JP2007299264A - 一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定装置、位置判定方法、位置判定プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実数の閉区間で表される区間数を係数とする一変数実区間多項式〔実区間多項式F〕に対して、集合Z決定手段が、実区間多項式Fのエッジ多項式について、その実重複擬零点〔エッジ多項式に属する多項式の実重複零点〕全体の集合Zを求める。そして、集合MZR(F)決定手段が、実数全体の集合に対する集合Zの補集合における全ての実区間Jごとに、各実区間J上で任意に1点γを選択して、この点γを実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定し、これが存在する場合の点γを含む実区間Jと集合Zとの和集合をとったものを、実区間多項式Fの実重複擬零点〔実区間多項式Fに属する多項式の実重複零点〕全体の集合MZR(F)とする。
【選択図】図4
Description
・係数およびその誤差を複素数の範囲とする点
・重複零点を実とは限らない点
・誤差の範囲指定が係数ごとではなく、多項式のl2−ノルムとしている点
・重複零点の有無についての判定問題は扱えるが、重複零点となる数の集合の決定、即ち、係数誤差範囲内で多項式を動かしたときに、その重複零点となる数すべての集合を決定する問題は扱えない点
f(x)がx=αにおいて重複零点を持つ必要十分条件は、f(x)=f′(x)=0がx=αなる解を持つこと、すなわち、連立方程式(5)がx=αなる解を持つことである。なお、ここで記号「′」はxに関する微分を表す。
L. Zhi and W. Wu, "Nearest Singular Polynomials", Journal of Symbolic Computation, Vol.26, No.6, pp.667-675, 1998. H. J. Stetter, "The nearest polynomial with a given zero,and similar problems", ACM SIGSAM Bulletin, Vol.33, No.4, pp.2-4, 1999.
この目的を、より端的に説明する。
これに先立ち、この明細書における記号および用語の説明をする。
但し、記号については、説明の便宜等からそれまでの意味とは異なる意味で同じ記号を用いる場合があることに留意しておくこと。
また、ei(x)は、実数である係数が確定した多項式であり、恒等的に0ではないとする。
なお、多項式について、例えば実区間多項式F(x)を実区間多項式Fなどのように変数を略記して表すことがある。
《問題1》 与えられた実区間多項式Fおよび実の区間Iに対し、実区間I内に実区間多項式Fの実重複擬零点が存在するか否かを判定せよ。
《問題2》 与えられた実区間多項式Fに対し、MZR(F)を決定せよ。
このような構成は数学的な保証に基づくものであり、この詳細は後述する。
このような構成は数学的な保証に基づくものであり、この詳細は後述する。
これから、本発明における実区間多項式の実重複擬零点の位置判定の理論およびアルゴリズムを、図面を参照しながら説明する。なお、予め説明しておくと、本発明における「実区間多項式の実重複擬零点の位置判定」とは、実区間多項式の実重複擬零点の位置(座標)を特定することではなく、所定の領域に実区間多項式の実重複擬零点が存在するか否かに係わる判定および実区間多項式に対してMZR(F)を決定することである。換言すれば、実区間多項式の実重複擬零点が所定の領域に存在するか否か、および、MZR(F)の決定の意味において、実区間多項式の実重複擬零点の位置判定をすることになる。
以下では、説明の便宜から、ei(x)を有理数係数多項式の場合を例示して説明する。また、実代数的数として有理数を例にとって説明する。つまり、端点ui、hiを有理数としている。
問題1は、既述のとおり『与えられた実区間多項式Fおよび実の区間Iに対し、実区間I内に実区間多項式Fの実重複擬零点が存在するか否かを判定せよ』である。
<1>実区間I内で任意に選択した1点cについて、この点cが実区間多項式Fの実重複擬零点か否かを判定する。つまり、c∈Iを実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定する。点cが実重複擬零点ならば、問題1に対して「存在する」を解答として与える。点cが実重複擬零点でなければ、次の処理<2>を行う。
<2>実区間多項式Fのエッジ多項式に属する多項式であって、実区間I内に実重複零点を有する多項式が存在するか否かを判定する。このような多項式が存在すれば、問題1に対して「存在する」を解答として与える。このような多項式が存在しなければ、問題1に対して「存在しない」を解答として与える。
数学的表現を用いるならば、実区間多項式F、エッジ多項式E、要素エッジ多項式gとしたとき、これらはE⊂F、g∈Eなる関係にある。
まず、実区間I上で任意に選択した1点cについて、この点cを実重複零点とする多項式が実区間多項式F(x)に存在するならば(図1のステップS100参照。)、「実区間Iに実重複零点を有する多項式f(x)∈F(x)が存在する」ことが判明したことになり、「実区間I内に実区間多項式Fの実重複擬零点が存在する」ことが言えたことと同じである(図1のステップS103参照。)。つまり、問題1に解答を与えたことになる。
なお、『実区間I上で任意に選択した1点cについて、この点cを実重複零点とする多項式が実区間多項式F(x)に存在するか否か』の判定方法は後述の《凸包判定》で説明する。
この証明を以下に説明する。
ここで記号αを実区間I上の点を表すパラメータとして、f(α)およびf′(α)を式(11)の如く表記することにする。なお、上記では記号αを実重複零点としたが、ここでの説明では異なる定義であることに留意すること。
