JP2007301433A - 創薬用チューブピッキング補助具 - Google Patents

Abstract

【課題】保管ラックに密集して保管されたチューブを人の手で間違えることなく抜き差しするための創薬用チューブピッキング補助具を提供する。
【解決手段】保管ラックの桝目と縦横同ピッチでピン孔を開けた位置決めプレート１０４と、前記保管ラックの桝目と、前記位置決めプレートのピン孔を一致させて載置するために前記位置決めプレートの四隅に設けた位置決めガイド１０６と、前記位置決めプレートの各ピン孔の位置を行と列によって特定するために前記位置決めプレートの下側に設けたマッピングシートと、前記保管ラックから取り出したいチューブの位置と対応する位置にある前記位置決めプレート上のピン孔に装着し、前記保管ラックの下から前記チューブを押し上げる押上ピン１０３を有している創薬用チューブピッキング補助具によって、上記の課題を解決するものである。
【選択図】図１

Description

本発明は、創薬研究等の分野において、多数の試料を識別・保管するために使用される創薬用試料保管システムに関するものであり、さらに詳しくは、創薬用試料を封入するチューブを碁盤目状に複数本縦立収容する保管ラックから、所望のチューブを抜き取るための創薬用チューブピッキング補助具に関するものである。

従来より、創薬研究等の分野においては、試料を溶解した溶液をマイクロチューブと呼ばれるチューブに封入し、このマイクロチューブを碁盤目状に区画された保管ラックに複数本、例えば、８行１２列で９６個に区画された保管ラックに垂直に並び立てて収容し、保管や搬送を行っていた。また、近年においては、ＳＢＳ(Society for Biomolecular Screening)規格に準拠した上記９６個に区画された保管ラックと同じ大きさの保管ラックで、より小さいマイクロチューブ、すなわち、超マイクロチューブ（以下、「３８４チューブ」と称する）を収容するために、１６行２４列で３８４個の総区画数を有する保管ラックも知られている。（例えば、特許文献１参照）。
欧州特許出願公開第９０４８４１号明細書（図１、第７〜９段落）

図５に従来より用いられている３８４チューブ用保管ラックを示す。この保管ラックは、９６本のチューブを収容するＳＢＳ規格に準拠した９６本用保管ラックと同じサイズの保管ラックに、その４倍の数、すなわち３８４本の円筒形状で有底のチューブを収納するものである。したがって、９６本用保管ラックの一区画のサイズをほぼ１／４に縮小した形状をしているために、隣接するチューブの隙間がきわめて小さくなり、人の手で特定の一本を抜き取ったり、所望の位置に挿入することは、きわめて困難であった。また、３８４チューブが密集して保管ラックに収容されているため、抜き差しすべき位置を間違えることもあった。

そこで、本発明の目的は、例えば、３８４チューブ用保管ラックのように、保管ラックに密集して保管されたチューブを人の手で間違えることなく抜き差しするための創薬用チューブピッキング補助具を提供することにある。

請求項１に係る発明は、創薬用試料を封入するチューブを碁盤目状に複数本縦立収容する保管ラックから、所望のチューブを抜き差しするための創薬用チューブピッキング補助具において、前記保管ラックの桝目と縦横同ピッチでピン孔を開けた位置決めプレートと、前記保管ラックを前記位置決めプレート上に、前記保管ラックの桝目と、前記位置決めプレートのピン孔を一致させて載置するために前記位置決めプレートの四隅に設けた位置決めガイドと、前記位置決めプレートの各ピン孔の位置を行と列によって特定するために前記位置決めプレートの下側に設けたマッピングシートと、前記保管ラックから取り出したいチューブの位置と対応する位置にある前記位置決めプレート上のピン孔に装着し、前記保管ラックの下から前記チューブを押し上げる押上ピンを有していることによって、上記の課題を解決するものである。

請求項２に係る発明は、請求項１に係る発明の構成に加えて、前記マッピングシートが、行または列ごとに、プレートの行または列に対応する文字または番号を表記し、それに直交する列または行ごとに、複数色に色分けしたことによって、上記の課題をさらに解決するものである。

