JP2007320820A - 水硬性組成物粒子集合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に、かつ、適切にクラック部分を補修することができる水硬性組成物粒子集合体を提供する。
【解決手段】水硬性組成物粒子集合体11は、水硬性組成物粒子12と、水硬性組成物粒子間に部分的に位置する水和物13とを含む。このような水硬性組成物粒子集合体は、水硬性組成物粒子を、アルコールを含む液中で練り、水硬性組成物粒子を集合させて粒子集合体を作り、粒子集合体を乾燥させて得られる。
【選択図】図2
【解決手段】水硬性組成物粒子集合体11は、水硬性組成物粒子12と、水硬性組成物粒子間に部分的に位置する水和物13とを含む。このような水硬性組成物粒子集合体は、水硬性組成物粒子を、アルコールを含む液中で練り、水硬性組成物粒子を集合させて粒子集合体を作り、粒子集合体を乾燥させて得られる。
【選択図】図2
Description
この発明は、水硬性組成物粒子集合体およびその製造方法に関し、特に、コンクリート構造物の気泡やひび割れ部分の補修に使用される水硬性組成物粒子集合体およびその製造方法に関するものである。
橋梁やトンネルの内壁等の構造物を建造する際には、コンクリート等に代表される水硬性組成物の硬化物が使用される。水硬性組成物の硬化物は、強度やコストの点において優れており、様々な箇所で使用される。強度のさらなる向上のために、内部に鉄筋を含む鉄筋コンクリートも多用される。
水硬性組成物は、砂や砂利等の骨材および水とともに混練され、所定の形状の型枠に流し込まれる。混練物中の水により、水硬性組成物は水和反応を引き起こし、所定時間経過後に硬化する。このようにして、上記した構造物が得られる。
ここで、水和反応による硬化に起因し、構造物に気泡やひび(以下、総称して「クラック」という)が発生してしまうおそれがある。このようなクラックを放置しておくと、構造物が脆くなり、破壊してしまうおそれがある。また、クラックを通じて、内部に存在する鉄筋まで雨水等が染み込み、鉄筋を錆びさせる要因となるおそれもある。さらに、このようなクラックは、外観的にも問題がある。
このような場合、上記したクラックを穴埋めして補修する必要があるが、補修に関し、水硬性組成物とバインダとから構成される水硬性組成物の未水和成形体によりクラック部分を補修する技術が、特開2004−262671号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2004−262671号公報
特許文献1に開示の水硬性組成物の未水和成形体では、硬化物がバインダを多量に含んでおり、雨水等を撥水してしまう。そうすると、たとえば、構造物が屋外で使用される場合には、時間が経過するにつれ、補修部分が被補修部分の周辺に位置する基材に比べて浮き出るように見えてしまい、外観上問題となる。
一方、上記した水硬性組成物と水と骨材との混練物は、混練直後においては、流動性が高すぎるため、適切にクラック部分に埋め込むことができず、補修作業が困難となる。さらに、クラック部分の補修に際し、その都度、水硬性組成物と水と骨材とを混練しなければならないとすると、非常に手間となるばかりか、前処理としてのプライマー処理や、後処理としての仕上げ処理等が必要であり、作業が煩雑になる。
この発明の目的は、容易に、かつ、適切にクラック部分を補修することができる水硬性組成物粒子集合体を提供することである。
この発明の他の目的は、容易に、かつ、適切にクラック部分を補修することができる水硬性組成物粒子集合体の製造方法を提供することである。
この発明に係る水硬性組成物粒子集合体の製造方法は、水硬性組成物粒子を、アルコールを含む液中で練る工程と、水硬性組成物粒子を集合させて、粒子集合体を作る工程と、粒子集合体を乾燥させる工程とを含む。
上記した製造方法によると、水硬性組成物粒子の一部を水和反応させることができる。そうすると、水硬性組成物粒子を集合させて、粒子集合体を作る際に、水硬性組成物粒子間に、部分的に水和物を位置させることができる。また、粒子集合体は、乾燥されているため、水和反応がさらに進行するおそれは少ない。したがって、容易に、水硬性組成物粒子集合体を作ることができる。
好ましくは、アルコールを含む液のうち、アルコールの割合は、50重量%以上である。また、アルコールを含む液は、水を含み、アルコールと水との割合は、重量比率で9:1〜5:5であることが好ましい。こうすることにより、水硬性組成物粒子集合体の流動性を、適当な範囲にすることができる。ここで、アルコールを含む液のうち、アルコールが100重量%であれば、アルコールを含む液は、アルコールのみから構成されるものである。
