JP2007294051A - ホログラム再生波面補正方法および装置 - Google Patents

ホログラム再生波面補正方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】再生光波面の歪およびブラッグの再生角度の誤差を補正し、高精度のデジタル再生を可能とし、再生信号のSN比の向上、ひいては高密度記録を可能とする。
【解決手段】参照光の照射により、ホログラム記録媒体25から、再生光が射出され、位相ステップミラー28に照射される。このミラー28は、ミラー面に対して垂直に移動するように駆動され、再生光の位相を変化させ、その変化した位相毎の干渉縞強度分布Iの取得を可能とする。ミラー28から反射された再生光は波面制御デバイス29に照射され、再生光波面の歪情報に基づいて、再生光の波面の歪が補正される。デバイス29から射出された再生光は、BS20Bを介して2次元光センサ27に照射される。光センサ27は、デバイス29にフィードバックさせる波面歪情報を検出するために用いられるものであるが、ホログラム記録情報の読取用のセンサとしても用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラム再生波面補正方法およびその装置に関し、特に、ホログラフィックメモリに記録された離散的なデジタルデータ(例えば大容量の保存用アーカイブデータ)を再生する際に、再生光波面の歪を総合的に補正するホログラム再生波面補正方法および装置に関するものである。
ホログラムでは、一般に、画像情報を有する物体光を参照光とともに光記録媒体に同時に照射し、光記録媒体中に形成される該2つの光による干渉縞を光記録媒体に書き込むことによって、該画像情報を記録する。一方、このようにして画像情報が記録された光記録媒体に参照光を照射すると、光記録媒体中の干渉縞情報によって、光の回折が生じて、上記物体光が担持していた画像情報を再生することができる。
ところで、デジタルホログラムでは、2次元データを液晶等の空間光変調素子で駆動して変調データとし、この変調データによってレーザ光を変調して物体光を生成する。次に、この物体光を参照光と干渉せしめて干渉光を生成し、集光レンズで集光することによりフーリエ変換を施してホログラム記録媒体上にデジタルデータ情報を担持した干渉縞を記録する。再生時には再生用参照光を、該干渉縞が記録されているホログラム記録媒体上に照射し、干渉縞からの回折光をレンズで平行光に戻し、2次元受光素子(CCDやCMOSセンサ)で受光して、該デジタルデータ情報を読み取ることとなる。
ここで、一般に行われている、デジタルホログラムの記録操作および再生操作について説明する。
すなわち、記録操作においては図6(a)に示すように、1つの光源から射出され2系に分割された光束のうち一方は、SLM(空間光変調素子)102を透過し(もしくは反射され)、このSLM(空間光変調素子)102の素子面に映出された白と黒のビットパターンによる2次元画像のデジタルデータ情報を担持した物体光とされ、集光レンズ103を介してホログラム記録媒体105上に照射される。上記2系に分割された光束のうち他方は参照光とされ、集光レンズ104を介してホログラム記録媒体105上に照射される。このようにしてホログラム記録媒体105上に照射された物体光と参照光は、このホログラム記録媒体105上で干渉し、デジタルデータ情報を担持した干渉縞が記録されることになる。
一方、再生操作においては図6(b)に示すように、物体光とされる光(SLMに向かう光)はシャッタ101によって遮断され、集光レンズ104により集光される参照光のみがホログラム記録媒体105上に照射されることになる。参照光はホログラム記録媒体105に記録されている干渉縞によって回折され、その回折光である再生光が集光レンズ106を介して2次元光センサ107によって読み取られることになる。
ところで、このようなホログラムの記録再生を良好に行うためには、記録再生操作に係る光波面に生じた歪を抑制する必要がある。本願発明者等は、ホログラムの記録操作中における光干渉波面の乱れを補正する手法として、既に下記出願に係る発明を提示している。
特願2005−330988号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明は、専らホログラムの記録操作中における光干渉波面の乱れを補正するものであるため、ホログラムからの再生光における光波面の乱れを補正するためには別途の手法が必要とされる。