ここでα=dにおいて行列式(13)が0とすると、連立方程式の解が不定であるならば、pおよびqを解としたまま、少なくともその1つを区間数の端点となるまで動かすことができる。また、連立方程式の解が存在しないのであるならば、パラメータαが行列式(13)を0にする値に近付くとき、p、qのうち少なくとも一方は∞あるいは−∞に発散するから、その前に区間数の端点に達することとなる。これは、上記仮定:「実区間I上の点dを実重複零点とする多項式f(x)∈F(x)が存在するとして、多項式f(x)がエッジ多項式に属さない」と矛盾する。なお記号≡は「定義」を表す。
(i)pが区間数の端点に到達する。
(ii)qが区間数の端点に到達する。
(iii)行列式(13)が、α=α0において0になる。
なお、『エッジ多項式に属する多項式g(x)∈F(x)であって、その実重複零点が実区間I上にあるものが存在するか否か』の判定方法は後述の《エッジ多項式判定》で説明する。
補足説明では、行列式(13)が0となる点において、連立方程式(12)が不定となることを説明する。
ここで、np(α)、nq(α)を式(14)によって定義する。ここでのp、qは、上記と同様、2つ選択された区間数の端点に固定されていない係数を意味する。
(i)a1(α0)=a2(α0)=0の場合について。もしb1(α0)≠0ならば、行列式(13)から、連立方程式(12)の第2式は第1式のb2(α0)/b1(α0)倍となる。ここでb1(α0)≠0から、連立方程式(12)が不定であることがわかる。もしb1(α0)=0ならば、上記の準備からc1(α0)=0となり、連立方程式(12)は第2式のみとなる。このとき、b2(α0)=0ならば、やはり上記準備からc2(α0)=0となり、第2式もなくなる。b2(α0)≠0ならば第2式は残るが、解は不定である。
以上で《補足説明》は終わりである。
実区間I上の任意の1点cを選択して、この点cを実重複零点とする多項式が実区間多項式F(x)に存在するか否かを調べる方法について説明する。以下では、アルゴリズムを簡単かつ効率良くするため、エッジ多項式に限らない範囲で調べるとする。
式(8)で与えられる実区間多項式の区間数Ajを閉区間[uj,hj]で表したことに留意すると、閉区間[uj,hj]は、パラメータtj(0≦tj≦1なる実数)を用いて{(hj−uj)tj+uj}と表記することができる。パラメータtjは、閉区間の両端点uj、hjの内分比を表す。このとき、式(8)の実区間多項式F(x)は、上記区間数{(hj−uj)tj+uj}を各項の係数として式(18)のように表現され、各j(1≦j≦d、但しjは整数。)に対して係数がaj∈{(hj−uj)tj+uj}である多項式f(x)〔式(19)参照〕の全体の集合を表す。
なお、この操作は式(20)において、(hj−uj)Bjのx座標が負である場合に{(hj−uj)tj+uj}Bjを{(hj−uj)(1−tj)+uj}Bjと書き換え、(hj−uj)Bjのx座標が0かつy座標が負である場合に{(hj−uj)tj+uj}Bjを{(hj−uj)(1−tj)+uj}Bjと書き換えることと同じである。
(参考文献1) 関川浩、白柳潔著、「区間多項式の零点の所在について」、社団法人電子情報通信学会、電子情報通信学会論文誌A、Vol.J89-A、No.3、pp.199-216
具体的にはまず、平面のy軸の負の部分を除く平面の右半平面の領域〔−π/2<arg≦π/2、argは角度を表す。〕において、aj≠0を傾き〔arg(aj)=aj2/aj1、但し、aj1=0ならばaj1/aj2は∞とみなす。〕でソート(sort)する。つまり、位置ベクトルaj≠0がx軸となす角度arg(aj)を、−π/2<arg≦π/2で、小さい方から大きい方へと昇順に並び替える。但し、同じ傾きのものがあるときには、それらを全部足したものに置き換えたものを1つとしてソートする。例えば、ajおよびakの傾きが同じときには、aj,akの代わりに、aj+akを対象としてソートする。なぜなら、傾きが同じ位置ベクトルajおよび位置ベクトルakの各終点は平面上において凸包の頂点となりえないからである(凸包の頂点の可能性があるのは、同じ傾きのものを全てベクトル加算した点である。)。このソートの結果を位置ベクトルp1,・・・,pmとする。なお、mはd+1より小さいことがあることに留意すること。
つまり、式(23)の全体のなす凸包の平面における頂点座標は、反時計回りに式(24)で与えられる位置ベクトルvi(0≦i≦2m−1)の終点として表される〔複素平面の場合について参考文献1参照。〕。
以上で《凸包判定》の説明は終わりである。
エッジ多項式に属する多項式g(x)∈F(x)であって、その実重複零点が実区間I上にあるものが存在するか否かを調べる方法について説明する。
ここでは説明の便宜から、j番目の係数を除いて係数が区間数の端点に固定されているエッジ多項式EをAjej(x)+r(x)と表現する〔式(10)参照。但し、既述のとおり、j番目の係数を除いて係数が区間数の端点に固定されているエッジ多項式Eにおいてr(x)には最多2d−1本の多項式が考えられることに留意すること。〕。さらに表現を簡略なものとするため、j番目の係数を除いて係数が区間数の端点に固定されていないことを前提としてインデックスjを明記しないことにする。但し、区間数A=[u,h](=Aj)である。
〈1〉
x=c∈Iでe(c)=e′(c)=0の場合に、連立方程式(26)が解を持つ必要十分条件は、r(c)=r′(c)=0である。連立方程式(26)が解を持つとき、任意の実数tが解となる。換言すると、w(x)=gcd(e(x),r(x),e′(x),r′(x))としたとき、w(x)が実区間Iに零点ρを有するならば、必ずu≦t≦hが成立する。つまり、w(x)が実区間Iに零点ρを有するならば、「要素エッジ多項式g(x)∈Eであって、その実重複零点が実区間I上にあるものが存在する」と云える。w(x)が実区間Iに零点を有するか否かはSturmの定理に基づくアルゴリズムなどで判定可能である。Sturmの定理については、参考文献2を参照のこと。
(参考文献2) 高木貞治著、「代数学講義(改訂新版)」、共立出版、1965.