さらに好ましくは、水硬性組成物100重量部に対し、アルコールを含む液は、5〜50重量部の範囲内である。こうすることにより、容易に、水硬性組成物粒子集合体を作ることができる。
さらに好ましくは、アルコールは、イソプロパノール、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、フーゼル油からなる群から構成されるアルコールのうち、少なくとも一種類以上のアルコールから選択される。上記したアルコールを用いることにより、より効率的に、部分的に水和物を位置させることができる。
この発明の他の局面においては、水硬性組成物粒子集合体は、水硬性組成物粒子と、水硬性組成物粒子間に部分的に位置する水和物とを含む。ここで、水和物とは、水分子がほかの分子と結合して生成した形の構成をもつ分子化合物をいう。このような水硬性組成物粒子集合体は、たとえば、上記した製造方法によって得られる。このような水硬性組成物粒子集合体は、集合体の形状であるため、クラックを補修する際の作業性が良好になる。また、水硬性組成物粒子間に、部分的に位置する水和物を含むため、その形状を変更させることができ、容易に、クラックの形状に応じて補修することができる。このような水硬性組成物粒子集合体は、硬化後においても撥水することはなく、外観上問題となることはない。
好ましくは、水硬性組成物粒子間に、水溶性高分子を含み、水硬性組成物100重量部に対し、水溶性高分子の含有量は、0.05〜5重量部である。上記した数値範囲内の水溶性高分子を含むことにより、粒子集合体を作ることが容易になり、その形状を維持しやすくなる。また、上記した数値範囲内の水溶性高分子では、後の硬化反応を阻害することはなく、撥水して外観上問題となることはない。
この発明に係る水硬性組成物粒子集合体の製造方法によると、水硬性組成物粒子の一部を水和反応させることができ、水硬性組成物粒子間に、部分的に水和物を位置させることができる。したがって、容易に、水硬性組成物粒子集合体を作ることができる。
また、この発明に係る水硬性組成物粒子集合体は、集合体の形状であるため、クラックを補修する際の作業性が良好になる。また、その形状を変更させることができるため、容易に、クラックの形状に応じて補修することができる。さらに、硬化後においても撥水することはなく、外観上問題となることはない。したがって、容易に、かつ、適切にクラック部分を補修することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。この発明の一実施形態に係る水硬性組成物粒子集合体は、水硬性組成物粒子を、アルコールを含む液中で練り、水硬性組成物粒子を集合させて粒子集合体を作り、粒子集合体を乾燥させて得られる。
水硬性組成物は、所定量の水により水和反応を起こし、硬化に至る水硬性組成物であればよい。このような水硬性組成物として、たとえば、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、ホワイトセメント、スラグセメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、燐酸カルシウム、無水石膏等が使用される。これらの水硬性組成物は、一つの種類から構成されていてもよいし、複数の種類を組み合わせたものであってもよい。なお、水硬性組成物粒子とは、これらの水硬性組成物を構成する粒子をいう。
特に、硬化後において、基材との外観上の差を生じさせないためにも、複数の種類の水硬性組成物を混合し、水硬性組成物の硬化物の色彩と基材の色彩とがほぼ同色となるように配合された水硬性組成物から構成されることが好ましい。ここで、複数の種類の水硬性組成物を混合した配合例を表1に示す。
表1は、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)、ホワイトセメント(太平洋セメント株式会社製)、スラグセメント(高炉スラグ:名古屋エスメント株式会社製)を所定の割合で配合した例を示している。なお、表1中の数値は、水硬性組成物全体の量を100とした場合の重量%である。
表1を参照して、ポルトランドセメントとホワイトセメントとの配合比を、配合例1に示すように50%:50%とすると、グレー色の強い普通ポルトランドセメントと、白みがかったホワイトセメントとのほぼ中間の色を形成することができる。配合例1に対して、配合例2や配合例3に示すように、普通ポルトランドセメントの配合比を多くしていくことにより、よりグレー色の濃い水硬性組成物の硬化物を得ることができる。また、配合例4、配合例5、配合例6に示すように、ホワイトセメントの代わりにスラグセメントを用いてもよいし、配合例7、配合例8、配合例9に示すように、ホワイトセメントおよびスラグセメントを用いてもよい。また、配合例10のように、普通ポルトランドセメントのみを用いて、水硬性組成物を構成してもよい。基材の色彩に合わせて、たとえば、配合例1〜10に示す配合比で水硬性組成物を構成する。
