JP2007317050A - 3次元表示を用いたユーザインタフェースシステム - Google Patents

3次元表示を用いたユーザインタフェースシステム Download PDF

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篤 中平
Daisuke Ochi
大介 越智
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Abstract

【課題】メニュー表示に使う画面の領域が少なくても多彩なメニュー表示を行うことが可能な3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムを提供する。
【解決手段】3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおいて、前記コンピュータは、前記複数の選択項目を、前記3次元表示装置のそれぞれ異なる奥行き位置に表示させる手段と、複数の選択項目の中から少なくとも一つの項目を選択することにより処理方法を決定する場合に、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、選択する項目と同じ奥行き位置に合わせて前記ポインタの選択動作を行われた時に、前記複数の選択項目の中から前記選択動作が行われた項目を選択する手段とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムに係り、特に、3次元空間に配置して表示したオブジェクトを選択、あるいはポインティングするためのユーザインタフェース手法に関する。
近年、オフィスや家庭ではコンピュータが広く用いられ、日常の業務や生活に欠かせないものとなっている。
コンピュータを用いる場合、かつてはコマンドラインからコマンドキーワードをキーボードにより入力する方法が用いられていた。この方法では、まずコマンドの使用法を習得し、そのコマンドをキーボードから入力するといった操作を必要とする。この操作は、多くの人にとって容易ではなかったため、コンピュータが広く一般に普及する上での大きな障害となっていた。
これに対して、画面上の表示オブジェクトをマウス操作カーソルで選択することにより、所望のタスクを実行できる、グラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface;以下、GUIという)は、習得が比較的容易であり、コンピュータが広く一般に用いられる大きな原動力となった。
GUIとして広く用いられている例として、机上のイメージをコンピュータの表示画面上に模したデスクトップメタファが知られている。現在、コンピュータの多くはこのデスクトップ画面を中核としたユーザインタフェースを用いている。
デスクトップ画面は1980年代の後半から製品化されているが、コンピュータの処理能力や表示装置の高性能化により、現在のデスクトップ画面は細かなグラフィック表現が採用されていると同時に、高機能化し、見栄えも華やかになり、立体的な視覚効果も多様化してきている。
また、近年では、ウェブブラウザ上で多様なサービスがネットワーク上で提供されるようになり、ウェブブラウザ上でも高度なグラフィック表現が多用されている。
このウェブブラウザ上でのサービスにおいても、メニューの選択やパラメータの調整といった操作が行われるなど、ブラウザ上でのユーザインタフェースの多様化も進んでいる。ブラウザ上でのサービス提供においては、多様な端末形態を考慮したサービス提供画面を設計する必要がある。
一般的には、デスクトップコンピュータ(以下、PCという)端末のディスプレイサイズは、大型、高精細化が進んできているといえるが、携帯型のPC画面や小型携帯端末への提供画面も考慮する必要があるため、限られた表示サイズを有効に使う画面設計が求められる。
また、商品案内などを表示する場合には、商品をできるだけ大きく表示して、顧客への訴求を強めたいなどの要望も強いため、ディスプレイサイズが大きくなったとしても、有効な画面設計が求められる。
このよう状況の中で、表示空間を3次元空間に広げる試みが行われている。2次元的な表示サイズは維持したまま、奥行き方向に空間を広げてアイコンやウィンドウなどのオブジェクトを3次元的に配置する試みも提案されている(下記、非特許文献1,2参照)。
また、3次元表示装置とタッチパネルを用いた、3次元インタフェースについても提案されている(下記、非特許文献3)。しかし、これもメニューの選択等の操作は2次元的な操作に限られていた。
一方、奥行き方向にも移動しポインティング可能な3次元ポインティング装置も提案されている(下記特許文献4参照)。
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
George Robertson,他7名,"The Task Gallery:A 3D Window Manager",Proceedings of CHI2000,1-6 APRIL 2000, pp.494-501 渡邉恵太、安村通晃,「RUI:Realizable User Interface−カーソルを用いた情報リアライゼーション」,ヒューマンインタフェース学会 ヒューマンインタフェースシンポジウム2003論文集,2003年,pp.541-544 國田豊、中平篤、鈴木尚文、木村一夫、中沢憲二:「DFDディスプレイとタッチパネルを用いた3次元インタフェース」、日本ソフトウェア科学会 WISS2004論文集、pp.111-116、2004/12. 中平篤、越智大介、鈴木尚文:「立体表示装置を用いた奥行きポインティング方法の検討」、情報処理学会インタラクション 2005 論文集、pp.161-162、2005/03.