従来より、このような再生操作を行う際には、2次元光センサ107上での再生光の光強度分布を測定し、データ再生の誤り率が良好となるように、該2次元光センサ107と再生光束との位置関係を、高精度モータ用アクチュエータ(ピコモータ)等によって位置制御するようにしているが、このような手法によっては、歪をもった再生信号ビットを補正することは困難であり、また、上記位置制御の精度は、メカ的な構成に左右される上記アクチュエータの分解能により決定されてしまう。
また、一般に、ホログラムデジタルデータを再生する際における、上記歪をもった再生信号ビットの補正処理について明確に示唆した従来技術は知られていない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、ホログラム記録媒体に記録されているデジタルデータを再生する段階において、ホログラムや光学素子の歪、および空気の擾乱等により生じた、再生光波面の歪を補正して、高精度のデジタル再生を行うことを可能とし、再生信号のSN比の向上、ひいては高密度記録を可能とし得るホログラム再生波面補正方法および装置を提供することを目的とするものである。
本発明のホログラム再生波面補正方法は、デジタルデータ情報を担持した物体光と、参照光とを干渉させて得られた干渉情報をホログラフィック記録されたホログラム記録媒体に対し、該参照光を照射して前記物体光に係る光波面を再生する際に、該再生された光波面の歪を補正する方法において、
前記光波面を再生する際に、縞走査法を用いて前記再生された光波面に係る歪量を測定し、該測定された歪量に基づき、該歪とは逆位相の歪を前記参照光または前記ホログラム記録媒体からの再生光の光波面に付加することで、該再生された光波面の歪を補正することを特徴とするものである。
なお、本願明細書において、波面の歪とは広義の意味に用いられ、例えば、ブラッグ再生角度に誤差が生じるような場合も含まれる。
また、再生されたデジタル離散データに対し情報補間処理を施し、再生されたデジタル離散データの各点および該補間された各点について位相を求め、これら求めた全ての点の位相データに対して位相アンラッピング処理を施して位相接続を行うことが好ましい。
一方、本発明のホログラム再生波面補正装置は、デジタルデータ情報を担持した物体光と、参照光とを干渉させて得られた干渉情報をホログラフィック記録されたホログラム記録媒体に対し、該参照光を照射して前記物体光に係る光波面を再生するホログラム再生装置において、
前記再生された光波面の歪を縞走査法を用いて光センサにより測定する際に、該再生された光波面の位相をシフトさせる位相ステップ素子と、該測定された光波面の歪の量に基づき、該歪が抑制されるように前記光波面の位相を補正する波面補償用の波面制御素子とを、前記光波面を再生する際の光路中に配設したことを特徴とするものである。
ここで、前記位相ステップ素子と前記波面制御素子とを、前記ホログラム記録媒体に照射される参照光の光路中に配設することも可能であるし、前記ホログラム記録媒体から射出された再生光の光路中に配設することも可能である。
また、前記光センサは、前記ホログラム記録媒体からの再生データを読み取る際の検出器としても用いるように構成することが好ましい。
以上説明したように、本発明のホログラム再生波面補正方法によれば、ホログラム記録媒体に対し、参照光を照射して再生光を出力する際に、縞走査法を用いて、再生された波面の歪を測定し、該測定された波面の歪の量に基づき、該歪が抑制されるように前記波面を補正するようにしているので、デジタルデータの再生波の歪を補正することができ、これによってホログラムへの高密度記録を可能とすることができる。
また、本発明のホログラム再生波面補正装置によれば、ホログラム記録媒体に対し、参照光を照射して再生光を出力する際に、位相ステップ素子を用いて縞走査を行って再生光の波面の歪を測定し、該測定された波面の歪の量に基づき、波面制御素子にて該歪を抑制するように再生光波面または参照光波面を補正しているので、デジタルデータとして再生された再生波の歪を補正することができ、これによってホログラムへの高密度記録を可能とすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るホログラム再生波面補正装置の主要部を示すものである。なお、このホログラム再生波面補正装置はホログラム再生装置に一体的に組み込まれてなる。
