JP2007294893A - フィルム回路基板の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

フィルム回路基板の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エレクトロニクス製品の軽量化、小型化に伴う回路パターンの高精度化にあたり、COF技術におけるリールツーリール方式の製造装置に対応した短冊状の枚葉可撓性フィルム回路基板を繋ぎ合わせて長尺化するフィルム回路基板において、繋ぎ不良が発生してもリペア可能で安定した繋ぎ方法が希求されている。
【解決手段】回路パターンを有する枚葉可撓性フィルム回路基板を複数順次整列させ、隣り合う枚葉可撓性フィルム回路基板を接着層を用いて逐次繋ぎ合わせるフィルム回路基板の製造方法であって、接着層を搬送方向に対して上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の下流側短辺側端部に形成し、隣り合う搬送方向に対して下流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の上流側短辺側端部を上流にある可撓性フィルム回路基板の下流側短辺側端部に形成された接着層を挟むように重ねて加熱加圧させることで繋ぎ合わせることを特徴とするフィルム回路基板の製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体素子等を搭載する電子回路基板に用いられるフィルム回路基板の製造方法およびその製造装置に関する。
エレクトロニクス製品の軽量化、小型化に伴い、プリント回路基板のパターニングの高精度化が求められている。可撓性フィルム回路基板は、曲げることができるために三次元配線ができ、エレクトロニクス製品の小型化に適していることから需要が拡大している。
液晶ディスプレイパネルへのIC接続に用いられるCOF(Chip on Film)技術は、比較的細幅の長尺ポリイミドフィルム基板を加工することで樹脂基板としては最高の微細パターンを得ることができるが、微細化の進展に関しては限界に近づきつつある。
微細化にはライン幅やライン間のスペース幅で表される指標と基板上のパターンの位置で表される指標がある。ライン幅やスペース幅に関しては、さらに微細化する方策があるが、後者の指標である位置精度は、回路基板とICなどの電子部品を接合する際の電極パッドと回路基板パターンとの位置合わせに係わり、ICの多ピン化の進展に従い、要求される精度に対応することが厳しくなってきている。
これに対して、近年、可撓性フィルム回路基板を補強板に貼り合わせ、寸法精度を維持することで、非常に微細な回路パターンを形成することが提案されている(特許文献1参照)。可撓性フィルム回路基板は、回路パターンが形成後、補強板から剥がされて使用される。前記提案は、主に枚葉型補強板を用いており、回路パターンが形成された可撓性フィルム回路基板も枚葉である。一方、現行のCOF技術においては、電子部品接続、テスト、LCDパネルとの接続など、回路パターンが形成された可撓性フィルム回路基板の取り扱いは、枚葉と長尺の両方のケースがあるが、長尺化フィルムをリールツーリールで取り扱うケースが多い。
長尺化フィルムを使った回路基板製造装置の連続稼働を図るために、先行する長尺化フィルム回路基板の末端に、新たな長尺化フィルム回路基板の先端を接続する場合があり、先行する長尺化フィルム回路基板末端と新たな長尺化フィルム回路基板先端を粘着テープで貼り合わせて繋ぎ合わせる。このとき、繋ぎ強度を大きくしその後の製造工程で変形や破損が発生しないように、繋ぎ合わせ部分に認識マークを設けておき、加熱工程においては、繋ぎ合わせ部分をスキップして粘着テープが熱によって剥がれないようにすることが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この技術では、繋ぎ合わせ部分のみならず繋ぎ合わせ部分前後のフィルム回路基板が無駄になるという問題がある。
また、先行する長尺化フィルム回路基板の末端と新たな長尺化フィルム回路基板の先端にそれぞれ凹部と凸部を形成し、凸部が凹部に挟み込まれるように突き合わせた後、凹部凸部を覆うように粘着テープを貼り合わせることが提案されている(特許文献3参照)。この技術によると繋ぎ合わせにより製品として使えなくなる部分は、前述の提案に比べて短くできるが、あらかじめ繋ぎ合わせ部分に凹凸形状を形成しておく必要があり、金型等を用いた打ち抜き工程が付加される課題がある。
先行する長尺化フィルム回路基板の末端とそれに続く長尺化フィルム回路基板の先端のつなぎ合わせ以外に、長尺化フィルム上に作製された回路パターン群に不良が集中して発生した場合、その部分を切り取り、切り取った部分の両側を繋ぎ合わせることで、その後の工程の作業効率を低下させないようにすることがある。切り取った部分の両側端部を突き合わせて梯子型の繋ぎ合わせ用部材を貼り合わせて固定し、さらに、繋ぎ合わせ用部材に送り孔を穿孔するとともに連結用部材と長尺フィルム回路基板を同時にかしめて繋ぎ合わせ強度を高くする方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この技術では、熱可塑性の繋ぎ合わせ用部材が必要であり、その後の工程において、樹脂モールドやはんだリフローなどの加熱工程がある場合には実施が難しい。
国際公開第03/009657号パンフレット(第2頁) 特開2000−25709号公報(第46段落、第80段落) 特開2005−45233号公報(第16段落) 特開平4−127549号公報(第2頁)
本発明の目的は、特に高精度の回路基板であって、リールツーリール方式設備を最大限に利用し、繋ぎ不良が発生してもリペア可能で引張強度が安定した繋ぎができるフィルム回路基板の製造方法と製造装置を提供することにある。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)回路パターンを有する枚葉可撓性フィルム回路基板を複数順次整列させ、隣り合う枚葉可撓性フィルム回路基板を接着層を用いて逐次繋ぎ合わせるフィルム回路基板の製造方法であって、接着層を搬送方向に対して上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の下流側短辺側端部に形成し、隣り合う搬送方向に対して下流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の上流側短辺側端部を上流にある可撓性フィルム回路基板の下流側短辺側端部に形成された接着層を挟むように重ねて加熱加圧させることで繋ぎ合わせることを特徴とするフィルム回路基板の製造方法。