3次元の表示空間では、従来の2次元の平面的な空間に加え、奥行き方向の自由度が広がるため、アイコンやウィンドウの配列を機能的に行うことができる利点がある。
しかし、表示空間は3次元化されても、表示装置は従来からの2次元表示装置を用いているため、3次元化の特長である奥行き感は、遠近法や影付けなどの心理的効果を用いている。具体的には、表示オブジェクトを奥に表示する場合には、オブジェクトの大きさを小さくして表示したり、変形して表示したりということが必要になる。
このため、表示オブジェクトを多数配置することはできるものの、メニューの選択や、パラメータの調整といった操作は、2次元的な操作に限られ、メニューやツールバーの項目が多くなるとそれらが占有する画面領域が多くなってしまい、作業する画面領域が狭くなってしまうという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、メニュー表示に使う画面の領域が少なくても多彩なメニュー表示を行うことが可能な、3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおける3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムであって、前記コンピュータは、前記複数の選択項目を、前記3次元表示装置のそれぞれ異なる奥行き位置に表示させる手段と、複数の選択項目の中から少なくとも一つの項目を選択することにより処理方法を決定する場合に、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、選択する項目と同じ奥行き位置に合わせて前記ポインタの選択動作が行われた時に、前記複数の選択項目の中から前記選択動作が行われた項目を選択する手段とを有する。
(2)3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおける3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムであって、前記コンピュータは、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、前記3次元表示装置に表示する前記ポインタの奥行き位置および前記表示オブジェクトを変化させるとともに、前記ポインタの奥行き位置に応じて少なくとも一つのパラメータを変化させる手段を有する。
(3)3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおける3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムであって、前記コンピュータは、複数の選択項目の中から少なくとも一つの項目を選択することにより処理方法を決定する場合に、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、前記ポインタの奥行き位置に応じて、前記3次元表示装置に表示する選択可能な処理項目と、それを表示する奥行き位置とを変化させる手段を有する。
(4)3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおける3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムであって、前記コンピュータは、前記複数の選択項目を前記3次元表示装置に表示するとともに、前記複数の選択項目の中の各選択項目の選択位置を、それぞれ奥行き位置を変えて3次元表示装置に表示する手段と、複数の選択項目の中から少なくとも一つの項目を選択することにより処理方法を決定する場合に、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、選択する項目の前記選択位置において前記ポインタの選択動作が行われた時に、前記複数の選択項目の中から前記選択動作が行われた項目を選択する手段とを有する。
本願発明は、3次元空間内を3次元的に移動するポインタによって3次元空間内の表示オブジェクトを選択するシステムであって、メニュー項目やツールバーを奥行き方向に積層させて表示することを特徴とする。
従来の技術とは、ポインタを奥行き方向に移動させることにより、メニューやツールバーの選択ができるため、多くのメニューやツールバーを表示させてもそれらが占有する画面領域が大きくならないという点が異なる。
従来の手法では、メニュー項目やツールバーが多くなると、並べて表示するため、メニューやツールバーの占有表示領域が大きくなり、作業領域を確保した状態で多くのメニュー項目やツールバーを表示することが困難である。
一方、本願発明では、メニューやツールバーを奥行き方向に並べて表示し、ポインタを奥行き方向に移動することによって、所望のメニューやツールバーを選択することができる。このため、一定の作業領域を確保したままで、多くのメニューやツールバーを表示することが可能となる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、メニュー項目やツールバーを奥行き方向に積層させて表示することにより、メニュー表示に使う画面の領域が少なくても多彩なメニュー表示を行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例1]