すなわち、レーザ光源1(高可干渉レーザ光源)から射出され、BS(ビームスプリッタ)2により2系に分割された光束(S偏光)のうち、一方は参照光とされ、集光レンズ24を介してホログラム記録媒体25上に照射される。この参照光は、ホログラム記録媒体25にホログラム記録を行う場合に用いられた参照光である。この参照光が所定の入射角をもって照射されると、ホログラム記録媒体25からは、記録された干渉縞により回折された回折光(再生光:S偏光)が射出され、集光レンズ26を介して位相測定用の位相ステップミラー28に照射される。この位相ステップミラー28は、そのミラー面に対して垂直に移動するように駆動され、再生光の位相を変化させ、その変化した位相毎に干渉縞強度分布Iを取得することを可能としたものである。
次に位相ステップミラー28により反射された再生光(S偏光)は波面補償用の波面制御デバイス29に照射され、再生光波面の歪情報に基づいて、当該再生光の波面の歪が補正される。具体的には、2次元光センサ27において検出された再生光の波面歪と逆相の波面歪をコンピュータ51により作成し、この逆相の波面歪を波面制御デバイス29にフィードバックする。
波面制御デバイス29から射出された再生光(S偏光)は、BS(ビームスプリッタ)20Bを介して2次元光センサ27に照射され、上記波面歪の情報を取得することになる。
2次元光センサ27は本来、ホログラム記録情報の読取用に用いられるものであるが、本実施形態においては、このような機能に加えて、波面制御デバイス29において再生光波面の歪を補正するために、現在の波面歪の大きさを検出するセンサとして用いられる。すなわち、この2次元光センサ27により得られた波面歪情報を、前述したように波面制御デバイス29にフィードバックすることにより、波面制御が行われることになる。なお、このような波面制御は、通常、実際のホログラム再生処理に先立って行われる。
この場合、波面歪の量を検出するために、2次元光センサ27上に干渉縞を形成することが必要となるため、2次元光センサ27上には、上記再生光のほかに波面歪測定用参照光(S偏光)が照射される。この波面歪測定用参照光は、上記レーザ光源1から射出され、2系に分割された光束のうち、上記BS2を直進した光から生成されるものであり、ホログラム記録時には物体光を作成するために用いられたものである。実際には、上記BS2から射出された光(S偏光)が、半波長板3により45度偏光とされ、さらにPBS20Aにおいて側方に反射されることにより生成される。
ホログラム記録情報再生時には、物体光を作成する必要はないので、本実施形態では、シャッタ21Aを用いて、レーザ光源1からの光がSLM22やホログラム記録媒体25に照射されないようにしている。したがって、上述したように、PBS20Aにより反射されて生成された波面歪測定用参照光(S偏光)は、SLM22、集光レンズ23、およびホログラム記録媒体25を迂回させて上記BS20Bに入射せしめるようにしている。これにより、BS20Bにおいて、上記再生光と上記波面歪測定用参照光とが合波され、2次元光センサ27上に干渉縞が形成される。
このように、本実施形態のホログラム再生波面補正装置によれば、再生光の波面に生じた種々の要因による波面歪(再生角度変位や再生波面変化)を抑制することができる。ここで、再生光の波面に歪を生じさせる種々の要因とは、例えば、ホログラム記録媒体25の変形が生じた場合が挙げられる。すなわち、ホログラム記録媒体25にフォトポリマ等の材料を用いた場合、感光、重合によって体積収縮が発生する。そのため、再生光のブラッグ再生角度に誤差が生じ、位相に乱れが生じるような場合である。
さらに、上記種々の要因としては、光学系に含まれる収差や空気の擾乱によっても再生光の位相に乱れが生じるような場合が挙げられる。
ところで、本実施形態で扱われるようなデジタルデータの場合には、再生光が離散的な状態となっており、そのままでは、アナログデータのような連続的なデータの再生と同様の処理を行うことはできない。
そこで本実施形態においては、図1に示すように、ピエゾ素子(PZT)等の位相ステップ素子により駆動される位相ステップミラー28を参照光の光路中に配置せしめ、それを例えば位相0、π/2、π、3π/2の各位置に移動するように振動させ、その各位相毎に2次元光センサ27に形成される縞画像の光強度分布を検出する。なお、位相ステップミラー28の駆動は、コンピュータ51からの指示信号に基づいてミラー駆動部52により行われる。この時の各位相毎の光強度分布をI(0)、I(π/2)、I(π)、I(3π/2)で表した場合、各画素点での位相φは下式(1)で表される。