アルコールを含む液に含まれるアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール等、種々のアルコールが含まれ、好ましくは、アルコールは、イソプロパノール、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、フーゼル油からなる群から選択される一種類以上のアルコールから構成される。すなわち、たとえば、プロパノールのみでもよいし、メタノールとプロパノール、エタノールとプロパノールが所定の割合で混合された混合物であってもよい。ここで、アルコールは、イソプロパノールであることが、さらに好ましい。イソプロパノールは、後述する製造方法において、より適切に、水和物を部分的に位置させることができると考えられるためである。
アルコールを含む液には、アルコールが50重量%以上含まれることが好ましい。こうすることにより、より効率的に、部分的に水和物を位置させることができる。
さらに、アルコールを含む液は、水を含み、アルコールと水との割合は、重量比率で9:1〜5:5の範囲内であることが好ましい。アルコールを含む液に若干量の水、具体的には、上記した数値範囲内の量の水を含むことにより、水硬性組成物粒子集合体の流動性を、適当にすることができる。そうすると、クラックの形状に合わせて、その形状を変更させることが容易になる。
アルコールを含む液は、水硬性組成物100重量部に対し、アルコール5〜50重量部の範囲内であることが好ましい。アルコールを含む液を上記した数値範囲内とすることにより、プレス成形等によって、水硬性組成物粒子集合体を容易に作ることができる。さらに好ましくは、アルコールを含む液は、10〜20重量部の範囲内である。こうすることにより、水硬性組成物粒子を造粒して、集合体を作ることが容易になる。
さらに、上記したアルコールを含む液は、水溶性高分子を含み、水硬性組成物と水溶性高分子との比率は、水硬性組成物100重量部に対し、水溶性高分子が0.05〜5重量部の範囲内とすることが好ましい。このように構成することにより、水硬性組成物粒子間に、適当な量の水溶性高分子を含ませることができ、粒子間に粘性を付与して結着性を良好にすることができる。そうすると、水硬性組成物粒子集合体の形状を維持することが容易になる。水溶性高分子の量を上記した数値範囲内とすることにより、撥水することはなく、外観上問題となることはない。また、その効果を十分に得ることができ、水和反応にほとんど影響を与えることもない。水溶性高分子については、たとえば、セルロースエーテル類、セルロース類、ポリアルキレングリコール類、ポリビニルアルコール類等が用いられる。
ここで、この発明の一実施形態にかかる水硬性組成物粒子集合体の製造方法の一例について説明する。図1は、水硬性組成物粒子集合体を製造する工程のうち、代表的な工程の概略図である。ここでは、アルコールを含む液は、アルコールおよび水溶性高分子から構成されるものとし、アルコールとしてIPA(イソプロパノール:三協化学株式会社製)、水溶性高分子として水溶性セルロースエーテル(メトローズ60SH−50:信越化学工業株式会社製、以下メトローズという)を使用している。水溶性高分子としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬株式会社製)を使用してもよい。
図1を参照して、まず、硬化後に基材とほぼ同色となるよう、複数の種類の水硬性組成物粒子を配合する(A工程)。ここでは、上記した表1に示す配合例のうち、配合例1に示す配合の水硬性組成物を使用する。
次に、IPAおよびメトローズを含む液を準備し、上記した配合の水硬性組成物粒子に添加する(B工程)。具体的には、予め所定量のメトローズを水に溶解させて作製したメトローズ水溶液と、所定量を計量したIPAとを混合した後、添加する。
ここで、メトローズ水溶液の作製方法について簡単に説明すると、水100重量部に対し、たとえば、メトローズ10重量部を加え、スターラーを用い、約48時間、液が透明になるまで攪拌する。このようにして、メトローズ水溶液を得る。
次に、水硬性組成物粒子を、IPAおよびメトローズを含む液中で、コンクリートミキサーによって練る(C工程)。この場合の練り条件、すなわち、練り時間や温度、装置等については、要求される水硬性組成物粒子集合体の特性や、上記した各構成材料の配合比等に応じて、決められる。練り工程に際しては、モルタルミキサーやスーパーミキサーを使用してもよい。