図1は、本発明の各実施例の3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムが実行されるコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。同図において、2は3次元表示装置、3は3次元ポインティング装置である。
本実施例では、3次元表示装置(2)として、DFD(Depth-Fused 3D)方式の3次元表示装置を、また、3次元ポインティング装置(3)として、ホイール機能付きのマウスを使用する。
3次元表示装置(2)と、3次元ポインティング装置(3)は、一般的な構成のパーソナルコンピュータ(以下、PCという)(1)に接続される。
DFD表示装置を、はじめとした3次元表示装置(2)を用いると、3次元空間表現が可能であり、奥行き知覚を利用した3次元GUIを用いることができる。
3次元表示空間内では、ポインタがポイントする点は座標(x,y,z)で特定でき、ここでは便宜上、ディスプレイ表面に平行な面をxy面、ディスプレイ面に垂直な軸をzとし、操作者からディスプレイに向かう方向を正の向きとする。
ポインタは3次元表示空間内を動かすことができ、本実施例では、マウスホイールを回転させることにより、ポインタがz方向に移動する設定とした。
3次元表示空間では、現在のデスクトップで用いられている、ウィンドウ、アイコン、メニューなどのオブジェクトが、3次元のオブジェクトであるか、あるいは2次元のオブジェクトの3次元的な配置または動きを利用することができる。
図2は、図1に示すコンピュータの機能ブロックを示すブロック図である。
コンピュータ1は、ポインタの位置を判定するポインタ位置判定部11と、ユーザが3次元ポインティング装置(3)を使用し選択動作(マウスのクリック動作)を実行したときの選択項目を算出する選択項目算出部12と、選択された項目の処理を実行する処理制御部13と、3次元表示装置(2)に表示する表示内容を算出する表示内容算出部14と、表示内容算出部14で算出された表示内容を3次元表示装置(2)に表示する表示制御部15と、表示項目・ポインタ位置などを格納する記憶装置16とで構成される。
図3は、図1に示すコンピュータシステムの表示処理を示すフローチャートである。
初めに、ポインタ位置を算出する(ステップ101)。
次に、ポインタの奥行き位置に応じてメニューを表示し(ステップ102)、ポインタの奥行き位置に応じたメニュー項目を表示する(ステップ103)。
次に、選択動作(マウスのクリック動作)が実行されたか否かを判断し(ステップ104)、ステップ104で、noの場合はステップ101からの処理を繰り返す。
また、ステップ104で、yesの場合は、ポインタで選択されたメニュー項目の処理を実行する(ステップ105)。
図4、図5は、本発明の実施例1のメニュー表示方法の一例を示す図である。ここでは、文書作成のためのアプリケーションソフト上での使用を例にとり説明する。
図4と図5は同じ状態を示しており、図5は、3次元空間を分かりやすく説明するため斜め方向からの視点位置で図を示している。実際の画面は、z軸の正方向からユーザは見ることになる。
なお、図4、および後述する図6、図8、図10において、20はポインタである。また、図5、および後述する図7、図9、図11、図13、図15、図18乃至図21において、201は前面の表示面、202は後面の表示面である。
図4と図5で示す状態では、三つのカテゴリーに分類されたメニュー項目が表示されており、各カテゴリーの中に2つ以上のメニューがある。
たとえば、一番上のカテゴリーでは、「保存」、「常に保存」、「別名保存」の項目があり、それぞれ異なる奥行きに表示されている。
二番目のカテゴリーでは、「検索」、「テキスト検索」、「画像検索」があり、三番目のカテゴリーには「書き出し」、「読み込み」の項目があり、それぞれ異なる奥行きに表示されている。
図4、図5に示す状況では、二番目のカテゴリーの「テキスト検索」項目をポインタで選択するところが示されている。
二番目のカテゴリ内のメニュー項目は、「検索」、「テキスト検索」、「画像検索」がそれぞれ、z0、z1、z2の奥行き位置に表示されている。
「テキスト検索」を検索する場合、図5で示すように、ポインタの奥行き位置をz1の奥行き位置に合わせてクリックすることでメニューを選択できる。
本実施例では、「テキスト検索」の表示領域で必ずしも奥行き位置を合わせる必要はなく、図4に示す二番目のカテゴリーの斜線領域(30)内で奥行き位置を合わせて、クリックすることで、「テキスト検索」項目を選択する設定が可能である。ここで、斜線領域30の大きさは、個々のメニュー領域と比べて大きな領域であるため、メニューの選択が容易となる。
なお、「奥行き位置に合わせる」とは、2次元的な位置も合わせることを意味し、さらに、「奥行き位置に合わせる領域」は、通常のコンピュータ画面上に表示される矩形形状のボタンのように、ある一定の面積を有する領域である。
本実施例によれば、従来から用いられているメニュー表示方法に比べると、マウスの移動量も少なくてすむため、作業が効率的になるという利点がある。さらに、3次元表示装置(2)を用いて、奥行き知覚を利用しているため、奥行き位置と表示メニューとの対応付けが可能であり、ポインタの奥行きを操作することによって、容易にメニューの選択ができると言う利点を操作者は享受することができる。
[実施例2]
本実施例の3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムが実行されるコンピュータシステムは図1と同じであり、また、その機能ブロックも図2と同じであり、さらに、表示処理を示すフローチャートも図3と同じである。