Figure 2007294051
上式(1)を用いて位相φを求める手法は縞走査法と称され(フリンジスキャニング法とも称される)、特に、1周期の間に4つの位相の光強度分布を測定する4ステップ法は演算が簡易となることから、干渉縞測定の分野等において広く普及している(縞走査法の4ステップ法,P. Hariharan;“Optical Interferometry",Elseviery Academic Press, p.99(2003))。
4ステップ法以外にも、0,π/3,2π/3の各位相毎に光強度分布を測定する3ステップ法、π/4,π/2,3π/4の各位相毎に光強度分布を測定する3ステップ法、0,π/2,πの各位相毎に光強度分布を測定する3ステップ法、さらには5ステップ法等を用いることが可能である。
また、上述した波面制御デバイス29においては、予め、波面制御デバイスをインパルス状あるいはステップ状に動作させ、そのレスポンスから系全体のシステム関数を計算する(例えばFFTによるフーリエ変換法を用いる)。そして、その逆行列を計算しておき、フィードバックループのゲインとしてこの逆行列を使用して波面制御デバイス29を駆動することで、歪が補正された平坦な波面を合成することが可能である。
なお、この波面制御デバイス29としては、例えば液晶デバイス、MEMSを使用したデフォーマブルミラー、さらには結晶の電気光学効果やフォトリフラクティブ効果などを利用したものを採用することができる。すなわち、この波面制御デバイス29に照射された再生光に対し、その歪を抑制するように、該再生光の歪と逆位相の歪を付加し得る構成のものであればよい。
以下、本発明に係るホログラム再生波面補正方法の主要部について図面を用いて説明する。
図2は、実施形態に係るホログラム再生波面補正方法における波面補正処理の各ステップを示すフローチャートであり、ホログラム再生波面補正装置としては図1に示す装置を用いた場合を例に挙げて説明する。
すなわち、まず、波面補償用の波面制御デバイス29のアクティブ面をフラットな状態に設定する(S1)。
次に、参照光をホログラム記録媒体25に照射し、これに応じて、偏光ビームスプリッタ20AとSLM22の間に配されているシャッタ21Aを閉状態とするとともにシャッタ21Bを開状態とする(S2)。
次に、位相測定用の位相ステップミラー28を駆動し、縞操作法(例えば上記4ステップ法)を用いて2次元光センサ27により測定された光強度分布に基づき、後述する図3に示すフローチャートに示された手法を用いて、再生光の、アンラッッピングされた位相Φを求める(S3)。
上記ステップS3で求めた位相情報に基づき、再生光の、連続した光波面を求める(S4)。
上記ステップS4により求めた再生光の光波面がフラットとなるように(波面歪が略なくなるように)波面制御デバイス29にフィードバック制御をかける(S5)。
再生光の光波面がフラットとなっているか否かを判断する(S6)。
再生光の光波面がフラットとなっていないと判断された場合はステップS3に戻り、再生光の光波面がフラットになるまでステップS3〜S6の処理を繰り返す。一方、再生光の光波面がフラットとなっていると判断された場合は波面制御処理を終了し、シャッタ21Bを閉状態とする(S7)。
この後、2次元光センサ27を用いてホログラム再生されたデジタルデータを撮像し、読取作業を行う(S8)。
次に、ステップS3で求めた位相情報に基づき、再生光の、アンラッピングされた位相Φを求める上記手法について、以下に説明する。
一般に、光干渉における波面の位相は、−π〜+πの範囲に折りたたまれ(位相ラッピングされ)ており、隣り合う点に2πの位相跳びがある場合には、2πを足したり引いたりして、この折りたたみを解除する(位相アンラッピング)処理を施すことにより位相接続(位相を繋ぎ合わせること)を行う必要がある。また、本実施形態において扱われるデータはデジタルデータであるため、離散的な値となっており、実際に再生されたデータのみによっては、位相接続を行うことができない。そこで、前述したように、各輝点の周囲の光の広がり領域についても位相φを計算することにより、連続データと同様に、アンラッピングされた光波面を求めることができるようにしている。
図3は、本実施形態に係る位相のアンラッピング処理を行う際のフローチャートを示すものである。
図3に示すように、まず、再生光における各輝点の位相φ(ラッピングされた位相)を計算する(S11)。
