じた信号が生成されてコンピュータ(15)に出力され、コンピュータにて数2、数3に示すような信号処理が行われ、結果が表示またはプリントされる。
パチニ小体の高感度領域は150〜300Hzと言われており、ここでは出力信号を高速フーリエ変換FFTし、パワースペクトルを求め、パチニ小体の高感度領域を出力信号の中周波数成分(100〜500Hz)に対応させる。数2にて、P(f)を出力信号のパワースペクトル密度、f1を100Hz、f2を500Hz、f3を2000Hzとすることにより、測定領域全体の100〜2000Hzの中および高周波成分の積分値に対する、100〜500Hzの中周波数成分の積分値の比Rsが求められる。
一方、マイスナー小体の高感度領域は、30〜50Hzと言われており、ここでは、出力信号のパワースペクトルを求め、マイスナー小体の高感度領域を出力信号の低周波成分(20〜100Hz)に対応させる。数3にて、P(f)を出力信号のパワースペクトル密度とし、20〜100Hzの低周波から中周波成分の積分値を求める。
Viは「温冷感」、Rsは「ふんわり感」、Pmは「しっとり感」の触感と対応が良好である。
本手触り感計測装置による触感計測方法は、例えば、より詳細には次のように行われる。
まず、ロボットフィンガ部(4)のセンサ部(5)を一定温度に加熱し、測定環境温度と一定の温度差を保つ。次に、ロボットフィンガ部(4)は、試料台(2)にセットされた測定対象物(3)に対し、焦電効果および圧電効果を有するセンサ(イ)がセンサ保護膜(ロ)を通して接触される。このとき、一定の押し付け圧を発生させる。センサ部(5)を測定対象物(3)に接触させて1〜3秒後の計測電圧から誘起電圧Viを求める。このときのセンサの圧電効果は無視できるほど小さいので、焦電効果として出力信号を検出することができる。センサ部(5)を測定対象物(3)に接触させて5〜15秒後に、センサ部(5)を測定対象物(3)表面に一定速度で操作させ、圧電効果による出力信号を取得する。走査時も測定対象物(3)に対し一定の加圧がされる。出力信号を数2、数3により計算し、中および高周波数成分に対する中周波数成分のパワースペクトル密度の分布比Rs、および、低および中周波数成分のパワースペクトル密度の総和Pmが求められる。手触り感として、Vi、Rs、Pmの全てが重要であるが、本手触り感計測装置では、少なくとも2つを演算処理されるものとする。
次に、これらの手触り感計測装置での測定の有効性を、官能評価またはKESまたは特許文献2の特許2006−52956による測定と比較することにより示す。
測定対象物として、触感の異なる編織物を用い検討した。グループAの試料は、A-1木綿、A-2麻、A-3ポリエステル、A-4ナイロン、A-5シルク、A-6ウールの素材の異なる6種類の編物のグループである。グループBの試料は、B-1タオル、B-2バッカス、B-3鹿の子、B-4ベルベット、B-5スエード、B-6サテン織物、B-7合皮のさまざまな構造の7種類の試料グループである。
グループAは被験者12名、グループBは被験者9名により、SD法(意味微分法)を用いた触感の官能評価を実施した。±2点の5段階評価とした。評価環境は、25℃、65%RHである。「しっとり」「ぬめっとする」「吸いつく感じ」「ウェットな感じ」の用語を「しっとり感」とし、評価得点を単純平均した。また、「ふんわり」の用語はそのまま「ふんわり感」として用いた。さらに、「ヒンヤリする」「ヒヤッとする」の用語を「温冷感」とし、評価得点を単純平均した。
図4に、特許文献2に記載されている出力信号のピーク値と温冷感との関係を示す。図5に、本手触り感計測装置により計測されたセンサ部接触して2秒後の誘起電圧と温冷感との関係を示す。横軸は官能評価値で、縦軸が機器での計測値である。試料グループAでは、両方法とも官能値との相関係数が−0.942、−0.963と非常に高いが、試料グループBでは、特許文献2による方法では、官能値との相関係数が−0.675しかないのに対し、本手触り感計測装置では、官能値との相関係数が−0.946と非常に高い。すなわち、官能値の温冷感との対応関係が良好であると判断される。
表1に官能値「しっとり感」「ふんわり感」と本発明の手触り感計測装置による評価指標であるRs、Pmとの相関係数を示す。「しっとり感」はPmとの相関係数が非常に高く、「ふんわり感」はRsとの相関係数が非常に高い。
KESでは、「しっとり感」「ふんわり感」の計測指標は特に決まっていないが、比較的、官能値との対応が良好であると考えられる指標として、表面摩擦係数MIUと表面摩擦係数の変動MMD、および圧縮率EMCとの対応関係を調査した。表2に、官能値の「しっとり感」「ふんわり感」とKESの計測値との相関係数を示す。