tが区間数の端点uまたはhに固定されている場合。ηをuまたはhとすると、t=ηとした連立方程式(26)の解xがx∈Iであるかを判定すればよい。換言すると、上記〈1〉においてw(x)が実区間Iに零点を有しないとき、式(27)で表される多項式wη(x)が実区間Iに零点ξηを有するか否かをSturmの定理に基づくアルゴリズムなどで判定すればよい。なお、式(27)においてw(x)を除数としているのは、上記〈1〉を経たことに拠る計算効率化のためである。多項式wη(x)が実区間Iに零点を有するならば、「要素エッジ多項式g(x)∈Eであって、その実重複零点が実区間I上にあるものが存在する」と云える。
x=c∈Iでe(c)≠0かつe′(c)≠0の場合に、連立方程式(26)が解を持つ必要十分条件は、P(c)=0である。連立方程式(26)が解を持つとき、解はちょうど一つでt=Q(c)/R(c)である。
つまるところ、上記〈2〉において多項式wu(x)および多項式wh(x)が実区間Iに零点を有しないとき、式(28)で表されるP1(x)が実区間Iに零点ζを有するか否かをSturmの定理に基づくアルゴリズムなどで判定し、さらにu<Q(ζ)/R(ζ)<hの成立を判定すればよい。Q(ζ)/R(ζ)については上記〈2〉を経ることでQ(ζ)/R(ζ)=ηとなることがないから、u<Q(ζ)/R(ζ)<hの成立を判定すればよく、これは十分に精度を上げた誤差解析付の近似計算、例えば、区間計算で判定可能である。
なお、式(28)において多項式wu(x)、多項式wh(x)、gcd(e(x),e′(x))を除数としているのは、上記〈1〉および〈2〉を経たことに拠る計算効率化のためである。P1(x)が実区間Iに零点ζを有し、かつ、u<Q(ζ)/R(ζ)<hが成立するならば、「要素エッジ多項式g(x)∈Eであって、その実重複零点が実区間I上にあるものが存在する」と云える。P1(x)が実区間Iに零点ζを有さず、あるいは、u<Q(ζ)/R(ζ)<hが成立しないならば、「少なくとも、いま与えられているエッジ多項式について、その実重複擬零点が実区間I上に存在しない」ことが云える。
以上で《エッジ多項式判定》の説明は終わりである。
問題2は、既述のとおり『与えられた実区間多項式Fに対し、その実重複擬零点全体の集合MZR(F)を決定せよ』である。
まず、エッジ多項式判定における処理〈1〉〜〈3〉で説明したことから、下記のことが云える。
点cがエッジ多項式Eに属する任意の要素エッジ多項式の実重複零点となる必要十分条件は、多項式w(c)=0となることである。但し、w(x)=gcd(ej(x),r(x),e′j(x),r′(x))である。
点cがエッジ多項式Eに属する要素エッジ多項式ujej(x)+r(x)に対してのみ実重複零点となる必要十分条件は、多項式wu(c)=0となることである〔式(29)参照。〕。
点cがエッジ多項式Eに属する要素エッジ多項式hjej(x)+r(x)に対してのみ実重複零点となる必要十分条件は、多項式wh(c)=0となることである〔式(30)参照。〕。
点cがちょうど一本の要素エッジ多項式φej(x)+r(x)∈E〔但し、φは開区間(uj,hj)に属する。〕の実重複零点となる必要十分条件は、P1(c)=0かつQ(c)/R(c)∈(uj,hj)が成り立つことである〔式(31)参照。〕。
なお、P(x)=ej(x)r′(x)−e′j(x)r(x)が恒等的に0ではないのならば、エッジ多項式の実重複擬零点は有限個の点となることに留意すること〔∵P(c)=0となることが必要条件なので。〕。
§1.