このとき、光学的な伝達関数(PSF)により各輝点の周囲における光の広がりを定義できるので、その定義された光の広がり領域についても位相φを計算する(S12)。
各輝点とその周囲における光の広がり領域における各位相φの計算結果、および位相計算された各点間の距離に基づき位相の傾斜を計算し、その位相傾斜から各点のアンラッピングされた位相φを推定する(S13)。
次に、各点において、位相跳びなしの場合の位相φの他に、位相跳びありの場合の位相φ±2πを計算し、いずれが上記ステップS13で求めた推定値φに近いかを判定する(S14)。
この判定の結果、位相跳びありと判定された場合には、各点のアンラッピングされた位相Φとして、φ+2πまたはφ−2πを採用する(S15)。一方、この判定の結果、位相跳びなしと判定された場合には、各点のアンラッピングされた位相Φとして、上記φをそのまま採用する(S16)。
同様にして、このようなアンラッピング位相の決定を、全ての輝点とその周囲における光の広がり領域の各点について行う。
この後、各輝点について、最小二乗法によるエラーが最小となったか否かを判定する(S17)。この結果、エラーが最小となっていなければ、再びステップS11〜S17の処理を繰り返すことになり、一方、エラーが最小となっていれば、再生光の光波面の位相を求める処理を終了する。
なお、本発明のホログラム再生波面補正方法および装置としては、上記実施形態に限定されるものでないことは勿論である。
例えば、上記実施形態のものにおいては、再生されたデジタル離散データに施される情報補間処理の一例としてPSFを用いる手法を説明しているが、この情報補間処理としては、PSFを用いたものに限られるものではなく、例えば次のような手法を用いることもできる。
すなわち、D. C. Ghiglia, and N. D. Pritt; "Two-Dimensional Phase Unwrapping: Theory, Algorithms and Software" Wiley, New York (1998) 、なる文献に記載されているアンラッピング演算中になされる情報補間処理である。ただし、このアンラッピング演算におけるFFT変換処理および逆FFT変換処理は、離散FFT変換処理および逆離散FFT変換処理に変更することになる。
また、上記実施形態のものにおいては、図1に示すように、位相ステップミラー(位相ステップ素子)28と、波面制御デバイス(波面制御素子)29とが、ホログラム記録媒体25から射出された再生光の光路中に配設されているが、例えば、図4に示すように、位相ステップミラー(位相ステップ素子)38と、波面制御デバイス(波面制御素子)39とを、ホログラム記録媒体35に照射される前の参照光の光路中に配設することも可能である。
この図4に記載されたホログラム再生波面補正装置は、基本的な作用効果としては、上記図1に記載されたホログラム再生波面補正装置と同様であるから、部材の付番として、対応する図1の部材の付番に10を加えたものを用い、詳細な説明は省略する。
ただし、図1に示す装置においては、波面歪測定時において、波面歪測定用参照光がSLM22を迂回するようにした後再生光と干渉されるようにしているが、図4に示す装置においては、波面歪測定用参照光がSLM32を通過した後、再生光と干渉されるようにしている。このため、波面歪測定用参照光がSLM32において不要な情報を担持されることのないように、SLM32は表示面全面が白状態(画像情報が全く表示されない状態)に設定されるように構成される。
次に、図5は、図4に示す装置を用いた、ホログラム再生波面補正方法を表すフローチャートを示すものである。このフローチャートは、前述した図2についてのフローチャートと類似したステップを有していることから、その類似したステップについては、詳しい説明を省略する。
すなわち、まず、波面補償用の波面制御デバイス39のアクティブ面をフラットな状態に設定する(S21:S1に対応)。
次に、前述したように、SLM32の表示面全面を白状態(画像情報が全く表示されない状態)に設定し、波面歪測定用参照光がSLM32において不要な情報を担持されることのないようにするとともにシャッタ31を開状態とする(S22)。これにより、波面歪測定用参照光がSLM32、集光レンズ33、ホログラム記録媒体35および集光レンズ36を介して2次元光センサ37上に照射される。