3次元表示空間内では、ポインタがポイントする点は座標(x、y、z)で特定でき、本実施例でも、便宜上、ディスプレイ表面に平行な面をxy面、ディスプレイ面に垂直な軸をzとし、操作者からディスプレイに向かう方向を正の向きとしている。
図6乃至図9に、本発明の実施例2のメニュー表示方法の一例を示す図である。ここでは、画像編集のためのアプリケーションソフト上での使用を例にとり説明する。
図6と図7、図8と図9は同じ状態を示しており、図7と図9は、3次元空間を分かりやすく説明するため斜め方向からの視点位置で図を示している。実際の画面は、z軸の正方向からユーザは見ることになる。
図6と図7で示す状態では、ポインタのz座標がz0にあり、この奥行き位置で、「明るさ」メニュー項目を選択することができ、選択後にポインタを奥行き方向に動かすことで、画像の明るさパラメータを変化することが可能である。
実際には、マウスホイールを回転させて、ポインタを奥へ動かしてポインタの奥行き座標をz=z1>z0とすると、奥行き位置に応じて、「明るさ」パラメータが表示されると共に、そのパラメータに応じて画像も変化する。この時の状態を図8及び図9に示す。
従来から用いられているメニュー表示方法では、パラメータを変化する場合には、そのパラメータのメニューを選択すると、パラメータ変化用のダイアログボックスが開き、その中でパラメータを変える手法が一般的である。ダイアログボックスを開くことによって、画面上を占有してしまう領域が現れてしまうため、編集中の画像が一部隠れてしまうという欠点があった。
また、複数のパラメータを同時に編集しようとする場合は、ダイアログボックスが複数開いたり、ダイアログボックス自体が大きくなってしまったりして、画像が隠れてしまう領域が増えてしまい、処理画像自体を小さく表示しなければならず、編集効率が悪くなっていた。
本実施例によれば、ポインタを奥行き方向に移動すれば、奥行きに応じてパラメータを変化できるため、作製している図を隠すことなく、多様なメニューの表示が可能であるという利点がある。さらに、複数のパラメータを同時に編集する時などには、特に、有効である。
また、パラメータ変化に際しては、マウスの移動量も少なくてすむため、作業が効率的になるという利点もある。
本実施例では、3次元表示装置(2)を用いて、奥行き知覚を利用しているため、奥行き位置とパラメータとの大小関係の対応付けも容易であり、ポインタの奥行きを操作することによって、容易にパラメータの調整ができると言う利点を操作者は享受することができる。
[実施例3]
本実施例の3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムが実行されるコンピュータシステムは図1と同じであり、また、その機能ブロックも図2と同じであり、さらに、表示処理を示すフローチャートも図3と同じである。
3次元表示空間内では、ポインタがポイントする点は座標(x、y、z)で特定でき、本実施例でも、便宜上、ディスプレイ表面に平行な面をxy面、ディスプレイ面に垂直な軸をzとし、操作者からディスプレイに向かう方向を正の向きとしている。
図10乃至図15に、本発明の実施例3のメニュー表示方法の一例を示す図である。ここでは、イラスト作製のためのアプリケーションソフト上での使用を例にとり説明する。
図10と図11、図12と図13、図14と図15は、それぞれ同じ状態を示しており、図11、図13と図15は、3次元空間を分かりやすく説明するため斜め方向からの視点位置で図を示している。実際の画面は、z軸の正方向からユーザは見ることになる。
図10と図11で示す状態では、ポインタのz座標がz0にあり、この奥行き位置では、図11に示すように、図形描画メニューが表示され、○や□などの図形を作図することが可能である。
この状態から、マウスホイールを回転させて、ポインタを奥へ動かしてポインタの奥行き座標をz=z1>z0とすると、矢印描画メニューが表示され、その奥行き位置でポインタのxy位置を合わせてメニューを選択することにより、所望の矢印を作図できる状態となる。この時の状態を図12及び図13に示す。
さらに、この状態から、マウスホイールを回転させて、ポインタを奥へ動かしてポインタの奥行き座標をz=z2>z0とすると、スタイル描画メニューが表示され、その奥行き位置でポインタのxy位置を合わせてメニューを選択することにより、影付き、半透明、枠付き、ぼかしのスタイルを作図できる状態となる。この時の状態を図14及び図15に示す。
従来から用いられているメニュー表示方法の一例を図16、17に示す。
図形描画を選択する場合には、図16に示すように、図形メニューを選択した後に、図17に示すように、サブメニューで図形の形状を選択するという手法が一般的である。このようにサブメニューを開くことによって、画面でメニューの専有する面積が大きくなり、作製している図が隠れてしまうという欠点があった。
本実施例によれば、ポインタを奥行き方向に移動すれば、奥行きに応じたメニューがその場に選択されるため、作製している図を隠すことなく、多様なメニューの表示が可能であるという利点がある。さらに、マウスの移動量も少なくてすむため、作業が効率的になるという利点もある。
その上、3次元表示装置(2)を用いて、奥行き知覚を利用しているため、奥行き位置自体をメニューに割り当てることも可能である。
本実施例の場合では、図形メニューを選択するためには、「図形」とかかれている部分にポインタを必ずしもあわせる必要はなく、単にポインタの奥行き位置をz0に合わせるだけで、図形形状を表すサブメニューを表示する設定もできる。