まず、最後の「もし、ej(x)r′(x)−e′j(x)r(x)≠0ならば、MZR(E)は有限集合である。」については、次のとおりである。
上記(エ)で、尚書きで説明したとおり、P(x)=ej(x)r′(x)−e′j(x)r(x)が恒等的に0ではないならば、実数cがMZR(E)に入る必要条件はP(c)=0となることであるところ、P(c)=0を満たすcは有限個しかない。従って、MZR(E)は有限集合である。
次に、「MZR(E)は有限個の閉区間の和集合となる。」について。「P(x)が恒等的に0」ではない場合は、1.で証明済みなので、以下、「P(x)は恒等的に0」と仮定する。
上記(ア)〜(ウ)を経ることで、多項式w(x)、多項式wu(x)、多項式wu(x)の全実零点を求め、この集合をSZと表記する。なお、既述のとおりej(x)を恒等的に0ではないとしたことから、多項式w(x)は恒等的に0にならないが、多項式wu(x)、多項式wu(x)は恒等的に0になる場合がありえる〔例えば、r(x)=0かつu=0の場合などである。〕。この場合は実数全体の集合RがMZR(E)となるから、ここではこのような場合を除くとする。多項式w(x)、多項式wu(x)、多項式wu(x)の全実零点は、Sturmの定理に基づくアルゴリズムなどによって求めることができる。
集合SZにおいては、エッジ多項式Eは実重複擬零点を有し、それ以外の点で、もしエッジ多項式Eが実重複擬零点を有する場合、式(26)のtはただ1つに決まり、しかもujともhjとも異なる。
以下、集合SZの要素をα1<α2<・・・<αmと表記する。
開区間(αi,αi+1)の点は、すべてMZR(E)に属する、あるいは、1つもMZR(E)に属さない、のいずれかになる。換言すれば、開区間(αi,αi+1)はMZR(E)の部分集合となる、あるいは、MZR(E)とはまったく共通部分を持たない、のいずれかである。
この事実を、叙述して示す。なお、以下では添え字jを略する。
『e(c)=e′(c)=0かつc∈(αi,αi+1)ならばR(c)=0』を云う。
もし、e(c)=e′(c)=0となる点cが開区間(αi,αi+1)内にあれば、上記(ア)を経たことから、このような点は集合SZに含まれているから、r(c)≠0またはr′(c)≠0である。
r(c)≠0の場合、r(x)はx−cでは割り切れず、一方、e(c)=0からe(x)はx−cで割り切れるから、R(x)はx−cで割り切れる。つまり、R(c)=0である。
r(c)=0かつr′(c)≠0の場合、r(x)はx−cで割り切れるが、(x−c)2では割り切れない。一方、e(c)=e′(c)=0であるから、e(x)は(x−c)2で割り切れるから、R(x)はx−cで割り切れる。つまり、この場合もR(c)=0である。
『開区間(αi,αi+1)内の1点cに対してu<Q(c)/R(c)<hならば、開区間(αi,αi+1)内の任意の1点dに対してもu<Q(d)/R(d)<hが成立する』を云う。
開区間(αi,αi+1)内の1点cに対してR(c)≠0ならば、§2.1で説明したことから、(e(c),e′(c))≠(0,0)である。このcに対して、u<Q(c)/R(c)<hならば、任意の点d∈(αi,αi+1)に対して、(e(d),e′(d))≠(0,0)である。しかも、R(d)≠0かつu<Q(d)/R(d)<hとなる。
このことを背理法で示す。
まず、R(x)の零点が開区間(αi,αi+1)内にある場合、そのうち、cに一番近いものをdとする。R(c)≠0より「R(x)は恒等的に0」ではないから、区間(c,d)〔あるいは、区間(d,c)〕において、Q(x)/R(x)はxの連続関数である。しかも、Q(x)およびR(x)は互いに素に取ってあるから、Q(d)≠0である。よって、xがdに近づくとき、Q(x)/R(x)の絶対値はいくらでも大きくなる。従って、中間値の定理から、Q(x)/R(x)がuまたはhに等しくなる点が区間(c,d)〔あるいは、区間(d,c)〕に、即ち、開区間(αi,αi+1)の中に存在することになる。これは、開区間(αi,αi+1)の取り方に矛盾する〔このような点は、すでに上記(ア)〜(ウ)の処理で集合SZに取り込み済みで、開区間(αi,αi+1)の中には存在しない。)。
次に、R(x)の零点が開区間(αi,αi+1)内に無い場合は、Q(x)/R(x)がu以下あるいはh以上となる点dが開区間(αi,αi+1)内に存在したと仮定する。まず、開区間(αi,αi+1)の取り方から、Q(x)/R(x)がuあるいはhとなる点は開区間(αi,αi+1)内には存在しないから、Q(d)/R(d)がuより小さいかあるいはhよりも大きいかのどちらかである。よって、区間(c,d)〔あるいは、区間(d,c)〕に中間値の定理を適用すれば、Q(x)/R(x)がuまたはhに等しくなる点が区間(c,d)〔あるいは、区間(d,c)〕に、即ち、開区間(αi,αi+1)の中に存在することになり、開区間(αi,αi+1)の取り方に矛盾する。
『開区間(αi,αi+1)内の1点cに対してQ(c)/R(c)<uあるいはh<Q(c)/R(c)ならば、開区間(αi,αi+1)内にはu≦Q(d)/R(d)≦hとなる点は存在しない』を云う。
u≦Q(d)/R(d)≦hとなる点dが開区間(αi,αi+1)内に存在したと仮定する。もし、開区間(αi,αi+1)内にR(x)の零点が存在しないならば、§2.2と同様な議論で、Q(x)/R(x)がuまたはhに等しくなる点は、開区間(αi,αi+1)内には存在しないから、Q(d)/R(d)がuより小さいかあるいはhよりも大きいかのどちらかである。区間(c,d)〔あるいは、区間(d,c)〕に中間値の定理を適用すれば、Q(x)/R(x)がuまたはhに等しくなる点が区間(c,d)〔あるいは、区間(d,c)〕に、即ち、開区間(αi,αi+1)の中に存在することになり、開区間(αi,αi+1)の取り方に矛盾する。