(2)下流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の重ね合わせ部分に回路パターンがあり、上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部に形成された接着層を挟むように重ねた後、回路パターンが形成されていない枚葉可撓性フィルム回路基板の短辺端部側から加熱する上記(1)のフィルム回路基板の製造方法。
(3)搬送方向の下流側短辺側端部上面に接着層が形成された回路パターンを有する枚葉可撓性フィルム回路基板を複数順次整列させ、隣り合う枚葉可撓性フィルム回路基板を接着層を用いて逐次繋ぎ合わせるフィルム回路基板の製造装置であって、少なくとも隣り合う搬送方向に対して下流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の上流側短辺側端部を上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板上の接着層を挟むように重ね合わせるユニットと、可撓性フィルム回路基板を重ね合わせた部分を加熱加圧するユニットを有することを特徴とするフィルム回路基板の製造装置。
本発明によれば、枚葉可撓性フィルム回路基板を複数繋ぎ合わせて長尺化フィルム回路基板にした際に、連結強度を大きく保ちつつ、繋ぎ合わせ部分でのロスが低減できるフィルム回路基板を提供することが出来る。すなわち、繋ぎ合わせによる可撓性フィルム回路基板のロスを低減することができるだけでなく、フィルム回路基板に電子部品を接合するときに繋ぎ合わせ部を認識し空送りする時間ロスを低減でき、また、粘着テープ貼り合わせ以外の工程付加が不要である。
さらには、搬送方向に対して上流にある枚葉可撓性フィルム下流側端部に接着層を形成し、隣り合う下流にある枚葉可撓性フィルムの上流側端部に形成された前記接着層を挟むように重ねて繋ぐことにより、繋ぎ工程で繋ぎ位置ずれ等の不具合が発生した場合のリペアが確実に行える。
繋ぎ工程で不具合が発生した部分の双方の可撓性フィルムを剥離し、上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板を排除する。排除した後は、繋ぎ搬送方向に対して上流に新規の枚葉可撓性フィルム回路基板を用いて繋ぎを再開する。この上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部の接着層は一度も加熱加圧されていないので、既に長尺化した可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部をこの接着層に挟むように重ねて加熱加圧することで、十分な引張強度を有する繋ぎを行うことができる。
接着層の形成する場所が搬送方向に対して下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部である場合では、一度加熱加圧した接着層を再度使用することになるため、十分な引張強度が得られない。尚、繋ぎ合わせ部分を剥離する際は、枚葉可撓性フィルム回路基板の短辺方向に短辺端部から順次剥離することにより、低応力で枚葉可撓性フィルム回路基板を変形させずに剥離することができる。
本発明について図1、図2を用いて説明する。図1、図2では、可撓性フィルム回路基板1および2が基板の短辺側端部に形成された接着層7を介して重ね合わせて繋ぎ合わされている。可撓性フィルム回路基板の繋ぎ搬送方向は矢印8とし、矢印の向きを下流、反対の向きを上流と定義する。図1は正面図、図2は断面図である。尚、図2は上流にある可撓性フィルム回路基板1の下流側短辺端部上面に接着層7が形成され、下流にある可撓性フィルム回路基板2の上流側短辺端部が可撓性フィルム回路基板1上の接着層7上に重ね合わされて繋ぎ合わされた状態を示している。本発明では上流にある可撓性フィルム回路基板1の下流側短辺端部に接着層が形成されているが、下流側短辺端部上面に接着層7が形成されていてもよい。図示はしないが、この場合は図2の可撓性フィルム回路基板1と2が入れ替わり、可撓性フィルム回路基板1が接着層7に対して上側に、可撓性フィルム回路基板2が下側になる。この態様では、枚葉可撓性フィルム回路基板の重ね合わせ部分に存在する回路パターンの一部は上流側の可撓性フィルム回路基板に存在させることになる。
可撓性フィルム基板の重ね合わせ幅は、送り孔3間隙の4.75mm以下であることが回路パターンのロスを減少させられる点で好ましく、接着層の幅は加熱加圧後に繋ぎ合わされた可撓性フィルム回路基板の繋ぎ合わせ部よりはみ出さないように可撓性フィルム回路基板の重ね合わせ幅よりも小さくすることが好ましい。なお、接着層7は、小さな面積で高い接着力を得ることができるもので、かつ、貼り合わせ時の熱歪みを発生させにくいものが好ましい。また、貼り合わせに必要な時間が短いことも生産性を確保する上で大切な要件である。したがって、接着層は、感圧性粘着剤の他、ホットメルト接着剤、光硬化型接着剤などが好適に採用できるが、高い接着力を実現できる点で、ホットメルト接着剤、光硬化型接着剤が好ましい。可撓性フィルム基板がポリイミドフィルム等で紫外線の透過率が低い場合、光硬化型接着剤には可視光硬化型を採用することができる他、図2符号9に示したように紫外線を可撓性フィルム回路基板表面にほぼ平行に近い方向から照射することによって硬化を進めることができる。
接着層の厚みは、大きすぎると繋ぎ合わせ部の段差が大きくなり、繋ぎ合わせ部前後の回路パターンの平坦性を損なうことから、真空吸着不良や電気検査プローブ接触不良の原因になる。一方、接着層の厚みが小さすぎると充分な強度が得られない。従って、接着層の厚みは、1μm〜10μmの範囲であることが好ましく、2μm〜5μmの範囲であることがさらに好ましい。接着層の供給形態としては、シート状、ペースト状が挙げられるが、加工工程を減らせる点や装置を簡略化できる点でペースト状の有機物をノズル等にて直接可撓性フィルム回路基板に塗布することが好ましい。
繋ぎ製造装置の一例を挙げて、本発明の繋ぎ合わせフィルム回路基板の製造方法を説明する。本発明の製造装置の要件として、少なくとも隣り合う下流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部と上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部を、前記短辺端部に形成された接着層を挟むように重ね合わせるユニットと可撓性フィルム回路基板の短辺端部どうしを重ね合わせた部分を加熱加圧するユニットを有する。さらに、複数整列させた可撓性フィルム回路基板を搬送する搬送ユニットなどを備えていてもよい。