次に、練られた水硬性組成物粒子を、パン造粒機を用いて造粒し、粒子集合体を作る(D工程)。なお、この場合、たとえば、金型およびプレスによる圧縮成形や、型枠への流し込み成形により、板状や円柱状等に成形し、粒子集合体を作ってもよい。
次に、得られた粒子集合体の乾燥を行う(E工程)。乾燥については、所定の温度および湿度に調整した乾燥機の中に所定時間放置させることにより、乾燥させる。ここでは、乾燥機によって、40℃で24時間乾燥させる。このようにして、この発明の一実施形態に係る水硬性組成物粒子集合体の製品が得られる(F工程)。
このようにして得られた水硬性組成物粒子集合体について、簡単に説明する。図2は、この発明の一実施形態に係る水硬性組成物粒子集合体の一部を拡大して示す概念図である。なお、理解の容易の観点から、水溶性高分子は図示していない。図2を参照して、水硬性組成物粒子集合体11は、複数の水硬性組成物粒子12と、水硬性組成物粒子12間に部分的に位置する水和物13とを含む。水硬性組成物粒子12は、部分的に位置する水和物13によって、その一部が結合している。このように、部分的に位置する水和物13により、水硬性組成物粒子12を結合することができ、水硬性組成物粒子集合体11を作ることができると推定される。
水硬性組成物粒子集合体11は、その形状を維持することができるため、取扱い性が良好であり、運搬、保存等も容易である。この場合、水和物13が各水硬性組成物粒子12間に部分的に位置しているため、水硬性組成物粒子集合体11は、流動性を有し、その形状を変形することができる。また、後に過剰の水を加えて水和反応を完全にさせることにより、水和物13がさらに生成され、硬化に至ると推定される。このように、この発明の一実施形態に係る水硬性組成物粒子集合体11が構成されていると推定する。
次に、このようにして製造された水硬性組成物粒子集合体を用いて、クラックの補修を行う際の補修方法について、簡単に説明する。まず、水硬性組成物粒子集合体を水中に放置し、含水させる。その後、含水して柔らかくなった、すなわち、流動性が良好になった水硬性組成物粒子集合体を、異物等を除去したクラック部分に埋め込むようにして、塗りつける。ここで、異物等の除去は、上記したプライマー処理とは異なり、散水や送風等により可能であり、煩雑さを伴わない工程である。
次に、埋め込んだ水硬性組成物粒子集合体を、その表面が基材の表面と滑らかに連なるように、コテ等で仕上げる。次に、所定時間空気中に放置し、ある程度水和反応を進行させる。その後、補修部分を浸漬させて水養生し、さらに水和反応を進行させて、水硬性組成物を完全に硬化させる。ここで、補修部分の浸漬が困難である場合には、霧吹き等で補修部分に水を吹きかけることにより、水養生を行ってもよい。このようにして、補修を行う。
このような水硬性組成物粒子集合体を使用すると、少量の水硬性組成物粒子集合体を、クラックの形状に合わせて変形させ、所望の位置に容易に埋め込むことができるため、作業性を向上させることができる。また、硬化後においても、外観上の差を生じさせないよう調色されており、かつ、撥水するおそれはないため、外観上問題となることはない。したがって、容易に、かつ、適切にクラック部分を補修することができる。
上記した各構成材料を用いて、集合体作製実験および可使時間確認実験を行った。結果を以下の表に示す。集合体作製実験とは、粒子集合体を作ることができるか否かを評価する実験である。可使時間確認実験とは、含水した後、流動性がほとんどなくなるまでの時間である可使時間が適当であるか否かを評価する実験である。以下に、実施例および比較例を示す。
なお、表2、表3、表4、表6中の比率は、水硬性組成物100重量部に対する重量部で示している。また、以下に示す表中、「割合」とは、水硬性組成物100重量部に対して、アルコールを含む液が占める合計の重量部を意味している。集合体作製実験に関して、「優」は、造粒や、板状、円柱状の集合体の作製が容易であることを示し、「良」は、造粒は困難であるが、板状や円柱状の集合体の作製は容易であることを示し、「可」は、造粒や、板状、円柱状の集合体の作製が可能であることを示す。また、可使時間確認実験に関して、「優」は、可使時間が2時間程度であり、一般的な作業性を考慮して、適当な可使時間であることを示し、「良」は、可使時間が1時間程度であり、使用可能であることを示し、「可」は、可使時間が1時間以下であるが、使用可能であることを示し、「不可」については、可使時間が極めて短く、使用不可能であることを示す。