もし、開区間(αi,αi+1)内にR(x)の零点が存在したならば、そのうちdに一番近いものd′を取れば、§2.2と同じ議論によって、やはりQ(x)/R(x)がuまたはhに等しくなる点が区間(c,d)〔あるいは、区間(d,c)〕に、即ち、開区間(αi,αi+1)の中に存在することになり、開区間(αi,αi+1)の取り方に矛盾する。
以上から、開区間(αi,αi+1)はMZR(E)の部分集合となる、あるいは、MZR(E)とはまったく共通部分を持たない、のいずれかが示せた。
なお、開区間(αi,αi+1)で任意に選択された1点βについて、u<Q(β)/R(β)<hの成立を調べることで、上記いずれが成立しているかを判定できる。
以上で《定理2の証明》は終わりである。
即ち、『実区間多項式Fと、実区間Jに対し、実区間多項式Fの全てのエッジ多項式は実区間J内に実重複擬零点を有さないと仮定する。このとき、実区間Jの閉包の全ての点が実区間多項式Fの実重複擬零点であるか、あるいは、実区間Jのどの点も実区間多項式Fの実重複擬零点ではないか、のどちらかが成り立つ。』・・・(定理3)ことが云える。
実区間Jに属する2点α、βについて,αは実区間多項式Fの実重複擬零点だが、βは実重複擬零点でないと仮定する。すると、定理1から、実区間多項式Fのエッジ多項式Eの中に、MZR(E)∩Jは空集合ではないものが存在する。これは、「実区間多項式Fの全てのエッジ多項式は実区間J内に実重複擬零点を持たない」という仮定に矛盾する。つまり、(1)実区間JはMZR(F)の部分集合である、(2)実区間JとMZR(F)の共通部分は空集合である、のいずれかとなる、(2)の場合および(1)で実区間Jが閉区間のときにはこれで証明できたことになる。
従って、(1)で実区間Jが閉区間ではないとき、つまり、a<bであって、J=(a,b)、[a,b)、(a,b]の場合を考える。どれでも証明は同じなので、端点aが実区間Jに含まれない場合を示す。このとき、K={a}∪J、つまり、J=(a,b)のときK=[a,b)、J=(a,b]のときK=[a,b]とする。定理1をKに対して適用する。もし端点aが実区間多項式Fの実重複擬零点ではないとすると、実区間多項式Fのエッジ多項式Eであって、Kに実重複擬零点を持つものが存在することになる。ところが、端点aは実区間多項式Fの実重複擬零点ではないので、当然、エッジ多項式の実重複擬零点でもない。よって、実区間Jに実重複擬零点を持つものが存在することになる。これは上記仮定に矛盾する。
以上で《定理3の証明》は終わりである。
まず、実区間多項式Fの全てのエッジ多項式について、その実重複擬零点全体の集合Zを求める〔集合Z決定処理〕(図4のステップS200参照。)。集合Zは、有限個の閉区間の和集合MZR(E)の和集合をとったものとして求めることができる。即ちZ=∪MZR(E)〔エッジ多項式Eは、実区間多項式Fの全てのエッジ多項式を渡る。〕である〔記号∪は和集合を表す。〕。
次いで、集合Zの補集合〔但し、全体集合は実数全体の集合Rとする。〕の各実区間について〔集合Zの補集合は、有限個の開区間の和集合となるから、各開区間をJとする。〕、実区間J上の任意の1点γを選択し、この点γを実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定する〔この判定は既述の凸包判定を用いて可能である。〕。これが存在する場合には、点γを含む実区間Jと集合Zとの和集合をとったものを新たな集合Zに置き換える〔MZR(F)決定処理〕(図4のステップS201参照。)。なお、集合Zが実数全体の集合Rの場合には、集合Rが集合MZR(F)となる。
この結果、得られた集合ZがMZR(F)である。
ここでは、以上の定理等に基づく集合Z=∪MZR(E)を求めるの処理フローを一例として図5および図6に示す。なお、図3および図3に係わる説明も参照のこと。
なお、集合Zの初期値および集合MZR(E)の各初期値は空集合とする。
また、i=1かつm≧1かつuj<Q(βi)/R(βi)<hjが成立しない場合は、続いてステップS623の処理を行う。
以上で《集合Z決定処理》の説明は終わりである。
続いて、以上のアルゴリズムに基づく集合MZR(F)を求めるの処理フローを一例として図7に示す。
なお、集合Zの初期値は集合Z決定処理で得られた集合であることに留意すること。
また、i=1かつm≧1かつ『γiが実区間多項式Fの実重複擬零点である』が成立しない場合は、続いてステップS708の処理を行う。
以上で《MZR(F)決定処理》の説明は終わりである。
Sturmの定理に基づくアルゴリズムの適用について概説する。
係数が確定した実係数多項式H(s)について、多項式の列H0(s)、H1(s)、H2(s)、・・・、Hr(s)を生成する。但し、これらの多項式の列は、次の規則に従って生成する。H0(s)=H(s)、H1(s)=dH(s)/ds〔sに関する1階微分である。ライプニッツ記法〕、Hk−1(s)をHk(s)で割った剰余多項式を(符号を変えて)−Hk+1(s)とする。つまり、商の多項式をQk(s)と表すと、Hk−1(s)=Hk(s)Qk(s)−Hk+1(s)の関係が成立する。また、Hr−1(s)は、Hr(s)で割り切れる。つまり、商の多項式をQr(s)と表すと、Hr−1(s)=Hr(s)Qr(s)の関係が成立する。このとき、S=[a,b]において、H0(a)、H1(a)、H2(a)、・・・、Hr(a)における正負の符号変化の回数をw(a)で表し、H0(b)、H1(b)、H2(b)、・・・、Hr(b)における正負の符号変化の回数をw(b)で表すとすると、区間S=[a,b]におけるH(s)の零点の個数は、w(a)−w(b)である。なお、ここでは、区間S=[a,b]のa、bは共にH(s)の零点ではないとする(零点であれば、個数を表す式が少し変わるが、本発明においては本質的な部分ではないので略する。)。w(a)−w(b)=0であれば零点が存在しないことが判明し、w(a)−w(b)≠0であれば零点が存在することが判明する。区間S=[a,b]を十分に狭くとることで実零点の所在を決定できる。