表2に示すように、「しっとり感」は表面摩擦係数MIUが高く、表面摩擦係数の変動MMDが小さい傾向は観察できるが、本手触り感計測装置のPmよりも官能値との相関が低い。また、「ふんわり感」は圧縮率EMCが高い傾向は観察されるが、本手触り感計測装置のRsよりも官能値との相関が低い。すなわち、「本発明の手触り感計測装置による計測値は、しっとり感」「ふんわり感」ともに、従来のKESよりも官能値との対応が良好であると判断される。
本発明の手触り感計測装置を用いれば、編織物、不織布、フィルム、プラスチック材などの接触温冷感、肌触り感を定量的に測定することができる。触感は複雑で官能評価に頼るところが多かったが、官能評価による触感評価は、感度は高いものの、再現性、個人の弁別能力の違いなどに問題があり、製品を設計していく場合、開発の方向が不明瞭になることが多かった。本手触り計測装置では、「温冷感」「しっとり感」「ふんわり感」を定量的に再現性良く評価できるため、効率的、効果的に製品設計することが可能になる。
また、本装置のセンサ部は、フィルム状のものを使用しておりフレキシブルなセンサを実現している。これにより、柔らかいものに対しても対象の状態に影響なく測定が可能であり、そのほか医療の診断および治療器具やロボットへの応用等、人の指の代替が有効であるような分野で利用可能である。医療や産業の現場で人の主観に頼っている様々な分野に応用することで、客観的な診断の実現や作業の安全性および効率化を大幅に向上することができる。
本発明の実施の形態の1つである手触り触感計測装置の全体構成の概略を示す図である。 ロボットフィンガ部の構成の概略を示す図である。 センサ部の構成の概略を示す図である。 特許文献2に記載の方法による計測値と温冷感評価値との関係を示す図である。 本発明の手触り感計測装置による計測値と温冷感評価値との関係を示す図である。
符号の説明
(1)基台
(2)試料台
(3)測定対象物
(4)ロボットフィンガ部
(5)センサ部
(6)環境温度計測用サーミスタ
(7)センサ部温度計測用サーミスタの信号入力部
(8)ニクロム線への信号出力部
(9)ロボットフィンガ部の圧電素子への信号出力部
(10)ロボットフィンガ部のひずみゲージの信号入力部
(11)ロボットフィンガ部の稼動および加熱・温度制御部
(12)環境温度計測用サーミスタの信号入力部
(13)Xスライダードライバー
(14)Xスライダーコントローラー
(15)コンピュータ
(16)A/Dカード
(17)Xスライダー
(A):サーミスタ
(B):ひずみゲージ
(C):圧電素子
(イ):焦電効果および圧電効果を有するセンサ
(ロ):センサ保護膜
(ハ):加熱複合膜
(ニ):基板
(ホ):アルミブロック
(ヘ):熱分散フィルム
(ト):ニクロム線
(チ):耐熱フィルム

Claims (5)

  1. 感圧の大きさに応じた出力信号を生成する圧電効果と、温度変化の大きさに応じた出力信号を生成する焦電効果の両性能を備えたセンサ(イ)により、物体表面の性状を測定する表面性状測定装置であって、センサ部(5)を一定温度に加温する温度制御部(6)、(7)、(8)、(11)、(12)、(A)と、センサ部を一定の圧力で物体表面に押しつける駆動部(B)、(C)、(9)、(10)、(11)と、物体表面上で走査する駆動部(1)、(11)、(13)、(14)、センサ部の出力電圧処理部(15)、(16)からなることを特徴とする手触り感計測装置。
  2. 圧電効果と焦電効果の両性能を備えたセンサ(イ)が、ポリフッ化ビニリデンからなることを特徴とする請求項1に記載の手触り感計測装置。
  3. センサ部(5)が、基体(ニ)、(ホ)を中心として、その周囲に加熱複合膜(ハ)、センサ(イ)およびセンサ保護膜(ロ)を積層したことを特徴とする請求項1に記載の手触り感計測装置。
  4. 一定温度に加熱したセンサ部(5)を測定対象物(3)表面に接触させた後、1〜3秒経過時の誘起電圧、センサ部(5)を測定対象物(3)表面で走査するときの出力電圧を周波数解析し、低および中周波数成分のパワースペクトル密度の総和、ならびに、中および高周波数成分に対する中周波数成分のパワースペクトルの分布比の少なくとも誘起電圧とあと1つを計測演算処理することを特徴とする請求項1に記載の手触り感計測装置。
  5. 測定対象物(3)表面の性状を測定する表面性状測定方法であって、一定温度に加熱したセンサ部(5)を一定の圧力で測定対象物(3)表面に5〜15秒間押し当て、センサ(イ)の焦電の大きさに応じた出力信号を入力し、かつ、出力電圧処理部(15)、(16)において誘起電圧を計測した後、一定の圧力、一定の速度で測定対象物(3)表面上を走査させ、センサ(イ)の感圧の大きさに応じた出力信号を入力し、出力電圧処理部(15)、(16)において、入力された信号を周波数解析し、低および中周波数成分のパワースペクトル密度の総和、ならびに、中および高周波数成分に対する中周波数成分のパワースペクトルの分布比の少なくとも1つを演算処理することを特徴とする手触り感計測方法。
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