この場合、メニューはポインタの奥行き位置で合わせ、サブメニューをポインタの2次元的な移動により合わせるという操作になる。
ここでは、3次元表示装置(2)を用いているため、奥行き位置を変えてサブメニューを表示することで、利用者は、奥行き位置と表示メニューとの対応付けが可能であり、ポインタの奥行きを操作することによって、容易にメニューの選択ができると言う利点を操作者が享受することができる。
[実施例4]
本実施例の3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムが実行されるコンピュータシステムは図1と同じであり、また、その機能ブロックも図2と同じであり、さらに、表示処理を示すフローチャートも図3と同じである。
3次元表示空間内では、ポインタがポイントする点は座標(x、y、z)で特定でき、本実施例でも、便宜上、ディスプレイ表面に平行な面をxy面、ディスプレイ面に垂直な軸をzとし、操作者からディスプレイに向かう方向を正の向きとしている。
図18に、本実施例のメニュー表示方法の一例を示す。ここでは、画像ファイルを整理するためのアプリケーションソフト上での使用を例にとり説明する。図18では、3次元空間を分かりやすく説明するため斜め方向からの視点位置で図を示した。実際の画面は、z軸の正方向からユーザは見ることになる。
ここで、ユーザは画像を選択して、「お気に入り」、「仮保存」、「スクラップ」という処理を選択する。
「お気に入り」は、アクセスが容易な形態で保存され、「仮保存」では一定期間保存された後に自動的に削除される処理が行われ、「スクラップ」では、画像が縮小されて、いままでの画像にマージされる、処理がそれぞれ行われる。
ここでは、ポインタを画像ウィンドウ上の所定の場所に合わせて、マウスボタンを押下した状態を維持すると、ポインタの動きに合わせて画像ウィンドウが動く。この状態で、マウスホイールを回転すると、画像ウィンドウの奥行き位置(z位置)を変える操作を行うことが可能である。
このような操作を行い、画像ウィンドウを所定の位置に合わせることで、先に記した処理を選択することができる。
選択時の状況を図19乃至図21に示す。なお、図19乃至図21は、3次元空間を分かりやすく説明するため斜め方向からの視点位置で図を示した。実際の画面は、z軸の正方向からユーザは見ることになる。
図18には、各メニュー項目に相当する奥行き位置を示す例を提示している。各メニューが表示されている右側には、奥に傾く斜面32が表示されており、その斜面上に奥行き位置を表した奥行き領域33を色づけしてある。この奥行き領域33に画像ウィンドウを移動操作することで、各メニュー項目を選択可能である。
ここでは、マウスボタンを押下した状態で、所望の場所に画像ウィンドウを移動し、その場所を維持した状態で、マウスボタンを戻すことにより、選択処理が行われる。
図19は、「お気に入り」が選択処理された状態を示しており、また、図20は、「仮保存」が選択処理された状態を示しており、さらに、図21は、「スクラップ」が選択処理された状態を示している。
本実施例では、従来から用いられているメニュー表示方法に比べると、マウスの移動量も少なくてすむため、作業が効率的になるという利点がある。また、3次元表示装置(2)を用いて、奥行き知覚を利用しているため、奥行き位置と表示メニューとの対応付けが可能であり、ポインタの奥行きを操作することによって、容易にメニューの選択ができるという利点を操作者は享受することができる。
また、本実施例では、ポインタの奥行き位置に応じてメニュー選択ができるため、マウス操作の移動量が少なくでき、作業が効率的になる効果がある。さらに、奥行きを使うことにより、メニュー表示に使う画面の領域が少なくても多彩なメニュー表示をおこなうことができるという効果もある。
このように、本実施例では、階層的なメニューの場合に、メニュー同士の関連性が分かりやすくなり、使いやすいメニュー表示を行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
本発明の各実施例の3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムが実行されるコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。 図1に示すコンピュータの機能ブロックを示すブロック図である。 図1に示すコンピュータシステムの表示処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例1のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例1のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例2のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例2のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例2のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例2のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例3のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例3のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例3のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例3のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例3のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例3のメニュー表示方法の一例を示す図である。 