以上で《Sturmの定理に基づくアルゴリズム》の概説は終わりである。
以下に、本発明の第1実施形態を説明する。第1実施形態は、実区間多項式Fの実重複擬零点が実区間Iに存在するか否かに係わる。
図8は、本実施形態に係わる実重複擬零点位置判定装置(1)のハードウェア構成を例示した構成ブロック図である。
概略を示すと、選択点多項式判定部(141)は、メモリ(20)と協働しながら、次のような動作をする。つまり、実区間I上で任意に1点αを選択し、この点αを実区間多項式F(x)および実区間多項式F(x)を1階微分したものに代入して式(22)の如く式変形を行う。式(22)の左辺で表される点全体の凸包に式(22)の右辺の点が入るかを判定し、その判定結果を得る。判定結果は、「点αを実重複零点とする多項式が実区間多項式F(x)に存在する」あるいは「点αを実重複零点とする多項式が実区間多項式F(x)に存在しない」を表す情報Θである。
概略を示すと、エッジ多項式判定部(142)は、メモリ(20)と協働しながら、区間数Ajに対するエッジ多項式について次のような動作をする。つまり、多項式w(x)、多項式wu(x)、多項式wu(x)について各実零点が、実区間Iに属するか否かを判定し、その判定結果を得る。判定結果は、「実区間I上に実重複零点を有する要素エッジ多項式が存在する」あるいは「実区間I上に実重複零点を有する要素エッジ多項式が存在しない」を表す情報Γである。判定結果情報Γが「実区間I上に実重複零点を有する要素エッジ多項式が存在する」場合には、エッジ多項式判定部(142)はエッジ多項式判定処理を終了してよい。判定結果情報Γが「実区間I上に実重複零点を有する要素エッジ多項式が存在しない」場合には、多項式P、既約有理式Q/Rを求め、多項式Pが恒等的に0か否かを判定する。多項式Pが恒等的に0であるならばβ∈IについてQ(β)/R(β)∈IE〔IEは、エッジ多項式において端点に固定されていない係数の区間数(但し、端点を除く。)を表す。上記説明では、開区間(u,h)に対応する。〕の成否を判定し、これが成立するならば「実区間I上に実重複零点を有する要素エッジ多項式が存在する」を表す情報Γを得る。多項式Pが恒等的に0でないならば多項式P1を求め、多項式P1の実零点ζについて、ζ∈IかつQ(ζ)/R(ζ)∈IEの成否を判定し、これが成立するならば「実区間I上に実重複零点を有する要素エッジ多項式が存在する」を表す情報Γを得る。いずれのエッジ多項式について上記所定の判定を満足しなかった場合は、「実区間I上に実重複零点を有する要素エッジ多項式が存在しない」を表す情報Γを得る。
以下に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、実区間多項式Fの実重複擬零点全体の集合MZR(F)の決定に係わる。なお、第1実施形態と第2実施形態は両立するから、コンピュータに両者を実装することができる。ここでは説明の便宜から、実区間多項式Fの実重複擬零点全体の集合MZR(F)の決定を第2実施形態としている。
第2実施形態に係わる実重複擬零点位置判定装置(1)〔以下、単に実重複擬零点位置判定装置(1)ということにする。〕のハードウェア構成等は第1実施形態と同様であるから、第2実施形態の本質部分について説明を加える。
概略を示すと、集合Z決定部(145)は、メモリ(20)と協働しながら、区間数Ajに対するエッジ多項式について次のような動作をする。つまり、多項式w(x)、多項式wu(x)、多項式wu(x)について全実零点集合の和集合SZを求める。なお、多項式wu(x)、多項式wu(x)についていずれかが恒等的に0ならば集合Zは実数全体の集合Rとして集合Z決定処理を終了してよい。多項式P、既約有理式Q/Rを求め、多項式Pが恒等的に0か否かを判定する。多項式Pが恒等的に0ならば、集合SZの各要素を挟むようにとった各点βについて、Q(β)/R(β)∈IE〔IEは、エッジ多項式において端点に固定されていない係数の区間数(但し、端点を除く。)を表す。上記説明では、開区間(u,h)に対応する。〕の成否を判定し、これが成立するならば、点βに応じた区間を集合SZに加える〔以下、集合と集合との和集合をとることを「加える」と表現する。〕。なお、集合SZの要素が1つも無い場合には、1点βについてQ(β)/R(β)∈IEの成否を判定し、これが成立するならば、集合Zは実数全体の集合Rとして集合Z決定処理を終了してよい。多項式Pが恒等的に0でないならば、多項式P1を求め、多項式P1の全実零点ζSについて、ζS∈IかつQ(ζ)/R(ζ)∈IEの成否を判定し、これが成立するならば、{ζS}を集合SZに加える。エッジ多項式ごとに得られた集合SZの和集合を集合MZR(E)とし、エッジ多項式ごとに得られた集合MZR(E)の和集合を集合Zとする。
概略を示すと、集合MZR(F)決定部(146)は、メモリ(20)と協働しながら、次のような動作をする。つまり、まず、集合Zが実数全体の集合Rであるならば、集合MZR(F)は集合Rであるとして集合MZR(F)決定処理を終了してよい。集合Zが実数全体の集合Rでないならば、集合Zを区間の和集合として書き表し、集合Zの補集合における全ての実区間Jについて、各実区間J上で任意に1点γを選択する。点γを実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定し〔凸包判定を用いればよい。〕、これが存在する場合には点γを含む実区間Jを集合Zに加えることで集合MZR(F)を得る。