表2は、水硬性組成物と、アルコールを含む液との配合比率を示した表である。表2中、水硬性組成物としては、表1に示す配合例1の水硬性組成物、アルコールとしては、IPAを用いている。
表2を参照して、水硬性組成物100重量部に対し、実施例1は、IPAを15重量部、実施例2は、IPAを16重量部、実施例3は、IPAを18重量部、実施例4は、IPAを10重量部、実施例5は、IPAを20重量部、実施例6は、IPAを5重量部、実施例7は、IPAを50重量部含む配合比率である。
集合体作製に関しては、実施例1〜3については、造粒や、板状、円柱状の集合体の作製が容易であった。実施例4については、造粒は困難であったが、金型およびプレスによる圧縮成形により、板状、円柱状の集合体の作製が可能であった。実施例5についても、造粒は困難であったが、所定の形状を有する型枠への流し込み成形により、板状、円柱状の集合体の作製が可能であった。実施例6は、プレスによる圧縮成形によって、集合体を作製可能であった。また、実施例7は、流し込み成形によって、集合体を作製可能であった。したがって、水硬性組成物100重量部に対し、IPAを5重量部よりも多く、50重量部よりも少なくすることが好ましい。さらに、造粒を容易とするためにも、アルコールを含む液は、10〜20重量部の範囲内とすることが好ましい。
可使時間に関しては、実施例1〜7については、可使時間は2時間程度であり、適当であった。
表3は、水硬性組成物と、アルコールを含む液との配合比率を示す表である。表3中、水硬性組成物としては、表1に示す配合例1の水硬性組成物、アルコールとしては、メタノール(三協化学株式会社製)またはメタノールとIPAとの混合物を用いている。
表3を参照して、実施例8は、IPAを17重量部、メタノールを1重量部、実施例9は、IPAを14.4重量部、メタノールを1.6重量部、実施例10は、IPAを11.2重量部、メタノールを4.8重量部、実施例11は、IPAを8重量部、メタノールを8重量部、実施例12は、メタノールを16重量部含む配合比率である。
集合体作製に関しては、実施例8〜12については、造粒や、板状、円柱状の集合体の作製が容易であった。
可使時間に関しては、実施例8〜10については、適当な可使時間であった。一方、実施例11、12については、1時間程度の可使時間であったが、作業を迅速に進めることにより、使用可能である。
表4は、水硬性組成物と、アルコールおよび水を含む液、または水との配合比率を示した表である。表4中、水硬性組成物としては、表1に示す配合例1の水硬性組成物、アルコールとしては、IPAを用い、アルコールおよび水を含む液は、IPAおよび水の総計で100重量%となっている。
表4を参照して、実施例13は、IPAを17重量部、水を1重量部、実施例14は、IPAを16.2重量部、水を1.8重量部、実施例15は、IPAを14.4重量部、水を3.6重量部、実施例16は、IPAを12.6重量部、水を5.4重量部含む配合比率である。また、実施例17は、10.8重量部、水を7.2重量部、実施例18は、IPAを9重量部、水を9重量部、比較例1は、水を18重量部含む配合比率である。IPAと水との割合は、実施例13については、重量比率で17:1、実施例14については9:1、実施例15については8:2、実施例16については7:3、実施例17については6:4、実施例18については5:5となっている。
集合体作製に関しては、実施例13〜18、比較例1については、造粒や、板状、円柱状の集合体の作製が可能であった。これは、部分的に水和反応が進行し、流動性が良好であるためである。
可使時間に関しては、実施例13〜16については、適当な可使時間であった。実施例17、18については、実施例13〜16に比べて可使時間が短かったが、使用可能であった。
一方、比較例1については、可使時間が極めて短く、使用不可であった。これは、粒子集合体が作られた直後において、水和反応が過剰に進行し、硬化がほとんど終了してしまっているためであると考えられる。
表5は、上記した方法で水溶性高分子を添加する際に、メトローズ水溶液に含まれる水およびメトローズの配合比率の例を示している。表5を参照して、たとえば、水溶性高分子は、水100重量部に対し、配合例11については、メトローズ10重量部、配合例12については、メトローズ5重量部、配合例13については、メトローズ2重量部、配合例14については、1重量部の配合比で混合される。アルコールおよび配合例11のメトローズ水溶液を含む液を50重量部含む場合、水硬性組成物100重量部に対し、メトローズの含有量は、約5重量部となる。また、アルコールおよび配合例14のメトローズ水溶液を含む液を5重量部含む場合、水硬性組成物100重量部に対し、メトローズの含有量は、約0.05重量部となる。