請求項１に係る発明によれば、創薬用試料を封入するチューブを碁盤目状に複数本縦立収容する保管ラックから、所望のチューブを抜き差しするための創薬用チューブピッキング補助具において、前記保管ラックの桝目と縦横同ピッチでピン孔を開けた位置決めプレートと、前記保管ラックを前記位置決めプレート上に、前記保管ラックの桝目と、前記位置決めプレートのピン孔を一致させて載置するために前記位置決めプレートの四隅に設けた位置決めガイドと、前記位置決めプレートの各ピン孔の位置を行と列によって特定するために前記位置決めプレートの下側に設けたマッピングシートと、前記保管ラックから取り出したいチューブの位置と対応する位置にある前記位置決めプレート上のピン孔に装着し、前記保管ラックの下から前記チューブを押し上げる押上ピンを有していることによって、例えば、３８４チューブ用保管ラックのように、保管ラックに密集して保管されたチューブを人の手で間違えることなく取り出すことが可能になる。また、マッピングシートの表記にしたがって、所望の位置にチューブを差し込むことが可能になる。

請求項２に係る発明によれば、請求項１に係る発明が奏する効果に加えて、前記マッピングシートが、行または列ごとに、プレートの行または列に対応する文字または番号を表記し、それに直交する列または行ごとに、複数色に色分けしたことによって、取り出したいチューブの位置を間違えることなく、素早く特定し、押上ピンを位置決めプレート上のピン孔に装着することが可能になる。また、前記保管ラックの所望の位置にチューブを素早く且つ正確に差し込むことが可能になる。

なお、本発明が適用される保管ラックとしては、チューブを収納する一区画の底が、チューブを下から突き上げることができるように開放されているものであれば、特に限定されるものではないが、本発明の汎用性を高めるため、適用する保管ラックをＳＢＳ(Society for Biomolecular Screening)規格に準拠した大きさで１６行２４列で３８４チューブを収容する保管ラックとすることが特に適している。

次に本発明の創薬用チューブピッキング補助具について、好適な一実施例について、図面に基づいて説明する。

図１は、本発明の創薬用チューブピッキング補助具１００の斜視図である。
図２は、本発明の創薬用チューブピッキング補助具１００の組立斜視図である。
図３は、本発明のマッピングシートの一例である。
図４は、本発明の創薬用チューブピッキング補助具１００に保管ラック１２０を載置した状態を示している。

本発明の創薬用チューブピッキング補助具１００は、図１及び図２に示したように、保管ラック１２０の桝目と縦横同ピッチでピン孔１０２を開けた位置決めプレート１０４を有している。そして、保管ラック１２０を位置決めプレート１０４上に、保管ラック１２０の桝目と、位置決めプレート１０４のピン孔１０２を一致させて載置するために位置決めプレート１０４の四隅に位置決めガイド１０６を有している。この位置決めガイド１０６は、チューブを抜くために保管ラック１２０を補助具にセットしたときに、保管ラック１２０を位置決めできる十分な高さとする。具体的には、突起ピン１０３ｂの長さよりも５ｍｍ程度長い寸法の高さとすることが望ましい。

また、位置決めプレート１０４の各ピン孔１０２の位置を行と列によって特定するために位置決めプレート１０４の下側にマッピングシート１１２を配置した。このマッピングシート１１２は、保管ラック１２０の所望の桝目を選ぶため、例えば、図３に示したようなマッピングシート１１２が用いられる。この図において符号１１３で示した黒枠が、位置決めプレート１０４のピン孔１０２のある領域、すなわち、保管ラック１２０の桝目のある領域に対応している。

このマッピングシート１１２には、桝目の外に、すなわち、黒枠１１３の外側であって保管ラック１２０を載置しても見える位置に、列を示す数字（すなわち、１〜２４の２４列）を表記すると共に、図示はできないが、列毎に複数色で色分けし、行毎に同じ英字（すなわち、Ａ〜Ｐの１６行）を表記している。本実施例においては、４列毎に色分けし、１列目を赤色、２列目を青色、３列目を黄色、４列目を緑色とし、５列目以降は、この繰り返しとしている。したがって、位置決めプレート１０４上に保管ラック１２０を載置した場合、保管ラック１２０の上面からマッピングシート１１２の表示を確認することができる。例えば、Ｌ行３列として特定される位置にチューブを挿入する際には、黄色のＬとして簡単に選択できる。その結果、チューブを間違った場所に挿入することを防止することができる。

位置決めプレート１０４の材質については、特に限定されるものではないが、透明の樹脂を用いて製作することによって、マッピングシート１１２の表示がよく見えるようになるため特に好ましい。

なお、本実施例では、行を英字とし、列を数字で表記しているが、行と列は逆であっても何ら差し支えない。また、色分けの方法は、字体の背景色を変えるのではなく、字体そのものの色を変えることも可能である。

本実施例では、位置決めプレート１０４の下に透明プレート１０８と下プレート１１０を設けてその間にマッピングシート１１２を挟んでいることによって、マッピングシートの劣化や汚れを防いでいるが、下プレート１１０に直接表記して透明プレートを不要にすることもできる。