E1=e1(x)+[−2-23,0]e2(x)
E2=e1(x)+[−2-23,0]e2(x)+2-16e3(x)
E3=e1(x)−2-23e2(x)+[0,2-16]e3(x)
E4=e1(x)+[0,2-16]e3(x)
α11=10.328…,α12=12.388…,α13=14.451…,
α14=16.524…,α15=18.619…
α31=9.313…,α32=10.292…,α33=19.811…
α41=9.307…,α42=11.365…,α43=13.426…,
α44=15.493…,α45=17.573…,α46=19.694…
α41<α31<α32<α11<α42<α12<α43<α13<α44<α14<α45<α15<α46<α33
γ1=0,γ2=9.31,γ3=10,γ4=10.3,γ5=11,
γ6=12,γ7=13, γ8=14,γ9=15, γ10=16,
γ11=17,γ12=18, γ13=19,γ14=19.8,γ15=20
Z=[α41,α31]∪[α32,α11]∪[α42,α12]∪[α43,α13]∪[α44,α14]∪[α45,α15]∪[α46,α33]
α1=−1.00012…, α2=−1.00006…,
α3=−0.99993741…,α4=−0.999937407…,
α5=−0.9998…
Z=[α1,α1]∪[α2,α2]∪[α3,α3]∪[α4,α4]∪[α5,α5]
E1=144e1(x)+εe2(x)+[−ε,ε]e3(x)−εe4(x)
E2=144e1(x)+εe2(x)+εe3(x)+[−ε,ε]e4(x)
E3=144e1(x)−εe2(x)−εe3(x)+[−ε,ε]e4(x)
E4=144e1(x)+[−ε,ε]e2(x)+εe3(x)+εe4(x)
E5=144e1(x)−εe2(x)+[−ε,ε]e3(x)+εe4(x)
γ1=−2,γ2=−1.0001,γ3=−1,γ4=−0.9999374,γ5=−0.9999,γ6=0
141 選択点多項式判定部
142 エッジ多項式判定部
145 集合Z決定部
146 集合MZR(F)決定部
190 制御部
Claims (12)
- 実数の閉区間で表される区間数を係数とする一変数実区間多項式〔以下、「実区間多項式F」という。〕および実区間Iを記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶される実区間I上で任意に1点〔以下、「選択点」という。〕を選択し、この選択点を実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定する選択点多項式判定手段と、
記憶手段に記憶される実区間I上に実重複零点を有し且つエッジ多項式〔実区間多項式Fの1つの係数を除いた係数が区間数の端点となっている実区間多項式の集合〕に属する多項式が存在するか否かを判定するエッジ多項式判定手段と
を備えた一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定装置。 - 実数の閉区間で表される区間数を係数とする一変数実区間多項式〔以下、「実区間多項式F」という。〕を記憶する記憶手段と、
実区間多項式Fのエッジ多項式〔実区間多項式Fの1つの係数を除いた係数が区間数の端点となっている実区間多項式の集合〕について、その実重複擬零点〔エッジ多項式に属する多項式の実重複零点〕全体の集合Zを求める集合Z決定手段と、
実数全体の集合に対する集合Zの補集合における全ての実区間Jごとに、各実区間J上で任意に1点γを選択して、この点γを実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定し、これが存在する場合の点γを含む実区間Jと集合Zとの和集合をとったものを、実区間多項式Fの実重複擬零点〔実区間多項式Fに属する多項式の実重複零点〕全体の集合MZR(F)とする集合MZR(F)決定手段と
を備えた一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定装置。 - 記憶手段には、実数の閉区間で表される区間数を係数とする一変数実区間多項式〔以下、「実区間多項式F」という。〕および実区間Iが記憶され、
選択点多項式判定手段が、記憶手段に記憶される実区間I上で任意に1点〔以下、「選択点」という。〕を選択し、この選択点を実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定する選択点多項式判定ステップと、
エッジ多項式判定手段が、選択点多項式判定ステップにおいて選択点を実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在しないと判定された場合に、記憶手段に記憶される実区間I上に実重複零点を有し且つエッジ多項式〔実区間多項式Fの1つの係数を除いた係数が区間数の端点となっている実区間多項式の集合〕に属する多項式が存在するか否かを判定するエッジ多項式判定ステップと
を有する一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法。 - 実区間多項式Fの各区間数をそれぞれの両端点および内分比で表すとして、
上記選択点多項式判定ステップは、
選択点を実区間多項式Fおよび実区間多項式Fを変数で1階微分したものに代入した連立方程式について、内分比に関する連立方程式の解を位置ベクトルの終点〔以下、「点」という。〕と見立てて、各区間数ごとに内分比を含む項(内分比項)と含まない項(非内分比項)に分け、内分比項の和で定まる点全体の凸包に、非内分比項の和で定まる点が入るか否かの判定をすることによって、選択点を実重複零点に有する多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定するものである