一方、参照光が、位相測定用の位相ステップミラー38、波面補償用の波面制御デバイス39および集光レンズ34を介してホログラム記録媒体35に照射される。このとき、位相ステップミラー38を駆動し、続いて、図3に示すフローチャートを用いて説明したように、縞走査法を用いて2次元光センサ37により測定された光強度分布から再生光のアンラッピングされた位相Φを求める(S23:S3に対応)。
次に、上記ステップS23で求めた位相情報に基づき、再生光の連続した光波面を求める(S24:S4に対応)。
上記ステップS24により求めた再生光の光波面がフラットとなるように波面制御デバイス39にフィードバック制御をかける(S25:S5に対応)。
次に、再生光の光波面がフラットとなったか否かを判断する(S26:S6に対応)。
再生光の光波面がフラットとなっていないと判断された場合はステップS23に戻り、再生光の光波面がフラットになるまでステップS23〜S26の処理を繰り返す。一方、再生光の光波面がフラットとなっていると判断された場合は波面制御処理を終了し、シャッタ31を閉状態とする(S27:S7に対応)。
この後、2次元光センサ37を用いてホログラム記録されたデジタルデータを撮像し、読取作業を行う(S28:S8に対応)。
本発明の実施形態に係るホログラム再生波面補正装置の光学系を示す概略図 本発明の実施形態に係るホログラム再生波面補正方法の一部操作ステップを示すフローチャート 本発明の実施形態に係るホログラム再生波面補正方法の演算処理ステップを示すフローチャート 図1に示す装置とは異なる実施形態に係るホログラム再生波面補正装置の光学系を示す概略図 図2に示す方法とは異なる実施形態に係るホログラム再生波面補正方法の演算処理ステップを示すフローチャート デジタルホログラム記録およびデジタルホログラム再生の操作を示す概略図
符号の説明
20A 偏光ビームスプリッタ(PBS)
20B ビームスプリッタ(BS)
21A、21B、31、101 シャッタ
22、32、102 SLM
23、24、26、33、34、36、103、104、106 集光レンズ
25、35、105 ホログラム記録媒体
27、37、107 2次元光センサ
28、38 位相ステップミラー
29、39 波面制御デバイス

Claims (6)

  1. デジタルデータ情報を担持した物体光と、参照光とを干渉させて得られた干渉情報をホログラフィック記録されたホログラム記録媒体に対し、該参照光を照射して前記物体光に係る光波面を再生する際に、該再生された光波面の歪を補正する方法において、
    前記光波面を再生する際に、縞走査法を用いて前記再生された光波面に係る歪量を測定し、該測定された歪量に基づき、該歪とは逆位相の歪を前記参照光または前記ホログラム記録媒体からの再生光の光波面に付加することで、該再生された光波面の歪を補正することを特徴とするホログラム再生波面補正方法。
  2. 再生されたデジタル離散データに対し情報補間処理を施し、再生されたデジタル離散データの各点および該補間された各点について位相を求め、これら求めた全ての点の位相データに対して位相アンラッピング処理を施して位相接続を行うことを特徴とする請求項1記載のホログラム再生波面補正方法。
  3. デジタルデータ情報を担持した物体光と、参照光とを干渉させて得られた干渉情報をホログラフィック記録されたホログラム記録媒体に対し、該参照光を照射して前記物体光に係る光波面を再生するホログラム再生装置において、
    前記再生された光波面の歪を縞走査法を用いて光センサにより測定する際に、該再生された光波面の位相をシフトさせる位相ステップ素子と、該測定された光波面の歪の量に基づき、該歪が抑制されるように前記光波面の位相を補正する波面補償用の波面制御素子とを、前記光波面を再生する際の光路中に配設したことを特徴とするホログラム再生波面補正装置。
  4. 前記位相ステップ素子と前記波面制御素子とを、前記ホログラム記録媒体に照射される参照光の光路中に配設したことを特徴とする請求項3記載のホログラム再生波面補正装置。
  5. 前記位相ステップ素子と前記波面制御素子とを、前記ホログラム記録媒体から射出された再生光の光路中に配設したことを特徴とする請求項3記載のホログラム再生波面補正装置。
  6. 前記光センサは、前記ホログラム記録媒体からの再生データを読み取る際の検出器としても用いられることを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか1項記載のホログラム再生波面補正装置。
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