一方、複数のチューブが刺さっている保管ラック１２０から特定の位置のチューブを抜き取る場合には、マッピングシート１１２の表示により、簡単に位置決めプレート１０４上の対応するピン孔１０２を特定することができる。このピン孔１０２に図２に拡大表示したような押上ピン１０３を挿入する。押上ピン１０３の形状は、一端が、位置決めプレート１０４のピン孔１０２に、他端が、保管ラック１２０の桝目に挿通するものであれば、特に限定されない。本実施例では、円盤状部材１０３ａ部材の中心から、表裏に同じ円柱形状の突起ピン１０３ｂ、１０３ｃを垂設している。

押上ピン１０３は、円盤状部材１０３ａを有しているので、位置決めプレート１０４に差した際に突起ピン１０３ｂ、１０３ｃが傾くことがない。その結果、位置決めプレートのピン孔１０２及び保管ラック１２０の桝目との嵌合を緩くすることができるので、押上ピンの脱着が容易にできる。また、円盤状部材１０３ａを有することによって転がって紛失したり、転がって作業者の指による把持動作を妨げることが防止される。さらに、円盤状部材１０３ａの表裏に同じ円柱形状の突起ピン１０３ｂ、１０３ｃを設けたため、使用する際に上下方向を選ぶ必要がなくピッキング作業の能率が向上する。

次に、本発明の創薬用チューブピッキング補助具１００を用いて所望のチューブを抜き取る時の動作を説明する。例えば、３８４チューブ用保管ラックの右下隅のチューブを抜き取るものとする。右下隅の位置は、図３に示したマッピングシート１１２によれば、Ｐ行２４列なので、位置決めプレート１０４のＰ行２４列の位置に図１に示したように押上ピン１０３を装着する。その後、保管ラック１２０を位置決めガイド１０６に沿って下方に押し下げることによって、所望のチューブ１２２が、図４に示したように１本押し上げられる。この例では、１個の押上ピン１０３を用いて１本のチューブを押し上げているが、複数の押上ピン１０３を用いて複数のチューブを同時に押し上げることも可能である。

なお、上述した創薬用チューブピッキング補助具は、あくまで本発明の一実施例であり、本発明は、本実施例に限定されるものではない。例えば、チューブを抜いた時のチューブの飛び上がりを防止する透明な蓋や、上に被せる透明なシートを装備することによって、本発明の信頼性を高めることも可能である。

本発明の創薬用チューブピッキング補助具の斜視図。 本発明の創薬用チューブピッキング補助具の組立斜視図。 本発明のマッピングシートの一例を示した正面図。 本発明の創薬用チューブピッキング補助具に保管ラックを載置し、１本のチューブを押し上げた時の斜視図。 従来より用いられている３８４チューブと保管ラックの斜視図。

符号の説明

１００ ・・・ 創薬用チューブピッキング補助具
１０２ ・・・ ピン孔
１０３ ・・・ 押上ピン
１０３ａ ・・・（押上ピンの）円盤状部材
１０３ｂ、１０３ｃ ・・・（押上ピンの）突起ピン
１０４ ・・・ 位置決めプレート
１０６ ・・・ 位置決めガイド
１０８ ・・・ 透明プレート
１１０ ・・・ 下プレート
１１２ ・・・ マッピングシート
１１３ ・・・ 黒枠
１２０ ・・・ 保管ラック
１２２ ・・・ チューブ

Claims (2)

1. 創薬用試料を封入するチューブを碁盤目状に複数本縦立収容する保管ラックから、所望のチューブを抜き差しするための創薬用チューブピッキング補助具において、
   前記保管ラックの桝目と縦横同ピッチでピン孔を開けた位置決めプレートと、
   前記保管ラックを前記位置決めプレート上に、前記保管ラックの桝目と、前記位置決めプレートのピン孔を一致させて載置するために前記位置決めプレートの四隅に設けた位置決めガイドと、
   前記位置決めプレートの各ピン孔の位置を行と列によって特定するために前記位置決めプレートの下側に設けたマッピングシートと、
   前記保管ラックから取り出したいチューブの位置と対応する位置にある前記位置決めプレート上のピン孔に装着し、前記保管ラックの下から前記チューブを押し上げる押上ピンを有することを特徴とする創薬用チューブピッキング補助具。
2. 前記マッピングシートが、行または列ごとに、プレートの行または列に対応する文字または番号を表記し、それに直交する列または行ごとに、複数色に色分けしたことを特徴とする請求項１に記載の創薬用チューブピッキング補助具。

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