搬送ユニットは可撓性フィルム回路基板を繋ぎ搬送方向に精度良く、また可撓性フィルム回路基板が平坦に搬送される機構を有している。搬送方向に精度良く搬送するためには、例えば枚葉可撓性フィルムの長辺方向端部に形成された送り孔をガイドにして、送り孔にガイドピンを挿入し、所定場所に可撓性フィルムを搬送したのちにガイドピンを抜く機構や搬送台に可撓性フィルム回路基板を吸着固定する機構が備えられていて、可撓性フィルム回路基板上部に設置されている吸着アームで枚葉可撓性フィルムを持ち上げ、所定場所に移動した後に吸着アームを降下して吸着を解除することで可撓性フィルム回路基板を搬送する方法などが挙げられる。搬送ユニットに吸着機構があり、可撓性フィルム回路基板の搬送方法として吸着アームを用いる機構の説明を、図3を用いて行うが、図3は上流にある可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部上面に接着層が形成された場合の繋ぎ合わせである。
搬送台211、212は吸着機構を有し、枚葉可撓性フィルム回路基板201、既に繋がれ長尺化された可撓性フィルムの最後方の可撓性フィルム回路基板202を平坦な表面をもつ搬送台上面に位置精度良く吸着固定されている。また、可撓性フィルム回路基板201、202は所定の間隔があくように位置制御される(図3(a))。枚葉可撓性フィルム回路基板201の繋ぎ搬送方向220の下流側短辺端部上面には接着層212が形成されている。接着層を加熱加圧する加熱加圧手段の一部216aの前後に可撓性フィルム回路基板を吸着して昇降する機構を有する吸着アーム214、215が配置される。枚葉可撓性フィルム回路基板201と長尺化フィルムの最後方の可撓性フィルム回路基板202が所定の位置に搬送されると吸着アーム214、215が降下し、可撓性フィルム回路基板201、202を吸着固定させる(図3(b))。可撓性フィルム回路基板202を吸着アーム215により上昇させて持ち上げたのち、吸着アーム214を下流側に移動させ、加熱加圧手段の一部216a上に接着層212が位置するように可撓性フィルム回路基板201を移送させる(図3(c))。吸着アーム215を降下させると可撓性フィルム回路基板202の後方短辺端部が接着層212と重なる(図3(d))と、加熱加圧手段216a、216bが可撓性フィルム回路基板の重ね合わせ部を加熱加圧し、接着層212を硬化させる(図3(e))。加熱加圧手段の条件は、使用する接着層の硬化条件によるが、250から450℃の加熱温度、1kPaから20kPa、1から60秒の加熱加圧時間を用いることができる。加熱加圧手段216a、216bを合わせて、接着層を所定の温度まで昇温できればよく、加熱加圧手段216a、216bは、同じ温度まで昇温させてもよいし、一方を昇温させてもよい。
その後、加熱加圧手段216a、216bを可撓性フィルム回路基板201、202から引き離し、吸着アーム214、215を上昇させて繋ぎを終了させる。可撓性フィルム回路基板を搬送方向に搬送させ、吸着アーム214を後退移動させて図3(a)に戻すとともに、(e)までの工程を順次繰り返すことにより安定して繋ぎ合わせ可撓性フィルム回路基板を製造することが出来る。
上流にある可撓性フィルム基板201の下流側短辺端部下面に接着層212が形成された場合は、先に下流にある可撓性フィルム回路基板202を加熱加圧手段の一部216a上に吸着アーム215を用いて移送した後、上流にある可撓性フィルム回路基板201を接着層212が加熱加圧手段の一部216a上に吸着アーム214を用いて可撓性フィルム回路基板202と重ね合わせて、加熱加圧手段216a、216bで可撓性フィルム回路基板の重ね合わせ部を加熱加圧する(図示せず)。
本発明では、繋ぎ搬送方向に対して上流にある枚葉可撓性フィルムの下流側短辺端部に接着層を形成することにより、繋ぎ工程での不具合が発生した場合でも確実に繋ぎ修復を行うことができる。その理由を図4、図5を用いて説明する。図4の(a)から(d)は本発明の製造方法を示したものである。一方、図5の(e)から(h)は本発明の製造方法でない工程を示したもの、すなわち下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部に接着層を形成させ、隣り合う上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部を前接着層に挟むように重ね合わせて加熱加圧する方法である。
図4を用いて、上流にある可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部上面に接着層を形成した場合の繋ぎ合わせ方法について説明する。下流側短辺端部下面に接着層を形成した場合は、前述したように下流にある可撓性フィルム回路基板と上流にある可撓性フィルム回路基板の移送順番が反対になるだけである。
枚葉可撓性フィルム回路基板301a、301b、既に長尺化された可撓性フィルム回路基板302が搬送台315上に整列させ、可撓性フィルム回路基板301a、301b、302は決めたれた間隔で配置されている。可撓性フィルム回路基板の搬送方向300の下流側短辺端部に接着層311a、311bが形成されており、接着層312は既に加熱加圧され、可撓性フィルム回路基板302と下流にある可撓性フィルム回路基板を連結させている(図4(a))。
図4(b)は、可撓性フィルム回路基板301bを可撓性フィルム回路基板302に繋ぐ工程で、繋ぎ強度不足や繋ぎ位置ずれ、回転ずれ等の不具合が発生した場合を表している。繋ぎ工程で前記不具合が発生すると、繋ぎ部上流にある可撓性フィルム回路基板301bが不良品となる。この場合、可撓性フィルム回路基板302の上流側短辺端部を把持し、枚葉可撓性フィルム回路基板301bの下流側短辺端部の端部から順次剥離させて、接着層311dから可撓性フィルム回路基板301bを剥がす。可撓性フィルム回路基板301bを排除した(図4(c))のち、後方に位置する可撓性フィルム回路基板301aを前進させ、粘着剤311aを介して可撓性フィルム回路基板302に繋ぎ合わせることで、既に長尺化した可撓性フィルム回路基板302を無駄にすることなく、繋ぎ工程を再開し、所定長さの長尺化された可撓性フィルム回路基板を得ることができる。