従来から用いられているメニュー表示方法の一例を示す図である。 従来から用いられているメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例4のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例4のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例4のメニュー表示方法の一例を示す図である。 本発明の実施例4のメニュー表示方法の一例を示す図である。
符号の説明
1 コンピュータ
2 3次元表示装置
3 3次元ポインティング装置
11 ポインタ位置判定部
12 選択項目算出部
13 処理制御部
14 表示内容算出部
15 表示制御部
16 記憶装置
20 ポインタ
30 斜線領域
32 奥に傾く斜面
33 色づけされた奥行き領域
201,202 表示面

Claims (4)

  1. 3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、
    前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおける3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムであって、
    前記コンピュータは、前記複数の選択項目を、前記3次元表示装置のそれぞれ異なる奥行き位置に表示させる手段と、
    複数の選択項目の中から少なくとも一つの項目を選択することにより処理方法を決定する場合に、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、選択する項目と同じ奥行き位置に合わせて前記ポインタの選択動作が行われた時に、前記複数の選択項目の中から前記選択動作が行われた項目を選択する手段とを有することを特徴とする3次元表示を用いたユーザインタフェースシステム。
  2. 3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、
    前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおける3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムであって、
    前記コンピュータは、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、前記3次元表示装置に表示する前記ポインタの奥行き位置および前記表示オブジェクトを変化させるとともに、前記ポインタの奥行き位置に応じて少なくとも一つのパラメータを変化させる手段を有することを特徴とする3次元表示を用いたユーザインタフェースシステム。
  3. 3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、
    前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおける3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムであって、
    前記コンピュータは、複数の選択項目の中から少なくとも一つの項目を選択することにより処理方法を決定する場合に、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、前記ポインタの奥行き位置に応じて、前記3次元表示装置に表示する選択可能な処理項目と、それを表示する奥行き位置とを変化させる手段を有することを特徴とする3次元表示を用いたユーザインタフェースシステム。
  4. 3次元空間内の異なった奥行きに複数のオブジェクトを表示可能な3次元表示装置と、
    前記複数のオブジェクトの中の1つのオブジェクトを選択する目的で、ポインタを制御し3次元空間内の異なる位置を指し示すことが可能なポインティング装置とを備えたコンピュータシステムにおける3次元表示を用いたユーザインタフェースシステムであって、
    前記コンピュータは、前記複数の選択項目を前記3次元表示装置に表示するとともに、前記複数の選択項目の中の各選択項目の選択位置を、それぞれ奥行き位置を変えて3次元表示装置に表示する手段と、
    複数の選択項目の中から少なくとも一つの項目を選択することにより処理方法を決定する場合に、前記ポインタの奥行き方向の移動を検出し、選択する項目の前記選択位置において前記ポインタの選択動作が行われた時に、前記複数の選択項目の中から前記選択動作が行われた項目を選択する手段とを有することを特徴とする3次元表示を用いたユーザインタフェースシステム。
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