請求項3に記載の一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法。 - 上記エッジ多項式判定ステップは、
実区間多項式Fおよび実区間多項式Fを変数で1階微分したものの連立方程式について、その解の存在条件に基づいて得られる多項式の零点が実区間Iに属するか否かを判定するステップを含む
請求項3または請求項4に記載の一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法。 - 上記エッジ多項式判定ステップは、
実区間多項式Fおよび実区間多項式Fを変数で1階微分したものの連立方程式について、その解の存在条件に基づいて得られる多項式の零点において、当該解がエッジ多項式において端点に固定されていない係数である区間数に属するか否かを判定するステップを含む
請求項5に記載の一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法。 - 記憶手段には、実数の閉区間で表される区間数を係数とする一変数実区間多項式〔以下、「実区間多項式F」という。〕が記憶され、
集合Z決定手段が、実区間多項式Fのエッジ多項式〔実区間多項式Fの1つの係数を除いた係数が区間数の端点となっている実区間多項式の集合〕について、その実重複擬零点〔エッジ多項式に属する多項式の実重複零点〕全体の集合Zを求める集合Z決定ステップと、
集合MZR(F)決定手段が、実数全体の集合に対する集合Zの補集合における全ての実区間Jごとに、各実区間J上で任意に1点γを選択して、この点γを実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定し、これが存在する場合の点γを含む実区間Jと集合Zとの和集合をとったものを、実区間多項式Fの実重複擬零点〔実区間多項式Fに属する多項式の実重複零点〕全体の集合MZR(F)とする集合MZR(F)決定ステップと
を有する一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法。 - 上記集合Z決定ステップは、
実区間多項式Fおよび実区間多項式Fを変数で1階微分したものの連立方程式について、その解の存在条件に基づいて得られる多項式の零点の集合SZを求めるステップを含む
請求項7に記載の一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法。 - 上記集合Z決定ステップは、
実区間多項式Fおよび実区間多項式Fを変数で1階微分したものの連立方程式について、その解の存在条件に基づいて得られる多項式の零点において、当該解がエッジ多項式において端点に固定されていない係数である区間数に属する場合に、当該零点あるいは当該零点を含む実区間を集合SZに加えるステップを含む
請求項8に記載の一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法。 - 上記集合MZR(F)決定ステップにおいて、点γを実重複零点とする多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定は、
実区間多項式Fの各区間数をそれぞれの両端点および内分比で表すとして、点γを実区間多項式Fおよび実区間多項式Fを変数で1階微分したものに代入した連立方程式について、内分比に関する連立方程式の解を位置ベクトルの終点〔以下、「点」という。〕と見立てて、各区間数ごとに内分比を含む項(内分比項)と含まない項(非内分比項)に分け、内分比項の和で定まる点全体の凸包に、非内分比項の和で定まる点が入るか否かの判定をすることによって、点γを実重複零点に有する多項式が実区間多項式Fに存在するか否かを判定するものである
請求項7から請求項9のいずれかに記載の一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法。 - コンピュータに請求項3から請求項10のいずれかに記載の一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定方法を実行させるための、一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定プログラム。
- 請求項11に記載の、一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006127588A JP2007299264A (ja) | 2006-05-01 | 2006-05-01 | 一変数実区間多項式の実重複擬零点の位置判定装置、位置判定方法、位置判定プログラムおよび記録媒体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009140442A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-06-25 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 多項式間距離算出装置、方法および記録媒体、一変数最近実多項式算出装置、方法および記録媒体 |
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2006
- 2006-05-01 JP JP2006127588A patent/JP2007299264A/ja active Pending
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