次に、繋ぎ搬送方向に対して下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部上に接着層を形成させ、隣り合う上流にある可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部を前接着層上に重ねて加熱加圧する方法での不具合発生時の修復を、図5を用いて説明する。
可撓性フィルム回路基板351a、351b、既に長尺化された可撓性フィルム回路基板352が搬送台315上に整列させ、可撓性フィルム回路基板351a、351b、352は決められた間隔で配置されている。搬送方向に対して下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部に接着層361a、361bが形成されており、接着層362は既に加熱加圧され、可撓性フィルム回路基板352と下流にある可撓性フィルム回路基板が繋ぎ合わされている(図5(e))。
図5(f)は、可撓性フィルム回路基板351bを可撓性フィルム回路基板352に繋ぐ工程で、繋ぎ強度不足や繋ぎ位置ずれ、回転ずれ等の不具合が発生した場合を表している。この場合、可撓性フィルム回路基板352の上流側短辺端部を把持し、枚葉可撓性フィルム回路基板351bの下流側短辺端部の端部から順次剥離させて、接着層361cから可撓性フィルム回路基板351bを剥がす。可撓性フィルム回路基板351bを排除しても長尺化された可撓性フィルム回路基板352の上流側短辺端部に形成された接着層361d表面は既に硬化が進んでいるために本来の粘着力は確保できない。(図5(g))。このため、上流にある可撓性フィルム回路基板361aを前進させて繋いでも、繋ぎ強度は低い。この為、一度繋ぎ工程で不具合が発生すると、既に繋いで長尺化した可撓性フィルム回路基板が無駄になってしまう。
以上のことから、接着層を形成する位置を繋ぎ搬送方向に対して上流にある可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部に形成することは、繋ぎ不具合発生の修復を行っても安定して繋ぎができ、既に長尺化した可撓性フィルム回路基板が無駄にならないので、生産性が高く、低コスト化が実現できるという点で大きなメリットがある。
本発明のフィルム回路基板は、可撓性フィルムの少なくとも片面に回路パターンが形成されている。本発明でいう可撓性フィルム回路基板は可撓性フィルム上に回路パターンが形成されたものであり、可撓性フィルムは絶縁特性を有するベースフィルムである。
可撓性フィルムとしては、プラスチックフィルムを使用する。例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマーなどのフィルムを採用することができる。中でもポリイミドフィルムは、耐熱性に優れるとともに耐薬品性にも優れているので好適に採用される。また、低誘電損失など電気的特性が優れている点や低吸湿性の点で、液晶ポリマーが好適に採用される。可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも可能である。また、これらのフィルムが積層されていてもよい。
上記ガラス繊維補強樹脂板の樹脂としては、例えば、エポキシ、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、マレイミド(共)重合樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられる。
可撓性フィルムの厚さは、軽量化、小型化ために薄い方が好ましく、一方、機械的強度を確保するためや平坦性を維持するためには厚い方が好ましい点から、4μmから125μmの範囲が好ましい。
可撓性フィルム上に形成される回路パターンは、抵抗値が小さい銅膜を主体として形成されていることが好ましく、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法など公知の技術が採用できる。さらに、はんだ接合のための錫めっき、金めっきを施したり、金属層保護のためのソルダーレジスト膜を形成することも適宜実施できる。その後、枚葉可撓性フィルムを形成したのちに、繋ぎ搬送方向に対して下流側短辺端部に接着層を形成する。
可撓性フィルム回路基板内に形成される回路パターンの間隙が狭くなり、繋ぎ合わせに使用できる短辺端部の面積が小さくなる場合、下流にある可撓性フィルム回路基板の回路パターンを繋ぎ合わせ部分となる上流側短辺端部に配置することで、繋ぎ合わせに使用できる面積を確保することが好ましい。このとき回路パターンには例えば銅配線の酸化防止やチップとの接続信頼性向上を目的とした錫めっきや金めっきが行われているので、前記めっきの膜質劣化を引き起こす点から、回路パターンが配置された可撓性フィルム回路基板側からではなく、回路パターンの一部が重ね合わせ部分に形成されていない上流にある可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部側から加熱することが好ましく、加熱温度は接着層のガラス転移点以上が好ましい。繋ぎ合わせ部分に配置する回路パターンは、後工程で重ね合わせによる問題が発生しないように選択される。電気検査用の電極パッドは、回路パターンの最外端に配置され、検査後は不要になるので、繋ぎ合わせ部分に配置する回路パターンに好適である。また、アウターリードの外端側は、最終製品では切り落とされるので、繋ぎ合わせ部分に配置する回路パターンとするのに好適である。
上述のように、下流にある可撓性フィルム回路基板の回路パターンを繋ぎ合わせ部分となる上流側短辺端部に配置する場合、可撓性フィルム回路基板の長辺側端部に設けられた送り孔周囲および隣接する送り孔間に補強用金属パターンを配置することが好ましい。上記回路パターンは5μmから14μm程度の厚みがある。上記加熱加圧手段にて加熱した場合、可撓性フィルム回路基板の回路パターン部分に主に圧力が掛かるため、回路パターンがない部分、すなわち重ね合わせによる総厚みが小さい部分には圧力が加わりにくくなる。このため、回路パターンとほぼ同じ膜厚の補強用金属パターンを送り孔周囲および隣接する送り孔間に設けることで、可撓性フィルム回路基板短辺方向に均一な加熱加圧をかけることができ、ひいては均一で強度が高い繋ぎを実現することができる。補強用金属パターンは、可撓性フィルム回路基板短辺方向に均一な加熱加圧が確保できればよく、送り孔周囲にベタに形成されている形状だけなく、ドット状、ストライプ状などの形状を取りうる。
本発明で用いられる枚葉状の可撓性フィルム回路基板の製造方法を以下に説明するが、枚葉可撓性フィルム回路基板の製造方法はこれに限定されない。これは、枚葉可撓性フィルム回路基板を剥離可能な有機物層を介して補強板に貼り合わせ、高精細な回路パターンを形成したのち補強板から剥離することで、高精度な回路パターンを有する枚葉状の可撓性フィルム回路基板を得る製造方法である。