表6は、水硬性組成物と、アルコールおよび水溶性高分子を含む液との配合比率を示した表である。表6中、水硬性組成物としては、表1に示す配合例1の水硬性組成物、アルコールとしては、IPAを用いている。
表6を参照して、実施例19は、IPAを14.4重量部、配合例11のメトローズ水溶液を1.6重量部、実施例20は、IPAを12.8重量部、配合例12のメトローズ水溶液を3.2重量部、実施例21は、IPAを16重量部、配合例11のメトローズ水溶液を2重量部、実施例22は、IPAを17重量部、配合例11のメトローズ水溶液を1重量部含む配合比率である。ここで、水硬性組成物100重量部に対し、実施例19に示すメトローズは、約0.145重量部、実施例20に示すメトローズは、約0.152重量部、実施例21に示すメトローズは、約0.18重量部、実施例22に示すメトローズは、約0.09重量部含まれている。
集合体作製に関しては、実施例19〜22については、材料間の結着性が良好であるため、造粒や、板状、円柱状の粒子集合体の作製が容易であった。
可使時間に関しては、実施例19〜22については、いずれも適当な可使時間であった。したがって、水溶性高分子は、水硬性組成物100重量部に対し、0.09〜0.18重量部とすることが好ましい。
ここで、実施例19〜22において、水溶性高分子を、水溶液として添加することにしたが、これに限らず、水溶性高分子がアルコールに可溶であれば、水溶性高分子をアルコールに溶解し、添加するようにしてもよい。また、アルコール、水および水溶性高分子の水溶液を含む液を添加することにしてもよい。
以上、この発明の実施形態を説明したが、この発明は、上記した実施形態のものに限定されない。上記した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
11 水硬性組成物粒子集合体、12 水硬性組成物粒子、13 水和物。
Claims (7)
- 水硬性組成物粒子と、前記水硬性組成物粒子間に部分的に位置する水和物とを含む、水硬性組成物粒子集合体。
- 前記水硬性組成物粒子間に、水溶性高分子を含み、
水硬性組成物100重量部に対し、前記水溶性高分子の含有量は、0.05〜5重量部である、請求項1に記載の水硬性組成物粒子集合体。 - 水硬性組成物粒子を、アルコールを含む液中で練る工程と、
前記水硬性組成物粒子を集合させて、粒子集合体を作る工程と、
前記粒子集合体を乾燥させる工程とを含む、水硬性組成物粒子集合体の製造方法。 - 前記アルコールを含む液のうち、アルコールの割合は、50重量%以上である、請求項3に記載の水硬性組成物粒子集合体の製造方法。
- 前記アルコールを含む液は、水を含み、
前記アルコールと前記水との割合は、重量比率で9:1〜5:5である、請求項3または4に記載の水硬性組成物粒子集合体の製造方法。 - 水硬性組成物100重量部に対し、前記アルコールを含む液は、5〜50重量部の範囲内である、請求項3〜5のいずれかに記載の水硬性組成物粒子集合体の製造方法。
- 前記アルコールは、イソプロパノール、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、フーゼル油からなる群から構成されるアルコールのうち、少なくとも一種類以上のアルコールから選択される、請求項3〜6のいずれかに記載の水硬性組成物粒子集合体の製造方法。
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JP2008156195A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | コンクリート構造物断面欠損の修復材 |
JP2008156194A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | コンクリート構造物断面欠損の修復材 |
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2006
- 2006-06-02 JP JP2006154733A patent/JP2007320820A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008156195A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | コンクリート構造物断面欠損の修復材 |
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