本発明で使用する枚葉補強板としては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、石英ガラスなどの無機ガラス類、アルミナ、窒化シリコン、ジルコニアなどのセラミックス、ステンレススチール、インバー合金、チタンなどの金属やガラス繊維補強樹脂を有する板など、線膨張係数や吸湿膨張係数が小さいものが好ましい。その中でも、適当な可撓性が得られやすい点で、無機ガラスと金属板が好ましい。
補強板に厚みが小さいガラス基板を用いる場合、可撓性フィルム回路基板の膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦な載置台上に真空吸着したときにガラス基板が割れることがある。また、真空吸着・脱着で可撓性フィルム回路基板が変形することになり、位置精度の確保が難しくなる傾向がある。一方、厚みが大きいガラス基板では、剥離のために湾曲しにくくなる上に、肉厚ムラにより平坦性が低下したり、露光精度も低くなる。また、ロボット等によるハンドリング負荷が大きくなり素早い動作ができずに生産性が低下する要因になる他、運搬コストも増大する。これらの点から、ガラス基板の厚さは、0.3mmから1.1mmの範囲が好ましい。
補強板と可撓性フィルムを貼りあわせるための剥離可能な有機物層としては、例えば、アクリル系またはウレタン系の再剥離剤と呼ばれる粘着剤を挙げることができる。可撓性フィルム回路基板加工中は十分な接着力があり、剥離時は容易に剥離でき、可撓性フィルム回路基板に歪みを生じさせないために、弱粘着から中粘着と呼ばれる領域の粘着力のものが好ましい。タック性があるシリコーン樹脂を使用することもできる。また、タック性があるエポキシ系樹脂を使用することも可能である。
剥離可能な有機物層の厚みは、薄くなると平面性が悪くなる他、膜厚のむらによる剥離力の強度むらが発生するため、0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。一方、剥離可能な有機物層の厚みが厚くなると有機物層の可撓性フィルム回路基板への投錨性がよくなるために粘着力が強くなる。従って、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。
枚葉補強板として、厚さ1.1mmのソーダライムガラスに、スピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷などを用いて、剥離可能な有機物を塗布する。間欠的に送られてくる枚葉基板に均一に塗布するためには、ダイコーターの使用が好ましい。剥離可能な有機物塗布後、加熱乾燥や真空乾燥などにより乾燥し、厚みが2μmの剥離可能な有機物層を得る。塗布した剥離可能な有機物層上に、離型フィルム(ポリエステルフィルム上にシリコーン樹脂層を設けた)からなる空気遮断用フィルムを貼り合わせて1週間室温で放置する。この期間は、熟成と呼ばれ、剥離可能な有機物の架橋が進行して、徐々に粘着力が低下する。放置期間や保管温度は、所望の粘着力が得られるように選択される。空気遮断用フィルムを貼り合わせる代わりに、窒素雰囲気中や真空中で保管することもできる。剥離可能な有機物を長尺フィルム基体に塗布、乾燥後、補強板に転写することも可能である。
次に、厚さ25μmの可撓性フィルムを準備する。ガラス基板上の空気遮断用フィルムを剥がして、可撓性フィルムをガラス基板に貼り合わせる。可撓性フィルムをあらかじめ所定の大きさのカットシートにしておいて貼り付けてもよいし、長尺ロールから巻きだしながら、貼り付けと切断をしてもよい。このような貼り付け作業には、可撓面状体の面に可撓性フィルムを保持してから、ガラス基板に押圧することで、低応力、高精度に可撓性フィルムをガラス基板側にラミネートする方法が好適に採用できる。上記の方法に用いられるラミネート装置について図6を用いて説明する。
符号400はラミネート装置全体を指す。静電気帯電装置401で可撓性面状体402を帯電させ、可撓性フィルム403を吸着させる。可撓性面状体402には可撓性の織物や薄膜状物が採用でき、枠体404に固定されている。また、静電気帯電装置401は基台405上の支柱406に支持されており、上下動機構(図示しない)によって、支柱406は、図6の左右に移動する枠体404や載置台407と静電気帯電装置401が干渉しないように動く。次に、剥離可能な有機物層408が塗布されたガラス基板409を真空吸着等で載置台407に保持する。スキージ410で可撓性フィルム403を可撓性面状体402ごと剥離可能な有機物層408に押しつけ、可撓性フィルム403をガラス基板409側に移し取る。スキージ410はスキージ保持体411に保持されており、移動や上下動が可能である。載置台407は、レール412、ガイド413、ナット414、ブラケット415、416、ボールねじ417、モーター418によって図の左右に移動できる。
回路パターンの形成方法として、フルアディティブ法やセミアディティブ法で金属層を形成する。さらに必要に応じて金、ニッケル、錫などのめっきを施して、回路パターンを得る。
次に回路パターン上にソルダーレジスト層を形成する。ソルダーレジストとしては、感光性のソルダーレジストや熱硬化性のソルダーレジストが好ましい。その中でも、微細回路パターンに対しては感光性のソルダーレジストの採用がより好ましい。スピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷機などで回路パターン上に感光性ソルダーレジストを塗布し、乾燥させた後、所定のフォトマスクを介して紫外線露光をし、現像して、ソルダーレジストパターンを得る。次に100℃から200℃でキュアをする。
回路パターンの保護や可撓性フィルム基板を歪みなく剥離するために、可撓性フィルム回路基板上の全面あるいは一部に保護層を形成することが好ましい。保護層を形成することによって、可撓性フィルム基板剥離の際の剥離角が大きくなり過ぎることを抑制する効果が得られるからである。可撓性フィルム回路基板上に保護層を設けて、可撓性フィルム回路基板を剥離した後、保護層を除去することでも同様の効果を得ることができる。保護層の形成はフィルム状の部材をラミネートしてもよいし、液状材料をコーティングしてもよい。保護層が液状の場合、スピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷機、カーテンコーターなどで可撓性フィルム基板上に溶液を塗布し、乾燥させる。さらに保護層は補強板から可撓性フィルム回路基板を剥離した後に水あるいは溶剤で溶解し除去してもよく、その機能を有する点でソルダーレジストであることが好ましい。
回路パターンを作製するときは、同一の回路パターンが2次元に繰り返し配置されたデザインを用いて加工を進め、可撓性フィルム回路基板剥離前に回路パターンが一次元に配列された短冊状に回路パターン付き可撓性フィルム回路基板を切り分けてから、可撓性フィルム回路基板をガラス基板から剥離することで枚葉可撓性フィルム回路基板を作製することができる。可撓性フィルム回路基板の切り分けには、レーザー、高圧水ジェットやカッターなどを用いることができる。ガラス基板も短冊状に切り分けてから剥離することは装置を小型化することができ、好ましい形態である。
図7は、補強板から可撓性フィルム回路基板を剥離する好ましい方法を説明するための剥離装置500の概略正面図である。図7に示した装置を用い、可撓性フィルム回路基板を円筒形の一部を切り取った湾曲面に沿わせつつ剥離し、補強板と可撓性フィルム回路基板のなす角である剥離角を鋭角に保持した状態で可撓性フィルム回路基板を端部から剥離する方法を挙げることができる。
まず、ステージ505に補強板501側が来るように可撓性フィルム回路基板をセットする(図示せず)。エアシリンダー(図示せず)によりステージ505を上昇させ、補強板501と剥離可能な有機物層502を介して貼り合わされた可撓性フィルム回路基板503の剥離開始位置と湾曲面504の所定位置(図7中Sで表示)を接触させる。可撓性フィルム回路基板503の一端を湾曲面504に内蔵された真空チャック等で把持し、次いで、湾曲面を保持する可動体506を回転させて可撓性フィルム回路基板を湾曲面504に沿わせて剥離する。このとき、可動体506の回転と同期してステージ505がレール508上を右方向に移動し、剥離点を基板上の左方向に移動させる。剥離完了後、保持体507をレール508に沿って右方向に移動させ、ステージ509上に剥離した可撓性フィルム回路基板を取り出すことで枚葉可撓性フィルム回路基板を作製する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
可撓性フィルムとして、厚さ25μmの長尺ポリイミドフィルム(“カプトン”100EN(商品名)東レデュポン(株)製)を準備した。長尺化フィルム対応のリールツーリール方式のスパッタ装置で、ポリイミドフィルム上に厚さ150nmのクロム:ニッケル=20:80(重量比)の合金膜と厚さ850nmの銅膜をこの順に積層した。
補強板である厚さ1.1mm、300×350mmのソーダライムガラスにダイコーターで、紫外線硬化型粘着剤“SKダイン”SW−22(綜研化学(株)製)と硬化剤L45(綜研化学(株)製)を100:3(重量比)で混合したものを塗布し、80℃で2分間乾燥した。乾燥後の剥離可能な有機物層厚みを2μmとした。次いで有機物層に、空気遮断用フィルム(ポリエステルフィルム上に離型容易なシリコーン樹脂層を設けたフィルム)を貼り合わせて1週間放置した。
金属層を設けたポリイミドフィルムを300×350mmに切り出した。ガラス上の空気遮断用フィルムを剥がしてから、図6に示したラミネーターで剥離可能な有機物層に金属層を設けたポリイミドフィルムを貼り合わせた。静電気帯電装置401でポリエステルメッシュからなる可撓性面状体402を帯電させ、可撓性フィルム回路基板403を吸着させた。次に、剥離可能な有機物層408が塗布されたガラス基板409を真空吸着で載置台407に保持した。スキージ410でポリイミドフィルム1を可撓性面状体402ごと剥離可能な有機物層408に押しつけ、ポリイミドフィルム403をガラス基板409側に移し取った。その後、ガラス基板側から紫外線を1000mJ/cm照射し、有機物層を硬化した。
銅膜上にポジ型フォトレジストをスピンコーターで塗布して80℃で10分間乾燥した。フォトレジストをフォトマスクを介して露光、現像して、めっき膜が不要な部分に厚さ12μmのフォトレジスト層を形成した。
テスト用フォトマスクパターンは以下に示す形状とした。19.3mm×2.5mmの長方形の二つの長辺上に、インナーリードとして、25μmピッチで、1辺あたり772個の配線(幅10μm、長さ5mm)を並べた。上記19.3mm×2.5mmの長方形と中心を同じくして38.6mm×20mmの長方形の二つの長辺に最外端が接するように、50μmピッチで一辺あたり772個の配線(幅25μm、長さ100μm)をアウターリードとして並べた。インナーリードとアウターリードを一対一で幅10μmの配線で結んだものを1ユニットとした。このユニットをガラス基板が300mm長さの方向に中心から等配、48mmピッチで6列を配置した。ガラス基板が350mm長さの方向には中心から等配、23.75mmピッチで14個を配置した。
次いで、上記銅膜を電極として厚さ8μmの銅層を硫酸銅めっき液中での電解めっきで形成した。フォトレジストをフォトレジスト剥離液で剥離し、続いて、過酸化水素−硫酸系水溶液によるソフトエッチングにてレジスト層の下にあった銅膜およびクロム−ニッケル合金膜を除去した。引き続き、銅めっき膜上に、無電解めっきで厚さ0.4μmの錫層を形成し、回路パターンを得た。その後、回路パターンを保護するためにスクリーン印刷機でソルダーレジストFS−510T(宇部興産(株)製)を回路パターン上に形成した。オーブンで120℃、90分間キュアし、10μm厚のソルダーレジスト層を得た。
測長機SMIC−800(ソキア(株)製)にて、ポリイミドフィルム上のユニットについて、最外端インナーリードの幅方向中心間距離(設計値19.3mm)を測定したところ、全てのユニットにおいて、設計値に対して±1μm(0.005%)以内にあり、位置精度は非常に良好であった。
YAGレーザーを用いて300×350mmのポリイミドフィルムを48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分けると同時に、短冊の長辺側両端部に4.75mmピッチで1.981mm角の送り孔を穿孔した。短冊には、ユニットが1列に14個配置されており、332.5mmは14ユニット分の長さである。短冊状に切り分けられたポリイミドフィルムの短辺側端部では、アウターリード最外端よりも1.875mm外側にある。さらに、ポリイミドフィルムに合わせて、ガラス基板もガラススクライブ装置にて48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分け、300×350mmの基板から、6個の補強板付き短冊状の枚葉可撓性フィルム回路基板を得た。
次にこの枚葉可撓性フィルム回路基板の繋ぎ搬送方向に対して下流側短辺端部に接着層を形成した。接着層の樹脂を以下のように用意した。温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱冷却装置および撹拌装置を付した反応釜に、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン24.9g(0.1mol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル180.2g(0.9mol)をN,N−ジメチルアセトアミド2813gと共に仕込み、溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物291.3g(0.99mol)を添加し、室温で1時間、続いて70℃で5時間反応させて、15重量%のポリアミド酸溶液からなる接着剤を得た。
上記接着剤を武蔵エンジニアリング製のディスペンサー装置FAD−320Sを用いて、幅0.7mmの接着層を塗布後、ベーク炉に120℃2分の条件で半硬化させた。半硬化後の接着剤の厚みは2μmとした。続いて、図7に示した剥離装置で、ガラス基板から可撓性フィルム回路基板を剥離し、枚葉可撓性フィルム回路基板を作製した。
これら枚葉可撓性フィルム回路基板を接着層が形成された短辺端部を繋ぎ搬送方向に対して下流になるようにして、2mmの間隔をおいて整列させた。次いで、図3の繋ぎ装置を用いて、加熱加圧手段としてセラミックスヒーターを用い、下方のヒーター216aを昇温して圧着条件350℃、5秒で加熱圧着して可撓性フィルム回路基板を繋ぎ合わせた。このとき、下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部には回路パターンを配置しなかった。これを順次繰り返すことで長尺化フィルム回路基板を作製した。
50個の上記条件での繋ぎ箇所を有する長尺化フィルム回路基板の繋ぎ部前後10cmを切り出し、引張試験を行い、引張強度を測定した。引張強度は繋ぎ合わせ以降のフィルム搬送やチップ実装時に剥がれ不良が発生しない0.051N以上を良好とした。使用した引張試験装置はテンシロン“ORINTEC” RTC−1250Aで、引張試験条件は荷重500N、引張速度300mm/分とした。その結果、平均値は0.187N、最小値は0.116Nであり、全ての繋ぎ部の引張強度は良好であった。
実施例2
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上に回路パターンを形成し、さらに、YAGレーザーを用いて48mm幅で332.5mm長さの短冊状の可撓性フィルム回路基板に切り分けた。ポリイミドフィルムに合わせて、ガラス基板もガラススクライブ装置にて48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分け、6個の短冊状サンプルを得た。また、図7に示した剥離装置で枚葉可撓性フィルム回路基板を得た。
繋ぎ工程での不具合が発生した場合の修復を想定した繋ぎ強度試験を次の様に行った。下流側短辺端部に接着層を形成した枚葉可撓性フィルム回路基板3枚を用い、先に2枚の可撓性フィルム回路基板を図3に示した繋ぎ装置で繋いだのち、強制的に可撓性フィルム回路基板を重ね合わせ部分の端部から剥離させた。次に剥離した可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部に、3枚目の可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部に形成された接着層を重ね合わせ、セラミックスヒーターによる加熱加圧により2回目の繋ぎを行った。この繋ぎ部前後10cmを切り出した。
同様にしてサンプルを50個作製した。これらサンプルを用いて実施例1と同様の引張試験を行い、引張強度を測定した。その結果、平均値は0.157N、最小値は0.08Nであり、全ての繋ぎ部の引張強度は良好であった。
実施例3
ポリイミドフィルムを48mm幅の短冊状に切り分けたときに、その長辺方向端部両方に長辺方向に伸びた幅3mmの帯状の銅および錫めっきがされるようにテスト用フォトマスクパターンを追加したこと以外は、実施例1と同様にして、短冊状の可撓性フィルム回路基板およびカラス基板を切り分け、6個の短冊状サンプルを得た。また、図7に示した剥離装置で枚葉可撓性フィルム回路基板を得た。
また、重ね合わせ部分に回路パターンのアウターリードが配置される様に短冊状の可撓性フィルム回路基板を切り分け、下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部上面にアウターリードが重なるように、上流にある可撓性フィルム回路基板の短辺端部と重ね合わせた。その後、下方に配置された加熱加圧手段としてのセラミックスヒーター216aを昇温させ、回路パターンが配置されていない上流にあった可撓性フィルムの下流側短辺端部側から加熱して繋ぎ合わせた。この繋ぎ部前後10cmを切り出した。
同様にしてサンプルを50個作製した。これらサンプルの重ね合わせ部のアウターリード部を顕微鏡で観察し、アウターリードに施されている錫めっきの流動や下地銅めっき露出の不具合が発生しているかを評価した。その結果、50個の繋ぎ部のアウターリード表面で錫めっきの流動や下地銅めっき露出の不具合は観察されなかった。これらサンプルを用いて実施例1と同様の引張試験を行い、引張強度を測定した。その結果、平均値は0.19N、最小値は0.12Nであった。
実施例4
ポリイミドフィルムを48mm幅の短冊状に切り分けたときに、その長辺方向端部両方に長辺方向に伸びた幅3mmの帯状の銅および錫めっきがされるようにテスト用フォトマスクパターンを追加せず、その他は実施例1と同じテスト用フォトマスクパターンを使用し、実施例1と同様にして、短冊状の可撓性フィルム回路基板およびカラス基板を切り分け、6個の短冊状サンプルを得た。また、図7に示した剥離装置で枚葉可撓性フィルム回路基板を得た。
また、重ね合わせ部分に回路パターンのアウターリードが配置される様に短冊状の可撓性フィルム回路基板を切り分け、下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部上面にアウターリードが重ね合わせ部分にくるようにし、重ね合わせ後に下方に配置された加熱加圧手段としてのセラミックスヒーター216aを昇温させ、回路パターンが配置されていない上流にあった可撓性フィルムの下流側短辺端部側から加熱して繋ぎ合わせた。この繋ぎ部前後10cmを切り出した。
同様にしてサンプルを50個作製した。実施例3と同様に評価したところ、50個の繋ぎ部のアウターリード表面で錫めっきの流動や下地銅めっき露出の不具合は観察されなかった。また引張強度の平均値は0.19N、最小値は0.11Nであった。しかしながら、繋ぎ部の幅方向端部が正常に接着されていない部分が観察され、短冊状の可撓性フィルム回路基板の短辺端部の角が他方の可撓性フィルム回路基板から少し浮き上がっているものがあった。
実施例5
下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部に回路パターンが形成され、上流にある可撓性フィルム回路基板と重ね合わせた後、回路パターンがある可撓性フィルムの短辺端部側から加熱加圧手段により加熱したこと以外は、実施例3と同様に評価した。すなわち、下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部上面にアウターリードが重ね合わせ部分にくるようにし、重ね合わせ後に上方に配置された加熱加圧手段としてのセラミックスヒーター216bを昇温させ、回路パターンが配置されている下流にある可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部側から加熱して繋ぎ合わせた。この繋ぎ部前後10cmを切り出した。
同様にしてサンプルを50個作製した。実施例1と同様の引張試験を行い、引張強度を測定した。その結果、平均値は0.18N、最小値は0.1Nであった。また実施例3と同様に評価したところ、50個全ての繋ぎ部のアウターリード表面で錫めっきが電極パッド端などで流動、変形があり、また、一部では下地銅めっき露出が観察された。
比較例1
実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上に回路パターンを形成し、さらに、YAGレーザーを用いて48mm幅で332.5mm長さの短冊状の可撓性フィルム回路基板に切り分けた。ポリイミドフィルムに合わせて、ガラス基板もガラススクライブ装置にて48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分け、6個の短冊状サンプルを得た。また、図6に示した剥離装置で枚葉可撓性フィルム回路基板を得た。
これを図5に示すように繋ぎ工程での不具合が発生した場合の修復を想定した繋ぎ強度試験を次の様に行った。上流側短辺端部に接着層を形成した枚葉可撓性フィルム回路基板3枚を用い、先に2枚の可撓性フィルム回路基板を繋いだのち、強制的に可撓性フィルム回路基板を重ね合わせ部分の端部から剥離させた。次に、剥離した下流にあった可撓性フィルム回路基板の上流側短辺端部と、3枚目の上流に整列した可撓性フィルム回路基板の接着層が形成されていない下流側短辺端部を重ね合わせ、セラミックスヒーターによる加熱加圧により2回目の繋ぎを行った。この繋ぎ部前後10cmを切り出した。
同様にしてサンプルを50個作製した。これらサンプルを用いて実施例1と同様の引張試験を行い、引張強度を測定した。引張強度は0.051N以上を良好とした。その結果、平均値は0.025N、最小値は0Nであり、48個の繋ぎ部の引張強度は不良であった。
接着層を用いた本発明の可撓性フィルム回路基板連結の正面図。 接着層を用いた本発明の可撓性フィルム回路基板連結の断面図。 本発明の可撓性フィルム回路基板の製造方法における繋ぎ合わせの概略図。 本発明の可撓性フィルム回路基板の製造方法における繋ぎ修復方法の概略図。 本発明の可撓性フィルム回路基板の製造方法とは異なる繋ぎ方法での繋ぎ修復方法の概略図。 補強板に可撓性フィルム回路基板を貼り合わせるラミネート装置の正面図。 補強板から可撓性フィルム回路基板を剥離する剥離装置の正面図。
符号の説明
1、2、201、202、301a、301b、302、351a、351b、352、403、503 可撓性フィルム回路基板
3 送り孔
5 接着層幅
7、212、311a、311b、312、361a、361b、361c、361d、362,408、502 接着層
8、220、300 繋ぎ搬送方向
9 紫外線照射方向
211、212、315 搬送台
214、215 吸着アーム
216a、216b 加熱加圧手段
400 ラミネート装置
401 静電気帯電装置
402 可撓性面状体
404 枠体
407 載置台
410 スキージ
412 レール
500 剥離装置
504 湾曲面
505、509 ステージ
506 可動体
507 保持体
508 レール

Claims (3)

  1. 回路パターンを有する枚葉可撓性フィルム回路基板を複数順次整列させ、隣り合う枚葉可撓性フィルム回路基板を接着層を用いて逐次繋ぎ合わせるフィルム回路基板の製造方法であって、接着層を搬送方向に対して上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の下流側短辺側端部に形成し、隣り合う搬送方向に対して下流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の上流側短辺側端部を上流にある可撓性フィルム回路基板の下流側短辺側端部に形成された接着層を挟むように重ねて加熱加圧させることで繋ぎ合わせることを特徴とするフィルム回路基板の製造方法。
  2. 下流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の重ね合わせ部分に回路パターンがあり、上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の下流側短辺端部に形成された接着層を挟むように重ねた後、回路パターンが形成されていない枚葉可撓性フィルム回路基板の短辺端部側から加熱する請求項1記載のフィルム回路基板の製造方法。
  3. 搬送方向の下流側短辺側端部上面に接着層が形成された回路パターンを有する枚葉可撓性フィルム回路基板を複数順次整列させ、隣り合う枚葉可撓性フィルム回路基板を接着層を用いて逐次繋ぎ合わせるフィルム回路基板の製造装置であって、少なくとも隣り合う搬送方向に対して下流にある枚葉可撓性フィルム回路基板の上流側短辺側端部を上流にある枚葉可撓性フィルム回路基板上の接着層を挟むように重ね合わせるユニットと、可撓性フィルム回路基板を重ね合わせた部分を加熱加圧するユニットを有することを特徴とするフィルム回路基板の製造装置。
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